特許第6869911号(P6869911)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6869911
(24)【登録日】2021年4月16日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】アームレスト
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/75 20180101AFI20210426BHJP
   A47C 7/54 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   B60N2/75
   A47C7/54 B
   A47C7/54 Z
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-22261(P2018-22261)
(22)【出願日】2018年2月9日
(65)【公開番号】特開2019-137220(P2019-137220A)
(43)【公開日】2019年8月22日
【審査請求日】2020年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000219602
【氏名又は名称】住友理工株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000219668
【氏名又は名称】東海化成工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 悟司
(72)【発明者】
【氏名】東小薗 誠
(72)【発明者】
【氏名】林 佳歩
(72)【発明者】
【氏名】大嶋 英揮
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 孝彦
(72)【発明者】
【氏名】牧野 啓二
(72)【発明者】
【氏名】金 俊
(72)【発明者】
【氏名】奥村 剛正
【審査官】 望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−045641(JP,A)
【文献】 特開2013−216162(JP,A)
【文献】 特開2005−119475(JP,A)
【文献】 特開2013−220781(JP,A)
【文献】 特開平11−018875(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/75
A47C 7/54
A47C 7/62
H02G 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート骨格に固定されたブラケットと、
前記ブラケットに回動可能に取り付けられるアームレスト本体と、
前記アームレスト本体の外面に臨んで設けられた機器接続部と、
前記シート骨格における前記ブラケットとは異なる位置に固定されたアームレスト側コネクタと、
一端が前記機器接続部に接続され、他端が前記アームレスト側コネクタに接続されたケーブルとを備え、
前記アームレスト本体は、前記ケーブルを保持して挿通させるケーブル挿通部を有し、
前記ブラケットと前記アームレスト本体のいずれか一方には、前記アームレスト本体の回動に合わせて前記ケーブルの移動を許容する孔が設けられており、
前記ケーブルは、前記ケーブル挿通部に拘束される被拘束部と、前記被拘束部と前記他端との間に設定された余長部と、を有し、
前記余長部は、前記ブラケットの内部に収容されているアームレスト。
【請求項2】
前記孔は長孔である請求項1に記載のアームレスト。
【請求項3】
前記ケーブル挿通部における前記機器接続部と反対側の端部において前記ケーブルを前記アームレスト本体に保持させるケーブル保持部材を備え、
前記長孔は前記ブラケットに設けられたものであって、前記アームレスト本体の回転軸を中心として円弧状に設けられ、前記アームレスト本体の回動に伴って前記ケーブル保持部材から前記ブラケット側に引き出された前記ケーブルが前記長孔に沿って移動する請求項2に記載のアームレスト。
【請求項4】
前記アームレスト本体は、水平姿勢となる水平位置と、垂直姿勢となる垂直位置との間を回動可能とされ、
前記機器接続部は、前記水平位置における前記アームレスト本体の前端側に設けられた前側機器接続部と、前記水平位置における前記アームレスト本体の後端側に設けられた後側機器接続部とを備えて構成されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアームレスト。
【請求項5】
前記後側機器接続部は、前記水平位置において前記アームレスト本体の回転軸を垂直方向に通る垂直軸よりも後方に配置され、前記垂直位置においても前記垂直軸よりも後方に配置されている請求項4に記載のアームレスト。
【請求項6】
前記ブラケットはガイドピンを有し、前記アームレスト本体は前記回転軸を中心として円弧状に設けられ前記アームレスト本体の回動に伴って前記ガイドピンを案内するガイド孔を有している請求項5に記載のアームレスト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、アームレストに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用シートのアームレストとして、特開2016−107686号公報(下記特許文献1)に記載のものが知られている。このアームレストは、開口部を有する箱状の収容体と、ひじ掛け面を有し収容体の開口部を開閉可能な蓋体とを備えたアームレスト本体を具備する。アームレスト本体は車両の固定基部に接続部を介して回動可能に取り付けられている。収容体の内部にはソケットが設けられており、ソケットには携帯機器の接続コードが接続されるようになっている。ソケットの内部ケーブルはアームレスト本体から接続部、固定基部を介してコンソール側ケーブルに接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−107686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のアームレストは運転席と助手席の間に設けられたコンソールに配置されたものであり、アームレスト本体と固定基部の間に接続部を設けるだけの余裕があるため、アームレスト本体の回動時に必要となるケーブルの余長部を接続部の内部に収容することができる。ところが、車両用シートの側面に配置されるアームレストの場合、アームレスト本体が車両用シートの側面に直接取り付けられており、接続部が存在しないため、余長部を設定しにくくなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示されるアームレストは、シート骨格に固定されたブラケットと、前記ブラケットに回動可能に取り付けられるアームレスト本体と、前記アームレスト本体の外面に臨んで設けられた機器接続部と、前記シート骨格における前記ブラケットとは異なる位置に固定されたアームレスト側コネクタと、一端が前記機器接続部に接続され、他端が前記アームレスト側コネクタに接続されたケーブルとを備え、前記アームレスト本体は、前記ケーブルを保持して挿通させるケーブル挿通部を有し、前記ブラケットと前記アームレスト本体のいずれか一方には、前記アームレスト本体の回動に合わせて前記ケーブルの移動を許容する孔が設けられている構成とした。
【0006】
アームレスト本体を回動させた際に、アームレスト本体のケーブル挿通部からブラケットの孔を通ってシート骨格側に引き出されたケーブルがアームレスト本体とともに回動することになる。一方、アームレスト側コネクタはシート側コネクタに接続された状態でシート骨格に固定されているため、ケーブルのうち孔とアームレスト側コネクタとの間の部分には余長部を設定しておく必要がある。そこで、上記の構成によると、ブラケットとアームレスト本体のいずれか一方に孔を設けたから、ケーブルはケーブルの移動を許容する孔の範囲内で自由に移動できることとなり、限られたスペースでも余長部を設定した状態でアームレスト本体を回動させることができる。
【0007】
本明細書によって開示されるアームレストは、以下の構成としてもよい。
前記孔は長孔である構成としてもよい。
孔の具体的な構成としては、長孔以外にバカ孔にすることも考えられるが、長孔にするとブラケットやアームレスト本体内に異物が入り込むことを抑制しやすくなり、その点でバカ孔よりも優れているといえる。
前記ケーブル挿通部における前記機器接続部と反対側の端部において前記ケーブルを前記アームレスト本体に保持させるケーブル保持部材を備え、前記長孔は前記ブラケットに設けられたものであって、前記アームレスト本体の回転軸を中心として円弧状に設けられ、前記アームレスト本体の回動に伴って前記ケーブル保持部材から前記ブラケット側に引き出された前記ケーブルが前記長孔に沿って移動する構成としてもよい。
このような構成によると、長孔がブラケットに設けられたものであり、アームレスト本体の回転軸を中心として円弧状に設けられているため、ケーブル保持部材から長孔までの距離を一定に保つことができる。
【0008】
前記アームレスト本体は、水平姿勢となる水平位置と、垂直姿勢となる垂直位置との間を回動可能とされ、前記機器接続部は、前記水平位置における前記アームレスト本体の前端側に設けられた前側機器接続部と、前記水平位置における前記アームレスト本体の後端側に設けられた後側機器接続部とを備えて構成されているものとしてもよい。
このようにすると、前側シートに座っている乗員は前側機器接続部を使用し、後側シートに座っている乗員は後側機器接続部を使用することにより、前側シートと後側シートで機器接続部を同時に使用することができる。
【0009】
前記後側機器接続部は、前記水平位置において前記アームレスト本体の回転軸を垂直方向に通る垂直軸よりも後方に配置され、前記垂直位置においても前記垂直軸よりも後方に配置されている構成としてもよい。
このような構成によると、水平位置と垂直位置のいずれにおいても後側機器接続部を使用することができる。
【0010】
前記ブラケットはガイドピンを有し、前記アームレスト本体は前記回転軸を中心として円弧状に設けられ前記アームレスト本体の回動に伴って前記ガイドピンを案内するガイド孔を有している構成としてもよい。
このような構成によると、ガイドピンがガイド孔に沿って移動することによりアームレスト本体の回動動作を案内することができる。また、アームレスト本体にかかる荷重が回転軸に集中することを回避し、ガイドピンに荷重を分散させることができる。
【発明の効果】
【0011】
本明細書によって開示されるアームレストによれば、ケーブルの余長部を設定した状態でアームレスト本体を回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】水平位置におけるアームレストの側面図
図2図1におけるA−A線断面図
図3】水平位置におけるアームレストの背面図
図4】垂直位置におけるアームレストの側面図
図5】垂直位置におけるアームレストの背面図
図6】水平位置におけるアームレスト本体をブラケット側から見た側面図
図7】垂直位置におけるアームレスト本体をブラケット側から見た側面図
図8】アームレスト本体の平面図
図9図8におけるB−B線断面図
図10図9におけるC−C線断面図
図11】シート骨格の側面図
図12図11におけるD−D線断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態>
実施形態を図1から図12の図面を参照しながら説明する。本実施形態のアームレスト10は、図示しない車両用シートの側面に装着されるものである。このアームレスト10は、ブラケット30と、アームレスト本体40と、ケーブル80と、シート側コネクタ90とを備えて構成されている。以下の説明では、Z方向を上方とし、Y方向を前方とし、X方向を左方とする。また、複数の同一部材については一の部材にのみ符号を付し、他の部材については符号を省略する場合がある。
【0014】
図1の20は車両用シートを構成するシート骨格であり、シート骨格20は車両用シートの側面部分を構成している。図3に示すように、シート骨格20の側面にはブラケット30が溶接によって固定されている。シート骨格20とブラケット30はいずれも剛性の高い金属をプレス加工することによって形成したものである。図示はしないものの、シート骨格20の周りには背もたれ用クッションが装着されており、この背もたれ用クッションの側面がアームレスト本体40の側面に接触している。
【0015】
ブラケット30は、図3および図6に示すように、シート骨格20側に開口した箱状をなし、シート骨格20側から見ると、横長の略方形とされている。図2に示すように、ブラケット30は上下方向に貫通した上側貫通孔31と下側貫通孔32とを備え、下側貫通孔32の孔縁部のうちシート骨格20側の部分には上方に切り欠かれた切欠き部33が設けられている。
【0016】
ブラケット30のうちシート骨格20と反対側に位置する装着壁34にアームレスト本体40が装着されている。図1に示すように、アームレスト本体40は前後方向に長い形状とされ、合成樹脂製のフレーム41と、フレーム41を覆う表皮42と、フレーム41と表皮42の間に充填された発泡樹脂43とを備えて構成されている。車載環境での温度変化時の熱膨張収縮応力からケーブル80を保護するために、発泡樹脂43は柔軟性を持った材質が望ましく、このような発泡樹脂43としては例えばウレタンフォーム、発泡ビーズ、TIPウレタンなどを用いることができる。
【0017】
図2に示すように、アームレスト本体40は上下方向に長い長方形の断面形状とされ、ボルト70の軸部71を回転軸としてブラケット30の装着壁34に回動可能に装着されている。フレーム41には、ボルト70の軸部71を通すボルト孔44が設けられ、ボルト孔44の孔縁部とボルト70の頭部72との間にはワッシャ73が挟持されている。装着壁34には、ボルト70の軸部71を通すボルト孔35が設けられ、ボルト孔35を貫通した軸部71がブラケット30内に突出している。軸部71にはナット74が螺合しており、ボルト孔35の孔縁部とナット74との間にはワッシャ73が挟持されている。
【0018】
装着壁34の下部におけるアームレスト本体40側の面にはガイドピン36が突出して設けられている。一方、フレーム41には、図6に示すように、ボルト70の軸部71を中心として円弧状に延びるガイド孔45が設けられている。ガイドピン36はガイド孔45に嵌まり込んでおり、ガイドピン36がガイド孔45に沿って移動することによりアームレスト本体40の回動動作が案内されるようになっている。また、アームレスト本体40に荷重がかかった場合に、ボルト70の軸部71だけ荷重が集中せず、ガイドピン36にも荷重が分散されるようになっている。
【0019】
アームレスト本体40は、図6に示す水平位置と、図7に示す垂直位置との間を回動可能とされている。アームレスト本体40は、水平位置では水平方向に延びる水平姿勢をとり、垂直位置では垂直方向に延びる垂直姿勢をとる。水平位置におけるアームレスト本体40の前端部には前側機器接続部46が設けられ、水平位置におけるアームレスト本体40の後端部には後側機器接続部47が設けられている。これらの機器接続部46、47は、例えば携帯機器などを接続するのに使用されるUSB(Universal Serial Bus)コネクタが差し込まれるUSBポートとされている。
【0020】
アームレスト本体40は、図6に示すように、乗員がひじを掛けるひじ掛け面48を有している。ひじ掛け面48の前縁には、下方に向かうほど後方に向かう前側傾斜面49が連なっており、ひじ掛け面48の後縁には、後方に向かうほど緩やかに下方に向かう後側傾斜面50が連なっている。前側機器接続部46は前側傾斜面49からわずかに突出してアームレスト本体40の外面に臨んでおり、後側機器接続部47は後側傾斜面50からわずかに突出してアームレスト本体40の外面に臨んでいる。
【0021】
後側機器接続部47は、図6に示すように、水平位置においてボルト70の軸部71を垂直方向に通る垂直軸Pよりも後方に配置されている。また、後側機器接続部47は、図7に示すように、垂直位置においてボルト70の軸部71を垂直方向に通る垂直軸Pよりも後方に配置されている。このため、水平位置と垂直位置のいずれにおいても後側シートの乗員が後側機器接続部47にUSBコネクタなどを差し込むことができる。
【0022】
前側機器接続部46は、図9に示すように、フレーム41の前端部に開口して設けられた前側開口部51の内部に装着されている。前側機器接続部46の両側には一対の前側係止片46Aが設けられており、前側開口部51の内部には一対の前側係止片46Aが係止した前側被係止部51Aが設けられている。これにより、前側機器接続部46は前側開口部51から抜けないように保持されている。
【0023】
同様に、後側機器接続部47は、フレーム41の後端上部に開口して設けられた後側開口部52の内部に装着されている。後側機器接続部47の両側には一対の後側係止片47Aが設けられており、後側開口部52の内部には一対の後側係止片47Aが係止した後側被係止部52Aが設けられている。これにより、後側機器接続部47は後側開口部52から抜けないように保持されている。
【0024】
フレーム41の側面には、ケーブル80を保持して挿通させるケーブル挿通部53が凹設されている。ケーブル挿通部53内の両側壁には複数の保持爪54が設けられている。ケーブル80をケーブル挿通部53の内部に押し込むと、複数の保持爪54によってケーブル80が両側から押圧されて保持される。ケーブル挿通部53は、前後方向に延びる第1配索路53Aと、第1配索路53Aの途中から上方に分岐して後方に向かう第2配索路53Bとを有している。第1配索路53Aの前端部は前側開口部51に連結され、第2配索路53Bの後端部は後側開口部52に連結されている。
【0025】
ケーブル挿通部53における第1配索路53Aの後端部にはケーブル保持部材55が装着されている。ケーブル保持部材55は合成樹脂製であって、図10に示すように、ケーブル80の被拘束部83を拘束して保持する拘束部55Aと、フレーム41に設けられた保持孔56に嵌合してフレーム41に保持される嵌合部55Bとを有している。
【0026】
第1配索路53Aに配索されたケーブル80の一端81は前側機器接続部46に接続され、第2配索路53Bに配索されたケーブル80の一端81は後側機器接続部47に接続されている。一方、ケーブル80の他端82は図12に示すアームレスト側コネクタ57に接続されている。アームレスト側コネクタ57は、シート側コネクタ90と嵌合するコネクタ嵌合部57Aと、シート骨格20に取り付け固定される取付部材57Bとを有している。取付部材57Bはコネクタ嵌合部57Aに対して着脱可能に固定されている。図12に示すように、取付部材57Bには、シート骨格20に設けられた取付孔21に嵌合する取付突部57Cが設けられている。
【0027】
さて、ブラケット30の装着壁34にはケーブル80を挿通させる長孔37が設けられている。長孔37はボルト70の軸部71を中心として円弧状に設けられている。また、長孔37の一端37Aは、図6に示す垂直位置において、側面視におけるアームレスト本体40のケーブル保持部材55の位置に重複しており、図7に示す垂直位置において、側面視におけるアームレスト本体40のケーブル保持部材55の位置に重複している。また、長孔37の一端37Aは長孔37の他端37Bよりも大きめとされ、円孔状に形成されている。ケーブル80のうち、被拘束部83から長孔37を通過して他端82までの部分がアームレスト本体40の外部に引き出され、他端82がケーブル保持部材55によってアームレスト本体40に固定されている。長孔37はボルト70の軸部71を中心として円弧状に設けられているため、アームレスト本体40を回動させた場合でも被拘束部83から長孔37までの距離は一定である。
【0028】
一方、ケーブル80の他端82はシート骨格20に固定されているため、ケーブル80のうち長孔37を通過した部分から他端82までの距離は、アームレスト本体40を回動させた場合に変動することになる。つまり、アームレスト本体40が回動すると、ケーブル80の被拘束部83から他端82までの距離は、被拘束部83が他端82から相対的に移動した分だけ変動する。したがって、ケーブル80の被拘束部83が他端82から最も離れた位置に変位してもケーブル80が引っ張られて切断しないように、アームレスト本体40の回動位置にかかわらず被拘束部83と他端82との間には余長部84を設定しておく必要がある。図2に示すように、余長部84はブラケット30の内部に収容されている。
【0029】
図6に示すように、アームレスト本体40が水平位置にあるときには、ケーブル保持部材55に保持された被拘束部83がアームレスト側コネクタ57に最も近い位置に配されており、余長部84が撓んだ状態となっている。一方、図7に示すように、アームレスト本体40が垂直位置にあるときには、ケーブル保持部材55に保持された被拘束部83がアームレスト側コネクタ57から最も離れた位置に配されるため、余長部84が直線状に伸びた状態となっている。しかし、垂直位置では余長部84は完全に伸び切った状態ではなく、余長部84としての機能は未だ確保されており、ケーブル80が切断することはないものとされている。
【0030】
本実施形態は以上のような構成であって、続いてその作用を説明する。まず、アームレスト本体40の製造方法について簡単に説明する。フレーム41の前側開口部51および後側開口部52にケーブル80の一端81を前通ししておき、前側開口部51から引き出されたケーブル80の一端81に前側機器接続部46を接続し、後側開口部52から引き出されたケーブル80の一端81に後側機器接続部47を接続する。次に、前側機器接続部46を前側開口部51に装着するとともに、後側機器接続部47を後側開口部52に装着する。
【0031】
次に、ケーブル80をケーブル挿通部53に押し込んで保持爪54により保持させる。これと併行して、ケーブル保持部材55の拘束部55Aによりケーブル80の被拘束部83を拘束し、嵌合部55Bを保持孔56に嵌合することによりケーブル保持部材55をフレーム41に固定する。この後、フレーム41を表皮42で覆い、金型にセットする。フレーム41と表皮42の間に発泡樹脂43を注入し、アームレスト本体40を成形する。
【0032】
次に、アームレスト本体40をブラケット30に取り付ける手順について説明する。フレーム41から引き出されたケーブル80の他端82をブラケット30の長孔37に挿通し、ブラケット30の装着壁34とアームレスト本体40とをボルト70とナット74により連結する。このとき、ブラケット30のガイドピン36はフレーム41のガイド孔45に挿入される。こうして、アームレスト本体40はブラケット30に対して回動可能に装着される。また、ガイドピン36がガイド孔45に沿って移動することによりアームレスト本体40の回動動作が案内される。
【0033】
次に、ケーブル80の他端82にアームレスト側コネクタ57を接続し、アームレスト側コネクタ57のコネクタ嵌合部57Aをシート側コネクタ90に嵌合させる。そして、アームレスト側コネクタ57の取付部材57Bをシート骨格20に取り付けることでアームレスト側コネクタ57をシート骨格20に固定する。アームレスト本体40が水平位置に配置された状態では、図6に示すように、ケーブル80の余長部84がブラケット30の内部に収容されている。
【0034】
次に、アームレスト本体40を水平位置から垂直位置へ回動させると、アームレスト本体40の回動に伴ってケーブル保持部材55からブラケット30側に引き出されたケーブル80が長孔37に沿って移動し、図7に示すように、余長部84が直線状に伸ばされた状態となる。仮に長孔37が設けられておらず、ケーブル80を挿通させることができる円孔が設けられていたとすると、垂直位置での被拘束部83から円孔までの距離が長くなり、ケーブル80が円孔を経由して迂回する必要があるため、余長部が極めて長くなることが想定される。その点、本実施形態ではアームレスト本体40の回動方向に延びる形態で長孔37を設けたから、ケーブル80を迂回させる必要がなく、余長部84を短くすることができる。すなわち、長孔37を設けたことで余長部84の長さを最小限の長さに留めることができ、限られたスペースでも余長部84を設定することができる。
【0035】
以上のように本実施形態では、アームレスト本体40を回動させた際に、アームレスト本体40のケーブル挿通部53からブラケット30の孔(長孔37)を通ってシート骨格20側に引き出されたケーブル80がアームレスト本体40とともに回動することになる。一方、アームレスト側コネクタ57はシート側コネクタ90に接続された状態でシート骨格20に固定されているため、ケーブル80のうち孔とアームレスト側コネクタ57との間の部分には余長部84を設けておく必要がある。そこで、上記の構成によると、ブラケット30とアームレスト本体40のいずれか一方に孔を設けたから、ケーブル80はケーブル80の移動を許容する孔の範囲内で自由に移動できることとなり、限られたスペースでも余長部84を設定した状態でアームレスト本体40を回動させることができる。
【0036】
前記孔は長孔37である構成としてもよい。
孔の具体的な構成としては、長孔37以外にバカ孔にすることも考えられるが、長孔37にするとブラケット30やアームレスト本体40内に異物が入り込むことを抑制しやすくなり、その点でバカ孔よりも優れているといえる。
ケーブル挿通部53における機器接続部(前側機器接続部46、後側機器接続部47)と反対側の端部においてケーブル80をアームレスト本体40に保持させるケーブル保持部材55を備え、長孔37はブラケット30に設けられたものであって、アームレスト本体40の回転軸(ボルト70の軸部71)を中心として円弧状に設けられ、アームレスト本体40の回動に伴ってケーブル保持部材55からブラケット30側に引き出されたケーブル80が長孔37に沿って移動する構成としてもよい。
このような構成によると、長孔37がブラケット30に設けられたものであり、アームレスト本体40の回転軸を中心として円弧状に設けられているため、ケーブル保持部材55から長孔37までの距離を一定に保つことができる。
【0037】
アームレスト本体40は、水平姿勢となる水平位置と、垂直姿勢となる垂直位置との間を回動可能とされ、機器接続部は、水平位置におけるアームレスト本体40の前端側に設けられた前側機器接続部46と、水平位置におけるアームレスト本体40の後端側に設けられた後側機器接続部47とを備えて構成されているものとしてもよい。
このようにすると、前側シートに座っている乗員は前側機器接続部46を使用し、後側シートに座っている乗員は後側機器接続部47を使用することにより、前側シートと後側シートで機器接続部を同時に使用することができる。
【0038】
後側機器接続部47は、水平位置においてアームレスト本体40の回転軸を垂直方向に通る垂直軸Pよりも後方に配置され、垂直位置においても垂直軸Pよりも後方に配置されている構成としてもよい。
このような構成によると、水平位置と垂直位置のいずれにおいても後側機器接続部47を使用することができる。
【0039】
ブラケット30はガイドピン36を有し、アームレスト本体40は回転軸を中心として円弧状に設けられアームレスト本体40の回動に伴ってガイドピン36を案内するガイド孔45を有している構成としてもよい。
このような構成によると、ガイドピン36がガイド孔45に沿って移動することによりアームレスト本体40の回動動作を案内することができる。また、アームレスト本体40にかかる荷重が回転軸に集中することを回避し、ガイドピン36に荷重を分散させることができる。
【0040】
<他の実施形態>
本明細書によって開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
(1)上記実施形態ではブラケット30に長孔37を設けていたものの、アームレスト本体40に長孔を設け、アームレスト本体40内に余長部を設定してもよい。
【0041】
(2)上記実施形態では長孔37はボルト70の軸部71を中心として円弧状に設けられているものの、長孔は直線状でもよいし、長孔よりも大きなバカ孔としてもよい。
【0042】
(3)上記実施形態ではアームレスト本体40に前側機器接続部46と後側機器接続部47が設けられているものの、前側機器接続部46と後側機器接続部47のいずれか一方のみをアームレスト本体40に設けてもよい。
【0043】
(4)上記実施形態では後側機器接続部47が垂直軸Pよりも後方に設けられているものの、後側機器接続部は後側のシートの乗員が使用できる箇所に設けてあればよく、垂直軸Pよりも前方に設けられていてもよい。
【0044】
(5)上記実施形態ではブラケット30にガイドピン36が設けられているものの、アームレスト本体40にガイドピンを設けてもよい。
【0045】
(6)上記実施形態では機器接続部としてUSBポートを例示しているものの、機器用接続部はイヤホンジャックやシガーソケットなどでもよい。
【符号の説明】
【0046】
10…アームレスト
20…シート骨格
30…ブラケット
36…ガイドピン
37…長孔(孔)
40…アームレスト本体
45…ガイド孔
46…前側機器接続部
47…後側機器接続部
53…ケーブル挿通部
55…ケーブル保持部材
57…アームレスト側コネクタ
70…ボルト
71…軸部(回転軸)
80…ケーブル
81…一端
82…他端
P…垂直軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図11
図12