【文献】
Mitsuhiro Shibata et al.,High-performance hybrid materials prepared by the thermo-reversible Diels-Alder polymerization of furfuryl ester-terminated butylene succinate oligomers and maleimide compounds,Polymer Journal,2011年,43,455-463
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つの式(I)で示される構造を有するフラン基含有オリゴマーと、前記式(III)で示される構造を有するフラン基含有化合物との重量比が20:80〜80:20である、請求項3に記載の可逆架橋反応組成物。
前記式(I)で示される構造を有するフラン基含有オリゴマーおよび前記式(III)で示される構造を有するフラン基含有化合物のフラン基の合計当量数と、式(II)で示される構造を有するビスマレイミドのマレイミド基との当量数比が、0.7:1〜1:0.5である、請求項3に記載の可逆架橋反応組成物。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の実施形態は可逆架橋反応組成物を提供する。
【0024】
組成物中のオリゴマーのフラン基およびビスマレイミドのマレイミド基は適度な温度下で1,2付加反応を生じて架橋を形成し、架橋形成された結合は適度な温度下で逆反応(reverse reaction)を生じ、フラン基含有オリゴマー/化合物とビスマレイミド化合物との結合が切れ、元の未架橋状態に戻ることから、回収・再利用に有利である。フラン基含有オリゴマーが特殊な構造を有する時、ビスマレイミドとの架橋反応は80〜150℃に制御され得、かつ200℃より高い温度で逆架橋反応(reverse crosslinking reaction)が起こるため、前記組成物は、高温プロセスを要する光電または通信製品関連の原材料に適用可能となる。
【0025】
本開示の実施形態によれば、本開示は可逆架橋反応組成物を提供する。前記可逆架橋反応組成物は、少なくとも1つの式(I)で示される構造を有するオリゴマーと、式(II)で示される構造を有するビスマレイミドとを含む。
【0028】
前記少なくとも1つの式(I)で示される構造を有するオリゴマーのフラン基と、式(II)で示される構造を有するビスマレイミドのマレイミド基との当量比は0.5:1〜1:0.5である。
【0029】
式(I)中、xは1〜5の整数であり、Aは、アミン、アミド、イミド、エステル、フェニルエーテルまたはエノールエーテルを含む反復基であり、Gは直接結合、−O−、−N
H−、−Ar−NH−(CH
2)
b−、−Ar−O−(CH
2)
b−、−Ar−O−(CH
2)
a−NH−(CH
2)
b−、−(CH
2)
a−NH−(CH
2)
b−、−(CH
2)
a−O−(CH
2)
b−または−(CH
2)
a−CH(OH)−(CH
2)
b−NH−であり、Arは、置換基を有するか、または未置換のアリーレン基であり、aは1〜5の整数であり、bは0〜5の整数である。前記式(I)で示される構造を有するオリゴマーの数平均分子量は1000〜12000である。
【0030】
式(II)中、Eは置換または未置換のC
6−C
25アリーレン基、C
5−C
25アルキルアリール基、C
5−C
25アリールアルキル基、C
6−C
25ヘテロアリーレン基、C
1−C
25アシルアリール基、C
2−C
25アルコキシアリール基、C
5−C
25アシルオキシアリール基、またはC
6−C
25アリーレンエーテル基である。
【0031】
本開示の実施形態によれば、Arは、置換基を有するか、または未置換のフェニレン基(phenylene group)、ビフェニレン基(biphenylene group)、ナフチレン基(naphthylene group)、チエニレン基(thienylene group)、インドリレン基(indolylene)、フェナントレニレン基(phenanthrenylene)、インデニレン基(indenylene)、アントラセニレン基(anthracenylene)、またはフルオレニレン基(fluorenylene)であってよい。さらに具体的には、Arは、1〜4個のC
1〜C
6アルキル基の置換基を有するフェニレン基(phenylene group)、ビフェニレン基(biphenylene group)、ナフチレン基(naphthylene group)、チエニレン基(thienylene group)、インドリレン基(indolylene)、フェナントレニレン基(phenanthrenylene)、インデニレン基(indenylene)、アントラセニレン基(anthracenylene)、またはフルオレニレン基(fluorenylene)であり得る。
【0039】
は順番にまたはランダムに配列している)、
【0047】
であってよく、Aは星印(*)で示された位置でGと連結し、m、nは7〜200の整数であり、p、rおよびsは1〜5的の整数であり、qは5〜50の整数であり、zは5〜20の整数であり、R
1、R
2、R
3、R
4は各々独立にC
1−C
5のアルキル基であり、T
1は直接結合、C
1〜C
12の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基、−O−、−S−または−NH−であり、Qは、
【0050】
であり、式中、R
9、R
10およびR
11は各々独立にCH
3またはC
2H
5であり、T
2はC
1〜C
12の直鎖または分岐鎖アルキル基であり、i、jおよびkは1〜5の整数である。
【0051】
本開示の実施形態によれば、式(II)中のEは、
【0055】
であり、式中、u、vおよびwは1〜5の整数であり、R
5、R
6およびR
7各々独立にC
1〜C
5のアルキル基であり、Mは直接結合、−O−、−S−、C
1〜C
12の直鎖または分岐鎖アルキル基であり、pは1〜4の整数である。
【0056】
本開示の実施形態によれば、前記可逆架橋反応組成物は、式(III)で示される構造を有するフラン基含有化合物をさらに含んでいてよい。
【0058】
式(III)中、yは1〜5の整数であり、Bは、ケトン基、アミド基、イミド基、アミン基、イミン基、フェニルエーテル基またはエノールエーテル基を含む基であり、Dは直接結合、−O−、−N−、−Ar
2−NH−(CH
2)
d−、−Ar
2−O−(CH
2)
d−、−Ar
2−O−(CH
2)
c−NH−(CH
2)
d−、−(CH
2)
c−NH−(CH
2)
d−、−(CH
2)
c−O−(CH
2)
d−または−(CH
2)
c−CH(OH)−(CH
2)
d−NH−であり、Ar
2は置換基を有するか、または未置換のアリーレン基であり、cは1〜5の整数であり、dは0〜5の整数である。
【0059】
本開示の実施形態によれば、Ar
2は、置換基を有するか、または未置換のフェニレン基(phenylene group)、ビフェニレン基(biphenylene group)、ナフチレン基(naphthylene group)、チエニレン基(thienylene group)、インドリレン基(indolylene)、フェナントレニレン基(phenanthrenylene)、インデニレン基(indenylene)、アントラセニレン基(anthracenylene)、またはフルオレニレン基(fluorenylene)であり得る。より具体的には、Ar
2は、1〜4個のC
1〜C
6アルキル基の置換基を有するフェニレン基(phenylene group)、ビフェニレン基(biphenylene group)、ナフチレン基(naphthylene group)、チエニレン基(thienylene group)、インドリレン基(indolylene)、フェナントレニレン基(phenanthrenylene)、インデニレン基(indenylene)、アントラセニレン基(anthracenylene)、またはフルオレニレン基(fluorenylene)であり得る。
【0068】
であってよく、Rは水素、ハロゲン、C
1〜C
8アルキル基、C
1〜C
8ハロアルキル基、C
5〜C
10シクロアルキル基、またはC
6〜C
12アリール基であり、Bは星印(*)で示される位置でDと連結する。より具体的には、Bは、
【0071】
であってよく、Bは星印(*)で示される位置でDと連結し、R
8はCH
3またはC
2H
5であり、tは1〜5の整数であり、eは1〜5の整数である。
【0072】
本開示の実施形態によれば、前記組成物中の前記少なくとも1つの式(I)で示される構造を有するフラン基含有オリゴマーと、式(III)で示される構造を有するフラン基含有化合物との重量比は20:80〜80:20であり得る。
【0073】
本開示の実施形態によれば、前記組成物中の前記少なくとも1つの式(I)で示される構造を有するフラン基含有オリゴマーおよび前記式(III)で示される構造を有するフラン基含有化合物のフラン基と、式(II)で示される構造を有するビスマレイミドのマレイミド基との当量比は0.7:1〜1:0.5である。
【0074】
本開示の実施形態によれば、本開示は可逆架橋反応組成物をさらに提供する。前記可逆架橋反応組成物は、(a)オリゴマーであって、前記オリゴマーの数平均分子量は1000〜12000であり、前記オリゴマーは式(IV)で示される構造を有するオリゴマー、式(V)で示される構造を有するオリゴマー、または第1の繰り返し単位および第2の繰り返し単位を有するオリゴマーであり、第1の繰り返し単位は式(VI)で示される構造を有し、第2の繰り返し単位は式(VII)で示される構造を有し、かつ第1の繰り返し単位および第2の繰り返し単位がランダムにまたはブロックの方式で繰り返される、オリゴマーと、
【0079】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11およびR
12は独立に水素、C
1−6アルキル基、C
1−6アルコキシ基、またはハロゲンであり、R
13、R
14、R
15、R
18、R
19およびR
20は独立に水素、またはC
1−6アルキル基であり、R
16およびR
17は独立に水素、C
1−6アルキル基、C
5−8シクロアルキル基、C
6−12アリール基、C
5−10ヘテロアリール基またはハロゲンであり、R
21、R
22、R
23、R
24およびR
25は独立に水素、C
1−6アルキル基またはハロゲンであり、mは7〜200の整数であり、qは5〜50の整数である。)(b)式(II)で示される構造を有するビスマレイミドと、を含む。
【0081】
式中、Eは置換または未置換のC
6−C
25アリーレン基、C
7−C
25アルキルアリール基、C
7−C
25アリールアルキル基、C
6−C
25ヘテロアリール基、C
7−C
25アシルアリール基、C
7−C
25アルコキシアリール基、C
7−C
25アシルオキシアリール基、またはC
25アリーレンエーテル基である。
【0082】
本開示の実施形態によれば、式(II)中のEは、
【0086】
であり、式中、u、vおよびwは1〜5の整数であり、R
5、R
6およびR
7は各々独立にC
1〜C
5のアルキル基であり、Mは直接結合、−O−、−S−、C
1〜C
12の直鎖または分岐鎖アルキル基であり、pは1〜4の整数である。
【0087】
本開示の実施形態によれば、前記可逆架橋反応組成物は、(c)式(III)で示される構造を有する化合物をさらに含む。
【0089】
式中、yは1〜5の整数であり、Bは、ケトン基、アミド基、イミド基、アミン基、イミン基、フェニルエーテル基またはエノールエーテルを含む基であり、Dは直接結合、−O−、−N−、−Ar
2−NH−(CH
2)
d−、−Ar
2−O−(CH
2)
d−、−Ar
2−O−(CH
2)
c−NH−(CH
2)
d−、−(CH
2)
c−NH−(CH
2)
d−、−(CH
2)
C−O−(CH
2)
d−または−(CH
2)
c−CH(OH)−(CH
2)
d−NH−であり、Ar
2は置換基を有するか、または未置換のアリーレン基であり、cは1〜5の整数であり、dは0〜5の整数である。
【0090】
本開示の実施形態によれば、Ar
2は置換基を有するか、または未置換のフェニレン基、ビフェニレン基、ナフチレン基、チエニレン基、インドリレン基、フェナントレニレン基、インデニレン基、アントラセニレン基、またはフルオレニレン基である。
【0099】
であり、Rは水素、ハロゲン、C
1〜C
8アルキル基、C
1〜C
8ハロアルキル基、C
5〜C
10シクロアルキル基、またはC
6〜C
12アリール基であり、Bは星印(*)で示される位置でDと連結する。
【0103】
であり、Bは星印(*)で示される位置でDと連結し、R
8はCH
3またはC
2H
5であり、tは1〜5の整数であり、eは1〜5の整数である。
【0104】
本開示の実施形態によれば、前記(a)オリゴマーと前記(c)式(III)で示される構造を有する化合物との重量比は20:80〜80:20である。
【0105】
本開示の実施形態によれば、前記(a)オリゴマーおよび前記(c)式(III)で示される構造を有する化合物のフラン基と、式(II)で示される構造を有するビスマレイミドのマレイミド基との当量比は0.7:1〜1:0.5である。
【0106】
本開示の実施形態によれば、本開示の前記組成物は、銅張積層板またはプリント回路基板の製造プロセスに使用可能である。本開示の前記組成物は、接着剤、コーティング、パッケージ、複合材料または機能性フィルムとなり得ると共に、各種光電および電子製品に用いることもできる。
【0107】
当該分野において通常の知識を有する者に容易に理解されるよう、以下に例示的な実施形態が詳細に記載される。本発明概念は、ここに記載される例示的実施形態に限定されることなく、様々な形で具体化され得る。明確とするため、周知の部分についての記述は省かれている。
【0109】
式(I−1)で示される構造を有するオリゴマー(mは7〜200、nは7〜200、かつこれにより示されるオリゴマーの数平均分子量は2000〜12000)
【0112】
60gのスチレン無水マレイン酸(styrene maleic anhydride,SMA、Polyscopeより購入、重量平均分子量(Mw):7500)を80gのジメチルアセトアミド(DMAc、景明化工より購入)溶媒中に入れ、事前溶解を行った。次いで、29.6gのフルフリルアミン(furfurylamine,FA、ALDRICHより購入)を加え、100℃〜160℃まで昇温し攪拌して反応を進行させた。反応が完了した後、温度を室温まで下げたら、式(I−1)で示される構造を有するオリゴマーが得られた。次いで、オリゴマーの各物理特性を測定した。結果は表1に示すとおりである。
【0114】
60gのスチレン無水マレイン酸(SMA、Polyscopeより購入、重量平均分子量(Mw):9000)を、80gのジメチルアセトアミド(DMAc)溶媒中に入れ、事前溶解を行った。次いで、22.33gのフルフリルアミン(FA、ALDRICHより購入)を加え、100℃〜160℃まで昇温し、攪拌して反応を進行させた。反応が完了した後、温度を室温まで下げたら、式(I−1)で示される構造を有するオリゴマーが得られた。次いで、オリゴマーの各物理特性を測定した。結果は表1に示すとおりである。
【0116】
83gのスチレン無水マレイン酸(SMA、Polyscopeより購入、重量平均分子量(Mw):10000を、115gのジメチルアセトアミド(DMAc)溶媒中に入れ、事前溶解を行った。次いで、40gのフルフリルアミン(FA、ALDRICHより購入)を加え、100℃〜160℃まで昇温し、攪拌して反応を進行させた。反応が完了した後、温度を室温まで下げたら、式(I−1)で示される構造を有するオリゴマーが得られた。次いで、オリゴマーの各物理特性を測定した。結果は表1に示すとおりである。
【0118】
反射赤外分光分析装置(Spectrum One-54415,PERLIN ELMER)を使用し、実施例1〜3で作製されたオリゴマーに対しIR分光分析を行った。得られたスペクトルデータには、フルフリルアミンがスチレン無水マレイン酸上にグラフトしてマレイミド官能基が形成されたことを表す1701cm
−1および1776cm
−1の−(CO)
2NH特徴ピークと、フルフリルアミン上のフラン官能基のシグナルである1006cm
−1、1068cm
−1のC−O−C特徴ピーク、および1491cm
−1のC=C特徴ピークと、が含まれていた。また、示差走査熱量計(Q10、TA儀器股▲ふん▼有限公司)を用い、IPC−TM−650.2.4.24スタンダードに従って実施例1〜3のオリゴマーのガラス転移温度(Tg)を測定し、表1に列挙した。さらに、ゲル浸透クロマトグラフ分析装置(RI 830,JASCO)を使用し、実施例1〜3のオリゴマーの重量平均分子量(Mw)を測定し、表1に列挙した。
【0120】
式(I−2)で示される構造を有するオリゴマー(xは5〜47、かつこれにより表されるオリゴマーの数平均分子量は1000〜6000)
【0123】
60gのポリフェニレンエーテル(polyphenylene ether,PPE、Sabicより購入、Mn:1600)を、60gのジメチルアセトアミド(DMAc)溶媒中に入れ、事前溶解を行った。次いで、6.9gのフルフリルアミン(FA、ALDRICHより購入)を加え、100℃〜160℃まで昇温し、攪拌して反応を進行させた。反応が完了した後、温度を室温まで下げたら、式(I−2)で示される構造を有するオリゴマーが得られた。次いで、オリゴマーの各物理特性を測定した。結果は表2に示すとおりである。
【0125】
60gのポリフェニレンエーテル(PPE、Sabicより購入、Mn:2350)を、60gのジメチルアセトアミド(DMAc)溶媒中に入れ、事前溶解を行った。次いで、8gのフルフリルアミン(FA、ALDRICHより購入)を加え、100℃〜160℃まで昇温し、攪拌して反応を進行させた。反応が完了した後、温度を室温まで下げたら、式(I−2)で示される構造を有するオリゴマーが得られた。次いで、オリゴマーの各物理特性を測定した。結果は表2に示すとおりである。
【0127】
反射赤外分光分析装置(Spectrum One-54415,PERLIN ELMER)を使用し、実施例4〜5で作製されたオリゴマーに対しIR分光分析を行った。得られたスペクトルデータには、フルフリルアミンがポリフェニレンエーテル上にグラフトしていることを表す3200〜3400cm
−1のNHの特徴ピークと、フルフリルアミン上のフラン官能基のシグナルである1006cm
−1、1068cm
−1のC−O−C特徴ピーク、および1491cm
−1のC=C特徴ピークと、が含まれていた。また、示差走査熱量計(Q10、TA儀器股▲ふん▼有限公司)を用い、IPC−TM−650.2.4.24スタンダードに従って実施例4〜5で作製されたオリゴマーのガラス転移温度(Tg)を測定し、表2に列挙した。さらに、ゲル浸透クロマトグラフ分析装置(RI 830,JASCO)を使用し、実施例4〜5のオリゴマーの重量平均分子量(Mw)を測定し、表2に列挙した。
【0129】
式(I−3)で示される構造を有するオリゴマー(zは5〜20、かつこれにより示されるオリゴマーの数平均分子量は900〜3000)
【0132】
50gのエポキシアクリレートオリゴマー(DOUNLEMER1730、Double Bond chemicalより購入)を、60gのジメチルアセトアミド(DMAc)溶媒中に入れた。次いで、10gのフルフリルアミン(FA、ALDRICHより購入)を加え、100℃〜140℃まで昇温し、攪拌して反応を進行させた。反応が完了した後、温度を室温まで下げたら、式(I−3)で示される構造を有するオリゴマーが得られた。次いで、オリゴマーの各物理特性を測定した。結果は表3に示すとおりである。
【0134】
反射赤外分光分析装置(Spectrum One-54415,PERLIN ELMER)を使用し、実施例6で作製されたオリゴマーに対しIR分光分析を行った。得られたスペクトルデータには、フルフリルアミンがエポキシアクリレートオリゴマー上にグラフトしていることを表す、3200〜3400m
−1のNHの特徴ピークと、フルフリルアミン上のフラン官能基のシグナルである1006cm
−1、1068cm
−1のC−O−C特徴ピーク、および1491cm
−1のC=C特徴ピークと、が含まれていた。また、示差走査熱量計(Q10,TA儀器股▲ふん▼有限公司)を用い、IPC−TM−650.2.4.24スタンダードに従って実施例6で作製されたオリゴマーのガラス転移温度(Tg)を測定し、表3に列挙した。さらに、ゲル浸透クロマトグラフ分析装置(RI 830,JASCO)を使用し、実施例6のオリゴマーの重量平均分子量(Mw)を測定し、表3に列挙した。
【0137】
式(III−1)で示される構造を有する化合物(Tは−CH
2−CH(OH)−官能基(TはCH
2でNに結合)または−CH
2−CH
2−官能基)
【0140】
50gのイソシアヌル酸トリアリル(triallyl isocyanurate,TAIC、ALDRICHより購入)を、60gのジメチルアセトアミド(DMAc)溶媒中に入れた。次いで、19.48gのフルフリルアミン(FA、ALDRICHより購入)を加え、100℃〜160℃まで昇温し、攪拌して反応を進行させた。反応が完了した後、温度を室温まで下げたら、式(III−1)で示される構造を有する化合物が得られた。
【0142】
50gのトリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート(tris (2,3-epoxy propyl) isocyanurate, TEPIC、Nissan Chemicalより購入)を、60gのジメチルアセトアミド(DMAc)溶媒中に入れた。次いで、23gのフルフリルアミン(FA、ALDRICHより購入)を加え、100℃〜160℃まで昇温し、攪拌して反応を進行させた。反応が完了した後、温度を室温まで下げたら、式(III−1)で示される構造を有する化合物が得られた。
【0144】
反射赤外分光分析装置(Spectrum One-54415,PERLIN ELMER)を使用し、実施例7〜8で作製された化合物に対しIR分光分析を行った。得られたスペクトルデータには、フルフリルアミンがイソシアヌル酸トリアリルまたはトリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート上にグラフトしたことを表す3200〜3400cm
−1のNHの特徴ピークと、フルフリルアミン上のフラン官能基のシグナルである1006cm
−1、1068cm
−1のC−O−C特徴ピーク、および1491cm
−1のC=C特徴ピークと、が含まれていた。また、示差走査熱量計(Q10,TA儀器股▲ふん▼有限公司)を用い、IPC−TM−650.2.4.24スタンダードに従って実施例7〜8で作製された化合物のガラス転移温度(Tg)を測定し、表4に列挙した。
【0147】
単一のフラン基含有オリゴマーを有する組成物
【0149】
100.47gの実施例1で合成した式(I−1)で示される構造を有するオリゴマー、および50gのビスマレイミド化合物BMI−1000(K.I. Chemical Industryより購入、分子量:358.35)を取り、50℃〜60℃下で30分反応させて、ワニス(可逆架橋反応組成物)を形成した。ワニスをオーブンに入れ、170℃〜190℃で反応させて、組成物Iを得た。
【0151】
271.2gの実施例4で合成した式(I−2)で示される構造を有するオリゴマー、および50gのBMI−1000(K.I. Chemical Industry)を取り、50℃〜60℃下で30分反応させて、ワニス(可逆架橋反応組成物)を形成した。ワニスをオーブンに入れ、170℃〜190℃で反応させて、架橋組成物IIを得た。
【0153】
40.18gの実施例1で合成した式(I−1)で示される構造を有するオリゴマー、および10gのBMI−1000(K.I. Chemical Industryより購入)を取り、50℃〜60℃下で30分反応させて、ワニス(可逆架橋反応組成物)を形成した。ワニスをオーブンに入れ、170℃〜190℃で反応させて、架橋組成物IIIを得た。
【0155】
108.4gの実施例4で合成した式(I−2)で示される構造を有するオリゴマー、および10gのBMI−1000(K.I. Chemical Industryより購入)を取り、50℃〜60℃下で30分反応させて、ワニス(可逆架橋反応組成物)を形成した。ワニスをオーブンに入れ、170℃〜190℃で反応させて、架橋組成物IVを得た。
【0157】
50.24gの実施例1で合成した式(I−1)で示される構造を有するオリゴマー、および50gのBMI−1000(K.I. Chemical Industryより購入)を取り、50℃〜60℃下で30分反応させて、ワニス(可逆架橋反応組成物)を形成した。ワニスをオーブンに入れ、170℃〜190℃で反応させて、架橋組成物Vを得た。
【0159】
135.6gの実施例4で合成した式(I−2)で示される構造を有するオリゴマー、および50gのBMI−1000(K.I. Chemical Industryより購入)を取り、50℃〜60℃下で30分反応させて、ワニス(可逆架橋反応組成物)を形成した。ワニスをオーブンに入れ、170℃〜190℃で反応させて、架橋組成物VIを得た。
【0161】
反射赤外分光分析装置(Spectrum One-54415,PERLIN ELMER)を使用し、実施例9〜14で作製された架橋組成物I〜VIに対しIR分光分析を行った。得られたスペクトルデータには、元は822cm
−1であったBMI−1000の特徴ピークが反応後に消え、かつ1068cm
−1のフラン官能基上のC−O−Cの特徴ピークのシグナル強度が明らかに低下し、架橋生成物が形成されたということが示された。また、示差走査熱量計(Q10,TA儀器股▲ふん▼有限公司)を用い、IPC−TM−650.2.4.24スタンダードに従って実施例9〜14の架橋組成物のガラス転移温度(Tg)を測定し、表5に列挙した。さらに、示差走査熱量計(Q10,TA儀器股▲ふん▼有限公司)を用い、少なくとも5mgの試料を取り、5℃/minの速度で350℃まで昇温し、実施例9〜17の架橋組成物の可逆温度(Tr)を測定し、これも表5に列挙した。表5に列挙された可逆温度(Tr)からわかるように、実施例の架橋組成物は160℃以上の高温まで安定であった。
【0163】
複数のフラン基含有オリゴマー/化合物を有する組成物
【0165】
54.24gの実施例1で合成した式(I−1)で示される構造を有するオリゴマー、135.6gの実施例4で合成した式(I−2)で示される構造を有するオリゴマー、および50gのBMI−1000(K.I. Chemical Industryより購入)を取り、50℃〜60℃下で30分反応させて、ワニス(可逆架橋反応組成物)を形成した。ワニスをオーブンに入れ、170℃〜190℃で反応させて、架橋組成物VIIを得た。
【0167】
54.24gの実施例1で合成した式(I−1)で示される構造を有するオリゴマー、42.38gの実施例7で合成した式(III−1)で示される構造を有する化合物、および50gのBMI−1000(K.I. Chemical Industryより購入)を取り、50℃〜60℃下で30分反応させて、ワニス(可逆架橋反応組成物)を形成した。ワニスをオーブンに入れ、170℃〜190℃で反応させて、架橋組成物VIIIを得た。
【0169】
135.6gの実施例4で合成した式(I−2)で示される構造を有するオリゴマー、42.38gの実施例7で合成した式(III−1)で示される構造を有する化合物、および50gのBMI−1000(K.I. Chemical Industryより購入)を取り、50℃〜60℃下で30分反応させて、ワニス(可逆架橋反応組成物)を形成した。ワニスをオーブンに入れ、170℃〜190℃で反応させて、架橋組成物IXを得た。
【0171】
33.5gの実施例1で合成した式(I−1)で示される構造を有するオリゴマー、90.4gの実施例4で合成した式(I−2)で示される構造を有するオリゴマー、28.3gの実施例7で合成した式(III−1)で示される構造を有する化合物、および50gのBMI−1000(K.I. Chemical Industryより購入)を取り、50℃〜60℃下で30分反応させて、ワニス(可逆架橋反応組成物)を形成した。ワニスをオーブンに入れ、170℃〜190℃で反応させて、架橋組成物Xを得た。
【0173】
反射赤外分光分析装置(Spectrum One-54415,PERLIN ELMER)を使用し、実施例15〜18で作製された架橋組成物VII〜Xに対しIR分光分析を行った。得られたスペクトルデータには、元は822cm
−1であったBMI−1000の特徴ピークが反応後に消え、かつ1068cm
−1のフラン官能基上のC−O−Cの特徴ピークのシグナル強度が明らかに低下し、架橋生成物が形成された、ということが示された。また、示差走査熱量計(Q10,TA儀器股▲ふん▼有限公司)を用い、IPC−TM−650.2.4.24スタンダードに従って実施例15〜18の架橋組成物のガラス転移温度(Tg)を測定し、表6に列挙した。さらに、示差走査熱量計(Q10,TA儀器股▲ふん▼有限公司)を用い、少なくとも5mgの試料を取り、5℃/minの速度で350℃まで昇温し、実施例15〜18の架橋組成物の可逆温度(Tr)を測定し、これも表6に列挙した。表6に列挙された可逆温度(Tr)からわかるように、実施例の架橋組成物は160℃以上の高温まで安定であった。
【0176】
実施例9〜18にて作製された架橋組成物を粉砕した。次いで、約250℃〜300℃まで温度を上げることによってその結合を切断させてワニスの状態に戻した。温度を下げて60℃〜70℃まで戻すと、再度硬化してバルク状になった。反射赤外分光分析装置(Spectrum One-54415,PERLIN ELMER)を使用し、それらバルクに対しIR分光分析を行った。得られたスペクトルデータには、822cm
−1のBMI−1000のC=Cの特徴ピークが再び現れ、かつ1068cm
−1のフラン官能基上のC−O−Cの特徴ピークのシグナル強度が明らかに高まり、架橋生成物に結合切断反応が起こり、元のフラン基含有オリゴマーおよび/または化合物とBMI−100との組成物に戻ったということが示された。
【0178】
実施例による可逆架橋反応組成物について言えば、ビスマレイミド化合物の2つのマレイミド官能基は、それぞれ2つのフラン基含有オリゴマーまたは化合物のフラン官能基と1,2付加反応を生じることができ、この立体構造が特定の温度に達したとき、1,2付加反応により形成された結合が切れ、これによりフラン基含有オリゴマー/化合物とビスマレイミド化合物との結合が切断され、元の反応物に戻るため、回収・再利用に有利である。また、実施例の結果によれば、本開示の可逆架橋反応組成物は構造が安定しており、耐熱性が高く、かつ可逆温度が高いため、高温プロセスでの使用に有利であり、例えば、プリント回路基板において樹脂絶縁材料として使用するとき、リフロープロセスでは完全性が保たれる必要があるので、可逆温度は250℃以上であるのがよい。
【0181】
33.5gの実施例1で合成した式(I−1)で示される構造を有するオリゴマー、90.4gの実施例4で合成した式(I−2)で示される構造を有するオリゴマー、28.3gの実施例7で合成した化学式(III−1)で示される構造を有する化合物、および50gのBMI−1000(K.I. Chemical Industryより購入)を取り、次いで75gのジメチルアセトアミド(DMAc)を加え、50℃〜60℃下で30分反応させて、ワニスを形成した。ワニスをガラス繊維布に含浸させ、140℃〜170℃でベークを行ってプリプレグ(prepreg)を作ってから、銅箔とラミネートして、銅張積層板を作製した。
【0183】
エポキシ樹脂828(BE−188、長春化工より購入)を取って100wt%とし、5phrのジシアンジアミド(dicyandiamide、景明化学より購入)、および500ppmの2-メチルイミダゾール(2−MI、景明化学より購入)を取り、さらにメチルエチルケトン(MEK、景明化学より購入)溶媒を加えて、固形分70%のワニスを調製した。ワニスをガラス繊維布に含浸させ、170℃でベークを行ってプリプレグを作ってから、銅箔とラミネートして、銅張積層板を作製した。ラミネート条件は、温度170
oC〜190
oC、反応1時間〜2時間、圧力350psi〜450psiとした。これにより作製された銅張積層板は、一般のプリント回路基板に用いられるFR−4板材である。
【0185】
示差走査熱量計(Q10、TA儀器股▲ふん▼有限公司)を用い、IPC−TM−650.2.4.24スタンダードに従って実施例19および比較例の銅張積層板のガラス転移温度(Tg)を測定し、表7に列挙した。熱機械分析装置(Q400、TA儀器股▲ふん▼有限公司)を用い、IPC-TMC−650.2.4.24スタンダードに従って実施例19および比較例の銅張積層板の熱膨張係数(CTE)を測定し、表7に列挙した。熱重量分析装置(Q500、TA儀器股▲ふん▼有限公司)を用い、IPC−TM−650 2.3.40スタンダードに従って実施例19および比較例の銅張積層板の熱分解温度(Td)を測定し、表7に列挙した。示差走査熱量計(Q10、TA儀器股▲ふん▼有限公司)を用い、少なくとも5mgの試料を取り、5℃/minの速度で350℃まで昇温し、実施例19および比較例の銅張積層板の可逆温度(Tr)を測定して、表7に列挙した。さらに、共振空洞型マイクロ波誘電率測定装置(Resonant Cavity Type Microwave Dielectrometer、AET社)を用い、JIS−compliant 1641スタンダードに従って、実施例19および比較例の銅張積層板の10GHzにおける誘電率(Dk)および誘電正接(Df)を測定し、これらも表7に列挙した。表7からわかるように、実施例19の銅張積層板および比較例の銅張積層板(つまり一般のプリント回路基板に用いるFR−4板材)は、似通った誘電率および誘電正接を有していた。しかし、比較例の銅張積層板に比して、実施例19の銅張積層板は可逆温度が300℃であり、温度を約300℃まで上げることによって、その中の樹脂を逆反応させて、フラン改質化合物および/またはオリゴマー、ならびにビスマレイミド化合物とすることができ、よってリサイクルをすることができる。
【0188】
実施例19の銅張積層板に対してエッチングを行い、銅箔を除去した。次いで、板材を温度約250〜300℃の溶液中に入れ、溶解して組成物を回収した。回収した樹脂組成物を収集し、反射赤外分光分析装置(Spectrum One-54415,PERLIN ELMER)を使用し、それに対してIR分光分析を行った。得られたスペクトルデータには、822cm
−1のBMI−1000上のC=Cの特徴ピークが再び現れ、かつ1068cm
−1のフラン官能基上のC−O−Cの特徴ピークのシグナル強度が明らかに高まっており、樹脂組成物に結合切断反応が起こり、元のフラン基含有オリゴマーまたは化合物とBMI−1000とに戻ったということが示された。また、回収した樹脂組成物の、硬化させた後に測定されたガラス転移温度は元の樹脂組成物と同じ(実施例18)であり、実施例19の複合材料が回収・再利用可能であることがさらに証明された。
【0190】
実施例による製造方法で製造されてなる複合材料は可逆架橋反応組成物を含むため、複合材料のリサイクル率が高まり得る。例えば、可逆温度が250℃以上の組成物を用いると、プリント回路基板のリサイクル率を改善することができ、ひいては二酸化炭素の排出量を低減することができる。また、回収された組成物は、プリント回路基板プロセスにおける絶縁樹脂とするか、または二次的原材料として繰り返し利用でき、循環経済を達成することができる。
【0191】
開示された方法および材料に各種修飾および変更を加え得ることは明らかであろう。本明細書および実施例は単に例示と見なされることが意図されており、本開示の真の範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって示される。