(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871094
(24)【登録日】2021年4月19日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】運搬カート
(51)【国際特許分類】
A47B 31/04 20060101AFI20210426BHJP
B62B 3/02 20060101ALI20210426BHJP
A47B 31/00 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
A47B31/04 A
B62B3/02 B
A47B31/00 G
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-136083(P2017-136083)
(22)【出願日】2017年7月12日
(65)【公開番号】特開2019-17472(P2019-17472A)
(43)【公開日】2019年2月7日
【審査請求日】2020年7月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】394016874
【氏名又は名称】河淳株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】特許業務法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北林 貴知
【審査官】
油原 博
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2010/0326938(US,A1)
【文献】
特開平11−155654(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 31/00、31/04、43/00
B62B 3/02
A47F 5/10、5/13
A47C 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対の第1支柱と該一対の第1支柱を下方で連結する第1下部バーを有する中間支持枠体と、
左右一対の第2支柱と該一対の第2支柱を下方で連結する第2下部バーを有し、該中間支持枠体の前後に位置し、該中間支持枠体に前後移動自在に支持される一対の前後支持枠体と、
該第1下部バーと該前後一対の第2下部バーに接続され、該一対の前後支持枠体と該中間支持枠体を折り畳む際、使用するリンク体とを備え、
該リンク体は、一端が踏み込み力を受ける受力部であり、他端が第1リンク部材に回転自在に取り付けられる左右方向に延びる操作バーと、一端が該第1下部バーに回転自在に取り付けられ、他端が該操作バーの他端に回転自在に取り付けられる第1リンク部材と、一端が該前後一対の第2下部バーにそれぞれ回転自在に取り付けられ、他端が該操作バーの延出方向の中間位置に回転自在に取り付けられる一対の第2リンク部材とを有するものであることを特徴とする運搬カート。
【請求項2】
該左右一対の第1支柱間に、差し渡しで且つ上下方向に複数本、付設される第1支持バーを有することを特徴とする請求項1記載の運搬カート。
【請求項3】
該左右一対の第2支柱間に、差し渡しで且つ該第1支持バーに対応する位置に複数本、付設される第2支持バーを有することを特徴とする請求項2記載の運搬カート。
【請求項4】
一端が一方の第2支柱の下方部に、他端が該第2支柱に対応する第1支柱の中間部に、それぞれ回転自在に取り付けられる連結バーを有することを特徴とする請求項2記載の運搬カート。
【請求項5】
該第1支持バーと該第1支持バーに対応する第2支持バーに係止する棚板部材を有することを特徴とする請求項3又は4記載の運搬カート。
【請求項6】
該棚板部材は、該第1支持バーに対して回転自在に係止することを特徴とする請求項
5記載の運搬カート。
【請求項7】
該第1下部バーと該第1リンクの接続部と、該操作バーの後方部とを接続するダンパー部材を有することを特徴とする請求項3又は4記載の運搬カート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、病院などで下膳用のカートとして使用されるフットペダルの踏み込みで折り畳みができる運搬カートである。
【背景技術】
【0002】
病院などにおいては、入院患者などが食事の後、空の食器類を乗せたトレーを衛生室に運搬する下膳カートが知られている。下膳カートとしては、作業効率の観点から、一度に多くのトレーを運搬することが望ましい。この要望を満足するには、カート自体大きくすればよい。この場合、そのカートの大きさに見合う保管スペースが必要となる。
【0003】
特開平09−173160号公報には、平板長方形状のトレイを搬送するトレイ搬送車であって、柱状をなし、水平に延設された下部バーと、この下部バーの両端側に立設され、かつその下端を上記下部バーの下方に突出させた状態で上記下部バーの両端にそれぞれ連結された一対の支柱と、柱状をなし、上記支柱の下方に上記下部バーと直交するよう水平に延設され、かつその中央部にて上記支柱の下端にそれぞれ連結された一対の脚柱と、これら脚柱の下方に取り付けられた車輪と、上記支柱の上記下部バーの連結位置より上方に、上記脚柱と平行かつ上記支柱の長手方向に沿って一定間隔で取り付けられ、上記支柱間に向け水平に挿入された上記トレイを両端側から支持する複数対のレールとを具備し、上記脚柱と上記レールとの間に形成された空間に、他の上記トレイ搬送車の上記下部バーを挿入することにより、複数の上記トレイ搬送車が、個々の上記トレイ搬送車の上記支柱間に形成された空間に、上記レールが互いに挿入された状態で格納可能とされていることを特徴とするトレイ搬送車が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−173160号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のトレイ搬送車は、未使用時における保管スペースを相対的に減少させることができるものの、1台当たりのトレイ搬送量が少ない小型の搬送車が一般的である。この場合、大量のトレイを搬送するには、複数台のカートの設置が必要となり、コストアップとなる。このため、大型であって且つ未使用時における保管スペースを減少させる運搬カートの開発が望まれていた。
【0006】
一方、未使用時における保管スペースを減少させるため、折り畳みの運搬カートは知られているものの、大型又は大容量ではない。一般に折り畳み構造は、運搬カートに限らず、椅子、傘、脚立などに見られるように、小型のものに適用される。これは、折り畳んだ際、安定性が悪くなり、これを手で把持するなど姿勢を制御できるものに限られるからである。他方、折り畳み構造を運搬カートに適用することも考えられるが、折り畳みの際、体全体を使うため、作業者への負担が大であり、ましてや、女性や高齢者が作業者となることがある下膳カートの場合、作業者への負担は大きな問題であった。
【0007】
従って、本発明の目的は、作業者の折り畳み負担を軽減できる折り畳みができる運搬カートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は、上記従来の課題を解決するものであって、左右一対の第1支柱と該一対の第1支柱を下方で連結する第1下部バーを有する中間支持枠体と、左右一対の第2支柱と該一対の第2支柱を下方で連結する第2下部バーを有し、該中間支持枠体の前後に位置し、該中間支持枠体に前後移動自在に支持される一対の前後支持枠体と、該第1下部バーと該前後一対の第2下部バーに接続され、該一対の前後支持枠体と該中間支持枠体を折り畳む際、使用するリンク体とを備え、該リンク体は、一端が踏み込み力を受ける受力部であり、他端が第1リンク部材に回転自在に取り付けられる左右方向に延びる操作バーと、一端が該第1下部バーに回転自在に取り付けられ、他端が該操作バーの他端に回転自在に取り付けられる第1リンク部材と、一端が該前後一対の第2下部バーにそれぞれ回転自在に取り付けられ、他端が該操作バーの延出方向の中間位置に回転自在に取り付けられる一対の第2リンク部材とを有するものであることを特徴とする運搬カートを提供するものである。
【0009】
また、本発明は、該左右一対の第1支柱間に、差し渡しで且つ上下方向に複数本、付設される第1支持バーを有することを特徴とする前記運搬カートを提供するものである。
【0010】
また、本発明は、該左右一対の第2支柱間に、差し渡しで且つ該第1支持バーに対応する位置に複数本、付設される第2支持バーを有することを特徴とする前記運搬カートを提供するものである。
【0011】
また、本発明は、一端が一方の第2支柱の下方部に、他端が該第2支柱に対応する第1支柱の中間部に、それぞれ回転自在に取り付けられる連結バーを有することを特徴とする前記運搬カートを提供するものである。
【0012】
また、本発明は、該第1支持バーと該第1支持バーに対応する第2支持バーに係止する棚板部材を有することを特徴とする前記運搬カートを提供するものである。
【0013】
また、本発明は、該棚板部材は、該第1支持バーに対して回転自在に係止することを特徴とする前記運搬カートを提供するものである。
【0014】
また、本発明は、該第1下部バーと該第1リンクの接続部と、該操作バーの後方部とを接続するダンパー部材を有することを特徴とする前記運搬カートを提供するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、踏み込み力を受ける受力部(ペタル部)を踏むことで、簡単に折り畳める。このため、作業者の折り畳み負担を軽減できる。また、折り畳み後は、保管スペースを減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施の形態における運搬カートの斜視図である。
【
図3】
図1の運搬カートのリンク体の斜視図である。
【
図6】
図1の運搬カートの折り畳み途中の斜視図である。
【
図7】
図6の折り畳み途中の運搬カートの右側面図である。
【
図8】
図1の運搬カートの折り畳み後の斜視図である。
【
図9】
図8の折り畳み後の運搬カートの正面図である。
【
図10】
図8の折り畳み後の運搬カートの右側面図である
【
図11】(A)折り畳み前のリンク体の右側面図、(B)折り畳み途中のリンク体の右側面図、(C)折り畳み後のリンク体の右側面図である。
【
図12】(A)折り畳み前のリンク体の正面図、(B)折り畳み後のリンク体の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施の形態における運搬カートを
図1〜
図10を参照して説明する。本明細書において、「左右」は長手方向に延びる下部バーの直角方向から見て、且つリンク体を右側に見る位置を正面とした方向を言う。従って、右側面とは、リンク体4を操作する作業者側(操作側)から見る方向(位置)である。
【0018】
運搬カート10は、(i)左右一対の第1支柱1a、1bと一対の第1支柱1a、1bを下方で連結する第1下部バー1cを有する中間支持枠体1と、(ii)左右一対の第2支柱2a、2b(3a、3b)と一対の第2支柱2a、2b(3a、3b)を下方で連結する第2下部バー2c(3c)を有し、中間支持枠体1の前後に位置し、中間支持枠体1に前後移動自在に支持される一対の前後支持枠体2、3と、(iii)リンク体4を備える。
【0019】
中間支持枠体1は、左右一対の第1支柱1a、1b間に、差し渡しで且つ上下方向に複数本(本例では7本)、付設される第1支持バー7bを更に有する。第1支持バー7bとしては、丸棒部材が好ましい。第1支持バー7bには、棚板部材5が回転自在に係止される。上下に隣接する第1支持バー7b間の距離は、載置する物品が前後方向自在に出入りできる寸法である。中間支持枠体1の左右一対の第1支柱1a、1bの上下方向の中間部には、丸棒部材である連結バー6の一端が係止する連結バー係止部61が形成されている。連結バー6は、片側(左右の一方)で且つ前後一対ものであるため、連結バー係止部61は、第1支柱1a、1bを挟んで、前後にそれぞれ係止孔を有するものである。また、連結バー係止部61は、第1支柱1aに対して上下方向に移動自在に取り付けられ、折り畳みの際、動きを阻害することはない。また、第1支柱1aの連結バー係止部61の直上には前後両側にマグネットを装着した固定マグネット部201が付設されている。固定マグネット部201は、第1支柱1aに固定されるものであり、一対の前後支持枠体2、3が折り畳まれた際、対応する位置にある一対の前後支持枠体2、3側のマグネット吸着用の金属板301と磁気吸着する。
【0020】
一対の前後支持枠体2、3は、互いに同じ構造、同じ形状であり、一方の支持枠体2について説明し、他方の支持枠体3の説明を省略する。支持枠体2は、左右一対の第1支柱2a、2b間に、差し渡しで且つ上下方向に複数本(本例では7本)、第1支持バー7bに対応する位置に付設される第2支持バー7aを更に有する。第1支持バー7bと該第1支持バー7bに対応する位置にある第2支持バー7aには、棚板部材5が水平状態となるよう係止される。上下に隣接する第1支持バー7b間の距離は、載置する物品が前後方向自在に出入りできる寸法である。左右一対の第1支柱2a、2bの中間よりやや上方には、把持部301が形成されている。把持部301は折り畳まれた運搬カート10を広げる際、使用される。また、把持部301の中間支持枠体1側には、マグネット吸着用の金属板301が付設されている。これにより、運搬カート10が折り畳まれた際、中間支持枠体1の固定マグネット部201と金属板301は磁気固定される。また、左右一対の第1支柱2a、2bの下端には、キャスター9がそれぞれ付設されている。これにより、折り畳みの際、あるいは開き操作の際、一対の前後支持枠体2、3の動きが円滑になる。
【0021】
連結バー6は、丸棒部材の両端を屈曲させ鈎状にしたものである。連結バー6は、一端が一方の第2支柱2a(2b)の下方部に、他端が第2支柱2a(2b)に対応する第1支柱1aの中間部に、それぞれ回転自在に取り付けられる。すなわち、右側の連結バー6は、1本が第1支柱1aと前方の第2支柱2aを連結し、他の1本は、第1支柱1aと後方の第2支柱3aを連結する。また、左側の連結バー6は、1本が第1支柱1bと前方の第2支柱2bを連結し、他の1本は、第1支柱1bと後方の第2支柱3bを連結する。
【0022】
運搬カート10において、第1支持バー7bと第1支持バー7bに対応する第2支持バー7aに係止する棚板部材5aを更に有する。また、第1支持バー7bと第1支持バー7bに対応する第2支持バー7cに係止する棚板部材5bを更に有する。すなわち、棚板部材5a、5bは、左右一対ものであり、棚板部材5a、5bの表面は、運搬カート10の使用状態において、面一の同一平面上にある。本例では、棚板部材5は、左右一対で上下方向に7段有し、都合14個有する。棚板部材5の短手方向の前端側は、丸棒部材である第1支持バー7bに回転自在に係止するフック形状となっている。また、棚板部材5の裏面の第2支持バー7a、7cに対応する位置には、丸棒部材である第2支持バー7a、7cの形状に対応する半円状の溝が形成されている。これにより、棚板部材5は、使用状態において、第1支持バー7bと第2支持バー7aに係止して、水平位置を保持し、折り畳み状態において、脱落することなく、第1支持バー7bと第2支持バー7aに係止して、傾斜状態を保持する。すなわち、棚板部材5は、使用状態及び折り畳み状態において、支持バーから外れることはない。
【0023】
リンク体4は、
図3に示すように、第1下部バー1cと前後一対の第2下部バー2c、3c間に接続され、一対の前後支持枠体2、3と中間支持枠体1を折り畳む際、使用するものである。すなわち、リンク体4は、操作バー41と、第1リンク部材42と、第2リンク部材43を有する。第1下部バー1cには、コ字形状断面の第1接続片432が取り付けられている。すなわち、第1接続片432は第1下部バー1cに取り付けられることで、対峙する一対の両腕部が下方に垂れる。この両腕部にボルト貫通孔が形成されている。これにより、第1接続片432と第1リンク部材42の一端がボルトにより回転自在に接続される。第1リンク部材42は、短尺状の板状体の2枚ものであり、両端にそれぞれボルト貫通孔が形成されている。貫通孔は前後方向に貫通するものである。第1リンク部材42の他の端部(反第1下部バー1c側)において、操作バー41の一端を挟み込んで、ボルトが挿通され、回転自在に両者は接続される。すなわち、第1リンク部材42は、第1下部バー1cに垂下状に接続され、且つリンク体4の操作側から見て、前後方向に回転自在である。
【0024】
操作バー41は、棒状部材であって、その後方端にはボルト貫通孔が前後方向に貫通するように形成され、前方端は、約90度屈曲させて、足で踏み込み易いようになっている。すなわち、操作バー41は、一端(操作側)が踏み込み力を受ける受力部411であり、他端(奥側)が第1リンク部材42に回転自在に取り付けられる左右方向に延びるバー部材である。
【0025】
操作バー41の長手方向の中央よりやや操作側方向の位置には、コ字形状断面の第2接続片433が前後(操作側から見て左右)両側に一対、取り付けられている。すなわち、第2接続片433は操作バー41に取り付けられることで、対峙する一対の両腕部が外側(反操作バー41の軸芯側)を向くことになる。この両腕部にボルト貫通孔が形成されている。すなわち、第2接続片433のボルト貫通孔に挿通されるボルトの軸芯は、操作バー41の長手方向に沿って(平行に)延びるものである。
【0026】
第2下部バー2c、3cの第2接続片433に対応する位置には、一対のコ字形状断面の第3接続片431が取り付けられている。すなわち、第3接続片431は第2下部バー2c、3cに取り付けられることで、対峙する一対の両腕部がそれぞれ対峙する側(中間支持枠体1側)に向くことになる。この両腕部にボルト貫通孔が形成されている。すなわち、第3接続片431のボルト貫通孔に挿通されるボルトの軸芯は、第2下部バー2c、3cの長手方向に沿って(平行に)延びるものである。
【0027】
一対の第2リンク部材43は、一端が前後一対の第2下部バー2c、3cにそれぞれ回転自在に取り付けられ、他端が操作バー41の延出方向の中間位置に回転自在に取り付けられる。第2リンク部材43は、操作側から見て、左右一対ものであり、一対のリンク部材の両端部には第2下部バー2c、3cに沿った方向に延びる貫通孔がそれぞれ形成されている。すなわち、第2リンク部材43は、一端が第3接続片431に回転自在に接続され、他端が第2接続片433に回転自在に接続されている。すなわち、第2リンク部材43は、第1リンク部材42が回転する方向と直交する方向に回転自在である。
【0028】
図3のリンク体4において、符号「a
1」は、操作バー41と第1リンク部材42の接続点であり、符号「c
1」、「c
2」は、操作バー41と第2リンク部材43の接続点であり、符号「a
2」は、第1リンク部材42と第1下部バー1cの接続点であり、符号「b
1」、「b
2」は、第2リンク部材43と第2下部バー2c、3cの接続点である。接続点では2つのリンク部材が特定方向に回転自在に接続されている。
【0029】
運搬カート10の使用状態(開き状態)において、一対の第2リンク部材43は、操作側から見て逆ハの字形状となっており(
図5参照)、正面視において、鉛直方向の下方に垂れている(
図4参照)。また、操作バー41は、正面視点において、反操作側に向けて下り傾斜状となっている(
図4参照)。また、第1リンク部材42は、正面視点において、反操作側に向けて傾斜状に延びている。
【0030】
次に、運搬カートの折り畳み方法について
図11及び
図12を参照して説明する。
図1、
図11及び
図12に示す使用状態の運搬カート10は、正面視において、第2支柱2a、3aと第2リンク部材43との接続点「b
1」、「b
2」は、運搬カート10の設置面から高さHの位置にあり、また、操作側から見て、前後一対の第2支柱2a、3a間の最大幅はW
1であり、第2支柱2a、3aと第2リンク部材43との接続点「b
1」、「b
2」間の距離はw
1である。運搬カート10を折り畳む際、先ず、作業者は操作バー41の受力部411を踏み込む。受力部411を踏み込むことで、操作バー41と第2リンク43の接続点を支点として、操作バー41の先端に回転自在に取り付けられた第1リンク部材42が上に押し上げられると同時に、一対の第2リンク部材43が閉じ、一対の前後支持枠体2、3が中間支持枠体1に折り畳まれる。
【0031】
第2リンク部材43が接続される接続点「b
1」、「b
2」を形成する第3接続片431は、前後一対の第2支柱2a、3aに固定され、且つ前後一対の第2支柱2a、3aは、設置面上にある。このため、操作バー41の受力部411が踏み込まれ、接続点「b
1」、「b
2」に下方への力が作用すると、接続点「b
1」、「b
2」は、設置面からの高さHを維持しつつ、接続点「b
1」、「b
2」間の距離は縮まり、遂には一対の前後支持枠体2、3が中間支持枠体1に折り畳まれ、接続点「b
1」、「b
2」間の距離は、操作バー41の略太さ程度に縮まる。これに同期して、第1リンク部材42は上方に押し上げられ、中間支持枠体1を上方に押し上げる。
【0032】
図8、
図9、
図10、
図11(C)及び
図12(B)に示す折り畳まれた運搬カート10は、第2支柱2a、3aと第2リンク部材43との接続点「b
1」、「b
2」は、運搬カート10の設置面から高さHの位置にあり、接続点「b
1」、「b
2」間の距離はw
1より小のw
2である。また、操作側から見て、前後一対の第2支柱2a、3a間の寸法はW
1より小のW
2ある。また、中間支持枠体1は、使用状態の位置から高さh分上方に位置する。このように、運搬カート10は、操作バー41の一端を踏み込むことで、簡単に折り畳まれる。折り畳まれた運搬カート10は、操作側から見て、小さくなっており、相対的な収納スペースは減少する。また、棚板部材5は、第1支持バー7bと第2支持バー7aに係止して、傾斜状態に倒れて保持されている。
図10に示すように、折り畳まれた運搬カート10は、固定マグネット部201により、前後一対の支持枠体2、3が、中間支持枠体1に磁気吸着力により固定され、折り畳み姿勢は安定している。
【0033】
次に、折り畳まれた運搬カート10を使用状態にする方法について説明する。
図8に示す折り畳まれた運搬カート10を使用状態にするには、先ず、近接する把持部8a、8dを把持し、左右両側に開くことでおこなわれる。この際、リンク体10の各リンク部材は、使用状態から折り畳み状態とする動きとは逆の動きをして、元の状態に戻る。
【0034】
運搬カート10において、折り畳む際は、安定姿勢から不安定姿勢にするため、足を利用しつつ手で全体をサポートする操作であるものの、折り畳み状態から使用状態にする際は、不安定姿勢から安定姿勢への操作であり、手動のみで行っても、運搬カート10は転倒などすることはない。
【0035】
図13に示すように、運搬カートのリンク体4aにおいて、第1下部バー1cと第1リンク42の接続点(a
2)と、操作バー41の後方部412とを接続するダンパー部材44を更に有していてもよい。ダンパー部材44は、折り畳み状態から使用状態への操作初期、あるいは使用状態から折り畳み状態への操作初期において、不用意な強い作用力による急激な変化を緩和するために使用される。ダンパー部材としては、公知のガスダンパーなどが使用できる。
【0036】
本発明の運搬カートにおいて、棚板部材5が載置される棚段数(上下段数)としては、特に制限されないが、5段以上、10段以下、特に6段以上、9段以下が好ましい。このような大型運搬カートであっても、作業者に過度の負担をかけずに、折り畳みができる。本発明の運搬カートは、下膳カートの他、配膳カートとしても使用できる。また、サイズが合う限り、その他の物品の運搬なども可能である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明によれば、踏み込み力を受ける受力部(ペタル部)を踏むことで、簡単に折り畳めるため、作業者の折り畳み負担を軽減できる。また、折り畳み後は、保管スペースを減少させることができる。
【符号の説明】
【0038】
1 中間支持枠体
1a、1b 第1支柱
1c 第1下部バー
2、3 一対の前後支持枠体
2a、2b 第2支柱
2c、3c 第2下部バー
4 リンク体
5 棚板部材
6a〜6d 連結バー
7a、7c 第2支持バー
7b 第1支持バー
8a〜8d 把持部
9 キャスター
10 運搬カート
41 操作バー
42 第1リンク部材
43 第2リンク部材
44 ダンパー