特許第6870825号(P6870825)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6870825液晶組成物およびそのディスプレイデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6870825
(24)【登録日】2021年4月19日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】液晶組成物およびそのディスプレイデバイス
(51)【国際特許分類】
   C09K 19/30 20060101AFI20210426BHJP
   C09K 19/12 20060101ALI20210426BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20210426BHJP
   G02F 1/139 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   C09K19/30
   C09K19/12
   G02F1/13 500
   G02F1/139
【請求項の数】11
【全頁数】55
(21)【出願番号】特願2018-523785(P2018-523785)
(86)(22)【出願日】2016年11月16日
(65)【公表番号】特表2019-501239(P2019-501239A)
(43)【公表日】2019年1月17日
(86)【国際出願番号】CN2016106007
(87)【国際公開番号】WO2017084568
(87)【国際公開日】20170526
【審査請求日】2019年8月1日
(31)【優先権主張番号】201510808198.0
(32)【優先日】2015年11月19日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514025683
【氏名又は名称】ジアンスー ヘチェン ディスプレイ テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(72)【発明者】
【氏名】シュー ハイビン
(72)【発明者】
【氏名】ハン ウェンミン
(72)【発明者】
【氏名】シュー シュアン
(72)【発明者】
【氏名】ワン パンパン
(72)【発明者】
【氏名】ワン リー
【審査官】 井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第102344815(CN,A)
【文献】 特開2009−270026(JP,A)
【文献】 特開2011−089082(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103361076(CN,A)
【文献】 特表平11−501692(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第104449764(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 19/00−19/60
G02F 1/13
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式Iの化合物からなる群から選択される1つ以上の化合物
【化1】
および
一般式IIの化合物からなる群から選択される1つ以上の化合物
【化2】
を含む液晶組成物であって、
式中、
およびRは同じまたは異なり、各々は独立してC−C直鎖アルキル、C−C直鎖アルコキシを表し、
およびRは同じまたは異なり、各々は独立してC−C直鎖アルキルを表し、
XはCFを表し、
mは1または2を表す、
液晶組成物。
【請求項2】
前記一般式Iの化合物が、以下の化合物:
【化3-1】
【化3-2】
【化3-3】
からなる群から選択され、
前記一般式IIの化合物が、以下の化合物:
【化4-1】
からなる群から選択される、
請求項1に記載の液晶組成物。
【請求項3】
一般式IIIの化合物
【化5】
(式中、
およびRは同じまたは異なり、各々は独立してC−C10直鎖アルキルを表す)
からなる群から選択される1つ以上の化合物をさらに含む、請求項1または2に記載の液晶組成物。
【請求項4】
前記一般式IIIの化合物が、以下の化合物:
【化6】
からなる群から選択される、請求項3に記載の液晶組成物。
【請求項5】
一般式IVおよび/またはVの1つ以上の化合物
【化7】
(式中、
、R、RおよびR10は同じまたは異なり、各々は独立してC−C直鎖アルキル、C−C直鎖アルコキシを表し、
は、単結合、−CHO−または−COO−を表し、
nは、1または2を表す)
をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶組成物。
【請求項6】
前記一般式IVの化合物が、以下の化合物:
【化8-1】
【化8-2】
【化8-3】
【化8-4】
からなる群から選択され、
前記一般式Vの化合物が、以下の化合物:
【化9】
からなる群から選択される、請求項5に記載の液晶組成物。
【請求項7】
一般式VIの1つ以上の化合物
【化10】
(式中、
11およびR12は同じまたは異なり、各々は独立してC−C直鎖アルキル、C−C直鎖アルコキシ、C−C直鎖アルケニルを表し、

【化11】
は同じまたは異なり、各々は独立して
【化12】
を表し、
qは1または2を表し、
qが2を表す場合、2つの環
【化13】
は同じまたは異なり、各々は独立して
【化14】
を表す)、
をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の液晶組成物。
【請求項8】
前記一般式VIの化合物が、以下の化合物:
【化15-1】
【化15-2】
【化15-3】
からなる群から選択される、請求項7に記載の液晶組成物。
【請求項9】
一般式VIIの1つ以上の化合物
【化16】
(式中、
13およびR14は同じまたは異なり、各々は独立してC−C直鎖アルキル、C−C直鎖アルコキシを表し、

【化17】
は同じまたは異なり、各々は独立して
【化18】
を表し、
は、単結合、−CHO−または−COO−を表し、
pは、0または1を表し、
が単結合を表す場合、pは1を表す)
をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の液晶組成物。
【請求項10】
前記一般式VIIの化合物が、以下の化合物:
【化19-1】
【化19-2】
【化19-3】
からなる群から選択される、請求項9に記載の液晶組成物。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の液晶組成物を含む液晶ディスプレイデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低粘度、高信頼性、適切な光学異方性および適切な誘電異方性を有する液晶組成物、ならびにそれを含む液晶ディスプレイデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイデバイスは情報表示のための多くの分野において使用されており、直視型ディスプレイまたは投写型ディスプレイとして使用することができる。
【0003】
表示モードに基づいて、それらは、PC(相転移)、TN(ねじれネマチック)、STN(超ねじれネマチック)、ECB(電気的に制御された複屈折)、OCB(光学的に補償された屈曲)、IPS(面内切替)、VA(垂直整列)などと分類することができる。
【0004】
正の誘電異方性を有する液晶はTNモードまたはSTNモードでデバイスに使用され得る。負の誘電異方性を有する液晶はVAモードでデバイスに使用され得る。IPS/FFSモードに関して、正の誘電異方性を有する液晶および負の誘電異方性を有する液晶の両方が使用され得る。とりわけ、IPSモードは良好な視野角特性および改善された応答時間を有し、マルチメディア応用、例えば、携帯電話、タブレットコンピューター、ならびにTVおよびデスクトップモニターにおいて次第に使用されるようになっている。
【0005】
液晶ディスプレイデバイスのコントラスト比は、適切な光学異方性を有する液晶材料が含まれる場合、増加する。光学異方性についての要件は、異なる液晶ディスプレイモードの中で様々であり、より広い視野角が、より小さい光学異方性によって得られ得る。
【0006】
液晶ディスプレイデバイスの応答時間は、低粘度を有する液晶材料が含まれる場合、短くなる。液晶ディスプレイデバイスの応答時間が短い場合、デバイスはアニメーション表示に適している。
【0007】
大きな誘電異方性を有する液晶材料は、閾電圧が低減し、それにより電力の消費量が低減し得る。しかしながら、誘電異方性が大きくなると、材料は、光、熱または電気によって破壊されやすくなり、イオン放出および次いで抵抗率の低減を生じる。
【0008】
液晶ディスプレイデバイスの電圧保持比およびコントラスト比は、大きな抵抗率を有する液晶材料が含まれる場合、増加する。したがって、液晶材料は、使用する初期段階およびさらに長時間使用した後の両方において大きな抵抗値を有することを必要とする。
【0009】
液晶材料の調製の観点から、液晶材料の性能は互いによって制限され、影響を受ける。そして1つの性能指数の改良は他の性能のいくつかの変化を引き起こし得る。したがって、創作業務は、しばしば、種々の態様において適切な特性を有する液晶材料を調製することを必要とする。
【0010】
したがって、安定な液晶ディスプレイ状態を得、上記の要件を満たすために、当業者の努力の方向は、液晶材料を最適化することによって低粘度、高信頼性、適切な光学異方性および適切な誘電異方性を有する液晶材料を提供することにある。
【0011】
本発明の目的は、低粘度、高信頼性および適切な光学異方性を有する液晶組成物を提供することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的:本発明の目的は、低粘度、高信頼性および適切な光学異方性を有する液晶組成物を提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、低粘度、高信頼性および適切な光学異方性を有する液晶組成物を含む液晶ディスプレイデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
技術的解決法:本発明の上述の目的を達成するために、本発明は、
一般式Iの化合物からなる群から選択される1つ以上の化合物
【化1】
および
一般式IIの化合物からなる群から選択される1つ以上の化合物
【化2】
を含む液晶組成物であって、
式中、
およびRは同じまたは異なり、各々は独立してC−C直鎖アルキル、C−C直鎖アルコキシを表し、
およびRは同じまたは異なり、各々は独立してC−C直鎖アルキルを表し、
はCを表し、
mは1または2を表す、
液晶組成物を提供する。
【0015】
本発明の実施形態において、一般式Iの化合物は好ましくは以下の化合物:
【化3-1】
【化3-2】
【化3-3】
からなる群から選択され、一般式IIの化合物は好ましくは以下の化合物:
【化4-1】
からなる群から選択される。
【0016】
本発明の実施形態において、液晶組成物は、一般式IIIの化合物
【化5】
(式中、
およびRは同じまたは異なり、各々は独立してC−C10直鎖アルキルを表す)
からなる群から選択される1つ以上の化合物をさらに含む。
【0017】
本発明の実施形態において、一般式IIIの化合物は好ましくは以下の化合物:
【化6】
からなる群から選択される。
【0018】
本発明の実施形態において、液晶組成物は、一般式IVおよび/またはVの1つ以上の化合物
【化7】
(式中、
、R、RおよびR10は同じまたは異なり、各々は独立してC−C直鎖アルキル、C−C直鎖アルコキシを表し、
は、単結合、−CHO−または−COO−を表し、
nは、1または2を表す)
をさらに含む。
【0019】
本発明の実施形態において、一般式IVの化合物は好ましくは以下の化合物:
【化8-1】
【化8-2】
【化8-3】
【化8-4】
からなる群から選択され、
一般式Vの化合物は好ましくは以下の化合物:
【化9】
からなる群から選択される。
【0020】
本発明の実施形態において、液晶組成物は、一般式VIの1つ以上の化合物
【化10】
(式中、
11およびR12は同じまたは異なり、各々は独立してC−C直鎖アルキル、C−C直鎖アルコキシ、C−C直鎖アルケニルを表し、

【化11】
は同じまたは異なり、各々は独立して
【化12】
を表し、
qは1または2を表し、
qが2を表す場合、2つの環
【化13】
は同じまたは異なり、各々は独立して
【化14】
を表す)
をさらに含む。
【0021】
本発明の実施形態において、一般式VIの化合物は好ましくは以下の化合物:
【化15-1】
【化15-2】
【化15-3】
からなる群から選択される。
【0022】
本発明の実施形態において、液晶組成物は、一般式VIIの1つ以上の化合物
【化16】
(式中、
13およびR14は同じまたは異なり、各々は独立してC−C直鎖アルキル、C−C直鎖アルコキシを表し、

【化17】
は同じまたは異なり、各々は独立して
【化18】
を表し、
は、単結合、−CHO−または−COO−を表し、
pは、0または1を表し、
が単結合を表す場合、pは1を表す)
をさらに含む。
【0023】
本発明の実施形態において、一般式VIIの化合物は好ましくは以下の化合物:
【化19-1】
【化19-2】
【化19-3】
からなる群から選択される。
【0024】
好ましい解決策として、本発明の液晶組成物において、一般式Iの化合物からなる群の重量パーセンテージは1〜30%であり;一般式IIの化合物からなる群の重量パーセンテージは1〜40%であり;一般式IIIの化合物からなる群の重量パーセンテージは0〜10%であり;一般式IVおよび/またはVの化合物からなる群の重量パーセンテージは30〜75%であり;一般式VIの化合物からなる群の重量パーセンテージは0〜30%であり;一般式VIIの化合物からなる群の重量パーセンテージは0〜10%である。
【0025】
好ましい解決策として、本発明の液晶組成物において、一般式Iの化合物からなる群の重量パーセンテージは6〜27%であり;一般式IIの化合物からなる群の重量パーセンテージは5〜39%であり;一般式IIIの化合物からなる群の重量パーセンテージは0〜6%であり;一般式IVおよび/またはVの化合物からなる群の重量パーセンテージは30〜70%であり;一般式VIの化合物からなる群の重量パーセンテージは0〜29%であり;一般式VIIの化合物からなる群の重量パーセンテージは0〜6%である。
【0026】
好ましい解決策として、本発明の液晶組成物において、一般式Iの化合物からなる群の重量パーセンテージは6〜27%であり;一般式IIの化合物からなる群の重量パーセンテージは5〜39%であり;一般式IIIの化合物からなる群の重量パーセンテージは1〜6%であり;一般式IVの化合物からなる群の重量パーセンテージは27〜66%であり;一般式Vの化合物からなる群の重量パーセンテージは0〜12%であり;一般式VIの化合物からなる群の重量パーセンテージは1〜29%であり;一般式VIIの化合物からなる群の重量パーセンテージは1〜6%である。
【0027】
好ましい解決策として、上述の液晶組成物に関して、液晶組成物は、
液晶組成物の総量の7重量%の化合物IV−27;
液晶組成物の総量の8重量%の化合物IV−26;
液晶組成物の総量の8重量%の化合物IV−33;
液晶組成物の総量の10重量%の化合物IV−34;
液晶組成物の総量の6重量%の化合物IV−38;
液晶組成物の総量の10重量%の化合物IV−35;
液晶組成物の総量の6重量%の化合物I−6;
液晶組成物の総量の6重量%の化合物I−7;
液晶組成物の総量の5重量%の化合物I−8;
液晶組成物の総量の10重量%の化合物II−5;
液晶組成物の総量の12重量%の化合物II−7;および
液晶組成物の総量の12重量%の化合物II−6
を含むか、または液晶組成物は、
液晶組成物の総量の5重量%の化合物IV−16;
液晶組成物の総量の9重量%の化合物IV−26;
液晶組成物の総量の9重量%の化合物IV−27;
液晶組成物の総量の8重量%の化合物IV−28;
液晶組成物の総量の7重量%の化合物IV−33;
液晶組成物の総量の7重量%の化合物IV−34;
液晶組成物の総量の4重量%の化合物IV−38;
液晶組成物の総量の7重量%の化合物IV−35;
液晶組成物の総量の5重量%の化合物IV−36;
液晶組成物の総量の5重量%の化合物I−6;
液晶組成物の総量の5重量%の化合物I−7;
液晶組成物の総量の5重量%の化合物I−8;
液晶組成物の総量の6重量%の化合物II−5;
液晶組成物の総量の9重量%の化合物II−7;および
液晶組成物の総量の9重量%の化合物II−6
を含むか、または液晶組成物は、
液晶組成物の総量の3重量%の化合物VII−28;
液晶組成物の総量の3重量%の化合物VII−31;
液晶組成物の総量の6重量%の化合物II−5;
液晶組成物の総量の6重量%の化合物II−7;
液晶組成物の総量の6重量%の化合物II−6;
液晶組成物の総量の17重量%の化合物VI−5;
液晶組成物の総量の5重量%の化合物VI−8;
液晶組成物の総量の7重量%の化合物VI−21;
液晶組成物の総量の4重量%の化合物IV−26;
液晶組成物の総量の8重量%の化合物IV−34;
液晶組成物の総量の8重量%の化合物IV−35;
液晶組成物の総量の7重量%の化合物IV−27;
液晶組成物の総量の6重量%の化合物III−1;
液晶組成物の総量の8重量%の化合物V−1;
液晶組成物の総量の3重量%の化合物I−6;および
液晶組成物の総量の3重量%の化合物I−7
を含むか、または液晶組成物は、
液晶組成物の総量の4重量%の化合物VII−20;
液晶組成物の総量の4重量%の化合物VII−19;
液晶組成物の総量の3重量%の化合物VII−1;
液晶組成物の総量の3重量%の化合物VII−15;
液晶組成物の総量の10重量%の化合物VI−4;
液晶組成物の総量の4重量%の化合物IV−1;
液晶組成物の総量の10重量%の化合物IV−3;
液晶組成物の総量の14重量%の化合物IV−4;
液晶組成物の総量の9重量%の化合物IV−6;
液晶組成物の総量の6重量%の化合物IV−16;
液晶組成物の総量の6重量%の化合物IV−18;
液晶組成物の総量の6重量%の化合物IV−17;
液晶組成物の総量の6重量%の化合物IV−19;
液晶組成物の総量の7重量%の化合物II−21;
液晶組成物の総量の5重量%の化合物I−6;および
液晶組成物の総量の3重量%の化合物I−7;
を含むか、または液晶組成物は、
液晶組成物の総量の5重量%の化合物IV−26;
液晶組成物の総量の7重量%の化合物IV−33;
液晶組成物の総量の8重量%の化合物IV−34;
液晶組成物の総量の5重量%の化合物IV−38;
液晶組成物の総量の8重量%の化合物IV−35;
液晶組成物の総量の6重量%の化合物IV−36;
液晶組成物の総量の5重量%の化合物I−6;
液晶組成物の総量の5重量%の化合物I−7;
液晶組成物の総量の5重量%の化合物I−8;
液晶組成物の総量の7重量%の化合物III−1;
液晶組成物の総量の11重量%の化合物II−5;
液晶組成物の総量の14重量%の化合物II−6;および
液晶組成物の総量の14重量%の化合物II−6
を含むか、または液晶組成物は、
液晶組成物の総量の5重量%の化合物V−1;
液晶組成物の総量の4重量%の化合物V−3;
液晶組成物の総量の3重量%の化合物V−2;
液晶組成物の総量の5重量%の化合物IV−16;
液晶組成物の総量の8重量%の化合物IV−26;
液晶組成物の総量の5重量%の化合物IV−25;
液晶組成物の総量の5重量%の化合物IV−27;
液晶組成物の総量の5重量%の化合物IV−28;
液晶組成物の総量の7重量%の化合物IV−33;
液晶組成物の総量の9重量%の化合物IV−34;
液晶組成物の総量の6重量%の化合物IV−38;
液晶組成物の総量の6重量%の化合物IV−35;
液晶組成物の総量の9重量%の化合物I−6;
液晶組成物の総量の9重量%の化合物I−7;
液晶組成物の総量の9重量%の化合物I−8;および
液晶組成物の総量の5重量%の化合物II−6
を含むか、または液晶組成物は、
液晶組成物の総量の5重量%の化合物IV−16;
液晶組成物の総量の8重量%の化合物IV−26;
液晶組成物の総量の7重量%の化合物IV−25;
液晶組成物の総量の8重量%の化合物IV−27;
液晶組成物の総量の8重量%の化合物IV−28;
液晶組成物の総量の7重量%の化合物IV−33;
液晶組成物の総量の7重量%の化合物IV−34;
液晶組成物の総量の4重量%の化合物IV−38;
液晶組成物の総量の7重量%の化合物IV−35;
液晶組成物の総量の5重量%の化合物IV−36;
液晶組成物の総量の5重量%の化合物I−6;
液晶組成物の総量の4重量%の化合物I−7;
液晶組成物の総量の6重量%の化合物I−22;
液晶組成物の総量の5重量%の化合物II−5;
液晶組成物の総量の7重量%の化合物II−7;および
液晶組成物の総量の7重量%の化合物II−6
を含む。
【0028】
本発明の別の態様は、低粘度、高信頼性、適切な光学異方性および適切な誘電異方性を有する液晶組成物を含む液晶ディスプレイデバイスを提供することである。
【0029】
有益な効果:本発明の液晶組成物は多数のスクリーニング実験により得られる。本発明の液晶組成物は、低粘度、高信頼性、適切な光学異方性および適切な誘電異方性などの特徴を有し、液晶ディスプレイデバイスに使用されるのに好適である。
【0030】
本発明において、具体的に示されない限り、全ての割合は重量比であり;全ての温度はセ氏度であり;反応時間のデータに関する試験は4μmのセルギャップを使用する。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に詳細な実施形態を組み合わせることによって本発明を例示する。以下の実施例は本発明の例示的な実施形態であり、本発明を例示するためだけに使用され、限定されないことに留意されるべきである。本発明の概念内で他の組み合わせおよび種々の変更が、本発明の主題および範囲から逸脱せずに可能である。
【0032】
表現の簡便性のために、以下の実施例における液晶組成物の基の構造は表1に記載される記号によって表される:
【0033】
【表1】
【0034】
例として以下の構造式を有する化合物を挙げる:
【化20】
表1に記載される記号により表すと、この構造式はmCPWnと表され、記号のmは左側のアルキル基の炭素原子の数を表し、例えば、mは「2」であり、アルキルが−Cであることを意味し;記号のCは「シクロヘキシル」を表し、記号のPは「1,4−フェニレン」を表し、記号のWは「2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン」を表し、記号のnは左側のアルキル基の炭素原子の数を表し、例えば、nは「2」であり、アルキルは「−C」であることを意味する。
【0035】
以下の実施例における試験項目の省略記号はそれぞれ以下のように表される:
Cp:透明点(ネマチック等方性相転移温度、℃)
Δn:光学異方性(589nm、20℃)
Δε:誘電異方性(1KHz、25℃)
η:流粘度(mPas、25℃における)
Is(初期):初期静止電流(25℃、μA)
Is(UV):UV光照射後の静止電流(25℃、μA)
【0036】
光学異方性を、25℃にてナトリウムランプ(589nm)光源下でアッベ屈折計(abbe refractometer)を使用することによって試験し、得る:V10の試験条件:DMS505/矩形波/1KHZ、VA試験セル、およびセルギャップは4μmである;
【数1】
式中、
【数2】
は、分子軸に平行な誘電率であり、
【数3】
は、分子軸に垂直な誘電率であり、試験条件:25℃、1KHz、VA試験セル、およびセルギャップは6μmである;
Is(初期)は、TN90型試験セルに充填された液晶の静止電流であり、SY−60A型電気テスタを使用して25℃、6V、40Hzおよび矩形波の試験条件下で試験し、試験セルのギャップは7μmであり、電極面積は1cmである。
【0037】
Is(UV)は、TN90型試験セルに充填された液晶の静止電流であり、365nmの波長および450mJ/cmのエネルギー、SY−60A型電気テスタを使用して25℃、6V、40Hzおよび矩形波の試験条件下でUV光の照射に供した後に試験し、試験セルのギャップは7μmであり、電極面積は1cmである。
【0038】
以下の実施例に使用される成分は周知の方法によって合成できるか、または商業的手段によって得ることができる。これらの合成技術は慣用であり、試験結果は、このように調製した液晶化合物が電子用化合物についての基準を満たすことを示す。
【0039】
いくつかの液晶組成物を、以下の実施例において特定される液晶組成物の配合に従って調製する。液晶組成物の調製は当該技術分野における従来の方法に従って進行され、一例として、組成物は、加熱、超音波処理、懸濁化処理などの処理様式により特定の配合物を混合することによって調製される。
【0040】
以下の実施例において特定される液晶組成物を調製し、研究する。液晶組成物の式および性能についてのそれらの試験結果を以下に示す。
【実施例】
【0041】
比較例1
比較例1の液晶組成物を、表2に記載される各化合物および重量パーセンテージに従って調製し、液晶ディスプレイデバイスの2つの基板間にそれを充填することによって試験する。試験データを以下の表に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
実施例1
実施例1の液晶組成物を、表3に記載される各化合物および重量パーセンテージに従って調製し、液晶ディスプレイデバイスの2つの基板間にそれを充填することによって試験する。試験データを以下の表に示す。
【0044】
【表3】
【0045】
比較例1と比較して、この液晶組成物のIs(初期)およびIs(UV)は小さい。同じ電圧条件下で、より少ない電流値は液晶材料のより高い抵抗率およびより良い信頼性を意味する。さらに、この液晶組成物は、より低い粘度、適切に小さい光学異方性および適切に大きい誘電異方性を有し、液晶ディスプレイデバイスにおける使用に適している。
【0046】
実施例2
実施例2の液晶組成物を、表4に記載される各化合物および重量パーセンテージに従って調製し、液晶ディスプレイデバイスの2つの基板間にそれを充填することによって試験する。試験データを以下の表に示す。
【0047】
【表4】
【0048】
比較例1と比較して、この液晶組成物のIs(初期)およびIs(UV)は小さい。同じ電圧条件下で、より少ない電流値は液晶材料のより高い抵抗率およびより良い信頼性を意味する。さらに、この液晶組成物は、より低い粘度、適切な光学異方性および適切に大きい誘電異方性を有し、液晶ディスプレイデバイスにおける使用に適している。
【0049】
実施例3
実施例3の液晶組成物を、表5に記載される各化合物および重量パーセンテージに従って調製し、液晶ディスプレイデバイスの2つの基板間にそれを充填することによって試験する。試験データを以下の表に示す。
【0050】
【表5】
【0051】
比較例1と比較して、この液晶組成物のIs(初期)およびIs(UV)は小さい。同じ電圧条件下で、より少ない電流値は液晶材料のより高い抵抗率およびより良い信頼性を意味する。さらに、この液晶組成物は、より低い粘度、適切な光学異方性および適切な誘電異方性を有し、液晶ディスプレイデバイスにおける使用に適している。
【0052】
実施例4
実施例4の液晶組成物を、表6に記載される各化合物および重量パーセンテージに従って調製し、液晶ディスプレイデバイスの2つの基板間にそれを充填することによって試験する。試験データを以下の表に示す。
【0053】
【表6】
【0054】
比較例1と比較して、この液晶組成物のIs(初期)およびIs(UV)は小さい。同じ電圧条件下で、より少ない電流値は液晶材料のより高い抵抗率およびより良い信頼性を意味する。さらに、この液晶組成物は、より低い粘度、適切な光学異方性および適切な誘電異方性を有し、液晶ディスプレイデバイスにおける使用に適している。
【0055】
実施例5
実施例5の液晶組成物を、表7に記載される各化合物および重量パーセンテージに従って調製し、液晶ディスプレイデバイスの2つの基板間にそれを充填することによって試験する。試験データを以下の表に示す。
【0056】
【表7】
【0057】
比較例1と比較して、この液晶組成物のIs(初期)およびIs(UV)は小さい。同じ電圧条件下で、より少ない電流値は液晶材料のより高い抵抗率およびより良い信頼性を意味する。さらに、この液晶組成物は、より低い粘度、適切に小さい光学異方性および適切な誘電異方性を有し、液晶ディスプレイデバイスにおける使用に適している。
【0058】
実施例6
実施例6の液晶組成物を、表8に記載される各化合物および重量パーセンテージに従って調製し、液晶ディスプレイデバイスの2つの基板間にそれを充填することによって試験する。試験データを以下の表に示す。
【0059】
【表8】
【0060】
比較例1と比較して、この液晶組成物のIs(初期)およびIs(UV)は小さい。同じ電圧条件下で、より少ない電流値は液晶材料のより高い抵抗率およびより良い信頼性を意味する。さらに、この液晶組成物は、より低い粘度、適切に大きい光学異方性および適切に大きい誘電異方性を有し、液晶ディスプレイデバイスにおける使用に適している。
【0061】
実施例7
実施例7の液晶組成物を、表9に記載される各化合物および重量パーセンテージに従って調製し、液晶ディスプレイデバイスの2つの基板間にそれを充填することによって試験する。試験データを以下の表に示す。
【0062】
【表9】
【0063】
比較例1と比較して、この液晶組成物のIs(初期)およびIs(UV)は小さい。同じ電圧条件下で、より少ない電流値は液晶材料のより高い抵抗率およびより良い信頼性を意味する。さらに、この液晶組成物は、より低い粘度、適切な光学異方性および適切に大きい誘電異方性を有し、液晶ディスプレイデバイスにおける使用に適している。
【0064】
前述の説明は単に本発明の好ましい例であり、決して本発明を限定することを意図するものではない。本発明は上記の好ましい例によって開示されているが、本発明を限定することを意図するものではない。本発明の技術的解決策の範囲から逸脱することなく、いくつかの変更がなされてもよく、等価の例が、当業者により上記の技術的内容によって等価の変形により修飾されてもよい。本発明の技術的解決策の内容から逸脱することなく、本発明の技術的な本質に従って上記の例の任意の簡単な修正、等価の変更または修飾はさらに、本発明の技術的解決策の範囲内に含まれる。