(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記切削ユニット及び前記ドリルユニットは、前記第1方向に直交する第2方向から見た平面視において、前記第1方向に互いに平行に延びる軸線回りにそれぞれ回転可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のウォーム加工装置。
前記切削ユニット及び前記ドリルユニットは、前記主軸チャックユニットに対して前記第1方向に同期して移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のウォーム加工装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[減速機付モータ]
図1は、減速機付モータ1の概略断面図である。
図1に示す減速機付モータ1は、車両の電装品(例えば、パワーウィンドウ等)を駆動するためのものである。但し、減速機付モータ1は、車両以外の電装品を駆動するためのものであってもよい。
【0017】
減速機付モータ1は、電動モータ2と、電動モータ2の回転軸3に接続されたウォームギヤ10と、がユニット化されて構成されている。なお、以下の説明では、回転軸3の軸線方向を回転軸方向O1という場合がある。また、回転軸方向O1のうち、ウォームギヤ10に対してヨーク5に向かう方向を第1端側とし、ウォームギヤ10に対してヨーク5から離間する方向を第2端側とする。
電動モータ2は、回転軸3に固定されたアーマチュア6が、ヨーク5内で回転可能に配置されて構成されている。
【0018】
ウォームギヤ10は、ウォーム11と、ウォームホイール12と、を備えている。
ウォーム11は、上述した回転軸3のうち、ヨーク5よりも外側に突出した部分に連結されている。具体的に、ウォーム11は、回転軸方向O1に沿って延びる筒状のウォーム軸13と、ウォーム軸13の外周面に形成された歯部14と、を有している。
【0019】
図2は、ウォーム11の側面図である。
図2に示すように、ウォーム軸13には、ウォーム軸13を回転軸方向O1に貫通する連結孔15が形成されている。連結孔15は、ストレート部15aと、テーパ部15bと、が連なって形成されている。ストレート部15aは、連結孔15のうち内径が一様に形成された部分である。ストレート部15aは、ウォーム軸13における回転軸方向O1の第1端面16a以外の部分に全長に亘って形成されている。すなわち、ストレート部15aは、ウォーム軸13における第2端面16bで開口している。
【0020】
テーパ部15bは、ウォーム軸13における回転軸方向O1の第1端面16aに形成されている。テーパ部15bは、ウォーム軸13における回転軸方向O1の第2端面16bから第1端面16aに向かうに従い漸次拡径されている。テーパ部15bは、ウォーム軸13における第1端面16aで開口している。本実施形態のウォーム11は、例えば上述した回転軸3がテーパ部15bを通して連結孔15内に圧入されることで、アーマチュア6に固定される。
【0021】
歯部14は、ウォーム軸13の外周面に螺旋状に形成されている。歯部14のうち、回転軸方向O1における両端部に位置する外側歯部14a,14bは、回転軸方向O1における中央部に位置する中央歯部14cに比べて歯たけが低くなっている(刃先円直径が小さくなっている。)。なお、外側歯部14a,14b及び中央歯部14cそれぞれの刃先円直径は、適宜変更が可能である。
【0022】
外側歯部14a,14bにおける頂部は、回転軸方向O1に沿う縦断面視において、回転軸3の径方向に直交する平坦面に形成されている。なお、外側歯部14a,14bは、両終端部を含む所定の範囲(所定のピッチ分)の頂部が平坦面に形成されていれば構わない。また、
図2の例では、両外側歯部14a,14bの頂部が平坦面に形成されているが、少なくとも一方の外側歯部14a,14bの頂部が平坦面に形成されていれば構わない。
中央歯部14cにおける頂部は、回転軸方向O1に沿う縦断面視において、径方向の外側に凸の円弧状に形成されている。
【0023】
図1に示すように、ウォームホイール12は、いわゆるヘリカルギヤである。すなわち、ウォームホイール12は、回転軸方向O1に直交する方向に延びるホイール軸線O2回りに回転可能に構成された円板状に形成されている。ウォームホイール12の外周面には、ウォーム11の歯部14に噛合するホイール歯部17が形成されている。
【0024】
この構成によれば、電動モータ2の駆動に伴い回転軸3が回転すると、ウォーム11が回転軸3と一体で回転する。ウォーム11の回転に伴い、ウォームホイール12が回転することで、電動モータ2の回転力が減速されて電装品に出力される。
【0025】
[ウォーム加工装置]
次に、上述したウォーム11を製造するためのウォーム加工装置(以下、単に加工装置30という。)について説明する。
図3は、加工装置30の一部を−X方向から見た斜視図である。以下の説明では、必要に応じてX,Y,Zの直交座標系を用いて説明する。この場合、上下方向をZ方向(第2方向)とし、Z方向に直交する水平方向をそれぞれX方向(第1方向)、及びY方向とする。また、図中の矢印方向を+方向とし、矢印方向とは反対の方向を−方向とする。この場合、+Z方向は、鉛直上方を示している。
【0026】
図3に示すように、本実施形態の加工装置30は、上述したウォーム11を製造するためのものであって、ワークWに対して歯部14及び連結孔15(
図2参照)を加工した後、ワークWを所定長さに切断することで、上述したウォーム11を形成する。本実施形態のワークWは、金属材料により形成されるとともに、上述したウォーム11複数本分の長さを有する丸棒状のものである。但し、ワークWは樹脂材料等であっても構わない。
【0027】
加工装置30は、主軸チャックユニット31、ツールユニット32及び搬送ユニット33が架台35に支持されて構成されている。
主軸チャックユニット31は、架台35に固定された主軸41と、主軸41に支持されたチャック部42と、を備えている。
【0028】
チャック部42は、X方向に延びる筒状に形成されている。チャック部42は、X方向に延びるチャック軸線(第1軸線)C1回りに回転可能に、主軸41に支持されている。チャック部42は、ワークWを保持した状態で、図示しない駆動源の駆動によってチャック軸線C1回りに回転することで、ワークWをチャック軸線C1回りに回転させる。
【0029】
ワークWは、主軸チャックユニット31に対して+X方向に配置された供給源(不図示)において、チャック軸線C1と同軸上に保持されている。供給源に保持されたワークWは、主軸チャックユニット31に向けてチャック軸線C1に沿って−X方向に搬送される。すなわち、供給源から搬送されるワークWは、チャック部42内を貫通するとともに、−X方向の端部が所定長さ突出した状態で、チャック部42に保持される。なお、ワークWにおいて、チャック部42から−X方向に突出した部分(以下、突出領域という場合がある。)の長さは、例えばウォーム11の1本分の長さよりも長く、例えばウォーム11の2本分の長さ未満程度に設定されている。但し、突出領域の長さは、適宜調整が可能である。
【0030】
ツールユニット32は、主軸チャックユニット31に対して−X方向に間隔をあけて配置されている。ツールユニット32は、ドリルユニット51、振れ防止部52、切削ユニット53及び切断ユニット54が可動ベース55に支持されて構成されている。
可動ベース55は、X方向にスライド移動可能に架台35に支持されたメインテーブル57と、Y方向にスライド移動可能にメインテーブル57に支持されたサブテーブル58と、を有している。
【0031】
ドリルユニット51は、主軸チャックユニット31に対してX方向で対向配置されている。ドリルユニット51は、メインテーブル57上に支持されたドリルベース61に、スピンドル62が回転可能に支持されて構成されている。
ドリルベース61は、メインテーブル57に対するX方向の位置を調整可能に、メインテーブル57に支持されている。
【0032】
スピンドル62は、上述したチャック軸線C1と同軸上に位置するドリル軸線C2回りに回転可能に、ドリルベース61に支持されている。スピンドル62は、ドリルベース61に搭載された駆動源の駆動によって回転する。スピンドル62における+X方向端部には、ドリル63が着脱可能に装着されている。ドリル63は、スピンドル62の回転に伴い、スピンドル62とともにドリル軸線C2回りに回転する。なお、ドリル軸線C2は、チャック軸線C1と同軸に限らず、チャック軸線C1に対して平行に配置されていても構わない。
【0033】
図4は、加工装置30において、ドリル63を含む部分の平面図である。
図4に示すように、ドリル63は、先端(+X方向の端部)に向かうに従い段々と外径が縮小する多段形状に形成されている。具体的に、ドリル63は、基端部(−X方向の端部)に位置する大径部66と、テーパ部67を介して大径部66の先端に連なる小径部68と、を有している。
【0034】
大径部66は、X方向の全長に亘って外径が一様に形成されている。大径部66の基端部は、ドリル63の装着時にスピンドル62に保持される。
テーパ部67は、大径部66の先端に連なり、+X方向に向かうに従い漸次外径が縮小している。
小径部68は、テーパ部67の先端から+X方向に一様な外径で延在した後、先端が先鋭している。なお、ドリル63のうち、少なくともテーパ部67及び小径部68の外周面には、螺旋状のドリル刃(不図示)が形成されている。
【0035】
図5は、加工装置30の一部を+X方向から見た斜視図である。
図5に示すように、振れ防止部52は、メインテーブル57のうち、X方向における主軸チャックユニット31とドリルユニット51との間に位置する部分から+Z方向に立設されている。振れ防止部52において、X方向から見てチャック軸線C1(ドリル軸線C2)と重なり合う位置には、スピンドル収容部71、ドリル収容部72、ワーク収容部73及びメタルソー92の切削刃収容部(不図示)が形成されている。スピンドル収容部71、ドリル収容部72及びワーク収容部73は、−X方向から+X方向に順に連なっている。
【0036】
スピンドル収容部71は、X方向から見て半円形状の窪みである。スピンドル収容部71は、−X方向及び−Y方向に開口している。スピンドル収容部71内には、上述したスピンドル62の一部(+Y方向に位置する部分)が収容されている。
ドリル収容部72は、スピンドル収容部71に対して+X方向に連なっている。ドリル収容部72は、スピンドル収容部71よりも小径で、かつワークWが進入可能な大きさに形成された半円形状の窪みである。ドリル収容部72内には、上述したドリル63の一部(+Y方向に位置する部分)が収容されている。
【0037】
ワーク収容部73は、ドリル収容部72に対して+X方向に連なっている。ワーク収容部73は、ドリル収容部72内に連通するとともに、+X方向に開口する孔である。ワーク収容部73内には、ワークWが通過可能に構成されている。なお、本実施形態では、スピンドル収容部71及びドリル収容部72が窪み、ワーク収容部73が孔である構成について説明したが、この構成のみに限られない。各収容部71〜73は、窪みや孔等の何れであっても構わない。また、ワーク収容部73は取り外し可能なブッシュでも構わない。
【0038】
図3に示すように、切削ユニット53は、サブテーブル58において上述したドリル軸線C2に対して−Y方向に位置する部分に支持されている。すなわち、切削ユニット53は、ドリル軸線C2を間に挟んで振れ防止部52とは反対側に配置されている。切削ユニット53は、切削ベース81と、ツール保持部82と、切削部83とを主に有している。
切削ベース81は、サブテーブル58から+Z方向に立設されている。なお、切削ベース81は、架台35に対する切削部83のZ方向の位置、Y方向に延びる調整軸線C3回りの切削部83の傾きを調整可能に構成されている。
【0039】
ツール保持部82は、切削ベース81における+Y方向を向く面に固定されている。
図5に示すように、切削部83は、ツール保持部82に着脱可能に取り付けられている。切削部83は、ホルダ91と、ホルダ91に固定されたメタルソー92と、を備えている。
【0040】
ホルダ91は、ツール保持部82から+X方向に突出した状態で、ツール保持部82に支持されている。ホルダ91は、図示しない駆動源の駆動により、上述した調整軸線C3に直交する切削軸線C4回りに回転可能に構成されている。なお、本実施形態において、切削軸線C4は、上述したドリル軸線C2に対してY方向に並んで配置されている。具体的に、切削軸線C4は、Z方向から見た平面視でドリル軸線C2と平行に延び、かつY方向から見た平面視でX方向に対して僅かに傾いた状態でX方向に沿って延在している。なお、切削軸線C4は、ツール保持部82の調整軸線C3回りの位置に応じてX方向とのなす角度(歯部14のピッチ)が調整される。
【0041】
メタルソー92は、リング状に形成されている。メタルソー92の外周縁には、切削刃が形成されている。メタルソー92は、ホルダ91に着脱可能に取り付けられている。メタルソー92は、切削軸線C4と同軸に配置されている。すなわち、メタルソー92は、ホルダ91の回転に伴い、切削軸線C4回りに回転する。
【0042】
切断ユニット54は、サブテーブル58において上述したドリル軸線C2に対して+Y方向に位置する部分に支持されている。切断ユニット54は、上述した切削ユニット53とともにサブテーブル58に支持され、メインテーブル57に対してY方向に移動可能に構成されている。切断ユニット54は、切断ベース100と、切断ベース100に支持されたバイト101及びストッパ102と、を備えている。
【0043】
切断ベース100は、サブテーブル58から+Z方向に立設されている。
バイト101は、刃先を−Y方向に向けた状態で切断ベース100に支持されている。切断ユニット54は、サブテーブル58のY方向へのスライド動作に伴い、バイト101がチャック軸線C1から+Y方向に退避したバイト退避位置(
図6参照)と、バイト101がチャック軸線C1に交わる切断位置(
図12参照)と、に移動する。バイト101は、バイト退避位置から切断位置に向かう過程において、ワークWの突出領域に接触してワークWを切断する。
【0044】
ストッパ102は、切断ベース100のうち、バイト101よりも−X方向に位置している。ストッパ102は、サブテーブル58のY方向へのスライド移動に伴い、チャック軸線C1に対して進退する。具体的に、ストッパ102は、メタルソー92によるワークWの切削時(
図7等における歯部加工位置)において、チャック軸線C1から+Y方向に退避している。一方、ストッパ102は、上述したバイト退避位置において、チャック軸線C1上に位置する。バイト退避位置において、ストッパ102には、ワークWの先端面(−X方向端面)が当接可能とされている。これにより、ストッパ102は、ワークWの供給時において、ワークWの−X方向への移動を規制して、ワークWの突出領域の長さを規定している。
【0045】
図3に示すように、搬送ユニット33は、架台35から+Z方向に立設された縦ベース110において、主軸チャックユニット31よりも+Z方向に位置する部分に設けられている。具体的に、搬送ユニット33は、Y方向に延びるスライドレール111と、Y方向に移動可能にスライドレール111に支持されたアームユニット112と、を有している。
【0046】
スライドレール111は、縦ベース110から−X方向に突出したステー115に固定されている。
アームユニット112は、スライドベース120と、スライドベース120に支持された一対の把持アーム121,122と、複数の支持ローラ125と、を有している。
【0047】
スライドベース120は、スライドレール111に吊り下げられた状態で、Y方向に往復移動可能に支持されている。具体的に、スライドベース120は、スライドレール111における+Y方向端部に位置する受け取り位置と、スライドレール111における−Y方向端部に位置する受け渡し位置と、の間をスライド移動する。
【0048】
各把持アーム121,122は、スライドベース120の先端部(−X方向、かつ−Z方向に位置する端部)に、Y方向に並んで配設されている。各把持アーム121,122は、X方向に互いに平行に延びる軸線P1,P2回りに回動可能に、スライドベース120に片持ちで支持されている。
各支持ローラ125は、各把持アーム121,122の先端部に、X方向に互いに平行に延びる軸線回りに回転可能にそれぞれ支持されている。本実施形態において、支持ローラ125は、把持アーム121に2つ設けられ、把持アーム122に1つ設けられている。
【0049】
図5に示すように、各把持アーム121,122は、上述した受け取り位置において、軸線P1,P2回りの回動に伴い、チャック軸線C1に対して接近離間する。各把持アーム121,122は、受け取り位置において、チャック軸線C1に最も接近した際に、X方向における上述したバイト101及びストッパ102の間に位置する部分で、各支持ローラ125がチャック軸線C1を取り囲む。これにより、各支持ローラ125がワークWの突出領域の外周面に接触して、ワークWを保持できる。
【0050】
[ウォーム加工方法]
次に、上述した加工装置30を用いて、ウォーム11を製造する方法について説明する。
図6〜
図12は、加工装置30の要部を+Z方向から見た概略平面図であって、ウォーム11の加工方法を説明するための工程図である。なお、以下の説明では、
図6に示す状態を初期状態とする。すなわち、初期状態では、ドリルユニット51(メインテーブル57)が−X方向端部に位置し、切断ユニット54(サブテーブル58)がバイト退避位置に位置し、搬送ユニット33が受け取り位置に位置している。
本実施形態のウォーム加工方法は、ワークセット工程と、切削工程と、バリ取り工程と、ワーク保持工程と、切断工程と、搬送工程と、を主に備えている。
【0051】
図6に示すように、ワークセット工程では、ワークWの供給源からワークWを送り出す。供給源から送り出されたワークWは、チャック部42をX方向に通過した後、ストッパ102に突き当たる。これにより、チャック部42に対してワークWが位置決めされ、ワークWの突出領域がチャック部42から所定の長さ分だけ突出する。その後、チャック部42によりワークWを保持する。
【0052】
続いて、切削工程では、まずチャック部42、スピンドル62及び切削部83をそれぞれの軸線C1,C2,C4回りに回転させる。本実施形態において、上述したチャック部42及びスピンドル62(ドリル63)の回転方向は同一方向に設定されている。この場合、スピンドル62の回転速度は、チャック部42の回転速度に比べて速く設定されている。また、切削部83の回転方向は、チャック部42及びスピンドル62(ドリル63)の回転方向と逆方向に設定されている。
【0053】
次に、
図7に示すように、チャック部42、スピンドル62及び切削部83を回転させた状態で、メインテーブル57を+X方向に移動させるとともに、サブテーブル58を+Y方向に移動させる。具体的に、メインテーブル57は、+X方向に一定の速度で移動させる。また、サブテーブル58は、メタルソー92及びドリル63間の隙間(最も狭い部分)をワークWの半径よりも接近させ、メタルソー92がワークWの外周面に対して+Y方向に所定の進入量となる位置(歯部加工位置)まで移動させる。なお、サブテーブル58が歯部加工位置に移動することで、ストッパ102はチャック軸線C1から+Y方向に退避する。
【0054】
図8に示すように、サブテーブル58が歯部加工位置で停止した状態で、メインテーブル57が+X方向に移動することで、ドリル63及びメタルソー92が+X方向に向けて同期して移動する。具体的に、ドリル63がワークWの−X方向端面から進入するとともに、メタルソー92がワークWの外周面に対して−X方向端部から進入する。この際、スピンドル62の回転速度は、チャック部42の回転速度に比べて速く設定されているため、メインテーブル57の移動に伴い、ワークWのうちドリル軸線C2上に位置する部分がX方向に切削される。
また、メタルソー92は、Z方向から見た平面視でドリル軸線C2と平行に延びる切削軸線C4がX方向に対して傾いた状態で、チャック部42と逆方向に回転しているため、メインテーブル57の移動に伴い、ワークWの外周面が螺旋状に切削される。これにより、ウォーム11の歯部14及び連結孔15に相当する部分がワークWに加工される。
【0055】
図3に示すように、切削工程では、メインテーブル57の+X方向への移動を所定のストロークで停止する。本実施形態では、ドリル63のうち、テーパ部67がワークW内に進入して第1端面16aと連結孔15との縁部を押圧することでテーパ部15bを形成し、かつ小径部68の先端部がワークWの突出領域において次に形成されるウォーム11の一部に進入する位置までメインテーブル57を移動させる。すなわち、ワークWの−X方向端面からのメインテーブル57の移動量は、ウォーム11の1本分とバイト101による切断代Wa(
図3における鎖線で囲まれた領域)との合計よりも長く設定されている。これにより、切断工程での切断後、ワークWの−X方向端面に、ドリル63の先端部に倣った切削痕Wbが残存する。その結果、次に形成するウォーム11の切削工程において、切削痕Wbがドリル63のガイドとなり、ドリル63とチャック軸線C1との同軸度を高めることができる。なお、メインテーブル57の+X方向へのストロークは、適宜変更が可能である。
【0056】
上述した切削工程において、メインテーブル57の+X方向への移動に伴い、ワークWが上述したワーク収容部73を通して振れ防止部52内に進入する。これにより、ワークWの外周面の一部が、ワーク収容部73又はドリル収容部72の内周面に近接又は当接しながら、切削が行われる。すなわち、ワークWは、ワークWに対してメタルソー92とは反対側から振れ防止部52に支持された状態で、切削が行われる。そのため、切削時にメタルソー92からワークWに作用する+Y方向に向けた荷重によってワークWが+Y方向に傾くのを抑制できる。その結果、歯部14及び連結孔15を一括で形成する場合であっても、ワークWを高精度に加工できる。
【0057】
次に、
図9に示すように、バリ取り工程では、メインテーブル57を−X方向に移動させる過程(初期状態に復帰させる過程)で、メタルソー92による切削によりワークWの外周面(外側歯部14a,14b)に発生したバリを除去する。具体的には、まずメタルソー92がワークWの外周面から退避し、かつストッパ102がチャック軸線C1上に進入しない位置(一時退避位置)まで、サブテーブル58を−Y方向に移動させる。続いて、メタルソー92が歯部14のうち外側歯部14bとX方向で同じ位置に配置されるように、メインテーブル57を−X方向に移動させる。
【0058】
続いて、チャック部42をチャック軸線C1回りに回転させ、外側歯部14bの終端部とメタルソー92とのチャック軸線C1回りの位置合わせを行う。この際、チャック部42は、チャック軸線C1を中心として、外側歯部14bの終端部とメタルソー92におけるワークWとの接触部分とがなす中心角のうち、狭い方の角度(劣角)を0°にする方向に回転させることが好ましい。
【0059】
外側歯部14bの終端部とメタルソー92との位置合わせを行った後、メタルソー92とチャック部42を互いに逆方向に回転させる。続いて、サブテーブル58を再び+Y方向に移動させ、メタルソー92を外側歯部14bに進入させる。この際、メタルソー92のワークWの外周面への進入量は、上述した歯部加工位置よりも小さく設定されている(バリ取り位置)。メタルソー92が外側歯部14bに進入することで、外側歯部14bの頂部が切削されるとともに、外側歯部14bに発生したバリが切削される。このように、外側歯部14bの一部とともにバリを切削することで、バリを確実に除去できる。但し、バリのみを切削により除去しても構わない。
【0060】
また、外側歯部14bのバリを除去するには、
図10に示すように、サブテーブル58を一時退避位置まで−Y方向に移動させた状態で、メタルソー92が外側歯部14aとX方向で同じ位置に配置されるようにメインテーブル57を−X方向に移動させる。その後、上述した外側歯部14bのバリ取り方法と同様の方法により、外側歯部14aの頂部及び外側歯部14aに発生したバリをメタルソー92により切削する。
【0061】
バリ取り工程の終了後、
図11に示すように、メインテーブル57及びサブテーブル58を初期状態の位置まで復帰させる。
【0062】
図12に示すように、アーム保持工程では、搬送ユニット33の把持アーム121,122を回動させる。そして、把持アーム121,122(
図5参照)の支持ローラ125によってワークWのうち歯部14が形成された部分(加工領域)を保持する。
【0063】
切断工程では、チャック部42を回転させながら、サブテーブル58を切断位置まで−Y方向にスライドさせる。サブテーブル58の移動に伴い、バイト101がワークWに対して−Y方向に移動することで、ワークWがY方向に沿って切断される。これにより、ワークWの突出領域が、加工領域と非加工領域とに分離される。なお、ワークWの加工領域は、切断後にも把持アーム121,122により保持されている。また、切断工程後は、サブテーブル58をバイト退避位置まで復帰させ、次のワーク加工に備える。
【0064】
搬送工程では、上述した切断工程で切断されたワークWの加工領域を保持した状態で、アームユニット112を受け渡し位置まで移動させる。受け渡し位置まで搬送されたワークWは、その後仕上転造等の仕上げ工程を経て上述したウォーム11となる。また、搬送工程中において、上述した主軸チャックユニット31及びツールユニット32により、上述したウォーム11の加工方法を並行して行うことが好ましい。
【0065】
このように、本実施形態では、ドリルユニット51と切削ユニット53とがX方向に移動する過程で、ワークWの突出領域に対して連結孔15及び歯部14を一括して形成する構成とした。
この構成によれば、歯部加工及び連結孔加工の各工程を別々に行う場合に比べて、サイクルタイムを短縮させることができる。また、各工程毎にワークWまたはツールを搬送することがないので、従来のように歯部加工や連結孔加工の際に、各工程毎にワークWまたはツールを搬送する場合に比べて、切削ユニット53及びドリルユニット51を近接して配置できる。これにより、加工装置30の小型化を図ることができる。
【0066】
本実施形態では、切削ユニット53の切削軸線C4及びドリルユニット51のドリル軸線C2が、Z方向から見た平面視において、X方向に互いに平行に延在している構成とした。
この構成によれば、主軸チャックユニット31と、ドリルユニット51及び切削ユニット53と、がX方向に移動する過程で、複雑な動作をすることなく、歯部14及び連結孔15を一括で形成できる。また、ドリルユニット51及び切削ユニット53のそれぞれの軸線が平面視で傾いている場合に比べて加工装置30の平面視での小型化を図ることができる。
【0067】
本実施形態では、切削ユニット53及びドリルユニット51が、主軸チャックユニット31に対してX方向に同期して移動する構成とした。
この構成によれば、ドリルユニット51と切削ユニット53を別々に移動させる場合に比べて、動作の簡素化を図ることができる。
【0068】
本実施形態では、切削ユニット53が切削軸線C4回りに回転するメタルソー92を有しているため、例えばワーリング加工のようにワークWの周囲を取り囲んで加工を行う場合に比べて、加工装置30のレイアウト性を向上させることができる。
また、ワーリング加工のように、複数のワーリングチップで切削を行う場合に比べて交換する部品点数を削減できる。これにより、メンテナンス性を向上させることができる。
【0069】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、切削ユニット53がメタルソー92を有している構成について説明したが、この構成のみに限られない。切削ユニット53がワークWの外周面を切削可能なツールを有していれば構わない。
【0070】
上述した実施形態では、Z方向から見た平面視でドリル軸線C2と切削軸線C4とが平行に配置される構成について説明したが、この構成のみに限られない。
上述した実施形態では、ドリルユニット51と切削ユニット53を同期して移動させる構成について説明したが、この構成のみに限られない。歯部14及び連結孔15を一括して形成できる構成(例えば、歯部14及び連結孔15加工の終了タイミングが同じ構成)であれば、切削工程においてドリルユニット51と切削ユニット53をそれぞれ独立して動作させても構わない。
【0071】
上述した実施形態では、主軸チャックユニット31に対してドリルユニット51と切削ユニット53をX方向に移動させる構成について説明したが、この構成のみに限られない。例えば、ドリルユニット51と切削ユニット53に対して主軸チャックユニット31を移動させてもよく、主軸チャックユニット31、ドリルユニット51及び切削ユニット53全てを移動させてもよい。
上述した実施形態では、切削ユニット53及び切断ユニット54がサブテーブル58の移動によって一体で移動する構成について説明したが、この構成のみに限らず、切削ユニット53及び切断ユニット54が独立して移動する構成であっても構わない。
上述した実施形態では、歯部14が一条形成された場合について説明したが、歯部14が多条であっても構わない。
【0072】
上述した実施形態では、加工装置30において、切削工程の後にバリ取り工程を行う構成について説明したが、この構成のみに限らず、バリ取り工程は他の装置で行っても構わない。
【0073】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した変形例を適宜組み合わせてもよい。