(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記開錠判定部が開錠を許可したときに、前記生体情報取得部が前記生体情報を取得した日時の情報を履歴データベースに記憶する履歴記録部をさらに備える請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の開錠制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。
【0014】
(第1実施形態)
本実施形態では、玄関、ゲートなどから入場しようとする判定対象者の生体情報を取得し、予め登録された開錠を許可される対象となる開錠許可者(以降、単に「開錠許可者」という)の生体情報と照合して生体認証を行い、開錠を許可する判定がされることにより、開錠を行う開錠制御装置100について説明する。
【0015】
図1は、本実施形態における開錠制御装置100の基本的な構成図を示すものである。開錠制御装置100は、ドア、扉、ゲートなど、物理的に侵入を阻む装置と合わせて使用される。例えば、
図1に示すように、集合住宅、オフィスビルのドア10の近くに開錠制御装置100が設置される。そして、開錠制御装置100は、生体情報入力部140を通して、判定対象者の生体情報を取得し、開錠制御を行う。また、集合住宅には、インターフォンが設置されることも多く、インターフォンと合わせて開錠制御装置100が設置されてもよい。
【0016】
図2は、本実施形態における開錠制御装置100の基本的な機能を説明するためのブロック図である。開錠制御装置100は、通信部110、記憶部120、制御部130、生体情報入力部140、開錠信号送出部150とを備える。
【0017】
通信部110は、他の装置と通信するための処理を行う。例えば、開錠制御装置100は、生体認証を行うための情報を通信部110を介して他の装置から取得してもよいし、開錠信号を送出するに際して、他の装置と通信して当該他の装置から開錠信号たる電気信号を送出してもよい。なお、開錠制御装置100をスタンドアロン型で動作させる場合には、通信部110はなくともよい。
【0018】
記憶部120は、開錠制御装置100が使用するデータ及びプログラムを記憶する。例えば、記憶部120は、開錠を許可される対象となる開錠許可者の情報を記憶する開錠許可データベース(DB)121を含む。
【0019】
開錠許可DB121は、開錠を許可される対象となる開錠許可者の生体情報、開錠を許可するための開錠許可条件及び開錠許可者の所属を識別する所属識別情報と所属ごとに開錠を許可するための条件を記憶するデータベースである。
【0020】
開錠許可DB121は、例えば、開錠許可者を識別するID、生体情報のデータ及び/又は生体認証により認証するための特徴量、開錠許可条件、所属識別情報が記憶される。また、例えば、開錠許可DB121は、所属識別情報と、所属ごとの開錠を許可するための条件が記憶される。具体例を含む詳細は後述する。
【0021】
制御部130は、開錠制御装置100のプロセッサが記憶部120に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部130は開錠制御装置100の動作を制御する。具体的には、制御部130は、開錠許可登録部131、生体情報取得部132、開錠判定部133としての機能を発揮する。
【0022】
開錠許可登録部131は、生体認証を用いて開錠を許可される対象となる開錠許可者の生体情報を取得し、開錠許可DB121に記憶する。
【0023】
開錠制御装置100において用いる生体認証方法は、例えば、顔画像認証(顔認証)、指紋認証、虹彩認証、静脈認証、掌紋認証、声紋認証、耳形認証などの生体認証である。これらのうちいずれか一つの認証方法を用いてもよいし、複数の認証方法を組み合わせて用いてもよい。
【0024】
開錠許可登録部131は、開錠制御装置100が用いる生体認証方法に応じて、開錠許可者を特定するための生体情報を取得し、開錠許可DB121に記憶する。
【0025】
開錠許可登録部131は、開錠制御装置100が用いる生体認証方法に応じて、カメラ、マイク、サーモセンサ、その他のセンサなどを通して生体情報を取得する。
【0026】
開錠許可登録部131は、開錠を許可するための開錠許可条件を取得し、開錠許可DB121に記憶してもよい。
【0027】
例えば、体調の悪い者に対しては、開錠を許可しないよう、判定対象となる判定対象者の体温に閾値を設けて発熱していないこと(例えば体温が閾値以下、閾値未満などの体温を閾値とする条件とすること)、判定対象者がマスクを着用していること、生体認証を行った日、曜日及び/又は時間などの時間に関する条件を満たすことなど、開錠を許可するための開錠許可条件を取得し、開錠許可DB121に記憶してもよい。また、特に開錠許可条件を設けない場合には、無条件としてもよい。
【0028】
なお、発熱による感染症のリスクなどを考慮すると、体温に関する閾値については、特に37度5分とすることが望ましい。
【0029】
開錠許可登録部131は、開錠許可者の所属を識別する所属識別情報を取得して、開錠許可DB121に記憶してもよい。また、所属識別情報に基づいて、開錠許可を行う日、曜日及び/又は時間の情報、その他マスク着用の有無や体温など開錠を許可するための条件を登録してもよい。このとき、開錠許可条件と抵触する場合には、どちらの条件を優先するか登録できるようにしてもよいし、どちらの条件も満たす場合にのみ開錠許可を行うようにしてもよい。
【0030】
所属識別情報とは、開錠許可を行う日、曜日及び/又は時間、その他開錠を許可するための条件を設定するグループである。例えば、配送業者、清掃業者、工事業者(工事請負先)、工事業者(工事下請先)などの所属企業、所属企業内の地位(例えば、管理者か作業員かなど)に応じて設定するとよい。開錠許可DB121には、これらを識別する英数字及び/又は記号の組合せで記憶してもよい。なお、所属識別情報に応じて開錠を許可する条件を設定しない場合には、無条件としてもよい。
【0031】
配送業者、清掃業者、工事業者など、出入り業者によって、集合住宅、オフィスビルなどに立ち入る時間帯が概ね分類されることが一般的であるため、所属識別情報と、その所属ごとに開錠許可を行う日、曜日、時間などの情報を登録しておくことで、開錠許可者ごとに条件を付す手間を省略することが可能となる。
【0032】
生体情報取得部132は、集合住宅、オフィスビル、催事場などに入場しようとする者、すなわち、開錠許可の判定対象となる判定対象者の生体情報を取得する。
【0033】
生体情報取得部132で取得する生体情報は、例えば、顔画像認証(顔認証)のための顔画像情報、指紋認証のための指紋情報、虹彩認証のための虹彩情報、静脈認証のための静脈情報、掌紋認証のための掌紋情報、声紋認証のための音声情報、耳形認証のための耳形情報などである。これらのうちいずれか一つの生体情報を取得しても良いし、複数の情報を取得してもよい。
【0034】
生体情報取得部132は、個人を特定、識別、認証するための生体情報に限らず、体温、心拍数、血圧、身長、体重など判定対象者の体調、状態を分析することのできる情報、その他、判定対象者に関する生体情報を取得してもよい。
【0035】
生体情報取得部132は、カメラ、マイク、サーモセンサ、その他のセンサなどを用いて、生体情報の取得を行う。
【0036】
生体情報取得部132で取得する生体情報は、望ましくは、顔認証のための顔画像情報である。開錠制御装置が、共同住宅、オフィスビル、催事場などの共同の玄関、ゲートに設置される場合、仮に、不正に開錠を行うなどの事象が発生した場合に、判定対象者の顔画像情報を取得し、さらに記憶しておくことで、後の調査、捜査、証拠の保全、確保などに役立てることが可能となる。
【0037】
また、顔画像情報を用いて開錠制御を行う場合には、カメラに対して、正面からその全容が写るように顔を向ける必要があること。すなわち、正面からその全容が写るように顔を向けなければ、そもそも開錠許可の判定を行うことができない。したがって、開錠制御装置が取得する顔画像情報が一部欠損してしまうなどの問題が生ずる可能性もなく、かかる顔画像情報を取得し、さらに記憶することで、後の調査、捜査、証拠の保全、確保などに役立てることが可能となる。
【0038】
生体情報取得部132は、生体認証を行うための顔画像情報と合わせて、判定対象者の体温情報などを取得してもよい。例えば、開錠許可条件として、体温が閾値以下、閾値未満など、体温を閾値とする条件を設定しておくことで、発熱が疑われ、感染症の懸念がある場合に、開錠制御装置において開錠を許可しないよう制御することも可能となる。
【0039】
開錠制御装置は、共同住宅、オフィスビル、催事場など、不特定多数の者が出入りする可能性のある場所に設置されるため、開錠制御装置において、感染症の懸念がある判定対象者の開錠を許可しないことで、感染症の拡大リスクを抑えることが可能となる。
【0040】
開錠判定部133は、生体情報取得部132で取得した生体情報に応じて、開錠判定を行う。具体的には、生体情報取得部132で取得した生体情報と、開錠許可DB121の情報とを認証し、開錠を許可する条件に合致する場合には、開錠を可とする判定を行う。開錠を許可する条件に合致しない場合には、開錠を不可とする判定を行う。
【0041】
開錠判定部133は、開錠許可DB121に開錠許可条件が記憶されているときは、開錠許可条件に応じて開錠判定を行ってもよい。また、開錠許可DB121に所属識別情報が記憶されているときは、所属識別情報に応じて開錠判定を行ってもよい。
【0042】
開錠判定部133は、まず、生体情報取得部132で取得した生体情報と、開錠許可DB121に記憶されている開錠を許可される対象となる開錠許可者の生体情報とを比較し、判定対象者が開錠を許可されている開錠許可者に該当するかどうか認証を行う。
【0043】
開錠判定部133は、判定対象者と開錠許可者との照合、認証については、一般的に用いられている生体認証技術を用いてもよい。例えば、顔画像認証においては、開錠許可者の顔画像情報から特徴点などを抽出した特徴量と、判定対象者の顔画像情報から特徴点などを抽出した特徴量とを比較し、その一致率をもって判定対象者が開錠許可者であるかどうか照合し、認証を行う。
【0044】
開錠判定部133は、顔画像認証以外の生体認証を行う場合にも、例えば、一般的に用いられている指紋認証、虹彩認証、静脈認証、掌紋認証、声紋認証、耳形認証などの認証技術を用いて、判定対象者が開錠許可者であるかどうか照合し、認証を行う。
【0045】
開錠判定部133は、開錠許可DB121に開錠許可条件が記憶されているときは、判定対象者が開錠許可者に合致するか照合、認証を行うとともに、開錠許可条件に合致するかどうか照合、認証を行い、開錠許可の判定を行う。
【0046】
開錠判定部133は、例えば、判定対象者の体温を開錠許可の条件としてもよい。例えば、発熱に際して一般的に感染症の疑いがあるとされる37度5分を閾値とし、判定対象者の体温が37度5分未満又は37度5分以下を開錠許可条件に設定してもよい。
【0047】
開錠判定部133は、判定対象者の状態を開錠許可の条件としてもよい。例えば、心拍数に関して閾値を設定し、又は、血圧に関して閾値を設定し、これらを開錠許可条件として開錠許可の判定を行ってもよい。
【0048】
また、開錠判定部133は、判定対象者に関するその他の条件を開錠許可の条件としてもよい。例えば、判定対象者の装着品に関するものでもよく、感染症予防、感染症の拡大予防のためにマスクの着用を条件としてもよい。このとき、開錠判定部133は、生体情報取得部132で取得した画像情報をもとに、判定対象者がマスクを着用しているかどうか検出し、マスクを着用している場合に開錠許可の判定を行う。
【0049】
開錠判定部133は、判定対象者の装着品に関する開錠許可条件について、例えば、マスク着用のほか、正確な画像情報を取得することを目的として、眼鏡を着用していないことなどを条件として設定してもよい。
【0050】
開錠判定部133は、開錠許可条件として、開錠判定を行う日時、すなわち、判定対象者の生体情報を取得した日、曜日及び又は/時間など、時間に関する条件を設定してもよい。
【0051】
例えば、開錠判定部133は、開錠許可条件として、特定の日、曜日を設定しておき、判定対象者の生体情報を取得した日、曜日の条件を満たすかどうか検出し、開錠許可の判定を行ってもよい。
【0052】
また、例えば、開錠判定部133は、開錠許可条件として、特定の日時、時間帯を設定しておき、判定対象者の生体情報を取得した日時、時間帯の条件を満たすかどうか検出し、開錠許可の判定を行ってもよい。
【0053】
開錠判定部133は、開錠許可DB121に開錠許可者の所属を識別する所属識別情報と、所属ごとに開錠を許可するための条件を記憶しているときは、判定対象者が開錠許可者に合致するか照合、認証を行うとともに、判定対象者の所属に応じて開錠を許可するための条件に適合するかどうか照合、認証を行い、開錠許可の判定を行う。
【0054】
所属識別情報とは、開錠許可を行う日、曜日及び/又は時間、その他開錠を許可するための条件を設定するグループである。例えば、配送業者、清掃業者、工事業者(工事請負先)、工事業者(工事下請先)などの所属企業、所属企業内の地位(例えば、管理者か作業員かなど)に応じて設定するとよい。開錠許可DB121には、これらを識別する英数字や記号の組合せで記憶してもよい。
【0055】
例えば、配送業者は、9時から21時までの間に配送を行うとき、当該所属グループに関し、開錠を許可するための条件として毎日9時から21時までという時間を設定しておき、開錠判定を行う日時、すなわち、判定対象者の生体情報を取得した時間が条件を満たすときに、開錠判定部133は開錠許可を行う。
【0056】
例えば、工事業者は、指定された期間の日曜日を除く8時から18時まで作業を行うとき、当該所属グループに関し、開錠を許可する条件として、指定された期間の月曜日から土曜日まで、8時から18時までを開錠を許可する条件とする。そして、開錠判定を行う日時が条件を満たすときに、開錠判定部133は開錠許可を行う。
【0057】
このように、所属ごとに開錠許可条件を設定することで、開錠許可を簡易に設定することができることに加え、条件の設定もれを防止することが可能となる。
【0058】
また、開錠判定部133は、開錠許可DB121に、開錠許可条件と、所属識別情報と所属ごとに開錠を許可するための条件が設定されているときに、そのどちらかの条件を満たすときに開錠を許可してもよいし、両方の条件を満たすときに開錠を許可するようにしてもよい。
【0059】
開錠制御装置が集合住宅、オフィスビル、展示場などの玄関、ゲートに設置される場合、出入りする業者及び人に応じて、出入りする可能性のある時間が異なるため、予め開錠許可を行う条件を設定しておくことで、セキュリティを向上させることに資する。
【0060】
開錠制御装置が設置される集合住宅、オフィスビル、展示場などの玄関、ゲートでは、その集合住宅に居住する住民、そのオフィスビルに入居する会社の従業員など、当該共同玄関の施設の所属者のほか、宅配業者、清掃業者など、当該施設に頻繁に出入りを行う者が想定される。個別の住居、オフィスを訪問する場合には、インターホンにより入居者を呼び出した上で、入居者により開錠操作が行われればよいが、宅配業者による置き配、清掃業者による共用部の清掃、出前業者による食器の回収など、共用部にのみ立ち入ることができれば作業が完結する業者も存在する。
【0061】
開錠制御装置が共同の玄関、ゲートなどに設置されることにより、施設の共用部にのみ立ち入ることで作業が完結し、かつ、頻繁に出入りが想定される業者などを想定し、生体認証により認証を行った上で開錠判定を行うことが期待される。
【0062】
また、生体認証を用いた開錠制御においては、物理的な鍵などの受け渡しが不要であるため、出入りが不要となった者の情報を開錠許可DB121から削除するのみで、入場を制限することができ、鍵の未回収リスクを軽減することができる。これにより、セキュリティを高めることが可能となる。
【0063】
さらに、修繕工事など、一定期間のみ立入が想定される業者については、所属識別情報として記録してある所属の情報を一斉に開錠許可DB121から削除したり、当該所属の開錠許可条件を全て不許可とすることで、簡単に開錠制御を行うことが可能となる。
【0064】
開錠判定部133は、生体認証による開錠判定の他、例えばマスクを着用しているか、体温が一定値以下かといった付随的な開錠許可条件も用いて開錠判定を行うことで、施設の入場に不適切な者への開錠判定を制限することが可能となる。
【0065】
開錠判定部133は、生体認証の個体ごとに開錠を許可する日時などを定めておくことにより、入場が想定されない時間の開錠判定を制限し、不要な開錠を行わないことを通して、玄関ないしゲート内のセキュリティを向上させることが可能となる。
【0066】
生体情報入力部140は、生体情報を入力するためのインタフェースである。例えば、生体情報入力部140は、カメラ、サーモグラフィー、マイクなどである。
【0067】
開錠信号送出部150は、開錠判定部133により、開錠判定がなされた場合に、ドア、ゲートなど、物理的に入場を制限する装置を開錠すべく、当該装置に対して開錠信号を送出する。
【0068】
<開錠許可DB121の具体的構造>
以下、開錠許可DB121の具体的構造について示す。
【0069】
図3は、開錠許可DB121の具体例を示す図である。
図3は、開錠許可者のID、開錠許可者の生体情報(生体情報を示す画像ファイルをファイル名で指定)、開錠許可者の開錠を許可する日付(いつ、又はいつからいつまで)、曜日(月火水木金土日のいずれか、または祝日休日を含むかなど)、時間(時間又は時間帯)、開錠許可者に対して開錠を許可するための条件(例えばマスクの着用が必要か、体温が37度5分未満かなど)、所属識別情報をデータ構造として示している。
【0070】
図3において、例えば、ID=B001の開錠許可者は、生体情報がfig001.jpgで示された画像であり、日付、曜日、時間帯については個別に開錠許可条件を設定せず、開錠許可にはマスクの着用(mask=necessary)と発熱がないこと(temperature=37.5未満)を開錠許可の条件としている。また、所属識別情報として、G001が指定されている。
【0071】
図4は、所属識別情報の所属を表すグループごとの開錠許可条件を示したもので、開錠許可DB121の一部を構成するものである。
【0072】
例えば、G001というグループは配送業者を前提とし、開錠許可の期間、曜日は指定されず無限定であるが、時間は8時から21時の間のみ開錠許可を行う。また、マスクの着用(mask=necessary)と発熱がないこと(temperature=37.5未満)を開錠許可の条件としている。
【0073】
開錠許可DB121には、所属識別情報の所属を表すグループごとに開錠許可条件を設定した上で、個別の開錠許可者ごとにさらに開錠許可条件を設定することで、全体的に簡易に開錠を許可する条件を設定した上で、さらに個別に細かい条件を付すことが可能となる。
【0074】
開錠許可DB121は、複数の生体情報が記憶されていてもよい。また、開錠を許可するための条件として、体温情報の他、心拍数、血圧、身長、体重などの生体情報を用いて開錠条件を設定し、記憶してもよい。
【0075】
<開錠判定の具体例>
開錠制御装置100は、集合住宅、オフィスビル、展示場などの玄関、ゲートなどに設置されることが想定され、開錠許可の判定対象となる判定対象者の生体情報を取得した上で、開錠許可者であるか、また、開錠条件を満たすかなどの判定をした上で、開錠許可を行う。
【0076】
開錠判定部133は、生体情報取得部132で取得した生体情報と、開錠許可DB121に記憶された生体情報とが一致するかどうか照合、判定する。
【0077】
例えば、開錠判定部133が用いる生体認証の方法は顔画像認証であり、開錠許可DB121には、開錠を許可される対象となる開錠許可者の顔画像情報が記憶されている。開錠判定部133は、生体情報取得部132が取得した生体情報たる顔画像情報に対して、開錠許可DB121に記憶された顔画像情報と照合して認証を行い、いずれかの顔画像情報と認証がなされた場合、判定対象者が開錠許可者の一人に該当すると判定する。例えば
図3におけるID=B003の者と認証された場合には、判定対象者は開錠許可者に該当すると判定する。
【0078】
開錠判定部133は、開錠許可DB121に開錠許可条件、所属識別情報とその開錠を許可する条件が記憶されているときには、判定対象者が開錠許可者に該当するか否かの判定に加えて、開錠許可の条件に合致するか否かの判定をした上で、開錠許可を行う。
【0079】
例えば、開錠判定部133は、ID=B003の者として開錠許可者として認証がなされたものの、体温が38度である場合には、
図3に示す37.5度未満という条件を満たさないものとして、開錠を不可と判定する。
【0080】
また、例えば、
図3に示すID=B001の者として開錠許可者として認証がなされたものの、その認証がなされた時間、すなわち、生体情報取得部132が生体情報を取得した時間が22時であった場合、開錠許可条件による制限はないが、
図4に示すように、所属識別情報G001の開錠を許可する時間帯は8時から21時の間であるため、開錠を許可する条件を満たさないとして、開錠を許可しない。
【0081】
<処理の流れ>
以下、
図5を参照しながら、開錠制御装置100が実行する制御処理の一例を説明する。
【0082】
開錠許可者の登録場面において(
図5(A)参照)、開錠制御装置100の制御部130は、開錠を許可される対象者となる開錠許可者の生体情報、開錠許可条件、所属識別情報を取得して、開錠許可DB121に記憶する(ステップS101)。
【0083】
判定対象者の開錠判定場面において(
図5(B)参照)、開錠制御装置100の制御部130は、判定対象となる判定対象者の生体情報を取得する(ステップS102)。
【0084】
開錠制御装置100の制御部130は、取得した判定対象者の生体情報と、開錠許可DB121の情報とを用いて認証を行い、開錠許可者に該当するか照合した上で、開錠条件及び所属識別情報に応じた開錠を許可する全ての条件に合致した場合には、開錠を許可する(ステップS103)。
【0085】
<効果の説明>
本実施形態における開錠制御装置100により、予め物理的な鍵の受け渡しをしなくとも、開錠許可者の生体情報を登録しておき、入場時に取得した生体情報と照合することにより、共同住宅、オフィスビル、展示場などの施設への入場が可能となる。
【0086】
また、体温などのその他の生体情報、マスクの着用の有無など開錠対象者に関する条件、開錠を行う時間などその他の条件を設定し、その条件に応じて開錠制御を行うことが可能であり、セキュリティの高い玄関・ゲートを実現することが可能となる。
【0087】
(第2実施形態)
本実施形態では、開錠判定がされた際に、判定対象者の顔画像を記憶する開錠制御装置200について説明する。
【0088】
図6は、本実施形態における開錠制御装置200の基本的な機能を説明するためのブロック図である。開錠制御装置200は、通信部110、記憶部220、制御部230、生体情報入力部140、開錠信号送出部150とを備える。
【0089】
通信部110は、第1実施形態における通信部110と同様であり、他の装置と通信するための処理を行う。
【0090】
記憶部220は、開錠制御装置100と同様であるが、さらに履歴データベース(DB)222を記憶する。
【0091】
履歴DB222は、生体認証により認証がされた際に、生体認証を行った日時、すなわち、判定対象者の生体情報を取得した日時と、生体情報取得部132が取得した顔画像情報が記憶されるデータベースである。詳細は後述する。
【0092】
開錠制御装置200は、判定対象者が開錠許可者と照合したときに、その開錠日時を入場時間として履歴DB222に記憶してもよい。そして、再度、判定対象者が開錠許可者と照合したときに、その認証を行った日時、すなわち判定対象者の生体情報を取得した日時を退場時間として履歴DB222に記憶してもよい。具体例を含む詳細は後述する。
【0093】
制御部230は、開錠制御装置100の制御部130と基本的に同様であるが、さらに、履歴記録部234、開錠情報送信部235の機能を有する。すなわち、制御部230は、開錠許可登録部131、生体情報取得部132、開錠判定部133、履歴記録部234、開錠情報送信部235としての機能を発揮する。
【0094】
本実施形態における開錠許可登録部131、生体情報取得部132、開錠判定部133は、第1実施形態と同様の機能を有する。
【0095】
なお、生体情報取得部132は、少なくとも顔画像を生体情報として取得する。生体情報取得部132は、顔画像以外の生体情報を取得してもよい。
【0096】
履歴記録部234は、開錠判定部133が判定対象者の認証を行い、開錠を可とする判定を行った際に、生体情報取得部132が判定対象者の生体情報を取得した日時を履歴DB222に記憶してもよい。また、履歴記録部234は、生体情報取得部132で取得した判定対象者の顔画像情報を履歴DB222に記憶してもよい。
【0097】
履歴記録部234は、開錠判定部133が開錠を許可したときのみならず、開錠を許可しなかったときにも、履歴DB222に生体情報取得部132で取得した顔画像及び/又は生体情報取得部132が生体情報を取得した日時を記憶してもよい。
【0098】
開錠情報送信部235は、開錠判定部133が判定対象者に対して開錠を許可した場合に、予め登録された連絡先に対して、判定対象者に対して開錠が許可されたことを通知する。
【0099】
例えば、開錠情報送信部235は、判定対象者に対して開錠が許可されたときに、開錠が許可されたことのみを通知してもよい。また、判定対象者の顔画像情報を合わせて送信してもよい。このとき、顔画像情報を添付して送信してもよいし、リンクなどを付して顔画像情報を容易に取得できるような形で送信してもよい。さらに、判定対象者の認証を行った日時も合わせて送信してもよい。加えて、開錠許可DB121に開錠許可者の氏名、所属先名称などを記憶しておき、判定対象者と認証された開錠許可者の情報を合わせて送信してもよい。
【0100】
開錠情報送信部235は、情報を送信する手段として、例えば、電子メール、SMS(Short Message Service)、ファクシミリ、予め決めておいたウェブページ、ウェブ上の掲示板等に情報をアップロードするなどの方法を用いて情報を送信してもよい。
【0101】
開錠情報送信部235は、情報の送信先、すなわち予め登録された連絡先として、例えば、開錠制御装置が設置された共同住宅の入居者、管理組合の構成員、オフィスビルの入居者などが登録され、情報を送信してもよい。また、開錠制御装置を管理する者や、開錠許可者の所属先、開錠許可者本人などが登録され、情報を送信してもよい。
【0102】
開錠判定部133により、開錠が許可され、又は開錠が許可されなかったときに、履歴記録部234において、判定対象者の顔画像情報を記憶しておくことにより、犯罪などが行われたときに、捜査の手がかりを残し、セキュリティを高めることが可能となる。
【0103】
また、開錠情報送信部235において、施設の入居者に対して開錠を許可した判定対象者の情報を通知することにより、施設の入居者が不審な人物かどうか判断することが可能となり、施設全体のセキュリティを高めることが可能となる。また、開錠を許可しなかった判定対象者の情報を通知することにより、同様に不審な人物を検知してセキュリティを高めることが可能となる。
【0104】
<履歴DB222の具体例>
図7に履歴DB222のデータ構造の具体例を示す。
【0105】
履歴DB222は、開錠判定部133が判定を行った日時、すなわち生体情報取得部132が生体情報を取得した日時が記憶される。また、開錠判定部133が開錠許可DB121を用いて認証を行った際に、生体認証が合致したIDが記憶される。このとき、生体認証が合致しなかった場合には、IDが記憶されずにブランク(例えば「−」など)を記憶してもよい。さらに、履歴DB222には、生体情報取得部132が取得した顔画像情報が記憶される。
【0106】
図7において、例えば、2020年8月31日12時20分に生体情報が取得されて開錠判定が行われ、生体認証の結果、開錠許可DB121におけるID=B002の情報と一致したことを示している。また、生体認証を行った際に取得した画像として、fig001.jpgのファイルを記憶したことを示している。また、例えば、2020年8月31日14時15分に生体情報が取得されたものの、生体認証で一致する開錠許可者がおらず、IDがブランクとして記憶されていることを示している。
【0107】
<処理の流れ>
以下、
図8を参照しながら、開錠制御装置200が実行する制御処理の一例を説明する。なお、開錠許可者の登録場面については、第1実施形態と同様であるため省略する。
【0108】
開錠制御装置200の制御部230は、判定対象者の生体情報を取得する(ステップS102)。
【0109】
開錠制御装置200の制御部230は、取得した判定対象者の生体情報と、開錠許可DB121の情報とを照合して認証を行い、さらに、開錠を許可する条件に合致した場合には、開錠を許可する(ステップS103)。
【0110】
開錠制御装置200の制御部230は、開錠判定が行われた際に、取得した生体情報である顔画像情報を日時とともに記憶する(ステップS204)。
【0111】
開錠制御装置200の制御部230は、予め登録された連絡先に対して、開錠を許可し、又は開錠を許可しなかったときに、判定対象者の顔画像情報と判定を行った日時を送信する(ステップS205)。
【0112】
<効果の説明>
本実施形態における開錠制御装置200により、開錠判定が行われた際に、顔画像情報を記憶しておくことで、施設全体のセキュリティを高めることが可能となる。
【0113】
(変形例1)
本実施形態では、開錠判定部により開錠許可者との照合がされて開錠が許可され、履歴DB222に認証がされた日時を判定対象者の入場日時として記憶し、さらに、開錠判定部により開錠許可者との照合がされた日時を判定対象者の退場日時として記憶する開錠制御装置200について説明する。
【0115】
履歴記録部234は、判定対象者が開錠許可者と照合され、開錠判定部133により開錠が許可されたときに、判定対象者の入場日時として、履歴DB222に記憶する。
【0116】
履歴記録部234は、さらに、判定対象者が同一の開錠許可者として照合され、開錠判定部133により開錠が許可されたときに、判定対象者の退場日時として、履歴DB222に記憶する。
【0117】
例えば、業者が集合住宅、オフィスビルに入場する際は、所用を終えた後は必ず退場するため、退場時にさらに生体認証を行って、施設から退場したことを記憶することで、施設内に業者が残っているか確認することが可能となり、セキュリティを高めることが可能となる。
【0118】
このとき、例えば、判定対象者に対して開錠が許可された後、長い時間が経過して再度同一の開錠許可者と照合されたときは、退場時の認証を忘れて、再度入場しようとしている場面が想定される。したがって、例えば24時間など、一定の閾値を設けた上で、その時間を経過してしまった後は、退場の認証が行われなかったものとして、履歴記録部234は、退場時間なしとして履歴DB222に記憶してもよい。
【0119】
開錠情報送信部235は、第2実施形態で示したように、開錠を許可し、又は許可しなかった場合に情報を送信するのとは別に、入場した開錠許可者が、開錠許可者に対して許可された日、曜日及び/又は時間の範囲を経過しても退場時間の記録がされないときに、施設の入居者、開錠許可者の所属する機関、開錠許可者の所属する機関の管理者、開錠許可者本人など予め登録された連絡先に対して、退場記録がない旨の情報を送信してもよい。
【0120】
集合住宅、オフィスビルの工事などを行う場合、現場代理人などの管理者が配置されていることがある。したがって、例えば、開錠情報送信部は、開錠許可者に対して許可された日、曜日及び/又は時間の範囲を経過しても退場時間の記録がされていないときに、予め登録された連絡先として、現場代理人と開錠許可者本人の両方に対して退場記録がない旨の情報を送信してもよい。
【0121】
開錠情報送信部235は、退場時間の記録がないときに、開錠許可者の所属する機関に対して情報を送信することで、所属機関から開錠許可者に対する指導が期待でき、退場時にも忘れずに生体認証を行うことが期待できる。入場時と異なり、退場時には認証がされなくとも物理的な障壁がないため、このような機能を持たせることにより、退場時の認証漏れを防止することができる。
【0122】
また、判定対象者に関する退場記録も履歴DB222に記憶することで、施設内に残っている業者の人数、対象者を特定することが可能となり、施設内のセキュリティを高めることが可能となる。加えて、開錠許可者の所属する機関としては、入退場記録を用いて開錠許可者の時間管理を行うことも可能となる。
【0123】
(変形例2)
本実施形態では、第2実施形態又は第2実施形態の変形例1をさらに変形し、開錠制御装置が設置された施設の入居者に対して、開錠情報送信部235がテレビ放送を用いて開錠許可を行った判定対象者の情報を送信する開錠制御装置300について説明する。
【0124】
図9は、本実施形態における開錠制御装置300の基本的な機能を説明するためのブロック図である。開錠制御装置300は、通信部110、記憶部220、制御部330、生体情報入力部140、開錠信号送出部150、放送信号送出部360とを備える。
【0125】
通信部110は、第1実施形態における通信部110と同様であり、他の装置と通信するための処理を行う。
【0126】
記憶部220は、開錠制御装置200と同様である。
【0127】
制御部330は、開錠制御装置200の制御部230と同様であるが、開錠情報送信部335は、テレビ放送を通して、開錠を許可した対象者に関する情報を送信する。
【0128】
本実施形態における開錠許可登録部131、生体情報取得部132、開錠判定部133、履歴記録部234は、第2実施形態ないし第2実施形態の変形例1と同様の機能を有する。
【0129】
開錠情報送信部335は、開錠判定部133において開錠を可とする判定を行ったときに、生体情報取得部132において取得した顔画像もしくは認証により特定された開錠許可者の開錠許可DB121に記憶された顔画像情報に関する情報をテレビ放送により、施設内に設置されたテレビ端末を通して、施設の利用者に提示する。
【0130】
放送信号送出部360は、放送送出機などの装置を用いて実現する。
【0131】
開錠情報送信部335は、放送信号送出部360にテレビ放送のためのデータを送信する。
【0132】
放送信号送出部360は、開錠情報送信部335より取得したテレビ放送のためのデータを所定の周波数帯域のテレビ映像信号に変換して同軸線路に伝送する。
【0133】
例えば、集合住宅、オフィスビルには、テレビ放送を受信するための同軸線路が設置されていることが大半である。そして、本実施形態にかかる開錠制御装置が設置された施設に対して、放送送出装置を設置し、テレビジョン映像信号に変換した情報を同軸線路に伝送することにより、独自のテレビ番組コンテンツ及び/又はデータ放送コンテンツを送出することが可能となる。
【0134】
ここでは特に、データ放送コンテンツにおいて、開錠を許可した判定対象者ないし照合された開錠許可者の情報を送出することにより、施設の入居者は、現在、共用部にどのような業者が入っているか確認することが可能となる。テレビ端末は特別な設定をすることなく、チャンネルさえ合わせれば容易に情報の取得が可能であるため、パソコンやスマートフォンなどの利用が不得意である入居者にとっても容易に情報を確認することが可能となる。
【0135】
また、判定対象者の入場時刻のみならず、退場時刻も履歴DB222に記憶し、入場時刻から退場時刻までの間、現在施設に立ち入っている業者の情報として、判定対象者の情報をテレビ放送により送出してもよい。
【0136】
例えば、共用部の清掃、工事などにより業者が入る場合、テレビ放送により施設の共用部に入っている業者の情報を入居者間で共有することができれば、施設の共用部にいる業者が不審な人物であるか、正当な理由があって業務を行っている業者か判断することが可能となる。
【0137】
例えば、施設の共用部に宅配業者などの業者が立ち入る場合、テレビ放送により施設の共用部に入っている業者の情報を共有することができれば、そろそろ宅配業者が訪れるか予想したり、受け取り損ねた荷物について問い合わせを行う機会を得ることが可能となる。
【0138】
(開錠制御システム)
本実施形態では、開錠制御装置がネットワークを介してシステムとして構成した開錠制御システム1について説明する。
【0139】
図10は、本実施形態における開錠制御システム1の基本的な構成図を示すものである。管理サーバ400、開錠制御装置500、端末装置600は、ネットワークNWを介して接続される。なお、管理サーバ400、開錠制御装置500、端末装置600は、いずれも複数設置されてもよい。
【0140】
例えば、管理サーバ400は、開錠許可DB421を有し、開錠制御装置500で開錠判定を行う際のデータセンタとしての役割を果たしてもよい。
【0141】
端末装置600は、例えば、開錠制御装置500を管理する者によって操作される端末である。端末装置600は、管理を行う者からの入力を受け付け、開錠許可のための情報を取得した上で、管理サーバ400に対して送信し、開錠許可DB421の内容を登録、変更、削除を行う。すなわち、端末装置600から入力された情報について、管理サーバ400は、開錠許可登録部431を通して取得し、開錠許可DB421に記憶する。
【0142】
なお、開錠許可DB421に記憶するための操作は、必ずしも端末装置600を介した入力に限られるものではなく、管理サーバ400において行ってもよいし、開錠制御装置500において行ってもよい。
【0143】
端末装置600を通して、開錠許可DB421に記憶する情報を取得するとき、端末装置600は、開錠許可DB421に記憶する情報を取得するための二次元バーコードを読み取り、当該二次元バーコードにより示されたURL(Uniform Resource Locator)にアクセスすることで、開錠を許可される対象となる開錠許可者の生体情報、開錠を許可するための開錠許可条件、及び開錠許可者の所属を識別する所属識別情報を入力するためのフォームを表示可能とし、開錠許可DB121への記憶を簡単に操作できるようにしてもよい。
【0144】
図11は、本実施形態における開錠制御システム1における管理サーバ400及び開錠制御装置500の基本的な機能を説明するためのブロック図である。
図11(A)に示すように、管理サーバ400は、通信部410、記憶部420、制御部430とを備える。
図11(B)に示すように、開錠制御装置500は、通信部510、記憶部520、制御部530、生体情報入力部540、開錠信号送出部550とを備える。
【0145】
管理サーバ400における通信部410は、他の装置と通信するための処理を行う。
【0146】
管理サーバ400における記憶部420は、管理サーバ400が使用するデータ及びプログラムを記憶する。例えば、記憶部420は、開錠許可DB421を記憶する。
【0147】
開錠許可DB421は、開錠許可DB121と同様に、開錠を許可される対象となる開錠許可者の生体情報、開錠許可条件及び開錠許可者の所属を識別する所属識別情報と所属ごとに開錠を許可するための条件を記憶する。また、開錠許可DB421は、さらに、開錠制御装置を識別する開錠制御装置識別情報を記憶してもよい。
【0148】
図12は、開錠許可DB421において、開錠制御装置識別情報を加えたデータ構造の一例を示す図である。基本的な構成は、開錠許可DB121と同様であるが、さらに開錠制御装置識別情報として「device」の項目があり、これに開錠制御装置識別情報としての番号が付されている。
【0149】
例えば、開錠制御装置500が3台設置されており、それぞれ開錠制御装置識別情報として、1,2,3の番号が付されているとする。このとき、
図12では、B001とB002のIDの者は、いずれの開錠制御装置においても開錠許可者として登録されているが、B003のIDの者は、1番の開錠制御装置のみ、B004のIDの者は、1,2番の開錠制御装置のみに開錠許可者として登録されている。
【0150】
このように、開錠制御装置識別情報をデータ構造として加えることで、既に登録されている開錠許可者を、他の開錠制御装置の開錠許可者として簡単に登録することが可能となる。
【0151】
特に、配送業者、清掃業者、工事業者などの業者を開錠許可者として想定する場合、あるビルにおいて出入りの許可がされている者が、他のビルでも出入りが許可されることも多数想定され、このようなデータ構造とすることで、開錠許可者の登録の手間を軽減することが可能となる。
【0152】
管理サーバ400における制御部430は、管理サーバ400のプロセッサが記憶部420に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部430は管理サーバ400の動作を制御する。具体的には、制御部430は、開錠許可登録部431として機能する。
【0153】
管理サーバ400における開錠許可登録部431は、開錠許可者の生体情報、開錠を許可するための条件を取得し、開錠許可DB421に記憶する。基本的な機能は、開錠許可登録部131と同様である。
【0154】
開錠制御装置500における通信部510は、他の装置と通信するための処理を行う。
【0155】
開錠制御装置500における記憶部520は、開錠制御装置500が使用するデータ及びプログラムを記憶する。
【0156】
開錠制御装置500における制御部530は、開錠制御装置500のプロセッサが記憶部520に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部530は開錠制御装置500の動作を制御する。具体的には、制御部530は、生体情報取得部532、開錠判定部533として機能し、これらは、生体情報取得部132、開錠判定部133と同様である。
【0157】
生体情報入力部540は、生体情報を入力するためのインタフェースである。例えば、生体情報入力部540は、カメラ、マイク、サーモセンサなどであり、生体情報入力部140と同様である。
【0158】
開錠信号送出部550は、開錠判定部533により、開錠判定がなされた場合に、ドア、ゲートなど、物理的に入場を制限する装置を開錠すべく、当該装置に対して開錠信号を送出する。この機能は、開錠信号送出部150と同様である。
【0159】
本実施形態のように、開錠制御システム1として構成することにより、ある施設に設置された開錠制御装置と、別の施設に設置された開錠制御装置において、開錠許可DB421の内容を共有することが可能となる。例えば、配送業者、清掃業者、工事業者などの業者は、一つの業者が複数の施設を訪れる可能性が高いため、開錠制御装置識別情報を用いて開錠許可者を容易に登録することが可能となり、効率的に開錠制御装置500を運用することが可能となる。
【0160】
以上で実施形態の説明を終了するが、上記実施形態は一例に過ぎない。そのため、開錠制御システム1、管理サーバ400、開錠制御装置100,200,300,500の具体的な構成、処理内容等は上記実施形態で説明したものに限られない。
【0161】
また、本開示に係る管理サーバ及び開錠制御装置は、上記装置によらず、例えば、コンピュータがプログラムを実行することで、その機能を実現してもよい。情報提供システムの機能を実現するためのプログラムは、USB(Universal Serial Bus)メモリ、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、HDD(Hard Disc Drive)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータにダウンロードされてもよい。
【0162】
以上、本開示の好ましい実施形態について説明したが、本開示は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本開示には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。また、上記実施形態及び変形例で説明した装置の構成は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせ可能である。
【解決手段】開錠を許可される対象となる開錠許可者の生体情報及び所属を識別する所属識別情報を取得して開錠許可データベースに登録する開錠許可登録部と、開錠許可の判定対象となる判定対象者の生体情報を取得する生体情報取得部と、判定対象者の生体情報、開錠許可者の生体情報及び所属識別情報に応じて開錠判定を行い、開錠を許可したときに開錠操作を行う開錠判定部とを備える。