特許第6870871号(P6870871)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6870871商品登録装置、精算システム、精算方法及び精算プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6870871
(24)【登録日】2021年4月19日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】商品登録装置、精算システム、精算方法及び精算プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20210426BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20210426BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20210426BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20210426BHJP
【FI】
   G07G1/00 301Z
   G07G1/00 311D
   G07G1/00 311Z
   G07G1/01 301D
   G07G1/12 321K
   G06Q30/06
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-17174(P2020-17174)
(22)【出願日】2020年2月4日
【審査請求日】2020年2月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】南 孝弘
(72)【発明者】
【氏名】葛窪 誠
(72)【発明者】
【氏名】井上 美保
(72)【発明者】
【氏名】鍵和田 良太
(72)【発明者】
【氏名】矢澤 達之
(72)【発明者】
【氏名】小畑 有輝
【審査官】 木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】 特開2019−008355(JP,A)
【文献】 特開2018−147252(JP,A)
【文献】 特開2020−035206(JP,A)
【文献】 特開2018−081669(JP,A)
【文献】 特開2019−204457(JP,A)
【文献】 特開2015−001879(JP,A)
【文献】 特開2017−157216(JP,A)
【文献】 特開2013−186875(JP,A)
【文献】 特開2016−133922(JP,A)
【文献】 特開2019−152923(JP,A)
【文献】 特開2018−136692(JP,A)
【文献】 特開2013−054593(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00−1/14
G06Q 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を識別するための商品識別情報を読み取る読取部と、
前記読取部に前記商品識別情報を読み取らせた複数の顧客のそれぞれを撮像する撮像部と、
前記複数の顧客のそれぞれが購入する商品の商品情報を記憶する記憶部と、
前記商品情報を出力する出力部と、
顧客の操作による入力を受け付ける入力部と、
前記読取部、前記撮像部、前記記憶部、前記出力部、及び前記入力部を制御する制御部と
前記商品の精算金額を算出する算出部と、
を備え、
前記制御部は、
前記読取部からの前記商品識別情報に基づいて前記商品情報を取得するとともに、前記撮像部からの撮像画像に基づいて前記複数の顧客のそれぞれを識別して、前記商品情報と前記顧客とを関連付けて前記記憶部に商品登録情報として記憶し、
前記顧客と前記商品情報とを関連付けて前記出力部に出力
前記入力部は、
前記商品識別情報を読み取られた全ての前記商品の合計金額に対する精算において、精算方法の選択を前記顧客から受け付け、
前記精算方法は、前記合計金額に対する一括精算及び顧客ごとの精算金額に基づく個別精算を含む複数の精算方法から選択され、
前記制御部は、前記選択された精算方法に応じた精算金額を前記出力部に出力する、
商品登録装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記複数の顧客の顔画像に基づいて前記複数の顧客のそれぞれを識別する、
請求項1に記載の商品登録装置。
【請求項3】
前記精算方法は、
前記合計金額に対する精算のうち一部を前記個別精算とし、
前記合計金額から前記一部を除いた残額に対する精算を、前記残額に対する一括精算、又は前記残額に対する均等割り精算とすることを含む
請求項1又は2に記載の商品登録装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記出力部に、前記顧客ごとに前記商品の精算金額を表示させる、
請求項1から3のいずれか一項に記載の商品登録装置。
【請求項5】
POS端末と通信可能な通信部をさらに備え、
前記制御部は、前記通信部を介して、前記記憶部に記憶された前記商品登録情報を、前記POS端末に送信する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の商品登録装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の商品登録装置と、
前記商品登録装置と通信可能なPOS端末と、
を備えた精算システム。
【請求項7】
商品を識別するための商品識別情報を読み取るステップと、
前記商品識別情報を読み取らせた複数の顧客のそれぞれを撮像するステップと、
前記商品識別情報に基づいて商品情報を取得するとともに、撮像画像に基づいて前記複数の顧客のそれぞれを識別して、前記商品情報と前記顧客とを関連付けて記憶するステップと、
顧客の操作による入力を受け付けるステップと、
前記商品の精算金額を算出するステップと、
前記商品情報と前記顧客とを関連付けて出力するステップと、
を備え
前記入力を受け付けるステップでは、
前記商品識別情報を読み取られた全ての前記商品の合計金額に対する精算において、精算方法の選択を前記顧客から受け付け、
前記精算方法は、前記合計金額に対する一括精算及び顧客ごとの精算金額に基づく個別精算を含む複数の精算方法から選択され、
前記出力するステップでは、前記選択された精算方法に応じた精算金額が出力される、
精算方法。
【請求項8】
商品を識別するための商品識別情報を読み取るステップと、
前記商品識別情報を読み取らせた複数の顧客のそれぞれを撮像するステップと、
前記商品識別情報に基づいて商品情報を取得するとともに、撮像画像に基づいて前記複数の顧客のそれぞれを識別して、前記商品情報と前記顧客とを関連付けて記憶するステップと、
顧客の操作による入力を受け付けるステップと、
前記商品の精算金額を算出するステップと、
前記商品情報と前記顧客とを関連付けて出力するステップを
コンピュータに実行させ
前記入力を受け付けるステップでは、
前記商品識別情報を読み取られた全ての前記商品の合計金額に対する精算において、精算方法の選択を前記顧客から受け付け、
前記精算方法は、前記合計金額に対する一括精算及び顧客ごとの精算金額に基づく個別精算を含む複数の精算方法から選択され、
前記出力するステップでは、前記選択された精算方法に応じた精算金額が出力される、
精算プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は商品登録装置、精算システム、精算方法及び精算プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーやショッピングセンターで買い物をする際、顧客は購入したい商品を買い物カゴやショッピングカートに入れ、精算のためにそれらをレジまで持ち運ぶ必要があった。そのため顧客はレジで初めて商品の合計金額を知ることができ、買い物の途中では知ることはできなかった。
【0003】
特許文献1には、買い物の途中であってもショッピングカート内のカゴに入れた商品の合計金額を知ることができ、またレジへ行くことなく、顧客自身が商品の精算を行うことができるセルフ精算用ショッピングカートに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−344660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなショッピングカートは、カート内の全ての商品及びその合計金額を知ることはできるが、複数人で1つのカートを使用した場合に、各人が選んだ商品及びその金額を個人別に知ることはできない。
家族や友人同士等、複数人のグループで1つのカートを利用することは一般的によく見られるが、このような場合は下記のような対応が必要となる。
【0006】
例えばアパレルの店舗を友人同士で訪れるような場合には、各人が所望の商品をカートに入れていき、レジでは代表者が一括で精算を済ませる。後にレシートを見ながら、個人別の精算金額を算出し、精算を行う必要がある。
【0007】
また、例えば複数人でバーベキューの食材を購入するような場合には、やはりレジでは代表者が一括で精算を済ませ、後に合計金額を人数で均等割りにし、各人が精算を行う。しかし、商品の中には、均等割を行ってよいものと、例えば個人で楽しむために購入したたばこやお酒等、均等割りの対象から除外すべきものとが混在することがある。このような場合にも、レシートを見ながら各人の精算金額を算出する必要がある。
【0008】
上述のように、特許文献1に開示された技術では、複数の顧客が1つのショッピングカートを共同で使用した場合に、顧客ごとの精算金額を知るためには別途計算を行わなければならないという問題があった。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、複数の顧客が1つのショッピングカートを共同で使用した場合であっても、顧客ごとの精算金額を知ることができる商品登録装置、精算システム、精算方法及び精算プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかる商品登録装置は、商品を識別するための商品識別情報を読み取る読取部と、前記読取部に前記商品識別情報を読み取らせた顧客を撮像する撮像部と、顧客が購入する商品の商品情報を記憶する記憶部と、前記商品情報を出力する出力部と、顧客の操作による入力を受け付ける入力部と、前記読取部、前記撮像部、前記記憶部、前記出力部、及び前記入力部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記読取部からの前記商品識別情報に基づいて前記商品情報を取得するとともに、前記撮像部からの撮像画像に基づいて前記顧客を識別して、前記商品情報と前記顧客とを関連付けて前記記憶部に商品登録情報として記憶し、前記顧客と前記商品情報とを関連付けて前記出力部に出力するものである。
【0010】
本発明にかかる精算システムは上記の商品登録装置と、前記商品登録装置と通信可能なPOS端末と、を備えたものである。
【0011】
本発明にかかる精算方法は、商品を識別するための商品識別情報を読み取るステップと、前記商品識別情報を読み取らせた顧客を撮像するステップと、前記商品識別情報に基づいて商品情報を取得するとともに、撮像画像に基づいて前記顧客を識別して、前記商品情報と前記顧客とを関連付けて記憶するステップと、前記商品情報と前記顧客とを関連付けて出力するステップと、を備えたものである。
【0012】
本発明にかかる精算プログラムは、商品を識別するための商品識別情報を読み取るステップと、前記商品識別情報を読み取らせた顧客を撮像するステップと、前記商品識別情報に基づいて商品情報を取得するとともに、撮像画像に基づいて前記顧客を識別して、前記商品情報と前記顧客とを関連付けて記憶するステップと、前記商品情報と前記顧客とを関連付けて出力するステップをコンピュータに実行させるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、複数の顧客が1つのショッピングカートを共同で使用した場合であっても、顧客ごとの精算金額を知ることができる商品登録装置、精算システム、精算方法及び精算プログラムを提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施の形態1にかかる商品登録装置の構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態2にかかる商品登録装置を含むショッピングカートの構成を示す図である。
図3】実施の形態2にかかる商品登録装置の説明図である。
図4】実施の形態2にかかる商品登録装置の説明図である。
図5】実施の形態2にかかる商品登録装置の表示例を示す図である。
図6】実施の形態2にかかる商品登録装置の表示例を示す図である。
図7】実施の形態2にかかる商品登録装置の表示例を示す図である。
図8】実施の形態2にかかる商品登録装置の表示例を示す図である。
図9】実施の形態2にかかる商品登録装置の表示例を示す図である。
図10】実施の形態2にかかる商品登録装置の処理を示すフローチャートである。
図11】実施の形態2にかかる商品登録装置の処理を示すフローチャートである。
図12】実施の形態2にかかるPOS端末の処理を示すフローチャートである。
図13】実施の形態2にかかるPOS端末の処理を示すフローチャートである。
図14】実施の形態2にかかる精算システムの構成を示すブロック図である。
図15】実施の形態3にかかる精算システムの構成を示すブロック図である。
図16】実施の形態3にかかる商品登録装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施の形態1>
以下、図1を参照して本発明の実施の形態1にかかる商品登録装置について説明する。当該商品登録装置1は、複数の顧客が1つのショッピングカートを共同で使用した場合であっても、顧客ごとの精算金額を知ることができる商品登録装置である。
【0016】
ショッピングカートに備えられ、顧客が購入する商品を登録する装置である商品登録装置1は、読取部2と、撮像部3と、記憶部4と、出力部5と、入力部6と、通信部111と、制御部112とを備えている。読取部2は、商品を識別するための商品識別情報を読み取る。撮像部3は、読取部2に商品識別情報を読み取らせた顧客を撮像する。記憶部4には、撮像部3の撮像画像に基づいて読取部2に商品識別情報を読み取らせた顧客の情報と、商品識別情報に対応する商品情報(商品名や単価等)とが関連付けられて記憶される。出力部5は、商品と顧客とを関連付けて出力する。入力部6は、顧客の入力を受け付ける。通信部111は、他の装置(例えばPOS(Point Of Sales)端末)と無線通信を行う。制御部112は、各部と接続されており、これらの制御を行う。
【0017】
本実施の形態にかかる商品登録装置によれば、読取部2に、商品の商品識別情報を読み取らせた顧客と、その商品識別情報に対応する商品情報とを関連付けて記憶するので、複数の顧客が1つのショッピングカートを共同で使用した場合であっても、顧客ごとの精算金額を知ることができる。
【0018】
<実施の形態2>
図2を用いて、本実施の形態にかかる商品登録装置を説明する。図2は本実施の形態にかかる商品登録装置1を含むショッピングカート10の構成を示す概要図である。
図2に示すように、ショッピングカート10は、商品登録装置1、及びカゴ11を備えている。実施の形態1において説明したように、商品登録装置1は、読取部2と、撮像部3と、記憶部4と、出力部5と、入力部6と、通信部111と、制御部112とを備えている。
【0019】
発明の実施の形態1において説明したように、読取部2は、商品を識別するための商品識別情報の読み取りを行う。商品識別情報とは、例えばバーコード、QRコード(登録商標)、商品番号等である。読取部2は、例えば商品のバーコードの読み取りを行うバーコードリーダーである。
【0020】
撮像部3は、顧客が読取部2に商品の商品識別情報を読み取らせた際に、顧客の顔を撮像する。撮像部3は例えばデジタルカメラで構成される。撮像対象は顔以外に顧客の上半身、全身、腕時計、アクセサリ等、顧客を識別可能な部位であればどの部位でもよい。撮像部3はこれらが撮像できる適切な位置に設けられていればよい。撮像部3は、読取部2と同期して動作してもよい。例えば、読取部2が商品識別情報を読み取ったタイミングで、撮像部3が顧客を撮像してもよい。
【0021】
記憶部4には、制御部112によって、読取部2に、購入する商品の商品識別情報を読み取らせた顧客の画像と、読み取られた商品識別情報に対応する商品情報(商品名や単価等)とが関連付けられて記憶される。商品識別情報に対応する商品情報は、制御部112が、記憶部4に記憶されているPLU(Price Look Up)テーブルを参照して取得する。制御部112が、他の装置(例えばPOS端末)に商品識別情報を送信して、他の装置から取得するようにしてもよい。制御部112は、顔認証機能等を用いて、撮像部3によって撮像された画像を顧客ごとに識別することができる。これにより、制御部112は、読取部2で読み取られた商品識別情報に対応する商品情報を、読み取り操作を行った顧客の画像情報と紐づけて、記憶部4に記憶することができる。
【0022】
出力部5と入力部6は、本実施の形態においては、タッチパネル付きディスプレイによって構成される。制御部112は、記憶部4に記憶された情報を、出力部5に、商品情報と顧客とを関連付けて出力させる。出力する情報は、文字と数字のみでもよいし、撮像部3により撮像した顧客の画像を含んでもよい。入力部6は、顧客が商品の数量変更、キャンセル等の操作をする際に入力を受け付ける。出力部5は、レシートの発行が可能なプリンタでもよい。また、出力部5は、音声出力の機能を有していてもよい。
【0023】
出力部5は、顧客により商品の識別情報が読み取られる都度、出力してもよいし、顧客が希望する任意のタイミングで出力をしてもよい。また一定時間が経過した場合に出力してもよい。
【0024】
通信部111は、無線により、店舗内のPOS端末120やサーバ130と通信可能である。
【0025】
カゴ11は、顧客が購入予定の商品を精算まで入れておく箱であり、ショッピングカート10に載置されている。カゴ11は、ショッピングカート10に1つ載置されてもよいし、複数載置されてもよい。
【0026】
図3及び図4を用いて、顧客A、Bが1つのショッピングカート10を共同で使用して買い物をする際の商品登録装置1の動作について説明する。商品には商品識別情報を含むバーコードが付されており、読取部2、撮像部3、記憶部4、出力部5、入力部6、通信部111、制御部112を有する商品登録装置1及びカゴ11はショッピングカート10に設置されているものとする。また、出力部5及び入力部6としてタッチパネル付きディスプレイを用いており、必要に応じて顧客A、Bが商品登録装置1の操作を行うものとする。
【0027】
初めに、図3に示すように、顧客Aが購入を希望する商品イ及びロをカゴ11に入れる。この際、顧客Aは読取部2に、商品イ、ロに付されたバーコードをそれぞれ読み取らせる。バーコードの読み取りと同時に、撮像部3は顧客Aの顔画像を撮像する。制御部112は、記憶部4に、顧客Aの顔画像と商品イ、ロの商品情報とをそれぞれ関連付けて記憶する。これにより顧客Aによる商品イ、ロの登録が完了する。
【0028】
出力部5には、読み取りが行われた商品イ、ロの商品名、単価、個数等の商品情報と共に、商品登録を行った顧客Aが商品情報と対応付けられて表示される。また出力部5には、カゴ11に入っている商品イ、ロの合計金額も表示される。
【0029】
続いて、図4に示すように、顧客Bが購入を希望する2つの商品ハをカゴ11に入れる。顧客Bも顧客Aと同様に、読取部2に商品ハに付されたバーコードを読み取らせる。その際、撮像部3が顧客Bの顔を撮像する。制御部112は、記憶部4に、顧客Bの顔画像と商品ハの商品情報とを関連付けて記憶する。これにより顧客Bによる商品ハの登録が完了する。
【0030】
図4に示すように、出力部5には、既に顧客Aが商品登録した商品イ、ロの商品情報に加えて、顧客Bが商品登録した商品ハの商品情報が、顧客Bと対応付けられて表示される。また出力部5には、カゴ11に入っている商品イ、ロ及びハの合計金額も表示される。出力部5に、顧客Aと顧客Bの画像が、それぞれの商品情報と対応付けられて表示されるようにしてもよい。
【0031】
出力部5には、顧客の所望のタイミングにおいて、図5及び図6に示すように、顧客A、Bの個別の精算金額を切り替えて表示することができる。従って、顧客A、Bは、買い物の途中であっても、自身が精算すべき精算金額を容易に把握することができる。
【0032】
出力部5における表示の方法としては、図7から図9に示すように、全体の精算金額一覧と、個人別の精算金額一覧とを、タブにより切り替え表示するものが有効である。顧客A、Bの顔画像と、それぞれが登録した商品とが対応するよう並べて表示したり、顧客によって色分けを行ったりすることで、顧客A、Bはそれぞれの商品登録状況をより把握しやすくなる。
【0033】
続いて、図10及び図11に示すフローチャートを用いて、商品登録装置1の制御部112が実行する処理について説明する。
【0034】
初めに、顧客Aは商品イのバーコードを読取部2に読み取らせる(ステップS11)。撮像部3は顧客Aの顔部分を撮像する(ステップS12)。
制御部112は、撮像した顔画像から顧客Aを識別し、顧客Aの画像が過去に登録されているか否かを判定する(ステップS13)。顧客Aが初めて商品を読み取らせた場合(ステップS13のNo)、制御部112は顧客Aを新規登録する(ステップS14)。顧客Aによる商品の読み取りが2回目以降である場合(ステップS13のYes)は、顧客Aが登録済みであるため、次の処理に進む。
制御部112は、バーコードを読み取った商品イの商品情報と、撮像した顧客Aの画像に紐づけて記憶する(ステップS15)。これにより、顧客Aによる商品イの登録が完了する。
【0035】
制御部112は、顧客A、Bが次に行う処理を判定する(ステップS16)。制御部112は、顧客A、Bが、購入を希望する全ての商品について登録を終了するまで、上記手順を繰り返す(ステップS16の続行)。制御部112は、記憶部4に、顧客A、Bの顔画像と、それぞれが購入しようとする商品の商品情報とを紐づけて、商品登録情報として記憶していく。
【0036】
顧客A、Bは、買い物の途中において、登録した商品の一覧を出力部5に表示することができる(ステップS16の画面切替)。制御部112は、表示する内容を出力部5上の操作により顧客A、Bに選択させる(ステップS17)。
【0037】
全ての商品の一覧表示が選択された場合(ステップS17の一覧表示)、顧客A、Bにより登録された全ての商品の商品情報を一覧で表示し(ステップS18)、顧客A、Bのいずれかの個別表示が選択された場合(ステップS17の個別表示)、顧客A、Bのいずれかが登録した商品の商品情報のみの一覧を表示する(ステップS19)。
【0038】
例えば、顧客A、Bがタッチパネル等を操作して精算すべき精算金額の個別表示、一覧表示を選択することができる。出力部5には選択結果に基づいて、精算金額等が表示される。表示方法については、既に示した図5から図9のような例が考えられる。なお、出力部5において、顧客A、Bの操作によらず、商品の登録時や一定時間が経過した際に、自動で画面切り替えを行ってもよい。
【0039】
顧客A、Bは、購入を希望する全ての商品について商品登録を済ませた後、精算手続に進む。精算する旨の入力がなされると(ステップS16の精算)、制御部112は、POS端末120に商品登録情報を送信する(ステップS20)。本実施の形態においては、精算は、図14に示す精算システム100のPOS端末120で行う。精算システム100については、後述する。精算の方法は、2種類ある。第1の精算方法は、一括精算、均等割精算、及び個別精算のいずれか1つを選択する方法である。第2の精算方法は、一括精算、均等割精算、及び個別精算が混在する方法である。
【0040】
まず、図12に示すフローチャートを用いて、POS端末120の制御部122が実行する、第1の精算方法である精算処理について説明する。
【0041】
POS端末120の制御部122は、どのような方法で精算を行うかを、顧客表示部上に選択肢(一括精算、均等割精算、個別精算)を表示し、顧客A、Bの選択を受け付ける(ステップS21)。顧客表示部は、タッチパネル付きディスプレイによって構成されており、出力部123でもあり、入力部125でもある。
顧客A、Bが一括精算を選択した場合(ステップS21の一括)、登録した全ての商品について顧客A、Bのいずれかが一括で精算を行ってレシートを発行(ステップS22)し、精算処理は終了する。
【0042】
顧客A、Bが個別精算を選択した場合(ステップS21の個別)、初めに精算を行う顧客を指定し(ステップS23)、指定した顧客が商品登録した分の商品についてのみ、精算を行う(ステップS24)。なお、顧客の指定の際には、顧客A、Bの画像を表示する。
【0043】
次に、制御部122は、個別精算が顧客全員について完了しているか否かを判定する(ステップS25)。例えば先に顧客Aが個別精算を行い、顧客Bの精算が済んでいない場合(ステップS25のNo)、続いて顧客Bの精算を行う。顧客Bの精算が済むとレシートを発行(ステップS25のYes)し、精算処理は終了する。
【0044】
また、顧客A、Bが均等割り精算を選択した場合(ステップS21の均等割)、制御部122は、商品を登録した顧客全員で均等割りを行うのか、顧客の一部のみで均等割りを行うのかを、顧客表示部上の操作により顧客A、Bに選択させる(ステップS26)。
例えば顧客が3人いた場合には、3人全員で均等割りにするのか、3人のうち2人のみで均等割りにするのかを選択することができる。均等割りの対象人数の変更が必要な場合(ステップS26のYes)、顧客表示部上の操作により均等割りの対象人数を変更する(ステップS27)。変更が不要な場合(ステップS26のNo)、次の処理に進む。
【0045】
顧客A、Bは均等割りによる1人分の金額について、精算を行う(ステップS28)。次に、制御部122は、均等割り精算が顧客全員について完了しているか否かを判定する(ステップS29)。例えば先に顧客Aが均等割りによる1人分の精算を行い、顧客Bの精算が済んでいない場合(ステップS29のNo)、続いて顧客Bの精算を行う。顧客Bの精算が済むとレシートを発行(ステップS29のYes)し、精算処理は終了する。
【0046】
次に、図13に示すフローチャートを用いて、第2の精算方法である一括精算、個別精算及び均等割り精算が混在する場合の処理について説明する。
【0047】
まず、制御部122は、個別精算を行うか否かを、顧客表示部上の操作により顧客A、Bに選択させる(ステップS31)。個別精算を選択した場合(ステップS31のYes)は個別精算を行う顧客を選択させ(ステップS32)、その顧客について個別精算を行う(ステップS33)。なお、顧客の選択の際には、顧客A、Bの画像を表示する。
【0048】
次に、制御部122は全員の個別精算が完了しているか否かを判定する(ステップS34)。全員の個別精算が完了していれば(ステップS34のYes)、残額は存在しないため、精算処理は終了する。
【0049】
全員の個別精算が完了していない場合(ステップS34のNo)、制御部122は、残額についての精算方法を顧客表示部上の操作により顧客A、Bに選択させる(ステップS35)。残額についても個別精算を選択した場合(ステップS35の個別)、ステップS32の処理に戻り、以後の処理を実行する。
【0050】
残額について、いずれかの顧客による一括精算を選択した場合(ステップS35の一括)は一括精算を行い(ステップS36)、顧客の一部又は全員による均等割り精算を選択した場合(ステップS35の均等割)は均等割り精算を行う(ステップS37)。それぞれの精算後、レシートを発行し、精算処理は終了する。
一括精算、個別精算及び均等割り精算の詳細については既に述べた通りである。
【0051】
なお、ステップS31において個別精算を選択しない場合(ステップS31のNo)はステップS35に進み、一括精算、均等割り精算のいずれかを選択する。
【0052】
続いて、図14を用いて精算システム100について説明する。図14は、本実施の形態2にかかる商品登録装置1を含む精算システム100を示すブロック図である。
【0053】
精算システム100は、商品登録装置1、POS端末120、サーバ130、及びデータベース140を備える。
商品登録装置1は、前述した通り、ショッピングカート10に設けられ、通信部111、制御部112、記憶部4、出力部5、入力部6、読取部2、及び撮像部3を備えている。出力部5と入力部6は、タッチパネル付きディスプレイによって構成される。
通信部111は、無線により、通信部121、及びサーバ130と通信可能である。制御部112は、各部と接続されており、これらを制御する機能を有する。
【0054】
POS端末120は通信部121、制御部122、出力部123、精算部124、及び入力部125を備える。
通信部121は、無線により、商品登録装置1と通信可能であり、有線又は無線により、サーバ130と通信可能である。
【0055】
出力部123は、顧客ごとの商品登録情報を、商品情報と顧客とを関連付けて出力する。顧客ごとの商品登録情報とは、顧客A、Bの顔画像と、それぞれが登録した商品の商品名、単価、個数等の情報や、精算方法の選択により決定したそれぞれの精算金額等、精算に関連する種々の情報が含まれる。出力部123は、具体的にはディスプレイやプリンタ等である。入力部125は、具体的にはタッチパネルやボタン等であり、店員や顧客の入力を受け付ける。
【0056】
精算部124は、POS端末120において、店員が顧客との間で現金、クレジットカード、電子マネー等により商品代金の授受を行うことで精算を行う機能を有する。
制御部122は、POS端末120に含まれるこれらの機能を制御する。
【0057】
商品登録装置1の通信部111は、記憶部4に記憶された顧客ごとの商品登録情報をPOS端末120へ送信する。POS端末120は、顧客ごとの商品登録情報を通信部121により受信し、出力部123にその内容を表示する。表示は文字と数字のみでもよいし、既に述べたような、顧客A、Bの顔画像と商品とを並べたものでもよい。これにより、店員は顧客が選択した精算方法により、精算部124を用いて顧客A、Bとの間で精算処理を行うことができる。
サーバ130は、店舗内に設置された店舗サーバであり、データベース140にアクセス可能である。サーバ130は、上記の精算内容に関する情報をデータベース140に蓄積する。
【0058】
以上説明したように、本実施の形態にかかる商品登録装置によれば、複数の顧客が1つのショッピングカートを共同で使用した場合であっても、別途の計算を行うことなく、顧客ごとの精算金額を知ることができ、また顧客が選択した方法により精算を行うことができる。
【0059】
また、本実施形態にかかる精算方法によれば、商品を識別するための商品識別情報を読み取るステップと、前記商品識別情報を読み取らせた顧客を撮像するステップと、撮像画像に基づいて前記顧客を識別して、前記商品と関連付けて記憶するステップと、前記商品と前記顧客とを関連付けて出力するステップと、を備えるので、複数の顧客が1つのショッピングカートを共同で使用した場合であっても、顧客ごとの精算金額を知ることができる。
【0060】
<実施の形態3>
本実施の形態では、顧客A、Bがショッピングカート10において自ら精算を行う処理について、図15を用いて説明する。
精算システム101は、商品登録装置150、サーバ130、及びデータベース140を備える。商品登録装置150は、精算部113を備える以外は図14に示す構成と同様であるので、精算部113以外については説明を省略する。
【0061】
精算部113は、商品登録装置150において顧客A、B自身が現金、クレジットカード、電子マネー等により商品代金の精算を行う機能を有する。よって、顧客A、Bは、商品の登録や精算方法の選択を行った後、レジまで商品を持ち運ぶことなく、商品登録装置150を用いて自ら精算を行うことができる。商品登録装置150の制御部112は、精算処理を実行する。その処理内容は、実施の形態2においてPOS端末120の制御部122が実行する精算処理(図12及び図13のフローチャート)と同様である。制御部122は、精算処理の後、精算結果をサーバ130に送信する。
【0062】
以上説明したように、本実施の形態にかかる商品登録装置によれば、顧客A、Bはレジに並ぶことなく、希望する精算方法により、自ら精算を行うことができる。
【0063】
<ハードウェアの構成例>
図16は、精算処理を実現するためのハードウェア構成例を示すブロック図である。当該ハードウェア構成は、プロセッサ201とメモリ202を備えている。
【0064】
プロセッサ201は、メモリ202からコンピュータプログラム(精算プログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態においてフローチャートを用いて説明された商品登録装置1の処理を行う。ここで、精算プログラムは、商品を識別するための商品識別情報を読み取るステップと、前記商品識別情報を読み取らせた顧客を撮像するステップと、撮像画像に基づいて前記顧客を識別して、前記商品と関連付けて記憶するステップと、前記商品と前記顧客とを関連付けて出力するステップをコンピュータに実行させるものである。
【0065】
プロセッサ201は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)であってもよい。プロセッサ201は、複数のプロセッサを含んでもよい。
【0066】
メモリ202は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ202は、プロセッサ201から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ201は、図示されていないI/Oインタフェースを介してメモリ202にアクセスしてもよい。
【0067】
図16の例では、メモリ202は、ソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。プロセッサ201は、これらのソフトウェアモジュール群をメモリ202から読み出して実行することで、上述の実施形態において説明された商品登録装置1の処理を行うことができる。
【0068】
プロセッサの各々は、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行する。このプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、Compact Disc Read Only Memory(CD-ROM)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、Programmable ROM(PROM)、Erasable PROM(EPROM)、フラッシュROM、Random Access Memory(RAM))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0069】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、一度登録した商品をキャンセルする場合には、再度読取部による読み取りを行い、キャンセルする商品と、読み取りを行った顧客とを関連付けて出力する等してもよい。
【符号の説明】
【0070】
1、150 商品登録装置
2 読取部
3 撮像部
4 記憶部
5、123 出力部
6、125 入力部
10 ショッピングカート
11 カゴ
100、101 精算システム
111、121 通信部
112、122 制御部
113、124 精算部
120 POS端末
130 サーバ
140 データベース
201 プロセッサ
202 メモリ
【要約】
【課題】複数の顧客が1つのショッピングカートを共同で使用した場合であっても、顧客ごとの精算金額を知ることができる商品登録装置、精算システム、精算方法及び精算プログラムを提供すること。
【解決手段】本発明にかかる商品登録装置1は、商品を識別するための商品識別情報を読み取る読取部2と、読取部2に商品識別情報を読み取らせた顧客を撮像する撮像部3と、顧客を識別して、商品識別情報に対応する商品情報と関連付けて記憶部4に記憶し、顧客の操作による入力を入力部6で受け付け、顧客と商品情報とを関連付けて出力部5に出力する制御部112と、を備えたものである。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16