特許第6871041号(P6871041)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871041
(24)【登録日】2021年4月19日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】シール装置及び圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/447 20060101AFI20210426BHJP
   F04B 39/00 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   F16J15/447
   F04B39/00 104A
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-67380(P2017-67380)
(22)【出願日】2017年3月30日
(65)【公開番号】特開2018-168973(P2018-168973A)
(43)【公開日】2018年11月1日
【審査請求日】2019年12月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】310010564
【氏名又は名称】三菱重工コンプレッサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100210572
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100126893
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 哲男
(72)【発明者】
【氏名】中庭 彰宏
(72)【発明者】
【氏名】平田 大輔
【審査官】 山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−108201(JP,A)
【文献】 特開2010−014051(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/40−15/453
F04B 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線回りに回転する回転軸と該回転軸を囲うケーシングを有する圧縮機における前記回転軸と前記ケーシングとの間に設けられて、該圧縮機の機内側と機外側とを軸線方向に隔てるシール装置であって、
前記回転軸は、第一外周面、該第一外周面の機外側に隣接して該第一外周面よりも外径が小さい第二外周面、及び、前記第一外周面と前記第二外周面とを接続する段差面を有し、
前記ケーシングに固定されて前記軸線を囲う環状をなすリング部と、
該リング部の内周面から突出して前記第一外周面との間でクリアランスを形成する複数のフィンからなる第一フィン群と、
前記リング部の内周面から突出して先端が前記第一外周面よりも径方向内側に位置するとともに前記第二外周面との間でクリアランスを形成する複数の第二フィンからなる第二フィン群と、
備え、
前記リング部が、
前記第一フィン群の間に第一シールガスを供給可能な第一ガス供給路と、
前記第二フィン群の間に第二シールガスを供給可能な第二ガス供給路と、
前記第一フィン群と前記第二フィン群との間から、前記第一フィン群のクリアランスを通過した前記第一シールガスと前記第二フィン群のクリアランスを通過した第二シールガスとの混合ガスを排出可能な混合ガス排出路と、
を有し、
複数の前記第二フィンのうち最も機内側に位置する先頭第二フィンと前記段差面との前記軸線方向の間隔をWとし、
前記先頭第二フィンと前記第二外周面とのクリアランスの寸法をCLとし、
前記リング部における前記第二フィン群が設けられた内周面と前記第二外周面との径方向の間隔をDとした場合に、
CL<W<2Dの関係が成立するシール装置。
【請求項2】
軸線回りに回転する回転軸と該回転軸を囲うケーシングを有する圧縮機における前記回転軸と前記ケーシングとの間に設けられて、該圧縮機の機内側と機外側とを軸線方向に隔てるシール装置であって、
前記回転軸は、第一外周面、該第一外周面の機外側に隣接して該第一外周面よりも外径が小さい第二外周面、及び、前記第一外周面と前記第二外周面とを接続する段差面を有し、
前記ケーシングに固定されて前記軸線を囲う環状をなすリング部と、
該リング部の内周面から突出して前記第一外周面との間でクリアランスを形成する複数のフィンからなる第一フィン群と、
前記リング部の内周面から突出して先端が前記第一外周面よりも径方向内側に位置するとともに前記第二外周面との間でクリアランスを形成する複数の第二フィンからなる第二フィン群と、
備え、
前記リング部が、
前記第一フィン群の間に第一シールガスを供給可能な第一ガス供給路と、
前記第二フィン群の間に第二シールガスを供給可能な第二ガス供給路と、
前記第一フィン群と前記第二フィン群との間から、前記第一フィン群のクリアランスを通過した前記第一シールガスと前記第二フィン群のクリアランスを通過した第二シールガスとの混合ガスを排出可能な混合ガス排出路と、
を有し、
前記リング部は、
前記第一外周面よりも機外側、かつ、複数の前記第二フィンのうち最も機内側に位置する先頭第二フィンよりも機内側に位置するとともに、前記第一フィン群のクリアランスを通過した第一シールガスが衝突する壁面を有し、
該壁面は、径方向外側に向かうにしたがって機外側に向かって傾斜しているシール装置。
【請求項3】
軸線回りに回転する回転軸と該回転軸を囲うケーシングを有する圧縮機における前記回転軸と前記ケーシングとの間に設けられて、該圧縮機の機内側と機外側とを軸線方向に隔てるシール装置であって、
前記回転軸は、第一外周面、該第一外周面の機外側に隣接して該第一外周面よりも外径が小さい第二外周面、及び、前記第一外周面と前記第二外周面とを接続する段差面を有し、
前記ケーシングに固定されて前記軸線を囲う環状をなすリング部と、
該リング部の内周面から突出して前記第一外周面との間でクリアランスを形成する複数のフィンからなる第一フィン群と、
前記リング部の内周面から突出して先端が前記第一外周面よりも径方向内側に位置するとともに前記第二外周面との間でクリアランスを形成する複数の第二フィンからなる第二フィン群と、
備え、
前記リング部が、
前記第一フィン群の間に第一シールガスを供給可能な第一ガス供給路と、
前記第二フィン群の間に第二シールガスを供給可能な第二ガス供給路と、
前記第一フィン群と前記第二フィン群との間から、前記第一フィン群のクリアランスを通過した前記第一シールガスと前記第二フィン群のクリアランスを通過した第二シールガスとの混合ガスを排出可能な混合ガス排出路と、
を有し、
前記段差面及び前記混合ガス排出路のそれぞれの前記軸線方向の位置が互いに一致しているシール装置。
【請求項4】
複数の前記第二フィンのうち最も機内側に位置する先頭第二フィンは、径方向内側に向かうに従って機内側に向かって傾斜している請求項1から3のいずれか一項に記載のシール装置。
【請求項5】
前記回転軸と、前記ケーシングと、請求項1から4のいずれか一項に記載のシール装置と、を備える圧縮機。
【請求項6】
前記第一シールガスは、機内で圧縮されたプロセスガスであって、
前記第二シールガスは、外部から供給される不活性ガスである請求項5に記載の圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シール装置及び圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮機には、機内で圧縮されるガス(プロセスガス)がケーシングから外部に漏えいすることを抑制するためにシール装置が設けられている(例えば特許文献1参照)。このようなシール装置の一種として、ドライガスシールが知られている。
【0003】
このシール装置は、機内側に配置された第一フィン群と機外側に配置された第二フィン群とを有している。これら第一フィン群、第二フィン群はそれぞれ回転軸の外周面との間にクリアランスを形成している。
第一フィン群の間には、フィルタを通した微量のプロセスガスがシールガスとして供給される。第二フィン群の間には不活性ガスがシールガスとして供給される。第一フィン群と第二フィン群の間には、第一フィン群のクリアランスを通過したプロセスガスと第二フィン群のクリアランスを通過した不活性ガスとの混合ガスをベントガスとして外部に排出する排出路が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭58−53961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のシール装置では、該シール装置に供給されるプロセスガスが、第一フィン群のクリアランスを通過した後に、回転軸の外周面に沿う噴流として第二フィン群も通過してしまう場合がある。このようなプロセスガスの噴流は、第二フィン群を突き抜けることで圧縮機の外部へと漏れてしまう。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、機内側からのシールガスの漏れを抑制することができるシール装置及び圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用している。
即ち、本発明の第一態様に係るシール装置は、回転軸と該回転軸を囲うケーシングを有する圧縮機における前記回転軸と前記ケーシングとの間に設けられて、該圧縮機の機内側と機外側とを軸線方向に隔てるシール装置であって、前記回転軸は、第一外周面、該第一外周面の機外側に隣接して該第一外周面よりも外径が小さい第二外周面、及び、前記第一外周面と前記第二外周面とを接続する段差面を有し、前記ケーシングに固定されて前記軸線を囲う環状をなすリング部と、該リング部の内周面から突出して前記第一外周面との間でクリアランスを形成する複数のフィンからなる第一フィン群と、前記リング部の内周面から突出して先端が前記第一外周面よりも径方向内側に位置するとともに前記第二外周面との間でクリアランスを形成する複数の第二フィンからなる第二フィン群と、備え、前記リング部が、前記第一フィン群の間に第一シールガスを供給可能な第一ガス供給路と、前記第二フィン群の間に第二シールガスを供給可能な第二ガス供給路と、前記第一フィン群と前記第二フィン群との間から、前記第一フィン群のクリアランスを通過した前記第一シールガスと前記第二フィン群のクリアランスを通過した第二シールガスとの混合ガスを排出可能な混合ガス排出路と、を有し、複数の前記第二フィンのうち最も機内側に位置する先頭第二フィンと前記段差面との前記軸線方向の間隔をWとし、前記先頭第二フィンと前記第二外周面とのクリアランスの寸法をCLとし、前記リング部における前記第二フィン群が設けられた内周面と前記第二外周面との径方向の間隔をDとした場合に、CL<W<2Dの関係が成立する。
【0008】
上記態様によれば、第一フィン群のクリアランスを機外側に通過する第一シールガスは、噴流として第一外周面に沿って第二フィンに向かって進行する。一方、第二フィン群のクリアランスを機内側に通過した第二シールガスは、段差面に衝突することで径方向外側に向かって曲げられ、最も機内側の第二フィンの手前に渦を形成する。そのため、当該第
二フィンに向かって進行する第一シールガスの噴流は、直接的に第二フィンに衝突することなく、上記渦によって径方向外側に向かって誘導される。したがって、第一シールガスの噴流は、第二フィン群のクリアランスから径方向外側に向かって遠ざけられる。また、径方向外側に誘導されたシールガスの噴流は、第二フィンに沿ってより径方向外側に案内される。よって、第一シールガスの噴流が、第二フィン群のクリアランスを突破してしまうことを抑制できる。
また、上記関係が成立することで、先頭第二フィンは段差面により近接して配置される。そのため、第一シールガスの噴流が第二フィンに衝突し易くなるため、上記渦による誘導と相まって、当該噴流をより第二フィン群のクリアランスから遠ざけることができる。
【0011】
上記態様では、前記先頭第二フィンは、径方向内側に向かうに従って機内側に向かって傾斜していてもよい。
【0012】
これによって、先頭第二フィンに衝突する第一シールガスの噴流を、傾斜に沿って径方向外側により案内し易くすることができる。
【0013】
また、本発明の他の態様に係るシール装置は、軸線回りに回転する回転軸と該回転軸を囲うケーシングを有する圧縮機における前記回転軸と前記ケーシングとの間に設けられて、該圧縮機の機内側と機外側とを軸線方向に隔てるシール装置であって、 前記回転軸は、第一外周面、該第一外周面の機外側に隣接して該第一外周面よりも外径が小さい第二外周面、及び、前記第一外周面と前記第二外周面とを接続する段差面を有し、 前記ケーシングに固定されて前記軸線を囲う環状をなすリング部と、 該リング部の内周面から突出して前記第一外周面との間でクリアランスを形成する複数のフィンからなる第一フィン群と、 前記リング部の内周面から突出して先端が前記第一外周面よりも径方向内側に位置するとともに前記第二外周面との間でクリアランスを形成する複数の第二フィンからなる第二フィン群と、 備え、 前記リング部が、 前記第一フィン群の間に第一シールガスを供給可能な第一ガス供給路と、 前記第二フィン群の間に第二シールガスを供給可能な第二ガス供給路と、 前記第一フィン群と前記第二フィン群との間から、前記第一フィン群のクリアランスを通過した前記第一シールガスと前記第二フィン群のクリアランスを通過した第二シールガスとの混合ガスを排出可能な混合ガス排出路と、を有し、前記リング部は、前記第一外周面よりも機外側、かつ、複数の前記第二フィンのうち最も機内側に位置する先頭第二フィンよりも機内側に位置するとともに、前記第一フィン群のクリアランスを通過した第一シールガスが衝突する壁面を有し、該壁面は、径方向外側に向かうにしたがって機外側に向かって傾斜している。
【0014】
この場合、第一フィン群を通過した第一シールガスの噴流は、壁面に衝突し、該壁面に沿って径方向外側に案内される。また、壁面の径方向内側では、第二シールガスの上記渦が形成されることで、第一シールガスの径方向内側への入り込みが抑制される。その結果、上記噴流が第二フィン群のクリアランスを通過してしまうことを抑制できる。
また、本発明の他の態様に係るシール装置は、軸線回りに回転する回転軸と該回転軸を囲うケーシングを有する圧縮機における前記回転軸と前記ケーシングとの間に設けられて、該圧縮機の機内側と機外側とを軸線方向に隔てるシール装置であって、 前記回転軸は、第一外周面、該第一外周面の機外側に隣接して該第一外周面よりも外径が小さい第二外周面、及び、前記第一外周面と前記第二外周面とを接続する段差面を有し、 前記ケーシングに固定されて前記軸線を囲う環状をなすリング部と、 該リング部の内周面から突出して前記第一外周面との間でクリアランスを形成する複数のフィンからなる第一フィン群と、 前記リング部の内周面から突出して先端が前記第一外周面よりも径方向内側に位置するとともに前記第二外周面との間でクリアランスを形成する複数の第二フィンからなる第二フィン群と、 備え、 前記リング部が、 前記第一フィン群の間に第一シールガスを供給可能な第一ガス供給路と、 前記第二フィン群の間に第二シールガスを供給可能な第二ガス供給路と、 前記第一フィン群と前記第二フィン群との間から、前記第一フィン群のクリアランスを通過した前記第一シールガスと前記第二フィン群のクリアランスを通過した第二シールガスとの混合ガスを排出可能な混合ガス排出路と、を有し、前記段差面及び前記混合ガス排出路のそれぞれの前記軸線方向の位置が互いに一致している。
【0015】
本発明の第二態様に係る圧縮機は、前記回転軸と、前記ケーシングと、請求項1から3のいずれか一項に記載のシール装置と、を備える。
【0016】
上記態様では、前記第一シールガスは、機内で圧縮されたプロセスガスであって、前記第二シールガスは、外部から供給される不活性ガスであってもよい。
【0017】
これによって、プロセスガスが第二フィン群のクリアランスを通過してしまうことを抑制できる。よって、プロセスガスとしてNOX等の有害ガスや可燃ガスを用いた場合等、プロセスガスの取扱いにより注意を払う必要がある場合であっても、該プロセスガスの漏れを抑制することで、より適切な管理を行うことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のシール装置及び圧縮機によれば、機内側からのシールガスの漏れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第一実施形態に係る圧縮機を備えた冷凍サイクルシステムの主要部を示す模式図である。
図2】第一実施形態に係る圧縮機の要部を示す縦断面図である。
図3図2の部分拡大図である。
図4】第二実施形態に係る圧縮機の縦断面図の部分拡大図である。
図5】第三実施形態に係る圧縮機の縦断面図の部分拡大図である。
図6】第三実施形態の変形例に係る圧縮機の縦断面図の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の第一実施形態に係るシール装置及び圧縮機を備えたシステムの一例について図1図3を参照して詳細に説明する。第一実施形態に係る冷凍サイクルシステム1は、図示しない冷却対象を冷却するためのシステムである。本実施形態の冷凍サイクルシステム1は、例えば、液化天然ガス(以下、LNG)プラントに用いられてもよい。特に、プロセスガスG1の補充が困難であり、冷却源として冷凍機を追加するスペースの確保も困難な洋上プラントや船上プラントのような海底から天然ガスを掘り出して液化するLNGプラントに適用されてもよい。
冷凍サイクルシステム1は、圧縮機2と、凝縮器3と、貯留部4と、蒸発器5と、を備える。これらの構成は、上記した順番で配管6によって接続されている。
【0021】
圧縮機2は、気体状態の冷媒(以下、プロセスガスG1と呼ぶ。)を圧縮する。圧縮機2のロータ11には、これを駆動するモータ等の駆動機7が接続されている。
凝縮器3は、圧縮機2において圧縮された高温高圧のプロセスガスG1を冷却して凝縮する。
貯留部4は、凝縮器3において液体状態とされたプロセスガスG1を一時的に貯留する。
蒸発器5は、貯留部4からバルブ8により断熱膨張して圧力及び温度が低下した状態で供給される液体状態のプロセスガスG1と、不図示の冷却対象との間で熱交換することで、液体状態のプロセスガスG1を蒸発させる。蒸発することで気化したプロセスガスG1は、再び圧縮機2に送り込まれる。
【0022】
上記のプロセスガスG1は、例えば炭化水素(ハイドロカーボン)である。プロセスガスG1として用いる炭化水素は、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン等のうち適宜選択された一種類又は複数種類の炭化水素であってよい。
なお、本実施形態の圧縮機2は、上記炭化水素のような可燃性ガスの他、NOX等の有毒ガスをプロセスガスG1として圧縮してもよい。
【0023】
図1及び図2に示すように、圧縮機2のロータ11は、軸線O回りに回転する回転軸12及びこれに取り付けられた不図示のインペラを備える。圧縮機2は、ロータ11を収容するケーシング40を備える。回転軸12は、軸線O方向の両端である第一端部13及び第二端部14が共にケーシング40の外側に突出している。回転軸12は、ケーシング40の外側で軸受16によってケーシング40に対して回転自在に支持されている。図2では、回転軸12の軸線O方向一方側の第一端部13のみが軸受16によってケーシング40に対して支持されているが、回転軸12の軸線O方向他方側の第二端部14も同様に軸受16によって支持されている。
【0024】
図2及び図3に示すように、回転軸12の第一端部13側の部分には、ケーシング40との間に隙間が形成されている。この隙間には、シール装置50が設けられている。シール装置50は、圧縮機2での作動流体となるプロセスガスG1がケーシング40の内側から外側に、即ち、圧縮機2の機内側(図2の左側、軸線O方向他方側)から機外側(図2の右側、軸線O方向一方側)に漏れることを抑制する。
【0025】
シール装置50は、回転軸12の外周面20のうち第一外周面21、第二外周面22及び第三外周面23を径方向外側から囲うように設けられている。これら第一外周面21、第二外周面22及び第三外周面23は、それぞれ軸線Oに直交する断面視で円形をなしている。
【0026】
第一外周面21は、機内側に位置している。第二外周面22は、第一外周面21の機外側に隣接して設けられている。第二外周面22の外径は第一外周面21の外径よりも小さい。これによって、第一外周面21と第二外周面22との間には、軸線Oに直交する平面状をなして機外側を向く円環状の段差面31が形成されている。第三外周面23は、第二外周面22の機外側に隣接して設けられている。第三外周面23の外径は第二外周面22よりも小さい。これによって第二外周面22と第二外周面22との間にも段差部32が形成されている。
【0027】
このような回転軸12の外周面に対向するシール装置50は、リング部60、第一フィン群81、第二フィン群83及び第三フィン群85を有する。
【0028】
リング部60は、軸線Oを中心とした円筒形状をなしている。リング部60の外周面は、軸線O方向に一様な外径をなす円筒面状をなしている。リング部60の外周面は、ケーシング40の内周面41に一体に固定されている。即ち、シール装置50はケーシング40に固定されている。
リング部60の内周面61は、回転軸12の第一外周面21に径方向外側から対向する第一内周面62、回転軸12の第二外周面22に径方向外側から対向する第二内周面63、及び、回転軸12の第三外周面23に径方向外側から対向する第三内周面64を有している。
【0029】
リング部60における第一内周面62と第二内周面63との間には、径方向外側に向かって軸線Oを中心とした環状に凹む第一排出凹部71が形成されている。リング部60の第一排出凹部71と回転軸12の外周面20とによって第一排出空間R1が区画形成されている。回転軸12の外周面20における第一外周面21と第二外周面22との境界となる段差面31は、当該第一排出空間R1の軸線O方向の範囲内に位置している。
【0030】
詳しくは図3に示すように、リング部60における第一排出凹部71は、機内側を向く壁面72を有している。該壁面72は、軸線Oに直交する平面状をなしており、軸線Oを中心とした環状に延びている。壁面72は、回転軸12の段差面31よりも機外側に位置している。壁面72の径方向内側の端部は、リング部60の第二内周面63と周方向全域にわたって接続されている。リング部60の第二内周面63は、回転軸12の第二外周面22に対向するとともに、第一外周面21よりも径方向外側に位置している。
【0031】
図2に示すように、第二内周面63と第三内周面64との間には、径方向外側に向かって軸線Oを中心とした環状に凹む第二排出凹部73が形成されている。リング部60の第二排出凹部73と回転軸12の外周面20とによって第二排出空間R2が区画形成されている。
【0032】
リング部60における第一外周面21には、該第一外周面21の軸線O方向両端の軸線
方向内側に、第一外周面21を軸線O方向に2つに分断するようにして、径方向外側に向かって軸線Oを中心とした環状に凹む第一供給凹部74が形成されている。リング部60の第一供給凹部74と回転軸12の外周面20(第一外周面21)とによって第一供給空間R3が区画形成されている。
リング部60における第二外周面22には、該第二外周面22の軸線O方向両端の軸線O方向内側に、第二外周面22を軸線O方向に2つに分断するようにして、径方向外側に向かって軸線Oを中心とした環状に凹む第二供給凹部75が形成されている。リング部60の第二供給凹部75と回転軸12の外周面20(第二外周面22)とによって第二供給空間R4が区画形成されている。
【0033】
ここで、リング部60には、第一ガス供給路76、第二ガス供給路77、混合ガス排出路78、不活性ガス排出路79(シールガス排出路)が形成されている。
第一ガス供給路76は、第一供給凹部74と該リング部60の外周面とを径方向に貫通するように周方向に間隔をあけて複数形成されている。
ケーシング40の内周面41における第一ガス供給路76に対応する部分には、第一ガス供給路76に圧縮機2内のプロセスガスG1をシール用のプロセスガスG1として導入可能な第一ガス導入路42が形成されている。即ち、第一ガス導入路42には、圧縮機2の圧縮対象となるプロセスガスG1の一部が抽気されて、その後にフィルタを通過したプロセスガスG1が供給される。
【0034】
第二ガス供給路77は、第二供給凹部75と該リング部60の外周面とを径方向に貫通するように周方向に間隔をあけて複数形成されている。
ケーシング40の内周面41における第二ガス供給路77に対応する部分には、第二ガス供給路77に圧縮機2内の不活性ガスG2を導入可能な第二ガス導入路43が形成されている。第二ガス導入路43には、図1に示すように、圧縮機2の外部に設けられた不活性ガス供給源9から、窒素等の不活性ガスG2が供給される。
【0035】
混合ガス排出路78は、第一排出凹部71と該リング部60の外周面とを径方向に貫通するように周方向に間隔をあけて複数形成されている。
ケーシング40の内周面41における混合ガス排出路78に対応する部分には、該混合ガス排出路78からプロセスガスG1と不活性ガスG2との混合ガスを外部に導出可能な混合ガス導出路44が形成されている。混合ガス導出路44から圧縮機2の外部に排出された混合ガスは、図1に示すガス回収部10によってプロセスガスG1のみが回収され、該プロセスガスG1が冷凍サイクルシステム1の配管6へと返される。ガス回収部によって分離された不活性ガスG2は大気開放されてもよいし、回収して再度使用してもよい。
【0036】
不活性ガス排出路79(シールガス排出路)は、第二排出凹部73と該リング部60の外周面とを径方向に貫通するように周方向に間隔をあけて複数形成されている。
ケーシング40の内周面41における不活性ガス排出路79に対応する部分には、不活性ガス排出路79から不活性ガスG2を外部に排出する不活性ガス導出路45が形成されている。
【0037】
第一フィン群81は、リング部60における第一内周面62に設けられている。第一フィン群81は、第一内周面62から径方向内側に突出して回転軸12の第一外周面21との間にクリアランスを形成する複数の第一フィン82から構成されている。第一フィン82はそれぞれ軸線Oを中心とした環状に延在している。複数の第一フィン82は、軸線O方向に間隔をあけて並設されている。第一フィン群81は、第一供給凹部74によって軸線O方向に2つのグループに分断されている。
【0038】
第二フィン群83は、リング部60における第二内周面63に設けられている。第二フィン群83は、第二内周面63から径方向内側に突出して回転軸12の第二外周面22との間にクリアランスを形成する複数の第一フィン82から構成されている。第二フィン84はそれぞれ軸線Oを中心とした環状に延在している。複数の第二フィン84は、軸線O方向に間隔をあけて並設されている。第二フィン群83は、第二供給凹部75によって軸線O方向に2つのグループに分断されている。
詳しくは図3に示すように、第二フィン群83を構成する複数の第二フィン84の先端(径方向内側の端部)は、第一外周面21よりも径方向内側に位置している。
【0039】
第三フィン群85は、リング部60における第三内周面64に設けられている。第三フィン群85は、第三内周面64から径方向内側に突出して回転軸12の第三外周面23との間にクリアランスを形成する複数の第三フィン86から構成されている。第三フィン86はそれぞれ軸線Oを中心とした環状に延在している。複数の第三フィン86は、軸線O方向に間隔をあけて並設されている。
【0040】
ここで、図3に示すように、複数の第二フィン84のうち最も機内側に位置する先頭第二フィン84aと段差面31との軸線O方向の間隔をWとする。先頭第二フィン84aと第二外周面22とのクリアランスの寸法をCLとする。リング部60における第二フィン群83が設けられた内周面と第二外周面22との径方向の間隔をDとする。この場合、本実施形態では、CL<W<2Dの関係が成立している。
【0041】
次に本実施形態の作用について説明する。
冷凍サイクルシステム1の運転時には、圧縮機2のロータ11が回転しており、シール装置50によって圧縮機2のロータ11の両端からのプロセスガスG1の漏れが抑制される。
シール装置50では、ケーシング40の第一ガス導入路42からのシール用のプロセスガスG1が、第一ガス供給路76を介して第一供給空間R3内に導入される。このプロセスガスG1は、第一供給空間R3から第一フィン群81のクリアランスを通過して機内側及び機外側に進行する。また、ケーシング40の第二ガス導入路43からの不活性ガスG2が、第二ガス供給路77を介して第二供給空間R4内に導入される。この不活性ガスG2は、第二供給空間R4から第二フィン群83のクリアランスを通過して機内側及び機外側に進行する。
【0042】
第一排出空間R1には、第一フィン群81のクリアランスを機外側に向かって通過したプロセスガスG1が到達するとともに、第二フィン群83のクリアランスを機内側に向かって通過した不活性ガスG2と到達する。第一排出空間R1では、これらプロセスガスG1と不活性ガスG2とが混ざり合って混合ガスが生成される。混合ガスは、第一排出空間R1から混合ガス排出路78、混合ガス導出路44を介して、圧縮機2外に排出される。
第二排出空間R2には、第二フィン群83のクリアランスを機外側に向かって通過した不活性ガスG2が到達する。この不活性ガスG2は、第二排出空間R2から不活性ガス排出路79、不活性ガス導出路45を介して、圧縮機2外に排出される。
【0043】
このようにシール装置50では、シール用のプロセスガスG1、不活性ガスG2が供給されることで、機内のプロセスガスG1が漏出されてしまうことを抑制している。また、シール用のプロセスガスG1の漏れは、不活性ガスG2によって抑制されている。
【0044】
ここで本実施形態では、図3に示すように、第一フィン群81のクリアランスを機外側に通過するプロセスガスG1は、噴流として第一外周面21に沿って第二フィン群83に向かって進行する。一方、第二フィン群83のクリアランスを機内側に通過する不活性ガスG2は、段差面31に衝突することで径方向外側に向かって案内される。その結果、最も機内側の第二フィン84である先頭第二フィン84aの手前に渦Vが形成される。この渦Vによって、第二フィン84に向かって進行するプロセスガスG1の噴流は、上記渦Vによって径方向外側に向かって誘導される。これにより、プロセスガスG1の噴流が直接的に先頭第二フィン84aに衝突することが抑制される。
【0045】
また、渦Vの案内によって、プロセスガスG1の噴流は、第二フィン群83のクリアランスから径方向外側に向かって遠ざけられる。このように径方向外側に誘導されたプロセスガスG1の噴流は、第二フィン84に沿って、より径方向外側に案内される。よって、プロセスガスG1の噴流が、第二フィン群83のクリアランスを突破してしまうことを抑制できる。したがって、プロセスガスG1が機外に漏れ出てしまうことを回避することができる。特にプロセスガスG1が可燃性のガスの場合やNOX等の有毒ガスの場合であっても、本実施形態では当該プロセスガスG1の漏れが回避されるため、より安全なシステムを構築することができる。また、より適切なプロセスガスG1の管理を行うことができる。
【0046】
さらに、本実施形態では、上述の通り、CL<W<2Dの関係が成立しているため、先頭第二フィン84aは段差面31により近接して配置される。そのため、プロセスガスG1の噴流が第二フィン84に衝突し易くなるため、上記渦Vによる誘導と相まって、当該噴流をより第二フィン群83のクリアランスから遠ざけることができる。
【0047】
また、本実施形態では、回転軸12は、機内側の第一外周面21よりも機外側の第二外周面22の方が、外径が小さく設定されている。また、これに対応して、第一フィン群81よりも第二フィン群83の方が径方向内側に突出している。そのため、シール装置50の機外側からの着脱を容易に行うことができる。
【0048】
次に第二実施形態について図4を参照して説明する。第二実施形態では第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第二実施形態では、第二フィン群83の複数の第二フィン84における最も機内側に位置する先頭第二フィン84aが、リング部60から径方向内側に向かうに従って機内側に向かって傾斜している。これによって、先頭第二フィン84aの機内側を向く面は、機外側に向かうに従って径方向外側に向かって延びる傾斜案内面84bとされている。複数の第二フィン84のうち先頭第二フィン84a以外の第二フィン84は、第一実施形態と同様、径方向に突出している。
【0049】
第二実施形態では、上記構成によって、プロセスガスG1の噴流は渦Vによって径方向外側に案内されることに加えて、先頭第二フィン84aの傾斜案内面84bによってさらに径方向外側に案内される。即ち、プロセスガスG1の噴流をより容易に径方向外側に向かって案内することができる。そのため、プロセスガスG1の噴流が、第二フィン群83を突き抜けて機外に漏れ出てしまうことをより一層抑制することができる。
【0050】
次に第三実施形態について図5を参照して説明する。第三実施形態では第一実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第三実施形態では、リング部60における第二フィン群83が設けられた第二内周面63のうち、機内側の端部から先頭第二フィン84aまでの部分が、径方向内側に向かって一段突出する突出内周面63aとされている。これにともなって、第二内周面63の機内側の端部に接続されたリング部60の壁面72は、第一実施形態よりも径方向内側に向かって延びている。
【0051】
本実施形態では、突出内周面63aは、回転軸12の第一外周面21と同一の径方向位置又は該第一外周面21よりも径方向内側、かつ、先頭第二フィン84aの先端よりも径方向外側に位置している。これに伴って、壁面72の径方向内側の端部は、第一外周面21と同一の径方向位置から該第一外周面21よりも径方向内側に位置している。
さらに、壁面72は、径方向内側の端部から径方向外側に向かうにしたがって機外側に向かって傾斜している。壁面72の傾斜角度は、径方向に対して例えば5°〜15°の角度で傾斜している。壁面72の傾斜角度は10°とすることが好ましい。
【0052】
本実施形態によれば、第一フィン群81を通過したプロセスガスG1の噴流は、壁面72に衝突し、該壁面72に沿って径方向外側に案内される。また、壁面72の径方向内側では、第二シールガスの上記渦Vが形成されることで、プロセスガスG1の径方向内側への入り込みが抑制される。その結果、上記噴流が第二フィン群83のクリアランスを通過してしまうことをより一層抑制することができ、プロセスガスG1の漏れを効果的に抑制することができる。
【0053】
なお、第三実施形態の変形例として、例えば図6に示すように、先頭第二フィン84aが第二実施形態同様、傾斜していてもよい。この場合、先頭第二フィン84aの手前でより渦Vが形成され易くなる。そのため、第一外周面21に沿って流れる噴流が、第二外周面22側に入り込むことをより一層抑制できる。
【0054】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば実施形態では、冷凍サイクルシステム1の圧縮機2にシール装置50を適用した例について説明したが、他のシステムに圧縮機2及びシール装置50を適用してもよい。
【0055】
実施形態では、第一フィン群81の間に第一シールガスとしてプロセスガスG1を供給する例について説明したが、第一シールガスとして例えば外部から供給される他のガスを用いてもよい。当該ガスがNOX等の有毒ガス、可燃性ガスの場合であっても、その漏れを効果的に抑制することができる。また、第一シールガスとしては、上記ガス以外の他のガスを用いてもよい。
段差面31は、軸線Oに直交する平面状に限られず、機内側に向かって又は機外側に向かって傾斜していてもよい。
【0056】
実施形態では、第二フィン群83の間に第二シールガスとして窒素を供給する例について説明したが、他の不活性ガスG2を第二シールガスとして用いてもよい。また、不活性ガスG2に限られず、他のガスを第二シールガスとして用いてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 冷凍サイクルシステム
2 圧縮機
3 凝縮器
4 貯留部
5 蒸発器
6 配管
7 駆動機
8 バルブ
9 不活性ガス供給源
10 ガス回収部
11 ロータ
12 回転軸
13 第一端部
14 第二端部
16 軸受
20 外周面
21 第一外周面
22 第二外周面
23 第三外周面
31 段差面
32 段差部
40 ケーシング
41 内周面
42 第一ガス導入路
43 第二ガス導入路
44 混合ガス導出路
45 不活性ガス導出路
50 シール装置
60 リング部
61 内周面
62 第一内周面
63 第二内周面
63a 突出内周面
64 第三内周面
71 第一排出凹部
72 壁面
73 第二排出凹部
74 第一供給凹部
75 第二供給凹部
76 第一ガス供給路
77 第二ガス供給路
78 混合ガス排出路
79 不活性ガス排出路
81 第一フィン群
82 第一フィン
83 第二フィン群
84 第二フィン
84a 先頭第二フィン
84b 傾斜案内面
85 第三フィン群
86 第三フィン
R1 第一排出空間
R2 第二排出空間
R3 第一供給空間
R4 第二供給空間
G1 プロセスガス
G2 不活性ガス
V 渦
O 軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6