(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6870840
(24)【登録日】2021年4月19日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】パレット
(51)【国際特許分類】
B65D 19/42 20060101AFI20210426BHJP
【FI】
B65D19/42
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-249279(P2016-249279)
(22)【出願日】2016年12月22日
(65)【公開番号】特開2018-103997(P2018-103997A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2019年9月26日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成28年6月28日に株式会社上組大阪支店堺出張所に試供品を納入した。
(73)【特許権者】
【識別番号】593025619
【氏名又は名称】トーホー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(72)【発明者】
【氏名】小田 徹
(72)【発明者】
【氏名】豊間根 正和
【審査官】
種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−264851(JP,A)
【文献】
特開平08−026277(JP,A)
【文献】
特開2011−102104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレットであって、
発泡樹脂材料からなるパレット本体と、キャスター輪を具えたキャスターユニットとを含み、
前記パレット本体は、荷物を置くための載置面と、その反対側の底面とを含み、
前記底面には、凹部が形成されており、
前記キャスターユニットは、
ベースプレートと、前記ベースプレートに回転可能に支持されたキャスター輪とを含み、
前記ベースプレートが、前記凹部に脱着自在に装着され、
前記キャスターユニットを前記パレット本体から脱落するのを防ぐための抜け止め部材がさらに設けられ、
前記抜け止め部材は、前記パレット本体の前記底面側から前記凹部に脱着自在に取り付けられており、
前記抜け止め部材は、前記キャスター輪を露出させる開口部を有するとともに、前記ベースプレートの外周部を、前記凹部の底との間で挟持する輪状体であるパレット。
【請求項2】
パレットであって、
発泡樹脂材料からなるパレット本体と、キャスター輪を具えたキャスターユニットとを含み、
前記パレット本体は、荷物を置くための載置面と、その反対側の底面とを含み、
前記底面には、凹部が形成されており、
前記キャスターユニットは、発泡樹脂材料からなるベースプレートと、前記ベースプレートに回転可能に支持されたキャスター輪とを含み、
前記ベースプレートは、
分割面によって分割された主プレート部と副プレート部とを有し、
前記主プレート部は、前記キャスター輪の取り付け座を挿入して保持する挿入溝と、前記キャスター輪のホルダが通る切り欠き部とを具え、
前記凹部に脱着自在に装着されているパレット。
【請求項3】
前記ベースプレートは、前記凹部に圧入されている請求項1又は2記載のパレット。
【請求項4】
前記ベースプレートは、前記パレット本体よりも高い曲げ剛性を有する板材からなる請求項1又は2に記載のパレット。
【請求項5】
前記挿入溝は、前記分割面で開口する開口部から、主プレート部の下面と平行にのびる請求項2記載のパレット。
【請求項6】
前記挿入溝の後端は、主プレート部の内部で終端する請求項5記載のパレット。
【請求項7】
前記凹部の内側面には、前記抜け止め部材を保持するための抜け止め突起が設けられている請求項1記載のパレット。
【請求項8】
前記ベースプレートは、互いに平行な第1、第2の辺、及び前記第1、第2の辺に直交する第3、第4の辺を有する矩形板状をなし、
前記凹部は、第1、第2の辺と当接する第1、第2の内側面、第3の辺と当接する第3の内側面、及び第4の辺と間隔Dを隔てる第4の内側面を有する請求項1または2に記載のパレット。
【請求項9】
前記凹部の前記第3、第4の内側面には、前記抜け止め部材を保持するための抜け止め突起がけられ、
前記抜け止め部材の外側面には、各前記抜け止め突起と係合する係合突起が設けられ、しかも一方の係合突起は、前記間隔Dに挿入されるガタ付き防止用の凸部を具える請求項8記載のパレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物(特に苺や桃等の果物)の保管及び搬送に用いられるパレットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、荷物の保管及び荷役車輌を用いた搬送には、木製のパレットの他、樹脂製のパレット(例えば、特許文献1参照)又は紙製のパレット(例えば、特許文献2参照)が適用されている。
【0003】
しかしながら、木製又は樹脂製のパレットは、重量が10kgと重く、取り扱いが容易ではない。また、木製又は樹脂製のパレットは、クッション性に乏しいため、苺や桃等の表面が柔らかくデリケートな果物の搬送に用いた場合、搬送に伴う衝撃によって果物の表面が傷つくおそれがある。又紙製のパレットは、耐水性に乏しいため、上記果物を紙製のパレットに載置した状態で低温の倉庫で保管する場合、結露によって強度が著しく低下し、荷重によって破壊するおそれがある。
【0004】
他方、荷物を積載したパレットを、倉庫(工場を含む)内等で搬送する場合、通常、フォークリフト等の荷役車輌を用いて行われる。しかし、荷役車輌を用いる場合、走行用の十分なスペースが必要であり、しかも走行時、人や保管中の荷物と接触する恐れを招く。またフォークリフトの待ち時間が無駄となる。従って、荷物の種類等によっては、むしろ荷役車輌を用いず、人手によって簡単に移動搬送できることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−101341号公報
【特許文献2】特開平07−187188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、軽量で取り扱いが容易で、クッション性に富み、かつ耐水性にも優れるとともに、人手によって移動でき、搬送作業の安全性や作業効率を高めうるパレットを提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、パレットであって、
発泡樹脂材料からなるパレット本体と、キャスター輪を具えたキャスターユニットとを含み、
前記パレット本体は、荷物を置くための載置面と、その反対側の底面とを含み、
前記底面には、凹部が形成されており、
前記キャスターユニットは、前記凹部に脱着自在に装着されていることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る前記パレットにおいて、前記キャスターユニットは、ベースプレートと、前記ベースプレートに回転可能に支持されたキャスター輪とを含み、
前記ベースプレートが、前記凹部に装着されていることが望ましい。
【0009】
本発明に係る前記パレットにおいて、前記ベースプレートは、前記凹部に圧入されていることが望ましい。
【0010】
本発明に係る前記パレットにおいて、前記ベースプレートは、前記パレット本体よりも高い曲げ剛性を有する板材から形成することができ、又発泡樹脂材料から形成することもできる。
【0011】
本発明に係る前記パレットにおいて、前記キャスターユニットを前記パレット本体から脱落するのを防ぐための抜け止め部材がさらに設けられていることが望ましい。
【0012】
本発明に係る前記パレットにおいて、前記抜け止め部材は、前記パレット本体の前記底面側から前記凹部に脱着自在に取り付けられており、
前記抜け止め部材は、前記キャスター輪を露出させる開口部を有するとともに、前記ベースプレートの外周部を、前記凹部の底との間で挟持する輪状体であることが望ましい。
【0013】
本発明に係る前記パレットにおいて、前記凹部の内側面には、前記抜け止め部材を保持するための抜け止め突起が設けられていることが望ましい。
【0014】
本発明に係る前記パレットにおいて、前記ベースプレートは、互いに平行な第1、第2の辺、及び前記第1、第2の辺に直交する第3、第4の辺を有する矩形板状をなし、
前記凹部は、第1、第2の辺と当接する第1、第2の内側面、第3の辺と当接する第3の内側面、及び第4の辺と間隔Dを隔てる第4の内側面を有することが望ましい。
【0015】
本発明に係る前記パレットにおいて、前記凹部の前記第3、第4の内側面には、前記抜け止め部材を保持するための抜け止め突起がけられ、
前記抜け止め部材の外側面には、各前記抜け止め突起と係合する係合突起が設けられ、しかも一方の係合突起は、前記間隔Dに挿入されるガタ付き防止用の凸部を具えることが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明のパレットは、発泡樹脂材料からなるパレット本体を具える。そのため、軽量化でき、その取り扱いが容易となる。また、積載された荷物を含む総重量も軽減されるため、特に空輸時の輸送費が大幅に削減される。
【0017】
また、パレットの表面が結露によって湿潤する場合であっても、発泡樹脂が有する優れた耐水性によって、パレットの強度が維持される。さらに、パレットの素材としての発泡樹脂が有するクッション性によって、搬送に伴う衝撃からデリケートな荷物を保護することが可能となる。さらにまた、発泡樹脂が有する優れた断熱性によって、荷物を断熱状態で保管することが可能となる。これにより、高温の地域に果物等の荷物を搬送し保管する場合であっても、荷物の劣化が抑制され、その商品性が高く維持される。
【0018】
しかも本発明のパレットは、パレット本体に脱着自在に装着されるキャスターユニットを含む。従って、荷役車輌を用いることなく、人手によって簡単に搬送できる。そのため。荷役車輌が走行するためのスペースが不要となる。また走行時に保管中の荷物や人と接触する恐れがなくなるとともに、荷役車輌を待つ時間が不要となる。従って、安全性を高めるとともに、作業性を向上でき、かつ作業の短縮化にも貢献できる。なおキャスターユニットが脱着自在であるため、キャスターユニットを取り外した場合は、通常のパレットとしても使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施形態のパレットを示す底面図である。
【
図2】(a)、(b)は
図1のA−A線断面図、及びB−B線断面図である。
【
図3】
図1のパレットの主要部を示す底面図である。
【
図4】(a)は第1実施形態のパレットの他の例の主要部を底面側から見た分解斜視図、(b)は前記主要部の底面図である。
【
図5】(a)は第2実施形態のパレットの主要部を底面側から見た分解斜視図、(b)は前記主要部の底面図である。
【
図7】
図5のパレットの主要部の分解断面図である。
【
図9】(a)、(b)は、キャスターユニット4の他の例を示す斜視図、及びその分解斜視図である。
【
図10】ベースプレート用の一体成形物を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本発明の第1実施形態のパレットの一例を示す底面図であり、
図2(a)、(b)は、
図1のA−A線断面図、及びB−B線断面図である。パレットの構造を明確化するために、
図1〜9では、パレットを上下転倒させた状態で描いている。
【0021】
図1〜2(a)、(b)に示されるように、パレット1は、発泡樹脂材料からなるパレット本体2と、キャスター輪3を具えたキャスターユニット4とを具える。
【0022】
発泡樹脂材料としては、特に規制されないが、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、及び発泡ポリプロピレン等が好適に採用しうる。また発泡樹脂材料では、高い耐欠け性を確保するために、発泡倍率を例えば30〜40倍とした低発泡性のものが好ましい。
【0023】
前記パレット本体2は、荷物を置くための載置面S1と、その反対側の底面S2とを含み、前記底面S2には、複数の凹部5が形成される。
【0024】
具体的には、本例のパレット本体2は、上面(
図2では下側の面)を前記載置面S1とした例えば矩形板状の基部6と、この基部6の下面(
図2では上側の面)から突出するリブ7からなる補強枠部8とを具える。補強枠部8は、本例では、前記基部6の側面と平行にのびる縦横の複数のリブ7によって格子枠状に形成される。なお
図1、3、4(b)、5(b)では、理解しやすくするために、底面S2にドット模様を付加している。
【0025】
そしてリブ7の下面により、前記底面S2が形成される。又各リブ7、7間に、前記凹部5が矩形状に形成されている。本例のリブ7の下面には、各凹部5間を導通することによりパレット1の通気性を高める凹所9が配されている。この凹所9は、結束バンド挿通用として用いることもでき、この場合、凹所9は、縦横に直線状に並設される。
【0026】
次に、前記キャスターユニット4は、前記凹部5に脱着自在に装着される。本例のキャスターユニット4は、ベースプレート10と、このベースプレート10に回転可能に支持されたキャスター輪3とを含む。キャスター輪3としては、周知構造を有する種々なものが使用でき、本例では、車輪ホルダの取り付け座3A(
図1、3に示す)をベースプレート10にビス止めすることにより取り付けられる。
【0027】
本例のベースプレート10は、例えば、非発泡の合成樹脂材料、木質材、金属材等から形成されており、パレット本体2よりも高い曲げ剛性を有する。これにより、キャスター輪3を強固に固定する。又高い曲げ剛性のベースプレート10は、前記凹部5内に装着されることにより、パレット本体2を補強し、パレット1の強度を高めうる。本例ではベースプレート10が矩形板状をなす場合が示される。なお後述するように、ベースプレート10を発泡樹脂材料で形成することもできる。
【0028】
第1実施形態のパレット1では、キャスターユニット4は、ベースプレート10が凹部5に嵌着されることにより取り付けられる。これに対して第2実施形態のパレット1では、ベースプレート10が凹部5に遊嵌されており、キャスターユニット4は凹部5に嵌着される抜け止め部材12によって取り付けられる。
【0029】
以下に、第1実施形態から順に説明する。本例では、凹部5が横長矩形状に形成されるため、ベースプレート10は、その4辺のうちの3辺が、凹部5の内側面に圧接し嵌着される。
【0030】
しかし、
図4(a)、(b)に示されるように、ベースプレート10と凹部5とを略同形状で形成し、ベースプレート10の4辺の全てを、凹部5の内側面に圧接させて、ベースプレート10を嵌着させることもできる。この場合、3辺での嵌着に比して、キャスターユニット4がパレット本体2から脱落するのをより防ぐことができる。
【0031】
なおパレット本体2は、発泡樹脂材料からなることにより圧縮側に弾性変形可能であり、これにより嵌着/取り外しを繰り返し行うことができる。
【0032】
パレット本体2からの脱落を防ぐために、抜け止め部材12(
図4(a)に一点鎖線で示す。)をさらに設けることができる。この抜け止め部材12は、パレット本体2の底面S2側から凹部5内に脱着自在に取り付けられる。本例では、抜け止め部材12は、凹部5に圧入(嵌着)されることにより取り付けられる。
【0033】
抜け止め部材12は、キャスター輪3を露出させるための開口部12Aを、中央に設けた輪状体である。そして抜け止め部材12と凹部5の底5Sとの間で、ベースプレート10の外周部を挟持することで、キャスターユニット4の脱落が防止される。抜け止め部材12は、パレット本体2と同様の発泡樹脂材料で形成するのが好ましく、これにより凹部5の内側面との摩擦力が高まり、より外れ難くすることができる。
【0034】
次に、
図5〜8に、第2実施形態のパレット1が示される。
図5(a)、(b)に示されるように、第2実施形態では、キャスターユニット4のベースプレート10が、凹部5に遊挿されており、抜け止め部材12によって、パレット本体2からの脱落が防止される。
【0035】
ベースプレート10は、互いに平行な第1、第2の辺E1、E2、及び前記第1、第2の辺に直交する第3、第4の辺E3、E4を有する矩形板状をなす。また前記凹部5は、第1〜第3の辺E1〜E3と当接する第1〜第3の内側面W1〜W3、及び第4の辺E4と間隔D(
図7、8に示す)を隔てる第4の内側面W4を有する。
【0036】
図6に示されるように、凹部5の内周面、本例では、第3、第4の内側面W3、W4(総称するとき「内側面W」という。)には、抜け止め部材12を保持するための抜け止め突起23が形成される。便宜上、内側面W3、W4が向き合う方向をX方向、内側面W3、W4の幅方向をY方向、凹部5の深さ方向をZ方向と言う場合がある。
【0037】
抜け止め突起23は、前記内側面Wの幅方向(Y方向)の中央側に形成される。抜け止め突起23は、前記内側面WからX方向にのび、前記凹部5の底5Sと向き合う係止面23S
Aと、前記底面S2から底5Sに向かって傾斜する面取り23S
Bとを有する。またパレット本体2には、載置面S1から前記係止面23S
AまでZ方向にのびるスリット孔24が形成される。このスリット孔24は、凹部5内に導通し、通気孔として機能する。なおスリット孔24は、抜け止め突起23を形成するための金型構造を簡易化するのにも役立つ。本例ではスリット孔24は、前記係止面23S
Aと同じX方向の幅L1、及びY方向の長さL2を有する。
【0038】
図7に示すように、ベースプレート10のX方向の長さL3は、内側面W3、W4間の距離L4よりも小であり、これにより第4の辺E4と第4の内側面W4との間に間隔Dが形成される。本例では、前記間隔Dは、第4の内側面W4からの抜け止め突起23の突出高さL5とほぼ等しい。これにより、抜け止め突起23を傷付けることなく、ベースプレート10を凹部5内に落とし込むことができる。
【0039】
また抜け止め部材12は、前記第3、第4の内側面W3、W4と対向する外側面K3、K4に、各抜け止め突起23と係合する係合突起25を具える。この係合突起25は、前記係止面23S
Aと噛合する係合面25S
A、及び前記面取り23S
Bと同傾斜の面取り25S
Bとを具える。
【0040】
前記抜け止め部材12では、開口部12Aを有する矩形枠状をなすため、その側壁は弾性変形可能である。そのため、抜け止め突起23を乗り越えて、凹部5内に差し込むことができる。また前記弾性変形により、取り外しも可能となる。面取り23S
B、25S
Bは、抜け止め部材12の凹部5内への差し込みを容易とする。
【0041】
本例の抜け止め部材12は、一方の係合突起25に、前記間隔Dに挿入される凸部26を具える。この凸部26は、ベースプレート10のX方向のガタ付きを防止しうる。
【0042】
図9(a)、(b)に、第1実施形態(嵌着)のパレット1に好適に採用しうるキャスターユニット4の他の例を示す。本例のキャスターユニット4は、キャスター輪3を支持するベースプレート10が発泡樹脂材料から形成されている。発泡樹脂材料として、パレット本体2と同種のものが好適に採用しうる。しかし、高い強度を確保するため、発泡倍率を例えば20〜30倍と、パレット本体2よりも低く設定するのが好ましい。
【0043】
本例のベースプレート10は、分割面30によって2分割された主プレート部10Aと副プレート部10Bとから構成される。
【0044】
主プレート部10Aは、キャスター輪3の取り付け座3Aを挿入して保持するスリット状の挿入溝31と、キャスター輪3の車輪ホルダ3Bが通るU字状の切欠き部32とを具える。
【0045】
挿入溝31は、前記分割面30で開口する開口部31Aから、主プレート部10Aの下面10S(
図9では上側の面)と平行にのびる。又挿入溝31の後端は、主プレート部10Aの内部で終端する。又切欠き部32は、前記下面10Sで開口し挿入溝31までのびる。
【0046】
又主プレート部10Aの分割面30、及び副プレート部10Bの分割面30には、互いに係合して両者を連結しうる係合手段33が設けられる。本例の係合手段33は、一方の分割面30に形成される例えばピン状の係合凸部33Aと、他方の分割面30に形成され、前記係合凸部33Aを嵌入しうる係合凹部33Bとから構成されている。なおベースプレート10では、前記主プレート部10Aと副プレート部10Bとの接合強度を高めるために、分割面30、30間を接着剤を用いて接着することも好ましい。
【0047】
このような前記主プレート部10Aと副プレート部10Bとは、
図10に示すように、主プレート部10Aの例えば下面10Sと、副プレート部10Bの例えば下面10Sとが細いリブ状部分35で連結された一体成形物として形成することが好ましい。この場合、組立作業現場において前記一体成形物をリブ状部分35で分割することで、部品の保管管理を効率化しうる。又生産効率や生産コストを低減しうる。
【0048】
このように、ベースプレート10を発泡樹脂材料で形成した場合、凹部5との摩擦力が高まるため、嵌合による取り付け強度を高く確保することができる。なおベースプレート10を発泡樹脂材料で形成したキャスターユニット4を、第2実施形態のパレット1に採用することもできる。
【0049】
以上、本発明の一実施形態のタイヤが詳細に説明されたが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されることなく、種々の態様に変更して実施され得る。
【符号の説明】
【0050】
1 パレット
2 パレット本体
3 キャスター輪
4 キャスターユニット
5 凹部
5S 底
10 ベースプレート
12 抜け止め部材
12A 開口部
23 抜け止め突起
25 係合突起
26 凸部
E1〜E4 第1〜第4の辺
W1〜W4 第1〜第4の内側面
S1 載置面
S2 底面