(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
詳細な説明
本明細書に提供する本発明の図面及び説明は、本発明を明確に理解するのに適切な要素を例示するために簡略化されており、関連分野(複数可)において見出される他の要素を除外していることを理解されたい。当業者には、他の要素もしくは段階が、本発明を実施する上で所望または要求され得ることが認識されよう。しかしながら、かかる要素もしくは段階は、当技術分野では周知であるため、または本発明のより良い理解を容易にしないため、かかる要素もしくは段階の議論を本明細書には提供しない。
【0017】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する当業者に一般に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書で使用される、以下の用語の各々は、本節で定義されるそれと関連づけられた意味を有する。
【0018】
本開示を通して、本発明の様々な態様は、範囲形式で提示される場合がある。範囲形式での記載は、単に便宜及び簡潔さのためであって、本発明の範囲に対する柔軟性のない制限として解釈されるべきではないことを理解されたい。従って、範囲の記載は、その範囲内のすべての可能な部分範囲及び個々の数値を具体的に開示しているものと見なされるべきである。例えば、範囲の記載、例えば、1〜7は、具体的に開示される部分範囲、例えば、1〜3、1〜4、1〜6、2〜5、3〜5等、及びその範囲内の個々の数値、例えば、1、2、3、3.6、4、5、5.8、6、7、ならびにそれらの間の任意の全体及び部分増分を有すると見なされるべきである。このことは、範囲の幅に関係なく適用される。
【0019】
タンパク質濃縮物の製造方法
動物の飼料、例えば、栄養分の高い水産養殖飼料に用いるための環境保全型植物源に由来するタンパク質濃縮物が必要とされている。従って、本開示は、好ましくは水産養殖に用いるためのタンパク質濃縮物組成物及びかかる組成物の調製方法に関する。本開示の方法は、穀物(例えば、トウモロコシ、コムギ、オオムギ、麦芽、ソルガム)または豆類(例えば、pinto bean(インゲンマメ)、kidney bean(インゲンマメ)、白インゲンマメ、エンドウマメ、ヒラマメ)の製粉(湿式または乾式)から得られる水性工程流を油糧種子(例えば、大豆、キャノーラ種子、落花生、ヒマワリ種子、亜麻種子、綿実、ナタネ)及び/または油糧種子ミールと混合することによって、タンパク質濃縮物を製造するために用いることができる。該工程は、当該油糧種子出発原料のタンパク質含量を高めると同時に、得られるタンパク質濃縮物の炭水化物レベルの低減もする。得られるタンパク質濃縮物は、他の材料と比較して、高い消化率を有する可能性がある。該タンパク質濃縮物は、魚類または他の動物への給餌用の飼料成分として用いることができる。
【0020】
1つの態様では、該タンパク質濃縮物は、可溶性タンパク質を含む水性工程流を、油糧種子及び/または油糧種子ミールと混合してスラリーを提供し、該スラリーからタンパク質濃縮物を単離し、該タンパク質濃縮物を水性工程流で洗浄することによって調製される。水は、該工程の任意の時点で該水性工程流(複数可)の代わりになることができる。1つの態様では、該工程はまた、酵素処理を含むこともできる。該タンパク質濃縮物は、乾燥しても、ウェットケーキとして用いてもよい。いくつかの実施形態では、該タンパク質濃縮物は、飼料製品を製造するため、1つ以上の他の飼料成分とともに乾燥される。該タンパク質濃縮物または該タンパク質濃縮物を含む飼料製品のいずれかを動物飼料餌に用いることができる。
【0021】
1つの実施形態では、該タンパク質濃縮物は、該油糧種子出発原料として大豆ミールを用いて調製される。加工された大豆ミールは、生の大豆のもともとの可溶性の糖含量を、ほとんどではないにしても多く保持し、これは通常、生の大豆の可溶性の糖含量の90重量パーセントを超える。非代謝性の可溶性の糖は、養殖魚または他の動物の成長及び健康に悪影響を及ぼす可能性がある。非代謝性の可溶性の糖含量の高さ及び脂肪のレベルの低さに起因する完全に脱脂された大豆ミールのエネルギー密度の低さは、水産養殖餌におけるその組み込みレベルを制限している。水産養殖におけるさらなる不利益は、大豆に含まれる糖が水溶性であるために、これらの糖の一部が、魚類に消費される前に水に溶解し、ひいては水の汚染に寄与することである。
【0022】
本発明の方法に従って製造される該タンパク質濃縮物は、現在入手可能な油糧種子タンパク質濃縮物と比較して、特に、かかる現在入手可能なタンパク質濃縮物より低い糖またはデンプンレベル及び高いタンパク質レベルを含むことによって、改善された栄養素含有量を示す。本発明の方法は、油糧種子材料を、可溶性タンパク質を有する穀物の製粉流とともに浸漬することによって、油糧種子のタンパク質濃縮物のタンパク質レベルを高めることができる。理論に拘束されることを望むものではないが、該穀物の製粉流における該可溶性タンパク質は、浸漬及び洗浄中の該油糧種子タンパク質の溶解を防止または低減し得ると同時に、該糖含量または炭水化物含量の一部を当該水性浸漬媒体もしくは洗浄媒体に溶解させる。従って、該製粉流からの一部の穀物タンパク質は、当該油糧種子材料に組み込まれると同時に、該水性浸漬媒体及び/または洗浄媒体を介して炭水化物を除去する。
【0023】
いくつかの実施形態では、本発明のタンパク質濃縮物は、通常の油糧種子のアミノ酸プロファイルまたは通常の油糧種子のタンパク質濃縮物のアミノ酸プロファイルと異なるアミノ酸プロファイルを含む可能性がある。例えば、大豆材料から製造される本発明のタンパク質濃縮物は、異なるアミノ酸プロファイルを有する製粉流からのタンパク質の組み込みの結果として、未加工の大豆材料、さらには、他の工程に従って製造される大豆タンパク質濃縮物とも異なるアミノ酸プロファイルを有することができる。いくつかの実施形態では、アミノ酸補充物を該タンパク質濃縮物に加えてアミノ酸プロファイルを変更し、例えば、ある特定の動物の固有の飼料の要求に応えることができる。いくつかの実施形態では、該製粉流の供給源及び/または油糧種子の出発原料は、所望のアミノ酸プロファイルを有するタンパク質濃縮物を得るために選択または変更することができる。
【0024】
1つの態様では、本発明の工程は、既知の工程より高いタンパク質回収率及び固体収率を示し、このことが、植物性タンパク質濃縮物を製造するために現在使用されている工程よりも大幅に高い価値を与える工程につながり得る。いくつかの実施形態では、該工程は、当技術分野で既知のかかる工程と比較して、大幅なタンパク質保持率の改善、例えば、30%まで、またはそれより高いタンパク質保持率の改善を示すことができる。
【0025】
ここで
図1を参照すると、タンパク質濃縮物、またはタンパク質濃縮物を含む植物性タンパク質製品の例示的な調製工程(100)の図が示されている。油糧種子材料、例えば、大豆ミール(SBM、102)及び浸漬媒体(104)を混合して浸漬スラリーを形成し、浸漬段階(110)を行う。該浸漬媒体は、好ましくは、該油糧種子ミールとは異なるタンパク質及びアミノ酸プロファイルを有する水性工程流である。いくつかの実施形態では、該浸漬媒体は、トウモロコシ製粉工程からの1つ以上の水性副産物工程流、例えば、ライト・スティープ・ウォーター(LSW)、グルテン製粉水(GMW)、及び/またはトウモロコシグルテン濾液を含むが、該浸漬媒体は、任意の適切な水性植物性媒体でよい。該浸漬媒体は、タンパク質含量、好ましくは、主に水溶性タンパク質を、例えば、約30〜50%の範囲で有する。1つの実施形態では、該浸漬媒体は水であり得る。浸漬媒体(104)のpHは、好ましくは、浸漬段階110の前に調整される。いくつかの実施形態では、該浸漬スラリーのpHは、該浸漬スラリーを形成した後に調整される。いくつかの実施形態では、該浸漬媒体及び/または浸漬スラリーのpHは、約3.8〜4.2の範囲内に調整される。いくつかの実施形態では、該pHは、3.8、4.5、5.2、7.5、8.6、または10.0のおよそ±0.2の範囲内に調整される。しかしながら、該pHは、当業者には理解されるように、任意の値に調整することができ、本明細書に列挙される任意の特定の値に限定されない。いくつかの実施形態では、該pHは、調整後、同様に特定の範囲に維持される。任意の酵素添加(106)を、浸漬段階110の前またはその間に行うことができる。
【0026】
浸漬段階110は、所定の時間、所定の温度範囲内で行う。適切な温度範囲としては、約20〜30℃、25〜35℃、30〜40℃、35〜45℃、40〜50℃、55〜65℃、60〜70℃、65〜75℃、70〜80℃、または75〜85℃が挙げられる。しかしながら、浸漬温度は、当業者には理解されるように、任意の温度でよい。同様に、任意の適切な浸漬時間を用いることができる。非限定的な例示的浸漬時間としては、0.5時間、1時間、8時間、12時間、または24時間が挙げられる。いくつかの実施形態では、浸漬段階110におけるスラリーは、約30%未満の乾燥(全)固形物を有することができる。いくつかの実施形態では、該スラリーは、約1%〜約30%の乾燥固形物、約5%〜約25%の乾燥固形物、約10%〜約20%の乾燥固形物、約10〜約15%の乾燥固形物、または約15〜約20%の乾燥固形物を含むことができる。
【0027】
適切な浸漬時間の後、固形物を該浸漬媒体から単離し(120)、タンパク質濃縮物のウェットケーキを得る。いくつかの実施形態では、該浸漬スラリーからの固形物は、例えば、遠心分離機、薄膜フィルター、または任意の他の適切な装置を使用して、濾過により単離される。単離された固形物は、その後、洗浄媒体(132)で1回以上洗浄される(130)。本明細書では、該洗浄段階が、さらに、単離された固形物のタンパク質含量を高めること、及び/またはその炭水化物含量を減少させることを企図する。
【0028】
洗浄段階(複数可)(130)は、任意の技術を用いて行うことができる。1つの実施形態では、該洗浄媒体を単離された固形物と合わせ、得られたスラリーを次いで混合し、その後、この洗浄された固形物を、例えば、遠心分離による濾過で再び単離する。別の実施形態では、該洗浄媒体は、該単離された固形物に該単離装置内で適用することができる。1つのかかる実施形態では、該洗浄媒体は、向流によって適用することができる。従って、いくつかの実施形態では、該単離された固形物は、該洗浄媒体に再スラリー化する必要がない。1つの実施形態では、該洗浄媒体のpHは、該洗浄段階(複数可)(130)での使用に先立って調整され得る。1つの実施形態では、複数の洗浄段階を行うことができる。1つの実施形態では、洗浄段階は行われず、段階120から単離された湿潤状態の固形物は、洗浄されることなく、乾燥されるか、または他の成分とともに乾燥される。任意の適切な洗浄液の体積を用いることができる。洗浄液の体積比の非限定的な例としては、洗浄液の体積対固形物の体積4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、または1:4が挙げられる。さらに、任意の回数の洗浄段階、例えば、1、2、3、4、もしくは5回またはそれ以上の洗浄段階を行うことができる。
【0029】
洗浄媒体132は、工程流と同じタイプでもよく、及び/または浸漬媒体104と同じ供給源由来でもよい。いくつかの実施形態では、洗浄媒体132は、工程流と異なるタイプの場合もあれば、浸漬媒体104と異なる供給源由来の場合もある。いくつかの実施形態では、該洗浄媒体は水であり得る。複数の洗浄段階を備えた実施形態では、該洗浄媒体の組成は、洗浄段階で異なってよく、例えば、浸漬媒体を最初の洗浄における洗浄に用い、続いて、後続の洗浄段階で水を用いることができる。洗浄媒体132のpHは、好ましくは、該固形物の洗浄に先立って調整される。酵素もまた、洗浄に先立って任意に該洗浄媒体に加えることができる(134)。
【0030】
使用済みの洗浄媒体及び/または浸漬媒体、すなわち、段階120、130、及び/または140で該固形物を単離した後に回収される液体媒体は、該工程での使用のために再生することができる。いくつかの実施形態では、該使用済みの洗浄媒体は、本明細書に記載のタンパク質濃縮物を製造するための別のバッチの浸漬媒体に使用することができる。かかる実施形態では、洗浄媒体の浸漬媒体としての再利用は、例えば、該タンパク質濃縮物の製造に伴う水の使用の低減により、大幅なコスト削減につながり得る。いくつかの実施形態では、回収された使用済み洗浄媒体及び/または浸漬媒体は、該タンパク質濃縮物の製造工程以外の目的に用いることができる。例えば、回収された使用済み洗浄媒体及び/または浸漬媒体は、例えば、エタノールまたは他の発酵製品の製造における発酵培地として用いることができる。いくつかの実施形態では、使用済み洗浄媒体及び/または浸漬媒体は、動物飼料成分または動物飼料製品の製造用の原料として用いることができる。例えば、該洗浄媒体または浸漬媒体は、繊維、植物性タンパク質、及び/または他の成分と混合して飼料成分を創製することができる。いくつかの実施形態では、該使用済み洗浄媒体及び/または浸漬媒体は、該飼料成分または製品での使用のために濃縮される。
【0031】
該1回以上の洗浄段階(130)の後、固形物は再度単離及び/または脱液される(140)。単離された固形物は、任意に酵素で処理され得る(142)。1つの実施形態では、該単離された固形物を乾燥し(150)、タンパク質濃縮物を形成し(160)、これを動物飼料餌の飼料成分として用いることができる。別の実施形態では、該単離された固形物を1つ以上の他の成分と合わせ(145)、次いでともに乾燥し(155)、本明細書では植物性タンパク質濃縮物(PPC)とも呼ばれる植物性タンパク質製品(165)を形成する。段階145でともに乾燥するのに適した成分としては、トウモロコシタンパク質濃縮物、例えば、Empyreal(登録商標)75トウモロコシタンパク質濃縮物、トウモロコシグルテンミール(CGM)、豆類からなるミール、もしくは任意の他の適切な植物性タンパク質濃縮物または他のタイプの飼料成分を挙げることができる。植物性タンパク質製品165は、他の成分、例えば、脂肪またはビタミンとともに動物飼料餌に含めることができる。いくつかの実施形態では、該PPCは、トウモロコシタンパク質濃縮物(CPC)及び大豆タンパク質濃縮物(SPC)の組合せから形成され、これは、有利なことに、他のタンパク質濃縮物材料よりも高いリジン及びメチオニンを備えた材料を与える。いくつかの実施形態では、該PPCにおけるSPC対CPC比は、重量基準で約1:2、すなわち、SPC3分の1及びCPC3分の2である。他の実施形態では、該PPCは、乾燥重量基準で、約10%SPC、20%SPC、30%SPC、40%SPC、50%SPC、60%SPC、70%SPC、75%SPC、80%SPC、または90%SPC、及び残部がCPCでよい。
【0032】
当業者には理解されるように、任意の適切な乾燥方法もしくは装置を乾燥段階150または155で用いることができる。いくつかの実施形態では、該タンパク質濃縮物は、乾燥重量基準で少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、または少なくとも80%がタンパク質である。いくつかの実施形態では、該タンパク質濃縮物は、水分15%未満、10%未満、または5%未満に乾燥される。1つの実施形態では、該タンパク質濃縮物は、少なくとも65%がタンパク質であり、乾燥固形物が90〜95%である。いくつかの実施形態では、該タンパク質濃縮物を、例えば、ディスク、キューブ、またはペレット等の所望の形状に形成することができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、工程100はまた、1つ以上の反栄養素を低減または除去するための1つ以上の段階を含むこともできる。例えば、工程100は、1つ以上の酵素処理段階、例えば、
図1における段階106、134、及び/または142を含むことができる。好ましい実施形態では、工程100は、浸漬媒体104がトウモロコシ由来の場合、浸漬媒体104のフィターゼ処理を含む。当業者には理解されるように、フィターゼ処理は、トウモロコシ製粉流の加工でしばしば用いられる。従って、浸漬媒体104を製造した別の工程の一部として、フィターゼ処理が浸漬媒体104にすでに実施されている場合には、工程100ではフィターゼ処理を回避することができる。
【0034】
酵素処理段階は、工程100の任意の適切な時点で実施することができ、酵素処理は、本明細書に列挙される任意の特定の実施形態に限定されない。酵素の添加で、当該スラリー中の繊維、炭水化物、または反栄養素の酵素還元をもたらし、それらの除去または消去を促進することができる。工程100で低減または除去され得る反栄養素としては、トリプシンインヒビター、フィチン酸、グリシニン抗原、及びオリゴ糖(例えば、スタキオース、ラフィノース、マンナン)を挙げることができるが、これらに限定されない。1つの実施形態では、該酵素処理は、1つ以上の以下の酵素:フィターゼ、プロテアーゼ、グルカナーゼ、アルファ−ガラクトシダーゼ、ポリガラクツロナーゼ、アミラーゼ(例えば、アルファ−アミラーゼ及びグルコアミラーゼ)、マンナナーゼ、キシラナーゼ、ペクチナーゼ、セルラーゼ、またはヘミセルラーゼの添加を含み得るが、しかしながら、使用される該1つ以上の酵素は、本明細書に記載される酵素に限定されず、当業者には理解されるように、任意の適切な酵素でよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、工程100はまた、1つ以上の反栄養素を低減または除去するための1つ以上の加熱段階を含むこともできる。例えば、加熱は、トリプシンインヒビターのレベルの低減に有用であり得ることが当技術分野で知られている。かかる加熱段階としては、該工程の任意の時点で工程流を適切な温度、例えば、これに限定されないが、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃、または140℃より高く加熱することを挙げることができる。該工程流は、該反栄養素含量を所望のレベルまで低減するのに適切な所定の時間、かかる温度に維持され得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、該工程は、他の段階を含むことができる。1つの実施形態では、該工程は、反芻動物の飼料として使用するための該タンパク質濃縮物のさらなる加工に関連した1つ以上の段階を含むことができる。例えば、本発明の工程は、動物の第一胃内での微生物分解から該タンパク質濃縮物を保護するため、該タンパク質濃縮物を還元性炭水化物で処理する段階を含むことができる。かかる工程の例示的な段階及び条件は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第5,064,665号において、Klopfensteinらによって記載されている。
【0037】
浸漬媒体
浸漬媒体または洗浄媒体として使用するための水性工程流は、湿式製粉及び/または乾式製粉工程、例えば、発酵工程の産物として得ることができる。1つの実施形態では、本発明で有用な該水性工程流は、任意の流れであり、湿式または乾式製粉工程からの副産物流、例えば、これに限定されないが、本明細書に記載の湿式または乾式製粉流が含まれる。乾式製粉発酵及び湿式製粉工程は、当技術分野で知られており、例えば、Watson&Ramstad,ed.(1987,Corn:Chemistry and Technology,Ch.12 and 19,American Association of Cereal Chemist,Inc.,St.Paul,Minn.、その開示は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。いくつかの実施形態では、該水性工程流は、穀物、例えば、トウモロコシ、コムギ、オオムギ、麦芽、ソルガム、またはそれらの組合せ等の製粉から生じ得る。いくつかの実施形態では、該水性工程流は、豆類、例えば、pinto bean(インゲンマメ)、kidney bean(インゲンマメ)、白インゲンマメ、エンドウマメ、ヒラマメ、またはそれらの組合せ等の製粉から生じ得る。いくつかの実施形態では、該水性工程流は、穀物及び豆類の両方の製粉から生じる流れの組合せであり得る。前述の通り、いくつかの実施形態では、該水性工程流は、本明細書に記載の工程、例えば、
図1に示す工程の任意の水溶液流から回収される流れであり得る。
【0038】
湿式製粉
穀物または豆類の湿式製粉は、通常、該穀物または豆類を、関連技術分野の当業者に知られる工程を用いて水に浸すこと、または「浸漬すること」を含む。一般に、浸漬時間は、温度約45℃〜約60℃で約24〜約48時間に及ぶ。いくつかの湿式製粉工程、例えば、トウモロコシを含む湿式製粉工程では、浸漬水が添加剤、例えば、二酸化イオウ(例えば、約0.05%〜約0.3%(w/v))及び乳酸(例えば、0〜約0.5%(v/v))等を含むことが望ましい場合がある。
【0039】
浸漬後、浸漬された穀物または豆類の固形物は、通常、粉砕され、固体分画は、当技術分野で知られている技術、例えば、スクリーン分離、膜分離、遠心分離、濾過、浮選等によって液相から分離され、本明細書では「浸水流」とも呼ばれる水性工程流を与える。該浸水流は、本発明の工程における浸漬媒体として用いることができる。該浸水流は、一般に、可溶性成分、例えば、タンパク質、炭水化物、及び無機物等を含む。いくつかの実施形態では、該浸水流は、約20重量%未満の乾燥固形物の固形分を有することができる。いくつかの実施形態では、該浸水流は、約1.5重量%〜15重量%の乾燥固形物、約2重量%〜15重量%の乾燥固形物、約8〜15重量%の乾燥固形物、約10〜15重量%の乾燥固形物、または約1〜4重量%の乾燥固形物の固形分を有し得る。いくつかの実施形態では、該浸水流は、トウモロコシ浸水流、コムギ浸水流、豆類浸水流、及びそれらの組合せであり得る。いくつかの実施形態では、トウモロコシ湿式製粉からの浸水流の固形物は、通常、35〜45%のタンパク質を有し、残りは主に炭水化物、有機酸、及び無機物である。いくつかの実施形態では、該浸水流は、タンパク質の可溶化に影響を及ぼし得る二酸化イオウを含むことができる。
【0040】
乾式製粉
穀物または豆類の乾式製粉は、通常、穀物または豆類全体を製粉機、例えば、ハンマーミルまたはローラーミルを用い、一般に「ミール」と呼ばれる粒子の粉末乾燥混合物に粉砕することを含む。該ミールを水でスラリー化し、そのすりつぶしたものに酵素を加えてデンプンをより小さい断片に分解し、その後より小さい断片を糖化工程に供し、そこでデンプンを糖に転化する。
【0041】
該糖化段階の後、得られた糖を通常、酵母で発酵させ、それらのエタノールへの変換を促進する。該混合物をその後蒸留塔に移し、そこでエタノールを蒸留廃液から除去し、さらに蒸留かすを分離し、蒸留可溶分流を与える。この蒸留可溶分流は、一般に、可溶性成分、例えば、タンパク質、炭水化物、及び無機物等を含む。いくつかの実施形態では、可溶分を含む乾燥蒸留かす(DDGS)が得られる。
【0042】
いくつかの実施形態では、該蒸留可溶分流は、約20重量%未満の乾燥固形物の固形分を有し得る。いくつかの実施形態では、該蒸留可溶分流は、約1.5重量%〜15重量%の乾燥固形物、約2重量%〜15重量%の乾燥固形物、約10〜15重量%の乾燥固形物、または約1〜4重量%の乾燥固形物の固形分を有し得る。いくつかの実施形態では、該蒸留可溶分流は、トウモロコシ蒸留可溶分流、及びその組合せであり得る。トウモロコシ乾式製粉発酵工程からの蒸留可溶分流は通常、30%のタンパク質を有し、残りは通常、炭水化物、繊維、脂肪、及び無機物である。
【0043】
油糧種子材料
工程100に有用な油糧種子材料は、任意の適切な形態でよい。非限定的な例としては、粗びき、フレーク、粉末、またはミールが挙げられる。いくつかの実施形態では、該油糧種子材料に用いられる油糧種子は、例えば、大豆、キャノーラ種子、落花生、ヒマワリ種子、亜麻種子、綿実、ナタネ、またはそれらの組合せでよい。いくつかの実施形態では、該油糧種子からの該油糧種子材料の調製は、脱皮もしくは殻の除去または剥離、脂肪もしくは油分の少なくとも一部の除去、及び/または製粉、または粉砕を含むことができる。好ましい実施形態では、該油糧種子材料は、大豆フレーク、大豆粉、及び大豆ミール、特に脱脂大豆フレーク、脱脂大豆粉、ならびに脱脂大豆ミールである。1つの実施形態では、該脱脂大豆粉は、約50%のタンパク質及び1.2%未満の脂肪を乾燥重量基準で含む。いくつかの実施形態では、該油糧種子材料は、部分的に加工された油糧種子材料、例えば、中間工程流から回収された、部分的に加工された油糧種子濃縮物でよい。かかる実施形態では、該油糧種子材料は、好ましくは、油抽出の下流、すなわち、油が実質的に該油糧種子から除去された後の中間工程流由来である。例えば、かかる中間工程流は、脱溶剤トースター(DT)が大豆工程に用いられた後に得ることができる。しかしながら、該油糧種子材料は、本明細書に記載の特定の材料に限定されず、任意の油糧種子由来の材料を含むことができる。
【0044】
タンパク質濃縮物の飼料成分
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載の方法で製造されるタンパク質濃縮物に関する。本明細書に記載のタンパク質濃縮物は、動物の給餌に適したアミノ酸プロファイルを含む。前述の通り、該タンパク質濃縮物は、乾燥重量基準で少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、または少なくとも80%のタンパク質、及び15%未満、10%未満、または5%未満の水分を含むことができる。1つの実施形態では、該タンパク質濃縮物は、大豆ミールまたは他の大豆源由来の大豆タンパク質、及びトウモロコシ製粉流に由来するトウモロコシタンパク質の組合せを含む。該タンパク質濃縮物は、飼料成分として用いることもできれば、動物飼料餌に使用するための動物飼料製品に組み込むこともできる。
【0045】
1つの態様では、該タンパク質濃縮物は、他の植物性タンパク質飼料材料と比較して、改良された色特性を有する。いくつかの実施形態では、該タンパク質濃縮物は、本明細書に記載の方法に従って測定して、L
*値少なくとも67、68、69、70、71、または72を有する。いくつかの実施形態では、該タンパク質濃縮物は、本明細書に記載の方法に従って測定して、a
*値10未満、8未満、6未満、5未満、または4未満を有する。いくつかの実施形態では、該タンパク質濃縮物は、本明細書に記載の方法に従って測定して、b
*値30未満、25未満、または20未満を有する。従って、いくつかの実施形態では、該タンパク質濃縮物は、他の大豆タンパク質材料よりも白い。いくつかの実施形態では、該タンパク質濃縮物は、他の大豆タンパク質材料よりも黄色度が小さく、及び/または赤色度が小さい。該タンパク質濃縮物の改良された色特性は、他の大豆タンパク質飼料材料よりも望ましい製品をもたらす。
【0046】
植物性タンパク質製品
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載の方法で製造されるタンパク質濃縮物を含む植物性タンパク質製品に関する。前述の通り、該植物性タンパク質製品は、湿潤タンパク質濃縮物を1つ以上の他の飼料成分とともに乾燥することによって製造することができる。該1つ以上の他の飼料成分としては、トウモロコシタンパク質濃縮物、または、脂肪やビタミン等の飼料成分として適切な任意の他の材料を挙げることができる。本明細書で企図される通り、該植物性タンパク質製品は、本発明のタンパク質濃縮物及び該1つ以上の他の飼料成分の均質な組合せである。該植物性タンパク質製品の均質性は、動物に該飼料成分を一貫して供給することを確実にすることができる。いくつかの実施形態では、該植物性タンパク質製品は、反芻動物の給餌に有用な飼料製品として使用するため、還元性炭水化物で処理されたタンパク質濃縮物を含むことができる。
【0047】
動物飼料餌
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法に従って製造される該タンパク質濃縮物または植物性タンパク質製品は、動物飼料餌に組み込まれる。該動物飼料餌は、好ましくは、動物がその健康を維持するために必要とする飼料材料のほとんどまたはすべてを含む。いくつかの実施形態では、該飼料餌は、本発明の実施形態に従って製造されたSPCを5%、10%、15%、20%、25%、30%、または35%含むことができる。いくつかの実施形態では、該飼料餌は、本発明の実施形態に従って製造された5%、10%、15%、20%、25%、30%、または35%のPPCであることができる。
【0048】
本開示で使用される「動物」という用語には、例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、鳥類の動物、魚介(水産養殖)動物等が含まれる。ウシ属の動物としては、バッファロー、バイソン、ならびに去勢雄ウシ、未経産ウシ、雌ウシ、及び去勢されていない雄ウシを含めたすべての畜牛が挙げられるがこれらに限定されない。ブタ動物としては、雌ブタ、未経産ブタ、去勢ブタ、及び去勢されていないブタを含めた育成ブタならびに繁殖ブタが挙げられるがこれらに限定されない。ウマ科の動物としては、ウマが挙げられるがこれに限定されない。ヤギ動物としては、雌ジカ、雄ジカ、去勢ヒツジ、及び子ヤギを含めたヤギが挙げられるがこれらに限定されない。ヒツジ動物としては、雌ヒツジ、去勢されていない雄ヒツジ、去勢ヒツジ、及び子ヒツジを含めたヒツジが挙げられるがこれらに限定されない。鳥類の動物としては、ニワトリ、シチメンチョウ、及びダチョウを含めたトリが挙げられる(ならびに家禽とも呼ばれる家畜化されたトリも挙げられる)がこれらに限定されない。魚介動物(海水及び淡水源由来を含む)としては、魚類(例えば、サケ、マス、バス、ティラピア、及び他の養殖魚)ならびに甲殻類(例えば、ハマグリ、ホタテ貝、エビ、カニ、及びロブスター)が挙げられるがこれらに限定されない。好ましい実施形態では、本明細書に記載のタンパク質濃縮物、植物性タンパク質製品、または動物飼料餌は、水産養殖に用いられる。
【0049】
本開示で使用される「動物」という用語には、反芻動物及び単胃動物も含まれる。本開示で使用される「反芻動物」という用語は、当該哺乳動物の最初の胃、すなわち、第一胃に関連する吐き戻し方法を用いて植物性の成分を消化する任意の哺乳動物を意味する。かかる反芻哺乳動物としては、畜牛、ヤギ、ヒツジ、キリン、バイソン、ヤク、水牛、シカ、ラクダ、アルパカ、ラマ、ウシカモシカ、レイヨウ、及びプロングホーンが挙げられるがこれらに限定されない。本開示で使用される「動物」という用語には、家畜化された動物(例えば、イヌ、ネコ、ウサギ)及び野生生物(例えば、シカ)も含まれる。しかしながら、当業者には理解されるように、本明細書に記載のタンパク質濃縮物の調製方法、及び得られる飼料成分または飼料製品組成物は、本明細書に列挙される特定の動物の給餌のための使用に限定されず、任意の動物の給餌に使用することができる。
【0050】
消化率の改善
1つの態様では、本発明のタンパク質濃縮物(本明細書では植物性タンパク質濃縮物またはPPCとも呼ばれる)は、魚粉または他のタンパク質濃縮物と比較して、改善された消化率を示す。いくつかの実施形態では、該タンパク質濃縮物は、魚粉または他のタンパク質濃縮物と比較して、高いアミノ酸消化率を示す。いくつかの実施形態では、該タンパク質濃縮物は、下記実験実施例に記載の方法に従って計算して、90%以上のパーセント消化率を有する特定のアミノ酸をかなりの数有する。いくつかの実施形態では、該タンパク質濃縮物、すなわち、すべてのアミノ酸の合計の全アミノ酸消化率は、少なくとも90%である。いくつかの実施形態では、2つ以上のアミノ酸のパーセント消化率は、少なくとも90%である。いくつかの実施形態では、2つ以上のアミノ酸のパーセント消化率は、少なくとも92%である。いくつかの実施形態では、2つ以上のアミノ酸のパーセント消化率は、少なくとも94%である。いくつかの実施形態では、2つ以上のアミノ酸のパーセント消化率は、少なくとも95%である。いくつかの実施形態では、2つ以上のアミノ酸のパーセント消化率は、少なくとも97%である。
【0051】
いくつかの実施形態では、16以上のアミノ酸のパーセント消化率は、少なくとも90%である。いくつかの実施形態では、14以上のアミノ酸のパーセント消化率は、少なくとも94%である。いくつかの実施形態では、10以上のアミノ酸のパーセント消化率は、少なくとも94%である。いくつかの実施形態では、6以上のアミノ酸のパーセント消化率は、少なくとも95%である。
【0052】
いくつかの実施形態では、少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、またはそれ以上のアミノ酸のパーセント消化率は、Menaheden Fishmealと比較して、該タンパク質濃縮物で有意に高い。いくつかの実施形態では、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、またはそれ以上のアミノ酸のパーセント消化率は、トウモロコシタンパク質濃縮物と比較して、該タンパク質濃縮物で有意に高い。いくつかの実施形態では、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、またはそれ以上のアミノ酸のパーセント消化率は、ペットフードグレードの家禽副産物ミールと比較して、該タンパク質濃縮物で有意に高い。
【0053】
上述したパーセント消化率に対応するアミノ酸としては、アラニン(ALA)、アルギニン(ARG)、アスパラギン酸(ASP)、システイン(CYS)、グルタミン酸(GLU)、グリシン(GLY)、ヒスチジン(HIS)、イソロイシン(ILE)、ロイシン(LEU)、リジン(LYS)、メチオニン(MET)、フェニルアラニン(PHE)、プロリン(PRO)、セリン(SER)、トレオニン(THR)、チロシン(TYR)、及びバリン(VAL)が挙げられる。本発明の方法に従って製造されたタンパク質濃縮物の例示的な実施形態に関する乾物基準でのアミノ酸含量及びアミノ酸の消化率については、
図2、3、及び4も参照されたい。
【実施例】
【0054】
実験実施例
以下の実験実施例を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。これらの実施例は、例示のみの目的で提供し、特別の定めのない限り、限定することを意図しない。従って、本発明は、以下の実施例に限定されると解釈されるべきものではなく、本明細書に提供する教示の結果として明らかになるありとあらゆる変形を包含するものと解釈されたい。
【0055】
実施例1:大豆タンパク濃縮物の製造
タンパク質濃縮物、特に、大豆タンパク質濃縮物(SPC)の製造工程の、水、ライト・スティープ・ウォーター、トウモロコシグルテン製粉水、トウモロコシグルテン濾液、変性トウモロコシグルテン濾液、または、水、ライト・スティープ・ウォーター、及びトウモロコシグルテン製粉水の組合せを用いて可溶性炭水化物を除去し、大豆ミール内のタンパク質濃度を高める例を本明細書に記載する。
【0056】
例示的な工程段階を
図1に示す。大豆ミール(SBM)の加工に適した条件及び希釈剤を表1に要約する。得られる乾燥製品のタンパク質濃縮物は、標準的な方法、例えば、LECO TruMac窒素分析計(LECO Corporation,St.Joseph,MI)を用いるASTM 16634(食品、油糧種子、及び動物飼料の全窒素/タンパク質)で測定する。
【0057】
各場合について、SBM(例えば、11.6g〜2000g、48%タンパク質、乾燥基準で53.2%タンパク質)を、10%重量/重量比で、異なる浸漬媒体、すなわち、水道水、ライト・スティープ・ウォーター(LSW)、トウモロコシグルテン製粉水(GMW)、トウモロコシグルテン濾液、または変性トウモロコシグルテン濾液と混合する。大豆フレークもまた出発原料として用いることができる。SBMは、大豆ホワイトフレークから、該大豆ホワイトフレークを脱溶剤し、トーストすることによって製造される。
【0058】
浸漬媒体のpH及び温度は、必要に応じて調整した。pHは、乳酸、硫酸、または水酸化ナトリウムのいずれかを用いて調整する。しかしながら、他の酸及び塩基を用いてもよい。他の酸塩基の非限定的な例としては、ギ酸、クエン酸、または酢酸等の有機酸、塩酸等の無機酸、及び水酸化カルシウムまたは水酸化カリウム等の塩基が挙げられる。
【0059】
SBMを、異なる時間の長さの間、異なる温度で連続的に攪拌しながら浸漬する。固形物を遠心分離によって分離する。さらなる洗浄及び固体分離段階(4ラウンド)を、洗浄液を用いて、脱水した固形物の1:1または1:4v/vで行う。適切な場合、酵素を湿潤固形物に加え、1〜2時間保持し、その後乾燥してANFを低減する。湿潤(脱水)固形物を乾燥する。各画分の水分及びタンパク質を標準的な方法を用いて測定する。質量とタンパク質のバランスを行い、質量とタンパク質の収量を計算した。
【0060】
様々な異なる工程の結果を表2に示す。最も高いタンパク質含量は、概して、洗浄と、浸漬の際のpHが低い工程を含む工程で認められる。特に、pH3.8でのように、GMW浸漬媒体においてSBMを用いて実行され、水またはGMWで洗浄される工程は、高いタンパク質濃度を有する。これらの工程は、粉砕されたSBMを用い、浸漬媒体として水を用いて実行される工程とタンパク質濃度が同程度である。実験番号1.13及び1.15は、当技術分野で現在知られている工程を表している(例えば、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれるJhanjanら、欧州特許第0925723号参照)。本発明の工程は、当技術分野で知られるかかる工程と比較して、最大30%までのタンパク質保持の改善を示すことができる。
【表1】
【表2-1】
【表2-2】
固体収率%の計算
固体収率は以下のように計算される:
固体収率%=(工程終了時のSPC固体kg/工程に投入したSBM固体kg)*100
実験1.22について:固体収率%=(0.138/0.179)*100=77%
【0061】
実施例2:SBM中の反栄養素(ANF)の低減
ANFを低減する目的のため、異なる工程条件を用いた大豆タンパク質濃縮物製品の製造例を本明細書に記載する。
【0062】
得られた大豆タンパク質濃縮物のANF分析の要約を表3に示す。工程は、別に指示または記載されていること以外は実施例1と同様に行う。実験2.1、2.2、2.3、2.4、及び2.5では酵素を加えない。実験2.6、2.7、2.8、及び2.9では、フィターゼを浸漬段階で使用し、プロテアーゼを脱水されたケーキに添加し、2時間保持した後に乾燥する。
【表3】
*ANF分析は、Nestle Purina Analytical Laboratoriesにより、以下の方法を用いて行われた:フィチン酸:Analytical Biochemistry Vol 77:536−539(1977)、トリプシンインヒビター:AOCS Ba 12−75、ラフィノース及びスタキオース:LC,J.Am.Oil Chem.Soc.1980,143による。
**TIU/mgは、活性の定量化であり、次のように定義することができる:トリプシンインヒビター1単位(TIU)は、トリプシン2単位の活性を50%減少させる。ここで、トリプシン1単位は、1分当たり1.0μモルのN−α−ベンゾイル−DL−アルギニンp−ニトロアニリド(BAPNA)を、pH7.8及び25℃で加水分解する。
【0063】
実施例3:大豆タンパク濃縮物の組成
表4及び5において、各種材料の組成を、実施例1に記載した工程の実施形態に従って製造された大豆タンパク質濃縮物(SPC)の例示的な実施形態の組成とともに示す。
【表4-1】
*分析は、Eurofins Nutrition Analysis Centerにより、以下の方法に従ってなされた:
【表4-2】
【表5】
*分析は、Nestle Purina Analytical Laboratoriesにより、以下の方法に従ってなされた:酸安定性アミノ酸:AOAC 982.30(修正)、含硫アミノ酸(酸化後):AOAC 994.12(修正)、アルカリ加水分解によるトリプトファン:AOAC 988.15。
【0064】
実施例4:植物性タンパク質製品の組成
植物性タンパク質製品の例示的な実施形態の組成を表6に示す。これらの植物性タンパク質製品は、
図1に示す工程の実施形態に従って調製した。ここで、SPCを、Empyreal(登録商標)トウモロコシタンパク質濃縮物(CPC)とともに、様々な比で乾燥させ、植物性タンパク質濃縮物(PPC)を形成する。
【表6】
(分析は、先の実施例に記載の方法に従って行った)
【0065】
実施例5:トウモロコシ工程流の組成
本発明の工程に有用なトウモロコシ工程流の例示的な組成を表7に示す。
【表7】
方法:水分:AOCS Ba 2a−38、強制通風炉、タンパク質:AOAC 992.15,AOAC 990.03,AOCS Ba3e−93、燃焼、糖及び有機物:HPLC。
【0066】
実施例6:タンパク質濃縮物のニジマスにおけるインビボ消化率
大豆タンパク質濃縮物を、湿式トウモロコシ製粉機からの工程流を用いて製造した。このタンパク質濃縮物が、乾燥質量基準(DMb)で64.8%のタンパク質であることを調べ、これをオハイオ州シドニーの粉砕施設から回収した大豆ミールから得た。試作品の材料は、SSNA Dayton R&D施設においてバッチで製造し、混合して約15kgのタンパク質濃縮物を製造し、これを試験のためにUSDA−Bozeman Fish Technology Center (BFTC)に供した。BFTCで、ニジマス及び雑種のシマスズキにおける成分の消化率を調べた。調べたタンパク質濃縮物は、アミノ酸消化率90%超を示した。
【0067】
材料及び方法:
約15kgの大豆タンパク質濃縮物(SPC)の試作品を、Cargill Starches and Sweeteners R&D Pilot Facility in Dayton,OHにて製造した。9つの別々のバッチ(表8)を、浸漬媒体及び洗浄媒体として酸性化したコーン・スティープ・リカーを用いて調製した。すべてのウェットSPCケーキを、実験室規模のRetsch TG100流動床乾燥機で、100%に設定した気流で処理し、最高空気温度83.8℃及び最高生成物温度172℃を8〜10分間達成した。バッチを合わせ、乾燥基準で最終タンパク質含量64.8%の最終ロット(BBDAYRD10816)を創製した。最終混合物の水分は6.9%であった。
【0068】
混合された材料(BBDAYRD010816)を、ニジマスにおけるインビボ消化率の試験のためにUSDA−Bozeman Fish Technology Centerに輸送した。各成分の栄養価を、配合された押し出し餌の成分から、栄養素の見かけの消化率、エネルギー、脂肪、アミノ酸、及び選択された無機物を測定することによって評価した。栄養素とエネルギー消化率は、Cho et al.(Cho.C.Y.,Slinger,S.J.,and Bayley,H.S.1982.Bioenergetics of salmonid fishes:energy intake,expenditure and productivity.Comparative Biochemistry and Physiology 73B:25−41)及びBureau et al.(Bureau,D.P.,A.M.Harris,and Cho,C.Y.1999.Apparent digestibility of rendered animal protein ingredients for rainbow trout (Oncorhynchus mykiss).Aquaculture 180:345−358)に記載の方法を用いて測定し、見かけの消化率係数(ADC)を推定する。すべての餌は、不活性マーカーとして酸化イットリウムを用いて標識する。ニジマス用の完全基準餌(表9)を、試験成分と70:30の比(乾燥重量基準)で混合し、試験餌を形成する。この餌の利用で、ニジマスでのいくつかの消化率及び成長試験に成功している(Barrows,F.T.,Gaylord,T.G.,Sealey,W.M.,Porter,L.,Smith,C.E.2008,The effect of vitamin premix in extruded plant based and fish meal based diets on growth efficiency and health of rainbow trout,Oncorhynchus mykiss.Aquaculture,283, 148−155;Gaylord,T.G.,Barrows,F.T.,and Rawles,S.D.2008,Apparent Digestibility of Gross Nutrients from Feedstuffs in Extruded Feeds for Rainbow Trout,Oncorhynchus mykiss,Journal of the World Aquaculture Society.39:827−834;Gaylord,T.G.,Barrows,F.T.,Rawles,S.D.,Liu,K.,Bregitzer,P.,Hang,A.,Obert,D.,and Morris,C.2009,Apparent digestibility of nutrients in extruded diets from cultivars of barley and wheat selected for nutritional quality in rainbow trout(Oncorhynchus mykiss),Aquaculture Nutrition.15:306−312;Barrows,F.T.,Gaylord,T.G.,Sealey,W.M.,Porter,L.,Smith,C.E.2009,Supplementation of plant−based diets for rainbow trout,Oncorhynchus mykiss with macro−minerals and inositol,Aquaculture Nutrition,accepted;Gaylord,T.G.,Barrows,F.T.and Rawles,S.D.,2010,Apparent Amino Acid Availability from Feedstuffs in Extruded Diets for Rainbow Trout Oncorhynchus mykiss,Aquaculture Nutrition.16:654−661)。
【0069】
試験餌及び成分の各栄養素の見かけの消化率係数は、以下の式に従って乾燥重量基準で計算される(Kleiber,M.1961,The fire of life:an introduction to animal energetics,John Wiley and Sons,Inc.,New York,New York,USA;Forster,I.,1999,A note on the method of calculating digestibility coefficients of nutrients provided by single ingredients to feeds of aquatic animals,Aquaculture Nutrition 5:143−145):
ADCN
diet=100−100{%Yt in diet X % nutrient in feces}
{%Yt in feces %nutrient in diet}
ADCN
ingredient={(a+b)ADCN
t−(a)ADCN
r}b
−1
式中、
ADCN
ingredient=試験成分中の栄養素の見かけの消化率係数
ADCN
t=試験餌中の栄養素の見かけの消化率係数
ADCN
r=基準餌中の栄養素の見かけの消化率係数
a=(1−p)x基準餌の栄養素含量
b=px試験成分の栄養素含量
p=試験餌中の試験成分の割合
【0070】
すべての餌は、クッキング押出で製造する(DNDL−44,Buhler AG,Uzwil,Switzerland)。押し出しの一般的なパラメータは、押し出し機のバレル部(6)内で、平均127℃への18秒の曝露であった。ダイヘッドでの圧力は、試験餌に応じて、260〜450psiに変化させることができる。3〜4mmのペレットを製造し、豆類床乾燥機(Buhler AG,Uzwil,Switzerland)で水分10%未満まで乾燥し、その後、周囲温度で20分間冷却する。すべての餌に、真空塗布装置(A.J.Mixing,Ontario,Canada)を用いて魚油で上塗りする。
【0071】
ニジマス試験では、330−Lのタンクにて、実験餌をマスに給餌する。魚のサイズは、実験によって異なるが、概して250g〜400gの範囲であるものの、魚の可用性次第でより大きいことがある。放魚密度は、タンクごとに20〜30匹で異なる。水温は15℃に維持し、照明は13:11時間の概日周期で維持する。各餌は、3つの無作為に割り当てられた魚の反復タンクに給餌し、1日2回、手動で飽食まで給餌する。ふん試料は、マスに対する給餌の16〜18時間後、手動で回収することで得た。各タンク内のすべての魚の手動での回収は、魚を網で捕らえて麻酔し、その後緩やかに乾燥させ、次いで下腹部に圧をかけ、まず尿を廃棄容器に搾り出し、次いでふん物質をプラスチック製の計量皿に出す。各タンクのふん試料を凍結乾燥にて乾燥し、化学分析を行うまで−20℃で保管した。
【0072】
近似分析−水分含量は、成分、餌、及びふん試料の乾燥減量として測定し、標準的な方法(AOAC 1995)に従って行う。粗タンパク質(N x 6.25)は、成分、餌、及びふん試料において、Leco TruSpec N窒素測定器(LECO Corporation,St.Joseph,Michigan,USA)にて、Dumas法(AOAC 1995)により測定する。全エネルギーは、イソペリボルボンベ熱量測定法(Parr 6300,Parr Instrument Company Inc.,Moline,Illinois,USA)で測定する。すべての試料は、粗脂質について、Ankom XT10(Ankom Technologies,Macedon,New York,USA)を用いた95℃で60分間のエーテル抽出、次いで、Ankom HCL加水分解システムを用いた5NのHClでの90℃、60分間の酸加水分解及び40分間のリンス時間、その後、前述の通りの第二のエーテル抽出によってアッセイする。アミノ酸は、6NのHCl中、110℃で16時間の消化(AOAC 1995)後、Biochrom 30+アミノ酸分析器で定量する。無機物の分析は、硝酸消化後、ICP−OES分光法により、イットリウム及び他の選択された無機物について行う。
【表8】
【0073】
本試験で用いたニジマスの平均重量は、539.6g(+/−85g)であり、3槽の基準タンクの各々に20匹を放した。餌は、3つの餌のうちの1つで構成した:基準餌(表8)、30%をMenaheden Fishmeal(Select)(MFM)で置き換えた基準餌、または、30%を本発明の実施形態に従うCargill SPC Prototype(C−SPC)に置き換えた基準餌。基準と添加された成分間の差を用いて、添加された成分の有効エネルギー及び見かけの消化率係数を計算した。
【0074】
MFM及びC−SPC餌について、平均ADCNを3槽のタンクにわたって計算し、比較した。“Database of Nutrient Digestibility’s of Traditional and Novel Feed Ingredients for Trout and Hybrid Striped Bass−USDA(Barrows,et. al.)における特定の成分とのさらなる比較も行った。成分の比較が含むのは:家禽副産物ミール、Empyreal(登録商標)75トウモロコシタンパク質濃縮物、及び48%CP大豆ミールである。しかしながら、Barrowsらの成分との比較において変化した生物学的反応は、BFTCが用いたプロトコルとは異なる試験プロトコルの使用に起因する可能性がある。
【0075】
結果
BFTCによって行われた成分の栄養素分析を表9に示す。BFTCの分析及びSSNA Dayton R&Dとの間には良好な一致が見られ、2つの研究所間の差は0.01であった。
【表9】
【0076】
各成分のアミノ酸含量を分析し、乾物基準で報告した(各成分に関して約93%DM、
図2)。リジン及びメチオニン含量は、MFMでわずかに高かった。より広範な比較のため、BFTCにおける成分をC−SPCと比較し、48%CPのSBM、Empyreal(商標)75、及び家禽副産物ミールを含めた(
図3)。家禽ミールとの比較では、C−SPCは同等のレベルのリジンを示したが、メチオニンは低い。家禽ミールより高いレベルのメチオニンを与えるEmpyreal(商標)75とは対照的である。C−SPCは、48%SBMと比較した場合、プロリン及びチロシンを除いたすべてのアミノ酸の濃度が高い。これらの例外は、異なる大豆ミール源がもたらす結果の可能性がある。
【0077】
アミノ酸消化率は、基準餌の30%を試験成分で置き換え、回収されたふん物質で測定された消化された各アミノ酸の差を計算することによって測定した。
図4に示す通り、C−SPCは、アミノ酸消化率90%超を示した(合計AA)。MFMとの比較では、C−SPCは、同等であったか、またはMFMより高いアミノ酸消化率を有した。
【0078】
結論
可溶性炭水化物を除去するために酸性化コーン・スティープ・リカーを用いて開発されたC−SPC、すなわち、本開示の実施形態に従うタンパク質濃縮物は、良好なアミノ酸消化率を示した。さらに、Empyreal(商標)75とC−SPCの組合せは、健全なAAプロファイルを与え、より良好な消化率のため、他のタンパク質成分より高い価値を有する可能性がある。
【0079】
実施例7:アミノ酸消化率及び真の代謝エネルギー(TME)の測定
アミノ酸消化率を、ケージ内の盲腸切除単冠白色レグホン種の雄鶏で測定し、TME
nを通常の(無傷の)雄鶏で測定した。精度の低いTME
n値が容認できる場合には、両方を盲腸切除雄鶏で測定することができる。雄鶏を24時間絶食させ、その後、雄鶏に30gの試験飼料成分を経管給餌(素嚢内)する。各ケージの下にトレイを置き、すべての排せつ物を48時間収集する。この排せつ物を次いで凍結乾燥し、計量し、粉砕し、その後、アミノ酸(アミノ酸消化率用)または総エネルギー及び窒素(TME
n用)を分析する。真のアミノ酸消化率及びTME
nは、その後、内因性補正のために絶食雄鶏によるアミノ酸及びエネルギー排出を用いて計算される。結果を表10及び11に示す。
【表10】
【表11】
【0080】
実施例8:飼料成分の熱量測定分析
HunterLab比色計(モデル番号CFE2)を用いて、SBM、SPC、Empyreal(商標)、及びPPC(PPCとEmpyreal(商標)の組合せ)の乾燥粉末の色を測定した。この比色計は、Hunter L
*,a
*,b
*スケールで読み取る:
−L
*値は、可視スペクトルの白/黒色を表す。より大きな正の値は、より白い製品を示す。
−a
*値は、赤/緑のスペクトルを表す。より大きな正の値は、赤みを帯びた製品を示す。
−b
*値は、黄/青のスペクトルを表す。より大きな正の値は、黄色がかった製品を示す。
すべての測定は、すべてのロットで3回行い、平均を報告する(
図5)。目視検査に基づいて、SBM及びSPC材料はベージュ色を有し、Empyreal(商標)及びPPC材料は、黄/オレンジ色を有する。a
*及びb
*の低下は、Empyreal(商標)75とSPCを混合した際に検出された(このPPCはベンチスケールで製造した)。特に、このSPCは、最も白い製品を示す最も高いL
*値を有し、同様に、望ましくない材料の色の最も低い量を示す最も低いa
*値及びb
*値を有した。
【0081】
本明細書で引用されるありとあらゆる特許、特許出願、または刊行物の開示は、参照することによりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。本発明を具体的な実施形態を参照して開示してきたが、当業者によって、本発明の真の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明の他の実施形態及び変形が考案されてもよい。添付の特許請求の範囲は、すべてのかかる実施形態及び変形を含むと解釈されることが意図される。当業者には理解されるように、本明細書を通して記載される方法もしくは組成物の任意の実施形態の要素または態様は、任意の他の実施形態に適用することができる。