(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6870992
(24)【登録日】2021年4月19日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】電解水生成装置
(51)【国際特許分類】
C02F 1/461 20060101AFI20210426BHJP
【FI】
C02F1/461 A
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-6540(P2017-6540)
(22)【出願日】2017年1月18日
(65)【公開番号】特開2018-114450(P2018-114450A)
(43)【公開日】2018年7月26日
【審査請求日】2019年10月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】591201686
【氏名又は名称】株式会社日本トリム
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(72)【発明者】
【氏名】横畠 功起
【審査官】
関根 崇
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−160410(JP,A)
【文献】
特開2015−136662(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/077875(WO,A1)
【文献】
特開2005−035670(JP,A)
【文献】
国際公開第2015/141329(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/46−1/48
C25B 1/00−9/20;13/00−15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を電気分解して電解水を生成する電解水生成装置であって、
水平方向にのびる横材を含む本体フレームと、前記本体フレーム内に収容された電解水生成部とを備え、
前記電解水生成部は、複数の電解ユニットを有し、
前記各電解ユニットは、前記本体フレームに脱着可能に固定されているベースと、前記ベースに固定され、陽極室と陰極室とが隔膜によって区分された少なくとも一つの電解槽とを含み、
前記ベースは、前記横材に支持される被支持部を有し、前記横材に脱着可能に前記被支持部において固定され、
前記電解槽は、前記ベースに片持ち状態で固定されていることを特徴とする電解水生成装置。
【請求項2】
前記ベースは、前記電解槽を取り付けるための取付面を含み、
前記電解槽は、前記隔膜が前記取付面に対して本質的に直交する向きに配置されている請求項1記載の電解水生成装置。
【請求項3】
前記電解槽は、前記陽極室及び前記陰極室を区画するための壁部を有する樹脂製のケースと、前記ケースを補強するための金属製の補強部材とを含み、
前記補強部材は、前記壁部に沿って固定された本体部と、前記本体部から折れ曲がり前記取付面に固定されたフランジ部とを一体に含んでいる請求項2記載の電解水生成装置。
【請求項4】
前記補強部材は、前記陽極室の側の第1補強部材と、前記陰極室の側の第2補強部材とを含み、
前記第1補強部材と前記第2補強部材とは、前記ケースを介して互いに固定され、
前記フランジ部は、前記第1補強部材に形成された第1フランジ部と、前記第2補強部材に形成された第2フランジ部とを含む請求項3記載の電解水生成装置。
【請求項5】
前記ケースは、前記隔膜と直交する第1方向の厚さ寸法が、前記取付面と直交する第2方向の幅寸法よりも小さい偏平状に形成されている請求項3又は4に記載の電解水生成装置。
【請求項6】
複数の前記電解槽が、前記第1方向に並設されている請求項5記載の電解水生成装置。
【請求項7】
前記被支持部を前記横材に固定するための固定具を含み、
前記ベースは、前記固定具の離脱により、前記被支持部が前記横材に支持されながら前記本体フレーム内から引き出し可能に配されている請求項1乃至6のいずれかに記載の電解水生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水を電気分解して電解水素水を生成する電解水生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、固体高分子電解質膜で仕切られた陽極室と陰極室とを有する電解槽を備え、電解槽内に流入させた原水を電気分解する電解水生成装置が知られている。
【0003】
電解水生成装置の陰極室では、水素ガスが溶け込んだ電解水素水が生成される。また、近年、電解水生成装置で生成された溶存水素水は、血液透析治療の際に発生する活性酸素を除去し、患者の酸化ストレスの軽減に適しているとして注目されている(例えば、特許文献1参照)。電解水を用いた血液透析は、電解水透析と称される。
【0004】
大病院での電解水透析では、同時に多数の患者の治療を可能とするために、電解水素水の供給能力を高めた電解水生成装置が要望されている。このような電解水生成装置は、大容量の電解水生成部を備えることにより実現可能である。
【0005】
上述した大容量の電解水生成部は、例えば、並列に接続された複数の電解槽を含む電解ユニットによって実現可能である。そして、電解水生成部は、長期間の使用にわたって消耗した部品を容易に交換できるように構成されているのが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2016−137421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、長期間の使用にわたって消耗した部品を容易に交換できる電解水生成装置を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電解水生成装置は、本体フレームと、前記本体フレーム内に収容された電解水生成部とを備え、前記電解水生成部は、複数の電解ユニットを有し、前記各電解ユニットは、前記本体フレームに脱着可能に固定されているベースと、前記ベースに固定され、陽極室と陰極室とが隔膜によって区分された少なくとも一つの電解槽とを含み、前記電解槽は、前記ベースに片持ち状態で固定されていることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る前記電解水生成装置において、前記ベースは、前記電解槽を取り付けるための取付面を含み、前記電解槽は、前記隔膜が前記取付面に対して本質的に直交する向きに配置されていることが望ましい。
【0010】
本発明に係る前記電解水生成装置において、前記電解槽は、前記陽極室及び前記陰極室を区画するための壁部を有する樹脂製のケースと、前記ケースを補強するための金属製の補強部材とを含み、前記補強部材は、前記壁部に沿って固定された本体部と、前記本体部から折れ曲がり前記取付面に固定されたフランジ部とを一体に含んでいることが望ましい。
【0011】
本発明に係る前記電解水生成装置において、前記補強部材は、前記陽極室の側の第1補強部材と、前記陰極室の側の第2補強部材とを含み、前記第1補強部材と前記第2補強部材とは、前記ケースを介して互いに固定され、前記フランジ部は、前記第1補強部材に形成された第1フランジ部と、前記第2補強部材に形成された第2フランジ部とを含むことが望ましい。
【0012】
本発明に係る前記電解水生成装置において、前記ケースは、前記隔膜と直交する第1方向の厚さ寸法が、前記取付面と直交する第2方向の幅寸法よりも小さい偏平状に形成されていることが望ましい。
【0013】
本発明に係る前記電解水生成装置において、複数の前記電解槽が、前記第1方向に並設されていることが望ましい。
【0014】
本発明に係る前記電解水生成装置において、前記本体フレームは、水平方向にのびる横材を有し、前記ベースは、前記横材に支持され固定具によって固定された被支持部を含み、前記ベースは、前記固定具の離脱により、前記被支持部が前記横材に支持されながら前記本体フレーム内から引き出し可能に配されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の電解水生成装置は、電解水生成部は、複数の電解ユニットを有し、各電解ユニットは、ベースと電解槽とを含む。ベースは、本体フレームに脱着可能に固定されている。ベースを本体フレームから取り外すことにより、電解ユニットのメンテナンスが容易となり、消耗した部品が容易に交換可能とされる。さらに、電解槽がベースに片持ち状態で固定されている構造によって、電解槽がベースから容易に取り外し可能となり、電解槽の交換等のメンテナンスがより一層容易に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の電解水生成装置を含む透析液調製用水の製造装置の一実施形態の概略構成を示す斜視図である。
【
図3】電解水生成装置の構成を示す左側面図である。
【
図7】電解水生成部のメンテナンスを行なっている状態の電解水生成装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1は、本実施形態の電解水生成装置1を含む透析液調製用水の製造装置100(以下、単に製造装置100と記す)の概略構成を示している。製造装置100は、前処理装置200、電解水生成装置1及び後処理装置300を含む。
【0018】
前処理装置200は、電解水生成装置1の上流側に設置され、原水からカルシウムイオン及びマグネシウムイオン等の硬度成分を除去して軟水化し、さらに微細な多孔質物質である活性炭を用いて軟水から塩素等を吸着・除去する。前処理装置200に供給される原水には、一般的には水道水が利用されるが、その他、例えば、井戸水、地下水等を用いることができる。
【0019】
電解水生成装置1は、前処理装置200を通過した水を電気分解し、電解水素水を生成する。本実施形態の電解水生成装置1は、電解水透析において、大量の電解水素水を後処理装置300に供給可能となるように構成されている。
【0020】
後処理装置300は、逆浸透膜を用いて電解水素水を浄化する。逆浸透膜によって浄化処理された溶存水素水は、例えば、透析液調製用水の浄化基準であるISO13959の基準を満たし、透析液調製用水として透析原剤の希釈等に用いられる。
【0021】
図1に示されるように、製造装置100の設置スペース(フットプリント)を小さくするために、電解水生成装置1は、上流側の前処理装置200及び下流側の後処理装置300と共に並べて設置される。例えば、本実施形態のように、製造装置100の正面から視て、前処理装置200、電解水生成装置1及び後処理装置300が水平方向に隙間なく並べて設置されるのが望ましい。
【0022】
図2及び3は、電解水生成装置1の概略構成を示している。電解水生成装置1は、本体フレーム2、電源部3、電解水生成部4、入水管6及び出水管7(
図1参照)を備える。
【0023】
本体フレーム2は、鉛直方向にのびる複数の縦材21と水平方向にのびる複数の横材22等によって構成され、電源部3、電解水生成部4、入水管6及び出水管7を支持する。縦材21及び横材22には、例えば、断面がL字状のアングル鋼材が適用される。本体フレーム2は、縦材21及び横材22によって矩形状に形成されている。本体フレーム2は、上部23、底部24、第1側部25、第2側部26、第3側部27及び第4側部28を規定する。横材22は、上横材22Aと、上横材22Aの下方に配される下横材22Bとを有する。
【0024】
上部23と底部24とは、上下方向で反対側に位置する。第1側部25と第2側部26とは、水平方向の反対側に位置する。本実施形態では、第1側部25は、製造装置100の正面側に位置され、第2側部26は、製造装置100の背面側に位置される。第3側部27及び第4側部28は、第1側部25及び第2側部26と直交する。第3側部27と第4側部28とは、水平方向の反対側に位置する。本実施形態では、第3側部27は、製造装置100の右側面側に位置され、第4側部28は、製造装置100の左側面側に位置される。第3側部27は、製造装置100の左側面側に位置され、第4側部28は、製造装置100の右側面側に位置されていてもよい。また、第1側部25、第2側部26、第3側部27及び第4側部28は、側板で覆われていてもよい。
【0025】
電源部3は、本体フレーム2の上部23に固定されている。本実施形態では、上部23には、電源部3のみが設けられ、電解水生成部4、入水管6及び出水管7は設けられていない。これにより、主要な電気系統を構成する電源部3と、水路を構成する電解水生成部4、入水管6及び出水管7とを容易に隔離することができ、電解水生成部4等での水漏れに起因する電源部3のトラブルを抑制できる。電源部3には、電解水生成部4を含む電解水生成装置1全体の制御を司る制御回路(図示せず)が設けられていてもよい。
【0026】
電解水生成部4は、電源部3の下方の空間で本体フレーム2に固定される。このような電源部3及び電解水生成部4の配置によって、電解水生成装置1の設置面積が小さくなり、限られたスペースへの電解水生成装置1の設置が容易となる。
【0027】
また、電源部3が電解水生成部4の上方に位置するため、電解水生成部4で水漏れ等が生じた場合であっても、電源部3に水がかかりにくく、電気回路への影響が抑制される。
【0028】
電解水生成部4と電源部3とは、電気ケーブル(図示せず)によって電気的に接続されている。電気ケーブルを介して、電源部3から電解水生成部4に電気分解のための電解電流が供給される。
【0029】
入水管6は、電解水生成部4に電気分解用の水を供給する。入水管6は、入水管60を含む。入水管60は、前処理装置200と電解水生成装置1とを接続する。前処理装置200を通過した水は、入水管6を介して電解水生成部4に供給される。
【0030】
出水管7は、電解水生成部4の陰極側で電気分解された電解水素水を取り出して、後処理装置300に供給する。また、出水管7は、出水管70及び排水管73(後述する
図7参照)を含む。出水管70は、電解水生成装置1と後処理装置300とを接続する。電解水生成部4によって生成された電解水は、出水管70を介して後処理装置300と接続される。排水管73は、電解水生成部4の陽極側で電気分解された電解酸素水を取り出して、電解水生成装置1の外部に排出する。
【0031】
電解水生成部4は、複数の電解ユニット41を含んでいる。各電解ユニット41は、電解水生成部4において、水平方向及び鉛直方向にマトリクス状に配列されている。これにより、限られたスペース内に多数の電解ユニット41が効率よく配される。
【0032】
図4は、電解ユニット41の構成を示している。電解ユニット41は、板状のベース42と、少なくとも一つ(本実施形態では複数)の電解槽43と、ベース42に固定されたハンドル44とを有している。ベース42は、上下方向に起立した姿勢で、上横材22A及び下横材22Bによって支持されている。
【0033】
図5は、電解槽43の構成を示している。電解槽43は、例えば、特開2016−159237号公報に開示されている構成と同等である。すなわち、電解槽43は、陽極室47と陰極室48とが隔膜49によって区分されている。電解槽43の陽極室47及び陰極室48には、給電体(図示せず)がそれぞれ配され、隔膜49には、例えば、スルホン酸基を有するフッ素系の樹脂材料からなる固体高分子電解質膜が用いられ、上下方向に長い矩形状に形成されている。各電解槽43は、ベース42に起立姿勢で固定されている。
【0034】
ベース42は、上横材22A及び下横材22Bに脱着可能に固定される。上横材22A及び下横材22Bからベース42を取り外すことにより、各電解ユニット41のメンテナンスが容易となり、消耗した部品が容易に交換可能とされる。
【0035】
電解槽43は、ベース42に片持ち状態で固定されている。「片持ち状態で固定されている」とは、電解槽43が、一つの側部43a(例えば、隔膜49の長辺に沿う側部43a)においてベース42に片持ち梁状に固定され、支持されていることを意味する。このような構造によって、電解槽43がベース42から容易に取り外し可能となり、電解槽43の交換等のメンテナンスがより一層容易に行えるようになる。
【0036】
ベース42は、電解槽43を取り付けるための取付面42aを含んでいる。取付面42aは、平面状に形成されている。電解槽43は、隔膜49が取付面42aに対して本質的に直交する向きに配置されている。「本質的に直交する」とは、隔膜49の厚さ方向の中心面が直交する形態であり、隔膜49が局所的に微小な凹凸を含んでいる(例えば、隔膜49が波形状に形成されている)構成では、上記凹凸をならした中心線が取付面42aに対して直交する形態もこれに含まれる。
【0037】
図4に示されるように、ベース42は、上横材22Aに支持される被支持部42bを有する。被支持部42bは、取付面42aが形成された本体部から略垂直に起立された部分に形成されている。このようなベース42は、プレス加工等により、容易に製造される。被支持部42bが上横材22Aに載置されることにより、電解ユニット41の荷重が上横材22Aによって支持されうる。
【0038】
各電解ユニット41は、上横材22Aに被支持部42bを固定する固定具45を含む。固定具45は、例えば、上横材22Aに設けられた雌ねじに対応する雄ねじを有するノブ等によって構成される。固定具45には、いわゆるクイックファスナー等が用いられてもよい。このような固定具45によって、各電解ユニット41は上横材22Aに迅速かつ強固に固定されうる。
【0039】
図6は、電解槽43の構成を示している。電解槽43は、樹脂製のケース46と、金属製の補強部材50とを含んでいる。
【0040】
ケース46は、偏平状に形成されている。すなわち、隔膜49と直交する第1方向D1の厚さ寸法L1が、取付面42aと直交する第2方向D2の幅寸法L2よりも小さい。このようなケース46によって、容積に対する隔膜49及び給電体の面積の比率が大きくなり、電気分解の効率の向上に寄与する。電解槽43もまた、第1方向D1の厚さ寸法が、第2方向D2の幅寸法L2よりも小さい偏平状に形成されている。
【0041】
図4に示されるように、本実施形態の電解ユニット41では、複数の電解槽43が、第1方向D1に並設されている。これにより、一つの電解ユニット41内に多数の電解槽43をコンパクトに収容できる。
【0042】
図5に示されるように、ケース46は、陽極室47及び陰極室48を区画するための壁部46aを有している。補強部材50は、ケース46を補強するために、壁部46a外側に装着される。補強部材50は、陽極室47の側の第1補強部材51と、陰極室48の側の第2補強部材52とを含んでいる。第1補強部材51と第2補強部材52とは、ケース46を挟んでねじ53(
図5参照)等により互いに固定されている。
【0043】
図5、6に示されるように、第1補強部材51は、陽極室47の側の壁部46aに沿って固定された第1本体部51aと、第1本体部51aから折れ曲がり、取付面42aに固定された第1フランジ部51bとを含んでいる。第1本体部51aと第1フランジ部51bとは、一体に形成されている。これにより、第1補強部材51の剛性が高められ、第1補強部材51による補強効果が向上する。本実施形態では、第1フランジ部51bがねじ54等によってベース42に固定されているので、第1補強部材51の剛性がより一層高められ、第1補強部材51による補強効果がさらに向上する。
【0044】
第2補強部材52は、陰極室48の側の壁部46aに沿って固定された第2本体部52aと、第2本体部52aから折れ曲がり、取付面42aに固定された第2フランジ部52bとを含んでいる。第1補強部材51と同様に、第2本体部52aと第2フランジ部52bとが一体に形成され、また、第2フランジ部52bがベース42に固定されるので、第2補強部材52の剛性がより一層高められ、第2補強部材52による補強効果が向上する。
【0045】
第1補強部材51は、第1本体部51aから第2補強部材52の側に折れ曲がる第3フランジ部51cを含んでいる。第2補強部材52は、第2本体部52aから第1補強部材51の側に折れ曲がる第4フランジ部52cを含んでいる。第3フランジ部51c及び第4フランジ部52cによって、ベース42から離れた領域でも補強部材50の剛性が高められ、ケース46が効果的に補強される。
【0046】
図7は、電解水生成部4のメンテナンスを行なっている状態での電解水生成装置1を示している。電解ユニット41は、横材22によって支持され、横材22をレールとして、第2側部26から第1側部25を向く第1水平方向H1又は第1側部25から第2側部26を向く第2水平方向H2に引き出し及び押し入れ可能に構成されている。電解ユニット41の引き出し及び押し入れの際には、ハンドル44が用いられる。電解ユニット41が第1水平方向H1に引き出されることにより、電解ユニット41を構成する電解槽43等の消耗部品を容易に交換することが可能となり、電解ユニット41のメンテナンスが容易かつ短時間で行えるようになる。
【0047】
なお、電解ユニット41は、その全体が本体フレーム2の外部に引き出される構成であってもよく、その一部分が本体フレーム2の外部に引き出される構成であってもよい。すなわち、
図7中、上段の電解ユニット41に示されるように、電解ユニット41は、本体フレーム2から完全に取り外し可能に構成されていてもよく、下段の電解ユニット41に示されるように、電解ユニット41は、少なくともその一部分が本体フレーム2から引き出された状態で本体フレーム2に支持可能に構成されていてもよい。前者の場合は、電解ユニット41ごと交換することにより、メンテナンスに要する時間を短縮できる。後者の場合は、電解ユニット41が本体フレーム2に支持された状態を維持しつつ電解ユニット41の一部分を本体フレーム2の外部に引き出して、交換が必要な部品のみを取り外して交換することができる。
【0048】
図8は、電解ユニット41の変形例である電解ユニット41Aを示している。電解ユニット41Aは、隔膜49とベース42の取付面42aとが本質的に平行になるように電解槽43が配されている点で、電解ユニット41とは異なる。電解ユニット41Aのうち、以下で説明されてない部分については、上述した電解ユニット41の構成が採用されうる。
【0049】
電解ユニット41Aでは、ケース46がベース42と補強部材55とによって挟み込まれて固定される。ベース42及び補強部材55によってケース46が補強される。電解ユニット41Aは、第1水平方向H1に引き出し可能であり、電解ユニット41Aを構成する電解槽43等の消耗部品を容易に交換することが可能である。また、電解槽43は、ベース42に片持ち状態で固定されているので、電解槽43がベース42から容易に取り外し可能となり、電解槽43の交換等のメンテナンスがより一層容易に行えるようになる。なお、電解ユニット41Aは、第3水平方向H3に複数並設されていてもよい。
【0050】
以上、本実施形態の電解水生成装置1が詳細に説明されたが、本発明は上記の具体的な実施形態に限定されることなく種々の態様に変更して実施される。すなわち、電解水生成装置1は、少なくとも、本体フレーム2と、本体フレーム2内に収容された電解水生成部4とを備え、電解水生成部4は、複数の電解ユニット41を有し、各電解ユニット41は、本体フレーム2に脱着可能に固定されているベース42と、ベース42に固定され、陽極室47と陰極室48とが隔膜49によって区分された少なくとも一つの電解槽43とを含み、電解槽43は、ベース42に片持ち状態で固定されていればよい。
【符号の説明】
【0051】
1 電解水生成装置
2 本体フレーム
4 電解水生成部
22 横材
41 電解ユニット
42 ベース
42a 取付面
42b 被支持部
43 電解槽
45 固定具
46 ケース
46a 壁部
49 隔膜
51 第1補強部材
51b 第1フランジ部
52 第2補強部材
52b 第2フランジ部