(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
本明細書において、〜を用いて数値範囲を示した場合、特に限定されて言及されない限り、これらは両方の端点を含み、単位は共通する。例えば、5〜25モル%は、5モル%以上25モル%以下を意味する。
【0011】
本明細書において、「C
x〜y」、「C
x〜C
y」および「C
x」などの記載は、分子または置換基中の炭素の数を意味する。例えば、C
1〜6アルキルは、1以上6以下の炭素を有するアルキル(メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等)を意味する。また、本明細書でいうフルオロアルキルとは、アルキル中の1つ以上の水素がフッ素に置き換えられたものをいい、フルオロアリールとは、アリール中の1つ以上の水素がフッ素に置き換えられたものをいう。
【0012】
本明細書において、特に限定されて言及されない限り、アルキルとは直鎖状または分岐鎖状アルキルを意味し、シクロアルキルとは環状構造を含むアルキルを意味する。環状構造に直鎖状または分岐鎖状アルキルが置換したものもシクロアルキルと称する。また、炭化水素基とは、1価または2価以上の、炭素および水素を含み、必要に応じて、酸素または窒素を含む基を意味する。そして、脂肪族炭化水素基とは、直鎖状、分岐鎖状または環状の脂肪族炭化水素基を意味し、芳香族炭化水素基とは、芳香環を含み、必要に応じて脂肪族炭化水素基を置換基として有する。これらの脂肪族炭化水素基、および芳香族炭化水素基は必要に応じて、フッ素、オキシ、ヒドロキシ、アミノ、カルボニル、またはシリル等を含む。
【0013】
本明細書において、ポリマーが複数種類の繰り返し単位を有する場合、これらの繰り返し単位は共重合する。特に限定されて言及されない限り、これら共重合は、交互共重合、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合、またはこれらの混在のいずれであってもよい。
【0014】
本明細書において、特に限定されて言及されない限り、温度の単位は摂氏(Celsius)を使用する。例えば、20度とは摂氏20度を意味する。
【0015】
<感光性シロキサン組成物>
本発明による感光性シロキサン組成物は、
(I)ポリシロキサン
(II)光塩基発生剤、および
(III)溶剤
を含んでなる。これらの各成分について説明すると以下の通りである。
【0016】
[(I)ポリシロキサン]
ポリシロキサンとは、Si−O−Si結合(シロキサン結合)を主鎖とするポリマーのことを言う。また本明細書において、ポリシロキサンには、式(RSiO
1.5)
nで表わされるシルセスキオキサンポリマーも含まれるものとする。
【0017】
本発明によるポリシロキサンは、特定の式で表される繰り返し単位を2種類含む。ひとつめの繰り返し単位は、以下の式(Ia)で示される。
【化4】
(式中、
R
1は、水素、1〜3価の、C
1〜30の直鎖状、分岐状あるいは環状の、飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、または1〜3価のC
6〜30の芳香族炭化水素基を表し、 前記脂肪族炭化水素基および前記芳香族炭化水素基において、1つ以上のメチレンがオキシ、イミドまたはカルボニル置換されているか非置換であり、1つ以上の水素がフッ素、ヒドロキシ、またはアルコキシ置換されているか非置換であり、あるいは1つ以上の炭素がケイ素に置換されているか非置換であり、
R
1が2価または3価である場合、R
1は複数の繰り返し単位に含まれるSi同士を連結する。)
【0018】
R
1が1価基である場合、R
1としては、水素、C
1〜6の直鎖状、分岐状あるいは環状のアルキル、またはC
6〜10のアリールであることが好ましい。例えば、(i)水素、(ii)メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、およびデシルなどのアルキル、(iii)シクロヘキシルなどのシクロアルキル、(iv)フェニル、トリル、およびベンジルなどのアリールが挙げられる。また、その他、(v)トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピルなどのフルオロアルキル、(vi)フルオロアリール、(vii)グリシジル、イソシアネート、およびアミノ等のアミノまたはイミド構造を有する窒素含有基が挙げられる。これらのうち、(ii)アルキルおよび(iv)アリールが好ましく、メチルおよびフェニルが特に好ましい。
【0019】
また、R
1が2価基または3価基である場合、R
1は、例えば、アルキレン、アリーレン、シクロアルキレン環、ピペリジン環、ピロリジン環、イソシアヌレート環、などを含むものが好ましい。
【0020】
ふたつめの繰り返し単位は、以下の式(Ib)で示される。
【化5】
【0021】
このようなポリシロキサンのうち、好ましいのは、以下の式(i−1)、(i−2)および(i−3):
【化6】
からなる群から選択される繰り返し単位の組み合わせからなり、前記繰り返し単位(i−1)、(i−2)、および(i−3)の配合モル比p1、p2、およびp3が
0.4≦p1≦0.8、
0≦p2≦0.4、
0.2≦p3≦0.6、
であるものである。このようなポリシロキサンを用いた場合、膜厚の厚い硬化膜を得られ、その硬化膜の耐熱性やクラック限界膜厚が著しく優れている。さらに、p2が小さいほど耐熱性が改良される傾向にあり、耐熱性の観点からはp2=0であることが好ましい。
【0022】
本発明に用いられるポリシロキサンは、分子を構成する繰り返し単位の種類だけでは無く、分子中に含まれるシラノールの量にも特徴がある。ポリシロキサンは、分子の末端や側鎖にシラノール構造(SiOH)を有する。ポリシロキサン中のシラノールの含有量はポリシロキサンの合成条件、例えばモノマーの配合比や反応触媒の種類などによって変化する。このシラノールの含有率は、定量的な赤外吸収スペクトル測定によって評価することができる。シラノール(SiOH)に帰属される吸収帯は、赤外吸収スペクトルの900±100cm
−1の範囲にピークを有する吸収帯として現れる。シラノールの含有率が高い場合にこの吸収帯の強度が高くなる。
【0023】
本発明においては、シラノールの含有率を定量的に評価するために、Si−Oに帰属される吸収帯の強度を基準とする。Si−Oに帰属されるピークとして1100±100cm
−1の範囲にピークを有する吸収帯を採用する。そして、Si−Oに帰属される吸収帯の面積強度S1に対する、SiOHに帰属される吸収帯の面積強度S2の比S2/S1により、シラノールの含有量を相対的に評価することができる。パターン形成を可能とするには、この比S2/S1が大きいことが好ましく、またパターンを安定に形成するためには小さいことが好ましい。このような観点から、本発明において比S2/S1は0.05〜0.15であり、0.06〜0.13であることが好ましい。
【0024】
なお、吸収帯の面積強度は、赤外吸収スペクトルのノイズなどを考慮して決定する。
図1は、本発明に用いることができるポリシロキサンの典型的な赤外吸収スペクトルである。このスペクトルには、900±100cm
−1の範囲にピークを有する、Si−OHに帰属される吸収帯と、1100±100cm
−1の範囲にピークを有する、Si−Oに帰属される吸収帯とが確認できる。これらの吸収帯の面積強度は、図に示されるようにノイズ等を考慮したベースラインを考慮した面積として測定できる。なお、Si−OHに帰属される吸収帯の裾と、Si−Oに帰属される吸収帯の裾とが重複する場合もありえるが、その場合には、スペクトルにおける二つの吸収帯の間の極小点に対応する波数を境界とする。その他の吸収帯の裾が、Si−OHまたはSi−Oに帰属される吸収帯の裾と重複する場合も同様である。
【0025】
このようなポリシロキサンは、下記式(ia)で表わされるシラン化合物および下記式(ib)で表されるシラン化合物を、必要に応じて酸性触媒または塩基性触媒の存在下で、加水分解及び縮合して得ることができる。
R
1’[Si(OR
2)
3 ]
p (ia)
Si(OR
2 )
4 (ib)
(式中、
pは1〜3であり、
R
1’は、水素、1〜3価の、C
1〜30の直鎖状、分岐状あるいは環状の、飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、または1〜3価のC
6〜30の芳香族炭化水素基を表し、 前記脂肪族炭化水素基および前記芳香族炭化水素基において、1つ以上のメチレンがオキシ、イミドまたはカルボニル置換されているか非置換であり、1つ以上の水素がフッ素、ヒドロキシ、またはアルコキシ置換されているか非置換であり、あるいは1つ以上の炭素がケイ素に置換されているか非置換であり、
R
2 はC
1〜10のアルキルを表す)
【0026】
ここで、シラン化合物(ia)および(ib)は、それぞれ2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0027】
ポリシロキサンの製造に際して、シラン化合物のモル数の合計に対して、シラン化合物(ib)の配合比を変えることで、ポリシロキサンにおける繰り返し単位の配合比や、前記した比S2/S1を調整することが可能である。本発明におけるポリシロキサンは、耐熱性の観点からポリシロキサンに含まれる繰り返し単位の総計に対する繰り返し単位(Ib)の配合比が20モル%以上であることが好ましく、30モル%以上であることがより好ましい。また、シラン化合物の析出や、形成される硬化膜の感度低下を抑制するためには、繰り返し単位(Ib)の配合比が70モル%以下であることが好ましく、60モル%以下であることがより好ましい。
【0028】
ポリシロキサンの質量平均分子量は、通常1,000〜12,000であり、有機溶剤への溶解性、アルカリ現像液への溶解性の点から1,000〜10,000であることが好ましい。ここでポリスチレン換算質量平均分子量は、ポリスチレンを基準としてゲル浸透クロマトグラフィーにより測定することができる。
【0029】
[(II)光塩基発生剤]
本発明による組成物は、感光性成分の作用によって、露光部がアルカリ現像液に難溶となって現像可能となる、ネガ型感光性組成物である。
【0030】
本発明によるネガ型感光性組成物は、感光性成分として光塩基発生剤を含んでいる。この光塩基発生剤は、以下の式(PBG−A)または(PBG−B)で表されるものである。
【化7】
【0031】
式中、
R
A1〜R
A6は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、スルフィド、シリル、シラノール、ニトロ、ニトロソ、スルフィノ、スルホ、スルホナト、ホスフィノ、ホスフィニル、ホスホノ、ホスホナト、アミノ、アンモウム、置換または非置換のC
1〜20の脂肪族炭化水素基、置換または非置換のC
6〜22の芳香族炭化水素基、置換または非置換のC
1〜20のアルコキシ、または置換または非置換のC
6〜20のアリールオキシであり、
R
A7およびR
A8は、それぞれ独立にC
1〜6のヒドロキシアルキルであるか、R
A7およびR
A8がC
2〜9のアルキレンによって結合されて環状構造を形成し、前記環状構造にC
1〜6のヒドロキシアルキルが結合しており、
R
B1〜R
B8は、それぞれ独立に、水素、置換または非置換のC
1〜20の脂肪族炭化水素基、置換または非置換のC
6〜22の芳香族炭化水素基、置換または非置換のC
1〜20のアルコキシ、または置換または非置換のC
6〜20のアリールオキシであり、 X
−は、置換または非置換のC
1〜20の脂肪族炭化水素基、置換または非置換のC
6〜22の芳香族炭化水素基を有する、ボレートイオンまたはカルボキシラートイオンである。
【0032】
これらのうち、R
A1〜R
A4は、水素、ヒドロキシ、C
1〜6の脂肪族炭化水素基、C
1〜6のアルコキシ、C
1〜6アルキルアミノまたはジ(C
1〜6アルキル)アミノが好ましく、R
A5およびR
A6は、水素が好ましい。
【0033】
R
A1〜R
A4 のうち2つ以上が結合して環状構造を形成してるか、またはしていない。このとき、その環状構造はヘテロ原子を含むことができる。
【0034】
R
A7およびR
A8は、ヒドロキシを有する。このヒドロキシは、ひとつの場合には、R
A7およびR
A8がそれぞれ有する。また他の場合には、R
A7およびR
A8がアルキレンによって結合されて環状構造を有し、その環状構造にアルキレンを介して結合する形でヒドロキシが存在する。ヒドロキシまたはヒドロキシアルキルが結合する。なお、このアルキレンは、置換基を含むことができるC
1〜20であり、C
1〜6の脂肪族炭化水素基をさらに有することができる。
【0035】
R
A1〜R
A4’は、使用する露光波長により適宜選択することが好ましい。ディスプレイ向け用途においては、例えばg、h、i線に吸収波長をシフトさせるビニル、アルキニルなどの不飽和炭化水素結合官能基や、アルコキシ、ニトロ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノなどが用いられ、特にメトキシ、エトキシが好ましい。
【0036】
R
B1〜R
B8は、それぞれ独立に、水素、置換または非置換のC
1〜20の脂肪族炭化水素基、置換または非置換のC
6〜22の芳香族炭化水素基、置換または非置換のC
1〜20のアルコキシ、または置換または非置換のC
6〜20のアリールオキシである。これらR
B1〜R
B8のうち、隣接するふたつがアルキレンによって連結されて環状構造を形成することができる。
【0037】
X
−は、置換または非置換のC
1〜20の脂肪族炭化水素基、置換または非置換のC
6〜22の芳香族炭化水素基を有する、ボレートイオンまたはカルボキシラートイオンである。具体的には、ブチル−トリフェニルボレートイオン、テトラフェニルボレートイオン、ブチル−トリ(p−トリル)フェニルボレート、テトラキス(4−フルオロフェニル)ボレートイオン、2−(3−ベンゾイルフェニル)およびプロピオナトイオンなどが挙げられる
【0038】
これらの光塩基発生剤は、露光が寄与する化学反応により塩基を発生するものでポリシロキサンの重合化に寄与すると考えられる。この結果、光塩基発生剤を用いることで、露光および現像によって、パターン化された硬化膜の形成が可能である。素子の製造などにおいて、パターン形成の際にドライエッチングを用いないことによって、回路や要素へのダメージが比較的小さくすることができるという利点がある。ここで光塩基発生剤が塩基を発生するメカニズムは限定されず、単に光化学反応によって塩基を発生するものや、光照射によって分子の構造変化が起こった後に熱などのエネルギーによって化学反応が起きて延期が発生するものなどが包含される。特に式(PBG−A)で表される化合物は後者であると考えられている。
【0039】
これらの光塩基発生剤の例としては以下のものが挙げられる。
【化8】
【化9】
【0040】
なお、式(PBG−A)で表される光塩基発生剤は、水和された状態で用いられることが好ましい。この光塩基発生剤を水和物の状態で用いると、無水物の状態で用いた場合に比べて、より好ましい効果を得ることができる傾向にある。ここで、無水物とは、水和していない化合物をいうものとする。光塩基発生剤の無水物を水和する方法は特に限定されず公知の方法が利用できる。例えば、光塩基発生剤無水物に対し10倍モル以上の水を加え、室温以上の温度で1時間程度撹拌させる。得られた混合物をエバポレーターで余分な溶媒を留去して、水和物を得ることができる。得られた化合物が水和されていることは赤外線吸収スペクトル(IR)、
1H−NMRまたは示唆熱・熱重量分析(TG−DTA)などで確認することが出来る。
【0041】
また、水に式(PBG−A)で表される光塩基発生剤を無水物の状態で混合および撹拌し、得られた水和物を単離することなく使用することも可能である。
【0042】
式(PBG−A)で表される光塩基発生剤に対して、水和に用いられる水の組成比は、式(PBG−A)の化合物1モルに対して、水が0.1モル以上であることが好ましく、1モル以上であることがより好ましい。
【0043】
これら光塩基発生剤の添加量は、分解して発生する活性物質の種類、発生量、要求される感度・露光部と未露光部との溶解コントラストにより最適量は異なるが、ポリシロキサンの質量を基準として、好ましくは0.1〜5.0質量%であり、さらに好ましくは0.5〜2.0質量%である。なお、光塩基発生剤として水和物を用いる場合には、光塩基発生剤の質量には、水和水の質量は含めないこととする。ポリシロキサンの重合を加速するためには、添加量が多いことが好ましく、クラックや被膜着色を抑制するために添加量は少ないことが好ましい。
【0044】
[(IV)溶剤]
本発明による組成物は、溶剤を含んでなる。この溶剤は、組成物に含まれる各成分を均一に溶解または分散させるものから選択され、一般に有機溶剤が用いられる。具体的には溶剤としては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル類、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、イソプロパノール、プロパンジオールなどのアルコール類などが挙げられる。これらの溶剤は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いられる。
【0045】
溶剤の配合比は、塗布方法や塗布後に必要な膜厚によって異なる。例えば、スプレーコートの場合は、比較的高濃度とされ、ディスプレイの製造で使用されるスリット塗布では、それよりも低い濃度とされる。前記したポリシロキサン、光延期発生剤、および口述する任意成分の組成物に対する比率、すなわち固形分比率は、一般的には2.0〜50質量%、好ましくは10〜40質量%である。
【0046】
[(V)任意成分]
また、本発明による組成物は必要に応じてその他の任意成分を含むことができる。そのような任意成分としては、硬化助剤が挙げられる。用いられる硬化助剤としては、光酸発生剤、前記した光塩基発生剤とは異なる光塩基発生剤が挙げられる。これらは、硬化膜製造プロセスにおいて利用する重合反応や架橋反応に応じて選択される。
【0047】
前記光酸発生剤の例としては、一般的に使用されているものから任意に選択できるが、例えば、ジアゾメタン化合物、トリアジン化合物、スルホン酸エステル、ジフェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、スルホニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、スルホンイミド化合物等が挙げられる。
【0048】
前記光塩基発生剤の例としては、アミドを有する多置換アミド化合物、ラクタム、イミド化合物もしくは該構造を含むものが挙げられる。また、アニオンとしてアミドアニオン、メチドアニオン、ボレートアニオン、ホスフェートアニオン、スルホネートアニオン、またはカルボキシレートアニオン等を含むイオン型の光塩基発生剤も用いることができる。
【0049】
なお、光としては、可視光、紫外線、または赤外線等を挙げることができる。特に、薄膜トランジスタの製造に用いられる紫外線によって、酸あるいは塩基を発生させるものが好ましい。
【0050】
硬化助剤の添加量は、硬化助剤が分解して発生する活性物質の種類、発生量、要求される感度、露光部と未露光部との溶解コントラストにより最適量は異なるが、ポリシロキサン100質量部に対して、好ましくは0.001〜10質量部であり、さらに好ましくは0.01〜5質量部である。添加量が0.001質量部以上であると、露光部と未露光部との溶解コントラストが高くなり、添加効果が良好となる。一方、硬化助剤の添加量が10質量部以下であれば、形成される被膜へのクラックが抑制され、硬化助剤の分解による着色も抑制されるため、被膜の無色透明性が向上する。
【0051】
また、硬化助剤として、熱酸発生剤または熱塩基発生剤を用いることができる。熱酸発生剤の例としては、各種脂肪族スルホン酸とその塩、クエン酸、酢酸、マレイン酸等の各種脂肪族カルボン酸とその塩、安息香酸、フタル酸等の各種芳香族カルボン酸とその塩、芳香族スルホン酸とそのアンモニウム塩、各種アミン塩、芳香族ジアゾニウム塩及びホスホン酸とその塩など、有機酸を発生する塩やエステル等を挙げることができる。熱酸発生剤の中でも特に、有機酸と有機塩基からなる塩であることが好ましく、スルホン酸と有機塩基からなる塩が更に好ましい。
【0052】
好ましいスルホン酸としては、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−ドデシルベンゼンスルホン酸、1,4−ナフタレンジスルホン酸、メタンスルホン酸、などが挙げられる。これら酸発生剤は、単独又は混合して使用することが可能である。
【0053】
熱塩基発生剤の例としては、イミダゾール、第三級アミン、第四級アンモニウム等の塩基を発生させる化合物、これらの混合物を挙げることができる。放出される塩基の例として、N−(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)イミダゾール、N−(3−ニトロベンジルオキシカルボニル)イミダゾール、N−(4−ニトロベンジルオキシカルボニル)イミダゾール、N−(5−メチル−2−ニトロベンジルオキシカルボニル)イミダゾール、N−(4−クロロ−2−ニトロベンジルオキシカルボニル)イミダゾールなどのイミダゾール誘導体、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7が挙げられる。これら塩基発生剤は、酸発生剤と同様、単独又は混合して使用することが可能である。
【0054】
そのほかの任意成分として界面活性剤などが挙げられる。
【0055】
界面活性剤は塗布性を改善することができるため、用いることが好ましい。本発明におけるシロキサン組成物に使用することのできる界面活性剤としては、例えば非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
【0056】
上記非イオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類やポリオキシエチレン脂肪酸ジエステル、ポリオキシ脂肪酸モノエステル、ポリオキシエチレンポリオキシピロピレンブロックポリマー、アセチレンアルコール、アセチレングリコール、アセチレンアルコールのポリエトキシレートなどのアセチレンアルコール誘導体、アセチレングリコールのポリエトキシレートなどのアセチレングリコール誘導体、フッ素含有界面活性剤、例えばフロラード(商品名、スリーエム株式会社製)、メガファック(商品名、DIC株式会社製)、スルフロン(商品名、旭硝子株式会社製)、又は有機シロキサン界面活性剤、例えばKP341(商品名、信越化学工業株式会社製)などが挙げられる。前記アセチレングリコールとしては、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールなどが挙げられる。
【0057】
またアニオン系界面活性剤としては、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸のアンモニウム塩又は有機アミン塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸のアンモニウム塩又は有機アミン塩、アルキルベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩又は有機アミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸のアンモニウム塩又は有機アミン塩、アルキル硫酸のアンモニウム塩又は有機アミン塩などが挙げられる。
【0058】
さらに両性界面活性剤としては、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、ラウリル酸アミドプロピルヒドロキシスルホンベタインなどが挙げられる。
【0059】
これら界面活性剤は、単独で又は2種以上混合して使用することができ、その配合比は、感光性シロキサン組成物の総質量に対し、通常50〜10,000ppm、好ましくは100〜5,000ppmである。
【0060】
<硬化膜およびそれを具備した電子素子の製造方法>
本発明による硬化膜の製造方法は、前記した組成物を基板に塗布し、露光し、現像し、加熱することw0含んでなる。
【0061】
本発明における組成物の塗膜の形成は、一般的な塗布方法、即ち、浸漬塗布、ロールコート、バーコート、刷毛塗り、スプレーコート、ドクターコート、フローコート、スピンコート、スリット塗布等、従来感光性シロキサン組成物の塗布方法として知られた任意の方法により行うことができる。また基材としては、シリコン基板、ガラス基板、樹脂フィルム等の適当な基板上で行うことができる。基材がフィルムである場合には、グラビア塗布も可能である。所望により塗膜の乾燥工程を別に設けることもできる。塗膜は、必要に応じて1回または2回以上繰り返して塗布することにより所望の膜厚とすることができる。
【0062】
本発明による組成物は、厚い硬化膜を得ることが可能なものであり、比較的厚い塗膜を設けることができる。
【0063】
本発明による感光性シロキサン組成物の塗膜を形成した後、その塗膜の乾燥、および溶剤残存量を減少させるため、その塗膜をプリベーク(加熱処理)することが好ましい。プリベーク工程は、一般に70〜150℃、好ましくは90〜120℃の温度で、ホットプレートによる場合には10〜180秒間、好ましくは30〜90秒間、クリーンオーブンによる場合には1〜30分間実施することができる。
【0064】
本発明による組成物は感光性であるので、パターン化された硬化膜を形成させることができる。このパターンを形成する方法について説明する。所望のパターンは、本発明による組成物の塗膜を形成し、プリベーク処理した後、該塗膜に光をパターン状に照射する。
このような光源としては、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライド、キセノン等のランプ、レーザーダイオード、LED等およびエキシマレーザー光発生装置を使用することができる。照射光としてはg線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光などの紫外線が通常用いられる。パターニングでは248nm(KrFエキシマレーザー光発生装置)、365nmの光(高圧水銀灯)を使用することが一般的である。照射光のエネルギーは、光源や初期の膜厚にもよるが、一般に10〜2000mJ/cm
2、好ましくは20〜1000mJ/cm
2とする。照射光エネルギーが10mJ/cm
2よりも低いと組成物が十分に分解せず、反対に2000mJ/cm
2よりも高いと、露光過多となり、ハレーションの発生を招く。
【0065】
パターン状に照射するためには一般的なフォトマスクを使用すればよく、そのようなフォトマスクについては当業者であれば周知である。照射の際の環境は、一般に周囲雰囲気(大気中)や窒素雰囲気とすることができる。また、全面に膜を形成する場合には、全面露光することができる。本発明においては、パターン膜とは、このような全面に膜が形成された場合をも含むものである。
【0066】
露光後、露光個所に発生した塩基により膜内のポリマー間反応を促進させるため、必要に応じて露光後加熱(Post Exposure Baking)を行うことができる。この加熱処理は、後述する加熱工程とは異なり、塗膜を完全に硬化させるために行うものではなく、現像後に所望のパターンだけが基板上に残し、それ以外の部分が現像により除去することが可能となるように行うものである。
【0067】
露光後加熱を行う場合、ホットプレート、オーブン、またはファーネス等を使用することができる。加熱温度は光照射によって発生した露光領域の塩基が未露光領域まで拡散することは好ましくないため、過度に高くするべきではない。このような観点から露光後の加熱温度の範囲としては、60〜200℃が好ましく、80〜180℃が更に好ましい。
組成物の硬化速度を制御するため、必要に応じて、段階的加熱を適用することもできる。
また、加熱の際の雰囲気は特に限定されないが、組成物の硬化速度を制御することを目的として、窒素などの不活性ガス中、真空下、減圧下、酸素ガス中などから選択することができる。また、加熱時間は、ウェハー面内の温度履歴の均一性がより高く維持するために一定以上であることが好ましく、また発生した塩基の拡散を抑制するためには過度に長くないことが好ましい。このような観点から、加熱時間は20〜500秒が好ましく、30〜300秒がさらに好ましい。
【0068】
また、現像の際に用いられる現像液としては、従来知られている感光性シロキサン組成物の現像に用いられている任意の現像液を用いることができる。好ましい現像液としては、水酸化テトラアルキルアンモニウム、コリン、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属メタ珪酸塩(水和物)、アルカリ金属燐酸塩(水和物)、アンモニア水、アルキルアミン、アルカノールアミン、複素環式アミンなどのアルカリ性化合物の水溶液であるアルカリ現像液が挙げられ、特に好ましいアルカリ現像液は、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液である。これらアルカリ現像液には、必要に応じ更にメタノール、エタノールなどの水溶性有機溶剤、あるいは界面活性剤が含まれていてもよい。アルカリ現像液により現像が行われた後には、通常水洗がなされる。
【0069】
その後、全面露光(フラッド露光)の工程を行うのが一般的である。この全面露光工程において、放射される光により光酸発生剤または光塩基発生剤の酸または塩基を発生させる。全面露光の方法としては、アライナー(例えば、キヤノン株式会社製PLA−501F)などの紫外可視露光機を用い、100〜2,000mJ/cm
2程度(波長365nm露光量換算)を全面に露光する方法がある。
【0070】
現像後、得られたパターン膜は加熱されて、硬化される。加熱温度は、通常500℃以上であり、好ましくは600℃以上である。
【0071】
本発明によって得られる硬化膜は、耐熱性が高いことを特徴としている。また、本発明による組成物を用いた場合には、従来の組成物を用いて硬化膜を形成させた場合に比べて、クラック限界膜厚が厚い硬化膜を形成させることができる。具体的には、本発明による組成物を用いた場合には、膜厚が1.0μm以上硬化膜を形成させでも、クラックが発生することが少ない。
【0072】
このようにして形成された硬化膜は、フラットパネルディスプレー(FPD)など、各種素子の平坦化膜や層間絶縁膜、透明保護膜などとして、さらには、低温ポリシリコン用層間絶縁膜あるいはICチップ用バッファーコート膜などとして、多方面で好適に利用することができる。また、硬化膜を光学デバイス材料などとして用いることもできる。
【実施例】
【0073】
本発明を諸例により具体的に説明すると以下の通りである。
【0074】
[合成例1] 光塩基発生剤PBG−A1の合成
50mLフラスコ中に、エトキシカルボニルメチル(トリフェニル)ホスホニウムブロミド3.44g(8mmol)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルデヒド1.22g(8mmol)、およびメタノール10mLを導入し、溶解させて原料混合液を調製した。
【0075】
撹拌装置、滴下ロートを取り付けた200mL四つ口フラスコ中に炭酸カリウム4.00gとメタノール30mLを導入し、よく撹拌しながら原料混合液をゆっくり滴下した。
【0076】
滴下終了後、室温でさらに3時間撹拌した後、薄層クロマトグラフィーにより中間生成物の生成を確認した。反応混合液をろ過して炭酸カリウムを除き、減圧濃縮した。
【0077】
濃縮後の反応混合液に、1Nの水酸化ナトリウム水溶液を50mL加え、1時間撹拌した。その後、ろ過により副生成物であるトリフェニルホスフィンオキシドを除いた後、濃塩酸を滴下し反応混合液を酸性にした。生成した沈殿物をろ過により集め、少量のクロロホルムにより洗浄することで2−ヒドロキシ−4−メトキシ桂皮酸を1.2g得た。
【0078】
続いて、100mLフラスコ中で、2−ヒドロキシ−4−メトキシ桂皮酸1.2g(6.2mmol)を脱水テトラヒドロフラン20mLに溶解させ、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩1.54g(8mmol)を添加した。
その後、30分撹拌し、4−ピペリジンメタノール922mg(8mmol)をさらに添加した。
【0079】
さらに撹拌を係属し、反応を完了させた。反応混合液を濃縮し、濃縮物を水に溶解させた。得られた溶液から生成物をクロロホルムで抽出して粗製物を得た。得られた粗製物を、1N塩酸、飽和食塩水で洗浄して、目的のPBG−A1を121mg得た。
【0080】
[合成例2] 光塩基発生剤PBG−A6の合成
合成例1において、4−ピペリジンメタノール922mg(8mmol)の代わりに、ジエタノールアミン841mg(8mmol)を用いた以外は合成例1と同様にしてPBG−A6を103mg得た。
【0081】
[合成例3] 光塩基発生剤PBG−A7の合成
合成例1において、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルデヒド1.22g(8mmol)の代わりに、2−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノベンズアルデヒド1.33g(8mmol)を用いた以外は合成例1と同様にしてPBG−A7を108mg得た。
【0082】
[合成例4] 光塩基発生剤PBG−A8水和物の合成
合成例1において、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルデヒド1.22g(8mmol)の代わりに、2−ヒドロキシ−4−ジメチルアミノベンズアルデヒド1.33g(8mmol)を、4−ピペリジンメタノール922mg(8mmol)の代わりに、ジエタノールアミン841mg(8mmol)を用いた以外は合成例1と同様にしてPBG−A8無水物を90mg得た
【0083】
合成例4で得られたPBG−A8無水物100mgをPGME50mLに溶解し、純水5mLを加え、60℃で1時間、加熱還流を行った。室温に冷却後、減圧溜去で純水を除き、PBG−A8水和物のPGME溶液を得た。
【0084】
[合成例6] ポリシロキサン(P1)の合成
撹拌機、温度計、冷却管を備えた2Lのフラスコに、25質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液24.5g、イソプロピルアルコール(IPA)300ml、水2.0gを仕込み、次いで滴下ロートにメチルトリメトキシシラン27.2g(40モル%)、およびテトラメトキシシラン45.6g(60モル%)の混合溶液を調整した。その混合溶液を60℃にて滴下し、同温で3時間撹拌した後、10%HCl水溶液を加え中和した。中和液にトルエン200ml、水300mlを添加し、2層に分離させ、得られた有機層を減圧下濃縮することで溶媒を除去し、濃縮物に固形分濃度40質量%なるようにPGMEを添加調整した。得られたポリシロキサン(P1)の分子量(ポリスチレン換算)は質量平均分子量(Mw)=8,800、Si−Oに帰属される吸収帯の面積強度S1と、SiOHに帰属される吸収帯の面積強度S2との比S2/S1=0.15であった。
【0085】
[実施例1〜10および比較例1〜4]
100質量部のポリシロキサンP1、2.0質量部の光塩基発生剤PBG−A7、333質量部のPGME(溶剤)を混合し、溶解させてネガ型感光性シロキサン組成物を調製した。また、各種成分を変更して、表1に示すとおり、実施例2〜10および比較例1〜4の組成物も調製した。
【0086】
得られた組成物について、以下の方法によって、アルカリ現像液による現像性、解像度、耐熱性、クラック限界膜厚を評価した。得られた結果は表1に示す通りであった。
【0087】
[アルカリ現像液による現像性および解像度]
得られた各組成物をシリコンウェハ上に滴下し、1,500rpmの回転速度でスピンコーティング後、ホットプレートで100℃/90秒の条件下でプリベークを行なった。
その後、i線露光機(株式会社ニコン製NSR2205i11D)を用い、50〜1,000mJ/cm
2でライン&スペースパターンのマスクを通して露光した。引き続き、ホットプレートで120℃/60秒の条件下の露光後加熱後、現像液として2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用い、パドル現像を行い、純水で洗浄することでパターンを形成した。形成されたパターン膜を電子顕微鏡(日立ハイテクフィールディング製S−4700)を用いてパターンが形成されているか否かを観察した。パターンが形成されている場合には、解像されたライン&スペースパターンのなかで最も微細なものを、その組成物の解像度として定義した。
【0088】
[耐熱性]
得られた各組成物をシリコンウェハ上に滴下し、1,500rpmの回転速度でスピンコーティング後、ホットプレートで100℃/90秒の条件下でプリベークを行なった。
その後、アライナーなどの紫外可視光露光機を用い、300mJ/cm
2(365nm換算)の全面露光を行った。引き続き、ホットプレートで120℃/60秒の条件の露光後加熱を行って、硬化膜を得た。得られた硬化膜を、ファーネスを用いて窒素雰囲気下にて30分間アニール処理した。このとき、複数の試料に対し、異なる温度でアニール処理を行った。温度は500〜800℃の範囲で選択した。アニール処理後の硬化膜を室温に戻した後、膜をFT−IR(日本分光製FTIR−6100)を用いて分析した。温度の異なる試料について赤外吸収スペクトルを評価し、構造式(Ia)のR
1由来のピークが消失する温度を決定し、それを耐熱温度と定義した。
【0089】
[クラック限界膜厚]
得られた各組成物をシリコンウェハ上に滴下し、1,500rpmの回転速度でスピンコーティング後、ホットプレートで100℃/90秒の条件下でプリベークを行なった。
さらに組成物に含まれる固形分濃度を調製したうえで同様に塗布を行い、膜厚の異なる複数の試料を準備した。その後、アライナーなどの紫外可視光露光機を用い、300mJ/cm
2(365nm換算)の全面露光を行った。引き続き、ホットプレートで120℃/60秒の条件の露光後加熱を行って、硬化膜を得た。得られた硬化膜を、ファーネスを用いて、窒素雰囲気下にて600℃または700℃で30分間アニール処理した。アニール処理後の硬化膜を室温に戻した後、膜にクラックが発生しているかを光学顕微鏡で観察し、クラックが入っていない最も厚い膜厚のものを、その組成物のクラック限界膜厚と定義した。
【0090】
【表1】
【0091】
【化10】
【0092】
この結果より、本発明による組成物を用いると、耐熱性が高く、膜厚の厚い硬化膜が形成できることが確認できた。