(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。なお、以下の実施形態の説明に用いる全図においては、特に理由がない限り、同様箇所には同一符号を付す。また、以下の実施形態において、同様の構成・動作に関しては繰り返しの説明を省略する場合がある。
【0017】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係る時刻設定装置について図面を参照しながら説明する。
【0018】
(構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る時刻設定装置10を含む対象装置1の構成を示すブロック図である。
【0019】
対象装置1は、GPS(Global Positioning System)衛星(測位衛星とも呼ぶ)から送信される衛星信号を受信する。対象装置1は、受信した衛星信号に含まれる時刻情報(以下、衛星時刻情報)に基づいてUTC(Coordinated Universal Time)時刻(協定世界時)と時刻同期を行う。なお、衛星信号(GPS航法メッセージとも呼ぶ)は、1500ビットからなるフレームが50ビット/秒で送信され、25フレームのサブフレーム(フレーム信号とも呼ぶ)で構成されるデータセットである。
【0020】
図1のように、対象装置1は、時刻設定装置10、受信装置20、設定ファイル30を含む。なお、
図1においては、対象装置1の時刻設定に関与しない構成・機能についての説明は省略する。本実施形態において、設定ファイル30は、累積閏秒に関する情報を含む。設定ファイル30に含まれる累積閏秒を第1の累積閏秒とも呼ぶ。
【0021】
GPS衛星の衛星時刻情報に含まれる衛星時刻(GPS時とも呼ぶ)は、1980年1月6日0時を起点とする。衛星時刻は、秒の刻みは国際原子時と同じであるが、UTC時刻とは異なって閏秒の調整がなされていない。そのため、衛星時刻を用いてUTC時刻を算出するためには、1980年1月6日0時から累積された閏秒(以下、累積閏秒)を考慮する必要がある。本実施形態においては、最新の累積閏秒(ΔtLSとも記載する)に関する情報を設定ファイル30に保持する(LS:Leap Second)。
【0022】
時刻設定装置10は、対象装置1が起動した際に、最新の累積閏秒の情報が含まれる設定ファイル30を取得する。なお、対象装置1の運用中に、時刻設定装置10が所定のタイミングで設定ファイル30を取得するように構成してもよい。
【0023】
また、時刻設定装置10は、衛星信号に含まれるフレーム信号を受信装置20から取得する。時刻設定装置10は、受信装置20から取得したフレーム信号に累積閏秒が含まれるか否かを判断する。なお、フレーム信号に含まれる累積閏秒を第2の累積閏秒とも呼ぶ。
【0024】
時刻設定装置10は、フレーム信号に累積閏秒が含まれると判断した場合、フレーム信号に含まれる累積閏秒と、設定ファイル30の累積閏秒とを比較する。フレーム信号に含まれる累積閏秒と、設定ファイル30の累積閏秒との間に差分がある場合、時刻設定装置10は、フレーム信号に含まれる累積閏秒で設定ファイル30の累積閏秒を更新し、更新した累積閏秒を用いてUTC時刻を算出する。そして、時刻設定装置10は、算出したUTC時刻を対象装置1に設定する。
【0025】
すなわち、時刻設定装置10は、対象装置1が新設された場合や、対象装置1がリセットされた場合、GPS衛星からの累積閏秒の情報を待つことなく、設定ファイル30に含まれる累積閏秒を用いてUTC時刻を対象装置1に設定する。
【0026】
受信装置20は、GPS衛星から発信されるフレーム信号を受信する。受信装置20は、受信したフレーム信号を時刻設定装置10に送信する。例えば、受信装置20は、GPS信号を受信するGPSモジュールによって実現される。
【0027】
設定ファイル30は、対象装置1の設定条件を記述したファイルである。設定ファイル30は、コンフィグレーションファイルとも呼ばれる。設定ファイル30には、データやプログラムなどの読み込み手順が記述されるともに、累積閏秒が記録される。設定ファイル30に保持される累積閏秒は、時刻設定装置10によって参照され、時刻設定装置10によって更新される。
【0028】
〔時刻設定装置〕
次に、図面を参照しながら時刻設定装置10について説明する。
図2は、時刻設定装置10の構成を示すブロック図である。
図2のように、時刻設定装置10は、制御手段11、設定ファイル取得手段12、フレーム信号取得手段13、UTC時刻算出手段14、累積閏秒更新手段15を有する。
【0029】
制御手段11は、設定ファイル取得手段12、フレーム信号取得手段13、UTC時刻算出手段14および累積閏秒更新手段15を制御する。
【0030】
制御手段11は、対象装置1が起動した際に、最新の累積閏秒の要素が含まれた設定ファイル30を取得する指示を含む設定ファイル取得要求を設定ファイル取得手段12に送信する。なお、
図2においては、設定ファイル取得手段12と制御手段11とを接続線で接続させているが、設定ファイル取得手段12以外の構成要素と制御手段11とを接続してもよい。
【0031】
設定ファイル取得手段12は、制御手段11、UTC時刻算出手段14に接続される。また、設定ファイル取得手段12は、設定ファイル30にアクセスできる。
【0032】
設定ファイル取得手段12は、制御手段11の設定ファイル取得要求に応じて設定ファイル30を取得する。設定ファイル取得手段12は、取得した設定ファイル30から累積閏秒(第1の累積閏秒)を抽出する。設定ファイル取得手段12は、設定ファイル30から抽出した累積閏秒または設定ファイルそのものを、少なくともUTC時刻算出手段14および累積閏秒更新手段15の何れかからアクセス可能な記憶手段(図示しない)に保持する。
【0033】
フレーム信号取得手段13は、UTC時刻算出手段14、累積閏秒更新手段15、受信装置20に接続される。
【0034】
フレーム信号取得手段13は、受信装置20からフレーム信号を受信する。フレーム信号取得手段13は、受信したフレーム信号に累積閏秒(第2の累積閏秒)が含まれるか否かを解析する。
【0035】
フレーム信号に累積閏秒が含まれる場合、フレーム信号取得手段13は、その累積閏秒を累積閏秒更新手段15に通知する。一方、フレーム信号に累積閏秒が含まれない場合、フレーム信号取得手段13は、設定ファイル30から抽出された累積閏秒を用いてUTC時刻を算出する指示を含むUTC時刻算出要求(協定世界時設定要求とも呼ぶ)をUTC時刻算出手段14に送信する。
【0036】
UTC時刻算出手段14(協定世界時算出手段とも呼ぶ)は、設定ファイル取得手段12、フレーム信号取得手段13、累積閏秒更新手段15に接続される。
【0037】
UTC時刻算出手段14は、衛星から受信される時刻情報(以下、衛星時刻情報)と累積閏秒とを用いてUTC時刻を算出する。UTC時刻算出手段14は、算出したUTC時刻を対象装置1に設定する。例えば、UTC時刻算出手段14は、制御手段11を経由して対象装置1にUTC時刻を設定する。
【0038】
例えば、UTC時刻算出手段14は、以下の式1を用いてUTC時刻を算出する。ただし、UTC時刻算出手段14は、一般的な手法を用いてGPS時を算出する。
UTC時刻=GPS時+ΔtLS・・・(1)
フレーム信号に累積閏秒が含まれる場合、UTC時刻算出手段14は、累積閏秒更新手段15による判断結果に応じて、衛星時刻情報と累積閏秒とを用いてUTC時刻を算出する。フレーム信号に含まれる累積閏秒と、設定ファイル30から抽出された累積閏秒とに差分がないと累積閏秒更新手段15によって判断された際には、UTC時刻算出手段14は、設定ファイル30から抽出された累積閏秒を用いてUTC時刻を算出する。一方、フレーム信号に含まれる累積閏秒と、設定ファイル30から抽出された累積閏秒とに差分があると累積閏秒更新手段15によって判断された際には、UTC時刻算出手段14は、更新された累積閏秒を用いてUTC時刻を算出する。
【0039】
累積閏秒更新手段15は、フレーム信号取得手段13、UTC時刻算出手段14に接続される。累積閏秒更新手段15は、設定ファイル30にアクセスできる。
【0040】
累積閏秒更新手段15は、フレーム信号取得手段13からフレーム信号に含まれる累積閏秒を入力する。累積閏秒更新手段15は、フレーム信号に含まれる累積閏秒(第2の累積閏秒)と、設定ファイル30から抽出された累積閏秒(第1の累積閏秒)とを比較する。
【0041】
累積閏秒更新手段15は、フレーム信号に含まれる累積閏秒と、設定ファイル30から抽出された累積閏秒との間に差分がある場合、フレーム信号に含まれる累積閏秒で設定ファイル30の累積閏秒を更新する。
【0042】
一方、累積閏秒更新手段15は、フレーム信号に含まれる累積閏秒と、設定ファイル30から抽出された累積閏秒との間に差分がない場合、設定ファイル30に含まれる累積閏秒を用いてUTC時刻を計算する指示を含む要求をUTC時刻算出手段14に送信する。このとき、累積閏秒更新手段15がUTC時刻算出手段14に送信する要求のこともUTC時刻算出要求と呼ぶ。
【0043】
(動作)
〔設定ファイル取得処理〕
次に、時刻設定装置10が設定ファイル30を取得する処理(以下、設定ファイル取得処理)について図面を参照しながら説明する。
図3は、設定ファイル取得処理について説明するためのシーケンス図である。
【0044】
制御手段11は、設定ファイル取得手段12に設定ファイル30を取得することを要求する(設定ファイル取得要求)。
【0045】
設定ファイル取得手段12は、制御手段11からの要求に応じて、最新の累積閏秒の要素が含まれた設定ファイル30を取得し、取得した設定ファイル30に含まれる累積閏秒を内部情報として保持する。
【0046】
設定ファイル取得手段12は、最新の累積閏秒の要素が含まれた設定ファイル30を取得したと制御手段11に応答する(設定ファイル取得応答)。
【0047】
以上が、時刻設定装置10における設定ファイル取得処理に関する説明である。
【0048】
〔UTC時刻算出処理〕
次に、時刻設定装置10がフレーム信号を受信し、UTC時刻を算出する処理(以下、UTC時刻算出処理)について図面を参照しながら説明する。
図4は、UTC時刻算出処理について説明するためのシーケンス図である。
【0049】
フレーム信号取得手段13は、受信装置20を経由してフレーム信号を取得し、取得したフレーム信号を解析する。フレーム信号取得手段13は、フレーム信号に含まれている衛星時刻情報を内部情報として保持した後、フレーム信号に累積閏秒が含まれているか否かを判断する。ここで、フレーム信号取得手段13が受信したフレーム信号に累積閏秒が含まれるか否かによって処理が分岐される。
【0050】
フレーム信号に累積閏秒が含まれる場合、フレーム信号取得手段13は、フレーム信号に含まれる累積閏秒を累積閏秒更新手段15に通知する(累積閏秒通知)。
【0051】
累積閏秒更新手段15は、フレーム信号取得手段13から通知された累積閏秒を取得する。累積閏秒更新手段15は、設定ファイル30を参照し、設定ファイル30の累積閏秒を取得する。累積閏秒更新手段15は、通知された累積閏秒と、設定ファイル30の累積閏秒とを比較する。
【0052】
累積閏秒更新手段15は、フレーム信号に含まれる累積閏秒と、設定ファイル30の累積閏秒との間に差分がある場合、通知された累積閏秒で設定ファイル30の累積閏秒を更新する。
【0053】
累積閏秒更新手段15は、設定ファイル30の累積閏秒を用いてUTC時刻を算出する要求をUTC時刻算出手段14に出す(UTC時刻設定要求)。
【0054】
そして、UTC時刻算出手段14は、累積閏秒更新手段15からの要求に応じて、UTC時刻を設定する(UTC時刻設定処理)。
【0055】
一方、フレーム信号に累積閏秒が含まれない場合、フレーム信号取得手段13は、設定ファイル30の累積閏秒を用いてUTC時刻を算出する要求をUTC時刻算出手段14に出す(UTC時刻設定要求)。
【0056】
そして、UTC時刻算出手段14は、フレーム信号取得手段13からの要求に応じて、UTC時刻を設定する(UTC時刻設定処理)。
【0057】
以上が、時刻設定装置10におけるUTC時刻算出処理に関する説明である。
【0058】
〔UTC時刻設定処理〕
次に、時刻設定装置10のUTC時刻設定処理について図面を参照しながら説明する。
図5は、UTC時刻設定処理について説明するためのフローチャートである。
【0059】
図5において、まず、UTC時刻算出手段14は、UTC時刻設定要求に応じて、フレーム信号取得手段13により保持された衛星時刻情報を取得する(ステップS11)。
【0060】
次に、UTC時刻算出手段14は、設定ファイル30から取得した累積閏秒を取得する(ステップS12)。
【0061】
次に、UTC時刻算出手段14は、衛星時刻情報と累積閏秒とを用いてUTC時刻を算出する(ステップS13)。
【0062】
そして、UTC時刻算出手段14は、対象装置1に対してUTC時刻を設定する(ステップS14)。なお、制御装置21が対象装置1に対してUTC時刻を設定するように構成してもよい。
【0063】
以上のように、本実施形態では、装置起動時に取得する設定ファイル(コンフィグレーションファイル)に最新の累積閏秒の情報を保持する。本実施形態では、対象装置が新設された場合や、リセットされたりした場合の運用開始時において、設定ファイルに保持された最新の累積閏秒を使用して算出したUTC時刻を対象装置に対して設定する。そのため、本実施形態によれば、対象装置がGPS衛星からの衛星信号に含まれる累積閏秒を受信できていない状況でも、設定ファイルに含まれる累積閏秒を用いて算出したUTC時刻を対象装置の時刻情報に設定できる。
【0064】
また、本実施形態では、GPS衛星から発信される最新の累積閏秒によって、設定ファイルに保持される累積閏秒を更新する。そのため、本実施形態によれば、新たに閏秒が挿入された場合においても、最新の累積閏秒を用いたUTC時刻を算出できる。その結果、本実施形態によれば、12.5分間待機して累積閏秒が含まれるフレーム信号を受信しなくても対象装置の運用を開始できる。
【0065】
すなわち、本実施形態においては、設定ファイル(コンフィグレーションファイル)に含まれる最新の累積閏秒の情報を用いてUTC時刻を算出する。そのため、本実施形態によれば、人工衛星からの累積閏秒の情報を待つことなく、UTC時刻を装置に設定できる。
【0066】
(第2の実施形態)
まず、本発明の第2の実施形態に係る時刻設定装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の時刻設定装置は、最新の累積閏秒に関する情報を保持する記憶手段を有する点で第1の実施形態の時刻設定装置とは異なる。以下の説明においては、第1の実施形態との相違点について説明し、第1の実施形態との共通点については説明を省略する。
【0067】
図6は、本実施形態の時刻設定装置10−2の構成を示すブロック図である。
図7のように、時刻設定装置10−2は、制御手段11、設定ファイル取得手段12、フレーム信号取得手段13、UTC時刻算出手段14、累積閏秒更新手段15に加えて、記憶手段16を有する。
【0068】
設定ファイル取得手段12は、UTC時刻算出手段14に接続される。また、設定ファイル取得手段12は、設定ファイル30にアクセスできる。設定ファイル取得手段12は、設定ファイル30から抽出した累積閏秒(第2の累積閏秒)を保持する。なお、設定ファイル30から抽出した累積閏秒(第2の累積閏秒)を記憶手段16の記憶領域に記憶させるように構成してもよいし、UTC時刻算出手段14を経由して累積閏秒更新手段15に累積閏秒(第2の累積閏秒)を送信するように構成してもよい。
【0069】
フレーム信号取得手段13は、第1の実施形態と同様の接続状態・機能であるために説明を省略する。
【0070】
UTC時刻算出手段14は、設定ファイル取得手段12、フレーム信号取得手段13、累積閏秒更新手段15、記憶手段16に接続される。UTC時刻算出手段14は、記憶手段16に格納された最新の累積閏秒(第1の累積閏秒)を用いてUTC時刻を算出し、算出したUTC時刻を対象装置1に設定する。
【0071】
累積閏秒更新手段15は、フレーム信号取得手段13、UTC時刻算出手段14、記憶手段16に接続される。
【0072】
累積閏秒更新手段15は、フレーム信号に含まれる累積閏秒(第2の累積閏秒)と、記憶手段16に格納された累積閏秒(第1の累積閏秒)とを比較する。累積閏秒更新手段15は、フレーム信号に含まれる累積閏秒(第2の累積閏秒)と、記憶手段16に格納された累積閏秒(第1の累積閏秒)とに差分がある場合、フレーム信号に含まれる累積閏秒で記憶手段16に格納された累積閏秒を更新する。その結果、記憶手段16に記憶される累積閏秒(第1の累積閏秒)は最新の値に更新される。
【0073】
また、累積閏秒更新手段15は、記憶手段16の累積閏秒を更新すると、その累積閏秒で設定ファイル30の累積閏秒を更新する。
【0074】
記憶手段16は、UTC時刻算出手段14、累積閏秒更新手段15に接続される。記憶手段16には、累積閏秒更新手段15によって更新された最新の累積閏秒(第1の累積閏秒)が保持される。例えば、レジストなどの高速アクセス可能な記憶装置によって記憶手段16を実現すれば、第1の実施形態と比較してUTC時刻の算出を高速化できる。
【0075】
(ハードウェア)
ここで、本発明の実施形態に係る時刻設定装置を実現するハードウェア構成について、
図7のコンピュータ90を一例として挙げて説明する。なお、
図7のコンピュータ90は、本発明の実施形態の時刻設定装置を実現するための構成例であって、本発明の範囲を限定するものではない。
【0076】
図7のように、コンピュータ90は、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95および通信インターフェース96を含む。
図7においては、インターフェースをI/F(Interface)と略して表記している。プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、入出力インターフェース95および通信インターフェース96は、バス99を介して互いにデータ授受可能に接続される。また、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93および入出力インターフェース95は、通信インターフェース96を介して、インターネットやイントラネットなどの通信網に接続される。
【0077】
プロセッサ91は、補助記憶装置93等に格納されたプログラムを主記憶装置92に展開し、展開されたプログラムを実行する。本実施形態においては、コンピュータ90にインストールされたソフトウェアプログラムを用いる構成とすればよい。プロセッサ91は、本実施形態に係る時刻設定装置による処理を実行する。
【0078】
主記憶装置92は、プログラムが展開される領域を有する。主記憶装置92は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリとすればよい。また、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)などの不揮発性メモリを主記憶装置92として構成したり、追加したりしてもよい。
【0079】
補助記憶装置93は、データを記憶する手段である。補助記憶装置93は、ハードディスクやフラッシュメモリなどのローカルディスクによって構成される。なお、主記憶装置92にデータを記憶させる構成とし、補助記憶装置93を省略してもよい。
【0080】
入出力インターフェース95は、コンピュータ90と周辺機器との接続規格に基づいて、コンピュータ90と周辺機器とを接続する装置である。通信インターフェース96は、規格や仕様に基づいて、インターネットやイントラネットなどの通信網に接続するためのインターフェースである。入出力インターフェース95および通信インターフェース96は、外部機器と接続するインターフェースとして共通化してもよい。
【0081】
コンピュータ90には、必要に応じて、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力機器を接続できるように構成してもよい。それらの入力機器は、情報や設定の入力に使用される。なお、タッチパネルを入力機器として用いる場合は、表示機器の表示画面が入力機器のインターフェースを兼ねる構成とすればよい。プロセッサ91と入力機器との間のデータ授受は、入出力インターフェース95に仲介させればよい。
【0082】
また、コンピュータ90には、情報を表示するための表示機器を備え付けてもよい。表示機器を備え付ける場合、コンピュータ90には、表示機器の表示を制御するための表示制御装置(図示しない)が備えられていることが好ましい。表示機器は、入出力インターフェース95を介してコンピュータ90に接続すればよい。
【0083】
また、コンピュータ90には、必要に応じて、リーダライタを備え付けてもよい。例えば、リーダライタは、バス99に接続される。リーダライタは、プロセッサ91と図示しない記録媒体(プログラム記録媒体とも呼ぶ)との間で、記録媒体からのデータ・プログラムの読み出しや、コンピュータ90の処理結果の記録媒体への書き込みなどを仲介する。記録媒体は、例えばSD(Secure Digital)カードやUSB(Universal Serial Bus)メモリなどの半導体記録媒体などで実現できる。また、記録媒体は、フレキシブルディスクなどの磁気記録媒体、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光学記録媒体やその他の記録媒体によって実現してもよい。
【0084】
対象装置が備える受信装置は、例えば、GPSモジュール(図示しない)によって実現される。GPSモジュールは、人工衛星から送信された電波をアンテナ経由で受信し、受信した電波から衛星時刻情報を含む信号を復調する受信装置である。例えば、GPSモジュール97は、複数の人工衛星から送信された1575.42メガヘルツ(L1帯)、1227.6ヘルツ(L2帯)、1176.5メガヘルツ(L5帯)の電波を受信する。なお、GPSモジュールは、GPS衛星以外の人工衛星からの電波を受信するように設定されてもよい。図示しないGPSモジュールは、入出力インターフェース95や通信インターフェース96に接続さればよい。
【0085】
設定ファイルは、対象装置側の記憶装置(図示しない)に保持しておけばよい。また、設定ファイルは、コンピュータ90の主記憶装置92や補助記憶装置93に保持しておいてもよい。
【0086】
本発明の実施形態に係る時刻設定装置に含まれる各構成要素は、ソフトウェアとして実現してもよいし、回路として構成してもよい。また、本発明の実施形態に係る時刻設定装置に含まれる複数の構成要素の機能を一つの構成要素に集約してもよい。また、本発明の実施形態に係る時刻設定装置に含まれる一つの構成要素の機能を複数の構成要素に分割してもよい。
【0087】
以上、実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。