(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
様々な例示的な実施形態を、以下に、より完全に記載する。しかしながら、本発明の概念は、多くの異なる形態で具体化され得、本明細書に記載の例示的な実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの例示的な実施形態は、この説明が徹底的かつ完全であるように、そして、本発明の概念の範囲を当業者に完全に伝えるために提供される。
【0012】
ある要素または層が別の要素または層の「上に」ある、「接続されている」または「結合している」という場合、その他の要素または層の直接上にあるか、接続されているか、結合していてもよく、または介在する要素もしくは層が存在してもよいことが理解されよう。対照的に、ある要素が別の要素または層の「直接上に」ある、「直接接続されている」または「直接結合されている」という場合、介在する要素や層は存在しない。全体を通して同一の数字は同様の要素を指す。本明細書で使用する場合、用語「および/または」は、1つまたは複数の列挙した関連項目の任意のおよびすべての組み合わせを含む。
【0013】
また、第1、第2、第3等の用語を、様々な要素、成分、領域、層および/またはセクションを記載するために本明細書で使用し得るが、これらの要素、成分、領域、層および/またはセクションは、これらの用語によって制限されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、ある要素、成分、領域、層、またはセクションを別の要素、成分、領域、層またはセクションと区別するためにのみ使用される。したがって、以下に述べる第1の要素、構成要素、領域、層またはセクションは、本発明の概念の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層またはセクションと呼ぶことができる。
【0014】
本明細書で使用する用語は、特定の実施形態のみを記載するためのものであり、限定することを意図するものではない。
【0015】
本明細書で使用する場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上他に明示されない限り、複数形を含むことも意図する。本明細書で使用する場合、用語「含む(comprises)」および/もしくは「含む(comprising)」または「含む(includes)」および/もしくは「含む(including)」は、記載された特徴、領域、整数、ステップ、操作、要素および/または構成要素の存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、領域、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を排除するものではないことがさらに理解されよう。
【0016】
さらに、本明細書では、「下部」または「底部」および「上部」または「頂部」等の相対語を、1つの要素と他の要素の関係を記載するために使用することができる。相対語は、デバイスの異なる向きを包含することが意図されていることが理解されよう。例えば、デバイスがひっくり返された場合、他の要素の「下部」側にあると記載された要素は、その他の要素の「上部」側に向けられることになる。したがって、例示的な用語「下部」は、「下部」および「上部」の向きの両方を包含することが可能である。同様に、デバイスがひっくり返された場合、他の要素の「下方」または「下」と記載された要素は、その他の要素の「上」に向けられることになる。したがって、「下方」または「下」という例示的な用語は、上下両方の向きを包含することが可能である。
【0017】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連する技術と本開示の文脈における意味と整合する意味を有すると解釈されるべきであり、理想化されたまたは過度に形式的な意味では解釈されない(本明細書で明示的にそのように定義されない限り)ことが、さらに理解されよう。
【0018】
電気絶縁性3D材料:電気的に非導電性のシロキサン材料を、追加3D印刷工程で堆積させることが可能である。堆積シロキサン材料とともに、セラミック粒子などの粒子を提供することが可能である。非導電性材料を、不透明で、反射する、または半透明な、または透明な材料として提供することが可能である。粒子を提供する場合、該粒子は、窒化物粒子または酸化物粒子とすることが可能である。例えば、粒子は、シリカ、石英、アルミナ、窒化アルミニウム、シリカで被覆された窒化アルミニウム、硫酸バリウム、三水和アルミナ、窒化ホウ素等の非導電性材料を含み得る。粒子は実質的に円形か、またはフレーク状などの任意の適切な形とすることが可能であり、マイクロサイズまたはナノサイズとすることが可能である。充填剤は、窒化物、酸化物、または酸窒化物であるセラミック化合物粒子を含み得る。特に、充填剤は、ケイ素、亜鉛、アルミニウム、イットリウム、イッテルビウム、タングステン、チタンシリコン、チタン、アンチモン、サマリウム、ニッケル、ニッケルコバルト、モリブデン、マグネシウム、マンガン、ランタニド、鉄、インジウムスズ、銅、コバルトアルミニウム、クロム、セシウムまたはカルシウムの酸化物であるセラミック粒子である粒子とすることが可能である。その代りに、粒子は、窒化アルミニウム、窒化タンタル、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化銅、窒化モリブデン、窒化タングステン、窒化鉄、窒化ケイ素、窒化インジウム、窒化ガリウム、または窒化炭素などの窒化物粒子とすることが可能である。
【0019】
3D印刷プロセスにおける硬化メカニズムは、熱および/または電磁放射、例えば、UV光とすることが可能である。また、誘導体シロキサン層を、液体または粘性の材料として提供し、UV光に当てて硬化することが可能である。このフィルムは、熱を適用することなくUVのみで架橋することが可能であるか、または、UVと熱の組み合わせ、例えば、熱が120℃未満か、または感熱性デバイスの場合100℃未満で硬化することが可能である。また、シロキサン硬化に対し熱のみ提供することも可能である。
【0020】
シロキサン組成物は、本明細書で開示するようなカップリング剤、硬化剤、酸化防止剤、接着促進剤等を含み得る。特に、シロキサン材料は、入射UV光の照射時に反応する反応性基をSi−O骨格上に含む。また、3D印刷前に、非導電性シロキサン材料内に径の異なるセラミック粒子などの2つの異なるタイプの粒子を提供すること、または、シロキサン内に装填される2つの異なるタイプの粒子を提供することが可能である。
【0021】
導電性3D材料:シロキサン材料は、好ましくはシロキサン内に金属粒子などを有しながら、導電性材料として堆積させることも可能である。粒子状充填剤は、カーボンブラック、グラファイト、グラフェン、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、アルミニウム、銀めっき銅、銀めっきアルミニウム、ビスマス、スズ、ビスマス−スズ合金、銀めっき繊維、ニッケルめっき銅、銀およびニッケルめっき銅、金めっき銅、金およびニッケルめっき銅などの導電性材料とすることも、金、銀−金、銀、ニッケル、スズ、白金、チタンをめっきしたポリマー、例えば、ポリアクリレート、ポリスチレンもしくはシリコーンなどとすることもできるが、これらに限定されない。充填剤は、また、シリコン、n型またはp型ドープシリコン、GaN、InGaN、GaAs、InP、SiC等の半導体材料とすることが可能だが、これらに限定されない。さらに、充填剤は、量子ドットまたは表面プラズモン粒子または燐光体粒子とすることが可能である。Ge、GaP、InAs、CdSe、ZnO、ZnSe、TiO2、ZnS、CdS、CdTe等の他の半導体粒子または量子ドットも可能である。しかしながら、金属粒子が好ましい。
【0022】
より具体的には、粒子は、金、銀、銅、白金、パラジウム、インジウム、鉄、ニッケル、アルミニウム、炭素、コバルト、ストロンチウム、亜鉛、モリブデン、チタニウム、タングステン、銀メッキ銅、銀メッキアルミニウム、ビスマス、スズ、ビスマススズ合金、銀メッキ繊維、銀メッキ合金、またはそれらの組み合わせから選択されるような、任意の適切な金属または半金属を含み得る。半金属およびメタロイドと同様に、遷移金属粒子(初期遷移金属であれ後期遷移金属であれ)である金属粒子が想定される。ヒ素、アンチモン、テルル、ゲルマニウム、シリコン、およびビスマス等の半金属またはメタロイド粒子が想定される。
【0023】
3D印刷に用いるシロキサン材料に2つの異なる粒子群を提供することが可能であり、ここでは、200nm超の平均粒子径を有する粒子の第1群が、200nm未満の平均粒子径を有する粒子の第2群と共に提供され、例えば、前記第1群は500nm超の平均粒子径を有し、前記第2群は100nm未満の平均粒子径を有する(例えば、第1群の平均粒子径は1ミクロン超であり、第2群の粒子径は50nm未満またはさらには25nm未満である)。より小さい粒子の融点はより大きい粒子よりも低く、プラスミクロンサイズを有する同じ材料の粒子または塊よりも低い温度で溶解または焼結する。一例では、より小さい粒子は1ミクロン未満の平均粒子径を有し、同じ材料の混合平均温度未満の温度で溶解または焼結する。選択された粒子材料および平均粒子径に応じて、溶解温度および焼結温度は異なるだろう。
【0024】
一例として、非常に小さい銀ナノ粒子は120℃未満で溶解し、さらに低い温度で焼結する。したがって、所望であれば、より小さい粒子は、シロキサンポリマー材料の完全なる架橋および硬化の前に、より大きい粒子と結合した溶解または焼結粒子の網を形成するように、ポリマー硬化温度と等しいまたはより低い溶解温度または焼結温度を有し得る。一例では、より小さい粒子は、130℃未満の温度で、例えば120℃未満で、より大きい粒子と共に溶解または焼結し、またはさらには、110℃未満で焼結し、一方、シロキサン材料はより高い温度で実質的に架橋し、例えば、110℃未満で実質的に焼結または溶解するが、110℃超で実質的に重合する(または、例えば、120℃(もしくは130℃)未満で実質的に焼結または溶解するが、120℃(または130℃)超で実質的に重合する)。シロキサン材料の実質的な重合の前により小さい粒子を焼結または溶解することは、形成される金属「ラチス」のより大きな相互接続性を可能にし、これは、硬化層の最終導電性を高める。より小さい粒子を実質的に焼結または溶解する前に実質的に重合することは、形成される金属「ラチス」の量を減少させ、最終硬化層の導電性を下げる。当然、より小さい平均粒子径、例えば、サブミクロン径の粒子のみを提供することも可能であり、これも、依然として、同一のバルク材(または、例えば、1ミクロン超の平均粒子径を有する同じ粒子)と比較し、より低い焼結点および融点という利点を達成することが可能である。
【0025】
導電性材料および電気絶縁性材料の両方の3D印刷は、印刷される物品内に電気リード線もしくはトレースを、または、3D物品の接触位置を検出することが可能なコンデンサを形成する導電性材料および電気絶縁性材料の異なる層を有する接触感知面などの、より複雑な電気コンポーネントを形成するのに望ましい。導電性材料および電気絶縁性材料の両方を印刷することは、電話全体を交換することなく、種々のコンポーネント、例えば、メモリまたはカメラを除去しアップグレードすることが可能である、モジュール電話などのモジュール式デバイスを印刷することを可能にする。このような3D印刷可能なモジュール式デバイスは、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、電子書籍等であり得る。
【0026】
透明または反射性3D印刷材料:3D印刷により堆積されたシロキサン材料は、可視光に対し高透過性であり得る。メガネ、飲料グラスもしくはカップ、透明なケース、または他の部分、例えば電子デバイス(例えば、スマートフォン、カメラ、タブレット、ラップトップ等)のモジュール部分などの透明物品を印刷することが可能であるか、または、透明材料における3D印刷に適切な任意の所望の物品が想定され得る。多くの例では、3D物品の透明層を透過する光は、少なくとも85%、好ましくは90%以上、またはさらには95%以上である。屈折率は、シロキサン骨格に結合した有機基の種類(例えば、より低い屈折率にはアルキル鎖、より高い屈折率にはアリール基)、および、もしあれば、粒子の種類の選択に基づいて修正され得る。3D印刷物品における層は、異なる屈折率を有する透明なシロキサン層を用いて印刷することが可能である。粒子が、透明な印刷層に存在する場合、それらは、例えば、可視光未満の平均粒子径を有する、例えば400nm未満、または好ましくは200nm未満、またはさらには100nm未満の酸化物粒子とすることが可能である。
【0027】
屈折層を印刷することが望ましい場合、金属粒子をシロキサン材料内に提供することが可能であり、この金属粒子は、任意の適切な径、例えば、可視光より大きい平均粒子径、例えば、1ミクロン超または10ミクロン超などの700nm超を有し得る。3D物品の反射部分および透明部分の組み合わせを、導電性部分および非導電性部分の組み合わせを含めて、印刷することが可能である。
【0028】
より具体的には、上記で言及したシロキサン組成物に関連して、シロキサンポリマーが提供される組成物を製造する。好ましくは、ポリマーは、アリール(またはアルキル)置換基および官能性架橋置換基を有する酸化ケイ素骨格を有する。任意選択的な充填剤材料を、シロキサンポリマーと混合する。充填剤材料は、好ましくは、100ミクロン以下、好ましくは10ミクロン以下の平均粒子径を有する粒子を含む粒状材料である。加熱またはUV光(または他の活性化方法)を組成物に与えるとシロキサンポリマー中の官能性架橋基と反応する触媒を添加する。好ましくはシロキサンポリマーの場合と同様に熱または光を適用した際に同じく反応性である官能性架橋基を有するモノマー(またはオリゴマー)カップリング剤が、組成物に含まれる。組成物の最終用途に応じて、安定剤、酸化防止剤、分散剤、接着促進剤、可塑剤、軟化剤、および他の潜在的成分等の追加の材料を加えることも可能である。溶媒を添加することはできるが、好ましい実施形態では組成物は溶媒を含まず、溶媒を含まない粘性流体であり、そのように保存および輸送される。
【0029】
上述のように、本明細書に開示するように製造した組成物は、シロキサンポリマーを含む。シロキサンポリマーを製造するために、化学式SiR
1aR
24−a(式中、aは1〜3であり、R
1は反応性基であり、R
2はアルキル基またはアリール基である)を有する第1の化合物を提供する。また、化学式SiR
3bR
4cR
54−(b+c)(式中、R
3は架橋性官能基であり、R
4は反応性基であり、R
5はアルキル基またはアリール基であり、b=1〜2であり、c=1〜(4−b)である)を有する第2の化合物も提供する。任意選択の第3の化合物を第1および第2の化合物と共に提供して、一緒に重合する。第3の化合物は、化学式SiR
9fR
10g(式中、R
9が反応性基であり、f=1〜4であり、R
10がアルキル基またはアリール基であり、g=4−fである)を有し得る。第1、第2および第3の化合物は、任意の順序で提供することができ、上記モノマーの代わりに、これらの化合物の何れかのオリゴマー的に部分的に重合した形態を提供することができる。
【0030】
第1、第2および第3の化合物、および以下に記載する任意の化合物は、このような化合物が2つ以上の単一タイプの「R」基、例えば、複数のアリール基もしくはアルキル基、または複数の反応性基、または複数の架橋性官能基等を有する場合、多数のR基は、各出現で同じであるかまたは異なるように独立して選択される。例えば、第1の化合物がSiR
12R
22である場合、多数のR
1基は、互いに同じであるかまたは異なるように独立して選択される。同様に、多数のR
2基は、互いに同じであるかまたは異なるように独立して選択される。他に明記されていない限り、本明細書に記載の任意の他の化合物についても同様である。
【0031】
触媒も提供する。触媒は、後述するように、塩基触媒または他の触媒とすることができる。提供する触媒は、第1および第2の化合物を一緒に重合させることが可能であるべきである。上記のように、化合物および触媒の添加の順序は、任意の所望の順序とすることができる。一緒に提供される種々の成分を重合して、所望の分子量および粘度を有するシロキサンポリマー材料を生成する。重合後、微粒子、ナノ粒子または他の所望の粒子などの粒子を、カップリング剤、触媒、安定剤、および接着促進剤等の他の任意選択の成分と一緒に添加する。組成物の成分の組み合わせは、任意の所望の順序で行うことが可能である。
【0032】
より具体的には、一例では、シロキサンポリマーを、第1および第2の化合物を重合することにより作成するが、ここにおいて、第1の化合物は、化学式SiR
1aR
24−a(式中、aは1〜3であり、R
1は反応性基であり、R
2はアルキル基またはアリール基である)を有し、第2の化合物は、化学式SiR
3bR
4cR
54−(b+c)(式中、R
3は架橋性官能基であり、R
4は反応性基であり、R
5はアルキル基またはアリール基であり、b=1〜2、c=1〜(4−b)である)を有する。
【0033】
第1の化合物は、化合物中のケイ素に結合した1〜3個のアルキル基またはアリール基(R
2)を有し得る。異なるアルキル基の組み合わせ、異なるアリール基の組み合わせ、またはアルキル基とアリール基の両方の組み合わせが可能である。アルキル基の場合、アルキルは好ましくは1〜18個、より好ましくは1〜14個、特に好ましくは1〜12個の炭素原子を含有する。1〜6個の炭素(例えば、2〜6個の炭素原子)などのより短いアルキル基も想定される。アルキル基は、1つまたは複数、好ましくは2つのC
1〜C
6アルキル基でもって、アルファ位またはベータ位で分岐していてもよい。特に、アルキル基は1〜6個の炭素原子を含有する低級アルキルであり、これは、メチルおよびハロゲンから選択される1〜3個の置換基を任意選択で有する。メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチルおよびt−ブチルが特に好ましい。シクロヘキシル、アダマンチル、ノルボルネン、またはノルボルニルなどの環状アルキル基も可能である。
【0034】
R
2がアリール基である場合、アリール基は、環上にハロゲン、アルキルまたはアルケニルから選択される1〜5個の置換基を任意選択で有するフェニルか、または、環構造上にハロゲンアルキルまたはアルケニルから選択される1〜11個の置換基を任意選択で有するナフチルとすることが可能であり、該置換基は任意選択でフッ素化されている(過フッ素化または部分フッ素化を含む)。アリール基が多芳香族基である場合、多芳香族基は、例えば、1〜8個の置換基を任意選択で有し得るアントラセン、ナフタレン、フェナントレン、テトラセンとすることも可能であるし、1〜12個の炭素を含有するアルキル、アルケニル、アルキニル、もしくはアリール基によってケイ素原子から任意選択で「離れて」いることも可能である。フェニル等の単一環構造も、このようにしてケイ素原子から離れていてよい。
【0035】
シロキサンポリマーは、第1と第2の化合物の間で重合反応を、好ましくは塩基触媒重合反応を実施することによって作成する。以下に記載するように、任意選択の追加の化合物を重合反応の一部として含めることが可能である。
【0036】
第1の化合物は、ヒドロキシル、ハロゲン、アルコキシ、カルボキシル、アミンまたはアシルオキシ基等の任意の適切な反応性基R
1を有し得る。例えば、第1の化合物の反応性基が−OH基である場合、第1の化合物のより具体的な例としては、数ある中で、ジフェニルシランジオール、ジメチルシランジオール、ジ−イソプロピルシランジオール、ジ−n−プロピルシランジオール、ジ−n−ブチルシランジオール、ジ−t−ブチルシランジオール、ジ−イソブチルシランジオール、フェニルメチルシランジオールおよびジシクロヘキシルシランジオールなどのシランジオールが挙げられる。
【0037】
第2の化合物は、ヒドロキシル、ハロゲン、アルコキシ、カルボキシル、アミンまたはアシルオキシ基等の任意の適切な反応性基R
4を有し得、これは、第1の化合物の反応性基と同じでも異なっていてもよい。一例では、反応性基は、第1または第2の化合物(またはシロキサンポリマーを形成するための重合反応に関与する任意の化合物、例えば第3の化合物等)のいずれにおいても−Hではなく、その結果、結果として生じるシロキサンポリマーには、シロキサンポリマー中のSiに直接結合したH基が存在しないか、または実質的に存在しない。基R
5は、仮に第2の化合物中に存在する場合、独立して、第1の化合物中の基R
2のようなアルキル基またはアリール基である。アルキル基またはアリール基R
5は、第1の化合物の基R
2と同じであっても異なっていてもよい。
【0038】
第2の化合物の架橋反応性基R
3は、酸、塩基、ラジカルまたは熱の触媒反応によって架橋することができる任意の官能基とすることが可能である。これらの官能基は、例えば、任意のエポキシド、オキセタン、アクリレート、アルケニルまたはアルキニル基とすることが可能である。
【0039】
エポキシド基の場合、それは、酸、塩基および熱の触媒反応を用いて架橋され得る3つの環原子を有する環状エーテルとすることが可能である。これらのエポキシド含有架橋基の例は、いくつか挙げるなら、グリシドキシプロピル基および(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル)基である。
【0040】
オキセタン基の場合、それは、酸、塩基および熱の触媒反応を用いて架橋され得る4つの環原子を有する環状エーテルとすることが可能である。このようなオキセタン含有シランの例としては、いくつか挙げるなら、3−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)プロピルトリメトキシシラン、または3−(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)プロピルトリメトキシシランが挙げられる。
【0041】
アルケニル基の場合、そのような基は、好ましくは2〜18個、より好ましくは2〜14個、特に好ましくは2〜12個の炭素原子を有し得る。エチレン性の、すなわち2個の炭素原子が二重結合で結合した基は、好ましくは、分子中のSi原子に対して2位以上に位置する。分岐アルケニルは、好ましくは、1つ以上、好ましくは2つの、C
1〜C
6アルキル、アルケニルまたはアルキニル基、任意選択でフッ素化または過フッ素化されたアルキル、アルケニルまたはアルキニル基でもって、アルファ位またはベータ位で分岐している。
【0042】
アルキニル基の場合、それは、好ましくは2〜18個、より好ましくは2〜14個、特に好ましくは2〜12個の炭素原子を有し得る。エチリン基、すなわち2個の炭素原子が三重結合で結合した基は、好ましくは、分子中のSiまたはM原子に対して2位以上に位置する。分岐アルキニルは、好ましくは、1つ以上、好ましくは2つの、C
1〜C
6アルキル、アルケニルまたはアルキニル基、任意選択で過フッ素化されたアルキル、アルケニルまたはアルキニル基でもって、アルファまたはベータ位で分岐している。
【0043】
チオール基の場合、それは、炭素結合スルフヒドリル基を含有する任意の有機硫黄化合物とすることができる。チオール含有シランの例は、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランおよび3−メルカプトプロピルトリエトキシシランである。
【0044】
第2の化合物の反応性基は、アルコキシ基とすることが可能である。アルコキシ基のアルキル残基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。好ましくは、アルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、プロポキシおよびt−ブトキシ基等の1〜6個の炭素原子を有する低級アルコキシ基を含む。第2の化合物の特定の例は、数ある中で、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、3−(トリメトキシシリル)プロピルアクリレート、(3−グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン、または3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシランである。
【0045】
第3の化合物は、重合され合う第1および第2の化合物と一緒に提供することができる。第3の化合物は、化学式SiR
9fR
10g(式中、R
9は反応性基であり、f=1〜4であり、R
10はアルキル基またはアリール基であり、g=4−fである)を有し得る。このような例の1つはテトラメトキシシランである。他の例としては、数ある中で、フェニルメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン
、アリルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、プロピルエチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが挙げられる。
【0046】
第1の化合物と第2の化合物の重合は、酸触媒を用いて行うことが可能だが、塩基触媒が好ましい。第1の化合物と第2の化合物の間の塩基触媒重合において使用する塩基触媒は、任意の適切な塩基性化合物とすることが可能である。これらの塩基性化合物の例は、数ある中で、トリエチルアミンのような任意のアミンおよび水酸化バリウム、水酸化バリウム一水和物、水酸化バリウム八水和物等の任意のバリウム水酸化物である。他の塩基性触媒としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、アンモニア、過塩素酸アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、イミダゾールまたはn−ブチルアミンが挙げられる。1つの特定の例において、塩基触媒はBa(OH)
2である。塩基触媒は、第1の化合物および第2の化合物を合わせたものに対して、0.5重量%未満、または0.1重量%未満等のより低い量で提供することができる。
【0047】
重合は、溶融相または液体媒体中で行うことが可能である。温度は約20〜200℃、典型的には約25〜160℃、特に約40〜120℃の範囲である。概して、重合は周囲圧力で行われ、最高温度は使用する任意の溶媒の沸点によって設定される。重合は還流条件で行うことができる。他の圧力および温度も可能である。第1の化合物と第2の化合物のモル比は、95:5〜5:95、特に90:10〜10:90、好ましくは80:20〜20:80とすることができる。好ましい例では、第1の化合物と第2の化合物(または第2に加えて重合反応に関与する他の化合物(以下参照))のモル比は、少なくとも40:60、または、さらには45:55もしくはそれ以上である。
【0048】
一例では、第1の化合物は反応性基として−OH基を有し、第2の化合物は反応性基としてアルコキシ基を有する。好ましくは、添加される第1の化合物の量の−OH基の総数は、第2の化合物の反応性基、例えば、アルコキシ基の総数以下であり、好ましくは、第2の化合物(または第2の化合物に加えて、アルコキシ基を有する添加される任意の他の化合物、例えば、本明細書で言及する、重合反応に関与する添加されるテトラメトキシシランもしくは他の第3の化合物)の反応性基の総数未満である。アルコキシ基がヒドロキシル基の数を上回ると、−OH基の全てまたは実質的に全てが反応し、アルコキシシランがメトキシシランであればメタノール、アルコキシシランがエトキシシランであればエタノールなどの−OH基がシロキサンから除去される。第1の化合物の−OH基の数と第2の化合物の反応性基(好ましくは−OH基以外)の数は実質的に同じとすることが可能であるが、第2の化合物の反応性基の総数は、第1の化合物の−OH基を10%以上、好ましくは25%以上上回ることが好ましい。いくつかの実施形態では、第2の化合物の反応性基の数は、第1の化合物の−OH基の数を40%以上、またはさらには60%以上、75%以上、または100%以上も上回る。選択された化合物に依存する重合反応のメタノール、エタノールまたは他の副生成物は、重合後に除去され、好ましくは乾燥室で蒸発させる。
【0049】
得られたシロキサンポリマーは、任意の所望の(重量平均)分子量、例えば500〜100,000g/molを有する。分子量は、この範囲の下限側(例えば、500〜10,000g/mol、もしくはより好ましくは500〜8,000g/mol)でもよいし、オルガノシロキサン材料は、この範囲の上限側(10,000〜100,000g/mol、もしくはより好ましくは15,000〜50,000g/mol等)の分子量を有してもよい。低分子量のポリマーオルガノシロキサン材料を、より高分子量のオルガノシロキサン材料と混合することが望ましい場合もある。
【0050】
次に、得られたシロキサンポリマーを、ポリマーの所望の最終用途に応じて追加の成分と組み合わせることができる。好ましくは、シロキサンポリマーを、100ミクロン未満、好ましくは20ミクロン未満などの50ミクロン未満の平均粒子径を有する粒子を有する粒子状充填剤などの充填剤と組み合わせて組成物を形成する。触媒、硬化剤、1つもしくは複数のカップリング剤、分散剤、酸化防止剤、安定剤、接着促進剤、および/またはシロキサン材料の所望の最終用途に応じた他の所望の成分などの追加の成分を、組成物の一部とすることができる。一例では、酸化表面をその金属形態へ還元することができる還元剤が含まれる。還元剤は、粒子が表面酸化を有する金属粒子である場合は粒子から酸化を除去し、および/または、金属結合パッドもしくは酸化された他の金属もしくは導電性領域などから酸化を除去して、シロキサン粒子材料とそれが堆積または付着する表面との間の電気的接続を向上させることが可能である。還元剤または安定剤としては、エチレングリコール、ベータ−D−グルコース、ポリエチレンオキシド、グリセロール、1,2−プロピレングリコール、N,N−ジメチルホルムアミド、ポリアクリル酸ナトリウム(PSA)、ポリアクリル酸を有するベータシクロデキストリン、ジヒドロキシベンゼン、ポリビニルアルコール、1,2−プロピレングリコール、ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、アスコルビン酸、ヒドロキノン類、没食子酸、ピロガロール、グリオキサール、アセトアルデヒド、グルタルアルデヒド、脂肪族ジアルデヒド類、パラホルムアルデヒド、錫粉末、亜鉛粉末、ギ酸が挙げられる。安定剤などの添加剤、例えば、(以下に記載するような)Irganox(登録商標)などの抗酸化剤またはジアジン誘導体を添加することも可能である。
【0051】
架橋シリコンまたは非シリコン系樹脂およびオリゴマーを用いて、シロキサンポリマー間の架橋を高めることが可能である。添加する架橋オリゴマーまたは樹脂の官能性は、シロキサンポリマーの官能性により選択される。例えば、エポキシ系アルコキシシランを、シロキサンポリマーの重合時に使用した場合、エポキシ官能性オリゴマーまたは樹脂を用いることができる。エポキシオリゴマーまたは樹脂は、任意のジ、トリ、テトラ、またはより大きい官能性エポキシオリゴマーまたは樹脂とすることが可能である。これらのエポキシオリゴマーまたは樹脂の例としては、いくつか挙げるなら、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ビス2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1,3−ビスグリシドキシプロピル、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,4−シクロヘキサンジメタノール ジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ジグリシジル 1,2−シクロヘキサンジカルボキシレートが挙げられる。
【0052】
最終配合物に添加される硬化剤は、シロキサンポリマー中の官能基の硬化プロセスを開始および/または加速することが可能な任意の化合物である。これらの硬化剤は、熱および/またはUV活性化され得る(例えば、重合反応が熱活性化される場合は熱酸、またはUV活性化される場合には光開始剤)。上述したように、シロキサンポリマーの架橋性基は、好ましくは、エポキシド基、オキセタン基、アクリレート基、アルケニル基またはアルキニル基である。硬化剤は、シロキサンポリマーの架橋性基に基づいて選択される。
【0053】
一実施形態では、エポキシ基およびオキセタン基のための硬化剤は、活性がブロックされたまたは減少したことを示す第1級および/または第2級アミンなどの窒素含有硬化剤から選択することが可能である。定義「活性がブロックされたまたは減少したことを示す第1級または第2級アミン」は、化学的または物理的なブロックにより樹脂成分と反応することができないまたは非常に低い反応性しか持たないが、例えば、高温でそれを溶解することにより、鞘またはコーティングの除去により、圧力または超音波または他のエネルギータイプの作用により、アミンの解放後、その反応性を復活させて、樹脂成分の硬化反応を開始することができるアミンを意味する。
【0054】
熱活性化可能な硬化剤の例としては、少なくとも1つの有機ボランまたはボランと、少なくとも1つのアミンとの錯体が挙げられる。アミンは、有機ボランおよび/またはボランを錯化し、所望であれば分解して有機ボランまたはボランを遊離させることが可能な任意のタイプのアミンとすることができる。アミンは、様々な構造、例えば任意の第1級アミンもしくは第2級アミン、または、第1級アミンおよび/もしくは第2級アミンを含有するポリアミンを含み得る。有機ボランは、アルキルボランから選択することが可能である。これらの特に熱に好ましいボランの例は、三フッ化ホウ素である。適切なアミン/(有機)ボラン錯体は、King Industries、AiR Products、およびATO−Tech等の商業的供給元から入手可能である。
【0055】
エポキシ基のための他の熱活性化硬化剤は、高温で強酸を放出してエポキシの架橋反応を触媒することが可能な熱酸発生剤である。これらの熱酸発生剤は、例えば、BF
4−、PF
6−、SbF
6−、CF
3SO
3−および(C
6F
5)
4B
−のタイプの錯アニオンを有するスルホニウム塩およびヨードニウム塩のような任意のオニウム塩とすることが可能である。これらの熱酸発生剤の市販例は、King Industries製のK−PURE CXC−1612およびK−PURE CXC−1614である。
【0056】
さらに、エポキシおよび/またはオキセタン含有ポリマーに関して、例えば、無水物、アミン、イミダゾール、チオール、カルボン酸、フェノール、ジシアンジアミド、尿素、ヒドラジン、ヒドラジド、アミノ−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩、トリ−アリールスルホニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、およびジアゾニウム塩等の、接着剤配合物の硬化に関与するかまたは促進するように設計された硬化剤、共硬化剤、触媒、開始剤または他の添加剤を使用することが可能である。
【0057】
アクリレート、アルケニルおよびアルキニル架橋性基に対し、硬化剤は、熱活性化されるか、またはUV活性化され得る。熱活性化の例は、ペルオキシドおよびアゾ化合物である。ペルオキシドは、不安定な酸素−酸素単結合を含有する化合物であり、これは均等開裂によって反応性ラジカルに容易に分割される。アゾ化合物は、窒素ガスと2つの有機ラジカルに分解することが可能なR−N=N−R官能基を有する。これらの場合の両方において、ラジカルはアクリレート、アルケニルおよびアルキニル結合の重合を触媒することが可能である。ペルオキシドおよびアゾ化合物の例は、いくつか挙げるなら、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,2−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ブタン、tert−ブチルペルアセテート、2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチル−3−ヘキシン、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ジ−tert−アミルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリド、ジフェニルジアゼイン、ジエチルアゾジカルボキシレート、および1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)である。
【0058】
光開始剤は、光に当てられるとフリーラジカルに分解し、それゆえ、アクリレート、アルケニルおよびアルキニル化合物の重合を促進することが可能な化合物である。これらの光開始剤の市販例は、BASF製のIrgacure(登録商標)149、Irgacure184、Irgacure369、Irgacure500、Irgacure651、Irgacure784、Irgacure819、Irgacure907、Irgacure1700、Irgacure1800、Irgacure1850、Irgacure2959、Irgacure1173、Irgacure4265である。
【0059】
硬化剤を系に組み込む1つの方法は、硬化剤または硬化剤として作用することが可能な官能基をシランモノマーに結合させることである。したがって、硬化剤は、シロキサンポリマーの硬化を促進する。シランモノマーに結合したこれらの種類の硬化剤の例は、いくつか挙げるなら、γ−イミダゾリルプロピルトリエトキシシラン、γ−イミダゾリルプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物、3−(トリメトキシシリル)プロピルコハク酸無水物、3−アミノプロピル−トリメトキシシラン、および3−アミノプロピルトリエトキシシランである。
【0060】
接着促進剤は、組成物の一部とすることが可能であり、硬化生成物と、生成物が適用されている表面との間の接着性を高めることが可能な任意の適切な化合物とすることが可能である。最も一般的に使用される接着促進剤は、アルコキシシランおよび1〜3個の官能基を有する官能性シランである。ダイアタッチ品に使用される接着促進剤の例は、オクチルトリエトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、シアノプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、3−(トリメトキシシリル)プロピルアクリレート、(3−グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン、または3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、および3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランとすることが可能である。
【0061】
形成される重合シロキサンは、ケイ素含有出発物質に応じた有機官能基を有する、[Si−O−Si−O]
n繰返し骨格(つまり、式[Si−O−Si−O]の繰り返し単位骨格)を有するだろう。しかしながら、[Si−O−Si−C]
nまたはさらには[Si−O−Me−O]
n(Meは金属である)骨格を達成することも可能である。式中、nは、典型的には1〜1,000,000、特に1〜100,000、例えば、1〜10,000またはさらには1〜5,000または1〜1,000の整数である。
【0062】
[Si−O−Si−C]骨格を得るために、式R
23−aR
1aSiR
11SiR
1bR
23−bを有する化学物質を、上述のような第1、第2および第3の化合物、もしくはこれらの任意の組み合わせ、または1000g/mol未満の分子量を有するそのオリゴマーと共に重合することが可能であり、式中、aは1〜3であり、bは1〜3であり、R
1は上で説明したような反応性基であり、R
2はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコール基、カルボン酸基、ジカルボン酸基、アリール基、ポリアリール基、多環式アルキル基、ヘテロ環式脂肪族基、ヘテロ環式芳香族基であり、R
11は、独立して、アルキル基またはアリール基である。これらの化合物の例は、いくつか挙げるなら、1,2−ビス(ジメチルヒドロキシルシリル)エタン、1,2−ビス(トリメトキシルシリル)エタン、1,2−ビス(ジメトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(メトキシジメチルシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシルシリル)エタン、1,3−ビス(ジメチルヒドロキシルシリル)プロパン、1,3−ビス(トリメトキシルシリル)プロパン、1,3−ビス(ジメトキシメチルシリル)プロパン、1,3−ビス(メトキシジメチルシリル)プロパン、1,3−ビス(トリエトキシルシリル)プロパン、1,4−ビス(ジメチルヒドロキシルシリル)ブタン、1,4−ビス(トリメトキシルシリル)ブタン、1,4−ビス(ジメトキシメチルシリル)ブタン、1,4−ビス(メトキシジメチルシリル)ブタン、1,4−ビス(トリエトキシルシリル)ブタン、1,5−ビス(ジメチルヒドロキシルシリル)ペンタン、1,5−ビス(トリメトキシルシリル)ペンタン、1,5−ビス(ジメトキシメチルシリル)ペンタン、1,5−ビス(メトキシジメチルシリル)ペンタン、1,5−ビス(トリエトキシルシリル)ペンタン、1,6−ビス(ジメチルヒドロキシルシリル)ヘキサン、1,6−ビス(トリメトキシルシリル)ヘキサン、1,6−ビス(ジメトキシメチルシリル)ヘキサン、1,6−ビス(メトキシジメチルシリル)ヘキサン、1,6−ビス(トリエトキシルシリル)ヘキサン、1,4−ビス(トリメトキシルシリル)ベンゼン、ビス(トリメトキシルシリル)ナフタレン、ビス(トリメトキシルシリル)アントラセン、ビス(トリメトキシルシリル)フェナントレン、ビス(トリメトキシルシリル)ノルボルネン、1,4−ビス(ジメチルヒドロキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(メトキシジメチルシリル)ベンゼン、および1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼンである。
【0063】
[Si−O−Si−C]骨格を得るための一実施形態では、式R
53−(c+d)R
4dR
3cSiR
11SiR
3eR
4fR
53−(e+f)を有する化合物を、本明細書で記載するような第1、第2、および第3の化合物、もしくはこれらの任意の組み合わせ、または1000g/mol未満の分子量を有するそれらのオリゴマーと一緒に重合させ、式中、R
3は架橋性官能基であり、R
4は反応性基であり、R
5はアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコール、カルボン酸、ジカルボン酸、アリール、ポリアリール、多環式アルキル、ヘテロ環式脂肪族、ヘテロ環式芳香族基であり、R
12は独立してアルキル基またはアリール基であり、c=1〜2、d=1〜(3−c)、e=1〜2、f=1〜(3−e)である。これらの化合物の例は、いくつか挙げるなら、1,2−ビス(エテニルジメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(エチニルジメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(エチニルジメトキシ)エタン、1,2−ビス(3−グリシドキシプロピルジメトキシシリル)エタン、1,2−ビス[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシシリル]エタン、1,2−ビス(プロピルメタクリレートジメトキシシリル)エタン、1,4−ビス(エテニルジメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(エチニルジメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(エチニルジメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(3−グリシドキシプロピルジメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジメトキシシリル]ベンゼン、1,4−ビス(プロピルメタクリルレートジメトキシシリル)ベンゼンである。
【0064】
一実施形態では、分子式R
1aR
2bR
33−(a+b)Si−O−SiR
22−O−SiR
1aR
2bR
33−(a+b)(式中、R
1は上で説明したような反応性基であり、R
2は、上で説明したようなアルキルまたはアリールであり、R
3は上で説明したような架橋性官能基であり、a=0〜3、b=0〜3である)を有するシロキサンモノマーを、先に言及したシランと重合させるか、または最終配合物に添加剤として添加する。これらの化合物の例は、いくつか挙げるなら、1,1,5,5−テトラメトキシ−1,5−ジメチル−3,3−ジフェニルトリシロキサン、1,1,5,5−テトラメトキシ−1,3,3,5−テトラフェニルトリシロキサン、1,1、5,5−テトラエトキシ−3,3−ジフェニルトリシロキサン、1,1,5,5−テトラメトキシ−1,5−ジビニル−3,3−ジフェニルトリシロキサン、1,1,5,5−テトラメトキシ−1,5−ジメチル−3,3−ジイソプロピルトリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサメトキシ−3,3−ジフェニルトリシロキサン、1,5−ジメチル−1,5−ジエトキシ−3,3−ジフェニルトリシロキサン、1,5−ビス(メルカプトプロピル)−1,1,5,5−テトラメトキシ−3,3−ジフェニルトリシロキサン、1,5−ジビニル−1,1,5,5−テトラメトキシ−3−フェニル−3−メチルトリシロキサン、1,5−ジビニル−1,1,5,5−テトラメトキシ−3−シクロヘキシル−3−メチルトリシロキサン、1,1,7,7−テトラメトキシ−1,7−ジビニル−3,3,5,5−テトラメチルテトラシロキサン、1,1,5,5−テトラメトキシ−3,3−ジメチルトリシロキサン、1,1,7,7−テトラエトキシ−3,3,5,5−テトラメチルテトラシロキサン、1,1,5,5−テトラエトキシ−3,3−ジメチルトリシロキサン、1,1,5,5−テトラメトキシ−1,5−[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]−3,3−ジフェニルトリシロキサン、1,1,5,5−テトラメトキシ−1,5−(3−グリシドキシプロピル)−3、3−ジフェニルトリシロキサン、1,5−ジメチル−1,5−ジメトキシ−1,5−[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]−3,3−ジフェニルトリシロキサン、1,5−ジメチル−1,5−ジメトキシ−1,5−(3−グリシドキシプロピル)−3,3−ジフェニルトリシロキサンである。
【0065】
(上記のようなシロキサン材料の重合後に)組成物に添加される添加剤は、式R
1aR
2bSiR
34−(a+b)を有するシラン化合物とすることが可能であり、式中、R
1はヒドロキシル、アルコキシまたはアセチルオキシのような反応性基であり、R
2はアルキル基またはアリール基であり、R
3は、エポキシ、オキセタン、アルケニル、アクリレートまたはアルキニル基のような架橋性化合物であり、a=0〜1、b=0〜1である。このような添加剤の例は、トリ−(3−グリシドキシプロピル)フェニルシラン、トリ−[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]フェニルシラン、トリ−(3−メタクリロキシプロピル)フェニルシラン、トリ−(3−アクリロキシプロピル)フェニルシラン、テトラ−(3−グリシドキシプロピル)シラン、テトラ−[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]シラン、テトラ−(3−メタクリロキシプロピル)シラン、テトラ−(3−アクリロキシプロピル)シラン、トリ−(3−グリシドキシプロピル)p−トリルシラン、トリ−[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]p−トリルシラン、トリ−(3−メタクリロキシプロピル)p−トリルシラン、トリ−(3−アクリロキシプロピル)p−トリルシラン、トリ−(3−グリシドキシプロピル)ヒドロキシルシラン、トリ−[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]ヒドロキシルシラン、トリ−(3−メタクリロキシプロピル)ヒドロキシルシラン、トリ−(3−アクリロキシプロピル)ヒドロキシルシランである。
【0066】
添加剤は、また、主ポリマーマトリックスと反応しても反応しなくてもよく、したがって、可塑剤、軟化剤、またはシリコーンのようなマトリックス修飾剤として作用する、任意の有機ポリマーまたはシリコーンポリマーとすることが可能である。添加剤は、また、SiOx、TiOx、AlOx、TaOx、HfOx、ZrOx、SnOx、ポリシラザン等の無機重縮合物とすることが可能である。
【0067】
上記のように、粒子材料を、3Dプリンタにより堆積されるピクセル/ボクセルの所望の特徴(導電性/電気絶縁性、柔らかい/固い、透明/不透明/反射、色つきなど)に応じてシロキサン材料に含めるために選択することが可能である。粒子充填剤は、カーボンブラック、グラファイト、グラフェン、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、アルミニウム、銀めっき銅、銀めっきアルミニウム、ビスマス、スズ、ビスマス−スズ合金、銀めっき繊維、ニッケルめっき銅、銀およびニッケルめっき銅、金めっき銅、金およびニッケルめっき銅などの導電性材料とすることが可能であり、またはそれは、金、銀−金、銀、ニッケル、スズ、白金、チタンをめっきしたポリマー、例えば、ポリアクリレート、ポリスチレンもしくはシリコーンなどとすることができるが、これらに限定されない。充填剤は、また、シリコン、n型またはp型ドープシリコン、GaN、InGaN、GaAs、InP、SiC等の半導体材料とすることが可能だが、これらに限定されない。さらに、充填剤は、量子ドットまたは表面プラズモン粒子または燐光体粒子とすることが可能である。Ge、GaP、InAs、CdSe、ZnO、ZnSe、TiO2、ZnS、CdS、CdTe等の他の半導体粒子または量子ドットも可能である。
【0068】
充填剤は、金、銀、銅、白金、パラジウム、インジウム、鉄、ニッケル、アルミニウム、炭素、コバルト、ストロンチウム、亜鉛、モリブデン、チタニウム、タングステン、銀メッキ銅、銀メッキアルミニウム、ビスマス、スズ、ビスマススズ合金、銀メッキ繊維、銀メッキ合金、またはそれらの組み合わせから選択されるような、任意の適切な金属または半金属粒子である粒子とすることが可能である。半金属およびメタロイドと同様に、遷移金属粒子(初期遷移金属であれ後期遷移金属であれ)である金属粒子が想定される。ヒ素、アンチモン、テルル、ゲルマニウム、シリコン、およびビスマス等の半金属またはメタロイド粒子が想定される。
【0069】
または、あるいは、粒子は、シリカ、石英、アルミナ、窒化アルミニウム、シリカで被覆された窒化アルミニウム、硫酸バリウム、三水和アルミナ、窒化ホウ素等の非導電性材料とすることが可能である。充填剤は、粒子またはフレークの形態とすることが可能であり、マイクロサイズまたはナノサイズとすることが可能である。充填剤は、金属または半金属の窒化物、酸窒化物、炭化物およびオキシ炭化物であるセラミック化合物粒子を含み得る。特に、充填剤は、ケイ素、亜鉛、アルミニウム、イットリウム、イッテルビウム、タングステン、チタンシリコン、チタン、アンチモン、サマリウム、ニッケル、ニッケルコバルト、モリブデン、マグネシウム、マンガン、ランタニド、鉄、インジウムスズ、銅、コバルトアルミニウム、クロム、セシウムまたはカルシウムの酸化物であるセラミック粒子である粒子とすることが可能である。
【0070】
炭素を含み、カーボンブラック、グラファイト、グラフェン、ダイヤモンド、炭窒化ケイ素、炭窒化チタン、カーボンナノバッドおよびカーボンナノチューブから選択される粒子も可能である。充填剤の粒子は、炭化鉄、炭化ケイ素、炭化コバルト、炭化タングステン、炭化ホウ素、炭化ジルコニウム、炭化クロム、炭化チタンまたは炭化モリブデンなどの炭化物粒子とすることが可能である。その代りに、粒子は、窒化アルミニウム、窒化タンタル、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化銅、窒化モリブデン、窒化タングステン、窒化鉄、窒化ケイ素、窒化インジウム、窒化ガリウムまたは窒化炭素などの窒化物粒子とすることが可能である。
【0071】
最終用途に応じて、任意の適切なサイズの粒子を使用することが可能である。多くの場合、100ミクロン未満、好ましくは50未満またはさらには20ミクロン未満の平均粒子径を有する小粒子が使用される。1ミクロン未満、または、例えば、1〜500nm、例えば200nm未満、例えば1〜100nm、もしくはさらには10nm未満のサブミクロン粒子も想定される。他の例では、5〜50nm、または15〜75nm、100nm未満、または50〜500nmの平均粒子径を有する粒子を提供する。細長くない粒子、例えば、実質的に球形または四角い、または平らな円盤状の外観(滑らかなエッジまたは粗いエッジを有する)を有するフレークが可能であり、アスペクト比が5:1以上、又は10:1以上であるものなど、細長いウィスカー、シリンダー、ワイヤおよび他の細長い粒子も可能である。ナノワイヤまたはナノチューブの高アスペクト比は、25:1以上、50:1以上、またはさらには100:1以上とすることが可能である。ナノワイヤまたはナノチューブの平均粒子径は、長さが最大で数センチメートルと非常に長いため、最小寸法(幅または直径)を基準とする。本明細書で使用する場合、「平均粒子径」という用語は累積体積分布曲線のD50値を指し、粒子の50体積%がその値よりも小さい直径を有する。
【0072】
充填剤とシロキサンポリマーとの結合を高めるために、カップリング剤を使用することが可能である。このカップリング剤は、充填剤とポリマーとの間の接着力を増大させ、それゆえ、最終生成物の熱伝導率および/または電気伝導率を高めることが可能である。カップリング剤は、式R
13hR
14iSiR
15jを有する任意のシランモノマーとすることが可能であり、式中、R
13は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アセチルまたはアセチルオキシのような反応性基であり、R
14はアルキル基またはアリール基であり、R
15は、エポキシ、無水物、シアノ、オキセタン、アミン、チオール、アリル、アルケニルまたはアルキニルを含む官能基であり、h=0〜4、i=0〜4、j=0〜4、h+i+j=4である。カップリング剤は、最終生成物を調製する際に充填材、シロキサンポリマー、硬化剤、および添加剤と直接混ぜてもよく、充填材粒子を、粒子と混ぜる前にカップリング剤で処理してもよい。
【0073】
粒子を最終配合で使用する前にカップリング剤で処理する場合、アルコール溶液からの沈着、水溶液からの沈着、充填剤へのバルク沈着および無水液相沈着のような異なる方法を用いることが可能である。アルコール溶液からの沈着では、アルコール/水溶液を調製し、その溶液のpHをわずかに酸性(pH4.5−5.5)に調整する。この溶液にシランを加え、数分間混ぜて部分的に加水分解させる。次に、充填剤粒子を添加し、その溶液を室温から還流温度まで種々の時間混ぜる。混合後、粒子を濾過し、エタノールですすぎ、オーブン中で乾燥させてカップリング剤で表面処理された粒子を得る。水溶液からの沈着は、アルコール溶液からの沈着と比較し同様であるが、アルコールの代わりに、純水が溶媒として使用される。官能化されたアミンを使用しない場合は、酸によりpHを再び調節する。粒子を水/シラン混合物と混ぜた後、粒子を濾過し、すすぎ、乾燥させる。
【0074】
バルク堆積法とは、シランカップリング剤を水やpH調整を用いずに、溶媒と混ぜる方法である。充填剤粒子を、スプレーコーティングのような異なる方法を用いてシランアルコール溶液でコーティングし、次いでオーブン中で乾燥させる。
【0075】
無水液相沈着では、シランをトルエン、テトラヒドロフランまたは炭化水素のような有機溶媒と混ぜ、充填剤粒子をこの溶液中で還流させ、余分な溶媒を真空または濾過によって除去する。その後、オーブン中で粒子を乾燥させることもできるが、時には、それは、還流条件下での粒子と充填剤との間の直接反応のために必要でない。
【0076】
このようなシランカップリング剤の例は、いくつか挙げるなら、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、(N−トリメトキシシリルプロピル)ポリエチレンイミン、トリメトキシシリルプロピル−ジエチレントリアミン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、1−トリメトキシシリル−2(p,m−クロロメチル)フェニルエタン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(ジフェニルホスフィノ)エチルトリエトキシシラン、1,3−ジビニルテトラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザン、3−(N−スチリルメチル−2−アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、N−(トリエトキシシリルプロピル)ウレア、1,3−ジビニルテトラメチルジシラザン、ビニルトリエトキシシランおよびビニルトリメトキシシランである。
【0077】
添加される粒子のタイプに応じて、シロキサン−粒子硬化最終生成物は、最終的な熱またはUV硬化後の熱伝導率が0.5ワット/メートルケルビン(W/(m・K))より大きいような、熱伝導性の層またはパターンとなり得る。選択された粒子のタイプに応じて、より高い熱伝導率の材料が可能である。シロキサン組成物中の金属粒子は、2.0W/(m・K)より大きい、例えば4.0W/(m・K)より大きい、またはさらには10.0W/(m・K)より大きい熱伝導率を有する硬化最終フィルムとなり得る。最終用途に応じて、50.0W/(m・K)より大きい、またはさらには100.0W/(m・K)より大きいなどの、より高い熱伝導率が望ましい場合がある。しかし、他の用途では、粒子は、所望であれば、低熱伝導率を有する材料になるように選択することができる。
【0078】
また、所望であれば、最終的な硬化生成物の電気抵抗率は、1×10
−3Ω・m未満、好ましくは1×10
−5Ω・m未満、より好ましくは1×10
−7Ω・m未満など、低くすることが可能である。また、堆積される薄膜のシート抵抗は、好ましくは100000未満、より好ましくは10000未満である。しかしながら、材料の所望の最終用途のいくつかは、電気抵抗率が高い場合がある。
【0079】
ある場合には、特に、組成物が光学的特性を必要とするデバイスに適用される場合は、ある場合には最終硬化シロキサンが光学的吸収特性を有することが望ましいこともあるものの、材料が可視スペクトル(または最終デバイスが動作するスペクトル)の光に対し光透過性が高いことが望ましい、または、可視スペクトル(またはデバイスが動作するスペクトル)の光に対し反射性が高いことが望ましい可能性が高い。透明材料の例として、1〜50ミクロンの厚さを有する3D印刷物品の最終硬化層またはパターンは、それに垂直に入射する可視光の少なくとも85%を透過するか、または、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも92.5%、最も好ましくは少なくとも95%を透過するだろう。反射層の一例として、最終硬化層は、それに入射する光の少なくとも85%を反射することが可能であり、好ましくはそれに90°の角度で入射する光の少なくとも95%を反射することが可能である。
【0080】
本発明の材料はまた、安定剤および/または酸化防止剤を含有してもよい。これらの化合物は、熱、光、または原料からの残留触媒等によって誘発された酸素との反応によって引き起こされる分解から、材料を保護するために添加される。
【0081】
本明細書に含まれる適用可能な安定剤または酸化防止剤には、高分子量ヒンダードフェノールおよび硫黄とリンを含有するフェノールなどの多官能性フェノールがある。ヒンダードフェノールは当業者に周知であり、そのフェノール性ヒドロキシル基のすぐ近くに立体的に嵩高い基も含有するフェノール化合物として特徴付けることができる。特に、tert−ブチル基は、概して、フェノール性ヒドロキシル基に対してオルト位の少なくとも1つにおいてベンゼン環に置換されている。ヒドロキシル基の近くにおけるこれらの立体的に嵩高い置換基の存在は、その伸長頻度が遅くし、それに応じてその反応性を低下させるように機能し;こうして、この障害はフェノール化合物にその安定化特性を提供する。代表的なヒンダードフェノールとしては、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−ベンゼン;ペンタエリスリチルテトラキス−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート;n−オクタデシル−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート;4,4’−メチレンビス(2,6−tert−ブチル−フェノール);4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−o−クレゾール);2,6−ジ−tert−ブチルフェノール;6−(4−ヒドロキシフェノキシ)−2,4−ビス(n−オクチル−チオ)−1,3,5トリアジン;ジ−n−オクチルチオ)エチル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンゾエート;およびソルビトールヘキサ[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル)−プロピオネート]が挙げられる。酸化防止剤の市販例は、例えばBASF社製のIrganox 1035、Irganox 1010、Irganox 1076、Irganox 1098、Irganox 3114、Irganox PS800、Irganox PS802、Irgafos(登録商標) 168である。
【0082】
シロキサンポリマーと充填剤の間の重量比は、生成物の最終用途に応じて100:0〜5:95の間である。シロキサンポリマーと架橋シリコンまたは非シリコン系の樹脂もしくはオリゴマーの間の比は、100:0〜75:25の間である。シロキサンポリマー量から計算される硬化剤の量は0.1〜20%である。配合物の総量を基準とした接着促進剤の量は、0〜10%である。配合物の総重量を基準とした抗酸化剤の量は、0〜5%である。
【0083】
硬化機構および触媒の活性化のタイプに応じて、最終配合物は、材料をより高い温度に加熱することなどによって硬化することが可能である。例えば、熱酸発生剤を使用する場合、材料を特定の時間オーブン中に置く。UV光などの電磁放射線、または熱とUV光の両方を用いた硬化も可能である。
【0084】
3Dプリンタにより堆積されると、第1および第2の化合物の重合から形成されるシロキサンポリマーの分子量は、約300〜10,000g/mol、好ましくは約400〜5000g/mol、より好ましくは約500〜2000g/molである。ポリマーは、任意の所望のサイズの、好ましくは100ミクロン未満、より好ましくは50ミクロン未満、またはさらには20ミクロン未満の平均粒子径を有する粒子と組み合わせることが可能である。シロキサンポリマーは10〜90重量%で添加し、粒子は1〜90重量%で添加する。シロキサン材料の最終用途が光学的透明性を必要とする場合、粒子は、より低い重量パーセント、例えば1〜20重量%で添加されるセラミック粒子とすることができる。シロキサン材料を、導電性が望まれる場所で使用する場合、粒子は、60〜95重量%で添加される金属粒子とすることができる。
【0085】
第1および第2の化合物の重合を行い、粒子をそれに混ぜて、50〜100000mPa−sec、好ましくは1000〜75000mPa−sec、より好ましくは5000〜50000mPa−secの粘度を有する粘性流体を形成する。粘度は、ブルックフィールドまたはコール・パーマー(Cole−Parmer)粘度計などの粘度計で測定することが可能であり、これは流体試料中の円盤または円柱を回転させ、誘起された運動に対する粘性抵抗に打ち勝つために必要なトルクを測定する。回転は、1〜30rpm、好ましくは5rpm等の任意の所望の速度とすることが可能であり、好ましくは測定される材料は25℃である。
【0086】
重合後、任意の追加の所望の成分、例えば粒子、カップリング剤、硬化剤等を組成物に添加することが可能である。組成物は、容器に入れた粘性材料として顧客に輸送され、冷却または冷凍の必要なく、常温で輸送することができる。最終生成物として、材料を、堆積される各ピクセル(または体積測定ピクセル「ボクセル」)と共に熱またはUV硬化されて3D物品の固体硬化ポリマーシロキサン部分を形成するシロキサン材料と共に、追加3Dプリンタにより適用することが可能である。
【0087】
本明細書に開示する組成物は、好ましくは、実質的な溶媒をいずれも含まない。硬化剤または他の添加剤を、重合粘性材料と混ぜるために、溶媒を一時的に添加することができる。このような場合には、例えば、硬化剤を溶媒と混ぜて流体材料を形成し、次いで、これを、粘性シロキサンポリマーと混ぜることが可能である。しかしながら、実質的に溶媒を含まない組成物が、顧客への輸送と、後の顧客のデバイスへの適用に望ましいことから、一時的に添加された溶媒は乾燥チャンバ内で除去する。しかし、組成物は実質的に溶媒を含まないものの、乾燥プロセス時に除去できなかった微量の溶媒が残ることがある。この溶媒除去は、最終硬化プロセス時の収縮を減少させるとともに、デバイスの寿命期間中の経時的な収縮を最小限に抑えることによって、本明細書に開示する組成物の堆積を補助し、ならびにデバイスの寿命期間中の材料の熱安定性を補助する。
【0088】
組成物の最終用途、組成物の所望の粘度、および含まれる粒子を知って、シロキサンポリマー(出発化合物、分子量、粘度等)を微調整し、その結果、粒子および他の成分を有する組成物に組み込まれた際、後の顧客への送達向けに所望の最終特性が達成されるようにすることが可能である。組成物の安定性のために、製造から顧客による最終使用までの1週間、またはさらには1ヶ月の期間後でさえ、分子量または粘度の実質的な変化なく周囲温度で組成物を輸送することが可能である。
【実施例】
【0089】
以下のシロキサンポリマー例は、説明のために提供するものであり、限定することを意図しない。
【0090】
シロキサンポリマーの粘性係数をブルックフィールド粘度計(スピンドル14)によって測定した。ポリマーの分子量は、Agilent GPCにより測定した。
【0091】
シロキサンポリマーi:撹拌棒および還流冷却器を備えた500mL丸底フラスコに、ジフェニルシランジオール(60g、45mol%)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]トリメトキシシラン(55.67g、36.7mol%)およびテトラメトキシシラン(17.20g、18.3mol%)を充填した。フラスコを窒素雰囲気下で80℃に加熱し、メタノール1mLに溶解した水酸化バリウム一水和物0.08gをシラン混合物に滴下した。ジフェニルシランジオールがアルコキシシランと反応する間、シラン混合物を80℃で30分間撹拌した。30分後、形成されたメタノールを真空下で蒸発させた。シロキサンポリマーは1000mPasの粘度および1100のMwを有していた。
【0092】
シロキサンポリマーii:撹拌棒および還流冷却器を備えた250mL丸底フラスコに、ジフェニルシランジオール(30g、45mol%)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]トリメトキシシラン(28.1g、37mol%)およびジメチルジメトキシシラン(6.67g、18mol%)を充填した。フラスコを窒素雰囲気下で80℃に加熱し、メタノール1mLに溶解した水酸化バリウム一水和物0.035gをシランの混合物に滴下した。ジフェニルシランジオールがアルコキシシランと反応する間、シラン混合物を80℃で30分間撹拌した。30分後、形成されたメタノールを真空下で蒸発させた。シロキサンポリマーは2750mPasの粘度および896のMwを有していた。
【0093】
シロキサンポリマーiii:撹拌棒および還流冷却器を備えた250mL丸底フラスコに、ジフェニルシランジオール(24.5g、50mol%)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]トリメトキシシラン(18.64g、33.4mol%)およびテトラメトキシシラン(5.75g、16.7mol%)を充填した。フラスコを窒素雰囲気下で80℃に加熱し、メタノール1mLに溶解した水酸化バリウム一水和物0.026gをシラン混合物に滴下した。ジフェニルシランジオールがアルコキシシランと反応する間、シラン混合物を80℃で30分間撹拌した。30分後、形成されたメタノールを真空下で蒸発させた。シロキサンポリマーは7313mPasの粘度および1328のMwを有していた。
【0094】
シロキサンポリマーiv:撹拌棒および還流冷却器を備えた250mL丸底フラスコに、ジフェニルシランジオール(15g、50mol%)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]トリメトキシシラン(13.29g、38.9mol%)およびビス(トリメトキシシリル)エタン(4.17g、11.1mol%)を充填した。フラスコを窒素雰囲気下で80℃に加熱し、メタノール1mLに溶解した水酸化バリウム一水和物0.0175gをシラン混合物に滴下した。ジフェニルシランジオールがアルコキシシランと反応する間、シラン混合物を80℃で30分間撹拌した。30分後、形成されたメタノールを真空下で蒸発させた。シロキサンポリマーは、1788mPasの粘度および1590のMwを有していた。
【0095】
シロキサンポリマーv:撹拌棒および還流冷却器を備えた250mL丸底フラスコに、ジフェニルシランジオール(15g、45mol%)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]トリメトキシシラン(13.29g、35mol%)およびビニルトリメトキシシラン(4.57g、20mol%)を充填した。フラスコを窒素雰囲気下で80℃に加熱し、メタノール1mLに溶解した水酸化バリウム一水和物0.018gをシラン混合物に滴下した。ジフェニルシランジオールがアルコキシシランと反応する間、シラン混合物を80℃で30分間撹拌した。30分後、形成されたメタノールを真空下で蒸発させた。シロキサンポリマーは、1087mPasの粘度および1004のMwを有していた。
【0096】
シロキサンポリマーvi:撹拌棒および還流冷却器を備えた250mL丸底フラスコ
に、ジ−イソプロピルシランジオール(20.05g、55.55mol%)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]トリメトキシシラン(20.0g、33.33mol%)およびビス(トリメトキシシリル)エタン(7.3g、11.11mol%)を充填した。フラスコを窒素雰囲気下で80℃に加熱し、1mLのメタノールに溶解した0.025gの水酸化バリウム一水和物をシラン混合物に滴下した。
ジ−イソプロピルシランジオールがアルコキシシランと反応する間、シラン混合物を80℃で30分間撹拌した。30分後、形成されたメタノールを真空下で蒸発させた。シロキサンポリマーは150mPasの粘度および781のMwを有していた。
【0097】
シロキサンポリマーvii:撹拌棒および還流冷却器を備えた250mL丸底フラスコに、ジ−イソブチルシランジオール(18.6g、60mol%)および2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]トリメトキシシラン(17.32g、40mol%)を充填した。フラスコを窒素雰囲気下で80℃に加熱し、1mLのメタノールに溶解した0.019gの水酸化バリウム一水和物をシラン混合物に滴下した。
ジ−イソブチルシランジオールがアルコキシシランと反応する間、シラン混合物を80℃で30分間撹拌した。30分後、形成されたメタノールを真空下で蒸発させた。シロキサンポリマーは75mPasの粘度および710のMwを有していた。
【0098】
〔組成物〕
以下の組成物例は、例示のために提供するものであり、本発明を限定することを意図しない。
【0099】
組成物例1、銀充填接着剤:架橋性官能基としてエポキシを有するシロキサンポリマー(18.3g、18.3%)、平均サイズ(D50)が4マイクロメートルの銀フレーク(81g、81%)、3−メタクリレートプロピルトリメトキシシラン(0.5g、0.5%)およびKing Industries K−PURE CXC−1612熱酸発生剤(0.2%)を高せん断ミキサーを用いて混ぜた。組成物の粘度は15000mPasである。
【0100】
組成物例2、アルミナ充填接着剤:架橋性官能基としてエポキシを有するシロキサンポリマー(44.55、44.45%)、平均サイズ(D50)が0.9マイクロメートルの酸化アルミニウム(53g、53%)、3−メタクリレートプロピルトリメトキシシラン(1g、1%)、Irganox 1173(1g、1%)、およびKing Industries K−PURE CXC−1612熱酸発生剤(0.45g、0.45%)を3本のロールミルを用いて一緒に混ぜた。組成物の粘度は20000mPasである。
【0101】
組成物例3、BN充填接着剤:架橋性官能基としてエポキシを有するシロキサンポリマー(60g、60%)、平均サイズ(D50)が15マイクロメートルの窒化ホウ素板状体(35g、35%)、Irganox 1173(1.3g、1.3%)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(3.4g、3.4%)、およびKing Industries K−PURE CXC−1612熱酸発生剤(0.3g、0.3%)を3本のロールミルを用いて混ぜた。組成物の粘度は25000mPasである。
【0102】
組成物例4、半透明材料:官能基としてのメタクリレートを有するシロキサンポリマー(89g、89%)、平均サイズ(D50)が0.007マイクロメートルのヒュームドシリカ(5g、5%)、Irganox 1173(2g、2%)およびIrgacure 917光開始剤(4g、4%)を3本のロールミルを用いて混ぜた。組成物の粘度は25000mPasである。
【0103】
開示する方法および材料に照らすと、安定な組成物が形成される。組成物は、[−Si−O−Si−O]
n繰返し骨格ならびにその上にアルキル基またはアリール基および架橋性官能基を有するシロキサンポリマーである、ある部分と、シロキサン材料と混合された粒子である別の部分とを有し得、前記粒子は100ミクロン未満の平均粒子径を有し、前記粒子は、金属、半金属、半導体、またはセラミック粒子などの任意の適切な粒子である。顧客に輸送される組成物は、300〜10,000g/molの分子量および5rpm粘度計で1000〜75000mPa−secの粘度を有し得る。
【0104】
粘性(または液体)シロキサンポリマーは、−OH基を実質的に含まず、それゆえ貯蔵寿命は延ばされ、所望であれば周囲温度で保存または輸送することを可能にする。好ましくは、シロキサン材料は、FTIR分析から検出可能な−OHピークを有さない。形成されたシロキサン材料の安定性の増大によって、使用前の貯蔵が可能になり、ここにおいて、貯蔵中の粘度(架橋)の増加は最小限となり、例えば2週間で25%未満、好ましくは室温で保存された2週間で15%未満、より好ましくは10%未満である。また、保管、輸送、および後の顧客による適用は、溶媒の不在下で(溶媒を除去するための乾燥後に残っている可能性のある微量残渣は除く)すべて実行することができ、最終生成物中で後に形成される層における溶媒捕捉、重合中の収縮、デバイス使用時の経時的な質量損失等の問題を回避する。好ましくは100℃よりも大きな熱またはUV光が適用されなければ、輸送および貯蔵中に実質的な架橋が起きることはない。
【0105】
例えば、熱またはUV光の適用により、組成物が堆積され、重合されると、非常に小さい収縮または質量の減少が観察される。
図6では、x軸は時間(分)であり、左のy軸は出発質量の%換算での層の質量であり、右のy軸は摂氏温度である。
図6に見られるように、本明細書に開示するシロキサン粒子混合物を、150℃まで急速に加熱し、その後約30分間150℃で保持する。この例では、シロキサン粒子は、フェニル基およびエポキシ基を有するSi−O骨格を有し、粒子は銀粒子である。この時間の間、熱硬化後の質量損失は1%未満である。望ましくは、質量損失は典型的には4%未満であり、概して2%未満であるが、多くの場合、硬化前後のシロキサン粒子組成物の質量差は1%未満である。硬化温度は概して175℃未満であるが、より高い硬化温度も可能である。典型的には、硬化温度は160℃以下、より典型的には150℃以下である。しかし、125℃以下のようなより低い硬化温度も可能である。
【0106】
3D印刷材料が電気絶縁層、導電層、熱伝導層、透明層、光反射層、不透明層、または色付き層などとして堆積されるか否かに関わらず、いったん組成物を望むように堆積し、重合し、硬化すると、シロキサン粒子層またはパターンは熱的に非常に安定である。一例として、加熱またはUV重合による硬化後のin situ材料を600℃まで昇温速度10℃/分で加熱すると、4.0%未満、好ましくは2.0%未満、例えば1.0%未満の質量損失が200℃と300℃の両方で観測される(典型的には、200℃で0.5%未満の質量損失が観察されるか、または、200℃で0.2%未満の質量損失が観察される)。300℃では、1%未満の、または特に0.6%未満の質量損失が観察される。同様の結果は、重合した材料を200℃または300℃で1時間単に加熱するだけで観察され得る。重合した堆積材料を375℃以上で少なくとも1時間加熱することにより、1%未満の質量損失の結果が可能となる。500℃を超える温度であっても、5%以下の質量損失が観察される。そのような熱的に安定な材料、特に、低温(例えば、30分間の硬化/焼成時間で175℃未満、好ましくは150℃未満、または130℃未満)で堆積させることが可能であるか、またはUV光により重合させることが可能な、本明細書に開示のものが望ましい。
【0107】
上記から分かるように、様々な3D物品をシロキサン材料で印刷することが可能である。粒子を中に含むまたは含まない透明物品または部分もしくは物品、反射性物品、および半透明物品が可能である。加えて、電気絶縁性および電気伝導性物品、または部分もしくは物品を印刷することが可能である。屈折率が異なるような透明材料の混合物、または反射材料と透明材料の混合物を、物品の3D印刷に使用することが可能である。色も、印刷されるシロキサン材料に加えることが可能である。連続して、またはピクセルごと(ボクセルごと)に印刷することが可能である。1つのシロキサン材料(例えば、一色、または、例えば電気絶縁性)の全体を最初に印刷した後、別の色または例えば導電性を続けることも可能である。層ごとに印刷することも可能であり、この場合、最初に第1の色(または、電気絶縁性)の全てを層に印刷した後、第2の色(または導電性)の全てをその層に印刷する。より速い印刷のためには、3D印刷機の往復または回転プラットフォームが同じ領域を繰り返し移動する必要がないように、異なる材料(異なる色、異なる屈折率、異なる導電率など)を同時にまたは速やかに連続的に印刷するように、多数の印刷ヘッドを有することが望ましい。
【0108】
上記は例示的な実施形態を例示するものであり、それを限定するものとして解釈されるべきではない。いくつかの例示的な実施形態について記載したが、当業者であれば、新規な教示および利点から実質的に逸脱することなく、多くの変更が例示的な実施形態において可能であることを容易に理解するであろう。したがって、そのような変更のすべては、特許請求の範囲に規定される本発明の範囲内に含まれることが意図される。したがって、上記は、様々な例示的な実施形態を例示するものであり、開示した特定の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではなく、開示した実施形態および他の実施形態に対する変更が、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。
【0109】
以下の実施形態が特筆され得る。
【0110】
1.3D印刷物品を形成するように、導電性材料および電気絶縁性材料を同時にまたは連続的に堆積させるというステップを含み;
前記導電性材料および電気絶縁性材料は、両方とも、電磁放射または熱により堆積時に硬化するシロキサンポリマーを含む、3次元印刷プロセス。
【0111】
2.前記導電性シロキサンポリマーは熱により硬化し、前記電気絶縁性シロキサンポリマーはUV光により硬化する、実施形態1に記載のプロセス。
【0112】
3.前記導電性シロキサンポリマーは、金属粒子などの粒子を含む、実施形態1または2に記載のプロセス。
【0113】
4.前記電気絶縁性シロキサンポリマーは、窒化物粒子または酸化物粒子から選択される粒子を含む、実施形態1〜3のいずれかに記載のプロセス。
【0114】
5.前記電気絶縁性シロキサン中の粒子は、シリカ、石英、アルミナ、窒化アルミニウム、シリカで被覆された窒化アルミニウム、硫酸バリウム、三水和アルミナ、もしくは窒化ホウ素を含むか、または、前記電気絶縁性シロキサン中の粒子は、窒化物粒子であり、窒化アルミニウム、窒化タンタル、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化銅、窒化モリブデン、窒化タングステン、窒化鉄、窒化ケイ素、窒化インジウム、窒化ガリウムもしくは窒化炭素を含む、実施形態1〜4のいずれかに記載のプロセス。
【0115】
6.前記導電性シロキサン中の粒子は、金、銀、銅、白金、パラジウム、インジウム、鉄、ニッケル、アルミニウム、炭素、コバルト、ストロンチウム、亜鉛、モリブデン、チタニウム、タングステン、銀メッキ銅、銀メッキアルミニウム、ビスマス、スズ、もしくは合金、またはそれらの組み合わせを含む、実施形態1〜5のいずれかに記載のプロセス。
【0116】
7.前記導電性シロキサン内に粒子の第1群および粒子の第2群が提供され、前記第1群は、前記第2群とは平均粒子径、形、および/または組成が異なり、前記粒子の第1群は、500nm超の平均粒子径を有し、前記粒子の第2群は200nm未満の平均粒子径を有する、実施形態1〜6のいずれかに記載のプロセス。
【0117】
8.前記電気絶縁性シロキサンは、粒子の第1群および粒子の第2群を含み、前記第1群は、前記第2群とは平均粒子径、形、および/または組成が異なる、実施形態1〜7のいずれかに記載のプロセス。
【0118】
9、実施形態1〜8のいずれかに記載のプロセスにより形成される物品。
【0119】
10.電気絶縁性でシロキサンポリマー材料を含む第1部分と;
導電性でシロキサンポリマー材料を含む第2部分とを含む、3D印刷物品。
【0120】
11.前記第2部分は金属粒子を含み、前記第1部分はセラミック粒子を含む、実施形態10に記載の物品。
【0121】
12.前記電気絶縁性第1部分は、それに入射する可視光の少なくとも85%を透過する光透過性部分である、実施形態10または11に記載の物品。
【0122】
13.中に粒子の第1群と粒子の第2群を有する硬化シロキサン材料を含み、前記第1群は、前記第2群とは平均粒子径、形、または粒子材料が異なる、3D印刷物品。
【0123】
14.入射する可視光の少なくとも85%を透過する第1部分と;
入射する可視光の少なくとも85%を透過する第2部分とを含み、
前記第1部分と前記第2部分は異なる屈折率を有する、3D印刷物品。
【0124】
15.前記第1部分と第2部分は、互いに直接接触している、実施形態14に記載の物品。
【0125】
16.光透過性であり、入射する可視光の少なくとも85%を透過する第1部分を含み、前記第1部分は波長632.8nmで1.4未満の屈折率を有し、0.01未満の光複屈折を有する、3D印刷物品。
【0126】
17.前記屈折率は1.3未満であり、前記第1部分は、平均粒子径が400nm未満、例えば100nm未満などの粒子を含む、実施形態16に記載の物品。
【0127】
18.入射する可視光の少なくとも85%を透過する光透過性部分を含み、
前記部分は波長632.8nmで1.55超の屈折率を有し、0.01未満の光複屈折を有し、例えば、屈折率は1.65以上、例えば1.70〜1.95である、3D印刷物品。