特許第6869931号(P6869931)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6869931省電力動作を実行可能な端末装置に対する呼び出しを取り扱うネットワークノード、その制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6869931
(24)【登録日】2021年4月16日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】省電力動作を実行可能な端末装置に対する呼び出しを取り扱うネットワークノード、その制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/42 20060101AFI20210426BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20210426BHJP
   H04W 68/00 20090101ALI20210426BHJP
   H04M 3/58 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   H04M3/42 B
   H04W52/02 110
   H04W68/00
   H04M3/42 C
   H04M3/58 A
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-159112(P2018-159112)
(22)【出願日】2018年8月28日
(65)【公開番号】特開2020-36114(P2020-36114A)
(43)【公開日】2020年3月5日
【審査請求日】2020年3月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100131886
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 隆志
(74)【代理人】
【識別番号】100170667
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 浩次
(72)【発明者】
【氏名】山本 俊明
(72)【発明者】
【氏名】寺部 滋郎
(72)【発明者】
【氏名】篠田 知宏
(72)【発明者】
【氏名】星川 雄大
(72)【発明者】
【氏名】福田 隼斗
【審査官】 山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2017/0353928(US,A1)
【文献】 特開2006−148749(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/167603(WO,A1)
【文献】 特開2017−092962(JP,A)
【文献】 特開2010−050669(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03J9/00−9/06
H04B7/24−7/26
H04M1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
99/00
H04Q3/58−3/62
9/00−9/16
H04W4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに属するネットワークノードであって、
端末装置が信号を受信しない状態となる設定が前記端末装置と前記ネットワークとの間で行われているかを少なくとも示す情報を取得する取得手段と、
前記端末装置が前記状態にある間に他の装置からの前記端末装置に対する呼び出しがあったことに基づいて、当該状態に関する通知を前記他の装置へ送信する送信手段と、
を有し、
前記他の装置が前記端末装置に対する呼び出しを定期的に実行している場合、前記通知は当該定期的な呼び出しの停止要求を含む、
とを特徴とするネットワークノード。
【請求項2】
前記情報は、前記状態が終了するタイミングに関する追加情報を含み、
前記送信手段は、前記通知に加えて、前記追加情報を前記他の装置へ送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載のネットワークノード。
【請求項3】
前記情報は、前記端末装置に対応する代替用の連絡先に関する追加情報を含み、
前記送信手段は、前記通知に加えて、前記追加情報を前記他の装置へ送信する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のネットワークノード。
【請求項4】
前記追加情報は、前記他の装置が所定の条件を満たす場合に送信され、前記他の装置が所定の条件を満たさない場合には送信されない、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のネットワークノード。
【請求項5】
前記通知は、前記状態を示す音声と、前記状態を示す画面表示と、前記状態に対応する音楽との少なくともいずれかに関する情報を含む、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のネットワークノード。
【請求項6】
前記状態は、前記端末装置がextended Discontinuous Receptionを実行している状態と、前記端末装置がPower Saving Modeの状態にあることとの少なくともいずれかを含む、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のネットワークノード。
【請求項7】
前記情報は前記端末装置の前記状態が終了するタイミングの情報を含み、
前記送信手段は、当該タイミングまでの期間の長さが所定値以下である場合には、前記通知を前記他の装置へ送信しない、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のネットワークノード。
【請求項8】
ネットワークに属するネットワークノードの制御方法であって、
取得手段が、端末装置が信号を受信しない状態となる設定が前記端末装置と前記ネットワークとの間で行われているかを少なくとも示す情報を取得する取得工程と、
送信手段が、前記端末装置が前記状態にある間に他の装置からの前記端末装置に対する呼び出しがあったことに基づいて、当該状態に応じた通知を前記他の装置へ送信する送信工程と、
を有し、
前記他の装置が前記端末装置に対する呼び出しを定期的に実行している場合、前記通知は当該定期的な呼び出しの停止要求を含む、
とを特徴とする制御方法。
【請求項9】
ネットワークに属するネットワークノードに備えられたコンピュータに、
端末装置が信号を受信しない状態となる設定が前記端末装置と前記ネットワークとの間で行われているかを少なくとも示す情報を取得させ、
前記端末装置が前記状態にある間に他の装置からの前記端末装置に対する呼び出しがあったことに基づいて、当該状態に応じた通知を前記他の装置へ送信させる、
ためのプログラムであって、
前記他の装置が前記端末装置に対する呼び出しを定期的に実行している場合、前記通知は当該定期的な呼び出しの停止要求を含む、
ことを特徴とするプログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、省電力動作を実行可能な端末装置に対する呼び出しの取り扱い方法に関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)では、端末装置の消費電力を低減させる技術が検討されている。そのような技術として、ロングタームエボリューション(LTE)規格における、Discontinuous Reception(DRX)が存在する。DRXを実行する端末装置は間欠的に信号受信を行い、これにより、信号を受信しない期間において受信器がオフとされることによる消費電力低減効果を得ることができる。
【0003】
近年のさらなる消費電力の低減の要求に対して、3GPPでは、DRXの間欠受信間隔をさらに延長することを可能とするeDRX(extended DRX)を規定している。なお、以下では、特に言及のない限りは、アイドル状態(RRC Idle状態)におけるeDRXのことを指して「eDRX」と呼ぶ。eDRXにより、端末装置が信号を受信せずに受信器をオフとする期間が増えるため、端末装置の消費電力をさらに低減することができる(非特許文献1参照)。
【0004】
また、端末装置の消費電力を低減するための技術として、Power Saving Mode(PSM)が存在する。PSMでは、端末装置が、ネットワーク上への登録を継続しながら一定時間疑似的に電源断と同じ状態に遷移する。PSM状態の端末装置は間欠受信をも行わないため、PSMによって、端末装置の消費電力を大幅に低減することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP TS36.300 V13.4.0、2016年6月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、端末装置が信号を受信しない期間が増えると、それによる不都合が生じる場合がある。例えば、その端末装置に対して他の端末装置が音声発信する場合、従来のLTEの端末装置であれば最大で10秒程度の間隔で間欠受信を行うため、その端末装置がページング信号を受信するまで最大で10秒程度待てばよいことになるが、非特許文献1で規定されるカテゴリーMの端末装置は、アイドル状態において、場合によっては数十分間、ページング信号を受信しない場合がある。また、PSM状態の端末装置は、場合によっては数日間もの間、ページング信号を受信しないことが想定されうる。このため、発信側のユーザに、発信先の端末装置が応答しないことや、いつ発信先の端末装置が応答可能状態となるのかが分からないことによる不満と不安を生じさせうる。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであり、消費電力低減技術を用いる端末装置へ発信するユーザの満足度を向上させる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によるネットワークノードは、ネットワークに属するネットワークノードであって、端末装置が信号を受信しない状態となる設定が前記端末装置と前記ネットワークとの間で行われているかを少なくとも示す情報を取得する取得手段と、前記端末装置が前記状態にある間に他の装置からの前記端末装置に対する呼び出しがあったことに基づいて、当該状態に関する通知を前記他の装置へ送信する送信手段と、を有し、前記他の装置が前記端末装置に対する呼び出しを定期的に実行している場合、前記通知は当該定期的な呼び出しの停止要求を含む、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、消費電力低減技術を用いる端末装置へ発信するユーザの満足度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】無線通信システムの構成例を示す図である。
図2】ネットワークノードのハードウェア構成例を示す図である。
図3】ネットワークノードの機能構成例を示す図である。
図4】ネットワークノードが実行する処理の流れの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0012】
(システム構成)
本実施形態に係る無線通信システムの構成例を図1に示す。本無線通信システムは、一例において、基地局装置101、ネットワークノード102、着呼側端末装置103、及び発呼側端末装置104を含んで構成されるセルラ通信システムである。なお、図1では、説明を簡単にするために、わずかな数の端末装置が図解されているが、一般的なセルラ通信システムと同様に、多数の端末装置が存在しうる。本実施形態に係る発呼側端末装置104は、基地局装置101を介して着呼側端末装置103と無線通信を行う。なお、図1では、着呼側端末装置103と発呼側端末装置104とが同じ基地局装置101に接続可能な位置に存在するように図解されているが、着呼側端末装置103と発呼側端末装置104とが、それぞれ異なる基地局装置101によって形成されるセルの範囲内に存在しうる。この場合、着呼側端末装置103と発呼側端末装置104との間の通信は、一方の基地局装置101から他方の基地局装置101へ、コアネットワークを介して信号が転送されることによって行われる。
【0013】
なお、着呼側端末装置103は、消費電力を低減するために、DRXやeDRXや、PSMを使用することができ、信号を受信しない状態となりうる。なお、このような省電力動作の設定は、端末装置によって独自に行われるものではなく、端末装置とネットワークとの間で行われる。このため、ネットワークは、端末装置が省電力動作を行うことや、その端末装置が次に信号の受信等を行うタイミング(例えばDRX又はeDRXにおける次の間欠受信タイミングや、PSMにおける次の起動タイミング)を特定することができる。基地局装置101は、例えば端末装置の次の信号受信タイミングにおいて、その端末装置宛のデータが存在することを示す情報を通知することができる。この場合、端末装置は、自装置宛のデータを受信するために、信号を受信しない状態を解除することができる。本実施形態では、ネットワークノード102が、これらの省電力動作を実行中の着呼側端末装置103を特定する情報と、その着呼側端末装置103の信号を受信しない状態が終了するタイミングの情報とを管理する。ここで、ネットワークノード102は、自装置の管理下にある1つ以上の基地局装置101の配下の端末装置(例えば省電力動作に入る前にその省電力動作の設定のために基地局装置101と通信を行った端末装置)についての情報を管理しうる。なお、図1では、ネットワークノード102と基地局装置101とが別の装置である場合の例を図解しているが、これらは同じ装置に実装されてもよい。すなわち、基地局装置101がネットワークノード102を内包し、例えば自装置の配下の端末装置が省電力動作を行う場合に、その端末装置を特定する情報と、信号を受信しない状態が終了するタイミングの情報とを保持するようにしうる。
【0014】
ネットワークノード102は、発呼側端末装置104による発呼を監視する。そして、ネットワークノード102は、上述のようにして管理している情報に基づいて、その発呼で呼び出される着呼側端末装置103が、省電力動作によって信号を受信しない状態であるか否かを判定する。ネットワークノード102は、着呼側端末装置103が信号を受信しない状態である場合に、その状態に関する通知を発呼側端末装置104へ送信する。例えば、ネットワークノード102は、着呼側端末装置103が省電力動作によって信号を受信しない状態であり、呼び出すことができないことを発呼側端末装置104へ通知する。例えば、ネットワークノード102は、着呼側端末装置103が省電力動作中であること(例えばeDRXを実行中であることやPSMに移行中であること)を示す音声データや画像データを発呼側端末装置104へ送信する。発呼側端末装置104は、例えば、受信した音声データを再生することにより、又は受信した画像データを自装置が有するディスプレイに画面表示することによって、着呼側端末装置103が省電力動作中であり、信号を受信しない状態であることをユーザに通知しうる。また、ネットワークノード102は、着呼側端末装置103が省電力動作によって信号を受信しない状態であるために呼び出すことができないことに対応する音楽を発呼側端末装置104に対して出力しうる。例えば、ネットワークノード102は、発呼側端末装置104における呼び出し音を、通常時の呼び出し音と異なる所定の音楽にすることにより、着呼側端末装置103が省電力動作によって信号を受信しない状態であることを発呼側端末装置104のユーザに通知しうる。
【0015】
これにより、発呼側端末装置104のユーザは、着呼側端末装置103が省電力動作によって信号を受信しない状態であることによって呼び出すことができない状態であることを認識することができ、理由の提示なく呼び出しができないことが通知される場合と比して、ユーザの不満や不安を軽減することができる。
【0016】
なお、ネットワークノード102は、着呼側端末装置103が信号を受信しない状態が終了するタイミング(例えばeDRXにおける次回の間欠受信タイミングやPSMにおける次回起動タイミング)までの期間の長さに応じて、上述の通知をしなくてもよい。ネットワークノード102は、例えば、その期間の長さが所定値以下(例えば10秒以下)である場合には、着呼側端末装置103が省電力動作によって信号を受信しない状態であることの通知を行わなくてもよい。一定期間だけ待っていれば、着呼側端末装置103が信号を受信する期間となり、着呼側端末装置103を呼び出すことができるからである。これによれば、例えば上述の所定値を適切に設定することにより、発呼側端末装置104が発呼を継続することとなり、一度発呼を終了してその後に再度発呼するより、短時間に着呼側端末装置103を呼び出すことができる。
【0017】
なお、ネットワークノード102は、例えば、着呼側端末装置103が信号を受信しない状態が終了するタイミング(例えばeDRXにおける次回の間欠受信タイミングやPSMにおける次回起動タイミング)に関する追加情報を、上述の通知に加えて(通知に含めて)発呼側端末装置104へ送信しうる。発呼側端末装置104のユーザは、タイミングに関する追加情報により、着呼側端末装置103に対して発信すべきタイミングを認識し、適切なタイミングで発呼側端末装置104によって着呼側端末装置103に発呼することができる。また、発呼側端末装置104のユーザは、タイミングに関する追加情報に基づいて、そのタイミングまで発呼状態を維持するか、一度発呼を終了して発呼をやり直すかを決定することができる。また、追加情報で示されるタイミングまでの期間が長い場合、不必要に発呼状態を維持しないことにより、発呼側端末装置104の消費電力やネットワーク負荷が増大することを防ぐことができる。
【0018】
また、ネットワークノード102は、例えば、着呼側端末装置103に対応する代替用の連絡先に関する追加情報を、上述の通知に加えて(通知に含めて)発呼側端末装置104に通知してもよい。例えば、着呼側端末装置103のユーザは、事前に別の端末装置の電話番号等の連絡先情報を、着呼側端末装置103と関連付けて、ネットワークノード102や他のノードに登録しておく。そして、ネットワークノード102は、着呼側端末装置103が信号を受信しない状態の間に発呼側端末装置104からの着信があった場合に、その着呼側端末装置103と関連付けて登録された連絡先情報を抽出して、発呼側端末装置104に通知しうる。これによれば、発呼側端末装置104のユーザは、その連絡先情報を、着呼側端末装置103の代替用の連絡先として認識することができ、その代替用の連絡先に発呼することにより、所望の相手と通信することができる。また、発呼側端末装置104のユーザは、この代替用の連絡先の情報を取得することにより、着呼側端末装置103へ不必要に発呼するのを終了することができ、発呼側端末装置104の消費電力やネットワーク負荷が増大することを防ぐことができる。
【0019】
なお、一例において、上述の各追加情報は、所定の条件を満たす発呼側端末装置104に対しては通知され、所定の条件を満たさない発呼側端末装置104には通知されないようにしてもよい。所定の条件は、例えば発呼側端末装置104のユーザが追加情報を取得可能な所定の契約をしていることや、例えば発呼側端末装置104が着呼側端末装置103によって追加情報の提供が許可されていることでありうる。その他の条件が用いられてもよい。
【0020】
なお、ネットワークノード102は、着呼側端末装置103が信号を受信しない状態の間に発呼側端末装置104からの着呼があった場合であって、その着呼側端末装置103に対応する代替用の連絡先が存在する場合、その代替用の連絡先に着呼があったことを通知してもよい。また、ネットワークノード102は、着呼側端末装置103が信号を受信しない状態の間に発呼側端末装置104からの着呼があった場合であって、その着呼側端末装置103に対応する代替用の連絡先が存在する場合、その代替用の連絡先へのリダイレクトを行ってもよい。なお、ネットワークノード102は、このようなリダイレクトを行った場合、発呼側端末装置104に対して、リダイレクトを行ったことを示す情報を上述の通知と共に(通知に含めて)送信してもよい。これにより、発呼側端末装置104のユーザは、意図せずにリダイレクトされた場合に、発呼を中止することができる。
【0021】
また、ネットワークノード102は、発呼側端末装置104が、着呼側端末装置103に対して定期的に呼び出しを実行している場合に、その定期的な呼び出しの停止を要求するための停止要求信号を、発呼側端末装置104へ送信しうる。これにより、着呼側端末装置103が信号を受信しない状態において、その着呼側端末装置103に対する発呼が頻発することによるネットワークの負荷を低減することができる。
【0022】
(装置構成)
続いて、ネットワークノード102の装置構成例について説明する。図2は、ネットワークノード102のハードウェア構成例を示す図である。ネットワークノード102は、一例において、プロセッサ201、ROM202、RAM203、記憶装置204、及び通信回路205を含んで構成される。プロセッサ201は、汎用のCPU(中央演算装置)や、ASIC(特定用途向け集積回路)等の、1つ以上の処理回路を含んで構成されるコンピュータであり、ROM202や記憶装置204に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、ネットワークノード102の全体の処理や、上述の各処理を実行する。ROM202は、ネットワークノード102が実行する処理に関するプログラムや各種パラメータ等の情報を記憶する読み出し専用メモリである。RAM203は、プロセッサ201がプログラムを実行する際のワークスペースとして機能し、また、一時的な情報を記憶するランダムアクセスメモリである。記憶装置204は、例えば着脱可能な外部記憶装置等によって構成される。通信回路205は、例えば、有線通信用の回路によって構成される。ネットワークノード102は、例えば、基地局装置101との有線通信のための通信回路205を有しうる。なお、ネットワークノード102が基地局装置101に内包される場合、ネットワークノード102は、例えば、端末装置と無線通信するための通信回路205を有しうる。なお、図2では、1つの通信回路205が図示されているが、ネットワークノード102は、複数の通信回路を有しうる。
【0023】
図3に、ネットワークノード102の機能構成例を示す。ネットワークノード102は、一例において、省電力情報管理部301、発呼監視部302、着呼端末状態判定部303、及び省電力状態通知部304を含んで構成される。省電力情報管理部301は、端末装置が基地局装置101を介して信号を受信しない状態へ移行するための設定を行った場合、その端末装置を示す情報(例えば任意の識別子)と、その端末装置が信号を受信しない状態が終了するタイミングに関する情報を取得して、管理する。なお、省電力情報管理部301は、さらに、省電力動作を実行する端末装置について代替用の連絡先の情報を管理してもよい。発呼監視部302は、発呼が生じたか否かを監視する。発呼監視部302は、全ての発呼を監視する。例えば、基地局装置101が、発呼があった場合にネットワークノード102に通知することで、このような監視が行われる。着呼端末状態判定部303は、発呼監視部302において発呼があったことが検出された場合に、その呼における着呼側端末装置の情報が省電力情報管理部301において管理されているかを判定する。着呼端末状態判定部303は、着呼側の端末装置が省電力情報管理部301において管理されている場合に、省電力状態通知部304へ、その旨を通知する。一方、着呼端末状態判定部303は、着呼側の端末装置が省電力情報管理部301において管理されていない場合には、そのような通知を行わない。省電力状態通知部304は、着呼端末状態判定部303からの通知を受けたことに少なくとも基づいて、発呼側の端末装置に対して、着呼側の端末装置が省電力動作を実行中であるために呼び出すことができないことを通知する。これにより、発呼側の端末装置のユーザが着呼側の端末装置の状態を認識できないままに長時間呼び出しが完了するのを待つことを防ぐことができ、ユーザの満足度を向上させることができる。
【0024】
なお、省電力状態通知部304は、省電力情報管理部301によって管理されている、着呼側の端末装置が信号を受信しない状態が終了するタイミングの情報を追加情報として、発呼側の端末装置へ通知してもよい。また、省電力状態通知部304は、省電力情報管理部301によって着呼側の端末装置の代替用の連絡先の情報が管理されている場合は、その情報を追加情報として発呼側の端末装置へ通知してもよい。なお、省電力状態通知部304は、これらの追加情報の通知を、上述のような所定の条件を満たす発呼側の端末装置に対してのみ、行うようにしてもよい。このため、省電力状態通知部304は、発呼側の端末装置の情報を取得して、その発呼側の端末装置が所定の条件を満たすか否かを判定し、その結果に応じて追加情報を通知するか否かを決定してもよい。なお、省電力状態通知部304は、着呼側の端末装置が省電力動作により信号を受信しない状態であることを示す音声と、画面表示と、音楽との少なくともいずれかに関する情報を保持しておき、保持している情報を用いて発呼側の端末装置への通知を行ってもよい。また、省電力状態通知部304は、発呼側の端末装置が定期的に着呼側の端末装置を呼び出す場合、上述の通知において、またはその通知に代えて、その定期的な呼び出しの停止要求を、発呼側の端末装置へ送信してもよい。
【0025】
なお、ネットワークノード102は、着呼側の端末装置が信号を受信しない状態である場合に、その代替用の連絡先に呼をリダイレクトしてもよく、この場合、省電力状態通知部304は、リダイレクトを行ったことを発呼側の端末装置へ通知してもよい。
【0026】
また、省電力状態通知部304は、着呼端末状態判定部303からの通知を受けた場合に、着呼側の端末装置が信号を受信しない状態が終了するタイミングまでの期間が所定値以下である場合には、上述の通知を行わなくてもよい。
【0027】
(処理の流れ)
最後に、ネットワークノード102が実行する処理の流れをまとめる。各ステップにおける詳細な動作については上述の通りであるため、ここでは説明を省略し、概略的な処理の流れのみを説明する。本処理は、例えば、プロセッサ201が、ROM202に記憶されたプログラムを実行することによって実現される。
【0028】
まず、ネットワークノード102は、端末装置が省電力動作を開始する際にその端末装置の情報を取得して管理する(S401)。ここで、端末装置の情報は、端末装置の識別情報や、端末装置が信号を受信しない状態が終了するタイミングの情報、必要に応じて代替用の連絡先の情報を含みうる。一方、ネットワークノード102は、呼の発生を監視し、呼の発生を検知した場合(S402)に、その呼の着呼側の端末装置の情報が(省電力動作を行う端末装置として)管理されているか否かを判定する(S403)。なお、ネットワークノード102は、着呼側の端末装置の情報が管理されている場合に、その端末装置が実際に信号を受信しない状態となっているかを判定する。そして、ネットワークノード102は、着呼側の端末装置の情報が管理されており、その時点において信号を受信しない状態である場合(S403でYES)に、その着呼側の端末装置が省電力動作によって信号を受信しない状態であり、呼び出すことができないことを通知する(S404)。この通知には、上述のような追加情報が含められてもよい。一方、ネットワークノード102は、着呼側の端末装置の情報が管理されていない場合(S403でNO)には、通知を行わずに本処理を終了する。また、例えば着呼側の端末装置が信号を受信しない状態が終了するタイミングによっては、S404の通知をせずに処理を終了してもよい。
【0029】
以上の処理により、発呼側の端末装置のユーザは、着呼側の端末装置が省電力動作によって信号を受信しない状態であることによって呼び出すことができない状態であることを認識することができる。このため、理由の提示なく呼び出しができないことが通知される場合と比して、ユーザの不満を軽減することができる。また、着呼側の端末装置が信号を受信しない状態が終了するタイミングが通知されることにより、ユーザは、どのタイミングで発信しなおせばよいかを認識することができる。また、代替用の連絡先がユーザに通知されることにより、ユーザが着呼側の端末装置のユーザと連絡をとることが容易になる。以上のように、本実施形態の処理により、着呼側の端末装置が長期間にわたって信号を受信することができない状態となりうる無線通信システムにおいて、ユーザの不満を軽減し、システムを円滑に運用することができるようになる。
図1
図2
図3
図4