(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
苗(N)の床部(Na)を挟持して下側に搬送する一対の苗下降送りベルト(37L,37R)と、該苗下降送りベルト(37L,37R)で搬送された苗(N)を圃場に植え付ける苗植付け手段(PT)とを設けた苗移植機において、
一対の苗下降送りベルト(37L,37R)の外周面には、搬送経路で隣接する苗(N)の間を仕切る下降送り突起(37aL,37aR)を、苗(N)よりも大径である床部(Na)の径(L1)よりも狭い形成間隔(L3)で各々形成し、
前記一対の苗下降送りベルト(37L,37R)は、一側の下降送り突起(37aL)と他側の下降送り突起(37aR)が互いにオーバーラップする配置構成とし、
前記一対の苗下降送りベルト(37L,37R)に苗(N)を搬送する苗供給ベルト(36)を設け、前記一対の苗下降送りベルト(37L,37R)はどちらか一側を他側よりも上下に長く構成すると共に、長い側を前記苗供給ベルト(36)の搬送下手側の側方に配置し、
前記苗供給ベルト(36)と前記苗下降送りベルト(37L,37R)の長い側の間には、苗供給ベルト(36)から苗下降送りベルト(37L,37R)に移動する苗(N)の上方への移動を規制しつつ苗下降送りベルト(37L,37R)に送り込む送り込み装置(91)を設け、
該送り込み装置(91)は、植付部伝動ケース(19)から駆動力を受けて回転する一方の送り込みローラ(92a)と、該送り込みローラ(92a)と共に回転する駆動プーリ(93a)と、従動プーリ(93b)と、該駆動プーリ(93a)の回転を従動プーリ(93b)に伝動する伝動ベルト(93c)と、前記従動プーリ(93b)と共に回転する他方の送り込みローラ(92b)で構成し、
前記一方の送り込みローラ(92a)は、他方の送り込みローラ(92b)よりも機体上側に配置したことを特徴とする苗移植機。
前記苗供給ベルト(36)と、前記苗下降送りベルト(37L,37R)と、前記苗植付け手段(PT)を備える移植装置(9)を、圃場内を走行する走行車体(10)に装着し、
該走行車体(10)の前側の左右中央部には、左右の前輪(11)を自動的に操舵する自動操向装置(41)を設け、
該自動操向装置(41)は、前端側が左右に揺動自在に装着される揺動アーム(46)と、該揺動アーム(46)の前端部に上下に回動自在に装着される支持アーム(45)と、該支持アーム(45)の先端部に回転自在に装着されるガイド輪(47)と、機体正面視でV字形状のガイド板(49)で構成し、
該移植装置(9)は、前記苗植付け手段(PT)が植え付けた苗(N)の周囲の土を覆土する覆土部材(31)を備えると共に、機体左右両外側には圃場面に接近して土の移動を規制する土止め部材(95)を備え、
前記移植装置(9)に、前記苗植付け手段(PT)が苗を植え付ける圃場面を先行して均す前鎮圧輪(28)を設け、該前鎮圧輪(28)の前側には、前記ガイド板(49)が圃場に形成した溝を埋める左右のレーキ(100,100)を設け、
前記前鎮圧輪(28)の支持フレーム(28a)には、固定フレーム(28b)を前鎮圧輪(28)を跨がせて設け、該固定フレーム(28b)の前側には、上下位置調節可能に取付フレーム(28c)を設け、該取付フレーム(28c)に前記左右のレーキ(100,100)を設けたことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の苗移植機。
【発明を実施するための形態】
【0022】
この発明の実施の一形態を、以下に説明する。なお、以下の実施の形態は、あくまで実施の一形態であって、特許請求の範囲を拘束するものではない。
【0023】
苗移植機8は、圃場に玉ねぎの苗を移植する苗移植機であり、移植装置9を走行車体10に装着した構成として、該走行車体10により自走しながら移植装置9が圃場に苗を移植していく構成としている。
【0024】
なお、本明細書では苗移植機8の前進方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右とし、前進側を前、後進側を後とする。
【0025】
走行車体10は、左右一対の駆動回転する前輪11,11と左右一対の駆動回転する後輪12,12を備え、操縦者が座る座席13と、該座席13の前方に配置されて操縦者が走行車体10の進行方向を変更操作するために左右一対の前輪11,11を左右に変向操作する操縦ハンドル14を備えている。
【0026】
また、
図1及び
図2では図示を省略したが、
図3に示すとおり、植付作業時に、左右の前輪11,11を自動操向させるための自動操向装置41を設けている。この自動操向装置41は、機体の前端左右中央部を回動支点にして前端側が左右に揺動自在に揺動アーム46を取り付け、該揺動アーム46の前端部には上下に回動自在な支持アーム45を取り付けている。該支持アーム45の先端部には、誘導体である回動自在なガイド輪47と機体正面視V字形状のガイド板49を支持している。なお、ガイド輪47の後方に、ガイド板49を配置している。
【0027】
そして、揺動アーム46が左右の前輪11のステアリング機構のピットマンアームと一体に作動するように、両者を連係手段で連結している。ピットマンアームは、左右のタイロッド51を介して、前輪11を操向させる周知の構成となっている。これにより、ガイド輪47及びガイド板49の左右方向の動きに連係して前輪11が操向される。
【0028】
また、揺動アーム46と支持アーム45とは電動シリンダ52を備える拡縮リンク53及び連結リンク54によって連結されており、ワイヤを介して移植装置9の昇降に連動して拡縮リンク53を拡縮させることにより、ガイド輪47が接地する状態と接地しない状態とに支持アーム45を回動させるようになっている。
【0029】
植付作業時には、ガイド輪47が接地する状態となり、ガイド輪47が圃場の表土に形成された誘導溝に沿って案内される。機体の進路が誘導溝に対し左右にずれると、ガイド輪47が左右方向に動き、その動きがピットマンアームに伝えられて、機体進路を誘導溝に一致させるように前輪11を操向する。
【0030】
このため、植付作業時に手離し運転が可能で、植付作業を中断することなく苗補給作業を行える。機体旋回時等に作業機を上昇させると、それに連動してガイド輪47が接地しない状態となり、上記自動操向が解除され、操縦ハンドル14の操作による操向に切り替わる。
【0031】
エンジン2の動力は主伝動ベルト70を介して走行伝動ケース71内に伝達され、走行伝動ケース71内からの動力が前輪11及び後輪12へ伝達されて機体が走行する。尚、後輪12は、左右各々の後輪伝動ケース50から支持され、該後輪伝動ケース50内からの伝動で駆動する。
【0032】
左右の後輪伝動ケース50は該左右の後輪伝動ケース50間に設けた後輪ローリングフレーム48に固着され、該後輪ローリングフレーム48が機体に対して前後方向の軸回りに左右にローリング自在に取り付けられ、後輪12が左右にローリングする。
【0033】
左右の前輪11は、走行伝動ケース71の左右両端部に構成された各々のアクスルケース部分81を介して支持される。
【0034】
移植装置9にはPTO軸43から移植装置9の伝動軸42を介してエンジン動力が伝達される。また、移植装置9は、苗箱Cを収容して搬送する苗箱供給手段17と該苗箱供給手段17が供給する苗箱Cの各セル1から順次苗Nを取出す苗取出し手段PUと該苗取出し手段PUが取出した苗Nを一つ一つ圃場に植付けていく苗植付け手段PTを設けた構成としている。
【0035】
したがって、上記のごとく各セル1で育成した苗Nを有する苗箱Cを苗箱供給手段17に装填すれば、苗箱Cの各セル1の苗Nは苗取出し手段PUによって順次自動的に苗Nが取出されていって、そして、その取出された苗Nは苗植付け手段PTによって一つ一つ畑圃場に植付けられていく。
【0036】
なお、苗箱供給手段17に収容して搬送する苗箱C内には、玉ねぎの苗を入れた小さなポット状のセル1を多数縦横に整列してあり、この苗箱Cは、ポリプロピレン等の合成樹脂により一体的に成型した可とう性のものである。このため、苗箱Cを苗箱供給手段17で移送するとき、該苗箱供給手段17の屈曲部でも曲がりながら移送可能となる。
【0037】
また、前記セル1の底面には三又状の底孔を設けており、この底孔により、育苗時に根が通過して置床に伸長させることができ、また育苗時にセル1内に灌水した水を排水することができ、更には苗取出し手段PUの後述する苗押出し用のピン24が苗を押し出すべく通過してセル1内に突入させることができる。
【0038】
次に、移植装置9について、具体的に説明する。苗箱供給手段17は、具体的には、機体側面視で走行車体10の座席13の後側近傍に配置され、走行車体10に搭乗した作業者が苗箱Cを装填する個所となる苗箱装填部17aと、該苗箱装填部17aに装填された苗箱Cを後下がりに搬送し、続いて屈曲搬送し、更に、苗取出し手段PUによる苗取出し位置p1に向けて下方に搬送する苗箱供給搬送部17bと、該苗箱供給搬送部17bにより搬送され苗取出し手段PUにより苗が取出されて空になった苗箱CをU字状に屈曲搬送し、更に苗箱装填部17aの下方位置に向けて上方に搬送する空箱搬送部17cを設けた構成としている。なお、苗箱装填部17aは、苗箱供給手段17において作業者に最も近い前端部に設けられている。
【0039】
苗箱装填部17aに装填される苗箱Cは、その苗箱Cの長手方向が前後方向に向く姿勢で、しかも、上面側(セル1の開口部)が上方に向く姿勢で装填される。
【0040】
したがって、装填された苗箱Cはその苗箱Cの長手方向に搬送されるものとなり、また、装填された苗箱Cの各セル1に収容された苗Nは、苗箱装填部17aでは葉茎部Nbが上方に向って伸びる姿勢となり、苗取出し位置p1では葉茎部Nbが後方に向って伸び且つ床部Naが葉茎部Nbに対して前側に位置する姿勢となるように搬送される。
【0041】
また、苗箱供給手段17には、空箱搬送部17cにより搬送されて、その搬送端部から排出される空の苗箱Cを受けて収容する空箱収容部17dを苗箱装填部17aの下方位置に設けたものとしている。
【0042】
苗箱供給手段17は支持フレーム18に支持され、該支持フレーム18は、その基部が植付部伝動ケース19に支持され、該植付部伝動ケース19には連結部材21が連結されている。該連結部材21は走行車体10に苗植付装置9を昇降自在に支持する単一の上リンク16aと一対の下リンク16bからなる3点リンク機構の苗植付装置9側の端部を上下方向に連結する上下部材22に連結している。
【0043】
苗取出し手段PUは、苗をセル1の底部側から押出して取出す構成としている。具体的には、棒状に設けた苗押出し用のピン24を、苗箱供給手段17の下側のU字状搬送部分の中にあってピン24の先端部分が後方に向かうように配置し、ピン24の先端部が後方に向かって突出し又前方に向かって引っ込むよう適宜タイミングで往復動するように設けている。
【0044】
これにより、苗押出しピン24が、苗取出し位置p1まで供給された苗箱Cのセル1の底部側からその底部に設けた底孔内に突入してセル1内の床部Naを後方に押し出して、苗Nをセル1から後方に取出すようになっている。
【0045】
また、この苗取出し手段PUは、苗Nを列状に並んだ状態で複数個同時にセル1から取出す構成としている。即ち、苗取出し位置p1に供給されてきた苗箱Cの左右横一列(苗箱Cの短手方向)のセル1…のそれぞれに対応して前記の苗押出し用のピン24を横並びに複数設けて、苗取出し位置p1の横一列の苗を同時に押し出して取出すように設けている。
【0046】
なお、苗取出し手段PUにより取出した複数の苗N…は、苗供給ベルト36と苗下降送りベルト37を有する苗供給手段NT1によって順次一つずつ苗植え付けディスク27を有する苗植付け手段PTに供給する構成とする。また、苗植え付けディスク27はPTO軸43からの駆動力が伝達される伝動軸42により駆動する植付ディスク駆動スプロケット26により回動される。
【0047】
苗植付け手段PTは、左右の植付ディスク27で苗Nを挟んで(具体的には、苗Nの葉茎部Nbを挟んで)畑地の移植圃場の土中に移動し植え付けるよう構成したものである。苗植付け手段PTの具体的な駆動構成は以下のようになっている。
【0048】
まず、エンジン2からの動力が走行車体10の後部に突出させたPTO軸43から自在継手44を備えた伝動軸42を介して移植装置9の前記連結部材21に設けた伝動機構から植付部伝動ケース19内に入力され、該伝動ケース19内の伝動機構を介して苗箱供給手段17の下部の下方近傍に配置された伝動ケース19内の機体左右方向に長い伝動軸33に伝動し、該伝動ケース19から後方に伸びるように設けた複数の苗供給手段NT1を回動させる構成である。
【0049】
複数の苗供給手段NT1から苗植付け手段PTに苗が受け渡されて、植付伝動ケース19内の伝動機構からの駆動で駆動する植付ディスク駆動スプロケット26により回転する植付ディスク27を備えた苗植付け手段PTなどによる苗の植付のための具体的な駆動構成の説明は省略する。
【0050】
前記苗供給手段NT1は、具体的には、
図7に示すとおり、左右両端側に駆動回転するように設けた一対の駆動ローラ34,34と左右中央側に回転自在に設けた一対の従動ローラ35,35と両ローラ34,34、35,35に巻き掛けた一対の苗供給ベルト36,36とを備えた構成としている。
【0051】
これにより、前記苗取出し手段PUにより取出されて左右横一列に列状に並んだ状態の複数個の苗N…を左右に並設された左右の苗供給ベルト36,36の上に載せ、そして、横一列の苗N…の左半分を左側の苗供給ベルト36の駆動回転で左方に搬送し、右半分を右側の苗供給ベルト36の駆動回転で右方に搬送し、左右の駆動ローラ34,34の左右外側方に各々設けた左右一対の苗下降送りベルト37L,37Rの上端部側(苗供給部26c,26c)に、苗Nの床部Naを一つずつ供給する。
【0052】
図6、
図8から
図12に示すとおり、左右一対の苗下降送りベルト37L,37Rのうち、左右外側(苗供給ベルト36から離間する側)の苗下降送りベルト37Rは、苗供給ベルト36の上面よりも上側にまで突出している。一方、左右内側(苗供給ベルト36に近い側)の苗下降送りベルト37Lは、苗供給ベルト36の下方に位置している。
【0053】
前記左右外側の苗下降送りベルト37Rの下降送り駆動プーリ371Rは、前記駆動ローラ34よりも大径で、且つ駆動ローラ34と軸中心が略同じとなる高さとなる位置に配置し、該下降送り駆動プーリ371Rよりも機体下方に下降送り従動プーリ372Rを回転自在に設ける。そして、該下降送り駆動プーリ371Rと下降送り従動プーリ372Rの上下間には、苗Nの搬送作用面に巻回域内から接触して撓みを抑える複数の下降送りテンションプーリ373aR,373bR,373cRを設けると共に、苗Nを下端部付近で放出した後の非搬送面に巻回域内から接触する調圧プーリ374Rを回転可能に設けている。
【0054】
なお、複数の下降送りテンションプーリ373aR,373bR,373cRのうち、最上部の下降送りテンションプーリ373aRと下降送り駆動プーリ371Rとの上下感覚は、複数の下降送りテンションプーリ373aR,373bR,373cRの各上下間隔、及び最下部の下降送りテンションプーリ373cRと下降送り従動プーリ372Rの上下間隔よりも狭くする構成とする。
【0055】
一方、前記左右内側の苗下降送りベルト37Lの下降送り駆動プーリ371Lは、前記駆動ローラ34よりも大径とする。そして、駆動ローラ34の下方で、且つ前記最上部の下降送りテンションプーリ373aRの機体内側方に配置する。また、該下降送り駆動プーリ371Rよりも機体下方で、且つ下降送り従動プーリ372Rの機体内側方に、下降送り従動プーリ372Lを回転自在に設ける。
【0056】
さらに、下降送り駆動プーリ371Lと下降送り従動プーリ372Lの上下間には、左右内側の苗下降送りベルト37Lの巻回域内に接触する下降送りテンションプーリ373Lを設ける。該下降送りテンションプーリ373Lは、機体左右方向に回動可能なテンションアーム374Lに回転可能に装着され、該テンションアーム374Lは、回動支点に設けるトルク・スプリング(図示省略)等の付勢部材により、苗下降送りベルト37Lの苗Nの搬送作用域側に向かって回動する構成とする。
【0057】
なお、前記下降送りテンションプーリ373Lは、最下部の下降送りテンションプーリ373cRと上下中央部の下降送りテンションプーリ373bRの上下間に位置するものとする。
【0058】
上記構成により、一対の苗下降送りベルト37L,37Rが密着して苗Nを保持し始める位置に、最上段の下降送りテンションプーリ373aRと下降送り駆動プーリ371Lにより挟持力を高めることができるので、苗Nを確実に下方に送り込むことができる。
【0059】
また、機体左右方向に回動可能なテンションアーム374Lに設けられた下降送りテンションプーリ373Lが、最下部の下降送りテンションプーリ373cRと上下中央部の下降送りテンションプーリ373bRの上下間に位置することにより、一対の苗下降送りベルト37L,37Rの上下間において挟持力を確保することができるので、苗Nが搬送途中で落下したり、挟持力不足により空転したりして苗N同士の搬送間隔が変化することが防止される。
【0060】
また、一対の苗下降送りベルト37L,37Rの搬送作用域に苗Nの大径の床部Naや、石等の夾雑物により詰まりが生じた際、テンションアーム374Lが苗下降送りベルト37Lに付勢力を加えない方向に回動できるので、負荷による破損や苗植付作業の中断が防止される。
【0061】
また、機体外側の下降送り駆動プーリ371Rが機体内側の下降送り駆動プーリ371Lよりも機体上側に位置することにより、苗下降送りベルト37Lの上端よりも苗下降送りベルト37Rの上端が上側に突出するので、苗供給ベルト36の移送終端部から左右外側へ放出される苗を、左右外側の苗下降送りベルト37Rの上端部で確実に受け止めることができ、苗Nが機外に放出されることが防止される。
【0062】
このとき、苗供給ベルト36と機体外側の苗下降送りベルト37Rの左右間隔L2は、苗Nの径L1と同じか、あるいはやや大きく設定する(L1≧L2)ことで、苗Nを確実に苗下降送りベルト37L,37Rの左右間に送り込む構成とする。
【0063】
図6、
図8及び
図9に示すとおり、一対の苗下降送りベルト37L,37Rの外周面には、搬送方向及び幅方向に所定間隔を空けて、下降送り突起37aL,37aRを各々形成する。機体外側の苗下降送りベルト37Rに形成する下降送り突起37aRと、機体内側の苗下降送りベルト37Lに形成する下降送り突起37aLとは、正面(背面)視において、互いにオーバーラップする配置構成、即ち、機体外側の下降送り突起37aRの前後間に機体内側の下降送り突起37aLが位置すると共に、機体内側の下降送り突起37aLの前後間に機体外側の下降送り突起37aRが位置する構成とする。この構成は、一対の苗下降送りベルト37L,37Rの巻回位置を調節して設定する。
【0064】
なお、下降送り突起37aL,37aRの搬送方向における形成間隔L3は、苗Nの床部Naの径L1よりも小径(L1>L3)とし、苗供給ベルト36から放出される苗Nの床部Naを受け止めると共に、搬送方向において床部Naを上下から挟持して落さないように搬送可能な構成とする。
【0065】
床部Naを挟持力で破損させることを防止し、且つ機体外側の下降送り突起37aRと機体内側の下降送り突起37aLの間に苗Nが入り込むことを可能とすべく、下降送り突起37aL,37aRは一対の苗下降送りベルト37L,37Rと同じく弾性体(ゴム、スポンジ等)で構成するとよい。
【0066】
また、一対の苗下降送りベルト37L,37Rの機体後側には、苗Nの茎葉部Nbの一部(床部Naの生え際)を挟持して垂れ下がりを防止しつつ搬送する、挟持搬送ベルト37bL,37bRを各々設ける。機体内側の挟持搬送ベルト37bLは、機体内側の苗下降送りベルト37Lと同様に下降送り駆動プーリ371L、下降送り従動プーリ372L及び下降送りテンションプーリ373Lに巻回する。一方、機体外側の挟持搬送ベルト37bRは、機体外側の苗下降送りベルト37Rと同様に、下降送り駆動プーリ371R、下降送り従動プーリ372R、下降送りテンションプーリ373aR,373bR,373cR及び調圧プーリ374Rに巻回するものとする。
【0067】
なお、挟持搬送ベルト37bL,37bRは、各搬送面を密着させるべく、苗下降送りベルト37L,37Rよりも厚みを有し、外周縁部が下降送り突起37aL,37aRの上下幅の中央位置と並ぶ構成とする。
【0068】
前記挟持搬送ベルト37bL,37bRは、柔らかく傷つきやすい苗Nの茎葉部Nbを傷付けることなく挟持すべく、スポンジやウレタン等の軟質部材で構成するとよい。これにより、茎葉部Nbが千切れて植え付けた苗が立ち枯れることや、傷により生育不良や収穫物の品質低下をもたらすことが防止される。
【0069】
苗下降送りベルト37L,37Rと挟持搬送ベルト37bL,37bは、各々独立して巻回し、調整作業や交換作業時に必要な部材だけを着脱可能にし、作業能率を向上させ得る構成としてもよい。または、苗下降送りベルト37L,37Rと挟持搬送ベルト37bL,37bを接着、あるいは一体形成し、どちらか一方が脱落することや、位相のズレにより苗Nの床部Naや茎葉部Nbを傷付けることを防止できる構成としてもよい。
【0070】
図6から
図12に示すとおり、前記苗供給ベルト36の外周面で、且つ苗Nの床部Naと茎葉部Nbの一部(床部Naの生え際)を搬送支持する機体前後一側(機体前側)には、搬送方向に亘って所定間隔ごとに横送り突起36aを形成する。また、この横送り突起36aは、前後方向にも所定間隔を空けて複数形成する(例:4本)。なお、搬送方向における横送り突起36a同士の間隔L4は、平均的な苗Nの床部Naの径L1よりも小さくする(L1>L4)。
【0071】
これにより、苗Nは横送り突起36a同士の間隔L4に一本ずつ入るので、所定間隔ごとに苗Nが搬送され、苗の植付間隔が乱れることが防止される。
【0072】
このとき、円錐状または円柱状の苗Nの床部Naを転がらせず支持すべく、横送り突起36aは三角形状(山型)に形成するとよい。
【0073】
なお、苗供給ベルト36の巻回域内で、且つ苗Nの搬送面側には、搬送始端部及び搬送終端部以外に亘って弛みを防止するテンションプレート36bを設けると共に、非搬送面の巻回域内に供給テンションローラ36cを設ける構成とすると、苗供給ベルト36が弛むことによる苗Nの間隔の乱れが防止される。
【0074】
前記苗供給ベルト36の前後幅方向における横送り突起36aの形成幅は、苗下降送りベルト37L,37Rと挟持搬送ベルト37bL,37bを合わせた前後幅と同じか、やや狭い範囲とする。
【0075】
これにより、横送り突起36aと下降送り突起37aL,37aRの左右間に苗Nが挟まれ、苗Nの引き継ぎ位置が乱れて苗の植付間隔(株間)が乱れることが防止されると共に、苗Nの床部Naが崩れて苗植付け手段PTによる苗Nの植付姿勢が乱れることが防止される。
【0076】
なお、横送り突起36aは、下降送り突起37aL,37aRよりも左右幅を広くして撓みにくく形成することで、苗Nとの接触で変形して苗Nを抑えなくなることが防止され、苗Nの苗植付け手段PTへの供給間隔が維持される構成とすることができる。
【0077】
また、
図9に示すとおり、苗供給ベルト36の搬送終端部と機体内側の苗下降送りベルト37Lの上下間には、苗供給ベルト36に張り付いて落下しない苗Nに接触して落下させると共に、苗供給ベルト36と苗下降送りベルト37Lに付着した土等の夾雑物を擦り落とすガイドスクレーパ90を配置する。
【0078】
これにより、床部Naが苗供給ベルト36に張り付いたまま非搬送面に搬送されることを防止できるので、苗Nの苗植付け手段PTへの供給間隔が乱れることが防止され、苗が植え付けられなかった箇所に苗Nを植え付ける作業が不要になる。
【0079】
また、苗供給ベルト36と苗下降送りベルト37Lに付着した夾雑物が擦り落とされることにより、苗下降送りベルト37L,37Rや挟持搬送ベルト37bL,37bに夾雑物が詰まり、負荷で破損することや、苗Nを挟持できず苗の搬送間隔を乱すことが防止される。
【0080】
また、
図9から
図12に示すとおり、苗供給ベルト36の搬送終端部の上方と、機体外側の苗下降送りベルト37Rの上部側の左右間には、苗供給ベルト36の搬送終端部から機体概測上方に飛び出した苗Nを受けると共に、苗下降送りベルト37L,37R側に案内する送り込み装置91を設ける。該送り込み装置91は、植付部伝動ケース19から駆動力を受けて各々反時計回りに回転する一対の送り込みローラ92a,92bで構成する。なお、苗Nの床部Naや茎葉部Nbを傷付けることを防止すべく、送り込みローラ92a,92bはゴムやスポンジ等の弾性部材で構成するとよい。
【0081】
また、一対の送り込みローラ92a,92bのうち、一方の送り込みローラ92aは他方の送り込みローラ92bよりも上方に配置し、接触した苗Nを下方に案内可能な配置とする。
【0082】
これにより、苗供給ベルト36の搬送終端部から遠心力によって苗Nが機体外側上方に跳ね上がることがあっても、送り込み装置91が苗Nを受けて機体外側下方に案内することができるので、苗Nが機外に落下することが防止され、余分な苗の消費が防止される。
【0083】
また、圃場に苗Nが植え付けられなかった箇所に苗を植える作業が不要になるので、作業者の労力が軽減される。
【0084】
なお、送り込み装置91は、
図13に示すとおり、一方の送り込みローラ92aを植付部伝動ケース19から駆動力を受けて回転する構成とし、他方の送り込みローラ92bは一方の送り込みローラ92aから駆動力を受けて回転する構成としてもよい。例えば、一方の送り込みローラ92aに駆動プーリ93aを設け、他方の送り込みローラ92bに従動プーリ93bを設け、伝動ベルト93cを巻回する構成が考えられる。駆動プーリ93aと従動プーリ93bを各々スプロケットに変更すると共に、伝動ベルト93cをチェーンに変更してもよい。
【0085】
あるいは、
図14に示すとおり、一方の送り込みローラ92aに出力ギア94aを設け、他方の送り込みローラ92bに入力ギア94bを設けると共に、出力ギア94aと入力ギア94bの間にカウンタギア94cを設ける構成としてもよい。
【0086】
左右一対の苗下降送りベルト37L,37R及び挟持搬送ベルト37bL,37bにより搬送される苗Nの葉茎部Nbを、苗植付け手段PTの左右一対の植付ディスク27が挟んだ直後に、苗下降送りベルト37L,37Rが下端から挟持していた苗Nの床部Naを開放し、植付ディスク27の回転駆動により、苗を約90度回転させて苗の姿勢を変更しながら、移植圃場の土壌中に移動させて苗を植付けていく。なお、苗植付け手段PTは、複数の苗供給部26cに対応して各々設けられている。
【0087】
よって、挟持搬送ベルト37bL,37bにより、左右一対の植付ディスク27へ受け渡すときの苗の葉茎部Nbを所望の姿勢に維持できるので、左右一対の植付ディスク27は、苗下降送りベルト37L,37Rから前後水平の適正な姿勢で苗の葉茎部Nbを挟持でき、ひいては苗を直立状態の適正な植付姿勢で植え付けることができる。
【0088】
ところで、苗取出し手段PUにより取出した苗Nが苗供給手段NT1の苗供給ベルト36,36上に直接載るように設ける構成もあるが、この実施例では、苗供給手段NT1が苗箱供給手段17の下方に入り込むように配置し、そのように配置した苗供給手段NT1に苗取出し手段PUにより取出した苗N…を移送する苗移送手段NT2を設けて、苗供給手段NT1が苗箱供給手段17の後方に突出せず移植装置9の前後長が短くなるように構成している。
【0089】
上記苗移送手段NT2は、苗取出し手段PUの苗押出しピン24…によって押出された横一列の苗N…の各床部Na…が係合する苗係合部56a…を備えた苗ホルダ56を設けていて、この苗ホルダ56を駆動回動するリンク38にて前記苗取出し位置p1と苗供給ベルト36,36の上方前方側近傍の苗受け渡し位置p4とを矢印Yのように往復移動させるように設けている。
【0090】
これにより、苗押出しピン24…が苗押出し作動により横一列の苗N…が各セル1…から押出されると、苗取出し位置p1に位置する苗ホルダ56の各苗係合部56a…に苗Nの床部Na…が係合して保持される。
【0091】
そして、苗ホルダ56がリンク38の回動により下方回動して前記苗受け渡し位置p4に移動する。このとき各苗係合部56a内に水平後方に軸心が向く姿勢で固定された第二の苗押出しピン39…の先端部が入り込んで各苗係合部56a…内に係合された苗Nの床部Na…が後方に押出されて、植付部伝動ケース19と一体のベルト支持部58に支持された苗供給ベルト36,36上に落とされるようになる。
【0092】
なお、第二の苗押出しピン39…により各苗係合部56a…内に係合された苗Nの床部Na…が後方に押出されたとき、くし状に設けた苗押し下げ部材40が下降して、該部材40が押出された各苗Nの床部Na…を押し下げ、迅速且つ適確に苗が苗供給ベルト36,36上に載置されるように設けている。また、苗押し下げ部材40は、植付部伝動ケース19に支持されている。
【0093】
前記苗ホルダ56には、
図21(a)(b)に示すとおり、複数の係合部56aに入り込んだ苗Nを保持するロック爪56bを、左右の係合部56aの左右間に設けており、回動支軸56cにより保持位置と非保持位置に回動可能に構成している。この回動支軸56cは、正面視において図面下側から苗Nの茎葉部Nbが入り込み、床部Naが通過し切る位置に配置する。また、係合部56aの左右間には、上下方向において、上下中央部よりも下部位置まで空間部が形成される。
【0094】
これにより、苗Nを保持しているときに、回動支軸56cが床部Naに接触し続けないので、回動支軸56cが土の詰まりにより回動しにくくなり、ロック爪56bが苗Nを支持したままとなり、苗Nの移動を妨げることが防止される。
【0095】
また、係合部56aの左右間の空間部が、上下方向において、上下中央部よりも下部位置まで形成されることにより、土が空間部から抜けやすく、一層詰まりの発生が防止される。
【0096】
前記苗ホルダ56により苗Nを移動させる際、風の影響で苗Nが飛ばされると圃場に苗Nが植え付けられない位置が発生し得るので、移植装置9の後部には、
図22に示すとおり、風の直接の曝露を防止する風防カバー99,99を各々設ける。
【0097】
しかしながら、風防カバー99,99を設けると、苗Nの取り出しから移動までに異常が生じている可能性がある際、風防カバー99,99を外す必要があり、余分な時間が発生する。
【0098】
この問題を解消すべく、
図22に示すとおり、風防カバー99,99の上下中央部よりも上側に空間部を形成し、この空間部に透明シート99a,99aを設け、風防カバー99,99を外すことなく確認可能な構成とするとよい。
【0099】
各苗植付け手段PTによる各苗植付け位置前方の移植圃場の表土面を均平する前鎮圧輪28が固定部材20に懸架されている。また固定部材20に懸架され、後輪12の踏み跡に案内されて移植装置9を支持する転動輪30が設けられている。
【0100】
さらに、上記移植装置9は一つの苗箱供給手段17に、該苗箱供給手段17に装填された苗箱Cから横一列づつ苗N…を取出す苗取出し手段PUと、該苗取出し手段PUにより取出された苗N…を苗供給手段NT1に受け渡す苗受け渡し手段NT2と、該苗受け渡し手段NT2により受け渡された横一列の苗N…を左右に設けた苗植付け手段PT,PTに供給する苗供給手段NT1と、そして、該苗供給手段NT1により供給された苗Nを移植圃場に植付けていく左右の苗植付け手段PT,PTとを備えて一つの苗箱Cから2条植えする構成としたものであり、このように構成した移植ユニットを左右に2体設けることで、4条植えに構成でき、また、n体設けることで2×n条植えに構成できるものとなっている。
【0101】
図17、
図19及び
図20に示すとおり、前記前鎮圧輪28の左右両側には、前鎮圧輪28の径よりも大径のサイドディスク98,98を各々設ける。このサイドディスク98,98により、前鎮圧輪28が鎮圧する土が左右両側に移動しようとしても、サイドディスク98,98によって側方への移動を規制されるので、苗Nを植え付ける位置の圃場面に凹凸が残ることが防止される。
【0102】
さらに、
図19及び
図20に示すとおり、前鎮圧輪28の前側には、自動走向装置41のガイド板49が圃場に形成した溝を埋める、平面視でヘの字形状の左右一対のレーキ100,100を設ける。前鎮圧輪28の支持フレーム28aには、前鎮圧輪28を跨ぐ左右の固定フレーム28b,28bを設け、この左右の固定フレーム28b,28bの前側に上下位置調節可能に取付フレーム28cを設け、前記左右のレーキ100,100を取付フレーム28cに各々装着する。
【0103】
なお、左右のレーキ100,100の屈曲部100aは、左右方向の中央部よりも機体内側で最も機体前側に突出する構成とする。
【0104】
これにより、ガイド板49が機体の左右方向中央部付近に形成する溝に土を寄せることができるので、苗Nの植付深さが乱れることが防止される。
【0105】
図5に示すとおり、固定部材20には前記前鎮圧輪28の後側に土ほぐし体29が設けられている。該土ほぐし体29は植付部フレーム25に支持され、該土ほぐし体29は植付ディスク27に対応した数で横一列に各植付ディスク27に対応した位置に配置されている。該土ほぐし体29でほぐされた圃場の土に苗が植付ディスク27により植え付けられる。植付ディスク27により植え付けられた各苗Nの周囲の土は一対の覆土輪31で覆われる。
【0106】
なお、植付ディスク27と覆土輪31は植付部フレーム25に上下回動可能に取り付けられた覆土輪・植付ディスク支持フレーム32に支持される。なお、覆土輪・植付ディスク支持フレーム32を上下動案内するプレート23が固定部材20に取り付けられている。
【0107】
前記植付ディスク27と覆土輪31は移植装置9の左右方向に亘って、所定間隔を空けて複数配置される。本例では、
図2等に示すとおり、植付ディスク27を4つ、一対の覆土輪31を4つ設け、四条分の苗Nを同時に植え付ける構成としている。
【0108】
傾斜地において、覆土輪31が苗Nの植付によって盛り上がった土を覆土する際、土が傾斜方向に移動することがある。特に、移植装置9の左右外側端部では、土が隣接条にまで移動する可能性があり、土が移動する方向に既に苗Nが植え付けられていると、苗Nに土がかかり、生育不良を起こす恐れがある。
【0109】
これを防止すべく、
図1、
図2、及び
図15から
図18に示すとおり、左右両外側に位置する覆土輪31よりも機体外側には、圃場面に接近して土が移植装置9の左右幅から移動することを阻止する土止めディスク95,95を各々設ける。この左右の土止めディスク95,95は、移植装置9の左右両外側に設けるボス96,96に上下位置調節自在に設けるロッド97,97の下部側に設け、ロッド97,97の上下位置を変更することにより、圃場面との高さを調節可能に構成する。
【0110】
これにより、傾斜地であっても土が移植装置9の側方に移動することを防止できるので、苗Nが土に埋もれて生育不良を起こすことを防止できるので、収穫物の品質や収量の低下が防止される。
【0111】
また、
図1及び
図5に示すとおり、走行車体10と移植装置9の前後方向の略中間部で走行車体10の両側部の取付フレーム55にフック55aを介して空苗箱Cの外寸法と略同等またはそれより少し大きめのサイズの空苗箱収納台57を走行車体10ひいては機体12に対して着脱できるように設けている。
【0112】
そのため、移植され、空になった苗箱Cを収納台57に落とし込むだけで、空苗箱収納台57の内部に空苗箱Cを整然と重ねることができるので、一枚ずつ重ねて別置した苗枠に運ぶ手間が省け、移植作業に集中することができる。
【0113】
ところで、
図1、
図2及び
図22に示すとおり、各2条毎の苗箱装填部17aの苗箱Cを載せる部分には、苗箱Cの底部から突出する根を切断するための根切断装置60を設けている。この根切断装置60は、線状の樹脂材(例えばナイロン製)からなる切断部材を回転板62の外周部に2本取り付けて設け、前記回転板62を切断用モータ63により上下方向の軸心回りに回転させることにより、前記切断部材を回転させて根を切断する構成となっている。
【0114】
この切断部材61が回転する位置には、苗箱Cの左右両側に当たって該苗箱Cを所望の通過位置へ案内する棒状の苗箱案内部64を左右に設けている。また、切断部材61が回転する位置には、根切断装置60上で苗箱Cが移動していることを検出する光電式の苗箱通過センサ65を設けている。
【0115】
従って、該苗箱通過センサ65により、根切断装置60上で苗箱Cが移動しているときには、切断用モータ63を駆動して根切断装置60(切断部材61)を作動させ、根切断装置60上で苗箱Cが停止しているとき又は根切断装置60上に苗箱Cがないときは、切断用モータ63を停止して根切断装置60(切断部材61)の作動を停止させる構成となっている。
【0116】
これにより、根切断装置60を不必要に駆動させずに、根切断装置60により苗箱Cの底部から突出する根を苗箱C全体にわたって適確に切断することができる。
【0117】
なお、苗箱案内部64、88及び苗箱通過センサ65を含む根切断装置60全体は、苗箱装填部17aに対して取付ボルトで着脱できる構成としており、底部から突出する根がないかあるいは少ない苗箱Cを苗箱装填部17aに装填するときには、苗箱装填部17aから取り外すことができる。