(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記生産管理装置は、前記各部品実装機の吸着ノズルの交換状況と生産状況を監視して前記自動交換装置を前記複数台の部品実装機の配列に沿って移動させることで前記各部品実装機間で前記ノズル交換ユニットを使い回す、請求項1に記載の部品実装ラインの管理システム。
前記各部品実装機の制御装置は、前記実装ヘッドに生産で使用する吸着ノズルを保持させる際に当該吸着ノズルが前記機内ノズルステーションと前記ノズル交換ユニットの両方に存在する場合には、前記機内ノズルステーションから当該吸着ノズルを取り出して前記実装ヘッドに保持させる、請求項1又は2に記載の部品実装ラインの管理システム。
前記各部品実装機の制御装置は、前記機内ノズルステーションに生産で使用しない吸着ノズルが存在し、且つ、前記ノズル交換ユニットに空きソケットが存在する場合には、前記実装ヘッドが部品吸着・実装動作を行わない期間に前記第3のノズル自動交換動作を実行して前記機内ノズルステーションから前記生産で使用しない吸着ノズルを取り出して前記ノズル交換ユニットの空きソケットに回収する、請求項1乃至3のいずれかに記載の部品実装ラインの管理システム。
前記各部品実装機の制御装置は、前記機内ノズルステーションに異常と判定された吸着ノズルが存在し、且つ、前記ノズル交換ユニットに空きソケットが存在する場合には、前記実装ヘッドが部品吸着・実装動作を行わない期間に前記第3のノズル自動交換動作を実行して前記機内ノズルステーションから前記異常と判定された吸着ノズルを取り出して前記ノズル交換ユニットの空きソケットに回収する、請求項1乃至4のいずれかに記載の部品実装ラインの管理システム。
前記各部品実装機の制御装置は、前記機内ノズルステーションに空きソケットが存在し、且つ、前記ノズル交換ユニットに前記実装ヘッドに保持されている吸着ノズルと同種の吸着ノズルが予備の吸着ノズルとして収容されている場合には、前記実装ヘッドが部品吸着・実装動作を行わない期間に前記第3のノズル自動交換動作を実行して前記ノズル交換ユニットから当該予備の吸着ノズルを取り出して前記機内ノズルステーションの空きソケットに補給する、請求項1乃至5のいずれかに記載の部品実装ラインの管理システム。
前記各部品実装機の制御装置は、前記フィーダセット部に前記ノズル交換ユニットが複数台セットされている場合には、前記実装ヘッドが部品吸着・実装動作を行わない期間に前記実装ヘッドを前記複数台のノズル交換ユニット間で移動させて、いずれかのノズル交換ユニットの空きソケットに他のノズル交換ユニットの吸着ノズルを移し替える、請求項1乃至8のいずれかに記載の部品実装ラインの管理システム。
前記各部品実装機の制御装置は、生産終了後に前記実装ヘッドに保持されている吸着ノズルや前記機内ノズルステーション内の吸着ノズルを前記フィーダセット部にセットされた複数台のノズル交換ユニットに回収する場合に、各ノズル交換ユニットに回収する吸着ノズルの種類を決めておき、前記第2又は第3のノズル自動交換動作により前記実装ヘッドや前記機内ノズルステーションから各吸着ノズルをその種類に応じて決められたノズル交換ユニットに回収する、請求項1乃至9のいずれかに記載の部品実装ラインの管理システム。
前記各部品実装機には、交換用のフィーダや交換用のノズル交換ユニット及び回収した交換済みのフィーダや交換済みのノズル交換ユニットを一時的に収容するストック部が設けられ、
前記生産管理装置は、前記各部品実装機の前記フィーダや前記ノズル交換ユニットの自動交換の準備のために、前記自動交換装置が前記各部品実装機のフィーダセット部との間で前記フィーダや前記ノズル交換ユニットの自動交換を行わない期間に、前記自動交換装置を前記各部品実装機へ移動させて前記ストック部に前記交換用のフィーダや前記交換用のノズル交換ユニットを収容すると共に、前記ストック部から前記交換済みのフィーダや前記交換済みのノズル交換ユニットを回収する、請求項1乃至11のいずれかに記載の部品実装ラインの管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、一実施例を説明する。
まず、
図1乃至
図6に基づいて部品実装ライン10の構成を説明する。
部品実装ライン10は、回路基板11の搬送方向(X方向)に沿って複数台の部品実装機12を配列して構成され、該部品実装ライン10の基板搬入側には、回路基板11に半田を印刷する半田印刷機(図示せず)や、カセット式のフィーダ14(
図4参照)とカセット式のノズル交換ユニット81(
図5及び
図6参照)を保管する保管庫19等が設置されている。
【0014】
図2に示すように、各部品実装機12には、回路基板11を搬送する2本のコンベア13と、カセット式のフィーダ14から供給される部品を吸着して回路基板11に実装する吸着ノズル(図示せず)を交換可能に保持する実装ヘッド15と、この実装ヘッド15をXY方向(左右前後方向)に移動させるヘッド移動装置16と、液晶ディスプレイ、CRT等の表示装置23等が設けられている。
【0015】
部品実装ライン10の各部品実装機12は、上流側の部品実装機12から搬送されてくる回路基板11をコンベア13によって所定位置まで搬送してクランプ機構(図示せず)で該回路基板11をクランプして、カセット式のフィーダ14から供給される部品を、実装ヘッド15の吸着ノズルで吸着して、その吸着位置から撮像位置へ移動させて、該部品をその下面側から部品撮像用カメラ(図示せず)で撮像して該部品の吸着位置ずれ量等を判定した後、その吸着位置ずれ量を補正して該部品をコンベア13上の回路基板11に実装して部品実装基板を生産する。
【0016】
次に、
図4を用いてカセット式のフィーダ14の構成を説明する。
カセット式のフィーダ14のカセットケース32は、透明又は不透明のプラスチック板又は金属板等により形成され、その側面部(カバー)が開閉可能となっている。カセットケース32内には、部品供給テープ33が巻回されたテープリール34を着脱可能(交換可能)に装填するテープ装填部35が設けられている。テープ装填部35の中心には、テープリール34を回転可能に保持するリール保持軸36が設けられている。
【0017】
カセットケース32内には、テープリール34から引き出した部品供給テープ33を部品吸着位置へ送るテープ送り機構38と、部品吸着位置の手前で部品供給テープ33からトップフィルム40(カバーテープとも呼ばれる)を剥離して該部品供給テープ33内の部品を露出させるトップフィルム剥離機構39とが設けられている。
【0018】
テープ送り機構38は、部品吸着位置の下方付近に設けられたスプロケット42と、このスプロケット42を回転駆動するモータ43等から構成され、部品供給テープ33の片方の側縁に所定ピッチで形成されたテープ送り穴にスプロケット42の歯を噛み合わせて該スプロケット42を回転させることで、部品供給テープ33を部品吸着位置へピッチ送りするようになっている。
【0019】
トップフィルム剥離機構39は、部品吸着位置の手前で部品供給テープ33を押さえて該部品供給テープ33の上面からトップフィルム40を剥離するためのテープ押え45と、該テープ押え45で剥離したトップフィルム40をテープ送り方向とは逆方向に引っ張ってカセットケース32の上部のトップフィルム回収部46内へ送り込むトップフィルム送りギア機構47と、該トップフィルム送りギア機構47を駆動するモータ48等から構成されている。
【0020】
カセットケース32のうちのテープ送り方向側の端縁部には、部品吸着位置を通過して部品が取り出された廃棄テープ33a(本実施例1ではトップフィルム40が剥離されたキャリアテープのみ)を下方に案内して排出する廃棄テープ排出通路50が下方に延びるように設けられ、該廃棄テープ排出通路50の出口50aがカセットケース32のテープ送り方向側の端面の中央より下側の位置に設けられている。
【0021】
カセットケース32内には、テープ送り機構38のモータ43やトップフィルム剥離機構39のモータ48を制御する制御装置52が設けられている。その他、図示はしないが、カセットケース32には、部品実装機12側の通信・電源用のコネクタと接続される通信・電源用のコネクタが設けられている。
【0022】
次に、
図5及び
図6を用いてカセット式のノズル交換ユニット81の構成を説明する。このカセット式のノズル交換ユニット81は、各部品実装機12のフィーダセット部24の空きスロットに1台又は複数台セットされる。
【0023】
カセット式のノズル交換ユニット81のカセットケース83は、カセット式のフィーダ14と同様に、透明又は不透明のプラスチック板又は金属板等により形成され、その側面部(カバー)が開閉可能となっている。カセットケース83内には、円盤状の回転型ノズルステーション84(周回型ノズルステーション)を交換可能に装填する円形凹部形状のノズルステーション装填部85が設けられ、該ノズルステーション装填部85の中心に駆動軸86(
図6参照)がカセットケース83の幅方向内側に向けて設けられ、該駆動軸86に、回転型ノズルステーション84の中心部が回転伝達可能且つ着脱可能に連結されるようになっている。回転型ノズルステーション84の外周部には、部品実装機12の実装ヘッド15の吸着ノズルと交換するための複数の吸着ノズル87を所定ピッチで放射状に配列して着脱可能に保持するように構成されている。
【0024】
一方、カセットケース83内には、回転型ノズルステーション84を回転させる回転駆動装置88が設けられている。この回転駆動装置88は、駆動源となるモータ89と、このモータ89の回転を駆動軸86に伝達するギア機構90とから構成されている。
【0025】
カセットケース83の上端面のうちの回転型ノズルステーション84の最上端(回転型ノズルステーション84の中心の真上方向)に対応する位置には、ノズル交換口91が形成され、該ノズル交換口91を通して回転型ノズルステーション84と部品実装機12の実装ヘッド15との間で吸着ノズル87の交換を行うようになっている。カセットケース83には、ノズル交換口91を開閉するシャッタ機構92が設けられている。シャッタ機構92は、ノズル交換口91に沿ってスライド移動するシャッタ板93と、駆動源となるモータ94と、このモータ94の回転を直線運動に変換する送りギア95と、この送りギア95とシャッタ板93との間を連結するリンク部材96とから構成されている。
【0026】
部品実装機12のフィーダセット部24にセットしたカセット式のノズル交換ユニット81内の吸着ノズル87を部品実装機12の実装ヘッド15に保持させる場合は、該実装ヘッド15を吸着ノズル交換ユニット81のノズル交換口91の上方へ移動させると共に、シャッタ機構92のシャッタ板93を開放動作させてノズル交換口91を開放する。そして、ノズル交換ユニット81内の回転型ノズルステーション84を適宜回転させて、今回の交換対象となる吸着ノズル87をノズル交換口91に位置させた後、該実装ヘッド15のノズルホルダ(図示せず)を下降させて該ノズル交換口91を通して該実装ヘッド15のノズルホルダに該吸着ノズル87を保持させてから、該実装ヘッド15のノズルホルダを上昇させて該吸着ノズル87を回転型ノズルステーション84から取り出す。
【0027】
尚、実装ヘッド15のノズルホルダに保持した吸着ノズルをノズル交換ユニット81内の回転型ノズルステーション84の空きソケットに戻す場合は、回転型ノズルステーション84を適宜回転させて、回転型ノズルステーション84の空きソケットをノズル交換口91に位置させると共に、該実装ヘッド15のノズルホルダを下降させて、該実装ヘッド15のノズルホルダに保持した吸着ノズルを回転型ノズルステーション84の空きソケットに戻すようにすれば良い。
【0028】
カセットケース83内には、回転駆動装置88のモータ89とシャッタ機構92のモータ94を制御する制御装置97が設けられている。その他、図示はしないが、カセットケース83には、部品実装機12側の通信・電源用のコネクタと接続される通信・電源用のコネクタが設けられている。
【0029】
使用する全ての吸着ノズル87には、各吸着ノズル87の識別情報(以下「ノズルID」と表記する)を記録又は記憶したノズル識別情報記録部(図示せず)が設けられている。このノズル識別情報記録部としては、例えばノズルIDをバーコード、二次元コード等で記録したコードラベルを用いても良いし、ノズルIDのデータを記憶した電子タグ(RFタグ、ICタグ、電波タグ、無線タグとも呼ばれる)を用いても良い。
【0030】
これに対し、カセットケース83内には、回転型ノズルステーション84に収容された各吸着ノズル87のノズル識別情報記録部からノズルIDを読み取るリーダ98(識別情報読取部)が設けられている。このリーダ98で読み取ったノズルIDを制御装置97のメモリに記憶しておき、ノズルIDの記憶データと回転型ノズルステーション84の回転角度とに基づいてノズル交換口91に位置するソケットに収容された吸着ノズル87のノズルIDを判別して、そのノズルIDを部品実装機12の制御装置20へ送信するようにしている。これにより、部品実装機12の制御装置20は、吸着ノズル87の自動交換時にノズル交換口91を通して交換する吸着ノズル87が生産ジョブの指定通りの吸着ノズルであるか否かを確認するようにしている。
【0031】
或は、部品実装機12の実装ヘッド15とノズル交換ユニット81との間で吸着ノズル87の自動交換を行う前に、部品実装機12の実装ヘッド15と一体的に移動するマーク撮像用カメラ(図示せず)でノズル交換口91に位置するソケットに収容された吸着ノズル87のノズル識別情報記録部を撮像して、その画像を部品実装機12の制御装置20で処理することでノズルIDを読み取るようにしても良い。
【0032】
また、本実施例では、
図3に示すように、各部品実装機12内の実装ヘッド15の移動範囲内の所定位置には、該実装ヘッド15に交換可能に保持させる吸着ノズルを収容した機内ノズルステーション99(ノズルチェンジャ)が設置されている。この機内ノズルステーション99は、公知のどのような構成のノズルステーションを用いても良い。部品実装機12の実装ヘッド15と機内ノズルステーション99との間で吸着ノズルを自動交換する前に、部品実装機12のマーク撮像用カメラ(図示せず)で機内ノズルステーション99の吸着ノズルのノズル識別情報記録部を撮像して、その画像を部品実装機12の制御装置20で処理することでノズルIDを読み取るようにしている。或は、機内ノズルステーション99の各吸着ノズルを収容する各ソケットに、各吸着ノズルのノズル識別情報記録部からノズルIDを読み取るリーダ(識別情報読取部)を設けて、このリーダで読み取ったノズルIDを部品実装機12の制御装置20へ送信するようにしても良い。このため、部品実装機12の制御装置20は、実装ヘッド15にどの吸着ノズル87が取り付けられているのかを認識できる。また、マーク撮像用カメラによる撮像やリーダによる読み取りによっても、ノズルIDの判別ができなかった場合、制御装置20は、そのソケットは吸着ノズル87が収容されていない空きソケットであると判断する。制御装置20は、各ソケットの吸着ノズル収容有無情報、及びソケットが吸着ノズル87を収容している場合はソケット位置とそのソケットに収容された吸着ノズル87のノズルIDとを関連付けた情報とを含む情報である機内ノズルステーション99のステータス情報を認識し、記憶する。
【0033】
図1に示すように、部品実装ライン10の前面側には、各部品実装機12のフィーダセット部24へのカセット式のフィーダ14のセット及び取り外しを行う自動交換装置26が設置されている。この自動交換装置26は、各部品実装機12のフィーダセット部24へのノズル交換ユニット81のセット及び取り外しも行う。
【0034】
各部品実装機12のフィーダセット部24の下方に、当該フィーダセット部24にセットする交換用の複数のフィーダ14や交換用のノズル交換ユニット81を一時的に収納するストック部71が設けられている。自動交換装置26は、各部品実装機12のフィーダセット部24から交換対象のフィーダ14や交換対象のノズル交換ユニット81を取り出してストック部71に回収すると共に、ストック部71から生産ジョブ(生産プログラム)で指定されたフィーダ14やノズル交換ユニット81を取り出して各部品実装機12のフィーダセット部24にセットする。この際、部品実装機12のストック部71に交換用のフィーダ14や交換用のノズル交換ユニット81が収納されていない場合は、後述するように、自動交換装置26は、保管庫19から交換用のフィーダ14や交換用のノズル交換ユニット81を受け取って当該部品実装機12へ移動して当該部品実装機12のフィーダセット部24との間でフィーダ14やノズル交換ユニット81を自動交換する。
【0035】
部品実装ライン10の前面側には、部品実装機12の配列に沿って自動交換装置26を左右方向(X方向)に移動させるガイドレール74が部品実装ライン10全体にX方向に延びるように設けられ、自動交換装置26が部品実装ライン10の最上流の保管庫19と最下流の部品実装機12との間を移動するようになっている。自動交換装置26は、保管庫19から生産ジョブで指定されたフィーダ14やノズル交換ユニット81を取り出して、指定された部品実装機12のストック部71へ搬送したり、ストック部71に回収した交換済み(使用済み)のフィーダ14や交換済みのノズル交換ユニット81を該ストック部71から取り出して保管庫19内に移し替える。
【0036】
図3に示すように、部品実装ライン10の各部品実装機12の制御装置20と自動交換装置26の制御装置27は、部品実装ライン10全体を管理する生産管理用コンピュータ70(生産管理装置)と有線LAN又は無線LAN等のネットワーク28を介して相互に通信可能に接続され、該生産管理用コンピュータ70によって部品実装ライン10の各部品実装機12の動作と自動交換装置26の動作が管理される。自動交換装置26は、生産管理用コンピュータ70からの指示に従って、保管庫19から交換用のフィーダ14や前記交換用のノズル交換ユニット81を受け取って、自動交換しようとする部品実装機12へ移動して当該部品実装機12の交換対象のフィーダ14や交換対象のノズル交換ユニット81を前記交換用のフィーダ14や前記交換用のノズル交換ユニット81と自動交換し、回収した交換済みのフィーダ14や交換済みのノズル交換ユニット81を保管庫19に移し替える。
【0037】
また、生産管理用コンピュータ70は、各部品実装機12のフィーダ14やノズル交換ユニット81の自動交換の準備のために、自動交換装置26が各部品実装機12のフィーダセット部24との間でフィーダ14やノズル交換ユニット81の自動交換を行わない期間に、自動交換装置26を各部品実装機12へ移動させてストック部71に交換用のフィーダ14や交換用のノズル交換ユニット81を収容すると共に、ストック部71から交換済みのフィーダ14や交換済みのノズル交換ユニット81を回収する。
【0038】
更に、本実施例の部品実装ライン10は、作業者が作業する作業場所と保管庫19との間を自動走行するユニット運搬装置76(
図1参照)を備え、前記作業場所で作業者がユニット運搬装置76に交換用のフィーダ14や交換用のノズル交換ユニット81を積載してユニット運搬装置76が保管庫19まで運搬し、ユニット運搬装置76が交換用のフィーダ14や交換用のノズル交換ユニット81を保管庫19に積み替えると共に、保管庫19に回収されている交換済みのフィーダ14や交換済みのノズル交換ユニット81をユニット運搬装置76に載せて前記作業場所に戻る。尚、ユニット運搬装置76には、保管庫19との間でフィーダ14やノズル交換ユニット81を載せ替えるユニット載替え機構(図示せず)が搭載されている。生産管理用コンピュータ70は、無線LAN等でユニット運搬装置76と通信して、該ユニット運搬装置76の動作も管理する。
【0039】
ノズル交換ユニット81には、ノズル交換ユニット81の識別情報を記憶したノズル交換ユニット識別情報記憶部(図示せず)が設けられている。
【0040】
生産管理用コンピュータ70は、複数のノズル交換ユニット81の各々の識別情報と、ノズル交換ユニット81のステータス情報とを、関連付けて記憶している。ノズル交換ユニット81のステータス情報とは、ノズル交換ユニット81に設けられた各ソケットの吸着ノズル収容有無情報、及びソケットが吸着ノズル87を収容している場合はソケット位置とそのソケットに収容された吸着ノズル87のノズルIDとを関連付けた情報を含む情報である。また、生産管理用コンピュータ70は、各ノズルIDと、その吸着ノズル87の種類とを関連付けた情報であるノズル種情報を記憶している。
【0041】
保管庫19には、制御装置と、通信用のコネクタが設けられている。ノズル交換ユニット81が、保管庫19に設けられたスロットにセットされ、カセットケース83に設けられた通信用のコネクタと、保管庫19側の通信用のコネクタが接続されると、ノズル交換ユニット81の制御装置97と保管庫19の制御装置とが通信することにより、保管庫19の制御装置は、ノズル交換ユニット識別情報記憶部に記憶された識別情報を取得する。また、保管庫19の制御装置は、ノズル交換ユニット81の制御装置97との通信により、どのノズル交換ユニット81がどのスロットにセットされているかを認識できる。保管庫19の制御装置は、生産管理用コンピュータ70と、ネットワーク28を介して相互に通信可能に接続されていても良い。
【0042】
ノズル交換ユニット81が、部品実装機12のフィーダセット部24のスロットにセットされ、カセットケース83に設けられた通信用のコネクタと、部品実装機12側の通信用のコネクタが接続されると、ノズル交換ユニット81の制御装置97と部品実装機12の制御装置20とが通信することにより、部品実装機12の制御装置20は、ノズル交換ユニット識別情報記憶部に記憶された識別情報を取得する。部品実装機12の制御装置20は、ノズル交換ユニット81の制御装置97との通信により、どのノズル交換ユニット81がどのスロットにセットされているかを認識できる。
【0043】
また、ノズル交換ユニット81が、フィーダセット部24のスロットにセットされると、リーダ98やマーク撮像用カメラが、回転型ノズルステーション84に収容された各吸着ノズル87のノズル識別情報記録部を読み取ったり撮像したりすることにより、各吸着ノズル87のノズルIDが判別される。これにより、ノズル交換ユニット81の制御装置97又は部品実装機12の制御装置20は、ノズル交換ユニット81の各ソケットにどの吸着ノズル87が収容されているかを認識できる。リーダ98やマーク撮像用カメラによる読み取りや撮像によっても、ノズルIDの判別ができなかった場合、ノズル交換ユニット81の制御装置97又は部品実装機12の制御装置20は、そのソケットは吸着ノズル87が収容されていない空きソケットであると判断する。ノズル交換ユニット81の制御装置97及び部品実装機12の制御装置20は、直接的に、又は制御装置97と20との通信を介して、ノズル交換ユニット81のステータス情報を認識し、記憶する。
【0044】
各部品実装機12の制御装置20は、実装ヘッド15を機内ノズルステーション99の上方へ移動させて両者間で吸着ノズルを自動交換する第1のノズル自動交換動作と、実装ヘッド15をフィーダセット部24上のノズル交換ユニット81の上方へ移動させて両者間で吸着ノズルを自動交換する第2のノズル自動交換動作と、実装ヘッド15を前記機内ノズルステーション99の上方とノズル交換ユニット81の上方との間で移動させて機内ノズルステーション99とノズル交換ユニット81との間で吸着ノズルを入れ替える第3のノズル自動交換動作を実行可能であり、後述するように、生産状況に応じて第1乃至第3のノズル自動交換動作の中からいずれかのノズル自動交換動作を選択して実行する。尚、本実施例において、吸着ノズルの自動交換とは、別の場所にある2本の吸着ノズルを交換する場合の他に、一箇所にある1本の吸着ノズルを別の箇所に移す場合も含まれる。
【0045】
ノズル自動交換動作により、ノズル交換ユニット81が収容する吸着ノズル87に変更があった場合、部品実装機12の制御装置20は、収容する吸着ノズル87に変更があったノズル交換ユニット81のステータス情報を新たなステータス情報に更新する。部品実装機12の制御装置20は、新たなステータス情報を、対応するノズル交換ユニット81の制御装置97に送信する。尚、部品実装機12の制御装置20は、ノズル自動交換動作により、機内ノズルステーション99が収容する吸着ノズル87に変更があった場合も、機内ノズルステーション99のステータス情報を新たなステータス情報に更新する。
【0046】
生産管理用コンピュータ70は、各部品実装機12の吸着ノズルの交換状況と生産状況を監視して、部品実装機12でノズル自動交換動作が行われた場合には、収容する吸着ノズル87に変更があったノズル交換ユニット81の識別情報と、そのノズル交換ユニット81の新たなステータス情報を、部品実装機12から取得する。生産管理用コンピュータ70は、自動交換装置26を複数台の部品実装機12の配列に沿って移動させることで、生産中に各部品実装機12間でノズル交換ユニット81(生産で使用する吸着ノズル)を使い回すことも可能となっている。
【0047】
次に、上述した第1乃至第3のノズル自動交換動作を使用して吸着ノズルを自動交換する運用例を説明する。
【0048】
(1)機内ノズルステーション99の優先使用
各部品実装機12の制御装置20は、実装ヘッド15に生産で使用する吸着ノズルを保持させる際に、当該吸着ノズルが機内ノズルステーション99とフィーダセット部24上のノズル交換ユニット81の両方に存在する場合には、前記第1のノズル自動交換動作を実行して、機内ノズルステーション99から当該吸着ノズルを取り出して実装ヘッド15に保持させる。制御装置20は、機内ノズルステーション99のステータス情報、及び生産管理用コンピュータ70と通信して取得したノズル種情報に基づいて、当該吸着ノズルが機内ノズルステーション99に存在するか否かを判断する。制御装置20は、当該吸着ノズルが機内ノズルステーション99に存在すると判断した場合、制御装置20は、機内ノズルステーション99から当該吸着ノズルを取り出して実装ヘッド15に保持させる。制御装置20が、当該吸着ノズルが機内ノズルステーション99に存在すると判断しなかった場合に、制御装置20は、ノズル種情報と、フィーダセット部24にセットされた各ノズル交換ユニット81のステータス情報とに基づいて、当該吸着ノズルがフィーダセット部24上のノズル交換ユニット81に存在するか否かを判断する。実装ヘッド15は、機内ノズルステーション99との間で吸着ノズルを自動交換した方がフィーダセット部24上のノズル交換ユニット81との間で吸着ノズルを自動交換する場合よりも、実装ヘッド15の移動距離が短くて済み、吸着ノズルの自動交換に要する時間を短縮できる。
【0049】
(2)生産で使用しない吸着ノズルの回収
各部品実装機12の制御装置20は、機内ノズルステーション99に生産で使用しない吸着ノズルが存在し、且つ、ノズル交換ユニット81に空きソケットが存在する場合には、実装ヘッド15が部品吸着・実装動作を行わない期間に前記第3のノズル自動交換動作を実行して機内ノズルステーション99から生産で使用しない吸着ノズルを取り出してフィーダセット部24上のノズル交換ユニット81の空きソケットに回収する。制御装置20は、自身に記憶された生産ジョブと、機内ノズルステーション99のステータス情報とに基づいて、機内ノズルステーション99に生産で使用しない吸着ノズルが存在するか否かを判断する。また、制御装置20は、フィーダセット部24にセットされた各ノズル交換ユニット81のステータス情報に基づいて、ノズル交換ユニット81に空きソケットが存在するか否かを判断する。制御装置20が、生産ジョブとノズル交換ユニット81のステータス情報に基づいて、このノズル交換ユニット81内の全ての吸着ノズルが生産で使用されなくなったと判断した場合には、生産管理用コンピュータ70は、部品実装機12の制御装置20との通信により、ノズル交換ユニット81内の全ての吸着ノズルが生産で使用されなくなったという判断と当該ノズル交換ユニット81がセットされたスロットの位置を取得し、自動交換装置26に、当該ノズル交換ユニット81がセットされている部品実装機12とスロットの位置を通知し、当該ノズル交換ユニット81をフィーダセット部24から取り出してストック部71又は保管庫19に回収するように指示する。このようにすれば、生産を停止させることなく、生産で使用しない吸着ノズルを回収することができる。
【0050】
(3)異常と判定された吸着ノズルの回収
各部品実装機12の制御装置20は、生産中に実装ヘッド15に保持されている吸着ノズルが折れたり、欠けたり、部品吸着率が悪化した場合は、異常な吸着ノズルと判定する。制御装置20が、機内ノズルステーション99のステータス情報、及び生産管理用コンピュータ70と通信して取得したノズル種情報に基づいて、当該異常な吸着ノズルと同種の吸着ノズルが予備の吸着ノズルとして機内ノズルステーション99内に存在すると判断する場合は、実装ヘッド15を機内ノズルステーション99の上方へ移動させて、当該異常な吸着ノズルを機内ノズルステーション99内に回収して、実装ヘッド15に当該予備の吸着ノズルを保持させる。また、制御装置20が、機内ノズルステーション99のステータス情報と、フィーダセット部24にセットされた各ノズル交換ユニット81のステータス情報と、ノズル種情報に基づいて、当該予備の吸着ノズルが機内ノズルステーション99に存在せず、フィーダセット部24上のノズル交換ユニット81に存在すると判断する場合は、実装ヘッド15を、当該予備の吸着ノズルを収容しているノズル交換ユニット81の上方へ移動させて当該異常な吸着ノズルを予備の吸着ノズルと自動交換する。
【0051】
更に、各部品実装機12の制御装置20は、異常な吸着ノズル87を機内ノズルステーション99のソケットに収容する際、異常な吸着ノズル87のノズルIDと、当該異常な吸着ノズル87が収容されたソケットの位置と、当該吸着ノズルが異常である旨とを関連付けて、機内ノズルステーション99のステータス情報として記憶する。制御装置20は、機内ノズルステーション99のステータス情報と、フィーダセット部24にセットされた各ノズル交換ユニット81のステータス情報とに基づいて、機内ノズルステーション99に異常な吸着ノズルが存在し、且つ、フィーダセット部24上のノズル交換ユニット81に空きソケットが存在すると判断する場合には、実装ヘッド15が部品吸着・実装動作を行わない期間に前記第3のノズル自動交換動作を実行して機内ノズルステーション99から異常な吸着ノズルを取り出してノズル交換ユニット81の空きソケットに回収する。このようにすれば、生産を停止させることなく、異常な吸着ノズルをノズル交換ユニット81に回収することができる。
【0052】
尚、部品実装機12の制御装置20が、機内ノズルステーション99から生産で使用しない吸着ノズルや異常な吸着ノズルを回収する場合に、生産管理用コンピュータ70が、部品実装機12の制御装置20との通信により、部品実装機12が空のノズル交換ユニット81を要求する旨を取得しても良い。この場合、生産管理用コンピュータ70は、部品実装ライン10上の保管庫19や部品実装機12に存在する複数のノズル交換ユニット81の各々の識別情報と、ノズル交換ユニット81のステータス情報とを関連付けた情報に基づいて、部品実装ライン10上に空のノズル交換ユニット81が存在するか否かを判断し、存在すると判断した場合には、その存在位置を検索する。生産管理用コンピュータ70が、部品実装ライン10上に空のノズル交換ユニット81が存在すると判断した場合、生産管理用コンピュータ70は、自動交換装置26に、空の交換ノズルユニット81が存在する部品実装機12又は保管庫19と、そのスロット位置を通知することにより、事前に自動交換装置26に空のノズル交換ユニット81をフィーダセット部24にセットさせ、機内ノズルステーション99から生産で使用しない吸着ノズルや異常な吸着ノズルを取り出してノズル交換ユニット81に回収するようにしても良い。
【0053】
(4)予備の吸着ノズルの補給
各部品実装機12の制御装置20は、機内ノズルステーション99のステータス情報と、フィーダセット部24にセットされた各ノズル交換ユニット81のステータス情報と、生産管理用コンピュータ70と通信して取得したノズル種情報とに基づいて、機内ノズルステーション99に空きソケットが存在し、且つ、フィーダセット部24上のノズル交換ユニット81に予備の吸着ノズル(つまり実装ヘッド15に保持されている吸着ノズルと同種の吸着ノズル)が収容されていると判断する場合には、実装ヘッド15が部品吸着・実装動作を行わない期間に前記第3のノズル自動交換動作を実行してフィーダセット部24上のノズル交換ユニット81から当該予備の吸着ノズルを取り出して機内ノズルステーション99の空きソケットに補給する。このようにすれば、生産中に実装ヘッド15に保持されている吸着ノズルが異常と判定されたときに、実装ヘッド15と機内ノズルステーション99との間で異常な吸着ノズルを予備の吸着ノズルと自動交換して生産を継続することができる。
【0054】
尚、部品実装機12の制御装置20が、フィーダセット部24にセットされた各ノズル交換ユニット81のステータス情報と、ノズル種情報に基づいて、フィーダセット部24上のノズル交換ユニット81に予備の吸着ノズルが存在しないと判断する場合には、生産管理用コンピュータ70は、部品実装機12の制御装置20との通信により、当該予備の吸着ノズルのノズルIDを取得する。そして生産管理用コンピュータ70は、当該ノズルIDと、部品実装ライン10上に存在するノズル交換ユニット81のステータス情報とに基づいて、当該予備の吸着ノズルを収容した別のノズル交換ユニット81が部品実装ライン10上に存在するか否かを判断し、存在すると判断した場合には、その存在位置を検索する。生産管理用コンピュータ70が、当該予備の吸着ノズルを収容したノズル交換ユニット81が部品実装ライン10上に存在すると判断した場合、生産管理用コンピュータ70は、自動交換装置26に、当該予備の吸着ノズルを収容した交換ノズルユニット81が存在する部品実装機12又は保管庫19と、そのスロット位置を通知することにより、自動交換装置26に、当該予備の吸着ノズルを収容した交換ノズルユニット81を、フィーダセット部24にセットさせ、当該別のノズル交換ユニット81から機内ノズルステーション99に補給するようにしても良い。
【0055】
また、部品実装機12の制御装置20が、吸着ノズルの異常が発生したと判断した時に、制御装置20が、機内ノズルステーション99のステータス情報と、フィーダセット部24にセットされた各ノズル交換ユニット81のステータス情報とに基づいて、予備の吸着ノズルが機内ノズルステーション99に存在せず、ノズル交換ユニット81のみに存在すると判断した場合は、制御装置20は、実装ヘッド15をノズル交換ユニット81の上方へ移動させて、実装ヘッド15とノズル交換ユニット81との間で異常な吸着ノズルを予備の吸着ノズルと自動交換するようにしても良い。
【0056】
(5)治具ノズルの使い回し
各部品実装機12のキャリブレーション時には、実装ヘッド15に治具ノズルを保持させて、部品撮像用カメラで当該治具ノズルを下方から撮像して画像処理することでノズル位置を測定する。或は、実装ヘッド15に保持させた治具ノズルにキャリブレーション用部品を吸着してキャリブレーション用実装台に実装して、その実装状態を上方からマーク撮像用カメラで撮像して、その画像を処理してキャリブレーション用部品の実装位置のずれ量を部品実装機12の部品実装位置ずれ量として測定する。
【0057】
近年、実装ヘッド15に保持させる吸着ノズルの本数が増加する傾向があるため、キャリブレーション時に使用する治具ノズルの本数も増加する傾向がある。一般に、治具ノズルは高価であるため、使用する治具ノズルの本数が増加すれば、コストアップの要因になると共に、部品実装ライン10の全ての部品実装機12に治具ノズルを準備するのは手間がかかる。
【0058】
そこで、本実施例では、使用する治具ノズルの種類が各部品実装機12間で部分的に共通することに着目して、1台又は複数台のノズル交換ユニット81を使用して、各部品実装機12間で治具ノズルを使い回すことで、使用する治具ノズルの本数を削減して、治具ノズルの準備作業を簡単化する。
【0059】
具体的には、事前に、1台又は複数台のノズル交換ユニット81に、部品実装ライン10を構成する複数の部品実装機12のキャリブレーションで使用する全ての種類の治具ノズルを収容しておく。生産管理用コンピュータ70は、前記複数の部品実装機12のキャリブレーション時に、自動交換装置26を複数台の部品実装機12の配列に沿って移動させて、部品実装ライン10の上流側から順番に1台の部品実装機12のフィーダセット部24にノズル交換ユニット81をセットする。ノズル交換ユニット81をセットされた部品実装機の制御装置20は、当該ノズル交換ユニット81内の治具ノズルを実装ヘッド15に保持させて当該1台の部品実装機12のキャリブレーションを実行する。制御装置20は、キャリブレーションを終了すると、実装ヘッド15に保持させた治具ノズルを、ノズル交換ユニット81内に回収させる。1台の部品実装機12のキャリブレーションを終了する毎に、治具ノズルをノズル交換ユニット81内に回収して次の部品実装機12のキャリブレーションに移行するという動作を繰り返すことで、各部品実装機12間でノズル交換ユニット81を使い回して治具ノズルを使い回して、複数の部品実装機12のキャリブレーションを1台ずつ順番に実行する。具体的には、キャリブレーションを終了した部品実装機12と生産管理用コンピュータ70とが通信することにより、生産管理用コンピュータ70は、当該部品実装機12のキャリブレーションが終了したこと、及び治具ノズルを収容したノズル交換ユニット81の搭載されたスロットの位置を認識する。そして生産管理用コンピュータ70は、自動交換装置26に、治具ノズルを収容したノズル交換ユニット81の位置を通知し、当該ノズル交換ユニット81を次にキャリブレーションを実施すべき部品実装機12にセットするように指示する。このようにすれば、1台又は複数台のノズル交換ユニット81を使用して、各部品実装機12間で治具ノズルを使い回すことができるため、使用する治具ノズルの本数を削減して、治具ノズルの準備作業を簡単化することができる。
【0060】
尚、治具ノズルの使い回しは、テスト生産時に行っても良い。また、全ての種類の治具ノズルを使い回す場合に限定されず、一部の種類の治具ノズルのみを使い回すようにしても良い。或は、部品実装ライン10を構成する複数台の部品実装機12のうちの一部の部品実装機12のみで治具ノズルを使い回すようにしても良い。
【0061】
(6)テスト生産時の吸着ノズルの使い回し
テスト生産で使用する吸着ノズルの本数を削減して、テスト生産時の吸着ノズルの準備作業を簡単化するために、1台又は複数台のノズル交換ユニット81を使用して、各部品実装機12間で吸着ノズルを使い回す。
【0062】
具体的には、事前に、1台又は複数台のノズル交換ユニット81に、部品実装ライン10を構成する複数の部品実装機12のテスト生産で使用する全ての種類の吸着ノズルを収容しておく。生産管理用コンピュータ70は、前記複数の部品実装機12のテスト生産時に、自動交換装置26を複数台の部品実装機12の配列に沿って移動させて、部品実装ライン10の上流側から順番に1台の部品実装機12のフィーダセット部24にノズル交換ユニット81をセットして当該ノズル交換ユニット81内の吸着ノズルを実装ヘッド15に保持させて当該1台の部品実装機12で回路基板11に部品を実装するテスト生産を行う。部品実装機12の制御装置20は、その部品実装機12でのテスト生産を終了すると、実装ヘッド15に保持させた治具ノズルを、ノズル交換ユニット81内に回収させる。1台の部品実装機12のテスト生産を終了する毎に、吸着ノズルをノズル交換ユニット81内に回収して次の部品実装機12のテスト生産に移行するという動作を繰り返すことで、各部品実装機12間でノズル交換ユニット81を使い回して吸着ノズルを使い回して、複数の部品実装機12のテスト生産を1台ずつ順番に実行する。具体的には、テスト生産を終了した部品実装機12と生産管理用コンピュータ70とが通信することにより、生産管理用コンピュータ70は、当該部品実装機12のテスト生産が終了したこと、及びノズル交換ユニット81の搭載されたスロットの位置を認識する。そして生産管理用コンピュータ70は、自動交換装置26に、ノズル交換ユニット81の位置を通知し、当該ノズル交換ユニット81を次にテスト生産を実施すべき部品実装機12にセットするように指示する。このようにすれば、テスト生産時に1台又は複数台のノズル交換ユニット81を使用して、各部品実装機12間で吸着ノズルを使い回すことができるため、テスト生産時に使用する吸着ノズルの本数を削減して、テスト生産時の吸着ノズルの準備作業を簡単化することができる。
【0063】
尚、吸着ノズルの使い回しは、通常の生産時に行っても良い。また、全ての種類の吸着ノズルを使い回す場合に限定されず、一部の種類の吸着ノズルのみを使い回すようにしても良い。或は、部品実装ライン10を構成する複数台の部品実装機12のうちの一部の部品実装機12のみで吸着ノズルを使い回すようにしても良い。
【0064】
(7)ノズル交換ユニット81の集約
各部品実装機12の制御装置20は、フィーダセット部24に複数台のノズル交換ユニット81がセットされている場合には、実装ヘッド15が部品吸着・実装動作を行わない期間に実装ヘッド15を前記複数台のノズル交換ユニット81間で移動させて、いずれかのノズル交換ユニット81の空きソケットに他のノズル交換ユニット81の吸着ノズルを移し替える。制御装置20は、ノズル交換ユニット81のステータス情報を順次更新し、他のノズル交換ユニット81が空になったことを判断し、生産管理用コンピュータ70と通信する。生産管理用コンピュータ70は、部品実装機12の制御装置20との通信により、他のノズル交換ユニット81が空になったこと、及び他のノズル交換ユニット81の搭載されたスロットの位置を認識する。生産管理用コンピュータ70は、自動交換装置26に、他のノズル交換ユニット81の位置を通知し、当該ノズル交換ユニット81をフィーダセット部24から回収するように指示する。これにより、当該他のノズル交換ユニット81が空になれば、自動交換装置26によって当該他のノズル交換ユニット81をフィーダセット部24から回収する。このようにすれば、フィーダセット部24上のノズル交換ユニット81の台数を減らすことができ、その分、フィーダセット部24上のフィーダ14の台数を増加させることができる。
【0065】
(8)生産終了後の吸着ノズルの回収
各部品実装機12の制御装置20は、生産終了後に、生産管理用コンピュータ70と通信する。生産管理用コンピュータ70は、部品実装機12の制御装置20との通信により、当該部品実装機12が、吸着ノズルが収納されていない複数台の空のノズル交換ユニット81を要求している旨を認識する。生産管理用コンピュータ70は、部品実装ライン10上に空のノズル交換ユニット81が存在するか否かを判断し、存在すると判断した場合には、その存在位置を検索する。生産管理用コンピュータ70が、空のノズル交換ユニット81が部品実装ライン10上に存在すると判断した場合、生産管理用コンピュータ70は、自動交換装置26に、空のノズル交換ユニット81が存在する位置を通知することにより、自動交換装置26に、空のノズル交換ユニット81を、当該部品実装機12のフィーダセット部にセットさせる。部品実装機12の制御装置20は、実装ヘッド15に保持されている吸着ノズルや機内ノズルステーション99内の吸着ノズルを回収する場合に、フィーダセット部24にセットされた空のノズル交換ユニット81に回収する。この際、各ノズル交換ユニット81に回収する吸着ノズルの種類(ノズル径等)が定められている場合、制御装置20は、機内ノズルステーション99のステータス情報と、ノズル交換ユニット81のステータス情報と、ノズル種情報に基づいて、前記第2又は第3のノズル自動交換動作により実装ヘッド15や機内ノズルステーション99から各吸着ノズルをその種類に応じて決められたノズル交換ユニット81に回収する。このようにすれば、ノズル交換ユニット81毎に同種の吸着ノズルを集約して回収することができ、生産終了後の後片付けや棚卸しが容易になる。
【0066】
以上説明した本実施例によれば、各部品実装機12の制御装置20は、実装ヘッド15を機内ノズルステーション99の上方へ移動させて両者間で吸着ノズルを自動交換する第1のノズル自動交換動作と、実装ヘッド15をフィーダセット部24上のノズル交換ユニット81の上方へ移動させて両者間で吸着ノズルを自動交換する第2のノズル自動交換動作を実行可能であるため、交換用の吸着ノズルを機内ノズルステーション99とフィーダセット部24上のノズル交換ユニット81に分けて収容できる。これにより、機内ノズルステーション99の大型化や、ノズル交換ユニット81の大型化、セット台数増加を回避でき、省スペース化の要求を満たしながら交換用の吸着ノズルの本数増加に対応できる。
【0067】
しかも、実装ヘッド15を機内ノズルステーション99の上方とノズル交換ユニット81の上方との間で移動させて機内ノズルステーション99とノズル交換ユニット81との間で吸着ノズルを入れ替える第3のノズル自動交換動作を実行可能であるため、この第3のノズル自動交換動作によって機内ノズルステーション99とノズル交換ユニット81との間で吸着ノズルを入れ替えることができ、ノズル交換ユニット81から機内ノズルステーション99に交換用の吸着ノズルを補給したり、機内ノズルステーション99から交換済みの吸着ノズルや異常な吸着ノズルをノズル交換ユニット81に回収することも可能となる。
【0068】
更に、本実施例では、部品実装ライン10を構成する複数台の部品実装機の配列に沿って自動交換装置26を移動させて各部品実装機12のフィーダセット部24と自動交換装置26との間でフィーダ14やノズル交換ユニット81を自動交換するようにしたので、部品実装ライン10の各部品実装機12の吸着ノズルの交換動作を自動化でき、省力化できる。
【0069】
尚、本発明は、上記実施例に限定されず、部品実装ライン10の構成を変更したり、自動交換装置26やユニット運搬装置76の構成を変更したり、フィーダ14や吸着ノズル交換ユニット81の構成を変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できることは言うまでもない。