(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の野菜苗移植機などの移植機の作業能率は、必ずしも十分に高くなかった。
【0007】
なお、より具体的には、カムの形状変更などなしに移植物の種類および生育度などを考慮しての設定株間の変更をより容易に実現することが望ましい。
【0008】
また、より具体的には、左右方向における車体の水平性の維持をより確実に実現することが望ましい。
【0009】
本発明は、上述された従来の課題を考慮し、作業能率を向上することができる移植機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の本発明は、車体(10)を走行させる走行装置(12)と、
供給された移植物を受入れて植付ける植付け具(51)と、
前記植付け具(51)を昇降させるとともに前後方向において揺動させる、前記車体(10)へ取付けられた植付け具リンク機構(80)と、
前記植付け具リンク機構(80)を駆動する、前記車体(10)へ取付けられた駆動機構(70)と、
を備え、
前記植付け具リンク機構(80)は、第1リンクアーム(100)と、第2リンクアーム(200)と、前記第1リンクアーム(100)および前記第2リンクアーム(200)の対応するそれぞれの一端(101、201)同士を回動可能に連結している、前記植付け具(51)が取付けられている植付け具取付け部材(300)と、前記第1リンクアーム(100)および前記第2リンクアーム(200)の対応するそれぞれの他端(102、202)同士を連結しているリンクアーム連結部材(400)と、を有し、
前記リンクアーム連結部材(400)の構造は、植付けられる前記移植物の株間の広狭に対応して調節可能であり、
前記リンクアーム連結部材(400)は、
一端(411)が前記第1リンクアーム(100)の前記他端(102)と回動可能に連結されている、前記車体(10)へ回動可能に取付けられた第1スイングアーム(410)と、
一端(421)が前記第2リンクアーム(200)の前記他端(202)と回動可能に連結されている、前記車体(10)へ回動可能に取付けられた第2スイングアーム(420)と、
一端(431)が前記第1スイングアーム(410)の他端(412)と回動可能に連結されており、他端(432)が前記第2スイングアーム(420)の他端(422)と回動可能に連結されている連結アーム(430)と、
を有し、
前記第1スイングアーム(410)における前記連結アーム(430)の第1スイングアーム連結位置(P1)、および前記第2スイングアーム(420)における前記連結アーム(430)の第2スイングアーム連結位置(P2)の内の少なくとも一方は、変更可能であり、
前記リンクアーム連結部材(400)の構造は、前記第1スイングアーム連結位置(P1)および前記第2スイングアーム連結位置(P2)の内の少なくとも一方を変更することにより、前記株間の広狭に対応して調節可能であり、
前記第1スイングアーム(410)の車体取付け部(413)と前記第1スイングアーム連結位置(P1)との間の距離の、前記第2スイングアーム(420)の車体取付け部(423)と前記第2スイングアーム連結位置(P2)との間の距離に対するアーム比が変更されることにより、前記株間がより狭い場合においては、前記植付け具(51)のより狭い幅の下端静軌跡(λ)が実現されることを特徴とする移植機である。
第2の本発明は、前記連結アーム(430)の長さは、変更可能であり、
前記前後方向における前記植付け具(51)の傾きは、前記連結アーム(430)の長さを変更することにより、調節可能であることを特徴とする第1の本発明の移植機である。
第3の本発明は、前記第1リンクアーム(100)は、前記駆動機構(70)により駆動される駆動リンクアームであり、
前記第2リンクアーム(200)は、前記第1リンクアーム(100)の上方に配置された従動リンクアームであり、
前記植付け具(51)の移植物受入れ口(51a)は、前記第2リンクアーム(200)の前記一端(201)の下方に配置されていることを特徴とする第1の本発明の移植機である。
本発明に関連する第1の
発明は、車体(10)を走行させる走行装置(12)と、
供給された移植物を受入れて植付ける植付け具(51)と、
前記植付け具(51)を昇降させるとともに前後方向において揺動させる、前記車体(10)へ取付けられた植付け具リンク機構(80)と、
前記植付け具リンク機構(80)を駆動する、前記車体(10)へ取付けられた駆動機構(70)と、
を備え、
前記植付け具リンク機構(80)は、第1リンクアーム(100)と、第2リンクアーム(200)と、前記第1リンクアーム(100)および前記第2リンクアーム(200)の対応するそれぞれの一端(101、201)同士を回動可能に連結している、前記植付け具(51)が取付けられている植付け具取付け部材(300)と、前記第1リンクアーム(100)および前記第2リンクアーム(200)の対応するそれぞれの他端(102、202)同士を連結しているリンクアーム連結部材(400)と、を有し、
前記リンクアーム連結部材(400)の構造は、植付けられる前記移植物の株間の広狭に対応して調節可能であることを特徴とする移植機である。
【0011】
本発明に関連する第2の
発明は、前記リンクアーム連結部材(400)は、
一端(411)が前記第1リンクアーム(100)の前記他端(102)と回動可能に連結されている、前記車体(10)へ回動可能に取付けられた第1スイングアーム(410)と、
一端(421)が前記第2リンクアーム(200)の前記他端(202)と回動可能に連結されている、前記車体(10)へ回動可能に取付けられた第2スイングアーム(420)と、
一端(431)が前記第1スイングアーム(410)の他端(412)と回動可能に連結されており、他端(432)が前記第2スイングアーム(420)の他端(422)と回動可能に連結されている連結アーム(430)と、
を有することを特徴とする
本発明に関連する第1の
発明の移植機である。
【0012】
本発明に関連する第3の
発明は、前記第1スイングアーム(410)における前記連結アーム(430)の第1スイングアーム連結位置(P1)、および前記第2スイングアーム(420)における前記連結アーム(430)の第2スイングアーム連結位置(P2)の内の少なくとも一方は、変更可能であり、
前記リンクアーム連結部材(400)の構造は、前記第1スイングアーム連結位置(P1)および前記第2スイングアーム連結位置(P2)の内の少なくとも一方を変更することにより、前記株間の広狭に対応して調節可能であることを特徴とする
本発明に関連する第2の
発明の移植機である。
【0013】
本発明に関連する第4の
発明は、前記連結アーム(430)の長さは、変更可能であり、
前記前後方向における前記植付け具(51)の傾きは、前記連結アーム(430)の長さを変更することにより、調節可能であることを特徴とする
本発明に関連する第2または第3の
発明の移植機である。
【0014】
本発明に関連する第5の
発明は、前記第1リンクアーム(100)は、前記駆動機構(70)により駆動される駆動リンクアームであり、
前記第2リンクアーム(200)は、前記第1リンクアーム(100)の上方に配置された従動リンクアームであり、
前記植付け具(51)の移植物受入れ口(51a)は、前記第2リンクアーム(200)の前記一端(201)の下方に配置されていることを特徴とする
本発明に関連する第1の
発明の移植機である。
【0015】
本発明に関連する第6の
発明は、供給された移植物を受入れて植付ける植付け具(51)と、
車体(10)を走行させる走行装置(12)と、
油圧バルブ(1100)を有する、左右方向における前記車体(10)の水平性を維持する油圧機構(1000)と、
センサーウェイト(2010)を有する、前記油圧バルブ(1100)を回動させる油圧バルブ回動機構(2000)と、
を備え、
前記油圧バルブ回動機構(2000)は、
上端(2110)が前記油圧バルブ(1100)へ取付けられている第1センサーアーム(2100)と、
下端(2220)が前記センサーウェイト(2010)へ取付けられている第2センサーアーム(2200)と、
前記第1センサーアーム(2100)の下端(2120)、および前記第2センサーアーム(2200)の上端(2210)を回動可能に連結しているセンサーアーム連結部材(2300)と、
上端(2410)が前記第1センサーアーム(2100)へ取付けられており、下端(2420)が前記第2センサーアーム(2200)へ取付けられているセンサーアームスプリング(2400)と、
を有することを特徴とする移植機である。
【0016】
本発明に関連する第7の
発明は、前記第1センサーアーム(2100)の前記下端(2120)には、下端平坦面(2121)が形成されており、
前記第2センサーアーム(2200)の前記上端(2210)には、前記下端平坦面(2121)に当接する上端平坦面(2211)が形成されており、
前記センサーアーム連結部材(2300)は、凹部(2311)と、凸部(2312)と、を有し、
前記凹部(2311)は、前記下端平坦面(2121)および前記上端平坦面(2211)の内の一方に設けられており、
前記凸部(2312)は、前記下端平坦面(2121)および前記上端平坦面(2211)の内の他方に設けられていることを特徴とする
本発明に関連する第6の
発明の移植機である。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、リンクアーム連結部材(400)の構造は、植付けられる移植物の株間の広狭に対応して調節可能であるので、移植物の種類および生育度などを考慮しての設定株間の変更をより容易に実現することにより、作業能率を向上することが可能である。
本発明に関連する第1の
発明により、リンクアーム連結部材(400)の構造は、植付けられる移植物の株間の広狭に対応して調節可能であるので、移植物の種類および生育度などを考慮しての設定株間の変更をより容易に実現することにより、作業能率を向上することが可能である。
【0018】
本発明に関連する第2の
発明により、
本発明に関連する第1の
発明の効果に加えて、リンクアーム連結部材(400)は、第1スイングアーム(410)と、第2スイングアーム(420)と、連結アーム(430)と、を有するので、簡単な構成で設定株間の変更を実現することが可能である。
【0019】
本発明に関連する第3の
発明により、
本発明に関連する第2の
発明の効果に加えて、リンクアーム連結部材(400)の構造は、第1スイングアーム連結位置(P1)および第2スイングアーム連結位置(P2)の内の少なくとも一方を変更することにより、株間の広狭に対応して調節可能であるので、簡単な操作で設定株間の変更を実現することが可能である。
【0020】
本発明に関連する第4の
発明により、
本発明に関連する第2または第3の
発明の効果に加えて、前後方向における植付け具(51)の傾きは、連結アーム(430)の長さを変更することにより、調節可能であるので、移植物植付け時の移植物前倒れまたは移植物後倒れなどの発生を抑制することが可能である。
【0021】
本発明に関連する第5の
発明により、
本発明に関連する第1の
発明の効果に加えて、植付け具(51)の移植物受入れ口(51a)は、第2リンクアーム(200)の一端(201)の下方に配置されているので、移植物受入れを何時でもより確実に実行することが可能である。
【0022】
本発明に関連する第6の
発明により、油圧バルブ回動機構(2000)は、第1センサーアーム(2100)と、第2センサーアーム(2200)と、センサーアーム連結部材(2300)と、センサーアームスプリング(2400)と、を有するので、左右方向における車体(10)の水平性の維持をより確実に実現することにより、作業能率を向上することが可能である。
【0023】
本発明に関連する第7の
発明により、
本発明に関連する第6の
発明の効果に加えて、センサーアーム連結部材(2300)は、凹部(2311)と、凸部(2312)と、を有するので、簡単な構成で車体(10)の水平性の維持を実現することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら、本発明における実施の形態について詳細に説明する。
【0026】
はじめに、
図1〜3を主として参照しながら、本実施の形態の野菜苗移植機の構成および動作について具体的に説明する。
【0027】
ここに、
図1は本発明における実施の形態の野菜苗移植機の左側面図であり、
図2は本発明における実施の形態の野菜苗移植機の上面図であり、
図3は本発明における実施の形態の野菜苗移植機の部分背面図である。
【0028】
以下同様であるが、いくつかの構成要素は図面において示されていないこともあるし省略的に示されていることもある。たとえば、
図1においては、油圧機構1000は示されていない。
【0029】
本実施の形態の野菜苗移植機は本発明における移植機の一例であり、本実施の形態の野菜苗は本発明における移植物の一例である。
【0030】
最初に説明されるのは、本実施の形態の野菜苗移植機の基本的な構成および動作である。したがって、たとえば、野菜苗植付けホッパーリンク機構80および油圧機構1000に関連する構成および動作などについては、後に詳細に説明する。
【0031】
駆動後輪12は本発明における走行装置の一例であり、野菜苗植付けホッパー51は本発明における植付け具の一例である。
【0032】
なお、上記の野菜苗移植機は、ネギやニラ等の野菜の苗だけでなく、接木用に用いられる橘等の樹木の苗の移植にも用いるものである。
【0033】
本実施の形態の野菜苗移植機は、エンジン20、操作ユニット30、野菜苗供給テーブル40、野菜苗植付け装置50、および鎮圧機構60などを備える。
【0034】
車体10の前部には、エンジン20などが、左右一対の従動前輪11とともに配置されている。
【0035】
操作ユニット30は、車体10のメインフレーム14へ取付けられている、ユーザーが車体10の後方を歩きながら車体操向操作を実行するための操縦ハンドル13の中央部に配置されており、メインクラッチレバーなどを有する。
【0036】
野菜苗供給テーブル40は、ループ状に連結されて周回移動させられる、ユーザーにより投入された野菜苗を収容する複数の野菜苗収容カップ41などを有する。
【0037】
車体10の後部には、野菜苗植付けホッパー51がホッパー下端静軌跡λ(
図5〜16参照)に沿って移動させられる、野菜苗供給テーブル40により落下供給された野菜苗を植付ける野菜苗植付け装置50、および植付けられた野菜苗の周辺の土壌に鎮圧荷重を負荷する鎮圧機構60などが、左右一対の駆動後輪12とともに配置されている。
【0038】
駆動後輪12は、車体10を走行させる手段である。
【0039】
野菜苗植付けホッパー51は、供給された野菜苗を受入れて植付ける手段である。
【0040】
なお、駆動後輪12などのような車輪ではない、クローラーが車体10を走行させる手段である変形例の実施の形態も、考えられる。
【0041】
(A)つぎに、
図4を主として参照しながら、野菜苗植付けホッパーリンク機構80に関連する構成および動作などについて詳細に説明する。
【0042】
ここに、
図4は、本発明における実施の形態の野菜苗移植機の野菜苗植付けホッパーリンク機構80近傍の部分斜視図である。
【0043】
野菜苗受入れ口51aは本発明における移植物受入れ口の一例であり、野菜苗植付けホッパーリンク機構80は本発明における植付け具リンク機構の一例であり、野菜苗植付けホッパー取付け部材300は本発明における植付け具取付け部材の一例である。
【0044】
野菜苗植付けホッパーリンク機構80は、野菜苗植付けホッパー51を昇降させるとともに前後方向において揺動させる、車体10へ取付けられた手段である。
【0045】
左側の野菜苗植付けホッパー51の状態遷移位相と右側の野菜苗植付けホッパー51の状態遷移位相との間の差異は180度であるが、左右両側の野菜苗植付けホッパー51の構成および動作などは同様であるので、左側の野菜苗植付けホッパー51について主として説明する。
【0046】
操縦ハンドル13のフレームは、上昇して野菜苗受入れ時の上死点位置に至った野菜苗植付けホッパー51の上方に配置されている。したがって、野菜苗植付けホッパー51は、野菜苗植付け条の間の距離が小さい場合においても、操縦ハンドル13と干渉しない。
【0047】
操縦ハンドル13のフレームは、左右両側の野菜苗植付けホッパーリンク機構80の外側に配置されている。したがって、野菜苗植付けホッパーリンク機構80は、操縦ハンドル13と干渉しない。
【0048】
操縦ハンドル13のフレームは、上昇して野菜苗受入れ時の上死点位置に至った野菜苗植付けホッパー51の後方に配置されている。したがって、野菜苗植付けホッパー51は、野菜苗植付け条の間の距離が小さい場合においても、操縦ハンドル13と干渉せず、野菜苗受入れは何時でもより確実に実行される。
【0049】
駆動機構70は、野菜苗植付けホッパーリンク機構80を駆動する、車体10へ取付けられた手段である。
【0050】
基本的には、駆動機構70の動作は植付けられる野菜苗の株間の広狭に対応して調節されず、車体10の走行速度が調節される。もちろん、調節される車体10の走行速度は、設定株間が広い場合において大きく、設定株間が狭い場合において小さい。
【0051】
野菜苗植付けホッパーリンク機構80は、第1リンクアーム100と、第2リンクアーム200と、野菜苗植付けホッパー取付け部材300と、リンクアーム連結部材400と、を有する。
【0052】
野菜苗植付けホッパー取付け部材300は、第1リンクアーム100および第2リンクアーム200の対応するそれぞれの一端101および201同士を回動可能に連結している、野菜苗植付けホッパー51が取付けられている部材である。
【0053】
リンクアーム連結部材400は、第1リンクアーム100および第2リンクアーム200の対応するそれぞれの他端102および202同士を連結している部材である。
【0054】
一端101は後側の端であり、他端102は前側の端である。一端201は後側の端であり、他端202は前側の端である。
【0055】
リンクアーム連結部材400の構造は、植付けられる野菜苗の株間の広狭に対応して調節可能である。
【0056】
後に詳述されるように、野菜苗植付けホッパー51のホッパー下端静軌跡λがカム部材72の第1スイングアーム接触カムの形状変更なしに調節可能であるので、植付けられる野菜苗の株間の広狭への対応が野菜苗の種類および生育度などを考慮して容易に実現される。
【0057】
リンクアーム連結部材400は、第1スイングアーム410と、第2スイングアーム420と、連結アーム430と、を有する。
【0058】
第1スイングアーム410は、一端411が第1リンクアーム100の他端102と回動可能に連結されている、車体10へ回動可能に取付けられたアームである。
【0059】
第1スイングアーム410は略ブーメラン形状であり、中央部の車体取付け部413が車体10へ回動可能に取付けられている。
【0060】
第2スイングアーム420は、一端421が第2リンクアーム200の他端202と回動可能に連結されている、車体10へ回動可能に取付けられたアームである。
【0061】
第2スイングアーム420は略ブーメラン形状であり、中央部の車体取付け部423が車体10へ回動可能に取付けられている。
【0062】
連結アーム430は、一端431が第1スイングアーム410の他端412と回動可能に連結されており、他端432が第2スイングアーム420の他端422と回動可能に連結されているアームである。
【0063】
一端411は後側の端であり、他端412は前側の端である。一端421は後側の端であり、他端422は前側の端である。一端431は下側の端であり、他端432は上側の端である。
【0064】
側面視において上下方向に並べて配置される第1スイングアーム410の揺動角度と第2スイングアーム420の揺動角度との間の差異があまり大きくはならず、野菜苗植付けホッパー51を前後方向において揺動させるための構成が特別な前後平行リンクの配置なしに実現される。第1スイングアーム410の姿勢も第2スイングアーム420の姿勢も常にほぼ直立姿勢であり極端な倒伏姿勢とはならないので、野菜苗植付けホッパーリンク機構80の前後長さの増加が抑制される。
【0065】
第1リンクアーム100は、駆動機構70により駆動される駆動リンクアームである。
【0066】
第2リンクアーム200は、第1リンクアーム100の上方に配置された従動リンクアームである。
【0067】
駆動機構70は、クランク部材71と、カム部材72と、を有する。クランク部材71の一端は、第1リンクアーム100のクランク部材連結部103と回動可能に連結されている。カム部材72は、カム部材接触ローラーを有する第1スイングアーム410のカム部材接触部414に接触する。
【0068】
クランク部材71およびカム部材72がそれぞれ作用する第1リンクアーム100および第1スイングアーム410は、アームおよび軸などが装着される、いわゆる昇降アーム機構を構成する。本実施の形態においては、強度を要求される、このように第2リンクアーム200の下方に配置された機構の重心位置は高くならないので、野菜苗植付けホッパー51のホッパー下端静軌跡λは不安定にならない。
【0069】
駆動機構70により駆動される、第1リンクアーム100および第1スイングアーム410の動作は、リンクアーム連結部材400の構造の調節により影響されない。
【0070】
第1リンクアーム100および第1スイングアーム410に従動する、野菜苗植付けホッパー取付け部材300、第2リンクアーム200、第2スイングアーム420および連結アーム430の動作は、リンクアーム連結部材400の構造の調節により影響される。
【0071】
第2スイングアーム420と車体10との間には、スプリング92が取付けられている。したがって、カム部材72は第1スイングアーム410へ安定的に作用するのみならず、第1リンクアーム100および第1スイングアーム410に従動する、第2スイングアーム420および連結アーム430はガタつかない。
【0072】
野菜苗植付けホッパー51の野菜苗受入れ口51aは、第2リンクアーム200の一端201の下方に配置されている。
【0073】
野菜苗植付けホッパー51の野菜苗受入れ口51aは、第2リンクアーム200の一端201から十分に離れており、リンクアーム連結部材400の構造の調節により影響されない、第1リンクアーム100の一端101の近傍にある。したがって、野菜苗受入れ時の野菜苗受入れ口51aの位置は植付けられる野菜苗の株間の広狭に関わらずほぼ一定であり、野菜苗受入れは何時でもより確実に実行される。
【0074】
野菜苗植付けホッパー51と車体10との間には、スプリング91が取付けられている。したがって、スプリング91の付勢力により、昇降させられると共に前後方向において揺動させられる際に苗植付ホッパー51に生じるガタが打ち消されるので、苗植付ホッパー51がガタつきにより苗の植付に適さない動作をしたり、姿勢になったりすることが防止される。これにより、苗の植付姿勢や植付深さが安定すると共に、植え付け損ないにより作業者が手作業で苗を植え付ける作業が不要になる。
【0075】
第1スイングアーム410における連結アーム430の第1スイングアーム連結位置P1、および第2スイングアーム420における連結アーム430の第2スイングアーム連結位置P2は、変更可能である。
【0076】
リンクアーム連結部材400の構造は、第1スイングアーム連結位置P1および第2スイングアーム連結位置P2を変更することにより、株間の広狭に対応して調節可能である。
【0077】
言うまでもなく、第1スイングアーム連結位置P1および第2スイングアーム連結位置P2の内の少なくとも一方が変更可能であればよく、リンクアーム連結部材400の構造は、第1スイングアーム連結位置P1および第2スイングアーム連結位置P2の内の少なくとも一方を変更することにより、株間の広狭に対応して調節可能であればよい。
【0078】
本実施の形態においては、前側および後側の第1スイングアーム連結位置P1に対応した2個の第1スイングアーム連結孔が形成されており、前側および後側の第2スイングアーム連結位置P2に対応した2個の第2スイングアーム連結孔が形成されている。
【0079】
なお、1個の第1スイングアーム連結孔しか形成されておらず、3個の第2スイングアーム連結孔が形成されている変形例の実施の形態も、考えられる。
【0080】
図5〜16を主として参照しながら、第1スイングアーム連結位置P1および第2スイングアーム連結位置P2に関連する構成および動作などについて詳細に説明するとつぎの通りである。
【0081】
ここに、
図5〜16は、本発明における実施の形態の野菜苗移植機の野菜苗植付けホッパーリンク機構80近傍の部分左側面図(その一から十二)である。
【0082】
図5〜8においては、設定株間が広い場合において、野菜苗植付けホッパー51が斜め後方へ下降して野菜苗植付け時の下死点位置に至り斜め前方へ上昇して野菜苗受入れ時の上死点位置に至る状態遷移が示されている。設定株間が広い場合においては、後側の第1スイングアーム連結位置P1および前側の第2スイングアーム連結位置P2が利用される。
【0083】
図9〜12においては、設定株間が狭い場合において、野菜苗植付けホッパー51が斜め後方へ下降して野菜苗植付け時の下死点位置に至り斜め前方へ上昇して野菜苗受入れ時の上死点位置に至る状態遷移が示されている。設定株間が狭い場合においては、前側の第1スイングアーム連結位置P1および後側の第2スイングアーム連結位置P2が利用される。
【0084】
図13〜16においては、設定株間が標準的である場合において、野菜苗植付けホッパー51が斜め後方へ下降して野菜苗植付け時の下死点位置に至り斜め前方へ上昇して野菜苗受入れ時の上死点位置に至る状態遷移が示されている。設定株間が標準的である場合においては、後側の第1スイングアーム連結位置P1および後側の第2スイングアーム連結位置P2が利用されてもよいが、本件では、前側の第1スイングアーム連結位置P1および前側の第2スイングアーム連結位置P2が利用される形態を一例として示す。
【0085】
図5〜8において示されているように、設定株間が広い場合においては、第1スイングアーム410の車体取付け部413と第1スイングアーム連結位置P1との間の距離が小さく、第2スイングアーム420の車体取付け部423と第2スイングアーム連結位置P2との間の距離が大きいので、リンクアーム連結部材400の構造の調節により影響されない第1スイングアーム410の揺動はそのままであるが、リンクアーム連結部材400の構造の調節により影響される第2スイングアーム420の揺動は小さくなる。したがって、たとえば、斜め後方へ下降させられてきた野菜苗植付け時の野菜苗植付けホッパー51のホッパー下端は、第2スイングアーム420の揺動が小さいので、第1リンクアーム100から見ると後方へ寄り(
図6参照)、広い設定株間に対応した広い幅のホッパー下端静軌跡λが実現される。
【0086】
図9〜12において示されているように、設定株間が狭い場合においては、第1スイングアーム410の車体取付け部413と第1スイングアーム連結位置P1との間の距離が大きく、第2スイングアーム420の車体取付け部423と第2スイングアーム連結位置P2との間の距離が小さいので、リンクアーム連結部材400の構造の調節により影響されない第1スイングアーム410の揺動はそのままであるが、リンクアーム連結部材400の構造の調節により影響される第2スイングアーム420の揺動は大きくなる。したがって、たとえば、斜め後方へ下降させられてきた野菜苗植付け時の野菜苗植付けホッパー51のホッパー下端は、第2スイングアーム420の揺動が大きいので、第1リンクアーム100から見ると前方へ寄り(
図10参照)、狭い設定株間に対応した狭い幅のホッパー下端静軌跡λが実現される。
【0087】
野菜苗植付け時の野菜苗植付けホッパー51のホッパー下端の動きについて、設定株間が広い場合(
図6参照)と設定株間が狭い場合(
図10参照)とを相対的に対比させてより具体的に説明すると、つぎの通りである。
【0088】
設定株間が広い場合(
図6参照)においては、上述されたように、第2スイングアーム420の揺動は小さいので、第2リンクアーム200の前後方向における動きも小さい。そして、第1リンクアーム100の動きは、そもそも設定株間により影響されない。このため、第1リンクアーム100および第2リンクアーム200を回動可能に連結している野菜苗植付けホッパー取付け部材300は、後方へ移動しながら、前方へ傾く。したがって、野菜苗植付けホッパー取付け部材300と一体である野菜苗植付けホッパー51も全体的に前方へ倒れていくので、最も下側にある野菜苗植付けホッパー51のホッパー下端は後方へ突出していく。したがって、広い設定株間に対応した広い幅のホッパー下端静軌跡λが実現される。
【0089】
設定株間が狭い場合(
図10参照)においては、上述されたように、第2スイングアーム420の揺動は大きいので、第2リンクアーム200の前後方向における動きも大きい。そして、第1リンクアーム100の動きは、そもそも設定株間により影響されない。このため、第1リンクアーム100および第2リンクアーム200を回動可能に連結している野菜苗植付けホッパー取付け部材300は、後方へ移動しながら、後方へ傾く。したがって、野菜苗植付けホッパー取付け部材300と一体である野菜苗植付けホッパー51は全体的に後方へ倒れていくので、最も下側にある野菜苗植付けホッパー51のホッパー下端は前方へ突出していく。したがって、狭い設定株間に対応した狭い幅のホッパー下端静軌跡λが実現される。
【0090】
このように、車体取付け部413と第1スイングアーム連結位置P1との間の距離の、車体取付け部423と第2スイングアーム連結位置P2との間の距離に対するアーム比は、変更される。すると、第1スイングアーム410の揺動はそのままであるが、第2スイングアーム420の揺動は調節され、野菜苗植付けホッパー51のホッパー下端静軌跡λがカム部材72の第1スイングアーム接触カムの形状変更なしに調節可能である。
【0091】
連結アーム430の長さは、変更可能である。
【0092】
前後方向における野菜苗植付けホッパー51の傾きは、連結アーム430の長さを変更することにより、調節可能である。
【0093】
本実施の形態においては、連結アーム430の長さはターンバックル構成を利用して変更可能であり、野菜苗植付けホッパー51のホッパー下端静軌跡λが調節されるのみならず、前後方向における野菜苗植付けホッパー51の傾きは野菜苗植付け時の野菜苗前倒れまたは野菜苗後倒れなどの発生が抑制されるように調節される。
【0094】
(B)つぎに、
図17(a)および17(b)を主として参照しながら、油圧機構1000に関連する構成および動作などについて詳細に説明する。
【0095】
ここに、
図17(a)および17(b)は、本発明における実施の形態の野菜苗移植機の油圧バルブ回動機構2000近傍の模式的な部分背面図(その一および二)である。
【0096】
図17(a)においては、第1センサーアーム2100および第2センサーアーム2200が一直線上に並んでいる状態が示されている。
図17(b)においては、第1センサーアーム2100および第2センサーアーム2200が一直線上に並んでいない状態が示されている。
【0097】
油圧機構1000は、油圧バルブ1100を有する、左右方向における車体10の水平性を維持する手段である。
【0098】
油圧バルブ回動機構2000は、センサーウェイト2010(
図18参照)を有する、油圧バルブ1100を回動させる手段である。
【0099】
油圧バルブ回動機構2000は、第1センサーアーム2100と、第2センサーアーム2200と、センサーアーム連結部材2300と、センサーアームスプリング2400と、を有する。
【0100】
第1センサーアーム2100は、上端2110が油圧バルブ1100へ取付けられているアームである。
【0101】
第2センサーアーム2200は、下端2220(
図18参照)がセンサーウェイト2010へ取付けられているアームである。
【0102】
センサーアーム連結部材2300は、第1センサーアーム2100の下端2120、および第2センサーアーム2200の上端2210を回動可能に連結している部材である。
【0103】
センサーアームスプリング2400は、上端2410が第1センサーアーム2100へ取付けられており、下端2420が第2センサーアーム2200へ取付けられているスプリングである。
【0104】
第2センサーアーム2200が第1センサーアーム2100に対し相対的に回動しようとしなければ、センサーアームスプリング2400により引張られている第1センサーアーム2100および第2センサーアーム2200は一直線上に並んでいる。
【0105】
たとえば、左側の駆動後輪12が接地している圃場面が高くなると、それまで左右方向において傾いていなかった車体10は矢印Xの向きに傾く。このとき、一直線上に並んだまま直立姿勢を維持するはずである、第1センサーアーム2100および第2センサーアーム2200は、実際には直立姿勢を維持することができず車体10とともに矢印Xの向きに回動する。これは、油圧バルブ1100が取付けられている油圧機構1000の作動油開閉板は作動油の流体抵抗のために車体10とともに傾き、上端2110が油圧バルブ1100へ取付けられている第1センサーアーム2100は結局のところ車体10とともに傾くからである。
【0106】
しかしながら、下端2220がセンサーウェイト2010へ取付けられている第2センサーアーム2200はセンサーウェイト2010の荷重のために矢印Xの向きに回動し続けることができず、第1センサーアーム2100および第2センサーアーム2200はやがて矢印Xの向きとは逆である矢印Yの向きに回動し始めて直立姿勢を回復しようとする。すると、油圧機構1000の油圧シリンダーが駆動され、走行チェーンケース21の出力軸へ取付けられた左側の駆動後輪12が車体10に対し相対的に上向きに移動して油圧バルブ1100の状態がニュートラル状態に戻るように、左側の走行チェーンケース21が入力軸の周りに回動する。したがって、左右方向における車体10の水平性は、このような油圧機構1000によるローリング動作で維持される。
【0107】
しかしながら、たとえば、上述されたように矢印Yの向きに回動して直立姿勢を回復した第1センサーアーム2100および第2センサーアーム2200は、自身の重量や、回動動作による運動エネルギーにより、勢い余って慣性でさらに矢印Yの向きに回動することがあり、油圧機構1000によるローリング動作が繰返されていると、ローリング動作におけるハンチング現象が惹起されてしまう恐れがある。
【0108】
ハンチング現象が発生していると、車体10が圃場面に対して水平な姿勢にならず機体左右どちらか一方に傾斜している状態で野菜苗植付け装置50による苗の植付けが行われることになり、植え付けられた苗は直立でなく、左右どちらか一方に傾斜した姿勢になる。傾斜姿勢で植えられた苗は、左右で土中に埋設される量が変動するので、苗の下部側が気温の影響を受け、生育不良により他の苗よりも遅れて育ち、後工程である追肥や薬剤散布、収穫時期に影響を及ぼしたり、収穫物の品質が低下したりする問題が生じる。また、苗が生育初期に枯れてしまい、収穫量が減少する問題も生じる。
【0109】
また、苗が傾斜姿勢のまま成長すると、成長して葉部が大きくなったり、実が実ったりして上部側が重くなると、収穫前に倒伏し、収穫作業が行いにくくなる問題が生じる。
【0110】
本実施の形態においては、そのようなローリング動作におけるハンチング現象が惹起されてしまう恐れはほとんどないので、苗の植付け姿勢が安定し、苗の生育が安定するので、苗の植付けに起因する後工程の作業能率の低下や収穫物の品質の低下が生じにくくなる。
【0111】
これは、第2センサーアーム2200は勢い余って慣性でさらに矢印Yの向きに回動しても、上端2210がセンサーアーム連結部材2300により第1センサーアーム2100の下端2120と回動可能に連結されている第2センサーアーム2200は第1センサーアーム2100に対し相対的に回動するので、第1センサーアーム2100はさらに矢印Yの向きに回動せず直立姿勢を回復することができるからである(
図17(b)参照)。
【0112】
もちろん、たとえば、車体10が左右方向においてスライドすることもあるので、第2センサーアーム2200が第1センサーアーム2100に対し相対的に回動するタイミングなどはさまざまである。
【0113】
たとえば、むしろ第1センサーアーム2100および第2センサーアーム2200が上述されたように車体10とともに矢印Xの向きに回動しようとするタイミングで、第2センサーアーム2200が第1センサーアーム2100に対し相対的に回動するかもしれない。このような場合においては、第2センサーアーム2200はほぼそのままで第1センサーアーム2100が回動するかもしれないし、第1センサーアーム2100はほぼそのままで第2センサーアーム2200が回動するかもしれない。何れにせよ、第1センサーアーム2100はあまり回動せず直立姿勢をほぼ維持することができ、上述された油圧機構1000の作動油開閉板が、センサーウェイト2010の荷重は大きく印加されないので、破損しにくいという効果も期待される。
【0114】
第1センサーアーム2100の下端2120には、下端平坦面2121が形成されている。
【0115】
第2センサーアーム2200の上端2210には、下端平坦面2121に当接する上端平坦面2211が形成されている。
【0116】
センサーアーム連結部材2300は、凹部2311と、凸部2312と、を有する。
【0117】
凹部2311は、上端平坦面2211に設けられている。
【0118】
凸部2312は、下端平坦面2121に設けられている。
【0119】
言うまでもなく、凹部2311は下端平坦面2121および上端平坦面2211の内の一方に設けられていればよく、凸部2312は下端平坦面2121および上端平坦面2211の内の他方に設けられていればよい。
【0120】
たとえば、溝により設けられた凹部2311、およびピンにより設けられた凸部2312は、上端平坦面2211と下端平坦面2121との密着性を促進する磁力を印加するためのマグネットを利用して設けられている。
【0121】
センサーウェイト2010の荷重がウェイト速度の変化に起因して大きく印加されなければ、センサーアームスプリング2400により引張られている第1センサーアーム2100および第2センサーアーム2200は一直線上に並んでおり、並んでいる2個の凸部2312は2個の凹部2311に両方とも入っている。センサーウェイト2010の荷重が大きく印加されると、第2センサーアーム2200は第1センサーアーム2100に対し相対的に回動し、たとえば、右側の凸部2312は右側の凹部2311から出る(
図17(b)参照)。
【0122】
凹部2311の横にある上端平坦面2211の両角には、第1センサーアーム2100に対し相対的に回動した第2センサーアーム2200を押戻す第2センサーアーム規制ストッパーのように機能する平坦面面取りカッティング2121aが形成されている。平坦面面取りカッティング2121aが第2センサーアーム2200を押戻すと、下端平坦面2121に当接した上端平坦面2211は上述されたマグネットの磁力により下端平坦面2121と密着させられる。
【0123】
これに加えて、センサーアームスプリング2400は、慣性が大きくないときには第2センサーアーム2200を第1センサーアーム2100から離れないように引き寄せる付勢力を有するものとし、第2センサーアーム2200が自重で垂れ下がり、センサーアームスプリング2400を変形させることや、車体10の傾斜時に第1センサーアーム2100が傾斜に対して十分に回動しない、または傾斜に対して過剰に回動し、苗の植付け姿勢が傾斜することを防止する。
【0124】
なお、油圧機構1000へ取付けられた2個のストッパーアーム2500(
図18参照)が第1センサーアーム2100および第2センサーアーム2200の左右方向における回動範囲を規制する変形例の実施の形態も、考えられる。
【0125】
また、
図18において示されているように、センサーアーム連結部材2300が回動ピン2320を有する変形例の実施の形態も、考えられる。
【0126】
ここに、
図18は、本発明における別の実施の形態の野菜苗移植機の油圧バルブ回動機構2000近傍の模式的な部分背面図である。
【0127】
ストッパーアーム2500は、第1センサーアーム2100および第2センサーアーム2200の左右方向における回動範囲を規制するアームである。2個のストッパーアーム2500は、油圧機構1000へ取付けられている。
【0128】
回動ピン2320は、左右方向において2個のストッパーアーム2500の間に配置されている。
【0129】
センサーアームスプリング2400の長さは変化可能であるので、第2センサーアーム2200は、センサーアームスプリング2400の上端2410と下端2420との間の距離が変化するが、第1センサーアーム2100に対し相対的に回動可能である。
【0130】
センサーアームスプリング2400の上端2410は、たとえば、回動ピン2320のすぐ下方に配置されており、第2センサーアーム2200が第1センサーアーム2100に対し相対的に回動しようとしなければ、センサーアームスプリング2400により引張られている第1センサーアーム2100および第2センサーアーム2200は一直線上に並んでいる。
【0131】
また、
図19〜21において示されているように、油圧バルブ回動機構2000がセンサーアーム2600およびカウンターウェイト2710を有する変形例の実施の形態も、考えられる。
【0132】
ここに、
図19は本発明に関連する発明における実施の形態の野菜苗移植機の油圧バルブ回動機構2000近傍の模式的な部分左側面図であり、
図20は本発明に関連する発明における実施の形態の野菜苗移植機の油圧バルブ回動機構2000近傍の模式的な部分上面図であり、
図21は本発明に関連する発明における実施の形態の野菜苗移植機の油圧バルブ回動機構2000近傍の模式的な部分正面図である。
【0133】
センサーアーム2600は、中央部が油圧バルブ1100へ取付けられているアームである。センサーアーム2600の上端はカウンターウェイトアーム2720の中央部に形成された孔へ遊嵌されており、センサーアーム2600の下端はセンサーウェイト2010へ取付けられている。
【0134】
カウンターウェイトアーム2720は、後端がカウンターウェイト2710へ取付けられているアームである。カウンターウェイトアーム2720の前端は、カウンターウェイトアーム回動ピン2740へ回動可能に取付けられている。
【0135】
車体10が左右方向において傾いても、カウンターウェイト2710は慣性のために左右方向において圃場に対し相対的にあまり動かないので、カウンターウェイトアーム2720も左右方向において圃場に対し相対的にあまり動かない。
【0136】
カウンターウェイトアーム回動ピン2740は、固定ピン2741でカウンターウェイトアームステー2730へ立設されている。
【0137】
したがって、回動して直立姿勢を回復したセンサーアーム2600が勢い余って慣性でさらに回動しても、センサーアーム2600の上端は後端がカウンターウェイト2710へ取付けられているカウンターウェイトアーム2720に当接するので、上述されたローリング動作におけるハンチング現象が惹起されてしまう恐れはほとんどなく、左右方向における微細な車体10の傾きに起因する不必要なローリング動作も抑制される。
【0138】
そして、カウンターウェイト2710はセンサーウェイト2010の上方に配置されており、左右方向における車体10の傾きに起因するカウンターウェイト2710の位置変化はセンサーウェイト2010の位置変化より大きくなりやすいので、カウンターウェイト2710は、荷重が比較的に小さくても、十分に機能する。
【0139】
さらに、カウンターウェイトアーム2720の前端は、たとえば、遊嵌孔を利用してカウンターウェイトアーム回動ピン2740へ取付けられているので、車体10が左右方向においてスライドすることがあっても、カウンターウェイトアーム2720の後端が取付けられているカウンターウェイト2710はあまり動かない。
【0140】
カウンターウェイトアームステー2730は、取付けプレート2731で油圧機構1000へ取付けられている。
【0141】
カウンターウェイト牽制スプリング2711の前端はカウンターウェイトアームステー2730へ取付けられており、カウンターウェイト牽制スプリング2711の後端はカウンターウェイト2710へ取付けられている。
【0142】
したがって、カウンターウェイト2710の位置は、左右方向において車体10に対し相対的に変化しにくい。
【0143】
カウンターウェイトアームストッパー2750は、カウンターウェイトアーム2720の左右方向における回動範囲を規制するストッパーである。2個のカウンターウェイトアームストッパー2750は、カウンターウェイトアームステー2730へ取付けられている。左右方向における2個のカウンターウェイトアームストッパー2750の間の距離は、要求されるストッパー感度に対応して調節可能である。
【0144】
したがって、中央部が油圧バルブ1100へ取付けられているセンサーアーム2600の上端がカウンターウェイトアーム2720に当接しても、後端がカウンターウェイト2710へ取付けられているカウンターウェイトアーム2720はカウンターウェイトアームストッパー2750に当接するので、上述されたローリング動作におけるハンチング現象が惹起されてしまう恐れはほとんどない。
【0145】
そして、カウンターウェイトアームストッパー2750は前後方向においてカウンターウェイトアーム回動ピン2740とカウンターウェイト2710との間に配置されており、カウンターウェイト2710とカウンターウェイトアーム回動ピン2740との間の距離の、カウンターウェイトアーム2720のストッパー当接位置とカウンターウェイトアーム回動ピン2740との間の距離に対するアーム比は十分に大きいので、カウンターウェイト2710は、荷重が比較的に小さくても、十分に機能する。
【0146】
上側ストッパー2810は、センサーアーム2600の左右方向における回動範囲を規制するストッパーである。2個の上側ストッパー2810は、カウンターウェイトアームステー2730へ取付けられている。左右方向における2個の上側ストッパー2810の間の距離は、要求されるストッパー感度に対応して調節可能である。
【0147】
下側ストッパー2820は、センサーアーム2600の左右方向における回動範囲を規制するストッパーである。2個の下側ストッパー2820は、油圧機構1000へ取付けられている。左右方向における2個の下側ストッパー2820の間の距離は、要求されるストッパー感度に対応して調節可能である。