(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ハンドルの回転操作により、弁本体の内部において弁体を弁座に当接または離間させる手動機構と、前記手動機構の動作を制限するロック機構を備える誤操作防止カバー付き手動弁において、
前記ロック機構は、前記ロック機構を解除する第1位置と、前記ロック機構を有効にする第2位置と、の間を移動可能な操作部を備えること、
前記誤操作防止カバー付き手動弁は、前記誤操作防止カバー付き手動弁に装着される中空状のカバー部材を備えること、
前記カバー部材は、検知部を有する差込片を備えること、
前記差込片が前記カバー部材に装着される際に、前記差込片は、前記検知部が前記カバー部材の中空内部において一定の進路を持って移動可能に保持されていること、
前記カバー部材が前記誤操作防止カバー付き手動弁に装着された状態において、前記ハンドルと、前記操作部とは、前記カバー部材の中空内部に位置し、前記操作部が第1位置にあるときは、前記操作部が前記進路上に位置して、前記差込片を前記カバー部材に装着完了不能であること、前記操作部が第2位置にあるときは、前記操作部が前記進路上から退避して、前記差込片を前記カバー部材に装着完了可能であること、
を特徴とする誤操作防止カバー付き手動弁。
請求項1乃至6のいずれか1つに記載の誤操作防止カバー付き手動弁に装着される誤操作防止カバーであって、前記カバー部材と、前記差込片と、からなる誤操作防止カバー。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記先行技術には次のような問題点があった。
ロックリングによるロック機構を適用すると、ロックリングをロック位置に移動させることを忘れてしまうおそれがある。例えば、作業者があるラインの流体制御を行うため、手動弁やその他流体制御機器を操作しようとし、隣のラインの手動弁に触れてしまったとき、当該隣のラインの手動弁のロックリングがロック位置に移動されていなかった場合には、意図せず開弁または閉弁してしまうおそれがある。
【0007】
さらには、ロックリングがロック位置に位置され、ハンドル操作が制限された状態であっても、ハンドルが外部に露出しているため、使用者がハンドル操作をしようとする可能性を排除できない。使用者が無理にハンドルを操作しようとすれば、ハンドルに加えられた回転力が、弁体に接続される操作ロッドに伝達され、弁開度に微妙なずれが生じるおそれがある。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためのものであり、ロックリングの操作し忘れを防止するとともに、使用者が不用意にハンドル操作を行うことを防止することができる手動弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の誤操作防止カバー付き手動弁は、次のような構成を有している。
(1)ハンドルの回転操作により、弁本体の内部において弁体を弁座に当接または離間させる手動機構と、手動機構の動作を制限するロック機構を備える誤操作防止カバー付き手動弁において、ロック機構は、ロック機構を解除する第1位置と、ロック機構を有効にする第2位置と、の間を移動可能な操作部を備えること、誤操作防止カバー付き手動弁は、誤操作防止カバー付き手動弁に装着される中空状のカバー部材を備えること、カバー部材は、検知部を有する差込片を備えること、差込片がカバー部材に装着される際に、差込片は、検知部がカバー部材の中空内部において一定の進路を持って移動可能に保持されていること、カバー部材が誤操作防止カバー付き手動弁に装着された状態において、ハンドルと、操作部とは、カバー部材の中空内部に位置し、操作部が第1位置にあるときは、操作部が前記進路上に位置して、差込片をカバー部材に装着完了不能であること、操作部が第2位置にあるときは、操作部が前記進路上から退避して、差込片をカバー部材に装着完了可能であること、を特徴とする。
【0010】
(2)(1)に記載の誤操作防止カバー付き手動弁において、カバー部材は、差込片を挿入する挿通孔を備えること、差込片は、挿通孔に、挿入され、差込片がカバー部材の外部に突出する仮固定位置と、差込片がカバー部材の内部に収納される装着完了位置と、の間を移動可能に保持されていること、を特徴とする。
(3)(1)または(2)に記載の誤操作防止カバー付き手動弁において、手動機構は、一端に弁体が接続された操作ロッドを備え、操作ロッドの他端側にハンドルが配置されていること、手動機構は、ハンドルと弁体との間に、抜け止め部を備えること、カバー部材は、ハンドルの操作ロッドが延伸する側とは反対の方向から誤操作防止カバー付き手動弁に装着されること、差込片は、操作ロッドの長手方向と直交する方向からカバー部材に装着されること、カバー部材が誤操作防止カバー付き手動弁に装着され、差込片がカバー部材に装着された状態で、検知部は、抜け止め部の弁体側の端面に隣接して位置され、カバー部材に対してカバー部材の装着方向とは反対の方向に力が加わった場合に、検知部は、抜け止め部の弁体側の端面に当接し、カバー部材の装着方向とは反対の方向への移動を制限すること、を特徴とする。
【0011】
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載の誤操作防止カバー付き手動弁において、差込片は、差込片のカバー部材への装着側端面とは反対側の端面に第1ロック部を備えること、カバー部材は、差込片がカバー部材に装着された状態で、第1ロック部に対向して位置する第2ロック部を備えること、第1ロック部と、第2ロック部とには、差込片がカバー部材に装着された状態で、第1ロック部と第2ロック部とを貫通する係止孔が形成されていること、誤操作防止カバー付き手動弁は、係止孔に挿通されるロック部材を備えること、を特徴とする。
【0012】
(5)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載の誤操作防止カバー付き手動弁において、手動機構は、一端に弁体が接続された操作ロッドを備え、操作ロッドの他端側にハンドルが配置されていること、操作部は、円環形状をなし、ハンドルの操作ロッドが延伸する側に、操作ロッドと同軸上に配置され、操作ロッドの長手方向に沿って、第1位置と、第2位置と、の間を移動すること、
差込片は、操作ロッドの中心軸に直交する方向から、カバー部材に装着されること、カバー部材が誤操作防止カバー付き手動弁に装着された状態において、操作部が第1位置にあるときは、操作部の外周面が、検知部と干渉して、差込片をカバー部材に装着完了不能であること、操作部が第2位置にあるときは、操作部が装着完了された差込片を前記操作ロッドの中心軸を中心に回転投影した空間から退避して、差込片をカバー部材に装着完了可能であること、を特徴とする。
【0013】
(6)(1)乃至(5)のいずれか1つに記載の誤操作防止カバー付き手動弁において、
手動機構は、一端に弁体が接続された操作ロッドを備えること、カバー部材は、誤操作防止カバー付き手動弁との装着側の端面に、誤操作防止カバー付き手動弁と係合する係合部を有すること、誤操作防止カバー付き手動弁には、係合部と係合する被係合部が設けられていること、係合部と、被係合部とが係合することで、カバー部材は、操作ロッドの中心軸を中心として、90度ごとに回転して、誤操作防止カバー付き手動弁に対して位置決めが可能であること、を特徴とする。
【0014】
(7)(1)乃至(6)のいずれか1つに記載の誤操作防止カバー付き手動弁に装着される誤操作防止カバーであって、カバー部材と、差込片と、からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の誤操作防止カバー付き手動弁は、上記構成を有することにより次のような作用・効果を有する。
(1)ハンドルの回転操作により弁体を弁座に当接または離間させる手動機構と、手動機構の動作を制限するロック機構を備える誤操作防止カバー付き手動弁において、ロック機構は、ロック機構を解除する第1位置と、ロック機構を有効にする第2位置と、の間を移動可能な操作部を備えること、誤操作防止カバー付き手動弁は、誤操作防止カバー付き手動弁に装着される中空状のカバー部材を備えること、カバー部材は、検知部を有する差込片を備えること、差込片がカバー部材に装着される際に、差込片は、検知部がカバー部材の中空内部において一定の進路を持って移動可能に保持されていること、カバー部材が誤操作防止カバー付き手動弁に装着された状態において、ハンドルと、操作部とは、カバー部材の中空内部に位置し、操作部が第1位置にあるときは、操作部が検知部の進路上に位置して、差込片をカバー部材に装着完了不能であること、操作部が第2位置にあるときは、操作部が検知部の進路上から退避して、差込片をカバー部材に装着完了可能であること、を特徴とするので、カバー部材を誤操作防止カバー付き手動弁に装着した状態で、カバー部材に差込片を装着しようとすると、作業者が操作部(例えばロックリング)を第2位置に移動させ忘れた場合など、操作部が第1位置にある場合には、操作部は検知部の進路上に位置しているため、操作部が検知部の移動を阻害し、作業者は差込片をカバー部材に装着することができない。
一方、操作部が第2位置に移動されていれば、操作部は検知部の進路上から退避しているため、検知部はカバー部材の中空内部における移動を阻害されることがなく、作業者は差込片をカバー部材に装着することができる。
【0016】
したがって、作業者は、カバー部材を誤操作防止カバー付き手動弁に装着した状態で、カバー部材に差込片を装着できるか否かによって、操作部が第1位置にあるのか、第2位置にあるのか知ることが可能である。差込片を装着できず、操作部が第1位置にあると分かれば、カバー部材を誤操作防止カバー付き手動弁から取り外し、操作部を第2位置に移動させてから、改めてカバー部材を誤操作防止カバー付き手動弁に装着すれば良く、操作部が第2位置に移動されていない状態で誤操作防止カバー付き手動弁が放置されることがない。
操作部が第2位置に移動されていない状態で誤操作防止カバー付き手動弁が放置されることがないため、作業者があるラインの流体制御を行うために手動弁やその他流体制御機器を操作しようとし、隣のラインの誤操作防止カバー付き手動弁に触れてしまったとき、当該隣のラインの誤操作防止カバー付き手動弁の操作部が第2位置に移動されていなかったがために意図せず弁開度を変更してしまうというおそれが解消される。
【0017】
また、誤操作防止のために単純にカバー部材のみを誤操作防止カバー付き手動弁に装着すれば、ハンドルやロック機構の操作部が外部から視認できなくなるため、作業後にロック機構が有効となっているか否かの確認を行うためには、カバー部材を取り外してから操作部の状態を確認しなければならないなど、作業効率の悪化が懸念される。しかし、上記のようにロック機構が有効となっている場合のみカバー部材に装着可能な差込片を備えることで、誤操作防止カバー付き手動弁に装着されたカバー部材に差込片が装着されていれば、ロック機構が有効な状態であるということが一目で判別可能となる。よって、作業後にロック機構が有効となっているか否かの確認を行うのが容易であり、作業効率の悪化を招かない。
【0018】
さらにまた、誤操作防止カバー付き手動弁にカバー部材を装着すると、ハンドルと、操作部とは、カバー部材の中空内部に位置するので、ハンドルと操作部とが外部に露出されない。
ハンドルが外部に露出していないため、作業者はハンドルに触れることが出来ず、無理にハンドルを操作しようとすることもなくなる。よって、作業者が無理にハンドル操作をしようとして、ハンドルに回転力を加え、ハンドルに加わった回転力が弁体に接続される操作ロッドに伝達され、弁開度に微小なずれが生じてしまうことを防止することができる。また、操作部も外部に露出していないため、不用意に手動機構の制限が解除されてしまうこともない。
【0019】
(2)(1)に記載の誤操作防止カバー付き手動弁において、カバー部材は、差込片を挿入する挿通孔を備えること、差込片は、挿通孔に、挿入され、差込片がカバー部材の外部に突出する仮固定位置と、差込片がカバー部材の内部に収納される装着完了位置と、の間を移動可能に保持されていること、を特徴とするので、差込片が、カバー部材の挿通孔に、仮固定位置と装着完了位置との間を移動可能なように一体化されており、誤操作防止カバーを誤操作防止カバー付き手動弁に装着するために持ち運ぶ際にも、差込片がカバー部材から脱落しない。
カバー部材と差込片とが一体になっていないとすると、差込片を紛失するおそれや、差込片をカバー部材に装着し忘れるおそれがある。
しかし、上記のようにカバー部材と差込片とが一体になっていることで、差込片を紛失するおそれが解消される。また、差込片が仮固定位置にある場合、カバー部材から突出しているため、差込片が装着完了位置にないことの視認性が向上し、差込片をカバー部材に装着し忘れるおそれが解消される。
【0020】
また、カバー部材と差込片とが一体になっていないとすると、カバー部材を誤操作防止カバー付き手動弁に装着した後に、作業者は差込片を持ち運んできて、カバー部材に装着させなければならない。近年、半導体製造装置の小型化や集積化が進んでいることから、作業スペースも狭小化され、差込片を装着するための作業スペース確保が困難である可能性がある。
さらにまた、半導体製造装置の小型化や集積化により、誤操作防止カバー付き手動弁も小型である場合が多い。誤操作防止カバー付き手動弁が小型であると、差込片も当然に小型となり、差込片を挿通孔に挿通させる作業は細かい作業となり、作業効率の悪化が懸念される。作業者が怪我防止のために手袋をしている場合などは、細かい作業を行うことがますます困難である。
【0021】
差込片がカバー部材の挿通孔に、仮固定位置と装着完了位置との間を移動可能に保持されていれば、作業者は、カバー部材を誤操作防止カバー付き手動弁に取り付けた後、差込片を仮固定位置から装着完了位置へ押し込むなどして移動させるのみで良い。
よって、作業スペースの確保が容易であるとともに、作業が単純となるため、作業効率の悪化を防止できる。また、作業者が手袋をしている場合であっても、差込片を移動させるのみであれば、容易に作業が可能である。
【0022】
(3)(1)または(2)に記載の誤操作防止カバー付き手動弁において、手動機構は、一端に弁体が接続された操作ロッドを備え、操作ロッドの他端側にハンドルが配置されていること、手動機構は、ハンドルと弁体との間に、抜け止め部を備えること、カバー部材は、ハンドルの操作ロッドが延伸する側とは反対の方向から誤操作防止カバー付き手動弁に装着されること、検知部材は、操作ロッドの長手方向と直交する方向からカバー部材に装着されること、カバー部材が誤操作防止カバー付き手動弁に装着され、検知部材がカバー部材に装着された状態で、検知部は、抜け止め部の弁体側の端面に隣接して位置され、カバー部材に対してカバー部材の装着方向とは反対の方向に力が加わった場合に、検知部は、抜け止め部の弁体側の端面に当接し、カバー部材の装着方向とは反対の方向への移動を制限すること、を特徴とするので、作業者が、操作部を第2位置に移動させた後、カバー部材をハンドルの操作ロッドが延伸する側とは反対の方向から誤操作防止カバー付き手動弁に装着させ、差込片を操作部の移動方向と直交する方向から、カバー部材に装着させることで、差込片の検知部は、手動機構がハンドルと弁体との間に有する抜け止め部の弁体側端面に隣接して位置されることになる。差込片の検知部が抜け止め部の端面に隣接して位置されるため、カバー部材に対してカバー部材の装着方向とは反対の方向に力が加わった場合、検知部がハンドルの端面に当接し、カバー部材が誤操作防止カバー付き手動弁から脱落することを防止する。
差込片を、カバー部材脱落防止のためのロック構造としても使用することが可能であるため、脱落防止のための構造や、部材を別途に設ける必要がなく、製造コスト増大の防止や、製品構造の単純化が可能である。
【0023】
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載の誤操作防止カバー付き手動弁において、差込片は、差込片のカバー部材への装着側端面とは反対側の端面に第1ロック部を備えること、カバー部材は、差込片がカバー部材に装着された状態で、第1ロック部に対向して位置する第2ロック部を備えること、第1ロック部と、第2ロック部とには、差込片がカバー部材に装着された状態で、第1ロック部と第2ロック部とを貫通する係止孔が形成されていること、誤操作防止カバー付き手動弁は、係止孔に挿通されるロック部材を備えること、を特徴とするので、差込片は第1ロック部を、カバー部材は第2ロック部を備え、第1ロック部と第2ロック部を貫通するよう係止孔が備えられているため、例えば南京錠のようなロック部材を、係止孔に挿通させることで、差込片をカバー部材に装着された状態で固定することができる。
また、第1ロック部は、差込片のカバー部材への装着側端面とは反対側の端面に設けられているため、例えばカバー部材が六面体である場合、カバー部材の、差込片を装着する面でロック部材を取付けることができ、装着する面とは反対側の面などにわざわざ手を回してロック部材を取り付ける必要がない。よって、作業スペースが限られる半導体製造工程においても、容易に差込片をカバー部材に固定することが可能である。
【0024】
(5)(1)乃至(4)に記載の誤操作防止カバー付き手動弁において、手動機構は、一端に弁体が接続された操作ロッドを備え、操作ロッドの他端側にハンドルが配置されていること、操作部は、円環形状をなし、ハンドルの操作ロッドが延伸する側に、操作ロッドと同軸上に配置され、操作ロッドの長手方向に沿って、第1位置と、第2位置と、の間を移動すること、検知部材は、操作ロッドの中心軸に直交する方向から、カバー部材に装着されること、カバー部材が誤操作防止カバー付き手動弁に装着された状態において、操作部が第1位置にあるときは、操作部の外周面が、検知部と干渉して、差込片をカバー部材に装着完了不能であること、操作部が第2位置にあるときは、操作部が装着完了された差込片を前記操作ロッドの中心軸を中心に回転投影した空間から退避して、差込片をカバー部材に装着完了可能であること、を特徴とするので、操作ロッドおよび操作部の中心軸に直交する方向からであれば、どの角度から検知部材を装着しても、操作部の第2位置への移動し忘れを確実に防止することができる。
【0025】
すなわち、操作部が円環状であるため、操作部中心から検知部が干渉する外周面の任意の点までの距離は常に一定であり、検知部が外周面と干渉する位置は、操作ロッドおよび操作部の中心軸に直交する方向からであれば、どの角度から検知部材を装着しても、一定である。したがって、操作部が第1位置にあるときは、操作ロッドおよび操作部の中心軸に直交する方向からであれば、どの角度から検知部材を装着しても、一定の位置で検知部材の装着ができなくなるため、装着する角度によって装着できなくなる位置がばらつきを原因とする検知部材の装着可否の誤認を防止できる。
一方、操作部が第2位置にあるときは、操作部が装着完了された差込片を前記操作ロッドの中心軸を中心に回転投影した空間から退避するので、操作ロッドおよび操作部の中心軸に直交する方向からであれば、どの角度から検知部材を装着しても、検知部材と操作部とが干渉することなく、検知部材を装着完了させることができる。
よって、実際に誤操作防止カバー付き手動弁が配設される半導体製造ラインの作業スペースに応じて、作業者が自由に差込片を装着する方向を選択することができる。
【0026】
(6)(1)乃至(5)のいずれか1つに記載の誤操作防止カバー付き手動弁において、カバー部材は、誤操作防止カバー付き手動弁との装着側の端面に、誤操作防止カバー付き手動弁と係合する係合部を有すること、誤操作防止カバー付き手動弁には、係合部と係合する被係合部が設けられていること、係合部と、被係合部とが係合することで、カバー部材は、操作ロッドの中心軸を中心として、90度ごとに回転して、誤操作防止カバー付き手動弁に対して位置決めが可能であること、を特徴とするので、誤操作防止カバーを、誤操作防止カバー付き手動弁に対して操作ロッドの中心軸を中心に90度ずつ回転させても誤操作防止カバー付き手動弁に装着し、係合させることが可能である。1方向のみで装着可能である場合と比べ、作業性が向上する。
【0027】
(7)(1)乃至(6)のいずれか1つに記載の誤操作防止カバー付き手動弁に装着される誤操作防止カバーであって、カバー部材と、差込片と、からなることを特徴とするので、カバー部材を誤操作防止カバー付き手動弁に装着した状態で、カバー部材に差込片を装着しようとすると、作業者が操作部(例えばロックリング)を第2位置に移動させ忘れた場合など、操作部が第1位置にある場合には、操作部は検知部の進路上に位置しているため、操作部が検知部の移動を阻害し、作業者は差込片をカバー部材に装着することができない。
一方、操作部が第2位置に移動されていれば、操作部は検知部の進路上から退避しているため、検知部はカバー部材の中空内部における移動を阻害されることがなく、作業者は差込片をカバー部材に装着することができる。
【0028】
したがって、作業者は、カバー部材を誤操作防止カバー付き手動弁に装着した状態で、カバー部材に差込片を装着できるか否かによって、操作部が第1位置にあるのか、第2位置にあるのか知ることが可能である。差込片を装着できず、操作部が第1位置にあると分かれば、カバー部材を誤操作防止カバー付き手動弁から取り外し、操作部を第2位置に移動させてから、改めてカバー部材を手動弁に装着すれば良く、操作部が第2位置に移動されていない状態で誤操作防止カバー付き手動弁が放置されることがない。
操作部が第2位置に移動されていない状態で誤操作防止カバー付き手動弁が放置されることがないため、作業者があるラインの流体制御を行うために誤操作防止カバー付き手動弁やその他流体制御機器を操作しようとし、隣のラインの誤操作防止カバー付き手動弁に触れてしまったとき、当該隣のラインの誤操作防止カバー付き手動弁の操作部が第2位置に移動されていなかったがために意図せず弁開度を変更してしまうというおそれが解消される。
【0029】
また、誤操作防止のために単純にカバー部材のみを誤操作防止カバー付き手動弁に装着すれば、ハンドルやロック機構の操作部が外部から視認できなくなるため、作業後にロック機構が有効となっているか否かの確認を行うためには、カバー部材を取り外してから操作部の状態を確認しなければならないなど、作業効率の悪化が懸念される。しかし、上記のようにロック機構が有効となっている場合のみカバー部材に装着可能な差込片を備えることで、誤操作防止カバー付き手動弁に装着されたカバー部材に差込片が装着されていれば、ロック機構が有効な状態であるということが一目で判別可能となる。よって、作業後にロック機構が有効となっているか否かの確認を行うのが容易であり、作業効率の悪化を招かない。
【0030】
さらにまた、誤操作防止カバー付き手動弁にカバーを装着すると、ハンドルと、操作部とは、カバー部材の中空内部に位置するので、ハンドルと操作部とが外部に露出されない。
ハンドルが外部に露出していないため、作業者はハンドルに触れることが出来ず、無理にハンドルを操作しようとすることもなくなる。よって、作業者が無理にハンドル操作をしようとして、ハンドルに回転力を加え、ハンドルに加わった回転力が弁体に接続される操作ロッドに伝達され、弁開度に微小なずれが生じてしまうことを防止することができる。また、操作部も外部に露出していないため、不用意に手動機構の制限が解除されてしまうこともない。
【0031】
誤操作防止カバーは、差込片が、カバー部材の挿通孔に、仮固定位置と装着完了位置との間を移動可能なように一体化されており、誤操作防止カバーを誤操作防止カバー付き手動弁に装着するために持ち運ぶ際にも、差込片がカバー部材から脱落しない。
カバー部材と差込片とが一体になっていないとすると、差込片を紛失するおそれや、差込片をカバー部材に装着し忘れるおそれがある。
しかし、上記のようにカバー部材と差込片とが一体になっていることで、差込片を紛失するおそれが解消される。また、差込片が仮固定位置にある場合、カバー部材から突出しているため、差込片が装着完了位置にないことの視認性が向上し、差込片をカバー部材に装着し忘れるおそれが解消される。
【0032】
また、カバー部材と差込片とが一体になっていないとすると、カバー部材を誤操作防止カバー付き手動弁に装着した後に、作業者は差込片を持ち運んできて、カバー部材に装着させなければならない。近年、半導体製造装置の小型化や集積化が進んでいることから、作業スペースも狭小化され、差込片を装着するための作業スペース確保が困難である可能性がある。
さらにまた、半導体製造装置の小型化や集積化により、誤操作防止カバー付き手動弁も小型である場合が多い。誤操作防止カバー付き手動弁が小型であると、差込片も当然に小型となり、差込片を挿通孔に挿通させる作業は細かい作業となり、作業効率の悪化が懸念される。作業者が怪我防止のために手袋をしている場合などは、細かい作業を行うことがますます困難である。
【0033】
誤操作防止カバーは、差込片がカバー部材の挿通孔に、仮固定位置と装着完了位置との間を移動可能に保持されているため、作業者は、カバー部材を誤操作防止カバー付き手動弁に取り付けた後、差込片を仮固定位置から装着完了位置へ押し込むなどして移動させるのみで良い。
よって、作業スペースの確保が容易であるとともに、作業が単純となるため、作業効率の悪化を防止できる。また、作業者が手袋をしている場合であっても、差込片を移動させるのみであれば、容易に作業が可能である。
【0034】
誤操作防止カバーは、作業者が、操作部を第2位置に移動させた後、カバー部材をハンドルの操作ロッドが延伸する側とは反対の方向から誤操作防止カバー付き手動弁に装着され、差込片を操作部の移動方向と直交する方向から、カバー部材に装着させることで、差込片の検知部は、手動機構がハンドルと弁体との間に有する抜け止め部の弁体側端面に隣接して位置されることになる。差込片の検知部が抜け止め部の端面に隣接して位置されるため、カバー部材に対してカバー部材の装着方向とは反対の方向に力が加わった場合、検知部がハンドルの端面に当接し、カバー部材が誤操作防止カバー付き手動弁から脱落することを防止する。
差込片を、カバー部材脱落防止のためのロック構造としても使用することが可能であるため、脱落防止のための構造や、部材を別途に設ける必要がなく、製造コスト増大の防止や、製品構造の単純化が可能である。
【0035】
誤操作防止カバーは、差込片が第1ロック部を、カバー部材が第2ロック部を備え、第1ロック部と第2ロック部を貫通するよう係止孔が備えられているため、例えば南京錠のようなロック部材を、係止孔に挿通させることで、差込片をカバー部材に装着された状態で固定することができる。
また、第1ロック部は、差込片のカバー部材への装着側端面とは反対側の端面に設けられているため、例えばカバー部材が六面体である場合、カバー部材の、差込片を装着する面でロック部材を取付けることができ、装着する面とは反対側の面などにわざわざ手を回してロック部材を取り付ける必要がない。よって、作業スペースが限られる半導体製造工程においても、容易に差込片をカバー部材に固定することが可能である。
【0036】
誤操作防止カバーは、操作ロッドおよび操作部の中心軸に直交する方向からであれば、どの角度から検知部材を装着しても、操作部の第2位置への移動し忘れを確実に防止することができる。
すなわち、操作部が円環状であるため、操作部中心から検知部が干渉する外周面の任意の点までの距離は常に一定であり、検知部が外周面と干渉する位置は、操作ロッドおよび操作部の中心軸に直交する方向からであれば、どの角度から検知部材を装着しても、一定である。したがって、操作部が第1位置にあるときは、操作ロッドおよび操作部の中心軸に直交する方向からであれば、どの角度から検知部材を装着しても、一定の位置で検知部材の装着ができなくなるため、装着する角度によって装着できなくなる位置がばらつきを原因とする検知部材の装着可否の誤認を防止できる。
一方、操作部が第2位置にあるときは、操作部が装着完了された差込片を前記操作ロッドの中心軸を中心に回転投影した空間から退避するので、操作ロッドおよび操作部の中心軸に直交する方向からであれば、どの角度から検知部材を装着しても、検知部材と操作部とが干渉することなく、検知部材を装着完了させることができる。
よって、実際に誤操作防止カバー付き手動弁が配設される半導体製造ラインの作業スペースに応じて、作業者が自由に差込片を装着する方向を選択することができる。
【0037】
誤操作防止カバーは、誤操作防止カバー付き手動弁に対して操作ロッドの中心軸を中心に90度ずつ回転させても誤操作防止カバー付き手動弁に装着し、係合させることが可能である。1方向のみで装着可能である場合と比べ、作業性が向上する。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明の誤操作防止カバー付き手動弁1の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
誤操作防止カバー付き手動弁1は、取付プレート5を介して半導体製造装置に設置され、反応室に接続するラインへの流体供給を制御するためのものである。
誤操作防止カバー付き手動弁1は、
図6に示すように、弁部2と、手動機構3と、ロック機構4とからなり、さらに手動機構3を構成するハンドル31を覆うための誤操作防止カバー10を有する。
誤操作防止カバー付き手動弁1は、ハンドル31の回転操作によりスライドナット33が中心軸を中心に回転され、スライドナット33の回転により操作ロッド32が開弁方向(
図6中上方向)また閉弁方向(
図6中下方向)に移動されるため、弁部2において、操作ロッド32に接続された弁体22を弁座23aに当接または離間させ、流体流量を制御することができる。
【0040】
また、ロック機構4を構成するロックリング41は、スライドナット33の外周面上に、ロック機構4を解除する第1位置と、ロック機構4を有効にする第2位置と、の間を移動可能に保持されている。ロックリング41が第1位置にある場合は、ハンドル操作により誤操作防止カバー付き手動弁1を開弁および閉弁させることが可能である。一方で、ロックリング41が第2位置にある場合は、スライドナット33が回転不能となるため(詳細は後述)、ハンドル操作によって操作ロッド32を開弁方向(
図6中上方向)また閉弁方向(
図6中下方向)に移動させることが出来なくなり、誤操作防止カバー付き手動弁1を開弁および閉弁させることが不能となる。
【0041】
誤操作防止カバー10は、開弁または閉弁作業を完了した後、誤操作防止カバー付き手動弁1に装着されることで、ハンドル31を覆い、作業者が直接ハンドル31に触れることができないようにするものである。また、誤操作防止カバー10に装着される検知部材102により、ロックリング41が第2位置に移動されているか否か検知することが可能となっており、作業者がロックリング41を第2位置に移動させ忘れた状態で誤操作防止カバー付き手動弁1が放置されることを防止する。
【0042】
以下、誤操作防止カバー付き手動弁1の構成について詳しく説明する。
まず、手動機構3について説明する。
手動機構3は、ハンドル31と、操作ロッド32と、スライドナット33と、スライドナットカバー34と、クリップ35と、インジケータカバー36と、からなる。
【0043】
ハンドル31は、
図6に示すように中央部に貫通孔31aを有する略円筒形状であり、
図2に示すように外周面には複数の滑り止め突起31bが円周方向に等間隔に設けられている。
ハンドル31の上端面には、貫通孔31aを塞ぐように透明体からなるインジケータカバー36が備えられており、貫通孔31aに挿通される操作ロッド32の上端部が目視可能となっている。
したがって、インジケータカバー36を通して視認可能な操作ロッド32の上端部の位置を参考にしながら弁開度を把握し、ハンドル31を回転させることが可能である。
【0044】
図11に示すように、ハンドル31の下面には、第2係止部312が下垂しており、第2係止部312の両端には、
図12に示すように半径方向外側に向かって弾性変形可能な押え部312a,312a。が形成されている。
さらに、第1係止部311が、第2係止部312と対向するようにハンドル31の下面から下垂しており、クリップ35を保持している。
ハンドル31が回転されると、クリップ35は、第1係止部311と、第2係止部312と、により保持されているため、ハンドル31と一体に回転する。
【0045】
クリップ35は、
図12に示すように、挟持部351を有し、略C字型形状をなしている。これらの挟持部351,351は、相互に離間したり、元の位置に戻ったりする近接離間運動方向に弾性変形可能となっている。
挟持部351の先端には、第2係止部312の係止部当接面312bに当接する第2係止部当接面351bが形成されている。さらに、挟持部351の内周面には、スライドナット33の上側の端部に形成される係合部33bの外周面の全ての面と当接可能な挟持部当接面351aが形成されている。
挟持部351,351は、ハンドル31の一対の押え部312a,312a挟持されており、スライドナット33を挟持する方向に所定の弾性力を与えられており、挟持部当接面351aが、スライドナット33の係合部33bの外周面の全ての面と当接し、挟持するため、ハンドル31と一体に回転するクリップ35の回転力が、スライドナット33に伝達されることとなる。
【0046】
スライドナット33は、
図6に示すように、中央部に長手方向に貫通する貫通孔を有し、略円筒形状をなしている。当該貫通孔の内周面には、雌ねじ部33aが形成され、雌ねじ部33aは、操作ロッド32の雄ねじ部32aと螺着する。また、操作ロッド32は、回転止め部32bを図示しないダイアフラム押え21の一部に周方向に係止しており、スライドナット33内で自転しないようになっている。
したがって、ハンドル31操作によってスライドナット33が中心軸を中心に回転されると、操作ロッド32は、雄ねじ部32a雌ねじ部33aによってねじ送りされ、スライドナット33に対して相対的に
図6の上下方向に螺進可能となっている。操作ロッド32の下端部には弁体22が結合されており、操作ロッド32の上下方向の運動に伴い、弁体22も上下に運動し、開弁および閉弁動作が行われる。
【0047】
スライドナット33は、スライドナットカバー34の中央部に設けられた貫通孔34cに挿通されている。そして、
図6中下側の端部に、フランジ部33cを有し、スライドナットカバー34の段差部34bと、ダイアフラム押え21の段差部21dにより、スライドナット33の中心軸を中心とした回転が可能なように保持されている。
段差部34bは、図中下側に突出する突起を有しており、当該突起がフランジ部33cの上面と接触している。突起を接触させることで、接触面積を最小限とすることができ、スライドナット33が、スライドナットカバー34と、ダイアフラム押え21と、に対して回転しやすくなる。
【0048】
また、スライドナット33の係合部33bとフランジ部33cとの間の外周面には、ロック機構4を構成する円環状のロックリング41が第1位置と第2位置との間を移動可能に保持されている。そして、
図7に示すように、ロックリング41の内周面には係合突起41bが設けられており、当該係合突起41bが、スライドナット33の外周面に設けられた係合溝33dと係合している。係合突起41bと係合溝33dが係合しているため、スライドナット33がスライドナット33の軸を中心とした回転をするとき、ロックリング41とスライドナット33とが一体となって回転する。
【0049】
スライドナットカバー34の
図6中上側の端面には、ロック機構4を構成する歯部34aが形成され、歯部34aのロックリング41の歯部41aと係合可能となっている。
図6に示すようにロックリング41が、歯部34aと係合している場合がロックリング41の第2位置であり、この場合に、ロックリング41は、ロックリング41の軸を中心とした回転をすることができない。ロックリング41が回転不能であるため、ロックリング41と一体となっているスライドナット33も、スライドナット33の軸を中心とした回転をすることができない。作業者がハンドル31の操作をしようとしても、スライドナット33が回転しないため、スライドナット33の雌ねじ部33aに螺着された操作ロッド32は上下運動することがない。操作ロッド32は上下運動することがないため、操作ロッド32に接続された弁体22も上下運動することがなく、誤操作防止カバー付き手動弁1の開弁および閉弁動作が行われることがない。
【0050】
また、ロックリング41が第2位置にある場合に、ハンドル31を回転させようとすると、スライドナット33が回転不能となっているため、ハンドル31に所定値以上の回転力が加わる。ハンドル31に所定値以上の回転力が加わると、スライドナット33の係合部33bがクリップ35の挟持部当接面351aを押し広げ、挟持部351,351が相互に離間する方向に弾性変形する。挟持部351,351が相互に離間する方向に弾性変形することで、ハンドル31と、ハンドル31と一体になっているクリップ35とが、スライドナット33に対して、空転するため、ハンドル31に与えられた回転力がスライドナット33に伝達されず、誤操作防止カバー付き手動弁1の開弁および閉弁動作が行われない。
【0051】
一方、
図11に示すのが、ロックリング41の第1位置である。ロックリング41が第1位置にある場合には、ロックリング41の歯部41aとスライドナットカバー34の歯部34aとの係合が解除されているため、作業者がハンドル31を操作し、回転力を与えれば、スライドナット33が回転し、誤操作防止カバー付き手動弁1の開弁および閉弁動作が行われる。
【0052】
スライドナットカバー34の下方には、弁部2を構成するダイアフラム押え21と、ボディ23とが位置しており、さらにボディ23の下方には、取付プレート5が配置される。そして、
図10に示すように、スライドナットカバー34の挿通孔34eと、ダイアフラム押え21の挿通孔21eと、ボディ23の挿通孔23gと、取付プレート5の挿通孔5aと、にボルト50が挿通され、ナット51で締め付けることで、スライドナットカバー34と、ダイアフラム押え21と、ボディ23と、取付プレート5とが一体となる。
【0053】
次に弁部2について説明する。
弁部2は、ボディ23と、ダイアフラム押え21と、弁体22と、から構成される。また、ボディ23の材質は、樹脂製であり、特に耐酸性を有するフッ素系樹脂が適する。
【0054】
ボディ23は、上部にダイアフラム押え取付端23eが突設され、ダイアフラム押え取付端23eの内面には、入力側の流入経路23cと、出力側の流出経路23dとを連通させる弁室23bが形成されている。そして、弁室23bの底面が弁座23aであり、その上方に弁体22が配設され、弁体22の当接部22aが弁座23aと当接又は離間することにより流体供給を制御する。
弁体22は、上方になだらかに膨出して湾曲した形状のダイアフラム部22bを有しており、操作ロッド32の上下運動に伴い、ダイアフラム部22bが弾性変形し、弁体22を上下させる。
また、弁体22は、外周部に備えられた圧入部22cが、ボディ23の圧入溝23fに圧入され、さらに上端面が、ダイアフラム押え21の押え面21aにより、位置決め固定されている
【0055】
ダイアフラム押え21は、下端面に設けられた凹溝21bによりボディ23のダイアフラム押え取付端23eと係合している。
また、凹溝21bと、ダイアフラム押え取付端23eの内周面との間には、Oリング7が配置されており、ダイアフラム部22bからの透過ガスがボルト50に到達しないようになっている。透過ガスにより、ボルト50が腐食するおそれがあるためである。
【0056】
ダイアフラム押え21下端部の
図6中左右2か所には、対向するように押圧部211,211が形成されており、押圧部211,211の先端内周面には、
図9に示すように爪部211aが形成されている。
対向する爪部211a内面と爪部211a内面との距離は、ダイアフラム押え取付端23eの外径よりも小さく、ダイアフラム押え21と、ボディ23とが係合されると、
図9に示すようにダイアフラム押え取付端23eが爪部211aを外側に押し広げ、押圧部211が弾性変形する。
押圧部211が弾性変形することにより生じる反力でダイアフラム押え取付端23eが押圧されており、ダイアフラム押え21が、ボディ23に対してハンドル31の回転方向にがたつかない。
【0057】
ダイアフラム押え21が、ボディ23に対して作業者がハンドルを回転させた方向にがたつかないようにしている理由は、ダイアフラム押え21がずれることで作業者に、閉弁および閉弁の精度に悪影響があるのではないか、という不安感を与えることを防止するためである。
【0058】
より詳しく説明すると、ダイアフラム押え21の段差部21dとスライドナットカバー34の段差部34bとで、スライドナット33のフランジ部33cを保持しているため、ハンドル31の回転操作によりスライドナット33が回転されると、摩擦力により、ダイアフラム押え21にも回転力が伝達される。
先述の通り、スライドナットカバー34と、ダイアフラム押え21と、ボディ23と、取付プレート5とは、ボルト50と、ナット51とにより一体となっており、ボルト50と、ナット51との締結が確実になされていれば、上記回転力が加わってもダイアフラム押え21は回転方向にがたつかない。
しかし、半導体製造工程で使用される流体の温度は100℃程度と高く、誤操作防止カバー付き手動弁1が高温下に置かれる。そして、メンテナンス時には手で触れることができるよう、誤操作防止カバー付き手動弁1の温度を常温まで下げる。高温と常温の温度サイクルが繰り返されることにより、誤操作防止カバー付き手動弁1を構成する部材の膨張と収縮が繰り返され、膨張と収縮が繰り返されるうち、ボルト50と、ナット51との締結力が低下するおそれがある。ボルト50と、ナット51との締結力が低下した状態で、上記のようにダイアフラム押え21に回転力が加わると、回転力が加わった方向(作業者がハンドルを回転させた方向)に、ダイアフラム押え21がずれてしまい、作業者に不安感を与えることになる。
そこで、ダイアフラム押え21の押圧部211により、ボディ23のダイアフラム押え取付端23eを押圧し、ダイアフラム押え21が、ボディ23に対してスライドナット33の回転方向にがたつかないようにしているのである。
【0059】
また、ダイアフラム押え21は、
図6に示すように中央部に操作ロッド32が挿通される貫通孔21cを有し、貫通孔21cの内周面と、操作ロッド32の外周面との間には、Oリング6が配置され、ダイアフラム部22bから透過ガスがボルト50に到達しないようになっている。透過ガスにより、ボルト50が腐食するおそれがあるためである。
【0060】
ボディ23の下端部には、取付プレート5が配置され、誤操作防止カバー付き手動弁1は取付プレート5を介して半導体製造装置に設置されるとともに、継手8を介して流体供給ラインに組付けられる。
【0061】
次に誤操作防止カバー10について説明する。
誤操作防止カバー10は、一端が閉塞され、他端が開口された筒形状のカバー部材101と、ロックリング41の第2位置への移動し忘れを防止するための検知部材102とからなる。
【0062】
誤操作防止カバー10を誤操作防止カバー付き手動弁1に装着すると、ハンドル31と、ロックリング41とが、カバー部材101の中空内部に位置され、外部に露出されない状態となる。
ハンドル31が外部に露出していないため、使用者はハンドル31に触れることが出来ず、無理にハンドル31を操作しようとすることもなくなる。よって、使用者が無理にハンドル31操作をしようとして、ハンドル31に回転力を加え、ハンドル31に加わった回転力が弁体22に接続される操作ロッド32に伝達され、弁開度に微小なずれが生じてしまうことを防止することができる。また、ロックリング41も外部に露出していないため、不用意に手動機構3の制限が解除されてしまうこともない。
【0063】
カバー部材101は閉塞された端面(
図6中上側の端面)に貫通孔101aを有しており、
図1に示すように、誤操作防止カバー10が誤操作防止カバー付き手動弁1に装着された状態で、貫通孔101aからインジケータカバー36が突出する。そのため、作業者は、誤操作防止カバー付き手動弁1に誤操作防止カバー10を装着した状態であっても、インジケータカバー36を通して視認可能な操作ロッド32の上端部の位置を参考にして弁開度を把握することが可能である。
【0064】
また、カバー部材101の開口側の端面の四角には、カバー部材101を誤操作防止カバー付き手動弁1に装着したときにスライドナットカバー34の上端部四角と係合する係合部101eが設けられている。係合部101eがスライドナットカバー34と4角で係合することで、中心軸を中心とした回転方向への位置決めがなされる。
【0065】
また、カバー部材101の4面ある側面のうちの一つの面に、検知部材102を挿通するための検知部材挿通孔101cが設けられている。
検知部材102は、
図7に示すように、カバー部材101に装着された状態で、カバー部材101の内部空間に延伸される検知部102aを有し、平面視略コの字形状に形成されている。
【0066】
そして、検知部材102は、カバー部材101の検知部材挿通孔101cに、仮固定位置と、装着完了位置との間を移動可能に保持され、検知部材102と、カバー部材101とは一体になっている。
もし、カバー部材101と検知部材102とが一体になっていないとすると、検知部材102を紛失するおそれや、検知部材102をカバー部材101に装着し忘れるおそれがある。
しかし、上記のようにカバー部材101と検知部材102とが一体になっていることで、検知部材102を紛失するおそれが解消される。また、検知部材102が仮固定位置にある場合、カバー部材101から突出しているため、検知部材102が装着完了位置にないことの視認性が向上し、検知部材102をカバー部材101に装着し忘れるおそれが解消される。
【0067】
また、カバー部材101と検知部材102とが一体になっていないとすると、カバー部材101を誤操作防止カバー付き手動弁1に装着した後に、作業者は検知部材102を持ってきて、カバー部材101に装着させなければならない。近年、半導体製造装置の小型化や集積化が進んでいることから、作業スペースも狭小化され、検知部材102を装着するための作業スペース確保が困難である可能性がある。
さらにまた、半導体製造装置の小型化や集積化により、誤操作防止カバー付き手動弁1も小型である場合が多い。誤操作防止カバー付き手動弁1が小型であると、検知部材102も当然に小型となり、検知部材102を検知部材挿通孔101cに挿通させる作業は細かい作業となり、作業効率の悪化が懸念される。特に作業者が怪我防止のために手袋をしている場合などは、細かい作業を行うことがますます困難である。
【0068】
検知部材102がカバー部材101の検知部材挿通孔101cに、仮固定位置と装着完了位置との間を移動可能に保持され、検知部材102とカバー部材101とが一体になっていれば、作業者は、カバー部材101を誤操作防止カバー付き手動弁1に取り付けた後、検知部材102を仮固定位置から装着完了位置へ押し込むなどして移動させるのみで良い。よって、作業スペースの確保が容易であるとともに、作業が単純となるため、作業効率の悪化を防止できる。また、作業者が手袋をしている場合であっても、検知部材102を移動させるのみであれば、容易に作業が可能である。
【0069】
図3、
図8に示すのが、検知部材102の仮固定位置である。検知部102aが、誤操作防止カバー10を誤操作防止カバー付き手動弁1に装着する際に、ハンドル31に干渉しない位置にあり、検知部102a先端の内面側の係止突起102cと、検知部102a先端の外面側の係止突起102dとにより、検知部材挿通孔101cと係合しているため、検知部材102がカバー部材101から脱落しないようになっている。
【0070】
図7に示すのが、検知部材102の装着が完了した装着完了位置である。作業者が手指などにより、検知部材102を押し込むことで、仮固定位置から装着完了位置に移動させることが可能である。検知部材102が仮固定位置から押し込まれるに従い、検知部102aが、カバー部材101の中空内部において、直線進路をもって移動していく。
【0071】
そして、検知部102aが、カバー部材101の中空内部を移動する直線進路上にロックリング41が位置するか否かにより、ロックリング41を第2位置に移動し忘れていないかどうかの検知が行われる。
すなわち、作業者が誤操作防止カバー付き手動弁1の開弁または閉弁動作を終えた後、ロックリング41を第2位置に移動させ忘れ、ロックリング41が第1位置にある状態で誤操作防止カバー10を誤操作防止カバー付き手動弁1に装着した場合、
図10に示すように、検知部材102とロックリング41は図中上下方向の位置がほぼ同一となる。つまり、検知部102aがカバー部材101の中空内部を移動する直線進路上にロックリング41があることになり、この状態で作業者が検知部材102を装着させるために装着完了位置に押し込もうとすると、検知部102aがロックリング41の外周面に干渉し、検知部材102をカバー部材101に装着させることができない。
【0072】
一方で、ロックリング41が第2位置にある場合には、ロックリング41が、検知部102aがカバー部材101の中空内部を移動する直線進路上から
図10中下方向に退避するため、検知部材102を押し込む際に、検知部102aと、ロックリング41が干渉することがなく、作業者は検知部材102を装着完了位置まで押し込むことができる。
【0073】
したがって、作業者は、カバー部材101を誤操作防止カバー付き手動弁1に装着した状態で、カバー部材101に検知部材102を装着できるか否かによって、ロックリング41が第1位置にあるのか、第2位置にあるのか知ることが可能である。ロックリング41が第1位置にあると分かれば、カバー部材101を誤操作防止カバー付き手動弁1から取り外し、ロックリング41を第2位置に移動させてから、改めてカバー部材101を誤操作防止カバー付き手動弁1に装着すれば良く、ロックリング41が第2位置に移動されていない状態で誤操作防止カバー付き手動弁1が放置されることがない。
よって、作業者があるラインの流体制御を行うため、誤操作防止カバー付き手動弁1やその他流体制御機器を操作しようとし、隣のラインの誤操作防止カバー付き手動弁1に触れてしまったとき、当該隣のラインの誤操作防止カバー付き手動弁1のロックリング41が第2位置に移動されていなかったがために意図せず弁開度が変更されてしまうというおそれが解消される。
【0074】
また、誤操作防止のために単純にカバー部材101のみを誤操作防止カバー付き手動弁1に装着すると、ハンドル31やロックリング41が外部から視認できなくなるため、作業後にロック機構4が有効となっているか否かの確認を行うためには、カバー部材101を取り外してからロックリング41の状態を確認しなければならないなど、作業効率の悪化が懸念される。しかし、上記のようにロック機構4が有効となっている場合のみカバー部材101に装着可能な検知部材102を備えることで、誤操作防止カバー付き手動弁1に装着されたカバー部材101に検知部材102が装着されていれば、ロック機構4が有効な状態であるということが一目で判別可能となる。よって、作業後にロック機構4が有効となっているか否かの確認を行うのが容易であり、作業効率の悪化を招かない。
【0075】
検知部材102をカバー部材101に装着完了すると、検知部102aは、
図6に示すように、ハンドル31とロックリング41との間に位置される。
検知部102aが、抜け止め部312cの直下に位置しているため、誤操作防止カバー10に対して、誤操作防止カバー10が誤操作防止カバー付き手動弁1から抜ける方向(図中上方向)に力が加わった場合に、検知部材102が抜け止め部312cに当接し、誤操作防止カバー10が誤操作防止カバー付き手動弁1から抜ける方向へ移動することを制限する。よって、誤操作防止カバー10が誤操作防止カバー付き手動弁1から脱落することを防止することが可能である。
検知部材102を、カバー部材101脱落防止のためのロック構造としても使用することが可能であるため、脱落防止のための構造や、部材を別途に設ける必要がなく、製造コスト増大の防止や、製品構造の単純化が可能である。
【0076】
さらにまた、検知部材102は、カバー部材101に装着された状態で、カバー部材101の側面に略直角に立ち上がるようにロック部102bを有しており、ロック部102bは南京錠24を挿通するための係止孔102eを備える。そして、カバー部材101は、検知部材102がカバー部材101に装着された状態で、ロック部102bの直下に対向するようにロック部101bを有しており、ロック部101bは南京錠24を挿通するための係止孔101dを備える。
係止孔101dと、係止孔102eとは、検知部材102がカバー部材101に装着された状態で、同心位置に配置され、ロック部101bとロック部102bを貫通する1つの係止孔を形成する。該係止孔に南京錠24を挿通することで、検知部材102を、カバー部材101に固定することが可能である(
図13参照)。
【0077】
また、カバー部材101の検知部材102を装着する側の面に係止孔101d,102eが位置するため、カバー部材101の、検知部材102を装着する側の面で南京錠24を取付けることができる。検知部材102を装着する側の面で南京錠24を取付けることができるため、検知部材102を装着する面とは反対側の面などにわざわざ手を回して南京錠24を取り付ける必要がない。よって、作業スペースが限られる半導体製造工程においても、容易に検知部材102をカバー部材101に固定することが可能である。
【0078】
次に誤操作防止カバー付き手動弁1の作用について説明する。
まず、操作ロッド32の動作について説明する。
開弁または閉弁しようとする場合、まず誤操作防止カバー10の南京錠24取り外した上、検知部材102を装着完了位置から仮固定位置に移動させ、誤操作防止カバー10を誤操作防止カバー付き手動弁1から取り外す。そして、ロックリング41を第2位置から第1位置へ移動させ、スライドナット33が回転可能な状態にしておく。
【0079】
ハンドル31は、第1係止部311と第2係止部312とによりクリップを35保持しており、ハンドル31とクリップ35とは一体に回転するようになっている。さらに、クリップ35の挟持部351が、スライドナット33の係合部33bを挟持しているため、ハンドル31を、中心軸を中心に回転させると、クリップ35を介してスライドナット33に回転力が伝達され、ハンドル31と、クリップ35と、スライドナット33が一体となって回転する。
スライドナット33は、スライドナットカバー34の段差部34bと、ダイアフラム押え21の段差部21dとにより、フランジ部33cの上下方向から回転可能に保持されているため、スライドナット33は上下方向への移動は抑止されている。さらに、操作ロッド32が、スライドナット33内に、自転しないように螺着されているため、ハンドル31操作によりスライドナット33が回転されることで、スライドナット33の雌ねじ部33aと、操作ロッド32の雄ねじ部32aとのねじ送りにより、操作ロッド32がスライドナット33に対して相対的に
図6の上下方向に螺進可能となっている。
【0080】
次に閉弁状態から開弁状態にする場合を説明する。
本実施形態の誤操作防止カバー付き手動弁1は、スライドナット33の雌ねじ部33a及び操作ロッド32の雄ねじ部32aはいずれも左ねじになっており、ハンドル31を右回りに回転させると、操作ロッド32は閉弁側に移動し、左回りに回転させると、操作ロッド32は開弁側に移動するようになっている。
開弁状態にするには、ハンドル31を一方向(左回り)に回転させると、スライドナット33とハンドル31とが共に同方向に回転し、このスライドナット33の回転によって操作ロッド32が開弁側(
図6中上方)に移動する。これにより、操作ロッド32と連結する弁体22が、弁座23aから離間して開弁する。このとき、作業者は、インジケータカバー36を通して視認可能な操作ロッド32の上端部を参考にしながら弁開度を把握し、ハンドル31を回転させる。
【0081】
次いで、誤操作防止カバー付き手動弁1を開弁状態から閉弁状態にする場合を説明する。
閉弁状態にするには、ハンドル31を所定値以内のトルクで他方向(右回り)に回転させると、スライドナット33とハンドル31とが共に同方向に回転し、このスライドナット33の回転によって、操作ロッド32が閉弁側(
図6中下方)に移動する。そして、操作ロッド32と連結する弁体22が弁座23aに当接すると、誤操作防止カバー付き手動弁1は閉弁状態となる。
【0082】
弁体22が弁座23aに当接した後、さらにハンドル31を回転させようとすると、操作ロッド32は、弁体22と弁座23aとの当接により、その当接位置よりも閉弁側(
図6中下方)に移動できず、ハンドル31にかかるトルクは所定値よりも大きくなる。
ハンドル31にかかるトルクは所定値よりも大きくなると、スライドナット33の係合部33bが挟持部当接面351aを押し広げ、挟持部351,351が相互に離間する方向に弾性変形するとともに、挟持部351,351を挟持する押え部312a,312aも相互に離間する方向に弾性変形する。挟持部351,351および押え部312a,312aが相互に離間する方向に弾性変形することで、ハンドル31と、ハンドル31と一体になっているクリップ35とが、スライドナット33に対して、空転する。
したがって、作業者が、たとえ弁体22と弁座23aとの当接後にも、ハンドル31を回転し続けたとしても、ハンドル31の回転は、スライドナット33に伝達されず、操作ロッド32が閉弁方向に螺進しないため、弁体22が弁座23aを過度に押圧することはなく、弁体22の押圧による弁座23aの損傷が防止できる。
【0083】
開弁または閉弁動作を完了した後は、ロックリング41を第1位置から第2位置へ移動させる。
ロックリング41を第2位置へ移動させることで、ロックリング41の歯部41aと、スライドナットカバー34の歯部34aがかみ合う。
ロックリング41は、ロックリング41の内周面の係合突起41bとスライドナット33の外周面の係合溝33dとが係合することで、スライドナット33と一体となっている。
ロックリング41の歯部41aと、スライドナットカバー34の歯部34aがかみ合うことで、ロックリング41と一体となっているスライドナット33は回転不能となる。したがって、ハンドル31を操作しても操作ロッド32が開弁、閉弁方向に螺進することがなく、作業者が意図せず弁開度の変更がなされることを防止することが可能である。
【0084】
また、ロックリング41が第2位置に移動された状態で、ハンドル31を回転させようとすると、スライドナット33が回転不能となっているため、ハンドル31にかかるトルクは所定値よりも大きくなる。
ハンドル31にかかるトルクは所定値よりも大きくなると、スライドナット33の係合部33bが挟持部当接面351aを押し広げ、挟持部351,351が相互に離間する方向に弾性変形するとともに、挟持部351,351を挟持する押え部312a,312aも相互に離間する方向に弾性変形する。挟持部351,351および押え部312a,312aが相互に離間する方向に弾性変形することで、ハンドル31と、ハンドル31と一体になっているクリップ35とが、スライドナット33に対して、空転する。
したがって、ロックリング41が第2位置に移動された状態で、作業者がハンドル31を回転させようとしても、ハンドル31に与えられた回転力がスライドナット33に伝達されず、誤操作防止カバー付き手動弁1の開弁および閉弁動作が行われない。
【0085】
ロックリング41を第2位置に移動させた後は、誤操作防止カバー10を誤操作防止カバー付き手動弁1に装着する。
検知部材102がカバー部材101の検知部材挿通孔101cに仮固定位置に保持され、検知部材102とカバー部材101が一体となった状態(
図3参照)の誤操作防止カバー10を、誤操作防止カバー付き手動弁1の上方からかぶせる。
もし、カバー部材101と検知部材102とが一体になっていないとすると、検知部材102を紛失するおそれや、検知部材102をカバー部材101に装着し忘れるおそれがあるがある。
しかし、上記のようにカバー部材101と検知部材102とが一体になっていることで、検知部材102を紛失するおそれが解消される。また、検知部材102が仮固定位置にある場合、カバー部材101から突出しているため、検知部材102が装着完了位置にないことの視認性が向上し、検知部材102をカバー部材101に装着し忘れるおそれが解消される。
【0086】
また、カバー部材101と検知部材102とが一体になっていないとすると、カバー部材101を誤操作防止カバー付き手動弁1に装着した後に、作業者は検知部材102を持ってきて、カバー部材101に装着させなければならない。近年、半導体製造装置の小型化や集積化が進んでいることから、作業スペースも狭小化され、差込片を装着するための作業スペース確保が困難である可能性がある。
さらにまた、半導体製造装置の小型化や集積化により、誤操作防止カバー付き手動弁1も小型である場合が多い。手動弁が1小型であると、検知部材102も当然に小型となり、検知部材102を検知部材挿通孔101cに挿通させる作業は細かい作業となり、作業効率の悪化が懸念される。作業者が怪我防止のために手袋をしている場合などは、細かい作業を行うことがますます困難である。
【0087】
検知部材102がカバー部材101の検知部材挿通孔101cに保持され、検知部材102とカバー部材101が一体となっていれば、作業者は、カバー部材101を誤操作防止カバー付き手動弁1に取り付けた後、検知部材102を仮固定位置から装着完了位置へ押し込んで移動させるのみで良い。
よって、作業スペースの確保が容易であるとともに、作業が単純となるため、作業効率の悪化を防止できる。また、作業者が手袋をしている場合であっても、検知部材102を移動させるのみであれば、容易に作業が可能である。
【0088】
本実施例においては、
図4のように正面視において、検知部材102が正面に見えるような方向で誤操作防止カバー10を誤操作防止カバー付き手動弁1に装着しているが、正面視右側、左側、および裏面側に検知部材挿通孔101cが配値されるようにカバー部材101を装着し、検知部材102を装着することも可能である。
カバー部材101は、略正方形の開口側の端面の4角よりスライドナットカバー34側に突設する係合部101eを有しており、スライドナットカバー34の略正方形の上端部4角には、係合部101eと係合する被係合部34dが、設けられている。そして、係合部101eは、被係合部34dの外周面を覆うようにしてスライドナットカバー34と係合する。
係合部101eと、被係合部34dとは操作ロッドの中心軸を中心とした円周方向に等間隔に4か所設けられているため、係合部101eと、被係合部34dとが係合することで、カバー部材101は、操作ロッド32の中心軸を中心として、90度ごとに回転して、誤操作防止カバー付き手動弁1に対して位置決めが可能である。
よって、誤操作防止カバー10を、誤操作防止カバー付き手動弁1に対して操作ロッドの中心軸を中心に90度ずつ回転させても誤操作防止カバー付き手動弁1に装着し、係合させることが可能である。1方向のみで装着可能である場合と比べ、作業性が向上する。
なお、係合部101eは、操作ロッド32の中心軸を対称として、2箇所に設けることとしても良い。
【0089】
また、ロックリング41が円環状であるため、ロックリング41の中心から検知部102aが干渉する外周面の任意の点までの距離は常に一定であり、検知部102aが外周面と干渉する位置は、ロックリング41の中心軸に直交する方向からであれば、どの角度から検知部材102を装着しても、一定である。したがって、ロックリング41が第1位置にあるときは、上記のようにカバー部材101を90度ずつ回転させた場合、すなわち、誤操作防止カバー付き手動弁1の正面側、右側面側、背面側、左側面側のどの方向から検知部材102を装着した場合でも、一定の位置で検知部材102の装着ができなくなるため、装着する角度によって装着できなくなる位置がばらつきを原因とする検知部材の装着可否の誤認を防止できる。
一方、ロックリング41が第2位置にあるときは、ロックリング41が装着完了された検知部材102を操作ロッド32の中心軸を中心に回転投影した空間から退避するので、上記のようにカバー部材101を90度ずつ回転させた場合、すなわち、誤操作防止カバー付き手動弁1の正面側、右側面側、背面側、左側面側のどの方向から検知部材102を装着しても、検知部材102とロックリング41とが干渉することなく、検知部材102を装着完了させることができる。
よって、実際に誤操作防止カバー付き手動弁1が配設される半導体製造ラインの作業スペースに応じて、作業者が自由に検知部材102を装着する方向を選択することができる。
【0090】
また、カバー部材101を誤操作防止カバー付き手動弁1に装着したとき、カバー部材101の開口側端面の4角に設けられた係合部101eが、スライドナットカバー34の上端部四角と係合し、カバー部材101は、中心軸を中心とした回転方向への位置決めがなされる。
【0091】
誤操作防止カバー10を誤操作防止カバー付き手動弁1にかぶせた後、検知部材102を仮固定位置から、装着完了位置に移動させることで、誤操作防止カバー10の装着が完了する。
検知部材102が装着完了位置に移動されることで、検知部102aが、カバー部材101内に延伸され、検知部102aが、ハンドル31の第2係止部312の直下に位置される。
検知部102aが、抜け止め部312cの直下に位置しているため、誤操作防止カバー10に対して、誤操作防止カバー10が誤操作防止カバー付き手動弁1から抜ける方向(図中上方向)に力が加わった場合に、検知部材102が抜け止め部312cに当接し、誤操作防止カバー10が誤操作防止カバー付き手動弁1から抜ける方向へ移動することを制限する。よって、誤操作防止カバー10が誤操作防止カバー付き手動弁1から脱落することを防止することが可能である。
検知部材102を、カバー部材101脱落防止のためのロック構造としても使用することが可能であるため、脱落防止のための構造や、部材を別途に設ける必要がなく、製造コスト増大の防止や、製品構造の単純化が可能である。
【0092】
誤操作防止カバー付き手動弁1に誤操作防止カバー10を装着すると、ハンドル31と、ロックリング41とは、カバー部材101の中空内部に位置するので、ハンドル31とロックリング41とが外部に露出されない。
ハンドル31が外部に露出していないため、作業者はハンドル31に触れることが出来ず、無理にハンドル31を操作しようとすることもなくなる。よって、作業者が無理にハンドル31操作をしようとして、ハンドル31に回転力を加え、ハンドル31に加わった回転力が、弁体22に接続される操作ロッド32に伝達され、弁開度に微小なずれが生じてしまうことを防止することができる。また、ロックリング41も外部に露出していないため、不用意に手動機構3の制限が解除されてしまうこともない。
【0093】
次に、作業者が開弁または閉弁動作を完了した後にロックリング41を第2位置に移動させ忘れ、ロックリング41が第1位置にある状態で誤操作防止カバー10を誤操作防止カバー付き手動弁1に装着しようとした場合について説明する。
誤操作防止カバー付き手動弁1の上方から、検知部材102がカバー部材101の検知部材挿通孔101cに仮固定位置に保持された状態の誤操作防止カバー10をかぶせる。
誤操作防止カバー10を誤操作防止カバー付き手動弁1にかぶせた後、検知部材102を仮固定位置から装着完了位置に移動させようとしても、
図10に示すように、検知部材102とロックリング41は図中上下方向の位置がほぼ同一となっているため、検知部102aがカバー部材101の中空内部を移動する直線進路上にロックリング41があることになり、検知部102aがロックリング41の外周面に干渉し、検知部材102をカバー部材101に装着させることができない。
この場合、作業者は、誤操作防止カバー10を誤操作防止カバー付き手動弁1から一旦取り外し、ロックリング41を第2位置に移動させてから、改めて誤操作防止カバー10を誤操作防止カバー付き手動弁1にかぶせ、検知部材102を仮固定位置から装着完了位置に移動させる。
【0094】
以上のように、作業者は、カバー部材101に検知部材102を装着できるか否かによって、ロックリング41が第1位置にあるのか、第2位置にあるのか知ることが可能である。検知部材102をカバー部材101に装着できず、ロックリング41が第1位置にあると分かれば、誤操作防止カバー10を誤操作防止カバー付き手動弁1から取り外し、操作部を第2位置に移動させてから、改めて誤操作防止カバー10を誤操作防止カバー付き手動弁1に装着すれば良く、ロックリング41が第2位置に移動されていない状態で誤操作防止カバー付き手動弁1が放置されることがない。
よって、作業者があるラインの流体制御を行うため、誤操作防止カバー付き手動弁1やその他流体制御機器を操作しようとし、隣のラインの誤操作防止カバー付き手動弁1に触れてしまったとき、当該隣のラインの誤操作防止カバー付き手動弁1のロックリング41が第2位置に移動されていなかったがために意図せず弁開度が変更されてしまうというおそれが解消される。
【0095】
また、誤操作防止のために単純にカバー部材101のみを誤操作防止カバー付き手動弁1に装着すると、ハンドル31やロックリング41が外部から視認できなくなるため、作業後にロック機構4が有効となっているか否かの確認を行うためには、カバー部材101を取り外してからロックリング41の状態を確認しなければならないなど、作業効率の悪化が懸念される。しかし、上記のようにロック機構4が有効となっている場合のみカバー部材101に装着可能な検知部材102を備えることで、誤操作防止カバー付き手動弁1に装着されたカバー部材101に検知部材102が装着されていれば、ロック機構4が有効な状態であるということが一目で判別可能となる。よって、作業後にロック機構4が有効となっているか否かの確認を行うのが容易であり、作業効率の悪化を招かない。
【0096】
誤操作防止カバー10を誤操作防止カバー付き手動弁1に装着すると、ハンドル31と、ロックリング41とが、カバー部材101の中空内部に位置され、外部に露出されない状態となる。
ハンドル31が外部に露出していないため、使用者はハンドル31に触れることが出来ず、無理にハンドル31を操作しようとすることもなくなる。よって、使用者が無理にハンドル31操作をしようとして、ハンドル31に回転力を加え、ハンドル31に加わった回転力が弁体22に接続される操作ロッド32に伝達され、弁開度に微小なずれが生じてしまうことを防止することができる。また、ロックリング41も外部に露出していないため、不用意に手動機構3の制限が解除されてしまうこともない。
【0097】
誤操作防止カバー10を誤操作防止カバー付き手動弁1に装着した後は、南京錠24により、検知部材102を、カバー部材101に固定する(
図13参照)。
検知部材102は、カバー部材101に装着された状態で、カバー部材101の側面に略直角に立ち上がるようにロック部102bを有しており、ロック部102bは南京錠24を挿通するための係止孔102eを備える。そして、カバー部材101は、検知部材102がカバー部材101に装着された状態で、ロック部102bの直下に対向するようにロック部101bを有しており、ロック部101bは南京錠24を挿通するための係止孔101dを備える。
係止孔101dと、係止孔102eとは、検知部材102がカバー部材101に装着された状態で、同心位置に配置され、ロック部101bとロック部102bを貫通する1つの係止孔を形成する。該係止孔に南京錠24を挿通することで、検知部材102を、カバー部材101に固定することが可能である。
【0098】
また、カバー部材101の検知部材102を装着する側の面に係止孔101d,102eが位置するため、カバー部材101の、検知部材102を装着する側の面で南京錠24を取付けることができる。検知部材102を装着する側の面で南京錠24を取付けることができるため、検知部材102を装着する面とは反対側の面などにわざわざ手を回して南京錠24を取り付ける必要がない。よって、作業スペースが限られる半導体製造工程においても、容易に検知部材102をカバー部材101に固定することが可能である。
【0099】
以上説明したように、本実施形態の誤操作防止カバー付き手動弁1によれば、
(1)ハンドル31の回転操作により弁体22を弁座23aに当接または離間させる手動機構3と、手動機構3の動作を制限するロック機構4を備える誤操作防止カバー付き手動弁1において、ロック機構4は、ロック機構4を解除する第1位置と、ロック機構4を有効にする第2位置と、の間を移動可能なロックリング41を備えること、誤操作防止カバー付き手動弁1は、誤操作防止カバー付き手動弁1に装着される中空状のカバー部材101を有すること、カバー部材101は、検知部102aを有する検知部材102を備えること、検知部材102がカバー部材101に装着される際に、検知部材102は、検知部102aがカバー部材101の中空内部において一定の進路を持って移動可能に保持されていること、カバー部材101が誤操作防止カバー付き手動弁1に装着された状態において、ハンドル31と、ロックリング41とは、カバー部材101の中空内部に位置し、ロックリング41が第1位置にあるときは、ロックリング41は検知部102aの進路上に位置して、検知部材102をカバー部材101に装着完了不能であること、ロックリング41が第2位置にあるときは、ロックリング41は検知部102aの進路上から退避して、検知部材102をカバー部材101に装着完了可能であること、を特徴とするので、カバー部材101を誤操作防止カバー付き手動弁1に装着した状態で、カバー部材101に検知部材102を装着しようとすると、作業者がロックリング41を第2位置に移動させ忘れた場合など、ロックリング41が第1位置にある場合には、ロックリング41は検知部102aの進路上に位置しているため、ロックリング41が検知部102aの延伸を阻害し、作業者は検知部材102をカバー部材101に装着することができない。
一方、ロックリング41が第2位置に移動されていれば、ロックリング41は検知部102aの進路上から退避しているため、検知部102aは延伸完了点まで移動することができ、作業者は検知部材102をカバー部材101に装着することができる。
【0100】
したがって、作業者は、カバー部材101を誤操作防止カバー付き手動弁1に装着した状態で、カバー部材101に検知部材102を装着できるか否かによって、ロックリング41が第1位置にあるのか、第2位置にあるのか知ることが可能である。ロックリング41が第1位置にあると分かれば、カバー部材101を誤操作防止カバー付き手動弁1から取り外し、ロックリング41を第2位置に移動させてから、改めてカバー部材101を誤操作防止カバー付き手動弁1に装着すれば良く、ロックリング41が第2位置に移動されていない状態で誤操作防止カバー付き手動弁1が放置されることがない。
ロックリング41が第2位置に移動されていない状態で誤操作防止カバー付き手動弁1が放置されることがないため、作業者があるラインの流体制御を行うために誤操作防止カバー付き手動弁1やその他流体制御機器を操作しようとし、隣のラインの誤操作防止カバー付き手動弁1に触れてしまったとき、当該隣のラインの誤操作防止カバー付き手動弁1のロックリング41が第2位置に移動されていなかったがために意図せず開弁または閉弁してしまうというおそれが解消される。
【0101】
また、誤操作防止カバー付き手動弁1にカバー部材101を装着すると、ハンドル31と、ロックリング41とは、カバー部材101の中空内部に位置するので、ハンドル31とロックリング41とが外部に露出されない。
ハンドル31が外部に露出していないため、作業者はハンドル31に触れることが出来ず、無理にハンドル31を操作しようとすることもなくなる。よって、作業者が無理にハンドル31を操作しようとして、ハンドル31に回転力を加え、ハンドル31に加わった回転力が弁体22に接続される操作ロッド32に伝達され、弁開度に微小なずれが生じてしまうことを防止することができる。また、ロックリング41も外部に露出していないため、不用意に手動機構3の制限が解除されてしまうこともない。
【0102】
(2)(1)に記載の誤操作防止カバー付き手動弁1において、カバー部材101は、検知部材102を挿入する検知部材挿通孔101cを備えること、検知部材102は、検知部材挿通孔101cに、挿入され、検知部材102がカバー部材101の外部に突出する仮固定位置と、検知部材102がカバー部材101の内部に収納される装着完了位置と、の間を移動可能に保持されていること、を特徴とするので、検知部材102が、カバー部材101の検知部材挿通孔101cに、仮固定位置と装着完了位置との間を移動可能なように一体化されており、誤操作防止カバー10を誤操作防止カバー付き手動弁1に装着するために持ち運ぶ際にも、検知部材102がカバー部材101から脱落しない。
カバー部材101と検知部材102とが一体になっていないとすると、検知部材102を紛失するおそれや、検知部材102をカバー部材101に装着し忘れるおそれがある。
しかし、上記のようにカバー部材101と検知部材102とが一体になっていることで、検知部材102を紛失するおそれが解消される。また、検知部材102が仮固定位置にある場合、カバー部材101から突出しているため、検知部材102が装着完了位置にないことの視認性が向上し、検知部材102をカバー部材101に装着し忘れるおそれが解消される。
【0103】
また、カバー部材101と検知部材102とが一体になっていないとすると、カバー部材101を誤操作防止カバー付き手動弁1に装着した後に、作業者は検知部材102を持ち運んできて、カバー部材101に装着させなければならない。近年、半導体製造装置の小型化や集積化が進んでいることから、作業スペースも狭小化され、検知部材102を装着するための作業スペース確保が困難である可能性がある。
さらにまた、半導体製造装置の小型化や集積化により、誤操作防止カバー付き手動弁1も小型である場合が多い。手動弁が小型であると、検知部材102も当然に小型となり、検知部材102を検知部材挿通孔101cに挿通させる作業は細かい作業となり、作業効率の悪化が懸念される。特に作業者が怪我防止のために手袋をしている場合などは、細かい作業を行うことがますます困難である。
【0104】
検知部材102がカバー部材101の検知部材挿通孔101cに、仮固定位置と装着完了位置との間を移動可能に保持されていれば、作業者は、カバー部材101を誤操作防止カバー付き手動弁1に取り付けた後、検知部材102を仮固定位置から装着完了位置へ押し込むなどして移動させるのみで良い。
よって、作業スペースの確保が容易であるとともに、作業が単純となるため、作業効率の悪化を防止できる。また、作業者が手袋をしている場合であっても、検知部材102を移動させるのみであれば、容易に作業が可能である。
【0105】
(3)(1)または(2)に記載の誤操作防止カバー付き手動弁1において、手動機構3は、一端に弁体22が接続された操作ロッド32を備え、操作ロッド32の他端側にハンドル31が配置されていること、手動機構3は、ハンドル31と弁体22との間に、抜け止め部312cを備えること、カバー部材101は、ハンドル31の操作ロッド32が延伸する側とは反対の方向から誤操作防止カバー付き手動弁1に装着されること、検知部材102は、操作ロッド32の長手方向と直交する方向からカバー部材101に装着されること、カバー部材101が誤操作防止カバー付き手動弁1に装着され、検知部材102がカバー部材101に装着された状態で、検知部102aは、抜け止め部312cの弁体側の端面に隣接して位置され、カバー部材101に対してカバー部材101の装着方向とは反対の方向に力が加わった場合に、検知部102aは、抜け止め部312cの弁体側の端面に当接し、カバー部材101の装着方向とは反対の方向への移動を制限すること、を特徴とするので、
作業者が、操作部を第2位置に移動させた後、カバー部材をハンドルの操作ロッドが延伸する側とは反対の方向から手動弁に装着させ、差込片を操作部の移動方向と直交する方向から、カバー部材に装着させることで、差込片の検知部は、手動機構がハンドルと弁体との間に有する抜け止め部の弁体側端面に隣接して位置されることになる。差込片の検知部が抜け止め部の端面に隣接して位置されるため、カバー部材に対してカバー部材の装着方向とは反対の方向に力が加わった場合、検知部がハンドルの端面に当接し、カバー部材が手動弁から脱落することを防止する。
検知部材102を、カバー部材101脱落防止のためのロック構造としても使用することが可能であるため、脱落防止のための構造や、部材を別途に設ける必要がなく、製造コスト増大の防止や、製品構造の単純化が可能である。
【0106】
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載の誤操作防止カバー付き手動弁1において、検知部材102は、検知部材102のカバー部材101への装着側端面とは反対側の端面にロック部102bを備えること、カバー部材101は、検知部材102がカバー部材101に装着された状態で、ロック部102bに対向して位置するロック部101bを備えること、ロック部101b,102bには、検知部材102がカバー部材101に装着された状態で、ロック部101b,102bを貫通する係止孔101d,102eが形成されていること、誤操作防止カバー付き手動弁1は、係止孔101d,102eに挿通される南京錠24を備えること、を特徴とするので、検知部材102はロック部102bを、カバー部材101はロック部101bを備え、ロック部101b,102bを貫通するよう係止孔101d,102eが備えられているため、南京錠24のようなロック部材を、係止孔101d,102eに挿通させることで、検知部材102をカバー部材101に装着された状態で固定することができる。
また、カバー部材101の検知部材102を装着する側の面に係止孔101d,102eが位置するため、カバー部材101の、検知部材102を装着する側の面で南京錠24を取付けることができる。検知部材102を装着する側の面で南京錠24を取付けることができるため、検知部材102を装着する面とは反対側の面などにわざわざ手を回して南京錠24を取り付ける必要がない。よって、作業スペースが限られる半導体製造工程においても、容易に検知部材102をカバー部材101に固定することが可能である。
【0107】
(5)(1)乃至(4)に記載の誤操作防止カバー付き手動弁1において、手動機構3は、一端に弁体22が接続された操作ロッド32を備え、操作ロッド32の他端側にハンドル31が配置されていること、ロックリング41は、円環形状をなし、ハンドル31の操作ロッド32が延伸する側に、操作ロッド32と同軸上に配置され、操作ロッド32の長手方向に沿って、第1位置と、第2位置と、の間を移動すること、検知部材102は、操作ロッド32の中心軸に直交する方向から、カバー部材101に装着されること、カバー部材101が誤操作防止カバー付き手動弁1に装着された状態において、ロックリング41が第1位置にあるときは、ロックリング41の外周面が、検知部102aと干渉して、検知部材102をカバー部材101に装着完了不能であること、ロックリング41が第2位置にあるときは、ロックリング41が装着完了された検知部材102を前記操作ロッド32の中心軸を中心に回転投影した空間から退避して、検知部材102をカバー部材101に装着完了可能であること、を特徴とするので、操作ロッド32およびロックリング41の中心軸に直交する方向からであれば、どの角度から検知部材102を装着しても、ロックリング41の第2位置への移動し忘れを確実に防止することができる。
【0108】
すなわち、ロックリング41が円環状であるため、ロックリング41中心から検知部102aが干渉する外周面の任意の点までの距離は常に一定であり、検知部102aが外周面と干渉する位置は、ロックリング41の中心軸に直交する方向からであれば、どの角度から検知部材102を装着しても、一定である。したがって、ロックリング41が第1位置にあるときは、ロックリング41の中心軸に直交する方向からであれば、どの角度から検知部材102を装着しても、一定の位置で検知部材102の移動が阻害されるため、装着する角度によって移動を阻害される位置のばらつきを原因とする検知部材102の装着可否の誤認を防止できる。
一方、ロックリング41が第2位置にあるときは、ロックリング41が装着完了された検知部材102を操作ロッド32の中心軸を中心に回転投影した空間から退避するので、ロックリング41の中心軸に直交する方向からであれば、どの角度から検知部材102を装着しても、検知部材102とロックリング41とが干渉することなく、検知部材102を装着完了させることができる。
よって、実際に誤操作防止カバー付き手動弁1が配設される半導体製造ラインの作業スペースに応じて、作業者が自由に検知部材102を装着する方向を選択することができる。
【0109】
(6)(1)乃至(5)のいずれか1つに記載の誤操作防止カバー付き手動弁1において、カバー部材101は、誤操作防止カバー付き手動弁1との装着側の端面に、誤操作防止カバー付き手動弁1と係合する係合部101eを有すること、誤操作防止カバー付き手動弁1には、係合部101eと係合する被係合部34dが設けられていること、係合部101eと、被係合部34dとが係合することで、カバー部材101は、操作ロッド32の中心軸を中心として、90度ごとに回転して、誤操作防止カバー付き手動弁1に対して位置決めが可能であること、を特徴とするので、誤操作防止カバー10を、誤操作防止カバー付き手動弁1に対して操作ロッド32の中心軸を中心に90度ずつ回転させても誤操作防止カバー付き手動弁1に装着し、係合させることが可能である。1方向のみで装着可能である場合と比べ、作業性が向上する。
【0110】
(7)(1)乃至(6)のいずれか1つに記載の誤操作防止カバー付き手動弁1に装着される誤操作防止カバー10であって、カバー部材101と、検知部材102と、からなることを特徴とするので、カバー部材101を誤操作防止カバー付き手動弁1に装着した状態で、カバー部材101に検知部材102を装着しようとすると、作業者がロックリング41を第2位置に移動させ忘れた場合など、ロックリング41が第1位置にある場合には、ロックリング41は検知部102aの進路上に位置しているため、ロックリング41が検知部102aの移動を阻害し、作業者は検知部材102をカバー部材101に装着することができない。
一方、ロックリング41が第2位置に移動されていれば、ロックリング41は検知部102aの進路上から退避しているため、検知部102aは延伸完了点まで移動することができ、作業者は検知部材102をカバー部材101に装着することができる。
【0111】
したがって、作業者は、カバー部材101を誤操作防止カバー付き手動弁1に装着した状態で、カバー部材101に検知部材102を装着できるか否かによって、ロックリング41が第1位置にあるのか、第2位置にあるのか知ることが可能である。ロックリング41が第1位置にあると分かれば、カバー部材101を誤操作防止カバー付き手動弁1から取り外し、ロックリング41を第2位置に移動させてから、改めてカバー部材101を誤操作防止カバー付き手動弁1に装着すれば良く、ロックリング41が第2位置に移動されていない状態で誤操作防止カバー付き手動弁1が放置されることがない。
ロックリング41が第2位置に移動されていない状態で誤操作防止カバー付き手動弁1が放置されることがないため、作業者があるラインの流体制御を行うために誤操作防止カバー付き手動弁1やその他流体制御機器を操作しようとし、隣のラインの誤操作防止カバー付き手動弁1に触れてしまったとき、当該隣のラインの誤操作防止カバー付き手動弁1のロックリング41が第2位置に移動されていなかったがために意図せず開弁または閉弁してしまうというおそれが解消される。
【0112】
また、誤操作防止カバー付き手動弁1にカバー部材101を装着すると、ハンドル31と、ロックリング41とは、カバー部材101の中空内部に位置するので、ハンドル31とロックリング41とが外部に露出されない。
ハンドル31が外部に露出していないため、作業者はハンドル31に触れることが出来ず、無理にハンドル31を操作しようとすることもなくなる。よって、作業者が無理にハンドル31を操作しようとして、ハンドル31に回転力を加え、ハンドル31に加わった回転力が弁体22に接続される操作ロッド32に伝達され、弁開度に微小なずれが生じてしまうことを防止することができる。また、ロックリング41も外部に露出していないため、不用意に手動機構3の制限が解除されてしまうこともない。
【0113】
誤操作防止カバー10は、検知部材102が、カバー部材101の検知部材挿通孔101cに、仮固定位置と装着完了位置との間を移動可能なように一体化されており、誤操作防止カバー10を誤操作防止カバー付き手動弁1に装着するために持ち運ぶ際にも、検知部材102がカバー部材101から脱落しない。
カバー部材101と検知部材102とが一体になっていないとすると、検知部材102を紛失するおそれや、検知部材102をカバー部材101に装着し忘れるおそれがある。
しかし、上記のようにカバー部材101と検知部材102とが一体になっていることで、検知部材102を紛失するおそれが解消される。また、検知部材102が仮固定位置にある場合、カバー部材101から突出しているため、検知部材102が装着完了位置にないことの視認性が向上し、検知部材102をカバー部材101に装着し忘れるおそれが解消される。
【0114】
また、カバー部材101と検知部材102とが一体になっていないとすると、カバー部材101を誤操作防止カバー付き手動弁1に装着した後に、作業者は検知部材102を持ち運んできて、カバー部材101に装着させなければならない。近年、半導体製造装置の小型化や集積化が進んでいることから、作業スペースも狭小化され、検知部材102を装着するための作業スペース確保が困難である可能性がある。
さらにまた、半導体製造装置の小型化や集積化により、誤操作防止カバー付き手動弁1も小型である場合が多い。手動弁が小型であると、検知部材102も当然に小型となり、検知部材102を検知部材挿通孔101cに挿通させる作業は細かい作業となり、作業効率の悪化が懸念される。特に作業者が怪我防止のために手袋をしている場合などは、細かい作業を行うことがますます困難である。
【0115】
検知部材102がカバー部材101の検知部材挿通孔101cに、仮固定位置と装着完了位置との間を移動可能に保持されていれば、作業者は、カバー部材101を誤操作防止カバー付き手動弁1に取り付けた後、検知部材102を仮固定位置から装着完了位置へ押し込むなどして移動させるのみで良い。
よって、作業スペースの確保が容易であるとともに、作業が単純となるため、作業効率の悪化を防止できる。また、作業者が手袋をしている場合であっても、検知部材102を移動させるのみであれば、容易に作業が可能である。
【0116】
誤操作防止カバーは、作業者が、操作部を第2位置に移動させた後、カバー部材をハンドルの操作ロッドが延伸する側とは反対の方向から手動弁に装着させ、差込片を操作部の移動方向と直交する方向から、カバー部材に装着させることで、差込片の検知部は、手動機構がハンドルと弁体との間に有する抜け止め部の弁体側端面に隣接して位置されることになる。差込片の検知部が抜け止め部の端面に隣接して位置されるため、カバー部材に対してカバー部材の装着方向とは反対の方向に力が加わった場合、検知部がハンドルの端面に当接し、カバー部材が手動弁から脱落することを防止する。
検知部材102を、カバー部材101脱落防止のためのロック構造としても使用することが可能であるため、脱落防止のための構造や、部材を別途に設ける必要がなく、製造コスト増大の防止や、製品構造の単純化が可能である。
【0117】
誤操作防止カバーは、検知部材102がロック部102bを、カバー部材101がロック部101bを備え、ロック部101b,102bを貫通するよう係止孔101d,102eが備えられているため、南京錠24のようなロック部材を、係止孔101d,102eに挿通させることで、検知部材102をカバー部材101に装着された状態で固定することができる。
また、カバー部材101の検知部材102を装着する側の面に係止孔101d,102eが位置するため、カバー部材101の、検知部材102を装着する側の面で南京錠24を取付けることができる。検知部材102を装着する側の面で南京錠24を取付けることができるため、検知部材102を装着する面とは反対側の面などにわざわざ手を回して南京錠24を取り付ける必要がない。よって、作業スペースが限られる半導体製造工程においても、容易に検知部材102をカバー部材101に固定することが可能である。
【0118】
誤操作防止カバーは、操作ロッド32およびロックリング41の中心軸に直交する方向からであれば、どの角度から検知部材102を装着しても、ロックリング41の第2位置への移動し忘れを確実に防止することができる。
【0119】
すなわち、ロックリング41が円環状であるため、ロックリング41中心から検知部102aが干渉する外周面の任意の点までの距離は常に一定であり、検知部102aが外周面と干渉する位置は、ロックリング41の中心軸に直交する方向からであれば、どの角度から検知部材102を装着しても、一定である。したがって、ロックリング41が第1位置にあるときは、ロックリング41の中心軸に直交する方向からであれば、どの角度から検知部材102を装着しても、一定の位置で検知部材102の移動が阻害されるため、装着する角度によって移動を阻害される位置のばらつきを原因とする検知部材102の装着可否の誤認を防止できる。
一方、ロックリング41が第2位置にあるときは、ロックリング41が装着完了された検知部材102を操作ロッド32の中心軸を中心に回転投影した空間から退避するので、ロックリング41の中心軸に直交する方向からであれば、どの角度から検知部材102を装着しても、検知部材102とロックリング41とが干渉することなく、検知部材102を装着完了させることができる。
よって、実際に誤操作防止カバー付き手動弁1が配設される半導体製造ラインの作業スペースに応じて、作業者が自由に検知部材102を装着する方向を選択することができる。
【0120】
誤操作防止カバー10は、誤操作防止カバー10を、誤操作防止カバー付き手動弁1に対して操作ロッド32の中心軸を中心に90度ずつ回転させても誤操作防止カバー付き手動弁1に装着し、係合させることが可能である。1方向のみで装着可能である場合と比べ、作業性が向上する。
【0121】
なお、上記実施形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で様々な改良、変形が可能である。
例えば、上記実施形態においてはロック部材として南京錠24を提案しているが、結束バンドを係止孔101d,102eに挿通させることでも、検知部材102をカバー部材101に装着された状態で固定することができる。