(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本願で用いた用語は、ただ特定の実施例を説明するために用いたものであって、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文の中で明白に言及しない限り、複数の表現を含む。本願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在を指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除するものではないことを理解しなくてはならない。また、明細書全体で、「上に」というのは、対象部分の上または下に位置することを意味し、必ずしも重力方向を基準にして上側に位置することを意味するものではない。
【0010】
また、「結合」とは、各構成要素間の接触関係において、各構成要素の間に物理的に直接接触する場合のみを意味するものではなく、他の構成が各構成要素の間に介在され、その他の構成に構成要素がそれぞれ接触している場合まで包括する概念として使用する。
【0011】
図に示されている各構成の大きさや厚さは、説明の便宜のために任意に示したものであって、本発明が必ずしも図示されものに限定されることはない。
【0012】
以下、本発明によるプリント回路基板及びプリント回路基板の実施例を添付図面を参照して詳細に説明し、添付図面を参照して説明するに当たって、同一または対応する構成要素には同一の図面番号を付し、これに対する重複説明を省略する。
【0013】
<プリント回路基板>
第1実施例
図1は、本発明の第1実施例に係るプリント回路基板を示す図である。
【0014】
図1を参照すると、本発明の第1実施例に係るプリント回路基板1000は、コア100と、絶縁部200と、ビア300と、を含む。
【0015】
コア100は、本実施例に係るプリント回路基板1000の中心部に形成されることができる。コア100は、補強部110、ビア接続部120、及び補強部110とビア接続部120とを分離する切断部130、を含む。
【0016】
補強部110は、本実施例に係るプリント回路基板1000に剛性を付与し、本実施例に係るプリント回路基板1000の反りを防止することができる。よって、補強部110は、ビア接続部120とは異なる材料を用いてもよく、一定以上の剛性及び一定以下の熱膨脹係数を有する第1金属を含むことができる。
【0017】
第1金属はインバー(Invar)であってもよいが、これに限定されない。すなわち、第1金属としては、本実施例に係るプリント回路基板1000に要求される剛性及び熱膨脹係数を満足すれば、インバー(Invar)以外の金属を用いることもできる。
【0018】
本実施例で補強部110は、剛性に優れた第1金属で形成される剛性補強層111と、熱伝導度に優れた第2金属で形成され、剛性補強層111上に積層される放熱層113とを含む。ここで、第2金属は、銅(Cu)であってもよいが、これに限定されない。すなわち、第2金属としては、本実施例に係るプリント回路基板1000に要求される熱伝導度を満足すれば、銅(Cu)以外の金属を用いることができる。
【0019】
本実施例で剛性補強層111と放熱層113とは交互に積層されることができる。具体的に補強部110は、下部から第2金属/第1金属/第2金属の順に順次積層された構造であってもよい。この場合、補強部110は、両面に放熱に有利な第2金属を含むので、本実施例に係るプリント回路基板1000は、電子部品から伝達される熱を基板の水平方向に迅速に放熱することができる。
【0020】
一方、より高い強度補強のために補強部110は、下部から第1金属/第2金属/第1金属の順に順次積層された構造であってもよい。
【0021】
ビア接続部120は、絶縁部200を貫通するビア300に接続する部分であって、本実施例に係るプリント回路基板1000においては、伝達される熱を効率的に放出させるために一定以上の熱伝導度を有する金属で形成することができる。また、本実施例では、ビア接続部120の上部及び下部にそれぞれビア300が接続することができる。これにより、一側ビア300を介して伝達された熱は、熱伝導度の高いビア接続部120を介して他側ビアに迅速に放出されることができる。すなわち、本実施例に係るプリント回路基板1000は、電子部品から伝達される熱を、基板を通過する方向に迅速に放熱させることができる。ここで、ビア接続部120を構成する金属は、銅(Cu)であってもよいが、これに限定されない。すなわち、本実施例に係るプリント回路基板1000に要求される熱伝導度を満足すれば、銅(Cu)以外の他の金属を用いることができる。
【0022】
一方、ビア接続部120は、基板の剛性を補強するためにインバー(Invar)をさらに含むことができる。ここで、ビア接続部120は、インバー(Invar)と銅(Cu)とが交互に積層された多層構造に形成されることができる。
【0023】
切断部130は、補強部110とビア接続部120とを分離する。すなわち、切断部130は、コア100を貫通することにより、電気伝導の性質を有する補強部110とビア接続部120とを物理的に分離する。切断部130には、後述する絶縁部200が形成され、絶縁部200は、切断部130に形成されて補強部110とビア接続部120とを電気的に分離(絶縁)する。
【0024】
一方、
図1には、3つの補強部110及び2つのビア接続部120が図示されており、隣接する補強部110の間にビア接続部120が形成されているが、これは例示に過ぎない。すなわち、コア100に含まれる補強部110とビア接続部120の数、及び補強部110とビア接続部120との配置構造は、任意にまたは必要によって変更可能である。例えば、複数の補強部110を用いてビア接続部120を取り囲むように配置することができる。これにより、ビア300を介してビア接続部120に伝達される熱が、隣接したビア接続部120を介して迅速に放熱されることができる。
【0025】
絶縁部200は、コア100をカバーし、補強部110とビア接続部120とを絶縁させるように切断部130にも形成される。絶縁部200は、通常の絶縁樹脂を用いて形成することができる。すなわち、絶縁部200は、補強材が含浸された絶縁樹脂(プリプレグ)または無機フィラーが含有された絶縁樹脂(ビルドアップフィルム)であってもよい。また、絶縁部200は、熱硬化性樹脂または感光性樹脂を含むことができる。
【0026】
ビア300は、コア100に接続するように絶縁部200を貫通して形成される。
図1に示すように、ビア300は、コア100のビア接続部120に接続することができる。ビア300は、熱伝導度に優れた銅(Cu)で形成できるが、これに限定されない。ビア300を構成する物質と第2金属とが同じである場合、コア100とビア300との結合力を増加させることができる。
【0027】
ビア300はコア100に接続され、本実施例に係るプリント回路基板1000に伝達された熱を上部または下部に放熱することができる。例として、本実施例に係るプリント回路基板1000の上部に電子部品が実装された場合、電子部品から発生した熱は、ビア300とビア接続部120を経て下部に放熱されることができる。
【0028】
ビア300の下部の大きさは、ビア接続部120の上部より小さく形成されてもよい。この場合、工程間で発生する公差により、絶縁部200に形成されるビア300の位置が当初目標の絶縁部200の位置を外れてもビア接続部120に接続されることができる。
【0029】
一方、
図1には、ビア300がビア接続部120にのみ接続していることを図示したが、これは例示に過ぎない。すなわち、ビア300は、ビア接続部120だけではなく補強部110にも接続することができる。この場合、電子部品で発生した熱が補強部110を介しても伝達されるので、本実施例に係るプリント回路基板1000の放熱機能を向上させることができる。
【0030】
また、
図1には示されていないが、絶縁部200の上部及び下部のうちの少なくともいずれか一方上には一つ以上のビルドアップ層が形成されることができる。
【0031】
第2実施例
図2は、本発明の第2実施例に係るプリント回路基板を示す図である。
【0032】
図2を参照すると、本発明の第2実施例に係るプリント回路基板2000は、本発明の第1実施例に係るプリント回路基板1000と同様に、コア100、絶縁部200、及びビア300を含むが、補強部110が互いに異なる。
【0033】
本実施例に係るプリント回路基板2000に適用する補強部110は、第1金属で形成される剛性補強層111と、第2金属で形成され、剛性補強層111をカバーするために剛性補強層111を取り囲む放熱層115とを含む。第1実施例と異なって、本実施例では、放熱層115が剛性補強層111の側面もカバーする。この場合、補強部110での相対的に熱伝導度に優れた第2金属が占める割合が増加するので、本実施例に係るプリント回路基板2000の放熱性能を向上させることができる。
【0034】
第3実施例
図3は、本発明の第3実施例に係るプリント回路基板を示す図である。
【0035】
図3を参照すると、本発明の第3実施例に係るプリント回路基板3000は、本発明の第1実施例に係るプリント回路基板1000の構成と同様の構成を含み、電子素子400をさらに含む。
【0036】
電子素子400は、絶縁部200に埋め込まれる。すなわち、電子素子400は、補強部110及びビア接続部120とともに絶縁部200に埋め込まれることができる。電子素子400は、ICチップ等の能動素子、またはキャパシター等の受動素子であってもよい。絶縁部200に埋め込まれる電子素子400は、絶縁部200との結合力の向上のために、外面に粗度が形成されてもよい。
【0037】
電子素子400は、絶縁材に形成されたビア300と電子素子400の接続端子とを介して絶縁材の外部に形成された回路パターンに電気的及び/または熱的に接続することができる。
【0038】
一方、
図3には電子素子400が1つであるが、これは例示に過ぎず、複数の電子素子400が絶縁部200に埋め込まれることもできる。この場合、複数の電子素子400は、同種の電子素子400であってもよく、互いに異種の電子素子400であってもよい。
【0039】
本実施例に係るプリント回路基板3000は、電子素子400を絶縁部200に埋め込むので、パッケージの厚さを薄型化できる。
【0040】
<プリント回路基板の製造方法>
第1実施例
図4から
図9は、本発明の第1実施例に係るプリント回路基板の製造方法を説明するために製造工程を順次示した図である。
【0041】
図4から
図6を参照すると、本実施例に係るプリント回路基板1000の製造方法は、補強部110、ビア接続部120、及び補強部110とビア接続部120とを分離する切断部130を含むコア100を形成するステップを含む。
【0042】
コア100を形成するステップは、第1金属で形成された複数の埋め込み部材10を第2金属で形成した金属板20に埋め込んでコア金属板30を形成するステップと、キャリア部材40の一面にコア金属板30を付着するステップと、コア金属板30の一部を除去して切断部130を形成するステップと、を含むことができる。
【0043】
先ず、
図4を参照すると、コア金属板30を形成する。本実施例のコア金属板30は、剛性に優れた第1金属で形成された複数の埋め込み部材10が、熱伝導度に優れた第2金属で形成された金属板20に埋め込まれて形成される。中間部材(図示せず)を用いて複数の埋め込み部材10を離隔して配置した後、隣接する埋め込み部材10の間を含み埋め込み部材10の表面に沿って第2金属を形成することができる。金属板20は、メッキにより形成できるが、これに限定されない。すなわち、第2金属を含む金属ペーストを用いて金属板20を形成することもできる。
【0044】
次に、
図5に示すように、キャリア部材40の一面にコア金属板30を付着する。
図5に示す点線は、
図6に示す切断部130が形成される領域を示すものである。
【0045】
その後、
図6に示すように、コア金属板30に切断部130を形成する。コア金属板30に切断部130が形成されると、本発明の第1実施例に係るプリント回路基板1000の補強部110及びビア接続部120が形成される。
【0046】
切断部130は、コア金属板30を選択的にエッチングすることで形成することができる。この場合、コア金属板30上にエッチングレジストパターンが形成され、エッチングレジストパターンの開放部から露出したコア金属板30の領域をエッチングすることができる。
【0047】
切断部130は、埋め込み部材10の側面が露出するようにコア金属板30に形成される。よって、本発明の第1実施例に係るプリント回路基板1000の補強部110は、第1金属で形成される剛性補強層111と、第2金属で形成され、剛性補強層111の上面及び下面にそれぞれ積層される放熱層113と、を含む構造を有する。
【0048】
図7及び
図8を参照すると、本実施例に係るプリント回路基板1000の製造方法は、切断部130を充填する絶縁部200を形成するステップを含む。
【0049】
先ず、
図7に示すように、キャリア部材40の一面上に第1絶縁層210を形成した後、キャリア部材40を第1絶縁層210から除去する。
【0050】
第1絶縁層210は、半硬化(B−stage)状態の通常の層間絶縁材を用いて形成することができる。すなわち、第1絶縁層210は、ガラス繊維が含浸された絶縁材(プリプレグ)、またはフィラーが含有された絶縁材(ビルドアップフィルム等)を用いて形成することができる。また、第1絶縁層210は、熱硬化性樹脂または感光性樹脂で形成することもできる。
【0051】
第1絶縁層210は、上記の絶縁材をキャリア部材40の一面上に積層した後、加熱及び加圧により形成できるが、これに限定されない。すなわち、第1絶縁層210は、液状の絶縁材をキャリア部材40の一面上に塗布し、その後、液状絶縁材を硬化させて形成することもできる。
【0052】
第1絶縁層210が形成された後に、キャリア部材40を第1絶縁層210から除去することができる。
【0053】
次に、
図8に示すように、キャリア部材40が除去された第1絶縁層210の一面上に第2絶縁層230を形成する。第2絶縁層230は半硬化(B−stage)状態の通常の層間絶縁材を用いて形成することができる。すなわち、第2絶縁層230は、ガラス繊維が含浸された絶縁材(プリプレグ)またはフィラーが含有された絶縁材(ビルドアップフィルム等)を用いて形成することができる。また、第2絶縁層230は、熱硬化性樹脂または感光性樹脂で形成することもできる。
【0054】
一方、第1絶縁層210と第2絶縁層230とは、同種の絶縁材で形成されてもよく、異種の絶縁材で形成されてもよい。前者の例として、第1絶縁層210と第2絶縁層230とをすべてビルドアップフィルムで形成することができる。後者の例として、第1絶縁層210をビルドアップフィルムで形成し、第2絶縁層230をプリプレグで形成することができる。また、第1絶縁層210は、熱硬化性樹脂で形成され、第2絶縁層230は感光性樹脂で形成されることができる。
【0055】
図9を参照すると、本実施例に係るプリント回路基板1000の製造方法は、絶縁部200にビア300を形成するステップを含む。
【0056】
ビア300は、絶縁部200にビアホールを形成した後、ビアホールに伝導性物質を充填して形成することができる。例として、絶縁部200にレーザードリルを用いてビアホールを形成し、ビアホールに伝導性物質をメッキしてビア300を形成することができる。しかし、ビアホールを形成する方法が上記の例に限定されることはない。すなわち、絶縁部200が感光性樹脂で形成される場合は、フォトリソグラフィによりビアホールを形成することもできる。また、ビアホールに伝導性物質を充填する方法が上記の例に限定されることはない。すなわち、ビアホールに伝導性ペーストを充填することでビア300を形成することもできる。
【0057】
図9には示されていないが、ビアホールに伝導性物質が充填されると同時に絶縁部200の上面と下面のうちの少なくとも一方上に回路パターンが形成されることができる。
【0058】
第2実施例
図10から
図11は、本発明の第2実施例に係るプリント回路基板の製造方法を説明するために製造工程の一部を示す図である。
【0059】
図5と
図10を参照すると、本実施例に係るプリント回路基板2000の製造方法は、本発明の第1実施例に係るプリント回路基板1000の製造方法と比べて、選択的に除去するコア金属板30の領域及び面積が異なる。
【0060】
すなわち、本発明の第1実施例に係るプリント回路基板の製造方法においては、埋め込み部材10の側面が露出するようにコア金属板30を選択的に除去するが、本実施例に係るプリント回路基板の製造方法においては、埋め込み部材10の側面が露出しないようにコア金属板30を選択的に除去する。
【0061】
図11を参照すると、熱伝導度に相対的に優れた第2金属が、埋め込み部材10を構成する第1金属をカバーする形態で製造されるので、放熱性能が向上されることができる。すなわち、本実施例に適用される補強部110は、第2金属で形成された放熱層115が第1金属で形成された剛性補強層111をカバーする構造を有する。
【0062】
第3実施例
図12から
図13は、本発明の第3実施例に係るプリント回路基板の製造方法を説明するために製造工程の一部を示す図である。
【0063】
図5と
図12を参照すると、本実施例に係るプリント回路基板3000の製造方法は、本発明の第1実施例に係るプリント回路基板1000の製造方法と比べて、選択的に除去するコア金属板30の領域及び面積が異なる。
【0064】
すなわち、本実施例に係るプリント回路基板の製造方法においては、コア金属板30に電子素子400が装着されるキャビティ140を形成する。キャビティ140は、上述した切断部130の形成方法のうちのいずれか1つの方法を用いて形成することができる。
【0065】
図13を参照すると、補強部110及びビア接続部120とともに電子素子400がキャリア部材40の一面上に付着できる。
【0066】
電子素子400は、後続する工程により絶縁部に埋め込まれるので、本実施例で製造されるプリント回路基板3000は薄型化が可能となる。
【0067】
以上、本発明の一実施例について説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば特許請求の範囲に記載した本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更または削除等により本発明を多様に修正及び変更することができ、これも本発明の範囲内に含まれるといえよう。