特許第6870033号(P6870033)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6870033無人車の交差点通過方法、装置、機器及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6870033
(24)【登録日】2021年4月16日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】無人車の交差点通過方法、装置、機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20210426BHJP
   G08G 1/0962 20060101ALI20210426BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20210426BHJP
   B60W 40/04 20060101ALI20210426BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20210426BHJP
   B60Q 9/00 20060101ALI20210426BHJP
   B60Q 1/50 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   G08G1/16 D
   G08G1/0962
   B60W50/14
   B60W40/04
   B60W60/00
   B60Q9/00 H
   B60Q1/50 Z
【請求項の数】20
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-125684(P2019-125684)
(22)【出願日】2019年7月5日
(65)【公開番号】特開2020-42778(P2020-42778A)
(43)【公開日】2020年3月19日
【審査請求日】2019年7月5日
(31)【優先権主張番号】201811049592.0
(32)【優先日】2018年9月10日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513224353
【氏名又は名称】バイドゥ オンライン ネットワーク テクノロジー (ベイジン) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 克博
(72)【発明者】
【氏名】チェン、 ユーハン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、 ヤー
【審査官】 平井 功
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2017/146815(WO,A1)
【文献】 特開2017−076432(JP,A)
【文献】 国際公開第2017/056995(WO,A1)
【文献】 特開2017−207932(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00−99/00
B60W 10/00−10/30
B60W 30/00−60/00
B60Q 1/00− 1/56
B60Q 9/00−11/00
G01C 21/00−21/36
G01C 23/00−25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人車の交差点通過方法であって、
無人車は信号機とした交通標識なしの交差点に位置するか否かを検出することと、
前記無人車が信号機とした交通標識なしの交差点に位置することを確定したのであれば、外部の者の移動方向及び距離を識別することと、
前記外部の者の移動方向及び距離に基づき通過するか否かを確定することと、
通過するか通過しないかの結果に基づき、前記外部の者に対し対応する音声指示及び/又は視覚指示を行うことと、を含み、
前記外部の者の移動方向及び距離に基づき、通過するか通過しないかを確定することは、
前記外部の者の移動方向が前記無人車と同一方向であり、且つ距離が予め設定された安全距離以内にある場合、通過することを確定することと、
前記外部の者の移動方向が前記無人車と異なる方向であり、且つ距離が予め設定された危険距離以内にある場合、通過しないことを確定することと、を含むことを特徴とする無人車の交差点通過方法。
【請求項2】
前記通過するか通過しないかの結果に基づき、前記外部の者に対し対応する音声指示及び/又は視覚指示を行うことは、
通過するか通過しないかの結果が通過することである場合、前記外部の者に対し、回避してくださいの旨の音声指示を行い、且つ/又は外部ディスプレイにより、回避してくださいの旨の動画又は文字を表示し、且つ/又は回避してくださいを意味する警告灯を点灯することと、
通過するか通過しないかの結果が通過しないことである場合、前記外部の者に対し、先に行ってくださいの旨の音声指示を行い、且つ/又は外部ディスプレイにより、先に行ってくださいの旨の動画又は文字を表示し、且つ/又は先に行ってくださいを意味する警告灯を点灯することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の無人車の交差点通過方法。
【請求項3】
前記外部ディスプレイが窓ガラスに設けられ、
前記方法は、
前記無人車が外部ディスプレイにより、前記外部の者と対話を行う場合、前記窓ガラスが外部ディスプレイになるよう制御することと、
前記無人車が前記外部の者と対話を行わない場合、前記窓ガラスに外部の全景を表示するよう制御することとを含むことを特徴とする請求項2に記載の無人車の交差点通過方法。
【請求項4】
前記無人車が信号機とした交通標識なしの交差点に位置するか否かを検出することは、具体的には、
第1の外部カメラで収集した道路の映像又は画像データを取得することと、
前記道路の映像又は画像データに基づき、無人車が信号機とした交通標識なしの交差点に位置するか否かを検出することとを含むことを特徴とする請求項1に記載の無人車の交差点通過方法。
【請求項5】
前記外部の者の移動方向及び距離を識別することは、
複数の第2の外部カメラで収集した外部の者の映像又は画像データを取得することと、
前記外部の者の映像又は画像データに基づき、外部の者の移動方向及び距離を識別することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の無人車の交差点通過方法。
【請求項6】
前記無人車が信号機とした交通標識なしの交差点に位置することを確定したのであれば、前記外部の者の音声及び身体応答を識別することをさらに含み、
前記外部の者の移動方向が前記無人車と同一方向であり、且つ距離が予め設定された安全距離以内にある場合、通過することを確定することは、
前記外部の者の移動方向が前記無人車と同一方向であり、且つ距離が予め設定された安全距離以内にあり、且つ前記外部の者の音声及び身体応答が回避応答である場合、通過することを確定することを含み、
前記外部の者の移動方向が前記無人車と異なる方向であり、且つ距離が予め設定された危険距離以内にある場合、通過しないことを確定することは、
前記外部の者の移動方向が前記無人車と異なる方向であり、且つ距離が予め設定された危険距離以内にあり、且つ前記外部の者の音声及び身体応答が先に通らせてくださいを意味する応答である場合、通過しないことを確定することを含むことを特徴とする請求項1に記載の無人車の交差点通過方法。
【請求項7】
前記外部の者の音声及び身体応答を識別することは、
複数の前記第2の外部カメラで収集した外部の者の映像又は画像データを取得することと、
前記外部の者の映像又は画像データに基づき、前記外部の者の身体応答を識別することと、
音声センサで収集した外部の者の音声データを取得することと、
前記外部の者の音声データ及び映像又は画像データに基づき、前記外部の者の音声応答を識別することと、を含むことを特徴とする請求項に記載の無人車の交差点通過方法。
【請求項8】
前記外部の者に対し、回避してくださいの旨の音声指示を行い、且つ/又は外部ディスプレイにより、回避してくださいの旨の動画又は文字を表示し、且つ/又は回避してくださいを意味する警告灯を点灯した後、
通過する間、外部の者が前記無人車の前方に走行方向を変えることを識別した場合、前記無人車を制御して非常制動させることと、
前記外部の者に対し、先に行ってくださいの旨の音声指示を行い、且つ/又は外部ディスプレイにより、先に行ってくださいの旨の動画又は文字を表示し、且つ/又は先に行ってくださいを意味する警告灯を点灯することと、をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の無人車の交差点通過方法。
【請求項9】
前記外部の者は歩行者、自転車利用者又はその他の車両内の運転手であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の無人車の交差点通過方法。
【請求項10】
無人車の交差点通過用装置であって、
無人車が信号機とした交通標識なしの交差点に位置するか否かを検出するために用いられる検出モジュールと、
前記無人車が信号機とした交通標識なしの交差点に位置することを確定したのであれば、外部の者の移動方向及び距離を識別するために用いられる識別モジュールと、
前記外部の者の移動方向及び距離に基づき通過するか否かを確定するために用いられる通過判断モジュールと、
通過するか通過しないかの結果に基づき、前記外部の者に対し対応する音声指示及び/又は視覚指示を行うために用いられる指示モジュールと、を含み、
前記通過判断モジュールは、
前記外部の者の移動方向が前記無人車と同一方向であり、且つ距離が予め設定された安全距離以内にある場合、通過することを確定し、前記外部の者の移動方向が前記無人車と異なる方向であり、且つ距離が予め設定された危険距離以内にある場合、通過しないことを確定するために用いられることを特徴とする無人車の交差点通過用装置。
【請求項11】
前記指示モジュールは、
通過するか通過しないかの結果が通過することである場合、前記外部の者に対し、回避してくださいの旨の音声指示を行い、且つ/又は外部ディスプレイにより、回避してくださいの旨の動画又は文字を表示し、且つ/又は回避してくださいを意味する警告灯を点灯し、通過するか通過しないかの結果が通過しないことである場合、前記外部の者に対し、先に行ってくださいの旨の音声指示を行い、且つ/又は外部ディスプレイにより、先に行ってくださいの旨の動画又は文字を表示し、且つ/又は先に行ってくださいを意味する警告灯を点灯するために用いられることを特徴とする請求項10に記載の無人車の交差点通過用装置。
【請求項12】
前記外部ディスプレイが窓ガラスに設けられ、
前記装置は、制御モジュールをさらに含み、
前記制御モジュールは、前記無人車が外部ディスプレイにより、前記外部の者と対話を行う場合、前記窓ガラスが外部ディスプレイになるよう制御し、前記無人車が前記外部の者と対話を行わない場合、前記窓ガラスに外部の全景を表示するよう制御するために用いられることを特徴とする請求項11に記載の無人車の交差点通過用装置。
【請求項13】
前記検出モジュールは、
第1の外部カメラで収集した道路の映像又は画像データを取得し、前記道路の映像又は画像データに基づき、無人車が信号機とした交通標識なしの交差点に位置するか否かを検出するために用いられることを特徴とする請求項10に記載の無人車の交差点通過用装置。
【請求項14】
前記識別モジュールは、
複数の第2の外部カメラで収集した外部の者の映像又は画像データを取得し、前記外部の者の映像又は画像データに基づき、外部の者の移動方向及び距離を識別するために用いられることを特徴とする請求項10に記載の無人車の交差点通過用装置。
【請求項15】
前記識別モジュールは、さらに前記無人車が信号機とした交通標識なしの交差点に位置することを確定したのであれば、外部の者の音声及び身体応答を識別するために用いられ、
前記通過判断モジュールは、
前記外部の者の移動方向が前記無人車と同一方向であり、且つ距離が予め設定された安全距離以内にあり、且つ前記外部の者の音声及び身体応答が回避応答である場合、通過することを確定し、前記外部の者の移動方向が前記無人車と異なる方向であり、且つ距離が予め設定された危険距離以内にあり、且つ前記外部の者の音声及び身体応答が先に通らせてくださいを意味する応答である場合、通過しないことを確定するために用いられることを特徴とする請求項10に記載の無人車の交差点通過用装置。
【請求項16】
前記識別モジュールは、
複数の前記第2の外部カメラで収集した外部の者の映像又は画像データを取得し、前記外部の者の映像又は画像データに基づき、前記外部の者の身体応答を識別し、音声センサで収集した外部の者の音声データを取得し、前記外部の者の音声データ及び映像又は画像データに基づき、前記外部の者の音声応答を識別するために用いられることを特徴とする請求項15に記載の無人車の交差点通過用装置。
【請求項17】
通過する間、外部の者が前記無人車の前方に走行方向を変えることを識別した場合、前記無人車を制御して非常制動させるために用いられる非常制動モジュールをさらに含み、
前記指示モジュールは、前記外部の者に対し、先に行ってくださいの旨の音声指示を行い、且つ/又は外部ディスプレイにより、先に行ってくださいの旨の動画又は文字を表示し、且つ/又は先に行ってくださいを意味する警告灯を点灯するためにも用いられることを特徴とする請求項11に記載の無人車の交差点通過用装置。
【請求項18】
前記外部の者は歩行者、自転車利用者又はその他の車両内の運転手であることを特徴とする請求項10〜17のいずれか1項に記載の無人車の交差点通過用装置。
【請求項19】
端末機器であって、前記端末機器は、無人車に設けられ、
1つ以上のプロセッサと、
1つ以上のプログラムを記憶するために用いられる記憶装置と、
道路の映像又は画像データ及び外部の者の映像又は画像データを収集するために用いられる映像−画像収集装置と、
外部の者の音声データを収集するために用いられる音声収集装置と、を含み、
前記1つ以上のプログラムが前記1つ以上のプロセッサにより実行されると、前記1つ以上のプロセッサは請求項1〜9のいずれか1項に記載の無人車の交差点通過方法を実現することを特徴とする端末機器。
【請求項20】
コンピュータプログラムが記憶されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムはプロセッサにより実行されて、請求項1〜9のいずれか1項に記載の無人車の交差点通過方法を実現することを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は、無人運転技術の分野に関し、より詳しくは、無人車の交差点通過方法、装置、機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットと経済の発展に伴い、人々の移動のニーズを満たすための無人運転技術も、飛躍的な発展を遂げている。無人運転車はスマートカーの一種であり、車輪移動ロボットとも称され、主には、車内に設けられたコンピュータシステムを中心とするスマートパイロットにより無人運転の目的を達成するものである。
【0003】
従来技術において、一般的な車両は信号機がない交差点で歩行者、自転車又はその他の車両と出会う場合、運転手は、安全性向上の観点から、即時車両に対し適切な制御を行ったり、視線、ジェスチャ又は言葉を通じて歩行者、自転車利用者又はその他の車両の運転手と交流を行ったりすることで、信号機なしの交差点で安全性を確保する。
【0004】
しかしながら、従来の無人車は、信号機なしの交差点で歩行者、自転車利用者又はその他の車両と出会う場合、交流を行うことができないため、歩行者、自転車利用者又はその他の車両を効果的に避けることができず、交通事故を起こしやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例は無人車の交差点通過方法、装置、機器及び記憶媒体を提供する。従来技術に係る無人車は、信号機なしの交差点で歩行者、自転車利用者又はその他の車両と出会う場合、交流を行うことができないため、歩行者、自転車利用者又はその他の車両を効果的に避けることができず、交通事故を起こしやすいという技術的課題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の実施例の第1の態様は無人車の交差点通過方法を提供し、当該方法は、無人車は信号機とした交通標識なしの交差点に位置するか否かを検出することと、前記無人車が信号機とした交通標識なしの交差点に位置することを確定したのであれば、外部の者の移動方向及び距離を識別し、且つ/又は外部の者の音声−身体応答を識別することと、前記外部の者の移動方向及び距離、及び/又は前記外部の者の音声−身体応答に基づき通過するか否かを確定することと、通過するか通過しないかの結果に基づき、前記外部の者に対し対応する音声指示及び/又は視覚指示を行うことと、を含む。
【0007】
本願の実施例の第2の態様は無人車の交差点通過用装置を提供し、当該装置は、無人車は信号機とした交通標識なしの交差点に位置するか否かを検出するために用いられる検出モジュールと、前記無人車が信号機とした交通標識なしの交差点に位置することを確定したのであれば、外部の者の移動方向及び距離を識別し、且つ/又は外部の者の音声−身体応答を識別するために用いられる識別モジュールと、前記外部の者の移動方向及び距離、及び/又は前記外部の者の音声−身体応答に基づき通過するか否かを確定するために用いられる通過判断モジュールと、通過するか通過しないかの結果に基づき、前記外部の者に対し対応する音声指示及び/又は視覚指示を行うために用いられる指示モジュールとを含む。
【0008】
本願の実施例の第3の態様は端末機器を提供し、前記端末機器は、無人車に設けられ、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプログラムを記憶するために用いられる記憶装置と、道路の映像又は画像データ及び外部の者の映像又は画像データを収集するために用いられる映像−画像収集装置と、外部の者の音声データを収集するために用いられる音声収集装置とを含み、前記1つ以上のプログラムが前記1つ以上のプロセッサにより実行されると、前記1つ以上のプロセッサは第1の態様に記載の方法を実現する。
【0009】
本願の実施例の第4の態様はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、当該記憶媒体には、プロセッサにより実行されて、上記第1の態様に記載の方法を実現するためのコンピュータプログラムが記憶される。
【発明の効果】
【0010】
上述した各態様によれば、本願の実施例は、無人車は信号機とした交通標識なしの交差点に位置するか否かを検出し、次に、無人車が信号機とした交通標識なしの交差点に位置することを確定したのであれば、外部の者の移動方向及び距離を識別し、且つ/又は外部の者の音声−身体応答を識別し、そして、外部の者の移動方向及び距離、及び/又は外部の者の音声−身体応答に基づき通過するか否かを確定し、さらに、通過するか通過しないかの結果に基づき、外部の者に対し対応する音声指示及び/又は視覚指示を行うように構成される。無人車は信号機なしの交差点で外部の者の情報を取得するとともに、外部の者の情報に基づき外部の者に対し回避する又は先に通過する旨の音声指示及び/又は視覚指示を行うことにより、外部の者と交流を行って、歩行者、自転車利用者又はその他の車両を効果的に避け、交通事故の発生を効果的に防ぐことができる。
【0011】
なお、上記発明の概要の部分に記載されている内容は、本願の実施例の主要な特徴又は重要な特徴を限定するものでもなければ、本願の範囲を限定するためのものでもない。本願のその他の特徴は、以下の説明により分かりやすくなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本願の実施例1に係る無人車の交差点通過方法のフローチャートである。
図2】本願の実施例2に係る無人車の交差点通過方法のフローチャートである。
図3】本願の実施例3に係る無人車の交差点通過用装置の構造模式図である。
図4】本願の実施例4に係る無人車の交差点通過用装置の構造模式図である。
図5】本願の実施例5に係る端末機器の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、関連する各図を参照しながら、本願の実施例を詳細に説明する。関連する各図では本願のいくつかの実施例を示しているが、本願は様々な形態により実現することができ、ここに記載されている実施例に限られるように解釈されるべきはなく、むしろこれらの実施例を挙げるのは本願をより明瞭で且つ完全に理解するためであり、なお、理解すべきことは、本願に関連する各図及び実施例は、例示的に挙げられるものに過ぎず、本願の保護範囲を限定するためのものではない。
【0014】
本願の実施例において、明細書及び特許請求の範囲及び上述した各図に用いられる「第1」、「第2」、「第3」、「第4」等(該当記載がある場合)の用語は、特定の順序又は前後関係を示すために用いられるものではなく、類似する対象を区別するためのものである。なお、このような文脈の中で使用される数字は、ここに記載されている本願の実施例は図示又は記載されている内容とは異なる順序で実施してもよいことを表すために、場合によってはこれらの数字を互いに入れ替えることもできる。また、「含む」、「有する」及びこれらに準ずるその他の用語は、非排他的に含む場合も含むという意味で使用される。例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は機器は、明記されているステップ又はユニットに限られるわけではなく、明記されていない又はこれらのプロセス、方法、製品又は機器に固有のその他のステップ又はユニットを含んでもよい。
【0015】
本願に係る各発明を分かりやすく説明するために、以下、本願に関連する専門用語について解釈する。
無人運転車:無人運転車は、車載センサシステムにより道路環境を検知し、走行ルートを自動的に計画するとともに、車両が所定の場所にたどり着くよう制御するスマートカーである。それは、車載センサを利用して車両の周囲環境を検知するとともに、検知した道路、車両位置及び障害物情報に基づき、車両の走行方向及び速度を制御することにより、車両は道路において安全で且つ確実に走行するようにする。自動制御、システム構成、人工知能、ビジュアルコンピューティング等様々な技術を統合しており、コンピュータ技術、パターン識別及びスマート制御技の高度に発展した産物であり、国の科学研究の実力と産業レベルを評価する上で重要な指標でもあり、国防と国民経済の分野において幅広く利用される見込みがある。本願の実施例の説明において、無人運転車は無人車と略称される。
【0016】
以下、関連する各図を参照しながら、本願の実施例を具体的に説明する。
【0017】
「実施例1」
図1は、本願の実施例1に係る無人車の交差点通過方法のフローチャートであり、図1に示すとおり、本願の実施例の実行主体は無人車の交差点通過用装置であり、当該無人車の交差点通過用装置は端末機器の中に集積されてもよい。端末機器は車載端末機器であってもよい。本実施例に係る無人車の交差点通過方法は、以下のステップ101〜ステップ104を含む。
【0018】
ステップ101において、無人車は信号機とした交通標識なしの交差点に位置するか否かを検出する。
【0019】
本実施例において、無人車には様々なタイプのセンサを備え、少なくとも外部カメラと、音声センサとを含む。
【0020】
具体的には、本実施例において、外部カメラで収集した道路の映像又は画像データに基づき、無人車は交差点に位置するか否かを判断し、無人車が交差点に位置するのであれば、道路の映像又は画像データに基づき、交通標識識別アルゴリズムを用いて交通標識に対する識別を行って、交差点に信号機とした交通標識があるか否かを判断してもよい。
【0021】
ただし、交差点は十字交差点、分岐交差点等であってもよく、本実施例では、これについて限定しない。
【0022】
ステップ102において、無人車が信号機とした交通標識なしの交差点に位置することを確定したのであれば、外部の者の移動方向及び距離を識別する、且つ/又は外部の者の音声−身体応答を識別する。
【0023】
具体的には、本実施例において、無人車が信号機とした交通標識なしの交差点に位置することを確定したのであれば、外部カメラで撮影した外部の者の映像又は画像データに基づき、外部の者の移動方向及び距離を識別してもよい。又はオールタナティブとして、外部カメラで収集した外部の者の映像又は画像データに基づき、外部の者の身体応答を識別し、外部音声センサが収集した外部の者の音声データに基づき、外部の者の音声応答を識別してもよい。又は、外部カメラで撮影した外部の者の映像又は画像データに基づき、外部の者の移動方向及び距離を識別するだけでなく、外部カメラで収集した外部の者の映像又は画像データ基づき、外部の者の身体応答を識別し、外部音声センサで収集した外部の者の音声データに基づき、外部の者の音声応答を識別してもよい。
【0024】
ただし、外部の者は歩行者、自転車利用者又はその他の車両の運転手であってもよい。
【0025】
ただし、外部の者の身体応答は、ジェスチャ応答であってもよく、例えば、前進の禁止を意味するジェスチャ、回避を意味するジェスチャ等である。外部の者の音声応答は、「少しお待ちください」、「先に通らせてください」等、先に通過する意味を表す音声応答でもよければ、又は「先に通過してください」、「先に行ってください」等、回避を意味する音声応答であってもよい。
【0026】
ステップ103において、外部の者の移動方向及び距離、及び/又は外部の者の音声−身体応答に基づき通過するか否かを確定する。
【0027】
具体的には、本実施例において、外部の者の移動方向及び距離に基づき通過するか通過しないかを確定してもよければ、外部の者の音声応答若しくは身体応答又は音声及び身体応答に基づき通過するか通過しないかを確定してもよい。又は、外部の者の移動方向及び距離、並びに外部の者の音声応答若しくは身体応答又は音声及び身体応答に基づき、通過するか通過しないかを確定する。
【0028】
本実施例において、外部の者の移動方向及び距離に基づき、通過するか通過しないかを確定することについて、以下のとおりに示例的に説明する。外部の者の移動方向は無人車と同一方向であり、且つ距離は予め設定された安全距離以内にある場合、無人車が通過することを確定する。外部の者の移動方向は無人車と異なる方向であり、且つ距離は予め設定された危険距離以内にある場合、無人車が通過しないことを確定する。外部の者の移動方向は無人車と同一方向であり、且つ距離は予め設定された危険距離以内にある場合、一旦通過せず、距離は予め設定された安全距離以内となれば、車両を起動して通過する。外部の者の移動方向は無人車と異なる方向であり、且つ距離は予め設定された安全距離以内にある場合、減速しながら徐行し、安全に通過する。
【0029】
ただし、予め設定された安全距離は3メートル、5メートル等であってもよく、予め設定された危険距離は2メートル、1メートル等であってもよく、本実施例では、その具体的な数値について限定しない。
【0030】
本実施例において、外部の者の音声−身体応答に基づき、通過するか通過しないかを確定することについて、以下のとおりに示例的に説明する。外部の者の音声−身体応答は、先に通らせてくださいを意味する応答である場合、通過しないことを確定し、外部の者が通過してから、無人車と予め設定された安全距離以内となるとまた通過する。外部の者の音声−身体応答は、無人車を回避することを意味する応答である場合、通過を確定するとともに、通過する間に、外部の者と予め設定された安全距離を保ちながら、安全に交差点を通過する。
【0031】
ステップ104において、通過するか通過しないかの結果に基づき、外部の者に対し、対応する音声指示及び/又は視覚指示を行う。
【0032】
具体的には、本実施例において、通過するか通過しないかの結果が通過することである場合、外部の者に対し、回避してくださいの旨の音声指示及び/又は視覚指示を行い、通過するか通過しないかの結果が通過しないことである場合、外部の者に対し、先に行ってくださいの旨の音声指示及び/又は視覚指示を行う。
【0033】
ただし、音声指示は、マイクロフォンを通じて外部に対し指示を行ってもよく、視覚指示は、外部ディスプレイを通じて動画又は文字指示を表示するか、及び/又は警告灯を点灯して指示を行ってもよい。
【0034】
本実施例に係る無人車の交差点通過方法は、無人車は信号機とした交通標識なしの交差点に位置するか否かを検出し、次に、無人車が信号機とした交通標識なしの交差点に位置することを確定したのであれば、外部の者の移動方向及び距離を識別し、且つ/又は外部の者の音声−身体応答を識別し、そして、外部の者の移動方向及び距離、及び/又は外部の者の音声−身体応答に基づき通過するか否かを確定し、さらに、通過するか通過しないかの結果に基づき、外部の者に対し、対応する音声指示及び/又は視覚指示を行うように構成される。無人車は信号機なしの交差点で外部の者の情報を取得するとともに、外部の者の情報に基づき外部の者に対し、回避する又は先に通過する旨の音声指示及び/又は視覚指示を行うことにより、外部の者と交流を行って、歩行者、自転車利用者又はその他の車両を効果的に避け、交通事故の発生を効果的に防ぐことができる。
【0035】
「実施例2」
図2は、本願の実施例2に係る無人車の交差点通過方法のフローチャートであり、図2に示すとおり、本実施例に係る無人車の交差点通過方法は、本願の実施例1に係る無人車の交差点通過方法をベースにして、ステップ101〜ステップ104をより細かくするとともに、通過する間、外部の者は無人車の前方にその走行方向を変えることを識別した場合、無人車を制御して非常制動させるステップをさらに含み、本実施例に係る無人車の交差点通過方法は、以下のステップ201〜ステップ207を含む。
【0036】
ステップ201において、無人車は信号機とした交通標識なしの交差点に位置するか否かを検出する。
【0037】
さらに、本実施例において、無人車は信号機とした交通標識なしの交差点に位置するか否かを検出することは、具体的に、以下を含む。
まず、第1の外部カメラで収集した道路の映像又は画像データを取得する。
【0038】
具体的には、第1の外部カメラは無人車に設けられてもよければ、走行道路の両側に設けられてもよい。走行道路の両側に設けられる場合、無人車と通信を行って、道路の映像又は画像データを無人車に伝送する。
【0039】
次に、道路の映像又は画像データに基づき、無人車は信号機とした交通標識なしの交差点に位置するか否かを検出する。
【0040】
具体的には、本実施例において、まず交差点の特徴に基づき、識別アルゴリズムを用いて無人車は道路の交差点に位置するか否かを確定し、道路の交差点に位置する場合、信号機とした交通標識の特徴に基づき、識別アルゴリズムを用いて信号機とした交通標識なしの交差点に位置するか否かを判断する。
【0041】
ただし、無人車は道路の交差点に位置するか否かを判断する識別アルゴリズム、及び交差点に信号機とした交通標識があるか否かを判断する識別アルゴリズムのタイプについては限定せず、例えば、機械学習アルゴリズム、ディープラーニングアルゴリズム等であってもよい。
【0042】
ステップ202において、無人車が信号機とした交通標識なしの交差点に位置することを確定したのであれば、外部の者の移動方向及び距離を識別する、且つ/又は外部の者の音声−身体応答を識別する。
【0043】
さらに、本実施例において、外部の者は歩行者、自転車利用者又はその他の車両内の運転手である。
【0044】
さらに、本実施例において、外部の者の移動方向及び距離を識別することは、具体的に、以下を含む。
まず、複数の第2の外部カメラで収集した外部の者の映像又は画像データを取得する。
【0045】
具体的には、本実施例において、無人車の車体の各方向に沿って、いずれも第2の外部カメラが設けられ、第2の外部カメラは外部の者の映像又は画像データを収集するために用いられる。第2のカメラのそれぞれは、無人車の各方向に設けられるため、収集された外部の者の映像又は画像データは重なる部分を有する。
【0046】
次に、外部の者の映像又は画像データに基づき、外部の者の移動方向及び距離を識別する。
【0047】
具体的には、本実施例において、複数の第2の外部カメラで収集した外部の者の映像又は画像データは重なる部分を有するため、複数の第2の外部カメラで収集した外部の者の映像又は画像データ、及び第2の外部カメラのそれぞれの位置データに基づき、外部の者の移動方向及び距離を算出してもよい。
【0048】
さらに、本実施例において、外部の者の音声−身体応答を識別することは、具体的に、以下を含む。
まず、複数の第2の外部カメラで収集した外部の者の映像又は画像データを取得する。
【0049】
次に、外部の者の映像又は画像データに基づき、外部の者の身体応答を識別する。
【0050】
具体的には、本実施例において、第2のカメラのそれぞれは、対応する方位にいる外部の者の映像又は画像データを収集できる。複数の第2のカメラは、車体の各方向沿いに外部に向けて設けられるため、無人車の外部にいるあらゆるその他の者の映像又は画像データを収集して、身体識別アルゴリズムによりあらゆる映像又は画像データに身体識別を行うことにより、外部の者のそれぞれの身体応答を識別することができる。
【0051】
好ましくは、本実施例において、身体識別はジェスチャの識別であり、身体応答はジェスチャ応答である。ジェスチャ応答は、前進の禁止を意味するジェスチャ、回避を意味するジェスチャ、又は先に行ってくださいを意味するジェスチャ等であってもよい。
【0052】
そして、音声センサで収集した外部の者の音声データを取得する。
【0053】
最後に、外部の者の音声データ及び映像又は画像データに基づき、外部の者の音声応答を識別する。
【0054】
具体的には、本実施例において、音声センサを無人車に設け、音声センサにより外部の者の音声データを収集して取得し、音声センサで収集した音声のそれぞれの音量に基づき、音声のそれぞれの大略方位及び移動方向を取得するとともに、外部の者の映像又は画像データに基づき、音声のそれぞれに対応する外部の者の具体的な方位及び移動方向を確定するというように、音声センサと映像又は画像データを結び付けて、外部の者のそれぞれの音声応答を確定するようにしてもよい。
【0055】
ただし、音声応答は、先に通過することを意味する音声応答でもよければ、回避を意味する音声応答であってもよい。
【0056】
ステップ203において、外部の者の移動方向は無人車と同一方向であり、且つ距離は予め設定された安全距離以内にあり、且つ/又は外部の者の音声−身体応答は回避応答である場合、通過することを確定する。
【0057】
ステップ204において、外部の者の移動方向は無人車と異なる方向であり、且つ距離は予め設定された危険距離以内にあり、且つ/又は外部の者の音声−身体応答は先に通過することを意味する応答である場合、通過しないことを確定する。
【0058】
なお、本実施例において、ステップ203及びステップ204は本願の実施例1に係る無人車の交差点通過方法のステップ103をより細かくするものである。
【0059】
さらに、ステップ203及びステップ204と結び付けて説明する。本実施例において、外部の者の移動方向及び距離に基づき、外部の者の移動方向は無人車と同一方向であり、且つ距離が予め設定された安全距離以内にあることを確定した場合、この時安全に通過できるため、通過することを確定する。且つ/又は、外部の者の音声−身体応答に基づき、音声−身体応答が回避応答であることを確定した場合、この時安全に通過できるため、通過することを確定する。外部の者の移動方向及び距離に基づき、外部の者の移動方向が無人車と異なる方向であり、且つ距離が予め設定された危険距離以内にあることを確定した場合、この時安全に通過できないため、回避することを確定する。且つ/又は、外部の者の音声−身体応答に基づき、音声−身体応答が先に通過することを意味する応答であることを確定した場合、この時安全に通過できないため、回避することを確定する。
【0060】
なお、外部の者の移動方向が無人車と異なる方向であり、且つ距離が予め設定された安全距離以内にある場合、減速しながら徐行したとしても、安全に通過できるため、減速しながら徐行するように通過することを確定する。外部の者の移動方向が無人車と同一方向であり、且つ距離が予め設定された危険距離以内にある場合、一旦通過しないことを確定し、距離が予め設定された安全距離以内となるとまた通過する。外部の者がいずれも移動せず、また距離が予め設定された安全距離以内にある場合、通過することを確定する。
【0061】
ステップ205において、通過するか通過しないかの結果が通過することである場合、外部の者に対し、回避してくださいの旨の音声指示を行い、且つ/又は外部ディスプレイにより、回避してくださいの旨の動画又は文字を表示し、且つ/又は回避してくださいを意味する警告灯を点灯する。
【0062】
ステップ206において、通過するか通過しないかの結果が通過しないことである場合、外部の者に対し、先に行ってくださいの旨の音声指示を行い、且つ/又は外部ディスプレイにより、先に行ってくださいの旨の動画又は文字を表示し、且つ/又は先に行ってくださいを意味する警告灯を点灯する。
【0063】
なお、本実施例において、ステップ205及びステップ206は、本願の実施例1に係る無人車の交差点通過方法のステップ104をより詳しくするものである。
【0064】
さらに、本実施例において、通過するか通過しないかの結果が通過することである場合、無人車が通過する間、外部の者に対し注意喚起を行うために、外部の者に対し回避してくださいの旨の音声指示を行い、且つ/又は外部ディスプレイにより、回避してくださいの旨の動画又は文字を表示し、且つ/又は回避してくださいを意味する警告灯を点灯する。通過するか通過しないかの結果が通過しないことである場合、先に通過できるということを外部の者に伝え、安心して通過してもらえるように、外部の者に対し、先に行ってくださいの旨の音声指示を行い、且つ/又は外部ディスプレイにより、先に行ってくださいの旨の動画又は文字を表示し、且つ/又は先に行ってくださいを意味する警告灯を点灯する。
【0065】
ただし、回避してくださいを意味する警告灯及び先に行ってくださいを意味する警告灯は、予め定義されており、且つその他の外部の者はその意味を予め知っている。
【0066】
好ましくは、本実施例において、外部ディスプレイが窓ガラスに設けられる。無人車は外部ディスプレイを通じて外部の者と対話を行う場合、窓ガラスが外部ディスプレイになるよう制御する。無人車がその他の者と対話を行わない場合、窓ガラスに外部の全景を表示するよう制御する。
【0067】
具体的には、本実施例において、無人車内に運転手がいないので、窓の利用率を最大にするために、外部ディスプレイを窓ガラスに設ける。窓ガラスは特殊材質からなる。無人車が外部ディスプレイを通じて外部の者と対話を行う場合、窓ガラスが外部ディスプレイになるよう制御し、無人車が外部の者と対話を行わない場合、窓ガラスに外部の全景を表示するよう制御することができる。
【0068】
なお、ステップ205を実行した後、ステップ207を実行する。
【0069】
ステップ207において、通過する間、外部の者が無人車の前方にその走行方向を変えることを識別した場合、無人車を制御して非常制動させ、外部の者に対し、先に行ってくださいの旨の音声指示を行い、且つ/又は外部ディスプレイにより、先に行ってくださいの旨の動画又は文字を表示し、且つ/又は先に行ってくださいを意味する警告灯を点灯する。
【0070】
さらに、本実施例において、無人車が外部の者に対し、回避してくださいの旨の指示を行った後、外部の1人以上の者が回避する挙動をせず、交差点を通過しようとする場合もあり、この場合、無人車が通過する間、外部の者が無人車の前方にその走行方向を変える挙動があるか否かを識別し、通過する間は、外部の者が無人車の前方にその走行方向を変えることを識別した場合、走行方向を変える当該外部の者が安全に通過できるように、無人車を制御して非常制動させるとともに、走行方向を変える当該外部の者が安心して通過できるように、外部の者に対し、先に行ってくださいの旨の音声指示を行い、且つ/又は外部ディスプレイにより、先に行ってくださいの旨の動画又は文字を表示し、且つ/又は先に行ってくださいを意味する警告灯を点灯する。
【0071】
本実施例に係る無人車の交差点通過方法は、無人車が信号機とした交通標識なしの交差点に位置するか否かを検出し、次に、無人車が信号機とした交通標識なしの交差点に位置することを確定したのであれば、外部の者の移動方向及び距離、且つ/又は外部の者の音声−身体応答を識別し、外部の者の移動方向が無人車と同一方向であり、且つ距離が予め設定された安全距離以内にあり、且つ/又は音声−身体応答が回避応答である場合、通過することを確定し、また、外部の者の移動方向が無人車と異なる方向にあり、且つ距離が予め設定された危険距離以内にあり、且つ/又は音声−身体応答が先に通らせてくださいを意味する応答である場合、通過しないことを確定し、そして、通過するか通過しないかの結果が通過することである場合、外部の者に対し回避してくださいの旨の音声指示を行い、且つ/又は外部ディスプレイにより、回避してくださいの旨の動画又は文字を表示し、且つ/又は回避してくださいを意味する警告灯を点灯し、また、通過するか通過しないかの結果が通過しないことである場合、外部の者に対し、先に行ってくださいの旨の音声指示を行い、且つ/又は外部ディスプレイにより、先に行ってくださいの旨の動画又は文字を表示し、且つ/又は先に行ってくださいを意味する警告灯を点灯し、なお、通過する間、外部の者が無人車の前方にその走行方向を変えることを識別した場合、無人車を制御して非常制動させ、外部の者に対し、先に行ってくださいの旨の音声指示を行い、且つ/又は外部ディスプレイにより、先に行ってくださいの旨の動画又は文字を表示し、且つ/又は先に行ってくださいを意味する警告灯を点灯するように構成される。これにより、外部の者と交流を行って、歩行者、自転車利用者又はその他の車両を効果的に避け、交通事故の発生を効果的に防ぐだけでなく、通過する間、緊急事態が生じる場合、非常制動を行うとともに、外部の者に対し注意喚起を行うことで、通過中の安全性をよりいっそう向上させることができる。
【0072】
「実施例3」
図3は、本願の実施例3に係る無人車の交差点通過用装置の構造模式図であり、図3に示すとおり、本実施例に係る無人車の交差点通過用装置30は、検出モジュール31と、識別モジュール32と、通過判断モジュール33と、指示モジュール34とを含む。
【0073】
ただし、検出モジュール31は、無人車は信号機とした交通標識なしの交差点に位置するか否かを検出するために用いられる。識別モジュール32は、無人車が信号機とした交通標識なしの交差点に位置することを確定したのであれば、外部の者の移動方向及び距離を識別し、且つ/又は外部の者の音声−身体応答を識別するために用いられる。通過判断モジュール33は、外部の者の移動方向及び距離、及び/又は外部の者の音声−身体応答に基づき通過するか否かを確定するために用いられる。指示モジュール34は、通過するか通過しないかの結果に基づき、外部の者に対し対応する音声指示及び/又は視覚指示を行うために用いられる。
【0074】
本実施例に係る無人車の交差点通過用装置は、図1に示される方法の実施例に係る発明を実行することができ、その実現原理及び技術的効果は類似するため、ここにおいてその説明が省略される。
【0075】
「実施例4」
図4は、本願の実施例4に係る無人車の交差点通過用装置の構造模式図であり、図4に示すとおり、本実施例に係る無人車の交差点通過用装置40は、本願の実施例3に係る無人車の交差点通過用装置をベースにして、制御モジュール41と、非常制動モジュール42とをさらに含む。
【0076】
さらに、指示モジュール34は、具体的には、
通過するか通過しないかの結果が通過することである場合、外部の者に対し、回避してくださいの旨の音声指示を行い、且つ/又は外部ディスプレイにより、回避してくださいの旨の動画又は文字を表示し、且つ/又は回避してくださいを意味する警告灯を点灯し、また、通過するか通過しないかの結果が通過しないことである場合、外部の者に対し、先に行ってくださいの旨の音声指示を行い、且つ/又は外部ディスプレイにより、先に行ってくださいの旨の動画又は文字を表示し、且つ/又は先に行ってくださいを意味する警告灯を点灯するために用いられる。
【0077】
さらに、外部ディスプレイが窓ガラスに設けられる。制御モジュール41は、無人車が外部ディスプレイにより外部の者と対話を行う場合、窓ガラスが外部ディスプレイになるよう制御し、また、無人車がその他の者と対話を行わない場合、窓ガラスに外部の全景を表示するよう制御するために用いられる。
【0078】
さらに、検出モジュール31は、具体的には、第1の外部カメラで収集した道路の映像又は画像データを取得し、道路の映像又は画像データに基づき、無人車が信号機とした交通標識なしの交差点に位置するか否かを検出するために用いられる。
【0079】
さらに、識別モジュール32は、具体的には、
複数の第2の外部カメラで収集した外部の者の映像又は画像データを取得し、外部の者の映像又は画像データに基づき、外部の者の移動方向及び距離を識別するために用いられる。
【0080】
さらに、識別モジュール32は、具体的には、
複数の第2の外部カメラで収集した外部の者の映像又は画像データを取得し、外部の者の映像又は画像データに基づき、外部の者の身体応答を識別し、音声センサで収集した外部の者の音声データを取得し、外部の者の音声データ及び映像又は画像データに基づき、外部の者の音声応答を識別するために用いられる。
【0081】
さらに、通過判断モジュール33は、具体的には、
外部の者の移動方向が無人車と同一方向であり、且つ距離が予め設定された安全距離以内にあり、且つ/又は外部の者の音声−身体応答が回避応答である場合、通過することを確定し、また、外部の者の移動方向が無人車と異なる方向にあり、且つ距離は予め設定された危険距離以内にあり、且つ/又は外部の者の音声−身体応答が先に通らせてくださいを意味する応答である場合、通過しないことを確定するために用いられる。
【0082】
さらに、非常制動モジュール42は、通過する間、外部の者が無人車の前方にその走行方向を変えることを識別した場合、無人車を制御して非常制動させるために用いられる。指示モジュール34は、外部の者に対し、先に行ってくださいの旨の音声指示を行い、且つ/又は外部ディスプレイにより、先に行ってくださいの旨の動画又は文字を表示し、且つ/又は先に行ってくださいを意味する警告灯を点灯するためにも用いられる。
【0083】
ただし、本実施例に係る無人車の交差点通過用装置40において、外部の者は歩行者、自転車利用者又はその他の車両内の運転手である。
【0084】
本実施例に係る無人車の交差点通過用装置は、図2に示される方法の実施例に係る発明を実行することができ、その実現原理及び技術的効果は類似するため、ここにおいてその説明が省略される。
【0085】
「実施例5」
図5は、本願の実施例5に係る端末機器の構造模式図であり、図5に示すとおり、本実施例に係る端末機器50は、無人車に設けられ、1つ以上のプロセッサ51と、記憶装置52と、映像−画像収集装置53と、音声収集装置54とを含む。
【0086】
ただし、記憶装置52は、1つ以上のプログラムを記憶するために用いられる。映像−画像収集装置53は、道路の映像又は画像データ及び外部の者の映像又は画像データを収集するために用いられる。音声収集装置54は、外部の者の音声データを収集するために用いられる。1つ以上のプログラムが1つ以上のプロセッサにより実行されると、1つ以上のプロセッサは、本願の実施例1に係る無人車の交差点通過方法又は本願の実施例2に係る無人車の交差点通過方法を実現する。
【0087】
関連する説明は、図1及び図2におけるステップに対応する関連説明及び効果を参照して理解できるため、ここにおいてその説明が省略される。
【0088】
「実施例6」
本願の実施例は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供し、当該記憶媒体には、プロセッサにより実行されて、本願の実施例1に係る無人車の交差点通過方法又は本願の実施例2に係る無人車の交差点通過方法を実現するためのコンピュータプログラムが記憶される。
【0089】
本実施例に係るコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、無人車は信号機とした交通標識なしの交差点に位置するか否かを検出し、次に、無人車が信号機とした交通標識なしの交差点に位置することを確定したのであれば、外部の者の移動方向及び距離又は音声−身体応答を識別し、そして、外部の者の移動方向及び距離又は音声−身体応答に基づき、通過するか通過しないかを確定し、さらに、通過するか通過しないかの結果に基づき、外部の者に対し対応する音声指示及び/又は視覚指示を行うように構成される。無人車は信号機なしの交差点で外部の者の情報を取得するとともに、外部の者の情報に基づき外部の者に対し、回避する又は先に通過する旨の音声指示及び/又は視覚指示を行うことにより、外部の者と交流を行って、歩行者、自転車利用者又はその他の車両を効果的に避け、交通事故の発生を効果的に防ぐことができる。
【0090】
なお、本願に係るいくつかの実施例により開示されている装置及び方法は、その他の形態により実現することもできる。例えば、上記装置の実施例は例示的なものに過ぎず、例えば、モジュールの設定は、論理機能上の設定に過ぎず、実際に実現させる際、その他の方式で設定してもよい。例えば、複数のモジュール又はコンポーネントは、互いに組み合わせるか、もう1つのシステムに集積されるか、又はその一部の特徴を無視したり実行しなかったりしてもよい。また、記載又は説明されている要素間の接続、又は直接的な接続若しくは通信的接続は、いくつかのインタフェース、装置又はモジュールによる間接的な接続又は通信的接続であってもよく、電気的形式、機械的形式又はその他の形式であってもよい。
【0091】
分離している部品として説明されるモジュールは、物理的に分離するものでもよければ、分離していないものでもよく、モジュールとして表示される部品は、物理的なモジュールであってもよければそうでなくてもよく、すなわち同一の場所に配置されてもよいし、又は複数のネットワークモジュールに分散されてもよい。実際のニーズに応じて、そのうちから一部又は全てのモジュールを選択して、本実施例に係る発明の目的を達成してもよい。
【0092】
また、本願の実施例のそれぞれに係る機能モジュールのそれぞれは、1つの処理モジュールに集積されてもよいし、モジュールのそれぞれが別々に物理的に存在してもよく、又は2つ以上のモジュールは1つのモジュールに集積されてもよい。上記集積されているモジュールは、ハードウェアの形態で実現されてもよいし、ハードウェア及びソフトウェアによる機能モジュールを組み合わせた形態で実現されてもよい。
【0093】
本願に係る方法を実施するためのプログラムコードは、1種以上のプログラミング言語の任意の組み合わせにより書くことができる。これらのプログラムコードは汎用コンピュータ、専用コンピュータ又はその他のプログラマブルなデータ処理装置のプロセッサ若しくはコントローラに提供することにより、前記プログラムコードがプロセッサ又はコントローラにより実行される時、フローチャート及び/又はブロック図に記載の機能/操作を実施する。前記プログラムコードは全てが機器において実行されるか、一部が機器において実行されるか、独立するソフトウェアパッケージとして、一部が機器において実行されるとともにもう一部が遠隔機器において実行されるか、又はその全てが遠隔機器若しくはサーバにおいて実行されてもよい。
【0094】
本願の記載において、機器読み取り可能な媒体は、具体的な形を有する媒体であってもよく、当該媒体には、コマンド実行システム、装置又は機器に使用されるか、又はコマンド実行システム、装置又は機器と組み合わせて使用されるプログラムが含まれるか又は記憶される。機器読み取り可能な媒体は、機器読み取り可能な信号媒体又は機器読み取り可能な記憶媒体であってもよい。機器読み取り可能な媒体は電子形式、磁気形式、光学形式、電磁形式、赤外形式、又は半導体システム、装置若しくは機器、又は上記装置のあらゆる適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない。機器読み取り可能な記憶媒体の具体例として、1つ以上のバスに基づく電気的接続、ポータブルコンピュータ用ディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバー、ポータブル式コンパクトリードオンリーメモリ(CD−ROM)、光学メモリ、磁気メモリ、又は上記装置のあらゆる適切な組み合わせが挙げられる。
【0095】
また、関連する操作のそれぞれを特定の順で説明しているが、かかる操作は説明されている特定の順番により又は順に実行すべきであるか、又は所望の結果を得るには、各図に示される操作を実行する必要があるというふうに理解されるべきである。特定の環境において、マルチタスク及び並列処理は好適である場合もある。同様に、上記説明において本発明の実現に関するいくつかの具体的な詳細が含まれているが、これらは本願の範囲に対する限定として解釈されるべきではない。特定の実施例の文脈の中において記載されているいくつかの特徴は、組み合わせて一つの実施形態として実現されてもよい。なお、一つの実施形態の文脈の中において記載されている様々な特徴は、単独で又はその一部を適切に組み合わせる形態で複数の実施形態として実現されてもよい。
【0096】
構造上の特徴及び/又は方法としての論理的動作に特化される文言で本発明の主旨を説明しているが、添付の特許請求の範囲において限定される主旨は、必ずしも上記の記載における特定の特徴又は動作に限られるものではないように理解されたい。なお、上述した特定の特徴又は動作は、特許請求の範囲を実現するための例示的な形態に過ぎない。
図1
図2
図3
図4
図5