特許第6871111号(P6871111)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871111
(24)【登録日】2021年4月19日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】物品停止装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/88 20060101AFI20210426BHJP
【FI】
   B65G47/88 B
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-159234(P2017-159234)
(22)【出願日】2017年8月22日
(65)【公開番号】特開2019-38624(P2019-38624A)
(43)【公開日】2019年3月14日
【審査請求日】2020年6月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000196705
【氏名又は名称】西部電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100127155
【弁理士】
【氏名又は名称】来田 義弘
(72)【発明者】
【氏名】田中 伸尚
【審査官】 土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−152306(JP,U)
【文献】 中国実用新案第204660814(CN,U)
【文献】 特開昭61−206720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路を進行中の物品に非接触で該物品を通過させる位置から前記搬送路を進行中の前記物品に接触する位置に移動して該物品を停止させるストッパと、
前記ストッパの移動方向に直交する方向Dで該ストッパを挟んで対向配置され、該ストッパにそれぞれ接触して該ストッパの移動を案内する第1、第2の案内部材と、
前記第1の案内部材に対し前記ストッパの反対側から復元力を与えるゴム材とを備え、
前記第1の案内部材は、前記方向Dに移動可能に設けられ、前記ゴム材の復元力によって前記ストッパに押し付けられることを特徴とする物品停止装置。
【請求項2】
請求項1記載の物品停止装置において、前記ゴム材は、前記第1の案内部材に接触していることを特徴とする物品停止装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の物品停止装置において、前記第1、第2の案内部材は、板状で平行配置され、前記ストッパには、前記第1、第2の案内部材に面接触する第1、第2の接触面が設けられていることを特徴とする物品停止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送されている物品を所定位置で停止させる物品停止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンベアによって搬送路に沿って物品を搬送する設備においては、物品を所定位置で停止させるために、ストッパを具備する物品停止装置が用いられている(特許文献1参照)。
物品停止装置はモータや流体シリンダ等の駆動源を有し、駆動源は、搬送中の物品に非接触な位置に配されていたストッパを物品に接触する位置に移動させて物品を停止可能な状態にする。
【0003】
物品停止装置において、図5(A)、(B)に示すように、長尺のストッパ100を長手方向に移動させる構造を採用する場合、ストッパ100を長手方向に案内するガイド部材101〜104を用いることでストッパ100を安定的に移動させることが可能となる。
図5(A)、(B)に示す、金属製のストッパ100が鉛直に移動する例では、樹脂製のガイド部材101〜104がストッパ100を前後左右から囲むように配置されている。
ガイド部材101〜104は、ガイド部材101〜104の外側に設けられた金属板105〜108にそれぞれ密着した状態で取り付けられ、金属板105〜108はコンベア109に固定されている。
【0004】
ストッパ100は、モータの作動によって昇降し、上限位置に配されてストッパ100の上部がコンベア109から上方に突出して搬送されている物品を停止可能となり、下限位置に配されてコンベア109から上方に非突出となり物品を通過させる状態となる。
リミットスイッチでストッパ100が所定位置まで移動したのを検出してモータの作動を止め、ストッパ100を停止させるようにすれば、ブレーキ機能付きのモータを採用する必要は無く、製造コストの低減化や設計の簡素化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−72246号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、加工精度の限界から、ストッパ100の平断面の大きさをストッパ100の長手方向の異なる位置で完全に一致させることはできない。従って、仮に、ストッパ100とガイド部材101〜104の間にクリアランスを設けないようにすると、ストッパ100の平断面が最大となる箇所で、ストッパ100とガイド部材101〜104間に生じる摩擦力が大きくなって、ストッパ100が円滑に移動できないという問題が発生する。
【0007】
この問題は、ストッパ100とガイド部材101〜104の間にクリアランスを設けることで回避できるが、その場合、ストッパ100が昇降する際にストッパ100とガイド部材101〜104の間に生じる摩擦力が小さく、モータを止めてからストッパ100が惰性で移動する距離が長くなるという課題を招く。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、ストッパが円滑に移動可能で、駆動源の作動を止めてからストッパが惰性で移動する距離が長くなるのを抑制する物品停止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的に沿う本発明に係る物品停止装置は、搬送路を進行中の物品に非接触で該物品を通過させる位置から前記搬送路を進行中の前記物品に接触する位置に移動して該物品を停止させるストッパと、前記ストッパの移動方向に直交する方向Dで該ストッパを挟んで対向配置され、該ストッパにそれぞれ接触して該ストッパの移動を案内する第1、第2の案内部材と、前記第1の案内部材に対し前記ストッパの反対側から復元力を与えるゴム材とを備え、前記第1の案内部材は、前記方向Dに移動可能に設けられ、前記ゴム材の復元力によって前記ストッパに押し付けられる。
【0009】
本発明に係る物品停止装置において、前記ゴム材は、前記第1の案内部材に接触しているのが好ましい。
【0010】
本発明に係る物品停止装置において、前記第1、第2の案内部材は、板状で平行配置され、前記ストッパには、前記第1、第2の案内部材に面接触する第1、第2の接触面が設けられているのが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る物品停止装置は、ストッパの移動方向に直交する方向Dでストッパを挟んで対向配置され、ストッパにそれぞれ接触してストッパの移動を案内する第1、第2の案内部材と、第1の案内部材に対しストッパの反対側から復元力を与えるゴム材とを備え、第1の案内部材が、方向Dに移動可能に設けられ、ゴム材の復元力によってストッパに押し付けられるので、ストッパと第1の案内部材の間及びストッパと第2の案内部材の間に所定範囲の摩擦力が生じた状態でストッパを移動させることができる。そのため、ストッパを円滑に移動させることが可能で、かつ、ストッパを移動させる駆動力を発生する駆動源の作動を止めた後、ストッパが惰性で移動する距離が長くなるのを抑制可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施の形態に係る物品停止装置の物品を通過させる状態を示す説明図である。
図2】同物品停止装置の物品を停止させる状態を示す説明図である。
図3】(A)、(B)はそれぞれ、図1のP−P’断面図及び図1のQ−Q’断面図である。
図4】第1、第2の案内部材、ゴム材及びストッパの配置を示す説明図である。
図5】(A)、(B)はそれぞれ、従来例に係る物品停止装置の説明である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1図2図3に示すように、本発明の一実施の形態に係る物品停止装置10は、搬送路を進行中の物品Wに非接触で物品Wを通過させる位置(以下、「位置A」とも言う)から搬送路を進行中の物品Wに接触する位置(以下、「位置B」とも言う)に移動して物品Wを停止させるストッパ11と、ストッパ11の移動を案内する案内部材12、13(第1、第2の案内部材)とを備えている。以下、詳細に説明する。
【0014】
本実施の形態では、物品停止装置10が、図1図2に示すように、物品Wを搬送路に沿って搬送するコンベア(搬送設備の一例)Cに設けられている。
物品停止装置10は、図1図2図3(A)、(B)に示すように、角筒状の支持枠体14aを形成する4つの板状のベース部材14〜17と、ベース部材14〜17で囲まれた空間内に設けられ、角筒体20を形成する板状の案内部材12、13、18、19を備えている。
【0015】
ベース部材14〜17は、金属製であり、コンベアCに固定されている。ベース部材14、15は、図3(A)、(B)に示すように、対向して平行配置され、ベース部材16、17はベース部材14、15の間に対向して平行配置されている。
ベース部材14〜17は、図3(B)に示すように、ベース部材14、15、16を貫通する複数のボルト21及びベース部材14、15、17を貫通する複数のボルト21aによって固定されている。
【0016】
案内部材12、13、18、19は樹脂製であり、案内部材18、19は、図3(A)、(B)に示すように、対向して平行配置され、案内部材18、19に対し垂直に配された案内部材12、13は案内部材18、19の間に対向して平行配置されている。案内部材13は、複数のボルト22でベース部材15に固定され、ベース部材15に面接触している。案内部材18は図示しない複数のボルトでベース部材16に固定されてベース部材16に面接触し、案内部材19は図示しない複数のボルトでベース部材17に固定されてベース部材17に面接触している。
【0017】
案内部材12とベース部材14の間には、図3(A)、(B)、図4に示すように、板状のゴム材23が設けられている。ゴム材23は、図3(B)に示すように、一側及び他側が案内部材12及びベース部材14にそれぞれ面接触している。案内部材12及びゴム材23は複数の抵頭ボルト24によって、ベース部材14にそれぞれ取り付けられている。各低頭ボルト24は、案内部材12の内側(ゴム材23に面接触していない側)に形成された凹部25に全体が収まった頭部26を有し、案内部材12及びゴム材23を貫通し、先側がベース部材14に形成された雌螺子孔27に嵌入されている。なお、図4では、ボルト21、21aの記載を省略している。
【0018】
ストッパ11は、図1図2図3(A)、(B)、図4に示すように、金属製の長尺部材であり、長手方向の略半分の領域が角筒体20内に配された状態で、角筒体20に移動可能に取り付けられている。本実施の形態において、ストッパ11の角筒体20内に配される領域には、図3(A)、(B)に示すように、平行配置された側壁部11a、11b及び側壁部11a、11bに垂直な側壁部11c、11dが設けられており、ストッパ11の当該領域の断面(ストッパ11の移動方向と直交する方向の断面)は矩形である。
【0019】
ストッパ11は、側壁部11a、11b(案内部材12、13にそれぞれ面接触する第1、第2の接触面)がそれぞれ案内部材12、13に面接触し、側壁部11c、11dは案内部材18、19にそれぞれ近接配置されている。ストッパ11の側壁部11cと案内部材18の間並びにストッパ11の側壁部11dと案内部材19の間には、クリアランス(本実施の形態では、0.2〜1.0mmの範囲のクリアランス)が設けられている。
【0020】
ベース部材14〜17、案内部材12、13、18、19及びゴム材23は、図1図2図4に示すように、ストッパ11の長手方向に沿って長い。ストッパ11は先側及び基側が角筒体20から突出しており、ストッパ11の基側には、図1図2に示すように、ストッパ11の長手方向にラック部28が形成されている。
【0021】
そして、物品停止装置10は、モータ(駆動源の一例)30、モータ30の作動により回転駆動する歯車31及びモータ30の作動を停止させるリミットスイッチ32、33を具備している。
歯車31はラック部28に噛み合っており、モータ30の作動により歯車31が回転駆動することによって、ストッパ11は、ストッパ11の長手方向の力を与えられストッパ11の長手方向に移動する。
【0022】
歯車31は、モータ30の回転方向の切り替えに伴って、回転駆動する向きが切り替えられ、ストッパ11が位置Aに配置されている状態(図1参照)で、反時計回りに回転駆動して、図2に示すように、ストッパ11の先側が物品Wに接触する位置Bにストッパ11を移動させる。そして、歯車31は時計回りに回転駆動して、位置Bに配されていたストッパ11を、図1に示すように、ストッパ11が物品Wに非接触となる位置Aに移動させる。
【0023】
リミットスイッチ32はストッパ11が位置Bに配されたのを検出できる位置に設置され、リミットスイッチ33はストッパ11が位置Aに配されたのを検出できる位置に設置されている。
モータ30は、ブレーキ機能を有さず、リミットスイッチ32によってストッパ11が位置Bに配されたのが検出されたタイミング、あるいは、リミットスイッチ33によってストッパ11が位置Aに配されたのが検出されたタイミングで作動を停止する。
【0024】
ベース部材14は、図3(A)に示すように、案内部材12の反対側からゴム材23に面接触し、ゴム材23がベース部材14に向かって移動しないようにゴム材23を位置決めしている。ベース部材15はストッパ11の反対側から案内部材13に面接触し、案内部材13がベース部材15に向かって移動しないように案内部材13を位置決めしている。ゴム材23は案内部材12にストッパ11の反対側から面接触している。
【0025】
案内部材12、13は、ストッパ11の長手方向(即ち、ストッパ11の移動方向)に直交する方向D(本実施の形態では、方向Dが案内部材12、13に対しても直交する)でストッパ11を挟んで対向配置され、ストッパ11の側壁部11a、11bにそれぞれ面接触している。案内部材12は、低頭ボルト24の軸心に沿って(方向Dに)移動可能に設けられており、ゴム材23が方向Dに収縮することによって、ベース部材14に接近する。
【0026】
ここで、加工精度の限界より、ストッパ11の方向Dの幅はストッパ11の長手方向の異なる位置で相違(本実施の形態では、0.2mm程度の相違)している。
そのため、ストッパ11の方向Dの幅が拡大する方向にストッパ11が移動すると、案内部材12はベース部材14に接近してゴム材23を収縮させ、収縮状態のゴム材23は案内部材12にストッパ11の反対側から復元力を与えて案内部材12をストッパ11に押し付ける。そして、ストッパ11の方向Dの幅が縮小する方向にストッパ11が移動すると、案内部材12は、ゴム材23に押されてベース部材14から離れる方向に移動し、ストッパ11と面接触した状態を維持する。
【0027】
従って、ストッパ11がストッパ11の長手方向に移動する際、ストッパ11と案内部材12の間並びにストッパ11と案内部材13の間には、所定範囲の摩擦力が常に生じている。よって、ストッパ11が位置Aあるいは位置Bに移動したことによって、モータ30の作動が停止された後、ストッパ11が惰性で長い距離移動するのを防止することができる。
【0028】
また、ストッパ11と案内部材18の間及びストッパ11と案内部材19の間にはクリアランスが設けられていることから、ストッパ11と案内部材18、19の間に、ストッパ11の円滑な移動を妨げる大きさの摩擦力が生じることはない。
なお、ゴム材23の代わりにコイルスプリングを採用することも考えられるが、ゴム材23を設ける場合、コイルスプリングを設ける場合に比べて、確保すべきスペースが小さくなり、かつ、軽量化が図れる。
【0029】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、ゴム材は、ストッパの反対側から第1の案内部材に復元力を与える位置に配されていればよく、ゴム材と第1の案内部材の間に部材を設けて、ゴム材と第1の案内部材が接触しないようにすることも可能である。
【0030】
また、第1、第2の案内部材やゴム材は板状でなくてもよく、例えば、断面正方形の形状であってもよい。第1の案内部材に対してゴム材を設けたが、更に、第2の案内部材に対してもストッパの反対側から復元力を与えるゴム材を設けることができる。
そして、ストッパを移動させる駆動力を発生させる駆動源は、モータでなくてもよく、例えば、流体シリンダであってもよい。
【符号の説明】
【0031】
10:物品停止装置、11:ストッパ、11a、11b、11c、11d:側壁部、12、13:案内部材、14〜17:ベース部材、14a:支持枠体、18、19:案内部材、20:角筒体、21、21a、22:ボルト、23:ゴム材、24:低頭ボルト、25:凹部、26:頭部、27:雌螺子孔、28:ラック部、30:モータ、31:歯車、32、33:リミットスイッチ、C:コンベア、W:物品
図1
図2
図3
図4
図5