【実施例1】
【0016】
《隙隠し構造Cの概略構成について》
始めに、実施例1の隙隠し構造C(乗物用ラゲッジフロアの隙隠し構造)の構成について、
図1〜
図7を用いて説明する。なお、以下の説明において、前後上下左右等の各方向を示す場合には、各図中に示されたそれぞれの方向を指すものとする。本実施例の隙隠し構造Cは、
図1に示すように、3列シートを備えた自動車の最後列目のリヤシート1とその後側のラゲッジフロアLとの間に形成される隙間Tを、ラゲッジフロアLの前端にヒンジ連結された左右一対の隙隠しボードBによって見栄え良く覆い隠せるようにする構造となっている。ここで、上述したリヤシート1が本発明の「座席」に相当する。
【0017】
上述した各隙隠しボードBは、図示しない樹脂製の板材に、ラゲッジフロアLに敷設されたカーペット材からひと繋ぎ状に延びる面材が一体的に接着された状態に被覆された構成とれ、ラゲッジフロアLとの間を繋ぐ車幅方向に延びるヒンジ部分(インテグラルヒンジ)を回転中心BrとしてラゲッジフロアLに対して高さ方向に回転可能となる状態に設けられた状態とされている。各隙隠しボードBは、それぞれ、後述するリヤシート1を構成する左右の各分割シート1A,1Bに当てられて支持されることにより、これら分割シート1A,1BとラゲッジフロアLとの間に形成されるそれぞれの隙間Tを個別に覆う構成とされている。
【0018】
上述したリヤシート1は、左右で5:5分割された2つの分割シート1A,1Bによって構成されている。各分割シート1A,1Bは、それぞれ、着座者の背凭れ部となるシートバック2と、着座部となるシートクッション3と、を備えている。各分割シート1A,1Bは、それぞれ、各々を個別に着座使用される使用位置から、ラゲッジフロアLの前下側の床下格納位置へと後側に折り畳んで沈み込ませる形に格納することのできる後方チルトダウン機構5を備えている。
【0019】
上述した各後方チルトダウン機構5は、常時は、各分割シート1A,1Bを使用位置の状態に固定した状態として保持するが、シートバック2の背面部2Bに設けられた解除レバー2Lが操作されることにより、各分割シート1A,1Bを床下格納位置へと折り畳んで沈み込ませるように動作する構成とされている。上記構成により、リヤシート1は、各分割シート1A,1Bを床下格納位置へと折り畳んで沈み込ませることにより、折り畳まれたシートバック2の背面部2BをラゲッジフロアLと略面一状の状態にして、ラゲッジスペースを拡大することができるようになっている。
【0020】
詳しくは、上述したリヤシート1は、各分割シート1A,1Bを双方とも床下格納位置へと沈み込ませたり、一方を残して他方だけを床下格納位置へと沈み込ませたりするといったシートアレンジが行えるようになっている。しかし、上述したリヤシート1は、各分割シート1A,1Bを互いに左右で異なる形態にすることができるようになっていることにより、各分割シート1A,1BとラゲッジフロアLとの間に形成される隙間Tの形態が左右で互いに異なる事態が生じてしまうようになっている。そしてそれにより、上記の隙間Tを覆い隠す各隙隠しボードBの各分割シート1A,1Bに対する当たり方が変わってしまうと、一方の他方に対する姿勢が斜めに浮いたり沈んだりしてしまい、上記の隙間TをラゲッジフロアLと略面一状に揃えた形で見栄え良く覆うことができなくなってしまうおそれがある。
【0021】
しかしながら、上述した隙隠し構造Cは、上述した各分割シート1A,1Bが使用位置と床下格納位置とで互いに左右で異なる形態に変えられたとしても、各側の分割シート1A,1Bが各側の隙隠しボードBを実質的に同じ当て方となるように下支えした状態をとることができるようになっている。このような構成となっていることにより、各分割シート1A,1Bが互いに左右で異なる形態に変えられたとしても、各側の隙隠しボードBがラゲッジフロアLと略面一状に互いに左右で揃った形で上記の隙間Tを見栄え良く覆った状態をとれるようになっている。
【0022】
以下、上述した隙隠し構造Cの具体的な構成について、リヤシート1の構成と併せて詳しく説明していく。先ず、リヤシート1を構成する各分割シート1A,1Bの構成について説明する。すなわち、各分割シート1A,1Bの背凭れ部を構成するシートバック2は、その左右両サイドの下端部が、それぞれ、不図示のリクライナを介してシートクッション3の左右両サイドの後端部に連結されて支持されている。
【0023】
上記連結により、シートバック2は、各分割シート1A,1Bが使用位置の状態とされる通常時には、シートクッション3に対して背凭れとして使用可能な起立した姿勢角度に固定された状態として保持されるようになっている(
図1の右側の分割シート1A参照)。しかし、上記シートバック2は、各側の分割シート1A,1Bが後述する後方チルトダウン機構5の作動によって後側に沈み込まされることにより、その動きに連動して、上述した不図示のリクライナによる背凭れ角度の固定状態が解除されて、同不図示のリクライナの中心部を回転中心2Rとしてシートクッション3の上面部に折り畳まれるように前倒しされるようになっている(
図1の左側の分割シート1B参照)。
【0024】
より詳しくは、
図2に示すように、上述したシートバック2の左右両サイドの下端部は、それぞれ、シートクッション3の図示しない左右両サイドのフレームの後端部に結合された各リクライニングプレート3Pの内側部にそれぞれ不図示のリクライナを介して連結されている。そして、これらシートバック2の左右両サイドの下端部とシートクッション3の左右両サイドの後端部(各リクライニングプレート3P)との各連結部は、それぞれ、各リクライニングプレート3Pにシート幅方向の外側から組み付けられた樹脂製の各サイドシールド4によって外部に対して覆われている。
【0025】
上述した各サイドシールド4は、それらの後上部箇所に、後側に向かって角状に形状を張り出させる張出部4Aが形成された構成とされている。これら張出部4Aは、
図3に示すように、それらの上面が、各分割シート1A,1Bが使用位置の状態にある時に略水平状の面を成して各隙隠しボードBに下側から当てられてこれらを支持する第1支持面4Aaとして構成されている。
【0026】
上述した各張出部4Aは、それぞれ、
図2に示すように、各サイドシールド4が各リクライニングプレート3Pにシート幅方向の外側から組み付けられることで、各リクライニングプレート3Pに形成された後側に向かって角状に形状を張り出させる突起部3Paがそれらの内部にセットされて、各突起部3Paによって内部側から強く支えられた状態とされるようになっている。それにより、各サイドシールド4の張出部4Aは、
図3に示すように、それらの上面である第1支持面4Aaによって、各隙隠しボードBを下側から強く支持することができるようになっている。ここで、上述した各張出部4Aが本発明の「第1支持面部」に相当する。
【0027】
上述したシートバック2は、
図3で上述した使用位置の状態から、
図4〜
図7に示すように後述する後方チルトダウン機構5の作動によって各側の分割シート1A,1Bが後側に沈み込まされることにより、その動きに連動して、シートクッション3の上面部に折り畳まれていくようになっている。そして、上述したシートバック2は、
図7に示すように、各分割シート1A,1Bがシートクッション3をラゲッジフロアLの前下側の床下面F上に略底付きさせる床下格納位置へと沈み込まされることにより、シートクッション3の上面部に折り畳まれた状態となって、その背面部2BをラゲッジフロアLと略面一状の状態にするようになっている。
【0028】
詳しくは、上述したシートバック2は、上記の折り畳みに伴って、その背面部2Bのうちの回転中心2Rの直上に位置付けられる第2支持面2Bcが、上述した各隙隠しボードBの下側に潜り込んで略水平状の面を成した状態となって各隙隠しボードBを下側から当てて支持した状態をとるようになっている。より詳しくは、上述した第2支持面2Bcは、上述した各隙隠しボードBを、
図3で上述した使用位置の状態時に各サイドシールド4の張出部4Aの第1支持面4Aaによって支えていた高さ位置と同じ高さ位置で下側から支えた状態をとるようになっている。そして、上述したシートバック2は、その背面部2Bにおける各隙隠しボードBの先から上側に露出する一般背面2Baが、各隙隠しボードBの上面と略面一状の状態をとるようになっている。それにより、上述した床下格納位置に折り畳まれたシートバック2の背面部2Bと、ラゲッジフロアLとが、各隙隠しボードBを介して互いに略面一状の状態に接続されるようになっている。ここで、上述したシートバック2の背面部2Bが本発明の「第2支持面部」に相当する。
【0029】
上述したシートバック2の背面部2Bの一般背面2Baと第2支持面2Bcとの間には、各隙隠しボードBの板厚に相当する分の段差が形成されている。しかし、上記一般背面2Baと第2支持面2Bcとの間は、互いの間に形成された傾斜面2Bbによって互いの間の段差が緩められた形状とされている。上述したシートバック2の背面部2Bは、その略全域に亘って付設された図示しない樹脂製のバックボードによってラゲッジフロアLと略同程度の剛性が持たされた構成とされている。
【0030】
そして、上述したシートバック2の背面部2Bには、そのシートバック2が
図3に示す使用位置と
図7に示す床下格納位置との間で動かされる範囲内にある時に外部に露出することとなる一般背面2Baと傾斜面2Bbとに、ラゲッジフロアLに敷設された図示しないカーペット材と同じ材質のカーペット材が敷設されている。上述したシートバック2の背面部2Bの第2支持面2Bcは、シートバック2が
図3に示す使用位置の状態にある時には、上述した各サイドシールド4の張出部4Aの上面である第1支持面4Aaよりも下側に延びた状態に設けられるようになっている。
【0031】
シートクッション3は、
図3に示すように、車両の床下面F上に、左右一対のフロントリンク5Aとリヤリンク5Bとから成る4節リンク機構の構成を持つ後方チルトダウン機構5を介して展開格納可能な状態に連結されている。上述した各フロントリンク5Aは、それらの上端部と下端部とがそれぞれ車幅方向に軸を向ける連結ピン5A1,5A2によりシートクッション3と車両の床下面Fとに回転可能にピン連結された構成とされている。また、各リヤリンク5Bも、それらの上端部と下端部とがそれぞれ車幅方向に軸を向ける連結ピン5B1,5B2によりシートクッション3と車両の床下面Fとに回転可能にピン連結された構成とされている。
【0032】
上述した各フロントリンク5Aは、上述した各リヤリンク5Bよりも長いリンク長を備えた構成とされている。上述した各フロントリンク5Aは、
図3に示すように、各分割シート1A,1Bが使用位置の状態にある時には、直立姿勢よりも僅かに前傾した回転姿勢とされて回転止めされた状態に保持されるようになっている。上記回転姿勢により、各フロントリンク5Aは、それらの各リヤリンク5Bよりも長いリンク長によって、シートクッション3を前上がりの角度姿勢で支えた状態をとるようになっている。
【0033】
上述した各フロントリンク5Aは、
図3で上述した使用位置の状態から、
図4〜
図7に示すように後側に向かって倒し込まれることにより、それらの長いリンク長によって、シートクッション3を後側へ大きく移動させながら床下面F上に略底付きさせる位置まで沈み込ませるようになっている。上述した各フロントリンク5Aは、
図7に示すように、上述した床下面F上に略倒伏する回転姿勢となる位置まで後側に倒し込まれるようになっている。
【0034】
各リヤリンク5Bは、
図3に示すように、上述した各フロントリンク5Aよりも短いリンク長を備え、各分割シート1A,1Bが使用位置の状態にある時には、上述した各フロントリンク5Aよりも大きく前傾した回転姿勢とされて回転止めされた状態に保持されるようになっている。上記回転姿勢により、各リヤリンク5Bは、それらの各フロントリンク5Aよりも短いリンク長によって、シートクッション3を後下がりの角度姿勢で支えた状態をとるようになっている。
【0035】
上述した各リヤリンク5Bは、
図3で上述した使用位置の状態から、
図4〜
図7に示すように後側に向かって倒し込まれることにより、シートクッション3を後側へ移動させながら床下面F上に略底付きさせる位置まで沈み込ませるようになっている。上述した各リヤリンク5Bは、
図7に示すように、上述した各フロントリンク5Aと共に上述した床下面F上に略倒伏する回転姿勢となる位置まで後側に倒し込まれるようになっている。それにより、シートクッション3が、床下面Fと略平行となるコンパクトな角度姿勢で床下面F上に沈み込まされた状態とされるようになっている。
【0036】
そして、上述した後方チルトダウン機構5は、上述した各フロントリンク5Aと各リヤリンク5Bとが後側に倒し込まれる動きに伴って、シートバック2を漸次、シートクッション3の上面部へと折り畳んでいくように前倒れ制御する不図示の制御リンクを有する。上記後方チルトダウン機構5によるシートバック2の前倒れ制御により、シートバック2は、各分割シート1A,1Bが
図3に示す使用位置の状態から、
図4〜
図7に示すように床下格納位置へと後側に沈み込まされるのに伴って、回転中心2Rのまわりに前倒れしながらその背面部2Bの一部を各隙隠しボードBの下側に潜り込ませる形に動かされていくようになっている。
【0037】
ところで、上述した各リヤリンク5Bは、
図4に示すように、
図3で上述した使用位置の状態から後側に向かって回転していく際に、一旦、直立姿勢となる回転位置へと立ち上がる回転軌跡を通るようになっている。上記の立ち上がりにより、各リヤリンク5Bは、シートクッション3の後端部を
図3で上述した使用位置の状態から持ち上げながら後側へと移動させる態様をとるようになっている。
【0038】
そして、上記の立ち上がり移動によって、各リヤリンク5Bは、シートクッション3の後端部に組み付けられた前述した各サイドシールド4の張出部4Aを後上側へと略水平状に上昇させて、これら張出部4Aの上面である第1支持面4Aa上に支持されていた各隙隠しボードBを各張出部4Aの後上側の角部4Abによって後上側へと押圧して、各隙隠しボードBをラゲッジフロアLとのヒンジ連結点である回転中心Brのまわりに押し上げていくようになっている。ここで、上述した各リヤリンク5Bを回転の初期段階で上昇させることで第1支持面4Aaを略水平状に上昇させながら後側へと移動させる構成を持つ後方チルトダウン機構5が、本発明の「上昇機構」に相当する。
【0039】
上記の押し上げにより、各隙隠しボードBは、
図4〜
図5に示すように、シートバック2が各分割シート1A,1Bの後方移動に伴ってある程度前倒しされつつも前傾姿勢のまま後方移動していっても、それらの先端部(前端部)がシートバック2の背面部2Bと突き当たったり擦れたりすることなく干渉をかわすように押し上げられた姿勢で、各分割シート1A,1Bをそれらの下側に潜り込ませることができるようになっている。
【0040】
上述した各分割シート1A,1Bは、
図5に示すように、各リヤリンク5Bが
図4で上述した直立姿勢となる回転位置から後傾していくことにより、上述した各サイドシールド4の張出部4Aの後上側の角部4Abを後側へと移動させていきながら漸次下降させていくようになっている。その際、各分割シート1A,1Bは、上述した各サイドシールド4の張出部4Aの後上側の角部4Abが
図4の状態において各隙隠しボードBの回転中心Brより高い位置に持ち上げられるようになっていることから、その後側への移動に伴って、各張出部4Aの後上側の角部4Abが各隙隠しボードBの回転中心Brに向かって前側から後側に向かって近づけられていくと共に、上側からも高さ方向に近づけられていく動きをとるようになっている。上記構成により、各分割シート1A,1Bは、各サイドシールド4の張出部4Aの後上側の角部4Abによって、各隙隠しボードBを
図4に示す状態よりも更に上側へと持ち上げながら後下側へと沈み込んでいく動きをとるようになっている。
【0041】
そして、上述した各分割シート1A,1Bは、
図6に示すように、上述した各リヤリンク5Bが
図5に示す状態より更に後下側へと倒れ込んでいくことにより、各サイドシールド4の張出部4Aの後上側の角部4Abによって持ち上げていた各隙隠しボードBを漸次下側へと落とし込むように導いていき、各隙隠しボードBの先端を前倒れ途中のシートバック2の背面部2Bの傾斜面2Bb上へと着地させる。
【0042】
そして、各分割シート1A,1Bは、
図7に示すように、上述した各リヤリンク5Bが
図6に示す状態より更に後下側へと倒れ込んでいくことにより、各サイドシールド4の張出部4Aの後上側の角部4Abを各隙隠しボードBの回転中心Brより前側の領域で各隙隠しボードBから下側へと離間させて、各分割シート1A,1Bの沈み込みとシートバック2の倒れ込みとに伴って各隙隠しボードBをシートバック2の背面部2Bの傾斜面2Bbに沿って摺動させながら、第2支持面2Bc上に乗り上げさせた状態へと移行させるようになっている。
【0043】
上記一連の移動により、各分割シート1A,1Bを
図3に示す使用位置から
図7に示す床下格納位置へと折り畳んで沈み込ませる移動に伴って、各隙隠しボードBを各サイドシールド4の張出部4Aの第1支持面4Aa上に支持させていた状態から、シートバック2の背面部2Bの第2支持面2Bc上に支持させた状態へと移行させることができる。上述した
図7に示す床下格納位置の状態時に各隙隠しボードBを下支えするシートバック2の背面部2Bの第2支持面2Bcは、各分割シート1A,1Bが
図3に示す使用位置にある状態時の各サイドシールド4の張出部4Aの第1支持面4Aaと同じ位置に同じ方向に面を向けて設けられるようになっている。
【0044】
したがって、上記第2支持面2Bcにより、各隙隠しボードBを、各分割シート1A,1Bが
図3の使用位置にある状態時に第1支持面4Aaによって支える位置と同じ位置で支えることができる。その結果、
図1に示すように、各分割シート1A,1Bのうちの一方(図示では右側の分割シート1A)が使用位置の状態に残されて、他方(図示では左側の分割シート1B)が床下格納位置に格納された状態となっても、これら分割シート1A,1BとラゲッジフロアLとの間の隙間Tを覆う各隙隠しボードBを互いに左右で面一状の状態にして見栄えの良い状態にすることができる。
【0045】
なお、上述した各隙隠しボードBは、各分割シート1A,1Bを
図7で前述した床下格納位置から
図3で前述した使用位置の状態へと戻す動きに伴って、上記とは逆順の動きによって、第2支持面2Bc上の位置から第1支持面4Aa上の位置へと移されて元の状態に戻されるようになっている。
【0046】
《まとめ》
以上をまとめると、本実施例の隙隠し構造Cは次のような構成となっている。すなわち、乗物のラゲッジフロア(ラゲッジフロアL)にヒンジ連結されてラゲッジフロア(ラゲッジフロアL)の前側に設けられる座席(リヤシート1)との間の隙間(隙間T)を覆う隙隠しボード(隙隠しボードB)と、座席(リヤシート1)に設けられて隙隠しボード(隙隠しボードB)を当てて支持する支持部(支持部S)と、を有する乗物用ラゲッジフロアの隙隠し構造(隙隠し構造C)であって、座席(リヤシート1)全体を着座使用される使用位置からシートバック(シートバック2)の前倒しとともに隙隠しボード(隙隠しボードB)の下側に潜り込ませる床下格納位置へと沈み込ませる後方チルトダウン機構(後方チルトダウン機構5)を有する。
【0047】
支持部(支持部S)は、座席(リヤシート1)が使用位置状態で略水平状の面(第1支持面4Aa)を成して隙隠しボード(隙隠しボードB)を下側から当ててラゲッジフロア(ラゲッジフロアL)と略フラットな状態に支持する第1支持面部(張出部4A)と、シートバック(シートバック2)の背面部(背面部2B)に設けられて座席(リヤシート1)が使用位置の時は起立状の面を成すが床下格納位置状態で略水平状の面(第2支持面2Bc)を成して隙隠しボード(隙隠しボードB)を下側から当ててラゲッジフロア(ラゲッジフロアL)と略フラットな状態に支持する第2支持面部(背面部2B)と、を有する。更に、座席(リヤシート1)の床下格納位置に向けての後方移動に合わせて第1支持面部(張出部4A)を略水平状に上昇させながら隙隠しボード(隙隠しボードB)の回転中心(回転中心Br)に近づけることで隙隠しボード(隙隠しボードB)を第2支持面部(背面部2B)との干渉を回避可能な高位置に押し上げる上昇機構(後方チルトダウン機構5)を有する。
【0048】
このような構成とされていることにより、座席(リヤシート1)が使用位置からシートバック(シートバック2)の前倒しとともに隙隠しボード(隙隠しボードB)の下側の床下格納位置へと潜り込まされる際、隙隠しボード(隙隠しボードB)が第1支持面部(張出部4A)の略水平状の上昇により格納される第2支持面部(背面部2B)との干渉を回避可能な高位置に押し上げられる。上記構成により、隙隠しボード(隙隠しボードB)を、座席(リヤシート1)の使用位置と床下格納位置とでラゲッジフロア(ラゲッジフロアL)と略フラットな状態をとれるように座席(リヤシート1)の動きに適切に追従させることができる。
【0049】
また、第1支持面部(張出部4A)が、座席(リヤシート1)のシートクッション(シートクッション3)の後側に張り出す張出部(張出部4A)とされている。張出部(張出部4A)の後上側の角部(角部4Ab)が、座席(リヤシート1)の床下格納位置に向けての後方移動に合わせて隙隠しボード(隙隠しボードB)を高位置に押し上げる接触部とされている。このような構成とされていることにより、座席(リヤシート1)の床下格納位置に向けての後方移動に合わせて、第1支持面部(張出部4A)の隙隠しボード(隙隠しボードB)の回転中心(回転中心Br)に最も近づけられる後上側の角部(角部4Ab)により隙隠しボード(隙隠しボードB)を効率的に高位置に押し上げることができる。
【0050】
また、第1支持面部(張出部4A)が、座席(リヤシート1)の床下格納位置に向けての後方移動に合わせて、隙隠しボード(隙隠しボードB)を高位置に押し上げてから隙隠しボード(隙隠しボードB)との接触状態を回転中心(回転中心Br)より前側の領域で下側に離間する。このような構成とされていることにより、座席(リヤシート1)の床下格納位置に向けての後方移動に合わせて、隙隠しボード(隙隠しボードB)を高位置に持ち上げてから第1支持面部(張出部4A)の下降に合わせて徐々に下降させていくことができる。
【0051】
また、第2支持面部(背面部2B)が、座席(リヤシート1)が床下格納位置の時の第1支持面部(張出部4A)よりも高い位置に配置される。このような構成とされていることにより、座席(リヤシート1)が床下格納位置にある時の第2支持面部(背面部2B)の高さ位置を、座席(リヤシート1)が使用位置にある時の第1支持面部(張出部4A)の高さ位置に近づけて、隙隠しボード(隙隠しボードB)を略同じようなフラット状態で支持することができる。
【0052】
《その他の実施例について》
以上、本発明の実施形態を1つの実施例を用いて説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施することができるものである。例えば、本発明の乗物用ラゲッジフロアの隙隠し構造は、鉄道等の自動車以外の車両に適用されるシートや、航空機、船舶等の様々な乗物用に供されるシートにも広く適用することができるものである。また、本隙隠し構造は、複数列のシートを備えた乗物の最後列目に配置されるリヤシートとラゲッジフロアとの間の隙間を覆うものであるが、シートを1列しか持たない乗物にも適用可能である。
【0053】
また、上昇機構(座席の床下格納位置に向けての後方移動に合わせて第1支持面部を略水平状に上昇させながら隙隠しボードの回転中心に近づけることで隙隠しボードを第2支持面部との干渉を回避可能な高位置に押し上げる上昇機構)は、上記実施例で示した構成のように、リヤリンクを回転の初期段階で上昇させる構成を持つ後方チルトダウン機構によって構成されていてもよいが、後方チルトダウン機構の動きに連動して第1支持面部を別個に上昇させるような別途の連動機構によって構成されたものであってもよい。また、後方チルトダウン機構は、座席全体を着座使用される使用位置からシートバックの前倒しと同時に隙隠しボードの下側に潜り込ませる床下格納位置へと沈み込ませる構成であってもよい。
【0054】
また、隙隠しボードを支持する第1支持面部及び第2支持面部は、それぞれ、隙隠しボードを平坦な面形状で支持するものであってもよいが、湾曲した面で点状又は線状に支持するものであってもよい。上記第1支持面部は、上記実施例で示したサイドシールドのようなシートクッションと一体を成す部材に設けられていてもよいが、シートバックに設けられていてもよい。また、第2支持面部は、シートバックの他、シートクッションと一体を成す部材に設けられていてもよい。
【0055】
また、第1支持面部及び第2支持面部は、内部にフレーム等の強度部材を持たない樹脂構造のみで構成されるものであってもよい。また、後方チルトダウン機構及び上昇機構は、送りねじ機構等のリンク機構以外の動作構造から成るものであってもよい。
【0056】
また、ラゲッジフロアにヒンジ連結される隙隠しボードは、ラゲッジフロアに対してインテグラルによりヒンジ連結される構成であってもよいが、蝶番等の別部材を介してヒンジ連結される構成であってもよい。