特許第6870138号(P6870138)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6870138
(24)【登録日】2021年4月16日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】PTPシートの包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/04 20060101AFI20210426BHJP
   B65D 75/36 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   B65D83/04 D
   B65D75/36
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-69592(P2020-69592)
(22)【出願日】2020年4月8日
(62)【分割の表示】特願2016-7478(P2016-7478)の分割
【原出願日】2016年1月18日
(65)【公開番号】特開2020-121811(P2020-121811A)
(43)【公開日】2020年8月13日
【審査請求日】2020年4月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003311
【氏名又は名称】中外製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132230
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 一也
(74)【代理人】
【識別番号】100082739
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 勝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100198269
【弁理士】
【氏名又は名称】久本 秀治
(72)【発明者】
【氏名】中野 雄仁
(72)【発明者】
【氏名】友尻 吉弘
(72)【発明者】
【氏名】是洞 顕
【審査官】 新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−321075(JP,A)
【文献】 特開2009−208812(JP,A)
【文献】 特表2003−500305(JP,A)
【文献】 特開2001−315849(JP,A)
【文献】 特開2012−41072(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/04
A61J 1/00 − 19/06
B65D 75/36
B65D 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物を収容する収容部、及びこの収容部の開放口を封止する薄膜部を有するPTPシートと、このPTPシートを間に挟んで保持する一対の保持シートとからなるPTPシートの包装体であり、
前記一対の保持シートは、前記PTPシートを挟んで保持するPTPシート挟持部を形成しており、一方の保持シートには前記PTPシートの収容部が嵌入される収容部嵌入孔が形成されていると共に、他方の保持シートには、被包装物の取出しを可能にするために、前記PTPシートの収容部の開放口を封止する薄膜部を露出させる被包装物取出孔が設けられており、
前記一方の保持シートには、PTPシートの収容部の上部に配置された正面保護シート部と、PTPシートの薄膜部の上部に配置された開放口保護シート部と、前記一方の保持シート部と正面保護シート部との間及びこの正面保護シート部と前記開放口保護シート部との間に位置する一対の空間形成シート部とが折曲げ線を介して設けられると共に、これら一方の保持シート部、正面保護シート部、開放口保護シート部、及び一対の空間形成シート部が前記PTPシート挟持部又はPTPシートの収容部の保護空間を形成し、また、
前記開放口保護シート部には、連続する2つ又は3つのシート部分がリブ形成シート部として設けられていると共に、これらリブ形成シート部を介して前記開放口保護シート部に貼着されてこの開放口保護シート部を補強する補強シート部が設けられており、また、前記2つ又は3つのリブ形成シート部と前記開放口保護シート部とで断面三角形状又は断面四角形状の補強リブ部が形成されることを特徴とする包装体。
【請求項2】
前記PTPシート挟持部の上下両側縁部又は左右両側縁部には、このPTPシート挟持部の開封部を区画する一対の切離し線が形成されており、また、これら一対の切離し線は、前記PTPシート挟持部内に収容されたPTPシートの上下両側縁端又は左右両側縁端より内側に位置すると共に、一方の切離し線に対して他方の切離し線が斜めに配置されており、これら一対の切離し線が切り離された際には、前記PTPシート挟持部内からのPTPシートの抜出しを可能にすると共に、このPTPシート挟持部内にPTPシートを一時的に保持する台形状のシート抜出開口が形成されることを特徴とする請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
被包装物を収容する収容部、及びこの収容部の開放口を封止する薄膜部を有するPTPシートを間に挟んで保持可能な一対のPTPシート挟持部を具備する、1枚のシートからなる、PTPシートの包装体用部材であり、
前記PTPシート挟持部は、折り曲げ線を介して前記PTPシートを挟んで保持する一対の保持シート部となるように配置され、一方の保持シート部には前記PTPシートの収容部が嵌入される収容部嵌入孔が形成されていると共に、他方の保持シート部には、被包装物の取出しを可能にするために前記PTPシートの薄膜部で封止されたPTPシートの前記収容部の開放口側を露出させる被包装物の取出しを可能にする被包装物取出孔が設けられたPTPシートの包装体用部材であって、
前記包装体用部材に複数の折曲げ線が設けられ、当該折曲げ線を介して折り曲げられた前記PTPシート挟持部を含まない部分にPTPシートの収容部の保護空間を形成できるように前記折曲げ線が配置され、更に前記PTPシート挟持部を含む部分のうち少なくとも前記被包装物取出孔から露出した前記薄膜部で封止されたPTPシートの前記収容部の開放口を保護するための開放口保護シート部として配置されており、また、
前記PTPシートの収容部の保護空間が、前記一方の保持シート部と、PTPシートの収容部の上部に配置された正面保護シート部と、折曲げ線を介して一方の保持シート部と正面保護シート部との間及びこの正面保護シート部と前記開放口保護シート部との間に位置する一対の空間形成シート部とで形成されており、更に、
前記開放口保護シート部には、連続する2つ又は3つのシート部分がリブ形成シート部として設けられていると共に、これらリブ形成シート部を介して前記開放口保護シート部に貼着されてこの開放口保護シート部を補強する補強シート部が設けられており、また、前記2つ又は3つのリブ形成シート部と前記開放口保護シート部とで断面三角形状又は断面四角形状の補強リブ部が形成されていることを特徴とするPTPシートの包装体用部材。
【請求項4】
前記正面保護シート部には、前記保護空間内に位置するPTPシートの収容部を観察するための観察孔が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のPTPシートの包装体用部材。
【請求項5】
前記他方の保持シート部には、前記一方の保持シート部に折曲げ線を介して連接された空間形成シート部に貼着されてこの空間形成シート部を補強する空間補強シート部が設けられており、また、前記空間補強シート部の側縁端中央部に係合片が形成されていると共に、前記断面三角又は四角形状の補強リブ部に係止孔が形成されており、前記係合片を前記係止孔内に嵌入してロール型包装形態を維持するようにしたことを特徴とする請求項4に記載のPTPシートの包装体用部材。
【請求項6】
前記PTPシート挟持部を形成する他方の保持シート部には開封部を区画する一対の切離し線が形成されており、この一対の切離し線が切り離された際には、前記PTPシート挟持部内から前記PTPシートの抜出しを可能にするシート抜出開口が形成されることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のPTPシートの包装体用部材。
【請求項7】
前記一対の切離し線が、前記PTPシート挟持部内に収容されたPTPシートの上下両側縁端又は左右両側縁端より内側に位置すると共に、一方の切離し線に対して他方の切離し線が斜めに配置されて形成されており、この一対の切離し線が切り離された際に台形状のシート抜出開口が形成されることを特徴とする請求項6に記載のPTPシートの包装体用部材。
【請求項8】
被包装物を収容する収容部、及びこの収容部の開放口を封止する薄膜部を有するPTPシートと、このPTPシートを挟んで保持するPTPシート挟持部を具備する包装体であり、
前記PTPシート挟持部は、前記PTPシートを挟んで保持する一対の保持シートによって挟持されており、一方の保持シートには前記PTPシートの収容部が嵌入される収容部嵌入孔が形成されていると共に、他方の保持シートには、被包装物の取出しを可能にするために前記PTPシートの薄膜部を露出させる被包装物取出孔が設けられ、
前記包装体に1または複数の折曲げ線が設けられ、当該折曲げ線を介して折り曲げられた前記包装体の前記PTPシート挟持部を含まない部分(PTPシート非挟持部)が、PTPシートの上部に配置された正面保護シート部と、前記PTPシート挟持部を含む部分のうち少なくとも前記被包装物取出孔から露出した前記薄膜部を保護するための開放口保護シート部とを有して前記PTPシート挟持部又はPTPシートの収容部の保護空間を形成し、更に、
前記開放口保護シート部には、連続する2つ又は3つのシート部分がリブ形成シート部として設けられていると共に、これらリブ形成シート部を介して前記開放口保護シート部に貼着されてこの開放口保護シート部を補強する補強シート部が設けられており、また、前記2つ又は3つのリブ形成シート部と前記開放口保護シート部とで断面三角形状又は断面四角形状の補強リブ部が形成されていることを特徴とする包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、薬剤等の被包装物を収容する収容部とこの収容部の開放口を封止する薄膜部とを有するPTPシートを更に別の包装形態に包装し、PTPシートの収容部内の薬剤等の被包装物について、例えば薬剤の薬品名や薬効、メーカー名や品番、薬剤の取出し方法、服用時や服用後の注意事項等の様々な被包装物に関する情報を表示できるだけでなく、使用前にはPTPシートを物理的な衝撃から確実に保護することができると共に、シート状やロール型等の包装形態に構成することができるPTPシートの包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
PTP(Press Through Package)シートは、薬剤等の被包装物を収容するための少なくとも1つの凹状の収容部とこの収容部の開放口を封止する薄膜部とを有するものであり、前記収容部は、合成樹脂シートを成形することにより表面側に突出し裏面側に開放口を有する収容部を有する成形シートとして形成されており、また、前記薄膜部は、前記成形シートの裏面側にヒートシール等の手段で貼着されて前記収容部の開放口を封止する例えばアルミニウム箔等の金属薄膜で形成されており、そして、前記薄膜部で封止された収容部内から被包装物を取り出す際には、収容部をその表面側から押圧し、この収容部の開放口を封止する薄膜部を押し破り、収容部内から被包装物を押し出すようにして取り出す構造になっている。このようなPTPシートは、薬剤等の被包装物が個々に包装され、コンパクトで防湿性等に優れていることから保管や数量管理等に便利であり、しかも、成形シートの収容部以外の部分や収容部の開放口を封止する薄膜部等には薬剤名やメーカー名等を表示できるという利点を有することから、錠剤やカプセル等の薬剤、特に医薬の包装形態として汎用されている。
【0003】
しかしながら、特に医薬等の薬剤については、その種類、用途、使用目的等によって、薬品名や薬効、メーカー名や品番、薬剤の取出し方法、服用時や服用後の注意事項等の多種多様な情報(以下、単に「使用者向け情報」ということがある。)を表示する必要が生じることから、PTPシートには直接に表示し切れない場合があり、これを補うためのPTPシートの包装形態として、例えば以下に示すような包装形態が提案されている。
【0004】
特許文献1には、台紙に透窓を有する台紙と、商品を入れるための膨出したポケット部及びこのポケット部の開放口を封止するアルミニウム箔等の密封シール部材を有するプラスチックシートとからなり、このプラスチックシートのポケット部を前記透窓内に嵌め込んで、又は、嵌め込まないで前記透窓前面に配設し、前記ポケット部内の商品を取り出す際には、ポケット部を圧迫して商品を押圧し、密封シール部材を破って開放口及び透窓から取り出すと共に、前記台紙には使用者向け情報を表示できるようにした包装体が提案されている。
【0005】
しかしながら、この特許文献1の包装体においては、アルミニウム箔等の密封シール部材を有するプラスチック・金属製のプラスチックシートと紙製の台紙とが互いに固着されており、使用後の分別廃棄時にこれらプラスチック・金属製のプラスチックシートと紙製の台紙とを分別できないという問題(使用後の分別廃棄性の問題)があり、また、台紙がプラスチックシートに比べて大幅に大きくなり、箱詰め等の梱包をして搬送する際に効率が低下するという問題(梱包・搬送時の効率化の問題)があり、更に、台紙の透窓内に嵌め込まれたプラスチックシートのポケット部が台紙の表面より上方に突出しているので、梱包・搬送時等に誤ってこのポケット部を押圧し、ポケット部を変形させ、更にはポケット部の開放口を封止するアルミニウム箔等の密封シール部材を破損させる等の虞があるという問題(梱包・搬送時等の取扱性の問題)があった。
【0006】
また、特許文献2及び3には、薬剤等の内容物が収容されたPTPシートが、服用上の留意事項等を記載したカード型包装材によって封止されてなり、前記カード型包装材が一対の厚紙によって構成され、また、前記PTPシートが前記一対の厚紙の間に封止されており、カード型包装材には単に患者向けに限らず、使用上の注意、服用履歴、症状のメモ等の医師、薬剤師等も含めた多種多様な使用者向け情報を表示できるようにしたカード型包装体が開示されている。しかしながら、これら特許文献2及び3のカード型包装体においても、前述した使用後の分別廃棄性、梱包・搬送時の効率化、梱包・搬送時等の取扱性等において、依然として改善の余地がある。
【0007】
更に、特許文献4には、ブリスター包装体(いわゆるPTPシート)とこのブリスター包装体を覆うカバーケースとからなり、前記カバーケースの表面側にはブリスター包装体の収容部(凸部)に対応する位置に開口部を形成し、カバーケースの裏面側には1回に取り出される収容部全体と対応する部位毎に開封部を形成し、更に、このカバーケースには取出し操作や注意事項等の従来のブリスター包装体では十分に表示し切れなかった使用者向け情報を表示できるようにしたカバーケース付きブリスター包装体が提案されている。しかしながら、この特許文献4のカード型包装体においては、前述した使用後の分別廃棄性の問題については解消されているものの、梱包・搬送時の効率化や梱包・搬送時等の取扱性等においては、依然として問題が残されている。
【0008】
また、特許文献5には、成形体が収容されたPTPシートと、このPTPシートを間に挟んで位置し、PTPシートが位置する部分の外側で互いに貼着され、使用者向け情報を表示することができる第1及び第2のシートとからなるカード型包装体であって、前記第1及び第2のシートの一方が開放シートであって、この開放シートには、前記第1及び第2のシートの間を貼着する部分と前記PTPシートが位置する部分との間に機械的強度が周囲に比べて低い線状部分が形成され、この線状部分を切り離すことにより前記第1及び第2のシートの間からPTPシートを取り出す開口部が形成されるカード型包装体が提案されている。しかしながら、この特許文献5のカード型包装体においては、特許文献4の場合と同様に、使用後の分別廃棄性の問題については解消されているものの、梱包・搬送時の効率化や梱包・搬送時等の取扱性等については依然として問題が残されており、しかも、PTPシートが第1及び第2のシート間に固着されていないので、特にPTPシートが比較的小さなものであるような場合には、患者等の使用者が線状部分を切り離し、開口部を形成してPTPシートを取り出す際に、不用意にPTPシートが脱落し、更には誤って紛失させてしまうという問題(使用者の取出し操作性の問題)もあり、更なる改善の余地がある。
【0009】
更に、特許文献6には、連続した複数のカード状シートで構成されるブランク板を折り畳んで構成され、前記複数のカード状シートのうちの2枚の間にPTPを挟んで保持するカード型包装容器であり、前記カード状シートが、付加情報が印刷される第一シートと、PTPの突出部が貫通する第一窓部、上端から前記第一窓部の上部まで斜めに形成された第一切断線、及び前記第一窓部の下部から下端まで直線状に形成された第二切断線を有する第二シートと、PTPの突出部が貫通する第二窓部、及び上端から下端まで直線状に形成された第三切断線を有する第三シートと、付加情報が印刷されると共に前記第三シートとの境界に切離線を有する第四シートとで構成され、前記第二シートと第三シートとの間にPTPを挟持するようにしたカード型包装容器が提案されている。しかしながら、この特許文献6のカード型包装容器においては、包装形態における包装容器の大きさに対して付加情報を表示する面積を大幅に確保でき、使用後の分別廃棄性の問題や梱包・搬送時の効率化の問題については解消されているものの、梱包・搬送時等の取扱性において依然として問題が残されているほか、PTPが比較的小さなものであるような場合には、使用者の取出し操作性においても必ずしも十分ではない。
【0010】
更にまた、特許文献6には、ベースシートと、このベースシートの一辺に第1の折り曲げ部を介して連結する中シートと、前記ベースシートの前記一辺とは反対側の他辺に第2の折り曲げ部を介して連結するカバーシートとを備え、前記中シートをベースシートに折り重ねた際にこれらのシート間にPTPシートを挟持するPTPシート用包装体であり、前記PTPシートを挟持するベースシート側にはPTPシートに封入された薬剤を取り出すための窓孔が形成され、また、中シート側にはPTPシートに封入された薬剤を押圧するためのスリットが形成されており、前記カバーシートでスリットから露出するPTPシートのブリスター部を保護できるようにしたPTPシート用包装体が提案されている。しかしながら、この特許文献6のPTPシート用包装体においては、使用後の分別廃棄性の問題や梱包・搬送時等の取扱性の問題は解決されているものの、ベースシート、中シート、及びカバーシートで構成される包装体がPTPシート全体を保持する構造になっているために、依然として梱包・搬送時の効率化の問題が残り、また、PTPが比較的小さなものであるような場合には使用者の取出し操作性においても十分ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】実開昭52-168,780号公報
【特許文献2】特開平10-059,415号公報
【特許文献3】特開2006-248,545号公報
【特許文献4】特開2001-046,467号公報
【特許文献5】特開2009-208,812号公報
【特許文献6】実用新案登録第3,181,335号公報
【特許文献7】特開2015-070,938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで、本発明者らは、使用時には患者等の使用者に対して十分な使用者向け情報を提供できるだけでなく、上述したこれまでの包装形態のうちで特に、使用前にPTPシートを物理的衝撃から確実に保護するPTPシートの保護性、梱包・搬送時の効率化、及び梱包・搬送時等の取扱性においても問題がないPTPシートの包装形態について鋭意検討した結果、 複数の折曲げ線を有して複数のシート部分に折り曲げられる包装材料シートを用い、これら複数のシート部分のうちの一対の保持シート部によってPTPシートを挟んで保持するPTPシート挟持部を構成し、一方の保持シート部にはPTPシートの収容部が嵌入される収容部嵌入孔を形成すると共に、他方の保持シート部にはPTPシートの収容部の開放口を封止する薄膜部を露出させる被包装物取出孔を設け、また、複数のシート部分のうちの一対の保持シート部以外の1つのシート部分をPTPシートの収容部の保護空間を形成する正面保護シート部として配置し、また、他の1つのシート部分を被包装物取出孔から露出する薄膜部を保護する開放口保護シート部として配置することにより、特に、PTPシートの保護性、梱包・搬送時の効率化、及び梱包・搬送時等の取扱性を併せて達成できることを見出し、本発明のPTPシートの包装体を完成した。
【0013】
また、本発明者らは、使用時には患者等の使用者に対して十分な使用者向け情報を提供できるだけでなく、上述したこれまでの包装形態のうちで特に使用後の分別廃棄性、及び使用者の取出し操作性においても問題がないPTPシートの包装形態について鋭意検討した結果、PTPシートを間に挟んで互いに貼着され、PTPシートを保持するPTPシート挟持部を有する一対の保持シートにおいて、いずれか一方の保持シートに前記PTPシート挟持部の開封部を区画する一対の切離し線を形成し、この一対の切離し線については、前記PTPシート挟持部内に収容されたPTPシートの互いに相対する両側縁端より内側に位置すると共に、一方の切離し線を他方の切離し線に対して斜めに配置し、これら一対の切離し線を切り離した際に台形状のシート抜出開口(開封部)が形成される構成とすることにより、PTPシート挟持部内に保持されたPTPシートが、一対の切離し線を切り離してシート抜出開口を形成した際には直ちには脱落せず、しかも、このシート抜出開口から容易に抜き出すことができ、特に、使用後の分別廃棄性、及び使用者の取出し操作性を達成できることを見出し、本発明のPTPシートの包装体を完成した。
【0014】
従って、本発明の目的は、使用時には患者等の使用者に対して十分な使用者向け情報を提供できるだけでなく、使用前にはPTPシートを物理的衝撃から確実に保護することができると共に、使用後の分別廃棄性、使用者の取出し操作性、梱包・搬送時の効率化、及び梱包・搬送時等の取扱性においても優れたPTPシートのシート状包装体を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、使用時には患者等の使用者に対して十分な使用者向け情報を提供できるだけでなく、使用後の分別廃棄性、及び使用者の取出し操作性においても優れたPTPシートのロール型包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
すなわち、本発明の要旨は、以下の通りである。
(1) 被包装物を収容する収容部、及びこの収容部の開放口を封止する薄膜部を有するPTPシートと、このPTPシートを間に挟んで保持する一対の保持シートとからなるPTPシートの包装体であり、
前記一対の保持シートは、前記PTPシートを挟んで保持するPTPシート挟持部を形成しており、一方の保持シートには前記PTPシートの収容部が嵌入される収容部嵌入孔が形成されていると共に、他方の保持シートには、被包装物の取出しを可能にするために、前記PTPシートの収容部の開放口を封止する薄膜部を露出させる被包装物取出孔が設けられており、
前記一方の保持シートには、PTPシートの収容部の上部に配置された正面保護シート部と、PTPシートの薄膜部の上部に配置された開放口保護シート部と、前記一方の保持シート部と正面保護シート部との間及びこの正面保護シート部と前記開放口保護シート部との間に位置する一対の空間形成シート部とが折曲げ線を介して設けられると共に、これら一方の保持シート部、正面保護シート部、開放口保護シート部、及び一対の空間形成シート部が前記PTPシート挟持部又はPTPシートの収容部の保護空間を形成し、また、
前記開放口保護シート部には、連続する2つ又は3つのシート部分がリブ形成シート部として設けられていると共に、これらリブ形成シート部を介して前記開放口保護シート部に貼着されてこの開放口保護シート部を補強する補強シート部が設けられており、また、前記2つ又は3つのリブ形成シート部と前記開放口保護シート部とで断面三角形状又は断面四角形状の補強リブ部が形成されることを特徴とする包装体。
(2) 前記PTPシート挟持部の上下両側縁部又は左右両側縁部には、このPTPシート挟持部の開封部を区画する一対の切離し線が形成されており、また、これら一対の切離し線は、前記PTPシート挟持部内に収容されたPTPシートの上下両側縁端又は左右両側縁端より内側に位置すると共に、一方の切離し線に対して他方の切離し線が斜めに配置されており、これら一対の切離し線が切り離された際には、前記PTPシート挟持部内からのPTPシートの抜出しを可能にすると共に、このPTPシート挟持部内にPTPシートを一時的に保持する台形状のシート抜出開口が形成されることを特徴とする請求項1に記載の包装体。
【0016】
(3) 被包装物を収容する収容部、及びこの収容部の開放口を封止する薄膜部を有するPTPシートを間に挟んで保持可能な一対のPTPシート挟持部を具備する、1枚のシートからなる、PTPシートの包装体用部材であり、
前記PTPシート挟持部は、折り曲げ線を介して前記PTPシートを挟んで保持する一対の保持シート部となるように配置され、一方の保持シート部には前記PTPシートの収容部が嵌入される収容部嵌入孔が形成されていると共に、他方の保持シート部には、被包装物の取出しを可能にするために前記PTPシートの薄膜部で封止されたPTPシートの前記収容部の開放口側を露出させる被包装物の取出しを可能にする被包装物取出孔が設けられたPTPシートの包装体用部材であって、
前記包装体用部材に複数の折曲げ線が設けられ、当該折曲げ線を介して折り曲げられた前記PTPシート挟持部を含まない部分にPTPシートの収容部の保護空間を形成できるように前記折曲げ線が配置され、更に前記PTPシート挟持部を含む部分のうち少なくとも前記被包装物取出孔から露出した前記薄膜部で封止されたPTPシートの前記収容部の開放口を保護するための開放口保護シート部として配置されており、また、
前記PTPシートの収容部の保護空間が、前記一方の保持シート部と、PTPシートの収容部の上部に配置された正面保護シート部と、折曲げ線を介して一方の保持シート部と正面保護シート部との間及びこの正面保護シート部と前記開放口保護シート部との間に位置する一対の空間形成シート部とで形成されており、更に、
前記開放口保護シート部には、連続する2つ又は3つのシート部分がリブ形成シート部として設けられていると共に、これらリブ形成シート部を介して前記開放口保護シート部に貼着されてこの開放口保護シート部を補強する補強シート部が設けられており、また、前記2つ又は3つのリブ形成シート部と前記開放口保護シート部とで断面三角形状又は断面四角形状の補強リブ部が形成されていることを特徴とするPTPシートの包装体用部材。
【0017】
(4) 前記正面保護シート部には、前記保護空間内に位置するPTPシートの収容部を観察するための観察孔が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のPTPシートの包装体用部材。
(5) 前記他方の保持シート部には、前記一方の保持シート部に折曲げ線を介して連接された空間形成シート部に貼着されてこの空間形成シート部を補強する空間補強シート部が設けられており、また、前記空間補強シート部の側縁端中央部に係合片が形成されていると共に、前記断面三角又は四角形状の補強リブ部に係止孔が形成されており、前記係合片を前記係止孔内に嵌入してロール型包装形態を維持するようにしたことを特徴とする請求項4に記載のPTPシートの包装体用部材。
【0018】
(6) 前記PTPシート挟持部を形成する他方の保持シート部には開封部を区画する一対の切離し線が形成されており、この一対の切離し線が切り離された際には、前記PTPシート挟持部内から前記PTPシートの抜出しを可能にするシート抜出開口が形成されることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のPTPシートの包装体用部材。
(7) 前記一対の切離し線が、前記PTPシート挟持部内に収容されたPTPシートの上下両側縁端又は左右両側縁端より内側に位置すると共に、一方の切離し線に対して他方の切離し線が斜めに配置されて形成されており、この一対の切離し線が切り離された際に台形状のシート抜出開口が形成されることを特徴とする請求項6に記載のPTPシートの包装体用部材。
【0019】
(8) 被包装物を収容する収容部、及びこの収容部の開放口を封止する薄膜部を有するPTPシートと、このPTPシートを挟んで保持するPTPシート挟持部を具備する包装体であり、
前記PTPシート挟持部は、前記PTPシートを挟んで保持する一対の保持シートによって挟持されており、一方の保持シートには前記PTPシートの収容部が嵌入される収容部嵌入孔が形成されていると共に、他方の保持シートには、被包装物の取出しを可能にするために前記PTPシートの薄膜部を露出させる被包装物取出孔が設けられ、
前記包装体に1または複数の折曲げ線が設けられ、当該折曲げ線を介して折り曲げられた前記包装体の前記PTPシート挟持部を含まない部分(PTPシート非挟持部)が、PTPシートの上部に配置された正面保護シート部と、前記PTPシート挟持部を含む部分のうち少なくとも前記被包装物取出孔から露出した前記薄膜部を保護するための開放口保護シート部とを有して前記PTPシート挟持部又はPTPシートの収容部の保護空間を形成し、更に、
前記開放口保護シート部には、連続する2つ又は3つのシート部分がリブ形成シート部として設けられていると共に、これらリブ形成シート部を介して前記開放口保護シート部に貼着されてこの開放口保護シート部を補強する補強シート部が設けられており、また、前記2つ又は3つのリブ形成シート部と前記開放口保護シート部とで断面三角形状又は断面四角形状の補強リブ部が形成されていることを特徴とする包装体。
【発明の効果】
【0020】
本発明のPTPシートの包装体によれば、単に使用時に患者等の使用者に対して十分な使用者向け情報を提供できるだけでなく、使用前にはPTPシートを物理的衝撃から確実に保護するPTPシートの保護性に優れており、また、使用後の分別廃棄性、使用者の取出し操作性、梱包・搬送時の効率化、及び梱包・搬送時等の取扱性においても優れたPTPシートの包装形態を提供することができる。
【0021】
また、本発明のPTPシートの包装体によれば、単に使用時に患者等の使用者に対して十分な使用者向け情報を提供できるだけでなく、使用後の分別廃棄性、及び使用者の取出し操作性においても優れたPTPシートの包装形態を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の実施例1に係るシート状包装体の表面を示す正面図である。
図2図2は、図1に示すシート状包装体の裏面を示す裏面図である。
図3図3は、図1に示すシート状包装体において、その裏面側にシート抜出開口を形成した状態を示す裏面図である。
図4図4は、図1に示すシート状包装体において、その裏面側に形成したシート抜出開口からPTPシートを抜き出す際の様子を示す斜視図である。
図5図5は、本発明の実施例2に係るロール型包装体の表面を示す正面図である。
図6図6は、図5に示すロール型包装体のA−A線断面 を示す断面図である。
図7図7は、図5に示すロール型包装体の展開状態表面側を示す斜視図である。
図8図8は、図5に示すロール型包装体の展開状態裏面側を示す斜視図である。
図9図9は、図5に示すロール型包装体を形成するためのシートの表面側を示す正面図である。
図10図10は、図5に示すロール型包装体を形成するためのシートの裏面側を示す裏面図である。
図11図11は、図5に示すロール型包装体の分解組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面に示す本発明の実施形態(実施例1)に係るPTPシートの包装体(シート状包装体)、及び本発明の実施形態(実施例2)に係るPTPシートの包装体(ロール型包装体)に基づいて、本発明のPTPシートの包装体を説明する。
【0024】
〔実施例1:シート状包装体〕
図1図4において、本発明の実施例1に係るシート状包装体PSの実施形態が示されている。このシート状包装体PSは、薬剤等(例えば、錠剤やカプセル剤等)の被包装物(図示せず)を収容する収容部1a、及びこの収容部1aの開放口1cを封止する薄膜部1bを有するPTPシート1と、このPTPシート1を間に挟んで保持する矩形状の一対の保持シート2(2a,2b)からなる包装材料シートとで構成されている。ここで、前記PTPシート1は、その収容部1aがPVC、PVDC、PP等のプラスチック材料で形成され、また、この収容部1aの開放口1cを封止する薄膜部1bがアルミニウム箔等の金属箔材料で形成され、更に、前記包装材料シートは、厚紙、樹脂等の材料が使用でき、好ましくは厚紙等の紙材料で形成される。
【0025】
この実施例1において、前記一対の保持シート2(2a,2b)は、図示外の折曲げ線を介して2つのシート部分が一対の保持シート2として互いに連接する1枚の包装材料シートで構成され、折曲げ線に沿って二つ折りにしてPTPシート1を挟み込む構造になっており、また、これら一対の保持シート2a,2bは前記PTPシート1を挟んで保持するPTPシート挟持部3Cの外側の左右両側縁部3L,3Rにおいて互いに図示外の糊付部で貼着されており、そして、一方(表面側)の保持シート2aには前記PTPシート1の収容部1aが嵌入される収容部嵌入孔4が形成されており、また、他方の(裏面側)の保持シート2bには、前記PTPシート挟持部3cの左右両側縁部に前記PTPシート挟持部3Cの開封部3dを区画する一対の切離し線5a,5bが形成されており、これら一対の切離し線5a,5bを切り離して開封部3dを開いた際には、シート抜出開口6が形成され、このシート抜出開口6を介してPTPシート1を取り出すことができるようになっている。
【0026】
また、前記一対の切離し線5a,5bは、前記PTPシート挟持部3C内に収容されたPTPシート1の左右両側縁端より内側に位置すると共に、一方の切離し線5aに対して他方の切離し線5bが斜めに配置され、これら一方の切離し線5aにより区画される開封部3dは裏面側保持シート2bの上下両側縁と相俟って略々台形状をなし、これによって、一対の切離し線5a,5bを切り離した際に形成されるシート抜出開口6が略々台形状となり、使用者により一対の切離し線5a,5bが切り離されてシート抜出開口6が形成された際には、PTPシート1は、その上下両側縁端が形成されたシート抜出開口6内に位置してフリーの状態になると共に、その左右両側縁端が一時的にシート抜出開口6の左右両開口縁部に係止して保持され、直ちにはシート抜出開口6から抜け落ちることがなく、また、PTPシート1をシート抜出開口6から抜き出して分別処理する際には、このPTPシート1を少し前後左右にずらすことにより、あるいは、少しだけ弾性変形させることにより、このPTPシート1全体をPTPシート挟持部3C内から容易に抜き出すことができるように形成されている。
【0027】
そして、この実施例1のシート状包装体PSにおいては、一対の切離し線5a,5bを有する裏面側保持シート2bが、収容部嵌入孔4を有する表面側保持シート2aに比べて、その前後方向幅寸法において若干大きく形成されており、一対の切離し線5a,5bで区切られて表面側保持シート2aより突出する裏面側保持シート2bの端縁部がこれら一対の切離し線5a,5bを切り離す際の開封部3dの把持部8となっており、また、一対の切離し線5a,5bで区画された開封部3dには被包装物を取り出すための被包装物取出孔9が設けられている。従って、このシート状包装体PSの使用に際しては、患者等の使用者は、先ず、PTPシート1の収容部1aをその上方から押圧し、収容部1a内の薬剤等(例えば、錠剤やカプセル剤等)の被包装物を押して収容部1aの開放口1cを封止する薄膜部1bを破り、PTPシート挟持部3Cの開封部3dに形成された被包装物取出孔9を介して被包装物を取り出して使用し、また、被包装物を取り出して使用した後には、開封部3dの把持部8を摘んで一対の切離し線5a,5bを切り離し、裏面側保持シート2bにシート抜出開口6を形成し、このシート抜出開口6からPTPシート1を抜き出して包装材料シートと分別廃棄処理を行う。
【0028】
なお、この実施例1のシート状包装体PSにおいては、一対の保持シート2(2a,2b)が図示外の折曲げ線を介して互いに連接する1枚の包装材料シートで構成されているが、必要によりそれぞれ別個のシートで形成されていてもよく、また、一対の保持シート2a,2bのPTPシート挟持部3Cの外側であって左右両側縁部3L,3Rが互いに貼着され、裏面側保持シート2bにおいてPTPシート挟持部3Cの左右両側縁部に一対の切離し線5a,5bが形成されているが、PTPシートの形状等に対応して、一対の保持シートのPTPシート挟持部の外側であって上下両側縁部を互いに貼着し、裏面側保持シートにおいてPTPシート挟持部の上下両側縁部に一対の切離し線を形成する構成にしてもよい。
【0029】
また、必要により、収容部嵌入孔を有する一方の保持シート(表面側保持シート)とは異なる他方の保持シート(裏面側保持シート)には、PTPシートの収容部の開放口に対応する位置に、収容部内から薄膜部を破って解放された被包装物を取り出すための被包装物取出孔を設け、これによって、一対の切離し線を切り離してシート抜出開口を形成することなく、収容部をその表面側から押圧し、この収容部の開放口を封止する薄膜部を押し破り、収容部内から押し出された被包装物を被包装物取出孔から取り出すようにしてもよい。
【0030】
この実施例1のシート状包装体PSにおいては、PTPシート1を間に挟んで保持する一対の保持シート2a,2bの表面及び裏面に例えば薬剤名等の使用者に対する必要な使用者向け情報7を表示することができるほか、使用後の分別廃棄時には、シート抜出開口6からPTPシート1を抜き出し、例えば厚紙製の一対の保持シート2a,2bとプラスチック・金属製のPTPシート1とを分別し、仕分けして廃棄処分をすることができるので、使用後の分別廃棄性に優れており、更に、患者等の使用者が使用する際には、たとえPTPシートが比較的小さなものであっても、また、患者等の使用者が高齢者等であったとしても、一対の切離し線5a,5bを切り離してシート抜出開口6を形成した際に、直ちにはPTPシート1がシート抜出開口6から抜け出して不用意に脱落したり、紛失したりすることがなく、使用者の取出し操作性においても優れている。
【0031】
〔実施例2:ロール型包装体〕
図5図8において、本発明の実施例2に係るロール型包装体PRの実施形態が示されている。このロール型包装体PRは、前記実施例1のシート状包装体PSと同様の構成からなる本体部10と、この本体部10を形成する一対の保持シート部2(2a,2b)に保持されたPTPシート1の収容部1aの外側に位置する正面保護シート部11と、前記本体部10を形成する一対の保持シート部2a,2bに保持されたPTPシート1の薄膜部1bの外側に位置する開放口保護シート部12と、前記一方の表面側保持シート部2aと正面保護シート部11との間、及び前記正面保護シート部11と開放口保護シート部12との間にそれぞれ折曲げ線14a,14b,14c,14dを介して位置し、正面保護シート部11と開放口保護シート部12との間に前記本体部10を収容し、この本体部10の一対の保持シート部2a,2bに保持されたPTPシート1を保護する保護空間15を形成する一対の空間形成シート部13a,13bとを備えている。ここで、前記正面保護シート部11は折曲げ線14a、一方の空間形成シート部13a、及び折曲げ線14bを介して本体部10を形成する一対の保持シート部2のうちの一方の表面側保持シート部2aに連接され、また、前記開放口保護シート部12は折曲げ線14c、他方の空間形成シート部13b、及び折曲げ線14dを介して前記正面保護シート部11に連接されている。
【0032】
なお、この実施例2においても、実施例1の場合と同様に、裏面側保持シート部2bには、そのシート抜出開口6が形成される部分であってPTPシート1の開放口1cに対応する位置に、被包装物取出孔9が形成されており、これによって、PTPシート1の収容部1aを押圧し、この収容部1aの開放口1cを封止する薄膜部1bを押し破り、被包装物取出孔9から収容部1a内の図示外の被包装物を取り出すことができるようになっており、また、PTPシート1を分別して廃棄する際に一対の切離し線5a,5bを切り離してシート抜出開口6を形成することができるようになっている。
【0033】
そして、この実施例2のロール型包装体PRにおいては、特に図5及び図6に示されているように、前記本体部10に保持されたPTPシート1の収容部1aの外側に位置し、このロール型包装体PRの正面となる正面保護シート部11には、PTPシート1の収容部1aを外部から観察するための観察孔16が形成されており、梱包・搬送時や患者等の使用者が使用するまでの間、ロール型包装形態を解くことなく、外部からPTPシート1の収容部1aを観察できるようになっている。なお、この実施例2に係るロール型包装体PRにおいては、前記正面保護シート部11上に、使用者向け情報7として服用日情報7aが表示されている。
【0034】
また、この実施例2のロール型包装体PRにおいては、特に図6図8に示されているように、前記開放口保護シート部12に2つのリブ形成シート部17a,17bと補強シート18とがそれぞれ折曲げ線19a,19b,19cを介して設けられており、これら折曲げ線19a,19b,19cで折り曲げて前記補強シート部18を開放口保護シート部12に貼り付ける際に、前記2のリブ形成シート部17a,17bと開放口保護シート部12とで断面三角形状の補強リブ部20が形成され、この補強リブ部20によって前記保護空間15を形成する一方の空間形成シート部13aが補強され、結果としてPTPシート1を保護する保護空間15の形状を補強する構造になっている。
なお、前記開放口保護シート部12と補強シート18との間に折曲げ線を介して設けられるリブ形成シート部については、2つに限らず、3つあるいは必要によりそれ以上の条数で設けてもよく、例えば3つのリブ形成シート部を設けた場合には、断面四角形状の補強リブ部が形成されることになり、定数が増加するにつれて形成される補強リブ部の断面形状は五角形状、六角形状へと順次多角形状になる。
【0035】
更に、この実施例2のロール型包装体PRにおいては、特に図6図8に示されているように、前記本体部10を形成する一対の保持シート部2のうちの他方の裏面側保持シート部2bには空間補強シート部21が折曲げ線22aを介して連接され、また、この空間補強シート部21にはその側縁端中央部に係合片23が折曲げ線22bを介して形成されており、前記空間補強シート部21が前記一方の表面側保持シート部2aと正面保護シート部11との間に位置する空間形成シート部13aに重ねて糊付部28で貼着され、これによってこの空間形成シート部13aを補強し、結果としてPTPシート1を保護する保護空間15の形状を補強する構造になっており、更に、前記断面三角形状の補強リブ部20には前記係合片23に対応する位置に係止孔24が形成されており、この係止孔24内に係合片23を嵌入することにより簡易的にロール型包装形態を維持できるようになっている。なお、図中符号25は、ロール型包装形態を解除して展開状態にする際に利用される台形状の把持片であり、また、符号26は、この把持片25を形成するために、正面保護シート部11に設けられた切欠き孔であり、更に、符号27は一対の保持シート部2a,2bの間の折曲げ線であり、そして、図5中の符号28は糊付部である。
【0036】
加えて、この実施例2のロール型包装体PRは、前記本体部10を形成する一対の保持シート部2(2a,2b)、前記正面保護シート部11、前記開放口保護シート部12、前記一対の空間形成シート部13a,13b、前記2つのリブ形成シート部17a,17b、前記補強シート部18、前記空間補強シート部21、及び前記係合片23からなる全ての構成部分が、それぞれ折曲げ線14a,14b,14c, 14d,19a,19b,19c,22a,22b,27を介して連接した1枚の包装材料シートからなり、この1枚の包装材料シートをこれらの折曲げ線14a,14b,14c,14d, 19a,19b,19c,22a,22b,27を介して上下方向に折り曲げ、一対の保持シート部2a,2bの間にPTPシート1を挟んでこれらの間の所定の位置を糊付部28で貼着し、また、前記開放口保護シート部12と前記補強シート部18との間を糊付部28で貼着し、更に、前記一方の空間形成シート部13aと前記空間補強シート部21との間を糊付部28で貼着することにより形成されており、PTPシート1の包装を機械化する上で好適な構造になっている。
【0037】
ここで、図9図11に基づいて、以下に上記実施例2のロール型包装体PRの製造方法を説明する。
図9及び図10に、ロール型包装体PRを製造する際に用いる1枚の厚紙製の包装材料シートが示されており、この包装材料シートは、原材料の厚紙から打ち抜かれて形成されたものであり、図示外のPTPシートを挟んで保持する本体部10を形成する一対の保持シート部2a,2bと、前記正面保護シート部11、前記開放口保護シート部12、前記一対の空間形成シート部13a,13b、前記2つのリブ形成シート部17a,17b、前記補強シート部18、前記空間補強シート部21、及び前記係合片23からなる全ての構成部分を含むものであり、一対の保持シート部2a,2bのうちの一方の表面側保持シート部2aには一方の空間形成シート部13aを介して正面保護シート部11が連接され、また、この正面保護シート部11には他方の空間形成シート部13bを介して開放口保護シート部12が連接され、更に、この開放口保護シート部12には2のリブ形成シート部17a,17bを介して補強シート部18が連接されている。また、一対の保持シート部2a,2bのうちの他方の裏面側保持シート部2bには空間補強シート部21が連接されていると共にその側縁端中央部に係合片23が連接されている。
【0038】
また、上記の包装材料シートは、上記の各構成部分の全てがそれぞれ折曲げ線14a,14b,14c,14d,19a,19b,19c,22a,22b,27を介して連接されており、また、前記表面側保持シート部2aには収容部嵌入孔4が、開放口保護シート部12にはシート抜出開口6を形成するための切離し線5a,5bが、正面保護シート部11には観察孔16が、前記断面三角形状の補強リブ部20を形成するための2のリブ形成シート部17a,17bの間にはその間の折曲げ線19bを分断するように係止孔24が、それぞれ形成されている。また、前記表面側保持シート部2aと正面保護シート部11との間の一方の空間形成シート部13aの略中央部には、切欠き孔26を形成することにより、正面保護シート部11側に接続して表面側保持シート部2aが切り離された把持片25が形成されている。なお、図11に示された符号29は、1枚の包装材料シートを折り曲げてロール型包装体PRを製造する際に、このロール型包装体PRをその展開状態に開く際に把持片25が引っ掛かって折れ曲がるのを防ぐために、空間補強シート部21に形成された貫通孔である。
【0039】
そして、ロール型包装体PRの製造に際しては、図11の分解組立図に示すように、先ず、PTPシートの収容部を表面側保持シート部2aの収容部嵌入孔4内に嵌入させ、表面側保持シート部2aと裏面側保持シート部2bとの間の折曲げ線27に沿って折り曲げてこれら表面側保持シート2aと裏面側保持シート部2bとの間にPTPシートを挟み込み、図示外のPTPシート挟持部3Cが形成されるように左側縁部3L及び右側縁部3Rにおいてこれら表面側保持シート部2aと裏面側保持シート部2bとの間を糊付部28により貼着し、PTPシートを保持した本体部10を形成し、また、この際に、裏面側保持シート部2bに連接した空間補強シート部21を一方の空間形成シート部13aに糊付部28により貼着する。(工程1)
【0040】
次に、開放口保護シート部12に連接された2のリブ形成シート部17a,17b及び補強シート部18を、折曲げ線19a,19b,19cを介して、前記表面側保持シート部2aの側に折り曲げ、次いでこの補強シート部18を開放口保護シート部12に糊付部28により貼着し、断面三角形状の補強リブ部20を形成し、図7に示す展開状態表面側の状態にする。(工程2)
【0041】
この図7に示す展開状態表面側の状態から、更に、本体部10の表面側保持シート部2aと一方の空間形成シート部13aとを、折曲げ線14a,14b及び折曲げ線22a,22bを介して、正面保護シート部11の裏面側に折り曲げると共に、他方の空間形成シート部13bと前記開放口保護シート部12を、折曲げ線14c,14dを介して、正面保護シート部11の裏面側に折り曲げられた本体部10の裏面側保持シート部2bの上に折り曲げて重ね合わせ、これら正面保護シート部11、開放口保護シート部12、及び一対の空間形成シート部13a,13bにより保護空間15を形成し、この保護空間15を備えたロール型包装形態にする。そして、このロール型包装形態を形成する際に、係止片23を断面三角形状の補強リブ部20に形成された係止孔24内に嵌入させ、形成されたロール型包装形態が維持されるようにし、ロール型包装体PRを完成させる。(工程3)
【0042】
従って、この実施例2のロール型包装体PRによれば、その展開状態において、その表面側には表面側保持シート部2aの表面、正面保護シート部11の裏面、及び開放口保護シート部12に糊付部28で貼着された補強シート部18の表面がそれぞれ露出し、また、その裏面側には裏面側保持シート部2bの表面、正面保護シート部11の表面、及び開放口保護シート部12の表面がそれぞれ露出し、様々な使用者向け情報を表示するための十分な領域を確保することができるだけでなく、実施例1のシート状包装体PSが有する利点をそのまま備えており、更に、PTPシート1が保護空間15内に位置して保護されることから、梱包・搬送時の効率化を図ることができ、また、梱包・搬送時の取扱性にも優れている。
【符号の説明】
【0043】
PS…シート状包装体、1…PTPシート、1a…収容部、1b…薄膜部、1c…開放口、2…一対の保持シート(一対の保持シート部)、2a…表面側保持シート(表面側保持シート部)、2b…裏面側保持シート(裏面側保持シート部)、3C…PTPシート挟持部、3L…左側縁部、3R…右側縁部、3d…開封部、4…収容部嵌入孔、5a,5b…切離し線、6…シート抜出開口、7 …使用者向け情報、8…把持部。
【0044】
PR…ロール型包装体、7a …服用日情報(使用者向け情報)、9…被包装物取出孔、10…本体部、11…正面保護シート部、12…開放口保護シート部、13a,13b…空間形成シート部、14a,14b,14c,14d…折曲げ線、15 …保護空間、16…観察孔、17a,17b…リブ形成シート部、18…補強シート部、19a,19b,19c…折曲げ線、20…補強リブ部、21…空間補強シート部、22a,22b…折曲げ線、23…係合片、24…係止孔、25…把持片、26…切欠き孔、27…折曲げ線、28…糊付部、29…貫通孔。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11