(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6869991
(24)【登録日】2021年4月16日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】複合要素用の一組のパネル形状要素
(51)【国際特許分類】
F16B 5/07 20060101AFI20210426BHJP
F16B 12/06 20060101ALI20210426BHJP
A47B 47/00 20060101ALI20210426BHJP
A47B 96/20 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
F16B5/07 K
F16B12/06
A47B47/00
A47B96/20 B
A47B96/20 E
【請求項の数】14
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-540125(P2018-540125)
(86)(22)【出願日】2017年2月9日
(65)【公表番号】特表2019-510172(P2019-510172A)
(43)【公表日】2019年4月11日
(86)【国際出願番号】SE2017050125
(87)【国際公開番号】WO2017138875
(87)【国際公開日】20170817
【審査請求日】2020年2月5日
(31)【優先権主張番号】1650158-7
(32)【優先日】2016年2月9日
(33)【優先権主張国】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】504033441
【氏名又は名称】ベーリンゲ、イノベイション、アクチボラグ
【氏名又は名称原語表記】VAELINGE INNOVATION AB
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【弁理士】
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン、ブー
【審査官】
鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−255497(JP,A)
【文献】
特表平11−510869(JP,A)
【文献】
特開2006−102322(JP,A)
【文献】
実開昭60−025437(JP,U)
【文献】
仏国特許出願公開第02602013(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 5/00, 5/07,
5/10,
12/00− 12/60
A47B 96/04, 96/06,
96/07, 47/00,
96/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1パネル形状要素(1)と、第2パネル形状要素(2)と、第3パネル形状要素(3)とを備える、複合要素に組み立てられる一組のパネル形状要素であって、
前記第1パネル形状要素(1)は、当該第1パネル形状要素の長手方向に延びる第1側面(4)及び対向する第2側面(4)と、前記第1側面(4)から前記第2側面(5)に向かって前記第1パネル形状要素(1)を貫通して少なくとも部分的に延びる少なくとも1つの凹部(6a、6b)と、を備え、
前記第2パネル形状要素(2)は、その端部のうちの一方に第1賦形部分(9)を備え、前記第1賦形部分は、前記凹部(6a、6b)に前記第1パネル形状要素(1)の前記第1側面(4)から延び入るように構成され、
前記第3パネル形状要素(3)は、その端部のうちの一方に第2賦形部分(10)を備え、前記第2賦形部分(10)は、前記凹部(6a、6b)に前記第1パネル形状要素(1)の前記第2側面(5)から延び入るとともに、前記第1賦形部分(9)と係止係合するように構成され、
前記第1賦形部分(9)は、先端部分(14)と、基端部分(15)とを備え、前記基端部分(15)は、前記第2パネル形状要素の長手方向において、前記第1賦形部分の前記先端部分より前記第2パネル形状要素の中央に近接して配置され、
前記第2賦形部分(10)は、先端部分(16)と、基端部分(17)とを備え、前記基端部分(16)は、前記第3パネル形状要素の長手方向において、前記第2賦形部分の前記先端部分より前記第3パネル形状要素の中央に近接して配置され、
前記一組のパネル形状要素を組み立てた時、前記第2賦形部分の前記先端部分は、前記第1賦形部分の前記基端部分に当接するように構成される、
一組のパネル形状要素。
【請求項2】
前記第1賦形部分及び前記第2賦形部分のそれぞれは、前記第1及び第2賦形部分(9、10)の他方と嵌め合い係合するようなサイズを有して構成される係止部材(7、8)を有するタングを形成し、
各係止部材は、前記第2パネル形状要素及び前記第3パネル形状要素それぞれの長手方向において、非平坦形状を有し、
前記第2パネル形状要素の前記係止部材(7)及び前記第3パネル形状要素の前記係止部材(8)は、相補的な非平坦形状を有するとともに、前記凹部(6a、6b)に受容された時に対向方向において対面する、
請求項1に記載の一組のパネル形状要素。
【請求項3】
前記一組のパネル形状要素が組み立てられる際に、前記第2賦形部分が前記第1賦形部分に対して角度を成して係合するように、前記第2賦形部分(10)の下面(13)は、前記第3パネル形状要素の長手方向に対して非ゼロの角度で角度を成す、
請求項1又は2に記載の一組のパネル形状要素。
【請求項4】
前記第1賦形部分の前記先端部分(14)は、前記第2パネル形状要素の長手方向に面する端面(18)を備え、且つ、前記第3パネル形状要素は、前記第2賦形部分の前記基端部分(17)に端面(19)を備え、
前記第1賦形部分の前記先端部分の前記端面(18)は、前記第3パネル形状要素の前記端面(19)に前記第2賦形部分の前記基端において当接するように構成される、
請求項1に記載の一組のパネル形状要素。
【請求項5】
前記一組のパネル形状要素を組み立てる第1位置において、前記第1賦形部分の前記先端部分の前記端面(18)の頂端部が、前記第3パネル形状要素の前記端面(19)に、前記第2賦形部分の前記基端部分(17)において当接し、且つ前記第1賦形部分の前記基端部分(15)は、前記第2賦形部分の前記先端部分(16)から離間しており、
前記第3パネル形状要素は、前記第1位置から第2位置へ角度を成して移動するように構成され、
前記第2位置において、前記第1賦形部分の前記先端部分の前記端面(18)は、前記第3パネル形状要素の前記端面(19)に前記第2賦形部分の前記基端部分(17)において当接し、且つ、前記第1賦形部分の前記基端部分(15)は、前記第2賦形部分の前記先端部分(16)に当接する、
請求項4に記載の一組のパネル形状要素。
【請求項6】
前記第3パネル形状要素を前記第1位置から前記第2位置に角度を成して移動させた時、前記第1賦形部分の前記先端部分と前記基端部分との間の第1表面(20)が、前記第2賦形部分の前記先端部分と前記基端部分との間の第2表面(21)に当接するように構成される、
請求項5に記載の一組のパネル形状要素。
【請求項7】
前記第1賦形部分(9)及び前記第2賦形部分(10)の、前記第2パネル形状要素及び前記第3パネル形状要素それぞれの長手方向を横断する全幅(W)が、前記第1パネル形状要素(1)の長手方向における前記凹部(6a、6b)の幅と実質的に一致する、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の一組のパネル形状要素。
【請求項8】
前記第1賦形部分(9)は、少なくとも1つの部分(22a、22b、22c)を有し、
前記少なくとも1つの部分(22a、22b、22c)は、前記第1パネル形状要素(1)の少なくとも1つの支持凹部(23a、23b、23c)に延び入るように構成されるとともに、前記支持凹部(23a、23b、23c)の幅に実質的に一致する幅を有する、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の一組のパネル形状要素。
【請求項9】
前記支持凹部(23a、23b、23c)は、前記第1パネル形状要素を貫通して延びる前記凹部の少なくとも1つの横側に配置され、前記凹部において部分的に延びる、
請求項8に記載の一組のパネル形状要素。
【請求項10】
第1パネル形状要素(1)を準備する工程であって、前記第1パネル形状要素(1)は、当該第1パネル形状要素の長手方向に延びる第1側面(4)及び対向する第2側面(5)と、前記第1側面から前記第2側面に向かって前記第1パネル形状要素を貫通して少なくとも部分的に延びる少なくとも1つの凹部(6a、6b)とを有する工程と、
第2パネル形状要素(2)の一端部における第1賦形部分(9)を、前記凹部(6a、6b)に前記第1パネル形状要素(1)の前記第1側面(4)から、前記第1賦形部分(9)が前記凹部(6a、6b)に延び入るように挿入する工程と、
第3パネル形状要素(3)の一端部における第2賦形部分(10)を、前記凹部(6a、6b)に前記第1パネル形状要素(1)の前記第2側面(5)から、前記第2賦形部分(10)が前記凹部(6a、6b)に延び入るように挿入する工程と、
前記第2賦形部分(10)を移動させて前記第1賦形部分に係止係合する工程と、
を備え、
前記第1賦形部分(9)は、先端部分(14)と、基端部分(15)とを備え、前記基端部分(15)は、前記第2パネル形状要素の長手方向において、前記第1賦形部分の前記先端部分より前記第2パネル形状要素の中央に近接して配置され、
前記第2賦形部分(10)は、先端部分(16)と、基端部分(17)とを備え、前記基端部分(16)は、前記第3パネル形状要素の長手方向において、前記第2賦形部分の前記先端部分より前記第3パネル形状要素の中央に近接して配置され、
前記一組のパネル形状要素を組み立てた時、前記第2賦形部分の前記先端部分は、前記第1賦形部分の前記基端部分に当接する一組のパネル形状要素を組み立てる方法。
【請求項11】
前記第2賦形部分(10)を、前記第3パネル形状要素(3)の角度を成す移動によって移動させて前記第1賦形部分(9)に係止係合させ、前記第1賦形部分の先端部分の端面を、前記第3パネル形状要素の端面に当接させる工程を備える、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2賦形部分の先端部分が前記第1賦形部分の基端部分に当接するまで、前記第2賦形部分(10)を移動させる工程を備える、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第3パネル形状要素(3)を、非係止位置から角度を成す移動によって移動させて前記第1賦形部分(9)に係止係合させ、前記第1賦形部分の第1表面を前記第2賦形部分(10)の第2表面に当接させて、これにより、前記第1賦形部分(9)を、前記第1パネル形状要素に対して実質的に直交する方向において前記第3パネル形状要素(3)に向かって変位させ、且つ、前記第3パネル形状要素(3)を、前記第1パネル形状要素に対して実質的に直交する方向において前記第2パネル形状要素に向かって変位させる工程を備える、
請求項10乃至12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1賦形部分(9)を前記凹部(6a、6b)に挿入する工程は、前記凹部に、当該凹部の幅と実質的に一致する幅(W)を有する前記第1賦形部分(9)の一部分を挿入する工程を備える、
請求項10乃至13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、複合要素に組み立てられ得る一組のパネル形状要素に関する。より具体的には、一組のパネル形状要素は、第1パネル形状要素と、第2パネル形状要素と、第3パネル形状要素と、を備える。第2パネル形状要素及び第3パネル形状要素は、3つのパネル形状要素の全てが一体に係止され得るように、第1パネル形状要素の凹部内で係止係合状態に係止され得る係止部材を備える。本発明の方法の実施形態によれば、一組のパネル形状要素は、第3パネル形状要素を第2パネル形状要素に対して係止係合状態になるように移動させて、これらを第1要素に係止し得ることによって組み立てられ得る。
【背景技術】
【0002】
棚、引出、キャビネット、又はテーブル等の従来的な家具製品は、複数の鉛直方向及び水平方向要素、すなわちパネルから構成され得る。これらのパネルは、例えばWO2010/070472号に開示されたような機械的係止システムによって組み立てられ得る。機械的係止システムは、第1パネルに可撓性部材を備え、この可撓性部材は第2パネルの賦形が施された部分に嵌合する。
【0003】
状況によって、WO2010/070472号の
図62乃至65に記載のように、製品が、中間壁を形成する要素であって、壁の各側に実質的に垂直に延在する要素を有する要素を備えることが望ましい場合がある。ここで、単数又は複数の接続片が、中間壁に対する各連結のために設けられる。したがって、3つの要素の3つの賦形部分を受容するように、3つの別箇の溝を有する接続片が必要である。これらの要素は、従来の態様で装着される棚用の支持体として使用され得る。追加される接続片によって製品のコストが増加するとともに、更なる部材が製品に導入されるために製品が不安定になり得る。複合要素用の要素を製造する時間も長くなる。
【0004】
組み立てられた製品が安定性及び剛性を有することが望まれている。状況によって、製品を容易に組み立てること、且つ、催し物やその他のイベントのために組み立てた後に、再使用され得るように分解又は解体することが望まれる。更に、製品は安定性を有するとともに、組立及び分解が容易であるべきであり、製造に対する時間及び費用効率が良好なものでなくてはならない。
【0005】
本発明の実施形態は、パネル形状要素から構成される複合製品であって、剛性があり、組立及び/又は解体が容易であり、及び/又は効率的に製造され、これにより時間を節約しコストを削減し得る複合製品に対する広く認識された要求に取り組むものである。
【発明の概要】
【0006】
したがって、好適には、本発明の実施形態は、複合要素用の一組のパネル形状要素、及びこのような一組のパネル形状要素を複合部品に組み立てる方法を提供することにより、上述のような公知技術の欠陥、デメリット、又は問題の一つ又は複数を単独で又は組み合わせて緩和、軽減、又は解消することを目指す。
【0007】
実施形態は、複合要素に組み立てられる一組のパネル形状要素を備え得る。この一組は、第1パネル形状要素と、第2パネル形状要素と、第3パネル形状要素とを備え得る。前記第1パネル形状要素は、当該第1パネル形状要素の長手方向に延びる第1側面及び対向する第2側面と、前記第1側面から前記第2側面に向かって前記第1パネル形状要素を貫通して少なくとも部分的に延びる少なくとも1つの凹部と、を備える。前記第2パネル形状要素は、その端部のうちの一方に第1賦形部分を備える。前記第1賦形部分は、前記凹部に前記第1パネル形状要素の前記第1側面から延び入るように構成される。前記第3パネル形状要素は、その端部のうちの一方に第2賦形部分を備える。前記第2賦形部分は、前記凹部に前記第1パネル形状要素の前記第2側面から延び入るとともに、前記第1賦形部分と係止係合する(互いに嵌め込まれ且つかみ合う)ように構成される。
【0008】
前記第1賦形部分及び前記第2賦形部分のそれぞれは、前記第1及び第2賦形部分の他方と嵌め合い係合するようなサイズを有して構成される係止部材を有するタングを形成し得る。各係止部材は、前記第2パネル形状要素及び前記第3パネル形状要素それぞれの長手方向において、非平坦形状を有し得る。前記第2パネル形状要素の前記係止部材及び前記第3パネル形状要素の前記係止部材は、相補的な非平坦形状を有し得るとともに、前記凹部に受容された時に対向方向において対面し得る。
【0009】
前記一組のパネル形状要素が組み立てられる際に、前記第2賦形部分が前記第1賦形部分に対して角度を成して係合するように、前記第2賦形部分の下面は、前記第3パネル形状要素の長手方向に対して非ゼロの角度で角度を成し得る。
【0010】
前記第1賦形部分は、先端部分と、基端部分とを備え得る。前記基端部分は、前記第2パネル形状要素の長手方向において、前記第1賦形部分の前記先端部分より前記第2パネル形状要素の中央に近接して配置される。前記第2賦形部分は、先端部分と、基端部分とを備え得る。前記基端部分は、前記第3パネル形状要素の長手方向において、前記第2賦形部分の前記先端部分より前記第3パネル形状要素の中央に近接して配置される。前記一組のパネル形状要素を組み立てた時、前記第2賦形部分の前記先端部分は、前記第1賦形部分の前記基端部分に当接するように構成され得る。
【0011】
前記第1賦形部分の前記先端部分は、前記第2パネルの長手方向に面する端面を備え得る。前記第3パネルは、前記第2賦形部分の前記基端部分に端面を備え得る。前記第1賦形部分の前記先端部分の前記端面は、前記第3パネルの前記端面に前記第2賦形部分の前記基端において当接するように構成され得る。
【0012】
前記一組のパネル形状要素を組み立てる第1位置において、前記第1賦形部分の前記先端部分の前記端面の頂端部が、前記第3パネルの前記端面に、前記第2賦形部分の前記基端部分において当接し得る。前記第1賦形部分の前記基端部分は、前記第2賦形部分の前記先端部分から離間し得る。前記第3パネルは、前記第1位置から第2位置へ角度を成して移動するように構成され得る。前記第2位置において、前記第1賦形部分の前記先端部分の前記端面は、前記第3パネルの前記端面に前記第2賦形部分の前記基端において当接し、且つ、前記第1賦形部分の前記基端部分は、前記第2賦形部分の前記先端部分に当接する。
【0013】
前記第3パネル形状要素を前記第1位置から前記第2位置に角度を成して移動させた時、前記第1賦形部分の前記先端部分と前記基端部分との間の第1表面が、前記第2賦形部分の前記先端部分と前記基端部分との間の第2表面に当接するように構成され得る。
【0014】
前記第1賦形部分及び前記第2賦形部分の、前記第2パネル形状要素及び前記第3パネル形状要素それぞれの長手方向を横断する全幅が、前記第1パネル形状要素の長手方向における前記凹部の幅と実質的に一致し得る。
【0015】
前記第1賦形部分は、少なくとも1つの部分を有し得る。前記少なくとも1つの部分は、前記第1パネル形状要素の少なくとも1つの支持凹部に延び入るように構成されるとともに、前記支持凹部の幅に実質的に一致する幅を有し得る。
【0016】
前記支持凹部は、部分的にのみ前記第1パネル形状要素を貫通して延び得る。また、前記支持凹部は、前記第1パネル形状要素を貫通して延びる前記凹部の少なくとも1つの横側に配置され得る。
【0017】
実施形態は、一組のパネル形状要素を組み立てる方法を備え得る。前記方法は、第1パネル形状要素を準備する工程であって、前記第1パネル形状要素は、当該第1パネル形状要素の長手方向に延びる第1側面及び対向する第2側面と、前記第1側面から前記第2側面に向かって前記第1パネル形状要素を貫通して少なくとも部分的に延びる少なくとも1つの凹部とを有する工程と、第2パネル形状要素の一端部における第1賦形部分を、前記凹部に前記第1パネル形状要素の前記第1側面から、前記第1賦形部分が前記凹部に延び入るように挿入する工程と、第3パネル形状要素の一端部における第2賦形部分を、前記凹部に前記第1パネル形状要素の前記第2側面から、前記第2賦形部分が前記凹部に延び入るように挿入する工程と、前記第2賦形部分を移動させて前記第1賦形部分に係止係合する工程と、を備え得る。
【0018】
前記第2賦形部分を、前記第3パネルの角度を成す移動によって移動させて前記第1賦形部分に係止係合させ得ると、前記第1賦形部分の先端部分の端面が、前記第3パネル形状要素の端面に当接する。
【0019】
前記第2賦形部分の先端部分が前記第1賦形部分の基端部分に当接するまで、前記第2賦形部分は移動され得る。
【0020】
前記第1賦形部分は、前記第1パネル形状要素に対して実質的に直交する方向において前記第3パネル形状要素に向かって変位され得る。前記第3パネル形状要素を、非係止位置から角度を成す移動によって移動させて前記第1賦形部分に係止係合する間に、前記第3パネル形状要素は、前記第1パネル形状要素に対して実質的に直交する方向において前記第2パネル形状要素に向かって変位され得る。
【0021】
前記第1賦形部分を前記凹部に挿入する工程は、前記凹部に、当該凹部の幅と実質的に一致する幅を有する前記第1賦形部分の一部分を挿入する工程を備えてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態は、効率的に複合要素に組み立てられる一組のパネル形状要素を提供する。複合要素を得るために必要な個々の部品点数が削減されるため、パネル形状要素は組立及び解体が容易であり、時間及びコストの節約になる。更に、別箇の部品を使用することなくパネル形状要素を係止するため、複合要素の安定性が高くなる。また、比較的緊密な嵌合を以て作製されるため、安定性が向上する。
【0023】
本明細書で使用される場合の「備える/備え」という用語は、記載の特徴、整数、工程又は部品の存在を特定するものであるが、単数又は複数の他の特徴、整数、工程、部品又はそれらのグループの存在や付加を除外するものではない。
【0024】
本発明の実施形態が実現可能なこれらの及び他の態様、特徴、及び利点が、添付図面を参照しつつなされる本発明についての以下の説明から明瞭且つ明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】組立状態にある一組のパネル形状要素の斜視図。
【
図2】分解状態にある一組のパネル形状要素のうちの2つの斜視図。
【
図3】2つの鉛直方向側方支持体の間に装着された一組のパネル形状要素の斜視図。
【
図4c】それぞれの係止部材が係合状態にある水平方向パネル形状要素の側面図。
【
図4d】係合状態にある係止部材の詳細を示す
図4cの一部の拡大側面図。
【
図5a】係止部材を受容するための凹部を有する鉛直方向パネル形状要素の斜視図。
【
図5b】係止部材を受容するための凹部及び支持凹部を詳細に示す
図5aの一部の拡大斜視図。
【
図5c】それぞれの係止部材が係合状態にある水平方向パネル形状要素の斜視図。
【
図5d】それぞれの係止部材が係合状態にある水平方向パネル形状要素を詳細に示す
図5cの一部の拡大斜視図。
【
図6a】パネル形状要素を複合要素に組み立てる方法を示す一組のパネル形状要素の側面図。
【
図6b】パネル形状要素を複合要素に組み立てる方法を示す一組のパネル形状要素の側面図。
【
図6c】パネル形状要素を複合要素に組み立てる方法を示す一組のパネル形状要素の側面図。
【
図7a】鉛直方向パネル形状要素の凹部において非係合位置から係合位置への組立中の、各水平方向パネル形状要素の係止部材の係合を示す側面図。
【
図7b】鉛直方向パネル形状要素の凹部において非係合位置から係合位置への組立中の、各水平方向パネル形状要素の係止部材の係合を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の特定の実施形態を、添付図面を参照しつつ説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態において具現化され得るものであり、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が完全且つ完璧であるように提供され、当業者に本発明の範囲を十分に伝達するであろう。添付図面に記載の実施形態の詳細な説明において使用される技術用語は、本発明を限定することを意図しない。図面において、同様の数字が同様の要素に付される。
【0027】
本発明の説明は、水平方向パネル形状要素が鉛直方向パネル形状要素に対して垂直に配設される例として、棚用の鉛直方向及び水平方向のパネル形状要素についてなされる。しかしながら、本発明は、厳密に棚に限定されるものではなく、ボックス、引出、キャビネット、テーブル等、又はこれらの一部を構成するように、2つのパネル形状要素が他のパネル形状要素の各面に対して非垂直に配設され得る他のタイプの複合要素に容易に適合され得ることを記銘されたい。
【0028】
図1は、第1パネル形状要素1と、第2パネル形状要素2と、第3パネル形状要素3とを有する一組のパネル形状要素を示す。以下において、これらの要素を、第1パネル、第2パネル、及び第3パネルとそれぞれ称する。第1パネル1は、例えば棚又はキャビネットの中間壁である、棚の垂直方向壁又は支持体等の鉛直方向要素を形成し得る。第2及び第3パネル2、3は、第1パネル1の各側面に配設される棚等の水平方向要素を形成し得る。以下において、第1パネル1を、一組のパネル形状要素の鉛直方向パネルとして説明する。しかしながら、一組のパネル形状要素は、第1パネル1に対応する任意数のパネル、すなわち以下に記載のように、第2パネル2及び第3パネル3を支持するように構成される任意数のパネルを備え得る。同様に、以下の説明において、第2パネル2及び第3パネル3を一組のパネル形状要素の垂直方向パネルとして説明する。しかしながら、一組のパネル形状要素は、第2パネル2及び第3パネル3に対応する任意数のパネルを備え得る。
図1において、パネル1−3は、複合要素に組み立てられている。
【0029】
図2は、分解状態にある第1パネル1及び第2パネル2を示す。一般的に、第2パネル2及び第3パネル3のそれぞれは、係止機構の少なくとも1つの部材を備える。この部材は、他方のパネル2、3の係止部材が存在しない時、第1パネル1に移行嵌合によって嵌合し得る。しかしながら、3つのパネル1‐3が組み立てられる際、
図1に示すように第2及び第3パネル2、3の係止部材が第1パネル1に完全に係合すると、第2及び第3パネル2、3の係止部材は、第1パネル1に対する当初の移行嵌合状態から干渉又は圧力嵌合状態にされ得る。これについては、
図7a‐7bを参照して以下に更に説明する。
【0030】
図1‐2に示すように、第1パネル1は、第1側面4と、第1側面4に対向する第2側面5とを備える。第1側面面4と第2側面面5とは、平行であり得るとともに、第1パネル1の長手方向において延び得る。少なくとも1つの凹部6a、6bが、第1側面4から第2側面5に向かって第1パネル1を貫通して少なくとも部分的に延びる。「貫通して少なくとも部分的に延びる」とは、凹部6a、6bの少なくとも一部が、第1側面4から第2側面5に向かって第1パネル1を完全に貫通して延びることを意味する。いくつかの実施形態において、以下で更に説明するように、凹部6a、6bの別の一部のみが、第1パネル1を部分的に貫通して延びる。少なくとも1つの壁が凹部において第1側面4及び第2側面5のそれぞれから形成されるように、単数又は複数の部分のみが、第1側面4及び第2側面5のそれぞれから第1パネル1を部分的に貫通して延び得る。このような壁は、第1パネル1を完全に貫通して延びる凹部の横側の間に、及び横側に設けられ得る。これにより、複合製品の安定性及び第1パネル1の剛性が良好となる。
【0031】
図3は、棚の内部で構成された一組のパネル形状要素を示し、第2パネル2及び第3パネル3が、鉛直方向端部又は側方支持体に接続されている。第1パネル1は、中間支持体を形成している。本明細書に記載の実施形態による一組のパネルは、任意数の鉛直方向パネルを有して延び得る。これにより、棚ユニットの長さ及び個数が要望通りに延長される。鉛直方向及び水平方向パネルが、一組のパネル形状要素に、簡単に付加され得る。したがって、本発明の実施形態は、非常に適応性が高い。鉛直方向側方支持体は、WO2012/154113号の例えば
図1a‐1cに記載の係止システムを使用して第2パネル2又は第3パネル3に接続され得る。本文献は、参照により、全ての目的のために本明細書に組み込まれる。これに加えて又はこれに代えて、本発明の係止システムが、第2パネル2又は第3パネル3を、鉛直方向側方支持体に接続するために使用され得る。鉛直方向側方支持体は、上述のように、単数又は複数の凹部6a‐6cを備え得る。第2又は第3パネル2、3を係止するように、プラグが、一端部に、第1賦形部分9又は第2賦形部分10を備え得る。プラグが凹部6a‐6cに挿入されると、他端部は、鉛直方向側方支持体の側面と同一平面となり得る。したがって、本発明の意味において、プラグは、多少短いがパネル形状要素であり得る。プラグは、実質的に凹部6a‐6bを越えて延びない。プラグが第2パネル2又は第3パネルのいずれかを係止すべきかに応じて、それは賦形部分8、9の前か後に、本明細書の実施形態に関して説明されたのと同様の態様において、挿入される。
【0032】
図4a‐4bは、単独のパネルを示す。パネルは、当該パネルの一端部における第1係止部材7と、当該パネルの他の端部における第2係止部材8とを有している。別のパネルに配設された時、第1係止部材7は第2係止部材8に係合するように設計され、逆もまた同様である。したがって、単独のパネルが、第2パネル2又は第3パネル3のいずれとしても使用され得る。他の実施形態において、第2パネル2のみが第1係止部材7を備え、第3パネル3のみが第2係止部材8を備える。このようなパネルは、鉛直方向端部支持体に係止するように使用され得る。以下において、第1係止部材7を有する第2パネル2と、第2係止部材8を有する第3パネル3について言及がなされる。しかしながら、説明はされないが、相補的な係止部材が他端部に設けられ得る。したがって、以下では、係止部材7、8を別箇のパネルの一部を形成するものとして説明するが、それらは、同一パネルの対向する端部に設けられ得る。
【0033】
図4c‐4dに示すように、第2パネル2の第1係止部材7は、第1賦形部分9を、その端部のうちの一方に備える。第1賦形部分9は、凹部6a‐6bに第1パネル1の第1側面4から延び入るように構成される。第3パネル3の第2係止部材8は、第2賦形部分10を、その端部のうちの一方に備える。第2賦形部分10は、凹部6a‐6bに第1パネル1の第2側面4から延び入るように構成される。
図4c‐4dに示すように、第2賦形部分10は、第1賦形部分9と係止係合するように構成される。したがって、第1賦形部分9及び第2賦形部分10が凹部6a‐6bに配設されると接合部が形成され、これにより、第2パネル及び第3パネルは、これらのパネル2、3の長手方向軸において分離され得なくなる。
【0034】
第1賦形部分9及び第2賦形部分10の、第2パネル及び第3パネルそれぞれの長手方向を横断する全幅Wが、第1パネル1の長手方向軸に対して平行に測定される凹部6a、6bの幅に実質的に一致し得る。したがって、第1賦形部分9が第2賦形部分10に係合配置されると、第2パネル2及び第3パネル3は、少なくとも第2パネル2及び第3パネル3の長手方向軸に対して直交する方向において、凹部6a、6b内で係止され得る。
【0035】
図4dは、第1賦形部分9及び第2賦形部分10のそれぞれがタングを形成している実施形態を示す。各タングは、係止部材7、8を備え得る。
図4dに示すように、第1賦形部分9及び第2賦形部分10は、第1賦形部分9及び第2賦形部分10の他方と嵌め合い係合するようなサイズを有して構成されている。本実施形態において、各係合部材7、8は、第2パネル2及び第3パネル3それぞれの長手方向において非平坦形状を有する。第2パネル2の係止部材9及び第3パネルの係止部材10は、相補的な非平坦形状を有するとともに、凹部6a、6bに受容された時に対向方向において対面する。したがって、係止部材9、10は、少なくとも第2パネル2及び第3パネルの長手方向において、凹部6a、6b内で係止係合状態に係合する。また、係止部材9、10の全幅Wは、上述のように、凹部6a、6bの幅に実質的に一致し得る。こうして、係止部材9、10は、第2パネル2及び第3パネル3の長手方向に対して垂直な方向においても係止される。
【0036】
他の実施形態において、係止部材は、別の形状を有し得る。例えば、一方が凸部であり、他方がスナップ嵌め係合に適する凹部である。
【0037】
図4dの実施形態において、第2賦形部分10の下面13は、第3パネル形状要素3の長手方向に対して非ゼロの角度Aで角度を成している。例えば、角度Aは、約20乃至約70度、例えば約35乃至約55度、例えば約45度であり得る。これにより、一組のパネル形状要素が組み立てられる時に、第2賦形部分10の第1賦形部分9に対する角度を成す係合が提供される。角度を成す移動を利用するパネルの組立については、
図7a‐7bを参照して更に説明する。
【0038】
第1賦形部分9は、先端部分14と、基端部分15とを備える。基端部分15は、第2パネル2の長手方向において、第1賦形部分9の先端部分14より第2パネル2の中央に近接して配置される。換言すれば、第1パネル1に組み付けられた時、基端部分15は、先端部分14より、第1パネル1の第1側面4に近接して配置される。同様に、第2賦形部分10は、先端部分16と、基端部分17とを備える。基端部分17は、第3パネル3の長手方向において、第2賦形部分10の先端部分16より第3パネル3の中央に近接して配置される。換言すれば、第1パネル1に組み付けられた時、基端部分17は、先端部分16より、第1パネル1の第2側面5に近接して配置される。第2賦形部分10の先端部分16は、一組のパネル形状要素が組み立てられた時、第1賦形部分9の基端部分15に当接するように構成される。
【0039】
第1賦形部分9と第2賦形部分10との接触面に対して平行な断面で見ると、各賦形部分9、10の先端部分14、16は凸部を形成し得るとともに、基端部分15、17は凹部を形成し得る。これにより、係止構成が提供される。
【0040】
更に、第1賦形部分9の基端部分15及び第2賦形部分10の先端部分16は、第2パネル2及び第3パネル3それぞれの長手方向に対して直交する方向において、凹部6a、6bよりわずかに大きいサイズを有して構成される。これは、第2賦形部分10の先端部分16が第1賦形部分9の基端部分15を押圧し、凹部6a、6bにおいて圧力嵌合係止構成が形成され得ることを意味する。したがって、安定した係止構成が提供される。したがって、上述のように凹部6a、6bの幅に実質的に一致する全幅Wは、全幅W及び凹部の幅が、高すぎる圧力によって第1パネル1に損傷を与えることのない圧力嵌合を提供するように寸法決めされている実施形態を含む。寸法決めは、例えばパネルの相対的寸法や厚さ、パネルの材料等に応じて変更される。
【0041】
角度を成している下面13は、第2賦形部分10の先端部分16の外側端部から基端部分17に向かって延び得る。基端部分17の一部は、凹部6a、6bに対面し得るとともにこれに平行であり得る。これにより、基端部分17の一部の凹部6a、6n内での支持が提供され、更に一組のパネル形状要素の組立のための第3パネルの角度を成す移動が提供される。凹部6a、6bに対面する第1賦形部分9の全面が、凹部6a、6に対して実質的に平行、又は平行であり得る。これにより、凹部6a、6bの対向面に対する更なる圧力が提供され、こうして第1パネル1に損傷を与えるリスクのない安定した圧力嵌合接続が形成され得る。
【0042】
図4d及び7a‐7bに示すようないくつかの実施形態において、第1賦形部分9の先端部分14は、第2パネル2の長手方向に対面する端面18を備える。第3パネル3は、第2賦形部分10の基端17において、端面19を備える。第1賦形部分9の先端部分14の端面18は、第3パネルの端面19に第2賦形部分10の基端17において当接するように構成される。第3パネル3を、
図7aに示す第1位置から、
図7bに示す第2位置に角度を成して移動させると、
図7aに示すように、第1賦形部分9の先端部分14と基端部分15との間の第1側面20が、第2賦形部分10の先端部分16と基端部分17との間の第2側面21に係合し得る、又は当接し得る。したがって、第1賦形部分9の先端部分14の端面18の第2パネル3の端面19に対する当接によって、第2パネル及び第3パネル3は、比較的固定された関係を第1位置において有し得る。各基端部分15、17と先端部分14、16との間の面20、21は、第2パネル2及び第3パネル3の長手方向軸に対して非平行である。第3パネル3を第2位置に向けて角度を成して移動させる際の各基端部分15、17と先端部分14、16との間の第1側面20と第2側面21との係合により、第2パネル2は第3パネル3に押し付けられ、逆もまた同様である。したがって、安定した係止構成が提供される。パネルは互いに向けて押し付けられ得るため、パネル同士の嵌め合いも緊密となり得る。
【0043】
図4a及び5a‐bに示すようないくつかの実施形態において、第1賦形部分9は、第1パネル1の少なくとも1つの支持凹部23a、23b、23cに延び入るように構成される少なくとも1つの部分22a、22b、22cを有する。第1賦形部分9の少なくとも1つの部分22a‐22cは、支持凹部23a‐23cの幅に実質的に一致する幅を有する。少なくとも1つの部分22a‐22c及び支持凹部23a‐23cは、干渉又は圧力嵌合を目的としたサイズを有して構成され得る。したがって、第1賦形部分9は、凹部6a、6b内における実質的に固定された関係を以て凹部6a、6b内で支持され得る。これにより、安定した係止構成が提供される。また、パネル1‐3の組立がより容易とされ得る。なぜならば、安定した複合製品を形成するように、第1パネル1及び第2パネル2を最初に組み付け得るとともに、次いで第3パネル3を使用して3つのパネル全てを一体に係止するからである。
【0044】
図5bに示すように、支持凹部23a‐23cは、部分的にのみ第1パネル1を貫通して延び得る。また、それは、凹部6a、6bの少なくとも1つの横側に配置されて、第1パネル1を貫通して延び得る。単独の水平方向パネルについて、第1パネル1を通過する第1凹部6aと第1パネル1を通過する別の凹部6cとの間に位置する支持凹部23bは、第1凹部6aと別の凹部6cとの間の壁を形成し得る。これにより、安定した係止構成が提供される。
図2に示すように、単独の水平方向パネルの第1賦形部分9の別箇のタングが、第1凹部6a及び別の凹部6cのそれぞれに嵌合し得る。
【0045】
図5c‐5dに、第2賦形部分10と係止係合状態にある第1賦形部分9が示される。第2賦形部分10の少なくとも1つの部分24a、24b、24cは、支持凹部23a‐23cに対応する、第1パネルの第2側面5から延びる支持凹部に延び入るように構成され得る。しかしながら、第2側面5からの支持凹部の高さは、第1側面4からの支持凹部の高さよりも低くてもよい。これにより、第2賦形部分10の基端部分17の製造が容易となる。これは、支持凹部内に延び入って安定した係止構成を形成するように使用されるべき部分24a‐24cとともに一回の動作で提供され得る。したがって、基端部分17の形状と、第1パネルの第2側面5から延びる支持凹部の形状とは、同一であり得る。
【0046】
図1‐4dの実施形態において、賦形部分9、10は、第1及び第2賦形部分9、10それぞれの第1及び第2タングを有するように図示されている。他の実施形態は、パネル1‐3の幅及び/又は複合製品の所望の安定性等に応じて、単独のタング、又は2つより多いタングを備える。
【0047】
図6a‐6c及び7a‐7bは、一組のパネル形状要素を複合製品(
図6c)に組み立てる方法を示す。最初に、上記の実施形態で説明したような第1パネル1、第2パネル2、及び第3パネル3を準備する。
図6aにおいて、第3パネル3は、第1パネル1及び第2パネル2に一体に組み付けられる前の鉛直方向支持体25に取り付けられている。
図6bに示すような他の実施形態において、第1パネル1及び第2パネル2に組み付けられる前において、第3パネル3は他のいずれのパネルにも取り付けられていない。
【0048】
図6a及び7aに示すように、第2パネル2の一端部における第1賦形部分9が、凹部6a、6bに第1パネル1の第1側面4から、第1賦形部分9が凹部6a、6bに延び入るように挿入される。第1賦形部分9の第1パネル1に対する位置は、
図7aに示される。次いで、第3パネル3の位置端部における第2賦形部分10を、凹部6a、6bに第1パネル1の第2側面5から、
図7aに示すように、第2賦形部分10が凹部6a、6bに延び入るように挿入される。次いで、第2賦形部分10を移動させて第1賦形部分9に係止係合する。これにより、
図6cに示すように、パネル1‐3は安定して係止され、複合製品となる。パネル1‐3は、逆の動作によって簡単に分解される。
【0049】
いくつかの実施形態において、
図6b及び7aに示すように、第2賦形部分10及び第3パネル3は、それが第1賦形部分9に係合する最終位置に比較して第1パネル1及び第2パネル2に対して傾斜した角度を成して挿入され得る。したがって、第3パネル3は、凹部6a、6bに、第2パネル2に対して平行でない角度において挿入される。また、第1パネル1及び第3パネル3の長手方向軸同士の最終位置が垂直である場合、第3パネル3は第1パネル1に対して非垂直な角度で挿入され得る。
【0050】
図7a‐7bに示すように、一組のパネル形状要素を組み立てるための第1の非係止位置において、第1賦形部分9の先端部分14の端面18の頂端部26が、第3パネル3の端面19に当接する。頂端部26は、第2賦形部分10の基端部分17において、例えば基端部分上で当接し得る。第1位置において、第1賦形部分9の基端部分15は、第2賦形部分10の先端部分16から離間している。したがって、第3パネル3は、本実施形態において、第1位置から第2の係止又は係合位置に、回転による又は角度を成す移動を実施するように構成される。第3パネル3は、頂端部26を中心として回転され得る。
【0051】
第2位置において、
図7bに示すように、第1賦形部分9の先端部分14の端面18は、第3パネル3の端面19に当接する。第1賦形部分9の基端部分15は、第2賦形部分10の先端部分16に当接する。第2賦形部分10の基端部分17は、第1係止部材7と第2係止部材8との接触面に対して反対側を向く表面27において、凹部6、6bに当接する。第2賦形部分10の基端部分17における第3パネル3の端面19は、凹部6a、6bの外側に位置してもよいし、第1パネル1の第2側面5と実質的に整列してもよい。最終的に、先端部分16が第1賦形部分9の基端部分15に向かって角度を成して移動するにつれて、第3パネル3は第2賦形部分10の基端17の表面27を中心として枢動し得る。したがって、第2賦形部分10の先端部分16は、第1賦形部分9の基端部分15を、第1パネル1の長手方向において押圧し得る。したがって、圧力嵌合係止構成が提供される。また、第1賦形部分9の先端部分14と第2賦形部分10と基端部分17との間に、小さい間隙が設けられ得る。
【0052】
したがって、第2賦形部分10は、第3パネル3の角度を成す移動によって移動されて第1賦形部分9との係止係合状態まで移動し得て、第1賦形部分9の先端部分18の端面18が第3パネル形状要素3の端面19に当接する。第2賦形部分10は、その先端部分16が第1賦形部分9の基端部分15に当接するまで、移動され得る。第1賦形部分9は、第1パネル1に対して実質的に垂直な方向において第3パネル3に向かって変位され得る。また、第3パネル3を
図7aに示す非係止位置から角度を成すように移動させて
図7bに示す第1賦形部分9との係合に至る間に、第3パネル3は、第1パネル1に対して実質的に垂直な方向において第2パネル2に向かって変位され得る。上述のように、凹部6a、6bの幅に実質的に一致する幅を有する第1賦形部分9の一部分が、凹部に挿入され得る。したがって、第3パネルの角度を成す移動によって、第1パネル1と第2パネル2との最初の摺動嵌合が、第1パネル1と第2パネル2と第3パネル3との圧力嵌合へと変換される。
【0053】
更に、第1賦形部分9と第2賦形部分10との接触面に対して平行な断面で見ると、各賦形部分9、10の先端部分14、16は凸部を形成し得るとともに、基端部分15、17は凹部を形成し得る。したがって、賦形部分9,10の形状により、第2パネル2と第3パネル3とがそれらの長手方向において離間することが防止される。同一要素が、凹部6a、6b内において第1パネル1との圧力嵌合を形成するように同時に構成され得る。
【0054】
上述の説明及び/又は上述の図面及び/又は以下の請求項で開示される特徴が、単独で又は組み合わせて本発明をその種々の態様において実現するために重要であることを理解されたい。以下の請求項において、「備える」、「含む」、「有する」という用語及びそれらの派生語は、「含むがこれに限定されない」ということを意味する。
【0055】
本発明を特定の実施形態を参照して説明した。しかしながら、上記以外の実施形態も、同様に本発明の範囲において可能である。上記と異なる方法の工程も、本発明の範囲に含まれ得る。本発明の種々の特徴及び工程は、上記以外の組み合せと組み合わせられ得る。本発明の範囲は、添付の特許請求項によってのみ限定される。