(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
<概要>
実施形態に係る第1の照明装置は、取付部を介して被取付面に取り付けられる照明装置であって、前記取付部を備えるアダプタと、前記アダプタに着脱可能に装着される器具本体とを備え、前記器具本体は、前記アダプタに装着されるベースと、前記ベースの表面に搭載された光源ユニットと、前記ベースの表面全体を覆い且つ前記ベースに固定された透光性カバーとを備え、前記アダプタ及び前記器具本体は、前記器具本体が前記アダプタに装着されることにより、電気的に接続する接続部を備え、前記アダプタは、表裏方向と直交する方向に進退可能な可動体を備え、前記ベースは、前記アダプタが嵌合する凹入部と、前記凹入部の周壁部分に設けられた複数の非係合部分とを備え、前記器具本体が前記アダプタに装着されている場合に、前記器具本体を回転させることにより、前記可動体が前記非係合部分に位置すると、前記可動体が退入状態となり、前記器具本体が前記アダプタから取外し可能となる。
実施形態に係る第2の照明装置は、第1の照明装置において、前記周壁部分は、前記非係合部分が欠けた欠円形状の横断面形状である。
実施形態に係る第3の照明装置は、第1又は第2の照明装置において、前記非係合部分は、前記凹入部の中心軸を挟んで対向しており、その間隔は、前記可動体が退入した状態における前記可動体の先端間の距離に等しい。
実施形態に係る第4の照明装置は、第1〜第3の何れかの照明装置において、前記周壁部分の裏面側には、前記周壁部分よりも中心軸側に張り出した装着部が設けられており、前記装着部により、前記可動体を受け入れる受入凹部が形成されるとともに、前記可動体と係合する係合部が形成される。
実施形態に係る第5の照明装置は、第1〜第4の何れかの照明装置において、前記可動体は、ベース部と、前記ベース部から前記表裏方向と直交する方向に延びる延伸部とを有し、前記延伸部は、側方から見ると表面が前記ベース部から離れるに従って裏側に移る傾斜面となっている。
実施形態に係る第6の照明装置は、第1〜第5の何れかの照明装置において、前記器具本体の前記接続部は導電ピンであり、前記アダプタは、前記導電ピンを受け入れるピン用の凹入部を備えており、前記アダプタの前記接続部は、前記ピン用の凹入部内に配されている。
実施形態に係る第7の照明装置は、第1〜第6の何れかの照明装置において、前記可動体は付勢体により進出するように付勢されている。
明細書の一態様に係る照明装置は、取付部を介して被取付面に取り付けられる照明装置であって、前記取付部を備えるアダプタと、前記アダプタに着脱可能に装着される器具本体とを備え、前記器具本体は、前記アダプタに装着されるベースと、前記ベースの表面に搭載された光源ユニットと、前記ベースの表面全体を覆い且つ前記ベースに固定された透光性カバーとを備え、前記アダプタ及び前記器具本体は、前記器具本体が前記アダプタに装着されることにより、電気的に接続する接続部を備える。
明細書の別態様に係る照明装置において、前記アダプタは、前記取付部を有する取付部材をケースに備え、前記アダプタの前記接続部は前記取付部材に設けられ、前記器具本体は、前記ケースに対して外嵌する嵌合部を有し、前記器具本体の前記接続部は、前記嵌合部が前記ケースに嵌合した際に前記アダプタの前記接続部に接続する。これにより、アダプタへの器具本体の装着により両者が電気的に接続され、取り付け作業を少なくできる。
明細書の別態様に係る照明装置において、前記器具本体の前記接続部は、前記嵌合部の前記ケースへの嵌合方向に延伸する導電ピンを備える。これにより、接続部の構造を簡素化できる。
【0009】
明細書の別態様に係る照明装置において、前記器具本体と前記アダプタは、前記接続部を複数有し、前記器具本体の各前記接続部は、前記導電ピンを複数有する。これにより、器具本体とアダプタとの電気的接続の信頼性を向上させることができる。
明細書の別態様に係る照明装置において、前記器具本体の前記接続部は、前記導電ピンを前記嵌合方向に付勢する付勢体を備える。これにより、簡易な構造で、器具本体の接続部がアダプタの接続部から離れ難くできる。
明細書実施形態の別態様に係る照明装置において、前記取付部は、引掛刃であり、前記アダプタの前記接続部は、前記取付部材における、前記引掛刃の延出方向と直交する方向に延伸する延伸部分により構成され、前記ケースは、前記導電ピンを内部に受け入れるための凹入部を有すると共に当該凹入部の底に前記アダプタの前記接続部を備える。これにより、アダプタの接続部に人の指等が触れ難くなり、安全性を高めることができる。
明細書の別態様に係る照明装置において、前記ベースは、前記光源ユニットを保持する光源保持部と、前記嵌合部とを一体で有する一体成形品である。これにより、安価に実施できる。
明細書の別態様に係る照明装置において、前記アダプタは、前記嵌合部側に自在に進退する可動体を前記ケースに備え、前記嵌合部は、進出状態にある前記可動体を受け入れる凹部を備える。これにより、器具本体のアダプタへの装着構造を簡素化できる。
【0010】
<実施形態>
実施形態では、天井等の被取付面に取付部材を介して取り付けられる照明装置の一例として、取付部材である引掛刃を備えるシーリングライトについて説明する。なお、照明装置は、天井等に設けられている引掛けシーリング等の被取付部材の取付溝に引掛刃を挿入・回転させることで、天井等に取り付けられると共に商用電源と電気的に接続される。
ここで、天井等がある側を裏側とし、照明装置Xから主出射方向に光が出射される側を表側とする。
【0011】
1.全体
照明装置Xは、
図1に示すように、照明機能を有する器具本体1と、器具本体1を被取付面に取り付けるためのアダプタ7を備える。換言すると、照明装置Xは、被取付面に取り付けたアダプタ7に器具本体1を装着することで、被取付面に取り付けられる。
アダプタ7を説明した後に器具本体1を説明する。
【0012】
2.アダプタ
図2を用いて説明する。
アダプタ7は複数個(例えば、2個である)の取付部材71をケース70に備える。アダプタ7は、器具本体1を装着するためのアダプタ側装着部72をケース70に備える。アダプタ7は、器具本体1がアダプタ7に装着されることにより、使用者の作業なしで、器具本体1と電気的に接続するためのアダプタ側接続部73をケース70に備える。アダプタ7は、引掛シーリングへの取り付け状態をロックするロック部74をケース70に備えてもよい。
ここでは、取付部材71、アダプタ側装着部72、アダプタ側接続部73及びロック部74を備えるアダプタ7について説明する。なお、アダプタ側接続部73は、本発明のアダプタの接続部の一例に相当する。
【0013】
(1)ケース
ケース70は、複数個、ここでは2個の部品から構成されている。ケース70は、裏ケース76と表ケース77とを有する。ケース70は、例えば、円盤状をしている。これにより、引掛けシーリングへのアダプタ7の取付操作を容易に行える。なお、取付操作は、引掛刃部711を引掛けシーリングの取付溝に挿入した後、アダプタ7を回転させる操作である。
裏ケース76は、
図3及び
図4に示すように、蓋部761と周壁部762とを一体で有する。
表ケース77は、裏ケース76の表側開口を覆う底部771と、器具本体側接続部57の導電ピン571を内部に受け入れるための凹入部772とを有する。
底部771は、アダプタ7を引掛けシーリングに取り付ける際の操作用の凹み部773を有していている。ここでは、凹み部773は、中心軸を挟んで対向する部位に設けられている。
凹入部772は、アダプタ7の中心軸を中心とする円環状に凹入し、底部分に円弧状の開口(貫通溝)772aを有する。この開口772aから後述のアダプタ側接続部73が露出している。なお、凹入部772の底部分は、平坦状をし、可動体支持部764の一部(平坦部分771b)を構成する。
裏ケース76と表ケース77との結合はねじ701により行われる。ねじ701は、表ケース77の底部771の外周部分の貫通孔771aを挿通した後、裏ケース76の周壁部762のねじ孔762a(
図3参照)に螺合する。
【0014】
(2)取付部材(アダプタ側接続部)
取付部材71は、引掛けシーリングの取付溝に挿入して係合する引掛刃に相当する引掛刃部711を有する。なお、引掛刃部711は、本発明の「取付部」の一例に相当する。
ここでの取付部材71は、器具本体側接続部57と接続するアダプタ側接続部73を引掛刃部711と一体で有する。これにより、引掛刃部711とアダプタ側接続部73とを別体で構成した際の電気接続が不要となり、構造が簡素化できる。
引掛刃部711は、「L」字状をし、屈曲している部分がケース70から裏側に延出して引掛けシーリングの取付溝に挿入される。
【0015】
アダプタ側接続部73は、引掛刃部711の延出方向(ここでは表裏方向と一致する)に直交する方向に延伸している。アダプタ側接続部73は、ケース70の周壁部762に対応する形状をしている。あるいは、アダプタ側接続部73はアダプタ7の中心軸を中心とする円弧状をしている。これにより、器具本体1をアダプタ7に装着する際に、ベース樹脂材2の環状凹入部21がアダプタ7のケース70の外側に嵌合する状態で、器具本体1をアダプタ7の中心軸を回転軸として回転させても、アダプタ側接続部73と器具本体側接続部57との電気接続は確保(維持)される。なお、環状凹入部21は、本発明の「嵌合部」の一例に相当する。環状凹入部21にアダプタ7が嵌合した状態では、器具本体1はアダプタ7に装着されず、後述の装着ユニット50と環状凹入部21とで、アダプタ7に装着できる。
アダプタ側接続部73は、後述の表ケース77の凹入部772の底部分の開口772aから露出している。
【0016】
取付部材71は、引掛刃部711とアダプタ側接続部73とを連結する連結部713を有している。連結部713は、アダプタ側接続部73と同一面状に設けられている。連結部713は、取付部材71を裏ケース76の蓋部761の固定部分763(
図3参照)に固定されるための固定領域を有する。固定にはねじ703が利用される。固定領域は、貫通孔713aにより構成され、当該貫通孔713aを挿通するねじ703が、
図3に示すように、固定部分763のねじ孔763aに螺合する。連結部713は、裏ケース76の蓋部761の固定部分763の突領域763bと嵌合する貫通孔713bを有する。これにより、取付部材71が裏ケース76内で位置決めされる(
図2の(a)参照)。
なお、裏ケース76の固定部分763は、蓋部761から表側に凹入する凹入部分により構成され、底領域で取付部材71のアダプタ側接続部73の一部と連結部713を支持する。底領域には、上述のねじ孔763aや突領域763bが設けられている。底領域には、連結部713に沿って延伸する突領域763cを有している。突領域763b,763cにより取付部材71が位置決めされる。なお、ねじ孔763aは、底領域から裏側に延伸するボス領域に形成されている。
【0017】
(3)アダプタ側装着部
アダプタ側装着部72は、
図3及び
図4に示すように、器具本体1側に自在に進退する可動体721をケース70に備える。可動体721は表裏方向と直交する方向に移動可能にケース70の可動体支持部764(
図3参照)により支持されている。可動体721は、付勢体725により進出するように付勢される。付勢体725としてばねが利用されている。
可動体721は、ベース部722と、ベース部722から表裏方向と直交する方向に延びる延伸部723とから構成される。
ベース部722は表裏方向に延伸する溝部分722aを有し、当該溝部分722aと、蓋部761から表側に板状に延伸する付勢体支持部766(
図3参照)との間に付勢体725が配される。ここでの付勢体支持部766は、断面形状が「コ」字状をし、付勢体(ばね体)を位置決めする凸部766aを有する。なお、
図2の(a)では、付勢体支持部766の形状を見せるために、付勢体725の図示は省略している。
ベース部722には、
図3に示すように、ケース70の可動体支持部764のレール部分764aに嵌合する嵌合溝722bを一対で有する。これにより、可動体721の移動をスムーズに行える。
延伸部723は、側方から見ると、裏面723aが平坦(表裏方向と直交する)状をし、表面723bがベース部722から離れるにしたがって裏側に移る傾斜面となっている。器具本体1のアダプタ7への装着は、ベース樹脂材2の環状凹入部21をアダプタ7のケース70に嵌合させて行う。この際、アダプタ7に対して器具本体1を近づけた際に、傾斜面があるため、器具本体1の装着ユニット50に係合し易くできると共に、係合状態が維持され易くできる。なお、付勢体725より可動体721の進出状態(係合状態)が維持される。
可動体支持部764は、蓋部761の表側面であって可動体721のベース部722の裏側面と対向する部分764b(
図3参照)と、表ケース77の底部771であって可動体721のベース部722の表側面と対向する平坦部分771b(
図4参照)とで構成される。
【0018】
(4)ロック部
ロック部74は、
図3及び
図4に示すように、引掛けシーリングへのアダプタ7の取り付けの際に引掛けシーリングの取付溝に可動部741aが進入し、使用者の操作部741bの操作により可動部741aが取付溝から退出するロック体741をケース70のロック体収容部に備える。
ロック体741は、裏側端部が裏ケース76の蓋部761の貫通孔761b(
図4参照)から延出する可動部741aと、表ケース77の底部771に設けられている凹み部773の貫通孔773aから一部が露出する操作部741bと、操作部741bの操作により可動部741aの裏側端が蓋部761の貫通孔761bから退入させる(取付溝から退出させる)連結部741cを有する。ここでは、使用者が操作部741bを中心軸に向かって押圧させると、可動部741aが表側に移動するように、連結部741cが弾性変形する。
ロック体741は、表ケース77の底部771の支持面771cに沿って(径方向)操作部741bがスライドするのを補助する径方向補助部741dを操作部741bに隣接して有する。ロック体741は、可動部741aがロック体収容部内で表裏方向にスライドするのを補助する表裏方向補助部741eを可動部741aに隣接して有する。なお、ここでのロック体741の連結部741cは、正確には、径方向補助部741dと表裏方向補助部741eを連結している。
【0019】
ロック体収容部は、裏ケース76の蓋部761の裏収容部765と、表ケース77の底部771の支持面771cと底部771における支持面771cの周辺部分とで構成される。
裏収容部765は、蓋部761から表側に延伸して、ロック体741の可動部741aと表裏方向補助部741eの周囲を覆う。
蓋部761の貫通孔761bの大きさは可動部741aに対応しており、可動部741aの裏側への移動は、可動部741aに対して段差状に設けられた表裏方向補助部741eが蓋部761に当接することで規制される。操作部741bの径方向への移動は、蓋部の761の板状の延伸部分767に操作部741bの裏側端部が係合することで規制される。
【0020】
3.器具本体
図5及び
図6を用いて説明する。
器具本体1は、少なくとも、ベース樹脂材2、光源ユニット3、透光性カバー6を備え、アダプタ7との電気接続を行う接続ユニット55を備える。器具本体1は、光源ユニット3に電力を供給するための電源ユニット4を備えてもよいし、アダプタ7に装着するための装着ユニット50を備えてもよいし、光源ユニット3をベース樹脂材2に固定するための固定具37を備えてもよい。なお、ベース樹脂材2は、本発明の「ベース」の一例に相当する。
本実施形態では、電源ユニット4、装着ユニット50及び固定具37を備える照明装置Xについて説明する。
【0021】
(1)ベース樹脂材
ベース樹脂材2は、
図5及び
図6に示すように少なくとも、光源ユニット3を表側に保持する機能と、アダプタ7に装着する機能と、アダプタ7と電気的に接続する機能とを有している。ここでは、器具本体1は電源ユニット4及び透光性カバー6を備えるため、ベース樹脂材2は、電源ユニット4を保持する機能及び透光性カバー6を保持する機能を有している。
ベース樹脂材2は、
図10又は
図11に示すように、少なくとも、裏側に凹入する部分が表側から見ると環状をする環状凹入部21と、環状凹入部21の開口縁から径方向に板状に延伸する平坦状部23とを有する。ここでのベース樹脂材2は、裏側に凹入する溝状部25を平坦状部23の外周に有する。
ベース樹脂材2は、樹脂材料により構成され、環状凹入部21、平坦状部23及び溝状部25を一体に成形してなる一体成形品で構成される。
環状凹入部21は、後述の接続ユニット55を保持する接続ユニット保持部を構成する。環状凹入部21は、後述の装着ユニット50を保持する装着ユニット保持部を構成する。環状凹入部21は、アダプタ7の外側に嵌合する。平坦状部23は、表面に光源ユニット3を保持(搭載)する光源保持部を構成する。平坦状部23は、裏面に電源ユニット4を保持(搭載)する電源保持部を構成する。平坦状部23は、透光性カバー6を保持する透光性カバー保持部を構成する。
【0022】
(1−1)環状凹入部
環状凹入部21は、裏側から見ると、電源ユニット4が配される側が欠けた欠円状又は欠円状に近い形状をする。環状に凹入している部分の表側は開放している。環状凹入部21は、内周壁部分211、外周壁部分212及び蓋壁部分213を有している。ここでの環状凹入部21は、環状の内側を塞ぐ閉塞部214を有する。
【0023】
内周壁部分211は、アダプタ7から器具本体1を外す際に、アダプタ側装着部72に対向する複数部位(ここでは2部位であり、この部位を非係合部分ともいう)211aが欠けた(直線状をした)欠円形状又は欠円形状に近い形状を横断面形状として有している。この2つの非係合部分211aは、環状凹入部21の中心軸に挟んで対向しており、その間隔は、アダプタ7のアダプタ側装着部72の可動体721が退入した状態又はそれに近い状態における可動体721の先端間の距離に略等しい。
非係合部分211aの周方向の長さは、非係合部分211aに当接する可動体721の周方向の長さと略同じに構成されている。これにより、アダプタ7から器具本体1を容易に外すことができる。
内周壁部分211は、非係合部分211aの周方向の両側に中心軸側に張り出す張出部分211bを有している。これにより、人の操作なしで、器具本体1がアダプタ7から外れるのを防止できる。
【0024】
外周壁部分212は内周壁部分211に対して径方向に離間している。外周壁部分212は、電源ユニット4側が欠けた欠円形状又は欠円形状に近い形状をし、欠けた部分212aに貫通孔212b(
図11参照)を有している。貫通孔212bは、電源ユニット4と接続ユニット55とを電気的に接続するケーブル48が挿通するためのものである。
【0025】
蓋壁部分213は、
図11に示すように、内周壁部分211側が下がる段差213aを有している。つまり、表側蓋壁領域213bと裏側蓋壁領域213cとを段付き状に備える。段差213aを利用して、装着ユニット50が嵌合し、表側蓋壁領域213bにより支持される。表側蓋壁領域213bには、接続ユニット55を固定するための固定部が設けられている。固定には、
図8及び
図9に示すように、複数個のねじ219が利用され、凹入部分を表側に延出するボス213e(
図10参照)に設けられたねじ孔213dが固定部として機能する。
固定状態にある装着ユニット50の内周縁は、内周壁部分211の非係合部分211a及び張出部分211bを除いた領域で、内周壁部分211よりも中心軸側に張り出し、装着ユニット50の表側に可動体721を受け入れる受入凹部211d(
図6参照)が形成されると共に張出部分で可動体721が係合する係合部が形成される。つまり、環状凹入部21と装着ユニット50とで器具側装着部が構成される。
【0026】
蓋壁部分213は、裏側に延伸する延伸領域213f(
図11参照)をベース樹脂材2の中心を挟んで対向する部位に有する。より具体的には、延伸領域213fは内周壁部分211の非係合部分211a及び張出部分211bに連続して設けられている。つまり、延伸領域213fの内周側の面と、非係合部分211a及び張出部分211bの内周側の面とが面一状になっている。これにより、器具本体1をアダプタ7からスムーズに外すことができる。また、延伸領域213fの内周側の面と、非係合部分211a及び張出部分211bの内周側の面とが面一状で裏側拡がりに傾斜している。これにより、器具本体1をアダプタ7から重力で落下するようにして外すことができる。
なお、器具本体1がアダプタ7に装着された状態において、アダプタ7の可動体721が装着ユニット50の表側にある受入凹部211dに位置すると係合状態(取り外し不可状態)であり、アダプタ7の可動体721が装着ユニット50の欠け部分513,533又は非係合部分211aに位置すると非係合状態(取り外し可能状態)である。係合状態及び非係合状態の切り替えは、器具本体1をアダプタ7に対して回転させることで行える。
【0027】
閉塞部214は内周壁部分211の表側端を閉塞する。ここでの閉塞部214は、内周壁部分211に設けられた平坦環状の底部分214aと、底部分214aの内周縁から裏側に突出する有蓋筒状部分214bとを有する。
【0028】
底部分214aは、表側から見ると円環状をし、
図10に示すように、電源ユニット4側に溝領域214cを有している。溝領域214cは、
図11に示す環状凹入部21の外周壁部分212の貫通孔212bの近傍に設けられている。溝領域214cは、電源ユニット4と接続ユニット55とを電気的に接続するためのケーブル48用である。
底部分214aの内周端側には、
図7の拡大図の示すように、段付き突条領域214dを有する。段付き突条領域214dは、内周側(中心側)が外周側よりも表側に突出する。なお、段付き突条領域214dは、光源ユニット3を位置決め状態で支持する。
【0029】
有蓋筒状部分214bは、後述の接続ユニット55の導電ピン571を挿通させるための貫通孔214e(
図11参照)と、導電ピン571の表裏方向の移動を支持する筒領域214f(
図10参照)と、接続ユニット55をベース樹脂材2に固定するための固定領域214gとを有する。
有蓋筒状部分214bは、後述の接続ユニット55を周方向に位置決めするベース樹脂材側位置決め領域214hを周壁部分に有する。ここでのベース樹脂材側位置決め領域214hは、
図10に示すように、径方向の中心に向かって凸出して表裏方向に延伸する突条部分(縦リブ)により構成されている。
【0030】
(1−2)平坦部
平坦状部23は、
図10及び
図11に示すように、全体として円形状をしている。
平坦状部23は、裏側に凹入する凹入部分を複数個有している。凹入部分は平坦状部23(ベース樹脂材2)を補強する機能を有する。ここでの凹入部分は、内側の仮想円上に「C」字状に設けられた内凹入部分231と、内凹入部分231の外側であって内凹入部分231の仮想円と同心の仮想円上に周方向に間隔をおいて設けられた外凹入部分232と、内凹入部分231と外凹入部分232とを径方向に連結するように設けられた連結凹入部分233とがある。
平坦状部23における凹入していない部分234が光源ユニット3と対向する。平坦状部23は、表側に突出して光源ユニット3を支持する突条部分を有する。突条部分は、
図10に示すように、径方向に延伸する径方向突条部分235と、平坦状部23の外周を周方向に沿って延伸する外周突条部分237とを有し、径方向突条部分235が周方向に等間隔をおいて3個ある。
径方向突条部分235、外周突条部分237及び環状凹入部21の段付き突条領域214dにより、光源ユニット3を構成する3個の扇状の光源モジュール31A,31B,31C(
図8及び
図9参照)が位置決めされる。
平坦状部23は、
図11に示すように、電源ユニット4を固定するねじが螺合するためのねじ部分239を裏面に有する。なお、ねじ部分239には、インサートねじ等が一体成形されている。
平坦状部23は、
図11に示すように、補強用のリブ部分を裏面に有する。リブ部分は、内凹入部分231と外凹入部分232とを径方向に連結する内リブ部分238aと、外凹入部分232と溝状部25とを径方向に連結する外リブ部分238bとがある。
【0031】
(1−3)溝状部
溝状部25は、
図10及び
図11に示すように、内周壁部分251、外周壁部分252及び底部分253により構成され、溝状部25内に、
図7に示すように、光源ユニット3の固定具37の周当接部373や透光性カバー6の透光性カバー側装着部613が収容される。
溝状部25は、外周壁部分252の表側端から径方向の外方へ延伸した後に裏側に屈曲するL字部分254を有している。L字部分254は、
図7に示すように、透光性カバー6の溝状部612に嵌る。なお、L字部分254の裏面には外周壁部分252と内周壁部分251とに跨るリブ領域254a(
図11参照)が周方向に間隔をおいて複数個設けられている。
溝状部25は、
図10に示すように、固定具37を固定するためのねじ39(
図8及び
図9参照)が螺合するねじ孔部分255を内周壁部分251と底部分253とに跨る状態で周方向に複数個有する。なお、ねじ孔部分255は、平坦状部23の径方向突条部分235に対して周方向に外れた位置に設けられている。これにより、固定具37をベース樹脂材2に固定した際に、径方向突条部分235により支持される光源モジュール31A,31B,31Cの周方向の端部(隣接する光源モジュールが周方向に対向している部分)に過度な負荷が作用するのを防止できる。
溝状部25は、透光性カバー6を固定するための固定部分を有する。固定には、
図5及び
図6に示すように、ねじ259が利用され、表側に延出するボス256(
図10参照)に設けられた貫通孔257が固定部分として機能する。
【0032】
(2)光源ユニット
主に、
図8又は
図9を用いて説明する。
光源ユニット3は、円環状をし、3つの円弧状の光源モジュール31A,31B,31Cを備える。なお、光源モジュールを区別する必要がない場合、符号を単に「31」として説明する。
光源モジュール31は、
図8の拡大図のように、発光素子の一例であるLED素子32と、複数個のLED素子32を実装する配線体33とを備える。
配線体33は、離間する複数個の導電片34から構成され、隣接する導電片34にLED素子32が跨るように実装されている。なお、導電片34は、金属板、絶縁板の面に導電処理した板材等を利用できる。
配線体33は、離間する複数個の導電片34を補強する補強部35を表裏にそれぞれ備える。
【0033】
光源ユニット3は、外周側が固定具37により、内周側が接続ユニット55によりそれぞれ支持され固定されている。
固定具37は、環状をし、光源ユニット3の表面の外周部に当接する表当接部371と、表当接部371の外周縁から裏側に延伸してベース樹脂材2の溝状部25の内周壁部分251に当接する周当接部373とを有する。つまり、固定具37は、横断面形状が「L」字の円環状をしている。
固定具37は、透光性カバー6を装着するための装着部を有している。ここでは、装着部は、器具本体1(照明装置X)の中心軸(以下、単に「中心軸」ともいう)回りに透光性カバー6を回転させた際に、透光性カバー6の透光性カバー側装着部613(
図6参照)が係合する固定具側装着部375により構成されている。
固定具側装着部375は、周当接部373の外周面に周方向に等間隔をおいて複数個(ここでは3個である)ある。
固定具37は、当該固定具37をベース樹脂材2に固定するための固定部377を有している。固定部377は、周当接部373の外周面であって固定具側装着部375と周方向に隣接(接続)する状態で、周方向に等間隔をおいて複数個(ここでは3個である)ある。
図8に示すように、固定にはねじ39が利用され、ベース樹脂材2のねじ孔部分255に螺合するねじ39が挿通する挿通孔を有する。
固定具37は、当該固定具37をベース樹脂材2に装着するための装着部379を有している。装着部379は、周当接部373の内周面であって周方向に隣接する固定部377間の略中央となる部位に設けられている。装着部379は、周方向に等間隔をおいて複数個(ここでは3個ある)ある。装着部379は、ベース樹脂材2の溝状部25の内周壁部分251の係合凹部分251a(
図10参照)に係合する係合凸部分379aにより構成されている。なお、装着部379は、係合凸部分379aが設けられている周当接部373の厚み方向への弾性変形を可能とするための一対の溝部分379bを係合凸部分379aの周方向の両側に有する。
【0034】
(3)電源ユニット
主に、
図5〜
図7を用いて説明する。
電源ユニット4は電源ケース41内に電源回路42(
図7参照)を収容してなる。
電源ケース41は、電源ベース43と、電源ベース43の覆う電源カバー45とから構成される。電源回路42は複数の電子部品46(
図7では、1個のブロックとして表している)が電源基板47に実装されてなる。
電源カバー45の裏面には、
図1に示すように、ガタツキ防止用の弾性部材(スポンジ等)29が設けられている。なお、弾性部材29は、ベース樹脂材2の外凹入部分232における連結凹入部分233との連結部分にも設けられている。
電源ケース41は、
図6に示すように、電源ユニット4をベース樹脂材2に固定するためのねじ49が挿通する挿通孔431を複数個(4個)有している。なお、ねじ49は、ベース樹脂材2の平坦状部23の裏面のねじ部分239に螺合する。
電源回路42は、ケーブル48を介して接続ユニット55に接続され、ケーブル48と接続するコネクタ491(
図7参照)が電源基板47に設けられている。
【0035】
(4)接続ユニット
図12及び
図13を用いて説明する。
接続ユニット55は、器具本体1がアダプタ7に装着された際、換言すると、器具本体1の環状凹入部21がアダプタ7のケース70に嵌合した際に、アダプタ7の取付部材71のアダプタ側接続部73と接続する。なお、環状凹入部21のケース70への嵌合は、器具本体1をアダプタ7に対して近接する方向、換言すると、裏側に移動させることで行われ、近接する方向を嵌合方向とする。
接続ユニット55は、ベース板56と、アダプタ7の取付部材71のアダプタ側接続部73と電気的に接続する器具本体側接続部57とを少なくとも備える。ここでの器具本体側接続部57は、複数個、ここでは2個ある。プレート58を介して絶縁性樹脂材料から構成されるベース板56に取り付けられている。なお、器具本体側接続部57は、本発明の器具本体の接続部の一例に相当する。
【0036】
(4−1)ベース板
ベース板56は、
図7に示すように、ベース樹脂材2の環状凹入部21に固定される。
ベース板56は、
図7の拡大図に示すように、光源ユニット3(光源モジュール31)の内周部を表側から支持する光源ユニット支持部562を有する。ここでの光源ユニット支持部562は、例えば裏側に突出する突条により構成され、突条が周方向に連続している。突条の先端部分は、光源モジュール31の配線体33に当接する。
ベース板56は、光源ユニット支持部562の表側部分から径方向の外方へ張り出す外鍔部563を有してもよい。外鍔部563を有する場合、外鍔部563における光源ユニット3の補強部35と干渉する部分563aが、表側に膨出している(
図12参照)。なお、外鍔部563はなくても光源ユニット3を支持できる。
【0037】
ベース板56は、ベース樹脂材2の環状凹入部21に対して径方向に位置決めする位置決め部564を有している。ここでの位置決め部564は、
図7に示すように、光源ユニット支持部562の内周側に設けられ、環状凹入部21の閉塞部214の底部分214aに形成された段付き突条領域214dに嵌合する嵌合部により構成される。なお、嵌合部は、光源ユニット支持部562の突条部分を利用して、表側に凹入する溝により構成されている。環状凹入部21は円形状をしているため、段付き突条領域214d及び位置決め部564を構成する溝も、表裏方向からみると円形状をしている。
【0038】
ベース板56は、器具本体側接続部57を備えるプレート58を装着するためのプレート装着部565を有する。ここでは、プレート装着部565は、
図13に示すように、プレート58の本体部581が嵌合する貫通孔565aと、ベース板56及びプレート58をベース樹脂材2に固定するためのねじ59(
図8及び
図9参照)が挿通するための貫通孔565bとにより構成されている。貫通孔565bは、貫通孔656aに対して周方向の両側にある。
【0039】
ここでのベース板56は、環状凹入部21の閉塞部214を覆う被覆部566を有している。被覆部566は、裏側からベース板56を見たときに、円形状の位置決め部564の内側に位置する。ベース板56は、被覆部566を有することで、環状凹入部21を表側から見た形状と略同じ形状(ここでは円形状である)となる。
被覆部566は、例えば、有蓋筒状をし、筒部が位置決め部564の溝を形成している内周壁の延長上にある。被覆部566にはプレート装着部565と、貫通孔561が設けられている。なお、有蓋筒状の被覆部566の蓋部分は、裏側に一段上がる段差状をしている。
【0040】
被覆部566の周壁部には、ベース樹脂材2に対して位置決めするユニット側位置決め部568が設けられている。ユニット側位置決め部568は、ベース樹脂材側位置決め領域214hと嵌合する構造を有している。ここでは、ユニット側位置決め部568は径方向に凹入する凹入部分により構成され、閉塞部214のベース樹脂材側位置決め領域214hは径方向の突出する凸出部分により構成されている。なお、ユニット側位置決め部568とベース樹脂材側位置決め領域214hとの凹凸関係は逆であってもよい。
【0041】
被覆部566には貫通孔561又は欠け部が設けられている。ここでは、被覆部566の中央に貫通孔561が設けられている。貫通孔561は、電源ユニット4と器具本体側接続部57とを電気的に接続するためのケーブル48用である。
被覆部566の表側には、ベース板56を補強する補強部が設けられている。補強部567は、
図13の(a)に示すように、貫通孔561の周囲から表側に延伸する筒部分567aと、筒部分567aと外鍔部563とを径方向に連結する連結部分567bとから構成される。
【0042】
(4−2)器具側接続部
器具本体側接続部57は1本以上の導電ピン571を少なくとも備える。ここでの導電ピン571は複数本あり、裏側へと延伸する。複数本の導電ピン571は、器具本体1をアダプタ7に装着する際に、環状凹入部21がケース70に嵌合した状態で器具本体1を回転させたときの円周上に位置するように設けられている。なお、ここでの1つの器具本体側接続部57は、導電ピン571を2本備えている。
導電ピン571は、ベース樹脂材2(アダプタ7)と反対側で、圧着端子481を介して、ケーブル48と接続される。
【0043】
なお、圧着端子481は、導電ピン571のねじ部571aが圧着端子481を挿通して、固定用のナット483と緩止め用のナット483等で固定されている。
器具本体側接続部57は、導電ピン571をアダプタ7側(裏側)に付勢する付勢体572を有する。なお、導電ピン571は、軸方向の中央に径方向に張り出す中鍔571bを有し、中鍔571bの表面側が付勢体572と当接する。付勢体572としてばねを利用している。
器具本体側接続部57は、
図13に示すように、導電ピン571の中鍔571bよりも表側(ねじ部571a側である)を、プレート58の裏側から付勢体572、プレート58の貫通孔581aを通してプレート58の表側に延出させて、導電ピン571のねじ部571aにケーブル48の圧着端子481をナット483で固定することで、プレート58に組み立てられる。
【0044】
2本の導電ピン571は、アダプタ側接続部73の円弧形状と同じ円周上に位置するように設けられているため、器具本体1をアダプタ7に装着する際に器具本体1を回転させても電気的接続が維持される。
接続ユニット55がベース樹脂材2に取り付けられた状態では、
図1の(b)に示すように、導電ピン571の裏側部分がベース樹脂材2の閉塞部214の貫通孔214eから延出し、導電ピン571の中鍔571bが筒領域214f内に位置する。器具本体1がアダプタ7に装着された状態では、導電ピン571の中鍔571bがベース樹脂材2の貫通孔214eの周辺部よりも表側の位置で、導電ピン571はアダプタ7のアダプタ側接続部73に当接するように、ベース樹脂材2とアダプタ7との間隔が設定されている。これにより、導電ピン571がアダプタ側接続部73に接触した状態では、導電ピン571はアダプタ側接続部73側に付勢されており、電気的接続の信頼性を向上できる。
【0045】
(4−3)プレート
プレート58は、ベース板56のプレート装着部565に装着される本体部581と、本体部581に対して周方向の両側に設けられた固定部582とを有する。
本体部581は、導電ピン571用の貫通孔581aを複数個(ここでは2個である)有する。固定部582は、ねじ59(
図8参照)用の貫通孔582aを有する。
【0046】
(5)装着ユニット
主に、
図14を用いて説明する。
装着ユニット50は、
図14に示すように、複数の板部材により構成される。ここでは、装着ユニット50は、2枚の板部材により構成されている。装着ユニット50は、裏側に位置する裏板部材51と、表側に位置する表板部材53とを有する。
裏板部材51と表板部材53は、略同じような形状をし、環状をしている。裏板部材51と表板部材53とは、1個又は複数個(ここでは6個である)の貫通孔511,531を有し、
図9に示すように、ベース樹脂材2の蓋壁部分213の段差213aに嵌った状態で、ねじ219が貫通孔511,531を挿通して表側蓋壁領域213bのねじ孔213dに螺合する。これにより、ベース樹脂材2に固定される。
裏板部材51と表板部材53の内周縁は、内部にアダプタ7が嵌合した際に、アダプタ側装着部72の欠け部分211a(
図11参照)に対応して、その部分513,533が欠けた欠円形状又は欠円形状に近い形状を有している。ここでは、
図9に示すように、欠け部分513,533は略直線状をし、ベース樹脂材2の蓋壁部分213の延伸領域213fと対向(当接)する。これにより、装着ユニット50がベース樹脂材2に対して周方向に位置決めされる。
裏板部材51と表板部材53の外周縁は、電源ユニット4側が欠けた欠円形状又は欠円形状に近い形状をしている。
装着ユニット50がベース樹脂材2に取り付けられた状態では、
図1の(b)に示すように、装着ユニット50の内周縁形状が円弧をして部分50aがベース樹脂材2の環状凹入部21の内周壁部分211よりも中心軸側に張り出し、この張り出した部分に、アダプタ7の可動体721がケース70から径方向に張り出して係合する。これにより、アダプタ7に器具本体1が装着できる。
裏板部材51は樹脂材料等の絶縁材料により構成され、表板部材53は金属材料により構成されている。これにより、引掛けシーリング側との絶縁性、アダプタ7への器具本体1の装着強度を確保できる。なお、裏板部材51はポリカーボネート(PC)により構成され、表板部材53は鋼板材に対してニッケルメッキを処理したものにより構成されている。
【0047】
(6)透光性カバー
主に、
図5及び
図6を用いて説明する。
透光性カバー6は、透光性の樹脂材料により構成され、固定具37に装着される裏カバー61と、裏カバー61に取り付けられる表カバー63とを有する。裏カバー61及び表カバー63は、拡散粒子等を含んだ、所謂、乳白色カバーである。
裏カバー61は、表側拡がりの環状の裏カバー本体部611と、裏カバー本体部611の内側に設けられた溝状部612と、溝状部612に対して中心軸側の溝壁に設けられた透光性カバー側装着部613と、裏カバー本体部611の表側端部に設けられ且つ表カバー63の表カバー側装着部635に装着する裏カバー側装着部614とを有する。
透光性カバー側装着部613は、例えば、裏カバー61の中心軸回りの相対的な回転により、固定具37の固定具側装着部375と係合する。なお、透光性カバー側装着部613は周方向に間隔をおいて複数個(例えば6個)ある。
裏カバー61は、さらに、ベース樹脂材2に透光性カバー6を固定するための固定部を有する。固定には、ねじ259が利用され、ねじ259が裏側から、ベース樹脂材2の溝状部25のボス256の貫通孔257を挿通するねじ259が螺合するねじ孔615により固定部が構成される。なお、ねじ孔615は、透光性カバー側装着部613のボス616に形成されている。
表カバー63は、表側から見たときに円形状で且つ全体としてドーム状をするドーム部631と、ドーム部631の開口側に設けられた筒部633と、筒部633に設けられた表カバー側装着部635(
図6参照)とを有する。
表カバー側装着部635は、周方向に間隔をおいて複数個(例えば8個)ある。表カバー側装着部635と裏カバー61の裏カバー側装着部614とは、互いに係合する凸部又は凹部(貫通孔を含む)を有している(図示省略)。
以上説明したように、アダプタ7に器具本体1を装着することにより、電気的な接続が行われる。このため、透光性カバー6をベース樹脂材2から取り外して配線するなどの作業が不要であり、透光性カバー6が容易に取り外せないよう、ねじ258によりベース樹脂材2に固定できる。この結果、誤って光源ユニット3などの通電部に接触する恐れがなく、通電部への接触を防止する保護カバーを備える必要がない。保護カバーによる光量ロスをなくせるため照明装置Xの発光効率向上に寄与する。
【0048】
以上、実施形態を説明したが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってもよい。
また、実施形態や変形例に記載していない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0049】
<変形例>
1.アダプタ
アダプタ7は、引掛けシーリングへの取付部として引掛刃部711を備えているが、他の取付部を備えてもよく、例えばGXタイプ等を取付部としてもよい。
アダプタ7は、円盤状をしているが、器具本体との装着構造によっては、多角形盤状をしてもよい。アダプタ7は、ロック部を有しているが、有しなくてもよい。
アダプタ7は、複数個(例えば2個)のアダプタ側装着部72を周方向に間隔をおいて備え、複数個(例えば2個)のアダプタ側接続部73を隣接するアダプタ側装着部72間に配しているが、アダプタ側装着部の個数や位置、アダプタ接続部の個数や位置は、実施形態に限定するものではない。
本実施形態のように、アダプタ側装着部とアダプタ側接続部の個数が同じである場合、周方向に交互に配置する方が、アダプタ側接続部が周方向に離れることとなり、絶縁性を確保できる。また、アダプタ側装着部とアダプタ側接続部の個数が同じである場合、中心軸に対して点対称となるように配置する方が、重量バランスの点で好ましい。
アダプタ7は、取付部の一例である引掛刃部711とアダプタ側接続部73とを一体で備える取付部材71を有しているが、例えば、引掛刃部711とアダプタ側接続部73とを別体で有し、引掛刃部とアダプタ接続部とをケーブル等の他の導電部材により接続してもよい。
アダプタ7は、器具本体1の装着ユニット50(嵌合部)に係合するアダプタ側装着部72を有しているが、他の方法で、器具本体を装着してもよい。他の方法としては、アダプタケースの外周面の雄ねじに、器具本体の環状凹入部の内周壁部分の雌ねじを螺合させる方法等がある。なお、装着作業を考慮すると、器具本体1の環状凹入部21をアダプタ7に位置合わせした状態で、器具本体1をアダプタ7に近づけることで係合する構造が好ましい。
【0050】
2.器具本体
器具本体1は、電源ユニット4を備えているが、電源ユニットを備えていなくてもよい。このような器具本体としては、例えば、器具本体と別体の電源ユニットから取付部を介して光源ユニットが受電するような装置等がある。
実施形態では、特に説明していないが、器具本体は、リモコン操作可能に構成されてもよい。この場合、例えば、受信器を光源ユニットの表側に配置し、受信器からの信号に基づいて光源ユニットを制御する制御部を電源ユニット等に設けることで実施できる。
透光性カバー6の形状は、表側から見たときに、円形状であるが、正方形、長方形等の他の形状であってもよい。
透光性カバー6は、裏カバー61と表カバー63との二部材により構成されているが、例えば、一部材で構成してもよいし、三部材以上で構成してもよい。
透光性カバー6は、固定具37に装着され且つベース樹脂材2に固定されているが、固定具に装着・固定されてもよいし、ベース樹脂材に装着されて固定具で固定されてもよいし、ベース樹脂材に装着・固定されてもよいし、固定具37以外の別部材を介してベース樹脂材に装着又は固定されてもよい。
(1)ベース樹脂材
ベース樹脂材2は、樹脂材料により構成され、環状凹入部21、平坦状部23及び溝状部25を一体に成形してなる一体成形品で構成されているが、環状凹入部と平坦状部とを別部材で構成した後、結合して一体化してもよい。
(1−1)環状凹入部
環状凹入部21は中空状に凹入しているが、アダプタ7と嵌合できればよく、中実状に凹入してもよい。但し、重量、材料費、強度面を考慮すると、中空が好ましい。
環状凹入部21は裏側に凹入しているが、アダプタ7と嵌合できればよく、例えば、表側に突出してもよい(ベース樹脂材の表面を基準としている)し、裏側に凹入し且つ表側に突出してもよい。表裏に亘る場合、平坦状部23は環状凹入部の表裏方向の中間部位に位置することになる。この観点から、これらの環状凹入部や環状突出部は環状部ともいえる。
環状凹入部21は、周方向に連続した環状をしているが、アダプタ7と嵌合できればよく、例えば、周方向に間隔をおいて凹入(突出)していない部分があってもよい。
環状凹入部21の蓋壁部分213は、装着ユニット50を位置決めするための段差213aを有しているが、他の構造で位置決めしてもよい。他の構造として、例えば、蓋部分の裏側に突出する凸部分が、装着ユニットの貫通孔や凹みに嵌合するようにしてもよいし、蓋部分の表側に凹入する凹入部に装着ユニットの凸部分が嵌合するようにしてもよい。
【0051】
(1−2)平坦状部
平坦状部23は、凹入部分231,232,233を有しているが、平坦部分を補強できれば、他の構造であってもよいし、他の形状であってもよいし、補強する必要がなければ凹入部分を有していなくてもよい。
平坦状部23は、水平方向に平行な部分を有しているが、水平方向に対して傾斜する部分を有してもよいし、水平方向に平行な部分と水平方向に対して傾斜する部分との両方を有してもよい。
平坦状部23の形状は、表側から見たときに、円形状であるが、正方形、長方形等の他の形状であってもよい。
平坦状部23の裏面の一部が電源ユニット4を保持する電源保持部となっているが、平坦部分の表面の一部が電源ユニットを保持する電源保持部であってもよい。
照明装置が電源ユニットを備えない場合(電源ユニット別体構造等)、平坦状部23の内凹入部分231と外凹入部分232は、全体として円環状をしてもよい。
(1−3)溝状部
ベース樹脂材2は、溝状部25を有しているが、溝状部を有していなくてもよい。この場合、平坦状部23の表側で固定具側装着部375と透光性カバー側装着部613とを係合させることで実施できる。
【0052】
(2)光源ユニット
光源ユニット3の形状は、表側から見たときに、円形状であるが、照明装置の形状に合わせて、正方形、長方形等の他の形状であってもよい。光源ユニット3は、3個の光源モジュール31A,31B,31Cを備えているが、1個、2個又は4個以上の光源モジュールにより構成してもよい。
光源モジュール31は、複数の離間する導電片34により基板に相当する配線体33を備えているが、配線体に換えて、絶縁材料により構成され且つ配線パターンを備える基板を備えてもよい。
実施形態では、光源ユニット3の調光点灯について説明していないが、調光機能を有してもよいし、有していなくてもよい。調光機能を設ける場合、調光回路を例えば電源ユニットに設けることで実施できる。
実施形態では、光源ユニット3の調色点灯について説明していないが、調色機能を有してもよいし、有していなくてもよい。調色機能を設ける場合、光色の異なるLED素子を複数種類備えると共に調色回路を例えば電源ユニットに設けることで実施できる。
光源ユニット3は、LED素子32を備えているが、他の発光素子を備えてもよい。
【0053】
(3)電源ユニット
電源ユニット4は、電源回路42を構成する複数個の電子部品(46)を実装する電源基板47を電源ケース41内に収容していたが、例えば、電源基板をベース樹脂材に配置し、電源基板を電源カバーで覆うようにしてもよい。また、焼損対策として、電源回路42と電源ケース41の間に不燃紙を入れるようにしてもよい。
電源基板47は、1枚又は複数枚であってもよい。例えば、調光回路を実装する基板と、調色回路を実装する基板とを電源基板と別に設けてもよい。電源ユニット4と光源ユニット3との電気接続は、例えば、電源基板からベース樹脂材2を挿通する金属体を光源ユニット3の配線体(又は基板)の金属体に接触させてもよいし、電源基板と配線体(又は基板)に設けられたコネクタをケーブルで接続してもよい。
【0054】
(4)接続ユニット
接続ユニット55は、プレート58を介してベース板56に複数個(2個)の器具本体側接続部57を備えているが、例えば、器具本体側接続部57を直接ベース樹脂材の閉塞部に設けてもよい。この際、プレートを利用してもよいし、利用しなくてもよい。
(4−1)ベース板
ベース板56は、円板状をしているが、他の形状であってもよい。ベース板56は、貫通孔561を中央に有しているが、中央以外の部位に有してもよい。ベース板56は、貫通孔561を有しているが、貫通孔にかえて欠け部を有してもよいし、貫通孔と欠け部との両方を有してもよい。
ベース板56は、器具本体側接続部57を備えればよく、例えば、貫通孔が大きい環状(例えば円環状)であってもよいし、プレート装着部565を装着する部分だけ取り出したような円弧状であってもよい。この場合、器具本体側接続部の個数分必要となる。
【0055】
(4−2)接続部
器具本体側接続部57は、1つの接続部において、2本の導電ピン571を有していたが、1本又は3本以上の導電ピンを有してもよい。但し、アダプタ側接続部73との電気接続の信頼性を高める発明においては、複数本の導電ピンを備える必要があり、例えば、アダプタ7への器具本体1の装着構造の発明においては、導電ピンを備えない他の電気接続であってもよい。
接続ユニット55は、2個の器具本体側接続部57を備えていたが、例えば、受電する電源が三相交流の場合、アース接続する場合、電源ユニットを備えない器具本体の場合であって発光色が異なる複数種類のLED素子にアダプタから個別に電力を供給する場合等、3個以上の器具本体側接続部を有してもよい。
【0056】
(4−3)プレート
プレート58は、ベース板56の裏側に配置されているが、ベース板56の表側に配置されてもよい。プレート58は、接続ユニット55のベース樹脂材2への固定に合わせて、ベース樹脂材2の閉塞部214の筒領域214fとベース板56とで挟持されているが、プレートをねじ等で固定されているベース板をベース樹脂材に固定するようにしてもよいし、プレートをベース樹脂材に固定してもよい。なお、プレートは、導電材料で構成して、当該プレートにケーブルを接続するようにしてもよい。
【0057】
3.接続部
(1)器具本体側接続部57の導電ピン571は、器具本体1をアダプタ7に装着する際の移動方向に沿って延伸するのが好ましい。また、アダプタ側接続部73は、移動方向と直交する方向に沿って延伸するのが好ましい。実施形態では、器具本体1の環状凹入部21をアダプタ7に嵌合させる際に、器具本体1をアダプタ7(設置面)に近づけており、この近づける方向が移動方向である。これにより、器具本体側接続部57とアダプタ側接続部73との電気接続の信頼性を高めることができる。
(2)器具本体側接続部57は、器具本体1をアダプタ7に装着する際の移動方向に導電ピン576を付勢する付勢体572を備え、アダプタ側接続部73は、移動方向と直交する方向に沿って延伸するのが好ましい。これにより、器具本体側接続部57とアダプタ側接続部73との電気接続の信頼性を高めることができる。
(3)1つの器具本体側接続部57に複数の導電ピン576を備える場合、器具本体1をアダプタ7に装着する際の位置決め方向に沿って複数の導電ピン576を配し、アダプタ側接続部73は位置決め方向に沿って延伸するのが好ましい。実施形態では、器具本体1の環状凹入部21をアダプタ7に嵌合させた状態で、器具本体1を中心軸回りに回転させており、複数の導電ピン571は中心軸を中心とする円周上に設けられ、アダプタ側接続部73は前記円周の半径に対応した円弧状をしている。これにより、アダプタ側接続部73との電気接続の信頼性を高めることができる。
(4)実施形態では、器具本体1をアダプタ7に装着・位置決めする際に、アダプタ7に対して近づけた後に中心軸周りに回転させているが、他の動作で行うように構成してもよい。例としては、器具本体をアダプタに近づけた後に、移動方向と直交する方向にスライドさせて、器具本体をアダプタに対して装着と位置決めを行うような場合である。この場合、複数の導電ピン及びアダプタ側接続部は、スライド方向に沿って設けるのが好ましい。
(5)実施形態では、器具本体側接続部57は付勢体572を有しているが、例えば、アダプタ側接続部に付勢体があってもよい。この場合、付勢方向は器具本体側となる。また、器具本体側接続部及びアダプタ側接続部の両方に付勢体を設けてもよい。
【0058】
4.アダプタと器具本体
器具本体1の環状凹入部21はアダプタ7の外周に嵌合する状態で、器具本体1がアダプタ7に装着されるが、例えば、アダプタを環状に構成し、器具本体の装着部がアダプタの内側に嵌合する状態で装着するようにしてもよい。