特許第6869924号(P6869924)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6869924
(24)【登録日】2021年4月16日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】スタッド係止具
(51)【国際特許分類】
   F16B 37/08 20060101AFI20210426BHJP
【FI】
   F16B37/08 B
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-137634(P2018-137634)
(22)【出願日】2018年7月23日
(65)【公開番号】特開2020-16250(P2020-16250A)
(43)【公開日】2020年1月30日
【審査請求日】2019年9月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】390025243
【氏名又は名称】ポップリベット・ファスナー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100103849
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 誠
(72)【発明者】
【氏名】青島 雄樹
(72)【発明者】
【氏名】松野 浩人
(72)【発明者】
【氏名】新本 純己
【審査官】 竹村 秀康
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−150477(JP,A)
【文献】 特開2015−121234(JP,A)
【文献】 特開2017−187046(JP,A)
【文献】 特開2005−090681(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0044782(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 17/00−25/08
25/14−29/04
F16B 5/00− 5/12
21/00−43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1クリップと第2クリップとを備え、スタッドに取付けるスタッド係止具であって、 前記第1クリップは、第1フランジと、
前記第1フランジに隣接し、貫通孔を有する内筒部と、
前記内筒部に形成され、前記スタッドに係合するための係止爪と、を有し、
前記第2クリップは、第2フランジと、
前記内筒部を収容することのできる外筒収容部を有する外筒部と、
前記外筒部に隣接し、前記スタッドの先端部を前記貫通孔に案内するための案内面を有する斜面部と、を有し、
前記第1クリップの前記内筒部は、前記第1フランジに隣接する大径内筒部と、前記大径内筒部に隣接し、前記大径内筒部より小径の小径内筒部と、前記小径内筒部に隣接し、前記小径内筒部より大径の内筒部端部とを有し、
前記第2クリップの前記外筒部は一対の係合爪を有し、前記一対の係合爪の係合爪底面の対向する間隔は、前記第1クリップの前記内筒部端部の外径より小さく、
前記第1クリップの前記内筒部端部の高さ方向長さは、前記第2クリップの前記係合爪の前記係合爪底面から、前記外筒収容部の収容部底面までの高さ方向長さより短く、
前記第1クリップは、前記内筒部端部の上面が前記係合爪底面に当接する位置から、前記内筒部端部の下面が前記収容部底面に当接する位置まで、高さ方向に一定の距離だけ移動可能である、ことを特徴とするスタッド係止具。
【請求項2】
請求項に記載のスタッド係止具であって、
前記第1クリップの前記内筒部端部の上面は平面であり、
前記第2クリップの前記一対の係合爪の前記係合爪底面は平面であり、
前記第2クリップの前記一対の係合爪の前記係合爪底面は、前記第1クリップの前記内筒部端部の前記上面より上方に位置し、前記第1クリップは抜け止めされているスタッド係止具。
【請求項3】
請求項に記載のスタッド係止具であって、
前記第1クリップが抜け止めされた状態で、
前記第1フランジの下面と前記第2フランジの上面との間は、一定の間隔より近づかないように規制されるスタッド係止具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ねじスタッド等のスタッドが立設された自動車のパネル等の被取付部材に、アンダーカバー等のシート状の取付部材を取付けるのに用いる係止具に関する。より詳しくは、取付部材を保持した係止具を被取付部材に立設されたスタッドに係止することによって、被取付部材に取付部材を取付けるのに用いるスタッド係止具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車のパネル等の被取付部材にアンダーカバー等のシート状の取付部材を取付けるのに係止具を用いている。アンダーカバーのような幅広のシート状の取付部材をパネルに取付けるには、被取付部材の複数の所定位置にスタッドを溶接等により固着しておき、取付部材にはそれらのスタッドを受入れる取付孔を所定位置に形成しておく。被取付部材に立設されたスタッドが、取付部材の取付孔を通るようにし、取付部材の取付孔から突出したスタッドにナットを係合させる。こうして、取付部材を自動車のパネル等の被取付部材に取付ける。
【0003】
取付部材の取付作業を容易にするため、2部品からなる係止具により、取付部材を両側から挟持した状態で、係止具のスタッド受入孔にスタッドを受け入れて取付部材を取付けるスタッド係止具が知られている。
特許文献1は、このような第1クリップと第2クリップとからなる固定具(スタッド係止具)を開示する。第1クリップは、内筒部と、内筒部の一端部に形成されたフランジと、内筒部内側の係止爪とを有する。第2クリップは、外筒部と、外筒部の一端部に形成されたフランジとを有する。特許文献1の固定具は、シート状の取付部材を第1クリップのフランジと第2クリップのフランジとで挟持するように取付ける。自動車のパネル等の被取付部材に立設された複数のスタッドに固定具を係止することによって、取付部材を被取付部材に取付ける。
【0004】
図22に、特許文献1の固定具1'を示す。固定具1'は、一体成形された硬質の合成樹脂製の第1クリップ2と、一体成形された硬質の合成樹脂製の第2クリップ3とからなる。第1クリップ2は、内筒部2bと、内筒部2bの一端部に形成されたフランジ2aとを有する。第2クリップ3は、外筒部3bと、外筒部3bの一端部に形成されたフランジ3aとを有する。
第1クリップ2の内筒部2bをシート状の取付部材5の取付孔9に挿入し、第2クリップ3の外筒部3bの中に第1クリップ2の内筒部2bを挿入する。第1クリップ2のフランジ2aと、第2クリップ3のフランジ3aとの間に、取付部材5が挟持されて、第1クリップ2と第2クリップ3とが連結される。固定具1'のスタッド受入孔に、自動車のパネル等の被取付部材6に立設されたスタッド7を挿入すると、第1クリップ2の係止爪4がスタッド7のねじ山に係合して係止され、取付部材5が被取付部材6に取付けられる。
第1クリップ2のフランジの中央に、六角孔8が形成され、その六角孔8に六角レンチを係合させて回転させることにより、スタッド7に固定具1'を更にきつく締め、又は取外すことができる。
【0005】
特許文献1の係止具は、スタッドを第1クリップのスタッド受入孔に受入れるための底面のテーパ部がない。そのため、スタッドをスタッド受入孔に挿入するとき、スタッドはスタッド受入孔に案内されないので、スタッドの位置をスタッド受入孔に合わせて挿入する必要がある。
【0006】
特許文献2は、取付部品の位置決めを容易にする取付具を開示する。被取付部材からスタッドが突設され、スタッドは取付部品の取付孔に挿通され、スタッドの外周面のねじ部に取付具が係止される。取付具は、取付部品の取付孔に当接する弾性部と、スタッドのネジ部に係止される係止部とからなるクリップと、このクリップにスタッドを案内する案内部材とを備える。
取付部品にスタッドを押し込むと、スタッドは案内部材に沿ってスライドすると同時に、弾性部が伸縮して、係止部とスタッドの軸心が一致した状態で、係止部内に挿入される。こうして、取付具の係止部は、スタッドのネジ部に係止される。
【0007】
特許文献2の取付具は、スタッドの軸心が取付孔の中心とずれた位置に配置された場合でも、スタッドの先端を案内部材の案内孔のテーパ面に押し当てれば、スタッドは案内孔に沿ってスライドし、係止部内に挿入される。
しかし、特許文献2の案内部材は、薄い板状であり、スタッドを案内できる範囲は限られている。
また、取付部品の取付孔に弾性部が入り、弾性部が伸縮してスタッドと軸心が一致するようにする。取付部品は軸心と直角方向には容易に動かすことができない。そのため、スタッドの位置にばらつきがあると、係止部内に挿入しにくくなる。
【0008】
従来のクリップに設けたスタッドの先端をガイドする構造は、クリップがスタッドをガイドできる範囲を大きくすると、スタッドを挿入するとき、第1クリップと第2クリップで取付部品を挟み込む力が増大し、スタッドの横方向へのスライドしやすさが損なわれるという欠点がある。
【0009】
そのため、スタッドが立設された自動車のパネル等の被取付部材にアンダーカバー等の取付部材を取付けるとき、スタッドを広い範囲でガイドできるようにしつつ、スタッドをガイドする時のスライド性が損なわれないスタッド係止具が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−292146号公報
【特許文献2】特開2006−70975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の目的は、スタッドが立設された自動車のパネル等の被取付部材にアンダーカバー等の取付部材を取付けるスタッド係止具において、スタッドをガイドする範囲が広く、しかもスライド性が損なわれないスタッド係止具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的を達成するため、本発明では、第1クリップと第2クリップを組み立てて、第1クリップの第1フランジの下面と第2クリップの第2フランジの上面とで取付部材を挟むと、第2クリップの係合爪が、第1クリップの内筒部端部に噛み合い、第2クリップに対して第1クリップは抜け止めされる。
第1クリップを更に押し込むと、第1フランジの内筒部端部の下面は、第2クリップの収容部底面に当接し、第1フランジと第2フランジとの隙間が、所定の長さより狭くならないように規制される。そのため、第1クリップのフランジと第2クリップのフランジとが、取付部材を挟む力は、一定以上に増大しない。そのため、取付部材は、第1クリップと第2クリップに対してスライドさせることができる。
【0013】
本発明の第1の態様は、第1クリップと第2クリップとを備え、スタッドに取付けるスタッド係止具であって、
前記第1クリップは、第1フランジと、前記第1フランジに隣接し、貫通孔を有する内筒部と、前記内筒部に形成され、前記スタッドに係合するための係止爪と、を有し、
前記第2クリップは、第2フランジと、前記内筒部を収容することのできる外筒収容部を有する外筒部と、前記外筒部に隣接し、前記スタッドの先端部を前記貫通孔に案内するための案内面を有する斜面部と、を有する、ことを特徴とするスタッド係止具である。
【0014】
第1クリップが、内筒部に形成され、スタッドに係合するための係止爪を有し、
第2クリップが、内筒部を収容することのできる外筒収容部を有する外筒部を有すると、外筒部の内側に、第1クリップの内筒部を収容することができる。
第1クリップより大きい外径を有する第2クリップが、スタッドの先端部を案内するための案内面を有する斜面部を有すると、スタッドを案内する範囲を広くすることができる。
【0015】
前記第1クリップの前記内筒部は、前記第1フランジに隣接する大径内筒部と、前記大径内筒部に隣接し、前記大径内筒部より小径の小径内筒部と、前記小径内筒部に隣接し、前記小径内筒部より大径の内筒部端部とを有し、
前記第2クリップの前記外筒部は一対の係合爪を有し、前記一対の係合爪の係合爪底面の対向する間隔は、前記第1クリップの前記内筒部端部の外径より小さいことが好ましい。
【0016】
第1クリップの内筒部が、小径内筒部に隣接し、小径内筒部より大径の内筒部端部を有し、第2クリップの外筒部が内筒部端部に係合する一対の係合爪を有すると、第1クリップと第2クリップを組み立てた状態で保持することができる。
【0017】
前記第1クリップの前記内筒部端部の上面は平面であり、
前記第2クリップの前記一対の係合爪の前記係合爪底面は平面であり、
前記第2クリップの前記一対の係合爪の前記係合爪底面は、前記第1クリップの前記内筒部端部の前記上面より上方に位置し、前記第1クリップは抜け止めされていることが好ましい。
【0018】
第2クリップの一対の係合爪の係合爪底面が、第1クリップの内筒部端部の上面より上方に位置し、第1クリップが抜け止めされると、第2クリップと第1クリップが外れる心配がなくなる。
【0019】
前記第1クリップが抜け止めされた状態で、前記第1フランジの下面と前記第2フランジの上面との間は、一定の間隔より近づかないように規制されることが好ましい。
【0020】
第1フランジの下面と第2フランジの上面との間が、一定の間隔を保持されると、第1フランジの下面と第2フランジの上面で取付部材を強く挟むことがなく、スタッド係止具を付けるとき、取付部材を第1フランジと第2フランジの間で横方向にスライドさせることができる。
【0021】
前記第1クリップの前記内筒部端部の高さ方向長さは、前記第2クリップの前記係合爪の前記係合爪底面から、前記外筒収容部の収容部底面までの高さ方向長さより短く、
前記第1クリップは、前記内筒部端部の前記上面が前記係合爪底面に当接する位置から、前記内筒部端部の下面が前記収容部底面に当接する位置まで、高さ方向に一定の距離だけ移動可能であることが好ましい。
【0022】
第1クリップが、高さ方向に一定の距離だけ移動可能であると、それ以上の距離は動かず、取付部材を第1フランジと第2フランジで強く挟むことがない。
【0023】
本発明の第2の態様は、第1クリップと第2クリップとを備えるスタッド係止具により、被取付部材に立設されたスタッドに取付部材を取付けた取付構造であって、
前記第1クリップは、第1フランジと、前記第1フランジに隣接し、段の付いた内筒部端部を有する内筒部と、前記第1フランジから前記内筒部端部まで貫通する貫通孔と、前記内筒部に形成され、前記スタッドに係合するための係止爪と、を有し、
前記第2クリップは、第2フランジと、前記内筒部を収容することのできる外筒収容部と、前記内筒部端部に係合するための一対の係合爪とを有する外筒部と、前記外筒部に隣接し、前記スタッドの先端部を貫通孔に案内するための案内面を有する斜面部と、を有し、
前記第2クリップの前記一対の係合爪の係合爪底面は、前記第1クリップの前記内筒部端部の上面より上方に位置し、前記第1クリップは抜け止めされていて、
前記第1クリップの前記内筒部端部の下面が、前記第2クリップの収容部底面に当接し、前記第1フランジの下面と前記第2フランジの上面との間は、一定の間隔より近づかないように規制され、前記第1フランジの前記下面と前記第2フランジの前記上面との間に前記取付部材が挟まれて取付けられ、
前記スタッドは前記第1クリップの前記貫通孔を通って、前記第1クリップの前記係止爪は前記スタッドのねじ山に係合して、前記スタッドは抜けないように保持されていることを特徴とする取付構造である。
【0024】
上記構造により、第2クリップの一対の係合爪により、第1クリップは抜け止めされ、第1フランジの下面と第2フランジの上面との間は一定の間隔が保たれて、取付部材は第1クリップと第2クリップとにより、適度な力で両側から挟持され、被取付部材に固着されたスタッドのねじ山に第1クリップの係止爪が係合することにより、被取付部材に取付部材を簡単に確実に取付けることが出来る。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、自動車のパネル等の被取付部材にアンダーカバー等の取付部材を取付けるとき、スタッドをガイドする距離を大きくしても、スライド性が損なわれないスタッド係止具を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の1実施形態のスタッド係止具の第1クリップの斜視図である。
図2図1の第1クリップの別の方向から見た斜視図である。
図3図1の第1クリップの平面図である。
図4図1の第1クリップの正面図である。
図5図1の第1クリップの下面図である。
図6図1の第1クリップの右側面図である。
図7図1の第1クリップの図3のA−A線端面図である。
図8図1の第1クリップの図3のB−B線端面図である。
図9】本発明の1実施形態のスタッド係止具の第2クリップの斜視図である。
図10図9の第2クリップの別の方向から見た斜視図である。
図11図9の第2クリップの平面図である。
図12図9の第2クリップの正面図である。
図13図9の第2クリップの下面図である。
図14図9の第2クリップの右側面図である。
図15図9の第2クリップの図11のA−A線端面図である。
図16図9の第2クリップの図11のB−B線端面図である。
図17】本発明の1実施形態の図1の第1クリップと図9の第2クリップを組み立てたスタッド係止具の斜視図である。
図18図17のスタッド係止具の平面図である。
図19図17のスタッド係止具により取付部材を挟み、被取付部材に立設したスタッドにスタッド係止具を取り付けた状態の正面図である。
図20】本発明の1実施形態の第1クリップと第2クリップの間に、取付部材を挟み、スタッドを挿入する前の段階の図18のA−A線端面図である。
図21図20の段階からスタッドを挿入した段階の図18のA−A線端面図である。
図22】従来のスタッド係止具を用いて、取付部材をスタッド付きの被取付部材に取付けた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。本発明の1実施形態によるスタッド係止具1は、図1図8に示す一体成形された硬質の合成樹脂製の第1クリップ10と、図9図16に示す一体成形された硬質の合成樹脂製の第2クリップ30とからなる。
【0028】
(第1クリップ)
図1図8を参照して、第1クリップ10について説明する。図1は、本発明の1実施形態のスタッド係止具1の第1クリップ10の斜視図である。図2は、第1クリップ10の別の方向から見た斜視図である。図3は第1クリップ10の平面図、図4は正面図、図5は下面図、図6は右側面図である。図7は、第1クリップ10の図3のA−A線端面図である。図8は、第1クリップ10の図3のB−B線端面図である。
【0029】
図4図6に示すように、第1クリップ10は、上端部に第1フランジ11を有する。第1フランジ11は、大径の円板状である。図3に示すように、第1フランジ11の上面には、8本のフランジリブ12が放射状に延びている。フランジリブ12は、薄肉の第1フランジ11を補強している。第1フランジ11の下面は平面である。
【0030】
図4に示すように、第1クリップ10は、第1フランジ11に隣接して、内筒部を有する。内筒部は、大径内筒部14と、小径内筒部15と、内筒部端部16とからなる。
大径内筒部14は、第1フランジ11から中心軸に沿って軸方向に延びる。
第1クリップ10は、大径内筒部14に隣接して、大径内筒部14より小径の小径内筒部15を有する。図8に示すように、大径内筒部14と小径内筒部15の間は、直角方向に段が付いた段部となっている。小径内筒部15は、中心軸の周りに円周方向に延びる2つの部分からなり、2つの部分の間は窓となっている。窓には、後述する係止爪25が形成されている。
第1クリップ10は、小径内筒部15に隣接して、内筒部端部16を有する。小径内筒部15と内筒部端部16の間は、直角方向に段が付いた段部となっている。内筒部端部16の外径は、大径内筒部14の外径とほぼ同じである。内筒部端部16は、高さ方向の長さが短く、上面と下面は平面である。後述するように、内筒部端部16は、第1クリップ10側のストッパとして作用する。
【0031】
図8に示すように、第1クリップ10の第1フランジ11から内筒部端部16まで、中心軸に沿って貫通孔が形成されている。貫通孔は、スタッド70を通すための孔である。貫通孔は、第1フランジ11と大径内筒部14の内側は、内径の大きい大径孔21である。大径孔21の内側には、第1フランジ11の上面から大径孔21の端部まで、4本の突状23が高さ方向に延びる。突状23にドライバー等の工具の先端部を当てて、第1クリップ10を回転させることができる。
図8に示すように、貫通孔は、小径内筒部15と内筒部端部16の内側は、内径の小さい小径孔22である。小径孔22の内径は、大径孔21の内側に対向する突状23間の距離に等しい。
【0032】
図6図7に示すように、内筒部端部16から、小径内筒部15が無い周方向の位置で、一対の係止爪25が上方向に延びる。係止爪25の先端部は、内側に曲がり、係止爪先端部25aとなっている。係止爪先端部25aの縁部は、スタッド70の雄ねじの外径に適合するように凹状の形状である。
一対の係止爪25の係止爪先端部25aは、高さ方向の位置が異なっていて、スタッド70の雄ねじの山部の左右の高さの違いに対応できるようになっている。
1つの係止爪25に係止爪先端部25aは1つだけ形成されている。係止爪25の高さ方向の寸法が小さく、スタッド係止具1の全体の高さを低くすることができる。
【0033】
第1フランジ11の大径内筒部14の半径方向外側の対向する位置に、一対のフランジ孔13が形成されている。フランジ孔13は、工具を係合させて第1クリップ10と第2クリップ30を回転させ取り外すため設けられている。
【0034】
(第2クリップ)
図9図16を参照して、第2クリップ30について説明する。図9は、本発明の1実施形態のスタッド係止具1の第2クリップ30の斜視図である。図10は、第2クリップ30の別の方向から見た斜視図である。図11は第2クリップ30の平面図、図12は正面図、図13は下面図で、図14は右側面図である。図15は、第2クリップ30の図11のA−A線端面図である。図16は、第2クリップ30の図11のB−B線端面図である。
【0035】
第2クリップ30は、上端部に大径の第2フランジ31を有する。第2フランジ31の上面は、取付部材51の下面に接面する。
第2フランジ31の外縁部には、斜め上方に向かって延びる弾性縁部32が形成されている。弾性縁部32は、取付部材51の下面を第1クリップ10の第1フランジ11に向けて弾性的に押圧する。
【0036】
図9図11に示すように、第2フランジ31の第2クリップ30の中心軸の周りに、円周方向に延びる細長い4つのフランジ孔33が形成されている。フランジ孔33は、弾性縁部32が弾性的に撓むのを助ける。
弾性縁部32とフランジ孔33の内側の第2フランジ31の部分は、剛性があり、弾性変形は小さい。
【0037】
第2クリップ30は、第2フランジ31に隣接して下方向に延びる外筒部35を有する。
外筒部35の内側には、外筒収容部36が形成されている。外筒収容部36の内径は、第1クリップ10の大径内筒部14と内筒部端部16の外径より大きく、第1クリップ10の内筒部を受入れることができる。図9に示すように、外筒収容部36の底面である収容部底面37は平面である。後述するように、収容部底面37は、第2クリップ30側のストッパとして作用する。
収容部底面37の中央部には、円形の底部孔41が形成されている。底部孔41の内径は、スタッド70の外径より大きく、スタッド70を通すことができる。
【0038】
図14に示すように、外筒部35の中心軸に対して対向する位置には、窓が形成されている。窓の中に、一対の係合爪38が形成されている。係合爪38は、第2フランジ31の下面から窓の中を下方に延びる。係合爪38の一対の係合爪先端部38aは、外筒収容部36の内側に延びている。係合爪38の一対の係合爪先端部38a間の距離は、第1クリップ10の内筒部端部16の外径より小さい。図15に示すように、係合爪38の底面の係合爪底面38bは平面である。
第1クリップ10の内筒部端部16を第2クリップ30の外筒収容部36内に挿入していくと、一対の係合爪先端部38aは内筒部端部16に係合して、外れないようになっている。
【0039】
図12図16に示すように、外筒部35の下側は、外面内面とも下方に向かって円錐形に拡がる斜面部42である。斜面部42の下面は、スタッド70を底部孔41に向かって案内する案内面42aとなっている。
【0040】
一実施形態では、外筒部35と斜面部42の外側には、外筒リブ43が、6本形成されている。外筒リブ43は、横方向と高さ方向に延び、外筒部35と斜面部42を補強している。外筒リブ43の形状と数は、ここに示したものに限定されない。
【0041】
(スタッド係止具)
図17は、第1クリップ10と第2クリップ30を組み立てたスタッド係止具1の斜視図である。図18はスタッド係止具1の平面図である。図19は、スタッド係止具1により被取付部材61に取付部材51を取り付けた状態の正面図である。
発明の詳細な説明において、図19の上下を上下方向、横を横方向という。
第2クリップ30の外筒収容部36に第1クリップ10の内筒部(大径内筒部14、小径内筒部15、内筒部端部16)が収容されている。第1クリップ10の内筒部端部16の上面は、第2クリップ30の係合爪38の係合爪底面38bの下側に入っている。内筒部端部16の上面と、係合爪底面38bとは、共に平面なので、第1クリップ10は、抜け止めされている。
第1フランジ11より第2フランジ31の弾性縁部32の方が大径である。第1フランジ11と第2フランジ31の間には、隙間があいている。
【0042】
図19を参照すると、取付部材51は第1フランジ11と第2フランジ31との間に挟まれている。第2フランジ31の弾性縁部32は、取付部材51の下面に押し付けられている。取付部材51の取付孔53の内側に、第1クリップ10の大径内筒部14が位置する。
第2クリップ30の外筒収容部36内に、第1クリップ10の内筒部が収容されている。
【0043】
被取付部材61には、スタッド70が立設されている。スタッド70は、第2クリップ30の底部孔41、第1クリップ10の小径孔22、大径孔21を通って、第1フランジ11の上方に出ている。
係止爪先端部25aは、スタッド70の雄ねじに係合し、スタッド係止具1は抜け止めされている。
【0044】
(取付部材への係止具の取付け)
図20は、第1クリップ10と第2クリップ30の間に、取付部材51を挟み、スタッド70を挿入する前の段階の図18のA−A線端面図である。図21は、図20の段階からスタッドを70挿入した段階のA−A線端面図である。図20図21において、取付部材51、取付孔53、被取付部材61、スタッド70は、二点鎖線で示す。
図20図21を参照して、第1クリップ10と第2クリップ30とからなるスタッド係止具1で取付部材51を挟持し、次に、スタッド係止具1付きの取付部材51をスタッド70が立設された被取付部材61に取付ける動作を説明する。
【0045】
図20を参照すると、スタッド係止具1を取付部材51に取付けるには、取付部材51の下側に第2クリップ30を配置し、取付部材51の取付孔53が第2クリップ30の外筒収容部36の上にくるように位置を合わせる。
第1クリップ10の内筒部を、取付部材51の取付孔53の上側からに挿入し、第2クリップ30の外筒収容部36内に挿入していく。
【0046】
この動作により、第1クリップ10の第1フランジ11と第2クリップ30の第2フランジ31との間に取付部材51が挟まれる。更に、第1クリップ10と第2クリップ30を相互に押圧するように押込むと、第1クリップ10の内筒部端部16が、第2クリップ30の係合爪先端部38aを外方向に押し広げて、その下側に出る。第1クリップ10の内筒部端部16の上面は、第2クリップ30の係合爪底面38bに係合するので、第2クリップ30に対して第1クリップ10は抜け止めされる。
第1クリップ10の第1フランジ11と第2クリップ30の第2フランジ31とによって、取付部材51が挟持される。この状態で、第2クリップ30の第2フランジ31の外縁部の弾性縁部32が取付部材51を押圧する。
【0047】
図20に示すように、第1クリップ10が抜け止めされた状態では、第2クリップ30の係合爪38の係合爪底面38bが、第1クリップ10の内筒部端部16の上面に当接する。このとき、第1クリップ10の内筒部端部16の下面と、第2クリップ30の収容部底面37との間には、隙間h1がある。隙間h1とは、係合爪底面38bから収容部底面37までの距離から、第1クリップ10の内筒部端部16の厚さを引いた長さである。
この状態で、第2クリップ30に対して第1クリップ10を押し込むと、隙間h1がゼロになるまで、第1クリップ10と第2クリップ30を近づけることができる。即ち、第1クリップ10と第2クリップ30が抜け止めされた状態で、第1クリップ10は、第2クリップ30に対して隙間h1だけ高さ方向に移動することができる。
【0048】
(スタッドへの係止具の取付け)
被取付部材61に立設されたスタッド70の先端部を第2クリップ30の案内面42aに押し当てると、スタッド70の先端部は底部孔41に向かって案内される。
図21に示すように、第1クリップ10を更にスタッド70に向かって押し込むと、スタッド70の先端部は、第2クリップ30の案内面42a上を案内され、底部孔41に侵入する。
【0049】
小径内筒部15の内側に形成された係止爪25は、スタッド70により外側に撓んでスタッド70を受入れる。更に押付けると、係止爪25はスタッド70の側面のねじ上をスライドする。スタッド70の先端部は第1クリップ10の小径孔22に入り、更に大径孔21の内側では、4本の突状23により外周部を保持されて、第1フランジ11の上面から出る。
係止爪先端部25aはスタッド70のねじ山に係合して、取付部材51が被取付部材61に取り付けられる。
【0050】
第1クリップ10と第2クリップ30の間の距離は小さくなるが、第1クリップ10の内筒部端部16の下面が、第2クリップ30の収容部底面37に当接すると、隙間h1は0となり、第1クリップ10はそれ以上第2クリップ30に近づくことはできない。
このとき、第1クリップ10の第1フランジ11の下面と、第2クリップ30の第2フランジ31の上面との間には、間隔h2がある。間隔h2は、取付部材51の板厚と等しいかそれより大きい。そのため、取付部材51は、押し潰されることはない。
第1クリップ10の内筒部端部16の下面と、第2クリップ30の収容部底面37とは、ストッパとして作用する。
【0051】
取付部材51を被取付部材61に取付けた後、更に、第1クリップ10の第1フランジ11の上面からマイナスドライバーを挿入して、突状23に係合させ、第1クリップ10をスタッド70の軸回りに回転させ、第1クリップ10が係止爪25に更にきつく係合させることができる。
【0052】
被取付部材61が例えば自動車のパネルの場合には、スタッド係止具1が取付けられた取付部材51は、自動車の組立てライン等に搬入される。
組立作業者は、スタッド係止具1が取付けられた取付部材51を、自動車のパネル等の被取付部材61の所定位置に位置決めする。被取付部材61に固着した複数のスタッド70のそれぞれが、スタッド係止具1の内側の空間に受入れられるように、取付部材51を位置決めする。
【0053】
スタッド係止具1が取付部材51に先付けされているので、作業者は、スタッド係止具1を持つ作業がなく、取付部材51のスタッド係止具1をスタッド70に位置合わせする作業をすればよい。第2クリップ30の斜面部42にスタッド70の先端を当接させ、取付部材51を被取付部材61に押し付けると、スタッド70の先端を第2クリップ30の底部孔41に、更に第1クリップ10の小径孔22へと、容易に案内することができる。取付部材51を被取付部材61に押し付けるだけで、各スタッド70はスタッド係止具1に固定される。
スタッド70の位置にばらつきがあっても、スタッドの先端は、案内面42aにより案内される。第1フランジ11と第2フランジ31とは一定の距離が保たれるので、取付部材51は、第1フランジ11と第2フランジ31により強くは押えられず、横方向に移動することができる。各スタッド70は、スタッド係止具1に取り付けられる。
【0054】
従来、2つのクリップを備えるスタッド係止具において、スタッド70の位置のばらつきを許容するためのガイドは、内側のクリップに設けられていた。内側のクリップは外径が小さいので、スタッドを案内できる範囲は狭い。本実施形態では、広い範囲のスタッドを案内するため、外側のクリップである第2クリップ30に案内面を設けてある。
【0055】
本実施形態によれば、スタッド70を第2クリップ30の底部孔41から第1クリップ10の小径孔22に挿入していくとき、収容部底面37が、内筒部端部16の下面に当接し、第1クリップ10はそれ以上押し込めない。
第1クリップ10の第1フランジ11と、第2クリップ30の第2フランジ31との間は一定の隙間を維持することができ、取付部材51は、必要以上に圧縮されることがない。そのため、取付部材51は横方向に移動することができる。スタッド70を横方向に案内する性能は良好である。
【符号の説明】
【0056】
1 スタッド係止具
2 第1クリップ
3 第2クリップ
4 係止爪
5 取付部材
6 被取付部材
7 スタッド
8 六角孔
9 取付孔
10 第1クリップ
11 第1フランジ
12 フランジリブ
13 フランジ孔
14 大径内筒部
15 小径内筒部
16 内筒部端部
21 大径孔
22 小径孔
23 突状
25 係止爪
25a 係止爪先端部
30 第2クリップ
31 第2フランジ
32 弾性縁部
33 フランジ孔
35 外筒部
36 外筒収容部
37 収容部底面
38 係合爪
38a 係合爪先端部
38b 係合爪底面
41 底部孔
42 斜面部
42a 案内面
43 外筒リブ
51 取付部材
53 取付孔
61 被取付部材
70 スタッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
図13
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図18
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