(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の実施形態を説明するための、ドア自動開閉システムの一例を示し、
図2は、
図1のドア自動開閉システムが適用された車両の一例を示す。
【0013】
ドア自動開閉システム10は、いわゆるセダンタイプの車両1に搭載されており、車両1のスイングドア2を自動的に開閉する。スイングドア2は、ヒンジ6を介して車両本体1Aに回動可能に支持されている。なお、ドア自動開閉システム10の自動開閉の対象となるスイングドア2には、運転席ドア及び助手席ドア、並びに後席ドアが含まれるが、本例では運転席ドアを例にしてドア自動開閉システム10の構成を説明する。
【0014】
ドア自動開閉システム10は、スイングドア2の周囲の物体(以下、障害物ともいう。)との距離を計測する距離計測部20と、スイングドア2を閉扉状態にロックするドアロック部30と、スイングドア2を開閉駆動する駆動部40と、制御装置60と、制御装置60に対して指示する開扉操作入力部50と、を備える。なお、本例でいう障害物とは、車両1に乗り込もうとする車両ユーザ、隣に駐停車している他車、道路の縁石などを例示することができるがこれらに限らない。障害物は、スイングドア2の開閉を妨害するものであれば、種々のものが想定される。
【0015】
距離計測部20は、3つの距離センサ21〜23を含み、スイングドア2の外表面とスイングドア2の周囲の物体との距離を計測する。なお、計測される距離は、スイングドア2の回転軌道における接線方向の距離である。距離センサ21〜23は、例えば超音波、LiDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)又はミリ波レーダなどを用いて物体との距離を計測するセンサである。本例では、運転席のスイングドア2に対して3つの距離センサ21〜23が用いられているが、距離センサの数は、自動開閉の対象となるスイングドアに応じて適宜設定されるものであり、スイングドアの外表面と物体との距離が計測可能である限りにおいて特に限定されない。
【0016】
ドアロック部30は、車両本体1Aのドア枠に取り付けられるストライカ(不図示)と、スイングドア2のインナーパネル(不図示)に取り付けられるラッチ装置31とを備え、ラッチ装置31がストライカを係止することにより、スイングドア2は閉扉状態に保持される。ラッチ装置31には、モータを含むアクチュエータ部(不図示)が設けられており、このアクチュエータ部が制御装置60によって駆動されることにより、ラッチ装置31はストライカの係止を解消する。これにより、スイングドア2のロックが解除され、スイングドア2は開扉可能となる。
【0017】
駆動部40は、モータ41と、開閉回路46とを含む。モータ41は、駆動部40の駆動源であり、後述するリンク機構43を介してスイングドア2を開扉方向及び閉扉方向に駆動する。開閉回路46は、モータ41に対して電力の供給及び遮断を行い、電力の供給を遮断する場合に、モータ41の端子間を短絡可能に構成されている。モータ41の端子間が短絡されることにより、モータ41は急停止する。
【0018】
開扉操作入力部50は、車両本体1Aの内部のインストルメントパネル(不図示)などに配置されるスイッチ類51と、車両ユーザに携帯され、車両本体1Aの外部のスイッチとして機能する携帯器52とを含む。開扉操作入力部50は、車両ユーザによるスイッチ操作に従って、ドアロック部30によるスイングドア2のロックの解除、及び駆動部40によるスイングドア2の開扉を制御装置60に対して指示する。
【0019】
制御装置60は、1つ又は複数のプロセッサを主体とし、プロセッサが実行する制御プログラムやプロセッサの処理結果を保持するROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などの記憶媒体を含んで構成されている。記憶媒体には、ドアロック部30及び駆動部40を制御するために用いられる第1所定距離T1及び第2所定距離T2が記憶保持されている。さらに、記憶媒体には、スイングドア2を駆動部40によって開扉する際の開度限界を規定した設定角度も記憶保持されている。
【0020】
そして、制御プログラムに従って動作する制御装置60は、スイングドア2の周囲の障害物を検出する検出部61として機能し、ドアロック部30及び駆動部40を制御してスイングドア2を開閉する開閉制御部62としても機能する。また、制御装置60は、ハードウェアとして受信部63を有する。受信部63は、開扉操作入力部50の携帯器52の指示を無線によって受信し、且つその携帯器52が車両本体1Aの外部に在るか内部に在るかを識別することが可能である。携帯器52と受信部63との間の通信可能領域は、例えば車両本体1Aを中心として半径1500mmの領域である。
【0021】
開閉制御部62は、開扉操作入力部50の指示に応じてドアロック部30及び駆動部40を制御し、スイングドア2を開閉する。そして、開閉制御部62がスイングドア2を開扉する際、検出部61によってスイングドア2の周囲に障害物が検出された場合に、開閉制御部62は、障害物と接触する前にスイングドア2を停止させる。検出部61は、距離計測部20によって計測されたスイングドア2の外表面とスイングドア2の周囲の物体との距離に基づき、スイングドア2の周囲の障害物を検出する。
【0022】
また、制御装置60は、車両1の車速を検出する車速センサ70と電気的に接続されており、またスイングドア2の開度を検出する開度センサ80と電気的に接続されている。制御装置60には、車速センサ70から車速信号が入力され、開度センサ80から開度信号が入力される。
【0023】
図2に示すスイングドア2は、いわゆるサッシュドアであり、ウインドウガラス5を収納可能なドア本体3と、ドア本体3の上部に枠状に設けられているサッシュ4とを有する。サッシュ4は、ウインドウガラス5を保持し、またウインドウガラス5の昇降をガイドするものである。なお、スイングドア2は、サッシュレスドアであってもよい。スイングドア2は、ドア本体3の前端部に設けられる一対のヒンジ6によって車両本体1Aに連結されている。スイングドア2は、一対のヒンジ6のヒンジ軸6Aを中心にして回転し、車両本体1Aの乗降用開口を開閉可能に塞ぐ。ドア本体3の内部には、ドア自動開閉システム10の駆動部40が配置されている。
【0024】
図3は、駆動部40の一例を示す。また、
図4は、駆動部40の動作を説明し、(a)はスイングドア2が閉扉状態にある場合を示し、(b)はスイングドア2が半開状態にある場合を示し、(c)はスイングドア2が開扉状態にある場合を示す。
【0025】
駆動部40は、ドア本体3の前端部に配置されている。駆動部40は、モータ41と、出力軸42とを含み、モータ41は、適宜なブラケットを介してドア本体3のインンーパネルに取り付けられており、出力軸42は、リンク機構43を介して車両本体1Aに連結されている。
【0026】
リンク機構43は、駆動アーム44と、従動アーム45とを有する。駆動アーム44は、出力軸42に固定されている。従動アーム45の基端部は、駆動アーム44に回動可能に接続されており、従動アーム45の先端部は、車両本体1Aに接続されている。以上の構成により、駆動部40は、モータ41の回転に応じてスイングドア2を開閉させる。
【0027】
ドアロック部30によるスイングドア2のロックが解除されているものとして、例えば、スイングドア2が
図4(a)に示す閉扉状態にある場合に、モータ41が正回転されることにより、モータ41の回転が出力軸42及び駆動アーム44を介して従動アーム45に伝達され、従動アーム45がドア本体3から押し出される。従動アーム45の押し出しに伴い、
図4(b)及び
図4(c)に示すように、スイングドア2が開扉される。
【0028】
一方、スイングドア2が
図4(c)に示す開扉状態にある場合に、モータ41が逆回転されることにより、モータ41の回転が出力軸42及び駆動アーム44を介して従動アーム45に伝達され、従動アーム45がドア本体3に引き込まれる。従動アーム45の引き込みに伴い、
図4(b)及び
図4(a)に示すように、スイングドア2が閉扉される。
【0029】
なお、モータ41と出力軸42との間には、クラッチ機構(不図示)が配置されもよい。クラッチ機構は、スイングドア2が手動により開閉される場合に、モータ41と出力軸42との間の動力伝達を断つ。これにより、スイングドア2の手動操作による開閉が軽くなる。
【0030】
図5及び
図6は、距離計測部20の第1距離センサ21〜第3距離センサ23の配置の一例を示す。なお、
図5では、説明の便宜上、第2距離センサ22及び第3距離センサ23の図示を省略している。
【0031】
図5及び
図6に示すように、距離計測部20は、運転席のスイングドア2に対して3つの距離センサ21〜23を用い、スイングドア2の外表面と物体との距離を計測する。3つの距離センサ21〜23は、全体としてスイングドア2の外表面全体を計測範囲に含めるよう、スイングドア2に分散して設置される。スイングドア2の外表面全体を計測範囲に含めることにより、スイングドア2と障害物とが接触する前に、精度よく障害物を検出することができ、スイングドア2と障害物との接触を確実に回避することが可能となる。
【0032】
まず、
図5に示すように、スイングドア2にはドアミラー部7が設けられている。ドアミラー部7は、ドア本体3の前端部における上側部分に配置されており、且つスイングドア2の外表面よりも車両本体1Aの外方に突出して配置されている。第1距離センサ21は、ドアミラー部7に設置されている。そして、第1距離センサ21は、車両後方に向けて延びる中心線L1を中心に円錐状に広がる第1計測範囲A1を有する。
【0033】
図6に示すように、第2距離センサ22は、ドア本体3の上縁に沿って延びるベルトラインB上で、ドア本体3の後端部に設置されている。そして、第2距離センサ22は、車両前方に向けて延びる中心線L2を中心に円錐状に広がる第2計測範囲A2を有する。また、第3距離センサ23は、ベルトラインB上で、ドア本体3の前端部に設置されている。そして、第3距離センサ23は、車両後方寄りに傾斜して車両下方に向けて延びる中心線L3を中心に円錐状に広がる第3計測範囲A3を有する。
【0034】
第1距離センサ21〜第3距離センサ23のセンサ種別等にもよるが、円錐状に広がる第1計測範囲A1〜第3計測範囲A3それぞれの頂角は概ね120°前後である。
【0035】
ここで、スイングドア2の外表面は、典型的には、スイングドア2の上縁及び下縁がベルトラインBに対して車両内側に寄っている弧状に湾曲している。ベルトラインBを境にして、スイングドア2の外表面をベルトラインBより上側の上部領域とベルトラインBより下側の下部領域とに分けた場合に、例えばサッシュ4の上縁部に設置された距離センサにとって、スイングドア2の外表面の下側領域は死角になり易く、ドア本体3の下縁部に設置された距離センサにとって、スイングドア2の外表面の上側領域は死角になり易い。
【0036】
これに対して、スイングドア2の外表面から突出して配置されたドアミラー部7に設置されている第1距離センサ21は、スイングドア2の外表面の上側領域及び下側領域の両領域を広範囲にわたって計測範囲に収めることができる。これにより、スイングドア2の外表面全体を計測範囲に含めるうえで、必要な距離センサの数を削減できる。ただし、車両後方に円錐状に広がる第1計測範囲A1の頂角の制約から、第1距離センサ21の直上及び直下並びに第1距離センサよりも前方に、第1距離センサの死角となる領域が生じ得る。そこで、追加の距離センサを用いて第1計測範囲A1を補完することにより、スイングドア2の外表面全体を計測範囲に含める。
【0037】
ベルトラインB上でドア本体3の後端部に設置された第2距離センサ22は、車両前方に円錐状に広がる第2計測範囲A2を有し、スイングドア2の外表面のうち第1距離センサ21の直上及び直下並びに第1距離センサよりも前方の領域を計測範囲に含めるうえで好適である。
【0038】
また、
図6に示す例では、スイングドア2の外表面において第1計測範囲A1及び第2計測範囲A2から外れる領域が、スイングドア2の下縁部の前後方向略中央に存在している。ベルトラインB上でドア本体3の前端部に設置された第3距離センサは、車両後方寄りに傾いて車両下方に円錐状に広がる第3計測範囲A3を有し、上記領域を計測範囲に含めるうえで好適である。
【0039】
なお、複数の距離センサの配置は、上述した例に限定されない。例えば
図7に示すように、サッシュ4の上縁部の後端に設置された距離センサ24は、スイングドア2の外表面の上側領域のうち第1計測範囲A1から外れる、第1距離センサ21の直上及び前方の領域を計測範囲に含めることができる。また、
図8に示すように、ドア本体3の下縁部の後端に設置された距離センサ25は、スイングドア2の外表面の下側領域のうち第1計測範囲A1から外れる、第1距離センサ21の直下及び前方の領域を計測範囲に含めることができる。
【0040】
次に、制御装置60が行うスイングドア2の開扉処理について説明する。
【0041】
上述したとおり、制御装置60は、距離計測部20によって計測されたスイングドア2の外表面とスイングドア2の周囲の物体との距離(以下、計測距離という)に基づき、スイングドア2の開扉及び停止を制御する。この制御において、計測距離に対する閾値として、第1所定距離T1及び第2所定距離T2が用いられる。
【0042】
図9は、第1所定距離T1の一例を示し、
図10は、第2所定距離T2の一例を示す。
【0043】
第1所定距離T1は、制御装置60が開扉操作入力部50の開扉指示を受け付けた際に適用される閾値である。
図9に示すように、スイングドア2は閉扉状態にあり、制御装置60は、ドアロック部30及び駆動部40を動作させてスイングドア2を開扉する前に、計測距離が第1所定距離T1以下であるか否かを判定する。計測距離が第1所定距離T1以下である場合に、制御装置60は、物体を障害物として認識し、スイングドア2の開扉処理を中止する。一方、計測距離が第1所定距離T1より大きい場合に、制御装置60は、物体を非障害物として認識し、ドアロック部30及び駆動部40を動作させてスイングドア2の開扉を開始する。
【0044】
第2所定距離T2は、スイングドア2が開扉されている際に適用される閾値である。
図10に示すように、制御装置60は、ドアロック部30及び駆動部40を動作させてスイングドア2の開扉を開始した後に、計測距離が第2所定距離T2以下であるか否かを判定する。計測距離が第2所定距離T2以下である場合に、制御装置60は、物体を障害物として認識し、スイングドア2の開扉を停止する。一方、計測距離が第2所定距離T2より大きい場合に、物体を非障害物として認識し、スイングドア2の開扉を継続する。
【0045】
第1所定距離T1は、車両ユーザの乗降に必要となるスイングドア2の開度を考慮して設定でき、例えば100mmである。第2所定距離T2は、スイングドア2の開度を極力大きくし且つスイングドア2と障害物との接触を回避する観点から、好ましくは第1所定距離T1よりも小さく、スイングドア2の開扉を停止した場合の即応性能を考慮して設定できる。スイングドア2の重量及び開扉速度にもよるが、第2所定距離T2は、例えば50mmである。
【0046】
図11は、制御装置60が行う開扉処理の一例を示す。
【0047】
制御装置60は、車速センサ70から入力される車速信号に基づいて車両1が停止しているか否かを判定する(ステップS1)。判定の結果、車両1が停止していると判定する場合(ステップS1のYES)、ステップS2に進む。その一方、車両1が停止していないと判定する場合(ステップS1のNO)、処理を終了する(END)。
【0048】
制御装置60は、開扉操作入力部50の開扉指示の有無を判定する(ステップS2)。判定の結果、開扉指示が有る場合(ステップS2のYES)、制御装置60は、距離計測部20による距離の計測を開始する(ステップS3)。一方、開扉指示が無い場合(ステップS2のYES)、開扉処理を終了する(END)。
【0049】
制御装置60は、計測距離を取得し、取得した計測距離が第1所定距離T1よりも大きいか否かを判定する(ステップS4)。判定の結果、計測距離が第1所定距離T1よりも大きい場合(ステップS4のYES)、制御装置60は、ドアロック部30のラッチ装置31によるストライカの係止を解除してスイングドア2をアンロックし、駆動部40を動作させてスイングドア2の開扉を開始する(ステップS8)。
【0050】
一方、ステップS4で取得した計測距離が第1所定距離T1以下である場合(ステップS4のNO)、制御装置60は、ステップS2における開扉指示が携帯器52によるものであって且つ携帯器52が車両本体1Aの外部に在るか否かを判定する(ステップS5)。
【0051】
ステップS5の判定の結果、開扉指示が携帯器52によるものあり且つ携帯器52が車両本体1Aの外部に在る場合(ステップS5のYES)、車両ユーザがスイングドア2の周囲の状況を承知したうえで携帯器52に対する開扉操作入力を行ったと見做すことができるので、制御装置60は、開扉指示を有効とし、ステップS8に進んでスイングドア2の開扉を開始する。
【0052】
ステップS5の判定の結果、開扉指示が携帯器52以外のスイッチ類51によるものであり、又は携帯器52が車両本体1Aの内部に在る場合(ステップS5のNO)、車両ユーザがスイングドア2の周囲の状況を承知していない可能性があり、スイングドア2の開扉を開始した場合にスイングドア2と障害物との不測の接触が起こり得る。そこで、制御装置60は、開扉指示を無効とし(ステップS6)、ドアロック部30によるスイングドア2のロックを維持する(ステップS7)。仮に、ドアシールの反力によってスイングドア2が回動される際のドアの回動範囲内に障害物が存在していたとしても、スイングドア2のロックが維持されることにより、ドアシールの反力に起因するスイングドア2の回動が阻止され、スイングドア2と障害物との接触が回避される。また、車両1を移動させて停車場所を変更する場合に、再びスイングドア2をロックする手間も省かれる。その後、制御装置60は、距離計測部20による距離の計測を終了し(ステップS13)、開扉処理を終了する(END)。
【0053】
ステップS8でスイングドア2の開扉を開始した後、制御装置60は、再び計測距離を取得し、取得した計測距離が第2所定距離T2よりも大きいか否かを判定する(ステップS9)。判定の結果、計測距離が第2所定距離T2よりも大きい場合(ステップS9のYES)、制御装置60は、駆動部40の動作を継続してスイングドア2の開度を所定角度だけ増加させる(ステップS10)。
【0054】
そして、制御装置60は、開度センサ80から入力される開度信号に基づき、スイングドア2の開度が自動開扉における設定角度以上か否かを判定する(ステップS11)。判定の結果、スイングドア2の開度が設定角度以上である場合(ステップS11のYES)、制御装置60は、駆動部40を停止させ、スイングドア2の開扉を終了する(ステップS12)。一方、スイングドア2の開度が設定角度未満である場合(ステップS11のNO)、制御装置60はステップS9に戻る。
【0055】
スイングドア2の開度が設定角度以上となるまでに、ステップS9で取得した計測距離が第2所定距離T2以下となった場合(ステップS9のNO)、制御装置60は、計測距離がステップ的に変化したか否かを判定する(ステップS14)。この判定には、例えば計測距離の変化量に対する適宜な閾値が用いられる。
【0056】
ステップS14の判定の結果、計測距離がステップ的に変化して第2所定距離T2以下となった場合(ステップS14のYES)に、制御装置60は、開閉回路46によってモータ41に対する電力の供給を遮断し且つモータ41の端子間を短絡させてスイングドア2を急停止させる(ステップS15)。なお、計測距離がステップ的に変化する場合としては、犬、猫等の小動物がスイングドア2の開扉軌道上に飛び込んでくる場合が想定される。このような場合に、スイングドア2を急停止させることにより、スイングドア2と障害物との接触を回避でき、接触した場合にも衝撃を軽減できる。
【0057】
ステップS14の判定の結果、計測距離がなだらかに変化して第2所定距離T2以下となった場合(ステップS14のNO)に、制御装置60は、開閉回路46によってモータ41に対する電力の供給を遮断してスイングドア2を停止させる(ステップS16)。計測距離がなだらかに変化する場合に、スイングドア2を停止させるタイミングで、スイングドア2と障害物との間には、スイングドア2の即応性能を考慮して設定される第2所定距離T2が残されている。したがって、スイングドア2を急停止させずとも、スイングドア2と障害物との接触を回避できる。
【0058】
上述したドア自動開閉システム10によれば、距離計測部20は、スイングドア2に分散して設置される3つの距離センサ21〜23を用い、スイングドア2の外表面の全体を計測範囲として、スイングドア2の外表面とスイングドア2の周囲の物体との距離を計測する。これにより、スイングドア2の周囲の障害物を、スイングドア2と障害物とが接触する前に精度よく且つ確実に検出することができ、スイングドア2と障害物との接触を未然に回避することが可能となる。
【0059】
また、上述したドア自動開閉システム10によれば、制御装置60は、開扉操作入力部50の指示を受け付けた際に、まず、スイングドア2とスイングドア2の周囲の物体との間の距離の計測を開始する。これにより、仮に、スイングドア2の極近傍、例えばドアシールの反力によってスイングドア2が回動される際のドアの回動範囲内に障害物が存在していたとしても、スイングドア2と障害物との接触を未然に回避することが可能となる。
【0060】
以上、説明したとおり、本明細書に開示されたドア自動開閉システムは、車両のスイングドアの外表面と前記スイングドアの周囲の物体との距離を計測する距離計測部と、前記スイングドアを閉状態にロックするドアロック部と、前記スイングドアを開閉する駆動部と、前記ドアロック部による前記スイングドアのロックの解除、及び前記駆動部による前記スイングドアの開扉を操作する開扉操作入力部と、前記開扉操作入力部における操作入力に応じ、前記距離計測部によって計測される距離に基づいて前記ドアロック部及び前記駆動部を制御する制御装置と、を備え、前記距離計測部は、前記スイングドアに分散して設置される複数個の距離センサを有し、前記スイングドアの外表面の全体を計測対象とする。
【0061】
また、本明細書に開示されたドア自動開閉システムは、前記距離計測部は、前記スイングドアの外表面よりも外方に突出して配置されるドアミラー部に設置される前記距離センサを含む。
【0062】
また、本明細書に開示されたドア自動開閉システムは、前記距離計測部は、車両のベルトライン上において、前記スイングドアのヒンジ側端部及び/又はヒンジ側端部とは反対側の先端部に設置される前記距離センサを含む。
【0063】
また、本明細書に開示されたドア自動開閉システムは、前記スイングドアは、サッシュを有するドアであり、前記距離計測部は、車両のベルトラインよりも車両上側のドア上部において、前記スイングドアのヒンジ側端部とは反対側の先端部に設置される前記距離センサを含む。
【0064】
また、本明細書に開示されたドア自動開閉システムは、前記第2所定距離は、前記第1所定距離よりも小さい。
【0065】
また、本明細書に開示されたドア自動開閉システムは、前記距離計測部は、車両のベルトラインよりも車両下側のドア下部において、前記スイングドアのヒンジ側端部とは反対側の先端部に設置される前記距離センサを含む。
【0066】
また、本明細書に開示されたドア自動開閉システムは、車両のスイングドアの外表面と前記スイングドアの周囲の物体との距離を計測する距離計測部と、前記スイングドアを閉状態にロックするドアロック部と、前記スイングドアを開閉する駆動部と、前記距離計測部によって計測される距離に基づいて前記ドアロック部及び前記駆動部を制御する制御部と、前記ドアロック部による前記スイングドアのロックの解除、及び前記駆動部による前記スイングドアの開扉を前記制御部に対して指示する開扉操作入力部と、を備え、前記制御部は、前記開扉操作入力部の指示を受け付けた際に前記距離の計測を開始し、前記駆動部による前記スイングドアの開扉を停止するまで前記距離の計測を継続する。
【0067】
また、本明細書に開示されたドア自動開閉システムは、前記開扉操作入力部の指示を受け付けた際の計測距離が第1所定距離以下である場合に、前記制御部は、前記開扉操作入力部の指示を無効とし、前記ドアロック部による前記スイングドアのロックを維持する。
【0068】
また、本明細書に開示されたドア自動開閉システムは、前記開扉操作入力部は、車両ユーザに携帯される携帯器を有し、前記制御部は、前記携帯器の指示を無線により受信し、且つ前記携帯器が車両の外部に在るか内部に在るかを識別可能な受信部を有し、前記開扉操作入力部の指示を受け付けた際の前記計測距離が第1所定距離以下である場合において、当該指示が前記携帯器によるものであって且つ前記携帯器が車外に在る場合に、前記制御部は、前記開扉操作入力部の指示を有効とし、前記ドアロック部による前記スイングドアのロックを解除し、前記駆動部によって前記スイングドアを開扉させる。
【0069】
また、本明細書に開示されたドア自動開閉システムは、前記駆動部によって前記スイングドアが開扉されている際に前記計測距離が第2所定距離以下となった場合に、前記制御部は、前記駆動部を制御して前記スイングドアを停止させる。
【0070】
また、本明細書に開示されたドア自動開閉システムは、前記第2所定距離は、前記第1所定距離よりも小さい。
【0071】
また、本明細書に開示されたドア自動開閉システムは、前記駆動部は、モータと、前記モータの端子間を短絡可能な開閉回路と、を有し、前記駆動部によって前記スイングドアが開扉されている際に、前記計測距離がステップ的に前記第2所定距離以下となった場合に、前記制御部は、前記開閉回路を制御して前記モータの端子間を短絡することにより前記駆動部による前記スイングドアを急停止させる。