(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
電動アシスト自転車及び電動2車のような動力源付きリーン車両を用いたシェアリングでは、4輪車のシェアリングに比べて、動力源付きリーン車両の短距離の利用が多い。そのため、動力源付きリーン車両の一回の利用時間は短い。よって、動力源付きリーン車両を用いたシェアリングでは、貸し出し頻度をより高めることが求められる。
【0009】
本発明は、動力源付きリーン車両のシェアリングの貸し出し頻度をより高めることが可能な動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置及び動力源付きリーン車両用シェアリング管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、動力源付きリーン車両の貸し出し頻度をより高めるために、動力源付きリーン車両の貸し出し状況を詳細に検討した。
【0011】
本発明者は、検討する中で、動力源付きリーン車両のシェアリングにおいて、動力源付きリーン車両は、短距離から長距離を移動する際に利用されることを見出した。
【0012】
動力源付きリーン車両のシェアリングにおいて、動力源付きリーン車両は、動力源を有するため、動力源を有していない自転車よりも長距離の移動に利用される。また、動力源付きリーン車両は、4輪車に比べて車両の扱いが容易であるため、自転車と同様、短距離の移動にも利用される。このように、動力源付きリーン車両のシェアリングにおいて、動力源付きリーン車両は、短距離の移動から長距離の移動までの広い走行レンジで利用される。
【0013】
本発明者は、動力源付きリーン車両のシェアリングにおいて、動力源付きリーン車両が、短距離の移動から長距離の移動までの広い走行レンジで利用されるという状況を活用して、動力源付きリーン車両の貸し出し頻度をより高める方法を検討した。
【0014】
本発明者は、検討する中で、一般に行われている動力源付きリーン車両のシェアリングでは、短距離の移動から長距離の移動までの広い走行レンジをカバーするために、シェアリングで用いられる動力源付きリーン車両の種類を長距離移動可能な1種類にする、という技術思想に基づいていることに気付いた。
【0015】
そこで、本発明者は、従来の技術思想とは異なり、短距離の移動から長距離の移動までの広い走行レンジをカバーするために、シェアリングで用いる動力源付きリーン車両の種類を航続距離が異なる複数の種類にする、という技術思想でのアプローチを試みた。
【0016】
本発明者は、さらに検討する中で、シェアリングで用いられる動力源付きリーン車両の種類を航続距離が異なる複数の種類にすることで、多数のユーザの異なるニーズに応えられることに気付いた。
【0017】
長距離移動可能であるハイスペックな動力源付きリーン車両の導入コストは、短距離移動可能であるロースペックな動力源付きリーン車両の導入コストとは、一般的に異なる。例えば、長距離移動可能であるハイスペックな動力源付きリーン車両の導入コストは、一般的に高い。また、例えば、長距離移動不可能であるが、短距離移動可能であるロースペックな動力源付きリーン車両の導入コストは、一般的に低い。このように、動力源付きリーン車両のシェアリングで用いられる動力源付きリーン車両の種類を複数にすることで、動力源付きリーン車両を多数用いるシェアリングにおいて、動力源付きリーン車両のシェアリングの運営コストを抑制することができる。その結果、動力源付きリーン車両のシェアリングを利用するユーザに提示する利用料金をダイナミックに設定することが可能となる。
【0018】
本発明者は、シェアリングで用いられる動力源付きリーン車両の種類を、航続距離が異なる複数の種類にする、という技術思想により、ユーザに提示する利用料金をダイナミックに設定できるので、動力源付きリーン車両の貸し出し頻度をより高めることができることに気付いた。
【0019】
さらに、本発明者は、検討した結果、シェアリングで用いられる動力源付きリーン車両の種類を、車両の仕様(Specifications)としての最大航続距離以外に車両の仕様としての最高速度または最高出力、最大トルクが異なる複数の種類としても、同様の効果が得られることを見出した。なお、最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクのうち少なくとも2つが異なる動力源付きリーン車両を、異なる複数の種類の動力源付きリーン車両としてもよい。
【0020】
上述の航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクは、それぞれ、動力源付きリーン車両をシェアリングに導入した時の前記動力源付きリーン車両の仕様値(Specification
value)である。
【0021】
本発明の一実施形態に係る動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置は、複数のベースに駐車された動力源付きリーン車両のシェアリングを管理する動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置である。この動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置は、前記複数のベースに駐車され且つ最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である複数種類の動力源付きリーン車両を、ユーザが24時間よりも短い時間で単発利用する際に、前記複数のベースに駐車され且つ最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である動力源付きリーン車両の利用開始場所及び移動距離に関する情報を含むとともに、ユーザの単発利用に関する情報であるユーザ単発利用要望情報(User One−Off Usage Demand Information)を取得し、前記ユーザ単発利用要望情報に基づいて、前記複数のベースに駐車され且つ最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である複数種類の動力源付きリーン車両の中から抽出された利用可能な動力源付きリーン車両の種類と、前記抽出された利用可能な動力源付きリーン車両が駐車されているベースに関する情報とを少なくとも含む、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を、複数、生成し、前記複数の動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を出力する。
【0022】
動力源付きリーン車両のシェアリングにおいて、前記動力源付きリーン車両は、短距離の移動から長距離の移動までの広い走行レンジで利用できる。動力源付きリーン車両は、動力源を有するため、動力源を有していない自転車よりも長距離の移動に利用できる。また、動力源付きリーン車両は、4輪車に比べて車両の扱いが容易であるため、自転車と同様、短距離の移動にも利用できる。このように、動力源付きリーン車両のシェアリングにおいて、動力源付きリーン車両は、短距離から長距離の移動までの広い走行レンジで利用できる。
【0023】
また、前記動力源付きリーン車両は、4輪車と比較して、一つのベースに複数台駐車させることが容易にできる。そのため、短距離の移動から長距離の移動までの広い走行レンジで利用できる動力源付きリーン車両のシェアリングにおいて、複数のベースに駐車され且つ最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である複数種類の動力源付きリーン車両を用いることができる。
【0024】
これにより、一つのベースに複数台駐車可能で且つ最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である複数種類の動力源付きリーン車両を用いたシェアリングにおいて、取得したユーザ単発利用要望情報に基づいて複数の動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を出力できる。よって、多数のユーザの異なるニーズに応えることができる。
【0025】
したがって、動力源付きリーン車両の貸し出し頻度をより高めることが可能な動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置を提供することができる。
【0026】
なお、動力源付きリーン車両の最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なるというのは、例えば電動アシスト自転車、自動2輪車、電動2輪車などのように車両の形態がそもそも異なる場合であってもよい。
【0027】
動力源付きリーン車両の最大航続距離が異なるというのは、例えば、電動アシスト自転車及び電動2輪車などの電動車両の場合、シェアリングにおける車両導入時のバッテリ装置の最大充電量が異なる場合であってもよい。また、最大航続距離が異なる動力源付きリーン車両は、例えば、バッテリ装置の仕様が同じ場合でも、動力源付きリーン車両をシェアリングに導入した時に新品のバッテリ装置が搭載された動力源付きリーン車両と前記導入時に中古のバッテリ装置が搭載された動力源付きリーン車両との組み合わせを含む。
【0028】
動力源付きリーン車両の最大航続距離が異なるというのは、エンジンが搭載された自動2輪車の場合、例えば、同じ仕様のエンジンにおいて、燃料タンクのタンク容量の大きさが異なる場合でもよい。また、最大航続距離が異なる動力源付きリーン車両は、燃料タンクのタンク容量は同じ大きさであるが、燃料消費率が異なる車両であってもよい。
【0029】
最高速度、最高出力または最大トルクが異なるというのは、電動アシスト自転車及び電動2輪車などの電動車両の場合、例えば、モータの定格出力及び該モータの駆動制御の少なくとも一方が異なる場合であってもよい。
【0030】
最高速度、最高出力または最大トルクが異なるというのは、エンジンが搭載された自動2輪車の場合、例えば、エンジンの排気量、エンジンの形式、エンジン制御、変速機の形式及び変速機制御の少なくとも一つが異なる場合であってもよい。
【0031】
他の観点によれば、本発明の動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置は、以下の構成を含むことが好ましい。前記動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報は、前記抽出された利用可能な動力源付きリーン車両の車両利用料金をさらに含む。
【0032】
これにより、車両利用料金が異なる複数の動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報をユーザに複数の選択肢として提案できる。したがって、動力源付きリーン車両の貸し出し頻度を高めることができる。
【0033】
他の観点によれば、本発明の動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置は、以下の構成を含むことが好ましい。前記動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報は、最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である動力源付きリーン車両が複数種類、駐車可能なベースに関する情報を含む。
【0034】
これにより、ベースに駐車されている複数種類の動力源付きリーン車両の中から、ユーザ単発利用要望情報に応じた最適な種類の動力源付きリーン車両をユーザに提案できる。したがって、動力源付きリーン車両の貸し出し頻度をより高めることができる。
【0035】
他の観点によれば、本発明の動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置は、以下の構成を含むことが好ましい。前記ユーザ単発利用要望情報は、前記移動距離に関する情報として、ユーザが前記複数のベースに駐車され且つ最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である動力源付きリーン車両を単発利用する際に、前記複数のベースに駐車され且つ最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である動力源付きリーン車両の利用終了場所に関する情報、利用時間に関する情報及び移動距離を直接的な移動距離の少なくとも一つを含む。
【0036】
動力源付きリーン車両の移動距離は、利用終了場所と利用開始場所との距離、利用時間と動力源付きリーン車両の速度(例えば法定速度)との積、実際の移動距離等によって求めることができる。よって、ユーザ単発利用要望情報が、移動距離に関する情報として、上述の情報の少なくとも一つを含むことにより、前記動力源付きリーン車両の移動距離を求めることができる。よって、前記移動距離に関する情報を考慮して動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を生成することにより、ベースに駐車されている複数種類の動力源付きリーン車両の中から、移動距離を考慮した動力源付きリーン車両を提案することができる。したがって、動力源付きリーン車両の貸し出し頻度をより高めることができる。
【0037】
他の観点によれば、本発明の動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置は、以下の構成を含むことが好ましい。前記ユーザ単発利用要望情報は、ユーザが前記複数のベースに駐車され且つ最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である動力源付きリーン車両を単発利用する際に、前記複数のベースに駐車され且つ最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である動力源付きリーン車両の利用終了場所の情報も含む。
【0038】
これにより、ユーザが動力源付きリーン車両を単発利用する際に、利用終了場所の情報も含めたユーザ単発利用要望情報に基づいて、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を生成して出力することができる。すなわち、利用終了場所を考慮して、動力源付きリーン車両を提案することができる。したがって、動力源付きリーン車両の貸し出し頻度をより高めることができる。
【0039】
他の観点によれば、本発明の動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置は、以下の構成を含むことが好ましい。前記動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報は、前記利用開始場所から前記利用終了場所までの経路上に、前記複数のベースに駐車され且つ最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である動力源付きリーン車両の乗り継ぎ場所に関する情報も含む。
【0040】
このように、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報が、利用開始場所から利用終了場所までの経路上に、最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である動力源付きリーン車両の乗り継ぎ場所も含むことにより、ユーザが選択可能な動力源付きリーン車両の台数を増やすことが可能になる。また、充電量または燃料残量が少ない動力源付きリーン車両を移動させて充電または燃料補給を行うことが可能になる。
【0041】
したがって、上述の構成により、動力源付きリーン車両の貸し出し頻度をより高めることができる。しかも、上述の構成により、動力源付きリーン車両の再配置を行うことが可能になる。
【0042】
他の観点によれば、本発明の動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置は、以下の構成を含むことが好ましい。動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置は、前記乗り継ぎ場所で、前記複数のベースに駐車され且つ最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である種類の前記動力源付きリーン車両に乗り継ぐように、前記動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を生成する。
【0043】
これにより、且つ最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である複数種類の動力源付きリーン車両の乗り継ぎも含む複数の動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を、ユーザに提案できる。よって、ユーザが選択可能な動力源付きリーン車両の台数を増やすことが可能になる。また、充電量または燃料残量が少ない動力源付きリーン車両を移動させて充電または燃料補給を行うことが可能になる。
【0044】
したがって、上述の構成により、動力源付きリーン車両の貸し出し頻度をより高めることができる。しかも、上述の構成により、動力源付きリーン車両の再配置を行うことが可能になる。
【0045】
他の観点によれば、本発明の動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置は、以下の構成を含むことが好ましい。前記動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報は、前記複数のベースに駐車され且つ最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である動力源付きリーン車両が前記利用開始場所から前記利用終了場所まで移動する際の所要時間に関する情報も含む。
【0046】
これにより、シェアリングのユーザに対し、利用開始場所から利用終了場所までの所要時間に関する情報も提供することができる。よって、ユーザは、前記所要時間も考慮して、動力源付きリーン車両を選択することが可能になる。したがって、ユーザの利便性を向上できる。これにより、動力源付きリーン車両の貸し出し頻度をより高めることができる。
【0047】
他の観点によれば、本発明の動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置は、以下の構成を含むことが好ましい。前記複数のベースに駐車され且つ最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である複数種類の動力源付きリーン車両は、動力源としてのモータと、前記モータに電力を供給するバッテリ装置と、を有し、前記バッテリ装置の充電量が異なる。
【0048】
動力源付きリーン車両がモータ及びバッテリ装置を有する電動車両の場合、前記バッテリ装置の充電量は車両ごとに異なる。よって、バッテリ装置の充電量が異なる動力源付きリーン車両の中から、ユーザ単発利用要望情報に応じてユーザに適した動力源付きリーン車両を提案することができる。したがって、動力源付きリーン車両の貸し出し頻度をより高めることができる。
【0049】
また、バッテリ装置の充電量に応じてシェアリングのユーザの費用負担を変更することにより、ユーザの費用負担を軽減することも可能である。
【0050】
本発明の一実施形態に係る動力源付きリーン車両用シェアリング管理方法は、複数のベースに駐車された動力源付きリーン車両のシェアリングを管理する動力源付きリーン車両用シェアリング管理方法である。この動力源付きリーン車両用シェアリング管理方法は、前記複数のベースに駐車され且つ最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である複数種類の動力源付きリーン車両を、ユーザが24時間よりも短い時間で単発利用する際に、前記複数のベースに駐車され且つ最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である動力源付きリーン車両の利用開始場所及び移動距離に関する情報を含むとともに、ユーザの単発利用に関する情報であるユーザ単発利用要望情報を取得するユーザ単発利用要望情報取得ステップと、前記ユーザ単発利用要望情報に基づいて、記複数のベースに駐車され且つ最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である複数種類の動力源付きリーン車両の中から抽出された利用可能な動力源付きリーン車両の種類と、前記抽出された利用可能な動力源付きリーン車両が駐車されているベースに関する情報とを少なくとも含む、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を、複数、生成する動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報生成ステップと、前記動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報生成ステップで生成された前記複数の動力源付きリーン車両種類関連情報を出力する動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報出力ステップと、を有する。
【0051】
他の観点によれば、本発明の動力源付きリーン車両用シェアリング管理方法は、以下の構成を含むことが好ましい。前記動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報は、前記抽出された利用可能な動力源付きリーン車両の車両利用料金をさらに含む。
【0052】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施例のみを定義する目的で使用されるのであって、前記専門用語によって発明を制限する意図はない。
【0053】
本明細書で使用される「及び/または」は、一つまたは複数の関連して列挙された構成物のすべての組み合わせを含む。
【0054】
本明細書において、「含む、備える(including)」「含む、備えるcomprising)」または「有する(having)」及びそれらの変形の使用は、記載された特徴、工程、要素、成分、及び/または、それらの等価物の存在を特定するが、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/または、それらのグループのうちの一つまたは複数を含むことができる。
【0055】
本明細書において、「取り付けられた」、「接続された」、「結合された」、及び/または、それらの等価物は、広義の意味で使用され、“直接的及び間接的な”取り付け、接続及び結合の両方を包含する。さらに、「接続された」及び「結合された」は、物理的または機械的な接続または結合に限定されず、直接的または間接的な接続または結合を含むことができる。
【0056】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。
【0057】
一般的に使用される辞書に定義された用語は、関連する技術及び本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されることはない。
【0058】
本発明の説明においては、いくつもの技術および工程が開示されていると理解される。これらの各々は、個別の利益を有し、他に開示された技術の一つ以上、または、場合によっては全てと共に使用することもできる。
【0059】
したがって、明確にするために、本発明の説明では、不要に個々のステップの可能な組み合わせをすべて繰り返すことを控える。しかしながら、本明細書及び特許請求の範囲は、そのような組み合わせがすべて本発明の範囲内であることを理解して読まれるべきである。
【0060】
本明細書では、本発明に係る動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置及び動力源付きリーン車両用シェアリング管理方法の実施形態について説明する。
【0061】
以下の説明では、本発明の完全な理解を提供するために多数の具体的な例を述べる。しかしながら、当業者は、これらの具体的な例がなくても本発明を実施できることが明らかである。
【0062】
よって、以下の開示は、本発明の例示として考慮されるべきであり、本発明を以下の図面または説明によって示される特定の実施形態に限定することを意図するものではない。
【0063】
[リーン車両]
本明細書において、リーン車両とは、傾斜姿勢で旋回する車両である。具体的には、リーン車両は、車両の左右方向において、左方向に旋回する際に左方向に傾斜し、右方向に旋回する際に右方向に傾斜する車両である。リーン車両は、一人乗りの車両であってもよいし、複数人が乗車可能な車両であってもよい。なお、リーン車両は、2輪車だけでなく、3輪車または4輪車など、傾斜姿勢で旋回する全ての車両を含む。
【0064】
[動力源]
本明細書において、動力源とは、車輪に対して回転駆動力を付与する装置を意味する。動力源は、例えば、エンジン、モータ、エンジン及びモータを組み合わせたハイブリッドシステムなどの回転駆動力を付与可能な装置を含む。
【0065】
[動力源付きリーン車両]
本明細書において、動力源付きリーン車両は、電動アシスト自転車、自動2輪車、スクータ、傾斜姿勢で旋回する自動3輪車、傾斜姿勢で旋回する自動4輪車を含む。
【0066】
[シェアリング]
本明細書において、シェアリングとは、同じ動力源付きリーン車両を複数のユーザが交替で利用することを意味する。
【0067】
[単発利用]
本明細書において、単発利用とは、ユーザが動力源付きリーン車両を利用したいときのみに、動力源付きリーン車両のシェアリングを24時間よりも短い時間で利用する場合を意味する。単発利用は、定期的な利用以外の利用、すなわち不定期の利用を含む。
【0068】
[定期利用]
本明細書において、定期利用とは、ユーザが、1日のうち決められた時間帯に動力源付きリーン車両を所定期間にわたって利用したい場合において、例えば月単位などの複数日分の所定期間分をまとめて予約して利用することを意味する。定期利用は、定期利用開始場所と定期利用終了場所との間の距離から想定される移動時間よりも長時間の利用である。そのため、動力源付きリーン車両を貸し出し中にユーザがエネルギーチャージを行うための時間を確保できる。
【0069】
[ベース]
本明細書において、ベースとは、同一種類または複数種類の動力源付きリーン車両を複数台、駐車可能な場所を意味する。なお、前記ベースは、動力源付きリーン車両専用の駐車場所を意味していてもよいし、決められた駐車場ではなく、所定の区域(例えば、公園、施設内の一部、道路などの公共エリアの一部など)内で動力源付きリーン車両を駐車可能な範囲を意味していてもよい。また、前記ベースは、動力源付きリーン車両以外の車両が駐車可能であってもよい。
【0070】
[利用開始場所]
本明細書において、利用開始場所とは、動力源付きリーン車両の利用を開始するベースだけでなく、ユーザの現在地または移動開始場所も含む。また、利用開始場所は、一つのベースだけでなく、互いに距離が近い複数のベースも含む。
【0071】
[利用終了場所]
本明細書において、利用終了場所とは、動力源付きリーン車両の利用を終了するベースだけでなく、ユーザの目的地も含む。また、利用終了場所は、一つのベースだけでなく、互いに距離が近い複数のベースも含む。
【0072】
[移動距離に関する情報]
本明細書において、移動距離に関する情報とは、直接的な移動距離及び間接的な移動距離に関する情報の両方を含む。本明細書において、前記直接的な移動距離とは、例えばkmなどの長さの単位で表記される移動距離を意味する。前記移動距離は、例えば、利用開始場所と利用終了場所とから求めることができる。前記移動距離は、例えば、利用時間と法定速度とから求めることができる。前記間接的な移動距離に関する情報とは、移動距離を求めることができ且つ前記直接的な移動距離ではない別の情報である。本明細書において、移動距離に関する情報とは、直接的な移動距離、利用終了場所に関する情報及び利用時間に関する情報の少なくとも一つを含む。
【0073】
[乗り継ぎ場所]
本明細書において、乗り継ぎ場所とは、動力源付きリーン車両を乗り継ぐ場所を意味する。また、乗り継ぎ場所は、一つのベースだけでなく、互いに距離が近い複数のベースも含む。
【発明の効果】
【0074】
本発明の一実施形態によれば、動力源付きリーン車両のシェアリングの貸し出し頻度をより高めることが可能な動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置及び動力源付きリーン車両用シェアリング管理方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0076】
以下で、各実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0077】
以下では、動力源付きリーン車両の一例として、電動2輪車100、電動アシスト自転車200及び自動2輪車300を用いて説明する。そのため、以下では、図中の矢印Fは、電動2輪車100、電動アシスト自転車200及び自動2輪車300の前方向を示す。図中の矢印Rは、電動2輪車100、電動アシスト自転車200及び自動2輪車300の後方向を示す。図中の矢印Uは、電動2輪車100、電動アシスト自転車200及び自動2輪車300の上方向を示す。また、前後左右の方向は、それぞれ、電動2輪車100、電動アシスト自転車200及び自動2輪車300を運転する乗員から見た場合の前後左右の方向を意味する。
【0078】
(全体構成)
図1に、本発明の実施形態に係る動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1を含むシェアリング管理システム10の概略構成を示す。シェアリング管理システム10は、動力源付きリーン車両を複数のユーザが交替で利用する、いわゆるシェアリングを管理するシステムである。
【0079】
本実施形態のシェアリングは、動力源付きリーン車両の単発利用のシェアリングである。この単発利用は、ユーザが動力源付きリーン車両を利用したいときのみに、動力源付きリーン車両のシェアリングを24時間よりも短い時間で利用する場合を意味する。
【0080】
シェアリング管理システム10は、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1と、インターネットなどの通信回線2と、ユーザの携帯端末3と、動力源付きリーン車両100,200,300を駐車可能なベースX1〜X3とを含む。シェアリング管理システム10において、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1、ユーザの携帯端末3及びベースX1〜X3は、通信回線2を介して信号の送受信可能である。通信回線2は、インターネット、LAN、Wi−Fi(登録商標)などを含む。また、通信回線2は、有線または無線の通信も含む。
【0081】
なお、
図1に示す例では、シェアリング管理システム10は、一つの携帯端末3及び3カ所のベースX1〜X3を有する。しかしながら、シェアリング管理システム10は、ユーザの携帯端末3を複数有していてもよい。シェアリング管理システム10は、ベースを2カ所以下または4カ所以上、有していてもよい。
【0082】
本実施形態では、動力源付きリーン車両は、動力源を有するとともに、左方向に旋回する際に左方向に傾斜し、右方向に旋回する際に右方向に傾斜する車両である。動力源付きリーン車両は、例えば、自動2輪車、電動2輪車及び電動アシスト自転車などを含む。動力源付きリーン車両の動力源は、例えば、エンジン、モータ、エンジン及びモータを組み合わせたハイブリッドシステムなどの回転駆動力を付与可能な装置を含む。
【0083】
なお、動力源付きリーン車両は、後述するベースX1〜X3に複数台駐車可能なリーン車両であれば、2輪車に限らず、3輪車または4輪車などの車両であってもよい。
【0084】
本実施形態のシェアリング管理システム10は、最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である複数種類の動力源付きリーン車両100,200,300のシェアリングを管理する。すなわち、シェアリング管理システム10は、例えば、動力源付きリーン車両としての電動2輪車100、電動アシスト自転車200及び自動2輪車300のシェアリングを管理する。なお、シェアリング管理システム10は、電動2輪車100、電動アシスト自転車200及び自動2輪車300以外の動力源付きリーン車両のシェアリングを管理してもよい。
【0085】
前記最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である複数の種類の動力源付きリーン車両は、例えば電動アシスト自転車、自動2輪車、電動2輪車などのように車両の形態がそもそも異なる車両を含む。
【0086】
動力源付きリーン車両の最大航続距離が異なるというのは、例えば、電動アシスト自転車200及び電動2輪車100などの電動車両の場合、シェアリングにおける車両導入時のバッテリ装置の最大充電量が異なる場合であってもよい。また、最大航続距離が異なる動力源付きリーン車両は、例えば、バッテリ装置の仕様が同じ場合でも、動力源付きリーン車両をシェアリングに導入した時に新品のバッテリ装置が搭載された動力源付きリーン車両と前記導入時に中古のバッテリ装置が搭載された動力源付きリーン車両との組み合わせを含む。
【0087】
動力源付きリーン車両の最大航続距離が異なるというのは、エンジンが搭載された自動2輪車300の場合、例えば、同じ仕様のエンジンにおいて、燃料タンクのタンク容量の大きさが異なる場合でもよい。また、最大航続距離が異なる動力源付きリーン車両は、燃料タンクのタンク容量は同じ大きさであるが、燃料消費率が異なる車両であってもよい。
【0088】
最高速度または最高出力が異なるというのは、電動アシスト自転車200及び電動2輪車100などの電動車両の場合、例えば、モータの定格出力及び該モータの駆動制御の少なくとも一方が異なる場合であってもよい。
【0089】
最高速度または最高出力が異なるというのは、エンジンが搭載された自動2輪車300の場合、例えば、エンジンの排気量、エンジンの形式、エンジン制御、変速機の形式及び変速機制御の少なくとも一つが異なる場合であってもよい。
【0090】
なお、前記最大航続距離、最高速度及び最高出力の少なくとも一つが異なる仕様である複数の種類の動力源付きリーン車両として、同じ容量のバッテリ装置を有する電動2輪車100または電動アシスト自転車200において、出力を変更してもよい。これにより、出力が抑制された電動2輪車100または電動アシスト自転車200において、バッテリ装置を保護することが可能になる。
【0091】
このように、シェアリングで用いる動力源付きリーン車両として、最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である動力源付きリーン車両を用いることにより、ユーザがシェアリングで動力源付きリーン車両を単発利用する際に、ユーザに対して最適な動力源付きリーン車両を提案できる。
【0092】
また、上述の構成により、シェアリングで用いる動力源付きリーン車両を、長距離の動力源付きリーン車両で全て揃える必要がないため、動力源付きリーン車両の導入コストを低減できる。
【0093】
したがって、動力源付きリーン車両のシェアリングにおいて、ユーザが負担する費用を低減できる。
【0094】
ベースX1〜X3は、最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である複数の種類の動力源付きリーン車両が駐車可能なエリアを含む。ベースX1〜X3には、例えば、動力源付きリーン車両の後述する接続端子に接続される図示しない接続ケーブルが設けられている。この接続ケーブルは、通信回線2に対して信号の送受信可能に接続されている。すなわち、ベースX1〜X3に駐車されている動力源付きリーン車両は、前記接続端子に前記接続ケーブルが接続されることにより、通信回線2を介して、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1及びユーザの携帯端末3と通信が可能である。
【0095】
なお、前記接続ケーブルは、動力源付きリーン車両が電動2輪車100または電動アシスト自転車200の場合には、充電ケーブルとして機能してもよい。すなわち、ベースX1〜X3の少なくとも一部に、図示しない給電装置などの充電設備が設けられていてもよい。
【0096】
上述のようにベースX1〜X3が複数の種類の動力源付きリーン車両が駐車可能なエリアを含むことにより、一つのべースに駐車されている複数種類の動力源付きリーン車両の中から、ユーザ単発利用要望情報に応じた最適な種類の動力源付きリーン車両をユーザに提案することが可能になる。したがって、動力源付きリーン車両のシェアリングにおいて、ユーザが負担する費用を低減できる。
【0097】
次に、動力源付きリーン車両の構成を簡単に説明する。以下では、動力源付きリーン車両の一例として、電動2輪車100、電動アシスト自転車200及び自動2輪車300について説明する。
【0098】
(電動2輪車)
図2に示すように、電動2輪車100は、車体101と、前輪102と、後輪103とを有する。車体101は、ハンドル104、シート105及びパワーユニット106等の各構成部品を支持する。車体101は、フレーム110を有する。このフレーム110が、ハンドル104、シート105及びパワーユニット106等の各構成部品を支持する。
【0099】
フレーム110は、ヘッドパイプ111と、メインフレーム112とを有する。
【0100】
ヘッドパイプ111は、電動2輪車100の前部に位置し、ハンドル104に接続されたステアリングシャフト(図示省略)を回転可能に支持する。メインフレーム112は、ヘッドパイプ111から車両後方に向かって延びるように、ヘッドパイプ111に接続されている。メインフレーム112は、動力源であるモータ106aを含むパワーユニット106等を支持する。
【0101】
前記ステアリングシャフトの下端部には、一対のフロントフォーク107が接続されている。一対のフロントフォーク107の下端部には、前輪102が回転可能に支持されている。これにより、ハンドル104を操作することにより、ステアリングシャフト及び一対のフロントフォーク107が前記ステアリングシャフトを中心として一体に回転するため、前輪102も前記ステアリングシャフトを中心として回転する。
【0102】
後輪103は、メインフレーム112に回転可能に支持されたパワーユニット106に対して回転可能に支持されている。すなわち、パワーユニット106は、スイングアームも兼ねている。パワーユニット106は、後輪103を回転させるモータ106aを有する。
【0103】
また、本実施形態の電動2輪車100は、パワーユニット106のモータ106aに電力を供給するバッテリ装置120を有する。バッテリ装置120は、図示しない接続端子に、給電装置の充電ケーブルを接続することにより、充電が可能である。なお、バッテリ装置120は、電動2輪車100に対して取り外し可能に固定されていてもよいし、電動2輪車100に対して取り外し不能に設けられていてもよい。バッテリ装置120の充電は、ベースに設けられた充電設備で行われてもよい。また、バッテリ装置120が電動2輪車100に対して取り外し可能な場合には、バッテリ装置120をバッテリステーションで充電済みのバッテリ装置と交換してもよい。
【0104】
電動2輪車100は、パワーユニット106等の駆動を制御する制御装置130を有する。制御装置130は、バッテリ装置120の充電量も検出可能に構成されている。制御装置130は、図示しない接続端子に給電装置の充電ケーブルが接続された際に、バッテリ装置120の充電量を充電量信号として出力する。なお、前記接続端子に、前記充電ケーブルではなく、通信回線2に対して信号の送受信可能に接続された接続ケーブルが接続された場合にも、制御装置130は、バッテリ装置120の充電量を充電量信号として出力する。
【0105】
前記給電装置は、通信回線2を介して動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1と通信可能である。これにより、上述のように、制御装置130から出力された充電量信号は、前記給電装置及び通信回線2を介して、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1に入力される。よって、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、電動2輪車100のバッテリ装置120の充電量に関する情報を取得することができる。
【0106】
(電動アシスト自転車)
図3に示すように、電動アシスト自転車200は、車体201と、前輪202と、後輪203とを有する。車体201は、ハンドル204、サドル205及びパワーユニット206等の各構成部品を支持する。車体201は、フレーム210を有する。このフレーム210が、ハンドル204、サドル205及びパワーユニット206等の各構成部品を支持する。
【0107】
フレーム210は、ヘッドパイプ211と、メインフレーム212とを有する。
【0108】
ヘッドパイプ211は、電動アシスト自転車200の前部に位置し、ハンドル204に接続されたステアリングシャフト(図示省略)を回転可能に支持する。メインフレーム212は、ヘッドパイプ211から車両後方に向かって延びるように、ヘッドパイプ211に接続されている。メインフレーム212は、動力源であるモータ206aを含むパワーユニット206等を支持する。
【0109】
前記ステアリングシャフトの下端部には、一対のフロントフォーク207が接続されている。一対のフロントフォーク207の下端部には、前輪202が回転可能に支持されている。これにより、ハンドル204を操作することにより、ステアリングシャフト及び一対のフロントフォーク207が前記ステアリングシャフトを中心として一体に回転するため、前輪202も前記ステアリングシャフトを中心として回転する。
【0110】
後輪203は、メインフレーム212の後部に回転可能に支持されている。メインフレーム212には、後輪203を回転させる駆動機構208が設けられている。駆動機構208は、ペダル、駆動スプロケット及びチェーンなどの自転車と同様の構成を含むとともに、ユーザのペダルに入力される踏力をアシストするパワーユニット206を有する。パワーユニット206は、ユーザのペダル踏力をアシストするモータ206aを有する。
【0111】
また、本実施形態の電動アシスト自転車200は、パワーユニット206のモータ206aに電力を供給するバッテリ装置220を有する。バッテリ装置220は、図示しない接続端子に、給電装置の充電ケーブルを接続することにより、充電が可能である。なお、バッテリ装置220は、電動アシスト自転車200に対して取り外し不能に固定されていてもよいし、電動アシスト自転車200に対して取り外し可能に設けられていてもよい。
【0112】
電動アシスト自転車200は、パワーユニット206等の駆動を制御する制御装置230を有する。制御装置230は、バッテリ装置220の充電量も検出可能に構成されている。制御装置230は、図示しない接続端子に給電装置の充電ケーブルが接続された際に、バッテリ装置220の充電量を充電量信号として出力する。これにより、上述のように、制御装置230から出力された充電量信号は、前記給電装置及び通信回線2を介して、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1に入力される。よって、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、電動アシスト自転車200のバッテリ装置220の充電量に関する情報を取得することができる。
【0113】
なお、前記接続端子に、前記充電ケーブルではなく、通信回線2に対して信号の送受信可能に接続された接続ケーブルが接続された場合にも、制御装置230は、バッテリ装置220の充電量を充電量信号として出力する。
【0114】
(自動2輪車)
図4に示すように、自動2輪車300は、車体301と、前輪302と、後輪303とを有する。車体301は、ハンドル304、シート305及びパワーユニット306等の各構成部品を支持する。車体301は、フレーム310を有する。このフレーム310が、ハンドル304、シート305及びパワーユニット306等の各構成部品を支持する。
【0115】
フレーム310は、ヘッドパイプ311と、メインフレーム312とを有する。
【0116】
ヘッドパイプ311は、自動2輪車300の前部に位置し、ハンドル304に接続されたステアリングシャフト(図示省略)を回転可能に支持する。メインフレーム312は、ヘッドパイプ311から車両後方に向かって延びるように、ヘッドパイプ311に接続されている。メインフレーム312は、動力源であるエンジン306aを含むパワーユニット306等を支持する。
【0117】
前記ステアリングシャフトの下端部には、一対のフロントフォーク307が接続されている。一対のフロントフォーク307の下端部には、前輪302が回転可能に支持されている。これにより、ハンドル304を操作することにより、ステアリングシャフト及び一対のフロントフォーク307が前記ステアリングシャフトを中心として一体に回転するため、前輪302も前記ステアリングシャフトを中心として回転する。
【0118】
後輪303は、メインフレーム312に回転可能に支持されたパワーユニット306に対して回転可能に支持されている。パワーユニット306は、後輪303を回転させる駆動力を生じるエンジン306aを有する。
【0119】
また、本実施形態の自動2輪車300は、パワーユニット306のエンジン306aに供給する燃料を貯留する燃料タンク320を有する。さらに、自動2輪車300は、パワーユニット306等の駆動を制御する制御装置330を有する。制御装置330は、燃料タンク320の燃料残量も検出可能に構成されている。制御装置330は、図示しない接続端子に接続ケーブルが接続された際に、燃料タンク320の燃料残量を燃料残量信号として出力する。これにより、制御装置330から出力された燃料残量信号は、通信回線2を介して、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1に入力される。よって、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、自動2輪車300の燃料タンク320の燃料残量に関する情報を取得することができる。
【0120】
以下では、上述の構成を有する電動2輪車100、電動アシスト自転車200及び自動2輪車300を含む動力源付きリーン車両を、動力源付きリーン車両100,200,300として説明する。
【0121】
(動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置)
次に、
図1を用いて、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1の構成について説明する。
【0122】
動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、複数のユーザによる動力源付きリーン車両100,200,300のシェアリングを管理する装置である。動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、例えばサーバによって構成され、通信回線2を介して外部の機器(例えばユーザの携帯端末3など)と通信可能に接続されている。これにより、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、外部の機器との間でデータの送受信を行うことができる。
【0123】
なお、ユーザの携帯端末3は、ユーザが入力可能で且つ情報を表示可能な表示画面を有し、通信回線2を介して外部と通信可能な機器を含む。携帯端末3は、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット、PCなどを含む。
【0124】
動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、ベースX1〜X3に駐車されている動力源付きリーン車両100,200,300に関する車両情報を、通信回線2を介して取得する。すなわち、ベースX1〜X3に駐車された動力源付きリーン車両100,200,300の図示しない接続端子に、充電ケーブルまたは接続ケーブルが接続された際に、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、動力源付きリーン車両100,200,300に関する車両情報を、通信回線2を介して取得する。なお、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、ベースX1〜X3に駐車されている動力源付きリーン車両100,200,300に関する車両情報を、所定のタイミングで取得する。
【0125】
また、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、前記車両情報に基づいて、動力源付きリーン車両100,200,300が駐車されているベースX1〜X3及び動力源付きリーン車両100,200,300の車両状態を把握するとともに、動力源付きリーン車両100,200,300の走行可能距離(航続距離)を算出する。
【0126】
また、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、ユーザが動力源付きリーン車両を単発利用する際に、ユーザの携帯端末3に入力されたユーザ単発利用要望情報を、通信回線2を介して受信する。
【0127】
また、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、前記ユーザ単発利用要望情報に基づいて、最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である複数種類の動力源付きリーン車両100,200,300の中から利用可能な動力源付きリーン車両の種類を抽出する。さらに、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、抽出した利用可能な動力源付きリーン車両100,200,300の種類と、該抽出された種類の動力源付きリーン車両が駐車されているベースに関する情報と、前記動力源付きリーン車両の車両利用料金との組み合わせを含む、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を、複数、生成する。
【0128】
なお、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報は、車両利用料金を含まない情報であってもよい。この場合、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、前記抽出した利用可能な動力源付きリーン車両100,200,300の種類と、該抽出された種類の動力源付きリーン車両が駐車されているベースに関する情報とを少なくとも含む動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を、複数、生成する。
【0129】
また、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、前記複数の動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を、外部の機器(例えばユーザの携帯端末3)に出力する。ユーザの携帯端末3は、前記複数の動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を表示する。
【0130】
また、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、ユーザが携帯端末3に表示された前記複数の動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報の中から一つを選択した場合に、通信回線2を介して、その選択された動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を選択情報として取得する。
【0131】
また、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、前記選択情報に基づいて、動力源付きリーン車両単発予約情報を生成する。すなわち、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、ユーザの単発利用の予約を受け付けて、所定の動力源付きリーン車両に対するユーザの予約を確定する。なお、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、前記所定の動力源付きリーン車両の利用可能時間において、前記ユーザが予約した時間帯を除いて、他の予約を受け付ける。
【0132】
また、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、前記生成した動力源付きリーン車両単発予約情報を、通信回線2を介して、外部機器(例えばユーザの携帯端末3)に出力する。ユーザの携帯端末3は、前記動力源付きリーン車両単発予約情報を表示して、ユーザに動力源付きリーン車両の予約が完了した旨を通知する。
【0133】
以下で、
図1、
図5から
図7を用いて、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1の具体的な構成を説明する。
図5は、ユーザの携帯端末におけるユーザ単発利用要望情報の表示の一例を示す図である。
図6は、ユーザの携帯端末における動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報の一例を示す図である。
図7は、動力源付きリーン車両のシェアリングの一例を示す図である。
【0134】
動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、動力源付きリーン車両情報取得部11と、動力源付きリーン車両管理部12と、ユーザ単発利用要望情報取得部13と、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報生成部14と、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報出力部15と、選択情報取得部16と、動力源付きリーン車両単発予約情報生成部17と、動力源付きリーン車両単発予約情報出力部18とを有する。
【0135】
動力源付きリーン車両情報取得部11は、ベースX1〜X3に駐車されている動力源付きリーン車両100,200,300に関する車両情報を、通信回線2を介して取得する。これにより、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、ベースX1〜X3に駐車されている動力源付きリーン車両100,200,300の車両状態(エネルギー残量、故障の有無等)を把握することができる。
【0136】
動力源付きリーン車両管理部12は、動力源付きリーン車両情報取得部11で取得した車両情報に基づいて、例えば、各動力源付きリーン車両100,200,300のID、各動力源付きリーン車両100,200,300が駐車されているベースの位置、各動力源付きリーン車両100,200,300の車両状態を把握する。動力源付きリーン車両管理部12は、前記把握した情報に基づいて、動力源付きリーン車両100,200,300の走行可能距離(航続距離)を算出する。また、動力源付きリーン車両管理部12は、各動力源付きリーン車両100,200,300のIDと紐づけて、各動力源付きリーン車両100,200,300の予約状況及びタイムスケジュールを管理する。
【0137】
ユーザ単発利用要望情報取得部13は、ユーザの携帯端末3に入力されたユーザ単発利用要望情報を、通信回線2を介して取得する。ユーザが動力源付きリーン車両を単発利用する際に、例えば
図5に示すように、携帯端末3に利用開始日時、利用開始場所及び利用終了場所の情報を入力した場合、携帯端末3から、通信回線2を介して、ユーザ単発利用要望情報取得部13にデータが送信される。なお、
図5において、符号1001は利用開始場所の情報を示し、符号1002は利用終了場所の情報を示し、符号1003は利用開始日時の情報を示す。
【0138】
ユーザ単発利用要望情報取得部13は、送信されたデータのうち、ユーザの単発利用に関するユーザ単発利用要望情報を取得する。具体的には、ユーザ単発利用要望情報取得部13は、動力源付きリーン車両の利用開始場所に関する情報と、該利用開始場所から利用終了場所までの移動距離に関する情報とを含む情報を、前記ユーザ単発利用要望情報として取得する。
【0139】
前記利用開始場所は、動力源付きリーン車両の利用を開始するベースだけでなく、ユーザの現在地または移動開始場所も含む。また、前記利用開始場所は、一つのベースだけでなく、互いに距離が近い複数のベースも含む。
【0140】
本実施形態では、前記利用開始場所は、ユーザが動力源付きリーン車両100,200,300に乗車する乗車場所である。なお、前記利用開始場所は、ユーザの現在地または移動開始場所であってもよい。
【0141】
前記利用終了場所は、動力源付きリーン車両の利用を終了するベースだけでなく、ユーザの目的地も含む。また、前記利用終了場所は、一つのベースだけでなく、互いに距離が近い複数のベースも含む。
【0142】
本実施形態では、前記利用終了場所は、ユーザが動力源付きリーン車両100,200,300から降車する降車場所である。なお、前記利用終了場所は、ユーザの目的地であってもよい。
【0143】
前記移動距離は、前記利用開始場所から前記利用終了場所までの距離であり、計算またはテーブルによって求められる。すなわち、前記移動距離は、利用終了場所と利用開始場所との距離、利用時間と動力源付きリーン車両の速度(例えば法定速度)との積、実際の移動距離等によって求められる。よって、前記ユーザ単発利用要望情報は、前記移動距離に関する情報として、利用終了場所に関する情報、利用時間に関する情報及び移動距離を直接示す値(直接的な移動距離)の少なくとも一つを含む。
【0144】
なお、ユーザが動力源付きリーン車両100,200,300を単発利用する際に、ユーザが携帯端末3に入力する情報は、希望する動力源付きリーン車両100,200,300の種類に関する情報、利用終了予定時間に関する情報、利用開始場所から利用終了場所までの移動の速さに関する情報(最も速く移動を希望など)、動力源付きリーン車両100,200,300の車両利用料金に関する情報(最も安い料金を希望など)等を含んでもよい。
【0145】
前記ユーザ単発利用要望情報は、動力源付きリーン車両100,200,300の利用開始日時または利用終了場所に関する情報も含んでいてもよい。
【0146】
このように前記ユーザ単発利用要望情報に動力源付きリーン車両の利用終了場所を含むことにより、ユーザが動力源付きリーン車両100,200,300を単発利用する際に、前記利用終了場所の情報も含めた前記ユーザ単発利用要望情報に基づいて、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を生成して出力することができる。すなわち、利用終了場所を考慮して、シェアリングのユーザに最適な動力源付きリーン車両を提案することができる。
【0147】
動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報生成部14は、前記ユーザ単発利用要望情報に基づいて、最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である複数種類の動力源付きリーン車両100,200,300の中から利用可能な動力源付きリーン車両の種類を抽出する。また、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報生成部14は、抽出した利用可能な動力源付きリーン車両の種類と、該抽出された種類の動力源付きリーン車両が駐車されているベースに関する情報と、前記動力源付きリーン車両の車両利用料金との組み合わせを含む、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を、複数、生成する。
【0148】
すなわち、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報生成部14は、ユーザが利用開始場所から利用終了場所まで到達するために利用可能な動力源付きリーン車両100,200,300の種類と、その種類の動力源付きリーン車両が駐車されているベースに関する情報及び車両利用料金との組み合わせを、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報として、複数パターン、生成する。
【0149】
なお、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報生成部14は、前記情報の組み合わせに、動力源付きリーン車両の利用終了場所に関する情報、移動する際の経路に関する情報、利用開始場所から利用終了場所までの所要時間に関する情報、返却予定時刻に関する情報等を含むように、前記動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を生成してもよい。
【0150】
上述のように前記動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報に前記所要時間に関する情報を含むことにより、ユーザに対し、前記所要時間に関する情報も提供することができる。よって、ユーザは、前記所要時間も考慮して、動力源付きリーン車両を選択することが可能になる。したがって、ユーザの利便性を向上できる。
【0151】
また、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報生成部14は、動力源付きリーン車両100,200,300の返却予定時刻に加えて、延長可能時間に関する情報も含む動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を生成してもよい。この場合、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報生成部14は、ユーザ単発利用要望情報に含まれる予約日時と単発利用場所情報から求められる所要時間とが、動力源付きリーン車両管理部12によって管理されている動力源付きリーン車両100,200,300のタイムスケジュールの情報において該動力源付きリーン車両100,200,300を貸し出し可能な時間内であれば、前記ユーザ単発利用要望情報に応じて返却予定時刻も含む前記動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を生成する。また、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報生成部14は、前記タイムスケジュールから、延長可能な時間も含む前記動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を生成する。
【0152】
動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報生成部14は、複数のベースに駐車されている動力源付きリーン車両100,200,300を、ユーザの予約状況等に応じて再配置するように、最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である複数種類の動力源付きリーン車両100,200,300の中から利用可能な動力源付きリーン車両の種類を抽出してもよい。すなわち、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報生成部14は、複数のベースにおいて、最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である複数種類の動力源付きリーン車両100,200,300の配置台数を調整するように、抽出する動力源付きリーン車両の種類及び車両使用料を組み合わせてもよい。例えば、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報生成部14は、ベース間を移動させたい種類の動力源付きリーン車両の車両使用料を安くしてもよい。
【0153】
また、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報生成部14は、利用終了場所まで到達できないような充電量が少ない電動車両(電動2輪車100、電動アシスト自転車200)、または燃料残量が少ない自動2輪車300を、ユーザが利用開始場所から利用終了場所までの経路上で乗り継ぎとして利用するように、抽出してもよい。さらに、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報生成部14は、異なる種類の動力源付きリーン車両100,200,300を乗り継ぐように、動力源付きリーン車両100,200,300を抽出してもよい。
【0154】
この場合には、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報生成部14は、
図6に経路Bで示すように、利用開始場所(図中の“〇〇〇”)から利用終了場所(図中の“△△△”)までの途中で乗り継ぎ場所(図中の“×××”)を指定するように、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を生成する。なお、前記乗り継ぎ場所は、動力源付きリーン車両を乗り継ぐ場所を意味する。また、前記乗り継ぎ場所は、一つのベースだけでなく、互いに距離が近い複数のベースも含む。
【0155】
なお、上記の場合、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報生成部14は、前記充電量が少ない電動2輪車100または電動アシスト自転車200の車両利用料金を、利用終了場所まで到達可能な充電量を有する電動2輪車100及び電動アシスト自転車200の車両利用料金よりも安く設定してもよい。また、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報生成部14は、前記燃料残量が少ない自動2輪車300の車両利用料金を、利用終了場所まで到達可能な燃料残量を有する自動2輪車300の車両利用料金よりも安く設定してもよい。
【0156】
上述のように動力源付きリーン車両がモータ及びバッテリ装置を有する電動車両の場合、前記バッテリ装置の充電量は車両ごとに異なる。また、上述のように動力源付きリーン車両がエンジンを有する自動2輪車の場合、燃料タンクの燃料残量は車両ごとに異なる。よって、バッテリ装置の充電量または燃料タンクの燃料残量が異なる動力源付きリーン車両の中から、ユーザ単発利用要望情報に応じてユーザに適した動力源付きリーン車両を提案することができる。よって、複数の動力源付きリーン車両を効率良く運用することができる。
【0157】
また、バッテリ装置の充電量または燃料タンクの燃料残量に応じてシェアリングのユーザの費用負担を変更することにより、ユーザの費用負担を軽減することも可能である。
【0158】
動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報出力部15は、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報生成部14で生成された前記動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を、通信回線2を介してユーザの携帯端末3に出力する。ユーザの携帯端末3は、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報出力部15から出力された前記動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を画面に表示する。携帯端末3における前記動力源付きリーン車両種類関連情報の表示例を
図6に示す。
図6の表示例を、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1の構成とともに、
図11に示す。なお、この
図11では、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1を簡略化して示す。
【0159】
選択情報取得部16は、ユーザが携帯端末3に表示された前記複数の動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報の中から一つを選択した場合に、通信回線2を介して、選択された動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を選択情報として取得する。
【0160】
動力源付きリーン車両単発予約情報生成部17は、前記選択情報に基づいて、動力源付きリーン車両単発予約情報を生成する。すなわち、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、ユーザの単発利用の予約を受け付けて、ユーザによる所定の動力源付きリーン車両の予約を確定する。
【0161】
動力源付きリーン車両単発予約情報出力部18は、前記生成した動力源付きリーン車両単発予約情報を、通信回線2を介して、ユーザの携帯端末3に出力する。ユーザの携帯端末3は、前記動力源付きリーン車両単発予約情報を表示して、ユーザに動力源付きリーン車両の予約が完了した旨を通知する。
【0162】
ユーザが動力源付きリーン車両を単発利用する際に、動力源付きリーン車両のシェアリングを行う様子を
図7に示す。なお、
図7に示す例では、ユーザの利用開始場所はベースX1であり、利用終了場所はベースX2である。ベースX3は、利用開始場所と利用終了場所との間に位置する乗り継ぎ場所である。
【0163】
図7において、ユーザが利用開始場所から利用終了場所まで動力源付きリーン車両のシェアリングで移動する場合、例えば、利用開始場所のベースX1から利用終了場所のベースX2まで直接移動するケースと、利用開始場所のベースX1から乗り継ぎ場所のベースX3を経由して利用終了場所のベースX2まで移動するケースとがある。なお、乗り継ぎ場所のベースX3を経由する場合には、ベースX3にユーザが乗り換えるための動力源付きリーン車両が駐車されていることが必要である。
【0164】
図6に示す動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報の候補A〜Dにおける各経路は、
図7に示す経路A〜Dにそれぞれ対応する。動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報生成部14は、電動2輪車100、電動アシスト自転車200または自動2輪車300の再配置等を考慮して、それぞれ、候補A〜Dとしての動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を生成する。
【0165】
なお、
図6において、符号1010は動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を示す。また、符号1011,1021,1031,1041は、それぞれ、候補A〜候補Dの情報を示す。符号1012は、候補Aにおける車種等の情報を示し、符号1022は、候補Bにおける車種等の情報を示す。符号1032は、候補Cにおける車種等の情報を示す。符号1042は、候補Dにおける車種等の情報を示す。符号1013,1023,1033,1043は、それぞれ、各候補における乗車場所のベース及び降車場所のベースの情報(名称など)を示す。符号1014,1024,1034,1044は、各候補における移動距離及び移動時間の情報を示す。符号1015,1025,1035,1045は、各候補における車両利用料金等の情報を示す。
【0166】
(動力源付きリーン車両用シェアリング管理方法)
次に、動力源付きリーン車両100,200,300のシェアリングの管理方法を、
図8を用いて説明する。
図8は、動力源付きリーン車両用シェアリング管理方法を示すフローチャートである。なお、以下では、
図7に示すシェアリングの例を用いて説明する。
【0167】
図8に示すフローがスタートすると(スタート)、まず、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1の動力源付きリーン車両情報取得部11が、ベースX1〜X3に駐車され且つ図示しない接続端子に充電ケーブルまたは接続ケーブルが接続された動力源付きリーン車両100,200,300に関する車両情報を、通信回線2を介して取得する(ステップS1)。
【0168】
前記車両情報は、例えば、動力源付きリーン車両100,200,300のID(車両を特定する識別番号)、充電量に関する情報、車両状態(故障、走行距離など)に関する情報等を含む。
【0169】
ベースX1〜X3は、最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である複数の種類の動力源付きリーン車両が駐車可能なエリアを含む。
【0170】
続くステップS2で、動力源付きリーン車両管理部12が、動力源付きリーン車両100,200,300の充電量に関する情報に基づいて、走行可能距離(航続距離)を算出する。算出された走行可能距離に関する情報は、動力源付きリーン車両100,200,300のIDに対して割り当てられて、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1の図示しない記憶装置に格納される。
【0171】
ユーザが例えば
図5に示すように携帯端末3への入力によって単発利用を申し込むと、ステップS3で、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1のユーザ単発利用要望情報取得部13が、ユーザによって携帯端末3に入力されたユーザ単発利用要望情報を取得する。このユーザ単発利用要望情報は、ユーザの単発利用に関する情報であり、利用開始場所及び移動距離に関する情報を含む。
【0172】
なお、前記ユーザ単発利用要望情報は、動力源付きリーン車両100,200,300の利用開始日時または利用終了場所に関する情報も含んでいてもよい。
【0173】
続くステップS4で、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報生成部14が、前記ユーザ単発利用要望情報に基づいて、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を複数、生成する。この動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報は、最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である複数種類の動力源付きリーン車両100,200,300の中から抽出された利用可能な動力源付きリーン車両の種類と、当該種類の動力源付きリーン車両が駐車されているベースに関する情報と、前記動力源付きリーン車両の車両利用料金との組み合わせを、含む。
【0174】
なお、前記動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報は、前記利用開始場所から前記利用終了場所までの経路上に、動力源付きリーン車両100,200,300の乗り継ぎ場所に関する情報を含んでもいてもよい。すなわち、ステップS4において、前記乗り継ぎ場所で、最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である複数種類の動力源付きリーン車両100,200,300に乗り継ぐように、前記動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を生成してもよい。
【0175】
前記動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報は、動力源付きリーン車両100,200,300が前記利用開始場所から前記利用終了場所まで移動する際の所要時間に関する情報を含んでいてもよい。
【0176】
その後、ステップS5で、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報出力部15が、通信回線2を介して、ユーザの携帯端末3に、複数の動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を出力する。ユーザの携帯端末3は、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報出力部15から出力された複数の動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を、例えば
図6に示すように表示する。
【0177】
ユーザが、携帯端末3に表示された複数の動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報の中から一つを選択すると、ステップS6で、選択情報取得部16が、通信回線2を介して携帯端末3から、ユーザが選択した情報を選択情報として取得する。
【0178】
選択情報取得部16が前記選択情報を取得すると、ステップS7で、動力源付きリーン車両単発予約情報生成部17が、前記選択情報に基づいて、動力源付きリーン車両単発予約情報を生成する。
【0179】
その後、ステップS8で、動力源付きリーン車両単発予約情報出力部18が、前記生成した動力源付きリーン車両単発予約情報を、通信回線2を介して、ユーザの携帯端末3に出力する。ユーザの携帯端末3は、前記動力源付きリーン車両単発予約情報を表示して、ユーザに動力源付きリーン車両の予約が完了した旨を通知する。
【0180】
その後、このフローを終了する(エンド)。
【0181】
なお、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報生成部14は、前記動力源付きリーン車両単発予約情報に基づいて、予約対象である動力源付きリーン車両100,200,300の予約可能時間帯から前記ユーザが予約した時間帯を除いた時間帯を、新たな予約可能時間帯とする。動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、前記新たな予約可能時間帯において、他の予約を受け付ける。
【0182】
ここで、ステップS3が、ユーザ単発利用要望情報を取得するユーザ単発利用要望情報取得ステップに対応し、ステップS4が、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を、複数、生成する動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報生成ステップに対応し、ステップS5が、前記複数の動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を出力する動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報出力ステップに対応する。
【0183】
本実施形態では、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、ユーザが動力源付きリーン車両100,200,300を単発利用する際に、一つのベースに複数台駐車可能な動力源付きリーン車両100,200,300の利用開始時日時、利用開始場所及び移動距離に関する情報を含むとともに、ユーザの単発利用に関する情報であるユーザ単発利用要望情報を取得する。また、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、前記ユーザ単発利用要望情報に基づいて、一つのベースに複数台駐車可能で且つ最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である複数種類の動力源付きリーン車両100,200,300の中から抽出された利用可能な動力源付きリーン車両の種類と、前記利用可能な動力源付きリーン車両が駐車されているベースに関する情報と、前記利用可能な動力源付きリーン車両の車両利用料金との組み合わせを含む動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を、複数、生成する。さらに、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、前記複数の動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を出力する。
【0184】
これにより、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1は、ユーザが一つのベースに複数台駐車可能な動力源付きリーン車両100,200,300を単発利用する際に、動力源付きリーン車両100,200,300の利用開始場所及び移動距離に関する情報を含むユーザ単発利用要望情報に基づいて、複数の動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を出力することができる。前記動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報は、最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である複数種類の動力源付きリーン車両100,200,300の中から利用可能な動力源付きリーン車両の種類と、前記利用可能な動力源付きリーン車両が駐車されているベースに関する情報と、前記利用可能な動力源付きリーン車両の車両利用料金との組み合わせを含む。よって、ユーザに対して、一つのベースに複数台駐車可能で且つ最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である複数種類の動力源付きリーン車両のシェアリング100,200,300を、ベースに関する情報及び車両利用料金とともに提案することができる。
【0185】
したがって、シェアリングで用いる動力源付きリーン車両を、長距離の動力源付きリーン車両で全て揃える必要がないため、動力源付きリーン車両の導入コストを低減できる。これにより、動力源付きリーン車両のシェアリングにおいて、ユーザが負担する費用を低減できる。
【0186】
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0187】
前記実施形態では、シェアリングの対象である動力源付きリーン車両は、電動2輪車100、電動アシスト自転車200及び自動2輪車300である。しかしながら、シェアリングの対象である動力源付きリーン車両は、電動2輪車、電動アシスト自転車、自動2輪車、スクータ、傾斜姿勢で旋回する自動3輪車及び傾斜姿勢で旋回する自動4輪車のうち少なくとも2種類の車両を含んでいてもよい。
【0188】
シェアリングの対象である動力源付きリーン車両に、燃料の燃焼によって動力を得る車両(自動2輪車、スクータ、傾斜姿勢で旋回する自動3輪車及び傾斜姿勢で旋回する自動4輪車等)を含んでいる場合、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報生成部14は、燃料残量に応じて、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を生成してもよい。また、この場合には、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報生成部は、燃料タンク内の燃料残量が少ない動力源付きリーン車両を、利用開始場所から利用終了場所までの経路上で乗り継いで利用する動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を生成してもよい。
【0189】
前記実施形態では、ベースX1〜X3は、通信回線2を介して動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1と通信可能である。しかしながら、動力源付きリーン車両が、通信回線2を介して動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置1と通信可能な通信装置を有していてもよい。
【0190】
前記実施形態では、動力源付きリーン車両のシェアリングの一例として、
図7に示す例について説明した。しかしながら、動力源付きリーン車両のシェアリングは、
図9及び
図10に示すような態様であってもよい。
【0191】
図9に示す例では、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置は、現在地(利用開始場所)に近いベースX1に駐車されている電動2輪車100を利用して、利用終了場所であるベースX2まで移動する経路Cに関する情報を含む動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報と、現在地に近いベースX4に駐車されている電動アシスト自転車200を利用して、利用終了場所であるベースX2まで移動する経路Dに関する情報を含む動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報とを生成する。
【0192】
具体的には、ユーザは、動力源付きリーン車両の利用開始日時、利用開始場所である現在地及び利用終了場所などの情報を携帯端末に入力して、動力源付きリーン車両の単発利用の申し込みを行う。動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置は、ユーザの単発利用の申し込みによって携帯端末からユーザ単発利用要望情報を取得すると、ベースX1,X4に駐車されている電動2輪車100及び電動アシスト自転車200のうち、ベースX2まで移動可能な車両に関する情報と、該車両が駐車されているベースに関する情報と、前記車両の車両利用料金とを含む、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を、複数、生成する。
【0193】
すなわち、
図9の例のように乗車場所であるベースが複数、存在する場合には、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報は、動力源付きリーン車両の種類に関する情報だけでなく、利用開始場所から利用終了場所までの複数の経路(
図9に示す例では、経路C,D)に関する情報も含む。
【0194】
なお、ベースX4も、既述のベースX1〜X3と同様、電動2輪車が複数台、駐車可能なエリアを含み、電動2輪車の接続端子に接続される図示しない接続ケーブルが設けられている。この接続ケーブルも、通信回線2に対して信号の送受信可能に接続されている。
【0195】
図10に示す例では、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置は、利用開始場所であるベースX1に駐車されている電動2輪車100を利用して、降車場所であるベースX2,X5まで移動する経路E,Fに関する情報を含む複数の動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を生成する。
【0196】
具体的には、ユーザは、動力源付きリーン車両の利用開始日時、利用開始場所及び利用終了場所などの情報を携帯端末に入力して、動力源付きリーン車両の単発利用の申し込みを行う。動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置は、ユーザの単発利用の申し込みによって携帯端末からユーザ単発利用要望情報を取得すると、ベースX1に駐車されている動力源付きリーン車両100,200,300のうち、ベースX2,X5まで移動可能な動力源付きリーン車両に関する情報と、ベースX1に関する情報と、前記動力源付きリーン車両の車両利用料金とを含む、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を、複数、生成する。
【0197】
すなわち、
図10の例のように降車場所であるベースが複数、存在する場合には、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報は、動力源付きリーン車両の種類に関する情報だけでなく、利用開始場所から利用終了場所までの複数の経路(
図10に示す例では、経路E,F)に関する情報も含む。
【0198】
なお、ベースX5も、既述のベースX1〜X3と同様、電動2輪車が複数台、駐車可能なエリアを含み、電動2輪車の接続端子に接続される図示しない接続ケーブルが設けられている。この接続ケーブルも、通信回線2に対して信号の送受信可能に接続されている。
【0199】
図9及び
図10の例においても、ベースX1とベースX2との間の中継地点のベースで、動力源付きリーン車両を乗り継いでもよい。この場合にも、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置は、ベースX1からベースX2まで移動するための充電量または燃料残量を有しない動力源付きリーン車両を乗り継ぐような動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を生成してもよい。
【0200】
また、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置は、利用開始場所として複数のベースを含むとともに、利用終了場所として複数のベースを含む動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を生成してもよい。
【0201】
前記実施形態では、ユーザが動力源付きリーン車両100,200,300の単発利用を申し込む際に、ユーザは携帯端末3に利用終了場所を入力する。しかしながら、ユーザは利用終了場所を入力しなくてもよい。
【0202】
前記実施形態では、動力源付きリーン車両100,200,300のシェアリングにおいて、ユーザが動力源付きリーン車両100,200,300を単発利用する場合について説明した。しかしながら、動力源付きリーン車両のシェアリングにおいて、前記単発利用に、フリー利用、定期利用及び固定利用の少なくとも一つを組み合わせてもよい。
【0203】
なお、前記フリー利用とは、ユーザが動力源付きリーン車両を利用する際に、ユーザが利用開始場所及び利用開始時間のみを指定する利用方法である。すなわち、前記フリー利用では、利用終了場所及び利用終了時刻(または利用時間)の少なくとも一方を決めずに、動力源付きリーン車両を利用する。
【0204】
また、前記定期利用とは、ユーザが、1日のうち決められた時間帯に動力源付きリーン車両を所定期間、利用したい場合において、例えば月単位などの複数日分(所定期間分)をまとめて予約して利用する方法である。前記定期利用は、ユーザが動力源付きリーン車両によって利用開始場所から利用終了場所まで移動した場合に、利用時間が移動時間よりも長い利用方法である。
【0205】
また、前記固定利用とは、前記定期利用と同様、ユーザが、1日のうち決められた時間帯に動力源付きリーン車両を所定期間、利用したい場合において、例えば月単位などの複数日分(所定期間分)をまとめて予約して利用する方法である。前記固定利用は、ユーザが動力源付きリーン車両によって利用開始場所から利用終了場所まで移動した場合に、利用時間が移動時間と同等である点で、前記定期利用と相違する。
【0206】
なお、本発明は、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置を、様々な工夫がなされた給電装置と組み合わせることで、動力源付きリーン車両に対するエネルギーチャージの作業負荷をより軽減しつつ、動力源付きリーン車両の貸し出し頻度をより高くできる。例えば、前記様々な工夫がなされた給電装置は、特許文献1で提案された、ベースに設けられた非接触給電装置などを含む。
【0207】
発明者は、特許文献1のようなハードウェアでの視点ではなく、システム全体をエネルギーマネージメントの視点で検討する中で、上述とは異なる知見を得た。
【0208】
シェアリングに用いられる電動2輪車を含む動力源付きリーン車両のエネルギー残量は、動力源付きリーン車両を常時使用可能なように、高い状態で維持されるのが好ましい。そのため、前記動力源付きリーン車両のエネルギー残量を高い状態で維持するように、前記エネルギー残量を制御することが求められる。このようなエネルギー残量の制御は、制御装置の負荷が大きくなる場合がある。よって、前記エネルギー残量の制御の負荷を軽減することにより、前記動力源付きリーン車両のエネルギーマネージメントの効率化が求められている。
【0209】
本発明者は、動力源付きリーン車両のシェアリングにおける動力源付きリーン車両のエネルギーマネージメントの効率をより高めるために、動力源付きリーン車両の稼働状況を詳細に検討した。
【0210】
本発明者は、動力源付きリーン車両のシェアリングについて検討する中で、前記動力源付きリーン車両は、短距離から長距離を移動する際に利用されることを見出した。
【0211】
動力源付きリーン車両のシェアリングにおいて、動力源付きリーン車両は、動力源を有するため、動力源を有していない自転車よりも長距離の移動に利用される。また、動力源付きリーン車両は、4輪車に比べて車両の扱いが容易であるため、自転車と同様、短距離の移動にも利用される。このように、動力源付きリーン車両のシェアリングにおいて、動力源付きリーン車両は、短距離の移動から長距離の移動までの広い走行レンジで利用される。
【0212】
本発明者は、検討する中で、一般に行われている動力源付きリーン車両のシェアリングでは、短距離の移動から長距離の移動までの広い走行レンジをカバーするために、シェアリングで用いられる動力源付きリーン車両の種類を長距離移動可能な1種類にする、という技術思想に基づいていることに気付いた。
【0213】
一般的に、長距離移動可能な動力源付きリーン車両は、短距離移動用の動力源付きリーン車両に比べて、エネルギー量の搭載量が多い。そのため、前記長距離移動可能な動力源付きリーン車両は、短距離移動用の動力源付きリーン車両に比べて、重量が大きい。よって、前記長距離移動可能な動力源付きリーン車両を短距離の移動に利用した場合、前記長距離移動可能な動力源付きリーン車両は、短距離移動用の動力源付きリーン車両に比べて、単位走行距離当たりのエネルギーの消費率が大きい。したがって、前記長距離移動可能な動力源付きリーン車両のエネルギー残量は低下しやすい。
【0214】
前記長距離移動可能な動力源付きリーン車両は、長距離の移動に利用される場合があるため、エネルギー残量をできるだけ高い状態で維持させる必要がある。そのため、前記長距離移動可能な動力源付きリーン車両は、長距離の移動の利用に備えて、頻繁にエネルギーチャージする必要がある。これにより、前記長距離移動可能な動力源付きリーン車両のエネルギーチャージの頻度が高くなる。そのため、前記長距離移動可能な動力源付きリーン車両のエネルギー残量を制御する制御装置の負荷が増大する。
【0215】
そこで、本発明者は、従来の技術思想とは異なり、動力源付きリーン車両のシェアリングにおいて、単位走行距離当たりのエネルギー消費率が異なる仕様を有する複数種類の動力源付きリーン車両を用いる、という技術思想でのアプローチを試みた。
【0216】
本発明者は、検討を進める中で、単位走行距離当たりのエネルギー消費率が異なる仕様を有する動力源付きリーン車両には、最大航続距離が異なる動力源付きリーン車両、最高速度が異なる動力源付きリーン車両、最高出力または最大トルクが異なる動力源付きリーン車両などが含まれることに気付いた。
【0217】
前記最大航続距離が異なる動力源付きリーン車両は、最大エネルギー搭載量が異なるため、車両の総重量が異なる。動力源付きリーン車両は、そもそも軽量である。よって、上述のように前記最大航続距離が異なる動力源付きリーン車両の総重量が異なることにより、前記最大航続距離が異なる動力源付きリーン車両では、単位走行距離当たりのエネルギー消費率を大きく変えることができる。
【0218】
前記最高速度が異なる動力源付きリーン車両は、最高速度が異なるため、走行時の空気抵抗が異なる。また、動力源付きリーン車両は、運転者がキャビンで完全に覆われていないため、走行時の空気抵抗が大きい。よって、前記最高速度が異なる動力源付きリーン車両では、単位走行距離当たりのエネルギー消費率を大きく変えることができる。
【0219】
前記最高出力または最大トルクが異なる動力源付きリーン車両は、駆動源(モータ、エンジン、バッテリなど)の大きさが異なるため、車両の総重量が異なる。動力源付きリーン車両は、そもそも軽量である。よって、上述のように前記最高出力または最大トルクが異なる動力源付きリーン車両の総重量が異なることにより、前記最高出力または最大トルクが異なる動力源付きリーン車両では、単位走行距離当たりのエネルギー消費率を大きく変えることができる。
【0220】
また、動力源付きリーン車両は、出力またはトルクを制御することにより、出力またはトルクにおいてエネルギー利用効率の良い領域を使用することができる。また、動力源付きリーン車両はそもそも軽量であるため、動力源付きリーン車両の最高出力または最大トルクの変更が容易である。よって、最高出力または最大トルクが異なる動力源付きリーン車両を得やすい。このように得られた最高出力または最大トルクが異なる動力源付きリーン車両では、単位走行距離当たりのエネルギー消費率を大きく変えることができる。
【0221】
以上のように、本発明者は、最大航続距離が異なる動力源付きリーン車両、最高速度が異なる動力源付きリーン車両、または、最高出力または最大トルクが異なる動力源付きリーン車両によって、単位走行距離当たりのエネルギー消費率が異なる動力源付きリーン車両が得られることに気付いた。
【0222】
次に、本発明者は、上述のように単位走行距離当たりのエネルギー消費率が異なる複数種類の動力源付きリーン車両を、シェアリングで利用する方法について検討した。
【0223】
動力源付きリーン車両は、短距離の移動から長距離の移動までの広い走行レンジで利用される。そのため、本発明者は、長距離の移動に利用する仕様の動力源付きリーン車両と短距離の移動に利用する仕様の動力源付きリーン車両とを混在させるとともに、動力源付きリーン車両のエネルギー残量に関する情報と運転者が動力源付きリーン車両を利用したい距離に関する情報とに基づいて、複数の情報を生成することを思いついた。
【0224】
すなわち、本発明者は、最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である複数種類の動力源付きリーン車両のエネルギー残量に関連するエネルギー残量関連情報と、運転者が動力源付きリーン車両を利用したい距離に関する利用距離情報とに基づいて、単位走行距離当たりのエネルギー消費率を考慮した動力源付きリーン車両の種類に関する情報と該動力源付きリーン車両が駐車されているベースに関する情報とを含む複数の情報を生成して出力することを思いついた。
【0225】
これにより、運転者の動力源付きリーン車両の利用形態に合わせつつ、動力源付きリーン車両の単位走行可能距離当たりのエネルギー消費率を低減できる。よって、動力源付きリーン車両のエネルギー残量が低下しにくくなる。
【0226】
上述のように動力源付きリーン車両のエネルギー残量が低下しにくくなると、動力源付きリーン車両において、エネルギー残量を高い状態で維持する必要性が低下する。そうすると、動力源付きリーン車両に頻繁にエネルギー補給を行う必要がないため、エネルギー残量を制御する制御装置の負荷を軽減することができる。
【0227】
したがって、動力源付きリーン車両のエネルギー残量に関連するエネルギー残量関連情報を利用して、動力源付きリーン車両のエネルギーマネージメントを効率化することができる。
【0228】
以上の検討結果から、本発明者らは、以下のような構成に想到した。
【0229】
本発明の一実施形態に係る動力源付きリーン車両用エネルギー量制御装置は、複数のベースに駐車された動力源付きリーン車両のエネルギー量を制御する動力源付きリーン車両用エネルギー量制御装置である。前記動力源付きリーン車両用エネルギー量制御装置は、前記複数のベースに駐車され且つ最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である複数種類の動力源付きリーン車両のエネルギー残量に関連するエネルギー残量関連情報を取得するエネルギー残量関連情報取得部を有する。前記動力源付きリーン車両用エネルギー量制御装置は、前記複数のベースに駐車され且つ最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である複数種類の動力源付きリーン車両を、24時間よりも短い時間で単発利用する際に、前記複数のベースに駐車され且つ最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である動力源付きリーン車両の利用開始場所に関する利用開始場所情報及び移動距離に関する情報である移動距離関連情報を含むとともに、単発利用に関する情報である単発利用要望情報(One−Off Usage Demand Data)を取得する単発利用要望情報取得部を有する。前記動力源付きリーン車両用エネルギー量制御装置は、前記移動距離情報を含む前記単発利用要望情報及び前記エネルギー残量関連情報に基づいて、前記複数のベースに駐車され且つ最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である複数種類の動力源付きリーン車両の中から抽出された利用可能な動力源付きリーン車両の種類に関する動力源付きリーン車両種類情報と、前記抽出された利用可能な動力源付きリーン車両が駐車されているベースに関するベース情報とを少なくとも含む、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を、複数、生成する動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報生成部を有する。前記動力源付きリーン車両用エネルギー量制御装置は、前記複数の動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を出力する動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報出力部を有する。
【0230】
動力源付きリーン車両は、動力源を有するため、動力源を有していない自転車よりも長距離の移動に利用できる。また、前記動力源付きリーン車両は、4輪車に比べて車両の扱いが容易であるため、自転車と同様、短距離の移動にも利用できる。このように、前記動力源付きリーン車両は、短距離から長距離の移動までの広い走行レンジで利用できる。
【0231】
また、前記動力源付きリーン車両は、4輪車と比較して、一つのベースに複数台駐車させることが容易にできる。そのため、例えば動力源付きリーン車両のシェアリングにおいて、一つのベースに複数台駐車可能で且つ最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である複数種類の動力源付きリーン車両を用いることができる。すなわち、運転者は、単位走行距離当たりのエネルギー消費率が異なる仕様である複数種類の動力源付きリーン車両を利用することができる。
【0232】
そして、上述の構成では、動力源付きリーン車両用エネルギー量制御装置は、利用開始場所情報及び移動距離情報を含む単発利用要望情報とエネルギー残量関連情報とに基づいて、動力源付きリーン車両種類情報及びベース情報を少なくとも含む動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を、複数、生成して出力することにより、運転者の動力源付きリーン車両の利用形態に合わせつつ、前記動力源付きリーン車両の単位走行可能距離当たりのエネルギー消費率を低減できる。
【0233】
よって、前記動力源付きリーン車両のエネルギー残量が低下しにくくなるため、前記動力源付きリーン車両のエネルギー残量を高い状態で維持する必要性が低下する。これにより、前記動力源付きリーン車両に頻繁にエネルギー補給を行う必要がなくなるため、前記動力源付きリーン車両のエネルギー残量を制御する動力源付きリーン車両用エネルギー量制御装置の負荷を軽減することができる。
【0234】
したがって、前記動力源付きリーン車両のエネルギー残量に関連するエネルギー残量関連情報を利用して、前記動力源付きリーン車両のエネルギーマネージメントを効率化可能な動力源付きリーン車両用エネルギー量制御装置を提供することができる。
【0235】
なお、動力源付きリーン車両の最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なるというのは、例えば電動アシスト自転車、自動2輪車、電動2輪車などのように車両の形態がそもそも異なる場合であってもよい。
【0236】
動力源付きリーン車両の最大航続距離が異なるというのは、例えば、電動アシスト自転車及び電動2輪車などの電動車両の場合、シェアリングにおける車両導入時のバッテリ装置の最大充電量が異なる場合であってもよい。
【0237】
動力源付きリーン車両の最大航続距離が異なるというのは、エンジンが搭載された自動2輪車の場合、例えば、同じ仕様のエンジンにおいて、燃料タンクのタンク容量の大きさが異なる場合でもよい。また、最大航続距離が異なる動力源付きリーン車両は、燃料タンクのタンク容量は同じ大きさであるが、燃料消費率が異なる車両であってもよい。
【0238】
前記最大航続距離が異なる動力源付きリーン車両は、最大エネルギー搭載量が異なるため、車両の総重量が異なる。動力源付きリーン車両は、そもそも軽量である。よって、上述のように前記最大航続距離が異なる動力源付きリーン車両の総重量が異なることにより、前記最大航続距離が異なる動力源付きリーン車両では、単位走行距離当たりのエネルギー消費率を大きく変えることができる。
【0239】
最高速度、最高出力または最大トルクが異なるというのは、電動アシスト自転車及び電動2輪車などの電動車両の場合、例えば、モータの定格出力及び該モータの駆動制御の少なくとも一方が異なる場合であってもよい。
【0240】
最高速度、最高出力または最大トルクが異なるというのは、エンジンが搭載された自動2輪車の場合、例えば、エンジンの排気量、エンジンの形式、エンジン制御、変速機の形式及び変速機制御の少なくとも一つが異なる場合であってもよい。
【0241】
前記最高速度が異なる動力源付きリーン車両は、最高速度が異なるため、走行時の空気抵抗が異なる。また、動力源付きリーン車両は、運転者がキャビンで完全に覆われていないため、走行時の空気抵抗が大きい。よって、前記最高速度が異なる動力源付きリーン車両では、単位走行距離当たりのエネルギー消費率を大きく変えることができる。
【0242】
前記最高出力または最大トルクが異なる動力源付きリーン車両は、駆動源(モータ、エンジン、バッテリなど)の大きさが異なるため、車両の総重量が異なる。動力源付きリーン車両は、そもそも軽量である。よって、上述のように前記最高出力または最大トルクが異なる動力源付きリーン車両の総重量が異なることにより、前記最大航続距離が異なる動力源付きリーン車両では、単位走行距離当たりのエネルギー消費率を大きく変えることができる。
【0243】
また、動力源付きリーン車両は、出力またはトルクを制御することにより、出力またはトルクにおいてエネルギー利用効率の良い領域を使用することができる。また、動力源付きリーン車両はそもそも軽量であるため、動力源付きリーン車両の最高出力または最大トルクの変更が容易である。よって、最高出力または最大トルクが異なる動力源付きリーン車両を得やすい。このように得られた最高出力または最大トルクが異なる動力源付きリーン車両では、単位走行距離当たりのエネルギー消費率を大きく変えることができる。
【0244】
他の観点によれば、本発明の動力源付きリーン車両用エネルギー量制御装置は、以下の構成を含むことが好ましい。前記動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報生成部で生成された前記動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報は、最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である動力源付きリーン車両が複数種類、駐車可能なベースに関する情報を含む。
【0245】
これにより、ベースに駐車されている複数種類の動力源付きリーン車両の中から、単発利用要望情報及びエネルギー残量関連情報に応じた最適な種類の動力源付きリーン車両を運転者に提案できる。したがって、動力源付きリーン車両の種類を、最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる複数の種類にすることにより、動力源付きリーン車両における単位走行可能距離当たりのエネルギー消費率を低減することが可能になる。そのため、動力源付きリーン車両用エネルギー量制御装置の負荷を軽減することができ、動力源付きリーン車両のエネルギーマネージメントを効率化することができる。
【0246】
他の観点によれば、本発明の動力源付きリーン車両用エネルギー量制御装置は、以下の構成を含むことが好ましい。前記移動距離関連情報は、運転者が複数のベースに駐車され且つ最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である動力源付きリーン車両を単発利用する際に、前記複数のベースに駐車され且つ最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である動力源付きリーン車両の利用終了場所に関する利用終了場所情報、利用時間に関する利用時間情報及び移動距離を直接示す移動距離情報の少なくとも一つを含む。
【0247】
動力源付きリーン車両の移動距離は、利用終了場所と利用開始場所との距離、利用時間と動力源付きリーン車両の速度(例えば法定速度)との積、実際の移動距離等によって求めることができる。よって、移動距離関連情報として、上述の情報の少なくとも一つを含むことにより、前記動力源付きリーン車両の移動距離を求めることができる。よって、前記移動距離関連情報を考慮して動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報を生成することにより、前記動力源付きリーン車両の移動距離を考慮した動力源付きリーン車両を提案することができる。したがって、運転者の動力源付きリーン車両の利用形態により合わせつつ、動力源付きリーン車両の単位走行可能距離当たりのエネルギー消費率を低減できる。
【0248】
他の観点によれば、本発明の動力源付きリーン車両用エネルギー量制御装置は、以下の構成を含むことが好ましい。前記動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報は、前記利用開始場所から前記利用終了場所までの経路上に、前記複数のベースに駐車され且つ最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である動力源付きリーン車両の乗り継ぎ場所に関する情報も含む。
【0249】
このように、動力源付きリーン車両種類−ベース関連情報が、利用開始場所から利用終了場所までの経路上に、最大航続距離、最高速度、最高出力及び最大トルクの少なくとも一つが異なる仕様である動力源付きリーン車両の乗り継ぎ場所も含むことにより、運転者が選択可能で且つ単位走行距離当たりのエネルギー消費率を低減可能な動力源付きリーン車両の台数を増やすことが可能になる。
【0250】
したがって、上述の構成により、運転者の動力源付きリーン車両の利用形態に合わせつつ、動力源付きリーン車両の単位走行可能距離当たりのエネルギー消費率を低減できる。
【0251】
本発明の一実施形態によれば、動力源付きリーン車両のエネルギー残量に関連するエネルギー残量関連情報を利用して、動力源付きリーン車両のエネルギーマネージメントを効率化可能な動力源付きリーン車両用エネルギー量制御装置を提供することができる。
【0252】
[エネルギー残量]
本明細書において、エネルギー残量とは、動力源付きリーン車両が充電可能な二次電池を搭載している場合、その二次電池のエネルギーの残量である。より具体的には、前記エネルギー残量は、AhまたはWhなどで表記される二次電池の残りの容量である。また、本明細書において、エネルギー残量とは、動力源付きリーン車両が化石燃料で駆動される駆動源を搭載している場合、その搭載されている燃料の残量である。より具体的には、前記エネルギー残量は、体積または重量などで表される燃料の残りの量である。前記燃料には、ガソリン、軽油、水素、LNG、LPGまたはガス燃料などが含まれる。なお、前記エネルギーは、動力源付きリーン車両の駆動に必要なエネルギーであれば、上述の具体例に限定されない。また、動力源付きリーン車両の駆動源がエンジンとモータのハイブリッド式駆動源である場合、前記エネルギー残量は、二次電池の残量及び燃料の残量の両方を含む。なお、本明細書において、前記エネルギー残量とは、動力源付きリーン車両に残されている全てのエネルギー残量を示す場合がある。また、本明細書において、前記エネルギー残量とは、動力源付きリーン車両に残されているエネルギーのうち、消費可能なエネルギー残量を示す場合がある。
【0253】
[エネルギー残量関連情報]
本明細書において、エネルギー残量関連情報とは、上述のエネルギー残量を直接的に示す情報に限定されない。すなわち、前記エネルギー残量関連情報は、前記エネルギー残量の情報でなくてもよい。前記エネルギー残量関連情報は、例えば、車両が走行可能な時間または車両が走行可能な距離など、エネルギー残量と相関関係を示す情報であれば、エネルギー残量に対して間接的なパラメータの情報であっても良い。
【0254】
[エネルギーマネージメント]
本明細書において、エネルギーマネージメントとは、動力源付きリーン車両が駆動不能な状態まで動力源付きリーン車両のエネルギー残量が低下しないように、エネルギー残量を調整することを意味する。前記エネルギーマネージメントは、動力源付きリーン車両のエネルギー残量及び移動距離に応じて、動力源付きリーン車両を使い分けたり、動力源付きリーン車両にエネルギーチャージを行ったりすることなどを含む。
【0255】
前記エネルギーマネージメントでは、例えば、複数の動力源付きリーン車両において短距離の移動が多い場合には、各動力源付きリーン車両でバランスよくエネルギーを消費するように、前記複数の動力源付きリーン車両の稼働を調整する一方、前記複数の動力源付きリーン車両において中距離または長距離の移動が多い場合には、エネルギー残量が異なる動力源付きリーン車両を稼働させる。
【0256】
また、前記エネルギーマネージメントでは、動力源付きリーン車両が駐車可能な複数のベースにおいて、動力源付きリーン車両にエネルギーチャージ可能なベースと、動力源付きリーン車両にエネルギーチャージ不能なベースとが混在している場合、エネルギーチャージが必要な動力源付きリーン車両を、動力源付きリーン車両にエネルギーチャージ可能なベースに優先して駐車させるように、複数の動力源付きリーン車両の稼働を調整する。
【0257】
また、前記エネルギーマネージメントでは、複数の動力源付きリーン車両に対するエネルギーチャージのタイミングを、前記複数の動力源付きリーン車両の稼働とのバランスを考慮しつつ、調整する。
【0258】
上述のように、前記エネルギーマネージメントは、複数の動力源付きリーン車両におけるエネルギー消費、動力源付きリーン車両に対するエネルギーチャージのタイミング、動力源付きリーン車両がエネルギーチャージするベース等を、それらのバランスを考慮して、複数の動力源付きリーン車両をエネルギーの観点から管理することを意味する。
【0259】
なお、本発明は、動力源付きリーン車両用シェアリング管理装置を、様々な工夫がなされたエネルギー供給設備と組み合わせることで、動力源付きリーン車両のエネルギーマネージメントをより効率化できる。例えば、前記様々な工夫がなされたエネルギー供給設備は、特許文献1で提案された、ベースに設けられた非接触給電装置などを含む。