特許第6870691号(P6870691)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6870691
(24)【登録日】2021年4月19日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】作業機械
(51)【国際特許分類】
   F01P 11/10 20060101AFI20210426BHJP
   E02F 9/00 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   F01P11/10 C
   F01P11/10 K
   E02F9/00 M
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-11978(P2019-11978)
(22)【出願日】2019年1月28日
(65)【公開番号】特開2020-118140(P2020-118140A)
(43)【公開日】2020年8月6日
【審査請求日】2020年1月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】組谷 賢次郎
(72)【発明者】
【氏名】柏原 剛
【審査官】 小笠原 恵理
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−037057(JP,A)
【文献】 特開2006−266089(JP,A)
【文献】 特開2013−139856(JP,A)
【文献】 特開2012−222901(JP,A)
【文献】 実開平07−031962(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01P 11/10
F01P 11/04
F01P 3/18
E02F 9/00
B60K 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、
前記エンジンを冷却する冷却水を冷却する熱交換器と、
前記エンジンと前記熱交換器との間に配置された冷却ファンと、
前記熱交換器に取り付けられ、前記冷却ファンの外周を取り囲むシュラウドと、
を有し、
前記冷却ファンは、前記冷却ファンと前記熱交換器との間から、前記冷却ファンよりも前記エンジン側にかけて配置された可撓の線状部材を有し、
前記シュラウドは、互いに接続される複数の分割シュラウドに分割されており、
前記分割シュラウドの少なくとも1つに、前記線状部材が通される通し穴が形成されているとともに、
前記分割シュラウドのいずれかに、前記線状部材を固定可能な固定部材が設けられており、
前記シュラウドが、第1分割シュラウドと、前記第1分割シュラウドよりも小さい第2分割シュラウドとに分割されており、
前記第2分割シュラウドが、上側分割シュラウドと、前記上側分割シュラウドの下側に配置された下側分割シュラウドとに分割されており、
前記上側分割シュラウドの下部に前記通し穴が形成され、前記下側分割シュラウドの上部に前記固定部材が設けられていることを特徴とする作業機械。
【請求項2】
前記上側分割シュラウドと前記下側分割シュラウドとの境目から前記上側分割シュラウドの周辺部にかけて前記通し穴が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の作業機械。
【請求項3】
前記シュラウドの上部に前記通し穴が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の作業機械。
【請求項4】
前記線状部材における前記固定部材で固定される箇所に印が設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンと、熱交換器と、冷却ファンと、冷却ファンの外周を取り囲むシュラウドと、を備えた作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、エンジンと、熱交換器と、冷却ファンと、冷却ファンの外周を取り囲むシュラウドと、を備えた作業機械において、シュラウドを固定側シュラウドと着脱側シュラウドとに分割した構成が開示されている。着脱側シュラウドだけを熱交換器から取り外すことで、冷却ファン側から熱交換器を容易に清掃することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−218510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、冷却ファンとして可変ブレードファンなどを使用する場合、冷却ファンと熱交換器との間から、冷却ファンよりもエンジン側にかけて、可撓の線状部材を配置する必要がある。さらに、熱交換器や冷却ファンに線状部材が接触するのを抑制する必要がある。ここで、油圧式可変ブレードファンや油圧式の冷却ファンでは、線状部材は油圧ホースであり、空気圧式可変ブレードファンでは、線状部材は空気圧ホースであり、電動式の冷却ファンでは、線状部材はハーネスである。
【0005】
本発明の目的は、冷却ファンと熱交換器との間から、冷却ファンよりもエンジン側にかけて、可撓性の線状部材を配置することが可能であるとともに、熱交換器や冷却ファンに線状部材が接触するのを抑制することが可能な作業機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、エンジンと、前記エンジンを冷却する冷却水を冷却する熱交換器と、前記エンジンと前記熱交換器との間に配置された冷却ファンと、前記熱交換器に取り付けられ、前記冷却ファンの外周を取り囲むシュラウドと、を有し、前記冷却ファンは、前記冷却ファンと前記熱交換器との間から、前記冷却ファンよりも前記エンジン側にかけて配置された可撓の線状部材を有し、前記シュラウドは、互いに接続される複数の分割シュラウドに分割されており、前記分割シュラウドの少なくとも1つに、前記線状部材が通される通し穴が形成されているとともに、前記分割シュラウドのいずれかに、前記線状部材を固定可能な固定部材が設けられており、前記シュラウドが、第1分割シュラウドと、前記第1分割シュラウドよりも小さい第2分割シュラウドとに分割されており、前記第2分割シュラウドが、上側分割シュラウドと、前記上側分割シュラウドの下側に配置された下側分割シュラウドとに分割されており、前記上側分割シュラウドの下部に前記通し穴が形成され、前記下側分割シュラウドの上部に前記固定部材が設けられていることを特徴とする。


【発明の効果】
【0007】
本発明によると、分割シュラウドの少なくとも1つに、線状部材が通される通し穴が形成されている。よって、この通し穴に線状部材を通すことで、冷却ファンと熱交換器との間から、冷却ファンよりもエンジン側にかけて、可撓の線状部材を配置することができる。また、分割シュラウドのいずれかに、線状部材を固定可能な固定部材が設けられている。よって、熱交換器と線状部材との間、および、冷却ファンと線状部材との間にクリアランスをそれぞれ確保しながら、固定部材に線状部材を固定することができる。これにより、熱交換器や冷却ファンに線状部材が接触するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】作業機械の部分斜視図である。
図2】エンジンルーム内の側面図である。
図3】第1実施形態におけるシュラウドを斜め上方から見た図である。
図4】シュラウドの分解図である。
図5図3の要部Aの側面図である。
図6】第2実施形態におけるシュラウドを斜め上方から見た図である。
図7】第3実施形態におけるシュラウドを斜め上方から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0010】
[第1実施形態]
(作業機械の構成)
本発明の第1実施形態による作業機械1は、作業機械1の部分斜視図である図1に示すように、例えば油圧ショベル等であり、下部走行体21と、上部旋回体22とを有して構成されている。下部走行体21は、作業機械1を走行させる部分であり、例えばクローラ式である。上部旋回体22は、下部走行体21に対して旋回可能に、下部走行体21に搭載されている。
【0011】
上部旋回体22は、アッパーフレーム31に、キャブ32、エンジンガード33、カウンタウェイト34、アタッチメント35および燃料タンク36等が搭載されて構成されている。
【0012】
キャブ32は、アッパーフレーム31の左前部に取り付けられる運転室である。エンジンガード33は、エンジンを内部に収容する構造体であり、アッパーフレーム31とエンジンガード33とで囲まれた空間がエンジンルーム41(図2参照)である。カウンタウェイト34は、エンジンガード33の後方に取り付けられるおもりである。アタッチメント35は、アッパーフレーム31の前部中央に取り付けられている。作業機械1が油圧ショベルの場合、アタッチメント35は、ブーム、アームおよびバケット等からなる。燃料タンク36は、アッパーフレーム31の右前部に搭載された直方体形状の容器である。
【0013】
エンジンルーム41内の側面図である図2に示すように、作業機械1は、エンジン2と、熱交換器3と、冷却ファン4と、シュラウド5と、を有している。熱交換器3は、エンジン2を冷却する冷却水を冷却するラジエータ、および、作動油を冷却するオイルクーラを含む。なお、熱交換器3には、圧縮空気を冷却するインタークーラが含まれてもよい。
【0014】
冷却ファン4は、エンジン2と熱交換器3との間に配置されている。冷却ファン4は、エンジン2により駆動される。シュラウド5は、熱交換器3に取り付けられ、冷却ファン4の外周を取り囲んでいる。
【0015】
本実施形態において、冷却ファン4は、可変ブレードファンである。シュラウド5を斜め上方から見た図である図3に示すように、冷却ファン4は、冷却ファン4と熱交換器3との間から、冷却ファン4よりもエンジン2側(図中下側)にかけて配置された可撓の油圧ホース(線状部材)6を有している。
【0016】
シュラウド5は、互いに接続される2個以上の分割シュラウドに分割されている。本実施形態において、シュラウド5は、第1分割シュラウド11と、第2分割シュラウド12とに分割されている。第2分割シュラウド12は、第1分割シュラウド11よりも小さい。第2分割シュラウド12は、シュラウド5の上部に位置している。
【0017】
シュラウド5の分解図である図4、および、図3の要部Aの側面図である図5に示すように、第2分割シュラウド12は、上側分割シュラウド12aと、下側分割シュラウド12bとに分割されている。下側分割シュラウド12bは、上側分割シュラウド12aの下側に配置されている。上側分割シュラウド12aの下部には、油圧ホース6が通される通し穴13が形成されている。下側分割シュラウド12bの上部には、油圧ホース6を固定可能な固定部材14が設けられている。
【0018】
通し穴13は、上側分割シュラウド12aと下側分割シュラウド12bとの境目から上側分割シュラウド12aの周辺部にかけて形成されている。シュラウド5を組み立てた際に、固定部材14は通し穴13の近傍に配置される。
【0019】
油圧ホース6における固定部材14で固定される箇所には、印が設けられている。この印は、油圧ホース6の表面にテープなどを貼ることで形成されてもよいし、油圧ホース6の表面に油性ペンなどでマーキングされることで形成されてもよい。
【0020】
上記の構成において、シュラウド5を組み立てる際に、まず、第1分割シュラウド11を熱交換器3に取り付ける。次に、下側分割シュラウド12bの固定部材14に油圧ホース6を固定する。そして、下側分割シュラウド12bを第1分割シュラウド11に取り付ける。次に、通し穴13に油圧ホース6を通しながら上側分割シュラウド12aを第1分割シュラウド11に取り付ける。上側分割シュラウド12aを第1分割シュラウド11に取り付けるとき、下側分割シュラウド12bの固定部材14で油圧ホース6が下から支えられる。
【0021】
このような構成によると、上側分割シュラウド12aに、油圧ホース6が通される通し穴13が形成されている。よって、この通し穴13に油圧ホース6を通すことで、冷却ファン4と熱交換器3との間から、冷却ファン4よりもエンジン2側にかけて、可撓の油圧ホース6を配置することができる。また、下側分割シュラウド12bに、油圧ホース6を固定可能な固定部材14が設けられている。よって、熱交換器3と油圧ホース6との間、および、冷却ファン4と油圧ホース6との間にクリアランスをそれぞれ確保しながら、固定部材14に油圧ホース6を固定することができる。これにより、熱交換器3や冷却ファン4に油圧ホース6が接触するのを抑制することができる。
【0022】
また、上側分割シュラウド12aと下側分割シュラウド12bとの境目から上側分割シュラウド12aの周辺部にかけて通し穴13が形成されている。よって、上側分割シュラウド12aと下側分割シュラウド12bとの境目から下側分割シュラウド12bの中央部にかけて通し穴が形成されている場合に比べて、通し穴13に油圧ホース6を通したときにできる隙間を小さく抑えることができる。これにより、隙間から風が抜けることによる冷却ファン4の効率悪化を抑制することができる。また、隙間からシュラウド5内にゴミが入り込むのを抑えることができる。
【0023】
また、シュラウド5の上部、即ち、シュラウド5の上部に位置する第2分割シュラウド12に通し穴13が形成されている。よって、シュラウド5の下部に通し穴が形成されている場合に比べて、エンジン2や熱交換器3を設置した後でも、油圧ホース6の固定部材14への固定と、油圧ホース6を通し穴13に通す作業とを、容易に行うことができる。
【0024】
また、上側分割シュラウド12aの下部に通し穴13が形成され、上側分割シュラウド12aの下側に配置された下側分割シュラウド12bの上部に固定部材14が設けられている。よって、下側分割シュラウド12bの固定部材14で油圧ホース6を下から支えた状態で、通し穴13に油圧ホース6を通しながら、上側分割シュラウド12aの下側分割シュラウド12bへの取り付けを容易に行うことができる。
【0025】
また、油圧ホース6における固定部材14で固定される箇所に印が設けられている。よって、印の箇所で油圧ホース6を固定部材14に固定することで、油圧ホース6の位置調整を容易に行うことができる。
【0026】
なお、通し穴13は、上側分割シュラウド12aおよび下側分割シュラウド12bにそれぞれ設けられていてもよい。即ち、上側分割シュラウド12aに設けられた通し穴13と、下側分割シュラウド12bに設けられた通し穴13とが1つの穴を形成し、この穴に油圧ホース6が通される構成であってもよい。
【0027】
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る作業機械1によれば、上側分割シュラウド12aに、油圧ホース6が通される通し穴13が形成されている。よって、この通し穴13に油圧ホース6を通すことで、冷却ファン4と熱交換器3との間から、冷却ファン4よりもエンジン2側にかけて、可撓の油圧ホース6を配置することができる。また、下側分割シュラウド12bに、油圧ホース6を固定可能な固定部材14が設けられている。よって、熱交換器3と油圧ホース6との間、および、冷却ファン4と油圧ホース6との間にクリアランスをそれぞれ確保しながら、固定部材14に油圧ホース6を固定することができる。これにより、熱交換器3や冷却ファン4に油圧ホース6が接触するのを抑制することができる。
【0028】
また、上側分割シュラウド12aと下側分割シュラウド12bとの境目から上側分割シュラウド12aの周辺部にかけて通し穴13が形成されている。よって、上側分割シュラウド12aと下側分割シュラウド12bとの境目から上側分割シュラウド12aの中央部にかけて通し穴が形成されている場合に比べて、通し穴13に油圧ホース6を通したときにできる隙間を小さく抑えることができる。これにより、隙間から風が抜けることによる冷却ファン4の効率悪化を抑制することができる。また、隙間からシュラウド5内にゴミが入り込むのを抑えることができる。
【0029】
また、シュラウド5の上部に通し穴13が形成されている。よって、シュラウド5の下部に通し穴13が形成されている場合に比べて、エンジン2や熱交換器3を設置した後でも、油圧ホース6の固定部材14への固定と、油圧ホース6を通し穴13に通す作業とを、容易に行うことができる。
【0030】
また、上側分割シュラウド12aの下部に通し穴13が形成され、上側分割シュラウド12aの下側に配置された下側分割シュラウド12bの上部に固定部材14が設けられている。よって、下側分割シュラウド12bの固定部材14で油圧ホース6を下から支えた状態で、通し穴13に油圧ホース6を通しながら、上側分割シュラウド12aの下側分割シュラウド12bへの取り付けを容易に行うことができる。
【0031】
また、油圧ホース6における固定部材14で固定される箇所に印が設けられている。よって、印の箇所で油圧ホース6を固定部材14に固定することで、油圧ホース6の位置調整を容易に行うことができる。
【0032】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の作業機械について、図面を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と共通する構成およびそれにより奏される効果については説明を省略し、主に、第1実施形態と異なる点について説明する。なお、第1実施形態と同じ部材については、第1実施形態と同じ符号を付している。
【0033】
(作業機械の構成)
第1実施形態の作業機械1では、図4に示すように、第2分割シュラウド12は、上側分割シュラウド12aと、下側分割シュラウド12bとに分割されており、通し穴13は、上側分割シュラウド12aと下側分割シュラウド12bとの境目から上側分割シュラウド12aの周辺部にかけて形成されていた。
【0034】
本実施形態の作業機械101では、シュラウド5を斜め上方から見た図である図6に示すように、第2分割シュラウド112は、上側分割シュラウドと、下側分割シュラウドとに分割されていない。通し穴13は、第1分割シュラウド111と第2分割シュラウド112との境目から第2分割シュラウド112の周辺部にかけて形成されている。固定部材14は、第1分割シュラウド111に設けられている。シュラウド5を組み立てた際に、固定部材14は通し穴13の近傍に配置される。
【0035】
上記の構成において、シュラウド5を組み立てる際に、まず、第1分割シュラウド111の固定部材14に油圧ホース6を固定する。次に、第1分割シュラウド111を熱交換器3に取り付ける。そして、通し穴13に油圧ホース6を通しながら第2分割シュラウド112を第1分割シュラウド111に取り付ける。
【0036】
このような構成によると、第1分割シュラウド111よりも小さい第2分割シュラウド112に通し穴13が形成され、第1分割シュラウド111に固定部材14が設けられている。よって、第2分割シュラウド112を第1分割シュラウド111に取り付ける際に、油圧ホース6が固定部材14に固定されているので、油圧ホース6を通し穴13に容易に通すことができる。
【0037】
なお、通し穴13は、第1分割シュラウド111および第2分割シュラウド112にそれぞれ設けられていてもよい。即ち、第1分割シュラウド111に設けられた通し穴13と、第2分割シュラウド112に設けられた通し穴13とが1つの穴を形成し、この穴に油圧ホース6が通される構成であってもよい。
【0038】
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る作業機械101によれば、第1分割シュラウド111よりも小さい第2分割シュラウド112に通し穴13が形成され、第1分割シュラウド111に固定部材14が設けられている。よって、固定部材14に油圧ホース6を固定した後、第1分割シュラウド111を熱交換器3に取り付け、通し穴13に油圧ホース6を通しながら第2分割シュラウド112を第1分割シュラウド111に取り付けるという手順で、組立を行うことができる。このように組み立てる場合において、第2分割シュラウド112を第1分割シュラウド111に取り付ける際に、油圧ホース6が固定部材14に固定されているので、油圧ホース6を通し穴13に容易に通すことができる。
【0039】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の作業機械について、図面を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と共通する構成およびそれにより奏される効果については説明を省略し、主に、第1実施形態と異なる点について説明する。なお、第1実施形態と同じ部材については、第1実施形態と同じ符号を付している。
【0040】
(作業機械の構成)
第2実施形態の作業機械101では、図6に示すように、固定部材14は、第1分割シュラウド111に設けられていた。本実施形態の作業機械201では、シュラウド5を斜め上方から見た図である図7に示すように、固定部材14は、第2分割シュラウド212に設けられている。通し穴13は、第1分割シュラウド211と第2分割シュラウド212との境目から第2分割シュラウド212の周辺部にかけて形成されている。固定部材14は通し穴13の近傍に位置している。
【0041】
上記の構成において、シュラウド5を組み立てる際に、まず、第1分割シュラウド211を熱交換器3に取り付ける。次に、第2分割シュラウド212の通し穴13に油圧ホース6を通しながら、第2分割シュラウド212の固定部材14に油圧ホース6を固定する。そして、第2分割シュラウド212を第1分割シュラウド211に取り付ける。
【0042】
このような構成によると、第1分割シュラウド211よりも小さい第2分割シュラウド212に通し穴13が形成され、且つ、固定部材14が設けられている。第1分割シュラウド211よりも小さい第2分割シュラウド212に油圧ホース6を固定することで、第1分割シュラウド211に油圧ホース6を固定するのに比べて、油圧ホース6の位置を容易に調整することができる。また、第2分割シュラウド212の第1分割シュラウド211への取り付け位置を調整した場合には、油圧ホース6の位置を調整することができる。
【0043】
なお、通し穴13は、第1分割シュラウド211および第2分割シュラウド212にそれぞれ設けられていてもよい。即ち、第1分割シュラウド211に設けられた通し穴13と、第2分割シュラウド212に設けられた通し穴13とが1つの穴を形成し、この穴に油圧ホース6が通される構成であってもよい。
【0044】
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る作業機械201によれば、第1分割シュラウド211よりも小さい第2分割シュラウド212に通し穴13が形成され、且つ、固定部材14が設けられている。よって、第1分割シュラウド211を熱交換器3に取り付けた後、通し穴13に油圧ホース6を通しながら固定部材14に油圧ホース6を固定し、第2分割シュラウド212を第1分割シュラウド211に取り付けるという手順で、組立を行うことができる。このように組み立てる場合において、第1分割シュラウド211よりも小さい第2分割シュラウド212に油圧ホース6を固定することで、第1分割シュラウド211に油圧ホース6を固定するのに比べて、油圧ホース6の位置を容易に調整することができる。また、第2分割シュラウド212の第1分割シュラウド211への取り付け位置を調整した場合には、油圧ホース6の位置を調整することができる。
【0045】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0046】
例えば、冷却ファン4は、エンジン2により駆動されるものに限定されず、熱交換器3と冷却ファン4との間に配置されたモータにより駆動されるものであってもよい。冷却ファン4を駆動させるモータが油圧モータの場合、可撓の線状部材は油圧ホースであり、冷却ファン4を駆動させるモータが電気モータの場合、可撓の線状部材はハーネスである。また、冷却ファン4がエアコンのコンデンサ用のファンであり、可撓の線状部材がこれに繋がるホースであってもよい。
【符号の説明】
【0047】
1,101,201 作業機械
2 エンジン
3 熱交換器
4 冷却ファン
5 シュラウド
6 油圧ホース(線状部材)
11 第1分割シュラウド
12 第2分割シュラウド
12a 上側分割シュラウド
12b 下側分割シュラウド
13 通し穴
14 固定部材
21 下部走行体
22 上部旋回体
31 アッパーフレーム
32 キャブ
33 エンジンガード
34 カウンタウェイト
35 アタッチメント
36 燃料タンク
41 エンジンルーム
111 第1分割シュラウド
112 第2分割シュラウド
211 第1分割シュラウド
212 第2分割シュラウド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7