(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記処理された毛髪を、170〜200℃の操作温度で高温ツールを用いて機械的にストレートにすることによって、前記処理された毛髪が機械的に成形される、請求項8に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書で使用されるすべての分子量は、特に明記しない限り、重量平均分子量である。
【0008】
「水性連続相」とは、水を基礎とする連続相を意味する。
【0009】
本発明による毛髪成形組成物は、一般に、(組成物の総重量に基づいて)少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも80重量%の水を含む。好ましくは、組成物は、(組成物の総重量に基づいて)99重量%以下、より好ましくは98重量%以下の水を含む。他の有機溶媒、例えば低級アルキルアルコールおよび多価アルコールも存在してもよい。低級アルキルアルコールの例としては、エタノールおよびイソプロパノールなどのC
1−C
6一価アルコールが挙げられる。多価アルコールの例としては、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、およびプロパンジオールが挙げられる。上記の有機溶媒のいずれかの混合物も使用されてもよい。
【0010】
本発明の毛髪成形組成物は、成分(i)として、1つ以上のポリヒドロキシ酸ラクトンを含む。
【0011】
本発明において使用するためのポリヒドロキシ酸ラクトンは、典型的には、分子中に少なくとも2個のヒドロキシル基を有し、約100〜約300の好ましい分子量を有する脂肪族化合物である。
【0012】
本発明における使用のための好ましいポリヒドロキシ酸ラクトンは、3〜8個の炭素原子および2〜8個のヒドロキシル基を含み、少なくとも2個のヒドロキシル基はそれぞれ分子の2個の隣接炭素原子に結合している。
【0013】
このような材料の実例としては以下が挙げられる:
(a)アルドン酸ラクトン
アルドン酸は、アルドースのアルデヒド基をカルボン酸基に酸化して得られるポリヒドロキシ酸であり、その酸は下記の一般式で表すことができる:
H(CHOH)
nCH(OH)COOH
式中、nは1〜6の整数である。
【0014】
アルドン酸は、D、LおよびDLまたはR、SおよびRS形態のような立体異性体として存在することができる。アルドン酸は、カルボキシル基と1個のヒドロキシル基との間の1モルの水を除去することによって、分子内ラクトンを形成する。
【0015】
以下は代表的なアルドン酸ラクトンである:
2,3−ジヒドロキシプロパン酸ラクトン(グリセリン酸ラクトン);
2,3,4−トリヒドロキシブタン酸ラクトン(立体異性体:エリスロノラクトン、スレオノラクトン);
2,3,4,5−テトラヒドロキシペンタン酸ラクトン(立体異性体:リボノラクトン、アラビノラクトン、キシロノラクトン、リキソノラクトン);
2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘキサン酸ラクトン(立体異性体:アロノラクトン、アルトロノラクトン、グルコノラクトン、マンノラクトン、グロノラクトン、イドノラクトン、ガラクトノラクトン、タロノラクトン)、および
2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロキシヘプタン酸ラクトン(立体異性体:アロヘプトノラクトン、アルトロヘプトノラクトン、グルコヘプトノラクトン、マンノヘプトノラクトン、グロヘプトノラクトン、イドヘフェプトノラクトン、ガラクトヘプトノラクトン、タロヘプトノラクトン)。
【0016】
(b)アルダル酸ラクトン
アルダル酸は、両方の末端炭素原子がカルボキシル基に酸化されることによってアルドースから誘導されたポリヒドロキシジカルボン酸であり、その酸は、以下の一般式によって表すことができる:
HOOC(CHOH)
nCH(OH)COOH
式中、nは1〜4の整数である。
【0017】
アルダル酸は、D、LおよびDLまたはR、SおよびRS形態のような立体異性体として存在することができる。アルダル酸は、1個のカルボキシル基と1個のヒドロキシル基との間の1モルの水を除去することによって、分子内ラクトンを形成する。
【0018】
以下は代表的なアルダル酸ラクトンである:
2,3−ジヒドロキシブタン−1,4−二酸ラクトン
2,3,4−トリヒドロキシペンタン−1,5−二酸ラクトン(立体異性体:リバロラクトン、アラバロラクトン、キシラロラクトン、リキサロラクトン);
2,3,4,5−テトラヒドロキシヘキサン−1,6−二酸ラクトン(アラロラクトン、アルトラロラクトン、グルカロラクトン、マンナロラクトン、グラリン酸(gularic acid)およびグラロラクトン、イダロラクトン、ガラクタロラクトン、タラロラクトン);
2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシヘプタン−1,7−二酸ラクトン(立体異性体:アロヘプタロラクトン、アルトロヘプタロラクトン、グルコヘプタロラクトン、マンノヘプタロラクトン、グロヘプタロラクトン、イドヘプタロラクトン、ガラクトヘプタロラクトン、タロヘプタロラクトン)。
【0019】
(c)アルドウロン酸
アルドウロン酸は、アルドースのアルコール基のカルボン酸基への酸化から生じるポリヒドロキシ酸であり、以下の一般式で表すことができる:
HOOC(CHOH)
nCH(OH)CHO
式中、nは1〜4の整数である。
【0020】
アルドウロン酸は、D、LおよびDLまたはR、SおよびRS形態のような立体異性体として存在することができる。アルドウロン酸は、カルボキシル基と1個のヒドロキシル基との間の1モルの水を除去することによって、分子内ラクトンを形成する。
【0021】
以下は、代表的なアルドウロン酸ラクトンである:
リブロノラクトン;アラブロノラクトン;キシルロノラクトン;リキシウロノラクトン;アルロノラクトン;アルトルロノラクトン;グルクロノラクトン;マンヌロノラクトン;グルロノラクトン;イズロノラクトン;ガラクツロノラクトン;タルロノラクトン;アロヘプツロノラクトン;アルトロヘプツロノラクトン;グルコヘプツロノラクトン;マンノヘプツロノラクトン;グロヘプツロノラクトン;イドヘプツロノラクトン;ガラクトヘプツロノラクトンおよびタロヘプツロノラクトン。
【0022】
より好ましくは、成分(i)は、グルコノラクトン、ガラクトノラクトン、グルクロノラクトン、ガラクツロノラクトン、グロノラクトン、リボノラクトン、サッカリン酸ラクトン、パントイルラクトン、グルコヘプトノラクトン、マンノノラクトン、ガラクトヘプトノラクトン、およびこれらの混合物から選択される。
【0023】
最も好ましくは、成分(i)は、D−グルコノ−δ−ラクトン、D−グルコノ−γ−ラクトン、D−グルコン酸およびこれらの混合物から選択される。
【0024】
D−グルコノ−δ−ラクトンは、D−グルコースの酵素的酸化によって工業的に製造される、D−グルコン酸の環状1,5−分子内エステルである。
【0025】
D−グルコノ−δ−ラクトン自体は、粒状固体(例えば、結晶性粉末)の形態で入手可能である。水性媒体中では、その異性体(D−グルコノ−γ−ラクトン)およびその加水分解生成物(D−グルコン酸)とともに平衡混合物に存在し得る。
【0026】
これらの形態のいずれかまたはこれらの形態のいずれかの混合物は、本発明における使用に適している。
【0027】
最も好ましくは、D−グルコノ−δ−ラクトン自体が、本発明の毛髪成形組成物中の成分(i)として使用される。
【0028】
本発明の毛髪成形組成物において、成分(i)(好ましくはD−グルコノ−δ−ラクトン)のレベルは、好ましくは組成物の総重量に基づいて0.5〜6重量%、より好ましくは1〜3重量%、最も好ましくは1.5〜2.5重量%の範囲である。
【0029】
本発明の毛髪成形組成物は、成分(ii)として、1つ以上の脂肪族ジカルボン酸またはトリカルボン酸またはそれらの塩またはそれらの水和物を含む。
【0030】
本発明における使用のための脂肪族ジカルボン酸またはトリカルボン酸は、典型的には、60〜300g/molの範囲の分子量(M
W)および2.5〜4の範囲の少なくとも1つのpK
a値(水中25℃で測定)を有する。
【0031】
本発明における使用のためのジカルボン酸の具体例は、以下の一般式に対応する:
HOOC−R
1−COOH
式中、R
1は1〜4個の炭素原子を有する二価の飽和または不飽和の線状または分枝状のヒドロカルビルラジカルであり、1個以上のヒドロキシル基で置換されていてもよい。
【0032】
好ましくは、R
1は、式−[CH(X)]
n−(式中、nは1〜3の整数であり、各Xは独立して−Hおよび−OHから選択される)の二価飽和線状アルキルラジカルである。
【0033】
このようなジカルボン酸の具体例には、マロン酸および酒石酸が含まれる。
【0034】
本発明で使用するためのトリカルボン酸の具体例は、以下の一般式に対応する:
HOOC−CH
2−R
2−COOH
式中、R
2は、1個の−COOH基で置換されており、1個以上のヒドロキシル基で置換されていてもよい1〜3個の炭素原子を有する二価の飽和または不飽和の線状または分岐状のヒドロカルビルラジカルである。
【0035】
このようなトリカルボン酸の具体例には、クエン酸、アコニット酸およびトリカルバリル酸が含まれる。
【0036】
適切な塩には、対イオン、例えばアルカリ金属(好ましくはナトリウム)、アルカリ土類金属(好ましくはカルシウム)、アンモニウムおよび置換アンモニウムイオンを有するものが含まれる。
【0037】
上記で記載された脂肪族ジカルボン酸またはトリカルボン酸またはそれらの塩またはそれらの水和物のいずれかの混合物も使用されてもよい。
【0038】
より好ましくは、成分(ii)は、クエン酸一ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸三カルシウム、クエン酸三ナトリウム二水和物、クエン酸三カリウム、無水クエン酸一ナトリウム、無水クエン酸、クエン酸一水和物およびそれらの混合物などのクエン酸またはそれら塩またはそれら水和物から選択される。
【0039】
最も好ましくは、無水クエン酸および/またはクエン酸一水和物が、本発明の毛髪成形組成物中の成分(ii)として使用される。
【0040】
本発明の毛髪成形組成物において、成分(ii)(好ましくは無水クエン酸および/またはクエン酸一水和物)のレベルは、組成物の総重量に基づいて、好ましくは0.5〜6重量%、より好ましくは1〜3重量%、最も好ましくは1.5〜2.5重量%の範囲である。
【0041】
本発明の毛髪成形組成物は、成分(iii)として、グリオキシル酸またはその塩またはその水和物を含む。
【0042】
グリオキシル酸(OHC−COOH)は、特定の条件下で式(I)の水和物として存在することが知られている。
【化1】
【0043】
また、グリオキシル酸は、アルデヒドおよび水和物の両方の形態の混合物として存在してもよい。水和物はまた、式(II)の二量体に縮合してもよい。
【化2】
【0044】
グリオキシル酸はまた、アルカリ金属(好ましくはナトリウム)、アルカリ土類金属(好ましくはカルシウム)、アンモニウムおよび置換アンモニウムイオンなどの対イオンとの塩を形成する。
【0045】
これらの形態のいずれかまたはこれらの形態のいずれかの混合物は、本発明における使用に適している。
【0046】
好ましくは、水溶液中のグリオキシル酸が、本発明の組成物中の成分(iii)として使用される。水溶液中のグリオキシル酸は、一般に、少量の式(II)の二量体とともに式(I)の水和物として存在する。
【0047】
本発明の毛髪成形組成物において、成分(iii)(好ましくは式(I)のグリオキシル酸水和物)のレベルは、組成物の総重量に基づいて、好ましくは0.1〜8%重量%、より好ましくは0.2〜4重量%、最も好ましは0.5〜2.5重量%の量で存在する。
【0048】
本発明の毛髪成形組成物において、成分(i)(好ましくはD−グルコノ−δ−ラクトン)対成分(iii)(好ましくは式(I)のグリオキシル酸水和物)の重量比は、好ましくは約8:1〜約3:5、より好ましくは約5:1〜約1:1の範囲である。
【0049】
本発明の毛髪成形組成物において、成分(ii)(好ましくは無水クエン酸および/またはクエン酸一水和物)対成分(iii)(好ましくは式(I)のグリオキシル酸水和物)の重量比は、好ましくは約8:1〜約3:5、より好ましくは約5:1〜約1:1の範囲である。
【0050】
有利には、本発明の毛髪成形組成物は、還元剤の組み込みを必要とせず、本発明による毛髪成形組成物は、一般に、このような材料を実質的に含まない。
【0051】
本発明の文脈において「実質的に含まない」という用語は、還元剤が存在しないか、または、組成物の総重量に基づいて、0.1重量%以下、好ましくは0.01重量%以下、より好ましくは0〜0.001重量%のように微量でのみ含まれることを意味する。
【0052】
本発明の文脈における「還元剤」という用語は、毛髪に約3〜15分の範囲の時間および約20〜30℃の範囲の温度で適用されたときに、毛髪のジスルフィド結合を切断するのに有効な薬剤を意味する。このような還元剤の例は、(約7〜10.5のpHを有する溶液での)アンモニウムチオグリコレート、(7未満のpHで使用される)グリセリルモノチオグリコレート、チオグリコール酸、ジチオグリコール酸、メルカプトエチルアミン、メルカプトプロピオン酸、ジチオグリコレートおよびアルカリ金属またはアンモニウムの亜硫酸塩または重亜硫酸塩である。
【0053】
本発明による毛髪成形組成物は、好適には、界面活性剤二分子膜からなるゲル(Lβ)界面活性剤中間相として一般的に特徴付けられ得るコンディショニングゲル相を有していてもよい。そのようなコンディショニングゲル相は、カチオン性界面活性剤、高融点脂肪族アルコールおよび水性キャリアから形成されてもよい。典型的には、これらの成分を加熱して混合物を形成し、これを剪断下で室温まで冷却する。この混合物は、冷却中に多くの相転移を受け、通常界面活性剤二分子膜からなるゲル(Lβ)界面活性剤中間相を生じる。
【0054】
コンディショニングゲル相を形成するのに有用な好適なカチオン性界面活性剤の例には、以下の一般式に対応する第四級アンモニウムカチオン性界面活性剤が含まれる:
[N(R
1)(R
2)(R
3)(R
4)]
+(X)
−
式中、R
1、R
2、R
3およびR
4はそれぞれ独立に、(a)1〜22個の炭素原子の脂肪族基、または
(b)22個までの炭素原子を有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリールまたはアルキルアリール基から選択され;およびXは、ハロゲン化物(例えば、塩化物、臭化物)、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、およびアルキル硫酸塩ラジカルから選択されるような塩形成アニオンである。
【0055】
脂肪族基は、炭素および水素原子に加えて、エーテル結合、ならびにアミノ基などの他の基を含むことができる。より長い鎖の脂肪族基、例えば約12個またはそれ以上の炭素の脂肪族基は、飽和または不飽和であることができる。
【0056】
上記一般式のこうした第四級アンモニウムカチオン性界面活性剤の具体例は、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(BTAC)、塩化セチルピリジニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化オクチルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化オクチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化デシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ジドデシルジメチルアンモニウム、塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウム、塩化タロートリメチルアンモニウム、塩化ココトリメチルアンモニウム、塩化ジパルミトイルエチルジメチルアンモニウム、塩化PEG−2オレイルアンモニウムおよびこれらの塩であり、ここでこの塩化物は、他のハロゲン化物(例えば臭化物)、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩またはアルキル硫酸塩によって置き換えられる。
【0057】
上記一般式のカチオン性界面活性剤の好ましいクラスにおいて、R
1はC
16−C
22の飽和または不飽和、好ましくは飽和アルキル鎖であり、R
2、R
3およびR
4はそれぞれ独立してCH
3およびCH
2CH
2OH、好ましくはCH
3から選択される。
【0058】
コンディショニングゲル相を形成するのに使用するそのような好ましい第四級アンモニウムカチオン性界面活性剤の具体例は、塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTAC)、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(BTAC)およびそれらの混合物である。
【0059】
上記で記載されたカチオン性界面活性剤のいずれかの混合物も好適であり得る。
【0060】
カチオン性界面活性剤のレベルは、適切には、(組成物の総重量に基づいてカチオン性界面活性剤の総重量で)0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜5重量%、より好ましくは0.25〜4重量%の範囲である。
【0061】
本発明の文脈における「高融点」とは、一般に、25℃以上の融点を意味する。一般に、融点は25℃〜90℃、好ましくは40℃〜70℃、より好ましくは50℃〜約65℃の範囲である。
【0062】
高融点脂肪族アルコールは、単一の化合物として、または少なくとも2つの高融点脂肪族アルコールのブレンドまたは混合物として使用することができる。脂肪族アルコールのブレンドまたは混合物が使用される場合、融点はブレンドまたは混合物の融点を意味する。
【0063】
このタイプの適切な脂肪族アルコールは、一般式R−OHを有し、式中、Rは脂肪族炭素鎖である。好ましくは、Rは8〜30個の炭素原子、より好ましくは14〜30個の炭素原子、最も好ましくは16〜22個の炭素原子を含む飽和脂肪族炭素鎖である。
【0064】
Rは、炭素および水素原子に加えて、エーテル連結、ならびにアミノ基のような他の基を含むことができる。
【0065】
最も好ましくは、脂肪族アルコールは、一般式CH
3(CH
2)
nOHを有し、式中nは7〜29、好ましくは15〜21の整数である。
【0066】
好適な脂肪族アルコールの具体例は、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、およびそれらの混合物である。セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびそれらの混合物が特に好ましい。
【0067】
上記で記載の脂肪族アルコールのいずれかの混合物も好適であり得る。
【0068】
脂肪族アルコールのレベルは、好適には、(組成物の総重量に基づいて)0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜8重量%、より好ましくは0.2〜7重量%、最も好ましくは0.3〜6重量%の範囲である。
【0069】
カチオン性界面活性剤対脂肪族アルコールの重量比は、適切には1:1〜1:10、好ましくは1:1.5〜1:8、最適には1:2〜1:5である。
【0070】
本発明による毛髪成形組成物は、性能および/または消費者の受容性を高めるために他の任意の成分を組み込んでもよい。適切な任意の成分には、防腐剤、着色剤、キレート剤、酸化防止剤、芳香剤、抗菌剤、ふけ防止剤、カチオン性コンディショニングポリマー、スタイリング成分、日焼け止め剤、タンパク質および加水分解タンパク質が含まれる。
【0071】
本発明の毛髪成形組成物のpHは4以下、好ましくは1.5〜3.8、より好ましくは2.5〜3.5、最も好ましくは2.8〜3.2である。
【0072】
好ましくは、毛髪成形組成物は単回量組成物である。本発明の文脈における「単回量」という用語は、組成物が一度に毛髪に局所適用されることを意味する。
【0073】
本発明の毛髪成形組成物は、改善された毛髪のボリュームダウンのための毛髪への局所適用に適している。本発明の文脈における「ボリュームダウン」という用語は、一般に、毛髪の目に見える嵩高さを低減することを意味する。多くの消費者にとって、改善された毛髪ボリュームダウンは、改善されたストレートさ、滑らかさ、扱いやすさおよびスタイル保持など、多くの関連する利点を提供する。
【0074】
本発明の毛髪成形組成物は、好ましくは、15〜40℃の温度、より好ましくは20〜30℃の温度で毛髪に局所適用される。
【0075】
好ましくは、組成物は乾いた毛髪に適用される。本発明の文脈における「乾いた毛髪」という用語は、一般に、遊離水(すなわち、キューティクル表面上に膜または液滴として付いている水)が実質的に除去された毛髪を意味する。毛髪は、空気に曝露すること、加熱された毛髪乾燥器具を使用すること、吸水性物品で擦ることによって、またはこれらの方法のいずれかの組み合わせによって乾燥され得る。好ましくは、乾いた毛髪は、組成物の局所適用の2時間前、より好ましくは3時間前に(洗髪、コンディショニング、すすぎまたはその他の方法での水性組成物による処理などによって)洗浄されていないかまたは積極的に濡らされていないが、大気条件に慣らされている。そのような状況では、適用時に組成物の吸着を妨げる遊離水が実質的に存在しない。本発明の文脈における乾いた毛髪の適切な指標は、計算された含水量が毛髪繊維の総重量に基づいて25重量%を超えない毛髪繊維である。
【0076】
毛髪への局所適用後、毛髪成形組成物をすすぐことなく毛髪と接触させたままにすることが好ましい。より好ましくは、このように処理された毛髪が乾燥するまで、毛髪成形組成物をすすぐことなく毛髪と接触させたままにする。
【0077】
このようにして処理された毛髪は、空気へ曝露すること、加熱された毛髪乾燥器具を使用すること、吸水性物品で擦ることによって、またはこれらの方法のいずれかの組み合わせによって自然に乾燥させてもよい。
【0078】
したがって、毛髪成形組成物は、毛髪を自然乾燥させる場合、少なくとも約3分〜3時間以上の期間、局所適用後に毛髪と接触したままであってもよい。
【0079】
本発明の方法の工程(ii)において、処理された毛髪は機械的に成形される。
【0080】
本発明の方法における毛髪の機械的成形は、指先、プラスチック毛髪ピック、または櫛の尾部のような手段によって達成することができ、成形は種々の数の毛束を含む毛髪の部分に対して行われる。そのような手段を使用して、毛髪は、ストレートにした形状に引っ張られ、梳かれ、平滑化され、プレスされ、または平らにされ得る;または湾曲、ウェーブまたはカールに柔らかく成形される。
【0081】
好ましくは、本発明の方法の工程(ii)では、毛髪を機械的にストレートにすることによって毛髪を機械的に成形する。例えば、毛髪を引っ張り、梳かし、平滑にし、プレスし、または平らにしてストレートにした形状にしてもよい。
【0082】
電気的に加熱されたフラットヘアアイロンまたは手持ち式ヘアドライヤーのような高温ツールは、機械的成形工程において使用されてもよい。このようなツールは、毛髪に直接高レベルの熱を適用し、通常、少なくとも50℃の温度設定で使用され、上限は特定のツールに依存する。
【0083】
好ましくは、毛髪は、本発明の方法の工程(ii)において、電気的に加熱されたフラットヘアアイロンで機械的にストレートにすることによって機械的に成形される。電気加熱されたフラットヘアアイロンは、通常、少なくとも120℃の温度で使用され、230℃の高温に達することができる。
【0084】
しかし、本発明の方法はまた、これよりも著しく低い操作温度(例えば、約170〜200℃、またはさらには約170〜185℃)でも良好な結果を与える。これは、毛髪の損傷を最小限にするために特に有利である。
【0085】
本発明に従う毛髪を成形する典型的な方法では、毛髪成形組成物を乾いた毛髪に局所適用し、このように処理された毛髪を15〜40℃の温度、好ましくは20〜30℃の温度でストレートに梳く。処理され、梳いた毛髪を、組成物を毛髪からすすぐことなく乾かし(または乾燥させ)、次いで、乾いた毛髪を、120〜220℃、好ましくは150〜210℃、より好ましくは170〜200℃の操作温度での高温ツール(好ましくは電気的に加熱されたフラットヘアアイロン)で機械的にストレートにすることによって機械的に成形される。
【0086】
次いで、毛髪成形組成物は、次の洗浄時に毛髪からすすがれ得る。
【0087】
驚くべきことに、本発明者らは、本発明による毛髪成形組成物により提供される改善された「ボリュームダウン」は、洗浄後に持続することができることを見出した。
【0088】
したがって、本発明はまた、以下の工程を含む毛髪の成形および再成形方法を提供する:
(i)上記で定義された毛髪成形組成物を局所適用することによって毛髪を処理する工程;
(ii)処理された毛髪を機械的に成形する工程;
(iii)成形された毛髪をすすぐ工程、および
(iv)すすがれた毛髪を機械的に再成形する工程。
【0089】
本発明に従う毛髪を成形および再成形する典型的な方法では、毛髪成形組成物を乾いた毛髪に局所適用し、このように処理された毛髪を、15〜40℃の温度、好ましくは20〜30℃の温度でストレートに梳く。処理され、梳いた毛髪を、組成物を毛髪からすすぐことなく乾かし(または乾燥させ)、次いで、乾いた毛髪を、120〜220℃、好ましくは150〜210℃、より好ましくは170〜200℃の操作温度にて高温ツールで機械的にストレートにされる。次いで、毛髪成形組成物は、次の洗浄時に、典型的には工程(i)における組成物の最初の適用の後約24〜72時間後に毛髪からすすがれる。次いで、すすがれた毛髪は機械的に再成形される。
【0090】
すすぎ工程は、水単独またはシャンプーで行われてもよい。
【0091】
高温ツールの使用は、再成形工程では必須ではない。これは、例えば毛髪が痛みやすいか、またはブリーチおよびパーマネントのような以前の化学的処理から過剰に処理された場合に、毛髪が高温に曝されるのを低減または回避したい消費者にとって特に有利である。
【0092】
したがって、毛髪は、好ましくは、15〜40℃の温度、より好ましくは20〜30℃の温度でストレートにした形状に梳かすことによって再成形される。
【0093】
上述の方法工程(i)〜(iv)はまた、1つ以上の(例えば、2つまたは3つの)サイクルにわたって繰り返されてもよい。
【0094】
本発明は、以下の非限定的な実施例を参照してさらに説明される。
【0095】
実施例において、すべての成分は、全配合物の重量パーセントで、および有効成分のレベルとして表される。比較例(本発明によらない)は文字で示されている;本発明による実施例を番号で示す。
【0096】
[実施例]
[実施例1および(比較)実施例AおよびB]
次の試験溶液に、長さ25cmおよび重量2gmのダークブラウンのヨーロッパ人のウェーブ#6スイッチを浸した。
【0097】
実施例A:水溶液、2%グリオキシル酸
実施例B 水溶液、2%クエン酸および2%D−グルコノ−δ−ラクトン
実施例1:水溶液、2%グリオキシル酸、2%クエン酸および2%D−グルコノ−δ−ラクトン
コントロールスイッチを水に浸した。
【0098】
30分後、スイッチを取り出し、20℃および50%RHで乾燥させた。乾燥したら、スイッチをGHDアイロンでストレートにした(5パス)。これらは200℃未満(通常175〜185℃)の操作温度を有する。
【0099】
続いて、スイッチを数回洗浄し、乾燥した場合および梳いた後にスイッチの画像を撮影した。
【0100】
画像分析キットを用いてスイッチのボリュームを測定した。スイッチのボリュームは、処理のボリュームダウン(ストレートさ)の利点を示す(ここでのボリュームは、スイッチ画像がスクリーンに投影されたものであり、mm
2で示される)。コントロール(水)に対する利益パーセンテージ(すなわち、ボリュームの減少)も測定した。
【0102】
表から、実施例1の組成物は、実施例Aまたは実施例Bのいずれよりも相当良好なストレートニング利益を提供することが分かる。また、実施例1で処理されたスイッチは、複数回の洗浄後にストレートさを維持する。対照的に、実施例Aまたは実施例Bのいずれかで処理されたスイッチのストレートさは、それぞれ2回目および3回目の洗浄後に減少する。
【0103】
さらに、結果の比較から、本発明の組成物は、3回目の洗浄後に相乗的なストレートニング利益を提供することが分かる。
【0104】
[実施例2]
以下の配合物は、本発明による毛髪成形組成物を示す
【表2】