特許第6871110号(P6871110)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6871110-電源付き制御装置 図000002
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  • 特許6871110-電源付き制御装置 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871110
(24)【登録日】2021年4月19日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】電源付き制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/04 20060101AFI20210426BHJP
   H05K 7/14 20060101ALI20210426BHJP
   H05K 1/14 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   H02M7/04 A
   H05K7/14 H
   H05K1/14 D
   H05K1/14 A
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2017-159027(P2017-159027)
(22)【出願日】2017年8月22日
(65)【公開番号】特開2019-37108(P2019-37108A)
(43)【公開日】2019年3月7日
【審査請求日】2020年7月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100562
【氏名又は名称】アール・ビー・コントロールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106105
【弁理士】
【氏名又は名称】打揚 洋次
(72)【発明者】
【氏名】大杉 一也
(72)【発明者】
【氏名】田幡 陽平
【審査官】 柳下 勝幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開平9−35833(JP,A)
【文献】 特開2000−31615(JP,A)
【文献】 特開2012−230994(JP,A)
【文献】 特開2012−129491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/04
H05K 1/14
H05K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の商用電源から供給される交流電力を制御基板に供給するための直流電力に変換する電源基板と、この電源基板に接続され、電源基板から直流電力の供給を受けるとともに、外部との信号の入出力をコネクタを介して行う制御基板とを備えた電源付き制御装置において、上記制御基板に必要な上記コネクタを上記電源基板に実装し、制御基板を電源基板に接続することによってコネクタを制御基板に電気的に接続するようにしたことを特徴とする電源付き制御装置。
【請求項2】
上記制御基板は両面にプリント配線を有する両面実装基板であり、上記電源基板における上記直流電力生成部と上記コネクタとの間に位置するスリットを上記電源基板に生成し、そのスリットに上記制御基板を差し込んだ状態で電源基板の下面に設けたプリント配線と、制御基板の両面のプリント配線とを相互にハンダ付けしたことを特徴とする請求項1に記載の電源付き制御装置。
【請求項3】
少なくとも上記制御基板の両面に液状の防湿絶縁コーティング剤を塗布しコーティングしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電源付き制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種センサ等からの信号を入力するとともに、アクチュエータに駆動電力や信号を出力する制御装置であって、この制御装置内の制御基板に作動用の直流電力を供給する電源基板を備えた、電源付き制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種機器内にはモータやソレノイドなどのアクチュエータが内蔵されている。そして、それらアクチュエータの作動制御は制御装置から出力される信号やアクチュエータ作動のための電力によっている。制御装置内には制御基板が内蔵されているが、この制御基板は上記アクチュエータに信号等を出力するために、機器内に配置された各種のセンサからの検知信号を入力する必要がある。そのため、制御基板には信号の入出力用のコネクタが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような制御基板は空気中の水分や虫害から制御基板を保護するために、樹脂中に封止する、いわゆるポッティング処理が施されている(特許文献1段落[0016])。このポッティングの際に注入する樹脂の量は、コネクタの接続部分が埋設されない量にする必要があり、樹脂量が多すぎて接続部分が埋設されると外部からのコネクタが接続できず、逆に少なすぎると、ポッティングの効果を得ることができない。
【0004】
一方、制御基板にはマイコンが実装されており、このマイコンを動作させるために外部から直流電力の供給を受ける必要がある。また、上記各アクチュエータの作動用の電力を出力する必要があるが、その作動用の電力も同じく制御基板に供給する必要がある。
【0005】
このように制御基板には各種電圧の直流電力を供給する必要があるため、外部の少量電源から供給される交流電力を上記各種電圧の直流電力に変換して制御基板に供給するための電源装置が必要になる。なお、この電源装置に内蔵されている電源基板はポッティングする必要はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015−194277号公報(図3図4:符号31a)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記電源基板は安価な基板素材(例えば紙フェノール)の片面にプリント配線を被着させ、かつ、上述のようにポッティング等の防湿処理を行う必要がない。これに対して、上記制御基板は高価な基板素材(例えばガラスエポキシ)の両面にプリント配線を被着させ、上述のようにポッティング等の防湿処理を行う必要がある。
【0008】
これら電源基板と制御基板とを1個のケーシング内に収納させ、機種に設計される専用品である制御基板と、機種によらず使用する汎用品である電源基板とを1個のケーシングに収納する場合、ケーシング内で電源基板と制御基板とを電気的に接続した状態で電源基板と制御基板とを仕切り板等で仕切り、制御基板側にのみ樹脂を充填してポッティングすることが考えられる。
【0009】
しかし、制御基板には上述の通り各種のコネクタが実装されているので、充填する樹脂量を正確に管理しなければならず、仕切り板とケーシングとの隙間から電源基板側に少量であっても樹脂が漏出すると、制御基板側に充填される樹脂量を正確に管理することができないという不都合が生じる。
【0010】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、電源基板と制御基板とを1つのケーシング内に収納させても、コネクタの機能を損なうことなく制御基板の防湿を確実に行うことできる電源付き制御装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明による電源付き制御装置は、外部の商用電源から供給される交流電力を制御基板に供給するための直流電力に変換する電源基板と、この電源基板に接続され、電源基板から直流電力の供給を受けるとともに、外部との信号の入出力をコネクタを介して行う制御基板とを備えた電源付き制御装置において、上記制御基板に必要な上記コネクタを上記電源基板に実装し、制御基板を電源基板に接続することによってコネクタを制御基板に電気的に接続するようにしたことを特徴とする。
【0012】
従来であれば制御基板上に実装するコネクタを回路基板側に実装し、制御基板を電源基板に接続すると、コネクタが制御基板に接続されるようにした。
【0013】
なお、上記制御基板は両面にプリント配線を有する両面実装基板であり、上記電源基板における上記直流電力生成部と上記コネクタとの間に位置するスリットを上記電源基板に生成し、そのスリットに上記制御基板を差し込んだ状態で電源基板の下面に設けたプリント配線と、制御基板の両面のプリント配線とを相互にハンダ付けすれば、電源基板と制御基板とを接続するために別途の端子台などの接続ユニットを必要としない。
【0014】
ところで、防湿処理はポッティングの他に、少なくとも上記制御基板の両面に液状の防湿絶縁コーティング剤を塗布しコーティングすることによって行ってもよい。
【発明の効果】
【0015】
以上の説明から明らかなように、本発明は、制御基板が必要とするコネクタを防湿処理が必要ない電源基板側に設けるので、コネクタの実装されていない制御基板に対してコネクタを気にすることなく防湿処理をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の電源付き制御装置の外観図
図2】電源付き制御装置の分解斜視図
図3】電源基板と制御基板とのハンダ付け部分の拡大斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1を参照して、1は本発明による電源付き制御装置の一例である。11は樹脂製のケーシングであり、このケーシング11内に電源基板2と制御基板3とが格納されている。
【0018】
図2を合わせて参照して、通常、電源として機能する部分には外部の商用電源からの交流電力を入力するためのコネクタや、外部のアクチュエータなどに駆動用電力を出力するためのコネクタが必要であるが、電源基板2の片面(上面)のみに各種部品およびコネクタを実装し、電源基板2の下面に設けたプリント配線にハンダ付けしている。
【0019】
一方、制御基板3には各種のセンサ等からの検知信号を入力するためのコネクタや制御基板3によって作動を制御するアクチュエータ等に制御信号や駆動電力を出力するためのコネクタが必要となる。さらに、制御基板3は両面に図示しないCPUなどの電子部品が実装されており、かつ、それら電子部品は実装後に防湿や絶縁処理を行う必要がある。このような防湿絶縁処理はポッティングと呼ばれる、制御基板3全体を樹脂中に埋設する手法もあるが、そのポッティングではコネクタ内に樹脂が流れ込んでコネクタ内の端子に接触不良などの不具合が生じないように、注入する樹脂量を正確に管理する必要がある。
【0020】
そこで、本発明では登録商標「Humiseal」(商標登録第1994934号)と呼ばれる液状の防湿絶縁剤を制御基板に塗布し乾燥させた。なお、この防湿絶縁剤の塗布は制御基板3の両面に二点鎖線で囲った範囲に行った。また、制御基板3の下部には防湿絶縁剤を被着させていない端子部31を形成し、制御基板3の両面に実装されている電子部品類に連結されているプリント配線の延長を、この端子部31の両面31a,31bに接続端子として各々形成した。
【0021】
電源基板2は制御基板3の端子部31が挿入されるスリット状の開口21が形成されており、この開口21を挟んで一方に直流電力生成部22を形成し、他方に制御基板3の機能に必要なコネクタ類を実装するコネクタ実装部23を形成した。
【0022】
電源基板2には、上述のように下面にプリント配線が施されているので、上記のように制御基板3の端子部31を開口21に挿入すると、図3に示すように、端子部31が電源基板2の下面に突出する。そして、電源基板2の下面のプリント配線のうち、直流電力生成部22側から制御基板3へ電力を供給するためのプリント配線22aが端子部31の他方側の面31bに対向し、また、コネクタ実装部23側のプリント配線23aが端子部31の一方側の面31aに対向する。
【0023】
その状態で、電源基板2のプリント配線と端子部31の両面のプリント配線とをハンダ付けすれば、電源基板2の直流電力生成部22側から制御基板3へと電力が供給される状態になり、かつ、制御基板3がコネクタ実装部23に実装されているコネクタ類に接続されることになる。
【0024】
上記のように構成したので、制御基板3自体にはコネクタ類が実装されないため、制御基板3に対して防湿絶縁処理をする際に、コネクタ類に防湿絶縁剤がかかるということを気にすることなく、簡単に防湿絶縁処理を施すことができる。
【0025】
ところで上記液状の防湿絶縁剤を制御基板3の両面に塗布したが、さらに電源基板2の下面に塗布してもよい。また、防湿絶縁剤の塗布に代えて樹脂で制御基板3を封止するポッティングを施してもよい。
【0026】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【符号の説明】
【0027】
1 電源付き制御装置
2 電源基板
3 制御基板
11 ケーシング
22 直流電力生成部
23 コネクタ実装部
31 端子部
31a 一方の面
31b 他方の面
図1
図2
図3