特許第6870905号(P6870905)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6870905
(24)【登録日】2021年4月19日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】人工地盤及びその施工方法
(51)【国際特許分類】
   E02B 3/06 20060101AFI20210426BHJP
   E01D 18/00 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   E02B3/06
   E01D18/00 C
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-102761(P2017-102761)
(22)【出願日】2017年5月24日
(65)【公開番号】特開2018-197459(P2018-197459A)
(43)【公開日】2018年12月13日
【審査請求日】2020年2月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000222668
【氏名又は名称】東洋建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】常盤 敏
【審査官】 彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−158341(JP,A)
【文献】 特開平08−218342(JP,A)
【文献】 特開2010−248812(JP,A)
【文献】 特開平08−074249(JP,A)
【文献】 特開平08−120638(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02B 3/06
E01D 18/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の杭部材に床板を連結してなる人工地盤であって、
支持孔を介して前記各杭部材の杭頭部にそれぞれ連結される台座と、
該隣接する杭部材の台座上に長手方向両端部がそれぞれ載置され、前記各杭部材間に架設されるプレキャスト梁部材と、
該各プレキャスト梁部材上に周端部が載置され、前記各プレキャスト梁部材にて囲まれる空間を覆うプレキャスト床板と、
を備え
前記台座は、前記杭頭部と接合するための鋼材が前記支持孔の内壁面から内方に向かって突設された、鉄筋コンクリート製であることを特徴とする人工地盤。
【請求項2】
前記各台座上で各プレキャスト梁部材の端部間の空間を含む、前記各プレキャスト梁部材上と、前記各プレキャスト床板上とに現場打ちされて構成されたコンクリート打設層を備えることを特徴とする請求項1に記載の人工地盤。
【請求項3】
前記台座の支持孔と前記杭頭部との間に、現場打ちされて構成されたモルタル打設層を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の人工地盤。
【請求項4】
複数の杭部材に床板を連結してなる人工地盤の施工方法であって、
前記各杭部材の杭頭部に台座に設けた支持孔をそれぞれ挿通して、前記台座と前記杭頭部とを連結する連結ステップと、
前記隣接する杭部材の台座上にプレキャスト梁部材の長手方向両端部をそれぞれ載置して、前記各杭部材間に前記プレキャスト梁部材を架設する梁架設ステップと、
該各プレキャスト梁部材上にプレキャスト床板の周端部を載置して、該プレキャスト床板により前記各プレキャスト梁部材にて囲まれる空間を覆う床板設置ステップと、
を含み、
前記連結ステップは、前記杭部材に対する前記台座の高さ方向の位置決めを行う位置決めステップを含むことを特徴とする人工地盤の施工方法。
【請求項5】
前記床板設置ステップの後に、
前記各台座上で各プレキャスト梁部材の端部間の空間を含む、前記各プレキャスト梁部材上と、前記各プレキャスト床板上とにコンクリートを現場打ちして前記床板を形成する床板打設ステップを備えることを特徴とする請求項に記載の人工地盤の施工方法。
【請求項6】
前記台座は、前記杭頭部と接合するための鋼材が前記支持孔の内壁面から内方に向かって突設された、鉄筋コンクリート製であり、
前記位置決めステップの後に、
前記台座の前記鋼材を前記杭頭部に接合する鋼材接合ステップと、
前記台座の支持孔の内壁面と、前記杭頭部の外壁面との間にモルタルを打設するモルタル打設ステップと、
を含むことを特徴とする請求項4または5に記載の人工地盤の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、桟橋式構造を採用した横桟橋式岸壁や渡橋等の人工地盤及びその施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、上述した人工地盤は、複数立設される杭部材に梁部材及び床板(上部工)を連結して構築されるが、従来における人工地盤の施工方法では、複数立設された杭部材に支保工を架設した後、型枠や鉄筋を組み立てて、コンクリートを現場打ちすることで、人工地盤を構築していた。
【0003】
しかしながら、従来の人工地盤の施工方法では、海上での支保工の組み立て、及び型枠、鉄筋の組み立てなど、作業環境の厳しい状況下において作業が要求される。また、潮位によっては、潮間の作業が要求され、連続した作業ができないだけでなく、場合によっては、波浪による支保工や型枠等の流出といった被災を受ける可能性がある。しかも、このような作業を行う熟練した作業員も不足していることから、上部工を施工する際の作業工程の平準化(熟練が必要な特殊な作業を削減する)が必要となっている。
【0004】
上述した従来の人工地盤の施工方法の問題点を解決すべく技術として、上部工を施工する際、プレキャスト部材を採用する技術がある。例えば、プレキャスト部材に設けた複数の支持孔に複数の杭部材の杭頭部を挿入しつつ、プレキャスト部材を各杭部材間の空間を覆うように設置して、プレキャスト部材の支持孔内にコンクリートを打設して、各杭部材とプレキャスト部材とを一体化させる技術が提案されている。また、各杭部材に鋼製のブラケットを溶接し、該ブラケット上にプレキャスト部材を設置して、さらに、各杭部材の周りに底型枠を配置した後、各杭部材とプレキャスト部材と間の空間にコンクリートを打設して、各杭部材とプレキャスト部材とを一体化させる技術が提案されている。
【0005】
しかしながら、前者の施工方法では、プレキャスト部材の構造が複雑となり、しかも、各杭部材の打込み位置精度を向上させる必要があり、多くの問題点が発生する。一方、後者の施工方法においては、設置後にブラケットの腐食が進行する問題や、現場でのコンクリート打設のために各杭部材の周りに底型枠を設置する必要があり、これも多くの問題点が発生する。
【0006】
なお、特許文献1には、杭とプレキャストコンクリート造の梁との接合構造であって、梁には、そのプレキャスト部の端面から突出させた鉄骨が備えられ、一方、杭頭部の上端面には受け台が接続されており、そして、梁から突出させた鉄骨と受け台とが溶接等により接続された後、杭頭部とプレキャスト部の端面との間にコンクリートを打設することで、杭と梁とを接合した接合構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−120638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載された梁と杭との接合構造においても、杭頭部とプレキャスト部の端面との間にコンクリートを打設する際、杭とプレキャストの端面との間の空間の下面に底型枠を設置する必要があり、上述した問題を解決することができない。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、施工時の作業効率を向上することができる人工地盤及びその施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の態様)
以下に示す発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項分けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0011】
(1)複数の杭部材に床板を連結してなる人工地盤であって、支持孔を介して前記各杭部材の杭頭部にそれぞれ連結される台座と、該隣接する杭部材の台座上に長手方向両端部がそれぞれ載置され、前記各杭部材間に架設されるプレキャスト梁部材と、該各プレキャスト梁部材上に周端部が載置され、前記各プレキャスト梁部材にて囲まれる空間を覆うプレキャスト床板と、を備え、前記台座は、前記杭頭部と接合するための鋼材が前記支持孔の内壁面から内方に向かって突設された、鉄筋コンクリート製であることを特徴とするものである(請求項1の発明に相当)。
(1)項に記載の人工地盤では、複数の杭部材の杭頭部に台座をそれぞれ連結する構成を採用しているので、隣接する杭部材の台座上にプレキャスト部材の長手方向両端部をそれぞれ載置して、各杭部材間にプレキャスト梁部材を架設することができる。また、各プレキャスト梁部材上にプレキャスト床板の周端部を載置して、該プレキャスト床板により各プレキャスト梁部材にて囲まれる空間を覆うことができる。その結果、プレキャスト床板の形状が複雑化することなく、各杭部材の打込み位置精度を必要以上に向上させる必要はない。これにより、作業効率を向上させることができる。
また、台座は鉄筋コンクリート製であり、必要なかぶりを確保しているので、設置後、台座を撤去する必要はなく、台座内の鉄筋の腐食を抑制することができる。また、台座の支持孔の内壁面から突設される鋼材を杭頭部の外壁面に接合することで、台座と杭部材とを連結することができる。
【0012】
(2)(1)項に記載の人工地盤であって、前記各台座上で各プレキャスト梁部材の端部間の空間を含む、前記各プレキャスト梁部材上と、前記各プレキャスト床板上とに現場打ちされて構成されたコンクリート打設層を備えることを特徴とするものである(請求項2の発明に相当)。
(2)項に記載の人工地盤では、最終的に、各台座上で各プレキャスト梁部材の端部間の空間を含む、各プレキャスト梁部材上と、各プレキャスト床板上とにコンクリートを現場打ちしてコンクリート打設層を構成する際、各台座、各プレキャスト梁部材及び各プレキャスト床板が、従来設置されていた支保工及び底型枠の代わりとして機能するので、支保工及び型枠の使用を必要最小限に抑えることができ、支保工及び底型枠の設置作業を削減することができ、作業効率を向上させることができる。しかも、支保工及び型枠の設置作業を削減することができるので、施工する際の作業工程を平準化することができる。
【0014】
(3)(1)項または(2)項に記載の人工地盤であって、前記台座の支持孔と前記杭頭部との間に、現場打ちされて構成されたモルタル打設層を備えることを特徴とするものである(請求項の発明に相当)。
)項に記載の人工地盤では、モルタル打設層により、台座と杭部材とをさらに強固に連結することができ、さらに、台座の支持孔の内壁面から内方に突設される鋼材の腐食を抑制することができる。
【0015】
(4)(1)項〜(3)項いずれかに記載される人工地盤であって、前記支持孔は、内径が前記杭頭部の外径に略一致する小径支持孔と、該小径支持孔から上方に連続して形成され、内径が前記小径支持孔より大径の大径支持孔と、を備えることを特徴とするものである。
)項に記載の人工地盤では、台座の小径支持孔と杭頭部の外径とが略一致している、すなわち、杭頭部は台座の小径支持孔内を挿通可能であり、小径支持孔の内壁面と杭頭部の外壁面との間のクリアランスを最小としているので、台座の大径支持孔と杭頭部との間にモルタルを打設する際、モルタルを台座の大径支持孔と杭頭部との間に留めることができる。
【0016】
(5)(1)項〜(4)項いずれかに記載の人工地盤であって、前記支持孔の内壁面から内方に向かって突設される鋼材は、周方向に沿って等間隔で複数形成され、対向する鋼材の先端間の距離が前記杭頭部の外径に略一致することを特徴とするものである。
)項に記載の人工地盤では、杭頭部を台座の支持孔に対して略同心状に位置決めすることができ、その位置決め精度を向上させることができる。さらに、台座と杭頭部との連結強度を周方向に沿って略均一にすることができる。
【0017】
(6)(1)項〜(5)項いずれかに記載の人工地盤であって、前記台座は、板状で平面視正方形状に形成されることを特徴とするものである。
)項に記載の人工地盤では、台座の上面で、角部を除く四辺それぞれの周縁域に載置面を設けることができ、当該台座の4箇所の載置面に、台座に向かって四方向から延びるプレキャスト梁部材の端部をそれぞれ載置することができる。
【0018】
)複数の杭部材に床板を連結してなる人工地盤の施工方法であって、前記各杭部材の杭頭部に台座に設けた支持孔をそれぞれ挿通して、前記台座と前記杭頭部とを連結する連結ステップと、前記隣接する杭部材の台座上にプレキャスト梁部材の長手方向両端部をそれぞれ載置して、前記各杭部材間に前記プレキャスト梁部材を架設する梁架設ステップと、該各プレキャスト梁部材上にプレキャスト床板の周端部を載置して、該プレキャスト床板により前記各プレキャスト梁部材にて囲まれる空間を覆う床板設置ステップと、を含み、前記連結ステップは、前記杭部材に対する前記台座の高さ方向の位置決めを行う位置決めステップを含むことを特徴とするものである(請求項の発明に相当)。
)項に記載の人工地盤の施工方法では、従来、床板を、コンクリートを現場打ちして構成する際の施工方法に比べて、その作業効率を格段に向上させることができる。また、連結ステップは、杭部材に対する台座の高さ方向の位置決めを行う位置決めステップを含むので、各杭部材に連結された台座の上面を略面一にでき、また各プレキャスト梁部材を略水平方向に配置することができ、ひいては各プレキャスト床板を略水平方向に配置することができる。この作用効果は、各杭部材が、その頂面の高さが略同じになるように海底等に打ち込まれていることが前提となる。
【0019】
(8)(7)項に記載の人工地盤の施工方法であって、前記床板設置ステップの後に、前記各台座上で各プレキャスト梁部材の端部間の空間を含む、前記各プレキャスト梁部材上と、前記各プレキャスト床板上とにコンクリートを現場打ちして前記床板を形成する床板打設ステップを備えることを特徴とするものである(請求項の発明に相当)。
)項に記載の人工地盤の施工方法では、床板打設ステップを実施する際、各台座、各プレキャスト梁部材及び各プレキャスト床板が、従来設置されていた支保工及び底型枠の代わりとして機能するので、支保工及び型枠の使用を必要最小限に抑え、支保工及び底型枠の設置作業を削減することができ、ひいては作業工程を平準化させ、作業効率を向上させることができる。
【0021】
(9)(7)項または(8)項に記載の人工地盤の施工方法であって、前記台座は、前記杭頭部と接合するための鋼材が前記支持孔の内壁面から内方に向かって突設された、鉄筋コンクリート製であり、前記位置決めステップの後に、前記台座の前記鋼材を前記杭頭部に接合する鋼材接合ステップと、前記台座の支持孔の内壁面と、前記杭頭部の外壁面との間にモルタルを打設するモルタル打設ステップと、を含むことを特徴とするものである(請求項の発明に相当)。
)項に記載の人工地盤の施工方法では、連結ステップにおいて、位置決めステップの後に、鋼材接合ステップ及びモルタル打設ステップを実施するので、台座を杭頭部に対して位置決めしつつ、両者を強固に連結することができる。
【0022】
(10)(7)項〜(9)項いずれかに記載の人工地盤の施工方法であって、前記位置決めステップでは、前記台座の上面と前記杭部材の頂面との間に張設した複数の位置決めロープにより、前記杭部材に対する前記台座の高さ方向の位置決めを行うことを特徴とするものである。
10)項に記載の人工地盤の施工方法では、台座の杭部材に対する高さ方向の位置決め精度を向上させることができる。
【0023】
(11)(7)項〜(10)項いずれかに記載の人工地盤の施工方法であって、前記連結ステップと前記梁架設ステップとの間に、前記杭頭部の外壁面に定着プレートを接合するプレート接合ステップを備え、前記梁架設ステップと前記床板設置ステップとの間に、前記杭頭部の定着プレートと前記プレキャスト梁部材の長手方向端部から突設された鉄筋とを接合する杭連結ステップを備えることを特徴とするものである。
11)項に記載の人工地盤の施工方法では、プレート接合ステップ及び杭連結ステップを、連結ステップから床板設置ステップまで作業工程中の適宜タイミングで実施するので、全工程における作業効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る人工地盤及びその施工方法によれば、施工時、支保工や型枠の使用を最低限に抑えることで作業工程を平準化することができ、ひいては作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本発明の実施の形態に係る人工地盤の一部斜視図である。
図2図2は、本発明の実施の形態に係る人工地盤であって、コンクリート打設層等適宜部材を除き、内部構造が解り易いようにした斜視図である。
図3図3は、本発明の実施の形態に係る人工地盤の一部平面図である。
図4図4は、図3のA−A線に沿う断面図である。
図5図5は、図3のB−B線に沿う断面図である。
図6図6は、図3のC−C線に沿う断面図である。
図7図7の(a)は、本発明の実施の形態に係る人工地盤に採用される台座の平面図であり、(b)は(a)のD−D線に沿う断面図である。
図8図8は、本発明の実施の形態に係る人工地盤の施工方法のフロー図である。
図9図9は、本発明の実施の形態に係る人工地盤の施工方法における連結ステップのフロー図である。
図10図10は、図9の位置決めステップ及び鋼材接合ステップを説明するための図であり、(a)は平面図で、(b)は(a)のE−E線に沿う断面図である。
図11図11は、図9のモルタル打設ステップを説明するための図であり、(a)は平面図で、(b)は(a)のF−F線に沿う断面図である。
図12図12は、図8のプレート接合ステップを説明するための図であり、(a)は平面図で、(b)は(a)のG−G線に沿う断面図である。
図13図13は、図8の梁架設ステップ及び杭連結ステップを説明するための図であり、(a)は平面図で、(b)は(a)のH−H線に沿う断面図である。
図14図14は、図8の床板設置ステップを説明するための図であり、(a)は平面図で、(b)は(a)のI−I線に沿う断面図で、(c)は(a)のJ−J線に沿う断面図ある。
図15図15は、図8の配筋ステップを説明するための図であり、(a)は平面図で、(b)は(a)のK−K線に沿う断面図で、(c)は(a)のL−L線に沿う断面図ある。
図16図16は、図8の床板打設ステップを説明するための図であり、(a)は平面図で、(b)は(a)のM−M線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための形態を図1図16に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施の形態に係る人工地盤1は、複数の杭部材、例えば複数の鋼管杭2に床板4を連結して構成されている。本人工地盤1は、例えば、桟橋式構造の横桟橋式岸壁や渡橋等に採用される。
【0027】
まず、本発明の実施の形態に係る人工地盤1を図1図7に基づいて詳しく説明する。なお、図1は、本人工地盤1の一部斜視図であり、図2は、本人工地盤1において、コンクリート打設層10等適宜部材を除き、内部構造が解り易くなるようにした斜視図である。また、添付の図面において、符号50は鉄筋を示している。
本人工地盤1は、図1図5に示すように、複数の鋼管杭2の杭頭部3にそれぞれ連結される台座6と、該隣接する鋼管杭2、2に架設されるプレキャスト梁部材8と、該各プレキャスト梁部材8にて囲まれる空間を覆うプレキャスト床板9と、各台座6上で各プレキャスト梁部材8、8の端部8a、8a間の空間14を含む、各プレキャスト梁部材8上と、各プレキャスト床板9上とにコンクリートを現場打ちして設けた、上面が略面一となるコンクリート打設層10と、を備えている。
【0028】
図1及び図2に示すように、各鋼管杭2は、所定間隔で複数立設されている。各鋼管杭2は、その頂面の高さが略同じになるように海底等に打ち込んである。図12も参照して、各鋼管杭2の杭頭部3における所定高さには、定着プレート17が径方向外方に向かって突設されている。定着プレート17は、4枚の分割プレート18、18からなり、平面視正方形状を呈する。分割プレート18は、その短辺側一端面に円弧状凹部21を有する略台形状に形成されている。円弧状凹部21の曲率半径は、杭頭部3の外壁面の半径と略一致する。そして、各分割プレート18は、その円弧状凹部21が杭頭部3の外壁面に溶接にてそれぞれ接合される。この結果、隣接する分割プレート18、18は、互い平行に延びない一辺が接触するようにして、杭頭部3の周りに配置される。そして、杭頭部3の外壁面から突設された定着プレート17には、後述するプレキャスト梁部材8の端部8aから突設される複数の鉄筋50aが溶接により接合される。
【0029】
図4及び図7に示すように、台座6は、厚板状あるいはブロック状であって、平面視正方形状に形成される。該台座6は、必要なかぶりを確保した鉄筋コンクリート製である。該台座6の上面で、角部を除く四辺の周縁域に、各プレキャスト梁部材8、8の長手方向端部8a、8aが載置される各載置面27、27がそれぞれ設けられる。台座6には、平面視にて、その対向する2辺の間の略中央部位に鋼管杭2の杭頭部3が挿通される支持孔5が貫通されている。支持孔5は平面視略円形状に形成される。該支持孔5は、台座6の下端に位置して、内径が杭頭部3の外径に略一致する小径支持孔5aと、該小径支持孔5aから上方に向かって次第に拡径されて、小径支持孔5aより大径で上下方向に延びる大径支持孔5bと、から構成される。なお、小径支持孔5aの内壁面と杭頭部3の外壁面との間のクリアランスを最小としている。
【0030】
台座6の大径支持孔5bの内壁面からは、鋼材25が内方に向かって複数突設されている。鋼材25は、薄厚の板状に形成される。各鋼材25は、立てた状態で突設される。鋼材25の上端面と台座6の上端面とは略一致している。各鋼材25は、本実施形態では、周方向に沿って90°ピッチで4箇所形成されている。各鋼材25の、大径支持孔5bの内壁面からの突設量は全て同じである。対向する鋼材25の先端間の距離Lは、杭頭部3の外径と略一致する。すなわち、杭頭部3は対向する鋼材25の先端間を通過でき、各鋼材25の先端と杭頭部3の外壁面との間のクリアランスを最小としている。これら鋼材25の先端部が、杭頭部3の外壁面に溶接により接合される。また、杭頭部3の外壁面と台座6の大径支持孔5bの内壁面との間には、現場でモルタルを打設してなる環状のモルタル打設層24が形成される。このモルタル打設層24の幅方向の厚みは、周方向に沿って相違することなく、全周に亘って略同じとなるように打設される。なお、台座6の上面には、逆U字状の吊りフック36が周方向に沿って90°ピッチで複数取り付けられている。
【0031】
図2図5に示すように、プレキャスト梁部材8は、必要なかぶりを確保した鉄筋コンクリート製である。プレキャスト梁部材8は、隣接する鋼管杭2、2間に架設される長さに形成される。プレキャスト梁部材8の長手方向両端部8a、8aから複数の鉄筋50a、50aが外方に向かって突設されている。これら複数の鉄筋50aは、プレキャスト梁部材8内の下側を長手方向に沿って延びる複数の主筋50の一部である。プレキャスト梁部材8は、断面略T字状に形成され、断面矩形状で長手方向に沿って延びる梁本体部32と、該梁本体部32の上部の幅方向両端から外方に突設される各受け部33、33と、から構成される。プレキャスト梁部材8の上面で、各受け部33、33を除く幅方向の範囲には、長手方向に沿って多数の鉄筋50が上方に向かって突設される。
【0032】
図2図3及び図5に示すように、プレキャスト床板9は、必要なかぶりを確保した鉄筋コンクリート製である。プレキャスト床板9は、各プレキャスト梁部材8の受け部33、33上に周端部9a、9aが載置され、各プレキャスト梁部材8にて囲まれる空間を覆うように構成される。なお、プレキャスト床板9は、その平面視形状が各プレキャスト梁部材8にて囲まれる空間を覆うことのできる形状に適宜形成される。なお、本実施形態では、プレキャスト床板9の厚みは、梁部分を除く床板4の厚みの略1/2である。
【0033】
図1図3及び図6に示すように、コンクリート打設層10は、各台座6上で各プレキャスト梁部材8、8の端部8a、8a間の空間14を含む、各プレキャスト梁部材8上と、各プレキャスト床板9上とにコンクリートを現場打ちして設けられている。該コンクリート打設層10は、現場打ちで構築される鉄筋コンクリート打設層10aと、鉄筋コンクリート打設層10aの上層に位置する、現場打ちで構築される上面が略面一となる舗装コンクリート打設層10bと、から構成される。プレキャスト床板9上のコンクリート打設層10の厚みは、プレキャスト床板9の厚みと略同じである。本実施形態では、舗装コンクリート打設層10bには、内部に配筋されていないが、舗装コンクリート打設層10b内にも配筋してもよい。
【0034】
次に、本発明の実施の形態に係る人工地盤の施工方法を図8図16に基づいて説明する。
図8図10に示すように、まず、台座6と杭頭部3とを連結する連結ステップS1を実施する。当該連結ステップS1では、順次、位置決めステップS10、鋼材接合ステップS11及びモルタル打設ステップS12を実施する。
【0035】
図9及び図10に示すように、位置決めステップS10では、鋼管杭2に対する台座6の高さ方向の位置決めを実施する。具体的には、杭頭部3に台座6の支持孔5を挿通して、杭頭部3の頂面と、台座6の上面に備えた各吊りフック36との間に位置決めロープ35をそれぞれ張設する。位置決めロープ35は、台座6の各吊りフック36に対応して周方向に沿って90°ピッチでそれぞれ配置される。すると、各位置決めロープ35の張設により、台座6の杭頭部3に対する高さ方向の位置が決定される。この位置決めステップS10を実施することにより、各鋼管杭2に各位置決めロープ35により支持された台座6の上面が略面一となり、各プレキャスト梁部材8を略水平方向に配置することができ、ひいては各プレキャスト床板9を略水平方向に配置することができる。
【0036】
なお、位置決めステップS10を実施する際には、図10に示すように、台座6の対向する鋼材25の先端間の距離Lは杭頭部3の外径に略一致している、すなわち、台座6の各鋼材25の先端面が、杭頭部3の外壁面に最小のクリアランスにてそれぞれ近接した状態となっている。この結果、台座6の支持孔5に対する杭頭部3の径方向の位置が容易に決定される。また、対向する鋼材25の先端間の距離Lは杭頭部3の外径に略一致しているので、杭頭部3を台座6の支持孔5に対して略同心状に位置決めすることができ、その位置決め精度を向上させることができる。
【0037】
続いて、台座6を各位置決めロープ35により吊り上げた状態で、すなわち、台座6を杭頭部3に対して高さ方向に位置決めした状態で、鋼材接合ステップS11を実施する。当該鋼材接合ステップS11では、大径支持孔5bの内壁面から突設された各鋼材25の先端と、杭頭部3の外壁面とを溶接により接合する。これにより、杭頭部3と台座6とが各鋼材25により連結される。鋼材接合ステップS11により杭頭部3と台座6とを連結した後、各位置決めロープ35を杭頭部3及び台座6から撤去する。
【0038】
続いて、図9及び図11に示すように、モルタル打設ステップS12を実施する。当該モルタル打設ステップS12では、台座6の大径支持孔5bの内壁面と杭頭部3の外壁面との間にモルタルを打設してモルタル打設層24を形成する。この時、台座6の小径支持孔5aの内径と杭頭部3の外径とは略一致しているので、モルタルを台座6の大径支持孔5bの内壁面と杭頭部3の外壁面との間に効率良く留めることができる。これにより、杭頭部3と台座6とがモルタル打設層24により連結される。モルタル打設ステップS12が終了した後、各吊りフック36を台座6から取り外す。
【0039】
このように、連結ステップS1では、位置決めステップ10を実施した後、鋼材接合ステップS11及びモルタル打設ステップS12を実施するので、台座6を杭頭部3に対してその高さ方向及び水平方向に沿って位置決めしつつ、杭頭部3と台座6とを複数の鋼材25及びモルタル打設層24により強固に連結することができる。そこで、杭頭部3は台座6の支持孔5に対して略同心状に位置決めされて連結されているので、モルタル打設層24の径方向の厚みは、周方向に沿って相違することなく、全周に亘って略同じとなる。
【0040】
次に、図8及び図12に示すように、プレート接合ステップS2を実施する。当該プレート接合ステップS2では、杭頭部3の外壁面で台座6の上面から所定距離離れた位置に、定着プレート17としての4枚の分割プレート18の円弧状凹部21を溶接によりそれぞれ接合する。この結果、隣接する分割プレート18、18は、互い平行に延びない一辺が接触するように配置されて、杭頭部3の周りに、外形が平面視正方形状を呈する定着プレート17を突設させることができる。
【0041】
次に、図2図3図8及び図13に示すように、梁架設ステップS3を実施する。当該梁架設ステップS3では、隣接する鋼管杭2にそれぞれ連結された台座6上にプレキャスト梁部材8の長手方向両端部8a、8aをそれぞれ載置して、各鋼管杭2、2間にプレキャスト梁部材8を架設する。詳しくは、プレキャスト梁部材8の長手方向両端部8a、8aを、隣接する鋼管杭2、2の台座6、6の周縁域の所定の載置面27、27にそれぞれ載置する。この時、杭頭部3に接合された定着プレート17(各分割プレート18)の上面に、各プレキャスト梁部材8の長手方向両端部8a、8aから突設された複数の鉄筋50a、50aがそれぞれ当接あるいは近接した状態となる。
【0042】
次に、杭連結ステップS4を実施する。当該杭連結ステップS4では、杭頭部3に接合された定着プレート17(各分割プレート18)と、各プレキャスト梁部材8の長手方向両端部8a、8aから突設された複数の鉄筋50a、50aとを溶接によりそれぞれ接合する。なお、プレキャスト梁部材8の上面で、各受け部33、33を除く幅方向の範囲には、長手方向に沿って多数の鉄筋50が突設されている。
【0043】
次に、図2図3図8及び図14に示すように、床板設置ステップS5を実施する。当該床板設置ステップS5では、各プレキャスト梁部材8の各受け部33、33上にプレキャスト床板9の周端部9a、9aをそれぞれ載置して、該プレキャスト床板9により各プレキャスト梁部材8にて囲まれる空間を覆うように配置する。
【0044】
次に、図8及び図15に示すように、配筋ステップS6を実施する。当該配筋ステップS6では、各台座6上で各プレキャスト梁部材8、8の端部8a、8a間の空間14に多数の鉄筋50を配置して、また、各プレキャスト梁部材8及び各プレキャスト床板9から上方の所定高さの範囲にも多数の鉄筋50を配置する。
【0045】
次に、図8及び図16に示すように、床板打設ステップS7を実施するが、隣接するプレキャスト梁部材8の端部8a、8a間で各プレキャスト床板9の下方には隙間がそれぞれ形成されるために、当該床板打設ステップS7の前段階にて、この隙間を塞ぐように側方型枠(図示せず)をそれぞれ配置しておく。そして、当該床板打設ステップS7では、各台座6上で各プレキャスト梁部材8、8の端部8a、8a間の空間14を含む、各プレキャスト梁部材8上と、各プレキャスト床板9上とに所定高さまでコンクリートを現場打ちしてコンクリート打設層10を形成する。当該コンクリート打設層10は、鉄筋コンクリート打設層10aと、鉄筋コンクリート打設層10aの上層に備えられ、上面が略面一となる舗装コンクリート打設層10bと、から構成される。
これにより、コンクリート打設層10、各プレキャスト梁部材8及び各プレキャスト床板9が一体化された床板4が構築され、ひいては、コンクリート打設層10、各プレキャスト梁部材8、各プレキャスト床板9及び各鋼管杭2が一体化された人工地盤1が構築される。
【0046】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る人工地盤1では、支持孔5を介して各鋼管杭2の杭頭部3にそれぞれ連結される台座6と、該隣接する鋼管杭2、2の台座6、6上に両端部8a、8aがそれぞれ載置され、各鋼管杭2、2間に架設されるプレキャスト梁部材8と、該各プレキャスト梁部材8の受け部33、33上に周端部9a、9aが載置され、各プレキャスト梁部材8にて囲まれる空間を覆うプレキャスト床板9と、各台座6上で各プレキャスト梁部材8の端部8a、8a間の空間14を含む、各プレキャスト梁部材8上と、各プレキャスト床板9上とにコンクリートを現場打ちして設けた、上面が略面一となるコンクリート打設層10と、を概略備えている。
【0047】
これにより、プレキャスト梁部材8及びプレキャスト床板9の形状が複雑化することなく、しかも、各鋼管杭2の打込み位置精度を必要以上に向上させる必要もなく、作業効率を向上させることができる。また、各台座6で各プレキャスト梁部材8、8の端部8a、8a間の空間14を含む、各プレキャスト梁部材8上と、各プレキャスト床板9上とにコンクリートを現場打ちしてコンクリート打設層10を形成する際、各台座6、各プレキャスト梁部材8及び各プレキャスト床板9が、支保工及び底型枠の代わりとして機能するので、支保工及び型枠の使用を必要最小限に抑えることができ、施工する際の作業工程を平準化することができ、ひいては作業効率を向上させることができる。
【0048】
また、本発明の実施の形態に係る人工地盤1では、台座6は、鉄筋コンクリート製であり、板状で平面視正方形状に形成されている。該台座6には、杭頭部3と接合するための鋼材25が大径支持孔5bの内壁面から内方に向かって突設されている。これら鋼材25は周方向に沿って90°ピッチで4箇所形成され、対向する鋼材25の先端間の距離Lが杭頭部3の外径に略一致している。
【0049】
これにより、台座6は鉄筋コンクリート製で、必要なかぶりを確保しているので、設置後、台座6を撤去する必要はなく、しかも、台座6内の鉄筋50の腐食を抑制することができる。また、台座6の大径支持孔5bの内壁面から突設される鋼材25を杭頭部3の外壁面に限りなく近接させることで、杭頭部3を台座6の支持孔5に対して略同心状に位置決めすることができ、鋼材25の先端と杭頭部3の外壁面とを溶接により接合することで、台座6の支持孔5内に杭頭部3を位置決めして連結することができる。台座6は、板状で平面視正方形状に形成されているので、台座6の上面で、角部を除く四辺それぞれの周縁域に載置面27、27を設けることができ、台座6の4箇所の載置面27、27に、台座6に向かって四方向から延びる各プレキャスト梁部材8の端部8a、8aをそれぞれ載置することができる。
【0050】
さらに、本発明の実施の形態に係る人工地盤1では、台座6の支持孔5は、内径が杭頭部3の外径に略一致する小径支持孔5aと、該小径支持孔5aから上方に向かって次第に拡径されて、小径支持孔5aより大径で上下方向に延びる大径支持孔5bと、から構成される。杭頭部3の外壁面と台座6の大径支持孔5bの内壁面との間に、モルタルを打設してなるモルタル打設層24が形成される。このモルタル打設層24により、台座6と鋼管杭2とをさらに強固に連結することができ、さらに、台座6の支持孔5の内壁面から内方に突設される鋼材25の腐食を抑制することができる。また、台座6の小径支持孔5aと杭頭部3の外径とが略一致しているので、台座6の大径支持孔5bと杭頭部3との間にモルタルを打設する際、モルタルが台座6の大径支持孔5bと杭頭部3との間から流下されることを抑制することができ、作業効率を向上させることができる。
【0051】
さらにまた、本発明の実施の形態に係る人工地盤の施工方法は、連結ステップS1と、梁架設ステップS3と、床板設置ステップS5と、床板打設ステップS7と、を備えているので、従来、床板4を、コンクリートを現場打ちして構成する際の施工方法に比べて、その作業効率を格段に向上させることができる。また、床板打設ステップS7を実施する際、支保工及び型枠の使用を必要最小限に抑えることができるので、作業工程を平準化することができ、作業効率を向上させることができる。
【0052】
さらにまた、本発明の実施の形態に係る人工地盤の施工方法では、連結ステップS1に備えた位置決めステップS10により、各鋼管杭2に連結された台座6の上面を略面一に配置でき、この結果、各プレキャスト梁部材8を略水平方向に配置することができ、ひいては各プレキャスト床板9を略水平方向に配置することができる。また、連結ステップS1では、位置決めステップS10の後に、鋼材接合ステップS11及びモルタル打設ステップS12を実施するので、台座6を杭頭部3に対して位置決めしながら、杭頭部3に台座6を強固に連結することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 人工地盤,2 鋼管杭(杭部材),3 杭頭部,4 床板,5 支持孔,5a 小径支持孔,5b 大径支持孔,6 台座,8 プレキャスト梁部材,8a 端部,9 プレキャスト床板,9a 周端部,10 コンクリート打設層,10a 鉄筋コンクリート打設層,10b 舗装コンクリート打設層,14 空間,17 定着プレート,24 モルタル打設層,25 鋼材,50 鉄筋,50a 鉄筋
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