(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の乾燥工程及び前記第2の乾燥工程は、前記熱膨張層が非膨張状態を維持可能な程度に、前記熱膨張性シートを搬送する搬送手段の搬送速度及び前記光の照射を調整する、
ことを特徴とする請求項5に記載の造形物製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本実施形態を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
ここで、本実施形態では「立体画像」とは、造型物(造形物)を示し、造型物には単純な形状、幾何学形状、文字等広く形状一般が含まれる。更に造型物は、加飾の結果として形成される装飾をも含む。装飾とは、視覚及び/又は触覚を通じて美感を想起させるものである。また、「立体画像を形成する」とは、造型物を形成することだけでなく、加飾(造飾)をも含む。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態である造型システムの構成図である。
本実施形態は、吸収した熱量に応じて膨張する熱膨張層(発泡層)を一方の面上に有する媒体(例えば、熱膨張性シート(熱発泡性シート/発泡シート))上に、電磁波を熱に変換する材料(例えば、カーボンなどの電磁波熱変換材料)を含む黒いインクで所望の画像を印刷し、膨張層のうち媒体に前記画像が形成された部位を電磁波の照射によって膨張させて盛り上げることにより、立体画像を形成する方法に関するものである。
造型システム1000は、制御装置100と、該制御装置に接続される表示操作部150と、膨張装置200と、二次元画像形成手段としての二次元画像形成装置250とを備え、ネットワークNWを介して管理装置300と通信可能に接続される。なお、二次元画像形成装置250と膨張装置200とは、立体画像形成装置290を構成する。
【0012】
制御装置100は、表示操作部150と接続された汎用の情報処理装置であり、膨張装置200、及び二次元画像形成装置250を制御するPC(Personal Computer)である。表示操作部150は、制御装置100に接続されるタッチパネルディスプレイであり、二次元画像を表示する表示手段と、操作者が入力する入力手段とを備える。制御装置100は、制御部10と、通信部40と、不揮発性記憶部50と、揮発性記憶部55とを備える。
【0013】
通信部40は、膨張装置200と、二次元画像形成装置250と、管理装置300との通信を行うLAN(Local Area Network)インタフェース回路や、USB(Universal Seri al Bus)インタフェース回路である。管理装置300は、代表的な立体画像のコンテンツを格納する。不揮発性記憶部50は、ROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk D rive)であり、OS51、アプリケーションプログラム52、プリンタドライバ53等を格納する。揮発性記憶部55は、RAM(Random Access Memory)であり、ワーキングメモリとして使用される。
【0014】
二次元画像形成装置(印刷装置)250は、媒体としての熱膨張性シート400(
図3)の特定部位を膨張(発泡)させるために、カーボンを含む黒色インク(黒色液体現像剤)で黒色印刷したり、熱膨張性シート400の全面をCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)のカラーインク(多色液体現像剤)でカラー印刷したりするインクジェットプリンタである。インクは、水に染料又は顔料を含ませた液体現像剤である。ここで、二次元画像形成装置250は、CMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)のインクで熱膨張性シート400の表面側にカラー印刷を行う第1の二次元画像形成手段と、カーボンを含む黒色インクで裏面側に黒色印刷を行う第2の二次元画像形成手段としての機能を有する。つまり、二次元画像形成装置250は、媒体の表面の熱膨張層410(
図3)を部分的に膨張させる特定部位の画像データ(表面データ)と該媒体の裏面から膨張層を部分的に膨張させる画像データ(裏面データ)と、カラー画像データとが必要である。ここで、表面データ、及び裏面データの画像データは、熱膨張層410の特定部位を熱膨張させる黒色現像剤データでもある。
また、二次元画像形成装置250は、熱膨張性シート400の表面において発泡及び膨張させる部分を示すデータである表面データに基づき、黒色インクを用いて印刷する。同様に、熱膨張性シート10の裏面において発泡及び膨張させる部分を示すデータである裏面データに基づき、黒色インクを用いて印刷する。また、カーボンブラックを含む黒色インクは、電磁波を熱に変換する材料の一例である。なお、電磁波を熱に変換する材料としては、これ以外を利用してもよい。黒色インクの濃度がより濃く形成された部分ほど、熱膨張層の膨張高さは高くなる。このため、黒色インクの濃度は、目標高さに対応するように濃淡が決定される。
【0015】
膨張装置200は、熱膨張性シート400に熱を加えて膨張させる膨張装置である。
膨張装置200は、黒色画像が二次元形成された熱膨張性シート400の表面又は両面を、輻射熱で加熱膨張する膨張手段としての機能と、インクが塗布された熱膨張性シート400を輻射熱で乾燥させる乾燥手段としての機能を実現する。つまり、膨張手段としての機能と乾燥手段としての機能とは、同一物としての膨張装置200が実現する。
【0016】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)であり、プログラムを実行することにより、立体画像形成制御手段20と、表示操作制御部31と、画像選択手段32と、通信制御部33との機能を実現する。立体画像形成制御手段20は、二次元画像形成制御手段21と、乾燥制御手段22と、膨張制御手段23とから構成される。なお、CPU11は、プロセッサなどの演算装置を含む。
【0017】
表示操作制御部31は、表示操作部150に所定の画面を表示させ、操作者によるタッチ操作を受け付ける。画像選択手段32は、例えば、表示操作制御部31を介して熱膨張性シート400(
図3)に立体画像のコンテンツ(サンプル画像)を複数表示させ、複数のコンテンツの中から一つを使用者に選択させる機能を有する。通信制御部33は、通信部40を制御する機能部である。
【0018】
二次元画像形成制御手段21は、二次元画像形成装置250を、プリンタドライバ53を介して制御する機能部である。二次元画像形成制御手段21は、熱膨張性シート400の表面に、インク(液体現像剤)を用いてCMYKのカラー画像を形成させる機能と、熱膨張性シート400の表面、及び裏面の何れか一方又は双方にカーボンを含んだ黒色インク(黒色現像剤)で黒色画像を形成する機能とを備える。
【0019】
乾燥制御手段22は、膨張装置200を乾燥手段として機能させる機能部である。乾燥制御手段22は、CMYのインク(液体現像剤)や黒色インク(黒色現像剤)を用いて二次元画像が形成された熱膨張性シート400を膨張装置200のハロゲンランプ215(
図2)が放射する輻射熱を用いて乾燥させる。特に、熱膨張性シート400の表面側に黒色(K)のインク(黒色現像剤)を用いて、二次元画像が形成されているとき、乾燥制御手段22は、熱膨張性シート400の裏面側からハロゲンランプ215の近赤外光を照射して、乾燥させる。このようにすれば、膨張装置200は、表面側に黒色インクが印刷された部分(黒色現像剤画像)を加熱させることがないので、熱膨張層410(
図3)が熱膨張しない。また、熱膨張性シート400の表面側に黒色(K)のインク(黒色現像剤)を用いて、二次元画像が形成されているときであっても、熱膨張性シート400の表面側からハロゲンランプ215の近赤外光を照射してもよい。この場合は、熱膨張性シート400が膨張しない程度の熱を与え、乾燥させる。例えば、熱膨張性シート400を搬送する速度を速めたり、ランプの光の強さを弱めたりすることで、膨張性シート400の表面側からハロゲンランプ215の近赤外光を照射しても熱膨張性シート400が膨張を抑えることができる。
【0020】
乾燥制御手段22は、「熱膨張性シート400の裏面乾燥を行う」旨の表示や、「膨張装置200の給紙部220に熱膨張性シート400の裏面を上にして載置する」旨の表示を表示操作部150に行わせてから、膨張装置200にハロゲンランプ215の点灯を行わせる。
【0021】
膨張制御手段23は、膨張装置200を膨張手段として機能させる機能部である。膨張制御手段23は、熱膨張性シート400の表面側に黒色現像剤画像(K)が二次元形成されているとき、表面側からハロゲンランプ215を照射させる。これにより、膨張装置200は、黒色(K)の二次元画像が形成された部分の熱膨張層410が膨張し、凸凹が急峻に変化する2.5Dの立体画像が形成される。ここで、2.5Dの立体画像は、平面に厚み方向の凹凸が形成された立体構造物を意味する。また、熱膨張性シート400の裏面側に黒色現像剤画像が二次元形成されているとき、裏面側からハロゲンランプ215を照射させる。これにより、膨張装置200は、黒色現像剤で二次元画像が形成された部分の基材415が発熱し、熱伝導により発熱した熱膨張層410が徐々に熱膨張し、表面側で凸凹が緩やかに変化する2.5Dの立体画像が形成される。
【0022】
膨張制御手段23は、「熱膨張性シート400の裏面膨張を行う」旨の表示や、「膨張装置200の給紙部220に熱膨張性シート400の裏面を上にして載置する」旨の表示を表示操作部150に行わせてから、膨張装置200にハロゲンランプ215の点灯を行わせる。
【0023】
なお、熱膨張性シート400の表面に黒色印刷を行い、その後、表面の膨張を行うこともある。そのときには、膨張制御手段23は、「熱膨張性シート400の表面膨張を行う」旨の表示や、「膨張装置200の給紙部220に熱膨張性シート400の表面を上にして載置する」旨の表示を表示操作部150に行わせてから、膨張装置200にハロゲンランプ215の点灯を行わせることになる。
【0024】
図2は、膨張装置の構成図である。
膨張装置200は、給紙部220と、駆動ローラ231,232と、従動ローラ233,234と、光照射ユニット210と、モータ335と、上ガイド337と、下ガイド338と、室温センサ225と、入口センサ341と、出口センサ342とを備える。ここで、給紙部220は、熱膨張性シート400を搬送路に給紙するものである。なお、駆動ローラ231,232と、従動ローラ233,234と、モータ335と、上ガイド337と、下ガイド338とで、搬送ユニット(搬送手段)を構成する。
【0025】
光照射ユニット210は、反射鏡211と、ハロゲンランプ215と、冷却ファン213と、温度センサ214とを備える。ハロゲンランプ215は、その外周面から近赤外光、及び可視光を放射する線状光源である。反射鏡211は、アルミ製の放物面反射鏡であり、ハロゲンランプ215の放射光を平行光にする。ハロゲンランプ215、及び反射鏡211は、搬送面の上方に配設されているので、熱膨張性シート400の上方から近赤外領域、及び可視光領域の光(電磁波)を照射する。カーボンブラックを含む黒色インクが印刷された熱膨張性シート400に光を照射すると、黒色インクが印刷された部分では、黒色インクが印刷されていない部分に比べて、より効率良く光が熱に変換される。そのため、熱膨張層410のうち、黒色インクが印刷された領域が主に加熱されて、その結果、熱膨張層410は、黒色インクが印刷された領域が膨張する。冷却ファン213は、反射鏡211を空冷する。温度センサ214は、反射鏡211の背面に取り付けられており、その背面温度を検出する。
【0026】
駆動ローラ231,232、及び従動ローラ233,234は、搬送中の熱膨張性シート400を上下から挟み込んで搬送する。駆動ローラ231,232は、モータ335によって駆動される。上ガイド337と下ガイド338とは、格子状に形成されており、搬送面の上下から熱膨張性シート400をガイドする。なお、上ガイド337は、熱膨張性シート400に強い影を落とさないように、傾斜して設けられている。これによりハロゲンランプ215の直下において、上ガイド337と熱膨張性シート400とは所定距離だけ離れているので、強い影を落とすことはない。
【0027】
給紙部220は、熱膨張性シート400を載置し、載置された熱膨張性シート400を搬送ユニットまで給紙するものである。室温センサ225は、室温を検出するセンサである。入口センサ341、及び出口センサ342は、搬送中の熱膨張性シート400の先端、及び後端を検出する。
【0028】
図3は、熱膨張性シート(発泡シート)の断面図である。
熱膨張性シート400は、基材415と熱膨張層410とが積層されたシート状媒体である。つまり、熱膨張性シート400は、一面側(表面側)に熱膨張層410が面し、他面側(裏面側)に基材415が面している。基材415は、弾性変形可能な紙葉類である。熱膨張層410は、熱により膨張(発泡)する膨張樹脂層である。熱膨張性シート400は、二次元画像形成装置(印刷装置)250で、印刷が施され、熱膨張性シート400の熱膨張層410が膨張により隆起することにより、熱膨張性シート400の表面に凹凸が形成される。このような熱膨張層410の隆起(バンプ)によって凸若しくは凹凸形状を造ることにより、熱膨張性シート400に立体画像が(立体物又は造型物)が形成される。
熱膨張層410は、基材415の一方の面(
図3では、上面)上に形成される。熱膨張層410は、加熱温度、加熱時間に応じた大きさに膨張する層であって、バインダ中に複数の熱膨張性材料(熱膨張性マイクロカプセル、マイクロパウダー )が分散配置されている。また、本実施形態では、基材11の上面(表面)上に、及び/又は基材11の下面(裏面)に電磁波を熱に変換する
図4の電磁波熱変換層420(以下、単に変換層と称する)を形成し、光を照射することで、変換層420が設けられた領域を発熱させる。電磁波熱変換層は、電磁波の照射により、熱を帯びる。熱膨張層410は、熱膨張性シート400の表面及び/又は裏面に設けられた変換層で生じた熱を吸収して発泡し、膨張する。これにより、熱膨張性シート400の特定の領域のみを選択的に膨張させることができる。熱膨張性材料は、例えば80℃から120℃程度の温度に加熱されると、発泡及び膨張する。
【0029】
図4は、熱膨張性シートに対する二次元画像形成、及び熱膨張を説明するための断面図である。
特に、
図4(a)は、二次元画像形成装置250(
図1)が熱膨張性シート400の表面側、つまり、熱膨張層410に対して、CMYKのカラーインク(多色液体現像剤)を用いてカラー画像層425を二次元形成した状態の断面図である。
図4(b)は、熱膨張性シート400の裏面側、つまり、基材415に対して、膨張装置200のハロゲンランプ215(
図2)が近赤外光を放射して、輻射熱でカラーインクを乾燥させたときの断面図である。この乾燥は、熱膨張層410が膨張(発泡)しない程度の温度にしたり、熱膨張層410が膨張(発泡)しないような搬送速度にしたりする。この温度や搬送速度の調整により、熱膨張層410の非膨張状態(非膨張状態)が維持される。なお、熱膨張性シート400の裏面側は、カラーインク(特に、黒色インク)での二次元画像が非形成状態になっている。
【0030】
図4(c)は、二次元画像形成装置250が熱膨張性シート400の裏面側、つまり、基材415に対して、黒色インクを用いて変換層420を二次元形成したときの断面図である。
図4(d)は、熱膨張性シート400の裏面側に対して、ハロゲンランプ215が近赤外光を放射して、輻射熱で熱膨張(発泡)した熱膨張層410aが形成された状態の断面図である。
【0031】
特に、
図4(b)のカラーインク(CMYK)の乾燥は、カラー画像の面積が広くても、熱膨張性シート400に含浸する水分量を低減し、熱膨張層410を加熱膨張したときの膨張量(膨張高さ)を安定にする効果を奏する。また、湿度等に依存する水分量が低減するので、環境変化に対しても膨張量が安定になる。
【0032】
図4(d)において、ハロゲンランプ215は、近赤外光を強く発生するので、カーボンを含む変換層420を強く加熱する。このため、熱膨張層410は、変換層420から熱伝導した部位のみが熱膨張し、いわゆる2.5D印刷が行われる。一方、CMYKのカラー画像層425は、熱膨張性シート400の表面側に二次元形成されているので、基材415がハロゲンランプ215の近赤外光を遮光し、黒色(K)のカラー画像層425を加熱しない。なお、裏面側の変換層420は、黒色インク1色なので、表面側のカラーインクと比較して、インク量が少なく、乾燥度合いへの影響が少ない。また、CMYのカラー画像層425は、表面から近赤外光を照射したとしても、カーボンを含んでいないので、発熱量が少ない。
【0033】
図5は、本実施形態の二次元画像形成システムの動作を説明するためのフローチャートである。
このルーチンは、電源投入又はリセットによって起動する。まず、画像選択手段32は、予め制作された複数のコンテンツ(画像サンプル)を一覧するコンテンツ一覧表示画面を表示操作部150に表示し、操作者によるコンテンツ(サンプルデータ)の選択を受け付ける(S11)。
【0034】
図6は、サンプル画像を一覧するコンテンツ一覧表示画面の一例を示す図である。
コンテンツ一覧表示画面500は、操作パネル510と、一覧表示パネル520とを備える。操作パネル510は、「印刷」ボタン511と、「編集」ボタン512と、「新規」ボタン513と、「切り取り」ボタン514と、「コピー」ボタン515と、「貼り付け」ボタン516と、「削除」ボタン517と、「名前の変更」ボタン518と、「フォルダ作成」ボタン519とを備える。
【0035】
「印刷」ボタン511は、一覧表示上で選択されたコンテンツを印刷するボタンである。「編集」ボタン512は、一覧表示上で選択されたコンテンツを編集モード起動するボタンである。「新規」ボタン513は、コンテンツを新規に作成するボタンである。「切り取り」ボタン514は、一覧表示上で選択されたコンテンツを切り取るボタンである。「コピー」ボタン515は、一覧表示上で選択されたコンテンツをコピーするボタンである。「貼り付け」ボタン516は、切り取り、又はコピーコンテンツがある場合、現在のフォルダに貼り付けるボタンである。「削除」ボタン517は、一覧表示上で選択されたコンテンツ、又はフォルダを削除するボタンである。「名前の変更」ボタン518は、入力ダイアログを表示し、コンテンツ、又はフォルダの名称を変更するボタンである。「フォルダ作成」ボタン519は、フォルダ名称入力ダイアログを表示し、入力された名称のサブフォルダを作成するボタンである。
【0036】
一覧表示パネル520は、複数のコンテンツ(サンプル画像)を表示するパネルであり、「マイデータ」タブ530と、「詳細」ボタン521と、「小さいアイコン」ボタン522と、「上位へ移動」ボタン523と、「最上位へ移動」ボタン524とを備える。複数のコンテンツとして、一覧表示パネル520は、例えば、「Surface_8種セット」、「カエルの成長」や「構内地図」等のサンプルデータの画像を表示している。
【0037】
「マイデータ」タブ530は、不揮発性記憶部50(
図1)内に格納されるマイデータを表示させるタブであり、クラウドデータを表示させる「クラウド」タブ(図示せず)と選択的に表示される。「詳細」ボタン521は、選択中のコンテンツを詳細表示するボタンである。選択されたものがない場合は、現在フォルダ先頭コンテンツを表示する。フォルダが選択されている場合は、詳細画面を表示しない。「小さいアイコン」ボタン522は、一覧表示で、小さいサイズのフォルダアイコン/コンテンツ画像を表示するボタンである。「上位へ移動」ボタン523は、一つ上のフォルダに移動するボタンである。「最上位へ移動」ボタン524は、ROOTフォルダに移動するボタンである。
【0038】
図5の説明に戻って、S11の処理により、コンテンツが選択されたとき、立体画像形成制御手段20は、「印刷開始」表示を表示操作部150に行わせる(S13)。
図7は、印刷開始表示画面の一例である。
印刷パネル600aは、ガイダンス画像610(610a)と、ガイダンス説明画像620(620a)と、「タイトル」表示欄601と、「サイズ」表示欄602と、複数の工程表示と、「確認」ボタン631と、「中止」ボタン632と、「スキップ」ボタン633と、「インク残量」ボタン634と、「ノズル」ボタン635とを備える。
【0039】
ガイダンス画像610aは、本体画像としての造型システム画像615が表示されており、特に、「1.用紙ガイド」「2.排紙トレイ」「3.排紙トレイ」の文字列が表示されている。ガイダンス説明画像620aは、ガイダンスを文字表示したものであり、文字列「印刷・バンプを行います。2.5Dプリンタの1.用紙ガイドを開き、2.3.の排紙トレイを引き出して下さい。」により、印刷準備の説明が行われている。
【0040】
複数の工程表示は、「おもて面 バンプデータ印刷」工程表示603と、「おもて面 バンプ」工程表示604と、「カラー印刷」工程表示605と、「うら面からの乾燥」工程表示606と、「うら面 バンプデータ印刷」工程表示607と、「うら面 バンプ」工程表示608とから構成されており、印刷・バンプの手順を示している。
【0041】
「確認」ボタン631は、ガイダンス画像610、及びガイダンス説明画像620が示す動作の確認を行ったときに、操作者が押下するボタンである。「中止」ボタン632は、印刷/バンプを中止し、元の画面に戻るボタンである。「スキップ」ボタン633は、現在の工程を中止し、次の工程に進むボタンである。なお、印刷/バンプを行っているときは、「スキップ」ボタン633は、通常、使用しないので、破線で示している。「インク残量」ボタン634は、インク残量を表示する、メーカ標準のダイアログを起動するボタンである。「ノズル」ボタン635は、ヘッドクリーニングやノズルチェックを行う、メーカ標準のダイアログを起動するボタンである。
【0042】
図5の説明に戻り、S13の処理で、「確認」ボタン631が押下されたとき、立体画像形成制御手段20は、S11で選択されたコンテンツ(サンプルデータ)に表面の黒色印刷が有るか否か判定する(S14)。コンテンツに黒色印刷があれば(S14で「有り」)、立体画像形成制御手段20は、処理をS15に進める。一方、コンテンツに黒色印刷がなければ(S14で「無し」)、立体画像形成制御手段20は、処理をS17に進める。
【0043】
まず、コンテンツに黒色印刷があるとき(S14で「有り」)、二次元画像形成制御手段21(
図1)は、二次元画像形成装置250(
図1)に対して、熱膨張性シート400の表面(熱膨張層410側)に黒色インクを用いて変換層420を形成する(黒色濃淡印刷を行わせる)指示を行う(S15)。つまり、二次元画像形成制御手段21は、表示操作部150に対して、印刷パネル600b(
図8)を表示させ、二次元画像形成装置250に対して、黒色インクを用いて印刷(おもて面 バンプデータ印刷)を行わせる。
【0044】
図8は、「おもて面 バンプデータ印刷」工程における印刷パネルの画面の一例を示す図である。
印刷パネル600bは、印刷パネル600a(
図7)に比較して、「おもて面 バンプデータ印刷」工程表示603が実線になり、網掛けが削除された点と、ガイダンス画像610a、及びガイダンス説明画像620aがガイダンス画像610b、及びガイダンス説明画像620bに変更されている点で相違する。ここで、「おもて面 バンプデータ印刷」工程表示603の実線、及び網掛けの削除は、「おもて面 バンプデータ印刷」工程の実行中であることを示す。
【0045】
ガイダンス画像610bは、造型システム画像615と、その右側に配置された熱膨張性シート画像616aと、熱膨張性シート400が用紙ガイド1.(
図7)に差し込まれることを意味する矢印画像とから構成される。
ガイダンス説明画像620bは、文字列「表面バンプ用の印刷を行います。A4の用紙を右側のプリンタにセットします。用紙を横にして切り欠きが左上に来るようにセットして下さい。用紙の表側は、印刷のない白い色をしています。 セットできましたら、確認ボタンを押して下さい。」から構成されている。ここで、「プリンタ」は、二次元画像形成装置250(
図1)を意味しており、「確認」ボタン631が押下されると、二次元画像形成装置250は、所定の濃度で黒色印刷を実行する。
【0046】
また、文字列「表面バンプ用の印刷を行います。」は、「黒色現像剤(K)で二次元画像形成を行う」旨の表示であり、文字列「切り欠きが左上に来るようにセットして下さい。用紙の表側は、印刷のない白い色をしています。」は、「熱膨張性シート400の一面側(熱膨張層410側)に画像形成する」旨の表示である。
【0047】
再び、
図5の説明に戻り、S15の処理後、膨張制御手段23(
図1)は、膨張装置200に対して、熱膨張性シート400の表面を上にして膨張(バンプ)させる指示を行う(S16)。つまり、二次元画像形成制御手段21は、表示操作部150に対して、印刷パネル600c(
図9)を表示させ、膨張装置200に対して、表面の膨張(バンプ)を行わせる。このとき、熱膨張性シート400の裏面側は、黒色現像剤での二次元画像が非形成状態である。
【0048】
図9は、「おもて面 バンプ」工程における印刷パネルの画面の一例を示す図である。
印刷パネル600は、印刷パネル600b(
図8)に比較して、「おもて面 バンプデータ印刷」工程表示603に「網掛け」が追加した点と、「おもて面 バンプ」工程表示604の「網掛け」が削除された点と、ガイダンス画像610c、及びガイダンス説明画像620cに変更されている点とで相違する。
【0049】
「おもて面 バンプデータ印刷」工程表示603の「網掛け表示」は、バンプデータ印刷工程が終了したことを示す。「おもて面 バンプ」工程表示604の「白地の表示」は、「おもて面 バンプ」が実行中であることを示す。ガイダンス画像610cは、造型システム画像615と、その左側に配置された熱膨張性シート画像616bと、熱膨張性シート400が膨張装置200の給紙部220(
図2)に載置されることを意味する矢印画像とから構成される。熱膨張性シート画像616bは、熱膨張性シートの表面に黒色濃淡画像(例えば、径が異なる3つの円の画像)が印刷された画像である。ガイダンス説明画像620cは、文字列「表面のバンプを行います。A4の用紙を左側のフォーマーにセットします。用紙を横にして切り欠きが左上に来るようにして下さい。用紙の表側には、濃淡印刷されています。 セットできましたら、確認ボタンを押して下さい。」が記載されている。
【0050】
ここで、文字列「表面のバンプを行います。」は、熱膨張性シート400の表面膨張を行う旨の表示であり、「紙を横にして切り欠きが左上に来るようにして下さい。」は、熱膨張性シート400の一面側(熱膨張層410側)に近赤外光を照射する」旨の表示を意味する。
【0051】
再び、
図5の説明に戻り、S16の処理後、又は、S14でコンテンツに黒色印刷がないと判定したとき(S14で「無し」)、二次元画像形成制御手段21(
図1)は、二次元画像形成装置250に対して、熱膨張性シート400の表面側にカラー印刷を行わせる(S17)。つまり、二次元画像形成制御手段21は、表示操作部150に対して、印刷パネル600d(
図10)を表示させ、二次元画像形成装置250(
図1)に対して、カラーインクを用いた二次元画像形成を行わせる。このとき、二次元画像形成制御手段21は、
図10の印刷パネル600dの代わりに、
図14の印刷パネル600hを表示操作部150に表示させても構わない。
【0052】
図10は、「おもて面 カラー印刷」工程における印刷パネルの画面の一例を示す図である。
印刷パネル600dは、印刷パネル600c(
図9)に比較して、「おもて面 バンプ」工程表示604に「網掛け」が追加され、「カラー印刷」工程表示605の「網掛け」が削除され、「白地表示」に変更された点と、ガイダンス画像610d、及びガイダンス説明画像620dに変更されている点とで相違する。
【0053】
「カラー印刷」工程表示605の「網掛け」の削除は、「カラー印刷」工程が実行中であることを示す。ガイダンス画像610cは、ガイダンス画像610b(
図8)に比較して、熱膨張性シート画像616cが黒色印刷された画像に変更されている点で相違する。ガイダンス説明画像620cは、文字列「表面へのカラー印刷を行います。A4の用紙を右側のプリンタにセットします。用紙を横にして切り欠きが左上に来るようにセットして下さい。用紙の表側は、濃淡黒印刷され、凹凸が形成されています。 セットできましたら、確認ボタンを押して下さい。」が記載されている。つまり、二次元画像形成制御手段21は、「多色現像剤(CMYK)で二次元画像形成を行う」旨の表示と、前記した「熱膨張性シート400の熱膨張層410側に画像形成する」旨の表示とを行っている。「確認」ボタン631が押下されると、二次元画像形成装置250は、熱膨張性シート400の表面側にカラー印刷を実行する。
【0054】
再び
図5の説明に戻り、S17のカラー印刷後、立体画像形成制御手段20は、S17のカラー印刷工程において、ブラックインク(K)の使用の有無(ブラックインクが含まれているか否か)を判定する(S19)。S17のカラー印刷において、ブラックインク(K)を使用していたとき(ブラックインクが含まれていた場合)には(S19で「有り」)、乾燥制御手段22(
図1)は、熱膨張性シート400の裏面を上にして乾燥搬送(加熱搬送)を行わせる(S21)。ここで、乾燥制御手段22は、印刷パネル600e(
図11)を表示させ、二次元画像形成装置250(
図1)に対して、「うら面からの乾燥」工程を行わせる。つまり、二次元画像形成装置250は、カラー印刷(S17)で吹き付けられたインクを裏面から乾燥させる。このとき、表面の黒インク(K)は、基材415に近赤外光が遮られて、輻射熱を吸収しない。
【0055】
図11は、「うら面からの乾燥」工程における印刷パネルの画面の一例を示す図である。
印刷パネル600eは、印刷パネル600d(
図10)に比較して、「カラー印刷」工程表示605に「網掛け」が追加された点と、「うら面からの乾燥」工程表示606の「網掛け」が削除され、「白地表示」に変更された点と、ガイダンス画像610e、及びガイダンス説明画像620eに変更されている点とで相違する。
【0056】
ガイダンス画像610eは、造型システム画像615と、その左側に配置された熱膨張性シート画像616dと、熱膨張性シート400が膨張装置200の給紙部220(
図2)に載置されることを意味する矢印画像とから構成される。ここで、熱膨張性シート画像616dは、バーコードが記載されている点で、他の熱膨張性シート画像616a(
図8),616b(
図9),616c(
図10)と相違する。
【0057】
ガイダンス説明画像620eは、文字列「裏面からの乾燥を行います。A4の用紙を左側のフォーマーにセットします。用紙を横にして切り欠きが右上に来るようにセットして下さい。用紙の裏側は、薄い青色でメーカロゴとバーコードが印刷されています。セットできましたら、確認ボタンを押して下さい。」から構成されている。
【0058】
ここで、文字列「用紙を横にして切り欠きが右上に来るようにセットして下さい。用紙の裏側は、薄い青色でメーカロゴとバーコードが印刷されています。」は、熱膨張性シート400の他面側(基材415側)に近赤外光を照射する」旨の表示である。
【0059】
S21において、「確認」ボタン631(
図11)が押下されると、乾燥制御手段22は、膨張装置200のハロゲンランプ215(
図2)を点灯させ、熱膨張性シート400の乾燥を行う。
【0060】
S21の処理後、二次元画像形成制御手段21は、二次元画像形成装置250に対して、黒色濃淡印刷を熱膨張性シート400の裏面側に行わせる(S23)。まず、二次元画像形成制御手段21は、表示操作部150に対して、印刷パネル600f(
図12)を表示させ、二次元画像形成装置250に対して、印刷を行わせる。
【0061】
図12は、「うら面 バンプデータ印刷」工程における印刷パネルの画面の一例を示す図である。
印刷パネル600fは、印刷パネル600e(
図11)に比較して、「うら面からの乾燥」工程表示606に「網掛け」が追加され、「うら面 バンプデータ印刷」工程表示607の「網掛け」が削除され、「白地表示」に変更された点で相違する。また、印刷パネル600fは、ガイダンス画像610f、及びガイダンス説明画像620fに変更されている点でも相違する。
【0062】
ガイダンス画像610fは、造型システム画像615と、その右側に配置された熱膨張性シート画像616dと、熱膨張性シート400が用紙ガイド1.(
図7)に差し込まれることを意味する矢印画像とから構成される。ガイダンス説明画像620fは、文字列「裏面用の印刷を行います。用紙を横にして切り欠きが右上に来るようにセットして下さい。用紙の裏側は、薄い青色でメーカロゴとバーコードが印刷されています。 セットできましたら、確認ボタンを押して下さい。」から構成されている。
【0063】
ここで、文字列「裏面用の印刷を行います。用紙を横にして切り欠きが右上に来るようにセットして下さい。用紙の裏側は、薄い青色でメーカロゴとバーコードが印刷されています。」は、熱膨張性シート400の他面側(基材415側)に印刷する」旨の表示である。
【0064】
S23において、「確認」ボタン631(
図12)が押下されると、二次元画像形成装置250は、黒色濃淡印刷を熱膨張性シート400の裏面側に行う。
【0065】
S23の処理後、膨張制御手段23は、膨張装置200(
図1)に対して、裏面を上にして膨張搬送を行わせ(S25)、処理が終了する。ここで、膨張制御手段23は、表示操作部150に対して、印刷パネル600g(
図13)を表示させ、膨張装置200に対して、膨張搬送を行わせる。
【0066】
図13は、「うら面 バンプ」工程における印刷パネルの画面の一例を示す図である。
印刷パネル600gは、印刷パネル600f(
図12)に対して、「うら面 バンプデータ印刷」工程表示607に「網掛け」が追加され、「うら面 バンプ」工程表示608の「網掛け」が削除され、「白地表示」に変更された点で相違する。また、印刷パネル600gは、ガイダンス画像610g、及びガイダンス説明画像620gに変更されている点でも相違する。
【0067】
ガイダンス画像610gは、造型システム画像615と、その左側に配置された熱膨張性シート画像616gと、熱膨張性シート400が膨張装置200の給紙部220(
図2)に載置されることを意味する矢印画像とから構成される。ガイダンス説明画像620gは、文字列「裏面のバンプを行います。A4の用紙を左側のフォーマーにセットします。用紙を横にして切り欠きが右上に来るようにセットして下さい。用紙の裏側は、薄い青色でメーカロゴとバーコードが印刷されており、濃淡が印刷されています。セットできましたら、確認ボタンを押して下さい。」から構成されている。
【0068】
ここで、文字列「裏面のバンプを行います。」は、熱膨張性シート400の裏面膨張を行う旨の表示であり、文字列「用紙を横にして切り欠きが右上に来るようにセットして下さい。用紙の裏側は、薄い青色でメーカロゴとバーコードが印刷されています。」は、「熱膨張性シート400の他面側(熱膨張層410側)に近赤外光を照射する」旨の表示である。
【0069】
次に、S19において、ブラックインク(K)を使用していなかったと判定したとき(ブラックインクが含まれていない場合)には(S19で「無し」)、二次元画像形成制御手段21(
図1)は、二次元画像形成装置250に対して、熱膨張性シート400の裏面に黒色濃淡印刷を行わせる(S27)。つまり、二次元画像形成制御手段21は、表示操作部150に対して、印刷パネル600f(
図12)を表示させ、二次元画像形成装置250に対して、黒インクを用いて印刷を行わせる。
【0070】
S27の処理後、乾燥制御手段22(
図1)は、膨張装置200(
図1)に対して、表面を上にして乾燥搬送を行わせ、熱膨張性シート400上の余分なインクの水分を飛ばす(S29)。S29の処理後、膨張制御手段23は、膨張装置200に対して、裏面を上にして膨張搬送を行わせ(S31)、処理が終了する。ここで、膨張制御手段23は、表示操作部150に対して、印刷パネル600g(
図13)を表示させ、膨張装置200に対して、膨張搬送を行わせる。
【0071】
(変形例)
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のような種々の変形が可能である。
(1)前記実施形態の造型システム1000は、熱膨張性シート400の表面に黒色濃淡印刷を行ってから(S15)、表面を上にして熱膨張層410を膨張(発泡)させたが(S16)、熱膨張性シート400の表面に黒色濃淡印刷を行ってから、裏面を上にして乾燥させても構わない。
【0072】
図15は、第1変形例の二次元画像形成システムの動作を説明するためのフローチャートである。
二次元画像形成制御手段21は、二次元画像形成装置250に対して、熱膨張性シート400の表面に黒色(K)の濃淡印刷を行わせる(S51)。次に、乾燥制御手段22は、熱膨張性シート400の裏面を上にして乾燥搬送を行わせる(S53)。S53の処理後、二次元画像形成制御手段21は、二次元画像形成装置250に対して、熱膨張性シート400の表面にCMYのカラー印刷を行わせる(S55)。S55の処理後、再び、乾燥制御手段22は、熱膨張性シート400の裏面を上にして乾燥搬送を行わせる(S57)。S57の処理後、二次元画像形成制御手段21は、表面を上にして膨張搬送を行う(S58)。これにより、熱膨張層410は、S51で行われた黒色の濃淡画像の部位が膨張する。S58の処理後、二次元画像形成制御手段21は、二次元画像形成装置250に対して、熱膨張性シート400の裏面に黒色(K)の濃淡印刷を行わせる(S59)。S59の処理後、膨張制御手段23は、熱膨張性シート400の裏面を上にして膨張搬送を行わせ、裏面から熱膨張性シート400膨張させる(S61)。
【0073】
(2) 前記実施形態の造型システム1000は、カラー印刷を行ったが、熱膨張性シート400の表面に黒色(K)の濃淡印刷を行わせるだけでも構わない。
図16は、第2変形例の二次元画像形成システムの動作を説明するためのフローチャートである。
二次元画像形成制御手段21は、二次元画像形成装置250に対して、熱膨張性シート400の表面に黒色(K)の濃淡印刷を行わせる(S71)。次に、乾燥制御手段22は、熱膨張性シート400の裏面を上にして乾燥搬送を行わせる(S73)。この乾燥は、熱膨張層410が膨張(発泡)しない程度の温度にしたり、熱膨張層410が膨張(発泡)しないような搬送速度にしたりする。この温度や搬送速度の調整により、熱膨張層410の非膨張状態(非膨張状態)が維持される。S73の処理後、膨張制御手段23は、熱膨張性シート400の裏面を上にして膨張搬送を行わせ、表面から熱膨張性シート400膨張させる(S75)。
【0074】
(3) 前記第2変形例は、表面の黒色濃淡印刷のみを行ったが、さらに、表面のカラー印刷を行なうこともできる。
図17は、第3変形例の二次元画像形成システムの動作を説明するためのフローチャートである。
二次元画像形成制御手段21は、二次元画像形成装置250に対して、熱膨張性シート400の表面にCMYKのカラー印刷を行わせる(S81)。次に、乾燥制御手段22は、熱膨張性シート400の裏面を上にして乾燥搬送を行わせる(S83)。S83の処理後、二次元画像形成制御手段21は、二次元画像形成装置250に対して、熱膨張性シート400の裏面に黒色濃淡印刷を行わせる(S85)。S85の処理後、膨張制御手段23は、熱膨張性シート400の裏面を上にして膨張搬送を行わせ、裏面から熱膨張性シート400膨張させる(S87)。
【0075】
(3)前記実施形態の造型システム1000は、表面及び裏面の何れか一方又は双方に黒色濃淡印刷が行われていたが、CMYのカラー印刷のみであっても構わない。つまり、CMYのカラー印刷を媒体としての用紙の表面に行っている場合は、画像形成システムは、乾燥手段としての膨張装置200を用いて、媒体の表面及び裏面の何れか一方又は双方から媒体を加熱乾燥させる乾燥工程を実行すればよい。
【0076】
ここで、媒体として、表面側(一面側)に熱膨張層410を設けた熱膨張性シート400を用いたとき、画像形成システムは、熱膨張性シート400の表面及び裏面の何れか一方又は双方から近赤外光を当てて、媒体を加熱乾燥させる乾燥工程を実行すればよい。このとき、CMYのカラー印刷はカーボンを含むインク(K)を使用しないので、画像形成システムは、表側からの加熱乾燥であっても、熱膨張層410を膨張させることなく、熱膨張性シート400を十分に乾燥させることができる。
【0077】
印刷された二次元画像の面積が比較的に広い場合(つまり、印刷に使用されたインクの使用量が比較的多い場合)に、十分な膨張高さの立体画像を形成するためにはその分だけ多くの熱量を膨張性シートに与える必要がある。特に、印刷直後の熱膨張性シートは、印刷に使用されたインクが十分に乾燥していないため、インクを気化させるための気化熱が必要となる。したがって、十分な膨張高さの立体画像を形成するためにはインクを乾かす必要がある。
本実施形態では、画像の印刷後であって膨張制御処理前に乾燥制御処理を行うことで、インクを乾かすことができ、熱膨張性シートを十分に膨張させることができる。また、乾燥させるインクはカラーインクであっても黒インクであってもよい。
【0078】
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
一面側に熱膨張層を設けた熱膨張性シートを部分的に加熱して造形物を形成させる造型システムであって、
黒色インクを含むインクを用いて、前記一面側に二次元画像を形成する二次元画像形成手段と、
前記熱膨張性シートの他面側から前記熱膨張層が非膨張状態を維持可能な程度に加熱することにより前記インクを乾燥させる乾燥手段と、
前記乾燥が行われた熱膨張性シートを前記一面側及び前記他面側の何れか一方から加熱して膨張させる膨張手段と、
を備えることを特徴とする造型システム。
<請求項2>
一面側に熱膨張層を設けた熱膨張性シートを部分的に加熱して造形物を形成させる造型システムであって、
インクを用いて、前記一面側に二次元画像を形成する第1の二次元画像形成手段と、
前記熱膨張性シートの他面側から前記インクを乾燥させる乾燥手段と、
前記他面側に黒色インクで二次元画像を形成する第2の二次元画像形成手段と、
前記乾燥が行われた熱膨張性シートを前記他面側から加熱して膨張させる膨張手段と、
を備えることを特徴とする造型システム。
<請求項3>
一面側に熱膨張層を設けた熱膨張性シートを部分的に加熱して造形物を形成させる造型システムであって、
インクを用いて、前記一面側に二次元画像を形成する二次元画像形成手段と、
前記熱膨張性シートの他面側の二次元画像が非形成状態であるとき、当該他面側から光を照射して加熱することにより、前記一面側に形成された二次元画像のインクを乾燥させる乾燥手段と、
を備えることを特徴とする造型システム。
<請求項4>
請求項3に記載の造型システムであって、
前記他面側に黒色インクで二次元画像を形成された熱膨張性シートを加熱して膨張させる膨張手段を備え、
前記二次元画像形成手段は、前記乾燥手段が前記熱膨張性シートを乾燥させた後に、前記他面側に黒色インクで二次元画像を形成し、
前記膨張手段は、前記二次元画像が形成された後に熱膨張性シートを前記他面側から加熱して膨張させる
ことを特徴とする造型システム。
<請求項5>
請求項1、請求項2、または請求項4に記載の造型システムであって、
前記乾燥手段と前記膨張手段とは、同一物で構成されている
ことを特徴とする造型システム。
<請求項6>
一面側に熱膨張層を設けた熱膨張性シートに二次元画像を形成する二次元画像形成装置と、該熱膨張性シートを部分的に加熱膨張させる膨張装置とを制御するコンピュータに実現させる造型プログラムであって、
インクを用いて、前記熱膨張性シートの前記一面側に二次元画像を形成させる二次元画像形成制御手段と、
前記熱膨張性シートの他面側から前記インクを乾燥させる乾燥制御手段と、
前記乾燥が行われた熱膨張性シートを加熱膨張させる膨張制御手段と、
に実現させることを特徴とする造型プログラム。
<請求項7>
請求項6に記載の造型プログラムであって、
前記二次元画像形成制御手段は、前記乾燥制御手段が前記熱膨張性シートを乾燥させた後にも、前記他面側に黒色インクで二次元画像を形成させ、
前記膨張制御手段は、前記他面側に黒色インクで二次元画像を形成された熱膨張性シートを前記他面側から加熱して膨張させる
ことを特徴とする造型プログラム。
<請求項8>
一面側に熱膨張層を設けた熱膨張性シートに二次元画像を形成する二次元画像形成装置と、該熱膨張性シートを部分的に加熱膨張させる膨張装置と、該二次元画像形成装置及び該膨張装置を制御する制御装置のコンピュータに実現させる造型プログラムであって、
黒色インクを含むインクを用いて、前記熱膨張性シートの前記一面側に二次元画像を形成させる旨の表示を表示操作部に行わせ、
前記インクを用いた二次元画像が形成された前記熱膨張性シートの他面側から前記黒色インクを含むインクを乾燥させる旨の表示を前記表示操作部に行わせ、
前記黒色インクを用いた二次元画像が形成された熱膨張性シートを前記一面側及び前記他面側の何れか一方から加熱膨張させる旨の表示を前記表示操作部に行わせる表示操作制御部としての機能を実現させることを特徴とする造型プログラム。
<請求項9>
一面側に熱膨張層を設けた熱膨張性シートに二次元画像を形成する二次元画像形成装置と、該熱膨張性シートを部分的に加熱膨張させる膨張装置と、該二次元画像形成装置及び該膨張装置を制御する制御装置のコンピュータに実現させる造型プログラムであって、
インクを用いて、前記熱膨張性シートの前記一面側に二次元画像を形成させる旨の表示を表示操作部に行わせ、
前記インクを用いた二次元画像が形成された前記熱膨張性シートの他面側から前記インクを乾燥させる旨の表示を前記表示操作部に行わせ、
前記熱膨張性シートの他面側に黒色インクで二次元画像を形成させる旨の表示を表示操作部に行わせ、
前記黒色インクを用いた二次元画像が形成された熱膨張性シートを前記他面側から加熱膨張させる旨の表示を前記表示操作部に行わせる表示操作制御部としての機能を実現させることを特徴とする造型プログラム。
<請求項10>
CMYのカラーインクを用いて、媒体の一面側に二次元画像を形成する二次元画像形成手段と、
前記媒体の前記一面側、及び他面側の何れか一方又は双方から加熱して、前記カラーインクを乾燥させる乾燥手段と、
を備えることを特徴とする画像形成システム。
<請求項11>
請求項10に記載の画像形成システムであって、
前記媒体は、一面側に熱膨張層を設けた熱膨張性シートであり、
前記乾燥手段は、前記熱膨張性シートの前記一面側から加熱する
ことを特徴とする画像形成システム。