(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
エンジンのシリンダヘッドに対して取り付けられる樹脂製の第1取付部と、前記樹脂製の第1取付部と前記シリンダヘッドとの間に介在される樹脂製の第2取付部とを含む樹脂製の吸気装置と、
前記樹脂製の第1取付部の第1取付孔に挿入された金属製の第1カラー部材と、
前記樹脂製の第2取付部の第2取付孔に挿入された金属製の第2カラー部材と、
前記金属製の第1カラー部材と前記金属製の第2カラー部材との間に設けられ、前記金属製の第1カラー部材の胴部の外径および前記金属製の第2カラー部材の胴部の外径よりも大きい外径を有する金属製の径大環状部とを備え、
前記金属製の第1カラー部材、前記金属製の径大環状部および前記金属製の第2カラー部材に締結部材が挿入された状態における前記エンジンの前記シリンダヘッドに対して、前記樹脂製の第1取付部および前記樹脂製の第2取付部が共締めされることにより、前記金属製の第1カラー部材、前記金属製の径大環状部および前記金属製の第2カラー部材が互いに接触した状態により締結されている、吸気装置の取付構造。
前記締結部材に締結された状態において、前記樹脂製の第1取付部の前記樹脂製の第2取付部側の第1面と前記樹脂製の第2取付部の前記樹脂製の第1取付部側の第2面との境界部において、前記金属製の径大環状部は、前記第1面または前記第2面と面一か、または、前記第1面または前記第2面の一方から他方側に突出している、請求項1に記載の吸気装置の取付構造。
前記金属製の径大環状部は、前記金属製の第1カラー部材または前記金属製の第2カラー部材と一体的に形成された金属製の鍔部を含む、請求項1または2に記載の吸気装置の取付構造。
前記金属製の径大環状部は、前記金属製の第1カラー部材および前記金属製の第2カラー部材とは別体により設けられたワッシャー部材を含む、請求項1または2に記載の吸気装置の取付構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のインテークマニホールドの取付構造では、樹脂製のインテークマニホールドは、ボルトによりシリンダヘッドに締結される状態において、金属製のカラーのインテークマニホールド側の面に接触する。このとき、樹脂製のインテークマニホールドは、ボルトの鍔部と金属製のカラーのインテークマニホールド側の面とにより挟み込まれた状態において締結されることにより過度の圧縮力が加えられる。このため、樹脂製のインテークマニホールドには、ボルトおよび金属製のカラーからの過度の圧縮力により、時間の経過に伴い徐々に歪変形が大きくなるクリープが発生する場合があるという不都合がある。したがって、樹脂製のインテークマニホールドに発生したクリープに起因して、ボルトの緩みが生じる場合があるという問題点がある。そのため、吸気装置の樹脂部材のクリープに起因するボルトの緩みの発生を抑制することが可能な吸気装置(樹脂部材)の取付構造が望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、樹脂部材のクリープに起因するボルトの緩みの発生を抑制することが可能な吸気装置の取付構造、吸気装置の取付方法および樹脂部材の締結構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における吸気装置の取付構造は、エンジンのシリンダヘッドに対して取り付けられる樹脂製の第1取付部と、樹脂製の第1取付部とシリンダヘッドとの間に介在される樹脂製の第2取付部とを含む樹脂製の吸気装置と、樹脂製の第1取付部の第1取付孔に挿入された金属製の第1カラー部材と、樹脂製の第2取付部の第2取付孔に挿入された金属製の第2カラー部材と、金属製の第1カラー部材と金属製の第2カラー部材との間に設けられ、金属製の第1カラー部材の胴部の外径および金属製の第2カラー部材の胴部の外径よりも大きい外径を有する金属製の径大環状部とを備え、金属製の第1カラー部材、金属製の径大環状部および金属製の第2カラー部材に締結部材が挿入された状態におけるエンジンのシリンダヘッドに対して、樹脂製の第1取付部および樹脂製の第2取付部が共締めされることにより、金属製の第1カラー部材、金属製の径大環状部および金属製の第2カラー部材が互いに接触した状態により締結されている。
【0008】
この発明の第1の局面による吸気装置の取付構造では、上記のように、樹脂製の第1取付部および樹脂製の第2取付部が共締めされた状態において、金属製の第1カラー部材、金属製の径大環状部および金属製の第2カラー部材が互いに接触している。これにより、金属製の第1カラー部材、金属製の径大環状部および金属製の第2カラー部材に締結具の締結による荷重が加えられる分、樹脂製の第1取付部および樹脂製の第2取付部が、締結部材およびシリンダヘッドからの過度な荷重が加えられることを抑制することができる。このため、樹脂製の第1取付部および樹脂製の第2取付部における過度な応力の発生により、時間の経過に伴い徐々に歪変形が大きくなるクリープが、樹脂製の第1取付部および樹脂製の第2取付部に発生することを抑制することができる。この結果、吸気装置の樹脂製の第1取付部および樹脂製の第2取付部の樹脂部材のクリープに起因するボルトの緩みの発生を抑制することができる。
【0009】
また、第1カラー部材と第2カラー部材との間に、第1カラー部材の胴部の外径および第2カラー部材の胴部の外径よりも大きい外径を有する径大環状部が設けられている。これにより、第1カラー部材が第2カラー部材内に入り込む、または、第2カラー部材が第1カラー部材内に入り込むことを抑制することができる。さらに、第1カラー部材が第2取付穴内に入り込む、または、第2カラー部材が第1取付孔内に入り込むことを抑制することができる。この結果、第1取付部および第2取付部が共締めされた状態において、締結部材、第1カラー部材、径大環状部および第2カラー部材の互いの間のいずれかに隙間が発生することを抑制することができる。また、第1カラー部材および第2カラー部材のそれぞれと径大環状部とが接触している。これにより、第1カラー部材および第2カラー部材のそれぞれと径大環状部とが接触していない場合より、締結部材の締結力(軸力)を一定に保ち易くすることができる。
【0010】
上記第1の局面による吸気装置の取付構造において、好ましくは、締結部材に締結された状態において、樹脂製の第1取付部の樹脂製の第2取付部側の第1面と樹脂製の第2取付部の樹脂製の第1取付部側の第2面との境界部において、金属製の径大環状部は、第1面または第2面と面一か、または、第1面または第2面の一方から他方側に突出している。
【0011】
このように構成すれば、第1取付部および第2取付部が共締めされた状態において、径大環状部が第1取付部の第1面または第2取付部の第2面と面一か、または、第1面または第2面の一方から他方側に突出している。これにより、締結部材の鍔部と径大環状部とが第1取付部を確実に挟み込むことができるとともに、径大環状部とシリンダヘッドとが第2取付部を確実に挟み込むことができる。この結果、締結部材の鍔部および径大環状部のそれぞれと第1取付部との間に隙間を生じ難くすることができる。また、径大環状部およびシリンダヘッドの各々と第2取付部との間に隙間を生じ難くすることができる。
【0012】
上記第1の局面による吸気装置の取付構造において、好ましくは、金属製の径大環状部は、金属製の第1カラー部材または金属製の第2カラー部材と一体的に形成された金属製の鍔部を含む。
【0013】
このように構成すれば、第1カラー部材または第2カラー部材と径大環状部を別体に形成するよりも、部品点数を減少させることができるとともに、締結作業をより簡単に行うことができる。
【0014】
上記第1の局面による吸気装置の取付構造において、好ましくは、金属製の径大環状部は、金属製の第1カラー部材および金属製の第2カラー部材とは別体により設けられたワッシャー部材を含む。
【0015】
このように構成すれば、第1カラー部材または第2カラー部材と径大環状部を一体に形成するよりも、第1カラー部材および第2カラー部材の形状を簡略化することができる。その結果、第1カラー部材および第2カラー部材の製造を行い易くすることができる。
【0016】
この発明の第2の局面における吸気装置の取付方法では、金属製の第1カラー部材を第1取付孔に挿入した樹脂製の第1取付部を準備する工程と、金属製の第2カラー部材を金属製の第2カラー部材の中心軸方向の長さよりも、中心軸方向の長さが大きい第2取付孔に挿入した樹脂製の第2取付部を準備する工程と、金属製の第1カラー部材と金属製の第2カラー部材との間に、金属製の第1カラー部材の胴部の外径および金属製の第2カラー部材の胴部の外径よりも大きい外径を有する金属製の径大環状部を、樹脂製の第1取付部の第1面と樹脂製の第2取付部の第2面との境界部において、第1面または第2面の一方から他方に突出するように配置する工程と、金属製の第1カラー部材、金属製の径大環状部、および金属製の第2カラー部材に締結部材を挿入した状態において、エンジンのシリンダヘッドに対して、樹脂製の第1取付部および樹脂製の第2取付部を共締めすることにより、金属製の第1カラー部材、金属製の径大環状部、および金属製の第2カラー部材が互いに接触した状態になるまで締結する工程とを備える。
【0017】
この発明の第2の局面による吸気装置の取付方法は、上記のように、金属製の第1カラー部材、金属製の径大環状部、および金属製の第2カラー部材が互いに接触した状態になるまで締結する工程において、金属製の第1カラー部材、金属製の径大環状部および金属製の第2カラー部材が互いに接触する。これにより、上記第1の局面による効果に加えて、締結部材に過度な締結力を加えて第1取付部および第2取付部を過度に圧縮しようとしても、第1カラー部材、径大環状部および第2カラー部材により第1取付部および第2取付部を過度に圧縮することを抑制することができる。この結果、樹脂製の第1取付部および樹脂製の第2取付部に過度な荷重が加えられることが抑制され、樹脂製の第1取付部および樹脂製の第2取付部の破損を抑制することができる。
【0018】
上記第2の局面によるにおいて吸気装置の取付方法において、好ましくは、締結する工程は、締結部材により締結する際に、
締結部材の鍔部により樹脂製の第1取付部の締結部材の鍔部側の接触面を押しつぶすとともに、金属製の径大環状部により
樹脂製の第1取付部の第1面を押しつぶすことにより樹脂製の第1取付部を押しつぶし、かつ、
金属製の径大環状部により樹脂製の第2取付部の第2面を押しつぶすとともに、シリンダヘッドにより樹脂製の第2取付部のシリンダヘッド側の接触面を押しつぶすことにより樹脂製の第2取付部を押しつぶした状態において、金属製の第1カラー部材、金属製の径大環状部、および金属製の第2カラー部材が互いに接触し、かつ、金属製の第2カラー部材の金属製の第1カラー部材とは反対側の端面が、シリンダヘッドの取付面に接触するように締結を行なう工程を含む。
【0019】
このように構成すれば、金属製の径大環状部により樹脂製の第2取付部を押しつぶし、かつ、締結部材により樹脂製の第1取付部を押しつぶした状態において、締結部材、第1カラー部材、径大環状部および第2カラー部材を互いに接触させることができる。この結果、径大環状部により樹脂製の第2取付部を押しつぶさず、かつ、締結部材により樹脂製の第1取付部を押しつぶさない状態における締結部材の軸力よりも、締結部材の締結力(軸力)を大きくすることができる。さらに、第1取付部および第2取付部を押しつぶした状態において、締結部材、第1カラー部材、径大環状部および第2カラー部材が接触するので、第1取付部および第2取付部に過度な圧縮力が加えられることを抑制しつつ、締結部材の締結力を大きくすることができる。
【0020】
この発明の第3の局面における樹脂部材の締結構造であって、金属部材に対して取り付けられる樹脂製の第1取付部と、樹脂製の第1取付部と金属部材との間に介在される樹脂製の第2取付部と、樹脂製の第1取付部の第1取付孔に挿入された金属製の第1カラー部材と、樹脂製の第2取付部の第2取付孔に挿入された金属製の第2カラー部材と、金属製の第1カラー部材と金属製の第2カラー部材との間に設けられ、金属製の第1カラー部材の胴部の外径および金属製の第2カラー部材の胴部の外径よりも大きい外径を有する金属製の径大環状部とを備え、金属製の第1カラー部材、金属製の径大環状部および金属製の第2カラー部材に締結部材が挿入された状態における金属部材に対して、樹脂製の第1取付部および樹脂製の第2取付部が共締めされることにより、金属製の第1カラー部材、金属製の径大環状部および金属製の第2カラー部材が互いに接触した状態により締結されている。
【0021】
この発明の第3の局面による樹脂部材の締結構造では、上記のように、樹脂製の第1取付部および樹脂製の第2取付部が共締めされた状態において、金属製の第1カラー部材、金属製の径大環状部および金属製の第2カラー部材が互いに接触している。これにより、金属製の第1カラー部材、金属製の径大環状部および金属製の第2カラー部材に締結具の締結による荷重が加えられる分、樹脂製の第1取付部および樹脂製の第2取付部が、締結部材および金属部材からの過度な荷重が加えられることを抑制することができることにより、樹脂製の第1取付部および樹脂製の第2取付部における過度な応力の発生を抑制することができる。この結果、樹脂部材の第1取付部および樹脂製の第2取付部の変形を抑制することができる。また、第1カラー部材と第2カラー部材との間に径大環状部が設けられている。これにより、第1カラー部材が第2カラー部材内に入り込む、または、第2カラー部材が第1カラー部材内に入り込むことを抑制できる。この結果、第1取付部および第2取付部が共締めされた状態において、締結部材、第1カラー部材、径大環状部および第2カラー部材の互いの間のいずれかに隙間が発生することを抑制することができる。
【0022】
なお、上記第1、第2または第3の局面による吸気装置の取付構造において、以下のような構成も考えられる。
【0023】
(付記項1)
すなわち、第1の局面による吸気装置の取付構造において、吸気装置は、樹脂製の第2取付部を含み、エンジン内に供給される気体を制御する気流制御弁をさらに備えている。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、インテークマニホールド12の内部を流れ、燃焼室11内に吸入される気流の流れに基づいて上流および下流を定義する。また、図示しない複数の気筒のエンジン1が図示しない車両に搭載された状態における鉛直方向を上下方向と定義する。さらに、複数の気筒の並ぶ方向を前後方向とし、水平面内において前後方向に直交する方向を左右方向と定義する。
【0026】
本発明の一実施形態による自動車用のエンジン1は、
図1に示すように、シリンダブロック14にシリンダヘッド13(金属部材の一例)を連結させた構造となっている。シリンダヘッド13は、燃焼室11に連通する複数の吸気ポート13aおよび複数の排気ポート13bを有している。また、シリンダヘッド13は、燃焼室11と複数の吸気ポート13aおよび複数の排気ポート13bのそれぞれとを連通させる開口を開閉する吸気バルブ13cおよび排気バルブ13dを有している。また、エンジン1は、燃焼室11内に吸気ポート13aを介して空気を供給する樹脂製の吸気装置2(樹脂部材の一例)を有している。吸気装置2は、シリンダヘッド13に締結具3(締結部材の一例)を用いて固定されるように構成されている。
【0027】
(吸気装置)
吸気装置2は、
図1に示すように、第1吸気部21と、第2吸気部22とを含んでいる。第1吸気部21は、樹脂製のインテークマニホールド12となっている。第1吸気部21は、空気を一時的に貯留させるサージタンク21aと、サージタンク21aと第2吸気部22とを接続する第1吸気通路部21bとを有している。また、第1吸気通路部21bは、
図2に示すように、内部に形成される複数の第1吸気通路211と、複数の第1吸気通路211のそれぞれに形成される第1フランジ部212(第1取付部の一例)とを有している。
【0028】
複数の第1吸気通路211は、前後方向に一列に並んでいる。また、複数の第1吸気通路211のそれぞれは、第1吸気通路部21bの内部を貫通している。複数の第1吸気通路211のそれぞれは、
図1に示すように、サージタンク21aの内部空間213に連通している。第1フランジ部212は、複数の第1吸気通路211からの下流端部の縁から外側に突出している。さらに、第1フランジ部212は、
図2(a)に示すように、複数の第1吸気通路211を囲むように形成されている。また、第1フランジ部212には、締結具3が挿通される複数の第1挿通孔41(第1取付孔の一例)が形成されている。第1挿通孔41は、右方向から視て円状になっている。複数の第1挿通孔41は、第1フランジ部212の前後方向の両端部、前後方向の中央部分、および、前後方向の両端部のそれぞれと中央部分との間に配置されている。第1挿通孔41は、
図2(b)に示すように、第1フランジ部212を厚み方向に貫通している。
【0029】
図4に示すように、締結具3により締結された状態において、第1フランジ部212の締結具3の鍔部31側の面(左面)は、締結具3の鍔部31と当接する第1接触面42となっている。また、後述するように締結具3により締結された状態において、第1フランジ部212の第2フランジ部222側の面(右面)は、第2フランジ部222と当接する第2接触面43(第1面の一例)となっている。
【0030】
第2吸気部22は、
図1に示すように、吸気ポート13a内に突出する突出部223を有する樹脂製のインテークポートである。そして、第2吸気部22は、シリンダヘッド13から伝達される熱の吸気ポート13a内への伝達を抑制する断熱材として機能するように構成されている。これにより、吸気ポート13aを通過する吸気の温度の上昇を抑制することができる。
【0031】
第2吸気部22は、
図3に示すように、内部に形成される複数の第2吸気通路221を有している。第2吸気通路221は、複数の第1吸気通路211のそれぞれと複数の吸気ポート13aのそれぞれとを連通する。そのため、複数の第2吸気通路221のそれぞれは、複数の第1吸気通路211のそれぞれに対応するように、左右方向に一列に並んで配置されている。複数の第2吸気通路221のそれぞれは、
図1に示すように、第2吸気部22を流れ方向に貫通している。第2吸気部22は、複数の第2吸気通路221の上流端部に形成される第2フランジ部222(第2取付部の一例)と、第2フランジ部222から下流方向に突出する突出部223を有している。
【0032】
第2フランジ部222は、複数の第2吸気通路221からの上流端部の縁から外側に突出している。さらに、第2フランジ部222は、
図3(a)に示すように、複数の第2吸気通路221を囲むように形成されている。また、第2フランジ部222には、締結具3が挿通するための複数の第2挿通孔51(第2取付孔の一例)が形成されている。第2挿通孔51は、左方向から視て円状となっている。複数の第2挿通孔51は、第2フランジ部222の前後方向の両端部、前後方向の中央部分、および、前後方向の両端部のそれぞれと中央部分との間に配置されている。第2挿通孔51は、
図3(b)に示すように、第2フランジ部222を厚み方向に貫通している。ここで、第2挿通孔51は、第1径大部51aと、第1径大部51aよりも外径が小さい第1径小部51bとを有している。第1径大部51aは、第2挿通孔51の左端部に形成されている。第1径小部51bは、第2挿通孔51における第1径大部51aよりも右側の部分に形成されている。ここで、第1径大部51aの左右方向の長さ(深さ)を長さL1とし、第1径小部51bの左右方向の長さ(深さ)を長さL2とする。また、第1径大部51aの外径をD1とし、第1径小部51bの外径をD2とする。
【0033】
図4に示すように、締結具3により締結された状態において、第2フランジ部222の第1フランジ部212側の面(左面)は、第1フランジ部212と当接する第3接触面52(第2面の一例)となっている。また、締結具3により締結された状態において、第2フランジ部222のシリンダヘッド13側の面は、シリンダヘッド13と当接する第4接触面53となっている。ここで、第1フランジ部212の第2接触面43と第2フランジ部222の第3接触面52とが面接触する平面が、第1フランジ部212および第2フランジ部222の境界面60(境界部の一例)となっている。
【0034】
吸気装置2は、
図4に示すように、締結具3によりシリンダヘッド13に固定されている。すなわち、締結具3が、樹脂製の第1フランジ部212の第1挿通孔41および樹脂製の第2フランジ部222の第2挿通孔51を挿通してシリンダヘッド13に螺合されている。ここで、締結具3の締結力は、樹脂製の第1フランジ部212および樹脂製の第2フランジ部222に加えられる。このとき、樹脂製の第1フランジ部212および樹脂製の第2フランジ部222に対する締結力が過度な大きさにならないよう、金属製の第1カラー部材7が樹脂製の第1フランジ部212の第1挿通孔41に挿入されている。また、第2カラー部材8が樹脂製の第2フランジ部222の第2挿通孔51に挿入されている。以下、第1カラー部材7および第2カラー部材8について具体的に説明を行なう。
【0035】
第1カラー部材7は、
図4に示すように、略円筒状となっており、締結具3が挿入される第1挿入孔71が形成されている。また、第1カラー部材7の外径D5は、第1挿通孔41の形状に合わせて形成されている。そのため、第1カラー部材7の第1フランジ部212の第1挿通孔41に嵌め込まれている。第1カラー部材7の左右方向の長さL3(第1カラー部材7の中心軸方向の長さ)は、第1挿通孔41の左右方向の長さL4(第1挿通孔41の中心軸方向の長さ)よりも小さく形成されている。なお、締結前において、第1カラー部材7の左右方向の長さL3と第1挿通孔41の左右方向の長さL4との差は、第1挿通孔41の左右方向の長さL4の約1%程度の大きさとなっている。
【0036】
第1カラー部材7の左面は、
図4に示すように、締結具3の鍔部31と当接する第1当接面72となっている。第1当接面72は、第1接触面42よりも右方に位置している。第1カラー部材7の右面は、第2カラー部材8の左面と当接する第2当接面73となっている。第2当接面73は、第2接触面43よりも左方に位置している。つまり、締結後において、第1フランジ部212の第1接触面42および第2接触面43は、それぞれ押しつぶされている。
【0037】
第2カラー部材8は、
図4に示すように、略円筒状となっており、締結具3が挿入される第2挿入孔81が形成されている。また、第2カラー部材8の外径D3、D4は、第2挿通孔51の形状に合わせて形成されている。すなわち、第2カラー部材8は、第2径大部82(径大環状部および鍔部の一例)と、第2径大部82の外径D3よりも外径D4が小さい第2径小部83(胴部の一例)とを有している。ここで、第2径大部82は、第2カラー部材8の第2径小部83と一体に形成されている。そして、第2径大部82は、第2径小部83と第1カラー部材7との間に配置されている。また、第2径大部82の外径D3は、第1カラー部材7の外径D5および第2カラー部材8の第2径小部83の外径D4よりも大きくなっている。
【0038】
第2径大部82の外径D3は、第1径大部51aの外径D1(
図3(b)参照)よりも小さくなっている。第2径小部83の外径D4は、第1径小部51bの外径D2(
図3(b)参照)と略同じとなっている。そのため、第2カラー部材8は、第2フランジ部222の第2挿通孔51に嵌め込まれている。また、締結前において、第2カラー部材8の第2径大部82の左右方向の長さL5は、第2挿通孔51の第1径大部51aの左右方向の長さL1(
図3(b)参照)よりも大きくなっている。なお、第2カラー部材8の第2径大部82の左右方向の長さL5と、第2挿通孔51の第1径大部51aの左右方向の長さL1との差は、第2挿通孔51の第1径大部51aの左右方向の長さL1の約1%程度の大きさとなっている。また、締結後において、第2径小部83の左右方向の長さL6は、第2挿通孔51の第1径小部51bの左右方向の長さL2(
図3(b)参照)と略同じ長さとなっている。
【0039】
第2カラー部材8の左右方向の長さL7(第2カラー部材8の中心軸方向の長さ)は、
図4に示すように、第2挿通孔51の左右方向の長さL8(第2挿通孔51の中心軸方向の長さ)よりも大きく形成されている。第2カラー部材8の左右方向の長さL7と第2挿通孔51の左右方向の長さL8との差は、第2挿通孔51の左右方向の長さL8の約1%程度の大きさとなっている。このように、締結前において、第2カラー部材8の左端部は、第2挿通孔51の左端部よりも左方に突出している。すなわち、第2径大部82の左端部は、第2接触面43から左方に突出している。
【0040】
第2カラー部材8の左面は、
図4に示すように、第1カラー部材7の第2当接面73と接触する第3当接面84となっている。第3当接面84は、第3接触面52よりも左方に位置している。第2カラー部材8の右面は、シリンダヘッド13と当接する第4当接面85となっている。つまり、締結後において、第2フランジ部222の第3接触面52および第4接触面53は、それぞれ押しつぶされている。
【0041】
また、第2接触面43には、シール部材9が配置されている。シール部材9は、第1カラー部材7と第2カラー部材8とが挟み込むことにより押しつぶされる。このようにして、第1フランジ部212と第2フランジ部222との間のシール性がシール部材9により確保されている。さらに、第4接触面53には、シール部材9が配置されている。シール部材9は、第2カラー部材8とシリンダヘッド13とが挟み込むことにより押しつぶされる。このようにして、第2フランジ部222とシリンダヘッド13との間のシール性がシール部材9により確保されている。
【0042】
(吸気装置の取付方法)
以下、上記した構成を有する吸気装置2のシリンダヘッド13への取付方法に関して説明する。
【0043】
図5(a)に示すように、金属製の第1カラー部材7を第1挿通孔41に挿入した樹脂製の第1フランジ部212を準備する工程を行なう。すなわち、第1吸気部21の第1フランジ部212の第1挿通孔41に第1カラー部材7を嵌め込む工程となっている。次に、
図5(b)に示すように、金属製の第2カラー部材8を第2挿通孔51に挿入した樹脂製の第2フランジ部222を準備する工程を行なう。すなわち、第2吸気部22の第2フランジ部222の第2挿通孔51に第2カラー部材8を嵌め込む工程となっている。
【0044】
次に、
図5(c)に示すように、第1カラー部材7と第2カラー部材8の第2径小部83との間に第2カラー部材8の第2径大部82を配置する工程を行なう。すなわち、シリンダヘッド13の左方に、第2カラー部材8を嵌め込んだ第2フランジ部222および第1カラー部材7を嵌め込んだ第1フランジ部212をこの順に配置する。このとき、第2径大部82は、第1フランジ部212の第2接触面43と第2フランジ部222の第3接触面52との境界面60において、第3接触面52から第2接触面43側に突出するように配置される。すなわち、第2径大部82は、第2フランジ部222の第2接触面43よりも左方に突出するように配置される。ここで、第2フランジ部222の第2接触面43と第2カラー部材8の左面との隙間A1は、第2フランジ部222の第4接触面53と第2カラー部材8の右面との隙間A2よりも小さくなっている。
【0045】
次に、
図4に示すように、第1カラー部材7、第2カラー部材8の第2径大部82および第2カラー部材8の第2径小部83に締結具3を挿入した状態にする工程を行なう。そして、シリンダヘッド13に対して、第1フランジ部212および第2フランジ部222を締結具3により共締めする工程(以下、共締工程)を行なう。このとき、第1カラー部材7、第2カラー部材8の第2径大部82、第2カラー部材8の第2径小部83およびシリンダヘッド13が接触した状態になるまで、締結具3により締結する工程を行なう。すなわち、第1カラー部材7の第1当接面72が締結具3の鍔部31に当接し、第1カラー部材7の第2当接面73が第2カラー部材8の第3当接面84に当接する状態である。さらに、第2カラー部材8の第4当接面85がシリンダヘッド13の前面13e(取付面の一例)に当接する状態である。
【0046】
共締工程において、締結具3により締結する際に、第1フランジ部212の第1接触面42が締結具3の鍔部31により押しつぶされる。さらに、第1フランジ部212の第2接触面43が第2カラー部材8の第3当接面84により押しつぶされる。また、第2フランジ部222における第2挿通孔51の第1径大部51aの左面が、第2カラー部材8の第2径大部82により押しつぶされる。すなわち、締結具3の締結力に基づいて、第1フランジ部212は、締結具3の鍔部31と第2カラー部材8の第2径大部82により圧縮される。さらに、締結具3の締結力に基づいて、第2フランジ部222は、第2カラー部材8の第2径大部82とシリンダヘッド13により圧縮される。このようにして、第1フランジ部212と第2フランジ部222とは、密着される。
【0047】
(実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0048】
本実施形態では、上記のように、樹脂製の第1フランジ部212および樹脂製の第2フランジ部222が共締めされた状態において、金属製の第1カラー部材7、金属製の第2カラー部材8が互いに接触している。これにより、第1カラー部材7、第2カラー部材8に締結具3の締結による荷重が加えられる分、樹脂製の第1フランジ部212および樹脂製の第2フランジ部222に対する、締結部材およびシリンダヘッド13からの過度な荷重を抑制することができる。このため、樹脂製の第1フランジ部212および樹脂製の第2フランジ部222における過度な応力の発生により、時間の経過に伴い徐々に歪変形が大きくなるクリープが、樹脂製の第1フランジ部212および樹脂製の第2フランジ部222に発生することを抑制することができる。この結果、吸気装置2の樹脂製の第1フランジ部212および樹脂製の第2フランジ部222のクリープによる締結具3の緩みの発生を抑制することができる。
【0049】
また、第2カラー部材8に第2径大部82が設けられている。これにより、第1カラー部材7が第2カラー部材8内に入り込むことを抑制することができる。さらに、第2カラー部材8が第2挿通孔51内に入り込むことを抑制することができる。この結果、第1フランジ部212および第2フランジ部222が共締めされた状態において、締結具3、第1カラー部材7、第2カラー部材8の互いの間のいずれかに隙間が発生することを抑制することができる。また、第1カラー部材7および第2カラー部材8が接触している。これにより、第1カラー部材7および第2カラー部材8が接触していない場合より、締結部材の締結力(軸力)を一定に保ち易くすることができる。
【0050】
また、本実施形態では、締結前においては、第2カラー部材8の第2径大部82が、第2フランジ部222の第3接触面52よりも左方に突出している。このため、締結後においては、第2カラー部材8の第2径大部82が、第1フランジ部212の第2接触面43および第2挿通孔51の第1径大部51aの左面を押しつぶすことになる。これにより、締結具3の鍔部31と第2径大部82とが第1フランジ部212を確実に挟み込むことができ、また、第2径大部82とシリンダヘッド13とが第2フランジ部222を確実に挟み込むことができる。この結果、締結具3の鍔部31および第2径大部82のそれぞれと第1フランジ部212との間に隙間を生じ難くすることができる。また、第2径大部82およびシリンダヘッド13のそれぞれと第2フランジ部222との間に隙間を生じ難くすることができる。
【0051】
また、本実施形態では、第2カラー部材8において、第2径小部83と第2径大部82とが一体に形成されている。これにより、第2カラー部材8において、第2径小部83と第2径大部82とを別体に形成するよりも、部品点数を減少させることができるとともに、締結作業をより簡単に行うことができる。
【0052】
また、本実施形態では、第1カラー部材7、第2カラー部材8の第2径大部82、第2カラー部材8の第2径小部83およびシリンダヘッド13が接触した状態になるまで、締結具3をねじ込んでいる。これにより、締結具3に過度な締結力を加えて第1フランジ部212および第2フランジ部222を過度に圧縮しようとしても、第1カラー部材7および第2カラー部材8により第1フランジ部212および第2フランジ部222を過度に圧縮することを抑制することができる。この結果、樹脂製の第1フランジ部212および樹脂製の第2フランジ部222に過度な荷重が加えられることが抑制され、樹脂製の第1フランジ部212および樹脂製の第2フランジ部222の破損を抑制することができる。
【0053】
[第1変形例]
次に、
図6を参照して、本実施形態の第1変形例による樹脂部材の取付構造について説明する。特に、第1変形例の樹脂部材の取付構造では、樹脂製の第2フランジ部222Aの第2挿通孔51Aが、上記実施形態の第1径小部51bと第1径大部51aとを備えていないことを特徴とする。また、図中において、上記実施形態と同様の構成には、本実施形態と同じ符号を付して説明を省略している。また、第1変形例において、本実施形態と異なる構成については、符号の後ろにAを付している。
【0054】
図6に示すように、樹脂製の第2フランジ部222Aは、第2挿通孔51A近傍に形成されるベース部224Aと、ベース部224Aから左方向に突出する凸部225Aとを有している。凸部225Aの左面には、第1フランジ部212の第2接触面43およびシール部材9Aが接触している。また、ベース部224Aの左面と第1フランジ部212の第2接触面43との間には隙間が形成されている。なお、第1変形例のその他の構成は、上記した実施形態と同様である。
【0055】
(第1変形例の効果)
第1変形例では、以下のような効果を得ることができる。
【0056】
第1変形例では、第2フランジ部222Aに凸部225Aを形成することにより、ベース部224Aの左面と第1フランジ部212の第2接触面43との間に隙間を設けたとしても、第1フランジ部212の第2接触面43に設けられたシール部材9Aを凸部225Aが押しつぶすことができる。この結果、第1フランジ部212と第2フランジ部222Aとの間のシール性を確保することができる。また、ベース部224Aの左面よりも左側に凸部225Aの左面が配置されているので、締結具3による締結の際、第2接触面43とベース部224Aとが接触する前に、第2接触面43は凸部225Aの左面に接触する。これにより、ベース部224Aの左面から第2接触面43に対する、締結具3による締結の際に発生する反力は、ベース部224Aの左面と第2接触面43とが接触せず隙間が形成された場合は発生しない。この結果、締結具3による締結の際に、凸部225Aを設けない場合よりも、締結具3の締結に必要な締結力を低減させることができる。なお、ベース部224Aの左面と第2接触面43とが接触し隙間が形成されない場合でも、凸部225Aの左面が押しつぶされた状態なので、ベース部224Aの左面から第2接触面43に対する、締結具3による締結の際に発生する反力を低減させることができる。この結果、締結具3による締結の際に、凸部225Aを設けない場合よりも、締結具3の締結に必要な締結力を低減させることができる。なお、第1変形例の効果は、上記した実施形態と同様である。
【0057】
[第2変形例]
次に、
図7を参照して、本実施形態の第2変形例による樹脂部材の取付構造について説明する。特に、第2変形例の樹脂部材の取付構造では、樹脂製の第1フランジ部212Bの第1挿通孔41に嵌め込まれた第1カラー部材7Bが第3径大部74Bを有していることを特徴とする。また、図中において、上記実施形態と同様の構成には、本実施形態と同じ符号を付して説明を省略している。また、第2変形例において、本実施形態と異なる構成については、符号の後ろにBを付している。
【0058】
図7に示すように、第1カラー部材7Bは、第3径大部74B(径大環状部および鍔部の一例)と、第3径大部74Bよりも外径が小さい第3径小部75B(胴部の一例)とを有している。ここで、第3径大部74Bは、第1カラー部材7Bの第3径小部75Bと一体に形成されている。そして、第3径大部74Bは、第3径小部75Bと第2カラー部材8Bとの間に配置されている。また、第3径大部74Bの外径は、第2カラー部材8Bの外径および第1カラー部材7Bの第3径小部75Bの外径よりも大きくなっている。
【0059】
第1カラー部材7Bの左面は、
図7に示すように、締結具3の鍔部31と当接する第1当接面72Bとなっている。第1カラー部材7Bの右面は、第2カラー部材8Bの左面と当接する第2当接面73Bとなっている。第2カラー部材8Bの左面は、
図7に示すように、第1カラー部材7Bの第2当接面73Bと接触する第3当接面84Bとなっている。第2カラー部材8Bの右面は、シリンダヘッド13と当接する第4当接面85Bとなっている。
【0060】
第1フランジ部212Bは、第1挿通孔41近傍に形成されるベース部214Bと、ベース部214Bから右方に突出する凸部215Bとを有している。ベース部214Bの右面と第2フランジ部222Bの第3接触面52Bとの間には隙間が形成されている。凸部215Bの右面には、シール部材9Bが設けられている。シール部材9Bは、第2フランジ部222Bの第3接触面52Bに接触している。なお、第2変形例のその他の構成は、上記した実施形態と同様である。
【0061】
(第2変形例の効果)
第2変形例では、以下のような効果を得ることができる。
【0062】
第2変形例では、第1カラー部材7Bが第3径大部74Bを有している。これにより、第3径大部74Bが直接的に樹脂製の第2フランジ部222に圧縮力を加えることができる。この結果、第1フランジ部212Bと第2フランジ部222Bとをより確実に密着させることができる。なお、第2変形例の効果は、上記した実施形態と同様である。
【0063】
[第3変形例]
次に、
図8および
図9を参照して、本実施形態の第3変形例による樹脂部材の取付構造について説明する。特に、第3変形例の樹脂部材の取付構造では、樹脂製の第1フランジ部212Cの第1挿通孔41に嵌め込まれた第1カラー部材7Cに第3径大部74Bが形成されておらず、さらに、樹脂製の第2フランジ部222Cの第2挿通孔51に嵌め込まれた第2カラー部材8Cに第2径大部82が形成されていないことを特徴とする。また、図中において、上記実施形態と同様の構成には、本実施形態と同じ符号を付して説明を省略している。また、第3変形例において、本実施形態と異なる構成については、符号の後ろにCを付している。
【0064】
図8および
図9に示すように、吸気装置2の取付構造は、金属製の第1カラー部材7Cおよび金属製の第2カラー部材8Cとは別体に設けられた金属製のワッシャー部材90Cを含んでいる。ここで、第1カラー部材7Cおよび第2カラー部材8Cは、それぞれ円筒状となっている。ワッシャー部材90Cは、中心部分に締結具3が挿通する孔が形成された環状となっている。
【0065】
第1カラー部材7Cの左面は、
図9に示すように、締結具3の鍔部31と当接する第1当接面72Cとなっている。第1カラー部材7Cの右面は、ワッシャー部材90Cの左面と当接する第2当接面73Cとなっている。第2カラー部材8Cの左面は、
図9に示すように、ワッシャー部材90Cの右面と接触する第3当接面84Cとなっている。第2カラー部材8Cの右面は、シリンダヘッド13と当接する第4当接面85Cとなっている。ワッシャー部材90Cの左面は、第1カラー部材7Cの右面と当接する第5当接面91Cとなっている。ワッシャー部材90Cの右面は、第2カラー部材8Cの左面と当接する第9当接面92Cとなっている。なお、第3変形例のその他の構成は、上記した実施形態と同様である。
【0066】
(第3変形例の効果)
第3変形例では、以下のような効果を得ることができる。
【0067】
第3変形例では、円筒状の第1カラー部材7Cまたは第2カラー部材8Cのいずれかにワッシャー部材90Cを一体に設けるよりも、第1カラー部材7Cおよび第2カラー部材8Cの形状を簡略化することができる。その結果、第1カラー部材7Cおよび第2カラー部材8Cの製造を行い易くすることができる。なお、第3変形例の効果は、上記した実施形態と同様である。
【0068】
[変形例]
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0069】
たとえば、上記実施形態では、特許請求の範囲の「吸気装置の取付構造」および「樹脂部材の取付構造」の一例として、吸気装置2の取付構造を示したが、本発明はこれに限定されない。本発明の取付構造は、たとえば、樹脂製のシリンダヘッドカバーと金属製のシリンダブロックとの締結部付近の構造に適用してもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、特許請求の範囲の「樹脂部材」の一例として、第1吸気部21(インテークマニホールド12)および第2吸気部22(インテークポート)を示したが、本発明はこれに限定されない。本発明では、
図10に示す本実施形態の第4変形例のように、インテークマニホールド12とシリンダヘッド13との間に、特許請求の範囲の「第2吸気部12D」として樹脂製の第2フランジ部222Dを有する気流制御弁15Dを配置してもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、第1カラー部材7の左右方向の長さL3と第1挿通孔41の左右方向の長さL4との差は、第1挿通孔41の左右方向の長さL4の約1%程度の大きさとなっているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、第1カラー部材7の左右方向の長さL3と第1挿通孔41の左右方向の長さL4との差は、第1挿通孔41の左右方向の長さL4の約1%以上約5%以下の大きさとなってもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、第2カラー部材8の左右方向の長さL7と第2挿通孔51の左右方向の長さL8との差は、第2挿通孔51の左右方向の長さL8の約1%程度の大きさとなっているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、第2カラー部材8の左右方向の長さL7と第2挿通孔51の左右方向の長さL8との差は、第2挿通孔51の左右方向の長さL8の約1%以上約5%以下の大きさとなってもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、第1カラー部材7と特許請求の範囲に記載の径大環状部である第2径大部82を含む第2カラー部材8とは別体となっているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、第1カラー部材と第2カラー部材と径大環状部とは、一体に形成されてもよい。
【0074】
また、上記実施形態では、第2径大部82の左端部は、第2接触面43から左方に突出しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、第2径大部の左端部と第2接触面とは面一となっていてもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、第1カラー部材7は第1挿通孔41に嵌め込まれ、第2カラー部材8は第2挿通孔51に嵌め込まれているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、第1カラー部材は第1フランジ部にインサート成形により組み込まれ、第2カラー部材は第2フランジ部にインサート成形により組み込まれてもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、吸気装置2は、第1フランジ部212および第2フランジ部222を有しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、第3フランジ部、第4フランジ部を有していてもよい。