特許第6871026号(P6871026)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871026
(24)【登録日】2021年4月19日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】賞品管理システムおよび賞品保管装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20210426BHJP
【FI】
   A63F7/02 329
   A63F7/02 354
【請求項の数】10
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2017-53030(P2017-53030)
(22)【出願日】2017年3月17日
(65)【公開番号】特開2018-153449(P2018-153449A)
(43)【公開日】2018年10月4日
【審査請求日】2019年11月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】特許業務法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関 浩章
(72)【発明者】
【氏名】藤田 裕一
【審査官】 平井 隼人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−106853(JP,A)
【文献】 特開2004−097319(JP,A)
【文献】 特開2010−075524(JP,A)
【文献】 特開2010−233640(JP,A)
【文献】 特開平08−171592(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗において、顧客が獲得した遊技媒体との間で交換処理が行われる賞品を管理する賞品管理システムであって、
賞品を収納する複数の収納手段と、
各収納手段に対応して設けられ、対応する収納手段に新たに収納された賞品を計数する計数手段と、
店舗内の賞品を管理する賞品管理手段と
前記計数手段によって計数された賞品の数を、店舗に新たに仕入れられた賞品の数である仕入れ数、または店舗に以前に仕入れられた賞品であって当該収納手段に移動された賞品の数である移動数のいずれであるかを判別可能な態様で前記賞品管理手段に送信する送信手段とを含み、
前記賞品管理手段は、前記送信手段からの送信内容に基づいて、前記計数手段によって計数された前記賞品の数を、前記仕入れ数と前記移動数とに区別して管理することを特徴とする賞品管理システム。
【請求項2】
前記収納手段と、当該収納手段に対応する前記計数手段とを含む複数の賞品保管装置をさらに含み、
前記賞品管理手段は、前記賞品保管装置とは別個に、かつ当該賞品保管装置と通信可能に設けられた賞品管理装置を含むことを特徴とする請求項1に記載の賞品管理システム。
【請求項3】
前記送信手段が、各賞品保管装置に設けられ、前記計数手段によって計数された賞品の数を、前記賞品管理装置に対し、前記仕入れ数または前記移動数のいずれであるかを判別可能な態様で送信する第1の送信手段を含むことを特徴とする請求項2に記載の賞品管理システム。
【請求項4】
各賞品保管装置は、
前記収納手段に新たに収納される賞品が、店舗に新たに仕入れられた賞品、または店舗に以前に仕入れられた賞品であって当該収納手段に移動された賞品のいずれであるかを示す識別情報を入力する入力手段をさらに含み、
前記第1の送信手段は、前記計数手段によって計数された賞品の数を、前記入力手段によって入力された前記識別情報の内容に対応する前記態様で送信することを特徴とする請求項3に記載の賞品管理システム。
【請求項5】
各賞品保管装置は、
前記収納手段に収納されている賞品を払い出す払出手段と、
前記払出手段によって払い出される賞品の数を前記賞品管理装置に送信する第2の送信手段とをさらに含むことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の賞品管理システム。
【請求項6】
前記賞品管理手段は、
店舗内の賞品の在庫である店内在庫または各収納手段に収納されている賞品の在庫である収納在庫をそれぞれ記憶する在庫記憶手段と、
前記在庫記憶手段に記憶されている前記店内在庫または前記収納在庫を、前記計数手段によって計数された賞品の数、および当該賞品の数が前記仕入れ数または前記移動数のいずれであるかに基づいて更新する在庫更新手段とを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の賞品管理システム。
【請求項7】
店舗に新たに仕入れられるべき賞品の数である予定仕入れ数を受信する予定仕入れ数受信手段をさらに含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の賞品管理システム。
【請求項8】
前記計数手段によって計数された賞品の数と、前記予定仕入れ数受信手段に受信された予定仕入れ数とが一致しない場合に、その旨を報知する不一致報知手段をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の賞品管理システム。
【請求項9】
店舗に設置され、顧客が獲得した遊技媒体との間で交換処理が行われる賞品を保管する賞品保管装置であって、
賞品を収納する収納手段と、
前記収納手段に新たに収納された賞品を計数する計数手段と、
前記計数手段によって計数された賞品の数を、店舗に新たに仕入れられた賞品の数である仕入れ数であるか、あるいは店舗に以前に仕入れられた賞品であって当該収納手段に移動された賞品の数である移動数であるかを判別可能な態様で装置外に出力する出力手段とを含むことを特徴とする賞品保管装置。
【請求項10】
前記収納手段に新たに収納された賞品が、店舗に新たに仕入れられた賞品、または店舗に以前に仕入れられた賞品であって当該収納手段に移動された賞品のいずれであるかを示す識別情報を入力する入力手段をさらに含み、
前記出力手段は、前記計数手段によって計数された賞品の数を、前記入力手段によって入力された識別情報の内容に対応する態様で出力することを特徴とする請求項9に記載の賞品保管装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、賞品管理システム、およびそれに用いられる賞品保管装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技店等の店舗には、賞品と遊技媒体(たとえば、パチンコ玉)との交換を管理する賞品管理システムが設けられている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の賞品管理システムは、賞品を払い出すための賞品払出装置と、賞品払出装置と通信可能に接続されて賞品払出装置を管理する賞品管理装置とを含む。賞品管理装置は、賞品と遊技媒体との交換による賞品払出しおよび賞品の在庫を管理している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016−005700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技店等の店舗では、開店前に、問屋から賞品が新たに仕入れられる。賞品は、所定の金銭価値を有する特殊賞品を含む。
仕入れの際に行われる検品作業では、仕入れられた特殊賞品の数を店員が手作業で数える。手作業で行う検品作業では、ミスが生じるおそれがある。また、仕入れられた特殊賞品の数は賞品管理装置や帳簿で管理されるが、仕入れられた特殊賞品の数(以下、単に「仕入れ数」という場合がある)を、店員が、賞品管理装置に手入力したり帳簿に書き写したりする際に、ミスが生じるおそれがある。これらのミスに伴って、問屋から仕入れられた特殊賞品の数と、「仕入れられた特殊賞品の数」として賞品管理装置や帳簿において管理されている数とが食い違うおそれがある。したがって、仕入れ数を正確に管理することが望まれている。
【0005】
そこで、本発明の目的は、仕入れ数を正確に管理することができる賞品管理システム、およびそれに用いられる賞品保管装置を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
の発明は、店舗において、顧客が獲得した遊技媒体との間で交換処理が行われる賞品を管理する賞品管理システムであって、賞品を収納する複数の収納手段と、各収納手段に対応して設けられ、対応する収納手段に新たに収納された賞品を計数する計数手段と、店舗内の賞品を管理する賞品管理手段とを含み、前記賞品管理手段は、前記計数手段によって計数された賞品の数を、店舗に新たに仕入れられた賞品の数である仕入れ数と、店舗に以前に仕入れられた賞品であって当該収納手段に移動された賞品の数である移動数とに区別して管理することを特徴とする賞品管理システムを提供する。前記賞品管理システムが、前記計数手段によって計数された賞品の数を、店舗に新たに仕入れられた賞品の数である仕入れ数、または店舗に以前に仕入れられた賞品であって当該収納手段に移動された賞品の数である移動数のいずれであるかを判別可能な態様で前記賞品管理手段に送信する送信手段をさらに含んでいてもよい。また、前記賞品管理手段が、前記送信手段からの送信内容に基づいて、前記計数手段によって計数された前記賞品の数を、前記仕入れ数と前記移動数とに区別して管理してもよい。
【0007】
この発明の一実施形態では、前記賞品管理システムが、前記収納手段と、当該収納手段に対応する前記計数手段とを含む複数の賞品保管装置をさらに含む。そして、前記賞品管理手段は、前記賞品保管装置とは別個に、かつ当該賞品保管装置と通信可能に設けられた賞品管理装置を含む。
この発明の一実施形態では、前記送信手段が、各賞品保管装置に設けられ、前記計数手段によって計数された賞品の数を、前記賞品管理装置に対し、前記仕入れ数または前記移動数のいずれであるかを判別可能な態様で送信する第1の送信手段を含む。
【0008】
この発明の一実施形態では、各賞品保管装置は、前記収納手段に新たに収納された賞品が、店舗に新たに仕入れられた賞品、または店舗に以前に仕入れられた賞品であって当該収納手段に移動された賞品のいずれであるかを示す識別情報を入力する入力手段をさらに含む。そして、前記第1の送信手段は、前記計数手段によって計数された賞品の数を、前記入力手段によって入力された前記識別情報の内容に対応する前記態様で送信する。
【0009】
この発明の一実施形態では、各賞品保管装置は、前記収納手段に収納されている賞品を払い出す払出手段と、前記払出手段によって払い出される賞品の数を前記賞品管理装置に送信する第2の送信手段とをさらに含む。
この発明の一実施形態では、前記賞品管理手段は、店舗内の賞品の在庫である店内在庫または各収納手段に収納されている賞品の在庫である収納在庫をそれぞれ記憶する在庫記憶手段と、前記在庫記憶手段に記憶されている前記店内在庫または前記収納在庫を、前記計数手段によって計数された賞品の数、または当該賞品の数が前記仕入れ数または前記移動数のいずれであるかに基づいて更新する在庫更新手段とを含む。
【0010】
この発明の一実施形態では、前記賞品管理システムが、店舗に新たに仕入れられるべき賞品の数である予定仕入れ数を受信する予定仕入れ数受信手段をさらに含む。
この発明の一実施形態では、前記賞品管理システムが、前記計数手段によって計数された賞品の数と、前記予定仕入れ数受信手段に受信された予定仕入れ数とが一致しない場合に、その旨を報知する不一致報知手段をさらに含む。
【0011】
の発明は、店舗に設置され、顧客が獲得した遊技媒体との間で交換処理が行われる賞品を保管する賞品保管装置であって、賞品を収納する収納手段と、前記収納手段に新たに収納された賞品を計数する計数手段と、前記計数手段によって計数された賞品の数を、店舗に新たに仕入れられた賞品の数である仕入れ数であるか、あるいは店舗に以前に仕入れられた賞品であって当該収納手段に移動された賞品の数である移動数であるかを判別可能な態様で装置外に出力する出力手段とを含むことを特徴とする賞品保管装置を提供する。
【0012】
この発明の一実施形態では、前記賞品保管装置が、前記収納手段に新たに収納された賞品が、店舗に新たに仕入れられた賞品、または店舗に以前に仕入れられた賞品であって当該収納手段に移動された賞品のいずれであるかを示す識別情報を入力する入力手段をさらに含む。そして、前記出力手段は、前記計数手段によって計数された賞品の数を、前記入力手段によって入力された識別情報の内容に対応する態様で出力する。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、収納手段に収納された賞品は、計数手段によって計数され、その計数された賞品の数が仕入れ数と移動数とに区別して管理される。そのため、店舗に新たに仕入れられた賞品を計数し、かつその計数された賞品の数を仕入れ数として管理することができる。これにより、仕入れ数を正確に管理することができる。
この発明の一実施形態によれば、賞品保管装置の収納手段に収納された賞品は、計数手段によって計数され、その計数された賞品の数が、賞品管理装置において仕入れ数と移動数とに区別して管理される。そのため、店舗に新たに仕入れられた賞品を計数し、かつその計数された賞品の数を賞品管理装置において仕入れ数として管理することができる。これにより、仕入れ数を正確に管理することができる。
【0014】
この発明の一実施形態によれば、賞品保管装置は、計数された賞品の数を、仕入れ数または移動数のいずれであるかを判別可能な態様で、賞品管理装置に送信する。そのため、賞品管理装置は、賞品保管装置から送られてきた賞品の数が仕入れ数なのかあるいは移動数なのかを把握することができる。これにより、賞品管理装置において、仕入れ数をより一層正確に管理することができる。
【0015】
この発明の一実施形態によれば、収納手段に新たに収納された賞品が、店舗に新たに仕入れられた賞品であるのか、あるいは、店舗に以前に仕入れられた賞品であって収納手段に移動された賞品であるのかを、入力手段を用いて利用者が入力する。そして、その入力結果に基づいて、賞品保管装置は、計数された賞品の数を、仕入れ数または移動数のいずれであるかを判別可能な態様で、賞品管理装置に送信する。利用者の入力操作により、計数された賞品の数が仕入れ数であるのか、あるいは移動数であるのかを定めることができるので、賞品保管装置は、送信する賞品の数の態様を、仕入れ数または移動数のいずれに、正しく定めることができる。
【0016】
この発明の一実施形態によれば、賞品保管装置は、払出手段によって払い出される賞品の数を賞品管理装置に送信する。賞品管理装置が、仕入れ数や移動数に加えて、払い出される賞品の数も正確に把握することができる。これにより、賞品管理装置によって、賞品保管装置に収納されている賞品の数(収納在庫)を正確に管理することが可能である。
この発明の一実施形態によれば、賞品管理手段は、在庫記憶手段に記憶されている店内在庫または収納在庫を、計数手段によって計数された賞品の数、または当該賞品の数が仕入れ数または前記移動数のいずれであるかに基づいて更新する。これにより、賞品管理手段において、店内在庫および収納在庫を正確に管理することができる。
【0017】
この発明の一実施形態によれば、店舗に新たに仕入れられるべき賞品の予定仕入れ数が受信される。この予定仕入れ数と、計数手段によって計数された賞品の数(仕入れ数)とを比較することにより、利用者は、店舗に実際に仕入れられた(納品された)賞品の数が、予定仕入れ数と一致しているか否かを確認することが可能である。
この発明の一実施形態によれば、計数手段によって計数された賞品の数(仕入れ数)と、予定仕入れ数とが異なっている場合には、その旨の報知を行うことにより、店舗の店員等にその旨を気づかせることができる。
【0018】
この発明の一実施形態によれば、収納手段に収納された賞品は、計数手段によって計数される。そして、賞品保管装置は、計数された賞品の数を、仕入れ数または移動数のいずれであるかを判別可能な態様で出力する。そのため、装置外において、賞品保管装置から送られてきた賞品の数が仕入れ数なのかあるいは移動数なのかを把握することが可能である。したがって、機外において仕入れ数を正確に管理することができる。
【0019】
この発明の一実施形態によれば、収納手段に新たに収納された賞品が、店舗に新たに仕入れられた賞品であるのか、あるいは、店舗に以前に仕入れられた賞品であって収納手段に移動された賞品であるのかを、入力手段を用いて利用者が入力する。その入力結果に基づいて、賞品保管装置は、計数された賞品の数を、仕入れ数または移動数のいずれであるかを判別可能な態様で送信する。利用者の入力操作により、計数された賞品の数が仕入れ数であるのか、あるいは移動数であるのかを定めることができるので、賞品保管装置は、送信する賞品の数の態様を、仕入れ数または移動数のいずれに、正しく定めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る賞品管理システムの構成を模式的に示す図である。
図2図2は、前記賞品管理システムの模式的な斜視図である。
図3図3は、通い箱の斜視図である。
図4図4は、前記賞品管理システムに含まれる賞品保管装置の収納ユニットにおける収納部の模式的な斜視図である。
図5図5は、前記収納ユニットの内部の模式的な右側面図である。
図6図6は、前記収納ユニットの内部の模式的な右側面図である。
図7図7は、前記賞品管理システムの電気的構成を示すブロック図である。
図8図8は、前記賞品管理機で管理されている在庫管理テーブルの内容を示す図である。
図9A図9Aは、前記賞品管理機で管理されている仕入れ数データの内容を示す図である。
図9B図9Bは、前記賞品管理機で管理されている移動数データの内容を示す図である。
図10A図10Aは、賞品保管装置に特殊賞品を新たに収納した場合の流れを説明するための図である。
図10B図10Bは、賞品保管装置に特殊賞品を新たに収納した場合の流れを説明するための図である。
図11図11は、前記収納ユニットの内部の模式的な右側面図である。
図12図12は、図1に示す操作表示部における表示内容の一例を示す図である。
図13A図13Aは、前記操作表示部における表示内容の一例を示す図である。
図13B図13Bは、前記操作表示部における表示内容の一例を示す図である。
図14図14は、仕入れ伝票を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る賞品管理システム1の構成を模式的に示す図である。図2は、賞品管理システム1の模式的な斜視図である。
賞品管理システム1は、遊技店(店舗)において賞品を管理するシステムである。この賞品は、遊技客(顧客)が獲得した遊技媒体との間で交換処理が行われるものである。
【0022】
図1に示すように、賞品管理システム1は、遊技店内(図1における一点鎖線の枠内)に設けられるものとして、賞品管理機3と、複数台(たとえば2台)の賞品保管装置4と、賞品管理機3の上位装置となるターミナルコンピュータ(略して「T/C」)5とを含む。この実施形態では、賞品管理機3およびT/C5が、賞品を管理する賞品管理手段として機能する。
【0023】
賞品管理機3は、複数台の賞品保管装置4に収納されている賞品や、遊技店内に存在している賞品を管理する。具体的には、賞品管理機3は、カード状の賞品である特殊賞品Pの在庫や、菓子等の一般賞品の在庫を管理している。また、賞品管理機3は、賞品を管理するだけでなく、遊技客が獲得した遊技媒体を賞品に交換するための処理(交換処理)を行う装置でもあり、「POS」と呼ばれることもある。賞品管理機3は、図2に示すように、遊技店における受付カウンターC上に設置される。
【0024】
複数台の賞品保管装置4には、それぞれ号機番号が割り当てられている。図1の賞品管理システム1では、号機番号として、それぞれ、1号機および2号機が割り当てられている。複数台の賞品保管装置4の構成は、互いに共通している。
各賞品保管装置4は、それぞれ特殊賞品Pを収納する複数(たとえば3つ)の収納ユニット(収納手段)52を含む。賞品保管装置4は、内部に収納されている特殊賞品Pを払い出す機能を有しており、LAN(図示しない)等を介して賞品管理機3に対して通信可能に接続されている。
【0025】
T/C5は、いわゆるパソコンであって、遊技店内において、店員用の事務所等に設置されている。T/C5には、賞品管理機3が通信可能に接続されている。T/C5は、賞品の在庫数(収納在庫、店内在庫)、賞品の仕入れ数、賞品保管装置4からの賞品の払出し数等を管理している。また、T/C5は、賞品の管理のほか、遊技店全体における金銭についてのデータや、遊技客が遊技台での遊技によって獲得した遊技媒体(後述する持玉や貯玉)を管理している。T/C5は、遊技店外に設けられた管理センターPC6と、公衆回線を介して通信可能に接続されている。管理センターPC6(図1参照)は、賞品管理システム1(図1参照)が設置されている遊技店を外部から管轄する本部施設のパソコンである。本部施設とは、遊技店の外の施設であり、系列の複数の遊技店を統括している。管理センターPC6は、賞品管理装置(賞品管理機3およびT/C5)と無線通信できてもよい。また、管理センターPC6は、携帯端末100と無線通信可能に設けられている。
【0026】
特殊賞品P(カード状の賞品)の一例は、たとえば数ミリ程度の厚さを有する。この実施形態では、特殊賞品Pの表面の色が、特殊賞品Pの種類毎に異なっている。特殊賞品Pは、通い箱7(図2参照)に収容された状態で市場に流通する。特殊賞品Pは、問屋から、通い箱7に収容された状態で遊技店に仕入れられる。
そして、遊技店に仕入れられた特殊賞品Pは、通い箱7に収容された状態のまま賞品保管装置4の収納ユニット52にセットされ、この状態で、賞品保管装置4は、特殊賞品Pの払い出しが可能になる。すなわち、特殊賞品Pを、手作業によって通い箱7から取り出して賞品保管装置4の収納ユニット52に移し替える必要がない。
【0027】
この実施形態では、後述するように、各賞品保管装置4が3つの収納ユニット52を備えている。1つの収納ユニット52に対し、最大12つの通い箱7をセット可能である。1つの通い箱7には、最大100枚の特殊賞品Pを収納可能である。したがって、1台の賞品保管装置4には、最大3600枚の特殊賞品Pを収納可能である。
この実施形態では、賞品管理システム1が2台の賞品保管装置4を備えている。2台の賞品保管装置4により、合計で、最大7200枚の特殊賞品Pを収納可能である。平均的な遊技店での1日に運用される特殊賞品Pの数は約6000〜7000枚であるので、平均的な遊技店であれば、2台の賞品保管装置4に収納される特殊賞品Pによって、店内の全ての特殊賞品Pを賄うことが可能であり、店内の全ての特殊賞品Pを2台の賞品保管装置4に収納しておくことができる。この場合、賞品保管装置4への特殊賞品Pの補充が不要であるため、補充のための特殊賞品Pを遊技店内に別に保管しておく必要はない。すなわち余剰の特殊賞品Pを遊技店内に保管しておく必要がないから、店員用の事務所等において、特殊賞品Pを保管するための事務所金庫を廃止することができる(事務所金庫レス運用)。このような事務所金庫レス運用では、店内における特殊賞品Pの数(店内在庫)は、2台の賞品保管装置4に収納されている特殊賞品Pの数(収納在庫)の合計に一致する。
【0028】
遊技店には、営業日の開店前に、特殊賞品Pが問屋から新たに仕入れられる。前述のような事務所金庫レス運用では、新たに仕入れられた特殊賞品Pは、事務所金庫でなく、2台の賞品保管装置4において保管される。したがって、新たに仕入れられた特殊賞品Pは、そのまま賞品保管装置4に収納される。このとき、通い箱7ごと特殊賞品Pが、賞品保管装置4に収納される。
【0029】
そして、賞品保管装置4に収納された特殊賞品Pの数を、収納ユニット52に設けられた識別計数部(計数手段)21(図4図5等参照)により計数することにより、仕入れ時の特殊賞品Pの検品が行われる。
仕入れ時の特殊賞品Pの検品を、識別計数部21で特殊賞品Pを機械的に計数することにより行うので、目視による検品作業に比べてその精度を著しく向上させることができる。また、仕入れ時の特殊賞品Pの検品作業を、識別計数部21を用いて行うため、仕入れ時に従来行っていた、店員の目視による検品作業を省略することができる。そのため、仕入れ時における店員の負担を軽減することができる。
【0030】
以下では、賞品保管装置4について詳しく説明する。図2に示すように、賞品保管装置4は、その外殻をなすボックス状に形成された装置本体51と、複数の収納ユニット52とを含む。装置本体51には、その前面の全域に亘る開口(図示しない)が形成されている。装置本体51の天面には、その略前半分を占める水平面である払出面51Bと、払出面51Bの後側Y2において左右方向Xに延び、払出面51Bよりも一段高い段部51Cとが設けられている。払出面51Bにおける後寄りの領域には、左右方向Xに長手の払出口51Dが形成されている。払出口51Dは、収納ユニット52と同数存在し、左右方向Xに並んで配置されている。
【0031】
賞品保管装置4は、払出口51Dを開閉するシャッタ53と、操作表示部54とを含む。シャッタ53は、左右方向Xに長手の板状に形成され、払出口51Dと同数存在する。各シャッタ53は、対応する払出口51Dを閉じた閉位置(図2参照)と、段部51C内に後退して払出口51Dを開いた開位置との間で前後方向Yにスライド可能である。各シャッタ53は、モータ等の駆動部(図示しない)の駆動力によって開閉される。操作表示部54は、例えばタッチパネルによって構成され、段部51C上などに配置される。操作表示部54には、店員向けの情報が表示される。店員は、操作表示部54を操作することによって、賞品保管装置4に指示を与えることができる。
【0032】
収納ユニット52は、特殊賞品Pを通い箱7ごと収納するものである。複数の収納ユニット52は、左右方向Xに並んでいる。図2に示すように装置本体51内に目一杯収容された状態における収納ユニット52は、前後方向Yにおける収容位置にある。図2に示すように全ての収納ユニット52が収容位置にある場合には、これらの収納ユニット52の前面が、面一となって収納ユニット52の開口を塞いだ状態にて、装置本体51から前側Y1に露出されている。収容位置にある各収納ユニット52の真上には、装置本体51の払出面51Bにおけるいずれか1つの払出口51Dが位置している。
【0033】
図3は、この実施形態で用いられる通い箱7の斜視図である。通い箱7は、所定方向(図3では左右方向)に長手のボックス状に形成されていて、例えば樹脂製である。通い箱7は、対向配置された一対の側壁8と、一対の側壁8間に架設された少なくとも2つ(図3では6つ)の区画壁9と、通い箱7の底をなす1つの閉塞壁10とを一体的に含む。
一対の側壁8は、通い箱7の長手方向Lにおいて長手の略長方形の板状に形成されていて、それぞれの板厚方向に沿って対向するように平行に配置されている。一対の側壁8の対向方向は、通い箱7において長手方向Lに直交する短手方向Sである。また、通い箱7の深さ方向Dは、長手方向Lおよび短手方向Sの両方に直交している。
【0034】
各区画壁9は、長手方向Lに一致した板厚方向を有する略矩形の板状に形成されている。区画壁9は、一対の側壁8において長手方向Lにおける一端縁間と他端縁間とに1つずつ架設され、残りの区画壁9は、長手方向Lに等間隔で並んだ状態で一対の側壁8の途中部間に架設されている。そのため、通い箱7には、大きさの等しい略直方体状の5つの収容空間11が、長手方向Lに等間隔で並んで形成されている。
【0035】
閉塞壁10は、深さ方向Dに一致した板厚方向を有し、長手方向Lにおいて長手の略長方形の板状に形成されている。閉塞壁10は、深さ方向Dにおける一方側(図3では下側)から各側壁8および各区画壁9に対して接続されていて、各収容空間11を当該一方側から塞いでいる。各収容空間11において深さ方向Dにおける他方側(図3では上側)の端部は、略矩形状の出入口12として、当該他方側へ開放されている。
【0036】
通い箱7は、出入口12とは別に設けられた開口部13を含む。開口部13は、長手方向Lにおいて各収容空間11と同じ位置に一対ずつ、この実施形態では5対設けられている。つまり、開口部13は、短手方向Sにおける通い箱7の両側において、5つずつ長手方向Lに等間隔で並んで設けられている。各対における2つの開口部13は、長手方向Lで同じ位置にあって、短手方向Sにおける通い箱7の中心を基準として対称になるように構成されている。各開口部13は、収容空間11を外部に露出させるスリット状であり、短手方向Sにおける閉塞壁10の端部を切り欠きつつ、短手方向Sにおいて当該端部と同じ側にある側壁8を切り欠いて、当該側壁8において深さ方向Dに沿って出入口12の手前まで直線状に延びている。なお、開口部13の形状は、任意に変更できる。
【0037】
図4は、各収納ユニット52の内部の模式的な平面図である。図5および図6は、各収納ユニット52の内部の模式的な右側面図である。図5および図6では、それぞれ、識別計数処理の動作および払出処理の動作を示している。
収納ユニット52は、前後方向Yに並ぶ2つの収納部15と、これらの収納部15の間に配置された繰出払出部16とを含む。
【0038】
各収納部15は、その外殻をなすボックス状に形成された本体17を含む。本体17の上面には、略矩形状の装填口17Aと、装填口17Aを開閉する略矩形板状の蓋17Bとが設けられている。蓋17Bは、前後方向Yにおいて繰出払出部16に最も近い端部に設けられたヒンジ17Cを介して本体17に連結されていて、ヒンジ17Cを中心として回動することによって開閉される。前側の収納部15の本体17の前面が、収納ユニット52の前面を構成している。本体17の内部には、左右一対の搬送体18と、複数(ここでは6つ)のセット部19とが設けられている。
【0039】
各搬送体18は、無端状のチェーンまたはベルト(ここではチェーン(図示しない))によって構成されており、左右方向Xから見て例えば略矩形の環状をなしている。搬送体18は、モータ(図示しない)等の駆動部の駆動力を受けることによって、左右方向Xから見て時計回りの方向および反時計回りの方向のそれぞれへ向けて周回移動する。
各セット部19は、左右方向Xに長手のトレイ状に形成されている。各セット部19の内部空間は、左右方向Xに長手となった通い箱7をちょうど収容できる大きさを有する。
上向き姿勢のセット部19には、その上面を全域に亘って開放した出入口19Aと、各側壁に形成されたスリット状の開口部(図示しない)とが形成されている。この開口部は、各側壁において、通い箱7の各側壁における開口部13(図3参照)に合致する位置に同数形成され、左右方向Xに並んで配置されている。
【0040】
これらのセット部19は、左右一対の搬送体18の周回方向Rに沿って環状に並んで配置された状態で、これらの搬送体18の間に架設されている。そのため、左右の搬送体18が周回移動すると、これらのセット部19は、搬送体18とともに周回移動する。また、各セット部19は、搬送体18との連結部分において、左右方向Xに延びる回動軸線まわりに回動自在である。そのため、各セット部19は、原則として、上向き姿勢を維持するように回動しながら、ゴンドラのように周回移動する。
【0041】
各収納部15の内部において前後方向Yにおける外側の端部(前側Y1の収納部15の場合は前端部であり、後側Y2の収納部15の場合は後端部)には、識別計数部21が配置されている。識別計数部21は、左右方向Xに延びるホルダ22と、ホルダ22において繰出払出部16を臨む側面(前側Y1の収納部15の場合は後面であり、後側Y2の収納部の場合は前面)に設けられた識別部23および計数部24とを含む。左右方向Xに隣り合った識別部23および計数部24が1つの組を構成し、各識別計数部21では、この組が、左右方向Xに等間隔で5組並んでいる。識別計数部21は、収納部15の本体17によって支持されており、ステッピングモータ等の駆動部(図示しない)の駆動力を受けて昇降する。
【0042】
識別部23の一例は、発光部(図示しない)および受光部(図示しない)を含んだカラーセンサである。この場合、発光部が、被検知物である特殊賞品Pに対して光を照射し、その反射光を受光部が受光する。識別部23は、この反射光をRGB値に変換して分析することによって特殊賞品Pの表面の色を検知し、この検知結果に基づいて特殊賞品Pの真偽や種類を識別する。なお、識別情報を記憶したICチップが特殊賞品Pに内蔵されていて、識別部23は、非接触でICチップから識別情報を読み取ることによって、特殊賞品Pの真偽や種類を識別してもよい。
【0043】
計数部24の一例は、発光部(図示しない)および受光部(図示しない)を含んだ光学式の反射型センサである。この場合、発光部が、特殊賞品Pに対して光を照射し、その反射光を受光部が受光する。計数部24は、識別計数部21の昇降に伴い、上下方向Zに積層された特殊賞品Pの端部の凸形状を、発光部からの光によってなぞる。これによって、連続する複数の凸形状の輪郭にほぼ一致する波形データが得られるので、計数部24は、この波形データにおける凸形状の数を数えることによって、特殊賞品Pを計数することができる。
【0044】
繰出払出部16は、その外殻をなすボックス状に形成された本体25を含む。本体25の上面には、払出口25Aが1つ形成されている。払出口25Aは、本体25の内部空間25Bを上側Z1に露出させている。前述した収容位置において、払出口25Aが、左右方向Xにおいて同じ位置ある1つの払出口51Dの真下に配置されるようになっている。
繰出払出部16は、繰出ユニット27および払出ユニット(払出手段)28を含む。繰出ユニット27は、左右一対設けられている。左右2つの繰出ユニット27のうち、左側X1のものは、前側Y1の収納部15用の繰出ユニットであり、右側X2のものは、後側Y2の収納部15用の繰出ユニットである。各繰出ユニット27は、繰出部30を含む。
【0045】
繰出部30は、左右方向Xから見て支持部(図示しない)側へ突出した略三角形の環状をなす無端状の繰出ベルト31と、繰出ベルト31の内側において略三角形の各頂点部分に1つずつ配置されたローラ(図示しない)と、例えばウレタンで構成された外周面を有する繰出ローラ33と、繰出ベルト31の外周面に設けられた繰出部材34とを含む。繰出ベルト31は、少なくもいずれかのローラがモータ等の駆動部(図示しない)により駆動回転されることによって、周回移動する。繰出部材34は、繰出ベルト31の外周面から突出した爪状に形成され、各繰出ベルト31において、複数の繰出部材34が繰出ベルト31の周回方向に沿って等間隔で設けられている。
【0046】
各繰出ユニット27は、モータ等の駆動部(図示せず)の駆動力を受けることによって、待機姿勢と繰出姿勢との間で姿勢変更可能に設けられている。繰出姿勢にあるときの前側Y1の繰出ユニット27では、各繰出部30が本体25の内部空間25Bから前側Y1へはみ出して、各繰出部30における繰出ベルト31の平坦部分31Aが前後方向Yに沿って水平になっている(図6において破線で示す状態)。繰出姿勢にあるときの後側Y2の繰出ユニット27では、各繰出部30が内部空間25Bから後側Y2へはみ出して、各繰出部30における繰出ベルト31の平坦部分31Aが前後方向Yに沿って水平になっている(図6において破線で示す状態)。
【0047】
本体25の内部空間25Bにおける略上半分の領域は、複数の鉛直な板状の仕切部(図示しない)によって5つに仕切られて、縦長の繰出空間36が区画されている。繰出空間36は、通い箱7の収容空間11と同数(ここでは5つ)存在し、左右方向Xに等間隔で並んでいる。各繰出空間36は、本体25の上面の払出口25Aの真下に位置している。
払出ユニット28は、払出部38を含む。払出部38は、上下方向Zに一致した板厚方向を有する略矩形の板状であり、各繰出空間36に1つずつ配置されている。払出ユニット28は、全ての払出部38を一括して保持する保持部(図示しない)を含む。全ての払出部38は、モータ等の駆動部(図示しない)の駆動力を受けることによって、繰出空間36の下端に設定された待機位置と、繰出空間36の上端に設定された払出位置との間で、保持部と一体となって昇降する。
【0048】
繰出払出部16を用いた繰出払出処理について説明する。繰出払出処理は、通い箱7から特殊賞品Pを1枚ずつ繰り出す繰出処理と、繰り出された特殊賞品Pを機外へ払い出す払出処理とを含む。
まず、繰出処理について説明する。前側Y1の収納部15では搬送体18を右側面視において時計回りに周回移動させ、後側Y2の収納部15では搬送体18を右側面視において反時計回りに周回移動させる。各収納部15では、繰出処理の対象となるセット部19が払出ユニット28の払出部38に接近すると、当該セット部19を、第1の姿勢変更機構(図示しない)を用いて、図6に示すように、出入口19Aが横を向いた横向き姿勢に傾倒させる。前側Y1の収納部15では、後側上端にあるセット部19が横向き姿勢にあって、このセット部19の出入口19Aが後側Y2を向いている。また、このセット部19にセットされた通い箱7も、出入口12が後側Y2を向いた横向き姿勢にあって、通い箱7内の特殊賞品Pは、上下方向Zに積層された状態で、出入口12から後側Y2へはみ出していて、当該特殊賞品Pの後端面が繰出払出部16側を向いている。後側Y2の収納部15では、前側上端にあるセット部19が横向き姿勢にあって、このセット部19の出入口19Aが前側Y1を向いている。また、このセット部19にセットされた通い箱7も、出入口12が前側Y1を向いた横向き姿勢にあって、通い箱7内の特殊賞品Pは、上下方向Zに積層された状態で、出入口12から前側Y1へはみ出していて、当該特殊賞品Pの前端面が繰出払出部16側を向いている。
【0049】
図6に示すように、横向き姿勢のセット部19にセットされた通い箱7内における最下位の特殊賞品Pが、払出ユニット28の払出部38の上面と上下方向Zにおいてほぼ同じ位置になると、搬送体18の周回移動が停止する。
搬送体18の周回移動が停止した後に、繰出姿勢の後側Y2の繰出ユニット27では、各繰出部30が、前側Y1の収納部15の本体17の内部空間に後側Y2から進入し、横向き姿勢のセット部19にセットされた通い箱7の真下に配置される。繰出姿勢の繰出ユニット27Bでは、各繰出部30が、後側Y2の収納部15の本体17の内部空間に前側Y1から進入し、横向き姿勢のセット部19にセットされた通い箱7の真下に配置される。
【0050】
次いで、繰り出し位置の繰出ベルト31の繰出部30において、繰出ベルト31が周回移動され、繰出ローラ33が駆動回転させられる。このとき、前側Y1の繰出ユニット27では、右側面視において繰出ベルト31が時計回りに方向に周回移動されて繰出ローラ33が反時計回りに回転させられる。また、後側Y2の繰出ユニット27では、右側面視において繰出ベルト31が反時計回りに方向に周回移動されて繰出ローラ33が時計回りに回転させられる。繰出ベルト31の周回移動によって、繰出ベルト31に設けられた繰出部材34が、繰出ベルト31の平坦部分31Aにおいて払出部38側へ水平移動する。その際、繰出部材34が、横向き姿勢のセット部19にセットされた通い箱7の開口部13(図3参照)に進入して、当該通い箱7の収容空間11内の最下位の特殊賞品Pを引っ掛けて払出部38側へ繰り出す。払出部38側へ繰り出された特殊賞品Pは、駆動回転される繰出ローラ33に接触することによって払出部38側へ押し出され、左右方向Xで同じ位置にある1つの払出部38上に載る。そして、繰出ベルト31の周回移動と繰出ローラ33の回転が繰り返されることによって、横向き姿勢のセット部19にセットされた通い箱7において各繰出部30の真上に位置する収容空間11内の特殊賞品Pが、下側Z2の特殊賞品Pから順に1つずつ繰り出されて、払出部38上に集積される。なお、繰り出された特殊賞品Pが払出部38において上側Z1に集積されるように、特殊賞品Pの繰り出しの度に、払出部38は待機位置から徐々に下降させられる。
【0051】
通い箱7における全ての収容空間11が空になると、繰出ユニット27が一旦待機姿勢に戻った後に搬送体18が周回移動し、別の通い箱7がセットされたセット部19が横向き姿勢になる。その後、繰出ユニット27が繰出姿勢に姿勢変更して、当該別の通い箱7から特殊賞品Pが繰り出される。
以上の繰出処理が完了すると、払出処理が開始される。具体的には、払出処理の対象となる収納ユニット52の真上のシャッタ53が開位置までスライドさせられて、装置本体51の払出口51Dが開放される。そして、全ての払出部38が破線で示す払出位置まで上昇させられる。これにより、これにより、各払出部38上に繰り出された特殊賞品Pが、払出口51Dから上側Z1に露出されることによって機外へ払い出されるので、店員は、払出部38上の特殊賞品Pを受け取ることができる。
【0052】
払出部38上の特殊賞品Pが取り出された後に、制御部80は、払出部38は待機位置まで下降させられる。さらに、今まで開位置にあったシャッタ53が閉位置までスライドされる。また、各繰出ユニット27が繰出姿勢から待機姿勢(図5参照)まで戻される。これにより、払出処理が終了し、一連の繰出払出処理が完了する。
図7は、賞品管理システム1の電気的構成を示すブロック図である。図8は、賞品管理機3で管理されている在庫管理テーブル64の内容を示す図である。図9Aは、賞品管理機3で管理されている仕入れ数データ67の内容を示す図である。図9Bは、賞品管理機3で管理されている移動数データ71の内容を示す図である。図7を参照しながら、賞品管理システム1の電気的構成について説明する。図8図9Aおよび図9Bは適宜参照する。
【0053】
賞品管理機3は、前述した操作表示部3Aの他に、制御部(在庫更新手段)60と、記憶部61と、通信I/F(インターフェース)部62とをさらに備えている。制御部60は、たとえばマイクロコンピュータを用いて構成されている。制御部60には、操作表示部3A、記憶部61および通信I/F部62のそれぞれが電気的に接続されている。賞品管理機3の制御部60は、通信I/F部62を介して、複数台(たとえば2台)の賞品保管装置4およびT/C5のそれぞれと通信することができる。
【0054】
記憶部61は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスによって構成されている。記憶部61には、賞品の在庫管理を行なうための在庫管理テーブル(在庫記憶手段)64が設けられている。在庫管理テーブル64は、図8(a)に示す、特殊賞品Pの在庫管理を行なうための特殊賞品在庫管理テーブル65と、図8(b)に示す、一般賞品の在庫管理を行うための一般賞品在庫管理テーブル66とを含む。
【0055】
図8(a)に示す、特殊賞品在庫管理テーブル65は、1号機の賞品保管装置4に収納されている特殊賞品Pの個数(以下、「1号機の収納在庫」という場合がある)と、2号機の賞品保管装置4に収納されている特殊賞品Pの個数(以下、「2号機の収納在庫」という場合がある)と、遊技店内に現時点で存在する特殊賞品Pの総数(以下、「店内在庫」という場合がある)。特殊賞品在庫管理テーブル65は、1号機の収納在庫、2号機の収納在庫、および店内在庫を、特殊賞品Pの種類別に記憶している。
【0056】
図8(a)では、特殊賞品Pの種類として、大賞品(たとえば1000円の金銭価値を有する)、中賞品(たとえば500円の金銭価値を有する)および小賞品(たとえば500円の金銭価値を有する)の合計3種類が用意されている場合を例に挙げている。特殊賞品Pの種類の数は4種類以上であってもよいし、2種類未満であってもよい。
前述のように、店内の全ての特殊賞品Pを賞品保管装置4に収納しておく場合には、店内における特殊賞品Pの数(店内在庫)は、2台の賞品保管装置4に収納されている特殊賞品Pの数(収納在庫)の合計に一致している。すなわち、1号機の収納在庫および2号機の収納在庫の合計の数が、店内在庫の数に一致している。
【0057】
図8(b)に示す、一般賞品在庫管理テーブル66は、受付カウンターC(図2参照)の周囲の収納棚や事務所に保管されている一般賞品(菓子やたばこ)等の在庫を、一般賞品の種類別に記憶している。
遊技客は、自分の保有数の遊技媒体を賞品に交換することを希望する際、自身が保有するカードやレシートを受付カウンターCに持ち込む。賞品管理機3は、持ち込まれたカードやレシートに記憶された保有数を読み取ったり、カードのIDに関連付けられた保有数をデータベースから呼び出したりする。これにより、賞品管理機3は、この遊技客の保有数のデータを取得する。
【0058】
遊技客に引き渡すべき賞品が一般賞品である場合には、店員によって一般賞品が遊技客に手渡しで払い出される。その際、賞品管理機3は、払い出された一般賞品について、一般賞品在庫管理テーブル66内の在庫データを更新する。一方、遊技客に引き渡すべき賞品が特殊賞品Pである場合には、賞品管理機3は、賞品保管装置4に対して特殊賞品Pの払い出し指示を送信するとともに、これから払い出す特殊賞品Pについて、特殊賞品在庫管理テーブル65内の在庫データを更新する。賞品保管装置4は、賞品管理機3からの指示に沿って特殊賞品Pを払い出す。
【0059】
また、記憶部61には、遊技店に新たに仕入れられた特殊賞品Pの数である仕入れ数に関するデータである仕入れ数データ67が記憶されている。仕入れ数データ67は、図9Aに示すように、特殊賞品Pが仕入れられた日時(より具体的には、仕入れ入力ボタン113(図12参照)が操作された日時)68と、当該仕入れを担当した店員の情報(たとえば氏名)69と、仕入れられた特殊賞品Pの情報(たとえば種類および個数)70とを含む。記憶部61には、過去数十日分の仕入れ数データ67の履歴が記憶されている。
【0060】
さらに、記憶部61には、遊技店に以前に仕入れられた賞品であって収納ユニット52に移動された賞品の数である移動数に関するデータである移動数データ71が記憶されている。移動数データ71は、図9Bに示すように、特殊賞品Pが移動された日時(より具体的には、移動入力ボタン114(図12参照)が操作された日時)72と、当該移動を担当した店員の情報(たとえば氏名)73と、特殊賞品Pの移動先および/または移動元等の移動情報74と、移動された特殊賞品Pの情報(たとえば種類および個数)75とを含む。記憶部61には、過去数十日分の移動数データ71の履歴が記憶されている。
【0061】
すなわち、賞品管理機3では、収納ユニット52に新たに収納された各種類の特殊賞品Pの数が、仕入れ数と移動数とに区別して管理されている。
その他、記憶部61には、必要な各種情報が記憶されている。
各賞品保管装置4は、制御部(送信手段、第1の送信手段、第2の送信手段、出力手段、予定仕入れ数受信手段)80を備えている。制御部80は、たとえばマイクロコンピュータを用いて構成されている。制御部80には、各収納ユニット52の各収納部15に関連した電気部品(たとえば識別計数部21(識別部23および計数部24を含む)や搬送体18等)が電気的に接続されている。また、制御部80には、操作表示部54が電気的に接続されている。その他、装置本体51には、シャッタ53に関連した電気部品が電気的に接続されている。
【0062】
また、制御部80には、記憶部81および通信I/F(インターフェース)部82が接続されている。制御部80は、通信I/F部82を介して、賞品管理機3に対して通信可能である。記憶部81は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスによって構成されている。記憶部81は、賞品保管装置4における処理に関する種々のデータやテーブルを記憶している。
【0063】
T/C5は、制御部(在庫更新手段)90を備えている。制御部90は、マイクロコンピュータによって構成されている。T/C5においては、制御部90に対して、記憶部91および通信I/F(インターフェース)部92が電気的に接続されている。
記憶部91は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスによって構成されている。記憶部91には、賞品の在庫管理を行なうための在庫管理テーブル(在庫記憶手段)94が設けられている。在庫管理テーブル94は、図8に示す在庫管理テーブル64と同等のテーブルである。また、記憶部91には、仕入れ数に関するデータである仕入れ数データ97が記憶されている。仕入れ数データ97は、図9Aに示す仕入れ数データ67と同等のデータである。さらに、記憶部91には、移動数に関するデータである移動数データ98が記憶されている。移動数データ98は、図9Bに示す移動数データ71と同等のデータである。
【0064】
すなわち、T/C5では、収納ユニット52に新たに収納された各種類の特殊賞品Pの数が、仕入れ数と移動数とに区別して管理されている。
その他、記憶部91には、必要な各種情報が記憶されている。
図10Aおよび図10Bは、賞品保管装置4に特殊賞品Pを新たに収納した場合の流れを説明するための図である。図11は、識別計数処理における各収納ユニット52の内部の模式的な右側面図である。図12図13Aおよび図13Bは、賞品保管装置4に特殊賞品Pを新たに収納した場合の、操作表示部54における表示内容の一例を示す図である。図14は、仕入れ伝票を説明するための図である。
【0065】
図1図2図5図7図10A図10Bおよび図11を参照して、遊技店の特殊賞品Pの仕入れ時の検品作業について説明する。図12図14は適宜参照する。
前述のように、賞品管理システム1が設置されている遊技店では事務所金庫レス運用が採用されているため、新たに仕入れられた特殊賞品Pは、事務所金庫でなく、2台の賞品保管装置4において保管される。そして、賞品保管装置4に収納された特殊賞品Pの数を、収納ユニット52に設けられた識別計数部21が計数することにより、仕入れ時の特殊賞品Pの検品が行われる。
【0066】
遊技店への特殊賞品Pの仕入れは、遊技店の店員(担当者)の立ち会いの下、行われる。遊技店に仕入れられた特殊賞品Pは、店員によって、賞品保管装置4に収納される(図10AのS1)。この場合、店員は、操作表示部54(図2参照)を操作することによって、特殊賞品Pの収納の対象となる収納ユニット52を1つ選択する。すると、制御部80は、選択された収納ユニット52についてのロック機構(図示しない)によるロックを解除することによって、この収納ユニット52の引き出しを許可する。店員は、ロックが解除された収納ユニット52の取っ手を掴んで前側Y1に引き出し、収納部15の蓋17Bを開いて、装填口17Aを開く。店員は、特殊賞品Pを収容した状態の通い箱7を、装填口13Aを介してセット部19にセットする。セット位置のセット部19に通い箱7がセットされた後、他の空のセット部19がセット位置に配置されるように、制御部80が搬送体18を周回移動させる。
【0067】
他の空のセット部19にも通い箱7がセットされた後、店員は、蓋17Bを閉じ、かつ収納ユニット52を収容位置まで戻す。収納ユニット52が収容位置に達すると、ロック機構(図示しない)が収容位置にてロックする。これにより、収納ユニット52への特殊賞品Pの収納が完了する。店員は、他の収納ユニット52にも特殊賞品Pを収納する。これにより、賞品保管装置4に対する特殊賞品Pの収納が完了する。遊技店に仕入れられた特殊賞品Pが1台の賞品保管装置4に収納し切れない場合には、店員は、他方の賞品保管装置4にも特殊賞品Pを収納する。これにより、仕入れられた特殊賞品Pの全てが、複数台(たとえば2台)の賞品保管装置4の収納ユニット52に収納される。
【0068】
収納ユニット52に特殊賞品Pが収納されると、次いで、制御部80は、各収納ユニット52において次に述べる識別計数処理を実行する(図10AのS2)。
識別計数処理の場合には、制御部80が、前側の収納部15では搬送体18を右側面視において反時計回りに周回移動させ、後側の収納部15では搬送体18を右側面視において時計回りに周回移動させる。各収納部15では、識別計数処理の対象となるセット部19が、識別計数部21の上方に配置された所定位置に上側Z1から接近すると、制御部80が、当該セット部19を、第2の姿勢変更機構(図示しない)を用いて、図11に示すように、出入口19Aが横を向いた横向き姿勢に傾倒させる。
【0069】
前側の収納部15では、前側下端にあるセット部19が横向き姿勢にあって、このセット部19の出入口19Aが前側Y1を向いている。また、このセット部19にセットされた通い箱7も、出入口12が前側Y1を向いた横向き姿勢にあって、通い箱7内の特殊賞品Pは、上下方向Zに積層された状態で、出入口12から前側Y1へはみ出しており、当該特殊賞品Pの前端面が識別計数部21側を向いている。後側の収納部15では、後側下端にあるセット部19が横向き姿勢にあって、このセット部19の出入口19Aが後側Y2を向いている。また、このセット部19にセットされた通い箱7も、出入口12が後側Y2を向いた横向き姿勢にあって、通い箱7内の特殊賞品Pは、上下方向Zに積層された状態で、出入口12から後側Y2へはみ出しており、当該特殊賞品Pの後端面が識別計数部21側を向いている。
【0070】
セット部19が上向き姿勢から横向き姿勢に変わって識別計数部21に上側Z1から接近すると、制御部80は、搬送体18の周回移動を停止する。このとき、各収納部15では、識別計数部21における識別部23および計数部24の組が、横向き姿勢のセット部19にセットされた通い箱7の各収容空間11に対して1組ずつ左右方向Xにおいて同じ位置にある。この状態で、制御部80は、識別計数部21を、例えば下端の待機位置から上昇させる。その際、各組における識別部23および計数部24が、当該通い箱7において左右方向Xで同じ位置にある収容空間11に前後方向Yから対向しながら上昇する。識別部23は、左右方向Xで同じ位置にある収容空間11に収容されて上下方向Zに積層された状態にある特殊賞品Pを下側Z2から順に1つずつ非接触で識別し、計数部24は、当該収容空間11に収容されて上下方向Zに積層された状態にある特殊賞品Pを下側Z2から順に1つずつ非接触で計数する。横向き姿勢のセット部19にセットされた通い箱7の各収容空間11における全ての特殊賞品Pについての識別および計数が完了して識別計数部21が待機位置まで下降すると、識別計数処理が終了する。
【0071】
識別計数処理により、制御部80は、通い箱7における5つの収容空間11のそれぞれに収容された各特殊賞品Pについての種類を把握したり、各収容空間11に収容された特殊賞品Pの数を把握したりすることができる。
識別計数処理の終了後、制御部80は、計数終了画面111を操作表示部54に表示する(図10AのS3)。計数終了画面111は、計数された特殊賞品Pの各種類の数を表示する計数結果表示部112と、計数された特殊賞品P(賞品保管装置4に新たに収納された特殊賞品P)が遊技店に新たに仕入れられた特殊賞品Pであることを入力するための仕入れ入力ボタン(入力手段)113と、計数された特殊賞品P(賞品保管装置4に新たに収納された特殊賞品P)が、他方の賞品保管装置4から移動された特殊賞品Pであるのかを入力するための移動入力ボタン(入力手段)114とを含む。店員は、今回の収納ユニット52への特殊賞品Pの収納が、仕入れによるものなのか、後述する店内移動によるものなのかに基づいて、仕入れ入力ボタン113または移動入力ボタン114を選択的に操作する(図10AのS4)。
【0072】
今回の収納は仕入れによるものであるので、店員は、仕入れ入力ボタン113を操作する(図10AのS4)。このとき、賞品保管装置4の制御部80は、計数された特殊賞品Pの各種類の数を、仕入れデータ101として、賞品管理機3に送信する(図10AのS5:データ送信)。
賞品管理機3の制御部60は、賞品保管装置4から仕入れデータ101を受け取ると、当該仕入れデータ101に含まれる特殊賞品Pの各種類の数に基づいて、賞品管理機3の特殊賞品在庫管理テーブル65内の在庫データを更新する(図10AのS6:在庫データ更新)。
【0073】
具体的には、制御部60は、仕入れデータ101に含まれる特殊賞品Pの各種類の数を、特殊賞品在庫管理テーブル65に記憶されている、送信元の賞品保管装置4に対応する収納在庫の数に加算する。送信元の賞品保管装置4がたとえば1号機である場合には、制御部60は、仕入れデータ101に含まれる特殊賞品Pの数を1号機の収納在庫の数に加算し、送信元の賞品保管装置4がたとえば2号機である場合には、制御部60は、仕入れデータ101に含まれる特殊賞品Pの数を2号機の収納在庫の数に加算する。
【0074】
また、制御部60は、仕入れデータ101に含まれる特殊賞品Pの各種類の数を、特殊賞品在庫管理テーブル65に記憶されている、店内在庫の数に加算する。さらに、制御部60は、仕入れデータ101に含まれる特殊賞品Pの各種類の数を、仕入れ数データ67として記憶部61に記憶させる。
また、賞品管理機3の制御部60は、賞品保管装置4から仕入れデータ101を受け取ると、賞品保管装置4において計数された特殊賞品Pの各種類の数を、仕入れデータ106として、T/C5に送信する(図10AのS7:データ送信)。仕入れデータ106には、仕入れデータ101と同様、賞品保管装置4において計数された特殊賞品Pの各種類の数が記されている。
【0075】
賞品管理機3から仕入れデータ106を受け取ると、T/C5の制御部90は、当該仕入れデータ106に含まれる特殊賞品Pの各種類の数に基づいて、T/C5の在庫管理テーブル94の特殊賞品在庫管理テーブル内の在庫データを更新する(図10AのS8:在庫データ更新)。
具体的には、制御部90は、仕入れデータ106に含まれる特殊賞品Pの各種類の数を、在庫管理テーブル94の特殊賞品在庫管理テーブルに記憶されている、送信元の賞品保管装置4に対応する収納在庫の数に加算する。送信元の賞品保管装置4がたとえば1号機である場合には、制御部90は、仕入れデータ106に含まれる特殊賞品Pの数を1号機の収納在庫の数に加算し、送信元の賞品保管装置4がたとえば2号機である場合には、制御部90は、仕入れデータ106に含まれる特殊賞品Pの数を2号機の収納在庫の数に加算する。
【0076】
また、制御部90は、仕入れデータ106に含まれる特殊賞品Pの各種類の数を、在庫管理テーブル94の特殊賞品在庫管理テーブルに記憶されている、送信元の賞品保管装置4に対応する収納在庫の数に加算する。さらに、制御部60は、仕入れデータ106に含まれる特殊賞品Pの各種類の数を、仕入れ数データ97として記憶部91に記憶させる。
通例、問屋に対する特殊賞品Pの仕入れの発注は、本部施設が問屋に対して行う。そのため、管理センターPC6(図1参照)は、当該遊技店に新たに仕入れられるべき特殊賞品Pの数(特殊賞品Pの予定仕入れ数)を把握している。したがって、管理センターPC6が遊技店のT/C5に、特殊賞品Pの予定仕入れ数を送信することにより、T/C5が、特殊賞品Pの予定仕入れ数を把握することが可能である。この場合、賞品保管装置4により計数された特殊賞品Pの各種類の数が、特殊賞品Pの予定仕入れ数と一致しているか否かを、賞品管理システム1(この実施形態では、賞品保管装置4)が自動判定することができる。
【0077】
以下、このような自動判定について、特殊賞品Pの予定仕入れ数をT/C5が把握しているものとして説明する。
T/C5の制御部90は、把握している特殊賞品Pの各種類の予定仕入れ数を、予定仕入れ数データ108として賞品管理機3に送信する(図10BのS9:データ送信)。また、賞品管理機3の制御部60は、受信した予定仕入れ数データ108を、賞品保管装置4に転送する(図10BのS10:データ送信)。
【0078】
賞品保管装置4の制御部80は、賞品管理機3から受信した特殊賞品Pの予定仕入れ数と、計数済みの各種類の特殊賞品Pの数とを比較する。
そして、受信した特殊賞品Pの各種類の予定仕入れ数と、計数済みの各種類の特殊賞品Pの数とが一致していない場合には、制御部80は、図13Aに示す不一致報知画面121を操作表示部54に表示する(図10BのS11)。不一致報知画面121は、特殊賞品Pの各種類の予定仕入れ数と実際の各種類の仕入れ数とが不一致である旨を表示する不一致表示部122と、その不一致の具体内容を表示する不一致内容表示部123とを含む。不一致内容表示部123は、図13Aの例では、特殊賞品Pの各種類の予定仕入れ数と、実際の各種類の仕入れ数との双方を表示しているが、両者の各種類の差数を表示する等の他の態様であってもよい。
【0079】
一方、受信した特殊賞品Pの予定仕入れ数と、実際に仕入れられた(納品された)特殊賞品Pの数とが一致している場合には、制御部80は、図13Bに示す一致報知画面141を操作表示部54に表示する(図10BのS11)。一致報知画面141は、特殊賞品Pの各種類の予定仕入れ数と実際の各種類の仕入れ数とが一致である旨を表示する一致表示部142と、その一致の具体内容を表示する一致内容表示部143とを含む。一致内容表示部143は、図13Bの例では、特殊賞品Pの各種類の予定仕入れ数と、実際の各種類の仕入れ数との双方を表示している。不一致報知画面121または一致報知画面141が操作表示部54に表示されることにより、店員は、計数済みの各種類の特殊賞品Pの数が予定仕入れ数と一致しているか否かを、一目で確認できる。
【0080】
また、このような自動判定を用いることなく、店員が、計数済みの各種類の特殊賞品Pの数が予定仕入れ数と一致しているか否かを判定するようにしてもよい。この場合、店員が、図14に示すような仕入伝票131に記載されている各種類の仕入れ予定数と、賞品管理機3の操作表示部3A(図2参照)および/または賞品保管装置4の操作表示部54(図2参照)に示される、計数済みの各種類の特殊賞品Pの数とを比較することにより行う。
【0081】
仕入れ時の特殊賞品Pの検品作業についての説明は以上である。
以上のような特殊賞品Pの仕入れ時の検品作業では、賞品保管装置4に収納された特殊賞品Pの数を収納ユニット52に設けられた識別計数部21により計数するので、仕入れ数を正確に管理することができる。
また、遊技店には、営業日の開店前に、特殊賞品Pだけでなく一般賞品も新たに仕入れられる。仕入れられた一般賞品の検品は、店員によって目視で行われる。そして、検品作業後に、店員が一般賞品の各種類の数を、操作表示部3A(図2参照)を用いて賞品管理機3に入力する。賞品管理機3の制御部60は、入力された一般賞品の各種類の数を、賞品管理機3の一般賞品在庫管理テーブル66の在庫データを更新する。
【0082】
また、賞品管理機3の制御部60は、入力された一般賞品の各種類の数を、仕入れデータとしてT/C5に送信する。T/C5の制御部90は、賞品管理機3から仕入れデータを受け取ると、当該仕入れデータに含まれる一般賞品の各種類の数に基づいて、T/C5の在庫管理テーブル94の一般賞品在庫管理テーブル内の在庫データを更新する。
次に、遊技店に以前に仕入れられていた特殊賞品Pを、賞品保管装置4に収納する場合について説明する。この実施形態では、前述のように事務所金庫レス運用が採用されており、遊技店内に別に保管されている特殊賞品Pを賞品保管装置4に収納するような、いわゆる「補充」に相当する作業は存在しない。したがって、遊技店に以前に仕入れられていた特殊賞品Pを移動させて賞品保管装置4に収納するのは(店内移動)、一方の賞品保管装置に対し他方の賞品保管装置4に収納されている特殊賞品Pを移し替える場合のみである。
【0083】
図1図2図5図7図10Aおよび図10Bを参照して、遊技店の特殊賞品Pの移動作業について説明する。たとえば、2号機の賞品保管装置4から1号機の賞品保管装置4への特殊賞品Pの移動について説明する。この場合、2号機の賞品保管装置4の収納ユニット52(以下、単に「2号機の収納ユニット52」と呼ぶ場合がある)に収納されている特殊賞品Pが店員によって取り出され、取り出された特殊賞品Pが1号機の賞品保管装置4の収納ユニット52(以下、単に「1号機の収納ユニット52」と呼ぶ場合がある)に収納される。
【0084】
2号機の収納ユニット52からの特殊賞品Pの取り出しに際し、店員は、2号機の賞品保管装置4の操作表示部54(図2参照)を操作することによって、特殊賞品Pの取り出しの対象となる収納ユニット52を1つ選択する。すると、制御部80は、選択された収納ユニット52についてのロック機構(図示しない)によるロックを解除することによって、2号機の収納ユニット52の引き出しを許可する。店員は、ロックが解除された収納ユニット52の取っ手を掴んで前側Y1に引き出す。その後、店員は、収納部15の蓋17Bを開いて装填口17Aを開く。店員は、セット部19にセットされている特殊賞品Pを収容した状態の通い箱7を、装填口13Aを介して取り出す。セット位置のセット部19から通い箱7が取り出された後、他の空のセット部19がセット位置に配置されるように、制御部80が搬送体18を周回移動させる。他の空のセット部19からも通い箱7が取り出された後、店員は、蓋17Bを閉じ、かつ収納ユニット52を収容位置まで戻す。これにより、2号機の収納ユニット52からの特殊賞品Pの取り出しが完了する。
【0085】
店員は、2号機の収納ユニット52から取り出した特殊賞品Pを、1号機の収納ユニット52に収納する(図10AのS1)。特殊賞品Pの収納は、仕入れの場合と同様であるので、詳細な説明を省略する。
1号機の収納ユニット52に特殊賞品Pが収納されると、次いで、制御部80は、各収納ユニット52において次に述べる識別計数処理を実行する(図10AのS2)。識別計数処理は、仕入れの場合と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0086】
識別計数処理の終了後、制御部80は、図12に示す計数終了画面111を操作表示部26に表示する(図10AのS3)。
今回は、2号機の賞品保管装置4から1号機の賞品保管装置4への特殊賞品Pの移動であるので、店員は、移動入力ボタン114を操作する(図10AのS4)。このとき、賞品保管装置4の制御部80は、計数された特殊賞品Pの各種類の数を、移動データ102として、賞品管理機3に送信する(図10AのS5:データ送信)。
【0087】
賞品管理機3の制御部60は、賞品保管装置4から移動データ102を受け取ると、当該移動データ102に含まれる特殊賞品Pの各種類の数に基づいて、賞品管理機3の特殊賞品在庫管理テーブル65内の在庫データを更新する(図10AのS6:在庫データ更新)。
具体的には、制御部60は、移動データ102に含まれる特殊賞品Pの各種類の数を、特殊賞品在庫管理テーブル65に記憶されている、移動先(たとえば1号機)の賞品保管装置4に対応する収納在庫の数に加算し、かつ移動データ102に含まれる特殊賞品Pの各種類の数を、特殊賞品在庫管理テーブル65に記憶されている、移動元(たとえば2号機)の賞品保管装置4に対応する収納在庫の数から減算する。
【0088】
また、制御部60は、移動データ102に含まれる特殊賞品Pの各種類の数を、特殊賞品在庫管理テーブル65に記憶されている、店内在庫の数に加算する。さらに、制御部60は、移動データ102に含まれる特殊賞品Pの各種類の数を、移動数データ71として記憶部61に記憶させる。
また、賞品管理機3の制御部60は、賞品保管装置4から移動データ102を受け取ると、賞品保管装置4において計数された特殊賞品Pの各種類の数を、移動データ107として、T/C5に送信する(図10AのS7:データ送信)。移動データ107には、移動データ102と同様、賞品保管装置4において計数された特殊賞品Pの各種類の数が記されている。
【0089】
T/C5の制御部90は、賞品管理機3から移動データ107を受け取ると、当該移動データ107に含まれる特殊賞品Pの各種類の数に基づいて、T/C5の在庫管理テーブル94の特殊賞品在庫管理テーブル内の在庫データを更新する(図10AのS8:在庫データ更新)。
具体的には、制御部90は、移動データ107に含まれる特殊賞品Pの各種類の数を、在庫管理テーブル94の特殊賞品在庫管理テーブルに記憶されている、移動先(たとえば1号機)の賞品保管装置4に対応する収納在庫の数に加算し、かつ移動データ107に含まれる特殊賞品Pの各種類の数を、在庫管理テーブル94の特殊賞品在庫管理テーブルに記憶されている、移動元(たとえば2号機)の賞品保管装置4に対応する収納在庫の数から減算する。
【0090】
また、制御部90は、移動データ107に含まれる特殊賞品Pの各種類の数を、特殊賞品在庫管理テーブル65に記憶されている、店内在庫の数に加算する。さらに、制御部60は、移動データ107に含まれる特殊賞品Pの各種類の数を、移動数データ98として記憶部91に記憶させる。
T/C5で管理されている、在庫管理テーブル94、仕入れ数データ97および移動数データ98の各内容は、管理センターPC6によってアクセス可能に設けられている(クラウド管理)。そのため、本部施設の担当者は、携帯端末100(図1参照)を用いることにより、在庫管理テーブル94、仕入れ数データ97および移動数データ98の各内容を、店外から確認することができる。すなわち、本部施設の担当者が、携帯端末100(図1参照)を用いて、遊技店に実際に仕入れられた特殊賞品Pの数を把握することができる。これにより、本部施設は、遊技店と問屋との間の、特殊賞品Pの発注および仕入れ(納品)を一元管理することができる。
【0091】
以上により、この実施形態によれば、賞品保管装置4の収納ユニット52に収納された賞品は、収納ユニット52に設けられている識別計数部21によって計数され、その計数された各種類の特殊賞品Pの数が、賞品管理機3やT/C5において仕入れ数と移動数とに区別して管理される。そのため、遊技店に新たに仕入れられた特殊賞品Pを計数し、かつその計数された特殊賞品Pの数を賞品管理機3やT/C5において仕入れ数として管理することができ、これにより、仕入れ数を正確に管理することができる。
【0092】
そして、その後において、紛失や盗難などにより在庫データと実在庫数との不一致が生じた場合であっても、仕入れ数が正確であるため、移動数データ71,98の履歴を追跡することにより、在庫データと実在庫数との不一致の原因を突き止めることができる。
また、賞品保管装置4は、計数された特殊賞品Pの数を、仕入れデータ101または移動データ102のいずれかの別で(すなわち、仕入れ数または移動数のいずれであるかを判別可能な態様で)、賞品管理機3に送信する。そのため、賞品管理機3やT/C5は、賞品保管装置4から送られてきたデータに含まれる特殊賞品Pの数が仕入れ数なのかあるいは移動数なのかを把握することができ、これにより、賞品管理機3やT/C5において、仕入れ数をより一層正確に管理することができる。
【0093】
また、賞品保管装置4に新たに収納される特殊賞品Pが、遊技店に新たに仕入れられた特殊賞品Pであるのか、あるいは、他の賞品保管装置4から移動された特殊賞品Pであるのかを、仕入れ入力ボタン113(図12参照)または移動入力ボタン114(図12参照)の操作により店員が入力する。そして、その入力結果に基づいて、賞品保管装置4は、計数された特殊賞品Pの数を、仕入れデータ101または移動データ102のいずれかとして賞品管理機3に送信する。店員の入力操作により、計数された特殊賞品Pの数が仕入れ数であるのか、あるいは移動数であるのかを定めることができるので、賞品保管装置4は、賞品管理機3に送信するデータの種別を正しく定めることができる。
【0094】
また、遊技店に新たに仕入れられるべき特殊賞品Pの予定仕入れ数が、T/C5に受信される。これにより、この予定仕入れ数と、識別計数部21によって計数された各種類の特殊賞品Pの数とを比較することにより、店員は、計数済みの特殊賞品Pの数が、予定仕入れ数と一致しているか否かを確認することが可能である。
とくにこの実施形態では、この予定仕入れ数と、計数済みの特殊賞品Pの数とが一致しない場合には、不一致報知画面121(図13参照)にて表示(報知)を行う。これにより、実際の仕入れ数が予定仕入れ数と異なることを、店員に気づかせることができる。
【0095】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は他の形態で実施することもできる。
たとえば、計数済みの特殊賞品Pの数が予定仕入れ数と一致しているか否かの報知は、画面表示でなく、あるいは画面表示と併せて、音声出力により行われてもよい。
【0096】
また、仕入れが行われるのは、遊技施設の開店前であることが多い。他方、特殊賞品Pの店内移動が行われるのは、遊技施設の営業時間中であることが多い。そのため、賞品保管装置4は、遊技施設の開店前において、計数終了画面111(図12参照)に、仕入れ入力ボタン113(図12参照)の操作を促すようなガイダンスを表示したり、仕入れ入力ボタン113(図12参照)を強調するような表示を行ったりしてもよい。他方、賞品保管装置4は、遊技施設の開店前において、計数終了画面111(図12参照)に、移動入力ボタン114(図12参照)の操作を促すようなガイダンスを表示したり、移動入力ボタン114(図12参照)を強調するような表示を行ったりしてもよい。
【0097】
前述の実施形態では、賞品保管装置4が、計数された特殊賞品Pの数を仕入れデータ101または移動データ102のいずれかとして賞品管理機3に送信するとして説明したが、計数された特殊賞品Pの数が、仕入れ数または移動数のいずれであるかが判別可能であれば、その送信データの内容は適宜変更可能である。
また、賞品保管装置4から送信される計数された特殊賞品Pの数は、仕入れ数または移動数のいずれであるかが判別可能な態様でなく、特殊賞品Pの数に関する情報のみを含んでいてもよい。この場合には、賞品管理装置(賞品管理機3およびT/C5)において、2台の賞品保管装置4のうち、一方の賞品保管装置4の在庫数が増加し、かつ、その増加分だけ、他方の賞品保管装置4の在庫数が減少した場合には、賞品保管装置4から送信される特殊賞品Pの数を移動数と判断し、それ以外の場合には、賞品保管装置4から送信される特殊賞品Pの数を仕入れ数と判断するようにしてもよい。
【0098】
賞品管理装置(賞品管理機3およびT/C5)が、特殊賞品Pの数を移動数と判断した場合には、一方の賞品保管装置4および他方の賞品保管装置4の双方または一方の操作表示部54に、特殊賞品Pの移動があった旨のガイダンスを表示してもよい。
賞品管理装置(賞品管理機3およびT/C5)が、特殊賞品Pの数を仕入れ数と判断した場合には、一方の賞品保管装置4の操作表示部54に、特殊賞品Pの仕入れがあった旨のガイダンスを表示してもよい。
【0099】
また、賞品保管装置4から送信される計数された特殊賞品Pの数が、特殊賞品Pの数に関する情報のみを含んでいる場合には、さらに、以下の第1〜第3の変形例を実施することができる。
前述のように、仕入れが行われるのは、遊技施設の開店前であることが多い。他方、特殊賞品Pの店内移動が行われるのは、遊技施設の営業時間中であることが多い。第1の変形例として、賞品管理装置(賞品管理機3およびT/C5)において賞品保管装置4の在庫数が増加した場合には、遊技施設の開店前であれば、賞品保管装置4から送信される特殊賞品Pの数を仕入れ数と判断し、遊技施設の営業時間中であれば、賞品保管装置4から送信される特殊賞品Pの数を移動数と判断するようにしてもよい。
【0100】
また、第2の変形例として、賞品保管装置4に入庫された特殊賞品Pの数(すなわち、賞品保管装置4によって計数された特殊賞品Pの数)が、仕入れによるものなのか、店内移動(すなわち補充)によるものなのかを、賞品管理装置(賞品管理機3およびT/C5)における操作により決定するようにしてもよい。具体的には、店員は、賞品管理装置(賞品管理機3およびT/C5)において、入庫履歴画面(図示しない)において、未処理の入庫履歴を選択し、その入庫履歴に対応付けて仕入れボタン(図示しない)を選択操作する。これにより、賞品管理装置(賞品管理機3およびT/C5)において入庫履歴を用いて仕入れ操作を行える。個数入力することなく、仕入れ操作を行うことができるので、賞品管理装置(賞品管理機3およびT/C5)が、仕入れ数を手入力する場合と比較して、仕入れ数を正確に管理することができる。
【0101】
また、第3の変形例として、賞品管理装置(賞品管理機3およびT/C5)が、仕入れ数の手入力可能な構成であってもよい。この場合には、賞品管理装置(賞品管理機3およびT/C5)と、賞品保管装置4との双方で重複した仕入れが行われるおそれがある。
賞品保管装置4の仕入れ時において、賞品保管装置4への特殊賞品Pの入庫後に、店員が、たとえば仕入れ入力ボタン113(図12参照)を操作すると、仕入れデータ101(図10A参照)や仕入れデータ106(図10A参照)が、賞品管理装置(賞品管理機3およびT/C5)に送信される。これにより、仕入れが完了する。
【0102】
しかし、当該仕入れ数が、賞品管理装置(賞品管理機3およびT/C5)において重複して手入力されていることがある。この場合、重複した仕入れに気付いた店員は、賞品保管装置4の操作表示部54を操作して、仕入れ履歴(図示しない。別の言い方では、仕入れ済み補充賞品)を選択する。仕入れ履歴の選択に伴い、それまで、仕入れ入力ボタン113(図12参照)として機能していたボタンが、仕入れ取り消しボタン(図示しない)に変化する。
【0103】
仕入れ取り消しボタンを店員が選択操作することにより、賞品保管装置4から、先の仕入れの取り消しが賞品管理装置(賞品管理機3およびT/C5)に通知される。賞品管理装置(賞品管理機3およびT/C5)は、この通知を受け取ると、先の仕入れを取り消す。すなわち、仕入れの取り消しを、賞品保管装置4側の操作で行うことができる。したがって、仕入れの取り消しのために、わざわざ賞品管理装置(賞品管理機3およびT/C5)を操作する必要がなく、仕入れの取り消しを簡単に行うことができる。
【0104】
また、在庫管理テーブル64、仕入れ数データ67および移動数データ71を、賞品管理機3およびT/C5の双方に設けるとして説明したが、これらのテーブルやデータを、賞品管理機3およびT/C5の一方にのみ設けてもよい。すなわち、賞品管理機3およびT/C5の一方を賞品管理手段として機能させ、賞品管理機3およびT/C5の他方を、賞品管理手段として機能させなくてもよい。
【0105】
また、複数のうちの1台の賞品保管装置4を、賞品を管理する賞品管理手段として機能させることもできる。たとえば複数の賞品保管装置4が、図7に破線で示すように、互いに通信可能に接続させてもよい。そして、複数の賞品保管装置4のうち、任意の1台(たとえば1号機)が親機に設定され、残りの賞品保管装置4(たとえば2号機)が子機に設定してもよい。親機(1号機)の賞品保管装置4の記憶部61には、図7に破線で示すように、在庫管理テーブル154、仕入れ数データ157および移動数データ161が記憶されている。在庫管理テーブル154、仕入れ数データ157および移動数データ161は、それぞれ在庫管理テーブル64、仕入れ数データ67および移動数データ71と同等のテーブルまたはデータである。
【0106】
この場合、親機(1号機)の賞品保管装置4の収納ユニット52に特殊賞品Pが新たに収納されると、計数された特殊賞品Pの各種類の数に基づいて在庫管理テーブル154が更新され、かつ計数された特殊賞品Pの各種類の数に基づいて、仕入れ数データ157または移動数データ161が更新記憶される。
また、子機(2号機)の賞品保管装置4の収納ユニット52に特殊賞品Pが新たに収納されると、計数された特殊賞品Pの数が親機(1号機)に送信され、親機(1号機)において、送信されてきた特殊賞品Pの各種類の数に基づいて在庫管理テーブル154が更新され、かつ送信されてきた特殊賞品Pの各種類の数に基づいて、仕入れ数データ157または移動数データ161が更新記憶される。そして、親機(1号機)から賞品管理機3に対し、親機における更新後の在庫管理テーブル154が内容、および更新後の仕入れ数データ157および移動数データ161が送信されるようになっている。
【0107】
また、たとえば複数の賞品保管装置4が、図7に破線で示すように互いに通信可能に接続されている場合には、次に述べるような処理を行うことができる。すなわち、賞品管理機3からの賞品払い出し指示を受けた一の賞品保管装置4(たとえば1号機)において、特殊賞品Pの詰まりや特殊賞品Pの在庫不足等により払い出しエラーが発生している場合に、当該賞品払い出し指示に対応する種類および数の特殊賞品Pを、他の賞品保管装置4(たとえば2号機)が払い出してもよい。すなわち、特殊賞品Pの払い出し先が、一の賞品保管装置4(1号機)から他の賞品保管装置4(2号機)に振り替えられてもよい。このときの他の賞品保管装置4(2号機)への代替払い出し指示は、賞品管理機3からでなく、払い出しエラーが発生している賞品保管装置4(2号機)が行う。
【0108】
具体的には、払出エラーが発生した際には、一の賞品保管装置4(1号機)の操作表示部54に、他の賞品保管装置4(2号機)からの代替払い出しを行うか否かの選択画面(図示しない)が表示される。この選択画面において、代替払い出しの実行が選択操作された場合には、一の賞品保管装置4(1号機)は、他の賞品保管装置4(2号機)に対して代替払い出し指示を直接送信する。代替払い出し指示を受信した他の賞品保管装置4(2号機)は、一の賞品保管装置4(1号機)に送信された賞品払い出し指示に対応する種類および数の特殊賞品Pを払い出す。代替払い出しの終了後、振替元の賞品保管装置4(1号機)は賞品管理機3に対し、払い出ししなかった特殊賞品Pの種類および数を通知する。また、振替先の賞品保管装置4(2号機)は賞品管理機3に対し、払い出しした特殊賞品Pの種類および数を通知する。
【0109】
これにより、払い出し指示を受けた賞品保管装置4に払い出しエラーが発生した場合であっても、他の賞品保管装置4において特殊賞品Pの払い出しを代替するため、目前の遊技客に対し早急な対応を行うことが可能である。
また、他の賞品保管装置4において特殊賞品Pの払い出しを代替するための、払い出しエラーが発生した場合でも、特殊賞品Pの手払い対応が不要である。このため、手払いが介在することでの不正を確実に防止できる。
【0110】
また、代替払い出しした特殊賞品Pの種類および数が賞品管理機3に通知されるため、複数の賞品保管装置4間で代替された、特殊賞品Pの種類および数を、賞品管理機3によって正確に管理することができる。
また、各賞品保管装置4が収納ユニット52を3つ設ける構成を例に挙げて説明したが、収納ユニット52は、1つであってもよいし、2つまたは4つ以上の複数であってもよい。
【0111】
また、賞品保管装置4として、特殊賞品Pを通い箱7に収容した状態のまま収納ユニット52に収納するタイプの装置を例に挙げて説明したが、特殊賞品Pを通い箱7から取り出した状態で収納ユニットに収納するタイプの装置にも本発明を適用できる。この場合、特殊賞品Pの仕入れ時において、特殊賞品Pを通い箱7から収納ユニット52に移し替える。
【0112】
また、賞品保管装置4として、払出ユニット28を備えるものを例に挙げて説明したが、賞品保管装置4が賞品を払い出さない構成であってもよい。
また、賞品保管装置4は、遊技店のフロアに据え付けられるのではなく、受付カウンターC上に設置される卓上タイプであってもよい。
さらに、賞品管理システム1に備えられる複数台の賞品保管装置4の台数として、2台を例に挙げて説明したが、3台以上であってもよい。
【0113】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能で
ある。
【符号の説明】
【0114】
1 :賞品管理システム
3 :賞品管理機(賞品管理装置)
4 :賞品保管装置
5 :T/C(賞品管理装置)
21 :識別計数部(計数手段)
28 :払出ユニット(払出手段)
52 :収納ユニット(収納手段)
60 :制御部(在庫更新手段)
64 :賞品在庫管理テーブル(在庫記憶手段)
80 :制御部(第1の送信手段、第2の送信手段、出力手段、予定仕入れ数受信手段)
90 :制御部(在庫更新手段)
94 :賞品在庫管理テーブル(在庫記憶手段)
113 :仕入れ入力ボタン(入力手段)
114 :移動入力ボタン(入力手段)
P :特殊賞品(賞品)
図1
図2
図3
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図5
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図8
図9A
図9B
図10A
図10B
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図13A
図13B
図14