特許第6870121号(P6870121)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6870121
(24)【登録日】2021年4月16日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】異相プロピレンコポリマーの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08F 4/6592 20060101AFI20210426BHJP
   C08F 297/08 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   C08F4/6592
   C08F297/08
【請求項の数】16
【全頁数】71
(21)【出願番号】特願2019-568190(P2019-568190)
(86)(22)【出願日】2018年6月14日
(65)【公表番号】特表2020-526598(P2020-526598A)
(43)【公表日】2020年8月31日
(86)【国際出願番号】EP2018065740
(87)【国際公開番号】WO2019007655
(87)【国際公開日】20190110
【審査請求日】2020年1月31日
(31)【優先権主張番号】17180164.0
(32)【優先日】2017年7月7日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】511114678
【氏名又は名称】ボレアリス エージー
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】レスコーニ ルイージ マリア クリストフォーロ
(72)【発明者】
【氏名】トルチュ ヴィルフリート
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルックネン ヴィッレ
(72)【発明者】
【氏名】レフティニエミ イスモ
(72)【発明者】
【氏名】アジェッラル ノウレッディン
【審査官】 佐藤 貴浩
(56)【参考文献】
【文献】 特表2017−502163(JP,A)
【文献】 特表2016−524028(JP,A)
【文献】 特表2017−514926(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0280166(US,A1)
【文献】 特表2014−525950(JP,A)
【文献】 特表2019−536779(JP,A)
【文献】 Ilya E. NIFANT'EV et al.,5-Methoxy-Substituted Zirconium Bis-indenyl ansa-Complexes: Synthesis, Structure, and Catalytic Activity in the Polymerization and Copolymerization of Alkenes,ORGANOMETALLICS,2012年 7月12日,Vol.31 Pages 4962-4970
【文献】 MIKHAIL S. KUKLIN et al.,Quantitative structure-properity relationships in propene polymerization by zirconocenes with a rac-SiMe2[Ind]2 based ligand framework,Journal of Molecular Catalysis A: Chemical,2016年,Vol.412 Pages 39-46
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 4/00− 4/82
C08F 6/00−246/00
C08F297/08
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異相プロピレンコポリマーの調製方法であって、
(i)式(I)
【化1】
式中、
Mは、ジルコニウムまたはハフニウムであり、
各Xは、独立して、シグマ供与体配位子であり、
Lは、−R’C−、−R’C−CR’−、−R’Si−、−R’Si−SiR’−、−R’Ge−から選択される二価架橋であり、各R’は、独立して、水素原子または、周期表の第14〜16族の1つ以上のヘテロ原子を任意に含むC〜C20ヒドロカルビル基もしくはフッ素原子であり、あるいは任意に2つのR’基は、一緒に環を形成することができ、
およびR1´は、各々独立して、水素、C〜C10アリールまたは基−CH(Rであり、各々のRは、独立して、HまたはC1〜10ヒドロカルビル基であり、任意に、2つのRは、一緒に環を形成することができ、
およびR2´は、各々独立して水素、C〜C10アリールまたは基−C(Rであり、各Rは独立してHもしくはC1〜10ヒドロカルビル基であるか、または任意に2つもしくは3つのR基は、一緒に環を形成することができ、
これにより、RまたはRのうちの少なくとも1つと、R1´またはR2´のうちの1つとは、水素とは異なり、
これにより、Rは、Rの1つと一緒に、R2´は、R1´の1つと一緒に、フェニル環に縮合したさらなる単環式または多環式環の一部となり得、
およびR3´は、各々独立して、直鎖C〜Cヒドロカルビル基または分岐もしくは環状C〜C10ヒドロカルビル基であり、それによって、前記基はα位で分岐しておらず、
およびR4´は、各々独立して、第三級C〜C10ヒドロカルビル基であり、
およびR5´は、各々独立して、直鎖または分岐C〜C10アルキル基またはC〜C10アリール基である、
の錯体ならびに
(ii)第13族金属の化合物を含む共触媒
を含む単一部位触媒の存在下での方法。
【請求項2】
前記式(I)において、各々のXが独立して水素原子、ハロゲン原子、C1〜6アルコキシ基、C1〜6アルキル、フェニルまたはベンジル基である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記式(I)において、Lが、ジメチルシリル、メチルシクロヘキシルシリル(すなわち、Me−Si−シクロヘキシル)、エチレンまたはメチレンである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記式(I)において、
およびR’が同じであり、直鎖C〜Cアルキル基であり、
およびR’が各々独立して分岐C〜Cアルキル基である、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記式(I)において、
Mはジルコニウムであり、
Xは独立にハロゲン原子、C1〜4アルコキシ基、C1〜4アルキル、フェニルまたはベンジル基であり、
Lはジメチルシリルであり、
およびR1´は同じであり、水素または基−CHであり、RはHまたはC1〜3アルキル基のいずれかであり、
およびR2´は同じであり、水素または基−CHであり、RはHまたはC1〜3アルキル基のいずれかであり、
とR1´、またはRとR2´のどちらかが水素であり、
およびR3´は同じであり、直鎖C〜C基であり、
およびRはそれぞれtert−ブチル基であり、
およびR5´はそれぞれ直鎖C〜Cアルキル基である、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記式(I)の錯体がrac−MeSi(2−Me−4−(3,5−MePh)−5−OMe−6−tBu−Ind)ZrClまたはrac−MeSi(2−Me−4−(4−tBu−Ph)−5−OMe−6−tBu−Ind)ZrClである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記共触媒がアルミノキサン共触媒である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記式(I)において、がZrであり、Al/Zrの比が150〜1000mol/mol、好ましくは300〜800mol/molである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
使用される前記触媒が、外部担体を含まない固体微粒子形態である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記触媒が、溶媒中に分散された触媒成分(i)および(ii)の溶液を含む液体/液体エマルジョン系を形成し、前記分散された液滴を固化させて固体粒子を形成することによって調製される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記異相コポリマーが、少なくとも1つの気相重合工程を含む、直列に連結された少なくとも2つの反応器を含む多段階プロセスで製造される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記異相コポリマーが、
(a−1)ポリプロピレンホモまたはエチレンコポリマーであるマトリックス(M)と、
(a−2)前記マトリックス(M)中に分散されたエラストマー性プロピレン−エチレンコポリマー(E)
を含み、
前記エラストマー性プロピレン−エチレンコポリマー(E)が
(i)3.1〜8.0dl/gの範囲のDIN ISO 1628/1(135℃でデカリン中)に従って測定した固有粘度(iV)、
(ii)10.0〜80.0重量%の範囲のエチレンコモノマー含有量、
(iii)任意に、0.0〜20.0重量%までの量の1−ブテンまたは0.0〜10.0重量%までの量の1−ヘキセンから選択される第2のコモノマー、
(iv)少なくとも50.0重量%のキシレン可溶性(XS)画分(25℃でISO 16152に従って測定)
を有し、
前記異相プロピレンコポリマーのキシレン可溶性(XS)画分(25℃でISO 16152に従って測定)が5.0〜50.0重量%の範囲である、
請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記異相ポリプロピレンコポリマーの前記マトリックス(M)が、分子量分布(MWD;GPCで測定したM/M)が2.5〜7.0であるポリプロピレンホモポリマーである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
(A)プロピレンおよび任意にエチレンを、少なくとも第1の反応器および任意に第2の反応器中で重合させて、プロピレンホモポリマー成分またはプロピレン−エチレンランダムコポリマー成分を形成し、前記ホモポリマーまたはコポリマー成分はマトリックス(M)を形成するステップと、
(B)ステップ(A)で調製したポリマーの存在下、気相反応器中でプロピレンとエチレンを重合させて、エラストマー性プロピレン−エチレンコポリマー成分(E)を形成するステップと
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
(a)第1の反応器において、プロピレンおよび任意にエチレンを重合させ、第1のプロピレンホモまたはコポリマー画分(R−PP1)を得、
(b)前記第1のプロピレンホモまたはコポリマー画分(R−PP1)を第2の反応器に移動させ、
(c)前記第2の反応器中で第1のプロピレンホモまたはコポリマー画分(R−PP1)の存在下でプロピレンおよび任意にエチレン重合させ、第2のプロピレンホモまたはコポリマー画分(R−PP2)を得、前記第1のプロピレンホモまたはコポリマー画分(R−PP1)と前記第2のプロピレンホモまたはコポリマー画分(R−PP2)はマトリックス(M)を形成し、
(d)前記マトリックス(M)を第3の反応器中に移動させ、前記第3の反応器は気相反応器であり、
(e)前記第3の反応器でマトリックス(M)の存在下でプロピレンおよびエチレンを重合させ、エラストマー性プロピレンコポリマー(E)を得、前記マトリックス(M)および前記エラストマー性プロピレンコポリマー(E)は異相プロピレンコポリマーを形成する、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
錯体がrac−MeSi(2−Me−4−(3,5−MePh)−5−OMe−6−tBu−Ind)ZrClまたはrac−MeSi(2−Me−4−(4−tBu−Ph)−5−OMe−6−tBu−Ind)ZrClである式(I)の錯体錯体の、
(a−1)ポリプロピレンホモまたはコポリマーであるマトリックス(M)、
(a−2)前記マトリックス(M)中に分散されたエラストマー性プロピレンコポリマー(E)
を含む異相プロピレンコポリマーを製造するための、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法のための使用であって、
前記エラストマー性プロピレンコポリマー(E)は、
(i)3.1〜8.0dl/gの範囲のDIN ISO 1628/1(135℃でデカリン中)に従って測定した固有粘度(iV)、
(ii)10.0〜80.0重量%の範囲のエチレンコモノマー含有量
(iii)任意に、0.0〜20.0重量%までの量の1−ブテンまたは0.0〜10.0重量%までの量の1−ヘキセンから選択される第2のコモノマー。
(iv)少なくとも50.0重量%のキシレン可溶性(XS)画分(25℃でISO 16152に従って測定)
を有し、
前記異相プロピレンコポリマーの前記キシレン可溶性(XS)画分(25℃でISO 16152に従って測定)が5.0〜50.0重量%の範囲である使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のクラスのメタロセン錯体を用いて、好ましくは気相重合ステップを含む多段階重合法で、異相プロピレンコポリマーを製造する方法に関する。
【0002】
本発明はさらに、好ましくは気相重合ステップを含む多ステッププロセスにおいて、異相プロピレンコポリマーを製造するための、特定のクラスのメタロセン錯体を含む触媒の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
メタロセン触媒は、ポリオレフィンを製造するために長年使用されてきた。無数の学術論文および特許公報は、オレフィン重合におけるこれらの触媒の使用を記載している。メタロセンは現在工業的に使用されており、特にポリエチレンおよびポリプロピレンは、種々の置換パターンを有するシクロペンタジエニルベースの触媒系を使用して製造されることが多い。
【0004】
メタロセン触媒は、いくつかの所望のポリマー特性を達成するために、プロピレン重合において使用される。
【0005】
しかしながら、工業的規模で、特に多段階重合配置でメタロセン触媒を使用することには、いくつかの問題がある。
【0006】
従って、プロセスおよびプロセスにおける触媒の挙動を改善する余地がある。
【0007】
いくつかの多段階重合は、スラリー相、続いて気相セットアップを利用する。一般に重合触媒、特にメタロセンベースの触媒の可能な限定の1つは、触媒がスラリー、例えばバルク中で高い活性を有する場合、気相中での活性がしばしば低いことである。これは、製造された材料の低いバルク対気相比(いわゆるバルク/GPスプリット)を達成することを困難にする。
【0008】
産業的ポリプロピレン製造に関連するために、メタロセン触媒は、全ての重合条件下、特に重合温度が少なくとも60℃である条件下、ならびに液体(理想的にはバルクスラリー)および気相反応器の両方を含む多段階プロセスの全ての実際の重合反応器において、良好な性能を有さなければならない。
【0009】
特に、3段階重合における異相コポリマーの工業的製造において、触媒は、とりわけ、ゴム相が製造される第3の反応器において依然として許容可能な活性を有するのに十分に長い寿命を有していなければならない。ここで、1つの課題は、触媒がバルクおよび第1の気相(GPR1)反応器において高い活性を有する場合、第2の気相反応器(GPR2)における活性がしばしば低く、製造された材料(いわゆるゴムスプリット)の高いGPR2対バルク+GPR1比を達成することができないことである。これは、バルクステップにおける強い(初期)活性が、より速い触媒失活をもたらし得、次いで、第2の気相反応器において不十分に活性な触媒をもたらすことを意味する。
【0010】
したがって、特にプロピレンと、4〜8個のC原子のα−オレフィンおよび/またはエチレンとの間の共重合の場合に、高い活性を提供してプロピレンコポリマーを形成するメタロセンを見出すことが望ましい。所望の触媒はまた、高分子量ポリプロピレンホモポリマーおよびコポリマーの製造において改善された性能を有するべきである。種々の先行技術の参考文献は、これらの特徴の1つ以上を目的とする。
【0011】
特許文献1および特許文献2は、とりわけrac−MeSi[2−Me−4−(3,5−MePh)Ind]ZrClと高Mwおよび高融点ポリプロピレンの製造におけるその使用について述べている。
【0012】
しかしながら、MAOまたはボレートで活性化された特許文献3のメタロセン触媒は、シリカ担体上に担持されている。60℃または70℃の重合温度では、それらは156℃〜159℃の間のTmを有するiPPを与えるが、非常に低い触媒活性である。
【0013】
特許文献2のメタロセン触媒は、特許文献3のメタロセン触媒に比べて、より高いTmのi−PPの製造を可能にし、同時により高い活性をもつBorealis Sirius触媒技術で製造されている。
【0014】
特許文献4は、溶液中でのエチレン−プロピレン共重合のためのメタロセンrac−MeSi(2−Me−4−Ph−5−OMe−6−tBuInd)ZrCl(I)およびとりわけrac−MeSi(2−Me−4−(4−tert−ブチル−Ph)−5−OMe−6−tBuInd)ZrCl(II)の使用について述べている。
【0015】
メタロセン(I)を用いて生産されるCコポリマーの分子重量は、iV 2.78dL/g(C2=11.3重量%)およびiV 2.46dL/g(C2=66.4重量%)の範囲であるが、気相反応より高いコモノマー濃度で得られた。気相重合のための例も、異相コポリマーの製造のための例も示されていない。
【0016】
特許文献5は、異相プロピレンコポリマーの調製のための、Borealis Sirius触媒技術で製造されたrac−ジメチルシランジイルビス[2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−イル]ジルコニウムジクロリド(A)またはラセミジメチルシリルビス−(2−i−ブチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−イル)ジクロロ−ジルコニウム(B)のようなメタロセンの使用を記載している。触媒(A)で製造されたゴムの分子量は、2.7〜2.0dL/gの間で変化し、一方触媒(B)を有するゴムの分子量は、エチレン含有量に依存して、2.5〜1.8dL/gの間で変化する。これらの触媒は、コポリマー中のC2含有量が30重量%未満である場合、比較的高い分子量のゴムを生成するが、プロピレン単独重合におけるそれらの分子量能力(より低いMFRに向かう)は制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】国際公開第02/02576号
【特許文献2】国際公開第2014/096171号
【特許文献3】国際公開第02/025676号
【特許文献4】国際公開第2007/116034号
【特許文献5】国際公開第2016/038211号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
メタロセン触媒の分野において多くの研究がなされてきたが、特に低メルトインデックス(MI)(すなわち、高分子量、Mw)のポリマーが製造される場合、生産性または活性が比較的低いことが見出されているので、特に多段階重合プロセスにおいて、触媒の生産性または活性に主に関連するいくつかの課題が依然として残っている。この問題は、目標ポリマーがマトリックスポリマーとプロピレン−エチレンコポリマーゴム相とを含む異相プロピレンコポリマーである場合に悪化する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明者らは、改善された重合挙動、より高い触媒生産性、高分子量ポリプロピレンホモポリマーの製造における改善された性能、およびエチレンへの低減された連鎖移動を有し、高いMwで高いエチレン含有量を有するプロピレン−エチレンコポリマーの製造を可能にし、したがって、増加した分子量を有する高いエチレン含有量の異相プロピレン/エチレンコポリマーの製造に理想的である、特定のクラスのメタロセン触媒を同定した。
【0020】
本発明で使用される触媒は、それ自体は新規ではなく、他の類似の触媒も知られている。
【0021】
しかしながら、マトリックスポリマーと、より高い分子量(iV(EPR)によって測定される)を有するプロピレン−エチレンコポリマー(すなわち、エチレン−プロピレンゴム)とを含む異相プロピレンコポリマーの製造のための少なくとも1つの気相重合ステップを含む多段階重合プロセスにおける本発明の触媒の使用は、明確には知られていない。
【0022】
したがって、一態様から見て、本発明は、異相プロピレンコポリマーの調製方法であって、
(i)式(I)
【化1】
式中、
Mは、ジルコニウムまたはハフニウムであり、
各Xは、独立して、シグマ供与体配位子であり、
Lは、−R’C−、−R’C−CR’−、−R’Si−、−R’Si−SiR’−、−R’Ge−から選択される二価架橋であり、各R’は、独立して、水素原子または、周期表の第14〜16族の1つ以上のヘテロ原子を任意に含むC〜C20ヒドロカルビル基もしくはフッ素原子であり、あるいは任意に2つのR’基は、一緒に環を形成することができ、
およびR1´は、各々独立して、水素、C〜C10アリールまたは基−CH(Rであり、各々のRは、独立して、HまたはC1〜10ヒドロカルビル基であり、任意に、2つのRは、一緒に環を形成することができ、
およびR2´は、各々独立して水素、C〜C10アリールまたは基−C(Rであり、各Rは独立してHもしくはC1〜10ヒドロカルビル基であるか、または任意に2つもしくは3つのR基は、一緒に環を形成することができ、
これによりRまたはRのうちの少なくとも1つと、R1´またはR2´のうちの1つとは、水素とは異なり、
これにより、Rは、Rの1つと一緒に、R2´は、R1´の1つと一緒に、フェニル環に縮合したさらなる単環式または多環式環の一部となり得、
およびR3´は、各々独立して、直鎖C〜Cヒドロカルビル基または分岐もしくは環状C〜C10ヒドロカルビル基であり、それによって、前記基はα位で分岐しておらず、
およびR4´は、各々独立して、第三級C〜C10ヒドロカルビル基であり、
およびR5´は、各々独立して、直鎖もしくは分岐C〜C10アルキル基またはC〜C10アリール基である、
の錯体ならびに
(ii)第13族金属の化合物を含む共触媒
を含むメタロセン触媒の存在下での方法を提供する。
【0023】
本発明による触媒は、少なくとも1つの気相重合ステップを含む、直列に連結された少なくとも2つの反応器を含む多段階プロセスに特に適している。
【0024】
本発明の触媒は、非担持形態または固体形態で使用することができる。本発明の触媒は、均一系触媒または不均一系触媒として使用することができる。
【0025】
固体形態、好ましくは固体粒子形態の本発明の触媒は、シリカまたはアルミナのような外部担体材料上に担持させることができ、または特に好ましい実施形態では、外部担体を含まないが、依然として固体形態である。例えば、固体触媒は、
(a)液体/液体エマルジョン系が形成され、前記液体/液体エマルジョン系は、溶媒中に分散した触媒成分(i)および(ii)の溶液を含んで、分散液滴を形成し、
(b)固体粒子は、前記分散液滴を固化させることによって形成される
方法によって得ることができる。
【0026】
別の観点から見ると、本発明は、マトリックスポリプロピレンホモまたはコポリマーと、前記マトリックス(M)中に分散されたエラストマー性プロピレンコポリマー(E)とを含む異相プロピレンコポリマーの形成のための、上で定義したような触媒のオレフィン重合における使用を提供し、
エラストマー性プロピレンコポリマー(E)は、
(i)3.1〜8.0dl/gの範囲の、DIN ISO 1628/1(135℃でデカリン中)に従って測定した固有粘度(iV)、
(ii)10.0〜80.0重量%の範囲のエチレンコモノマー含有量、
(iii)任意に、0.0〜20.0重量%までの量の1−ブテンまたは0.0〜10.0重量%までの量の1−ヘキセンから選択される第2のコモノマー、
(iv)少なくとも50.0重量%のキシレン可溶性(XS)画分(25℃でISO 16152に従って測定)
を有し、
異相プロピレンコポリマーのキシレン可溶性(XS)画分(25℃でISO 16152に従って測定)が5.0〜50.0重量%の範囲である。
【0027】
本発明の触媒を使用することによって、非常に高い活性、例えば、多段階重合プロセスにおいて、特に気相重合ステップにおいて、および存在する場合には第2の気相重合ステップにおいてさえ、異なる置換パターンを有する同様の触媒の活性よりもはるかに高い活性を得ることができる。第1および任意の第2の気相において高い活性を有する利点は、プロセスのより高い全体的生産性においてだけでなく、ポリマー特性の達成可能な範囲においてもあり、例えば、より高い気相分割は、より広い分子量分布を有するポリプロピレンの製造を可能にする。異相プロピレンコポリマーの文脈において、気相分割の制御は、ポリマーのキシレン可溶性含有量、すなわち、その物理的および機械的特性の操作を可能にする。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の錯体、したがって触媒は、とりわけ、インデニル環構造の使用と2,4,5および6位の非H置換基とを組み合わせた、上で定義した式(I)に基づく。
【0029】
本発明の錯体は、非対称であっても対称であってもよい。非対称とは、単に、メタロセンを形成する2つのインデニル配位子が異なること、すなわち、各インデニル配位子が、化学的に異なるか、または他のインデニル配位子に対して異なる位置に位置する置換基のセットを有することを意味する。対称錯体は、2つの同一のインデニル配位子に基づく。
【0030】
好ましくは、本発明に従って使用される錯体は対称である。
【0031】
本発明の錯体は、キラルなラセミ架橋ビスインデニルメタロセンである。本発明のメタロセンは、C対称またはC対称のいずれかである。それらがC対称である場合、それらは、配位子周辺ではないが、金属中心の近傍でC対称性を維持するので、疑似C対称性を依然として維持する。それらの化学の性質により、メソ型およびラセミ鏡像異性体対(C対称錯体の場合)または抗およびsyn鏡像異性体対(C対称錯体の場合)の両方が、錯体の合成の間に形成される。本発明の目的のために、ラセミまたはラセミ−antiは、2つのインデニル配位子がシクロペンタジエニル−金属−シクロペンタジエニル面に対して反対方向に配向されることを意味し、一方、メソまたはラセミ−synは、以下の式AおよびBに示すように、2つのインデニル配位子がシクロペンタジエニル−金属−シクロペンタジエニル面に対して同じ方向に配向されることを意味する。
【化2】
【0032】
式(I)は、これら全ての構成を包含することを意図している。
【0033】
本発明のメタロセンがラセミ体またはラセミ体抗異性体として使用される場合が好ましい。したがって、理想的には、少なくとも95.0mol%、例えば少なくとも98.0mol%、特に少なくとも99.0mol%のメタロセンが、ラセミまたはラセミ−anti異性体形態である。
【0034】
本発明の触媒においては、以下の選択が適用される。
Mはジルコニウムまたはハフニウムであり、好ましくはジルコニウムである。
【0035】
下記の定義において、ヒドロカルビル基という用語は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、アルキルアリール基もしくはアリールアルキル基、または当然アルキルで置換されたシクロアルキルのようなこれらの基の混合物を含む。
【0036】
各Xは、独立して、シグマ供与体配位子である。
【0037】
したがって、それぞれのXは、同じであっても異なっていてもよく、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、直鎖または分枝鎖の、環式または非環式のC1〜20アルキルまたはアルコキシ基、C6〜20アリール基、C7〜20アルキルアリール基またはC7〜20−アリールアルキル基であり、任意選択で周期表の14〜16族の1つまたは複数のヘテロ原子を含む。
【0038】
ハロゲンという用語は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨード基、好ましくはクロロ基を含む。
【0039】
周期表の14〜16族に属するヘテロ原子という用語は、例えば、Si、N、OまたはSを含む。
【0040】
より好ましくは、各々のXは、独立して、水素原子、ハロゲン原子、直鎖または分枝鎖のC1〜6アルキルまたはC1〜6アルコキシ基、フェニルまたはベンジル基である。
さらにより好ましくは、それぞれのXは、独立して、ハロゲン原子、直鎖または分枝鎖のC1〜4アルキルまたはC1〜4アルコキシ基、フェニルまたはベンジル基である。
【0041】
最も好ましくは、各Xは、独立して、塩素、ベンジルまたはメチル基である。
【0042】
好ましくは、両方のX基は同じである。
【0043】
両方のX基の最も好ましい選択肢は、2つの塩化物、2つのメチル基または2つのベンジル基である。
【0044】
Lは、−R’C−、−R’C−CR’−、−R’Si−、−R’Si−SiR’−、−R’Ge−から選択される二価架橋であり、各R’は、独立して、水素原子または、周期表の第14〜16族の1つ以上のヘテロ原子を任意に含むC〜C20ヒドロカルビル基またはフッ素原子であり、任意に2つのR’基は、一緒に環を形成することができる。
【0045】
周期表の14〜16族に属するヘテロ原子という用語は、例えば、Si、N、OまたはSを含む。
【0046】
好ましくは、Lは、ジメチルシリル、メチルシクロヘキシルシリル(すなわち、Me−Si−シクロヘキシル)、エチレンまたはメチレンである。
【0047】
およびR1´は、各々独立して、水素、C〜C10アリールまたは基−CH(Rであり、各Rは独立してHまたはC1〜10ヒドロカルビル基であり、任意に2つのRは一緒に環を形成することができ、
およびR2´は、各々独立して、水素、C〜C10アリールまたは基−C(R)3であり、各Ryは独立してHまたはC1〜10ヒドロカルビル基であり、あるいは任意に2つまたは3つのRy基は一緒に環を形成することができる。
【0048】
またはRの少なくとも一方、およびR’またはR’の一方は、水素とは異なっている。これは、両方のインデニル配位子の4位のフェニル基が、水素とは異なる少なくとも1つの置換基で置換されていることを意味する。
【0049】
したがって、両方のインデニル配位子の4位のフェニル基は、水素とは異なる1個、2個、または3個の置換基で置換され得る。
【0050】
別の実施形態において、Rの1つと一緒のR、ならびにRの1つと一緒のRは、フェニル環に縮合されたさらなる単環式または多環式環の一部であり得る。新しい環は、好ましくは5もしくは6員環であるか、または基は、好ましくは2つの新しい環、例えば1つのさらなる5員環および6員環を形成する。
【0051】
新しい環(複数可)は、脂肪族または芳香族であり得る。
【0052】
このようにして、2−ナフチル、5−または6−(インダニル)、5−または6−(1,1−ジアルキル−1H−インデニル)、6−(1,2,3,4−テトラヒドロナフチル)、6−(1,1,4,4−テトラメチル−1,2,3,4−テトラヒドロナフチル)、5−または6−(N−アルキル−インドリル)、5−または6−(N−アルキルインドリニル)、2−または3−(N−アルキルカルバゾリル)、5−または6−ベンゾチオフェニルなどの基を形成することができる。
【0053】
好ましくは、RおよびR’は同じであり、水素または基−CH(Rのいずれかであり、各々のRは、独立して、HまたはC1〜3ヒドロカルビル基のいずれかである。
【0054】
より好ましくは、RおよびR1´は、水素または基−CH(Rのいずれかであり、それぞれのRはHであり、すなわち当該基はメチルである。
【0055】
好ましくは、RおよびR2´も同じであり、水素または基−C(Rのいずれかであり、各RはHまたはC1〜3炭化水素基のいずれかである。
【0056】
より好ましくは、RおよびR2´は、水素または基−C(Rのいずれかであり、各RはCアルキル基であり、すなわち当該基はtert−ブチル基である。
【0057】
式(I)の錯体において、RおよびR’またはRおよびR’のいずれかが水素であることがとりわけ好ましい。
【0058】
この場合、両方のインデニル配位子の4位のフェニル基は、両方とも、フェニル基の4’位またはフェニル基の3’位および5’位のいずれかで置換されている。
【0059】
2つの4−フェニル基が異なる(例えば、一方のインデン上の3,5−ジメチルフェニルおよび他方のインデン上の3,5−ジエチルフェニル)かまたは同じであることは、本発明の範囲内である。あるいは、各4−フェニル基上の2つの3,5−置換基は、異なるもの(例えば、3−メチル−5−プロピル)であっても同じものであってもよい。
【0060】
各フェニル基上の2つの3,5−置換基が同じである場合が好ましい。2つの4位フェニル基が同じである場合が好ましい。より好ましくは、4−フェニル基は、両方の配位子上で同じであり、両方の3,5−置換基は同じである。
【0061】
さらにより好ましくは、インデニル配位子の4位のフェニル基は、両方とも3,5−ジメチル−フェニル(3,5−MePh)基であるか、または両方とも4−tert−ブチル−ブチル−フェニル(4−tBu−Ph)基である。
【0062】
およびRは、各々独立して、直鎖C〜Cヒドロカルビル基、または分岐もしくは環状C〜C10ヒドロカルビル基であり、それによって、基はα位で分岐していない。
【0063】
直鎖C〜Cヒドロカルビルの好適な例は、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−プロピルおよびn−ヘキシルのようなアルキル基である。
【0064】
α位で分岐していない分岐または環状C〜C10ヒドロカルビル基の好適な例は、ベンジル、イソブチル、イソペンチル、イソヘキシル、2−(シクロヘキシルメチル)などである。
【0065】
好ましくは、RおよびR’は、直鎖C〜Cアルキル基、より好ましくは、C〜Cアルキル基、さらにより好ましくは、メチル基である。
【0066】
およびRは、同じであっても異なっていてもよく、好ましくは同じである。
【0067】
およびRは、各々独立して、第三C〜C10ヒドロカルビル基である。
【0068】
第三C〜C10ヒドロカルビル基の好適な例は、tert−ブチル、1−アダマンチル、1,1−ジメチルベンジルなどである。
【0069】
好ましくは、RおよびR’は、第三C〜Cアルキル基、より好ましくは、tert−ブチルである。
【0070】
およびRは、同じであっても異なっていてもよく、好ましくは同じである。
【0071】
およびR5´は、各々独立して、直鎖もしくは分岐C〜C10アルキル基またはC〜C10アリール基である。
【0072】
好ましくは、RおよびR5´は、各々独立して、直鎖もしくは分岐C〜Cアルキル基またはフェニル基、より好ましくは、直鎖C〜Cアルキル基である。
【0073】
さらにより好ましくは、RおよびR5´は同じであり、最も好ましくは、RおよびR5´は両方ともメチルである。
【0074】
本発明の特定の化合物には、以下のものが含まれる。
rac−MeSi(2−Me−4−(3,5−MePh)−5−OMe−6−tBu−Ind)ZrClおよび
rac−MeSi(2−Me−4−(4−tBu−Ph)−5−OMe−6−tBu−Ind)ZrCl
【0075】
疑いを避けるために、上記で提供される置換基のより狭い定義は、任意の他の置換基の任意の他の広いまたは狭い定義と組み合わせることができる。
【0076】
上記の開示を通して、置換基のより狭い定義が提示される場合、そのより狭い定義は、本出願における他の置換基のすべてのより広いおよびより狭い定義と併せて開示されるとみなされる。
【0077】
合成
錯体を形成するのに必要な配位子、従って本発明の触媒は、任意の方法によって合成することができ、技術のある有機化学者は、必要な配位子材料を製造するための様々な合成プロトコルを考案することができるであろう。例えば、国際公開第2007/116034号は、必要な化学を開示している。合成プロトコルはまた、一般に、国際公開第2002/02576号、国際公開第2011/135004号、国際公開第2012/084961号、国際公開第2012/001052号、国際公開第2011/076780号および国際公開第2015/158790号に見出すことができる。実施例のセクションはまた、当業者に十分な方向性を提供する。
【0078】
共触媒
活性触媒種を形成するためには、当技術分野で周知の共触媒を使用することが通常必要である。メタロセン触媒を活性化するために使用される有機アルミニウム化合物またはボレートのような第13族金属の1つ以上の化合物を含む共触媒は、本発明での使用に適している。
【0079】
本発明のオレフィン重合触媒系は、(i)金属イオンが本発明の配位子によって配位されている錯体;および通常(ii)アルミニウムアルキル化合物(もしくは他の適切な共触媒)のような第13族金属の化合物を含む共触媒、またはその反応生成物を含む。したがって、共触媒は、好ましくは、MAOのようなアルモキサンまたはMAO以外のアルモキサンである。
【0080】
ボレート共触媒は、特に無機または有機担体上に担持または固定されている場合にも使用することができる。ホウ素ベースの共触媒が使用される場合、TIBAのようなアルミニウムアルキル化合物とのそれらの反応によって錯体を予備アルキル化することが通常であることは当業者には理解されるであろう。この手順は周知であり、任意の適切なアルミニウムアルキル、例えば、Al(C1〜6アルキル)を使用できる。あるいは、ボレート共触媒が使用される場合、メタロセン錯体はそのアルキル化バージョンであり、すなわち、例えば、ジメチルまたはジベンジルメタロセンを使用することができる。
【0081】
対象となるホウ素ベースの共触媒には、式(II)のものが含まれる。
BY(II)
式中、Yは同一または異なり、水素原子、1〜約20個の炭素原子のアルキル基、6〜約15個の炭素原子のアリール基、それぞれアルキルラジカル中に1〜10個の炭素原子、アリールラジカル中に6〜20個の炭素原子を有するアルキルアリール、アリールアルキル、ハロアルキルもしくはハロアリール、またはフッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素である。Yの好ましい例は、メチル、プロピル、イソプロピル、イソブチルまたはトリフルオロメチル、不飽和基、例えばアリールまたはハロアリール、例えばフェニル、トリル、ベンジル基、p−フルオロフェニル、3,5ジフルオロフェニル、ペンタクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、3,4,5−トリフルオロフェニルおよび3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニルである。好ましい選択肢は、トリフルオロボラン、トリフェニルボラン、トリス(4−フルオロフェニル)ボラン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボラン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボラン、トリス(2,4,6−トリフルオロフェニル)ボラン、トリス(ペンタ−フルオロフェニル)ボラン、トリス(トリル)ボラン、トリス(3,5−ジメチル−フェニル)ボラン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボランおよび/またはトリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボランである。
【0082】
特に好ましいのは、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランである。
【0083】
しかしながら、ボレート、すなわちボレート3+イオンを含有する化合物を使用することが好ましい。このようなイオン性共触媒は、好ましくは、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートおよびテトラフェニルボレートのような非配位性アニオンを含有する。適切な対イオンは、プロトン化アミンまたはアニリン誘導体、例えば、メチルアンモニウム、アニリニウム、ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、N−メチルアニリニウム、ジフェニルアンモニウム、N,N−ジメチルアニリニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリ−n−ブチルアンモニウム、メチルジフェニルアンモニウム、ピリジニウム、p−ブロモ−N,N−ジメチルアニリニウムまたはp−ニトロ−N,N−ジメチルアニリニウムである。
【0084】
本発明に従って使用することができる好ましいイオン性化合物には、以下のものが含まれる:
トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(フェニル)ボレート、
トリメチルアンモニウムテトラ(トリル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(トリル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリプロピルアンモニウムテトラ(ジメチルフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(トリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリブチルアンモニウムテトラ(4−フルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルベンジルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ボレート、
N,N−ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジ(プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジ(シクロヘキシル)アンモニウムテトラキスト(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリフェニルホスホニウムテトラキス(フェニル)ボレート、
トリエチルホスホニウムテトラキス(フェニル)ボレート、
ジフェニルホスホニウムテトラキス(フェニル)ボレート、
トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(フェニル)ボレート、
トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(フェニル)ボレート、
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
またはフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート。
【0085】
トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートまたは
N,N−ジメチルベンジルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート
が好ましい。
【0086】
共触媒の適切な量は、当業者に周知である。
【0087】
AlベースおよびBベースの共触媒の混合物を使用することも可能である。
【0088】
アルミノキサン共触媒は、式(III)の1つであり得る。
【化3】
式中、nは通常6〜20であり、Rは以下の意味を有する。
【0089】
アルミノキサンは、有機アルミニウム化合物、例えば式AlR、AlRYおよびAlのものの部分的加水分解で生成し、Rは、例えば、C〜C10アルキル、好ましくはC〜Cアルキル、またはC3〜10シクロアルキル、C〜C12アリールアルキルまたはアルキルアリールおよび/またはフェニルまたはナフチルであり得、Yは、水素、ハロゲン、好ましくは塩素もしくは臭素、またはC〜C10アルコキシ、好ましくはメトキシもしくはエトキシであり得る。得られる酸素含有アルミノキサンは、一般に純粋な化合物ではなく、式(III)のオリゴマーの混合物である。
【0090】
好ましいアルミノキサンは、メチルアルミノキサン(MAO)である。本発明に従って共触媒として使用されるアルミノキサンは、それらの製造様式のために純粋な化合物ではないので、以下のアルミノキサン溶液のモル濃度は、それらのアルミニウム含有量に基づく。
【0091】
アルミノキサン中のAl対メタロセンの金属イオンのモル比は、1:1〜2000:1mol/mol、好ましくは10:1〜1000:1、より好ましくは50:1〜700:1mol/molの範囲であってよい。
【0092】
一実施形態では、メタロセンの金属イオンはZrであり、Al/Zrの比は、好ましくは150〜1000mol/mol、より好ましくは300〜800mol/mol、さらにより好ましくは400〜600mol/molである。
【0093】
別の実施形態では、メタロセン(Xがアルキルまたは水素と異なる場合)をアルミニウムアルキルと、1:1〜1:500まで、好ましくは1:1〜1:250までの金属/アルミニウム比で予備反応させ、次いで、芳香族溶媒に溶解したボランまたはボレート共触媒の溶液と、別個の容器中で、または重合反応器中に直接混合する。好ましい金属/ホウ素比は、1:1〜1:100、より好ましくは1:1〜1:10である。
【0094】
触媒製造
本発明の触媒は、担持または非担持形態で使用することができる。使用される粒子状担体材料は、好ましくは、シリカ、アルミナもしくはジルコニアのような有機もしくは無機材料、またはシリカ−アルミナ、特にシリカ、アルミナもしくはシリカ−アルミナのような混合酸化物である。シリカ担体の使用が好ましい。当業者は、メタロセン触媒を担持するのに必要な手順を知っている。
【0095】
特に好ましくは、担体は、錯体錯体が、例えば、国際公開第94/14856号(Mobil)、国際公開第95/12622号(Borealis)および国際公開第2006/097497号に記載されるものに類似するプロセスを使用して、担体の細孔に装填され得るように、多孔質材料である。粒子径は重要ではないが、好ましくは5〜200μm、より好ましくは20〜80μmの範囲である。これらの担体の使用は、当技術分野では日常的である。
【0096】
代替実施形態では、担体は全く使用されない。このような触媒は、溶液中で、例えばトルエンのような芳香族溶媒中で、メタロセン(固体状または溶液として)を共触媒、例えば芳香族溶媒中に予め溶解させたメチルアルミノキサンと接触させることによって調製することができ、または溶解した触媒成分を重合媒体に連続的に添加することによって調製することができる。
【0097】
特に好ましい一実施形態では、外部担体は使用されないが、触媒は依然として固体微粒子形態で存在する。したがって、不活性有機または無機担体、例えば上記のシリカなどの外部担体材料は使用されない。
【0098】
固体形成で、しかし外部担体を使用せずに本発明の触媒を提供するためには、液体/液体エマルジョン系を使用する場合が好ましい。この方法は、溶媒中に分散触媒成分(i)および(ii)を形成し、前記分散液滴を固化させて固体粒子を形成することを含む。
【0099】
特に、この方法は、1つ以上の触媒成分の溶液を調製するステップ;前記溶液を溶媒中に分散させて前記1つ以上の触媒成分が分散相の液滴中に存在するエマルジョンを形成するステップ;外部の微粒子多孔質担体の不在下で分散液滴中の触媒成分を固定化して、前記触媒を含む固体粒子を形成するステップ;および任意に前記粒子を回収するステップを含む。
【0100】
この方法は、改善された形態、例えば所定の球形、表面特性および粒径を有する活性触媒粒子の製造を可能にし、無機酸化物、例えばシリカのような添加された外部の多孔質担体材料を何ら使用しない。用語「1つ以上の触媒成分の溶液を調製する」とは、触媒形成化合物が、非混和性溶媒に分散される1つの溶液中で組み合わされ得ること、または代替的に、触媒形成化合物の各部分について少なくとも2つの別個の触媒溶液が調製され得、次いで、溶媒に連続的に分散されることを意味する。
【0101】
触媒を形成するための好ましい方法では、前記触媒の各々または一部について少なくとも2つの別々の溶液を調製してもよく、次いで、これらを非混和性溶媒に連続的に分散させる。
【0102】
より好ましくは、遷移金属化合物および共触媒を含む錯体の溶液を溶媒と組み合わせて、不活性溶媒が連続液相を形成し、触媒成分を含む溶液が分散液滴の形態で分散相(不連続相)を形成するエマルジョンを形成する。次いで、液滴を固化させて固体触媒粒子を形成し、固体粒子を液体から分離し、任意選択で洗浄および/または乾燥する。連続相を形成する溶媒は、少なくとも分散ステップ中に使用される条件(例えば、温度)で触媒溶液と非混和性であってもよい。
【0103】
「触媒溶液と非混和性」という用語は、溶媒(連続相)が完全に非混和性または部分的に非混和性である、すなわち分散相溶液と完全に混和性でないことを意味する。
【0104】
好ましくは、前記溶媒は、製造される触媒系の化合物に関して不活性である。必要なプロセスの完全な開示は、国際公開第03/051934号に見出すことができる。
【0105】
不活性溶媒は、少なくとも分散工程中に使用される条件(例えば、温度)で化学的に不活性でなければならない。好ましくは、前記連続相の溶媒は、有意な量の触媒形成化合物をその中に溶解して含有しない。従って、触媒の固体粒子は、分散相に由来する化合物から液滴中に形成される(すなわち、連続相中に分散された溶液中でエマルジョンに提供される)。
【0106】
「固定化」および「固化」という用語は、本明細書では、同じ目的のために、すなわち、シリカなどの外部の多孔質微粒子担体の不在下で自由流動固体触媒粒子を形成するために、互換的に使用される。従って、固化は液滴内で起こる。前記ステップは、前記国際公開第03/051934号に開示されているように様々な方法で実施することができる。好ましくは、固化は、固化を引き起こす温度変化などのエマルジョン系への外部刺激によって引き起こされる。従って、前記ステップにおいて、触媒成分(複数可)は、形成された固体粒子内に「固定」されたままである。1種以上の触媒成分が固体化/固定化反応に関与することも可能である。
【0107】
これにより、所定の粒径範囲を有する固体状の組成的に均一な粒子を得ることができる。
【0108】
さらに、本発明の触媒粒子の粒径は、溶液中の液滴のサイズによって制御することができ、均一な粒径分布を有する球状粒子を得ることができる。
【0109】
この方法は、固体粒子の調製をワンポット手順として実施することができるので、工業的にも有利である。触媒を製造するために、連続的または半連続的な方法も可能である。
【0110】
分散相
二相エマルジョン系を調製するための原理は、化学分野において公知である。従って、二相液体系を形成するために、触媒成分(複数可)の溶液および連続液相として使用される溶媒は、少なくとも分散ステップの間、本質的に非混和性でなければならない。これは、公知の方法で、例えば、前記2つの液体および/または分散ステップ/固化ステップの温度を相応に選択することによって達成することができる。
【0111】
溶媒を使用して、触媒成分(複数可)の溶液を形成することができる。前記溶媒は、前記触媒成分(複数可)を溶解するように選択される。溶媒は、好ましくは、直鎖または分岐脂肪族、脂環式または芳香族炭化水素、例えば、直鎖または環状アルカン、芳香族炭化水素および/またはハロゲン含有炭化水素のような任意に置換された炭化水素を含む、この分野で使用されるような有機溶媒であり得る。
【0112】
芳香族炭化水素の例は、トルエン、ベンゼン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼンおよびキシレンである。トルエンが好ましい溶媒である。溶液は、1つ以上の溶媒を含んでもよい。したがって、このような溶媒は、エマルジョン形成を容易にするために使用することができ、通常、固化した粒子の一部を形成せず、例えば、連続相と一緒に固化ステップの後に除去される。
【0113】
あるいは、溶媒が固化に関与してもよく、例えば、40℃を超える、適切には70℃を超える、例えば80℃または90℃を超えるような、高融点を有する不活性炭化水素(ワックス)が、形成された液滴内に触媒化合物を固定化するための分散相の溶媒として使用されてもよい。
【0114】
別の実施形態において、溶媒は、液体モノマー、例えば、「予備重合」固定化工程において重合されるように設計された液体オレフィンモノマーから部分的にまたは完全になる。
【0115】
連続相
連続液相を形成するために使用される溶媒は、単一溶媒または種々の溶媒の混合物であり、少なくとも分散工程中に使用される条件(例えば、温度)で触媒成分の溶液と非混和性であり得る。好ましくは、前記溶媒は、前記化合物に関して不活性である。
【0116】
「前記化合物に関して不活性」という用語は、本明細書において、連続相の溶媒が化学的に不活性である、すなわち、いかなる触媒形成成分とも化学反応を受けないことを意味する。従って、触媒の固体粒子は、分散相に由来する化合物から液滴中に形成され、すなわち、連続相中に分散された溶液中でエマルジョンに提供される。
【0117】
固体触媒を形成するために使用される触媒成分は、連続液相の溶媒に可溶性でないことが好ましい。好ましくは、前記触媒成分は、前記連続相形成溶媒に本質的に不溶性である。
【0118】
固化は、本質的に、液滴が形成された後に起こり、すなわち、固化は、例えば、液滴中に存在する化合物の間で固化反応を引き起こすことによって、液滴内で行われる。さらに、いくらかの固化剤が系に別々に添加された場合であっても、それは液滴相内で反応し、触媒形成成分は連続相に入らない。
【0119】
本明細書で使用される用語「エマルジョン」は、二相系および多相系の両方を包含する。
【0120】
好ましい実施形態では、連続相を形成する前記溶媒は、ハロゲン化有機溶媒またはその混合物、好ましくはフッ素化有機溶媒、特に半、高または過フッ素化有機溶媒およびそれらの官能化誘導体を含む不活性溶媒である。上記の溶媒の例は、アルカン、アルケンおよびシクロアルカンのような半、高または過フッ素化炭化水素、エーテル、例えば過フッ素化エーテルおよびアミン、特に第三アミン、およびそれらの官能化誘導体である。好ましいのは、半、高または過フッ素化、特に過フッ素化炭化水素、例えばC〜C30、例えばC〜C10の過フッ素化炭化水素である。適切なパーフルオロアルカンおよびパーフルオロシクロアルカンの具体例には、パーフルオロ−ヘキサン、ヘプタン、オクタンおよび(メチルシクロヘキサン)が含まれる。半フッ素化炭化水素は、特に、パーフルオロアルキル−アルカンのような半フッ素化n−アルカンに関する。
【0121】
「半フッ素化」炭化水素はまた、−C−Fおよび−C−Hのブロックが交互になるような炭化水素を含む。「高度にフッ素化された」とは、−C−H単位の大部分が−C−F単位で置換されていることを意味する。「過フッ素化」は、すべての−C−H単位が−C−F単位で置換されることを意味する。A.Enders and G.Maasの「Chemie in unserer Zeit」、34.Jahrg.2000,Nr.6中の、およびPierandrea Lo Nostroの「Advances in Colloid and Interface Science」、56(1995)245−287,Elsevier Science中の論文を参照されたい。
【0122】
分散ステップ
エマルジョンは、当技術分野で公知の任意の手段、例えば、連続相を形成する前記溶媒に前記溶液を激しく撹拌することによるか、または混合ミルによるか、または超音波によるか、または最初に均一系を形成し、次いで系の温度を二相系に変化させて液滴が形成されるように移すことによってエマルジョンを調製するためのいわゆる相変化法を使用することによって混合することによって形成することができる。
【0123】
2相状態は、エマルジョン形成ステップおよび固化ステップの間、例えば、適切な攪拌によって維持される。
【0124】
さらに、乳化剤/エマルジョン安定剤は、エマルジョンの形成および/または安定性を促進するために、好ましくは当技術分野で公知の方法で使用することができる。前記目的のために、例えば界面活性剤、例えば炭化水素(例えば、分子量が最大10000であり、ヘテロ原子(複数可)で任意に中断されたポリマー炭化水素を含む)、好ましくはハロゲン化炭化水素、例えば−OH、−SH、NH2、NR’’2.−COOH、−COONH2、アルケンの酸化物、−CR’’=CH2から選択され、式中R’’は水素、またはC1〜C20アルキル、C2〜20アルケニルまたはC2〜20アルキニル基、オキソ基、環状エーテル、および/またはこれらの基の任意の反応性誘導体、例えばアルコキシ、またはカルボン酸アルキルエステル基である官能基を任意に有する半もしくは高度フッ素化炭化水素に基づくクラス、または、好ましくは官能化末端を有する半、高度もしくは過フッ素化炭化水素を使用することができる。界面活性剤は、エマルジョンの形成を促進し、エマルジョンを安定化させるために、エマルジョンの分散相を形成する触媒溶液に添加することができる。
【0125】
あるいは、乳化および/またはエマルジョン安定化助剤は、少なくとも1つの官能基を有する界面活性剤前駆体を、前記官能基と反応性であり、触媒溶液中または連続相を形成する溶媒中に存在する化合物と反応させることによって形成することもできる。得られた反応生成物は、形成されたエマルジョン系における実際の乳化助剤および/または安定剤として作用する。
【0126】
前記反応生成物を形成するために使用可能な界面活性剤前駆体の例としては、例えば、−OH、−SH、NH2、NR’’2.−COOH、−COONH2、アルケンの酸化物、−CR’’=CH2から選択された少なくとも1つの官能基を有する既知の界面活性剤が挙げられ、R’’は水素、またはC1〜C20アルキル、C2〜20アルケニルまたはC2〜20アルキニル基、オキソ基、3〜5個の環原子を有する環状エーテル、および/またはアルコキシもしくはカルボン酸アルキルエステル基のようなこれらの基の任意の反応性誘導体;例えば、1つ以上の上記の官能基を有する半、高または過フッ素化炭化水素である。好ましくは、界面活性剤前駆体は、上記で定義した末端官能性を有する。
【0127】
このような界面活性剤前駆体と反応する化合物は、好ましくは、触媒溶液中に含まれ、さらなる添加剤または1つ以上の触媒形成化合物であり得る。このような化合物は、例えば、13族の化合物(例えば、MAOおよび/またはアルミニウムアルキル化合物および/または遷移金属化合物)である。
【0128】
界面活性剤前駆体を使用する場合、遷移金属化合物を添加する前に、触媒溶液の化合物と最初に反応させることが好ましい。一実施形態では、例えば、高フッ素化されたC1〜n(適切にはC4〜30もしくはC5〜15)アルコール(例えば、高フッ素化されたヘプタノール、オクタノールもしくはノナノール)、オキシド(例えば、プロペンオキシド)またはアクリレートエステルを共触媒と反応させて、「実際の」界面活性剤を形成する。次に、追加量の共触媒および遷移金属化合物を前記溶液に添加し、得られた溶液を溶媒に分散させて連続相を形成する。「実際の」界面活性剤溶液は、分散ステップの前に、または分散系中で調製することができる。前記溶液が分散ステップの前に作製される場合、調製された「実際の」界面活性剤溶液および遷移金属溶液は、非混和性溶媒に連続的に(例えば、最初に界面活性剤溶液)分散されてもよく、または分散ステップの前に一緒に混合されてもよい。
【0129】
固化
分散液滴中の触媒成分(複数可)の固化は、様々な方法で、例えば、液滴中に存在する化合物の前記固体触媒形成反応生成物の形成を引き起こすか、または促進することによって行うことができる。これは、使用される化合物および/または所望の固化速度に応じて、システムの温度変化などの外部刺激を伴って、または伴わずに行うことができる。
【0130】
特に好ましい実施形態では、固化は、エマルジョン系が形成された後に、系を温度変化などの外部刺激に供することによって行われる。温度差は、典型的には、例えば、5〜100℃、例えば、10〜100℃、または20〜90℃、例えば、50〜90℃である。
【0131】
エマルジョン系は、急速な温度変化を受けて、分散系中で急速な固体化を引き起こし得る。分散相は、例えば、液滴内の成分(複数可)の即時の固化を達成するために、即座の(ミリ秒から数秒以内の)温度変化を受け得る。成分の所望の固化速度に必要とされる適切な温度変化、すなわちエマルジョン系の温度の上昇または低下は、いかなる特定の範囲にも限定され得ないが、当然、エマルジョン系、とりわけ、使用される化合物およびその濃度/比、ならびに使用される溶媒に依存し、それに応じて選択される。また、所望の固化を引き起こすのに十分な加熱または冷却効果を分散系に提供するために、任意の技術を使用することができることも明らかである。
【0132】
一実施形態では、加熱または冷却効果は、エマルジョン系を、例えば上述のように、著しく異なる温度を有する不活性受容媒体にある温度にすることによって得られ、それによって、エマルジョン系の前記温度変化は、液滴の急速な固化を引き起こすのに十分である。受容媒体は、気体、例えば空気、または液体、好ましくは溶媒、または2種以上の溶媒の混合物であってよく、触媒成分(複数可)は非混和性であり、触媒成分(複数可)に関して不活性である。例えば、受容媒体は、第1のエマルジョン形成ステップにおいて連続相として使用されるのと同じ非混和性溶媒を含む。
【0133】
前記溶媒は、単独で、または他の溶媒、例えば脂肪族もしくは芳香族炭化水素、例えばアルカンとの混合物として使用することができる。好ましくは、受容媒体としてフッ素化溶媒が使用され、これは、エマルジョン形成における連続相と同じであってもよく、例えば、過フッ素化炭化水素である。
【0134】
あるいは、温度差は、エマルジョン系を徐々に加熱することによって、例えば、10℃/分まで、好ましくは0.5〜6℃/分、より好ましくは1〜5℃/分で行うことができる。
【0135】
例えば炭化水素溶媒の溶融物が分散相を形成するために使用される場合、液滴の固化は、上記の温度差を使用してシステムを冷却することによって達成され得る。
【0136】
好ましくは、エマルジョンを形成するために使用可能な「1相」変化はまた、再び、分散系において温度変化をもたらし、それによって、液滴中に使用される溶媒が連続相、好ましくは上記で定義されるようなフルオロ連続相と混和性になり、その結果、液滴が溶媒不足になり、「液滴」中に残存する固化成分が固化し始めることによって、エマルジョン系の液滴内の触媒活性内容物を固化させるために利用され得る。従って、非混和性は、固化ステップを制御するために、溶媒および条件(温度)に関して調節することができる。
【0137】
例えば、有機溶媒とフルオロ溶媒との混和性は、文献から見出すことができ、相応に当業者が選択することができる。また、相変化に必要な臨界温度は、文献から入手可能であるか、または当技術分野で公知の方法、例えばHildebrand−Scatchard−Theorieを用いて決定することができる。上記に引用したA.EndersおよびG.ならびにPierandrea Lo Nostroの論文も参照されたい。
【0138】
したがって、本発明によれば、液滴の全体または一部のみを固体形態に変換することができる。「固化した」液滴のサイズは、例えば、予備重合に使用されるモノマーの量が比較的多い場合、元の液滴のサイズよりも小さくても大きくてもよい。
【0139】
回収された固体触媒粒子は、任意の洗浄ステップの後、オレフィンの重合プロセスにおいて使用することができる。あるいは、分離され、任意に洗浄された固体粒子を乾燥させて、重合ステップで使用する前に、粒子中に存在するあらゆる溶媒を除去することができる。分離および任意の洗浄ステップは、公知方法で、例えば、濾過およびその後の適切な溶媒での固体の洗浄によって、実施され得る。
【0140】
粒子の液滴形状は、実質的に維持され得る。形成された粒子は、1〜500μm、例えば5〜500μm、有利には5〜200μmまたは10〜150μmの平均サイズ範囲を有し得る。5〜60μmの平均サイズ範囲でさえ可能である。サイズは、触媒が使用される重合に応じて選択することができる。有利には、粒子は本質的に球形であり、それらは低い多孔性および低い表面積を有する。
【0141】
溶液の形成は、0〜100℃の温度、例えば20〜80℃で行うことができる。分散ステップは、−20℃〜100℃、例えば約−10〜70℃、例えば−5〜30℃、例えば約0℃で行うことができる。
【0142】
得られた分散液に、上で定義した乳化剤を添加して、液滴形成を改善/安定化することができる。液滴中の触媒成分の固化は、好ましくは、混合物の温度を、例えば0℃から100℃の温度まで、例えば60〜90℃まで徐々に上昇させることによって行われる。例えば、1〜180分、例えば、1〜90または5〜30分で、または急速な熱変化として。加熱時間は、反応器の大きさに依存する。
【0143】
好ましくは約60〜100℃、好ましくは約75〜95℃(溶媒の沸点未満)で実施される固化ステップの間に、溶媒は好ましくは除去されてもよく、場合により固体は洗浄溶液で洗浄され、洗浄溶液は、任意の溶媒もしくは溶媒の混合物、例えば上記で定義されたものであってもよく、および/または当技術分野で使用されてもよく、好ましくは炭化水素、例えばペンタン、ヘキサンまたはヘプタン、適切にはヘプタンであってもよい。洗浄された触媒は、乾燥させることができ、または油中にスラリー化し、重合プロセスにおいて触媒−油スラリーとして使用することができる。
【0144】
調製ステップの全てまたは一部は、連続的な様式で行われ得る。エマルジョン/固化法によって調製される固体触媒型のこのような連続または半連続調製方法の原理を記載する国際公開第2006/069733号を参照されたい。
【0145】
触媒予備重合(「オフライン予備重合」)
不均一系非担持触媒(すなわち、「自己担持」触媒)の使用は、欠点として、重合媒体中にある程度溶解する傾向を有する可能性があり、すなわち、いくつかの活性触媒成分がスラリー重合中に触媒粒子から浸出し、それによって触媒の元の良好な形態が失われる可能性がある。これらの浸出した触媒成分は非常に活性であり、重合中に問題を引き起こす可能性がある。したがって、浸出した成分の量は最小限にすべきであり、すなわち、全ての触媒成分は不均一な形態に保たれるべきである。
【0146】
さらに、自己担持触媒は、触媒系中の触媒活性種の量が多いために、重合の開始時に高温を発生し、これが生成物材料の溶融を引き起こす可能性がある。両方の効果、すなわち、触媒系の部分的溶解および熱発生は、ポリマー材料の形態の汚れ、シーティングおよび劣化を引き起こす可能性がある。
【0147】
高い活性または浸出に関連する起こり得る問題を最小限にするために、重合プロセスにおいて触媒を使用する前に触媒を「予備重合」することが好ましい。この点に関して、予備重合は、触媒調製プロセスの一部であり、固体触媒が形成された後に実施されるステップであることに留意されたい。この触媒予備重合ステップは、実際の重合構成の一部ではなく、従来のプロセス予備重合ステップも含むことができる。触媒予備重合ステップの後、固体触媒が得られ、重合に使用される。
【0148】
触媒「予備重合」は、前述の液−液エマルジョン法の固化ステップの後に行われる。予備重合は、国際公開第2010/052263号、国際公開第2010/052260号または国際公開第2010/052264号に記載されているような、当該技術分野に記載されている公知の方法によって行うことができる。本発明のこの局面の好ましい実施形態は、本明細書中に記載される。
【0149】
触媒予備重合ステップにおけるモノマーとして、好ましくはα−オレフィンが使用される。エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン1−デセン、スチレン、ビニルシクロヘキセンなどの好ましいC〜C10オレフィンを使用する。最も好ましいα−オレフィンは、エチレンおよびプロピレンである。
【0150】
触媒予備重合は、気相または不活性希釈剤、典型的には油またはフッ素化炭化水素中で、好ましくはフッ素化炭化水素またはフッ素化炭化水素の混合物中で行うことができる。好ましくは、過フッ素化炭化水素が使用される。このような(過)フッ素化炭化水素の融点は、典型的には0〜140℃、好ましくは30〜120℃、例えば50〜110℃の範囲である。
【0151】
触媒予備重合がフッ素化炭化水素中で行われる場合、予備重合ステップの温度は、70℃未満、例えば−30〜70℃の範囲、好ましくは0〜65℃、より好ましくは20〜55℃の範囲である。予備重合容器内の圧力は、触媒容器内への空気および/または水分の最終的な浸出を最小限にするために、大気圧よりも高いことが好ましい。好ましくは、圧力は、少なくとも1〜15バール、好ましくは2〜10バールの範囲である。予備重合容器は、好ましくは、不活性雰囲気、例えば窒素またはアルゴンまたは同様の雰囲気下に保たれる。予備重合は、予備重合ステップの前に、ポリマーマトリックスの重量/固体触媒の重量として定義される予備重合度(DP)に達するまで続けられる。この程度は、25未満、好ましくは0.5〜10.0、より好ましくは1.0〜8.0、最も好ましくは2.0〜6.0である。
【0152】
触媒予備重合ステップの使用は、触媒成分の浸出、従って局所的な過熱を最小限にするという利点を提供する。
【0153】
予備重合後、触媒を単離し、貯蔵することができる。
【0154】
本発明に従って使用されるメタロセン触媒は、優れた触媒活性および良好なコモノマー応答を有する。触媒はまた、高い重量平均分子量Mwの異相プロピレンポリマーを提供することができる。
【0155】
さらに、本発明に従って使用されるメタロセン触媒のランダム共重合挙動は、エチレンへの連鎖移動の減少した傾向を示す。本発明のメタロセンを用いて得られるポリマーは、通常の粒子形態を有する。
【0156】
したがって、一般に、本発明の触媒は、以下を提供することができる。
− バルクプロピレン重合における高い活性、
− 非常に高い分子量能力、
− プロピレンコポリマー中へのコモノマー取り込みの改善、
− 良好なポリマー形態。
【0157】
重合
本発明は、前に定義したように、特定のクラスのメタロセン錯体を用いて異相プロピレンコポリマーを製造する方法に関する。
【0158】
好ましくは、この方法は、気相重合ステップを含む多段階重合法である。
【0159】
本発明の方法における重合は、好ましくは、少なくとも1つの反応器が気相反応器である、少なくとも2つ以上、例えば2つ、3つまたは4つの重合反応器中で行うことができる。この方法はまた、予備重合ステップを含んでいてもよい。この予備重合ステップは、ポリマー合成において日常的に使用される従来のステップであり、上述の触媒予備重合ステップとは区別されるべきである。
【0160】
好ましくは、本発明の方法は、少なくとも1つの反応器が気相反応器であるならば、2つまたは3つ、より好ましくは3つの主反応器を使用する。理想的には、本発明の方法は、バルクで運転される第1の反応器と、気相反応器である第2および第3の反応器とを使用する。この方法はまた、予備重合ステップを利用してもよい。バルク反応は、ループ反応器中で起こり得る。
【0161】
本発明の方法は、以下により詳細に定義される異相プロピレンコポリマーの調製に理想的に適している。そのポリマーにおいて、ホモポリマーまたはランダムコポリマーマトリックス(M)は、コポリマー性非晶質画分、すなわちエラストマー性プロピレン−エチレンコポリマー(E)と組み合わされて、本発明の異相コポリマーを形成する。
【0162】
本発明によれば、エラストマー性プロピレン−エチレンコポリマー(E)は、気相反応器中で形成される。
【0163】
2つの気相反応器が使用される場合、第1の気相反応器は、ホモポリマーまたはコポリマー成分、理想的にはホモポリマー成分を生成することができ、それによって、このような第1の気相反応器からのこのポリマー成分は、ポリマーのマトリックス(M)の一部を形成する。
【0164】
バルクおよび気相共重合反応では、使用される反応温度は、一般に60〜115℃(例えば、70〜90℃)の範囲であり、反応器圧力は、一般に、わずかにより高い圧力で操作されるバルク重合を伴う気相反応では、10〜25バールの範囲である。滞留時間は、一般に、0.25〜8時間(例えば、0.5〜4時間)である。使用されるガスは、任意に窒素またはプロパンのような非反応性ガスとの混合物としてモノマーである。本発明の特別な特徴は、重合が少なくとも60℃の温度で起こることである。
【0165】
一般に、使用される触媒の量は、触媒の性質、反応器の型および条件、ならびにポリマー生成物に望まれる特性に依存する。当技術分野で周知のように、ポリマーの分子量を制御するために水素を使用することができる。
【0166】
種々の反応器間のスプリットは、変化し得る。2つの反応器が使用される場合、スプリットは、一般に、気相に対して30〜70重量%〜70〜30重量%、好ましくは40〜60〜60〜40重量%の範囲である。3つの反応器が使用される場合、各反応器は、好ましくは少なくとも20重量%、例えば少なくとも25重量%のポリマーを生成することが好ましい。気相反応器で製造されるポリマーの合計は、好ましくはバルクで製造される量を超えるべきである。値は、バルクで30〜45重量%、気相反応器で70〜55重量%であり得る。
【0167】
本発明の一実施形態では、プロセスは以下のステップを含む。
(A)プロピレンおよび任意にエチレンを少なくとも第1の反応器および任意に第2の反応器中で重合させて、プロピレンホモポリマー成分またはプロピレン−エチレンランダムコポリマー成分を形成し、前記ホモポリマーまたはコポリマー成分はマトリックス(M)を形成するステップ、
(B)ステップ(A)で調製したポリマーの存在下、気相反応器中でプロピレンとエチレンを重合させて、エラストマー性プロピレン−エチレンコポリマー成分(E)を形成するステップ。
【0168】
好ましくは、本発明の方法は、ステップ(a)〜(e)を含む。
(a)第1の反応器において、プロピレンと任意のエチレンを重合させて、第1のプロピレンのホモまたはコポリマー画分(R−PP1)を得るステップ、
(b)前記第1のプロピレンホモまたはコポリマー画分(R−PP1)を第2の反応器に移動させるステップ、
(c)前記第2の反応器中で第1のプロピレンホモまたはコポリマー画分(R−PP1)の存在下でプロピレンおよび任意にエチレンを重合し、第2のプロピレンホモまたはコポリマー画分(R−PP2)を得、前記第1のプロピレンホモまたはコポリマー画分(R−PP1)と前記第2のプロピレンホモまたはコポリマー画分(R−PP2)はマトリックス(M)を形成するステップ、
(d)前記マトリックス(M)を第3の反応器中に移動させ、前記第3の反応器は気相反応器であるステップ、
(e)前記第3の反応器中でマトリックス(M)の存在下でプロピレンおよびエチレンを重合してエラストマー性プロピレンコポリマー(E)を得て、前記マトリックス(M)および前記エラストマー性プロピレンコポリマー(E)は異相プロピレンコポリマーを形成するステップ。
【0169】
ポリマー
本発明は、異相プロピレンコポリマーの製造方法に関する。
【0170】
このような異相プロピレンコポリマー(HECOまたはRAHECO)は、プロピレンホモポリマー(HECO)またはランダムプロピレンコポリマー(RAHECO)のいずれかであるマトリックス(M)を含み、ここにエラストマー性プロピレンコポリマー(E)のようなエラストマーコポリマーが分散される(ゴム相)。
【0171】
従って、ポリプロピレンマトリックス(M)は、マトリックスの一部ではない(微細に)分散した含有物を含有し、前記含有物はエラストマーコポリマー(E)を含有する。「含有物」という用語は、したがってマトリックスおよび含有物が異相系内で異なる相を形成することを示し、前記含有物は、例えば、電子顕微鏡法もしくは原子間力顕微鏡法のような高分解能顕微鏡法によって見ることができ、または動的機械的熱分析(DMTA)によって同定することができる。
【0172】
具体的には、DMTAにおいて、多相構造の存在は、少なくとも2つの異なるガラス転移温度の存在によって同定することができる。
【0173】
従って、本発明の方法で製造される異相ポリプロピレンコポリマーは、少なくとも以下を含む。
(a1)ポリプロピレンホモまたはコポリマーであるマトリックス(M)および
(a2)前記マトリックス(M)中に分散されたエラストマーコポリマー(E)。
【0174】
本明細書で使用される用語「異相ポリプロピレンコポリマー」は、以下により詳細に定義されるように、ポリプロピレンホモ−またはコポリマーであるマトリックス樹脂と、前記マトリックス樹脂中に分散されたエラストマー、すなわち主に非晶質コポリマー(E)とからなるコポリマーを意味する。
【0175】
本発明において、用語「マトリックス」は、その一般に受け入れられている意味で解釈されるべきであり、すなわち、それは、ゴム粒子のような単離されたまたは別個の粒子が分散され得る連続相(本発明において、連続ポリマー相)を指す。プロピレンポリマーは、マトリックスとして作用することができる連続相を形成するような量で存在する。
【0176】
さらに、用語「エラストマーコポリマー」、「分散相」、「主に非晶質コポリマー」および「ゴム相」は、同じことを意味し、すなわち本発明において交換可能である。
【0177】
Ad成分(a1(すなわちマトリックス)):
特定の異相ポリプロピレンコポリマーの成分(a1)は、プロピレンホモポリマーまたはコポリマー、例えば、プロピレン−エチレンコポリマー、プロピレン−ブテンコポリマーまたはプロピレン−ヘキセンコポリマーであり、異相ポリプロピレンコポリマーのマトリックス(M)を形成する。
【0178】
プロピレン−エチレンコポリマー中のエチレン含有量は、0.0重量%を超えて7.0重量%までであり得、好ましくは、エチレン含有量は低く、すなわち2.0重量%以下、理想的には1.5重量%以下である。
【0179】
さらにより好ましくは、マトリックス成分中に1.0重量%未満のエチレンが存在する。
【0180】
コモノマーが1−ブテンまたは1−ヘキセンである場合、コモノマーの量は、0.0重量%を超えて10.0重量%までであり得る。好ましくは、1−ブテンまたは1−ヘキセンの量は、7.0重量%未満、より好ましくは5.0重量%未満である。
【0181】
プロピレンコポリマーのための好ましいコモノマーはエチレンである。
【0182】
プロピレンホモまたはコポリマーマトリックスは、0.5〜200.0g/10分の範囲、好ましくは1.0〜100.0g/10分の範囲、より好ましくは1.5〜50.0g/10分の範囲、さらに好ましくは2.0〜20.0g/10分のメルトフローレートMFR(ISO 1133;230℃;2.16kg)を有する。
【0183】
マトリックスのMFRは、マトリックスメルトフローレート(MFR)と呼ばれる。
【0184】
さらに、プロピレンホモ−またはコポリマーマトリックスは、2.0重量%未満、好ましくは1.0重量%未満のキシレン可溶性(XS)画分(25℃でISO 16152に従って測定)を有する。
【0185】
さらに、プロピレンホモまたはコポリマーマトリックスは、DIN ISO 1628/1(135℃でデカリン中)に従って測定した固有粘度(iV)が0.5〜4.0dl/gの範囲、好ましくは1.0〜4.0dl/gの範囲、より好ましくは2.2〜3.5dl/gの範囲であることが好ましい。
【0186】
さらに、プロピレンホモまたはコポリマーの分子量分布(MWD;GPCで測定したM/M)は、比較的広くてもよく、すなわち、M/Mは7.0までであってもよい。好ましくは、M/Mは2.5〜7.0、より好ましくは3.0〜6.5、さらにより好ましくは3.5〜6.3の範囲である。
【0187】
好ましい態様において、マトリックス(M)はプロピレンホモポリマーである。
【0188】
プロピレンホモまたはコポリマーマトリックスは、単峰性または多峰性、例えば二峰性であり得る。
【0189】
プロピレンホモまたはコポリマーマトリックス相が分子量分布に関して単峰性である場合、それは、単一段階プロセス、例えば、スラリーまたは気相反応器中のスラリーまたは気相プロセスで調製され得る。好ましくは、単峰性マトリックス相はスラリー重合として重合される。あるいは、単峰性マトリックスは、類似のポリマー特性をもたらす各段階のプロセス条件を使用して、多段階プロセスで製造されてもよい。
【0190】
単峰性および多峰性、例えば二峰性の定義に関しては、以下の定義を参照されたい。
【0191】
プロピレンホモまたはコポリマーマトリックスが2つ以上の異なるプロピレンポリマーを含む場合、これらは異なるモノマー構成を有するポリマーであってもよく、ならびに/または異なる分子量分布および/もしくはMFRを有するポリマーであってもよい。これらの成分は、同一または異なるモノマー組成およびタクチシティーを有し得る。
【0192】
したがって、本発明の一実施形態では、マトリックスは単峰性であり、一方別の実施形態では、マトリックス(M)は二峰性であり、2つのプロピレンホモポリマー画分、2つのプロピレンコポリマー画分、または1つのホモおよび1つのコポリマー画分からなる。
【0193】
Ad成分(a2)(すなわち、エラストマー性プロピレン−エチレンコポリマー(E)):
特定の異相ポリプロピレンコポリマーの成分(a2)は、エラストマー性プロピレン−エチレンコポリマー(E)であり、これは、主にプロピレンとエチレンとの非晶質コポリマー(ii)である。
【0194】
したがって、成分(a2)は、前記マトリックス(M)(すなわち、分散相)中に分散されているエラストマーコポリマーである。
【0195】
上述のように、「エラストマー(プロピレン−エチレン)コポリマー」、「分散相」および「ゴム相」という用語は、同じことを意味し、すなわち、本発明の観点から交換可能である。
【0196】
成分(a2)、すなわちエラストマー性プロピレン−エチレンコポリマー(E)は、10.0〜80.0重量%の範囲、好ましくは12.0〜60.0重量%の範囲、より好ましくは15.0〜50.0重量%の範囲のエチレン含有量を重合形態で有する。
【0197】
エラストマー性プロピレン−エチレンコポリマー(E)は、エチレンコモノマーに加えて、第2のコモノマーを任意に有することも可能である。この任意の第2のコモノマーは、1−ブテンまたは1−ヘキセンであり得る。
【0198】
1−ブテンの量は、0.0から20.0重量%まで、好ましくは15.0重量%まで、より好ましくは10.0重量%までの範囲であり得る。
【0199】
1−ヘキセンの量は、0.0から10.0重量%まで、好ましくは7.0重量%まで、より好ましくは5.0重量%までの範囲であり得る。
【0200】
好ましくは、エラストマー性プロピレン−エチレンコポリマー(E)は、さらなるコモノマーを有さない。
【0201】
エラストマー性プロピレン−エチレンコポリマー(E)はさらに、DIN ISO 1628/1(135℃でデカリン中)に従って測定した固有粘度(iV)が3.1〜8.0dl/gの範囲、好ましくは3.1〜5.5dl/gの範囲、より好ましくは3.1〜5.0dl/gの範囲、さらにより好ましくは3.1〜4.0dl/gである。
【0202】
エラストマー性プロピレン−エチレンコポリマー(E)は、少なくとも50.0重量%〜100.0重量%まで、好ましくは少なくとも80.0重量%〜100.0重量%まで、より好ましくは少なくとも95.0重量%〜100.0重量%までのキシレン可溶性(XS)画分(25℃でISO 16152に従って測定)を有する。
【0203】
プロピレンホモまたはコポリマーマトリックスと同様に、分散相は、単峰性または多峰性、例えば二峰性であり得る。
【0204】
一実施形態では、分散相は単峰性である。より詳細には、分散相は、好ましくは、固有粘度および/またはコモノマー分布の観点から単峰性である。単峰性および多峰性、例えば二峰性の定義に関しては、上記の定義を参照されたい。
【0205】
好ましくは、単峰性分散相は、1つの反応段階で、より好ましくは気相反応器中で製造され、それぞれ1つのコポリマー画分を含み、それからなる。
【0206】
異相プロピレンコポリマーのエラストマー性プロピレン−エチレンコポリマー(E)画分は、5.0〜50.0重量%、好ましくは8.0〜45.0重量%、より好ましくは10.0〜40.0重量%の量で存在する。
【0207】
最終的な異相プロピレンコポリマー
異相プロピレンコポリマーは、5.0〜50.0重量%の範囲、好ましくは8.0〜40.0重量%の範囲の総キシレン可溶性(XS)画分(25℃でISO 16152に従って測定)を有する。
【0208】
総キシレン可溶性(XS)画分の分子量Mw(GPC)は、少なくともMw=300,000g/mol、好ましくは少なくともMw=350,000g/mol、より好ましくは、少なくともMw=380,000g/molであり得る。分子量Mwの上限値は、800,000g/mol、好ましくは700,000g/mol、より好ましくは600,000g/molである。
【0209】
さらに、総キシレン可溶性(XS)画分の分子量分布(MWD;GPCで測定したM/M)は、2.0〜5.0、より好ましくは2.2〜4.5、さらにより好ましくは2.5〜4.0の範囲である。
【0210】
異相プロピレンコポリマーのDIN ISO 1628/1(135℃でデカリン中)に従って測定される固有粘度(iV)は、2.0〜5.0dl/gの範囲、好ましくは2.2〜4.5dl/gの範囲、より好ましくは2.5〜4.0dl/gの範囲である。
【0211】
本発明の触媒によって製造される異相プロピレンコポリマーは、パイプ、フィルム(キャスト、ブローまたはBOPPフィルム)、繊維、成形品(例えば、射出成形、ブロー成形、回転成形品)、押出コーティングなどのあらゆる種類の最終物品に有用である。
【0212】
以下の非限定的な実施例を参照して、本発明をここで説明する。
【0213】
分析試験
測定方法:
AlおよびZr判定(ICP法)
触媒の元素分析は、質量Mの固体サンプルを採取し、ドライアイス上で冷却することによって行った。試料を、硝酸(HNO、65%、Vの5%)および新鮮脱イオン(DI)水(Vの5%)に溶解することによって、既知の容量Vまで希釈した。次に、溶液をフッ化水素酸(HF、40%、Vの3%)に添加し、DI水で最終容量Vまで希釈し、2時間安定化させた。
【0214】
分析は、ブランク(5%HNO溶液、DI水中3%HF)を用いて較正したThermo Elemental iCAP 6300 Inductively Coupled Plasma − Optical Emmision Spectrometer(ICP−OES)を用いて室温で実施し、6標準は0.5ppm、1ppm、10ppm、50ppm、100ppmおよび300ppmのAlを用い、0.5ppm、1ppm、5ppm、20ppm、50ppmおよび100ppmのHfおよびZrを5% HNO3、3% HFのDI水溶液中に加えた。
【0215】
解析の直前に、ブランクおよび100ppmのAl、50ppmのHf、Zr標準を用いて較正を「リスロープ(reslope)」し、品質管理サンプル(DI水中の5% HNO3、3% HFの溶液中の20ppmのAl、5ppmのHf、Zr)を流してリスロープを確認する。QCサンプルはまた、5番目毎のサンプルの後で、スケジュールされた分析セットの終了時に実行される。
【0216】
282.022nmおよび339.980nmの線を用いてハフニウムの含有量をモニターし、339.198nmの線を用いてジルコニウムの含有量をモニターした。ICP試料中のAl濃度が0〜10ppmの間(100ppmのみに較正された)である場合、167.079nmの線を介して、および10ppmを超えるAl濃度について396.152nmの線を介して、アルミニウムの含有量をモニターした。
【0217】
報告された値は、同じ検体から採取された3つの連続するアリコートの平均であり、試料の元の質量および希釈体積をソフトウェアに入力することによって元の触媒に関連付けられる。
【0218】
予備重合された触媒の元素組成を分析する場合、ポリマー部分は、元素が酸によって自由に溶解され得るようにアッシングによって消化される。総含有量は、予備重合された触媒の重量%に相当するように計算される。
【0219】
GPC:分子量平均、分子量分布、および多分散性指数(M、M、M/M)。
分子量平均(Mw、Mn)、分子量分布(MWD)および多分散性指数、PDI=Mw/Mn(式中、Mnは数平均分子量であり、Mwは重量平均分子量である)によって記載されるその広さを、ISO 16014−4:2003およびASTM D 6474−99に従ってゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定した。示差屈折率検出器およびオンライン粘度計を装備したWaters GPCV2000装置を、Tosoh Bioscienceからの2×GMHXL−HTおよび1×G7000HXL−HT TSK−ゲルカラム、ならびに溶媒として1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB、250mg/Lの2,6−ジtert−ブチル−4−メチル−フェノールで安定化)と共に140℃および1mL/分の一定流量で使用した。209.5μLのサンプル溶液を、分析毎に注入した。カラム設定は、1kg/mol〜12,000kg/molの範囲の少なくとも15の狭いMWDポリスチレン(PS)標準を用いて、普遍的な較正(ISO 16014−2:2003による)を用いて較正した。使用したPS、PEおよびPPのMarKHouwink定数は、ASTM D 6474−99による。全てのサンプルは、0.5〜4.0mgのポリマーを4mL(140℃で)の安定化TCB(移動相と同じ)に溶解し、最大3時間、最大160℃に維持し、GPC装置にサンプリングする前に連続的に穏やかに振盪することによって調製した。
【0220】
NMR分光法によるコポリマー微細構造の定量
定量的13C{1H}NMRスペクトルは、1Hおよび13Cについてそれぞれ400.15および100.62MHzで動作するBruker Advance III 400 NMR分光計を使用して、溶液状態で記録した。全てのスペクトルは、全ての空気圧について窒素ガスを用いて125℃で13C最適化10mm延長温度プローブヘッドを用いて記録した。約200mgの材料を、3mlの1,2−テトラクロロエタン−d2(TCE−d2)に、クロム−(III)−アセチルアセトネート(Cr(acac)3)と共に溶解し、G.Singh,A.Kothari,V.Gupta,Polymer Testing 2009,28(5),475に記載されているように、溶媒中の緩和剤の65mM溶液を得た。
【0221】
均質な溶液を確実にするために、加熱ブロック中での最初の試料調製後、NMR管を回転オーブン中で少なくとも1時間さらに加熱した。磁石に挿入した後、チューブを10Hzで回転させた。この設定は、主に高分解能のために選択され、正確なエチレン含有量定量化のために定量的に必要とされた。標準的な単一パルス励起はNOEなしで採用され、Z.Zhou,R.Kuemmerle,X.Qiu,D.Redwine,R.Cong,A.Taha,D.Baugh,B.Winniford,J.Mag.Reson.187(2007)225およびV.Busico,P.Carbonniere,R.Cipullo,C.Pellecchia,J.Severn,G.Talarico,Macromol.Rapid Commun.2007,28,1128に記述されているような、最適化されたチップ角、1s再循環遅れ、および2レベルのWALTZ16デカップリングスキームを使用した。スペクトル当たり合計6144(6k)の過渡現象が得られた。
【0222】
定量的13C{1H}NMRスペクトルを処理し、積分し、関連する定量的特性を積分から決定した。全ての化学シフトは、溶媒の化学シフトを用いて30.00ppmのエチレンブロック(EEE)の中心メチレン基を間接的に参照した。このアプローチは、この構造単位が存在しない場合でさえ、比較可能な参照を可能にした。
【0223】
特徴的なシグナルは、観察される2,1のエリスロレジオ欠損に対応し(L.Resconi,L.Cavallo,A.Fait,F.Piemontesi,Chem.Rev.2000,100(4),1253,Cheng,H.N.,Macromolecules 1984,17,1950中およびW−J.Wang and S.Zhu,Macromolecules 2000,33 1157に記載されるように)、決定された特性に対する位置欠陥の影響の補正を必要とした。他の型の位置欠陥に対応する特性信号は観察されなかった。
【0224】
エチレンの取り込みに対応する特徴的なシグナルが観察され(Cheng,H.N.,Macromolecules 1984,17,1950に記載されているように)、コモノマー画分は、ポリマー中のすべてのモノマーに対するポリマー中のエチレンの画分として計算された。
fE=(E/(P+E)
【0225】
コモノマー画分を、W−J.Wang and S.Zhu,Macromolecules 2000,33 1157の方法を用いて、13C{1H}スペクトルにおけるスペクトル領域全体にわたる複数のシグナルの積分を介して定量した。この方法は、剛性の性質と、必要なときに位置欠陥の存在を説明する能力とのために選択された。積分領域をわずかに調整して、遭遇するコモノマー含有量の全範囲にわたる利用可能性を増加させた。
【0226】
モルパーセントのコモノマー取り込みは、モル分率から計算した。
E[mol%]=100*fE
【0227】
重量パーセントのコモノマー取り込みは、モル分率から計算した。
E[重量%]=100*(fE*28.06)/((fE*28.06)+((1−fE)*42.08)
【0228】
キシレン可溶性(XS)
本発明において定義され、記載されるキシレン可溶性(XS)画分は、ISO 16152に従って以下のように決定される:2.0gのポリマーを、撹拌下、135℃で250mlのp−キシレンに溶解した。30分後、溶液を周囲温度で15分間放冷し、次いで25+/−0.5℃で30分間沈降させた。溶液を濾紙で濾過し、2つの100mlフラスコに入れた。最初の100ml容器からの溶液を窒素流中で蒸発させ、残留物を真空下、90℃で一定重量に達するまで乾燥させた。次に、キシレン可溶性画分(パーセント)を以下のように決定することができる。
XS%=(100・m・Vo)/(mo・v);mo=初期ポリマー量(g);m=残留物の質量(g);Vo=初期体積(ml);v=分析試料の体積(ml)。
【0229】
固有粘度(IV)
固有粘度(IV)値は、ポリマーの分子量と共に増加する。例えばXSのIV値は、ISO 1628/1に従って、135℃でデカリン中で測定した。
【0230】
ゴム相に関する触媒活性
エラストマー性プロピレン−エチレンコポリマー(E)の製造に関する気相反応器中の触媒活性は、以下の式に基づいて計算した。
【数1】
【0231】
プロピレン−エチレンコポリマー(E)の量は、ゴム気相ステップ中に消費されたモノマーに基づいて決定した。
【0232】
生産性
全体の生産性は、以下のように計算された。
【数2】
式中、触媒負荷は、予備重合された触媒のグラム、または予備重合された触媒の当該量に存在するメタロセンのグラムのいずれかである。
【0233】
予備重合度(DP):ポリマーの重量/予備重合ステップ前の固体触媒の重量。
触媒の組成(オフライン予備重合ステップの前)は、上記のようにICPによって測定した。予備重合された触媒のメタロセン含有量は、ICPデータから以下のように計算された。
【数3】
【実施例】
【0234】
メタロセン合成
錯体調製に使用した材料:
2,6−ジメチルアニリン(Acros)、1−ブロモ−3,5−ジメチルベンゼン(Acros)、1−ブロモ−3,5−ジ−tert−ブチルベンゼン(Acros)、ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾリウムクロリド(Aldrich)、トリフェニルホスフィン(Acros)、NiCl(DME)(Aldrich)、ジクロロジメチルシラン(Merck)、ZrCl(Merck)、ホウ酸トリメチル(Acros)、Pd(OAc)(Aldrich)、NaBH(Acros)、ヘキサン中の2.5M nBuLi(Chemetal)、CuCN(Merck)、マグネシウム粉砕物(Acros)、シリカゲル60、40〜63μm(Merck)、臭素(Merck)、96%硫酸(Reachim)、亜硝酸ナトリウム(Merck)、銅粉(Alfa)、水酸化カリウム(Merck)、KCO(Merck)、12M HCl(Reachim)、TsOH(Aldrich)、MgSO(Merck)、NaCO(Merck)、NaSO(Akzo Nobel)、メタノール(Merck)、ジエチルエーテル(Merck)、1,2−ジメトキシエタン(DME、Aldrich)、95%エタノール(Merck)、ジクロロメタン(Merck)、ヘキサン(Merck)、THF(Merck)、およびトルエン(Merck)を、受け取ったまま使用した。有機金属合成のためのヘキサン、トルエンおよびジクロロメタンを分子ふるい4A(Merck)で乾燥した。有機金属合成のためのジエチルエーテル、THF、および1,2−ジメトキシエタン(Aldrich)を、ナトリウムベンゾフェノンケチル上で蒸留した。CDCl(Deutero GmbH)およびCDCl(Deutero GmbH)を、分子ふるい4A上で乾燥した。4−ブロモ−6−tert−ブチル−5−メトキシ−2−メチルインダン−1−オンは、本発明者らの以前の特許の1つに記載されているように得られた。
【0235】
比較例(CE)および本発明例(IE)の触媒の調製には、以下に示す以下の錯体を用いた(比較例のCC1〜5、本発明例のIC1およびIC2)。
【化4】
【0236】
比較メタロセンCC1の合成
【化5】
C−C1(rac−anti−ジメチルシランジイル(2−メチル−4−(4’−tert−ブチルフェニル)インデン−1−イル)(2−メチル−4−フェニル−5−メトキシ−6−tert−ブチルインデン−1−イル)ジルコニウムジクロリド)を、国際公開第2013007650,E2号に記載されている手順に従って合成した。
【0237】
比較メタロセンCC2の合成
【化6】
CC2(rac−anti−ジメチルシランジイル(2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチルインデン−1−イル)ジルコニウムジクロリド)を、国際公開第2013007650,E7号に記載されている手順に従って合成した。
【0238】
比較メタロセンCC3の合成
2−クロロ−4−メチルベンズアルデヒド
【化7】
ヘキサン中の165ml(413mmol)の2.5M BuLiを、−88℃に冷却した400mlのTHF中の82.2g(400mmol)の3−クロロ−4−ブロモ−トルエンの溶液に1時間かけて滴加した。得られた混合物をこの温度で30分間撹拌し、次いで、激しく撹拌することによって、44.0g(602mmol)のDMFを10分間かけて滴加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次いで氷浴中で0℃に冷却し、次いで100mlの水および400mlの3N HClを添加した。有機層を分離し、水層を2×125mlのジクロロメタンで抽出した。合わせた有機抽出物をKCOで乾燥させ、次いでシリカゲル60の短層(40〜63μm)に通した。シリカゲル層をさらにジクロロメタン50mlで洗浄した。合わせた有機溶出液を蒸発乾固させて、わずかに橙色の液体を得、次いで、これを真空中で蒸留して、58.0g(94%)の表題生成物(b.p.99〜102℃/11mmHg)を無色の液体として得、これを室温で一晩結晶化させた。
分析値 CClOについての計算値:C、62.15;H、4.56。実測値:C、62.24;H、4.45。
【数4】
【0239】
(2−クロロ−4−メチルフェニル)メタノール
【化8】
375mlのメタノールを、5時間かけて激しくかき混ぜながら、0〜5℃のTHF750ml中の2−クロロ−4−メチルベンズアルデヒド116g(0.75mol)およびNaBH43.0g(1.14mol)の混合物に滴加した。この混合物を室温で一晩撹拌し、次いで蒸発乾固した。得られた油性の塊を1200mlの2M HClでpH約1に酸性化し、生成した生成物をその後3×400mlのジクロロメタンで抽出した。合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥させ、蒸発乾固させた。この生成物をさらに精製することなく使用した。
【数5】
【0240】
2−クロロ−1−(クロロメチル)−4−メチルベンゼン
【化9】
ジクロロメタン750mlに溶解した上記で得られた2−クロロ−4−メチルベンジルアルコールを、+5℃で塩化チオニル55ml(754mmol)に滴加した。得られた溶液を室温で一晩撹拌し、次いで蒸発乾固させた。残留物を500mlのジクロロメタンに溶解し、生成した溶液を250mlの水で洗浄した。有機層を分離し、水層を2×150mlのジクロロメタンで抽出した。合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥させ、シリカゲル60(40〜63μm)の短いパッドに通し、次いで蒸発乾固させた。粗生成物を真空中で蒸留して、表題生成物114g(87%)を無色液体として得た。b.p.92〜95℃/5mmHg。
分析値 CClについての計算値:C、54.89;H、4.61。実測値:C、54.80;H、4.65。
【数6】
【0241】
3−(2−クロロ−4−メチルフェニル)−2−メチルプロパノイルクロリド
【化10】
119g(0.68mol)のメチルマロン酸ジエチルを、17.0g(0.74mol)のナトリウム金属および600mlの乾燥エタノールから得られたナトリウムエトキシドの溶液に添加した。生成した混合物を15分間撹拌し、次いで2−クロロ−1−(クロロメチル)−4−メチルベンゼン114g(0.651mol)を、穏やかな還流を維持するような速度で激しく撹拌することによって添加した。得られた混合物を2時間還流し、次いで室温に冷却した。550mlの水中の135gのKOHの溶液を添加した。この混合物を4時間還流して、生成したエステルをけん化した。エタノールおよび水を、蒸気温度が95℃に達するまで留去し、次いで3000mlの水、次いで12M HCl(pH約1まで)を残留物に添加した。沈殿した置換メチルマロン酸を濾別し、水で洗浄した。この二酸を160〜180℃で脱炭酸して、わずかに橙色の油を生成し、それは室温で結晶化した。生成した酸と166mlの塩化チオニルとの混合物を、室温で24時間撹拌した。過剰の塩化チオニルを蒸発させた後、残留物を真空中で蒸留して、表題生成物123g(82%)を得た。b.p.105〜117℃/5mmHg。
分析値 C1112ClOについての計算値:C、57.16;H、5.23。実測値:C、57.36;H、5.38。
【数7】
【0242】
4−クロロ−2,6−ジメチルインダン−1−オン
【化11】
3−(2−クロロ−4−メチルフェニル)−2−メチルプロパノイルクロリド123g(531mmol)をジクロロメタン100mlに溶解した溶液を、ジクロロメタン500ml中のAlCl85.0g(638mmol)の攪拌懸濁溶液に、5℃で滴加した。この混合物を室温で一晩撹拌し、次いで500gの砕氷上に注いだ。有機層を分離し、水層を3×100mlのジクロロメタンで抽出した。合わせた有機抽出物をKCO水溶液で洗浄し、KCOで乾燥させ、シリカゲル60(40〜63μm)の短いパッドに通し、次いで蒸発乾固させた。粗生成物を真空中で蒸留して、98.4g(95%)の無色液体を得た。b.p.131〜132℃/8mmHg。
分析値 C1111ClOについての計算値:C、67.87;H、5.70。実測値:C、68.01;H、5.69。
【数8】
【0243】
4−クロロ−1−メトキシ−2,6−ジメチルインダン
【化12】
メタノール205mlを、0〜5℃のTHF510ml中の4−クロロ−2,6−ジメチルインダン−1−オン98.4g(0.505mol)およびNaBH29.0g(0.767mol)の混合物に5時間かけて激しくかき混ぜることによって滴加した。この混合物を室温で一晩撹拌し、次に蒸発乾固した。残留物を2M HClでpH5〜6に酸性化し、生成した4−クロロ−2,6−ジメチルインダン−1−オールを3×300mlのジクロロメタンで抽出した。合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥させ、蒸発乾固させて、白色固形物を得た。このようにして得られた白色固体の800mlのDMSO中の溶液に、132g(2.35mol)のKOHおよび163g(1.15mol)のMeIを添加した。この混合物を、周囲温度で5時間撹拌した。溶液を過剰のKOHからデカントし、後者をさらに3×350mlのジクロロメタンで洗浄した。合わせた有機抽出物を3000mlの水で洗浄した。有機層を分離し、水層を3×300mlのジクロロメタンで抽出した。合わせた有機抽出物を7×1500mLの水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、次いで蒸発乾固させた。残留物を減圧蒸留して、2対の鏡像異性体からなる標記生成物99.9g(94%)を得た。b.p.104〜105℃/8mmHg。
分析値 C1215ClOについての計算値:C、68.40;H、7.18。実測値:C、68.58;H、7.25。
【数9】
【0244】
4−(3,5−ジメチルフェニル)−1−メトキシ−2,6−ジメチルインダン
【化13】
THF中の1.0M 3,5−ジ−メチルフェニルマグネシウムブロミド200ml(200mmol)を、NiCl(PPh)IPr2.10g(2.69mmol、2.0mol.%)と4−クロロ−1−メトキシ−2,6−ジメチルインダン28.4g(134.7mmol)との混合物に室温で添加した。得られた混合物を1.5時間還流し、次いで室温に冷却し、水100mlを加えた。THFの主要部分をロータリーエバポレーターで留去した。500mlのジクロロメタンおよび1000mlの1M HClを残留物に添加した。有機層を分離し、次いで水層を2×100mlのジクロロメタンで抽出した。合わせた有機抽出物を蒸発乾固させて、黄色油を得た。生成物をシリカゲル60(40〜63μm;溶離剤:ヘキサン−ジクロロメタン=2:1、体積、次いで1:1、体積)でのフラッシュクロマトグラフィーにより単離した。この手順により、33.8g(90%)の4−(3,5−ジメチルフェニル)−1−メトキシ−2,6−ジメチルインダンが、2つのジアステレオマーを含む無色の濃厚油状物として得られた。
分析値 C2024Oについての計算値:C、85.67;H、8.63。実測値:C、86.03;H、8.80。
【数10】
【0245】
4/7−(3,5−ジメチルフェニル)−2,5−ジメチル−1H−インデン
【化14】
TsOH300mgを、トルエン300ml中の4−(3,5−ジメチルフェニル)−1−メトキシ−2,6−ジメチルインダン33.8g(120.6mmol)の溶液に加え、その結果得られた混合物をDean−Starkヘッドを用いて10分間還流した。その後、150mgのTSOHのもう1つの部分を加え、再び生成した溶液を、Dean−Starkヘッドを使って10分間還流した。室温まで冷ました後、反応混合物を、10%KCO200mLで洗浄した。有機層を分離し、水層をさらに2×100mlのジクロロメタンで抽出した。合わせた有機抽出物を無水KCOで乾燥させ、蒸発させた。得られた黄色油状物をヘキサンに溶解した。生成した溶液をシリカゲル60(40〜63μm)の短いパッドに通し、溶出液を蒸発乾固させて、29.1g(97%)の7−(3,5−ジメチルフェニル)−2,5−ジメチル−1H−インデンをわずかに黄色がかった油として得た。
分析値 C1920についての計算値:C、91.88;H、8.12。実測値:C、92.11;H、8.34。
【数11】
脂肪族領域の2つのシグナルが一緒にマージされた
【0246】
[6−tert−ブチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インデン−1−イル](クロロ)ジメチルシラン
【化15】
−50℃に冷却したエーテル200ml中の5−tert−ブチル−7−(3,5−ジメチルフェニル)−6−メトキシ−2−メチル−1H−インデン11.3g(35.3mmol)の溶液に、ヘキサン中の2.43MのBuLi14.6ml(35.5mmol)を一度に加えた。得られた橙色溶液を室温で一晩撹拌し、次いで黄色がかった沈殿物を含有する得られた橙色溶液を−78℃に冷却し(沈殿物はほぼ完全に消失した)、22.8g(177mmol、5当量)のジクロロジメチルシランを一度に添加した。生成した溶液を室温に温め、室温で一晩撹拌した。得られた混合物を、ガラスフリット(G4)を通して濾過した。沈殿物を2×10mlのエーテルでさらに洗浄した。合わせた濾液を蒸発乾固させて、標題物質をわずかに橙色の油状物として得、これをさらに精製することなく使用した。
【数12】
【0247】
[2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチル−1H−インデン−1−イル][2,6−ジメチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−1H−インデン−1−イル]ジメチルシラン
【化16】
ヘキサン中の2.43MのBuLi14.6ml(35.5mmol)を、−50℃で−200mlの7−(3,5−ジエチルフェニル)−2,5−ジエチル−1H−インデンの8.78g(35.35mmol)の溶液に一度に加えた。この混合物を室温で一晩撹拌し、次いで、多量の黄色沈殿を含有する得られた黄色がかった溶液を−50℃に冷却し、次いで、40mlのTHFおよび200mgのCuCNを順次添加した。得られた混合物を−25℃で0.5時間撹拌し、[6−tert−ブチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インデン−1−イル](クロロ)ジメチルシラン(35.32mmol)の200mlのエーテル溶液を一度に添加した。この混合物を周囲温度で一晩撹拌し、次いでガラスフリット(G4)を通して濾過し、得られた黄色溶液を蒸発乾固させた。表題生成物を、シリカゲル60(40〜63μm;溶離剤:ヘキサン−ジクロロメタン=10:1、体積、次いで3:1、体積)でのフラッシュクロマトグラフィーにより単離した。この操作により、[2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチル−1H−インデン−1−イル][2,6−ジメチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−1H−インデン−1−イル]ジメチルシラン17.5g(79%)を得た。
分析値 C4452OSiについての計算値:C、84.56;H、8.39。実測値:C、84.85;H、8.78。
【数13】
【0248】
rac−anti−MeSi(2,6−Me−4−(3,5−MePh)Ind)(2−Me−4−(3,5−MePh)−5−OMe−6−tBu−Ind)ZrCl−CC3
【化17】
2.43M BuLiのヘキサン溶液23.1ml(56.1mmol)を、−50℃に冷却したエーテル200ml中の[2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチル−ブチル−1H−インデン−1−イル][2,6−ジメチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−1H−インデン−1−イル]ジメチルシラン17.53g(28.05mmol)の溶液に一度に加えた。この混合物を室温で一晩撹拌した。得られた黄色の沈殿物を含む赤みを帯びた溶液を−50℃に冷却し、6.54g(28.06mmol)のZrClを添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌し、橙色沈殿を有する淡赤色懸濁液を得た。この混合物を蒸発乾固し、残留物を200mlの熱トルエンで処理した。この混合物を熱いうちにガラスフリット(G4)を通して濾過し、濾液を蒸発させて約60mlとした。室温で3時間でこの溶液から沈殿した橙色結晶性粉末を採集し、真空中で乾燥させた。この操作により、3.60gの純粋なanti−ジメチルシランジイル[2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチル−インデン−1−イル][2,6−ジメチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−インデン−1−イル]ジルコニウムジクロリドが得られた。母液をほとんど蒸発乾固させ、残留物をエーテル50mlで粉末にした。不溶性橙色沈殿物を濾別し(G3)、5.01gのanti/syn錯体の約93:7混合物を得た。濾液から−30℃で一晩沈殿した赤色結晶性粉末を採集し、真空中で乾燥させた。この操作により、純粋なsyn−ジメチルシランジイル[2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチル−インデン−1−イル][2,6−ジメチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−インデン−1−イル]ジルコニウムジクロリド1.98gが得られた。室温で数日間放置した後、赤色結晶性粉末の追加部分が母液から沈殿した。この沈殿を濾別して、syn/anti錯体の約96:4混合物4.91gを得た。従って、この合成において単離された合成錯体および抗錯体の総収量は、15.5g(70%)であった。
【0249】
anti−ジメチルシランジイル[2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチル−インデンジ−1−イル][2,6−ジメチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−インデン−1−イル]ジルコニウムジクロリド
分析値 C4450ClOSiZrについての計算値:C、67.31;H、6.42.実測値:C、67.58;H、6.59。
【数14】
syn−ジメチルシランジイル[2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチル−インデン−1−イル][2,6−ジメチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−インデン−1−イル]ジルコニウムジクロリド
分析値 C4450ClOSiZrについての計算値:C、67.31;H、6.42.実測値:C、67.56;H、6.60。
【数15】
【0250】
比較メタロセンCC4の合成
4−(4−tert−ブチルフェニル)−1−メトキシ−2−メチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセン
【化18】
前駆体4−ブロモ−1−メトキシ−2−メチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセンを、国際公開第2015/158790 A2号(26〜29頁)に記載された手順に従って製造した。
【0251】
NiCl(PPh)IPr1.5g(1.92mmol、0.6mol.%)と4−ブロモ−1−メトキシ−2−メチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセンの89.5g(318.3mmol)との混合物に、THF中の500ml(500mmol、1.57当量)の1.0Mの4−tert−ブチル−ブチルフェニルマグネシウムブロミドを添加した。得られた溶液を3時間還流し、次いで室温に冷却し、1000mlの0.5M HClを添加した。さらに、この混合物をジクロロメタン1000mlで抽出し、有機層を分離し、水層をジクロロメタン250mlで抽出した。合わせた有機抽出物を蒸発乾固させて、緑色がかった油を得た。表題生成物を、シリカゲル60(40〜63μm;溶離剤:ヘキサン−ジクロロメタン=3:1、体積、次いで1:3、体積)でのフラッシュクロマトグラフィーによって単離した。この手順により、107g(約100%)の1−メトキシ−2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセンを白色固体塊として得た。
分析値 C2430Oについての計算値:C、86.18;H、9.04。実測値:C、85.99;H、9.18。
【数16】
【0252】
4−(4−tert−ブチルフェニル)−6−メチル−1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセン
【化19】
1−メトキシ−2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセン(上記調製)107gをトルエン700mlに溶かした溶液に、TsOH600mgを加え、得られた溶液をDean−Starkヘッドを用いて10分間還流した。室温まで冷ました後、反応混合物を10%NaHCO200mlで洗浄した。有機層を分離し、水層をジクロロメタン2×100mlでさらに抽出した。合わせた有機抽出物を蒸発乾固させて、赤色油を得た。生成物を、シリカゲル60(40〜63μm;溶離剤:ヘキサン、次いでヘキサン−ジクロロメタン=5:1、体積)上のフラッシュクロマトグラフィー、続いて真空蒸留、b.p.210〜216℃/5〜6mmHgによって精製した。この手順により、黄色がかったガラス状物質として77.1g(80%)の4−(4−tert−ブチル−ブチルフェニル)−6−メチル−1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセンが得られた。
分析値 C2326についての計算値:C、91.34;H、8.66。実測値:C、91.47;H、8.50。
【数17】
【0253】
2−メチル−[4−(4−tert−ブチルフェニル)−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−イル](−クロロ)−ジメチルシラン
【化20】
−50℃に冷却したエーテル300ml中の4−(4−tert−ブチルフェニル)−6−メチル−1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセン22.3g(73.73mmol)の溶液に、ヘキサン中の2.43MのBuLi30.4ml(73.87mmol)を一度に加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌し、次いで、得られた大量の沈殿を有する懸濁液を−78℃に冷却し(ここで、沈殿は実質的に溶解して橙色溶液を形成した)、47.6g(369mmol、5当量)のジクロロジメチルシランを一度に添加した。得られた溶液を室温で一晩撹拌し、次いでガラスフリット(G4)を通して濾過した。濾液を蒸発乾固して、28.49g(98%)の2−メチル[4−(4−tert−ブチルフェニル)−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−イル](クロロ)ジメチルシランを無色ガラスとして得、これをさらに精製せずに使用した。
【数18】
【0254】
2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチル−インダン−1−オン
【化21】
2−メチル−4−ブロモ−5−メトキシ−6−tert−ブチル−インドン−1−オン31.1g(100mmol)、4−tert−ブチルフェニルボロン酸25.0g(140mmol)、NaCO29.4g(280mmol)、Pd(OAc)1.35g(6.00mmol、6mol.%)、およびPPh3.15g(12.0mmol、12mol.%)の水130mlおよびDME380ml中の混合物を、アルゴン雰囲気中で6時間還流した。生成した混合物を蒸発乾固させた。残留物に、500mlのジクロロメタンおよび500mlの水を添加した。有機層を分離し、水層をジクロロメタン100mlでさらに抽出した。合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥し、蒸発乾固し、粗生成物をシリカゲル60(40〜63μm;溶離剤:ヘキサン−ジクロロメタン=2:1、体積)上のフラッシュクロマトグラフィーを用いて単離した。この粗生成物をn−ヘキサンから再結晶して、29.1g(81%)の白色固体を得た。
分析値 C2532についての計算値:C、82.37;H、8.85。実測値:C、82.26;H、8.81。
【数19】
【0255】
2−メチル−5−tert−ブチル−6−メトキシ−7−(4−tert−ブチルフェニル)−1H−インデン
【化22】
5℃に冷却した400mlのTHF中の28.9g(79.2mmol)の2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチル−インダン−1−オンの溶液に、5.00g(132mmol)のNaBHを添加した。さらに、5℃で約7時間激しく撹拌することによって、100mlのメタノールをこの混合物に滴加した。得られた混合物を蒸発乾固し、残留物を500mlのジクロロメタンと1000mlの0.5M HClとの間で分配した。有機層を分離し、水層をジクロロメタン100mlでさらに抽出した。合わせた有機抽出物を蒸発乾固させて、無色の油を得た。500mlのトルエン中のこの油の溶液に、1.0gのTsOHを添加した。生成した混合物は、15分間Dean−Starkヘッドで還流し、その後水浴を用いて室温に冷却した。得られた赤味がかった溶液を10%NaCO水溶液で洗浄し、有機層を分離し、水層を2×100mLのジクロロメタンで抽出した。合わせた有機抽出物をKCOで乾燥させ、次いでシリカゲル60の短いパッド(40〜63μm)に通した。シリカゲルパッドをさらにジクロロメタン50mlで洗浄した。合わせた有機溶出液を蒸発乾固させて、黄色がかった結晶塊を得た。この塊を150mlの熱n−ヘキサンから再結晶化することにより生成物を単離した。5℃で沈殿した結晶を集め、真空中で乾燥させた。この操作により、23.8gの白色大結晶性2−メチル−5−tert−ブチル−6−メトキシ−7−(4−tert−ブチルフェニル)−1H−インデンが得られた。母液を蒸発乾固し、残留物を20mlの熱n−ヘキサンから同じ方法で再結晶した。この手順により、さらに2.28gの生成物を得た。従って、表題生成物の総収量は26.1g(95%)であった。
分析値 C2532Oについての計算値:C、86.15;H、9.25。実測値:C、86.24;H、9.40。
【数20】
【0256】
[2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチル−1H−インデン−1−イル][2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−イル]ジメチルシラン
【化23】
2−メチル−5−tert−ブチル−7−(4−tert−ブチルフェニル)−6−メトキシ−1H−インデン8.38g(24.04mmol)のエーテル150mL中の溶液に、2.43MのBuLiのヘキサン溶液9.9mL(24.06mmol)を−50℃で一度に加えた。この混合物を室温で一晩撹拌し、次いで、得られた黄色沈殿を有する黄色溶液を−50℃に冷却し、150mgのCuCNを添加した。得られた混合物を−25℃で0.5時間撹拌し、次いで、エーテル150ml中の2−メチル−[4−(4−tert−ブチルフェニル)−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−イル](クロロ)ジメチルシラン9.5g(24.05mmol)の溶液を一度に添加した。この混合物を室温で一晩撹拌し、次いでシリカゲル60(40〜63μm)のパッドを通して濾過し、これをさらに2×50mlのジクロロメタンで洗浄した。合わせた濾液を減圧下で蒸発させ、残留物を高温で真空乾燥した。この手順により、[2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチル−1H−インデン−1−イル][2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−イル]ジメチルシラン(NMR分光法により約95%純度、立体異性体の約1:1混合物)17.2g(約100%)が黄色がかったガラス状固体として得られ、これをさらに精製することなく次のステップで使用した。
【数21】
【0257】
anti−ジメチルシランジイル[2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチルインデン−1−イル][2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−イル]ジルコニウムジクロリド
【化24】
−50℃に冷却した[2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチル−1H−インデン−1−イル][2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−イル]ジメチルシラン(上記で調製)17.2gのエーテル250mlの溶液に、ヘキサン中の2.43MのBuLi19.8ml(48.11mmol)を一度に加えた。この混合物を室温で4時間撹拌し、得られたサクラ赤色溶液を−60℃に冷却し、5.7g(24.46mmol)のZrClを添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌して、橙色沈殿物を有する赤色溶液を得た。この混合物を蒸発乾固した。残留物をトルエン200mlと共に加熱し、生成した懸濁液をガラスフリット(G4)を通して濾過した。濾液を蒸発させて90mlとした。室温で一晩、この溶液から沈殿した黄色粉末を採集し、10mlの冷トルエンで洗浄し、真空中で乾燥させた。この手順により、4.6g(22%)のanti−ジルコノセンおよびsyn−ジルコノセンの約4:1混合物を得た。母液を蒸発させて約40mlとし、20mlのn−ヘキサンを加えた。室温で一晩、この溶液から沈殿した橙色粉末を採集し、真空中で乾燥させた。この手順により、6.2g(30%)のanti−ジルコノセンおよびsyn−ジルコノセンの約1:1混合物を得た。従って、この合成において単離されたanti−ジルコノセンおよびsyn−ジルコノセンの総収量は10.8g(52%)であった。純粋なanti−ジルコノセンは、20mlのトルエンからのanti−ジルコノセンとsyn−ジルコノセンの約4対1の混合物の上記4.6gのサンプルの結晶化後に得られた。この手順により、純粋なanti−ジルコノセン1.2gを得た。
【0258】
anti−ジメチルシランジイル[2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチルインデン−1−イル][2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−イル]ジルコニウムジクロリド:
分析値 C5060ClOSiZrについての計算値:C、69.25;H、6.97。実測値:C、69.43;H、7.15。
【数22】
1つの炭素原子に由来する共鳴は、他のシグナルと重複するため見出されなかった。
【0259】
比較メタロセンCC5の合成
4−ブロモ−2,6−ジメチルアニリン
【化25】
159.8g(1.0mol)の臭素を、500mlのメタノール中の121.2g(1.0mol)の2,6−ジメチルアニリンの撹拌溶液にゆっくりと(2時間にわたって)添加した。得られた暗赤色溶液を室温で一晩撹拌し、次いで、水1100ml中の140g(2.5mol)の水酸化カリウムの冷溶液に注いだ。有機層を分離し、水層をジエチルエーテル500mlで抽出した。合わせた有機抽出物を1000mLの水で洗浄し、KCOで乾燥させ、減圧下で蒸発させて、4−ブロモ−2,6−ジメチルアニリン202.1g(純度約90%)を暗赤色油状物として得、これは室温で放置すると結晶化した。この物質をさらに精製せずにさらに使用した。
【数23】
【0260】
1−ブロモ−3,5−ジメチルベンゼン
【化26】
96%硫酸97ml(1.82mol)を、−10℃に冷却した95%エタノール1400ml中の4−ブロモ−2,6−ジメチルアニリン(上記で調製、純度約90%)134.7g(約673mmol)の溶液に、反応温度を7℃未満に維持するような速度で滴加した。添加が完了した後、溶液を室温で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を氷浴中で冷却し、150mlの水中の72.5g(1.05mol)の亜硝酸ナトリウムの溶液を約1時間かけて滴加した。生成した溶液を同じ温度で30分間撹拌した。次いで、冷却浴を除去し、18gの銅粉末を添加した。窒素の急速な発生が完了したら、追加の部分(それぞれ約5g、合計約50g)の銅粉末を、ガス発生が完全に停止するまで10分間隔で添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次いでガラスフリット(G3)を通して濾過し、2倍体積の水で希釈し、粗生成物を4×150mlのジクロロメタンで抽出した。合わせた抽出物をKCOで乾燥し、蒸発乾固した後、減圧(b.p.60〜63℃/5mmHg)で蒸留して、黄色がかった液体を得た。この生成物をシリカゲル60(40〜63μm;溶離剤:ヘキサン)でのフラッシュクロマトグラフィーによりさらに精製し、再度蒸留して(b.p.51〜52℃/3mmHg)、63.5g(51%)の1−ブロモ−3,5−ジメチルベンゼンを無色液体として得た。
【数24】
【0261】
(3,5−ジメチルフェニル)ボロン酸
【化27】
1−ブロモ−3,5−ジメチルベンゼン190.3g(1.03mol)のTHF1000mlの溶液およびマグネシウム粉砕物32g(1.32mol、28%過剰)から得られた3,5−ジメチルフェニルマグネシウムブロミドの溶液を、−78℃に冷却し、トリメチルボレート104g(1.0mol)を一度に添加した。得られた不均一混合物を、室温で一晩撹拌した。ボロン酸エステルを、2M HCl(1200ml)を注意深く加えることによって加水分解した。ジエチルエーテル500mlを加え、有機層を分離し、水層をジエチルエーテル2×500mlでさらに抽出した。合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥させ、次いで蒸発乾固させて、白色塊を得た。後者を200mlのn−ヘキサンで粉砕し、ガラスフリット(G3)を通して濾過し、沈殿物を真空中で乾燥させた。この手順により、(3,5−ジメチルフェニル)ボロン酸114.6g(74%)を得た。
分析値 C11BOについての計算値:C、64.06;H、7.39。実測値:C、64.38;H、7.72。
【数25】
【0262】
2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチル−インダン−1−オン
【化28】
2−メチル−4−ブロモ−5−メトキシ−6−tert−ブチルインダン−1−オン49.14g(157.9mmol)、(3,5−ジメチルフェニル)ボロン酸29.6g(197.4mmol、1.25当量)、NaCO45.2g(427mmol)、Pd(OAc)1.87g(8.3mmol、5mol.%)、PPh4.36g(16.6mmol、10mol.%)、水200ml、1,2−ジメトキシエタン500mlの混合物を、6.5時間還流した。DMEをロータリーエバポレーターで蒸発させ、600mlの水および700mlのジクロロメタンを残留物に添加した。有機層を分離し、水層をさらにジクロロメタン200mlで抽出した。合わせた抽出物をKCOで乾燥させ、次いで蒸発乾固させて黒色油を得た。粗生成物をシリカゲル60(40〜63μm、ヘキサン−ジクロロメタン=1:1、体積、次いで1:3、体積)でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、48.43g(91%)の2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチル−ブチルインダン−1−オンを褐色がかった油として得た。
分析値 C2328についての計算値:C、82.10;H、8.39。実測値:C、82.39;H、8.52。
【数26】
【0263】
2−メチル−5−tert−ブチル−6−メトキシ−7−(3,5−ジメチルフェニル)−1H−インデン
【化29】
5℃に冷却したTHF300ml中の2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチルインダン−1−オン48.43g(143.9mmol)の溶液に、NaBH8.2g(217mmol)を加えた。次いで、150mlのメタノールを、この混合物に、5℃で約7時間激しく撹拌することによって滴加した。得られた混合物を蒸発乾固し、残留物を500mlのジクロロメタンと500mlの2M HClとの間で分配した。有機層を分離し、水層をジクロロメタン100mlでさらに抽出した。合わせた有機抽出物を蒸発乾固させて、わずかに黄色がかった油を得た。600mlのトルエン中のこの油の溶液に、400mgのTsOHを添加し、この混合物を10分間Dean−Starkヘッドで還流し、次いで水浴を使って室温に冷やした。生成した溶液を10% NaCOで洗浄し、有機層を分離し、水層をジクロロメタン150mLで抽出した。合わせた有機抽出物をKCOで乾燥させ、次いでシリカゲル60の短層(40〜63μm)に通した。シリカゲル層をさらに100mlのジクロロメタンで洗浄した。合わせた有機溶出液を蒸発乾固し、得られた油を高温で真空乾燥した。この手順により、45.34g(98%)の2−メチル−5−tert−ブチル−6−メトキシ−7−(3,5−ジメチルフェニル)−1H−インデンを得、これをさらに精製することなく使用した。
分析値 C2328Oについての計算値:C、86.20;H、8.81。実測値:C、86.29;H、9.07。
【数27】
【0264】
[2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチル−1H−インデン−1−イル]−(クロロ)−ジメチルシラン
【化30】
エーテル150ml中の2−メチル−5−tert−ブチル−6−メトキシ−7−(3,5−ジメチルフェニル)−1H−インデン9.0g(28.08mmol)の−50℃に冷却した溶液に、ヘキサン中の2.43MのBuLi11.6ml(28.19mmol)を一度に加えた。得られた混合物を室温で6時間撹拌し、次いで得られた黄色懸濁液を−60℃に冷却し、18.1g(140.3mmol、5当量)のジクロロジメチルシランを一度に添加した。得られた溶液を室温で一晩撹拌し、次いでガラスフリット(G3)を通して濾過した。濾液を蒸発乾固して[2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチル−1H−インデン−1−イル](クロロ)ジメチルシランをわずかに黄色がかった油として得、これをさらに精製せずに使用した。
【数28】
【0265】
1−メトキシ−2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセン
【化31】
2.0g(2.56mmol、1.8mol.%)のNiCl(PPh)IPrおよび40.0g(142.3mmol)の4−ブロモ−1−メトキシ−2−メチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセンの混合物に、THF中の3,5−ジメチルフェニルマグネシウムブロミド1.0M200ml(200mmol、1.4当量)を加えた。得られた溶液を3時間還流し、次いで室温に冷却し、400mlの水、続いて500mlの1.0M HCl溶液を添加した。さらに、この混合物をジクロロメタン600mlで抽出し、有機層を分離し、水層をジクロロメタン2×100mlで抽出した。合わせた有機抽出物を蒸発乾固させて、わずかに緑がかった油を得た。生成物をシリカゲル60(40〜63μm;溶離剤:ヘキサン−ジクロロメタン=2:1、体積、次いで1:2、体積)でのフラッシュクロマトグラフィーにより単離した。この手順により、43.02g(99%)の1−メトキシ−2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセンが、2つのジアステレオ異性体の混合物として無色の濃厚油として得られた。
分析値 C2226Oについての計算値:C、86.23;H、8.55。実測値:C、86.07;H、8.82。
【数29】
【0266】
4−(3,5−ジメチルフェニル)−6−メチル−1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセン
【化32】
600mlのトルエン中の43.02g(140.4mmol)の1−メトキシ−2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロ−s−インダセンの溶液に、200mgのTsOHを添加し、得られた溶液をDean−Starkヘッドを用いて15分間還流した。室温まで冷ました後、反応混合物を10% NaHCO200mLで洗浄した。有機層を分離し、水層をさらにジクロロメタン300mlで抽出した。合わせた有機抽出物を蒸発乾固させて、淡橙色油状物を得た。生成物をシリカゲル60(40〜63μm;溶離剤:ヘキサン、次いでヘキサン−ジクロロメタン=10:1、体積)でのフラッシュクロマトグラフィーにより単離した。この手順により、35.66g(93%)の4−(3,5−ジメチルフェニル)−6−メチル−1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセンがわずかに黄色がかった油として得られ、それは自然に固化して白色塊を形成した。
分析値 C2122についての計算値:C、91.92;H、8.08。実測値:C、91.78;H、8.25。
【数30】
【0267】
[2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチル−1H−インデン−1−イル][2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−イル]ジメチルシラン
【化33】
150mlのエーテルと20mlのTHFとの混合物中の7.71g(28.1mmol)の4−(3,5−ジメチルフェニル)−6−メチル−1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセンの溶液に、ヘキサン中の2.43MのBuLi11.6ml(28.19mmol)を−50℃で一度に加えた。この混合物を室温で6時間撹拌し、次いで得られた橙色溶液を−50℃に冷却し、150mgのCuCNを添加した。得られた混合物を−25℃で0.5時間撹拌し、次いで[2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチル−1H−インデン−1−イル](クロロ)ジメチルシラン(上記で調製、約28.08mmol)の150mlのエーテル溶液を一度に添加した。この混合物を室温で一晩撹拌し、次いでシリカゲル60(40〜63μm)のパッドを通して濾過し、これをさらに2×50mlのジクロロメタンで洗浄した。合わせた濾液を減圧下で蒸発させて、黄色油を得た。生成物をシリカゲル60(40〜63μm;溶離剤:ヘキサン−ジクロロメタン=10:1、体積、次いで5:1、体積)でのフラッシュクロマトグラフィーにより単離した。この操作により、[2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチル−1H−インデン−1−イル][2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−イル]ジメチルシラン(立体異性体の約1:1混合物として)11.95g(65%)を黄色がかったガラス状固体として得た。
分析値 C4654OSiについての計算値:C、84.87;H、8.36。実測値:C、85.12;H、8.59。
【数31】
【0268】
anti−ジメチルシランジイル[2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチルインデン−1−イル][2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−イル]ジルコニウムジクロリド
【化34】
−50℃に冷却したエーテル200ml中の[2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチル−1H−インデン−1−イル][2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−イル]ジメチルシラン(上記で調製)11.95g(18.36mol)の溶液に、ヘキサン中の2.43MのBuLi15.1ml(35.7mmol)を一度に加えた。この混合物を室温で3時間撹拌し、次いで得られた赤色溶液を−78℃に冷却し、ZrCl4.28g(18.37mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌して、橙色の沈殿を有する淡赤色溶液を得た。この混合物を蒸発乾固した。残留物を250mlの熱トルエンで処理し、生成した懸濁液をガラスフリット(G4)を通して濾過した。濾液を蒸発させて40mlとした。この溶液から室温で一晩沈殿した赤色粉末を集め、10mlの冷トルエンで洗浄し、真空中で乾燥させた。この手順により、0.6gのsyn−ジルコノセンを得た。母液を蒸発させて約35mlとし、15mlのn−ヘキサンを温かい溶液に加えた。この溶液から室温で一晩沈殿した赤色粉末を集め、真空中で乾燥させた。この手順により、3.49gのsyn−ジルコノセンを得た。母液を蒸発させて約20mlとし、30mlのn−ヘキサンを温かい溶液に加えた。この溶液から室温で一晩沈殿した黄色粉末を集め、真空中で乾燥させた。この手順は、約2%のsyn−異性体で汚染されたトルエン(×0.6トルエン)との溶媒和物として4.76gのanti−ジルコノセンを与えた。したがって、この合成において単離されたsyn−ジルコノセンおよびanti−ジルコノセンの総収量は、8.85g(59%)であった。
【0269】
anti−ジメチルシランジイル[2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチルインデン−1−イル][2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−イル]ジルコニウムジクロリド:
分析値 C4652ClOSiZr×0.6Cについての計算値:C、69.59;H、6.61。実測値:C、69.74;H、6.68。
【数32】
syn−ジメチルシランジイル[2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチルインデン−1−イル][2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−イル]ジルコニウムジクロリド。
分析値 C4652ClOSiZrについての計算値:C、68.11;H、6.46。実測値:C、68.37;H、6.65。
【数33】
【0270】
比較メタロセンCC6の合成
rac−MeSi(2−Me−4−Ph−5−OMe−6−tBuInd)ZrClを、国際公開第2007/116034号、page30 ff,complex A−1に記載の手順に従って合成した。
【0271】
本発明の実施例のためのメタロセンIC1の合成
ビス[2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチル−1H−インデン−1−イル]ジメチルシラン
【化35】
ヘキサン中の20.6ml(50.06mmol)の2.43M nBuLiを、−50℃でエーテル300ml中の2−メチル−5−tert−ブチル−7−(4−tert−ブチルフェニル)−6−メトキシ−1H−インデン17.43g(50.01mmol)の溶液に一度に添加した。この混合物を室温で一晩撹拌し、次いで得られた黄色の沈殿物を多く含む黄色の溶液を−60℃に冷却し、CuCN225mgを添加した。得られた混合物を−25℃で30分間撹拌し、次いで3.23g(25.03mmol)のジクロロジメチルシランを一度に添加した。さらに、この混合物を周囲温度で一晩撹拌した。この溶液をシリカゲル60(40〜63μm)のパッドを通して濾過し、これをさらに2×50mlのジクロロメタンで洗浄した。合わせた濾液を減圧下で蒸発させ、残留物を高温で真空乾燥した。この手順により、18.76g(約100%、純度約85%)のビス[2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチル−1H−インデン−1−イル]ジメチルシラン(ジアステレオ異性体の約7:3混合物)を白色粉末として得た。
【数34】
【0272】
rac−ジメチルシランジイル−ビス[2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチル−インデン−1−イル]ジルコニウムジクロリド
【化36】
−60℃に冷却したエーテル320ml中のビス[2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチル−1H−インデン−1−イル]ジメチルシラン17.3g(22.97mmol)の溶液に、ヘキサン中の2.43M nBuLi19.0ml(46.17mmol)を一度に加えた。この混合物を室温で一晩撹拌し、次いで得られた黄色の沈殿物を多く含む黄色の溶液を−60℃に冷却し、5.36g(23.0mmol)のZrCl4を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌して、多量の橙色沈殿を有する橙色溶液を得た。この沈殿物を濾別し(G4)、300mlのメチルシクロヘキサンで加熱し、生成した懸濁液を熱いうちにガラスフリット(G4)を通してLiClから濾過した。濾液から室温で一晩沈殿した黄色粉末を濾別し(G3)、次いで真空中で乾燥させた。この手順により、約3%のメソ型で汚染された3.98gのrac錯体が得られた。この混合物を40mlの熱トルエンに溶解し、生成した溶液を真空中で約10mlまで蒸発させた。室温で沈殿した黄色粉末を濾別し(G3)、次いで真空中で乾燥させて、3.41g(16%)の純粋なrac−ジメチルシランジイルビス[2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチル−インデン−1−イル]ジルコニウムジクロリド(メソ型の含有量1%未満)を得た。エーテル母液を蒸発乾固し、残留物を温トルエン100mlに溶解した。この溶液をガラスフリット(G4)で濾過し、得られた濾液を蒸発させて約40mlとした。室温でこの溶液から沈殿した黄色粉末を直ちに濾別し、真空中で乾燥させて、rac−およびメソ−ジルコノセンの約5:1混合物(rac−に有利)2.6gを得た。全ての母液を合わせ、約20mlの体積まで蒸発させ、残留物を100mlのn−ヘキサンで粉砕した。生成した橙色粉末を集め、真空中で乾燥させた。この手順により、rac−ジルコノセンとメソ−ジルコノセンとの混合物5.8gを得た。従って、この合成において単離されたrac−およびメソ−ジルコノセンの全収率は、11.81g(56%)であった。
【0273】
rac−ジメチルシランジイル−ビス[2−メチル−4−(4−tert−ブチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチル−インデン−1−イル]ジルコニウムジクロリド。
分析値 C52H66Cl2O2SiZrについての計算値:C、68.39;H、7.28。実測値:C、68.70;H、7.43。
【数35】
【0274】
2−メチル−5−tert−ブチル−6−メトキシ−7−(4−tert−ブチルフェニル)−1H−インデンを、比較錯体CC4について記載したように調製した。
【0275】
本発明の実施例のためのメタロセンIC2の合成
(3,5−ジメチルフェニル)ボロン酸
【化37】
1−ブロモ−3,5−ジメチルベンゼン190.3g(1.03mol)のTHF1000ml中の溶液およびマグネシウム粉砕物32g(1.32mol、28%過剰)から得た3,5−ジメチルフェニルマグネシウムブロミドの溶液を、−78℃に冷却し、トリメチルボレート104g(1.0mol)を一度に加えた。得られた不均一混合物を室温で一晩撹拌した。ボロン酸エステルを、2M HCl1200mlを注意深く加えて加水分解した。ジエチルエーテル(500ml)を加え、有機層を分離し、水層をジエチルエーテル2×500mlでさらに抽出した。合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥させ、次いで蒸発乾固させて、白色塊を得た。後者を200mlのn−ヘキサンで粉砕し、ガラスフリット(G3)を通して濾過し、沈殿物を真空中で乾燥させた。この手順により、(3,5−ジメチルフェニル)ボロン酸114.6g(74%)を得た。
分析値 C11BOについての計算値:C、64.06;H、7.39。実測値:C、64.38;H、7.72。
【数36】
【0276】
6−tert−ブチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−2−メチルインダン−1−オン
【化38】
4−ブロモ−6−tert−ブチル−5−メトキシ−2−メチルインダン−1−オン49.14g(157.9mmol)、(3,5−ジメチルフェニル)ボロン酸29.6g(197.4mmol、1.25当量)、NaCO45.2g(427mmol)、Pd(OAc)1.87g(8.3mmol、5mol.%)、PPh4.36g(16.6mmol、10mol.%)、水200ml、1,2−ジメトキシエタン500mlの混合物を、6.5時間還流した。DMEをロータリーエバポレーターで蒸発させ、600mlの水および700mlのジクロロメタンを残留物に添加した。有機層を分離し、水層をさらにジクロロメタン200mlで抽出した。合わせた抽出物をKCOで乾燥させ、次いで蒸発乾固させて黒色油を得た。粗生成物をシリカゲル60(40〜63μm、ヘキサンジクロロメタン=1:1、体積、次いで1:3、体積)でのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、48.43g(91%)の6−tert−ブチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−2−メチルインダン−1−オンを褐色がかった油として得た。
分析値 C2328についての計算値:C、82.10;H、8.39。実測値:C、82.39;H、8.52。
【数37】
【0277】
5−tert−ブチル−7−(3,5−ジメチルフェニル)−6−メトキシ−2−メチル−1H−インデン
【化39】
5℃に冷却したTHF300ml中の6−tert−ブチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−2−メチルインダン−1−オン48.43g(143.9mmol)の溶液に、NaBH8.2g(217mmol)を添加した。次に5℃で約7時間激しく撹拌することによってメタノール150mlをこの混合物に滴加した。得られた混合物を蒸発乾固し、残留物をジクロロメタン500mlと2M HCl500mlとの間に分配した。有機層を分離し、水層をジクロロメタン100mlでさらに抽出した。合わせた有機抽出物を蒸発乾固させて、わずかに黄色がかった油を得た。600mlのトルエン中のこの油の溶液に、400mgのTsOHを加え、この混合物を10分間Dean−Starkヘッドで還流させ、次いで水浴を使って室温に冷やした。生成した溶液を10% NaCOで洗浄し、有機層を分離し、水層をジクロロメタン150mlで抽出した。合わせた有機抽出物をKCOで乾燥させ、次いでシリカゲル60の短層(40〜63μm)に通した。シリカゲル層を、さらに100mlのジクロロメタンで洗浄した。合わせた有機溶出液を蒸発乾固し、得られた油を高温で真空乾燥した。この手順により、45.34g(98%)の5−tert−ブチル−7−(3,5−ジメチルフェニル)−6−メトキシ−2−メチル−1H−インデンを得、これをさらに精製することなくさらに使用した。
分析値 C2328Oについての計算値:C、86.20;H、8.81。実測値:C、86.29;H、9.07。
【数38】
【0278】
ビス[6−tert−ブチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インデン−1−イル]ジメチルシラン
【化40】
ヘキサン中の2.5MのBuLi28.0ml(70mmol)を、350mlのエーテル中の22.36g(69.77mmol)の5−tert−ブチル−7−(3,5−ジメチルフェニル)−6−メトキシ−2−メチル−1H−インデンの溶液に、−50℃で一度に添加した。この混合物を室温で一晩撹拌し、次いで得られた多量の黄色沈殿を有する橙色溶液を−60℃に冷却し(この温度で沈殿はほぼ完全に消失した)、400mgのCuCNを添加した。得られた混合物を−25℃で30分間攪拌し、次いでジクロロジメチルシラン4.51g(34.95mmol)を一度に加えた。この混合物を室温で一晩撹拌し、次いでシリカゲル60(40〜63μm)のパッドを通して濾過し、これをさらに2×50mlのジクロロメタンで洗浄した。合わせた濾液を減圧下で蒸発させ、残留物を高温で真空乾燥した。この手順により、24.1g(99%)のビス[6−tert−ブチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インデン−1−イル]ジメチルシラン(NMRにより90%超の純度、立体異性体の約3:1混合物)を黄色がかったガラスとして得、これをさらに精製せずにさらに使用した。
【数39】
【0279】
rac−ジメチルシランジイル−ビス[2−メチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−6−tert−ブチル−インデン−1−イル]ジルコニウムジクロリド(IE2)
【化41】
ヘキサン中の2.5MのBuLi27.7ml(69.3mmol)を、−50℃に冷却したビス[6−tert−ブチル−4−(3,5−ジメチルフェニル)−5−メトキシ−2−メチル−1H−インデン−1−イル]ジメチルシラン(上記で調製)24.1g(34.53mmol)のジエチルエーテル350ml中の溶液に一度に加えた。この混合物を室温で一晩攪拌し、次いで得られた黄色の沈殿を多量に含む黄色溶液を−50℃に冷却し、ZrCl8.05g(34.54mmol)を添加した。反応混合物を室温で24時間撹拌して、いくらかの沈殿を含有する赤橙色溶液を得た。この混合物を蒸発乾固した。残留物をトルエン200mlで加熱し、生成した懸濁液を熱いうちにガラスフリット(G4)を通して濾過した。濾液を蒸発させて70mlとし、次いで50mlのヘキサンを加えた。この溶液から室温で一晩沈殿した結晶を集め、25mlのヘキサンで洗浄し、真空中で乾燥させた。この手順により、4.01gの純粋なrac−ジルコノセンを得た。母液を蒸発させて約50mlとし、ヘキサン50mlを加えた。室温で一晩、この溶液から沈殿した橙色結晶を集め、次いで真空中で乾燥させた。この手順により、2.98gのrac−ジルコノセンを得た。再び、母液をほとんど蒸発乾固させ、50mlのヘキサンを加えた。この溶液から一晩−30Cで沈殿したオレンジ色の結晶を採集し、減圧乾燥した。この手順により、3.14gのrac−ジルコノセンを得た。従って、この合成において単離されたrac−ジルコノセンの全収率は、10.13g(34%)であった。
Rac−IC2.
分析値 C4858ClSiZrについての計算値:C、67.26;H、6.82。実測値:C、67.42;H、6.99。
【数40】
【0280】
触媒調製例
MAOはChemturaから購入し、トルエン中の30重量%溶液として使用した。
【0281】
界面活性剤として、Cytonix Corporationから購入したパーフルオロアルキルエチルアクリレートエステル(CAS番号65605−70−1)を使用し、活性化モレキュラーシーブで乾燥し(2回)、使用前にアルゴンバブリングにより脱気し(S1)、またはUnimatecから購入した1H,1H−パーフルオロ(2−メチル−3−オキサヘキサン−1−オール)(CAS 26537−88−2)を使用し、活性化モレキュラーシーブで乾燥し(2回)、使用前にアルゴンバブリングにより脱気した(S2)。
【0282】
ヘキサデカフルオロ−1,3−ジメチルシクロヘキサン(PFC)(CAS番号335−27−3)を、商業的供給源から入手し、活性化モレキュラーシーブ上で乾燥させ(2回)、使用前にアルゴンバブリングによって脱気した。プロピレンは、Borealisによって提供され、使用前に適切に精製される。トリエチルアルミニウムはCromptonから購入し、純粋な形態で使用した。水素はAGAによって供給され、使用前に精製される。
【0283】
全ての化学物質および化学反応は、Schlenkおよびグローブボックス技術を用いて、オーブン乾燥ガラス器具、シリンジ、針またはカニューレを用いて、不活性ガス雰囲気下で処理した。
【0284】
比較触媒1:
グローブボックス内で、80.0μlの乾燥および脱気した界面活性剤S1を、隔壁容器中で2mLのMAOと混合し、一晩反応させた。翌日、58.7mgのCC1(0.076mmol、1当量)を、別のセプタムボトル中の4mLのMAO溶液に溶解し、グローブボックス内で撹拌したままにした。
【0285】
60分後、1mLの界面活性剤溶液および4mLのMAO−メタロセン溶液を、−10℃で40mLのPFCを含有し、オーバーヘッド撹拌機(撹拌速度=600rpm)を備えた50mLの乳化ガラス反応器に連続的に添加した。直ちに赤色エマルジョンが形成され、−10℃/600rpmで15分間撹拌した。次に、エマルジョンを2/4テフロン(登録商標)管を介して90℃の100mLの高温PFCに移し、移し替えが完了するまで600rpmで撹拌し、次いで速度を300rpmに低下させた。15分間撹拌した後、油浴を除去し、攪拌機のスイッチを切った。触媒を放置してPFCの頂部に沈降させ、35分後に溶媒を吸い出した。残りの赤色触媒を、アルゴン流上で50℃で2時間乾燥させた。0.52gの赤色の自由流動性粉末が得られた。
【0286】
比較触媒2:
グローブボックス内で、85.6mgの乾燥および脱気した界面活性剤S2を、隔壁ボトル中で2mLの30重量%Chemtura MAOと混合し、一晩反応させた。翌日、44.2mgのメタロエンCC2(0.051mmol、1当量)を、別の隔壁ボトル中の4mLの30重量%Chemtura MAO溶液に溶解し、グローブボックス内で撹拌した。
【0287】
60分後、1mLの界面活性剤溶液および4mLのMAO−メタロセン溶液を、−10℃で40mLのPFCを含有し、オーバーヘッド撹拌機(撹拌速度=600rpm)を備えた50mLの乳化ガラス反応器に連続的に添加した。直ちに赤色エマルジョンが形成され、−10℃/600rpmで15分間撹拌した。次に、エマルジョンを、2/4テフロン(登録商標)管を介して90℃の100mLの高温PFCに移し、移し替えが完了するまで600rpmで撹拌し、次いで速度を300rpmに低下させた。15分間撹拌した後、油浴を除去し、攪拌機のスイッチを切った。触媒を放置してPFCの頂部に沈降させ、35分後に溶媒を吸い出した。残りの触媒を、アルゴン流上で50℃で2時間乾燥させた。赤色の自由流動性粉末0.75gを得た。
【0288】
比較触媒3:
グローブボックス内で、72.0mgの乾燥および脱気した界面活性剤S2を、隔壁ボトル中で2mLの30重量%Chemtura MAOと混合し、一晩反応させた。翌日、39.8mgのメタロエンD65(0.051mmol、1当量)を、別の隔壁ボトル中の4mLの30重量%Chemtura MAO溶液に溶解し、グローブボックス内で撹拌した。
【0289】
60分後、1mLの界面活性剤溶液および4mLのMAO−メタロセン溶液を、−10℃で40mLのPFCを含有し、オーバーヘッド撹拌機(撹拌速度=600rpm)を備えた50mLの乳化ガラス反応器に連続的に添加した。直ちに赤色エマルジョンが形成され、−10℃/600rpmで15分間撹拌した。次に、エマルジョンを、2/4テフロン(登録商標)管を介して90℃の100mLの高温PFCに移し、移し替えが完了するまで600rpmで撹拌し、次いで速度を300rpmに低下させた。15分間撹拌した後、油浴を除去し、攪拌機のスイッチを切った。触媒を放置してPFCの頂部に沈降させ、35分後に溶媒を吸い出した。残りの触媒を、アルゴン流上で50℃で2時間乾燥させた。0.72gの赤色の自由流動性粉末が得られた。
【0290】
比較触媒4:
グローブボックス内で、85.9mgの乾燥および脱気した界面活性剤S2を、隔壁ボトル中で2mLの30重量%Chemtura MAOと混合し、一晩反応させた。翌日、43.9mgのメタロエンCC4(0.051mmol、1当量)を、別の隔壁ボトル中の4mLの30重量%Chemtura MAO溶液に溶解し、グローブボックス内で撹拌した。
【0291】
60分後、1mLの界面活性剤溶液および4mLのMAO−メタロセン溶液を、−10℃で40mLのPFCを含有し、オーバーヘッド撹拌機(撹拌速度=600rpm)を備えた50mLの乳化ガラス反応器に連続的に添加した。直ちに赤色エマルジョンが形成され、−10℃/600rpmで15分間撹拌した。次に、エマルジョンを、2/4テフロン(登録商標)管を介して90℃の100mLの高温PFCに移し、移し替えが完了するまで600rpmで撹拌し、次いで速度を300rpmに低下させた。15分間撹拌した後、油浴を除去し、攪拌機のスイッチを切った。触媒を放置してPFCの頂部に沈降させ、35分後に溶媒を吸い出した。残りの触媒を、アルゴン流上で50℃で2時間乾燥させた。0.62gの赤色の自由流動性粉末が得られた。
【0292】
比較触媒5:
グローブボックス内で、86.8mgの乾燥および脱気した界面活性剤S2を、隔壁ボトル中で2mLの30重量%Chemtura MAOと混合し、一晩反応させた。翌日、41.1mgのメタロエンD69(0.051mmol、1当量)を、別の隔壁ボトル中の4mLの30重量%Chemtura MAO溶液に溶解し、グローブボックス内で撹拌した。
【0293】
60分後、1mLの界面活性剤溶液および4mLのMAO−メタロセン溶液を、−10℃で40mLのPFCを含有し、オーバーヘッド撹拌機(撹拌速度=600rpm)を備えた50mLの乳化ガラス反応器に連続的に添加した。直ちに赤色エマルジョンが形成され、−10℃/600rpmで15分間撹拌した。次に、エマルジョンを、2/4テフロン(登録商標)管を介して90℃の100mLの高温PFCに移し、移し替えが完了するまで600rpmで撹拌し、次いで速度を300rpmに低下させた。15分間撹拌した後、油浴を除去し、攪拌機のスイッチを切った。触媒を放置してPFCの頂部に沈降させ、35分後に溶媒を吸い出した。残りの触媒を、アルゴン流上で50℃で2時間乾燥させた。0.54gの赤色の自由流動性粉末が得られた。
【0294】
比較触媒6:
グローブボックス内で、54μLの乾燥および脱気した界面活性剤(S1)を、隔壁ボトル中で2mLのMAOと混合し、一晩反応させた。翌日、30.7mgのMC−B(0.038mmol、1当量)を、別の隔壁ボトル中の4mLのMAO溶液に溶解し、グローブボックス内で撹拌した。
【0295】
60分後、1mLの界面活性剤溶液および4mLのMAO−メタロセン溶液を、−10℃で40mLのPFCを含有し、オーバーヘッド撹拌機(撹拌速度=600rpm)を備えた50mL乳化ガラス反応器に連続的に添加した。直ちに赤色エマルジョンが形成され、−10℃/600rpmで15分間撹拌した。次に、エマルジョンを、2/4テフロン(登録商標)管を介して90℃の100mLの高温PFCに移し、移し替えが完了するまで600rpmで撹拌し、次いで速度を300rpmに低下させた。15分間撹拌した後、油浴を除去し、攪拌機のスイッチを切った。触媒を放置してPFCの頂部に沈降させ、35分後に溶媒を吸い出した。残りの触媒を、アルゴン流上で50℃で2時間乾燥させた。0.74gの赤色固体触媒が得られた。
【0296】
本発明例についての触媒1a
グローブボックス内で、86.4mgの乾燥および脱気した界面活性剤S2を、隔壁ボトル中で2mLの30重量%Chemtura MAOと混合し、一晩反応させた。翌日、69.3mgのメタロセンIC1(0,076mmol、1当量)を、別の隔壁ボトル中の4mLの30重量%Chemtura MAO溶液に溶解し、グローブボックス内で撹拌しながら放置した。
【0297】
60分後、1mLのMAO/界面活性剤溶液および4mLのMAO−メタロセン溶液を、−10℃で40mLのPFCを含有し、オーバーヘッド撹拌機(撹拌速度=600rpm)を備えた50mL乳化ガラス反応器に連続的に添加した。直ちに赤色エマルジョンが形成され、−10℃/600rpmで15分間撹拌した。次に、エマルジョンを、2/4テフロン(登録商標)管を介して90℃の100mLの高温PFCに移し、移し替えが完了するまで600rpmで撹拌し、次いで速度を300rpmに低下させた。15分間撹拌した後、油浴を除去し、攪拌機のスイッチを切った。触媒を放置してPFCの頂部に沈降させ、35分後に溶媒を吸い出した。残りの触媒を、アルゴン流上で50℃で2時間乾燥させた。赤色の自由流動性粉末0.75gを得た。
【0298】
本発明例についての触媒1b
グローブボックス内で、界面活性剤溶液(0.2mLトルエン中に希釈した29.5mgの乾燥および脱気した界面活性剤(S2))を、5mLの30重量%Chemtura MAOに滴加した。溶液を撹拌下で10分間放置した。次に、MAO/界面活性剤を46.2mgのメタロセンIC1に添加し、グローブボックス中で撹拌下に放置した。
【0299】
60分間撹拌した後、界面活性剤−MAO−メタロセン溶液を、−10℃で40mLのPFCを含有し、オーバーヘッド撹拌機(撹拌速度=600rpm)を備えた50mL乳化ガラス反応器に添加した。直ちに赤色エマルジョンが形成され、−10℃/600rpmで15分間撹拌した。次に、エマルジョンを、2/4テフロン(登録商標)チューブを介して90℃の高温PFC100mLに移し、移し替えが完了するまで600rpmで撹拌した。次に、速度を300rpmに低下させた。15分間撹拌した後、油浴を除去し、攪拌機のスイッチを切った。触媒を放置してPFCの頂部に沈降させ、35分後に溶媒を吸い出した。残りの触媒を、アルゴン流上で50℃で2時間乾燥させた。0.53gの赤色の自由流動性粉末が得られた。
【0300】
本発明例についての触媒2a
グローブボックス内で、86.2mgの乾燥および脱気した界面活性剤(S2)を、隔壁ボトル中で2mLの30重量%Chemtura MAOと混合し、一晩反応させた。翌日、65.1mgのメタロセンIC2(0,076mmol、1当量)を、別の隔壁ボトル中の4mLの30重量%Chemtura MAO溶液に溶解し、グローブボックス内で撹拌下に放置した。
【0301】
60分後、1mLのMAO/界面活性剤溶液および4mLのMAO−メタロセン溶液を、−10℃で40mLのPFCを含有し、オーバーヘッド撹拌機(撹拌速度=600rpm)を備えた50mL乳化ガラス反応器に連続的に添加した。直ちに赤色エマルジョンが形成され、−10℃/600rpmで15分間撹拌した。次に、エマルジョンを、2/4テフロン(登録商標)管を介して90℃の100mLの高温PFCに移し、移し替えが完了するまで600rpmで撹拌し、次いで速度を300rpmに低下させた。15分間撹拌した後、油浴を除去し、攪拌機のスイッチを切った。触媒を放置してPFCの頂部に沈降させ、35分後に溶媒を吸い出した。残りの触媒を、アルゴン流上で50℃で2時間乾燥させた。0.79gの赤色の自由流動性粉末が得られた。
【0302】
本発明例についての触媒2b
グローブボックス内で、界面活性剤溶液(0.2mLトルエン中に希釈した28.8mgの乾燥および脱気した界面活性剤(S2))を、5mLの30重量%Chemtura MAOに滴加した。溶液を撹拌下で10分間放置した。次に、MAO/界面活性剤を43.4mgのメタロセンIC2に添加し、グローブボックス中で撹拌しながら放置した。
【0303】
60分間撹拌した後、界面活性剤−MAO−メタロセン溶液を、−10℃で40mLのPFCを含有し、オーバーヘッド撹拌機(撹拌速度=600rpm)を備えた50mL乳化ガラス反応器に添加した。直ちに赤色エマルジョンが形成され、−10℃/600rpmで15分間撹拌した。次に、エマルジョンを、2/4テフロン(登録商標)チューブを介して90℃の高温PFC100mLに移し、移し替えが完了するまで600rpmで撹拌した。次に、速度を300rpmに低下させた。15分間撹拌した後、油浴を除去し、攪拌機のスイッチを切った。触媒を放置してPFCの頂部に沈降させ、35分後に溶媒を吸い出した。残りの触媒を、アルゴン流上で50℃で2時間乾燥させた。0.62gの赤色の自由流動性粉末が得られた。
【0304】
オフライン予備重合手順
オフライン予備重合された触媒は、以下の手順に従ってオフライン予備重合された。
以下の手順に従って触媒を予備重合した:オフライン予備重合実験を、ガス供給ラインおよびオーバーヘッド撹拌機を備えた125mL圧力反応器中で行った。乾燥および脱気したパーフルオロ−1.3−ジメチルシクロヘキサン(15cm)および予備重合するべき所望量の触媒を、グローブボックス内の反応器に装填し、反応器を密閉した。次いで、反応器をグローブボックスから取り出し、25℃に保たれた水冷浴内に置いた。オーバーヘッド撹拌機および供給ラインを接続し、撹拌速度を450rpmに設定した。実験は、反応器へのプロピレン供給を開放することによって開始した。反応器内の全圧を約5bargに上昇させ、目標重合度に達するまで、質量流量コントローラーを介してプロピレン供給物によって一定に保持した。揮発性成分をフラッシュすることによって反応を停止させた。グローブボックス内で、反応器を開け、内容物をガラス容器に注いだ。パーフルオロ−1,3−ジメチルシクロヘキサンを、一定重量が得られるまで蒸発させて、予備重合された触媒を得た。
【0305】
表1:オフライン予備重合。
【表1】
【0306】
重合例
ポリマーは、2に要約されるように、3つの異なる手順に従って20L反応器中で製造された。
表2 重合手順
【表2】
NL ノーマルリットル
【0307】
重合手順の詳細を以下に記載する。
ステップ1:予備重合およびバルク単独重合。
0.4bargのプロピレンを含有する20Lのステンレス鋼反応器に3950gのプロピレンを充填した。トリエチルアルミニウム(ヘプタン中0.62mol/l溶液0.80ml)を、追加のプロピレン240gによって反応器に注入した。溶液を、20℃および250rpmで少なくとも20分間撹拌した。触媒は、以下に記載されるように注入された。所望量の固体予備重合触媒をグローブボックス内の5mlステンレススチールバイアルに装填し、10バールの窒素で加圧した4mlのn−ヘプタンを含有する第2の5mlバイアルを第1のバイアルの頂部に添加した。この触媒フィーダーシステムを、オートクレーブの頂部のポートに取り付けた。2つのバイアルの間のバルブを開け、固体触媒を窒素圧下で2秒間ヘプタンと接触させ、次いで240gのプロピレンで反応器にフラッシュした。予備重合を10分間行った。予備重合ステップの終了時に、温度を80℃に上げた。内部反応器温度が71℃に達したら、1.5NL(手順1および2)または2.0NLのH2(手順3)を、マスフローコントローラーを介して1分間で添加した。反応温度は重合を通して80℃で一定に保たれた。重合時間は、内部反応器温度が設定重合温度より2℃低い温度に達したときに開始して測定した。
【0308】
ステップ2:気相単独重合。
バルクステップが完了した後、撹拌速度を50rpmに低下させ、モノマーを排気することによって圧力を23bar−gに低下させた。その後、撹拌速度を180rpmに設定し、反応器温度を80℃に設定し、圧力を24bar−gに設定した。水素(手順1では1.2NL、または手順2では1.6NL、または手順3では2.0NL)を、フローコントローラーを介して1分で添加した(2.0NL H2実験では2分)。気相単独重合の間、圧力および温度の両方を、マスフローコントローラー(プロピレンを供給する)およびサーモスタットを介して60分間一定に保った。
【0309】
ステップ3:気相エチレン−プロピレン共重合。
気相単独重合ステップが完了した後、撹拌速度を50rpmに低下させ、モノマーを排気することによって圧力を0.3bar−gに低下させた。次に、トリエチルアルミニウム(ヘプタン中の0.62mol/l溶液0.80ml)を、スチールバイアルを通してさらに250gのプロピレンによって反応器に注入した。次いで、モノマーを排気することによって、圧力を再び0.3bar−gまで低下させた。撹拌速度を180rpmに設定し、反応器温度を70℃に設定した。次に、反応器圧力を、C3/C2ガス混合物を供給することによって20bar−gに増加させた(実験R1−17−019およびR1−17−020(比は0.46であった)を除いて、すべての実験について、C2/C3=0.56 wt/wt)。温度をサーモスタットによって一定に保ち、圧力を、マスフローコントローラーを介して、標的ポリマー組成に対応する組成のC3/C2ガス混合物を供給することによって、およびこのステップのための設定時間が経過するまで、一定に保った。
【0310】
次いで、反応器を約30℃に冷却し、揮発性成分をフラッシュアウトした。N2で3回および1回の真空/N2サイクルで反応器をフラッシュした後、生成物を取り出し、ヒュームフード中で一晩乾燥させた。100gのポリマーを0.5重量%Irganox B225(アセトン溶液)で付加し、フード中で一晩乾燥させ、続いて60℃の真空乾燥オーブン中で2時間乾燥させる。
【0311】
重合結果を表3〜6に示す。
【0312】
表3は、先行技術のメタロセンと比較して、本発明のメタロセンIC1(本発明の実施例IC1bのための触媒1b)およびIC2(本発明の実施例IC2bのための触媒2b)のより高い活性およびより高いiV(E)を示す。
【0313】
表3.手順1による3段階重合。
【表3】
CE=比較例;IE=本発明例;n.m.=測定されない。
iVwhole=異相プロピレンコポリマーのiV
iV=エラストマー性プロピレン−エチレンコポリマー(E)のiV
MFC=マスフローコントローラー
【0314】
表4は、16〜18重量%の同様のC2含有量で、本発明のメタロセンIC1(本発明の実施例IC1bの触媒1b)およびIC2(本発明の実施例IC2bの触媒2b)が、メタロセンCC6(IE3およびIE5をCE6に対して比較)と比較してより高いiV(E)を生じることを示す。表4の結果はまた、より低いメタロセン荷重(すなわち、より高いAl/Zr比)を有する触媒が、より高い生産性を有し、わずかに高いiV(E)を与えることを示す(IE1をIE4に対して比較されたい)。
【0315】
表4.手順1による3段階重合。
【表4】
CE=比較例;IE=本発明例;n.m.=測定されない。
IC1a=本発明例の触媒1a
IC1b=本発明例の触媒1b
IC2b=本発明例の触媒2b
iVwhole=異相プロピレンコポリマーのiV
iV=エラストマー性プロピレン−エチレンコポリマー(E)のiV
MFC=マスフローコントローラー
【0316】
表5に示されるデータは、より広いMw/Mnを有するマトリックスを有する材料についても、以上の結果をさらに確認する。
【0317】
表5:手順2による3段階重合
【表5】
CE=比較例;IE=本発明例;n.m.=測定されない。
IC1a=本発明例の触媒1a
IC1b=本発明例の触媒1b
IC2b=本発明例の触媒2b
iVwhole=異相プロピレンコポリマーのiV
iV=エラストマー性プロピレン−エチレンコポリマー(E)のiV
MFC=マスフローコントローラー
【0318】
表6に示されるデータは、より低い分子量を有するマトリックスを有する材料およびより高いC2含有量のゴム相(エラストマー性プロピレン−エチレンコポリマー(E))についても、以上の結果をさらに確認する。
【0319】
表6.手順3による3段階重合
【表6】
IC1b=本発明例の触媒1b
IC2b=本発明例の触媒2b
iVwhole=異相プロピレンコポリマーのiV
iV=エラストマー性プロピレン−エチレンコポリマー(E)のiV
【0320】
結果は、触媒IC1およびIC2が、比較触媒CC1〜CC6と同様の条件下で製造された異相コポリマーよりも高い分子量を有するゴム相を有する異相コポリマーを製造することを明らかに示す。
【0321】
両方のインデン上の5−メトキシ、6−tert−ブチル置換の利点は、IC1およびIC2で得られた異相コポリマーのiV(E)を比較メタロセン触媒で得られたものと比較することによって明らかに示される。
【0322】
さらに、4−フェニル環上のインデンおよび置換基の両方に5−メトキシ、6−tert−ブチル置換を有する利点は、IC1およびIC2で得られた異相コポリマーのiV(E)をCC6で得られたものと比較することによって明確に示される。
【0323】
本発明による方法に使用される触媒の中で、より高いAl/Zr比、すなわち、より低いメタロセン荷重が、予想外に、より高い触媒活性およびより高いメタロセン活性の両方をもたらすことが見出された。
【0324】
本発明の触媒はまた、比較触媒と比較して、有意に高い全体的生産性を有する。