(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
  前記外部装置は、各車両の前記車両側通信部から受信した前記行き先情報および前記現在地情報の少なくとも一方を蓄積し、蓄積した前記行き先情報又は前記現在地情報に基づいて乗車需要の高低を地点毎に予想し、予想した乗車需要が高い地点に対して前記車両を優先的に事前配車する配車制御部を有する、
  請求項1に記載のタクシーメータシステム。
  前記外部装置は、前記車両側通信部から受信したユーザ毎の前記行き先情報および前記現在地情報の少なくとも一方に基づいて、関連する地域の商業施設情報を取得し、前記商業施設情報を前記車両側装置に送信する情報提供制御部を有する、
  請求項1に記載のタクシーメータシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
  タクシーの運行サービスにおいては、運転手の負担を軽減することが望まれている。また、将来的にはコンピュータの自動運転により無人でタクシーを運行可能にすることも想定されている。
【0006】
  例えば、特許文献1の料金精算装置を利用することにより、乗客の運賃精算を自動化できるので運転手の負担を軽減することができる。また、特許文献2のタクシー配車システムを利用することにより、乗客は現金やクレジットカードを使うことなしに運賃の精算を行うことが可能になる。
【0007】
  しかし、特許文献1、特許文献2の技術を利用する場合であっても、運転手はその時の状況に合わせてタクシーメータのボタン操作を行う必要がある。更に、運転手と乗客との会話に基づき、行き先、走行経路、高速道路の利用の有無などの決定や変更を運転手が逐次判断しなければならない。
【0008】
  また、タクシー等の運転手は運転しながら自車両の微妙な変化を感じ取ることができるので、車両の不調を察知した場合には、運転手の判断により、タクシーの運行に支障が生じるような重大な故障が車両に発生する前に点検や整備を実施することができる。しかし、無人で運行するタクシーの場合には、運転手が存在しないので、運行中の車両の不調を検知して点検することができない。
【0009】
  一方、例えば企業がタクシー運行のサービスを実施する場合には、実際に需要のある地域に事前にタクシー車両を配車することができれば、タクシーの運行による売り上げを伸ばすことが可能になる。熟練したタクシー運転手が運転するタクシーの場合には、運転手が状況を見ながら自分の経験と勘により顧客の需要を自分で予想し、需要のある地域に事前にタクシー車両を配車できるので、効率的に顧客を確保することができる。しかし、無人で運行するタクシーの場合には、運転手が存在しないので、地域毎、地点毎の需要を予想することができない。
【0010】
  また、例えば観光客などがタクシーに乗車した場合に、この乗客は行き先の近隣、あるいは現在値の近隣に存在する商業施設などの情報を必要とする場合がある。一般的なタクシーであれば、熟練した運転手は、乗客に対して必要な情報を提供することができる。しかし、慣れていない運転手が運転するタクシーや無人のタクシーの場合には、乗客に対して必要とする情報を提供することができない。
【0011】
  また、タクシーの乗客は、目的地に到着する前に眠り込んでしまったり、様々な体調不良の状態に陥る場合がある。一般的なタクシーの場合には、運転手と乗客との会話等に基づき、運転手の判断により適切な行動を取ることができる。しかし、無人のタクシーの場合には、例えば事前に決定した目的地まで、事前に決定した走行経路を通って走行し到着するまでの間に何もすることができない。
【0012】
  本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、タクシー運転手の負担を軽減、あるいは不要にすることが可能なタクシーメータシステムを提供することにある。
 
【課題を解決するための手段】
【0013】
  前述した目的を達成するために、本発明に係るタクシーメータシステムは、下記(1)〜(5)を特徴としている。
(1)  車両に搭載される車両側装置と、
  前記車両側装置と無線通信により接続された外部装置と、
  を備え、
  前記車両側装置は、前記車両への乗客の乗車を検知する乗車検知部と、
  前記乗車検知部により前記車両への乗客の乗車が検知された場合に、前記乗客の行き先情報の入力を受け付ける行き先入力部と、
  前記車両の現在地情報を所定時間毎に取得する現在地情報取得部と、
  前記行き先情報および前記現在地情報を前記外部装置に送信する車両側通信部と、を有し、
  前記外部装置は、
  前記乗客に対する料金を算出する料金算出部と、
  算出された前記料金を前記車両側通信部に送信する外部側通信部と、を有し、
  前記料金算出部は、前記行き先情報が入力されると前記料金の算出を開始し、前記現在地情報の表す地点が前記行き先情報の表す地点と一致したと判定すると、前記料金を確定する、
  ことを特徴とするタクシーメータシステム。
【0014】
(2)  前記車両側通信部は、前記車両の各部の状態を表す車両情報を前記外部装置に送信する機能を有し、
  前記外部装置は、前記車両側通信部から受信した前記車両情報を車両毎に収集して解析し、前記解析の結果により所定の異常を検知した場合には所定の処置情報を前記車両に対して送信する自動点検部を有する、
  上記(1)に記載のタクシーメータシステム。
【0015】
(3)  前記外部装置は、各車両の前記車両側通信部から受信した前記行き先情報および前記現在地情報の少なくとも一方を蓄積し、蓄積した前記行き先情報又は前記現在地情報に基づいて乗車需要の高低を地点毎に予想し、予想した乗車需要が高い地点に対して前記車両を優先的に事前配車する配車制御部を有する、
  上記(1)に記載のタクシーメータシステム。
【0016】
(4)  前記外部装置は、前記車両側通信部から受信したユーザ毎の前記行き先情報および前記現在地情報の少なくとも一方に基づいて、関連する地域の商業施設情報を取得し、前記商業施設情報を前記車両側装置に送信する情報提供制御部を有する、
  上記(1)に記載のタクシーメータシステム。
【0017】
  (5)  前記車両側装置は、少なくとも前記車両の車室内にいる乗客の状態を撮影する車載カメラの映像に基づき、少なくとも前記乗客の健康状態を表す乗客情報を取得し
て前記外部装置に送信し、
  
前記外部装置が前記乗客情報により前記乗客に異常が発生したことを検知した場合には、前記車両側装置および前記外部装置の少なくとも一方が、前記車両の予定移動経路を自動的に変更する
  上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のタクシーメータシステム。
【0018】
  上記(1)の構成のタクシーメータシステムによれば、タクシーメータの「空車」、「実車」、「支払い」等の状態を切り替えるための操作を運転手が行わなくても、車両に乗車した乗客に対して適切な運賃(料金)を提示することができる。したがって、運転手の負担を軽減できるし、運転手が存在しない無人のタクシー車両の場合であっても、乗客の運賃精算が可能になる。
【0019】
  上記(2)の構成のタクシーメータシステムによれば、自動点検部が車両の状態を監視できるので、車両が無人のタクシーの場合であっても、運行に重大な問題が発生する前に異常を自動的に検知して、問題を回避するための車両の点検や整備の実施を所定の管理者に対して促すことが可能になる。
【0020】
  上記(3)の構成のタクシーメータシステムによれば、配車制御部の制御により、乗車需要が高いと予想される地点に各タクシー車両を事前に配車することが可能になる。したがって、空車状態の各タクシー車両が短時間で効率よく乗客を確保することが可能になり、効率的にタクシーの運行業務を実施できる。
【0021】
  上記(4)の構成のタクシーメータシステムによれば、乗客は情報提供制御部が送信する商業施設情報をタクシー車両上で取得することが可能である。したがって、乗客は無人のタクシー車両に乗車した場合であっても、自分が必要とする情報を入手できる。
【0022】
  上記(5)の構成のタクシーメータシステムによれば、運転手が存在しない無人のタクシー車両に乗客が乗車している場合であっても、乗客の健康状態に異常が発生したような場合には、車両の予定移動経路を適切に変更することが可能になる。
 
【発明の効果】
【0023】
  本発明のタクシーメータシステムによれば、タクシー運転手の負担を軽減、あるいは不要にすることが可能になる。
【0024】
  以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
 
 
【発明を実施するための形態】
【0026】
  本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
 
【0027】
  まず、システムの概要を説明する。
  本発明のタクシーメータシステムは、主要な構成要素として、タクシー車両に搭載されるタクシーメータ車載器と、車両外の適当な箇所に設置される外部サーバとを備える。タクシーメータ車載器と、外部サーバとの間は無線通信により接続され、これらの間で必要なデータの送受信を相互に実施する。無人タクシーの運行に必要な各種制御は、タクシーメータ車載器、および外部サーバのいずれか一方の制御、又は両者の協調的な制御により実施される。
 
【0028】
  次に、無人タクシーの車室内の構成例を説明する。
  本発明の実施形態のタクシーメータシステムを使用する無人タクシー車両の車室内で後部側から前方を視た状態の具体例を
図1に示す。
 
【0029】
  図1に示した例では、無人タクシー車両の前方窓(ウインドシールド)の上部中央付近に車載カメラ17、マイク18、およびディスプレイ21aが配置されている。車載カメラ17は無人タクシー車両の後部座席等に着座している乗客の様子を撮影できるように配置されている。マイク18は、乗客の音声やその他の車室内の音響を検出できるように配置されている。ディスプレイ21aは後部座席等に着座している乗客が視認しやすい状態で配置されており、無人のタクシー車両において乗客が必要とする様々な情報を表示するために利用される。
 
【0030】
  また、後部座席前方の中央部には、タクシー料金の決済を行うために必要な決済端末16が配置されている。この決済端末16については、例えば、特許文献1のように現金を扱って決済を行ったり、特許文献2のようにクレジットカードを利用して決済したり、様々な電子マネーを利用して決済することが想定される。
 
【0031】
  決済端末16の右側には、ETC(電子料金収受:Electronic Toll Collection)車載器23が設置されている。このETC車載器23を用いて乗客が料金の支払いを行うこともできる。また、後部座席前方の左側方の位置に、マイク付きリモコン19が設置されている。このマイク付きリモコン19は、乗客の操作用の端末であり、無人タクシーにおいて行き先などの情報を入力したり、乗客が必要とする情報を表示するために利用される。マイク付きリモコン19のマイクを利用して行き先などの情報を音声で入力することもできる。マイク付きリモコン19の代わりに、各乗客が所持しているスマートフォン22を用いて操作することも可能である。
 
【0032】
  次に、無人タクシー車両上の主要な構成要素を説明する。
図1の無人タクシー車両上に搭載された主要な構成要素を
図2に示す。
  
図2に示したタクシーメータ車載器10には、タクシー管理部11、乗客状態検知部12、無線通信モジュール13、乗降検知部14、GPS受信機15、および決済端末16が備わっている。
 
【0033】
  タクシー管理部11は、マイクロコンピュータを主体とする電気回路で構成されており、予め組み込まれているプログラムを実行することにより、タクシーメータ車載器10に必要とされる各種機能を実現する。
 
【0034】
  一般的なタクシーメータの場合には、「空車」、「実車」、「支払い」等のタクシーの状態が運転手のボタン操作で切り替わるが、無人タクシーの場合には、運転手が存在しないので、タクシーメータの状態の切替を自動的に実施する必要がある。そこで、本実施形態では、タクシー管理部11が組み込まれたプログラムに基づき状態を自動識別するか、又は
図3に示した外部サーバ30からの指示を受けて、タクシーメータの状態を自動的に切り替える。
 
【0035】
  乗客状態検知部12は、車載カメラ17が撮影した乗客の映像や、マイク18が集音した音声の信号を監視してリアルタイムで解析することにより、この無人タクシー車両に乗車している乗客の状態を検知する。検知する乗客の状態には、健康状態を表す情報も含まれる。映像の解析により、乗客の乗降を検知することもできる。
 
【0036】
  無線通信モジュール13は、無人タクシーの運行中に、タクシーメータ車載器10と
図3に示した外部サーバ30との間で常時データの送受信ができるように無線接続するための通信モジュールである。
 
【0037】
  乗降検知部14は、タクシー車両のドアの開閉を表す信号SG2や、乗客の座席への着座を検知するスイッチの信号SG3を監視することにより、乗客の乗車、および降車を検知することができる。なお、映像や音声に基づいて乗客状態検知部12が乗客の乗降を検知する場合には、乗降検知部14は不要になる。
 
【0038】
  GPS(Global Positioning System)受信機15は、GPS等の複数の衛星からの電波を受信して所定の演算処理を実施することにより、タクシー車両の現在位置(緯度/経度)を表す位置情報を取得することができる。
 
【0039】
  自動運転制御部21は、タクシー等の車両を自動運転するための様々な制御を実施する。すなわち、行き先や行き先までの走行経路の情報が入力された場合に、自動運転制御部21が状況を適切に把握しながら、車両のアクセル操作、ステアリング操作、ブレーキ操作などの運転動作を自動的に制御して車両を無人で目的地である行き先まで運行する。道路の状況、道路と自車両との位置関係、自車両と他車両あるいは障害物との位置関係を把握するために、図示しない複数の車載カメラで車外各部の映像を撮影して解析したり、レーダ装置を利用する。
 
【0040】
  図2に示したタクシー管理部11は、自動運転制御部21と接続されているので、行き先や行き先までの走行経路の情報をタクシー管理部11から自動運転制御部21に与えることができる。また、自動運転制御部21が把握している様々な車両情報をタクシー管理部11は取得することができる。
 
【0041】
  タクシーメータがタクシーの運賃を算出する際には、タクシーの走行距離の情報が必要になる。したがって、タクシー管理部11は、一般的なタクシーメータと同じように、車両側から与えられる車速パルス信号SG1を監視して走行距離を把握する。すなわち、車速パルス信号SG1のパルス数を計数することにより、乗客の乗車地点からの走行距離を算出する。
 
【0042】
  次に、外部サーバの構成例を説明する。
  本発明の実施形態のタクシーメータシステムに含まれる外部サーバ30の構成例を
図3に示す。この外部サーバ30は、例えば所定のデータセンタ内に設置される。また、
図3に示すように外部サーバ30には無線通信装置38が接続されている。無線通信装置38は、各無人タクシー車両に搭載されているタクシーメータ車載器10との間で無線通信するために必要な通信回線を確保する。
 
【0043】
  外部サーバ30は、サーバとして動作可能なコンピュータの本体と、大容量記憶装置、通信装置などにより構成されている。この外部サーバ30は、無線通信装置38を経由して各タクシーメータ車載器10と接続されているので、タクシーメータ車載器10との間でデータの送受信を行うことにより、タクシーメータ車載器10を遠隔操作することができる。
 
【0044】
  図3に示した外部サーバ30の内部には、走行経路算出処理部31、料金算出処理部32、自動車両点検処理部33、配車処理部34、商業情報提供処理部35、乗客状態管理処理部36、地図情報データベース(DB)37a、車両情報データベース37b、乗車需要情報データベース37c、商業施設情報データベース37d、および個人情報データベース37eの各機能が含まれている。
 
【0045】
  走行経路算出処理部31は、各無人タクシー車両について、乗客から指定された行き先情報と、車両の現在位置と、地図情報データベース37aとに基づき、現在位置から行き先までの道路上の経路を表す適切な走行経路を算出する機能を有している。
 
【0046】
  料金算出処理部32は、該当するタクシー車両の運行に関して事前に定めた料金体系と、乗客が乗車した時点からの該当するタクシー車両の実際の走行距離、経過時間などに基づいて、適切な料金(運賃)を自動的に算出する機能を有している。
 
【0047】
  自動車両点検処理部33は、例えば車両各部の油圧、水温、電源電圧、電流、車速、エンジン回転速度等を表す車両情報を各タクシー車両から定期的に取得して、車両情報データベース37bに蓄積し管理する。また、自動車両点検処理部33は車両情報データベース37bが蓄積している車両情報を自動的に解析して、当該車両の異常の有無を識別する。異常を検知した場合には、車両点検や整備のための処置を実行する。
 
【0048】
  配車処理部34は、各タクシー車両から取得した行き先や乗客が乗車した位置の位置情報を乗車需要情報データベース37cに蓄積して管理する。また、配車処理部34は、乗車需要情報データベース37cに蓄積されている様々な位置情報を解析することにより、地点毎の乗車需要の大きさの予想値を算出する。また、配車処理部34は、現在空車状態の各タクシー車両に対して、乗車需要の予想値が大きい地点に優先的に移動して待機するように指示を与える。
 
【0049】
  商業情報提供処理部35は、各無人タクシー車両に乗車している乗客に対して、該当する乗客が必要とする商業施設情報を商業施設情報データベース37dから自動的に抽出して該当する車両に提供する。
 
【0050】
  商業施設情報データベース37dは、様々な商業施設について、例えば該当する商業施設の種類、営業時間、料金などの情報を所在地の位置情報に対応付けて保持しており、必要に応じて最新の情報に更新される。したがって、商業情報提供処理部35は各乗客の現在位置や行き先の位置に近い商業施設の情報を自動的に抽出できる。
 
【0051】
  また、事前に個人情報の利用を承諾した乗客については、商業情報提供処理部35は、過去に利用した際の乗車地点、行き先、各地点の近傍に存在する商業施設の種類などの個人情報を、ユーザ毎に個別に個人情報データベース37eで蓄積して管理している。また、個人情報データベース37eで個人情報を管理している乗客に対しては、商業情報提供処理部35は該当する個人情報を利用してより適切な商業施設の情報を商業施設情報データベース37dから抽出する。例えば、過去に利用した可能性の高い商業施設と同じ種類の商業施設の情報を優先的に抽出する。
 
【0052】
  乗客状態管理処理部36は、各無人タクシー車両に乗車している各乗客について、健康状態を主体とする状態情報をタクシーメータ車載器10から取得して管理している。そして、乗客に異常が発生したことを検知した場合には、乗客状態管理処理部36は特別な処理を実施する。例えば、該当するタクシー車両の予定走行経路を自動的に修正する。これにより、例えば乗客が意識を失った場合や病気を発症したような場合には、無人タクシー車両が行き先(目的地)に到着する前に、近くの病院や警察署に立ち寄って救助を求めることが可能になる。
 
【0053】
  次に、システムの動作の概要を説明する。
  無人タクシー車両におけるタクシーメータシステムの動作の概要を
図4に示す。
  無人タクシー車両の運行を開始する場合には、この無人タクシーを利用する乗客の情報をステップS01で外部サーバ30に自動的に入力する。例えば、乗車前のユーザが電話や携帯端末などを利用してタクシーの配車を要求した場合には、その要求に応じた乗客の情報が外部サーバ30に入力される。
 
【0054】
  この要求に従って、指定先の地点まで無人タクシー車両を運行するように、外部サーバ30がタクシーメータ車載器10に対して配車指定先および走行経路の指示を与える。タクシーメータ車載器10は、この配車指定先および走行経路を自動運転制御部21に与える。その結果、無人タクシー車両は最初の地点からユーザの配車指定先まで自動運転で運行する(S02)。
 
【0055】
  また、ユーザの要求が存在しない場合には、事前に定めた初期情報の地域について、無人タクシー車両が流し運転する(S02)ように外部サーバ30がタクシーメータ車載器10に指示を与える。
 
【0056】
  無人タクシー車両が配車指定先に到着した後で、あるいは流し運転している時に、タクシーメータ車載器10又は自動運転制御部21が車載カメラの映像に基づき乗車前の乗客を検知すると(S03)、所定の乗車処理を実施する(S04)。すなわち、ドアの自動開閉を実施して乗客を乗車させた後、マイク付きリモコン19又はスマートフォン22のユーザ操作による行き先情報の入力をタクシーメータ車載器10が受け付ける。そして、入力された行き先情報に基づき、外部サーバ30が行き先までの最適な走行経路を決定する。この走行経路の情報が、タクシーメータ車載器10を経由して自動運転制御部21に入力されると、自動運転制御部21は指定された走行経路に沿って無人タクシー車両を運行する。
 
【0057】
  無人タクシー車両がユーザ(現在乗車している乗客)により指定された行き先に到着すると、外部サーバ30およびタクシーメータ車載器10が所定の終了処理を実施する(S05)。すなわち、乗客の今回の乗車から到着までの運行に関する運賃を確定し、決済端末16による料金の精算を実施する。更に、ドアの自動開閉を実施して、乗客の降車を完了させる。
 
【0058】
  乗客の降車後、つまり「空車」に切り替わった後で、システムが別の乗客を検知した場合には、ステップS01又はS02に戻って無人タクシー車両の運行を繰り返す。
 
【0059】
<システムの特徴的な動作例(1)>
  本発明の実施形態のタクシーメータシステムにおける特徴的な動作例(1)に関するタクシーメータ車載器10の動作を
図5に示す。
図5に示した動作について以下に説明する。
 
【0060】
  ステップS11では、タクシーメータ車載器10のタクシー管理部11が、自車両(無人タクシー車両)が「空車」状態で新たな乗客の乗車を検知したか否かを識別する。乗車を検知すると次のステップS12に進む。
 
【0061】
  ステップS12では、タクシー管理部11は自車両(無人タクシー車両)の運行状態を「空車」から「実車」状態に切り替えた後、マイク付きリモコン19又はスマートフォン22によるユーザからの行き先情報の入力を受け付ける。
 
【0062】
  ステップS13では、タクシー管理部11は、GPS受信機15を利用して自車両の現在位置の情報を取得する。
 
【0063】
  ステップS14では、タクシー管理部11は、ステップS12で入力された行き先情報と、ステップS13で取得した現在地の位置情報とを、無線通信モジュール13を経由して外部サーバ30に送信する。
 
【0064】
  一方、外部サーバ30においては、各無人タクシー車両のタクシーメータ車載器10がステップS14で送信する情報を受信すると、この情報に基づいて走行経路算出処理部31が該当する無人タクシー車両の適切な走行経路を自動的に算出する。そして、外部サーバ30は算出した予定走行経路を表す経路情報をタクシーメータ車載器10に対して無線送信する。
 
【0065】
  タクシーメータ車載器10のタクシー管理部11は、外部サーバ30が送信する前記経路情報をステップS15で受信すると、次のステップS16の処理に進む。
 
【0066】
  ステップS16では、タクシー管理部11は、外部サーバ30から受信した前記経路情報に基づき、乗客が指定した行き先までの予定走行経路の情報を自動運転制御部21に与える。その結果、自動運転制御部21は自動運転による自車両の運行を開始する。
 
【0067】
  ステップS17では、タクシー管理部11は、「実車」状態における自車両の走行中の処理を実行する。具体的には、車速パルスSG1に基づく走行距離の算出、「実車」に切り替わった時点からの経過時間の算出、現在位置情報の更新、外部サーバ30への各情報の無線送信などをタクシー管理部11が実施する。
 
【0068】
  一方、外部サーバ30においては、料金算出処理部32が各無人タクシー車両における乗客の料金(運賃)を、タクシーメータ車載器10から送信された最新の情報に基づいて常時算出している。すなわち、事前に定めた基本料金、走行距離に応じた加算料金、経過時間に応じた加算料金などの総和を料金算出処理部32が料金として算出する。外部サーバ30は、料金算出処理部32が算出した料金の情報を該当する無人タクシー車両に搭載されたタクシーメータ車載器10に対して逐次無線送信する。
 
【0069】
  タクシーメータ車載器10のタクシー管理部11は、外部サーバ30が送信する料金の情報をステップS18で受信する。そして、最新の料金の情報を受信したタクシー管理部11は、ステップS19で乗客に提示する料金の表示内容を更新する。この料金の表示は、例えばディスプレイ21aの画面、マイク付きリモコン19の画面、スマートフォン22の画面などに表示される。
 
【0070】
  外部サーバ30およびタクシーメータ車載器10の少なくとも一方は、乗客により指定された無人タクシー車両の行き先の位置と、現在位置とを逐次比較することにより、行き先、すなわち目的地に到着したか否かを識別する。行き先の到着すると、ステップS20からS21の処理に進む。
 
【0071】
  ステップS21では、タクシー管理部11の指示により、あるいは外部サーバ30上の料金算出処理部32の自動識別により、料金算出処理部32が料金を確定する。これにより、タクシーメータ車載器10の状態は「支払い」状態に移行し、決済処理を実行する。すなわち、料金算出処理部32が確定した料金に対する乗客の支払いを、決済端末16を用いて処理する。乗客の支払いが完了し、乗客の降車を検知すると、タクシーメータ車載器10の状態は「支払い」から「空車」に自動的に切り替わり、ステップS11の処理に戻って上記と同じ動作を繰り返す。
 
【0072】
<システムの特徴的な動作例(2):異常発生時の点検>
  本発明の実施形態のタクシーメータシステムにおける特徴的な動作例(2)に関するタクシーメータ車載器10および外部サーバ30の動作を
図6に示す。
図6に示した動作について以下に説明する。
 
【0073】
  タクシーメータ車載器10のタクシー管理部11は、自動運転制御部21との間で通信することにより、あるいは車両に搭載されている各種電子制御装置(ECU)との間で通信することにより、様々な車両情報を定期的に取得する(S31)。具体的には、車両各部の油圧、水温、電源電圧、電流、車速、エンジン回転速度、走行距離等を表す車両情報を取得することが想定される。
 
【0074】
  タクシー管理部11は、ステップS31で取得した最新の車両情報をステップS32で外部サーバ30に対して無線送信する。
 
【0075】
  外部サーバ30においては、タクシーメータ車載器10がステップS32で送信する車両情報を受信して、自動車両点検処理部33の制御により車両情報データベース37bに蓄積し車両毎に個別に管理する(S33)。
 
【0076】
  自動車両点検処理部33は、車両情報データベース37bに蓄積している車両毎の車両情報の解析を定期的に実施する(S34)。この解析により、該当する車両の消耗や劣化の状態、故障などの異常の有無を自動的に識別することができる。そして、自動車両点検処理部33が車両の異常を検知すると、ステップS35からS36の処理に進む。
 
【0077】
  ステップS36では、自動車両点検処理部33は、異常を検知した特定の車両に対して、該当する異常に対処するための処置情報を、無線通信によりタクシーメータ車載器10に自動的に送信する。
 
【0078】
  タクシーメータ車載器10のタクシー管理部11は、外部サーバ30が送信する前記処置情報をステップS37で受信する。そして、前記処置情報を受信するとタクシー管理部11はステップS38の処理に進む。
 
【0079】
  ステップS38では、無人タクシーの運行を一時的に休止して所定の点検モードに移行する。この点検モードでは、例えば、自動運転制御部21に指示を与えて事前に定めた場所の整備工場まで自動運転で自走して移動するか、又は所定の管理者に点検に関するメッセージを送信するようにタクシー管理部11が制御する。
 
【0080】
  図6に示した制御を実施することにより、無人タクシー車両の運行に重大な問題が発生する前に、異常の発生を自動的に検知して対処することができる。したがって、無人タクシー車両であっても、運転手が存在する一般的なタクシーと同様に、安全な運行を継続することができる。
 
【0081】
<システムの特徴的な動作例(3):配車制御>
  本発明の実施形態のタクシーメータシステムにおける特徴的な動作例(3)に関する外部サーバ30の動作を
図7に示す。
図7に示した動作について以下に説明する。
 
【0082】
  外部サーバ30においては、各無人タクシー車両のタクシーメータ車載器10が
図5のステップS14で送信する行き先情報、現在地情報を受信すると、配車処理部34がこれらの情報を乗車需要情報データベース37cに蓄積して管理する(S41)。
 
【0083】
  配車処理部34は、乗車需要情報データベース37cに蓄積している行き先情報、現在地情報を、例えば定期的に解析して、乗車需要の高低を地点毎に予想する。例えば、過去に乗客の乗車が検知された地点や行き先として指定された地点は、この先も乗車需要がある可能性が高いと考えられる。また、乗客の乗車が検知された地点や行き先として指定された地点が同じ場所に集中している場合には、当該地点は乗車需要が高い地点とみなすことが可能である。また、同じ地点について、乗客の乗車地点や行き先地点として検出される頻度が増加傾向であれば、当該地点は乗車需要が高くなると予想することができる。また、時間帯毎に区別して乗車需要を予想すれば、予想の精度を高めることが可能である。配車処理部34は、乗車需要が高いと予想される各地点の情報を乗車需要情報データベース37cに登録して逐次更新する。
 
【0084】
  外部サーバ30の配車処理部34は、各無人タクシー車両のタクシーメータ車載器10の状態を把握しており、「空車」か否かをステップS43で識別する。「空車」の無人タクシー車両を検知すると、配車処理部34はステップS44の処理に進む。
 
【0085】
  ステップS44では、配車処理部34は、乗車需要情報データベース37cの内容に基づき、空車状態の車両の現在位置を考慮して、乗車需要が高いと予想される適切な地点に当該車両を優先的に配車するための指示を、無線通信によりタクシーメータ車載器10に送信する。
 
【0086】
  空車状態の無人タクシー車両に搭載されているタクシーメータ車載器10は、外部サーバ30から送信される指示に従って、指定された乗車需要の高い地点まで自動運転により予め移動するように自動運転制御部21に指示を与える。これにより、新たな乗客を短時間で確保することが容易になる。
 
【0087】
<システムの特徴的な動作例(4):情報提供制御>
  本発明の実施形態のタクシーメータシステムにおける特徴的な動作例(4)に関するタクシーメータ車載器10および外部サーバ30の動作を
図8に示す。
図8に示した動作について以下に説明する。
 
【0088】
  タクシーメータ車載器10においては、
図8のステップS12Bで乗客からの行き先情報と共に、ユーザIDの入力を受け付ける。ここで入力されるユーザIDは、個人情報の利用を事前に承諾した各登録ユーザに個別に割り当てられた識別情報である。タクシーメータシステムは、入力されるユーザIDにより個別のユーザを区別することができる。
 
【0089】
  図8のステップS14Bでは、タクシーメータ車載器10のタクシー管理部11は、行き先情報、ユーザID、現在地情報を無線通信モジュール13を経由して外部サーバ30に対して無線送信する。
 
【0090】
  外部サーバ30においては、タクシーメータ車載器10がステップS14Bで送信する情報を受信すると、これらの情報に基づいて、商業情報提供処理部35が、ユーザID毎に区別して、行き先情報、現在地情報などを個人情報データベース37eに蓄積して管理する。
 
【0091】
  外部サーバ30の商業情報提供処理部35は、各無人タクシー車両の乗客に対して商業施設情報を提供しようとする場合には、事前にユーザIDを登録した乗客か否かをステップS52で識別して異なる処理を実施する。すなわち、ユーザIDを登録した乗客の場合はステップS53に進み、ユーザIDを登録していない乗客の場合はステップS55に進む。
 
【0092】
  ステップS53では、商業情報提供処理部35は、個人情報データベース37eで管理されている該当するユーザIDの乗客に関する移動履歴に基づき、関連性の高い地域や該当するユーザの嗜好を優先情報として選択する。例えば過去に検出されたユーザの乗車地点や移動先の近傍に存在する商業施設の種類などに基づいて、ユーザの関連性のある施設やユーザの嗜好に合った施設を選択することが可能になる。
 
【0093】
  ステップS54では、商業情報提供処理部35は、ステップS53で選択した優先情報と、現在地や行き先の位置情報とに基づいて、適切な商業施設情報を商業施設情報データベース37dから抽出する。
 
【0094】
  ステップS55では、商業情報提供処理部35は、現在地や行き先の位置情報に基づいて、適切な商業施設情報を商業施設情報データベース37dから抽出する。
 
【0095】
  ステップS56では、商業情報提供処理部35は、ステップS54又はS55で抽出した商業施設情報を、該当する無人タクシー車両に搭載されたタクシーメータ車載器10に対して無線送信する。
 
【0096】
  一方、タクシーメータ車載器10においては、外部サーバ30が
図8のステップS56で無線送信する商業施設情報をステップS57で受信し、タクシー管理部11の処理はステップS58に進む。
 
【0097】
  ステップS58では、タクシー管理部11は外部サーバ30から受信した商業施設情報の内容を乗客に提示する。例えば、映像、文字、音声などの情報として、商業施設情報をディスプレイ21a、マイク付きリモコン19、スマートフォン22などに出力する。
 
【0098】
  図8に示した制御を実施することにより、無人タクシー車両に乗車している各乗客に対して、該当する乗客が必要とする商業施設情報を自動的に提供することが可能になる。特に個人の移動履歴を個人情報データベース37eで管理して利用することにより、乗客が特別な入力操作をしなくても、乗客が必要とする商業施設情報を優先的に自動選択し提供することが可能になる。
 
【0099】
<システムの特徴的な動作例(5):乗客の状態に応じた自動経路変更>
  本発明の実施形態のタクシーメータシステムにおける特徴的な動作例(5)に関するタクシーメータ車載器10および外部サーバ30の動作を
図9に示す。
図9に示した動作について以下に説明する。
 
【0100】
  タクシーメータ車載器10の乗客状態検知部12は、車載カメラ17が撮影した車室内乗客の映像や、マイク18で集音した音声の情報を解析することにより、乗客の健康状況を含む様々な状態をリアルタイムで自動的に検出する(S61)。
 
【0101】
  ステップS62では、タクシーメータ車載器10のタクシー管理部11はGPS受信機15を利用して現在地の位置情報を取得する。
 
【0102】
  ステップS63では、タクシー管理部11は、現在地の位置情報、および乗客状態検知部12が検知した乗客の健康状態の情報を、無線通信モジュール13を経由して外部サーバ30に無線送信する。
 
【0103】
  外部サーバ30においては、タクシーメータ車載器10がステップS63で送信する情報をステップS64で受信する。そして、外部サーバ30内の乗客状態管理処理部36が、受信した乗客の健康状態の情報を事前に定めた閾値と比較することにより、異常発生の有無を自動的に識別する。
 
【0104】
  乗客状態管理処理部36は、乗客の異常発生を検知すると、ステップS65からS66の処理に進む。ステップS66では、乗客状態管理処理部36は、該当する無人タクシー車両の現在位置と、乗客の異常の種類とに基づいて、特定の施設が存在する場所を立ち寄り地点に決定する。特定の施設の具体例としては、例えば近くの病院や警察署など、乗客の救助に役立つ施設が想定される。
 
【0105】
  ステップS67では、事前に指定された行き先に向かう前に、ステップS66で決定した立ち寄り地点に向かうように、乗客状態管理処理部36が該当する無人タクシー車両の経路情報(走行経路算出処理部31が決定した経路)を自動的に修正する。そして、次のステップS68で、乗客状態管理処理部36は、経路情報の変更指示を該当する無人タクシー車両のタクシーメータ車載器10に対して無線送信する。
 
【0106】
  タクシーメータ車載器10においては、外部サーバ30がステップS68で送信する経路情報の変更指示をステップS69で受信する。そして、タクシー管理部11がステップS70の処理を実行する。すなわち、タクシー管理部11はステップS66で決定した立ち寄り地点に向かうように、自動運転制御部21に対して経路の変更を指示する。
 
【0107】
  図9に示した制御を実施することにより、無人タクシー車両の場合であっても、乗客の健康状態などに異変が生じたような場合に、指定された行き先に到着する前に、特定の施設に立ち寄って救助などの処置を施すことが容易になる。
 
【0108】
  なお、乗客に対して提示する料金表示について、
図5に示した制御においては、現在の一般的なタクシーメータの場合と同様に、行き先にタクシー車両が到着した時点で料金を確定している。しかし、タクシー車両が行き先に到着する前であっても、行き先と現在位置とが確定した時点で、乗客が支払うべき料金を確定するように変更することも可能である。
 
【0109】
  ここで、上述した本発明に係るタクシーメータシステムの実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]〜[5]に簡潔に纏めて列記する。
[1]  車両に搭載される車両側装置(タクシーメータ車載器10)と、
  前記車両側装置と無線通信により接続された外部装置(外部サーバ30)と、
  を備え、
  前記車両側装置は、前記車両への乗客の乗車を検知する乗車検知部(乗客状態検知部12又は乗降検知部14)と、
  前記乗車検知部により前記車両への乗客の乗車が検知された場合に、前記乗客の行き先情報の入力を受け付ける行き先入力部(マイク付きリモコン19)と、
  前記車両の現在地情報を所定時間毎に取得する現在地情報取得部(GPS受信機15)と、
  前記行き先情報および前記現在地情報を前記外部装置に送信する車両側通信部(無線通信モジュール13)と、を有し、
  前記外部装置は、
  前記乗客に対する料金を算出する料金算出部(料金算出処理部32)と、
  算出された前記料金を前記車両側通信部に送信する外部側通信部(無線通信装置38)と、を有し、
  前記料金算出部は、前記行き先情報が入力されると前記料金の算出を開始し、前記現在地情報の表す地点が前記行き先情報の表す地点と一致したと判定すると、前記料金を確定する、
  ことを特徴とするタクシーメータシステム。
 
【0110】
[2]  前記車両側通信部は、前記車両の各部の状態を表す車両情報を前記外部装置に送信する機能(S32)を有し、
  前記外部装置は、前記車両側通信部から受信した前記車両情報を車両毎に収集して解析し(S34)、前記解析の結果により所定の異常を検知した場合には所定の処置情報を前記車両に対して送信する(S36)自動点検部(自動車両点検処理部33)を有する、
  上記[1]に記載のタクシーメータシステム。
 
【0111】
[3]  前記外部装置は、各車両の前記車両側通信部から受信した前記行き先情報および前記現在地情報の少なくとも一方を蓄積し(S41)、蓄積した前記行き先情報又は前記現在地情報に基づいて乗車需要の高低を地点毎に予想し(S42)、予想した乗車需要が高い地点に対して前記車両を優先的に事前配車する(S44)配車制御部(配車処理部34)を有する、
  上記[1]に記載のタクシーメータシステム。
 
【0112】
[4]  前記外部装置は、前記車両側通信部から受信したユーザ毎の前記行き先情報および前記現在地情報の少なくとも一方に基づいて、関連する地域の商業施設情報を取得し(S53,S54)、前記商業施設情報を前記車両側装置に送信する(S56)情報提供制御部(商業情報提供処理部35)を有する、
  上記[1]に記載のタクシーメータシステム。
 
【0113】
[5]  前記車両側装置は、前記車両の車室内にいる乗客の状態を撮影する車載カメラ(17)の映像に基づき、少なくとも前記乗客の健康状態を表す乗客情報を取得し(S61)、
  前記乗客情報により前記乗客に異常が発生したことを検知した場合には、前記車両側装置および前記外部装置の少なくとも一方が、前記車両の予定移動経路を自動的に変更する(S65〜S70)
  上記[1]乃至[4]のいずれかに記載のタクシーメータシステム。