特許第6871056号(P6871056)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871056
(24)【登録日】2021年4月19日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】可搬型給電装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/44 20060101AFI20210426BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20210426BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20210426BHJP
   H05K 5/00 20060101ALI20210426BHJP
   H05K 5/02 20060101ALN20210426BHJP
【FI】
   H01M10/44 P
   H02J7/00 301Z
   H02J7/00 302B
   H05K7/20 G
   H05K5/00 A
   !H05K5/02 D
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-99396(P2017-99396)
(22)【出願日】2017年5月19日
(65)【公開番号】特開2018-195492(P2018-195492A)
(43)【公開日】2018年12月6日
【審査請求日】2019年11月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004606
【氏名又は名称】ニチコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河野 正剛
(72)【発明者】
【氏名】西村 桂
(72)【発明者】
【氏名】川澤 智之
(72)【発明者】
【氏名】黒田 英敏
【審査官】 宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−154404(JP,A)
【文献】 特開2016−177913(JP,A)
【文献】 特開2016−187257(JP,A)
【文献】 特開平08−236970(JP,A)
【文献】 特開2012−010560(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/42−10/667
H02J7/00−7/12
H02J7/34−7/36
H02M3/00−3/44
H02M7/42−7/98
H05K5/00−5/06
H05K7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボックス本体と、前記ボックス本体の開口を塞ぐ蓋体と、前記ボックス本体に引き出し可能に設けられた牽引用ハンドルと、前記ボックス本体の前記牽引用ハンドルとは反対側に設けられたキャスターとを有するトランクボックスと、
前記トランクボックス内の空間を前記キャスター寄りの第1収容空間と前記牽引用ハンドル寄りの第2収容空間とに分ける隔壁と、
前記第1収容空間内に配置された電力変換ユニットと、を備え、
前記第1収容空間は、前記ボックス本体の前記第1収容空間を取り囲む部分に設けられた吸気口および排気口によって前記ボックス本体の外部に連通する一方、
前記第2収容空間は、前記ボックス本体の外部および前記第1収容空間のいずれにも連通しない
ことを特徴とする可搬型給電装置。
【請求項2】
外部から供給された電力をフィルタリングして前記電力変換ユニットに送るよう構成されたフィルタ回路と、前記電力変換ユニットを制御するよう構成された制御回路とを含む回路群をさらに備え、
前記回路群は、前記第2収容空間内に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の可搬型給電装置。
【請求項3】
前記ボックス本体は、正面、背面、右側面、左側面および底面を有し、
前記牽引用ハンドルは、前記ボックス本体の前記右側面と前記底面とが交わる部分から引き出されるように設けられており、
前記キャスターは、前記ボックス本体の前記左側面と前記底面とが交わる部分に設けられている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の可搬型給電装置。
【請求項4】
前記吸気口は、前記ボックス本体の前記面に設けられており、
前記排気口は、前記ボックス本体の前記背面に設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載の可搬型給電装置。
【請求項5】
前記吸気口は、前記ボックス本体の前記左側面および前記底面に設けられており、
前記排気口は、前記ボックス本体の前記面および前記背面に設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載の可搬型給電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリー等の直流電源から供給された直流電力を商用交流電力と同等の交流電力に変換して出力する可搬型給電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車(PHEVを含む)に搭載されたバッテリーおよび燃料電池自動車に搭載された燃料電池は、一般的な電力消費機器を駆動させるための直流電源となり得る。これらの直流電源が出力する直流電力を一般的な電力消費機器が必要とする交流電力に変換して出力する給電装置としては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。
【0003】
特許文献1に記載の給電装置は、インバータ等を収容した略立方体状の筐体と、筐体の後部に設けられた後収容部と、筐体の前部に設けられた前収容部とを備えている。後収容部には、バッテリー等の直流電源に接続されるプラグが収容され、前収容部には、交流電力を出力するコンセントが収容されている。
【0004】
また、この給電装置は、筐体の前部に設けられた牽引用ハンドルと、筐体の後下部に設けられた車輪とを備えている。使用者は、これらを使用することにより、給電装置を必要な場所まで運搬することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016−154404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このようなタイプの給電装置は、商用交流電力が使用できない非常時(例えば、災害による停電時)に限って使用されることが多いので、防災倉庫等の保管場所おいて、邪魔にならないように保管され得ることが好ましい。しかしながら、上記特許文献1に記載の従来の給電装置は、保管時の姿勢が限定されるので、保管スペースの形状によっては収納が困難になるという問題があった。
【0007】
さらに、このようなタイプの給電装置は、必要とされる場所までの運搬が容易であることが好ましい。しかしながら、上記従来の給電装置では、立方体状を有する筺体の全体にわたってインバータ等の重量物が収容されているので、運搬時の重心位置が比較的高く、それゆえ、特に凸凹を有する路面での運搬が難しいという問題があった。
【0008】
本発明はこれらの事情に鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、保管性および可搬性に優れた可搬型給電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る可搬型給電装置は、ボックス本体と、ボックス本体の開口を塞ぐ蓋体と、ボックス本体に引き出し可能に設けられた牽引用ハンドルと、ボックス本体の牽引用ハンドルとは反対側に設けられたキャスターとを有するトランクボックスと、トランクボックス内の空間をキャスター寄りの第1収容空間と牽引用ハンドル寄りの第2収容空間とに分ける隔壁と、第1収容空間内に配置された電力変換ユニットとを備え、第1収容空間は、ボックス本体の第1収容空間を取り囲む部分に設けられた吸気口および排気口によってボックス本体の外部に連通する一方、第2収容空間は、ボックス本体の外部および第1収容空間のいずれにも連通しない、との構成を有する。
【0010】
この構成では、ボックス本体と当該ボックス本体の開口を塞ぐ蓋体とを有するトランクボックス内に電力変換ユニットが収容されている。すなわち、上記可搬型給電装置は、トランクボックスの外観を有している。したがって、この構成によれば、任意に選択した側面を床面(地面)に載置することができるので、保管時の姿勢が限定されず、保管スペースに応じた姿勢で可搬型給電装置を保管することができる。
【0011】
また、この構成では、キャスター寄りに設けられた第1収容空間内に重量物たる電力変換ユニットが配置されている。したがって、この構成によれば、牽引用ハンドルおよびキャスターを使用した運搬時の重心位置が比較的低くなり、運搬が容易になる。
【0012】
上記可搬型給電装置は、外部から供給された電力をフィルタリングして電力変換ユニットに送るよう構成されたフィルタ回路と、電力変換ユニットを制御するよう構成された制御回路とを含む回路群をさらに備え、回路群は、第2収容空間内に配置されている、との構成を有していてもよい。
【0013】
フィルタ回路と制御回路とを含む回路群は、電力変換ユニットよりも軽い。したがって、このような回路群を第2収容空間内に配置しても、運搬の容易性を損なうほど運搬時の重心位置が高くなることはない。
【0014】
上記可搬型給電装置は、ボックス本体が、正面、背面、右側面、左側面および底面を有し、牽引用ハンドルが、ボックス本体の右側面と底面とが交わる部分から引き出されるように設けられており、キャスターが、ボックス本体の左側面と底面とが交わる部分に設けられている、との構成を有していてもよい。
【0015】
この場合は、(1)吸気口がボックス本体の面に設けられるとともに、排気口がボックス本体の背面に設けられた構成や、(2)吸気口がボックス本体の左側面および底面に設けられるとともに、排気口がボックス本体の面および背面に設けられた構成を採用することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、保管性および可搬性に優れた可搬型給電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施例に係る可搬型給電装置の使用態様を示す概略図である。
図2】第1実施例に係る可搬型給電装置の斜視図である。
図3】第1実施例に係る可搬型給電装置の(A)正面図、(B)背面図、(C)右側面図、および(D)左側面図である。
図4】第1実施例に係る可搬型給電装置の(A)上面図、(B)正面図、および(C)底面図である。
図5】第1実施例に係る可搬型給電装置の(A)蓋体を開けた状態を示す斜視図、および(B)使用状態を示す斜視図である。
図6】第1実施例に係る可搬型給電装置の運搬時の状態を示す正面図である。
図7】第1実施例に係る可搬型給電装置の(A)第1収容空間および第2収容空間を空にした状態の斜視図、および(B)第1収容空間内に電力変換ユニット等を配置するとともに第2収容空間内に回路群を配置した状態の斜視図である。
図8】第1実施例に係る可搬型給電装置の回路構成を示すブロック図である。
図9】第1実施例に係る可搬型給電装置の給排気経路を示す平面視断面図である。
図10】第2実施例に係る可搬型給電装置の使用態様を示す概略図である。
図11】第2実施例に係る可搬型給電装置の斜視図である。
図12】第2実施例に係る可搬型給電装置の(A)正面図、(B)背面図、(C)右側面図、および(D)左側面図である。
図13】第2実施例に係る可搬型給電装置の(A)上面図、(B)正面図、および(C)底面図である。
図14】第2実施例に係る可搬型給電装置の(A)第1収容空間および第2収容空間を空にした状態の斜視図、および(B)第1収容空間内に電力変換ユニット等を配置するとともに第2収容空間内に回路群を配置した状態の斜視図である。
図15】第2実施例に係る可搬型給電装置の回路構成を示すブロック図である。
図16】第2実施例に係る可搬型給電装置の給排気経路を示す(A)平面視断面図、および(B)側面視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明に係る可搬型給電装置の第1実施例および第2実施例について説明する。
【0019】
[第1実施例]
図1に、本発明の第1実施例に係る可搬型給電装置10の使用態様を示す。同図に示すように、可搬型給電装置10は、直流電源となるバッテリーBを搭載した電気自動車EVに接続されるプラグ11およびこれに付随するケーブル11aと、各種電力消費機器(本実施例では電力消費機器La,Lb,Lc1,Lc2)に接続される3つのコンセント12a,12b,12cとを備えている。コンセント12a,12b,12cは、それぞれ商用交流電力に相当する1.5kWまでの交流電力を出力することができる。すなわち、可搬型給電装置10の定格出力電力は4.5kWである。
【0020】
図2図4に示すように、可搬型給電装置10は、ボックス本体14と、ボックス本体14の開口を塞ぐ蓋体13と、ボックス本体14に引き出し可能に設けられた牽引用ハンドル22と、ボックス本体14の牽引用ハンドル22とは反対側に設けられたキャスター23とを有するトランクボックスの外観を有している。
【0021】
ボックス本体14は、図3(A)に表された正面、同図(B)に表された背面、同図(C)に表された右側面、同図(D)に表された左側面、および図4(C)に表された底面を有している。ボックス本体14は、耐衝撃性、耐候性および耐熱性に優れた樹脂素材で形成されていることが好ましい。
【0022】
蓋体13は、ヒンジ15を介してボックス本体14の背面に回動可能に連結されている。蓋体13は、ボックス本体14と同様、耐衝撃性、耐候性および耐熱性に優れた樹脂素材で形成されていることが好ましい。
【0023】
牽引用ハンドル22は、ボックス本体14の右側面と底面とが交わる部分から引き出されるように設けられている。また、キャスター23は、ボックス本体14の左側面と底面とが交わる部分に設けられている。可搬型給電装置10は、旅行等で使用される一般的なトランクボックス(スーツケース)と同様、キャスター23が接地され、牽引用ハンドル22が引き出され、やや前方に傾斜した姿勢で運搬される(図6参照)。
【0024】
ボックス本体14の正面には、コンセント12a,12b,12cを保護するためのコンセントカバー16が設けられている。コンセントカバー16を開けると、コンセント12a,12b,12cが現れる(図5(A)参照)。コンセントカバー16は、電力消費機器(例えば、電力消費機器La)とコンセント(例えば、コンセント12a)との接続が完了した後に閉じることができる(図5(B)参照)。
【0025】
ボックス本体14の正面には、ルーバー状の吸気口17がさらに設けられている。吸気口17は、ボックス本体14の内部への雨滴の進入を防ぐために、角度が異なる重ね合わされた2枚のルーバーにより構成されてもよいし、吸気効率の観点から1枚のルーバーのみにより構成されてもよい。
【0026】
ボックス本体14の背面には、ルーバー状の排気口18が設けられている。吸気口17と同様、排気口18は、ボックス本体14の内部への雨滴の進入を防ぐために、角度が異なる重ね合わされた2枚のルーバーにより構成されてもよいし、排気効率の観点から1枚のルーバーのみにより構成されてもよい。
【0027】
この他、ボックス本体14には、正面側ハンドル19、右側面側ハンドル20および左側面側ハンドル21が設けられている。
【0028】
図5(A)に、蓋体13を開けた状態の可搬型給電装置10を示す。同図に示すように、プラグ11およびケーブル11aは、巻かれた状態で収容されている。ケーブル11aは、ボックス本体14の左側面から外部に引き出すことができる。また、蓋体13は、ケーブル11aを引き出した後に閉じることができる(図5(B)参照)。
【0029】
図7(A)に示すように、可搬型給電装置10は、ボックス本体14内の空間をキャスター23寄りの第1収容空間30と牽引用ハンドル22寄りの第2収容空間31とに分ける隔壁32と、隔壁32に設けられたケーブルコネクタ33とをさらに備えている。
【0030】
同図(B)に示すように、第1収容空間30内には、3基の電力変換ユニット35,36,37が配置されている。より詳しくは、電力変換ユニット35,36,37は、後述するファンが吸気口17の方を向き、かつボックス本体14の左側面の内壁に接するように、重ねて配置されている。この他、第1収容空間30内には、排気ダクト38が配置されている。排気ダクト38は、電力変換ユニット35,36,37と排気口18との間に接続されている。
【0031】
同図(B)に示すように、第2収容空間31内には、後述する回路群39が配置されている。
【0032】
図8に、可搬型給電装置10の回路構成を示す。同図に示すように、ケーブル11aは、一端がプラグ11に接続されるとともに、他端がケーブルコネクタ33に接続されている。すなわち、バッテリーBからの直流電力は、ケーブルコネクタ33を介して第2収容空間31内に配置された回路群39に供給される。
【0033】
回路群39は、フィルタ回路、制御回路および端子盤を含んでいる。フィルタ回路は、ケーブルコネクタ33を介して供給される直流電力をフィルタリングして電力変換ユニット35,36,37に向かって出力するよう構成されている。フィルタ回路の後段に設けられた端子盤は、フィルタ回路によってフィルタリングされた電力を3基の電力変換ユニット35,36,37に分配するよう構成されている。また、制御回路は、フィルタ回路および電力変換ユニット35,36,37の動作を制御するとともに、電力変換ユニット35,36,37の状態を監視するよう構成されている。
【0034】
フィルタ回路、制御回路および端子盤は、1枚のプリント基板で構成されていてもよいし、複数枚のプリント基板で構成されていてもよい。また、回路群39は、過電流による破損を防ぐためのヒューズや、各種のセンサをさらに含んでいてもよい。
【0035】
回路群39と電力変換ユニット35,36,37の入力端子とは、隔壁32に開口形成されたケーブルブッシュ付きスルーホール34を貫通するケーブルによって接続されている。なお、図7においては、このケーブルの図示が省略されている。
【0036】
電力変換ユニット35は、フィルタ回路によってフィルタリングされた直流電力を商用交流電力に相当する交流電力に変換するインバータ回路と、インバータ回路を構成する部品を空冷するための2つのファンとを有している。2つのファンは、電力変換ユニット35の一側面に並んで配置されている。電力変換ユニット35の出力端子とコンセント12aとは、隔壁32に開口形成されたケーブルブッシュ付きスルーホール34のうちの1つを貫通するケーブルによって接続されている。なお、図7においては、このケーブルの図示も省略されている。
【0037】
他の電力変換ユニット36,37についても同様である。ただし、電力変換ユニット36の出力端子はコンセント12bに接続され、電力変換ユニット37の出力端子はコンセント12cに接続されている。
【0038】
図9に、可搬型給電装置10の給排気経路を示す。同図に示すように、第1収容空間30は、ボックス本体14の第1収容空間30を取り囲む部分に設けられた吸気口17および排気口18によって外部に連通している。このため、電力変換ユニット35,36,37のファンが作動すると、吸気口17から第1収容空間30に外部の新鮮な空気が取り込まれる。そして、この新鮮な空気は、電力変換ユニット35,36,37および排気ダクト38の内部を通って、最終的に排気口18から排気される。
【0039】
一方、ボックス本体14の第2収容空間31を取り囲む部分には、吸気口および排気口は設けられていない。また、ボックス本体14内の空間を第1収容空間30と第2収容空間31とに分ける隔壁32に設けられたスルーホール34にはケーブルブッシュが取り付けられている。すなわち、第2収容空間31は、外部および第1収容空間30のいずれにも連通していない。言い換えると、第2収容空間31は密閉されている。これにより、第2収容空間31に収容された回路群39は、雨滴や埃から保護される。
【0040】
フィルタ回路、制御回路および端子盤を含む回路群39の重量と、電力変換ユニット35,36,37の合計重量とでは、後者の方が圧倒的に大きい。このため、図6に示したような姿勢で運搬されるとき、可搬型給電装置10の重心は、キャスター23近傍の低い位置となる。
【0041】
[第2実施例]
図10に、本発明の第2実施例に係る可搬型給電装置50の使用態様を示す。同図に示すように、可搬型給電装置50は、直流電源となるバッテリーBを搭載した電気自動車EVに接続されるプラグ51およびこれに付随するケーブル51aと、各種電力消費機器(本実施例では電力消費機器La,Lb,Lc,Ld,Le,Lf1,Lf2)に接続される6つのコンセント52a,52b,52c,52d,52e,52fとを備えている。コンセント52a,52b,52c,52d,52e,52fは、それぞれ商用交流電力に相当する1.5kWまでの交流電力を出力することができる。すなわち、可搬型給電装置50の定格出力電力は9.0kWである。
【0042】
図11図13に示すように、可搬型給電装置50は、ボックス本体54と、ボックス本体54の開口を塞ぐ蓋体53と、ボックス本体54に引き出し可能に設けられた牽引用ハンドル64と、ボックス本体54の牽引用ハンドル64とは反対側に設けられたキャスター65とを有するトランクボックスの外観を有している。
【0043】
ボックス本体54は、図12(A)に表された正面、同図(B)に表された背面、同図(C)に表された右側面、同図(D)に表された左側面、および図13(C)に表された底面を有している。ボックス本体54は、耐衝撃性、耐候性および耐熱性に優れた樹脂素材で形成されていることが好ましい。
【0044】
蓋体53は、ヒンジ55を介してボックス本体54の背面に回動可能に連結されている。蓋体53は、ボックス本体54と同様、耐衝撃性、耐候性および耐熱性に優れた樹脂素材で形成されていることが好ましい。
【0045】
牽引用ハンドル64は、ボックス本体54の右側面と底面とが交わる部分から引き出されるように設けられている。また、キャスター65は、ボックス本体54の左側面と底面とが交わる部分に設けられている。可搬型給電装置50は、旅行等で使用される一般的なトランクボックス(スーツケース)と同様、キャスター65が接地され、牽引用ハンドル64が引き出され、やや前方に傾斜した姿勢で運搬される(第1実施例についての図6参照)。
【0046】
ボックス本体54の正面には、コンセント52a,52b,52c,52d,52e,52fを保護するためのコンセントカバー56が設けられている。コンセントカバー56を開けると、コンセント52a,52b,52c,52d,52e,52fが現れる。第1実施例と同様、コンセントカバー56は、電力消費機器(例えば、電力消費機器La)とコンセント(例えば、コンセント52a)との接続が完了した後に閉じることができる。
【0047】
ボックス本体54の正面および背面には、正面側排気口57および背面側排気口58が設けられている。これらは、第1実施例のようなルーバー状を有していてもよい。
【0048】
ボックス本体54の左側面および底面には、左側面側吸気口59および底面側吸気口60が設けられている。これらは、第1実施例のようなルーバー状を有していてもよい。
【0049】
この他、ボックス本体54には、正面側ハンドル61、右側面側ハンドル62および左側面側ハンドル63が設けられている。
【0050】
第1実施例と同様、蓋体53を開けると、巻かれた状態で収容されているプラグ51およびケーブル51aが現れる。ケーブル51aは、ボックス本体54の左側面から外部に引き出すことができる。また、蓋体53は、ケーブル51aを引き出した後に閉じることができる。
【0051】
図14(A)に示すように、可搬型給電装置50は、ボックス本体54内の空間をキャスター65寄りの第1収容空間70と牽引用ハンドル64寄りの第2収容空間71とに分ける隔壁72と、隔壁72の近傍に設けられたケーブルコネクタ73とをさらに備えている。
【0052】
同図(B)に示すように、第1収容空間70内には、6基の電力変換ユニット75,76,77,78,79,80が配置されている。より詳しくは、電力変換ユニット75,76,77は、後述するファンが背面側排気口58の方を向き、かつボックス本体54の正面および左側面の内壁に接するように、重ねて配置されている。また、電力変換ユニット78,79,80は、ファンが正面側排気口57の方を向き、かつボックス本体54の背面および左側面の内壁に接するように、重ねて配置されている。
【0053】
同図(B)に示すように、第2収容空間71内には、後述する回路群81が配置されている。
【0054】
図15に、可搬型給電装置50の回路構成を示す。同図に示すように、ケーブル51aは、一端がプラグ51に接続されるとともに、他端がケーブルコネクタ73に接続されている。すなわち、バッテリーBから供給される直流電力は、ケーブルコネクタ73を介して第2収容空間71内に配置された回路群81にもたらされる。
【0055】
回路群81は、フィルタ回路、制御回路および端子盤を含んでいる。フィルタ回路は、ケーブルコネクタ73を介して供給される直流電力をフィルタリングして電力変換ユニット75,76,77,78,79,80に向かって出力するよう構成されている。フィルタ回路の後段に設けられた端子盤は、フィルタ回路によってフィルタリングされた電力を6基の電力変換ユニット75,76,77,78,79,80に分配するよう構成されている。また、制御回路は、フィルタ回路および電力変換ユニット75,76,77,78,79,80の動作を制御するとともに、電力変換ユニット75,76,77,78,79,80の状態を監視するよう構成されている。
【0056】
フィルタ回路、制御回路および端子盤は、1枚のプリント基板で構成されていてもよいし、複数枚のプリント基板で構成されていてもよい。また、回路群81は、過電流による破損を防ぐためのヒューズや、各種のセンサをさらに含んでいてもよい。
【0057】
回路群81と電力変換ユニット75,76,77,78,79,80の入力端子とは、隔壁72に開口形成されたケーブルブッシュ付きスルーホール74を貫通するケーブルによって接続されている。なお、図14においては、このケーブルの図示が省略されている。
【0058】
電力変換ユニット75は、フィルタ回路によってフィルタリングされた直流電力を商用交流電力に相当する交流電力に変換するインバータ回路と、インバータ回路を構成する部品を空冷するための2つのファンとを有している。2つのファンは、電力変換ユニット75の一側面に並んで配置されている。電力変換ユニット75の出力端子とコンセント52aとは、隔壁72に開口形成されたケーブルブッシュ付きスルーホール74のうちの1つを貫通するケーブルによって接続されている。なお、図14においては、このケーブルの図示も省略されている。
【0059】
他の電力変換ユニット76,77,78,79,80についても同様である。ただし、電力変換ユニット76の出力端子はコンセント52bに接続され、電力変換ユニット77の出力端子はコンセント52cに接続され、電力変換ユニット78の出力端子はコンセント52dに接続され、電力変換ユニット79の出力端子はコンセント52eに接続され、電力変換ユニット80の出力端子はコンセント52fに接続されている。
【0060】
図16に、可搬型給電装置50の給排気経路を示す。同図に示すように、第1収容空間70は、ボックス本体54の第1収容空間70を取り囲む部分に設けられた左側面側吸気口59、底面側吸気口60、正面側排気口57および背面側排気口58によって外部に連通している。このため、電力変換ユニット75,76,77のファンが作動すると、左側面側吸気口59および底面側吸気口60から第1収容空間70に外部の新鮮な空気が取り込まれる。そして、この新鮮な空気は、電力変換ユニット75,76,77の内部を通って、最終的に正面側排気口57から排気される。電力変換ユニット78,79,80のファンが作動しても、左側面側吸気口59および底面側吸気口60から第1収容空間70に外部の新鮮な空気が取り込まれる。そして、この新鮮な空気は、電力変換ユニット78,79,80の内部を通って、最終的に背面側排気口58から排気される。
【0061】
一方、ボックス本体54の第2収容空間71を取り囲む部分には、吸気口および排気口は設けられていない。また、ボックス本体54内の空間を第1収容空間70と第2収容空間71とに分ける隔壁72に設けられたスルーホール74にはケーブルブッシュが取り付けられている。すなわち、第2収容空間71は、外部および第1収容空間70のいずれにも連通していない。言い換えると、第2収容空間71は密閉されている。これにより、第2収容空間71に収容された回路群81は、雨滴や埃から保護される。
【0062】
フィルタ回路、制御回路および端子盤を含む回路群81の重量と、電力変換ユニット75,76,77,78,79,80の合計重量とでは、後者の方が圧倒的に大きい。このため、第1実施例と同様、運搬時の可搬型給電装置50の重心は、キャスター65近傍の低い位置となる。
【0063】
[変形例]
以上、本発明に係る可搬型給電装置の第1実施例および第2実施例について説明してきたが、本発明の構成はこれらに限定されない。
【0064】
例えば、第1収容空間および第2収容空間の形状は、適宜変更することができる。ただし、本発明では、第1収容空間がキャスター寄りに配置されていなければならない。
【0065】
第1収容空間を外部に連通させる吸気口および排気口の位置、形状および数も、適宜変更することができる。また、吸気口および排気口の変更に対応して、第1収容空間内における電力変換ユニットの配置も適宜変更することができる。
【0066】
この他、本発明に係る可搬型給電装置の細部の構成は、特許請求の範囲から逸脱しない限りにおいて、適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0067】
10 可搬型給電装置(第1実施例)
11 プラグ
11a ケーブル
12a〜12c コンセント
13 蓋体
14 ボックス本体
15 ヒンジ
16 コンセントカバー
17 吸気口
18 排気口
19 正面側ハンドル
20 右側面側ハンドル
21 左側面側ハンドル
22 牽引用ハンドル
23 キャスター
30 第1収容空間
31 第2収容空間
32 隔壁
33 ケーブルコネクタ
34 スルーホール
35〜37 電力変換ユニット
38 排気ダクト
39 回路群
50 可搬型給電装置(第2実施例)
51 プラグ
51a ケーブル
52a〜52f コンセント
53 蓋体
54 ボックス本体
55 ヒンジ
56 コンセントカバー
57 正面側排気口
58 背面側排気口
59 左側面側吸気口
60 底面側吸気口
61 正面側ハンドル
62 右側面側ハンドル
63 左側面側ハンドル
64 牽引用ハンドル
65 キャスター
70 第1収容空間
71 第2収容空間
72 隔壁
73 ケーブルコネクタ
74 スルーホール
75〜80 電力変換ユニット
81 回路群
B バッテリー
EV 電気自動車
La〜Le,Lc1,Lc2,Lf1,Lf2 電力消費機器
図1
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図5
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図15
図16