(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記仮圧縮工程及び前記圧縮成型工程において、加圧ピストンによって前記収容容器の内容物を加圧し、前記収容容器の内壁と、加圧ピストンの外周の間に、幅が0.5mm以上3mm以下のクリアランスを設けることを特徴とする請求項1又は2に記載の放射性廃棄物の圧縮成型方法。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所等の施設で発生する放射性廃棄物を、各種処理によって減容及び安定化することが行われている。放射性廃棄物のうち、可燃性廃棄物は専用の焼却炉で焼却して減容し、発生した焼却灰を、セメントを用いて固化するセメント固化方法が実用化されている。
【0003】
セメント固化方法によれば、焼却灰等の放射性廃棄物を安定に固定化できる利点がある一方で、セメントペーストと放射性廃棄物の混合物を混練するに適した流動性に調節する必要があるため、セメント固化体中の放射性廃棄物の含有量は低く、15質量%程度にとどまる。
【0004】
また、セメント固化方法としては、ゼオライト、フェロシアン化塩、マンガン化合物、ケイチタン酸塩等のセシウム吸着材と焼却灰を混合してセメント固化する方法が提案されており、水酸化カルシウムや水酸化ナトリウム等のアルカリを併用して反応を早めることや、必要に応じて水/セメント比を低減した配合条件を用いて圧縮成型することも提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この方法によれば、セメント固化体中の廃棄物含有量は、増量され得るが、20質量%程度である。
【0005】
また、放射性の焼却灰に放射性物質を吸着する吸着材、セメント系固化材及び水膨張性粘土を加えて放射性の焼却灰を圧縮成型してセメント固化体とする方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この方法では、セメント固化体中の廃棄物含有量を70質量%以上まで高めているが、圧縮成形に際しての加圧力は15MPa以上、又は4t/cm(連続ロール式)であり、比較的高圧である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に用いられる放射性廃棄物の圧縮成型装置10を模式的に示す図である。圧縮成型装置10は、粉末状の放射性廃棄物1、水硬性無機固化材2、水3を混合して混合粉体を生成する混合機15と、混合機15に接続され、粉末状の放射性廃棄物1の所定量を計量して混合機15に供給する放射性廃棄物供給装置11と、混合機15に接続され、水硬性無機固化材2の所定量を計量して混合機15に供給する水硬性無機固化材供給装置12と、混合機15に接続され、水3の所定量を計量して混合機15に供給する水供給装置13とを備えている。
【0013】
また、圧縮成型装置10は、混合機15内の混合粉体を外部に移送して収容容器17に収容する混合粉体移送装置18と、収容容器17の内容物を加圧する圧縮装置16と、収容容器17を保持する収容容器保持装置19とを備えている。また、圧縮装置16は、収容容器17の内容物を加圧する加圧ピストン21を備えている。収容容器17は圧縮装置16内に配置されている。
【0014】
図2は、本実施形態の圧縮成型方法を示すフロー図である。
図2に示す圧縮成型方法は、粉末状の放射性廃棄物1と、固化材としての水硬性無機固化材2と、水3とをそれぞれ所定の量で計量する計量工程S1と、計量された放射性廃棄物1、水硬性無機固化材2及び水3を混合して混合粉体4を得る混合工程S2と、混合粉体4を収容容器17に収容する収容工程S3とを有している。本実施形態の圧縮成型方法はさらに、収容容器17内の混合粉体4を仮圧縮する仮圧縮工程S4と、仮圧縮された混合粉体4を本圧縮して成型体5を得る圧縮成型工程S5とを有している。
【0015】
処理対象物である放射性廃棄物1は、粉末状の放射性廃棄物であり、例えば原子力施設などから発生する放射性廃棄物や、可燃性の放射性廃棄物を焼却処理ないし加熱処理して得られる焼却灰や焼却飛灰等である。ここでいう「粉末」は、例えば、ふるい分け法による粒子径が2.5mm以下程度の大きさである。放射性廃棄物1は、焼却灰や焼却飛灰以外にも、例えば、砂や土壌、また、酸性又はアルカリ性の放射性薬剤を中和反応により処理することで生成する無機塩等であってもよい。また、放射性廃棄物1は、本発明の効果を損なわない限り、粉末状以外の放射性廃棄物1、例えば粉末状の焼却灰が凝集した凝集物や焼却時の燃え残り等の粒子径が2.5mm以上の粗大物、が含まれていてもよい。また、放射性廃棄物1は、少なくとも一部が放射性を有していれば良く、非放射性の廃棄物を含んでいてもよい。
【0016】
本実施形態の圧縮成型方法は、放射性廃棄物1を75質量%以上含有する成型体5を形成する。放射性廃棄物1の量が75質量%より少なく、例えば70質量%でも、良好な強度の成型体5を得ることができるが、水3の量が多くなって、混合粉体4の流動性が低下し、設備の安定運転に支障を起こすことがあり、また、放射性廃棄物1の量が75質量%より少ないと、放射性廃棄物の減容性に劣るためである。
【0017】
計量工程S1では、混合粉体4の全量(100質量%)に対して75質量%以上の放射性廃棄物1を計量する。放射性廃棄物1の量は、好ましくは77〜85質量%である。放射性廃棄物1の量は多くするほど高減容化が可能であるが、多すぎると十分な強度が得られないことがある。
【0018】
また、計量工程S1において、成型体5の成分のうち、放射性廃棄物1以外の成分である水硬性無機固化材2と水3をそれぞれ計量する。水硬性無機固化材2と水3の合計量は、混合粉体4中の放射性廃棄物1以外の残分、すなわち、混合粉体4の全量に対して25質量%以下である。また、水硬性無機固化材2と水3の量の比は、水硬性無機固化材2:水3で示される質量比で0.9:1.1〜1.1:0.9である。水硬性無機固化材2と水3の質量比が上記範囲であることで、成型体5が十分な強度を有するものとなる。
【0019】
次いで、計量された放射性廃棄物1、水硬性無機固化材2、水3を、
図1に示す混合機15に供給して、混合機15によって混合し、混合粉体4を得る(混合工程S2)。放射性廃棄物1、水硬性無機固化材2、水3が上記配合量であることで、混合粉体4は、例えば、流動性が高い粉体となる。そのため、作業性に優れるとともに、成型体5に十分な強度を付与することができる。
【0020】
水硬性無機固化材2としては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント等の各種混合セメント、アルミナセメント等の各種セメントを用いることができる。水硬性無機固化材2は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。
【0021】
水3は、特に限定されず、本発明の効果を損なわない限り、アルカリ性や酸性の薬剤や添加剤を含んでいてもよい。
【0022】
次いで、混合粉体4は、振動フィーダー、スクリューフィーダー等の混合粉体移送装置18によって、混合機15から圧縮装置16に移送され、圧縮装置16内に配置された収容容器17内に収容される(収容工程S3)。
【0023】
収容容器17は、例えば、金属板等で構成された内径が250mm〜300mm程度の円筒形の容器である。混合粉体4は収容容器17内で圧縮成型されて、成型体5が形成される。
【0024】
次いで、収容容器17内の混合粉体4を、続く本圧縮の時間よりも短い時間で仮圧縮(仮押し)する仮圧縮工程S4を行う。仮圧縮工程S4を経ることで、常温かつ低加圧力でも、強度に優れた成型体5を得ることができる。
【0025】
仮圧縮工程S4は、複数回行ってもよい。この場合、収容工程S3は、仮圧縮工程S4に合わせて複数回行う。すなわち、所定量の混合粉体4を複数回に分けて収容容器17内に収容するように、収容工程S3を複数回行う。各々の収容工程S3の後に仮圧縮工程S4を行い、次の収容工程3を行う。このようにして仮押しをした回数を「仮押し回数」とも称する。
【0026】
例えば、仮押し回数を3回とする場合、最初の収容工程S3において、所定量の3分の1の放射性廃棄物1を収容容器17内に収容し、その後、仮押しする。この操作を2回行った後、残部(所定量の3分の1)を収容容器17内に収容して、仮押しする。本実施形態の放射性廃棄物の圧縮成型方法によれば、複数回の仮圧縮工程S4を経ることで、常温かつ低加圧力でも、より強度に優れた成型体5を得ることができる。
【0027】
仮圧縮工程S4では、仮押しを、低圧、例えば、加圧力10MPa〜13MPa、好ましくは11MPa〜12MPaで行うことができる。仮押し時間は、続く本圧縮の時間よりも短く、瞬時(0.1〜5秒程度)である。仮押し時の温度は特に調整せず、常温(5〜40℃)でよい。仮押し回数は、1回以上で、常温かつ低加圧力でも、強度に優れた成型体5を得ることができる。また、成型効率の点では、仮押し回数は、15回以下程度が好ましく、成型体5の優れた強度を得つつ成型効率を高める点で、3回であることがさらに好ましい。
【0028】
仮圧縮工程S4後、収容容器17内の混合粉体4を本圧縮(本押し)する圧縮成型工程S5を行う。圧縮成型工程S5では仮圧縮工程S4で得られた成型体5の前駆体を十分に押し固めるために、仮押し時間よりも長時間加圧する。圧縮成型工程S5における本押し時間は、例えば1時間以上である。本押し時間は、放射性廃棄物1の種類や混合粉体4の配合等によって、成型体5を形成するのに十分な時間行えばよい。本押しは、仮押しと同様に、低圧かつ常温で行うことができる。
【0029】
また、本実施形態の圧縮成型方法において、仮圧縮工程S4、圧縮成型工程S5を通じて、収容容器17を収容容器保持装置19によって保持する。
図3(a)〜(c)は、収容容器保持装置19と収容容器17を模式的に示す断面図である。
図3(a)は、収容容器保持装置19によって収容容器17を保持した状態を表す図である。
図3(b)は、
図3(a)の状態で、圧縮装置16に備えられる加圧ピストン21により、収容容器17の内容物を加圧する状態を表す図である。
図3(c)は、収容容器保持装置19から収容容器17を取り外す状態を表す図である。
【0030】
例えば、
図3(a)、(b)に示すように、仮圧縮工程S4及び圧縮成型工程S5において、収容容器17の内容物を、加圧ピストン21によって加圧する場合、収容容器17を構成する金属板が薄いと、収容容器17の強度や加圧ピストンの加圧力によっては、収容容器17が変形したり、変形によって破損して内容物が飛散したりするおそれがある。
【0031】
そのため、本実施形態では、収容容器17の変形を抑制するようにその外周を取り囲んで保持する収容容器保持装置19を用いる。また、収容容器保持装置19は、収容容器17内部に加圧ピストン21が挿入されるように、収容容器17と加圧ピストン21との位置を合わせ、収容容器17の上部を固定する。これにより、収容容器17が変形したり、変形によって破損したりするのを防止することができる。さらに、
図3(c)に示すように、収容容器保持装置19は、収容容器17を取り外し可能に構成することで、圧縮成型装置10によって複数の成型体5を繰り返し作製する際に成型効率を高めることができる。なお、収容容器保持装置19は、例えば、金属板等で構成することができる。
【0032】
図4は、仮圧縮工程S4及び圧縮成型工程S5における収容容器17のクリアランスを説明するための図であり、収容容器保持装置19に保持された収容容器17の水平断面を表す図である。
図4に示すように、仮圧縮工程S4及び圧縮成型工程S5において、収容容器17の内容物を圧縮装置16の加圧ピストン21によって加圧する場合、収容容器17の内壁と、加圧ピストン21の外周の間に、クリアランス(隙間)Cを設けることが好ましい。クリアランスCを設けることで、圧縮時に混合粉体4中に含まれる空気が外部に抜けやすい。そのため、成型体5中に空気が残留しにくいため、成型体5の強度を向上させることができる。
【0033】
クリアランスCの幅は、0.5mm〜3mm程度が好ましく1mm〜2mm程度がより好ましい。クリアランスの幅が0.5mm以上であると、圧縮時に混合粉体4中に含まれる空気が十分に外部に抜け易く、3mm以下であると、内容物が外部にはみ出しにくく、付着物の形成を抑え易い。なお、収容容器17の内壁及び加圧ピストン21の外周が円筒である場合、クリアランスCの幅は、収容容器17の内径と加圧ピストン21の外周径の差の2分の1の値として算出することができる。
【0034】
このようにして、収容容器17で混合粉体4が圧縮成型されて成型体5を得る。成型体5の直径Dに対する高さLの比L/Dは1.5以下であることが好ましい。L/Dは、1.5以下で成型体5の強度の低下を抑制しやすい。L/Dは、収容容器17の内径と、放射性廃棄物1、水硬性無機固化剤2、水3の量で調整することができる。得られた成型体5は、容容器17ごと圧縮装置16外部に搬出されて養生されるか、保管される。
【0035】
以上説明した本実施形態の放射性廃棄物の圧縮成型方法によれば、熱を加えることなく常温で、かつ比較的低い加圧力で優れた強度の成型体を形成することができる。
【実施例】
【0036】
次に、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
【0037】
(実施例1、2)
実施例では、模擬放射性廃棄物として都市ごみ焼却炉の焼却灰(以下、単に「焼却灰」ともいう。)を用いた。焼却灰75質量%、ポルトランドセメント(OPC)12.5質量%及び水12.5質量%を計量し、その後、これらを混合して混合粉体を得た。焼却灰は、レーザー回折散乱法による体積基準の平均粒子径が100μm程度である。
【0038】
次いで、得られた混合粉体の一部を採取して内径250mmφの金属の円筒形の容器に収容した。このとき、使用する混合粉体の量は、最終的に得られる成型体の高さが375mm、すなわちL/Dが概ね1.5になる量に調整した。
【0039】
実施例1では、混合粉体の全量を容器内に収容した後、仮押しをして、その後、本押しをした(仮押し回数1回)。実施例2では、混合粉体を3分割して、それぞれ順に容器に収容し、各収容後に仮押しをして、合計3回の仮押しを経た後、本押しをした(仮押し回数3回)。
【0040】
仮押し時間は瞬時(約0.5秒)、本押し時間は、実施例1では6時間、実施例2では4時間とした。加圧力はいずれも10MPaで、いずれも温度は調節せず常温で行った。また、仮押し及び本押しを行うときには容器の外周及び上部を金属厚板で保持して、変形を防止した。クリアランスは1mmとした。得られた成型体を7日間養生した後、圧縮強度を測定した。結果を、混合粉体中の各成分の配合、圧縮条件と併せて表1に示す。
【0041】
(実施例3、4)
実施例3、4では、混合粉体中の各成分の配合と、成型体の圧縮強度の関係について調べた。焼却灰の量を実施例3では80質量%、実施例4では85質量%とし、残部をいずれもポルトランドセメント及び水の質量比を1:1として混合し、混合粉体を得た。その他は実施例2と同様の操作及び条件で成型体を得た。結果を、混合粉体の配合、圧縮条件と併せて表1に示す。
【0042】
(実施例5〜7)
実施例5〜7では、クリアランスの幅と、成型体の圧縮強度の関係について調べた。実施例1において、異なる径の杵(加圧ピストン)を用い、クリアランスを、実施例5では0.5mm、実施例6では1mm、実施例7では2mmとして、その他は実施例1と同様の操作及び条件で成型体を得た。結果を、混合粉体の配合、圧縮条件と併せて表1に示す。
【0043】
(実験例1、2)
実験例1、2では、L/Dの値を変更した際の成型体の圧縮強度への影響について調べた。L/Dを、実験例1では1、実験例2では1.5として、実施例1と同様の操作及び条件で仮押しをした。仮押し1回後の成型体前駆体の圧縮強度を測定した。結果を、混合粉体の配合、圧縮条件と併せて表1に示す。
【0044】
(比較例1〜3)
模擬放射性廃棄物として、比較例1、3では焼却灰を、比較例2ではりん酸カルシウム主成分の無機質粉体を使用した。それぞれ、放射性廃棄物75質量%、残部をポルトランドセメント及び水を1:1の質量比として混合して混合粉体を得た。焼却灰及び無機質粉体は、レーザー回折散乱法による体積基準の平均粒子径が100μm程度である。その後、仮押しを行わず比較例1、2では、加圧力10MPaで1時間、比較例3では、加圧力10MPaで6時間、温度は調節せずに常温で圧縮して成型体を得た。比較例1〜3において、クリアランスは1mmm、L/Dは概ね1.5である。得られた成型体を7日間養生して、その後、圧縮強度を測定した。結果を、混合粉体の配合、圧縮条件と併せて表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
表1より、仮押しを1回以上行った実施例1、2では、仮押しを行わない比較例1〜3に比べて、成型体強度を4倍以上高められたことが分かる。例えば、成型体強度の目安値を、低レベル放射性廃棄物処分基準の1.47MPa以上とした場合、仮押しなしでは裕度が無かったが、仮押しの効果によって目安値の強度を十分満足する良好な成型体が得られた。これは、L/Dの小さな成型体を重ね打ちすることと同様の作用による効果と考えられる。しかし、仮押し毎の成型体接着部が剥離するようなことはなく、成型体として一体であった。
【0047】
また、実施例3、4より、放射性廃棄物の配合比75質量%以上において、仮押しを行うことで、優れた強度の成型体を得られることが分かる。
【0048】
また、実験例1、2より、L/Dが小さいほど、仮押し後の成型体前駆体の圧縮強度が高く、強度の高い成型体を得られることが分かる。
【0049】
(参考例1〜3)
参考例では、仮押しを行わない場合について、ポルトランドセメント(OPC)及び水の量の比を変更した場合の、成型体の圧縮強度への影響を調べた。模擬放射性廃棄物として、比較例1、2と同様の焼却灰及び無機質粉体を用い、混合粉体100質量%に対して模擬放射性廃棄物の量を75質量%とした。混合粉体の100質量%に対して、(OPC質量%,水質量%)を、(19.6,5.4)、(13.75,11.25)、(12.5,12.5)、(11.25,13.75)、(7.5,17.5)、(0,25)とした。それぞれの配合で混合粉体を作成し、L/Dが概ね1.5となるように上記同様の容器に収容し、クリアランス1mmで、10MPa、1時間本押しをした。得られた成型体について、実施例1と同様に養生した後、圧縮強度を測定した。結果を
図5に示す。
【0050】
図5より、仮押しを行わない場合、OPCの量が、7.5〜13.75質量%で、焼却灰及び無機質粉体のいずれを用いた場合も成型体の圧縮強度の目安値を満たしたことが分かる。仮押しを行った場合にも、OPCと水の質量比と成型体の圧縮強度の関係は、仮押しを行わない場合と同様の傾向を示すと考えられる。そのため、仮押しを行う場合のOPCと水の質量比は、上記目安値を満たした中央値のOPC:水=1:1(12.5質量%:12.5質量%)から、測定誤差範囲が含まれる±10%の範囲を採用した。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。