(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられる成分(A)は、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体を揮発性炭化水素油に分散したディスパージョンである。分散するアクリル酸アルキル・スチレン共重合体は、INCI名(International Nomenclature Cosmetic Ingredient labeling names)で、STYRENE/ACRYLATES COPOLYMERとして収載されているものであり、アクリル酸アルキル及びメタクリル酸アルキルの1種以上と、スチレンを重合して得ることができる。これらは揮発性炭化水素油に溶解せずに、ディスパージョンの形態を有し、一般的に非水ディスパージョン(NAD=Non Aqua Dispersion、非水エマルションも同義)と称されるものである。アクリル酸アルキル・スチレン共重合体は、特に限定されないが、アクリル酸アルキル及びメタクリル酸アルキルとスチレンとを70/30〜90/10の質量比で含むものが好ましく、数平均分子量は50000〜300000(ゲルパーミュレーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算値)のものが好ましく用いられる。この範囲であると、揮発性炭化水素油に溶解せず、良好なディスパージョン状態を保つことができる。また、樹脂粒子は、遠心沈降法による平均粒子径が0.1〜2.0μmであると、ディスパージョンの粘度変化が少なく、粒子の沈殿も生じにくく好ましい。
【0009】
成分(A)の分散媒として用いられる揮発性炭化水素油とは、化粧料に一般に用いられるものであれば特に制限はなく、例えば、常圧における沸点が260℃以下の炭化水素、イソオクタン(2,2,4−トリメチルペンタン、2,3−ジメチルヘキサン等)、イソドデカン(2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン等)、イソヘキサデカン、イソエイコサエン等の側鎖を有する炭化水素、イソパラフィン、或いはこれらの混合物、イソブテン、n−ブテン等を重合或いは共重合(重合度は4〜6が好ましい)した後、水素添加したもの等を挙げることができ、必要に応じて1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。中でも炭素数4〜18の側鎖を有する飽和炭化水素油は、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体の分散性も良く、乾燥を早め、揮発により強固な塗膜を形成するものであり、より好ましい。これらの揮発性炭化水素油の市販品としては、IPソルベント 1620 MU、IPソルベント 2028 MU(何れも出光石油化学社製)、アイソパー(エッソ化学社製)、マルカゾールR(丸善石油化学社製)等が挙げられる。
【0010】
成分(A)は、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体を揮発性炭化水素油に分散させ、ディスパージョンとしたものであるが、揮発性炭化水素油中にて、アクリル酸アルキルやメタクリル酸アルキルと、スチレンを重合することで得られるほかに、共重合体を揮発性炭化水素油に分散して得ることができる。アクリル酸アルキル・スチレン共重合体は、成分(A)中に30〜60質量%(以下、単に「%」とする)含まれることが好ましく、より好ましくは35〜50%、更に好ましくは40〜50%含む。この範囲であると、成分(A)が化粧料中で均一に混和しやすい。成分(A)はディスパージョンとして市販されているものを用いることができ、例えば、ニッセツ U−3700A(日本カーバイド社製)等が挙げられる。
【0011】
本発明における成分(A)の含有量は共重合体濃度にもより、特に限定されるものではないが、固形分換算で化粧料中に0.1〜10%が好ましく、更に好ましくは0.5〜7.5%であり、特に好ましくは1〜6%である。この範囲であると、耐水性と負担感のなさにより優れる点で好ましい。
【0012】
本発明に用いられる成分(B)の油溶性樹脂は、揮発性油等の油剤に可溶なもので、皮膜を形成するものである。化粧料に通常使用されるものであれば特に制限されず用いることができる。成分(B)は、耐皮脂性に優れるとともに、硬く強固な塗膜を形成することから、成分(A)と組み合わせて含有し、ディスパージョンが融着して形成される塗膜の結合点をより強固にすることで、二次付着防止効果を顕著に向上することができる。具体的には、テルペン系樹脂、シリコーン樹脂、炭化水素樹脂、ロジン酸系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられ、必要に応じて1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0013】
中でもシリコーン樹脂であるトリメチルシロキシケイ酸、ポリメチルシルセスキオキサン、(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー等は二次付着防止効果により優れる点でより好ましい。市販品としては、シリコン KF−7312J(固形分50%、溶媒:シクロペンタシロキサン、信越化学工業社製)、シリコン KF−9021(固形分50%、溶媒:シクロペンタシロキサン、信越化学工業社製)、BY11−018(固形分30%、溶媒:シクロペンタシロキサン、東レ・ダウコーニング社製)、シリコン KP−541(固形分60%、溶媒:イソプロパノール、信越化学工業社製)、SR−1000(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)、シリコン KP−545(固形分30%、溶媒:シクロペンタシロキサン、信越化学工業社製)、シリコン KP−575(固形分30%、溶媒:シクロペンタシロキサン、信越化学工業社製)、SILFORM FLEXIBLE RESIN(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)、オパノールB−100(BASF社製)等が挙げられる。
【0014】
また中でも、成分(B)として、成分(A):シクロアルキル基を含有するアクリレート及び/又はメタクリレートと、成分(B):炭素数8〜12の直鎖若しくは分岐のアルキル基を含有するアクリレート及び/又はメタクリレート及び/又は(C):片末端にラジカル重合性基を含有するオルガノポリシロキサンマクロモノマーとを含むモノマーを重合して得られるアクリル系共重合体も、二次付着防止効果により優れる点で好ましい。
具体的には、上記アクリル系共重合体は、構成モノマー総量中、成分(A)の配合量が50〜90質量%、成分(B)及び/又は(C)の配合量が10〜50質量%であり、且つ、軽質イソパラフィンに25℃で少なくとも30質量%溶解することがより好ましい。
【0015】
ここで、軽質イソパラフィンとは、主にイソパラフィンからなる炭化水素の混合物をいい、具体的には側鎖を有する炭素数9〜12の飽和炭化水素で、JIS−K2254の蒸留試験で95容量%留出温度が200℃以下のものをいう。
【0016】
上記アクリル系共重合体は、好ましくは、成分(A)と成分(B)とから構成され、成分(A)と成分(C)とから構成され、成分(A)と成分(B)と成分(C)とから構成されており、より好ましくは、成分(A)及び成分(B)のみ、又は成分(A)、成分(B)及び成分(C)のみから構成されている。
【0017】
具体的には、上記アクリル系共重合体は、成分(A)と成分(B)と成分(C)と必要に応じて任意成分とを、あるいは、成分(A)と成分(B)と必要に応じて任意成分とを、あるいは、成分(A)と成分(C)と必要に応じて任意成分とを、それぞれ有機溶媒の存在下で水の非存在下、重合させることにより得ることができる。
【0018】
より具体的には、上記アクリル系共重合体としては、成分(A)と成分(B)とから構成され、成分(A)50〜90質量部に対し、成分(B)10〜50質量部が重合されているアクリル系共重合体や、成分(A)と成分(C)とから構成され、成分(A)50〜90質量部に対し、成分(C)10〜50質量部が重合されているアクリル系共重合体や、成分(A)と成分(B)と成分(C)とから構成され、成分(A)50〜90質量部に対し、成分(B)と(C)の合計10〜50質量部が重合されているアクリル系共重合体を、好適に例示することができる。
【0019】
成分(A)のシクロアルキル基含有アクリレート及び/又はメタクリレートは親油性の重合性モノマーで、耐水性のある透明で硬い皮膜形成能を有する骨格を成す。具体例としては、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、トリシクロデシルアクリレート、トリシクロデシルメタクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリシクロデカニルメタクリレート等を挙げることができ、これらは1種単独で又は2種以上混合して用いることができる。これらの中でも、とりわけシクロヘキシルメタクリレートはラジカル重合性が良好で収率が高く、硬い皮膜を形成するための好適なガラス転移点を有し、特に好ましい。
【0020】
成分(B)の炭素数8〜12の直鎖若しくは分岐のアルキル基を含有するアクリレート及び/又はメタクリレートは、親油性の重合性モノマーで、皮膜に柔軟性や付着性を付与し、軽質イソパラフィンへの溶解性を高める。具体例としては、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソノニルアクリレート、イソノニルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート等を挙げることができ、これらは1種単独で又は2種以上混合して用いることができる。これらの中でも、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレートが好ましく、中でも2−エチルヘキシルメタクリレートが特に好ましい。
【0021】
成分(C)の片末端にラジカル重合性基を含有するオルガノポリシロキサンマクロモノマーとしては、アクリル酸若しくはメタクリル酸に二価の炭化水素基を介してオルガノポリシロキサンを連結したエステル化合物を挙げることができ、具体的には、下記式(2)のオルガノポリシロキサンマクロモノマーを例示することができる。
【化1】
式中、mは1〜10、好ましくは1〜4、nは0〜200の整数、R
1は、水素又はメチル基を示し、R
2〜R
8は、炭素数1〜5のアルキル基を示す。
これらは1種単独で又は2種以上混合して用いることができる。
【0022】
成分(C)の片末端にラジカル重合性基を含有するオルガノポリシロキサンマクロモノマーは皮膜に耐水性を付与し、軽質イソパラフィンへの溶解性を高める。より具体的には一般式(1)に示されるジメチルポリシロキサンマクロモノマーを挙げることができる。
【化2】
ジメチルポリシロキサン基の繰返し単位を示す重合度nは0〜200が好ましく、さらに好ましくは5〜150である。重合度nが5未満である場合には、充分な耐水性を得ることができないおそれがあり、150を超えると透明で均一な皮膜を得ることが困難になる場合がある。
【0023】
アクリル系共重合体としては、本発明の効果を高める意味では、(A)成分及び(B)成分のみを含むものが好ましく、(A)成分としてシクロヘキシルメタクリレートと(B)成分として2−エチルヘキシルメタクリレートを用いたメタクリロヘキシル/メタクリル酸エチルヘキシルコポリマーが特に好ましい。
ここで、メタクリロヘキシル/メタクリル酸エチルヘキシルコポリマーにおける、シクロヘキシルメタクリレートと2−エチルヘキシルメタクリレートとの含有比は、0.5:1〜5:1であることが好ましく、2:1〜5:1であることがより好ましく、2:1〜4:1であることがさらにに好ましく、2.5:1〜4:1であることが特に好ましい。
市販品としては、互応化学工業社製プラサイズL−250が挙げられる。
【0024】
また、(B)成分のアクリル系共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記成分(A)〜(C)以外の重合性モノマーを構成モノマーとして含有することができる。成分(A)〜(C)以外の重合性モノマーとしては特に限定はされないが、スチレン、置換スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、前記以外のアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、無水マレイン酸、マレイン酸エステル、フマル酸エステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、ブタジエン、アクリロニトリル、フッ化オレフィン、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチルアクリルアミド、メチルメタクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミド、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、2−アクリルアミド−2−ジメチルプロパンスルホン酸塩等を挙げることができる。
【0025】
上記成分(A)〜(C)や、任意成分の配合割合としては、成分(A)の配合量は、構成モノマー総量の50〜90質量%であり、50〜80質量%が好ましい。50質量%未満では、充分な硬さの皮膜を得ることができず、また、90質量%を超えると軽質イソパラフィンへの溶解性が悪くなる。上記成分(B)の配合量は、構成モノマー総量の10〜50質量%であり、15〜45質量%が好ましい。10質量%未満では、軽質イソパラフィンへの溶解性が悪くなり、また、50質量%を超えると充分な硬さの皮膜を得ることができず、べたつきやタック性、膜の不均一性などの欠点が生じる。上記成分(C)の配合量は、構成モノマー総量の10〜50質量%であり、15〜45質量%が好ましい。10質量%未満であると軽質イソパラフィンへの溶解性が悪くなり、50質量%を超えると充分な硬さの皮膜を得ることができず、べたつきやタック性、膜の不均一性などの欠点が生じる。また、成分(B)と成分(C)を併用する場合については、その配合量の合計は、10〜50質量%であり、15〜45質量%が好ましい。成分(B)と成分(C)の配合量の合計が50質量%を超えると充分な硬さの皮膜を得ることができず、べたつきやタック性、膜の不均一性などの欠点がみられ、配合量の合計が10質量%未満であると軽質イソパラフィンへの溶解性が悪くなる。上記任意成分の配合量としては、構成モノマー総量の30質量%以下の範囲であればよく、20質量%以下が好ましく、例えば0.01から10質量%配合することができる。
【0026】
上記アクリル系共重合体の重量平均分子量は特に制限されないが、1.0×10
4〜2.0×10
5の範囲のものが好ましい。重量平均分子量は、溶離液としてテトラヒドロフランを用い、直鎖ポリスチレン標準品で作成した校正曲線及び屈折率検出器を使用する液体ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される。重量平均分子量が1.0×10
4以下では皮膜形成性にやや劣り、2.0×10
5以上では軽質イソパラフィン中での溶解粘度が高く皮膜の均一性にやや劣り好ましくない。
【0027】
上記アクリル系共重合体は、上記成分(A)〜(C)や、必要に応じて他の任意成分を構成モノマーとして用い、有機溶媒の存在下(水の非存在下)、公知の重合方法によるランダム重合により得ることができる。特に限定はされないが、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ系化合物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸系重合開始剤等の、ラジカル重合開始剤の存在下で重合を行えばよく、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法、沈殿重合法等を用いることができる。これらのうち、特に溶液重合法は、得られるアクリル系共重合体の分子量を最適範囲に調整することが容易であるため好ましい。
【0028】
上記アクリル系共重合体の重合時に用いる有機溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、イソプロパノール、エタノール、メタノール等のアルコール類を挙げることができ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、軽質イソパラフィン、イソドデカン、イソヘキサデカン等のパラフィン系溶剤中で重合することもできる。
【0029】
上記アクリル系共重合体の重合反応温度は、通常のラジカル重合開始剤の使用可能な温度範囲であれば特に制限はされないが、通常40〜120℃の範囲で実施される。反応温度は使用するラジカル重合開始剤、モノマーの種類、反応温度により異なるが、通常2〜24時間実施される。重合時間が短すぎると残存モノマー量が多く収率が低くなり好ましくない。
【0030】
上記アクリル系共重合体は、反応させたときのパラフィン系溶剤中に溶解させたまま、又は必要に応じて他の炭化水素やエステル、トリグリセライド等の油剤で希釈を行うことや、他の油剤へ溶媒置換を行うこともできる。このような油溶形態のシクロアルキル基を含有するアクリル系共重合体組成物も本発明に包含される。また、溶液の溶媒を除去してアクリル系共重合体を固体として取り出すことができ、さらに得られたアクリル系共重合体ポリマーを軽質イソパラフィンに溶解することによりアクリル系共重合体溶液として使用することもできる。上記のアクリル系共重合体及びその溶液は2種以上混合して用いることもできる。
【0031】
また、成分(B)としては、グルコースの平均重合度が3〜150のデキストリンの脂肪酸エステルで、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸を全脂肪酸に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を全脂肪酸に対して0mol%以上50mol%未満を含有し、グルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0であるデキストリン脂肪酸エステルも好ましく用いられる。
【0032】
好適なデキストリン脂肪酸エステルは、デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であり、デキストリンへの脂肪酸の置換度は、グルコース単位当たり1.0〜3.0であり、好ましくは1.2〜2.8である。この置換度が1.0未満であると液状油等への溶解温度が100℃以上と高くなり、着色や特異な臭いが生じ、好ましくない。
【0033】
好適なデキストリン脂肪酸エステルは、次の特性を有する。
1)好適なデキストリン脂肪酸エステルは、液状油に混合したときに液状油がゲル化しない。
「液状油がゲル化しない」とは、ASTM D445測定方法による40℃における動粘度が8mm
2/sである流動パラフィンを液状油とする場合、好適なデキストリン脂肪酸エステルを5質量%含有する該流動パラフィンを100℃で溶解し、24時間後25℃で粘度を測定したとき、粘度が、Yamco DIGITAL VISCOMATE粘度計VM−100A(振動式)(山一電機社製)の検出限界以下であることを意味する。なお、ゲル化する場合には、粘度が検出されることで確認できる。
2)好適なデキストリン脂肪酸エステルが形成する皮膜が特定範囲のタック性を有する。
「タック性」を、支持体に該デキストリン脂肪酸エステルを塗布し、もうひとつの支持体を相互に離れた状態から面接触させた後に、後退させて別離させ、後退を開始してから完全に別離するまでの接触点にかかる荷重変化(最大応力値)で表す場合、該デキストリン脂肪酸エステルを40質量%含有する軽質流動イソパラフィン溶液をガラス板に400μm厚のアプリケーターで成膜し、乾燥させた皮膜に、テクスチャーアナライザー、たとえば、テクスチャーアナライザーTA.XTplus(Stable Micro Systems社製)を用いて、プローブとして直径12.5mm円柱状のポリアセタール樹脂(Delrin(登録商標)デュポン社製)製プローブを使用し、100gの荷重をかけ10秒保持後に0.5mm/秒で離したときの荷重変化、すなわちタック性が30〜1,000gである。
【0034】
好適なデキストリン脂肪酸エステルに用いられるデキストリンは、グルコース平均重合度3〜150、特に10〜100のデキストリンが好ましい。グルコース平均重合度が2以下では、得られたデキストリンエステルがワックス様となって油剤への溶解性が低下する。また、グルコース平均重合度が150を超えると、デキストリンエステルの油剤への溶解温度が高くなる、又は溶解性が悪くなる等の問題を生ずることがある。デキストリンの糖鎖は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。
【0035】
好適なデキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸とは、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を必須とし、さらに炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸、及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上(以下、これら炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸以外の脂肪酸をまとめて表すときは「その他の脂肪酸」という)を含有してもよいものである。
【0036】
好適形態において、脂肪酸の組成割合は、全脂肪酸に対して、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上が50mol%より多く100mol%以下、好ましくは55mol%以上100mol%以下であり、その他の脂肪酸は、0mol%以上50mol%未満、好ましくは、0mol%以上45mol%以下である。
【0037】
好適形態に用いられる炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸としては、例えば、イソ酪酸、イソ吉草酸、2−エチル酪酸、エチルメチル酢酸、イソヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、イソトリデカン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、イソアラキン酸、イソヘキサコサン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜選択又は組み合わせて使用することができる。これらのうち、炭素数12〜22のものが好ましく、特にイソステアリン酸が好ましく、構造違い等の限定は特にない。
【0038】
好適形態において、イソステアリン酸とは、分岐したステアリン酸の1種又は2種以上の混合物を意味する。例えば5,7,7−トリメチル−2−(1,3,3−トリメチルブチル)−オクタン酸は、イソブチレン2量体のオキソ反応により炭素数9の分岐アルデヒドとし、次いでこのアルデヒドのアルドール縮合により炭素数18の分岐不飽和アルデヒドとし、次いで水素添加、酸化することにより製造することができ(以下「アルドール縮合型」と略す)、これは例えば日産化学工業株式会社より市販されている。2−ヘプチルウンデカン酸はノニルアルコールをガーベット反応(Guerbet reaction)に付し、次いで酸化することにより製造することができ、これは例えば三菱化成株式会社より市販されており、分岐位置の若干異なる類似混合物として、日産化学工業株式会社より市販され、さらに出発アルコールが直鎖飽和ではない2箇所メチル分岐したタイプも同様に日産化学工業株式会社より市販されている(以下総じて「ガーベット反応型」と略す)。また、メチル分岐イソステアリン酸は、例えばオレイン酸のダイマー製造時の副産物として得られるもので〔例えばJ. Amer. Oil Chem. Soc., 51,522(1974)に記載〕、例えば米国エメリー社などから市販されていたものがあげられる(以下「エメリー型」と略す)。エメリー型イソステアリン酸の出発物質であるダイマー酸のさらに出発物質は、オレイン酸だけでなく、リノール酸、リノレン酸等も含まれる場合がある。本発明においては特にこのエメリー型がより好ましい。
【0039】
好適形態に用いられる炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸としては、例えば、酢酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜、選択又は組み合わせて使用することができる。これらのうち、炭素数8〜22ものが好ましく、特に炭素数12〜22のものが好ましい。
【0040】
好適形態に用いられる炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸としては、例えば、モノエン不飽和脂肪酸としては、シス−4−デセン(オブツシル)酸、9−デセン(カプロレイン)酸、シス−4−ドデセン(リンデル)酸、シス−4−テトラデセン(ツズ)酸、シス−5−テトラデセン(フィセテリン)酸、シス−9−テトラデセン(ミリストレイン)酸、シス−6−ヘキサデセン酸、シス−9−ヘキサデセン(パルミトレイン)酸、シス−9−オクタデセン(オレイン)酸、トランス−9−オクタデセン酸(エライジン酸)、シス−11−オクタデセン(アスクレピン)酸、シス−11−エイコセン(ゴンドレイン)酸、シス−17−ヘキサコセン(キシメン)酸、シス−21−トリアコンテン(ルメクエン)酸等が挙げられ、ポリエン不飽和脂肪酸としては、ソルビン酸、リノール酸、ヒラゴ酸、プニカ酸、リノレン酸、γ−リノレン酸、モロクチ酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、EPA、イワシ酸、DHA、ニシン酸、ステアロール酸、クレペニン酸、キシメニン酸等が挙げられる。
【0041】
好適形態に用いられる炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸は、環状構造を基本骨格の少なくとも一部に有する炭素数6〜30の飽和又は不飽和脂肪酸を意味し、例えば9,10−メチレン−9−オクタデセン酸;アレプリル酸、アレプリン酸、ゴルリン酸、α−シクロペンチル酸、α−シクロヘキシル酸、α−シクロペンチルエチル酸、α−シクロヘキシルメチル酸、ω−シクロヘキシル酸;5(6)−カルボキシ−4−ヘキシル−2−シクロヘキセン−1−オクタン酸、マルバリン酸、ステルクリン酸、ヒドノカルピン酸、ショールムーグリン酸などが挙げられる。
【0042】
好適形態において、脂肪酸として分岐飽和脂肪酸単独の場合のデキストリン脂肪酸エステルとしては、例えば以下のもの等が挙げられる。
デキストリンイソ酪酸エステル
デキストリンエチルメチル酢酸エステル
デキストリンイソヘプタン酸エステルデキストリン2−エチルヘキサン酸エステル
デキストリンイソノナン酸エステル
デキストリンイソデカン酸エステル
デキストリンイソパルミチン酸エステル
デキストリンイソステアリン酸エステル
デキストリンイソアラキン酸エステル
デキストリンイソヘキサコサン酸エステル
デキストリン(イソ吉草酸/イソステアリン酸)エステル
【0043】
好適形態において、脂肪酸として分岐飽和脂肪酸とその他の脂肪酸との混合脂肪酸を用いた場合のデキストリン脂肪酸エステルとしては、例えば以下のもの等が挙げられる。
デキストリン(イソ酪酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(イソアラキン酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(エチルメチル酢酸/ラウリン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/ラウリン酸)エステル
デキストリン(イソヘプタン酸/ラウリン酸/ベヘン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/ミリスチン酸)エステル
デキストリン(イソヘキサコサン酸/ミリスチン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/イソ吉草酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソノナン酸/パルミチン酸/カプロン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/パルミチン酸/ステアリン酸)エステル
デキストリン(イソデカン酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/ステアリン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/アラキン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/アラキン酸)エステル
デキストリン(2−エチル酪酸/ベヘン酸)エステル
デキストリン(イソノナン酸/リノール酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/アラキドン酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/カプリル酸/リノール酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/ステアリン酸/オレイン酸)エステル
デキストリン(イソアラキン酸/パルミチン酸/ショールムーグリン酸)エステル
【0044】
次に、好適なデキストリン脂肪酸エステルの製造方法について説明する。
製造方法としては、特に限定されず、公知の製法を採用することができるが、たとえば以下のようにして製造することができる。
【0045】
1)グルコースの平均重合度が3〜150であるデキストリンと、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸誘導体の1種又は2種以上を全脂肪酸誘導体に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸誘導体、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸誘導体及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸誘導体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上(以下、これらの脂肪酸誘導体をまとめて表すときは「その他の脂肪酸誘導体」という)を全脂肪酸誘導体に対して0mol%以上50mol%未満を含有する脂肪酸誘導体とを反応させる。
【0046】
2)グルコースの平均重合度が3〜150であるデキストリンと、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸誘導体の1種又は2種以上とを反応させ、次いで、その生成物とその他の脂肪酸誘導体とを反応させる。
その場合、全脂肪酸誘導体に対して炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸誘導体の1種又は2種以上を50mol%より多く100mol%以下、及び、その他の脂肪酸誘導体を全脂肪酸誘導体に対して0mol%以上50mol%未満使用する。
【0047】
好適形態において、上記デキストリンとのエステル化反応に使用される脂肪酸誘導体としては、例えば、上記脂肪酸のハロゲン化物、酸無水物等が用いられる。
1)及び2)のいずれも場合も、まず、デキストリンを反応溶媒に分散し、必要に応じて触媒を添加する。これに、上記脂肪酸のハロゲン化物、酸無水物等を添加して反応させる。1)の製造法の場合は、これらの酸を混合して同時に添加反応させ、2)の製造法の場合は、まず反応性の低い分岐飽和脂肪酸誘導体を反応させた後、次いでその他の脂肪酸誘導体を添加反応させる。
【0048】
製造にあたり、これらのうちの好ましい方法を採用することができる。反応溶媒にはジメチルホルムアミド、ホルムアミド等のホルムアミド系;アセトアミド系;ケトン系;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物系;ジオキサン等の溶剤を適宜使用することができる。反応触媒としてはピリジン、ピコリン等の3級アミノ化合物などを用いることができる。反応温度は原料脂肪酸等により適宜選択されるが、0℃〜100℃の温度が好ましい。
【0049】
本発明における一例の製造例(デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステルの製造例)を以下に記載する。
平均グルコース重合度30のデキストリン21.41g(0.132mol)をジメチルホルムアミド71g、3−メチルピリジン62g(0.666mol)とからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)120g(0.396mol)を30分間かけて滴下する。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させる。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去する。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質107gを得る。
上記例にて得られる樹脂状物質について、IRスペクトルから1000〜1200cm
−1にデキストリン由来、1742cm
−1にエステル由来、2800〜3000cm
−1にアルキル由来のピークを確認でき、また、アルカリ分解後の脂肪酸量とガスクロマトグラフィーから、置換度2.2、イソステアリン酸60mol%、その他の脂肪酸40mol%(内パルミチン酸10mol%)であることが確認できる。
【0050】
デキストリン脂肪酸エステルの市販品としてはユニフィルマ HVY(千葉製粉者製)等が挙げられる。
【0051】
本発明における成分(B)の含有量は、特に限定されないが、化粧料中の0.1〜10%が好ましく、更に好ましくは0.3〜8%であり、特に好ましくは0.5〜5%である。この範囲であると、二次付着防止効果により優れる点で好ましい。
【0052】
本発明に用いられる成分(C)の多価アルコールは、化粧料に通常使用されるものであれば特に制限されず用いることができ、具体的にはプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、トリプロピレングリコール、カプリリルグリコール、グリセリン、ジグリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキサンジオール等が挙げられ、必要に応じて1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。成分(C)は、成分(A)と組み合わせることで、潤滑剤の役割を果たし塗布時の伸び広がりが軽くなるとともに、塗膜内に閉塞されることで肌の水分蒸散を抑制し、保湿感の持続性を飛躍的に高めることができる。中でもトリプロピレングリコール(INCI名で、TRIPROPYLENE GLYCOL又はPPG−3)は、止まり際までべたつくことのない伸び広がりの軽さを実現するとともに、肌馴染みにも優れることから、保湿感の持続性に際立って優れる点でより好ましい。市販品としては、ニューポールPP−200(三洋化成工業社製)等が挙げられる。
【0053】
本発明における成分(C)の含有量は、特に限定されないが、1〜30%が好ましく、更に好ましくは3〜25%であり、特に好ましくは5〜20%である。この範囲であると、伸び広がりの軽さと保湿感の持続により優れる点で好ましい。
【0054】
本発明の実施形態においては、特に、成分(B)として、成膜が速い樹脂であるメタクリロヘキシル/メタクリル酸エチルヘキシルコポリマーを、成分(C)として、トリプロピレングリコールを、組み合わせて用いることが好ましい。
【0055】
本発明に用いられる成分(D)の部分架橋型オルガノポリシロキサンは、三次元架橋構造を有するオルガノポリシロキサン重合物であり、化粧料に通常使用されるものであれば特に制限されず用いることができる。具体的には、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー等の部分架橋型メチルポリシロキサン、(ジメチコン/フェニルジメチコン)クロスポリマー等の部分架橋型メチルフェニルポリシロキサン、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー等の部分架橋型アルキル変性シリコーン、(ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビスビニルジメチコン)クロスポリマー等の部分架橋型シリコーン・アルキル共変性シリコーン、ジメチコン/(PEG−10/15))クロスポリマー等の部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン、PEG−15ラウリルジメチコンクロスポリマー等の部分架橋型アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン、(PEG−15/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー等の部分架橋型シリコーン・アルキル・ポリエーテル共変性シリコーン、(ジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマー等の部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン、(ラウリル/ポリグリセリン−3)クロスポリマー等の部分架橋型アルキル・ポリグリセリン共変性シリコーン、(ポリグリセリル−3/ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン)クロスポリマー等の部分架橋型シリコーン・アルキル・ポリグリセリン共変性シリコーン、トリフルオロプロピルジメチコン/トリフルオロプロピルジビニルジメチコン)クロスポリマー等の部分架橋型フッ素変性シリコーン等が挙げられ、必要に応じて1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、部分架橋型のポリマーとは、クロスリンクしたポリマーを意味する。
【0056】
成分(D)は、成分(A)及び(B)と組み合わせることで、油溶性樹脂に柔軟性を付与し、負担感の極めて少ない化粧膜を実現できることができる。成分(D)は、油剤で膨潤させると均一に分散され、化粧膜の硬さの改善効果がより顕著となり、油剤との混合物として市販されていることが多く、このような市販品としてはKSG−15(固形分5%)、KSG−16(固形分20〜30%)、KSG−18(固形分10〜20%)、KSG−41A(固形分20〜30%)、KSG−042Z(固形分15〜25%)、KSG−210(固形分20〜30%)、KSG−310(固形分25〜35%)、KSG−320Z(固形分20〜30%)、KSG−710(固形分20〜30%)、KSG−810(固形分25〜35%)、KSG−820Z(固形分20〜30%)、KSG−850Z(固形分20〜30%)、KSG−1510(固形分5〜10%)、KSG−1610(固形分15〜20%)、KSG−18A(固形分10〜20%)、KSG−016F(固形分20〜30%)、KSG−045Z(固形分15〜25%)、KSG−048Z(固形分15〜25%)、KSG−240(固形分15〜25%)、KSG−320Z(固形分20〜30%)、KSG−350Z(固形分20〜30%)、KSG−360Z(固形分30〜40%)、KSG−380Z(固形分25〜35%)、KSG−41(固形分25〜35%)、KSG−42(固形分20〜30%)、KSG−43(固形分25〜35%)、KSG−44(固形分25〜35%)、KSG−310(固形分25〜35%)、KSG−320(固形分20〜30%)、KSG−330(固形分15〜25%)、KSG−340(固形分25〜35%)、KSG−340(固形分25〜35%)、KSG−710(固形分20〜30%)、KSG−51(固形分15〜25%)(以上、信越化学工業社製)等が挙げられる。
【0057】
本発明の実施形態では、成分(D)として、特に、部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン、部分架橋型シリコーン・アルキル・ポリグリセリン共変性シリコーンが好ましく、具体的には、KSG−710、KSG−820Z、KSG−850Zが好ましい。
本発明の実施形態では、成分(D)として、特に、部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン、及び/又は、部分架橋型シリコーン・アルキル・ポリグリセリン共変性シリコーンと、部分架橋型メチルポリシロキサン、及び/又は、部分架橋型メチルフェニルポリシロキサン、及び/又は、部分架橋型シリコーン・アルキル共変性シリコーンとの組み合わせが好ましく、具体的には、KSG−710、KSG−820Z、KSG−850Zと、KSG−15、KSG−1510、KSG−16、KSG−1610、KSG−18A、KSG−19、KSG−016F、KSG−042Z、KSG−045Z、KSG−048Zとの組み合わせが好ましい。
本発明の実施形態では、成分(D)として、特に、部分架橋型ポリグリセリン変性シリコーン、及び/又は、部分架橋型シリコーン・アルキル・ポリグリセリン共変性シリコーンと、部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン、及び/又は、部分架橋型シリコーン・アルキル・ポリエーテル共変性シリコーンとの組み合わせが好ましく、具体的には、KSG−710、KSG−820Z、KSG−850Zと、KSG−210、KSG−240、KSG−320Z、KSG−350Z、KSG−360Z、KSG−380Zとの組み合わせが好ましい。
【0058】
本発明における成分(D)の含有量は、特に限定されないが、0.1〜5%が好ましく、更に好ましくは0.2〜4%であり、特に好ましくは0.5〜3%である。この範囲であると、より負担感のない化粧膜が得られる点で好ましい。
【0059】
さらに本発明の油中水型乳化化粧料は、成分(E)球状シリカを含有すると、、塗布時の伸び広がりの軽さを顕著に高めることができ、好ましい。成分(E)は、通常の化粧料に用いられるものであればいずれのものも用いることができるが、平均粒子径が1〜30μmのもの、好ましくは3〜15μmのものが、伸び広がりの良さにより優れる点でより好ましい。平均粒子径はコールターカウンターにより求められる。市販品としては、サンスフェア NP−100(AGCエスアイテック社製)等が挙げられる。
【0060】
本発明における成分(E)の含有量は、特に限定されないが、0.1〜10%が好ましく、更に好ましくは0.5〜7%であり、特に好ましくは1〜5%である。この範囲であれば、伸び広がりの軽さに優れる点で、より満足のいくものが得られる。
【0061】
本発明の油中水型乳化化粧料は、油相を連続相とし、分散相として水を含むものである。水の含有量は、特に限定されないが、化粧料中に5〜60%が好ましく、更に好ましくは10〜50%であり、特に好ましくは15〜40%である。
【0062】
本発明の油中水型乳化化粧料は、上記成分の他、通常化粧料に使用される固体油、半固形油、液体油等の油剤、界面活性剤、ゲル化剤、高分子、着色剤、粉体、紫外線吸収剤、防腐剤、抗菌剤、酸化防止剤、香料、美容成分等を本発明の効果を妨げない範囲で適宜含有することができる。
【0063】
油剤としては、流動パラフィン、スクワラン等の液体油、パラフィンワックス,セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の固体油、オリーブ油,ヒマシ油,ホホバ油,ミンク油,マカデミアンナッツ油等の油脂類、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソノナン酸イソトリデシル、コレステロール脂肪酸エステル,N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ジメチルポリシロキサン、環状シリコーン、フェニル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン等のシリコーン油等が挙げられる。
【0064】
界面活性剤としては、ステアリン酸,ラウリン酸,ミリスチン酸,ベヘン酸,イソステアリン酸,オレイン酸,12−ヒドロキシステアリン酸、ポリ12−ヒドロキシステアリン酸、脂肪酸石鹸類、アシルグルタミン酸塩類、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレン付加アルキルリン酸塩等の陰イオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、グリセリン変性オルガノポリシロキサン等の非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
【0065】
ゲル化剤としては、パルミチン酸デキストリン、(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン、ステアリン酸イヌリン、有機変性ベントナイト、煙霧状無水ケイ酸、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等、高分子としては、カラギーナン、キサンタンガム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール,ポリビニルピロリドン等、紫外線吸収剤としては、ケイ皮酸誘導体、アミノ安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、フェニルベンゾイミダゾール誘導体、フェニルベンゾトリアゾール誘導体等が挙げられ、パラオキシ安息香酸誘導体,フェノキシエタノール、アルカンジオール等の防腐剤、ローズマリーエキス、カミツレエキス、コラーゲン、ヒアルロン酸、セラミド等の美容成分等が挙げられる。
【0066】
着色剤や粉体としては、板状、紡錘状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級などの粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、コンジョウ、群青、カーボンブラック、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、雲母、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、シリコーン末、ポリエチレン末等の有機粉体、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、酸化チタン被覆雲母、酸化鉄処理雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、二酸化珪素・酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆ガラス末、酸化鉄酸化チタン被覆ガラス末、酸化チタン含有二酸化珪素、硫酸バリウム被覆雲母チタン等の複合粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができ、これらをフッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、界面活性剤等の1種または2種以上を用いて処理を施してあってもよい。
【0067】
本発明の油中水型乳化化粧料は、下地、ファンデーション、美容液、日焼け止め化粧料などに適用可能であり、好ましくは、本願効果の発揮が期待される、下地、ファンデーション、BBクリーム等のメイクアップ化粧料、さらに好ましくはファンデーションである。またその使用法は、手や指で使用する方法、パフやスポンジ等に含浸させて使用する方法等が挙げられる。また、その性状は、ゲル状、液状など様々な性状の化粧料として実施することができる。
【実施例】
【0068】
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
実施例1〜20および比較例1〜5:油中水乳化型ファンデーション(液状)
下記表1に示す処方の油中水乳化型ファンデーションを調製し、耐水性、二次付着防止効果、伸び広がりの軽さ、負担感のなさ、保湿感の持続を下記の方法により評価した。その結果も併せて表1に示す。
【0069】
【表1-1】
【表1-2】
【0070】
*1:セラミド2 0.2%、(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン 1.8%処理
*2:トリイソステアリン酸イソプロピルチタン3%、ハイドロゲンジメチコン5%処理
*3:SILFROM FLEXIBLE RESIN(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
*4:ニッセツ U−3700A(日本カーバイド工業社製)
*5:シリコン KSG−710(固形分25%、溶媒:ジメチコン、信越化学工業社製)
*6:シリコン KSG−16(固形分25%、溶媒:ジメチコン、信越化学工業社製)
*7:サンスフェア NP−100(AGCエスアイテック社製)
*8:ヨドゾール GH41F(アクゾノーベル社製)
*9:ニューポール PP−200(三洋化成工業社製)
*30:下記のとおり調製した。
還流冷却器、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコにシクロヘキシルメタクリレート22.5g、2−エチルヘキシルメタクリレート7.5g及びトルエン70gを添加し、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした後、100℃まで加温し、AIBN0.15gを添加して3時間還流し重合させた。得られた反応物にメタノールを注入してアクリル系共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥してシクロアルキル基含有アクリル系共重合体固形分27.4gを得た。ポリスチレン換算による重量平均分子量は5.0×10
4であった。
*31:エステルガムHP(荒川化学工業社製)
【0071】
(製造方法)
A.成分(1)〜(9)を均一に分散する。
B.成分(10)〜(16)、(32)〜(36)を加温して均一に溶解した後、Aに加えて均一に混合する。
C.Bに成分(17)〜(24)を加え均一に混合する。
D.成分(25)〜(31)を均一に混合する。
E.CにDを徐々に添加し、分散乳化する。
F:Eを脱泡し、容器に充填する。
【0072】
(評価方法)
下記イ〜ホの評価項目について、各々下記方法により評価を行った。
(評価項目)
イ.耐水性
ロ.二次付着防止効果
専門パネル20名に試料を塗布してもらい、3時間経過した後に、評価項目イについては水で濡らしたコットンを肌に10秒間押し当て、剥がした後のコットンへの色の移り具合を評価し、評価項目ロについてはティッシュで軽く押さえた後のティッシュへの色の移り具合を評価した。パネル各人が下記絶対評価にて5段階に評価し、各試料ごとに平均値を算出し、下記判定基準により判定した。
<絶対評価基準>
(評点):(評価)
4 :非常に良い
3 :良い
2 :普通
1 :悪い
0 :非常に悪い
<判定基準>
(判定):(評点の平均点)
◎ :3.5点を超える :非常に良好
○ :2.5点を超える3.5点以下:良好
△ :1点を超える2.5点以下 :やや不良
× :1点以下 :不良
【0073】
(評価項目)
ハ.伸び広がりの軽さ
ニ.負担感のなさ
ホ.保湿感の持続
専門パネル20名に試料を塗布してもらい、ハについては使用時、ニについては塗布直後に肌がつっぱるような負担感を感じるかどうか、ホについては塗布後に通常の生活をしてもらい6時間後の保湿感について、下記絶対評価基準にて7段階に評価し評点を付け、各試料のパネル全員の評点合計から、その平均値を算出し、下記判定基準により判定した。
<絶対評価基準>
(評点):(評価)
6 :非常に良い
5 :良い
4 :やや良い
3 :普通
2 :やや悪い
1 :悪い
0 :非常に悪い
<判定基準>
(判定):(評点の平均点)
◎ :5点を超える :非常に良好
○ :3.5点を超える5点以下:良好
△ :1点を超える3.5点以下:やや不良
× :1点以下 :不良
【0074】
表1の結果から明らかな如く、本発明の実施例1〜20の油中水乳化型ファンデーションは、比較例1〜5の油中水乳化型ファンデーションに比べ、耐水性、二次付着防止効果、伸び広がりの軽さ、負担感のなさ、保湿感の持続の全てにおいて優れたものであった。
これに対して、成分(A)が含有されていない比較例1では、化粧膜の強度が弱いために崩れやすく、さらに経時での肌の水分蒸散を抑制することができないため、耐水性、二次付着防止効果、保湿感の持続の点で満足のいくものが得られなかった。
成分(A)の代わりに水を分散媒とするアクリル酸アルキル・スチレン共重合体ディスパージョンを用いた比較例2では、化粧膜が水と馴染みやすいため耐水性に劣り、塗膜の柔軟性に欠けるため肌の動きに追従できず、さらに経時での肌の水分蒸散を抑制することができないため、耐水性、負担感のなさ、保湿感の持続の点で満足のいくものが得られなかった。
成分(B)が含有されていない比較例3では、成分(A)が融着して形成される塗膜の結合点が弱いために皮脂と馴染みやすく、二次付着防止効果に劣るものであった。
成分(C)が含有されていない比較例4では、成分(A)および(B)による伸び広がりの重さを感じやすく、さらに経時での肌の水分蒸散を抑制することができないため、伸び広がりの軽さ、保湿感の持続の点で十分でなかった。
成分(D)が含有されていない比較例5では、油溶性樹脂による化粧膜の硬さを感じやすく、負担感のなさの点で満足のいくものが得られなかった。
成分(B)として、硬質な樹脂であるトリメチルシロキシケイ酸を用いた実施例14では、、耐水性、二次付着防止効果、伸び広がりの軽さ、負担感のなさ、保湿感の持続の全てにおいて優れるだけでなく、肌にハリ感を付与する効果に優れたものであった。
成分(B)として、柔軟性に富む(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマーを用いた実施例15では、耐水性、二次付着防止効果、伸び広がりの軽さ、負担感のなさ、保湿感の持続の全てにおいて優れるだけでなく、目周りや口周りといった表情に伴う動作が大きい部位における化粧膜のよれを防止する効果に優れたものであった。
成分(B)として、ツヤに富むイソステアリン酸デキストリンを用いた実施例16では、耐水性、二次付着防止効果、伸び広がりの軽さ、負担感のなさ、保湿感の持続の全てにおいて優れるだけでなく、化粧膜のツヤに優れたものであった。
成分(B)として、成膜が速い樹脂であるメタクリロヘキシル/メタクリル酸エチルヘキシルコポリマーンを用いた実施例17、18では、耐水性、二次付着防止効果、伸び広がりの軽さ、負担感のなさ、保湿感の持続の全てにおいて優れるだけでなく、塗りむらがなく均一な化粧膜が生成する点において優れた
ものであった。
成分(B)として、水添ロジン酸ペンタエリスリチルを用いた実施例19でも耐水性、二次付着防止効果、伸び広がりの軽さ、負担感のなさ、保湿感の持続の全てにおいて効果が得られることがわかった。
【0075】
実施例21:油中水乳化型下地(クリーム状)
(成分) (%)
(1)ジメチルポリシロキサン3%処理酸化チタン 1.5
(2)ジメチルポリシロキサン2%処理黄酸化鉄 0.1
(3)ジメチルポリシロキサン2%処理グンジョウ 0.1
(4)ジメチルポリシロキサン3%酸化亜鉛 10.0
(5)ジメチルポリシロキサン3%処理タルク 1.0
(6)ジメチルポリシロキサン2%処理雲母チタン 2.0
(7)PEG−9ジメチコン *10 2.0
(8)デカメチルシクロペンタシロキサン 15.0
(9)パラメトキシケイ皮酸2−エチルへキシル 8.0
(10)2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)
安息香酸へキシルエステル 1.0
(11)アクリル酸アルキル・スチレン共重合体ディスパージョン *4 0.5
(12)(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー *11 1.0
(13)(ジメチコン/(PEG−10/15))クロスポリマー *12 4.0
(14)セスキイソステアリン酸ソルビタン 0.3
(15)イソノナン酸イソトリデシル 2.0
(16)トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル 3.0
(17)ジメチコン 3.0
(18)ラベンダー油 0.1
(19)球状シリカ(中空、平均粒子径18μm) *13 0.3
(20)窒化ホウ素 3.0
(21)メタクリル酸メチルクロスポリマー・ポリイソプレン複合粉体 *14 1.0
(22)精製水 残量
(23)トリプロピレングリコール 15.0
(24)プロピレングリコール 10.0
(25)グリセリン 5.0
(26)エチルアルコール 5.0
(27)水溶性コラーゲン 0.5
*10:KF−6019(信越化学工業社製)
*11:シリコン KP−545(固形分30%、信越化学工業社製)
*12:シリコン KSG−210(固形分25%、信越化学工業社製)
*13:SILICA MICRO BEAD BA−1(日揮触媒化成社製)
*14:ガンツパ−ルGMI−0804(ガンツ化成社製)
【0076】
(製造方法)
A.成分(1)〜(8)を均一に分散する。
B.成分(9)〜(10)を加温して均一に溶解した後、Aに加えて均一に混合する。
C.Bに成分(11)〜(21)を加え均一に混合する。
D.成分(22)〜(27)を均一に混合する。
E.CにDを徐々に添加し、分散乳化する。
F:Eを脱泡し、容器に充填する。
【0077】
本発明の油中水乳化型下地(クリーム状)は、塗布時の伸び広がりが軽く、塗布後の化粧膜が耐水性と二次付着防止効果に優れながらも、つっぱるような負担感がなく、さらに保湿感の持続にも優れるものであった。
【0078】
実施例22:油中水乳化型日焼け止め化粧料(液状)
(成分) (%)
(1)デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0
(2)PEG−3ジメチコン *15 4.0
(3)酸化亜鉛 *2 15.0
(4)パラメトキシケイ皮酸2−エチルへキシル 3.0
(5)4−tert−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン 1.0
(6)ポリシリコーン−15 3.0
(7)水添ポリイソブテン *16 5.0
(8)トリメチルシロキシケイ酸 *17 8.0
(9)ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール 1.0
(10)2−エチルヘキサン酸セチル 1.0
(11)ジカプリン酸プロピレングリコール 1.0
(12)2−デシルテトラデカノール 8.0
(13)アクリル酸アルキル・スチレン共重合体ディスパージョン *4 16.0
(14)(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー *18 0.3
(15)球状シリカ(平均粒子径3〜5μm)*19 5.0
(16)メタクリル酸メチルクロスポリマー(平均粒子径15μm) 1.0
(17)精製水 残量
(18)塩化ナトリウム 0.2
(19)トリプロピレングリコール 1.0
(20)1,3−ブチレングリコール 0.5
(21)グルコシルトレハロース 2.0
(22)ポリビニルピロリドン 0.5
(23)エタノール 5.0
(24)メチルパラベン 0.1
*15:シリコン KF−6015(信越化学工業社製)
*16:IPソルベント 2028 MU(出光石油化学社製)
*17:シリコン KF−7312J(固形分50%、溶媒:シクロペンタシロキサン、信越化学工業社製)
*18:KSG−18(固形分15%、溶媒:ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、信越化学工業社製)
*19:サンスフェア NP−30(AGCエスアイテック社製)
【0079】
(製造方法)
A.成分(1)〜(3)を均一に分散する。
B.成分(4)〜(8)を加温して均一に溶解した後、Aに加えて均一に混合する。
C.Bに成分(9)〜(16)を加え均一に混合する。
D.成分(17)〜(24)を均一に混合する。
E.CにDを徐々に添加し、分散乳化する。
F:Eを脱泡し、容器に充填する。
【0080】
本発明の油中水乳化型日焼け止め化粧料(液状)は、塗布時の伸び広がりが軽く、塗布後の化粧膜が耐水性と二次付着防止効果に優れながらも、つっぱるような負担感がなく、さらに保湿感の持続にも優れるものであった。
【0081】
実施例23:油中水乳化型頬紅(ゲル状)
(成分) (%)
(1)トリエトキシカプリリルシラン3%処理酸化チタン 3.0
(2)トリエトキシカプリリルシラン3%処理赤226 0.5
(3)トリエトキシカプリリルシラン3%処理黄4 0.2
(4)トリエトキシカプリリルシラン3%処理黒酸化鉄 0.1
(5)メチルトリメチコン 5.0
(6)イソドデカン 10.0
(7)トリメチルシロキシケイ酸 *20 7.5
(8)イソステアリン酸デキストリン *21 0.5
(9)アクリル酸アルキル・スチレン共重合体ディスパージョン *22 8.0
(10)ラウリルPEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 1.5
(11)PEG/PPG−10/3オレイルエーテルジメチコン *23 1.0
(12)(ジメチコン/ポリグリセリン−3)クロスポリマー *5 3.0
(13)トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 2.0
(14)リンゴ酸ジイソステアリル 0.5
(15)パルミチン酸デキストリン *24 5.0
(16)スクワラン 1.0
(17)雲母チタン 10.0
(18)酸化チタン被覆ガラス末 *25 3.0
(19)有機変性ベントナイト *26 3.0
(20)マイカ 2.0
(21)球状シリカ *7 10.0
(22)精製水 残量
(23)トリプロプレングリコール 5.0
(24)エタノール 3.0
(25)パラオキシ安息香酸メチル 0.1
(26)香料 0.2
*20:SR−1000(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)
*21:ユニフィルマHVY(千葉製粉社製)
*22:*4と同じアクリル酸アルキル・スチレン共重合体の固形分50%、分散媒:イソドデカンとしたディスパージョン。下記のとおり調製した。
(メタ)アクリレートモノマーとスチレンと重合開始剤とを、分散媒のイソドデカンに添加し撹拌して重合を行った。重合溶液を濾過し、濾物について減圧下でモノマーを除去して、分散媒がイソドデカンのディスパージョンを得た。
*23:シリコンKF−6026((信越化学工業社製))
*24:レオパール TL−2(千葉製粉社製)
*25:メタシャイン1080RC−R(日本板硝子社製)、パーフルオロオクチルトリエトキシシラン3%処理
*26:BENTONE 27V(ELEMENTIS社製)
【0082】
(製造方法)
A.成分(1)〜(5)を均一に分散する。
B.成分(6)〜(8)を均一に溶解した後、Aに加えて均一に混合する。
C.Bに成分(9)〜(21)を加え均一に混合する。
D.成分(22)〜(26)を均一に混合する。
E.CにDを徐々に添加し、分散乳化する。
F:Eを脱泡し、容器に充填する。
【0083】
本発明の油中水乳化型頬紅(ゲル状)は、塗布時の伸び広がりが軽く、塗布後の化粧膜が耐水性と二次付着防止効果に優れながらも、つっぱるような負担感がなく、さらに保湿感の持続にも優れるものであった。
【0084】
実施例24:油中水乳化型日焼け止め化粧料(液状)
(成分) (%)
(1)酸化亜鉛 *2 10.0
(2)ジメチルシリル化シリカ 5.0
(3)ポリヒドロキシステアリン酸 1.0
(4)パラメトキシケイ皮酸2−エチルへキシル 10.0
(5)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 2.0
(6)ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン 1.0
(7)ポリシリコーン−15 3.0
(8)PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 0.5
(9)デカメチルシクロペンタシロキサン 5.0
(10)ジメチコン 3.0
(11)ジカプリン酸プロピレングリコール 20.0
(12)(ジメチコン/(PEG−10/15))クロスポリマー *27 1.0
(13)(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー *28 2.0
(14)アクリル酸アルキル・スチレン共重合体ディスパージョン *4 10.0
(15)(アクリレーツ/ジメチコン)コポリマー *11 8.0
(16)精製水 残量
(17)エデト酸二ナトリウム 0.05
(18)1,2−ヘキサンジオール 0.5
(19)カプリリルグリコール 2.0
(20)エタノール 13.0
(21)メチルパラベン 0.1
*27:KSG−210(固形分25%、溶媒:ジメチコン、信越化学工業社製)
*28:KSG−43(固形分30%、溶媒:トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、信越化学工業社製)
【0085】
(製造方法)
A.成分(1)〜(3)を均一に分散する。
B.成分(4)〜(11)を加温して均一に溶解した後、Aに加えて均一に混合する。
C.Bに成分(12)〜(15)を加え均一に混合する。
D.成分(16)〜(21)を均一に混合する。
E.CにDを徐々に添加し、分散乳化する。
F:Eを脱泡し、容器に充填する。
【0086】
本発明の油中水乳化型日焼け止め化粧料(液状)は、塗布時の伸び広がりが軽く、塗布後の化粧膜が耐水性と二次付着防止効果に優れながらも、つっぱるような負担感がなく、さらに保湿感の持続にも優れるものであった。
【0087】
実施例26:油中水乳化型日焼け止め化粧料(固形状)
(成分) (%)
(1)デカメチルシクロペンタシロキサン 20.0
(2)酸化亜鉛 *2 15.0
(3)ジメチルシリル化シリカ 3.0
(4)PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 1.0
(5)トリエチルヘキサノイン 10.0
(6)2−エチルヘキサン酸セチル 5.0
(7)パラメトキシケイ皮酸2−エチルへキシル 5.0
(8)4−tert−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン 1.0
(9)ポリシリコーン−15 3.0
(10)ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール 3.0
(11)ジカプリン酸プロピレングリコール 3.0
(12)アクリル酸アルキル・スチレン共重合体ディスパージョン *4 1.5
(13)ジプロピレングリコール 1.0
(14)ポリメチルシルセスキオキサン*3 5.0
(15)球状シリカ(平均粒子径3〜5μm)*19 5.0
(16)精製水 残量
(17)塩化ナトリウム 0.2
(18)ポリエチレン 10.0
(19)マイクロクリスタリンワックス 2.0
【0088】
(製造方法)
A.成分(1)〜(6)を均一に分散する。
B.成分(7)〜(13)を均一に溶解した後、Aに加えて均一に混合する。
C.Bに成分(14)、(15)を加え均一に混合する。
D.成分(16)、(17)を均一に混合する。
E.CにDを徐々に添加し、分散乳化する。
F:Eに(18)、(19)を加え、100℃まで加熱し混合溶解したのち、容器に充填する。
【0089】
本発明の油中水乳化型日焼け止め化粧料(固形状)は、塗布時の伸び広がりが軽く、塗布後の化粧膜が耐水性と二次付着防止効果に優れながらも、つっぱるような負担感がなく、さらに保湿感の持続にも優れるものであった。
【0090】
実施例26:油中水乳化型日焼け止め化粧料(スプレー状)
(成分) (%)
(原液)
(1)パラメトキシケイ皮酸2−エチルへキシル 8.0
(2)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 0.5
(3)ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン 2.0
(4)ジカプリン酸プロピレングリコール 30.0
(5)安息香酸アルキル 1.0
(6)イソドデカン 5.0
(7)アクリル酸アルキル・スチレン共重合体ディスパージョン *22 5.0
(8)(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー *29 3.0
(9)(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー *18 1.0
(10)ポリメチルシルセスキオキサン *3 2.0
(11)球状シリカ *32 0.5
(12)精製水 5.0
(13)1,2−ヘキサンジオール 0.5
(14)カプリリルグリコール 0.5
(15)エタノール 残量
(噴射剤)
(16)LPG 100.0
*29:KSP−100(信越化学工業社製)
*32:ゴッドボール E−90C(鈴木油脂工業社製)
【0091】
(製造方法)
A.成分(1)〜(5)を均一に分散する。
B.成分(6)〜(11)を均一に溶解した後、Aに加えて均一に混合する。
C.成分(12)〜(15)を均一に混合する。
D.BにCを徐々に添加し、分散乳化する。
E:(原液):(噴射剤)=30:70となるよう容器に充填する。
【0092】
本発明の油中水乳化型日焼け止め化粧料(スプレー状)は、塗布時の伸び広がりが軽く、塗布後の化粧膜が耐水性と二次付着防止効果に優れながらも、つっぱるような負担感がなく、さらに保湿感の持続にも優れるものであった。