【文献】
Clin. Biochem.,1999年,vol.32, no.4,pp.287-290
【文献】
2010-2011 Applied Biosystems Molecular and Cell Biology Product Catalog,2010年,p.56
【文献】
J. Am Chem. Soc.,2003年,vol.125, no.23,pp.6937-6945
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
サンプルにおいて、1つ以上のヌクレオチド、1つ以上のコピー数、1つ以上の転写配列、及び/または1つ以上のメチル化残基が前記サンプル中または他のサンプル中の他の核酸分子内のヌクレオチド配列とは異なる標的ヌクレオチド配列を含有する1つ以上の核酸分子を識別するための方法であって、以下の段階を含む、前記方法:
1つ以上のヌクレオチド、1つ以上のコピー数、1つ以上の転写配列、及び/または1つ以上のメチル化残基が他の核酸分子内の前記ヌクレオチド配列とは異なる前記標的ヌクレオチド配列を潜在的に含有する1つ以上の核酸分子を含有するサンプルを提供する段階;
前記サンプル中に存在するデオキシウラシル(dU)含有核酸分子を分解可能な1種以上の酵素を提供する段階;
1つ以上の一次オリゴヌクレオチドプライマーセットを提供する段階であって、各一次オリゴヌクレオチドプライマーセットが、
(a)前記標的ヌクレオチド配列に隣接する配列に相補的なヌクレオチド配列を含む第1の一次オリゴヌクレオチドプライマー、及び、
(b)前記第1の一次オリゴヌクレオチドプライマーから形成された伸長生成物の一部に相補的なヌクレオチド配列を含む第2の一次オリゴヌクレオチドプライマー
を含む、前記1つ以上の一次オリゴヌクレオチドプライマーセットを提供する段階;
前記サンプル、前記1つ以上の一次オリゴヌクレオチドプライマーセット、前記サンプル中でデオキシウラシル(dU)含有核酸分子を分解可能な前記1種以上の酵素、dUTPを含むデオキシヌクレオチド混合物、及びDNAポリメラーゼを混和してポリメラーゼ連鎖反応混合物を形成する段階;
前記ポリメラーゼ連鎖反応混合物を、前記ポリメラーゼ連鎖反応混合物中に存在するデオキシウラシル(dU)含有核酸分子を分解するのに好適な条件、並びに、変性処理、ハイブリダイゼーション処理、及び伸長処理を含む1回以上のポリメラーゼ連鎖反応サイクルに供すことにより、前記標的ヌクレオチド配列またはその相補鎖を含む一次伸長生成物を形成する段階;
前記一次伸長生成物をリガーゼ及び1つ以上のオリゴヌクレオチドプローブセットと混和してライゲーション反応混合物を形成する段階であって、各オリゴヌクレオチドプローブセットが、
(a)5’プライマー特異的部分及び3’標的ヌクレオチド配列特異的部分を有する第1のオリゴヌクレオチドプローブ、及び
(b)5’標的ヌクレオチド配列特異的部分及び3’プライマー特異的部分を有する第2のオリゴヌクレオチドプローブ
を含み、プローブセットの前記第1及び第2のオリゴヌクレオチドプローブが、塩基特異的な方法で、一次伸長生成物の相補的標的ヌクレオチド配列にハイブリダイゼーションするように構成されている、前記段階;
前記ライゲーション反応混合物を1回以上のライゲーション反応サイクルに供す段階であって、これにより、前記1つ以上のオリゴヌクレオチドプローブセットの前記第1及び第2のオリゴヌクレオチドプローブが互いにライゲーションされ、前記ライゲーション反応混合物中でライゲーション産物配列を形成し、各ライゲーション産物配列が、前記5’プライマー特異的部分、前記標的特異的部分、及び前記3’プライマー特異的部分を含む、前記段階;
1つ以上の二次オリゴヌクレオチドプライマーセットを提供する段階であって、各二次オリゴヌクレオチドプライマーセットが、
(a)前記ライゲーション産物配列の前記5’プライマー特異的部分と同一のヌクレオチド配列を含む第1の二次オリゴヌクレオチドプライマー、及び、
(b)前記ライゲーション産物配列の前記3’プライマー特異的部分に相補的なヌクレオチド配列を含む第2の二次オリゴヌクレオチドプライマー
を含む、前記段階;
前記ライゲーション産物配列、前記1つ以上の二次オリゴヌクレオチドプライマーセット、前記デオキシウラシル(dU)含有核酸分子を分解可能な1種以上の酵素、dUTPを含むデオキシヌクレオチド混合物、及びDNAポリメラーゼを混和して第2のポリメラーゼ連鎖反応混合物を形成する段階;
前記第2のポリメラーゼ連鎖反応混合物を、前記第2のポリメラーゼ連鎖反応混合物中に存在するデオキシウラシル(dU)含有核酸分子の分解に好適な条件、並びに変性処理、ハイブリダイゼーション処理、及び伸長処理を含む1回以上のポリメラーゼ連鎖反応サイクルに供すことにより、二次伸長生成物を形成する段階;並びに
前記サンプル中で前記二次伸長生成物を検出及び区別して、1つ以上のヌクレオチド、1つ以上のコピー数、1つ以上の転写配列、及び/または1つ以上のメチル化残基が前記サンプル中の他の核酸分子内のヌクレオチド配列とは異なる標的ヌクレオチド配列を含有する1つ以上の核酸分子の存在を識別する段階。
サンプルにおいて、1つ以上のヌクレオチド、1つ以上のコピー数、1つ以上の転写配列、及び/または1つ以上のメチル化残基が前記サンプル中または他のサンプル中の他の核酸分子内のヌクレオチド配列とは異なる標的ヌクレオチド配列を含有する1つ以上の核酸分子を識別するための方法であって、以下の段階を含む、前記方法:
1つ以上のヌクレオチド、1つ以上のコピー数、1つ以上の転写配列、及び/または1つ以上のメチル化残基が他の核酸分子内のヌクレオチド配列とは異なる標的ヌクレオチド配列を潜在的に含有する1つ以上の核酸分子を含有するサンプルを提供する段階;
前記サンプル中に存在するデオキシウラシル(dU)含有核酸分子を分解可能な1種以上の酵素を提供する段階;
1つ以上の一次オリゴヌクレオチドプライマーセットを提供する段階であって、各一次オリゴヌクレオチドプライマーセットが、
(a)前記標的ヌクレオチド配列に隣接する配列に相補的なヌクレオチド配列を含む第1の一次オリゴヌクレオチドプライマー、及び、
(b)前記第1の一次オリゴヌクレオチドプライマーから形成された伸長生成物の一部に相補的なヌクレオチド配列を含む第2の一次オリゴヌクレオチドプライマー
を含む、前記1つ以上の一次オリゴヌクレオチドプライマーセットを提供する段階;
前記サンプル、前記1つ以上の一次オリゴヌクレオチドプライマーセット、前記サンプル中でデオキシウラシル(dU)含有核酸分子を分解可能な前記1種以上の酵素、dUTPを含むデオキシヌクレオチド混合物、及びDNAポリメラーゼを混和してポリメラーゼ連鎖反応混合物を形成する段階;
前記ポリメラーゼ連鎖反応混合物を、前記ポリメラーゼ連鎖反応混合物中に存在するデオキシウラシル(dU)含有核酸分子を分解するのに好適な条件、並びに、変性処理、ハイブリダイゼーション処理、及び伸長処理を含む1回以上のポリメラーゼ連鎖反応サイクルに供すことにより、前記標的ヌクレオチド配列またはその相補鎖を含む一次伸長生成物を形成する段階;
前記一次伸長生成物をリガーゼ及び1つ以上のオリゴヌクレオチドプローブセットと混和してライゲーション反応混合物を形成する段階であって、各オリゴヌクレオチドプローブセットが、
(a)5’部分及び3’標的ヌクレオチド配列特異的部分を有する第1のオリゴヌクレオチドプローブ、並びに
(b)5’標的ヌクレオチド配列特異的部分及び3’部分を有する第2のオリゴヌクレオチドプローブ
を含み、前記プローブセットの前記第1のオリゴヌクレオチドプローブの前記5’部分が、前記第2のオリゴヌクレオチドプローブの前記3’部分の一部に相補的であり、前記プローブセットの1つのプローブが検出可能なシグナル生成部位を含み、プローブセットの前記第1及び第2のオリゴヌクレオチドプローブが、塩基特異的な方法で、一次伸長生成物の相補的標的ヌクレオチド配列にハイブリダイゼーションするように構成されている、前記段階;
前記ライゲーション反応混合物を1回以上のライゲーション反応サイクルに供す段階であって、これにより、前記1つ以上のオリゴヌクレオチドプローブセットの前記第1及び第2のオリゴヌクレオチドプローブが互いにライゲーションされ、前記ライゲーション反応混合物中でライゲーション産物配列を形成し、各ライゲーション産物配列が、前記5’部分、前記標的特異的部分、前記3’部分、及び検出可能なシグナル生成部位を含む、前記段階;
前記ライゲーション産物配列の前記5’部分をその相補的3’部分にハイブリダイゼーションする段階;
前記ハイブリダイゼーションの際に生成される、前記検出可能なシグナル生成部位からのシグナルを検出する段階;並びに
前記検出する段階に基づき、前記サンプル中のライゲーション産物配列を区別して、1つ以上のヌクレオチド、1つ以上のコピー数、1つ以上の転写配列、及び/または1つ以上のメチル化残基が前記サンプル中の他の核酸分子内のヌクレオチド配列とは異なる標的ヌクレオチド配列を含有する1つ以上の核酸分子の存在を識別する段階。
前記第1の一次オリゴヌクレオチドプライマーが、前記1つ以上のメチル化残基の上流にある前記標的ヌクレオチド配列の領域に相補的なヌクレオチド配列を含み、前記第2の一次オリゴヌクレオチドプライマーが、前記1つ以上のメチル化残基の下流にある前記標的ヌクレオチド配列の領域と同一のヌクレオチド配列を含む、請求項3に記載の方法。
前記一次オリゴヌクレオチドプライマーセットの一方または両方の一次オリゴヌクレオチドプライマーが、前記プライマーまたは複数のプライマーの3’末端がポリメラーゼ伸長に好適でないように、切断可能なヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体及びブロック基を含む3’部分を有し、
前記方法が、
前記ハイブリダイゼーション処理の間に、一方または両方のオリゴヌクレオチドプライマーの切断可能なヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を切断することにより、前記伸長処理の前に、一方または両方のオリゴヌクレオチドプライマー上で遊離3’OH末端を遊離させる段階
を更に含む、請求項5に記載の方法。
非メチル化残基を含有する前記亜硫酸水素塩処理した標的ヌクレオチド配列の領域にハイブリダイゼーション可能な1つ以上のブロッキングオリゴヌクレオチドを提供する段階;及び
前記亜硫酸水素塩で処理した制限酵素反応混合物を含む前記ポリメラーゼ連鎖反応混合物を、前記供す段階の前に、前記1つ以上のブロッキングオリゴヌクレオチドと接触させる段階であって、前記1つ以上のブロッキングオリゴヌクレオチドが、前記ハイブリダイゼーション処理の間に、亜硫酸水素塩で処理した相補的な標的核酸配列にハイブリダイゼーションし、前記伸長処理の間に一次オリゴヌクレオチドプライマーの伸長を妨害する、前記接触させる段階
を更に含む、請求項4に記載の方法。
前記一次オリゴヌクレオチドプライマーセットの一方または両方の一次オリゴヌクレオチドプライマーが、前記プライマーまたは複数のプライマーの3’末端がポリメラーゼ伸長に好適でないように、切断可能なヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体及びブロック基を含む3’部分を有し、
前記方法が、
前記ハイブリダイゼーション処理の間に、一方または両方のオリゴヌクレオチドプライマーの切断可能なヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を切断することにより、前記伸長処理の前に、一方または両方のオリゴヌクレオチドプライマー上で遊離3’OH末端を遊離させる段階
を更に含む、請求項1または2に記載の方法。
前記オリゴヌクレオチドプローブセットの前記第2のオリゴヌクレオチドプローブが、unitaq検出部分を更に含むことにより、前記5’プライマー特異的部分、前記標的特異的部分、前記unitaq検出部分、及び前記3’プライマー特異的部分を含むライゲーション産物配列を形成し、
以下の段階:
1つ以上のunitaq検出プローブを提供する段階であって、各unitaq検出プローブが相補性unitaq検出部分にハイブリダイゼーションし、かつ前記検出プローブが、互いに離間した消光剤分子及び検出可能な標識を含む、前記提供する段階;
前記1つ以上のunitaq検出プローブを前記第2のポリメラーゼ連鎖反応混合物に加える段階;及び
前記第2のポリメラーゼ連鎖反応混合物を、1回以上のポリメラーゼ連鎖反応サイクルに好適な条件に供している間に、前記1つ以上のunitaq検出プローブを、前記ライゲーション産物配列またはその相補鎖上の相補性unitaq検出部分にハイブリダイゼーションする段階であって、これにより、前記消光剤分子及び前記検出可能な標識が、前記伸長処理間に前記1つ以上のunitaq検出プローブから切断され、これにより、前記検出する段階が、前記切断された検出可能な標識の検出を含む、前記ハイブリダイゼーションする段階
を更に含む、請求項1に記載の方法。
1つ以上のオリゴヌクレオチド検出プローブを提供する段階であって、各オリゴヌクレオチド検出プローブが、ライゲーション産物の接合部部分またはその相補鎖にハイブリダイゼーションし、前記検出プローブが、互いに離間した消光剤分子及び検出可能な標識を含む、前記提供する段階;
前記1つ以上のオリゴヌクレオチド検出プローブを前記第2のポリメラーゼ連鎖反応混合物に加える段階;並びに
前記第2のポリメラーゼ連鎖反応混合物を、1回以上のポリメラーゼ連鎖反応サイクルに好適な条件に供している間に、前記1つ以上のオリゴヌクレオチド検出プローブを、前記ライゲーション産物配列またはその相補鎖上で相補性検出部分にハイブリダイゼーションする段階であって、これにより、前記消光剤分子及び前記検出可能な標識が、前記伸長処理の間に前記1つ以上のオリゴヌクレオチド検出プローブから切断され、これにより、前記検出する段階が、前記切断された検出可能な標識の検出を含む、前記ハイブリダイゼーションする段階
を更に含む、請求項1に記載の方法。
前記ライゲーションの前または後に、固体支持体上で各一次伸長生成物の少なくとも1つの鎖を固定化する段階であって、前記ライゲーション産物配列が前記固定化した一次伸長生成物にハイブリダイゼーションする、前記固定化する段階;並びに
前記ライゲーションの後で、ライゲーションしていないオリゴヌクレオチドプローブ及び非標的特異的ライゲーション産物を前記サンプルから取り除く段階;並びに
前記ハイブリダイゼーションの前に、前記固定化した一次伸長生成物から前記ライゲーション産物配列を変性させる段階
を更に含む、請求項2に記載の方法。
前記オリゴヌクレオチドプローブセットの前記第1のオリゴヌクレオチドプローブの前記3’部分が、前記3’末端がポリメラーゼ伸長またはライゲーションに不適となるように、切断可能なヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体及びブロック基を含み、
以下の段階:
前記プローブが、前記一次伸長生成物の相補性標的ヌクレオチド配列にハイブリダイゼーションする際に、前記第1のオリゴヌクレオチドプローブの前記切断可能なヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を切断することにより、前記ライゲーションの前に、前記第1のオリゴヌクレオチドプローブの3’OHを遊離させる段階
を更に含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
前記第2のオリゴヌクレオチドプローブが、その5’末端に、前記第1のオリゴヌクレオチドプローブの前記3’末端とオーバーラップする同一のヌクレオチドを有し、一次伸長生成物の相補的標的ヌクレオチド配列上の隣接位置における、プローブセットの前記第1及び第2のオリゴヌクレオチドプローブのハイブリダイゼーションによる接合部の形成の際に、前記第2のオリゴヌクレオチドプローブの前記オーバーラップする同一のヌクレオチドが、前記第1のオリゴヌクレオチドプローブとの前記接合部にてフラップを形成し、
以下の段階:
前記第2のオリゴヌクレオチドプローブの前記オーバーラップする同一のヌクレオチドを、5’ヌクレアーゼ活性を有する酵素により切断することにより、前記ライゲーションの前に、前記第2のオリゴヌクレオチドプローブの前記5’末端におけるリン酸基を遊離させる段階
を更に含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
前記1つ以上のオリゴヌクレオチドプローブセットが、標的特異的部分を有する第3のオリゴヌクレオチドプローブを更に含み、プローブセットの前記第2及び第3のオリゴヌクレオチドプローブが、標的ヌクレオチド配列上で互いに隣接し、これらの間の接合部とハイブリダイゼーションするように構成されており、前記第2及び第3のオリゴヌクレオチドプローブの間でのライゲーションにより、プローブセットの前記第1、第2、及び第3のオリゴヌクレオチドプローブを含むライゲーション産物配列を形成することを可能にする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0044】
「病気マーカーの負荷」を使用した、病気の早期発見のための汎用的設計
最も費用対効果の高い病気の早期発見試験では、最初の多重結合増幅とライゲーションアッセイを組み合わせて「病気の量」を測定してもよい。癌の検出に関して、この試験は、全ての癌(総合腫瘍学)に関して、>97%の特異性で>95%の感度を達成する。癌腫瘍量のアッセイのフローチャートを
図1に示す。突然変異、メチル化、miRNA、mRNA、選択的スプライシング、及び転座をスコアリングする、最初のマルチプレックスPCR/LDRスクリーニングアッセイは、24〜48種類のマーカーのうち>5が陽性であるサンプルを識別する。次に、追加の組織特異的マーカーによる「ピクセル」PCR/LDRを使用して推定上の陽性サンプルをアッセイし、最初の結果を確認して元の組織を識別する。次に医師は、標的化された配列決定を命じ、患者の治療決定を更に手引きしてもよい。
【0045】
本発明は、デジタルポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ライゲーション検出反応(LDR)、及び、複数の病気マーカー(例えば癌マーカー)の定量的検出の最良の特徴を組み合わせることを求める、汎用的な診断アプローチに関する。一まとまりのアッセイ構造物及びデバイスは、血液からの少量の病気マーカーをPCR−LDR定量化するための3つのモジュールを含む。各モジュールは独立して最適化されてもよく、手動でも、半自動化でも、または完全に自動化されていてもよい。設計により、任意のモジュールを独立して最適化し、向上した性能をアッセイ全体にもたらすようにモジュールを互いに統合することが可能となる。
【0046】
最初の一まとまりのアッセイ設計は、最初のマルチプレックスPCRまたはRT−PCR増幅、続いて、プライマー特異的部分を含有する独自の配列タグを有するLDRプローブを使用したマルチプレックスLDRに基づく。生成物を分配して、標的用TaqMan(商標)プローブ、あるいはUniTaqプライマーセットを有するタグプライマーセット及び、リアルタイムPCRを使用して定量化した投入標的核酸と混合する。
【0047】
第1のモジュールは血液の投入サンプルを受け取り、赤血球(RBC)及び白血球(WBC)から血漿を分離する。血漿を再び分離し、あらゆる残留細胞を除去する。更に、全てのWBC及び血中循環腫瘍細胞(CTC)、並びにいくらかのRBCを含有する細胞画分を分離する。エクソソームを血漿から分離するか、親和性捕捉する。モジュールは、(i)WBC及びCTC画分からRNAを、(ii)エクソソームからmiRNA及びRNAを、及び(iii)血漿から無細胞DNA(cfDNA)を精製する。
【0048】
第2のモジュールは、標的化遺伝子、プロモーター、miRNA、またはmRNA領域の比例マルチプレックスPCRまたはRT−PCR増幅による空間的多重化のための、上記成分の、24または48個のチャンバまたはウェルへの分配を可能にする。これらは、(i)WBC画分を含有するCTC中の特異的スプライス変異体または遺伝子融合mRNA、(ii)エクソソームからの特異的miRNA、(iii)エクソソームからの特異的mRNA、(iv)cfDNAからの特異的癌遺伝子DNA領域、及び(v)cfDNAからの特異的(メチル化)プロモーター領域を含む。
【0049】
第3のモジュールは、上記生成物の、マイクロタイタープレートのウェル、例えば24×16または48×32の構成のものへの空間的分配を可能にする。このモジュールは、リアルタイムPCRを使用したLDR産物の検出及び計算により、各病気マーカーの定量的結果をもたらすことを可能にする。
【0050】
第1及び第2のモジュールは、スクリーニングアッセイモードで複数のサンプルを同時に処理するように構成されてもよく、ここで、配列タグを含有するLDR産物は、リアルタイムPCR読出しを用いて相対的な定量的結果をもたらす(
図2を参照)。この構成において、24個の個々のサンプルからの種々の血液画分から単離したDNA及びRNAをマルチプレックスPCR−LDR及びRT−PCR−LDRに供し、次いで、
図3に示すように、マイクロタイタープレートの縦列(例えば16個のウェル)に分配する。標的用TaqMan(商標)プローブ、あるいはUniTaqプライマーセットを有するタグプライマーセットを、
図4に示すように横列にわたって加え、リアルタイムPCRを可能にする(
図5)。この図において、サンプル番号2及び15は>5の位置で強力なシグナルを有するため、潜在的に陽性と考えられる(以下でより詳細に記載するような更なる確認を待つ)が、4つの弱いシグナルを有するサンプル番号8もまた、更なる処理を受けなければならない。
【0051】
2つのモジュールはまた、「ピクセル」PCR/LDRを可能にする空間的多重化により、単一のサンプルを処理するように構成されてもよく、ここで、LDR生成物は元の標的分子の計算を可能にする。これはデジタルPCRに類似しているが、多重化のレベルが高い(
図6を参照)。この構成において、単一のサンプルからのDNA及びRNAを、
図7に示すとおり、マルチプレックスPCR−LDRの前に24個のチャンバに分配する。本実施形態において、いくつかのチャンバは、1つの標的分子を有するか、標的分子を有しない。多重化の後、LDR産物を縦列、例えばマイクロタイタープレートの16個のウェルに分配する(
図7)。標的用TaqMan(商標)プローブ、あるいはUniTaqプライマーセットを有するタグプライマーセットを、横列にわたって加え(
図8を参照)、リアルタイムPCRを可能にする(
図9を参照)。Ct値を元の混合物中の単一の分子の整数倍(即ち0、1、2等)として表し、ポアソン分布に基づき、結果を解釈する。
図29及び30は、それぞれ24個のウェルでの6〜48個、及び12〜96個の分子のポアソン分布を示し、かつ、
図31及び32は、それぞれ48個のウェルでの12〜96個、及び24〜192個の分子のポアソン分布を示す。
図9・列Aは、(アドレス番号:最初の標的分子の数):(17:0;6:1;1:2)を示し、8個の分子に対応する。
図9・列Kは(7:0;10:1;5:2;2:4)を示し、約30個の分子に対応する。
【0052】
図10〜13にmiRNAまたはmRNAの定量化について示したように、異なる形態の希釈及び分配を用いて、より広範囲にわたり分子を計算してもよい。ここで、例えば、最初のサンプルを8個のチャンバに分配し、10倍希釈して別の8個のチャンバに分配する(
図11を参照)。サンプルを多重化RT−PCR及びLDRに供し、LDR産物をそれぞれ縦列に分配する(
図11)。標的用TaqMan(商標)プローブ、あるいはUniTaqプライマーセットを有するタグプライマーセットを横列にわたって加え(
図12を参照)、リアルタイムPCR及び検出を可能にする(
図13を参照)。24個のチャンバの例に関しては、3等級にわたって定量化が可能であるが、48個のチャンバでは、6等級にわたる違いをカバーすることが可能である。
図33〜37は、8個のウェルでの1〜128個の分子のポアソン分布を示す。
図13・列Gに示す例において、最初の2つの希釈溶液は、最後の8個のウェル(1:0;3:1;3:2;1:4)よりも高いシグナルを与え、これは約14〜16×100×1.25=1,750〜2,000個の分子に対応する。対照的に、
図13の列Nは、最初の8個のウェルの分布(4:0;3:1;1:2)のみでシグナルを与え、これは約5〜6×1.25=6〜8個の分子に対応する。
【0053】
第2の一群のアッセイ設計は、最初のマルチプレックスPCRまたはRT−PCR増幅、続いて、マイクロタイタープレートのウェル上でのPCR増幅標的の分配及び捕捉に基づく。1回のLDRサイクルで、固体支持体上で正しい標的のLDR産物の捕捉が可能になる一方、ライゲーションに失敗したものは洗い流される。LDR−FRET、リアルタイムPCR、または他のレポーターシステムのいずれかにより、LDR産物を定量化する。
【0054】
第1のモジュールは血液の投入サンプルを受け取り、CTCが存在する場合これを分離し、血液細胞から血漿を、そして血漿からエクソソームを分離し、次に、(i)存在する場合、CTCからDNA及びRNAを、(ii)エクソソームからmiRNA及びRNAを、及び(iii)血漿からcfDNAを分離する。
【0055】
第2のモジュールは、標的化遺伝子、プロモーター、miRNA、またはmRNA領域の比例マルチプレックスPCRまたはRT−PCR増幅による空間的多重化のための、上記成分の、24または48個のチャンバまたはウェルへの分配を可能にする。これらは、(i)CTCからのコピー数計算用の特異的染色体領域、(ii)CTCからの特異的スプライス変異体または遺伝子融合mRNA、(iii)エクソソームからの特異的miRNA、(iv)エクソソームからの特異的mRNA、(v)cfDNAからの特異的癌遺伝子DNA領域、及び(vi)cfDNAからの特異的(メチル化)プロモーター領域を含む。
【0056】
第3のモジュールは、上記生成物の縦列、例えばマイクロタイタープレートの16個のウェルへの空間的分配、続いて、固体支持体(例えば24×16または48×32の構成)での増幅標的の捕捉を可能にする。このモジュールは、固体支持体でのLDR産物の捕捉、続いて、LDR産物の検出及び計算により、各マーカーの定量的結果をもたらすことを可能にする。
【0057】
第1及び第2のモジュールは、スクリーニングアッセイモードで複数のサンプルを同時に処理するように構成されてもよく、ここでLDR産物は、リアルタイムPCR読出しに類似する相対的な定量的結果をもたらす(
図14の概略を参照)。この構成において、24個の個々のサンプルからの種々の血液画分から単離したDNA及びRNAをマルチプレックスPCR及びRT−PCRに供し、次いで、縦列(例えばマイクロタイタープレートの16個のウェル)に分配し、固体支持体上で捕捉する(
図15及び16を参照)。LDRプローブを横列にわたって加え、正しい標的でのライゲーションが生成物を捕捉する一方、未反応のプライマーは洗い流される(
図17)。
図18ではLDR−FRETの結果をそれぞれのウェルで示しているが、このモジュールでは、キャピラリー電気泳動を使用して生成物を選択的に変性及び計算し、定量的結果をもたらしてもよい。この図(
図18)において、サンプル番号2及び15は>5の位置で強力なシグナルを有するため、陽性と推定されるが、4つの弱いシグナルを有するサンプル8も、更なる処理を受けなければならない。
【0058】
2つのモジュールはまた、「ピクセル」PCR/LDRを可能にする空間的多重化により、単一のサンプルを処理するように構成されてもよく、ここでLDR産物は、デジタルPCRに類似するが、より高いレベルの多重化における、元の標的分子の計算を可能にする(
図19)。この構成において、単一のサンプルからのDNA及びRNAを、いくつかのチャンバが、1つの標的分子を有するか、あるいは標的分子を有しないように、マルチプレックスPCRの前に24個のチャンバに分配する(
図20)。単位複製配列を縦列、例えばマイクロタイタープレートの16個のウェルに分配し、固体支持体上で捕捉する(
図20及び21)。LDRプローブの付加、及びLDR産物の検出は上記のとおりである(
図22及び23)。LDR値を元の混合物中の単一の分子の整数倍(即ち0、1、2等)を表し、ポアソン分布に基づき結果を解釈する。
図29及び30は、それぞれ24個のウェルでの6〜48個、及び12〜96個の分子のポアソン分布を示し、かつ、
図31及び32は、それぞれ48個のウェルでの12〜96個及び24〜192個の分子のポアソン分布を示す。
図23・列Aは、(アドレス番号:最初の標的分子の数):(17:0;6:1;1:2)を示し、8個の分子に対応する。
図23・列Kは(7:0;10:1;5:2;2:4)を示し、約30個の分子に対応する。
【0059】
図24〜28でmiRNAまたはmRNA定量化について示したように、異なる形態の希釈及び分配を用いて、より広範囲にわたって分子を計算してもよい。ここで、例えば、最初のサンプルを8個のチャンバに分配し、10倍希釈して別の8個のチャンバに分配する(
図25)。サンプルを多重RT−PCRに供し、縦列に分配する。RT−PCR産物を固体支持体上で捕捉し(
図26)、LDRプライマーセットを横列にわたって加える(
図27を参照)。24個のチャンバの例に関しては、3等級にわたって定量化が可能であるが、48個のチャンバでは、6等級にわたる違いをカバーすることが可能である(
図33〜37のポアソン分布を参照)。
図28・列Gに示す例において、最初の2つの希釈溶液は、最後の8個のウェル(1:0;3:1;3:2;1:4)よりも高いシグナルを与え、これは約14〜16×100×1.25=1,750〜2,000個の分子に対応する。対照的に、
図28・列Nは、最初の8個のウェルの分布(4:0;3:1;1:2)のみにシグナルを与え、これは約5〜6×1.25=6〜8個の分子に対応する。
【0060】
偽陽性及びキャリーオーバーからの保護
所望の疾病特異的な核酸の相違から生成した正しいシグナルと、サンプル中に存在する通常の核酸から生成した間違ったシグナルと、疾病特異的な核酸の相違の不在下で生成した間違ったシグナル(即ち、体細胞突然変異)とを識別する技術的課題が存在する。
【0061】
これらの課題に対する解決策のいくつかを以下に示すが、これらはいくつかの共通したテーマを分かち合っている。
【0062】
最初のテーマは多重化である。PCRは、プライマー濃度が比較的高い(50nM〜500nM)時に最も良く機能し、多重化を制限する。更に、PCRプライマー対が追加されればされるほど、正しくない生成物が増幅する、またはプライマー二量体が作製される可能性が指数的に増加する。対照的に、LDRプローブについては、4nM〜20nMのオーダーの低濃度を用い、標的に隣接してハイブリダイゼーションさせることによりプローブ二量体を制限し、ライゲーション現象を可能にする。ユニバーサルプライマー配列「尾部」を含有する、低濃度の遺伝子特異的PCRプライマーまたはLDRプローブを用いることにより、より高濃度のユニバーサルプライマーを後で追加し、最初のPCRまたはLDR産物の比例増幅を達成することが可能になる。間違ったPCR単位複製配列またはプライマー二量体を避ける、または最小限に抑えるための別の方法は、いくつかの過剰の塩基及びブロック基を含有するPCRプライマーを用いることであり、標的にハイブリダイゼーションした場合にのみ、ブロック塩基はヌクレアーゼによる切断により遊離し、遊離3’OHを形成する(例えば、ブロック基としてリボヌクレオチド塩基、及び切断ヌクレアーゼとしてRNase H2)。
【0063】
第2のテーマは、投入標的核酸が少量であることによる、シグナルのゆらぎである。多くの場合、標的核酸はわずかの細胞に由来しており、CTCとして捕捉した、または、アポトーシスを受けた腫瘍細胞がそのDNAを小断片(140〜160bp)として放出したもののいずれかである。かかる条件下では、少数の開始分子を(リアルタイム、または液滴PCR定量化のために)個々のウェルに分配する場合に、シグナルを完全に見失うことを避けるために、あるいはゆらぎのために不正確なコピー数を報告することを避けるために、いくつかのレベルの比例増幅を実施することが好ましい。これらの最初のユニバーサル増幅が合理的な水準(およそ12〜20サイクル)で維持される限り、チューブを開け、(リアルタイム、または液滴PCRを使用する)後の検出/定量化のために単位複製配列を分配する間のキャリーオーバー汚染のリスクは、最小限に抑えられる。
【0064】
第3のテーマは、「非鋳型対照」(NTC)としても知られる、標的に依存しないシグナルである。これは、正しい標的の不在下で生じるポリメラーゼまたはリガーゼ反応から生じる。このシグナルのいくつかは、賢明なプライマー設計により最小限に抑えられ得る。ライゲーション反応に関して、ポリメラーゼの5’→3’ヌクレアーゼ活性を使用して(標的にハイブリダイゼーションした場合にのみ)下流ライゲーションプライマーの5’リン酸基を遊離してもよく、これはライゲーションに適している。低いレベルの変異の存在を識別するための更なる特異性は、(i)3’OHから2番目または3番目の位置にミスマッチを含有する上流LDRプローブを用いること、(ii)(任意に)ライゲーションするが、更なる増幅は受けない野生型配列に対するLDRプローブを用いること、並びに、(iii)いくつかの過剰の塩基及びブロック基(相補性標的(例えばRNase H2及びリボヌクレオチド塩基)にハイブリダイゼーションした場合にのみヌクレアーゼによる切断で遊離し、遊離3’OHを形成する)を含有する上流LDRプローブを用いること、により達成することができる。
【0065】
第4のテーマは、反応で使用されなかったプライマーによる、抑制された(減少した)増幅または正しくない(間違った)増幅のいずれかである。かかる未使用のプライマーを除去するための1つのアプローチは、固体支持体上で遺伝子または標的または増幅標的DNAを捕捉し、ライゲーションプローブのハイブリダイゼーションとライゲーションを可能にし、次いで、ハイブリダイゼーションしていないプローブまたは生成物を除去することである。代替の解決策としては、プロセス中に第2のレベルの選択が存在するような、プレ増幅に続く、後のネステッドLDR及び/またはPCR工程が挙げられる。
【0066】
第5のテーマはキャリーオーバー防止である。キャリーオーバーシグナルは、ユニバーサル増幅工程中の標準的なウラシル導入、並びに、プレ増幅処理手順におけるUDG(及び所望によりAPエンドヌクレアーゼ)の使用により除去されてもよい。キャリーオーバー防止の組み込みは、以下でより詳細に記載する本発明の方法の中核をなす。最初のPCR増幅を、ウラシルの組み込みを用いて実施する。LDR反応を、ウラシルを欠くLDRプローブを用いて実施する。したがって、LDR産物をリアルタイムPCR定量化に供す場合、UDGの添加により最初のPCR産物は破壊されるが、LDR産物は破壊されない。更に、LDRは直線的なプロセスであり、タグプライマーは、ヒトゲノムに存在しない配列を用いるため、元のPCRに戻るLDR産物の偶然のキャリーオーバーは、鋳型とは無関係の増幅を引き起こさない。メチル化標的を有するキャリーオーバー防止を提供する更なるスキームとしては、増幅前、または後述のアプローチを用いる場合には亜硫酸水素塩処理の後で制限エンドヌクレアーゼを用いることが挙げられる。
【0067】
病気マーカーの識別方法
本発明の第1の態様は、サンプルにおいて、1つ以上のヌクレオチド、1つ以上のコピー数、1つ以上の転写配列、及び/または1つ以上のメチル化残基が該サンプル中または他のサンプル中の他の核酸分子内のヌクレオチド配列とは異なる標的ヌクレオチド配列を含有する1つ以上の核酸分子を識別するための方法に関する。本方法は、1つ以上のヌクレオチド、1つ以上のコピー数、1つ以上の転写配列、及び/または1つ以上のメチル化残基が他の核酸分子内のヌクレオチド配列とは異なる標的ヌクレオチド配列を含有する1つ以上の核酸分子を潜在的に含有するサンプルを提供すること、並びに、該サンプルを、サンプル中に存在するデオキシウラシル(dU)含有核酸分子を分解可能な1種以上の酵素と接触させることを含む。1つ以上の一次オリゴヌクレオチドプライマーセットが提供され、各一次オリゴヌクレオチドプライマーセットは、(a)標的ヌクレオチド配列に隣接する配列に相補的なヌクレオチド配列を含む第1の一次オリゴヌクレオチドプライマー、及び、(b)第1の一次オリゴヌクレオチドプライマーから形成された伸長生成物の一部に相補的なヌクレオチド配列を含む第2の一次オリゴヌクレオチドプライマーを含む。接触したサンプルを、1つ以上の一次オリゴヌクレオチドプライマーセット、dUTPを含むデオキシヌクレオチド混合物、及びDNAポリメラーゼと混和してポリメラーゼ連鎖反応混合物を形成し、ポリメラーゼ連鎖反応混合物を、変性処理、ハイブリダイゼーション処理、及び伸長処理を含む1回以上のポリメラーゼ連鎖反応サイクルに供すことにより、標的ヌクレオチド配列またはその相補鎖を含む一次伸長生成物を形成する。本方法は更に、一次伸長生成物をリガーゼ及び1つ以上のオリゴヌクレオチドプローブセットと混和しライゲーション反応混合物を形成することを含む。各オリゴヌクレオチドプローブセットは、(a)標的ヌクレオチド配列特異的部分を有する第1のオリゴヌクレオチドプローブ、及び(b)標的ヌクレオチド配列特異的部分を有する第2のオリゴヌクレオチドプローブを含み、ここでプローブセットの第1及び第2のオリゴヌクレオチドプローブは、塩基特異的な方法で、一次伸長生成物に相補的な標的ヌクレオチド配列上で、間に接合部を有して互いに隣接するようにハイブリダイゼーションするように構成される。1つ以上のオリゴヌクレオチドプローブセットの第1及び第2のオリゴヌクレオチドプローブを互いにライゲーションして、ライゲーション反応混合物中でライゲーション産物配列を形成し、そしてまたサンプル中のライゲーション産物配列を検出し識別して、1つ以上のヌクレオチド、1つ以上のコピー数、1つ以上の転写配列、及び/または1つ以上のメチル化残基がサンプル中の他の核酸分子内のヌクレオチド配列とは異なる標的ヌクレオチド配列を含有する1つ以上の核酸分子の存在を識別する。
【0068】
図38〜44は、本発明の本態様の種々の実施形態を示す。
【0069】
図38(工程A〜F)は、ゲノムDNAまたはcfDNAから変異を検出するための例示的なPCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。本方法は、工程Aに示すように、ゲノムDNAまたは無細胞DNA(cfDNA)を単離することにより開始する。
図38(工程B)に示すように、DNAサンプルを、サンプル中に存在し得るデオキシウラシル(dU)含有核酸分子を分解可能な酵素で処理する。好適な酵素としては、大腸菌(E.coli)ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)、Antarctic Thermolabile UDG、またはヒト一本鎖選択的単機能性ウラシル−DNAグリコシラーゼ(hSMUG1)が挙げられるが、これらに限定されない。次に、サンプルを増幅反応(例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR))に供し、対象の変異を含有する領域を増幅する。遺伝子特異的プライマー、及びdUTPを含むデオキシヌクレオチド混合物を使用して増幅反応を実施する。一実施形態では、サイクルを制限した増幅(12〜20サイクル)を実施し、作製される異なる単位複製配列の相対比率を維持する。別の実施形態では、対象領域は、20〜40サイクルを使用して増幅される。
図38・工程Cに示すように、増幅産物はdUを含有し、これは、キャリーオーバー防止のための、UDGまたは類似の酵素による後の処理を可能にする。
【0070】
図38・工程Dに示すように、標的特異的オリゴヌクレオチドプローブを増幅産物にハイブリダイゼーションし、リガーゼ(塗りつぶした円)は、相補配列にハイブリダイゼーションした場合に2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合により閉じる。上流オリゴヌクレオチドプローブは、5’プライマー特異的部分(Ai)を含有し、下流オリゴヌクレオチドプローブは、ライゲーション産物の後の増幅を可能にする3’プライマー特異的部分(Ci’)を含有する。ライゲーションに続いて、ライゲーション産物の一定量を、1つ以上のタグ特異的プライマーの対(各対は、マッチしたプライマーAi及びCiを含む)を含有する個別のウェルに分取し、UDGまたは類似の酵素で処理を行い、増幅産物または汚染物質を含有するdUを取り除き、PCR増幅して検出する。
図38・工程E及びFに示すように、ライゲーション産物の検出を、従来のTaqMan(商標)検出アッセイを用いて実施することができる(米国特許第6,270,967号・Whitcombe et al.、及び米国特許第7,601,821号・Anderson et al.を参照のこと:これら全体が参考として本明細書に組み込まれる)。TaqMan(商標)を用いる検出に関して、ライゲーション接合部にまたがるオリゴヌクレオチドプローブを、増幅及び検出用のライゲーション産物のプライマー特異的部分でのハイブリダイゼーションに好適なプライマーと組み合わせて使用する。TaqMan(商標)プローブは、一端に蛍光性レポーター基(F1)、及び、他端に消光剤分子(Q)を含有し、インタクトなプローブ中で消光剤分子は、レポーター基と互いに十分隣接しており、その蛍光を消光する。増幅の間、TaqMan(商標)プローブ及び上流プライマーは、ライゲーション産物の相補領域にハイブリダイゼーションする。ポリメラーゼの5’→3’ヌクレアーゼ活性はハイブリダイゼーションしたプライマーを伸長し、TaqMan(商標)プローブの蛍光性基を遊離して検出可能なシグナルを生成する(
図38・工程F)。増幅反応中にdUTPを用いることによりdUを含有する生成物を生成し、この生成物は後で、キャリーオーバー防止のためにUDGを使用して破壊することができる。
【0071】
図39は、ゲノムDNAまたはcfDNAから変異を検出するための例示的なPCR−qLDRキャリーオーバー防止反応を示す。本方法は、工程Aに示すように、ゲノムDNAまたは無細胞DNA(cfDNA)を単離することにより開始する。
図39・工程Bに示すように、DNAサンプルを、UDG等のデオキシウラシル(dU)分解酵素で処理して、サンプル中に存在し得るdU含有核酸分子を分解し、次に、増幅反応(例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR))に供し、対象の変異を含有する領域を増幅する。遺伝子座特異的プライマー、及びdUTPを含むデオキシヌクレオチド混合物を使用して増幅反応を実施する。一実施形態では、サイクルを制限した増幅(12〜20サイクル)を実施し、作製される異なる単位複製配列の相対比率を維持する。別の実施形態では、対象領域は、20〜40サイクルを使用して増幅される。本実施形態において、遺伝子座特異的プライマーは5’プライマー領域(例えばユニバーサルプライマー領域)もまた含有し、この領域は、後のビオチン標識プライマーを使用したユニバーサルPCR増幅により、5’ビオチンを、対象の領域を含有する増幅産物に付加することを可能にする(
図39・工程B)。
【0072】
図39・工程Cに示すように、増幅産物は、キャリーオーバー防止を可能にするdUを組み込み、付加した5’ビオチン部位を介して固体支持体で捕捉される。
図39・工程Dに示すように、変異特異的ライゲーションプローブを使用して対象の変異を検出する。本実施形態において、第1のライゲーションプローブは、3’標的特異的領域、及び、ドナーまたはアクセプター部位を有する5’尾部配列を含有し、かつ、プローブセット内の第2のライゲーションプローブは、5’標的特異的領域、及びアクセプターまたはドナー部位を有する3’尾部配列を、それぞれ含有する。プローブセット内のライゲーションプローブの5’及び3’尾部配列は互いに相補的であり、アクセプター及びドナー基は、互いに極めて接近した場合、Forster共鳴エネルギー移動(FRET)により検出可能なシグナルを生成することができる。ライゲーションに続いて、ライゲーションしていないオリゴヌクレオチドプローブを洗い流し、ライゲーション産物を固定した増幅産物から変性させる。変性の際に(
図39・工程E)、ライゲーション産物の相補性5’及び3’尾部配列が互いにハイブリダイゼーションし、ドナー及びアクセプター基を互いに極めて接近させ、検出可能なFRETシグナルを生成する。
【0073】
本発明の本態様に従い形成したライゲーション産物は、FRET検出の代替方法を用いて識別することができる。例えば、
図39・工程Fに示すように、上流プローブは、5’末端に蛍光性レポーター基、続いて尾部配列部分、消光基(例えばZEN)、及び標的特異的部分を含有してもよい。一本鎖形態において、Zen基により蛍光性基が消光される。上流及び下流ライゲーションプローブのライゲーション、並びに得られるライゲーション産物の変性の際に、ライゲーション産物の相補性5’及び3’尾部部分がハイブリダイゼーションし、短い二本鎖部分を形成する。この形態において、レポーター基は消光基により消光されず、検出可能なシグナルが生成される。
【0074】
図39は、固体支持体上で伸長生成物を捕捉するための、ビオチン化ユニバーサルプライマー−ストレプトアビジンコーティング表面アプローチを示す。かかる捕捉は、ライゲーション工程の前または後に行ってもよい。固体支持体上で生成物を結合する他のアプローチとしては、PCR増幅の前に、固体支持体にユニバーサルプライマーの一部または大部分を共有結合することが挙げられる。
【0075】
ビオチン−ストレプトアビジンを使用したポリメラーゼ伸長生成物の捕捉に加えて、5’末端に捕捉配列、ポリメラーゼ伸長ブロック基、及び3’末端にユニバーサルまたは標的特異的部分を含むように、プライマーを設計することができる。増幅後、生成物の5’捕捉配列部分は一本鎖であり、もしそれが長い、かつ/またはGCリッチな配列である場合、非捕捉鎖の変性、または切断(例えばλエキソヌクレアーゼ切断)による除去を可能にする条件下において、相補配列上で捕捉されてもよい。プライマー、捕捉プローブ配列、または両方の中にPNA、LNA、または他のヌクレオチド類似体を用いることにより、捕捉工程を向上してもよい。
【0076】
別の実施形態において、(アジドへの)銅非含有クリックケミストリー用のジベンゾシクロオクチル(DBCO);(アジドへの)クリックケミストリー用の5−オクタジイニルdU;アミノ修飾剤C6 dT(ペプチド結合用);または、アルケンもしくはDBCOへのクリックケミストリー用のアジドを使用して、固体表面にプライマーを共有結合してもよい。
【0077】
図40は、変異を検出するための、別の例示的なPCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。ゲノムDNAまたはcfDNAを単離し(
図40・工程A)、単離したDNAサンプルをUDGで処理し、サンプル中に存在し得るdU含有核酸分子を分解する。本実施形態において、3’末端に切断可能なブロック基を含有する遺伝子座特異的PCRプライマーを使用して、最初の増幅を実施する。ブロック基は、非標的特異的ポリメラーゼ伸長及び増幅を防止する。
図40・工程Bに示すように、好適なブロック基は、プライマーがその相補的配列にハイブリダイゼーションする際にのみRNase−H(星印)により切断されるRNA塩基(r)である(例えば、Dobosy et.al.“RNase H−Dependent PCR(rhPCR):Improved Specificity and Single Nucleotide Polymorphism Detection Using Blocked Cleavable Primers,” BMC Biotechnology 11(80):1011(2011)を参照:その全体が参照として本明細書に組み込まれている)。RNA塩基の切断により、ポリメラーゼによる伸長に好適な3’OHを遊離させる。
【0078】
プライマーブロック基の切断に続き、対象の領域を増幅し、PCR産物は、キャリーオーバー防止を可能にするdUを含有する(
図40・工程C)。次に、プライマータグ(Ai及びCi’)を含有する標的特異的オリゴヌクレオチドプローブを塩基特異的な方法で増幅産物にハイブリダイゼーションし、相補配列にハイブリダイゼーションした場合に、リガーゼ(塗りつぶした円)が2つのオリゴヌクレオチドを共有結合により閉じる(
図40・工程D)。マッチするプライマーの対(Ai及びCi)、並びに、
図38に記載するようにライゲーション接合部にまたがるTaqMan(商標)プローブを使用してライゲーション産物を検出する(
図40・工程E〜Fを参照)。
【0079】
図41は、変異を検出するための、別の例示的なPCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。ゲノムDNAまたはcfDNAを単離し(
図41・工程A)、単離したDNAサンプルをUDGで処理し、サンプル中に存在し得るdU含有核酸分子を分解する(
図41・工程B)。遺伝子特異的プライマー、及びdUTPを含むデオキシヌクレオチド混合物を使用して、対象の領域を増幅する。一実施形態では、サイクルを制限した増幅(12〜20サイクル)を実施し、作製される異なる単位複製配列の相対比率を維持する。別の実施形態では、対象領域は、20〜40サイクルを使用して増幅される。
図41・工程Cに示すように、増幅産物はdUを含有し、これは、キャリーオーバー防止のための、UDGまたは類似の酵素による後の処理を可能にする。
【0080】
図41・工程Dに示すように、標的特異的オリゴヌクレオチドプローブを増幅産物にハイブリダイゼーションし、リガーゼ(塗りつぶした円)は、相補配列にハイブリダイゼーションした場合に2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合により閉じる。本実施形態において、対象の変異を検出するのに特異的な配列を有する上流オリゴヌクレオチドプローブは、ライゲーション産物の後の検出を容易にする5’プライマー特異的部分(Ai)を更に含有する一方、野生型(非変異)核酸配列を検出するのに特異的な配列を有する上流オリゴヌクレオチドプローブは、5’プライマー特異的部分を含有しない。変異及び野生型配列の両方に共通の配列を有する下流オリゴヌクレオチドプローブは、変異を検出するのに特異的な配列を有する上流プローブの5’プライマー特異的部分(Ai)と共に、後の変異ライゲーション産物のみの増幅及び検出を可能にする、3’プライマー特異的部分(Ci’)を含有する。この図の工程Dに示すように、上流ライゲーションプローブに3’の切断可能ブロック基(Blk 3’、例えばC3スペーサー)、及びRNA塩基(r)を含めることにより、別の層の特異性を本方法に導入することができる。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)はRNA塩基を取り除き、ライゲーション能のある3’OH基を生成する(
図41・工程D)。ライゲーションに続いて、マッチするプライマーの対(Ai及びCi)、並びに、
図38に記載するようにライゲーション接合部にまたがるTaqMan(商標)プローブを使用して(
図41・工程E〜Gを参照)、または、当該技術分野において公知の他の好適な手段を使用して、ライゲーション産物を検出することができる。
【0081】
図42は、変異を検出するための別の例示的なPCR−qLDRキャリーオーバー防止反応を示す。ゲノムDNAまたはcfDNAを単離し(
図42・工程A)、単離したDNAサンプルをUDGで処理し、サンプル中に存在し得るdU含有核酸分子を分解する(
図42・工程B)。遺伝子座特異的プライマー、及びdUTPを含むデオキシヌクレオチド混合物を使用して、対象の領域を増幅する。本実施形態において、遺伝子座特異的プライマーは、5’プライマー領域(例えば、ユニバーサルプライマー領域)もまた含有する。かかる配列は、後のビオチン標識プライマーを使用したユニバーサルPCR増幅により、5’ビオチンを、対象の領域を含有する増幅産物に付加することができる(
図42・工程B)。
図42・工程Dに示すように、ビオチン化PCR産物を固体支持体に固定し、変異特異的ライゲーションプローブを使用して対象の変異を検出する。本実施形態において、変異核酸配列を検出可能な(しかし、野生型配列は検出しない)ライゲーション対のライゲーションプローブは、相補性尾部配列、及びそれぞれ、
図39で上述したように互いに極めて接近した場合に、FRETにより検出可能なシグナルを生成可能なアクセプターまたはドナー基を含有する。この図の工程Dに示すように、上流ライゲーションプローブに3’切断可能ブロック基(例えばC3スペーサー)、及びRNA塩基(r)を含めることにより、別の層の特異性を本方法に導入することができる。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)はRNA塩基を取り除き、ライゲーション能のある3’OH基を生成する(
図42・工程D)。ライゲーションに続いて(
図42・工程E)、ライゲーション産物の相補性5’及び3’尾部末端は互いにハイブリダイゼーションし、対応するドナー及びアクセプター部位を互いに極めて接近させ、検出可能なFRETシグナルを生成する(
図42・工程F)。
【0082】
図43は、変異を検出するための別の例示的なPCR−qLDRキャリーオーバー防止反応を示す。ゲノムDNAまたはcfDNAを単離し(
図43・工程A)、単離したDNAサンプルをUDGで処理し、サンプル中に存在し得るdU含有核酸分子を分解する(
図43・工程B)。遺伝子特異的プライマー、及びdUTPを含むデオキシヌクレオチド混合物を使用して、対象の領域を増幅する。本実施形態において、遺伝子座特異的プライマーは、5’プライマー領域(例えば、ユニバーサルプライマー領域)もまた含有する。これらの領域は、後のビオチン標識プライマーを使用したユニバーサルPCR増幅により、5’ビオチンを、対象の領域を含有する増幅産物に付加することを可能にする(
図43・工程B)。
図43・工程Dに示すように、ビオチン化PCR産物を固体支持体に固定し、変異特異的ライゲーションプローブを使用して対象の変異を検出する。本実施形態において、
図43・工程Dに示すように、プローブセットのオリゴヌクレオチドプローブを、第1のオリゴヌクレオチドプローブの最も3’側の塩基が、すぐ隣にある、標的核酸分子に相補的な第2のオリゴヌクレオチドプローブの最も5’側の塩基とオーバーラップするように設計する。オーバーラップするヌクレオチドは、「フラップ」と呼ばれる。第2のオリゴヌクレオチドプローブのオーバーラップするフラップヌクレオチドが、標的核酸分子配列に相補的であり、かつ第1のオリゴヌクレオチドプローブの末端3’ヌクレオチドと同一の配列である場合、第2のオリゴヌクレオチドプローブのフラップヌクレオチドのすぐ上流のホスホジエステル結合が、フラップエンドヌクレアーゼ(FEN)または5’ヌクレアーゼ活性(例えばTaqポリメラーゼの5’−3’エキソヌクレアーゼ)を有する酵素により識別されて切断される。この特異的FEN活性は、第1のオリゴヌクレオチドプローブの隣接3’OHの傍らに正確に位置する第2のオリゴヌクレオチドプローブ上にライゲーション能のある5’リン酸基末端を作製する。(a)互いに隣接するオリゴヌクレオチドプローブによる標的特異的アニーリング、(b)切断したフラップヌクレオチドが鋳型にマッチする場合のみの、5’リン酸基の選択的生成、及び(c)第1のオリゴヌクレオチドプローブの3’塩基に対して、非ワトソン・クリック塩基対を識別するリガーゼの付加、の結果として、非常に高い標的検出特異性及び選択性が達成される。本実施形態に従うと、ライゲーション用のオリゴヌクレオチドプローブは、相補性尾部配列、及びそれぞれ、
図39で上述したように互いに極めて接近した場合に、FRETにより検出可能なシグナルを生成可能なアクセプターまたはドナー基もまた含有する。ライゲーションに続いて(
図43・工程E)、ライゲーション産物の相補性5’及び3’尾部末端は互いにハイブリダイゼーションし、対応するドナー及びアクセプター部位を互いに極めて接近させ、検出可能なFRETシグナルを生成する(
図43・工程F)。
【0083】
図44は、変異を検出するための別のPCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。ゲノムDNAまたはcfDNAを単離し(
図44・工程A)、単離したDNAサンプルをUDGで処理し、サンプル中に存在し得るdU含有核酸分子を分解する(
図44・工程B)。遺伝子特異的プライマー、及びdUTPを含むデオキシヌクレオチド混合物を使用して、対象の領域を増幅する。本実施形態において、検出を容易にするためのUniTaqプライマー及びタグ配列を含有するように、ライゲーションプローブを設計する。UniTaqシステムは、米国特許公開第2011/0212846号(Spier)に完全に記載されており、その全体が参照として本明細書に組み込まれている。UniTaqシステムは、
図44・工程Dに示すように、3つの独自の「タグ」配列の使用を伴い、独自のタグ配列の少なくとも1つ(Ai)は第1のオリゴヌクレオチドプローブに存在し、第2及び第3の独自のタグ部分(Bi’及びCi’)は、第2のオリゴヌクレオチドプローブ中に存在する。プローブセット内のオリゴヌクレオチドプローブのライゲーションの際に、得られるライゲーション産物はAi配列−標的特異的配列−Bi’配列−Ci’配列を含有する。UniTaqアプローチの本質は、ライゲーションプローブの両方のオリゴヌクレオチドプローブが、陽性シグナルを得るために正しい必要があることであり、これにより、高度に多重化した核酸の検出が可能となる。例えば、そして本明細書に記載するように、このことは、2つの対、即ちタグの2つの互いのハイブリダイゼーションを必要とすることにより達成される。
【0084】
ライゲーション産物の検出の前に、サンプルをUDGで処理して元の標的単位複製配列を破壊し、本物のライゲーション産物のみが検出されることを可能にする。検出に関して、Ai(第1のプライマー特異的部分)、Bi’(UniTaq検出部分)、及びCi’(第2のプライマー特異的部分)を含有するライゲーション産物を、Aiと同じヌクレオチド配列を有する第1のオリゴヌクレオチドプライマー、及び、Ci’に相補的(即ちCi)な第2のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して両方の鎖でプライミングする。第1のオリゴヌクレオチドプライマーは、一端に検出可能な標識F1、及び他端に消光剤分子(Q)を有するUnitaq検出プローブ(Bi)(F1−Bi−Q−Ai)もまた含む。任意で消光剤に隣接して配置されるのは、ポリメラーゼブロックユニット、例えばHEG、THF、Sp−18、ZEN、または、ポリメラーゼ伸長を停止するのに十分な、当該技術分野において公知の任意の他のブロッカーである。
図44・工程Fに示すように、PCR増幅により二本鎖生成物の形成がもたらされる。本実施例では、生成物のボトム鎖が、一本鎖となったときにヘアピンを形成することができないように、ポリメラーゼブロックユニットが、ポリメラーゼによる第1のユニバーサルプライマーの5’部分(Bi)のコピーを防止する。かかるヘアピンの形成は、この3’末端のポリメラーゼ伸長がPCR反応を終結するような、ステムの3’末端の、単位複製配列へのアニーリングをもたらす。
【0085】
二本鎖PCR産物を変性させ、後で温度が低下した場合に、生成物のトップ鎖が、第1のオリゴヌクレオチドプライマーの5’部分(Bi)と、鎖の反対端の部分Bi’の間にステムを有するヘアピンを形成する(
図44・工程G)。この工程の間ではまた、第2のオリゴヌクレオチドプライマーが、ヘアピン形成した生成物の5’プライマー特異的部分(Ci’)にアニーリングする。工程Gでの第2のユニバーサルプライマーの伸長の際に、ポリメラーゼの5’ヌクレアーゼ活性が、検出可能な標識D1、または消光剤分子を単位複製配列の5’末端から切断することにより、標識と消光剤との間の距離を増加させて、標識の検出を可能にする。
【0086】
図145は、低いレベルの変異を検出するための他の例示的なPCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。ゲノムDNAまたはcfDNAを単離し(
図145・工程A)、単離したDNAサンプルをUDGで処理し、サンプル中に存在し得るdU含有核酸分子を分解する(
図145・工程B)。変異選択的上流プライマー、遺伝子座特異的下流プライマー、及びdUTPを含むデオキシヌクレオチド混合物を使用して、対象の領域を選択的に増幅する。この図に示すように、上流変異特異的プライマーに3’の切断可能ブロック基(Blk 3’、例えばC3スペーサー)、及び変異特異的RNA塩基(mr)を含めることにより、別の層の選択性を本方法に導入することができる。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)がRNA塩基を取り除き、ポリメラーゼ伸長に好適な3’OH基を遊離させる(
図145・工程B)。RNaseHは、変異DNAに完全にマッチする場合にRNA塩基を優先的に切断するが、野生型DNAにハイブリダイゼーションした場合、RNA塩基を切断する可能性は低い。切断反応が生じると、ポリメラーゼは遊離3’OHを確実に伸長し、標的の変異または野生型塩基をコピーする。したがって、アリル特異的PCRとは対照的に、PCRプライマーは、プライマーにより誘導された変異を増殖しない。代わりに、ハイブリダイゼーション、切断、伸長、及び変性のサイクルを繰り返すことにより塩基をコピーすることにより、このPCRは、各サイクルの増幅中に選択的に、野生型標的よりも変異標的を増幅する。野生型配列を有する任意のプライマーはRNA塩基を欠いてブロックされたままであるため、野生型配列の増幅を更に減らす。所望により、PCRの前に一定量のサンプルを24、48、または96個のウェルに分取する。
図145・工程Cに示すように、増幅産物はdUを含有し、これは、キャリーオーバー防止のための、UDGまたは類似の酵素による後の処理を可能にする。
【0087】
図145・工程Dに示すように、標的特異的オリゴヌクレオチドプローブを増幅産物にハイブリダイゼーションし、リガーゼ(塗りつぶした円)は、相補配列にハイブリダイゼーションした場合に2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合により閉じる。本実施形態において、対象の変異を検出するのに特異的な配列を有する上流オリゴヌクレオチドプローブは、ライゲーション産物の後の検出を容易にする5’プライマー特異的部分(Ai)を更に含有する一方、野生型(非変異)核酸配列を検出するのに特異的な配列を有する上流オリゴヌクレオチドプローブは、5’プライマー特異的部分を含有しない。変異及び野生型配列の両方に共通の配列を有する下流オリゴヌクレオチドプローブは、変異を検出するのに特異的な配列を有する上流プローブの5’プライマー特異的部分(Ai)と共に、後の変異ライゲーション産物のみの増幅及び検出を可能にする、3’プライマー特異的部分(Ci’)を含有する。この図の工程Dに示すように、上流ライゲーションプローブに3’の切断可能ブロック基(Blk 3’、例えばC3スペーサー)、及びRNA塩基(r)を含めることにより、別の層の特異性を本方法に導入することができる。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)はRNA塩基を取り除き、ライゲーション能のある3’OH基を生成する(
図145・工程D)。ライゲーションに続いて、マッチするプライマーの対(Ai及びCi)、並びに、
図38に記載するようにライゲーション接合部にまたがるTaqMan(商標)プローブを使用して(
図145・工程E〜Gを参照)、または、当該技術分野において公知の他の好適な手段を使用して、ライゲーション産物を検出することができる。
【0088】
図146は、低いレベルの変異を検出するための他の例示的なPCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。ゲノムDNAまたはcfDNAを単離し(
図146・工程A)、単離したDNAサンプルをUDGで処理し、サンプル中に存在し得るdU含有核酸分子を分解する(
図146・工程B)。変異選択的上流プライマー、遺伝子座特異的下流プライマー、及びdUTPを含むデオキシヌクレオチド混合物を使用して、対象の領域を選択的に増幅する。この図に示すように、上流変異特異的プライマーに3’の切断可能ブロック基(Blk 3’、例えばC3スペーサー)、及び変異特異的RNA塩基(mr)を含めることにより、別の層の選択性を本方法に導入することができる。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)がRNA塩基を取り除き、ポリメラーゼ伸長に好適な3’OH基を遊離させる(
図146・工程B)。RNaseHは、変異DNAに完全にマッチする場合にRNA塩基を優先的に切断するが、野生型DNAにハイブリダイゼーションした場合、RNA塩基を切断する可能性は低い。切断反応が生じると、ポリメラーゼは遊離3’OHを確実に伸長し、標的の変異または野生型塩基をコピーする。したがって、アリル特異的PCRとは対照的に、PCRプライマーは、プライマーにより誘導された変異を増殖しない。代わりに、ハイブリダイゼーション、切断、伸長、及び変性のサイクルを繰り返すことにより塩基をコピーすることにより、このPCRは、各サイクルの増幅中に選択的に、野生型標的よりも変異標的を増幅する。野生型配列を有する任意のプライマーはRNA塩基を欠いてブロックされたままであるため、野生型配列の増幅を更に減らす。所望により、PCRの前にサンプルの一定量を12、24、48、または96個のウェルに分取する。
図146・工程Cに示すように、増幅産物はdUを含有し、これは、キャリーオーバー防止のための、UDGまたは類似の酵素による後の処理を可能にする。
【0089】
図146・工程Dに示すように、標的特異的オリゴヌクレオチドプローブを増幅産物にハイブリダイゼーションし、リガーゼ(塗りつぶした円)は、相補配列にハイブリダイゼーションした場合に2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合により閉じる。本実施形態において、対象の変異を検出するのに特異的な配列を有する上流オリゴヌクレオチドプローブは、ライゲーション産物の後の検出を容易にする5’プライマー特異的部分(Ai)を更に含有する一方、野生型(非変異)核酸配列を検出するのに特異的な配列を有する上流オリゴヌクレオチドプローブは、5’プライマー特異的部分を含有しない。変異及び野生型配列の両方に共通の配列を有する下流オリゴヌクレオチドプローブは、変異を検出するのに特異的な配列を有する上流プローブの5’プライマー特異的部分(Ai)と共に、後の変異ライゲーション産物のみの増幅及び検出を可能にする3’プライマー特異的部分(Bi’−Ci’)を含有する。この図の工程Dに示すように、上流ライゲーションプローブに3’の切断可能ブロック基(Blk 3’、例えばC3スペーサー)、及びRNA塩基(r)を含めることにより、別の層の特異性を本方法に導入することができる。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)はRNA塩基を取り除き、ライゲーション能のある3’OH基を生成する(
図146・工程D)。ライゲーションに続いて、UniTaq特異的プライマー(即ち、F1−Bi−Q−Ai、Ci)を使用してライゲーション産物を増幅し、
図44で上述したように検出する(
図146・工程E〜Hを参照)か、または当該技術分野において公知の他の好適な手段を使用して検出する。
【0090】
図147は、低いレベルの変異を検出するための他の例示的なPCR−qLDRキャリーオーバー防止反応を示す。ゲノムDNAまたはcfDNAを単離し(
図147・工程A)、単離したDNAサンプルをUDGで処理し、サンプル中に存在し得るdU含有核酸分子を分解する(
図147・工程B)。変異選択的上流プライマー、遺伝子座特異的下流プライマー、及びdUTPを含むデオキシヌクレオチド混合物を使用して、対象の領域を選択的に増幅する。この図の工程Bに示すように、上流変異特異的プライマーに3’の切断可能ブロック基(Blk 3’、例えばC3スペーサー)、及び変異特異的RNA塩基(mr)を含めることにより、別の層の選択性を本方法に導入することができる。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)がRNA塩基を取り除き、ポリメラーゼ伸長に好適な3’OH基を遊離させる(
図147・工程B)。RNaseHは、変異DNAに完全にマッチする場合にRNA塩基を優先的に切断するが、野生型DNAにハイブリダイゼーションした場合、RNA塩基を切断する可能性は低い。切断反応が生じると、ポリメラーゼは遊離3’OHを確実に伸長し、標的の変異または野生型塩基をコピーする。したがって、アリル特異的PCRとは対照的に、PCRプライマーは、プライマーにより誘導された変異を増殖しない。代わりに、ハイブリダイゼーション、切断、伸長、及び変性のサイクルを繰り返すことにより塩基をコピーすることにより、このPCRは、各サイクルの増幅中に選択的に、野生型標的よりも変異標的を増幅する。野生型配列を有する任意のプライマーはRNA塩基を欠いてブロックされたままであるため、野生型配列の増幅を更に減らす。本実施形態において、下流遺伝子座特異的プライマーは、ビオチン標識プライマーを使用したユニバーサルPCR増幅により、5’ビオチンを、対象の領域を含有する増幅産物に付加することが可能となる5’プライマー領域(例えばユニバーサルプライマー領域)もまた含有する。(
図146・工程B)。所望により、PCRの前にサンプルの一定量を12、24、48、または96個のウェルに分取する。
図147・工程Dに示すように、ビオチン化PCR産物を固体支持体に固定し、変異特異的ライゲーションプローブを使用して対象の変異を検出する。本実施形態において、変異核酸配列を検出可能な(しかし、野生型配列は検出しない)ライゲーション対のライゲーションプローブは、相補性尾部配列、及びそれぞれ、
図39で上述したように互いに極めて接近した場合に、FRETにより検出可能なシグナルを生成可能なアクセプターまたはドナー基を含有する。この図に示すように、上流ライゲーションプローブに3’切断可能ブロック基(例えばC3スペーサー)、及びRNA塩基(r)を含めることにより、別の層の特異性を本方法に導入することができる。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)はRNA塩基を取り除き、ライゲーション能のある3’OH基を生成する(
図147・工程D)。ライゲーションに続いて(
図147・工程E)、ライゲーション産物の相補性5’及び3’尾部末端は互いにハイブリダイゼーションし、対応するドナー及びアクセプター部位を互いに極めて接近させ、検出可能なFRETシグナルを生成する(
図147・工程F)。
【0091】
図148は、低いレベルの変異を検出するための他の例示的なPCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。ゲノムDNAまたはcfDNAを単離し(
図148・工程A)、単離したDNAサンプルをUDGで処理し、サンプル中に存在し得るdU含有核酸分子を分解する(
図148・工程B)。遺伝子座特異的上流プライマー、遺伝子座特異的下流プライマー、野生型配列を含むブロックLNAまたはPNAプローブ、及びdUTPを含むデオキシヌクレオチド混合物を使用して、対象の領域を選択的に増幅する。本実施形態において、上流プライマーに3’の切断可能ブロック基(Blk 3’、例えばC3スペーサー)、及びRNA塩基(r)を含めることにより、別の層の選択性を本方法に導入することができる。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)が変異の数塩基上流にあるRNA塩基を取り除き、ポリメラーゼ伸長に好適な3’OH基を遊離させる(
図148・工程B)。上流PCRプライマーと部分的にオーバーラップする野生型配列を含むブロックLNAまたはPNAプローブは、上流プライマーよりも野生型配列への結合に優先的に競合するが、変異DNAへの結合にはさほど競合しないため、PCRの各ラウンドの間、野生型DNAの増幅を抑制する。所望により、PCRの前にサンプルの一定量を12、24、48、または96個のウェルに分取する。
図148・工程Cに示すように、増幅産物はdUを含有し、これは、キャリーオーバー防止のための、UDGまたは類似の酵素による後の処理を可能にする。
【0092】
図148・工程Dに示すように、標的特異的オリゴヌクレオチドプローブを増幅産物にハイブリダイゼーションし、リガーゼ(塗りつぶした円)は、相補配列にハイブリダイゼーションした場合に2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合により閉じる。本実施形態において、対象の変異を検出するのに特異的な配列を有する上流オリゴヌクレオチドプローブは、ライゲーション産物の後の検出を容易にする5’プライマー特異的部分(Ai)を更に含有する。ここでもまた、野生型配列を含むブロックLNAまたはPNAプローブの存在が、PCR増幅工程の間に変異配列を濃縮した後で野生型標的配列が存在する場合でも、野生型標的配列へのライゲーションを抑制する。変異及び野生型配列の両方に共通の配列を有する下流オリゴヌクレオチドプローブは、変異を検出するのに特異的な配列を有する上流プローブの5’プライマー特異的部分(Ai)と共に、後の変異ライゲーション産物のみの増幅及び検出を可能にする、3’プライマー特異的部分(Ci’)を含有する。この図の工程Dに示すように、上流ライゲーションプローブに3’の切断可能ブロック基(Blk 3’、例えばC3スペーサー)、及びRNA塩基(r)を含めることにより、別の層の特異性を本方法に導入することができる。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)はRNA塩基を取り除き、ライゲーション能のある3’OH基を生成する(
図148・工程D)。ライゲーションに続いて、マッチするプライマーの対(Ai及びCi)、並びに、
図38で上述したライゲーション接合部にまたがるTaqMan(商標)プローブを使用して(
図148・工程E〜Gを参照)、または、当該技術分野において公知の他の好適な手段を使用して、ライゲーション産物を検出することができる。
【0093】
図149は、低いレベルの変異を検出するための他の例示的なPCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。ゲノムDNAまたはcfDNAを単離し(
図149・工程A)、単離したDNAサンプルをUDGで処理し、サンプル中に存在し得るdU含有核酸分子を分解する(
図149・工程B)。変異の数塩基上流に、3’の切断可能ブロック基(Blk 3’、例えばC3スペーサー)、及びRNA塩基(r)を含む上流遺伝子座特異的プライマーを設計する。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)がRNA塩基を取り除き、ポリメラーゼ伸長に好適な3’OHを遊離させる(
図149・工程B)。上流PCRプライマーと部分的にオーバーラップする野生型配列を含むブロックLNAまたはPNAプローブは、上流プライマーよりも野生型配列への結合に優先的に競合するが、変異DNAへの結合にはさほど競合しないため、PCRの各ラウンドの間、野生型DNAの増幅を抑制する。所望により、PCRの前にサンプルの一定量を12、24、48、または96個のウェルに分取する。
図148・工程Cに示すように、増幅産物はdUを含有し、これは、キャリーオーバー防止のための、UDGまたは類似の酵素による後の処理を可能にする。
【0094】
図149・工程Dに示すように、標的特異的オリゴヌクレオチドプローブを増幅産物にハイブリダイゼーションし、リガーゼ(塗りつぶした円)は、相補配列にハイブリダイゼーションした場合に2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合により閉じる。本実施形態において、対象の変異を検出するのに特異的な配列を有する上流オリゴヌクレオチドプローブは、ライゲーション産物の後の検出を容易にする5’プライマー特異的部分(Ai)を更に含有する。ここでもまた、野生型配列を含むブロックLNAまたはPNAプローブの存在が、PCR増幅工程の間に変異配列を濃縮した後で野生型標的配列が存在する場合でも、野生型標的配列へのライゲーションを抑制する。変異体及び野生型配列の両方に共通の配列を有する下流オリゴヌクレオチドプローブは、変異を検出するのに特異的な配列を有する上流プローブの5’プライマー特異的部分(Ai)と共に、後の変異ライゲーション産物のみの増幅及び検出を可能にする、3’プライマー特異的部分(Bi−Ci’)を含有する。この図の工程Dに示すように、上流ライゲーションプローブに3’の切断可能ブロック基(Blk 3’、例えばC3スペーサー)、及びRNA塩基(r)を含めることにより、別の層の特異性を本方法に導入することができる。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)はRNA塩基を取り除き、ライゲーション能のある3’OH基を生成する(
図149・工程D)。ライゲーションに続いて、UniTaq特異的プライマー(即ち、F1−Bi−Q−Ai、Ci)を使用してライゲーション産物を増幅し、
図44で上述したように検出する(
図149・工程E〜Hを参照)か、または当該技術分野において公知の他の好適な手段を使用して検出する。
【0095】
図150は、低いレベルの変異を検出するための他の例示的なPCR−qLDRキャリーオーバー防止反応を示す。ゲノムDNAまたはcfDNAを単離し(
図150・工程A)、単離したDNAサンプルをUDGで処理し、サンプル中に存在し得るdU含有核酸分子を分解する(
図150・工程B)。変異の数塩基上流に3’の切断可能ブロック基(Blk 3’、例えばC3スペーサー)、及びRNA塩基(r)を含む上流遺伝子座特異的プライマーを設計する。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)がRNA塩基を取り除き、ポリメラーゼ伸長に好適な3’OHを遊離させる(
図150・工程B)。上流PCRプライマーと部分的にオーバーラップする野生型配列を含むブロックLNAまたはPNAプローブは、上流プライマーよりも野生型配列への結合に優先的に競合するが、変異DNAへの結合にはさほど競合しないため、PCRの各ラウンドの間、野生型DNAの増幅を抑制する。本実施形態において、下流遺伝子座特異的プライマーは、ビオチン標識プライマーを使用したユニバーサルPCR増幅により、5’ビオチンを、対象の領域を含有する増幅産物に付加することが可能となる5’プライマー領域(例えばユニバーサルプライマー領域)もまた含有する。(
図150・工程B)。所望により、PCRの前にサンプルの一定量を12、24、48、または96個のウェルに分取する。
図150・工程Dに示すように、ビオチン化PCR産物を固体支持体に固定し、変異特異的ライゲーションプローブを使用して対象の変異を検出する。ここでもまた、野生型配列を含むブロックLNAまたはPNAプローブの存在が、PCR増幅工程の間に変異配列を濃縮した後で野生型標的配列が存在する場合でも、野生型標的配列へのライゲーションを抑制する。本実施形態において、変異核酸配列を検出可能な(しかし、野生型配列は検出しない)ライゲーション対のライゲーションプローブは、相補性尾部配列、及びそれぞれ、
図39で上述したように互いに極めて接近した場合に、FRETにより検出可能なシグナルを生成可能なアクセプターまたはドナー基を含有する。この図に示すように、上流ライゲーションプローブに3’切断可能ブロック基(例えばC3スペーサー)、及びRNA塩基(r)を含めることにより、別の層の特異性を本方法に導入することができる。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)はRNA塩基を取り除き、ライゲーション能のある3’OH基を生成する(
図150・工程D)。ライゲーションに続いて(
図150・工程E)、ライゲーション産物の相補性5’及び3’尾部末端は互いにハイブリダイゼーションし、対応するドナー及びアクセプター部位を互いに極めて接近させ、検出可能なFRETシグナルを生成する(
図150・工程F)。
【0096】
本発明の本態様の別の実施形態において、一次オリゴヌクレオチドプライマーセットの第1の一次オリゴヌクレオチドプライマーは、一次オリゴヌクレオチドプライマーがハイブリダイゼーションする野生型核酸分子のヌクレオチド配列部分と、同一のヌクレオチド配列を有する5’部分を含むが、標的核酸分子内の対応するヌクレオチド配列部分とミスマッチする1つ以上のヌクレオチド配列を有する。
【0097】
本実施形態に従うと、5’ヌクレアーゼ、3’ヌクレアーゼ、及び鎖置換活性を欠くポリメラーゼを提供する。所望により、一次オリゴヌクレオチドプライマーは、PCRのハイブリダイゼーション工程中に切断され、前記伸長処理の前にオリゴヌクレオチドプライマーの遊離3’OH末端を遊離する、切断可能なヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体もまた含有してもよい。ポリメラーゼ連鎖反応混合物を、反応からの伸長生成物が互いに分離される変性処理、第1の一次オリゴヌクレオチドプライマーが、第2の一次オリゴヌクレオチドプライマーから生じる伸長生成物にハイブリダイゼーションするハイブリダイゼーション処理を含む、1回以上の追加のポリメラーゼ連鎖反応サイクルに供す。第2の一次オリゴヌクレオチドから生じる伸長生成物は、伸長生成物中の3’末端と相補配列との間で分子内ループ−ヘアピンを形成することができ、この伸長生成物は、(i)変異標的配列にハイブリダイゼーションした場合、自身の伸長を阻害する、3’末端もしくはその付近のミスマッチを含むか、または、(ii)野生型標的配列にハイブリダイゼーションした場合、自身の伸長を高める、3’末端でのマッチを含む。第2の一次オリゴヌクレオチドプライマーは、第1の一次オリゴヌクレオチドプライマーから生じる伸長生成物にハイブリダイゼーションする。第1の一次プライマーからの伸長生成物は、伸長生成物内の5’部分と相補配列との間に、分子内ループ−ヘアピンを形成する。PCRの伸長工程の間、第1の一次オリゴヌクレオチドプライマーは、(i)変異標的配列を含む伸長生成物にて選択的に伸長することにより、変異標的ヌクレオチド配列もしくはその相補鎖を含む一次伸長生成物を選択的に形成するか、または(ii)前記標的での、以前の自身のハイブリダイゼーション及び自身の伸長により、野生型標的ヌクレオチド配列もしくはその相補鎖を含む一次伸長生成物の形成が阻害される。第2の一次オリゴヌクレオチドプライマーは標的配列に関係なく伸長生成物を伸長し、ここで変異配列は、第1の一次オリゴヌクレオチドプライマーの標的またはそのコピーへのハイブリダイゼーションにより生じる異なる一次伸長生成物により選択的に増幅され、ポリメラーゼ連鎖反応の間に、変異配列伸長生成物及びその相補鎖の濃縮をもたらす。
【0098】
図154及び155は、本発明の本態様の上記実施形態を表す。
図154に示すように、ゲノムDNAまたはcfDNAを単離し(
図154・工程A)、単離したDNAサンプルをUDGで処理し、サンプル中に存在し得るdU含有核酸分子を分解する(
図154・工程B)。伸長生成物がループ−ヘアピンを形成可能となるように、プライマーがハイブリダイゼーションする野生型核酸分子のヌクレオチド配列部分と同じヌクレオチド配列を有する5’部分を含む遺伝子座特異的上流プライマーを使用して、対象の領域を選択的に増幅する。即ち、上流プライマーの5’部分は、アンチセンス野生型DNA鎖内の配列部分と同じ、または、センス野生型DNA鎖内の配列部分に相補的なヌクレオチド配列を含有する。増幅反応は、遺伝子座特異的下流プライマー、及びdUTPを含むデオキシヌクレオチド混合物もまた含有する。この図の工程Bに示すように、上流変異特異的プライマーに3’の切断可能ブロック基(Blk 3’、例えばC3スペーサー)、及びRNA塩基(r)を含めることにより、別の層の選択性を本方法に導入することができる。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)がRNA塩基を取り除き、ポリメラーゼ伸長に好適な3’OH基を遊離させる(
図154・工程B)。所望により、PCRの前にサンプルの一定量を12、24、48、または96個のウェルに分取する。
図154・工程Cに示すように、増幅産物はdUを含有し、これは、キャリーオーバー防止のための、UDGまたは類似の酵素による後の処理を可能にする。5’ヌクレアーゼ、3’ヌクレアーゼ、及び鎖置換活性を欠くポリメラーゼによりPCRを行う。
図154・工程Dは更に、後のPCRのラウンドの間に、(i)変性した野生型ボトム鎖が、ポリメラーゼにより伸長される、3’末端に完全なマッチを有するループ−ヘアピンを形成し、(ii)変性した変異ボトム鎖は、通常ポリメラーゼにより伸長されない、3’末端にて少なくとも1つのミスマッチ塩基を有するループ−ヘアピンを形成し、(iii)変性したトップ鎖は5’側に、72℃でのPCRの伸長工程の間に変性するループ−ヘアピンを形成することを示す。
図154・工程Eは更に、(i)野生型DNAでのループ−ヘアピンの伸長後、伸長したヘアピン配列は72℃では変性せず、上流プライマーが完全長トップ鎖を生成することを防止することを示す。しかし、変異DNA(ii)のループ−ヘアピン配列は3’ミスマッチ塩基により伸長しないため、72℃で変性し、上流プライマーが完全長トップ鎖を生成することを可能にする。同様に、トップ鎖生成物(iii)は72℃で変性し、ポリメラーゼが完全長ボトム鎖を生成することを可能にする。野生型(i)及び変異(ii)鋳型による、上流プライマーのループ−ヘアピン伸長選択性の差は、増幅の各サイクルの間における野生型生成物の選択的除去をもたらすため、変異DNAの選択的増幅をもたらす。ハイブリダイゼーションした際にループ−ヘアピンを伸長する3’末端での変異体と野生型DNAの伸長効率の相違は、上流プライマーの5’部分の末端から2番目または3番目の位置において、野生型DNAに対してミスマッチを含有するように設計することにより、更に高められてもよい。ボトムプライマーからの伸長生成物は、野生型配列にセルフハイブリダイゼーションする場合、3’末端から2番目または3番目の位置において1個だけのミスマッチを生成し、これはポリメラーゼを用いて容易に伸長するが、変異配列にセルフハイブリダイゼーションする場合は、3’末端にて2個のミスマッチを生成し、これはポリメラーゼを用いても伸長しない。
【0099】
図154・工程Gに示すように、標的特異的オリゴヌクレオチドプローブを増幅産物にハイブリダイゼーションし、リガーゼ(塗りつぶした円)は、相補配列にハイブリダイゼーションした場合に2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合により閉じる。本実施形態において、対象の変異を検出するのに特異的な配列を有する上流オリゴヌクレオチドプローブは、ライゲーション産物の後の検出を容易にする5’プライマー特異的部分(Ai)を更に含有する一方、野生型(非変異)核酸配列を検出するのに特異的な配列を有する上流オリゴヌクレオチドプローブは、5’プライマー特異的部分を含有しない。変異体及び野生型配列の両方に共通の配列を有する下流オリゴヌクレオチドプローブは、変異を検出するのに特異的な配列を有する上流プローブの5’プライマー特異的部分(Ai)と共に、後の変異ライゲーション産物のみの増幅及び検出を可能にする3’プライマー特異的部分(Ci’)を含有する。この図の工程Fに示すように、上流ライゲーションプローブに3’の切断可能ブロック基(Blk 3’、例えばC3スペーサー)、及びRNA塩基(r)を含めることにより、別の層の特異性を本方法に導入することができる。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)はRNA塩基を取り除き、ライゲーション能のある3’OH基を生成する(
図154・工程H)。ライゲーションに続いて、マッチするプライマーの対(Ai及びCi)、並びに、
図38に記載するようにライゲーション接合部にまたがるTaqMan(商標)プローブを使用して(
図154・工程H〜Jを参照)、または、当該技術分野において公知の他の好適な手段を使用してライゲーション産物を検出することができる。
【0100】
図155は、変異を検出するための、他の例示的なPCR−LDRキャリーオーバー防止反応を示す。ゲノムDNAまたはcfDNAを単離し(
図155・工程A)、単離したDNAサンプルをUDGで処理し、サンプル中に存在し得るdU含有核酸分子を分解する(
図155・工程B)。(i)伸長後にループ−ヘアピンの形成を可能にするトップ鎖の野生型配列に相補的な5’配列部分もまた含む遺伝子座特異的上流プライマー、(ii)遺伝子座特異的下流プライマー、及び(iii)dUTPを含むデオキシヌクレオチド混合物、を使用して、対象の領域を選択的に増幅する。この図の工程Bに示すように、上流変異特異的プライマーに3’の切断可能ブロック基(Blk 3’、例えばC3スペーサー)、及びRNA塩基(r)を含めることにより、別の層の選択性を本方法に導入することができる。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)がRNA塩基を取り除き、ポリメラーゼ伸長に好適な3’OH基を遊離させる(
図155・工程B)。所望により、PCRの前にサンプルの一定量を12、24、48、または96個のウェルに分取する。
図155・工程Cに示すように、増幅産物はdUを含有し、これは、キャリーオーバー防止のための、UDGまたは類似の酵素による後の処理を可能にする。5’ヌクレアーゼ、3’ヌクレアーゼ、及び鎖置換活性を欠くポリメラーゼによりPCRを行う。
図155・工程Dは更に、後のPCRのラウンドの間に、(i)変性した野生型ボトム鎖が、ポリメラーゼにより伸長される、3’末端に完全なマッチを有するループ−ヘアピンを形成し、(ii)変性した変異ボトム鎖は、通常ポリメラーゼにより伸長されない、3’末端にて少なくとも1つのミスマッチ塩基を有するループ−ヘアピンを形成し、(iii)変性したトップ鎖は5’側に、72℃でのPCRの伸長工程の間に変性するループ−ヘアピンを形成することを示す。
図155・工程Eは更に、野生型DNA(i)でのループ−ヘアピンの伸長後、伸長したヘアピン配列は72℃では変性せず、上流プライマーが完全長トップ鎖を生成することを防止することを示す。しかし、変異DNA(ii)のループ−ヘアピン配列は3’ミスマッチ塩基により伸長しないため、72℃で変性し、上流プライマーが完全長トップ鎖を生成することを可能にする。同様に、トップ鎖生成物(iii)は72℃で変性し、ポリメラーゼが完全長ボトム鎖を生成することを可能にする。野生型(i)及び変異(ii)鋳型による、上流プライマーのループ−ヘアピン伸長選択性の差は、増幅の各サイクルの間における野生型生成物の選択的除去をもたらすため、変異DNAの選択的増幅をもたらす。
【0101】
本実施形態において、下流遺伝子座特異的プライマーは、ビオチン標識プライマーを使用したユニバーサルPCR増幅により、5’ビオチンを、対象の領域を含有する増幅産物に付加することが可能となる5’プライマー領域(例えばユニバーサルプライマー領域)もまた含有する。(
図155・工程B)。ビオチン化PCR産物を固体支持体に固定し、
図155・工程Gに示すように、変異特異的ライゲーションプローブを使用して対象の変異体を検出する。本実施形態において、変異核酸配列を検出可能な(しかし、野生型配列は検出しない)ライゲーション対のライゲーションプローブは、相補性尾部配列、及びそれぞれ、
図39で上述したように互いに極めて接近した場合に、FRETにより検出可能なシグナルを生成可能なアクセプターまたはドナー基を含有する。この図に示すように、上流ライゲーションプローブに3’切断可能ブロック基(例えばC3スペーサー)、及びRNA塩基(r)を含めることにより、別の層の特異性を本方法に導入することができる。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)はRNA塩基を取り除き、ライゲーション能のある3’OH基を生成する(
図155・工程G)。ライゲーションに続いて(
図155・工程H)、ライゲーション産物の相補性5’及び3’尾部末端は互いにハイブリダイゼーションし、対応するドナー及びアクセプター部位を互いに極めて接近させ、検出可能なFRETシグナルを生成する(
図155・工程I)。
【0102】
本発明の方法で用いるライゲーション反応は、当該技術分野において周知である。プローブセットのオリゴヌクレオチドプローブを互いにライゲーションする(所望により、後に続く第1のオリゴヌクレオチドプローブでの3’リボース及びブロック基の切断、または第2のオリゴヌクレオチドプローブで5’フラップを切断する)のに好適なリガーゼとしては、サーマス・アクアティカス(Thermus aquaticus)リガーゼ、大腸菌リガーゼ、T4 DNAリガーゼ、T4 RNAリガーゼ、Taqリガーゼ、9°Nリガーゼ、及びパイロコッカス(Pyrococcus)リガーゼ、または当該技術分野において周知の任意の他の熱安定性リガーゼが挙げられるが、これらに限定されない。本発明に従うと、本発明のヌクレアーゼ−ライゲーションプロセスは、オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ(OLA)反応(Landegren,et al.,”A Ligase−Mediated Gene Detection Technique,”Science 241:1077−80(1988);Landegren,et al.,”DNA Diagnostics −− Molecular Techniques and Automation,”Science 242:229−37(1988);及びU.S.Patent No.4,988,617 (Landegren,et al.)を参照)、相補性オリゴヌクレオチドプローブの1セットを用いるライゲーション検出反応(LDR)(例えば、WO90/17239(Barany et al.)、その全体が参照として本明細書に組み込まれている)、または、相補性オリゴヌクレオチドプローブの2つのセットを利用するライゲーション鎖反応(LCR)(例えば、WO90/1723(Barany et al.)、その全体が参照として本明細書に組み込まれている)を用いることにより実施することができる。
【0103】
プローブセットのオリゴヌクレオチドプローブは、リボヌクレオチド、デオキシヌクレオチド、修飾リボヌクレオチド、修飾デオキシリボヌクレオチド、ペプチドヌクレオチド類似体、修飾ペプチドヌクレオチド類似体、修飾リン酸−糖骨格オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、及びこれらの組み合わせの形態とすることができる。
【0104】
熱ハイブリダイゼーション処理が好ましい、リガーゼ検出反応におけるハイブリダイゼーション工程は、ライゲーション接合部における識別ヌクレオチドに基づき、ヌクレオチド配列を識別する。標的ヌクレオチド配列の違いは、例えば、単一の核酸塩基の違い、核酸の欠失、核酸の挿入、または再配列とすることができる。2つ以上の塩基が関係するかかる配列の違いもまた検出可能である。オリゴヌクレオチドプローブセットは実質的に同一の長さを有し、実質的に類似したハイブリダイゼーション条件にて標的ヌクレオチド配列にハイブリダイゼーションすることが好ましい。
【0105】
種々のプローブ設計の特徴を用いることにより、リガーゼの識別を更に高めることができる。例えば、意図したミスマッチまたはヌクレオチド類似体(例えばイノシン、ニトロインドール、またはニトロピロール)を、3’接合部末端から2番目または3番目の塩基にて第1のオリゴヌクレオチドプローブに組み込むことで、3’末端で完全にマッチする場合、3’末端のハイブリダイゼーションをわずかに不安定化させるが、3’末端にてミスマッチする場合、3’末端のハイブリダイゼーションを著しく不安定化させることが可能となる。この設計により、変異プローブが野生型標的にハイブリダイゼーションした場合の不適切なミスライゲーションが減少する。あるいは、RNaseにより切断されるRNA塩基をオリゴヌクレオチドプローブに導入して、鋳型依存性の生成物形成を確実に行うことができる。例えば、Dobosy et.al.“RNase H−Dependent PCR(rhPCR):Improved Specificity and Single Nucleotide Polymorphism Detection Using Blocked Cleavable Primers,”BMC Biotechnology 11(80):1011(2011)(その全体が参照として本明細書に組み込まれている)は、3’ブロック末端を有するオリゴヌクレオチドプローブの、3’末端の近くでRNA塩基を用い、3’末端をRNase H2で切断して、PCRで伸長可能及びライゲーション可能な3’−OHを生成することについて記載している。5’−RNA塩基をライゲーション可能なリガーゼを用いた場合、本アプローチを使用して、ライゲーション能のある3’OHもしくは5’−Pのいずれか、または両方を生成することができる。
【0106】
他の可能な修飾としては、非塩基部位、例えば内部非塩基フランまたはオキソ−Gが挙げられる。これらの異常な「塩基」は特異的酵素により取り除かれ、ライゲーション能のある3’−OHまたは5’P部位を生成する。エンドヌクレアーゼIV、Tth EndoIV(NEB)は、一本鎖DNAからではなく、ライゲーションオリゴヌクレオチドが標的核酸にアニーリングした後で、非塩基性残基を取り除く。同様に、オキソ−Gと共にFpgを、またはイノシン/ウラシルと共にエンドVを、またはチミングリコールと共にエンドVIIIを使用することができる。
【0107】
WO2013/123220(Barany et al.)(その全体が参照として本明細書に組み込まれている)に記載されている、連結したヌクレアーゼ−リガーゼ反応を用いることによってもまた、ライゲーションの識別は高めることができる。本実施形態において、第1のオリゴヌクレオチドプローブは、ライゲーション能のある3’OH基を有する一方、第2のオリゴヌクレオチドプローブは、ライゲーション能のない5’末端を有する(即ち、5’リン酸基を有しないオリゴヌクレオチドプローブ)。プローブセットのオリゴヌクレオチドプローブは、第1のオリゴヌクレオチドプローブの最も3’側の塩基が、すぐ隣にある、標的核酸分子に相補的な第2のオリゴヌクレオチドプローブの最も5’側の塩基とオーバーラップするように設計される。オーバーラップするヌクレオチドは、「フラップ」と呼ばれる。第2のオリゴヌクレオチドプローブのオーバーラップするフラップヌクレオチドが、標的核酸分子配列に相補的であり、かつ第1のオリゴヌクレオチドプローブ末端3’ヌクレオチドと同じ配列である場合、第2のオリゴヌクレオチドプローブのフラップヌクレオチドのすぐ上流のホスホジエステル結合は、フラップエンドヌクレアーゼ(FEN)または5’ヌクレアーゼ活性を有する酵素により識別されて切断される。この特異的FEN活性は、第1のオリゴヌクレオチドプローブの隣接3’OHの傍らに正確に配置された、第2のオリゴヌクレオチドプローブ上の新規のライゲーション能のある5’リン酸基末端を作製し、2つのプローブのライゲーションの発生を可能にする。本実施形態に従うと、ライゲーションの前に、第2のオリゴヌクレオチドプローブの5’フラップを切断するのに好適なフラップエンドヌクレアーゼまたは5’ヌクレアーゼとしては、5’ヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ、例えば大腸菌DNAポリメラーゼ、並びにTaq、及びT・サーモフィラス(T.thermophilus)、並びにT4RNaseH及びTaqExoからのポリメラーゼが挙げられるが、これらに限定されない。
【0108】
挿入または欠失に関して、第1のオリゴヌクレオチドプローブの接合部から2番目または3番目の位置に、マッチする塩基またはヌクレオチド類似体(例えば−アミノ−dA、または5−プロピニル−dC)を組み込むことにより安定性が改善され、そしてまたフレームシフトのような変異を野生型配列から識別することが改善される。挿入に関して、第2のオリゴヌクレオチドプローブの、所望の切断可能なリン酸結合の下流に1つ以上のチオリン酸基修飾ヌクレオチドを用いることにより、プローブが野生型DNAにハイブリダイゼーションする際に、5’ヌクレアーゼ酵素による不適切な切断が防止されるため、野生型標的での偽陽性ライゲーションが減少する。同様に、欠失に関して、第2のオリゴヌクレオチドプローブの、所望の切断可能なリン酸結合の上流に1つ以上のチオリン酸基修飾ヌクレオチドを用いることにより、プローブが野生型DNAにハイブリダイゼーションする際に、5’ヌクレアーゼ酵素による不適切な切断が防止されるため、野生型標的での偽陽性ライゲーションが減少する。
【0109】
本発明の方法を利用して、サンプル中の他の核酸配列とは1つ以上のメチル化残基が異なる、1つ以上の標的核酸配列を識別することもできる。本発明の本態様に従うと、本方法は、サンプルを、少なくとも第1のメチル化感受性酵素と接触させて、ポリメラーゼ連鎖反応混合物の形成前に制限酵素反応混合物を形成することを更に含む。本発明の本態様に従うと、第1の一次オリゴヌクレオチドプライマーは、1つ以上のメチル化残基の上流にある標的ヌクレオチド配列の領域に相補的なヌクレオチド配列を含み、第2の一次オリゴヌクレオチドプライマーは、1つ以上のメチル化残基の下流にある標的ヌクレオチド配列の領域と同一のヌクレオチド配列を含む。
【0110】
第1のメチル化感受性酵素は、少なくとも1つのメチル化感受性酵素認識配列内に1つ以上の非メチル化残基を含有するサンプル中の核酸分子を切断する。本実施形態に従うと、検出方法は、標的ヌクレオチド配列を含有する1つ以上の核酸分子の検出を伴い、ここでこの核酸分子は元々、1つ以上のメチル化残基を含んでいたものである。
【0111】
本発明の本態様、及び全ての態様に従うと、「メチル化感受性酵素」は、認識配列がメチル化残基を含有する場合に、核酸分子内の同種の認識配列を切断しない、または切断効率が低下する(即ち、認識配列内でのメチル化残基の存在に対して感受性がある)エンドヌクレアーゼである。「メチル化感受性酵素認識配列」は、メチル化感受性酵素に対する同種の認識配列である。いくつかの実施形態において、メチル化残基は、配列CpG内の5−メチル−C(即ち、5−メチル−CpG)である。本発明の方法での使用に適する、メチル化感受性制限エンドヌクレアーゼ酵素の非限定的一覧としては、AciI、HinP1I、Hpy99I、HpyCH4IV、BstUI、HpaII、HhaI、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0112】
本発明の方法は、ポリメラーゼ連鎖反応混合物の形成前に、非メチル化シトシン残基をウラシル残基に転換するのに好適な条件下において、制限酵素反応混合物を亜硫酸水素塩処理に供すことを更に含んでよい。本実施形態において、一次オリゴヌクレオチドプライマーセットの第1の一次オリゴヌクレオチドプライマーは、メチル化されており、制限酵素で切断されない部位を1つ以上含有する、亜硫酸水素塩処理した標的ヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を含み、提供する一次オリゴヌクレオチドプライマーセットの第2の一次オリゴヌクレオチドプライマーは、第1のオリゴヌクレオチドプライマーから形成された伸長生成物の一部に相補的なヌクレオチド配列を含む。
【0113】
本発明の方法は更に、メチル化感受性酵素認識配列内に非メチル化残基を含有する核酸分子を切断する、1つ以上の第2のメチル化感受性酵素を提供することを伴ってもよい。少なくとも1つの第2のメチル化感受性酵素を、亜硫酸水素塩で処理した制限酵素反応混合物を含むポリメラーゼ連鎖反応混合物と混和して第2の制限酵素反応混合物を形成する。ここで、第2のメチル化感受性酵素は、前記ハイブリダイゼーション処理の間に、少なくとも1つのメチル化感受性酵素認識配列内に1つ以上の非メチル化残基を含有するサンプル内に潜在的に存在する核酸分子を切断する。
【0114】
本発明の本態様の一実施形態では、一次オリゴヌクレオチドプライマーセットの一方または両方の一次オリゴヌクレオチドプライマーは、前記プライマーまたは複数のプライマーの3’末端がポリメラーゼ伸長に不適となるように、切断可能なヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を有する3’部分、及びブロック基を有する。本実施形態に従うと、本方法は更に、ハイブリダイゼーション処理の間に、一方または両方のオリゴヌクレオチドプライマーの切断可能なヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を切断することにより、前記伸長処理の前に、一方または両方のオリゴヌクレオチドプライマー上で遊離3’OH末端を遊離させることを含む。
【0115】
本発明の本態様の一実施形態では、本方法は更に、非メチル化残基を含有する亜硫酸水素塩処理した標的の領域にハイブリダイゼーション可能な1つ以上のブロックオリゴヌクレオチドを提供することを含む。亜硫酸水素塩で処理した制限酵素反応混合物を含むポリメラーゼ連鎖反応混合物を、混合物を1回以上のポリメラーゼ連鎖反応サイクルに供す前に、1つ以上のブロックオリゴヌクレオチドと接触させる。1つ以上のブロックオリゴヌクレオチドは、前記ハイブリダイゼーション処理の間に相補性標的核酸配列にハイブリダイゼーションし、前記伸長処理の間に一次オリゴヌクレオチドプライマーを妨害する。
【0116】
図45〜53は、1つ以上のメチル化残基を含有する標的核酸分子を検出するための、本発明の方法の種々の実施形態を示す。
【0117】
図45に示すPCR−LDR−qPCR反応の第1工程は、ゲノムDNAまたはcfDNAの単離を含む。所望により、メチル化特異的抗体を使用してメチル化DNAを濃縮することができる。次に、サンプルをメチル感受性制限エンドヌクレアーゼ、例えばBsh1236I(CG^CG)、及び/またはHinP1I(G^CGC)、並びにUNGで処理し(37℃、30〜60分)、非メチル化DNAを完全に分解してキャリーオーバーを防止する(
図45・工程A)。
図45・工程Bに示すように、dUTPの存在下において、遺伝子座特異的プライマーを使用したPCRを使用して、対象のメチル化領域を増幅する。一実施形態では、サイクルを制限した増幅(12〜20サイクル)を実施し、作製される異なる単位複製配列の相対比率を維持する。別の実施形態では、対象領域は、20〜40サイクルを使用して増幅される。PCR産物はdUを組み込み、キャリーオーバー防止を可能とし(
図45・工程C)、生成物はメチル基を欠き、更なる保護をもたらす。
図45・工程Dに示すように、メチル領域特異的ライゲーションオリゴヌクレオチドプローブは、タグプライマーAi及びCi’の対、並びにTaqMan(商標)プローブを使用した、後のPCR増幅に好適なタグプライマー特異的部分(Ai、Ci’)を含有する。
【0118】
ライゲーション反応に続いて、ライゲーション産物を含有するサンプルの一定量を、検出のため個別のウェルに分取する。UDGによる処理で元の標的単位複製配列が破壊され(
図45・工程E)、本物のLDR産物のみが増幅され検出されることが可能となる。上述した従来のTaqMan(商標)検出アッセイ(
図45・工程E〜F)を使用して、本実施形態においてライゲーション産物を検出する。
【0119】
図46は、メチル化を検出するための、別の例示的なPCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。本実施形態において、ゲノムDNAまたはcfDNAを単離し、メチル感受性制限エンドヌクレアーゼ、例えばBsh1236I(CG^CG)及び/またはHinP1I(G^CGC)、並びにUNGで処理し(37℃、30〜60分)、非メチル化DNAを完全に分解してキャリーオーバーを防止する(
図46・工程A)。
図46・工程Bに示すように、dUTPの存在下において、遺伝子座特異的プライマーを使用したPCRを使用して、対象のメチル化領域を増幅する。一実施形態では、サイクルを制限した増幅(12〜20サイクル)を実施し、作製される異なる単位複製配列の相対比率を維持する。別の実施形態では、対象領域は、20〜40サイクルを使用して増幅される。プライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部を含有する。PCR産物はdUを含有し、キャリーオーバー防止を可能にする(
図46・工程C)。
【0120】
本実施形態で利用したオリゴヌクレオチドプローブは、UniTaqプライマー及びタグ配列を含有し、上述したUniTaq検出を容易にするように設計する。したがって、ライゲーション反応、及びキャリーオーバー防止のためのUDGによる処理に続いて、
図46・工程E及びFに示すように、UniTaq特異的プライマー(即ちF1−Bi−Q−Ai、Ci)を使用してライゲーション産物を増幅し、増幅産物を、
図46・工程Gに示し、かつ上述したように検出する。
【0121】
図47は、メチル化を検出するための、別の例示的なPCR−qLDRキャリーオーバー防止反応を示す。本実施形態において、ゲノムDNAまたはcfDNAを単離し、メチル感受性制限エンドヌクレアーゼ、例えばBsh1236I(CG^CG)及び/またはHinP1I(G^CGC)、並びにUNGで処理し(37℃、30〜60分)、非メチル化DNAを完全に分解してキャリーオーバーを防止する(
図47・工程A)。
図47・工程Bに示すように、dUTPの存在下において、遺伝子座特異的プライマーを使用したPCRを使用して、対象のメチル化領域を増幅する。本実施形態において、遺伝子座特異的プライマーは5’プライマー領域(例えばユニバーサルプライマー領域)もまた含有し、この領域は、ビオチン標識プライマーを使用して、後のユニバーサルPCR増幅により、5’ビオチンを、対象の領域を含有する増幅産物に付加することを可能にする(
図47・工程B)。
図47・工程Dに示すように、ビオチン化PCR産物を固体支持体に固定し、変異特異的ライゲーションプローブを使用して対象の変異を検出する。本実施形態に従うと、ライゲーション用のオリゴヌクレオチドプローブは、相補性尾部配列、及びそれぞれ、
図39で上述したように互いに極めて接近した場合に、FRETにより検出可能なシグナルを生成可能なアクセプターまたはドナー基を含有する。ライゲーションに続いて(
図47・工程D)、ライゲーション産物の相補性5’及び3’尾部末端は互いにハイブリダイゼーションし、対応するドナー及びアクセプター部位を互いに極めて接近させ、検出可能なFRETシグナルを生成する(
図47・工程E)。
【0122】
図48は、メチル化を検出するためのヌクレアーゼ−ライゲーション−PCR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。本実施形態において、ゲノムDNAまたはcfDNAを単離し、HaeIII(GG^CC)、メチル感受性制限エンドヌクレアーゼ、例えばBsh1236I(CG^CG)及び/またはHinP1I(G^CGC)、並びにUNGで処理し(37℃、30〜60分)、非メチル化DNAを完全に分解してキャリーオーバーを防止する(
図48・工程A)。
図48・工程Bに示すように、タグ配列(Ai’)を含有する、ヘアピン形成したオリゴヌクレオチドを、サンプル鋳型鎖内で分解された標的DNAの、新しく遊離したリン酸基にライゲーションする。
図48・工程Cに示すように、HinP1I及びBsh1236Iにより、サンプルを37℃で処理する。次に、メチル感受性制限酵素を熱失活させる一方、Ciタグ配列を含有する遺伝子座特異的プライマーを使用した後のPCR増幅用のTaqポリメラーゼを活性化させる。上述のとおり、プライマーは、プライマーが相補性標的配列に結合した場合にのみ、RNaseH2(星印)処理により増幅の前に取り除かれる切断可能なブロック基(例えばC3スペーサー)、及びRNA塩基(r)を含有することができる。アンブロックしたプライマーをポリメラーゼで伸長し、ポリメラーゼの5’ヌクレアーゼ活性が、ライゲーションしたヘアピンの5’部分を分解して、Ci及びAi’配列を含有する標的に相補的な生成物を生成する。ライゲーションしなかったヘアピン形成したオリゴヌクレオチドは、それ自身を伸長させる。
【0123】
図48・工程Dに示すように、タグプライマーAi及びCiと共にdUTPを含むPCRを用いて、対象のメチル含有領域を増幅する。サイクルを制限した増幅(12〜20回)を実施し、異なる単位複製配列の相対比率を維持する。PCR産物はdUを組み込み、キャリーオーバー防止を可能にし(
図48・工程E)、そしてまた生成物はメチル基を欠き、更なる保護をもたらす。遺伝子座特異的プライマー、及びTaqMan(商標)プローブを用いた上述したTaqMan(商標)検出のために、増幅産物の一定量を個別のウェルに分取する。
【0124】
図49は、メチル化を検出するためのヌクレアーゼ−ライゲーション−PCR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。元々メチル化されていた対象の残基とdUを含有するPCR産物を、工程A〜Dに示した通り、及び
図48に関して上述したとおりに生成する。本実施形態において、UniTaqプライマー及びタグ配列を用いる後の増幅を使用して、対象のメチル化残基を検出する。
図49の工程Eに示すように、キャリーオーバー防止のためのdUを含有するPCR産物の一定量を個別のウェルに分取し、尾部にAj、及びBj−Cjを有する遺伝子座特異的プライマー、並びにUniTaq特異的プライマー(F1−Bj−Q−Aj、及びCj)を使用して増幅する。得られる二本鎖DNA産物を
図49・工程Fに示す。
図49・工程Gに示すように、変性工程の後、温度を下げて、BjとBj’との間でのヘアピン形成を可能にする。Taqポリメラーゼ(塗りつぶした菱形)の5’→3’ヌクレアーゼ活性はプライマーCiを伸長し、蛍光性基を遊離してシグナルを生成する。
【0125】
図50は、メチル化を検出するためのPCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。本実施形態において、ゲノムDNAまたはcfDNAを単離し、メチル感受性制限エンドヌクレアーゼ、例えばBsh1236I(CG^CG)、及びUNGで処理し(37℃、30〜60分)、非メチル化DNAを完全に分解してキャリーオーバーを防止する(
図50・工程A)。分解したDNAを亜硫酸水素塩で処理して、非メチル化dC残基をウラシル(dU)に転換することにより、二本鎖DNAを非相補性にする。
図50Bに示すように、BstU1(CG^CG)(塗りつぶした三角形)の存在下にて遺伝子座特異的プライマーをハイブリダイゼーションし、これにより、非メチル化残基を含有するキャリーオーバーDNAを切断する。遺伝子座特異的プライマーは、非標的特異的伸長を防止するために、3’末端に切断可能なブロック基を含有する。相補性標的配列にハイブリダイゼーションすると、ブロック基(C3スペーサー)、及びRNA塩基を、RNaseH2(星印)で取り除く。dUTPの存在下でPCRを使用して、対象のメチル含有領域を増幅する。サイクルを制限した増幅(12〜20回)を実施し、異なる単位複製配列の相対比率を維持し、所望により、分解したサンプルの一定量を、PCRの前に12、24、48、または96個のウェルに分取する。本実施形態で示すように、ブロックオリゴヌクレオチド(太い黒棒)を使用して、野生型DNAの増幅を制限してもよい。
【0126】
図50・工程Cに示すように、増幅産物はdUを含有してメチル基を欠き、キャリーオーバー防止を可能にする。
図50・工程Dに示すように、後のPCR増幅に好適なプライマー特異的配列(Ai、Ci’)を含有するメチル領域特異的ライゲーションオリゴヌクレオチドプローブを、対象の標的領域にハイブリダイゼーションする。リガーゼ(塗りつぶした円)は、2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合で閉じ、上流及び下流プライマー特異的部分、並びに、対象のメチル化領域に対応する部分を含有するライゲーション産物を形成する。
図50・工程E〜Fに示すように、マッチするプライマーの対(Ai及びCi)、並びに、ライゲーション接合部にまたがるTaqMan(商標)プローブを使用した検出のための個別のウェルに、ライゲーション産物の一定量を分取する。 キャリーオーバー防止、及び、元の標的単位複製配列の除去のために、サンプル混合物をUDGで処理する(
図50・工程E)ことで、本物のLDR産物のみが増幅して検出される。
【0127】
図51は、メチル化を検出するための別のPCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。図示している工程A〜Cに従い、かつ、
図50で上述のとおりに、元々メチル化されていた対象の残基とdUを含有するPCR産物を生成する。本実施形態において、メチル領域特異的ライゲーションオリゴヌクレオチドは、後のPCR増幅検出用のUniTaq検出プライマー特異的配列(Ai及びCi’)、並びにタグ配列(Bi’)を含有する。上述したUniTaq特異的プライマー(F1−Bi−Q−Ai、Ci)を使用して、ライゲーション産物を増幅して検出する(
図51・工程E〜G)。
【0128】
図52は、メチル化を検出するための別のPCR−qLDRキャリーオーバー防止反応を示す。
図50及び51に示す実施形態と同様に、ゲノムDNAまたはcfDNAを単離し、メチル感受性制限エンドヌクレアーゼ、例えばBsh1236I(CG^CG)、及びUNGで処理し(37℃、30〜60分)、非メチル化DNAを完全に分解してキャリーオーバーを防止する(
図52・工程A)。分解したDNAを亜硫酸水素塩で処理して、非メチル化残基をウラシルに転換することにより、二本鎖DNAを非相補性にする。
図52Bに示すように、3’の切断可能ブロック基を含有する遺伝子座特異的プライマーを、BstU1(CG^CG)(塗りつぶした三角形)の存在下にてハイブリダイゼーションし、これにより、非メチル化残基を含有するキャリーオーバーDNAを切断する。プライマーが相補性標的配列にハイブリダイゼーションすると、ブロック基を取り除き、dUTPの存在下にてPCRを使用して、対象のメチル含有領域を増幅する。本実施形態において、遺伝子座特異的プライマーは(プライマー二量体を防止するための同一の8〜11個の塩基を有する)ユニバーサル尾部を含有し、このユニバーサル尾部は、後のユニバーサルプライマー増幅により5’ビオチン基を付加することを可能にする。増幅の間にブロックオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、野生型単位複製配列の形成を制限してもよい。
【0129】
5’ビオチン基を介して、増幅産物を固体支持体で捕捉する(
図52・工程C)。
図52Dに示すように、メチル領域特異的ライゲーションオリゴヌクレオチドプローブを使用してライゲーション産物を形成し、ここで下流プローブは、5’アクセプター基、及び、上流ライゲーションプローブの3’配列尾部に相補的な配列尾部を含有する。上流ライゲーションプローブは、ライゲーション産物の形成の際に、生成物の5’及び3’相補領域がハイブリダイゼーションして、アクセプター及びドナー基を互いに極めて接近させ、対象のメチル化残基の検出のためのFRETシグナルを生成するように、3’ドナー基もまた含有する(
図52・工程E)。
【0130】
図151は、低レベルの標的メチル化を検出するための、別の例示的なPCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。ゲノムDNAまたはcfDNAを単離し(
図151・工程A)、単離したDNAサンプルをメチル感受性制限エンドヌクレアーゼ、例えばBsh1236I(CG^CG)、及びUNGで処理し、非メチル化DNAを完全に分解してキャリーオーバーを防止する(
図151・工程A)。分解したDNAを亜硫酸水素塩で処理して、非メチル化残基をウラシルに転換することにより、二本鎖DNAを非相補性にする。遺伝子座特異的上流プライマー、遺伝子座特異的下流プライマー、亜硫酸水素塩により転換された非メチル化配列またはその相補鎖を含むブロックLNAまたはPNAプローブ、及びdUTPを含むデオキシヌクレオチド混合物を使用して、対象の領域を選択的に増幅する。本実施形態において、上流プライマー及び下流プライマーに、3’の切断可能ブロック基(Blk 3’、例えばC3スペーサー)、及びRNA塩基(r)を含めることにより、別の層の選択性を本方法に導入することができる。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)がメチル化部位の数塩基上流にある上流プライマーのRNA塩基を取り除いて、ポリメラーゼ伸長に適している3’OH基を遊離させる(
図151・工程B)。上流PCRプライマーと部分的にオーバーラップする、亜硫酸水素塩により転換された非メチル化配列(またはその相補鎖)を含むブロックLNAまたはPNAプローブは、上流プライマー、及び、亜硫酸水素塩により転換されたメチル化配列DNAよりも、亜硫酸水素塩により転換された非メチル化配列への結合に優先的に競合するため、PCRの各ラウンド中における、亜硫酸水素塩により転換された非メチル化配列DNAの増幅を抑制する。所望により、PCRの前にサンプルの一定量を12、24、48、または96個のウェルに分取する。
図151・工程Cに示すように、増幅産物はdUを含有し、これは、キャリーオーバー防止のための、UDGまたは類似の酵素による後の処理を可能にする。
【0131】
図151・工程Dに示すように、標的特異的オリゴヌクレオチドプローブを増幅産物にハイブリダイゼーションし、リガーゼ(塗りつぶした円)は、相補配列にハイブリダイゼーションした場合に2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合により閉じる。本実施形態において、亜硫酸水素塩により転換された対象のメチル化標的配列を検出するのに特異的な配列を有する上流オリゴヌクレオチドプローブは、ライゲーション産物の後の検出を容易にする5’プライマー特異的部分(Ai)を更に含有する。ここでもまた、PCR増幅工程の間に亜硫酸水素塩により転換されたメチル化標的配列が濃縮された後も、亜硫酸水素塩により転換された非メチル化標的配列が存在した場合でも、それへの上流ライゲーションプローブのハイブリダイゼーションは、亜硫酸水素塩により転換された非メチル化配列(またはその相補鎖)を含むブロックLNAまたはPNAプローブの存在により抑制される。亜硫酸水素塩により転換された非メチル化、及びメチル化標的配列の両方に共通の配列を有する下流オリゴヌクレオチドプローブは、亜硫酸水素塩により転換されたメチル化標的配列を検出するのに特異的な配列を有する上流プローブの5’プライマー特異的部分(Ai)と共に、3’プライマー特異的部分(Ci’)を含有する。上流及び下流オリゴヌクレオチドプローブのライゲーションにより、亜硫酸水素塩により転換されたメチル化標的配列ライゲーション産物のみの、後の増幅及び検出が可能となる。この図の工程Dに示すように、上流ライゲーションプローブに3’の切断可能ブロック基(Blk 3’、例えばC3スペーサー)、及びRNA塩基(r)を含めることにより、別の層の特異性を本方法に導入することができる。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)はRNA塩基を取り除き、ライゲーション能のある3’OH基を生成する(
図151・工程D)。ライゲーションに続いて、マッチするプライマーの対(Ai及びCi)、並びに、
図38で上述したライゲーション接合部にまたがるTaqMan(商標)プローブを使用して(
図151・工程E〜Gを参照)、または、当該技術分野において公知の他の好適な手段を使用して、ライゲーション産物を検出することができる。
【0132】
図152は、低レベルの標的メチル化を検出するための、別の例示的なPCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。ゲノムDNAまたはcfDNAを単離し(
図152・工程A)、単離したDNAサンプルをメチル感受性制限エンドヌクレアーゼ、例えばBsh1236I(CG^CG)、及びUNGで処理し、非メチル化DNAを完全に分解してキャリーオーバーを防止する(
図152・工程A)。分解したDNAを亜硫酸水素塩で処理して、非メチル化残基をウラシルに転換することにより、二本鎖DNAを非相補性にする。3’の切断可能ブロック基(Blk 3’、例えばC3スペーサー)、及びRNA塩基(r)を含むように、上流及び下流遺伝子座特異的プライマーを設計する。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)はRNA塩基を取り除いて3’OHを遊離し、RNaseHはポリメラーゼ伸長に好適である(
図152・工程B)。上流PCRプライマーと部分的にオーバーラップする、亜硫酸水素塩により転換された非メチル化配列(またはその相補鎖)を含むブロックLNAまたはPNAプローブは、上流プライマー、及び亜硫酸水素塩により転換されたメチル化標的配列よりも、亜硫酸水素塩により転換された非メチル化標的配列への結合に優先的に競合するため、PCRの各ラウンド中の、亜硫酸水素塩により転換された非メチル化標的配列の増幅を抑制する。所望により、PCRの前にサンプルの一定量を12、24、48、または96個のウェルに分取する。
図152・工程Cに示すように、増幅産物はdUを含有し、これは、キャリーオーバー防止のための、UDGまたは類似の酵素による後の処理を可能にする。
【0133】
図152・工程Dに示すように、標的特異的オリゴヌクレオチドプローブを増幅産物にハイブリダイゼーションし、リガーゼ(塗りつぶした円)は、相補配列にハイブリダイゼーションした場合に2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合により閉じる。ここでもまた、PCR増幅工程の間に亜硫酸水素塩により転換されたメチル化標的配列が濃縮された後も、亜硫酸水素塩により転換された非メチル化標的配列が存在した場合でも、それへのライゲーションは、亜硫酸水素塩により転換された非メチル化配列(またはその相補鎖)を含むブロックLNAまたはPNAプローブの存在により抑制される。本実施形態において、亜硫酸水素塩により転換された対象のメチル化標的配列を検出するのに特異的な配列を有する上流オリゴヌクレオチドプローブは、ライゲーション産物の後の検出を容易にする5’プライマー特異的部分(Ai)を更に含有する。亜硫酸水素塩により転換された非メチル化、及びメチル化標的配列の両方に共通の配列を有する下流オリゴヌクレオチドプローブは、亜硫酸水素塩により転換されたメチル化標的配列を検出するのに特異的な配列を有する上流プローブの5’プライマー特異的部分(Ai)と共に、亜硫酸水素塩により転換されたメチル化標的配列のみの、後の増幅及び検出を可能にする、3’プライマー特異的部分(Bi’−Ci’)を含有する。この図の工程Dに示すように、上流ライゲーションプローブに3’の切断可能ブロック基(Blk 3’、例えばC3スペーサー)、及びRNA塩基(r)を含めることにより、別の層の特異性を本方法に導入することができる。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)はRNA塩基を取り除き、ライゲーション能のある3’OH基を生成する(
図152・工程D)。ライゲーションに続いて、UniTaq特異的プライマー(即ち、F1−Bi−Q−Ai、Ci)を使用してライゲーション産物を増幅し、
図44で上述したように検出する(
図152・工程E〜Hを参照)か、または当該技術分野において公知の他の好適な手段を使用して検出する。
【0134】
図153は、低レベルの標的メチル化を検出するための、別の例示的なPCR−qLDRキャリーオーバー防止反応を示す。ゲノムDNAまたはcfDNAを単離し(
図153・工程A)、単離したDNAサンプルをメチル感受性制限エンドヌクレアーゼ、例えばBsh1236I(CG^CG)、及びUNGで処理し、非メチル化DNAを完全に分解してキャリーオーバーを防止する(
図153・工程A)。分解したDNAを亜硫酸水素塩で処理して、非メチル化残基をウラシルに転換することにより、二本鎖DNAを非相補性にする。3’の切断可能ブロック基(Blk 3’、例えばC3スペーサー)、及びRNA塩基(r)を含むように、上流及び下流遺伝子座特異的プライマーを設計する。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)はRNA塩基を取り除いてポリメラーゼ伸長に好適である3’OHを遊離させる(
図153・工程B)。上流PCRプライマーと部分的にオーバーラップする、亜硫酸水素塩により転換された非メチル化配列(またはその相補鎖)を含むブロックLNAまたはPNAプローブは、上流プライマー、及び亜硫酸水素塩により転換されたメチル化標的配列よりも、亜硫酸水素塩により転換された非メチル化標的配列への結合に優先的に競合するため、PCRの各ラウンド中の、亜硫酸水素塩により転換された非メチル化標的配列の増幅を抑制する。本実施形態において、下流遺伝子座特異的プライマーは、ビオチン標識プライマーを使用したユニバーサルPCR増幅により、5’ビオチンを、対象の領域を含有する増幅産物に付加することが可能となる5’プライマー領域(例えばユニバーサルプライマー領域)もまた含有する。(
図153・工程B)。所望により、PCRの前にサンプルの一定量を12、24、48、または96個のウェルに分取する。
図153・工程Cに示すように、増幅産物はdUを含有し、これは、キャリーオーバー防止のための、UDGまたは類似の酵素による後の処理を可能にする。
図153・工程Dに示すように、ビオチン化PCR産物を固体支持体に固定し、亜硫酸水素塩により転換されたメチル化標的配列特異的ライゲーションプローブを使用して、亜硫酸水素塩により転換されたメチル化標的配列を検出する。ここでもまた、PCR増幅工程の間に亜硫酸水素塩により転換されたメチル化標的配列が濃縮された後も、亜硫酸水素塩により転換された非メチル化標的配列が存在した場合でも、それへのライゲーションは、亜硫酸水素塩により転換された非メチル化配列(またはその相補鎖)を含むブロックLNAまたはPNAプローブの存在により抑制される。本実施形態において、亜硫酸水素塩により転換されたメチル化標的配列核酸配列を検出可能な(しかし、亜硫酸水素塩により転換された非メチル化標的配列は検出しない)ライゲーション対のライゲーションプローブは、
図39で上述のように、相補性尾部配列、及びそれぞれ、互いに極めて接近した場合に、FRETにより検出可能なシグナルを生成可能なアクセプターまたはドナー基を含有する。この図に示すように、上流ライゲーションプローブに3’切断可能ブロック基(例えばC3スペーサー)、及びRNA塩基(r)を含めることにより、別の層の特異性を本方法に導入することができる。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)はRNA塩基を取り除き、ライゲーション能のある3’OH基を生成する(
図153・工程D)。ライゲーションに続いて(
図153・工程E)、ライゲーション産物の相補性5’及び3’尾部末端は互いにハイブリダイゼーションし、対応するドナー及びアクセプター部位を互いに極めて接近させ、検出可能なFRETシグナルを生成する(
図153・工程F)。
【0135】
本発明の本態様の別の実施形態において、一次オリゴヌクレオチドプライマーセットの第1の一次オリゴヌクレオチドプライマーは、一次オリゴヌクレオチドプライマーがハイブリダイゼーションする、亜硫酸水素塩で処理した非メチル化標的配列内のヌクレオチド配列部分と、同一のヌクレオチド配列を有する5’部分を含むが、亜硫酸水素塩で処理したメチル化標的配列内で、対応するヌクレオチド配列部分とミスマッチする1つ以上のヌクレオチド配列を有する。
【0136】
本実施形態に従うと、DNAポリメラーゼは、5’ヌクレアーゼ、3’ヌクレアーゼ、及び鎖置換活性を欠くポリメラーゼである。所望により、一次オリゴヌクレオチドプライマーは、ポリメラーゼ連鎖反応のハイブリダイゼーション工程中に切断され、伸長に好適なオリゴヌクレオチドプライマー上の遊離3’OH末端を遊離する、切断可能なヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体もまた含有する。ポリメラーゼ連鎖反応混合物を、反応による伸長生成物が互いに分離される変性処理、及び、第1の一次オリゴヌクレオチドプライマーが、第2の一次オリゴヌクレオチドプライマーから生じる伸長生成物にハイブリダイゼーションするハイブリダイゼーション処理を含む、1回以上の追加のポリメラーゼ連鎖反応サイクルに供す。第2の一次プライマーから生じる伸長生成物は、伸長生成物中の3’末端と相補配列との間で分子内ループ−ヘアピンを形成し、このループ−ヘアピンは、(i)亜硫酸水素塩で処理したメチル化配列に自身がハイブリダイゼーションした場合に、自身の伸長を阻害する、3’末端、またはその付近に1つ以上のミスマッチを含むか、または(ii)亜硫酸水素塩で処理した非メチル化標的配列に自身がハイブリダイゼーションした場合に、自身の伸長を向上させる、3’末端でのマッチを含む。第2の一次オリゴヌクレオチドプライマーは、第1の一次オリゴヌクレオチドプライマーから生じる伸長生成物にハイブリダイゼーションする。第1の一次オリゴヌクレオチドプライマーから生じる伸長生成物は、伸長生成物内の5’部分と相補配列との間に、分子内ループ−ヘアピンを形成する。PCRの伸長工程の間、第1の一次オリゴヌクレオチドプライマーは、(i)亜硫酸水素塩で処理したメチル化標的配列を含む伸長生成物上で選択的に伸長することにより、亜硫酸水素塩で処理したメチル化標的ヌクレオチド配列もしくはその相補鎖を含む一次伸長生成物を選択的に形成するか、または、(ii)前記標的での、その前の自身のハイブリダイゼーション及び自身の伸長により、亜硫酸水素塩で処理した非メチル化標的ヌクレオチド配列もしくはその相補鎖を含む一次伸長生成物の形成が阻害される。第2の一次オリゴヌクレオチドプライマーは(iii)標的配列とは無関係に伸長生成物上で伸長し、ここで、第1の一次オリゴヌクレオチドプライマーの、標的またはそのコピーへのハイブリダイゼーションから生じる異なる一次伸長生成物により、亜硫酸水素塩で処理したメチル化配列が選択的に増幅され、それにより、前記一次ポリメラーゼ連鎖反応の間に、亜硫酸水素塩で処理したメチル化配列伸長生成物及びその相補鎖の濃縮がもたらされる。
【0137】
図156及び157は、本発明の本実施形態を表す。
図156に示すように、ゲノムDNAまたはcfDNAを単離し、メチル感受性制限エンドヌクレアーゼ、例えばBsh1236I(CG^CG)、及びUNGで処理し(37℃、30〜60分)、非メチル化DNAを完全に分解してキャリーオーバーを防止する(
図156・工程A)。分解したDNAを亜硫酸水素塩で処理して、非メチル化dC残基をウラシル(dU)に転換することにより、二本鎖DNAを非相補性にする。(i)伸長後にループ−ヘアピンの形成を可能にする、亜硫酸水素塩で処理したトップ鎖の非メチル化配列に相補的な5’配列部分もまた含む遺伝子座特異的上流プライマー、(ii)遺伝子座特異的下流プライマー、及び(iii)dUTPを含むデオキシヌクレオチド混合物を使用して、対象の領域を選択的に増幅する。この図の工程Bに示すように、上流変異特異的プライマーに3’の切断可能ブロック基(Blk 3’、例えばC3スペーサー)、及びRNA塩基(r)を含めることにより、別の層の選択性を本方法に導入することができる。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)がRNA塩基を取り除き、ポリメラーゼ伸長に好適な3’OH基を遊離させる(
図156・工程B)。所望により、PCRの前に、分解したサンプルの一定量を12、24、48、または96個のウェルに分取する。
図156・工程Cに示すように、増幅産物はdUを含有し、これは、キャリーオーバー防止のための、UDGまたは類似の酵素による後の処理を可能にする。5’ヌクレアーゼ、3’ヌクレアーゼ、及び鎖置換活性を欠くポリメラーゼを用いてPCRを実施する。
図156・工程Dは更に、後の増幅のラウンドにおいて、(i)変性した、亜硫酸水素塩で処理した非メチル化ボトム鎖は、ポリメラーゼにより伸長される、3’末端に完全なマッチを有するループ−ヘアピンを形成し、(ii)変性した、亜硫酸水素塩で処理したメチル化ボトム鎖は、通常はポリメラーゼにより伸長されない、2つ以上のミスマッチを有するループ−ヘアピンを形成し、(iii)変性したトップ鎖は、5’側に72℃でのPCRの伸長工程の間に変性するループ−ヘアピンを形成することを示す。
図156・工程Eは更に、亜硫酸水素塩で処理した非メチル化DNA(i)でのループ−ヘアピンの伸長の後、伸長したヘアピン配列は72℃で変性せず、上流プライマーが完全長トップ鎖を生成することを防止することを示す。しかし、亜硫酸水素塩で処理したメチル化DNA(ii)のループ−ヘアピン配列は、2つ以上のミスマッチ塩基により伸長しないため、72℃で変性し、上流プライマーが完全長トップ鎖を生成することを可能にする。同様に、トップ鎖生成物(iii)は72℃で変性し、ポリメラーゼが完全長ボトム鎖を生成することを可能にする。(i)の亜硫酸水素塩で処理した非メチル化、及び(ii)の亜硫酸水素塩で処理したメチル化鋳型による、上流プライマーのループ−ヘアピン伸長選択性の差は、増幅の各サイクル中の、亜硫酸水素塩で処理した非メチル化増幅産物の選択的除去をもたらすため、亜硫酸水素塩で処理したメチル化DNAの選択的増幅をもたらす。
【0138】
図156・工程Gに示すように、亜硫酸水素塩で処理したメチル化標的配列に特異的なオリゴヌクレオチドプローブを増幅産物にハイブリダイゼーションし、リガーゼ(塗りつぶした円)は、相補配列にハイブリダイゼーションした場合に2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合により閉じる。本実施形態において、亜硫酸水素塩で処理した対象のメチル化配列を検出するのに特異的な配列を有する上流オリゴヌクレオチドプローブは、ライゲーション産物の後の検出を容易にする5’プライマー特異的部分(Ai)を更に含有する一方、亜硫酸水素塩で処理した非メチル化核酸配列を検出するのに特異的な配列を有する任意の上流オリゴヌクレオチドプローブは、5’プライマー特異的部分を含有しない。亜硫酸水素塩で処理したメチル化配列を検出するのに特異的な配列を有する下流オリゴヌクレオチドプローブは、亜硫酸水素塩で処理した対象のメチル化配列を検出するのに特異的な配列を有する上流プローブの5’プライマー特異的部分(Ai)と共に、後の変異ライゲーション産物のみの増幅及び検出を可能にする3’プライマー特異的部分(Ci’)を含有する。この図に示すように、上流ライゲーションプローブに3’の切断可能ブロック基(Blk 3’、例えばC3スペーサー)、及びRNA塩基(r)を含めることにより、別の層の特異性を本方法に導入することができる。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)はRNA塩基を取り除き、ライゲーション能のある3’OH基を生成する(
図156・工程H)。ライゲーションに続いて、マッチするプライマーの対(Ai及びCi)、並びに、
図38に記載するようにライゲーション接合部にまたがるTaqMan(商標)プローブを使用して(
図156・工程H〜Jを参照)、または、当該技術分野において公知の他の好適な手段を使用してライゲーション産物を検出することができる。
【0139】
図157は、メチル化を検出するための別のPCR−qLDRキャリーオーバー防止反応を示す。本実施形態において、ゲノムDNAまたはcfDNAを単離し、メチル感受性制限エンドヌクレアーゼ、例えばBsh1236I(CG^CG)、及びUNGで処理し(37℃、30〜60分)、非メチル化DNAを完全に分解してキャリーオーバーを防止する(
図157・工程A)。分解したDNAを亜硫酸水素塩で処理して、非メチル化dC残基をウラシル(dU)に転換することにより、二本鎖DNAを非相補性にする。(i)伸長後にループ−ヘアピンの形成を可能にする、亜硫酸水素塩で処理したトップ鎖の非メチル化配列に相補的な配列を有する5’部分もまた含む遺伝子座特異的上流プライマー(ii)遺伝子座特異的下流プライマー、及び(iii)dUTPを含むデオキシヌクレオチド混合物を使用して、対象の領域を選択的に増幅する。この図に示すように、上流プライマーに3’の切断可能ブロック基(Blk 3’、例えばC3スペーサー)、及びRNA塩基(r)を含めることにより、別の層の選択性を本方法に導入することができる。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)がRNA塩基を取り除き、ポリメラーゼ伸長に好適な3’OH基を遊離させる(
図157・工程B)。所望により、PCRの前に、分解したサンプルの一定量を12、24、48、または96個のウェルに分取する。
図157・工程Cに示すように、増幅産物はdUを含有し、これは、キャリーオーバー防止のための、UDGまたは類似の酵素による後の処理を可能にする。5’ヌクレアーゼ、3’ヌクレアーゼ、及び鎖置換活性を欠くポリメラーゼを用いてPCRを実施する。
図157・工程Dは更に、後の増幅のラウンドにおいて、(i)変性した、亜硫酸水素塩で処理した非メチル化ボトム鎖は、ポリメラーゼにより伸長される、3’末端に完全なマッチを有するループ−ヘアピンを形成し、(ii)変性した、亜硫酸水素塩で処理したメチル化ボトム鎖は、通常はポリメラーゼにより伸長されない、2つ以上のミスマッチを有するループ−ヘアピンを形成し、(iii)変性したトップ鎖は、5’側に、72℃でのPCRの伸長工程の間に変性するループ−ヘアピンを形成することを示す。
図157・工程Eは更に、亜硫酸水素塩で処理した非メチル化DNA(i)でのループ−ヘアピンの伸長の後、伸長したヘアピン配列は72℃では変性せず、上流プライマーが完全長トップ鎖を生成することを防止することを示す。しかし、亜硫酸水素塩で処理したメチル化DNA(ii)のループ−ヘアピン配列は、2つ以上のミスマッチ塩基により伸長しないため、72℃で変性し、上流プライマーが完全長トップ鎖を生成することを可能にする。同様に、トップ鎖生成物(iii)は72℃で変性し、ポリメラーゼが完全長ボトム鎖を生成することを可能にする。(i)の亜硫酸水素塩で処理した非メチル化、及び(ii)の亜硫酸水素塩で処理したメチル化鋳型による、上流プライマーのループ−ヘアピン伸長選択性の差は、増幅の各サイクル中の、亜硫酸水素塩で処理した非メチル化増幅産物の選択的除去をもたらすため、亜硫酸水素塩で処理したメチル化DNAの選択的増幅をもたらす。
【0140】
本実施形態において、下流遺伝子座特異的プライマーは、ビオチン標識プライマーを使用したユニバーサルPCR増幅により、5’ビオチンを、対象の領域を含有する増幅産物への付加を可能にする5’プライマー領域、例えばユニバーサルプライマー領域もまた含有する(
図157・工程B)。
図150・工程Gに示されているように、ビオチン化PCR産物を固体支持体に固定し、亜硫酸水素塩で処理したメチル化標的配列に特異的なライゲーションプローブを使用して、亜硫酸水素塩で処理した対象のメチル化配列を検出する。本実施形態において、亜硫酸水素塩で処理したメチル化核酸配列を検出可能な(しかし、亜硫酸水素塩で処理した非メチル化配列は検出しない)ライゲーション対のライゲーションプローブは、
図39で上述のように、相補性尾部配列、及びそれぞれ、互いに極めて接近した場合に、FRETにより検出可能なシグナルを生成可能なアクセプターまたはドナー基を含有する。この図の工程Gに示すように、上流ライゲーションプローブに3’切断可能ブロック基(例えばC3スペーサー)、及びRNA塩基(r)を含めることにより、別の層の特異性を本方法に導入することができる。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseH(星印)はRNA塩基を取り除き、ライゲーション能のある3’OH基を生成する(
図150・工程G)。ライゲーションに続いて(
図157・工程H)、ライゲーション産物の相補性5’及び3’尾部末端は互いにハイブリダイゼーションし、対応するドナー及びアクセプター部位を互いに極めて接近させ、検出可能なFRETシグナルを生成する(
図157・工程I)。
【0141】
本発明の別の態様は、サンプルにおいて、サンプル中または他のサンプル中の他の核酸分子内のヌクレオチド配列とは1つ以上のメチル化残基が異なる標的ヌクレオチド配列を含有する1つ以上の核酸分子を識別するための方法に関する。本方法は、他の核酸分子内のヌクレオチド配列とは1つ以上のメチル化残基が異なる標的ヌクレオチド配列を潜在的に含む1つ以上の核酸分子を含有するサンプルを提供すること、及び、該サンプルを、サンプル内に存在するデオキシウラシル(dU)含有核酸分子を分解可能な1種以上の酵素と接触させることを含む。本方法は更に、サンプルを1種以上のメチル化感受性酵素と接触させて制限酵素反応混合物を形成することを伴い、ここで、1種以上のメチル化感受性酵素は、少なくとも1つのメチル化感受性酵素認識配列内に1つ以上の非メチル化残基を含有するサンプル内の核酸分子を切断する。1つ以上の一次オリゴヌクレオチドプライマーセットが提供され、各一次オリゴヌクレオチドプライマーセットは、(a)1つ以上のメチル化残基の上流にある標的ヌクレオチド配列の領域に相補的なヌクレオチド配列を含む第1の一次オリゴヌクレオチドプライマー、及び、(b)1つ以上のメチル化残基の下流にある標的ヌクレオチド配列の領域と同一のヌクレオチド配列を含む第2の一次オリゴヌクレオチドプライマーを含む。制限酵素反応混合物を、1つ以上の一次オリゴヌクレオチドプライマーセット、dUTPを含むデオキシヌクレオチド混合物、及びDNAポリメラーゼと混和し、一次ポリメラーゼ連鎖反応混合物を形成する。本方法は更に、一次ポリメラーゼ連鎖反応混合物を、変性処理、ハイブリダイゼーション処理、及び伸長処理を含む1回以上のポリメラーゼ連鎖反応サイクルに供すことにより、標的ヌクレオチド配列またはその相補鎖を含む一次伸長生成物を形成することを含む。1つ以上の二次オリゴヌクレオチドプライマーセットを提供し、各二次オリゴヌクレオチドプライマーセットは、一次伸長生成物にハイブリダイゼーション可能な第1及び第2のネステッドオリゴヌクレオチドプライマーを含む。一次伸長生成物を、1つ以上の二次オリゴヌクレオチドプライマーセット、dUTPを含むデオキシヌクレオチド混合物、及びDNAポリメラーゼと混和して二次ポリメラーゼ連鎖反応混合物を形成し、二次ポリメラーゼ連鎖反応混合物を、変性処理、ハイブリダイゼーション処理、及び伸長処理を含む1回以上のポリメラーゼ連鎖反応サイクルに供すことにより、二次伸長生成物を形成する。サンプル中の二次伸長生成物を検出して識別し、サンプル中の他の核酸分子内のヌクレオチド配列とは1つ以上のメチル化残基が異なる標的ヌクレオチド配列を含有する1つ以上の核酸分子を識別する。
【0142】
本発明の本態様に従うと、二次ポリメラーゼ連鎖反応混合物は、1つ以上のオリゴヌクレオチド検出プローブ、例えばTaqMan(商標)オリゴヌクレオチド検出プローブを更に含んでよい。検出プローブは、一次伸長生成物またはその相補鎖内の標的ヌクレオチド配列にハイブリダイゼーションし、互いに離間してはいるが、消光剤分子が検出可能な標識を消光するには互いに十分近接している、消光剤分子及び検出可能な標識を有する。二次ポリメラーゼ連鎖反応プロセスのハイブリダイゼーション工程の間、1つ以上のオリゴヌクレオチド検出プローブが一次伸長生成物の相補部分にハイブリダイゼーションし、続いて、伸長工程の間に1つ以上のオリゴヌクレオチド検出プローブから消光剤分子及び検出可能な標識が切断される。切断の際に、検出可能な標識が消光剤から分離されるため、検出可能な標識が検出される。
【0143】
一実施形態では、一次オリゴヌクレオチドプライマーセットの1つまたは両方の一次オリゴヌクレオチドプライマーは、切断可能なヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体が切断されるまで、前記プライマーまたは複数のプライマーの3’末端がポリメラーゼ伸長に不適となるように、切断可能なヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体及びブロック基を含む3’部分を所望により有してもよい。切断の際に、プライマー伸長が可能になる前に、一方または両方の一次オリゴヌクレオチドプライマーの遊離3’OH末端が遊離される。
【0144】
別の実施形態では、一次オリゴヌクレオチドプライマーセットの一次オリゴヌクレオチドプライマーは、長さが約6〜20塩基の、同一または実質的に同一な5’ヌクレオチド配列部分を含む。本実施形態に従うと、生成した所望の伸長生成物は、一次プライマーが選択的にハイブリダイゼーションするのに十分な長さを有する。しかし、望ましくないプライマー二量体生成物が形成する場合、その相補的5’末端を介して生成物自身上でヘアピン形成し、これは連続的な増幅に不適である。
【0145】
図158は、本発明の本態様に従いメチル化を検出するための例示的なPCR−PCRキャリーオーバー防止反応を示す。本実施形態において、ゲノムDNAまたはcfDNAを単離し、メチル感受性制限エンドヌクレアーゼ、例えばBsh1236I(CG^CG)及び/またはHinP1I(G^CGC)、並びにUNGで処理し、非メチル化DNAを完全に分解してキャリーオーバーを防止する(
図158・工程A)。
図158・工程Bに示すように、dUTPの存在下において、遺伝子座特異的プライマーを使用したPCRを使用して、対象のメチル化領域を増幅する。一実施形態では、サイクルを制限した増幅(12〜20サイクル)を実施し、作製される異なる単位複製配列の相対比率を維持する。別の実施形態では、対象領域は、20〜40サイクルを使用して増幅される。プライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部を含有する。PCR産物はdUを含有し、キャリーオーバー防止を可能にする(
図158・工程C)。所望により、PCRの前に、サンプルの一定量を12、24、48、または96個のウェルに分取する。ネステッド、または半ネステッド遺伝子座特異的プライマー、及び従来の内部TaqMan(商標)検出アッセイを使用して、メチル含有領域を増幅する。PCR産物はdUを組み込み、キャリーオーバー防止を可能にする。
【0146】
図53は、メチル化を検出するための別のPCR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。本発明の他の実施形態同様に、ゲノムDNAまたはcfDNAを単離し、メチル感受性制限エンドヌクレアーゼ、例えばBsh1236I(CG^CG)、及びUNGで処理し(37℃、30〜60分)、非メチル化DNAを完全に分解してキャリーオーバーを防止する(
図53・工程A)。分解したDNAを亜硫酸水素塩で処理して、非メチル化残基をウラシルに転換することにより、二本鎖DNAを非相補性にする。
図53・工程Bに示すように、3’の切断可能ブロック基を含有する遺伝子座特異的プライマーを、BstU1(CG^CG)(塗りつぶした三角形)の存在下にてハイブリダイゼーションし、これにより、非メチル化残基を含有するキャリーオーバーDNAを切断する。プライマーが相補性標的配列にハイブリダイゼーションすると、ブロック基が取り除かれる。本実施形態において、dNTPの存在下でPCRを使用して、対象のメチル含有領域を増幅する。本実施形態において、増幅の間にブロックオリゴヌクレオチドを使用して、野生型単位複製配列の形成を制限する。
図53・工程Cに示すように、PCR産物を非メチル化し、キャリーオーバーからの保護をもたらす。
【0147】
図53・工程D及びEに示すように、遺伝子座特異的プライマーの一次セットに所望により入れ子構造となるか、または半入れ子構造となる遺伝子座特異的プライマー、及びTaqMan(商標)プローブ(黒棒)を用いたTaqMan(商標)検出のために、PCR産物の一定量を個別のウェルに分取する。所望により、ブロックオリゴヌクレオチド(太い黒棒)もまたこの反応に組み込み、野生型単位複製配列の形成を制限することができる。本実施形態において、TaqMan(商標)反応をdUTPの存在下で実施し、キャリーオーバー防止を可能にする。
【0148】
本発明の別の態様は、ゲノムレベルでの、選択的スプライシング、選択的転写、選択的開始部位、選択的コード配列、選択的非コード配列、エクソン挿入、エクソン欠失、イントロン挿入、転座、変異、または他の再配列によりサンプル中の他のリボ核酸分子のリボヌクレオチド配列とは異なる標的リボヌクレオチド配列を含有する1つ以上のリボ核酸分子を該サンプル中で識別するための方法に関する。本方法は、他のリボ核酸分子のリボヌクレオチド配列とは異なる標的リボヌクレオチド配列を潜在的に含有する1つ以上のリボ核酸分子を含有するサンプルを提供すること、及び、該サンプルを、サンプル中に潜在的に存在するdU含有核酸分子を分解可能な1種以上の酵素と接触させることを含む。1つ以上のオリゴヌクレオチドプライマーを提供し、各プライマーは、標的リボヌクレオチド配列を含有する1つ以上のリボ核酸分子に相補的である。接触したサンプルを1つ以上のオリゴヌクレオチドプライマー、及び逆転写酵素と混和して逆転写混合物を形成し、相補性デオキシリボ核酸(cDNA)分子が逆転写混合物中で生成される。各cDNA分子は、標的リボヌクレオチド配列に相補的であり、dUを含有するヌクレオチド配列を含む。本方法は更に、1つ以上のオリゴヌクレオチドプライマーセットを提供することを伴い、各プライマーセットは、(a)cDNAの標的リボヌクレオチド配列相補鎖に隣接するcDNAヌクレオチド配列の一部に相補的なヌクレオチド配列を含む第1のオリゴヌクレオチドプライマー、及び、(b)第1のオリゴヌクレオチドプライマーから形成された伸長生成物の一部に相補的なヌクレオチド配列を含む第2のオリゴヌクレオチドプライマーを含む。cDNA分子を含有する逆転写混合物を、1つ以上のオリゴヌクレオチドプライマーセット、及びポリメラーゼと混和してポリメラーゼ反応混合物を形成し、ポリメラーゼ連鎖反応混合物を、変性処理、ハイブリダイゼーション処理、及び伸長処理を含む1回以上のポリメラーゼ連鎖反応サイクルに供すことにより、1種以上の異なる一次伸長生成物を形成する。本方法は更に、1つ以上のオリゴヌクレオチドプローブセットを提供することを含む。各プローブセットは、(a)標的配列特異的部分を有する第1のオリゴヌクレオチドプローブ、及び(b)標的配列特異的部分を有する第2のオリゴヌクレオチドプローブを含み、ここでプローブセットの第1及び第2のオリゴヌクレオチドプローブは、塩基特異的な方法で、相補的一次伸長生成物上にて、間に接合部を有して互いに隣接してハイブリダイゼーションするように構成される。一次伸長生成物をリガーゼ及び1つ以上のオリゴヌクレオチドプローブセットと接触させてライゲーション反応混合物を形成し、1つ以上のオリゴヌクレオチドプローブセットの第1及び第2プローブを互いにライゲーションし、リガーゼ反応混合物中でライゲーション産物配列を形成する。サンプル中のライゲーション産物配列を検出及び識別することにより、ゲノムレベルでの、選択的スプライシング、選択的転写、選択的開始部位、選択的コード配列、選択的非コード配列、エクソン挿入、エクソン欠失、イントロン挿入、転座、変異、または他の再配列によりサンプル中の他のリボ核酸分子のリボヌクレオチド配列とは異なる標的リボヌクレオチド配列を含有する1つ以上のリボ核酸分子の存在を識別する。
【0149】
図54〜85は、本発明の本態様の種々の実施形態を示す。
【0150】
図54は、mRNAレベルで転座を検出するためのRT−PCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応の概要を示す。DNAレベルでの、2つの遺伝子間での転座の図解を
図54・工程Aに示す。mRNAでの、エクソン1−b(mRNA融合物1)、2−b(mRNA融合物2)、及び3−b(mRNA融合3)の間の異なる融合接合部の例を示す(
図54・工程B)。本方法は、全血細胞、エクソソーム、または血中循環腫瘍細胞(CTC)からmRNAを単離し、逆転写酵素、及びエクソンbに相補的なプライマーを使用してcDNAを生成することを含む。エクソン1、2及び3に対するフォワードプライマー、及びエクソンbに対するプライマーを使用して、生成したcDNAをPCR増幅する(
図54・工程B)。転座切断点に関係なく、エクソン接合部領域を含有する最小の断片を、プライマーによって増幅する。PCR増幅の間に形成した種々の生成物を、
図54・工程Cに示す。
【0151】
エクソン接合部特異的ライゲーションオリゴヌクレオチドプローブを使用してLDRを実施する。プライマー(Ai、Ci)を使用した後の検出に好適なタグプライマー特異的部分(例えばAi、Ci’)、及びTaqMan(商標)プローブを含有するように、ライゲーションプローブを設計することができる(
図54・工程C〜D、左パネル)。あるいは、UniTaqプライマー特異的部分(Ai、Ci’)、及びタグ特異的部分(Bi’)を含有するように、ライゲーションプローブを設計することができる(
図54・工程C〜D、右パネル)。エクソン接合部特異的ライゲーション産物の形成に続いて、ライゲーション産物をPCR増幅し、検出する(
図54・工程D)。LDR産物を増幅するためにタグ特異的プライマー(Ai、Ci)を使用する場合、各TaqMan(商標)プローブはライゲーション接合部にまたがり、個別にスコアリングすることができる。LDR産物を増幅するためにUniTaq特異的プライマー(F1−Bi−Q−Ai、Ci)を使用する場合、特異的エクソン接合部に関係なく、同じプライマーセットが所与の転座をスコアリングする。
【0152】
図55は、mRNAレベルで転座を検出するためのRT−PCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。本実施形態において、mRNAを単離し(
図55・工程A)、キャリーオーバー防止のためにUDGで処理する(
図55・工程B)。dUTPの存在下において、3’転写物特異的プライマー及び逆転写酵素を使用して、cDNAを生成する。Taqポリメラーゼを活性化してサイクルを制限したPCR増幅(12〜20回)を実施し、異なる単位複製配列の相対比率を維持する(
図55・工程B)。プライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部を含有する。PCR産物はdUTPを組み込み、キャリーオーバー防止を可能にする(
図55・工程C)。
【0153】
図55・工程Dに示すように、後のPCR増幅に好適なプライマー特異的部分(Ai、Ci’)を含有するエクソン接合部特異的ライゲーションオリゴヌクレオチドプローブを、塩基特異的な方法で、対応する標的配列にハイブリダイゼーションする。リガーゼは、2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合で閉じ(
図55・工程D)、タグプライマー(Ai、Ci)、及び、ライゲーション接合部にまたがるTaqMan(商標)プローブ(F1−Q)を使用した検出のために、ライゲーション産物の一定量を個別のウェルに分取する(
図55・工程E)。キャリーオーバー防止のために、サンプルをUDGで処理し、この処理では、元の標的単位複製配列もまた破壊する(
図55・工程E)。dUTPの存在下においてPCRを使用した場合、本物のLDR産物のみが増幅する。元のPCRプライマー、及びLDRプローブのどちらもLDR産物を増幅せず、さらなるキャリーオーバー防止をもたらす。
【0154】
図56は、mRNAレベルで転座を検出するための、別のRT−PCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。本実施形態において、mRNAを単離し(
図56・工程A)、キャリーオーバー防止のためにUDGで処理する(
図56・工程B)。dUTPの存在下において、3’転写物特異的プライマー及び逆転写酵素を使用して、cDNAを生成する。Taqポリメラーゼを活性化してサイクルを制限したPCR増幅(12〜20回)を実施し、異なる単位複製配列の相対比率を維持する(
図56・工程B)。プライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部を含有する。PCR産物はdUを組み込み、キャリーオーバー防止を可能にする(
図56・工程C)。
【0155】
図56・工程Dに示すように、後のPCR増幅及び検出に好適なUniTaqプライマー特異的部分(Ai、Ci’)及びタグ部分(Bi’)を含有するエクソン接合部特異的ライゲーションオリゴヌクレオチドプローブを、検出される標的mRNA分子に対応する核酸配列にハイブリダイゼーションする(
図56・工程D)。オリゴヌクレオチドプローブのライゲーションに続いて、サンプルをUDGで処理して、元の標的単位複製配列を取り除き、上述のUniTaq特異的プライマー(F1−Bi−Q−Ai、Ci)を用いた、ライゲーション産物の選択的増幅及び検出(
図56・工程E〜F)を可能にすることにより、mRNA転座及びmRNA融合の検出を容易にする。
図56・工程E及びFに示すように、増幅したライゲーション産物がdUTPを組み込み、将来的なキャリーオーバー防止を可能にする。
【0156】
図57は、mRNAレベルで転座を検出するためのRT−PCR−qLDRキャリーオーバー防止反応の例を示す。本実施形態において、mRNAを単離し(
図57・工程A)、キャリーオーバー防止のためにUDGで処理する(
図57・工程B)。dUTPの存在下において、3’転写物特異的プライマー及び逆転写酵素を使用して、cDNAを生成する。Taqポリメラーゼを活性化してサイクルを制限したPCR増幅(12〜20回)を実施し、異なる単位複製配列の相対比率を維持する(
図57・工程B)。プライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部、及びユニバーサルプライマー特異的部分を含有し、後のビオチン標識プライマーを使用したユニバーサルPCR増幅により、5’ビオチンを、対象の領域を含有する増幅産物に付加することを可能にする。PCR産物はdUを組み込み、キャリーオーバー防止を可能にする(
図57・工程C)。
図57・工程Dに示すように、ビオチン化PCR産物を固体支持体に固定し、エクソン接合部特異的ライゲーションプローブを使用して対象の領域を検出する。本実施形態において、ライゲーション対のエクソン接合部特異的ライゲーションプローブは、相補性尾部配列、及びそれぞれ、上述のように互いに極めて接近した場合にFRETを介して検出可能なシグナルを生成可能なアクセプターまたはドナー基を含有する。したがって、ライゲーションに続いて(
図57・工程D)、ライゲーション産物の相補性5’及び3’尾部末端は互いにハイブリダイゼーションし、対応するドナー及びアクセプター部位を互いに極めて接近させ、検出可能なFRETシグナルを生成する(
図57・工程E)。
【0157】
図58は、選択的スプライシングを検出するためのRT−PCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応の概要を示す。
図58・工程Aは、DNAレベルで示す、5個のエクソンを有する遺伝子の図解であり、
図58・工程Bは、通常(1−2−3a−4)、及び選択的スプライシングを受けた(1−2−3b−4)変異mRNAの例を示す。本方法は、全血細胞、エクソソーム、またはCTCからmRNAを単離し、
図58・工程Bに示すように、エクソン4に相補的なプライマーと逆転写酵素を使用してcDNAを生成することを含む。存在する場合、エクソン4プライマー、及び、エクソン2に対するフォワードプライマーを使用してcDNAをPCR増幅し、通常及び選択的スプライス変異体の両方の単位複製配列を生成する。
図58・工程Cに示すように、タグプライマー配列(Ai、Ci’;左パネル)、またはUniTaqプライマー及びタグ配列(Ai、Bi’−Ci’;右パネル)を含有するエクソン接合部特異的ライゲーションオリゴヌクレオチドプローブを、PCR産物中の対応する標的配列にハイブリダイゼーションし、接合部において完全に相補性である場合、リガーゼが、2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合で閉じる。上述したタグ特異的プライマー(Ai、Ci)及びTaqMan(商標)プローブ(F1−QもしくはF2−Q,
図58・工程D、左パネル)、またはUniTaqプライマー(F1−Bi−Q−Ai、F2−Bi−Q−Ai、Ci、
図58・工程D、右パネル)を使用して、ライゲーション産物を増幅して検出する。
【0158】
図59は、野生型mRNA転写物、及び選択的スプライシングを受けたmRNA転写物を定量化するためのRT−PCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。
図59・工程Aは、検出される、エクソン3aを含有する野生型転写物(上部)、及びエクソン3bを含有する選択的スプライシングを受けた転写物(下部)を示す。本方法は、mRNAを単離して、キャリーオーバー防止のためにUDGで処理することを含む(
図59・工程B)。dUTPの存在下において、3’転写物特異的プライマー及び逆転写酵素を使用して、cDNAを生成する。Taqポリメラーゼを活性化してサイクルを制限したPCR増幅(12〜20回)を実施し、異なる単位複製配列の相対比率を維持する(
図59・工程B)。プライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部を含有する。PCR産物はdUを組み込み、キャリーオーバー防止を可能にする(
図59・工程C)。
図59・工程Dに示すように、後のPCR増幅に好適なタグプライマー特異的部分(Ai、Ci’)を含有するエクソン接合部特異的ライゲーションオリゴヌクレオチドプローブを、塩基特異的な方法で、対応する標的配列にハイブリダイゼーションする。リガーゼは、2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合で閉じ(
図59・工程D)、タグプライマー(Ai、Ci)、並びに、ライゲーション接合部にまたがるTaqMan(商標)プローブ(F1−Q及びF2−Q)を使用した検出のために、ライゲーション産物の一定量を個別のウェルに分取する(
図59・工程E〜F)。リアルタイムPCRを使用し、異なる標識を付けたTaqMan(商標)プローブを検出して、野生型及び選択的スプライス変異体を定量化して識別する。キャリーオーバー防止のために、サンプルをUDGで処理し、この処理では、元の標的単位複製配列もまた破壊する(
図59・工程E)。dUTPの存在下においてPCRを使用した場合、本物のLDR産物のみが増幅する。元のPCRプライマー、及びLDRプローブのどちらもLDR産物を増幅せず、さらなるキャリーオーバー防止をもたらす。
【0159】
図60は、野生型mRNA転写物、及び選択的スプライシングを受けたmRNA転写物を定量化するための、別のRT−PCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。
図60・工程Aは、検出されるエクソン3aを含有する野生型転写物(上部)、及びエクソン3bを含有する選択的スプライシングを受けた転写物(下部)を示す。UniTaqプライマー配列(Ai、Ci’)、及びUniTaqタグ配列(Bi’)を含有するように、エクソン接合部特異的ライゲーションプローブを設計することを除いて、本方法の工程A〜Dは、
図59で記載したものと実質的に同一である。したがって、本実施形態では、野生型及び選択的スプライス変異体に対応するライゲーション産物を、上述のように、かつ、
図60・工程E〜Gに記載したように、UniTaq特異的プライマー(F1−Bi−Q−Ai、Ci)を用いるリアルタイムPCRを使用して、後で増幅、検出、及び定量化する。
【0160】
図61は、野生型mRNA転写物及び選択的スプライシングを受けたmRNA転写物を定量化するためのRT−PCR−qLDRキャリーオーバー防止反応を示す。
図61・工程Aは、検出される、エクソン3aを含有する野生型転写物(上部)、及びエクソン3bを含有する選択的スプライシングを受けた転写物(下部)を示す。本方法は、mRNAを単離して、キャリーオーバー防止のためにUDGで処理することを含む(
図61・工程B)。dUTPの存在下において、3’転写物特異的プライマー及び逆転写酵素を使用して、cDNAを生成する。プライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部、及びユニバーサルプライマー特異的部分を含有し、後のビオチン標識プライマーを使用したユニバーサルPCR増幅により、5’ビオチンを、対象の領域を含有する増幅産物に付加することを可能にする。PCR産物はdUを組み込み、キャリーオーバー防止を可能にする(
図61・工程C)。
図61・工程Dに示すように、ビオチン化PCR産物を固体支持体に固定し、エクソン接合部特異的ライゲーションプローブを使用して対象の領域を検出する。本実施形態において、ライゲーション対のエクソン接合部特異的ライゲーションプローブは、相補性尾部配列、及びそれぞれ、上述のように互いに極めて接近した場合にFRETを介して検出可能なシグナルを生成可能なアクセプターまたはドナー基を含有する。したがって、ライゲーションに続いて(
図61・工程D)、ライゲーション産物の相補性5’及び3’尾部末端は互いにハイブリダイゼーションし、対応するドナー及びアクセプター部位を互いに極めて接近させ、検出可能なFRETシグナルを生成する(
図61・工程E)。
【0161】
図62は、選択的スプライシングを受けた低量の転写物を検出するためのRT−PCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。
図62・工程Aは、検出される、エクソン3aを含有する野生型転写物(上部)、及びエクソン3bを含有する選択的スプライシングを受けた少量の転写物(下部)を示す。本方法は、mRNAを単離して、キャリーオーバー防止のためにUDGで処理することを含む(
図62・工程B)。dUTPの存在下において、3’転写物特異的プライマー(即ち、エクソン4に対する)、及び逆転写酵素を使用してcDNAを生成する。Taqポリメラーゼを活性化してサイクルを制限したPCR増幅(12〜20回)を実施し、異なる単位複製配列の相対比率を維持する(
図62・工程B)。本実施形態において、選択的スプライス変異体(即ちエクソン3b)に特異的であり、野生型変異体(即ちエクソン3a)にはハイブリダイゼーションしないプライマーを利用して、選択的スプライス変異体に対応する増幅産物のみを生成する。PCR産物はdUTPを組み込み、キャリーオーバー防止を可能にする(
図62・工程C)。
図62・工程Dに示すように、後のPCR増幅に好適なプライマー特異的部分(Ai、Ci’)を含有するエクソン接合部特異的ライゲーションオリゴヌクレオチドプローブを、塩基特異的な方法で、対応する標的配列にハイブリダイゼーションする。リガーゼは、2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合で閉じ(
図62・工程D)、タグプライマー(Ai、Ci)、及び、ライゲーション接合部にまたがるTaqMan(商標)プローブ(F1−Q)を使用した検出のために、ライゲーション産物の一定量を個別のウェルに分取する(
図62・工程E〜F)。TaqMan(商標)プローブの蛍光性基の遊離により、リアルタイムPCRの間に選択的スプライス変異体を検出する。キャリーオーバー防止のためにサンプルをUDGで処理し、この処理では、元の標的単位複製配列もまた破壊する(
図62・工程E)。dUTPの存在下においてPCRを使用した場合、本物のLDR産物のみが増幅される。元のPCRプライマー、及びLDRプローブのどちらもLDR産物を増幅せず、さらなるキャリーオーバー防止をもたらす。
【0162】
図63及び64は、選択的スプライシングを受けた少量の転写物を検出するための、
図62で記載及び図示したものに類似のRT−PCR−LDR−qPCR及びRT−PCR−qLDRキャリーオーバー防止反応を表す。
図63の実施形態において、UniTaqプライマー配列(Ai、Ci’)、及びUniTaqタグ配列(Bi’)を含有するように、エクソン接合部特異的ライゲーションプローブを設計する。したがって、本実施形態では、上述のように、かつ
図63・工程E〜Gで記載したように、UniTaq特異的プライマー(F1−Bi−Q−Ai、Ci)によるリアルタイムPCRを使用して、選択的スプライス変異体に対応するライゲーション産物を後で増幅、検出、及び定量化した。
図64の実施形態において、ライゲーション対のエクソン接合部特異的ライゲーションプローブは、相補性尾部配列、及びそれぞれ、上述のように互いに極めて接近した場合にFRETを介して検出可能なシグナルを生成可能なアクセプターまたはドナー基を含有する。したがって、ライゲーションに続いて(
図64・工程D)、ライゲーション産物の相補性5’及び3’尾部末端が互いにハイブリダイゼーションして、対応するドナー及びアクセプター部位(D、F2)を互いに極めて接近させ、検出可能なFRETシグナルを生成する(
図64・工程E)。
【0163】
図65は、選択的スプライシングを検出するためのRT−PCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応の概要を示す。
図65・工程Aは、DNAレベルでの、3つのエクソン、並びに選択的開始部位及び第1のエクソンを有する遺伝子の図解を示す。
図65・工程Bは、通常(1−2−3)及び選択的スプライス変異体(1a−2−3)のmRNAの例を示す。本方法は、全血細胞、エクソソーム、またはCTCからmRNAを単離し、
図65・工程Bに示すように、エクソン2に相補的なプライマーと逆転写酵素を使用してcDNAを生成することを含む。エクソン2プライマー、及び、エクソン1またはエクソン1aのいずれかに相補的なフォワードプライマーを使用してcDNAをPCR増幅し、両方のスプライス変異体の単位複製配列を生成する。
図65・工程Cに示すように、タグプライマー配列(Ai、Ci’;左パネル)、またはUniTaqプライマー及びタグ配列(Ai、Bi’−Ci’;右パネル)を含有するエクソン接合部特異的ライゲーションオリゴヌクレオチドプローブを、PCR産物中の対応する標的配列にハイブリダイゼーションし、接合部において完全に相補性である場合、リガーゼが、2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合で閉じる。上述したタグ特異的プライマー(Ai、Ci)及びTaqMan(商標)プローブ(F1−QもしくはF2−Q;
図58・工程D、左パネル)、またはUniTaqプライマー(F1−Bi−Q−Ai、F2−Bi−Q−Ai、及びCi、
図58・工程D、右パネル)を使用して、ライゲーション産物を増幅して検出する。
【0164】
図66は、野生型及び選択的転写開始部位を含有する転写物を定量化するためのRT−PCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。
図66・工程Aは、エクソン1を含有する野生型転写物(上部)、及び、開始部位としてエクソン1aを有する選択的転写物(下部)を示す。本方法は、mRNAを単離して、キャリーオーバー防止のためにUDGで処理することを含む(
図66・工程B)。dUTPの存在下において、3’転写物特異的プライマー及び逆転写酵素を使用して、cDNAを生成する。エクソン2特異的プライマー、及びエクソン1またはエクソン1aのいずれかに相補的なフォワードプライマーを使用してcDNAをPCR増幅し、両方のスプライス変異体の単位複製配列を生成する。制限したPCR増幅(12〜20サイクル)を実施し、異なる単位複製配列の相対比率を維持する(
図66・工程B)。別の実施形態において、対象領域を、20〜40回のPCRサイクルを使用して増幅する。プライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部を含有する。PCR産物はdUを組み込み、キャリーオーバー防止を可能にする(
図66・工程C)。
図66・工程Dに示すように、後のTaqMan(商標)PCR増幅に好適なタグプライマー特異的部分(Ai、Ci’)を含有するエクソン接合部特異的ライゲーションオリゴヌクレオチドプローブを、塩基特異的な方法で、対応する標的配列にハイブリダイゼーションする。リガーゼは、2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合で閉じ(
図66・工程D)、タグプライマー(Ai、Ci)、並びに、ライゲーション接合部にまたがるTaqMan(商標)プローブ(F1−Q及びF2−Q)を使用した検出のために、ライゲーション産物の一定量を個別のウェルに分取する(
図66・工程E〜F)。リアルタイムPCRを使用し、異なる標識を付けたTaqMan(商標)プローブを検出して、野生型及び選択的転写の開始部位の変異体を、定量化して識別する。キャリーオーバー防止のためにサンプルをUDGで処理し、この処理では、元の標的単位複製配列もまた破壊する(
図66・工程E)。dUTPの存在下においてPCRを使用した場合、本物のLDR産物のみが増幅する。元のPCRプライマー、及びLDRプローブのどちらもLDR産物を増幅せず、さらなるキャリーオーバー防止をもたらす。
【0165】
図67は、野生型mRNA転写物、及び選択的スプライシングを受けたmRNA転写物を定量化するための、別のRT−PCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。
図67・工程Aは、エクソン1を含有する野生型転写物(上部)、及び、開始部位としてエクソン1aを有する選択的転写物(下部)を示す。UniTaqプライマー配列(Ai、Ci’)、及びUniTaqタグ配列(Bi’)を含有するように、エクソン接合部特異的ライゲーションプローブを設計することを除いて、本方法の工程A〜Dは、
図66で記載したものと実質的に同一である。したがって、本実施形態では、上述のように、かつ、
図67・工程E〜Fで示したように、UniTaq特異的プライマー(F1−Bi−Q−Ai、Ci)を用いるリアルタイムPCRを使用して、野生型及び変異体転写物に対応するライゲーション産物を、後で増幅、検出、及び定量化する。
【0166】
図68は、野生型mRNA転写物及び選択的スプライシングを受けたmRNA転写物を定量化するためのRT−PCR−qLDRキャリーオーバー防止反応を示す。
図68・工程Aは、エクソン1を含有する野生型転写物(上部)、及び、開始部位としてエクソン1aを有する選択的転写(下部)を示す。本方法は、mRNAを単離して、キャリーオーバー防止のためにUDGで処理することを含む(
図68・工程B)。dUTPの存在下において、3’転写物特異的プライマー及び逆転写酵素を使用して、cDNAを生成する。エクソン2プライマー、及び、エクソン1またはエクソン1aのいずれかに相補的なフォワードプライマーを使用してcDNAをPCR増幅し、両方のスプライス変異体の単位複製配列を生成する。プライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部、及びユニバーサルプライマー特異的部分を含有し、後のビオチン標識プライマーを使用したユニバーサルPCR増幅により、5’ビオチンを、対象の領域を含有する増幅産物に付加することを可能にする。PCR産物はdUを組み込み、キャリーオーバー防止を可能にする(
図68・工程C)。
図68・工程Dに示すように、ビオチン化PCR産物を固体支持体に固定し、エクソン接合部特異的ライゲーションプローブを使用して対象の領域を検出する。本実施形態において、ライゲーション対のエクソン接合部特異的ライゲーションプローブは、相補性尾部配列、及びそれぞれ、上述のように互いに極めて接近した場合にFRETを介して検出可能なシグナルを生成可能なアクセプターまたはドナー基を含有する。したがって、ライゲーションに続いて(
図68・工程D)、ライゲーション産物の相補性5’及び3’尾部末端は互いにハイブリダイゼーションし、対応するドナー及びアクセプター部位を互いに極めて接近させ、検出可能なFRETシグナルを生成する(
図68・工程E)。
【0167】
図69は、少量の選択的開始部位転写物を検出するためのRT−PCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。
図69・工程Aは、エクソン1を含有する野生型転写物(上部)、及び、開始部位としてエクソン1aを有する選択的転写(下部)を示す。本方法は、mRNAを単離して、キャリーオーバー防止のためにUDGで処理することを含む(
図69・工程B)。dUTPの存在下において、3’転写物特異的プライマー及び逆転写酵素を使用して、cDNAを生成する。Taqポリメラーゼを活性化してサイクルを制限したPCR増幅(12〜20回)を実施し、異なる単位複製配列の相対比率を維持する(
図69・工程B)。本実施形態において、野生型変異体(即ちエクソン1)にはハイブリダイゼーションしない、選択的転写物(即ちエクソン1a)に特異的なプライマーを使用して、選択的転写に対応する増幅産物のみを生成する。PCR産物はdUTPを組み込み、キャリーオーバー防止を可能にする(
図69・工程C)。
図69・工程Dに示すように、後のPCR増幅に好適なプライマー特異的部分(Ai、Ci’)を含有するエクソン接合部特異的ライゲーションオリゴヌクレオチドプローブを、塩基特異的な方法で、対応する標的配列にハイブリダイゼーションする。リガーゼは、2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合で閉じ(
図69・工程D)、タグプライマー(Ai、Ci)、及び、ライゲーション接合部にまたがるTaqMan(商標)プローブ(F1−Q)を使用した検出のために、ライゲーション産物の一定量を個別のウェルに分取する(
図69・工程E〜F)。TaqMan(商標)プローブの蛍光性基の遊離により、リアルタイムPCRの間に選択的転写物を検出する。キャリーオーバー防止のためにサンプルをUDGで処理し、この処理では、元の標的単位複製配列もまた破壊する(
図69・工程E)。dUTPの存在下においてPCRを使用した場合、本物のLDR産物のみが増幅される。元のPCRプライマー、及びLDRプローブのどちらもLDR産物を増幅せず、さらなるキャリーオーバー防止をもたらす。
【0168】
図70及び71は、
図69(工程A〜C)で記載して示した、少量の選択的開始部位転写物を検出するための類似のRT−PCR−LDR−qPCR及びRT−PCR−qLDRキャリーオーバー防止反応を表し、選択的転写物の増幅に特異的なプライマーのみが利用される。
図70の実施形態において、UniTaqプライマー配列(Ai、Ci’)、及びUniTaqタグ配列(Bi’)を含有するように、エクソン接合部特異的ライゲーションプローブを設計する。したがって、本実施形態では、上述のように、かつ、
図70・工程E〜Gに記載したように、UniTaq特異的プライマー(F1−Bi−Q−Ai、Ci)を用いたリアルタイムPCRを使用して、選択的開始部位転写物に対応するライゲーション産物を後で増幅、検出、及び定量化する。
図71の実施形態において、ライゲーション対のエクソン接合部特異的ライゲーションプローブは、相補性尾部配列、及びそれぞれ、上述のように互いに極めて接近した場合にFRETを介して検出可能なシグナルを生成可能なアクセプターまたはドナー基を含有する。したがって、ライゲーションに続いて(
図71・工程D)、ライゲーション産物の相補性5’及び3’尾部末端が互いにハイブリダイゼーションして、対応するドナー及びアクセプター部位(D、F2)を互いに極めて接近させ、検出可能なFRETシグナルを生成する(
図71・工程E)。
【0169】
図72は、エクソン欠失を検出するためのRT−PCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応の概要を示す。
図72・工程Aは、DNAレベルでの、5個のエクソン及び4個のイントロンを有する遺伝子の図解を示す。
図72・工程Bは、エクソン1〜5を含有する野生型転写物(上部)、並びに、エクソン4が欠失した選択的転写物(下部、即ちエクソン1〜3、及び5)の例を示す。
図72・工程Bに示すように、本方法は、全血細胞、エクソソーム、またはCTCからmRNAを単離し、エクソン5に相補的なプライマーと逆転写酵素を使用してcDNAを生成することを含む。エクソン3及びエクソン4に相補的なフォワードプライマーと共に、エクソン5プライマーを使用してcDNAをPCR増幅し、野生型及び欠失変異体の両方の単位複製配列を生成する。
図72・工程Cに示すように、タグプライマー配列(Ai、Ci’;左パネル)、またはUniTaqプライマー及びタグ配列(Ai、Bi’−Ci’;右パネル)を含有するエクソン接合部特異的ライゲーションオリゴヌクレオチドプローブを、PCR産物中の対応する標的配列にハイブリダイゼーションし、接合部において完全に相補性である場合、リガーゼが、2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合で閉じる。上述したようにタグ特異的プライマー(Ai、Ci)及びTaqMan(商標)プローブ(F1−QもしくはF2−Q;
図72・工程D、左パネル)、またはUniTaqプライマー(F1−Bi−Q−Ai、F2−Bi−Q−Ai、及びCi、
図72・工程D、右パネル)を使用して、ライゲーション産物を増幅して検出する。
【0170】
図73は、野生型転写物、及びエクソン欠失を有する転写物を定量化するためのRT−PCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を表す。
図73・工程Aは、エクソン1〜5を含有する野生型転写物(上部)、並びに、エクソン1〜3及び5を有し、エクソン4が欠損している選択的転写物(下部)を示す。本方法は、mRNAを単離して、キャリーオーバー防止のためにUDGで処理することを含む(
図73・工程B)。dUTPの存在下において、3’転写物特異的プライマー(例えばエクソン5特異的プライマー)及び逆転写酵素を使用して、cDNAを生成する。エクソン3及びエクソン4に相補的なフォワードプライマーと共に、エクソン5プライマーを使用してcDNAをPCR増幅し、野生型及び欠失変異体の両方の単位複製配列を生成する。制限したPCR増幅(12〜20サイクル)を実施し、異なる単位複製配列の相対比率を維持する(
図73・工程B)。別の実施形態において、20〜40回のPCRサイクルを使用して対象領域を増幅する。プライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部を含有する。PCR産物はdUを組み込み、キャリーオーバー防止を可能にする(
図73・工程C)。
図73・工程Dに示すように、後のPCR増幅に好適なプライマー特異的部分(Ai、Ci’)を含有するエクソン接合部特異的ライゲーションオリゴヌクレオチドプローブを、塩基特異的な方法で、対応する標的配列にハイブリダイゼーションする。リガーゼは、2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合で閉じ(
図73・工程D)、タグプライマー(Ai、Ci)、並びに、ライゲーション接合部にまたがるTaqMan(商標)プローブ(F1−Q及びF2−Q)を使用した検出のために、ライゲーション産物の一定量を個別のウェルに分取する(
図73・工程E〜F)。リアルタイムPCRを使用し、異なる標識を付けたTaqMan(商標)プローブを検出して、野生型及び欠失変異体を定量化して識別する。キャリーオーバー防止のためにサンプルをUDGで処理し、この処理では、元の標的単位複製配列もまた破壊する(
図73・工程E)。dUTPの存在下においてPCRを使用した場合、本物のLDR産物のみが増幅する。元のPCRプライマー、及びLDRプローブのどちらもLDR産物を増幅せず、さらなるキャリーオーバー防止をもたらす。
【0171】
図74は、野生型転写物、及びエクソン欠失を有する転写物を定量化するための別のRT−PCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。
図74・工程Aは、エクソン1〜5を含有する野生型転写物(上部)、並びに、エクソン1〜3及び5を有し、エクソン4が欠損している選択的転写物(下部)を示す。UniTaqプライマー配列(Ai、Ci’)、及びUniTaqタグ配列(Bi’)を含有するようにエクソン接合部特異的ライゲーションプローブを設計することを除いて、本方法の工程A〜Dは、
図73で記載したものと実質的に同一である。したがって、本実施形態では、上述のように、かつ、
図74・工程E〜Gで記載したように、UniTaq特異的プライマー(F1−Bi−Q−Ai、Ci)を用いたリアルタイムPCRを使用して、野生型及び変異体転写物に対応するライゲーション産物を、後で増幅、検出、及び定量化する。
【0172】
図75は、野生型転写物、及びエクソン欠失を有する転写物を定量化するためのRT−PCR−qLDRキャリーオーバー防止反応を示す。
図75・工程Aは、エクソン1〜5を含有する野生型転写物(上部)、並びに、エクソン1〜3及び5を有し、エクソン4が欠損している選択的転写物(下部)を示す。本方法は、mRNAを単離して、キャリーオーバー防止のためにUDGで処理することを含む(
図75・工程B)。dUTPの存在下において、3’転写物特異的プライマー(例えばエクソン5特異的プライマー)及び逆転写酵素を使用して、cDNAを生成する。エクソン3及びエクソン4に相補的なフォワードプライマーと共に、エクソン5プライマーを使用してcDNAをPCR増幅し、野生型及び欠失変異体の両方の単位複製配列を生成する。プライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部、及びユニバーサルプライマー特異的部分を含有し、後のビオチン標識プライマーを使用したユニバーサルPCR増幅により、5’ビオチンを、対象の領域を含有する増幅産物に付加することを可能にする。PCR産物はdUを組み込み、キャリーオーバー防止を可能にする(
図75・工程C)。
図75・工程Dに示すように、ビオチン化PCR産物を固体支持体に固定し、エクソン接合部特異的ライゲーションプローブを使用して対象の領域を検出する。本実施形態において、ライゲーション対のエクソン接合部特異的ライゲーションプローブは、相補性尾部配列、及びそれぞれ、上述のように互いに極めて接近した場合にFRETを介して検出可能なシグナルを生成可能なアクセプターまたはドナー基を含有する。したがって、ライゲーションに続いて(
図75・工程D)、ライゲーション産物の相補性5’及び3’尾部末端は互いにハイブリダイゼーションし、対応するドナー及びアクセプター部位を互いに極めて接近させ、検出可能なFRETシグナルを生成する(
図75・工程E)。
【0173】
図76は、エクソン欠失を有する少量の転写物を検出するためのRT−PCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。
図76・工程Aは、エクソン1〜5を含有する野生型転写物(上部)、並びに、エクソン1〜3及び5を有し、エクソン4が欠損している選択的転写物(下部)を示す。本方法は、mRNAを単離して、キャリーオーバー防止のためにUDGで処理することを含む(
図76・工程B)。dUTPの存在下において、3’転写物特異的プライマー(例えば、エクソン5特異的プライマー)及び逆転写酵素を使用して、cDNAを生成する。エクソン3に相補的なフォワードプライマー、及びブロックオリゴヌクレオチドと共にエクソン5プライマーを使用して、cDNAをPCR増幅する。野生型転写物中のエクソン4にブロッキングオリゴヌクレオチドをハイブリダイゼーションすることにより、野生型転写物の増幅を防止する。したがって、欠失転写物に対応する増幅産物のみが生成する。PCR産物はdUTPを組み込み、キャリーオーバー防止を可能にする(
図76・工程C)。
図76・工程Dに示すように、後のPCR増幅に好適なタグプライマー特異的部分(Ai、Ci’)を含有するエクソン接合部特異的ライゲーションオリゴヌクレオチドプローブを、塩基特異的な方法で、対応する標的配列にハイブリダイゼーションする。リガーゼは2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合で閉じ、(
図76・工程D)、タグプライマー(Ai、Ci)、及び、ライゲーション接合部にまたがるTaqMan(商標)プローブ(F1−Q)を使用した検出のために、ライゲーション産物の一定量を個別のウェルに分取する(
図76・工程E〜F)。TaqMan(商標)プローブの蛍光性基の遊離により、リアルタイムPCRの間に欠失転写物を検出する。キャリーオーバー防止のためにサンプルをUDGで処理し、この処理では、元の標的単位複製配列もまた破壊する(
図76・工程E)。dUTPの存在下においてPCRを使用した場合、本物のLDR産物のみが増幅される。元のPCRプライマー、及びLDRプローブのどちらもLDR産物を増幅せず、さらなるキャリーオーバー防止をもたらす。
【0174】
図77及び78は、少量の欠失転写物を検出するための、
図76で記載して示したものに類似のRT−PCR−LDR−qPCR及びRT−PCR−qLDRキャリーオーバー防止反応を表す。
図77の実施形態において、UniTaqプライマー配列(Ai、Ci’)、及びUniTaqタグ配列(Bi’)を含有するように、エクソン接合部特異的ライゲーションプローブを設計する。したがって、本実施形態では、上述のように、かつ、
図77・工程E〜Gに記載したように、UniTaq特異的プライマー(F1−Bi−Q−Ai、Ci)を用いたリアルタイムPCRを使用して、欠失転写物に対応するライゲーション産物を後で増幅、検出、及び定量化する。
図78の実施形態において、ライゲーション対のエクソン接合部特異的ライゲーションプローブは、相補性尾部配列、及びそれぞれ、上述のように互いに極めて接近した場合にFRETを介して検出可能なシグナルを生成可能なアクセプターまたはドナー基を含有する。したがって、ライゲーションに続いて(
図78・工程D)、ライゲーション産物の相補性5’及び3’尾部末端が互いにハイブリダイゼーションして、対応するドナー及びアクセプター部位(D、F2)を互いに極めて接近させ、検出可能なFRETシグナルを生成する(
図78・工程E)。
【0175】
図79は、イントロンを挿入した選択的スプライシングを検出するためのRT−PCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応の概要を表す。
図79・工程Aは、DNAレベルでの、5個のエクソン及び4個のイントロンを有する遺伝子の図解を示す。
図79・工程Bは、エクソン1〜5を含有する野生型転写物(上部)、及び、イントロンi1を挿入し、エクソン1〜5を含有する選択的スプライシングを受けた転写物(下部)の例を示す。
図79・工程Bに示すように、本方法は、全血細胞、エクソソーム、またはCTCからmRNAを単離し、エクソン2に相補的なプライマーと逆転写酵素を使用してcDNAを生成することを含む。エクソン1に対するフォワードプライマーと共に、エクソン2特異的プライマーを使用してcDNAをPCR増幅し、野生型及びイントロン挿入変異体の両方の単位複製配列を生成する。
図79・工程Cに示すように、タグプライマー配列(Ai、Ci’;左パネル)、またはUniTaqプライマー及びタグ配列(Ai、Bi’−Ci’;右パネル)を含有するエクソン接合部特異的ライゲーションオリゴヌクレオチドプローブを、PCR産物中の対応する標的配列にハイブリダイゼーションし、接合部において完全に相補性である場合、リガーゼが、2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合で閉じる。上述したタグ特異的プライマー(Ai、Ci)及びTaqMan(商標)プローブ(F1−QもしくはF2−Q;
図79・工程D、左パネル)、またはUniTaqプライマー(F1−Bi−Q−Ai、F2−Bi−Q−Ai、及びCi、
図79・工程D、右パネル)を使用して、ライゲーション産物を増幅して検出する。
【0176】
図80は、野生型転写物、及びイントロン挿入を含有する選択的スプライシングを受けた転写物を定量化するためのRT−PCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。
図80・工程Bは、エクソン1〜5を含有する野生型転写物(上部)、及び、イントロンi1を挿入し、エクソン1〜5を含有する選択的スプライシングを受けた転写物(下部)の例を示す。本方法は、mRNAを単離して、キャリーオーバー防止のためにUDGで処理することを含む(
図80・工程B)。dUTPの存在下において、3’転写物特異的プライマー(例えばエクソン2特異的プライマー)及び逆転写酵素を使用して、cDNAを生成する。エクソン1に対するフォワードプライマーと共に、エクソン2特異的プライマーを使用してcDNAをPCR増幅し、野生型及びイントロン挿入変異体の両方の単位複製配列を生成する。制限したPCR増幅(12〜20サイクル)を実施し、異なる単位複製配列の相対比率を維持する(
図80・工程B)。別の実施形態では、対象領域は、20〜40サイクルを使用して増幅される。プライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部を含有する。PCR産物はdUを組み込み、キャリーオーバー防止を可能にする(
図80・工程C)。
図80・工程Dに示すように、後のPCR増幅に好適なタグプライマー特異的部分(Ai、Ci’)を含有するエクソン接合部特異的ライゲーションオリゴヌクレオチドプローブを、塩基特異的な方法で、対応する標的配列にハイブリダイゼーションする。リガーゼは、2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合で閉じ(
図80・工程D)、タグプライマー(Ai、Ci)、並びに、ライゲーション接合部にまたがるTaqMan(商標)プローブ(F1−Q及びF2−Q)を使用した検出のために、ライゲーション産物の一定量を個別のウェルに分取する(
図80・工程E〜F)。リアルタイムPCRを使用し、異なる標識を付けたTaqMan(商標)プローブを検出して、野生型及び挿入変異体を定量化して識別する。キャリーオーバー防止のためにサンプルをUDGで処理し、この処理では、元の標的単位複製配列もまた破壊する(
図80・工程E)。dUTPの存在下においてPCRを使用した場合、本物のLDR産物のみが増幅する。元のPCRプライマー、及びLDRプローブのどちらもLDR産物を増幅せず、さらなるキャリーオーバー防止をもたらす。
【0177】
図81は、野生型転写物、及びイントロン挿入を含有する選択的スプライシングを受けた転写物を定量化するための、別のRT−PCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。
図81・工程Bは、エクソン1〜5を含有する野生型転写物(上部)、及び、イントロンi1を挿入し、エクソン1〜5を含有する選択的スプライシングを受けた転写物(下部)の例を示す。UniTaqプライマー配列(Ai、Ci’)、及びUniTaqタグ配列(Bi’)を含有するように、エクソン接合部特異的ライゲーションプローブを設計することを除いて、本方法の工程A〜Dは、
図80で記載したものと実質的に同一である。したがって、本実施形態では、上述のように、かつ、
図81・工程E〜Gで記載したように、UniTaq特異的プライマー(F1−Bi−Q−Ai、Ci)を用いたリアルタイムPCRを使用して、野生型及び変異体転写物に対応するライゲーション産物を、後で増幅、検出、及び定量化する。
【0178】
図82は、野生型転写物、及びイントロン挿入を含有する選択的スプライシングを受けた転写物を定量化するためのRT−PCR−qLDRキャリーオーバー防止反応を示す。
図82・工程Bは、エクソン1〜5を含有する野生型転写物(上部)、及び、イントロンi1を挿入し、エクソン1〜5を含有する選択的スプライシングを受けた転写物(下部)の例を示す。本方法は、mRNAを単離して、キャリーオーバー防止のためにUDGで処理することを含む(
図82・工程B)。dUTPの存在下において、3’転写物特異的プライマー(例えばエクソン2特異的プライマー)及び逆転写酵素を使用して、cDNAを生成する。エクソン1に対するフォワードプライマーと共に、エクソン2特異的プライマーを使用してcDNAをPCR増幅し、野生型及びイントロン挿入変異体の両方の単位複製配列を生成する。プライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部、及びユニバーサルプライマー特異的部分を含有し、後のビオチン標識プライマーを使用したユニバーサルPCR増幅により、5’ビオチンを、対象の領域を含有する増幅産物に付加することを可能にする。PCR産物はdUを組み込み、キャリーオーバー防止を可能にする(
図82・工程C)。
図82・工程Dに示すように、ビオチン化PCR産物を固体支持体に固定し、エクソン接合部特異的ライゲーションプローブを使用して対象の領域を検出する。本実施形態において、ライゲーション対のエクソン接合部特異的ライゲーションプローブは、相補性尾部配列、及びそれぞれ、上述のように互いに極めて接近した場合にFRETを介して検出可能なシグナルを生成可能なアクセプターまたはドナー基を含有する。したがって、ライゲーションに続いて(
図82・工程D)、ライゲーション産物の相補性5’及び3’尾部末端は互いにハイブリダイゼーションし、対応するドナー及びアクセプター部位を互いに極めて接近させ、検出可能なFRETシグナルを生成する(
図82・工程E)。
【0179】
図83は、イントロン挿入を含有する少量の転写物を検出するためのRT−PCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を表す。
図83・工程Bは、エクソン1〜5を含有する野生型転写物(上部)、及び、イントロンi1を挿入し、エクソン1〜5を含有する選択的スプライシングを受けた転写物(下部)の例を示す。本方法は、mRNAを単離して、キャリーオーバー防止のためにUDGで処理することを含む(
図83・工程B)。dUTPの存在下において、3’転写物特異的プライマー(例えば、エクソン2特異的プライマー)及び逆転写酵素を使用して、cDNAを生成する。イントロン特異的フォワードプライマーと共にエクソン2プライマーを使用して、cDNAをPCR増幅する。イントロン特異的プライマーは野生型転写物を増幅しないため、イントロンi1挿入を含有する転写物のみが増幅される。PCR産物はdUを組み込み、キャリーオーバー防止を可能にする(
図83・工程C)。
図83・工程Dに示すように、後のPCR増幅に好適なプライマー特異的部分(Ai、Ci’)を含有するエクソン接合部特異的ライゲーションオリゴヌクレオチドプローブを、塩基特異的な方法で、対応する標的配列にハイブリダイゼーションする。リガーゼは、2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合で閉じ(
図83・工程D)、タグプライマー(Ai、Ci)、及び、ライゲーション接合部にまたがるTaqMan(商標)プローブ(F1−Q)を使用した検出のために、ライゲーション産物の一定量を個別のウェルに分取する(
図83・工程E〜F)。TaqMan(商標)プローブの蛍光性基の遊離により、リアルタイムPCRの間に、イントロン挿入を含有する転写物を検出する。キャリーオーバー防止のためにサンプルをUDGで処理し、この処理では、元の標的単位複製配列もまた破壊する(
図83・工程E)。dUTPの存在下においてPCRを使用した場合、本物のLDR産物のみが増幅される。元のPCRプライマー、及びLDRプローブのどちらもLDR産物を増幅せず、さらなるキャリーオーバー防止をもたらす。
【0180】
図84及び85は、少量のイントロン挿入転写物を検出するための、
図83で記載して示したものに類似のRT−PCR−LDR−qPCR及びRT−PCR−qLDRキャリーオーバー防止反応を表す。
図84の実施形態において、UniTaqプライマー配列(Ai、Ci’)、及びUniTaqタグ配列(Bi’)を含有するように、エクソン接合部特異的ライゲーションプローブを設計する。したがって、本実施形態では、上述のように、かつ、
図84・工程E〜Gに記載したように、UniTaq特異的プライマー(F1−Bi−Q−Ai、Ci)を用いたリアルタイムPCRを使用して、イントロン挿入転写物に対応するライゲーション産物を後で増幅、検出、及び定量化する。
図85の実施形態において、ライゲーション対のエクソン接合部特異的ライゲーションプローブは、相補性尾部配列、及びそれぞれ、上述のように互いに極めて接近した場合にFRETを介して検出可能なシグナルを生成可能なアクセプターまたはドナー基を含有する。したがって、ライゲーションに続いて(
図85・工程D)、ライゲーション産物の相補性5’及び3’尾部末端が互いにハイブリダイゼーションして、対応するドナー及びアクセプター部位(D、F1)を互いに極めて接近させ、検出可能なFRETシグナルを生成する(
図85・工程E)。
【0181】
本発明の方法は、サンプル中の1つ以上の標的ヌクレオチド配列の量の定量化または計算に好適である。例えば、本発明の方法を利用して、
図86〜91に示すように、サンプル中の1つ以上の標的核酸分子の相対的なコピー数を計算することができる。
【0182】
図86は、DNAコピー数を計算するためのPCR−LDRキャリーオーバー防止反応を示す。本方法は、CTC、腫瘍特異的エクソソーム、または他の生体サンプルからDNAを単離すること、及び、キャリーオーバー防止のためにUDGで処理することを含む(
図86・工程B)。サイクルを制限したPCR(12〜20サイクル)を使用して対象の染色体領域を増幅し、異なる単位複製配列の相対比率を維持する(
図86・工程B)。別の実施形態において、対象の染色体領域を、20〜40サイクルを使用して増幅する。正確な計算のために、PCR増幅の前に、サンプルを12、24、48、または96個のウェルに分配する。プライマーは、プライマー二量を防止するための同一の8〜11塩基尾部を含有する。PCR産物はdUを組み込み、キャリーオーバー防止を可能にする(
図86・工程C)。
図86・工程Dに示すように、後のPCR増幅に好適なプライマー特異的部分(Ai、Ci’)を含有する遺伝子座特異的ライゲーションオリゴヌクレオチドプローブを、塩基特異的な方法で、対応する標的配列にハイブリダイゼーションする。リガーゼは、2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合で閉じ(
図86・工程D)、タグプライマー(Ai、Ci)、及び、ライゲーション接合部にまたがるTaqMan(商標)プローブ(F1−Q)を使用した検出のために、ライゲーション産物の一定量を個別のウェルに分取する(
図86・工程E〜F)。異なるウェルまたはチャンバにおけるシグナルのポアソン分布に基づいて、DNAのコピー数を決定する。キャリーオーバー防止のためにサンプルをUDGで処理し、この処理では、元の標的単位複製配列もまた破壊する(
図86・工程E)。dUTPの存在下においてPCRを使用した場合、本物のLDR産物のみが増幅する。元のPCRプライマー、及びLDRプローブのどちらもLDR産物を増幅せず、さらなるキャリーオーバー防止をもたらす。
【0183】
図87は、DNAコピー数を計算するための別のPCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。本方法は、本質的には、
図86で示した方法と同一の工程(即ち、工程A〜D)を含むが、本実施形態では、遺伝子座特異的ライゲーションプローブは、UniTaqプライマー配列(Ai、Ci’)、及びUniTaqタグ配列(Bi’)を含有するように設計される。したがって、本実施形態では、上述のように、かつ、
図87・工程E〜Gで記載したように、UniTaq特異的プライマー(F1−Bi−Q−Ai、Ci)を用いたリアルタイムPCRを使用して、ライゲーション産物を後で増幅、検出、及び定量化する。異なるウェルまたはチャンバにおけるシグナルのポアソン分布に基づいてコピー数を決定する。
【0184】
図88も、DNAコピー数を計算するためのPCR−qLDRキャリーオーバー防止反応について示す。本方法は、CTC、腫瘍特異的エクソソーム、または他の生体サンプルからDNAを単離すること、及び、キャリーオーバー防止のためにUDGで処理することを含む(
図88・工程B)。サイクルを制限したPCR(12〜20サイクル)を使用して対象の染色体領域を増幅し、異なる単位複製配列の相対比率を維持する(
図88・工程B)。別の実施形態において、対象の染色体領域を、20〜40サイクルを使用して増幅する。正確な計算のために、PCR増幅の前に、サンプルを12、24、48、または96個のウェルに分配する。プライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部、及びユニバーサルプライマー特異的部分を含有し、後のビオチン標識プライマーを使用したユニバーサルPCR増幅により、5’ビオチンを、対象の領域を含有する増幅産物に付加することを可能にする。PCR産物はdUを組み込み、キャリーオーバー防止を可能にする(
図88・工程C)。
図88・工程Dに示すように、ビオチン化PCR産物を固体支持体に固定し、遺伝子座特異的ライゲーションプローブを使用して対象の領域を検出する。本実施形態において、ライゲーション対のエクソン接合部特異的ライゲーションプローブは、相補性尾部配列、及びそれぞれ、上述のように互いに極めて接近した場合にFRETを介して検出可能なシグナルを生成可能なアクセプターまたはドナー基を含有する。したがって、ライゲーションに続いて(
図88・工程D)、ライゲーション産物の相補性5’及び3’尾部末端は互いにハイブリダイゼーションし、対応するドナー及びアクセプター部位を互いに極めて接近させ、検出可能なFRETシグナルを生成する(
図88・工程E)。異なるウェルまたはチャンバにおけるシグナルのポアソン分布に基づいてコピー数を決定する。
【0185】
図89は、RNAコピー数を計算するためのRT−PCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。本方法は、全血細胞、エクソソーム、CTC、または他の生体サンプルからRNAを単離すること、及び、キャリーオーバー防止のためにUDGで処理することを含む(
図89・工程B)。dUTPの存在下において、3’転写物特異的プライマー及び逆転写酵素を使用して、cDNAを生成する。Taqポリメラーゼを活性化してサイクルを制限したPCR増幅(12〜20回)を実施し、異なる単位複製配列の相対比率を維持する(
図89・工程B)。正確な計算のために、PCR増幅の前に、サンプルを12、24、48、または96個のウェルに分配する。プライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部を含有する。PCR産物はdUを組み込み、キャリーオーバー防止を可能にする(
図89・工程C)。
図89・工程Dに示すように、後のPCR増幅に好適なタグプライマー特異的部分(Ai、Ci’)を含有する遺伝子座特異的ライゲーションオリゴヌクレオチドプローブを、塩基特異的な方法で、対応する標的配列にハイブリダイゼーションする。リガーゼは、2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合で閉じ(
図89・工程D)、タグプライマー(Ai、Ci)、及び、ライゲーション接合部にまたがるTaqMan(商標)プローブ(F1−Q)を使用した検出のために、ライゲーション産物の一定量を個別のウェルに分取する(
図89・工程E〜F)。異なるウェルまたはチャンバにおけるシグナルのポアソン分布に基づいたリアルタイムPCRを使用して、RNAのコピー数を定量化する。キャリーオーバー防止のためにサンプルをUDGで処理し、この処理では、元の標的単位複製配列もまた破壊する(
図89・工程E)。dUTPの存在下においてPCRを使用した場合、本物のLDR産物のみが増幅する。元のPCRプライマー、及びLDRプローブのどちらもLDR産物を増幅せず、さらなるキャリーオーバー防止をもたらす。
【0186】
図90は、RNAコピー数を計算するための別のRT−PCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。正確な計算のために、PCR増幅の前に、サンプルを12、24、48、または96個のウェルに分配する。本方法は、本質的には、
図89で示した方法と同一の工程(即ち、工程A〜D)を含むが、本実施形態では、遺伝子座特異的ライゲーションプローブは、UniTaqプライマー配列(Ai、Ci’)、及びUniTaqタグ配列(Bi’)を含有するように設計される。したがって、本実施形態では、上述のように、かつ、
図90・工程E〜Gで記載したように、UniTaq特異的プライマー(F1−Bi−Q−Ai、Ci)を用いたリアルタイムPCRを使用して、ライゲーション産物を後で増幅、検出、及び定量化する。異なるウェルまたはチャンバにおけるシグナルのポアソン分布に基づいてコピー数を決定する。
【0187】
図91は、RNAコピー数を計算するためのRT−PCR−qLDRキャリーオーバー防止反応を示す。本方法は、全血細胞、エクソソーム、CTC、または他の生体サンプルからRNAを単離すること、及び、キャリーオーバー防止のためにUDGで処理することを含む(
図91・工程B)。正確な計算のために、PCR増幅の前に、サンプルを12、24、48、または96個のウェルに分配する。dUTPの存在下において、3’転写物特異的プライマー及び逆転写酵素を使用して、cDNAを生成する。Taqポリメラーゼを活性化してサイクルを制限したPCR増幅(12〜20回)を実施し、異なる単位複製配列の相対比率を維持する(
図91・工程B)。プライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部、及びユニバーサルプライマー特異的部分を含有し、後のビオチン標識プライマーを使用したユニバーサルPCR増幅により、5’ビオチンを、対象の領域を含有する増幅産物に付加することを可能にする。PCR産物はdUを組み込み、キャリーオーバー防止を可能にする(
図91・工程C)。
図91・工程Dに示すように、ビオチン化PCR産物を固体支持体に固定し、遺伝子座特異的ライゲーションプローブを使用して対象の領域を検出する。本実施形態において、ライゲーション対のエクソン接合部特異的ライゲーションプローブは、相補性尾部配列、及びそれぞれ、上述のように互いに極めて接近した場合にFRETを介して検出可能なシグナルを生成可能なアクセプターまたはドナー基を含有する。したがって、ライゲーションに続いて(
図91・工程D)、ライゲーション産物の相補性5’及び3’尾部末端は互いにハイブリダイゼーションし、対応するドナー及びアクセプター部位を互いに極めて接近させ、検出可能なFRETシグナルを生成する(
図91・工程E)。異なるウェルまたはチャンバにおけるシグナルのポアソン分布に基づいてコピー数を決定する。本発明の別の態様は、サンプルにおいて、サンプル中の他のmiRNA分子のマイクロリボヌクレオチド配列とは1つ以上の塩基が異なる標的マイクロリボヌクレオチド配列を含有する、1つ以上のマイクロリボ核酸(miRNA)分子を識別する方法に関する。本方法は、サンプル中の他のmiRNA分子のマイクロリボヌクレオチド配列とは1つ以上の塩基が異なる標的マイクロリボヌクレオチド配列を潜在的に含有する1つ以上のmiRNA分子を含有するサンプルを提供すること、及び、該サンプルを、サンプル中に潜在的に存在するdU含有核酸分子を分解可能な1種以上の酵素と接触させることを含む。1つ以上のオリゴヌクレオチドプライマーセットを提供し、各プライマーセットは、(a)5’ステムループ部分、ブロック基、ループ領域内の内部プライマー特異的部分、及び、標的マイクロリボヌクレオチド配列を含有するmiRNA分子の3’部分に相補的な3’ヌクレオチド配列部分を有する第1のオリゴヌクレオチドプライマー、(b)標的マイクロリボヌクレオチド配列を含有するmiRNA分子の5’末端の相補鎖に相補的な3’ヌクレオチド配列部分、及び5’プライマー特異的部分を有する第2のオリゴヌクレオチドプライマー、(c)第1のオリゴヌクレオチドプライマーの内部プライマー特異的部分と同一のヌクレオチド配列を含む第3のオリゴヌクレオチドプライマー、並びに、(d)第2のオリゴヌクレオチドプライマーの5’プライマー特異的部分と同一のヌクレオチド配列を含む第4のオリゴヌクレオチドプライマーを含む。接触したサンプルを、プライマーセットの1つ以上の第1のオリゴヌクレオチドプライマー、dUTPを含むデオキシヌクレオチド混合物、及び逆転写酵素と混和し、逆転写反応混合物を形成する。サンプル中に存在する場合、第1のオリゴヌクレオチドプライマーは、標的マイクロリボヌクレオチド配列を含有するmiRNA分子にハイブリダイゼーションし、逆転写酵素はハイブリダイゼーションした第1のオリゴヌクレオチドプライマーの3’末端を伸長し、標的マイクロリボヌクレオチド配列を含有するmiRNA分子の相補鎖を含む伸長した第1のオリゴヌクレオチドプライマーを生成する。本方法は更に、プライマーセットの1つ以上の第2のオリゴヌクレオチドプライマーが、標的マイクロリボヌクレオチド配列を含有するmiRNA分子の相補鎖を含む伸長した第1のオリゴヌクレオチドプライマーの領域にハイブリダイゼーションし、伸長して、5’プライマー特異的部分、miRNA分子の標的マイクロリボヌクレオチド配列に対応するヌクレオチド配列、及び内部プライマー特異的部分の相補鎖を含む一次伸長生成物を生成するのに効果的な条件下において、逆転写反応混合物を、プライマーセットの第2、第3、及び第4のオリゴヌクレオチドプライマーと混和し、ポリメラーゼ反応混合物を形成することを含む。ポリメラーゼ連鎖反応混合物を、変性処理、ハイブリダイゼーション処理、及び伸長処理を含む1回以上のポリメラーゼ連鎖反応サイクルに供すことにより、複数の一次伸長生成物を形成する。本方法は更に、複数の一次伸長生成物をリガーゼ及び1つ以上のオリゴヌクレオチドプローブセットと混和し、ライゲーション反応混合物を形成することを含む。各オリゴヌクレオチドプローブセットは、(a)標的特異的部分を有する第1のオリゴヌクレオチドプローブ、並びに、(b)標的特異的部分、及び一次伸長生成物に相補的な部分を有する第2のオリゴヌクレオチドプローブを含み、プローブセットの第1及び第2のオリゴヌクレオチドプローブは、塩基特異的な方法で、一次伸長生成物の相補性標的特異的部分にて、間に接合部を有して互いに隣接してハイブリダイゼーションするように構成される。1つ以上のオリゴヌクレオチドプローブセットの第1及び第2のオリゴヌクレオチドプローブを互いにライゲーションして、ライゲーション反応混合物中でライゲーション産物配列を形成し、サンプル中のライゲーション産物配列を検出して識別することにより、サンプル中の他のmiRNA分子のマイクロリボヌクレオチド配列とは1つ以上の塩基が異なる標的マイクロリボヌクレオチド配列を含有する1つ以上のmiRNA分子を識別する。
【0188】
図92は、miRNAを定量化するためのPCR−LDRキャリーオーバー防止反応を示す。本方法は、エクソソームまたは他の生体サンプルからRNAを単離すること、及び、キャリーオーバー防止のためにUDGで処理することを含む(
図92・工程B)。標的miRNAの3’末端に相補的な部分を有し、ステムループ、タグ(Tj)、及びブロック基(塗りつぶした円)を含有するオリゴヌクレオチドプライマーを、標的miRNAの3’末端にハイブリダイゼーションする。dUTPの存在下において逆転写酵素(塗りつぶした菱形)を使用して、オリゴヌクレオチドプライマーの3’末端を伸長する(
図92・工程B)。
図92・工程Bに示すように、Taqポリメラーゼを活性化して、逆転写したmiRNAの一部に相補的な配列及び上流プライマー特異的配列部分尾部(Ti)を含むブリッジプライマー、並びにタグ(Ti、Tj)プライマーを使用した、サイクルを制限したPCR増幅(12〜20回)を実施する。プライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部を含有する。所望により、PCRの前に、サンプルの一定量を12、24、48、または96個のウェルに分取することができる。PCR産物はdUTPを組み込み、キャリーオーバー防止を可能にする(
図92・工程C)。
図92・工程Dに示すように、後のPCR増幅に好適なプライマー特異的部分(Ai、Ci’)を含有するmiRNA配列特異的ライゲーションプローブを、塩基特異的な方法で、PCR産物中の対応する標的配列にハイブリダイゼーションする。リガーゼは、2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合で閉じ(
図92・工程D)、タグプライマー(Ai、Ci)、及び、ライゲーション接合部にまたがるTaqMan(商標)プローブ(F1−Q)を使用した検出のために、ライゲーション産物の一定量を個別のウェルに分取する(
図92・工程E〜F)。遊離したTaqMan(商標)プローブの標識の検出に基づいたリアルタイムPCRを使用して、サンプル中におけるmiRNAの存在を定量化する。キャリーオーバー防止のためにサンプルをUDGで処理し、この処理では、元の標的単位複製配列もまた破壊する(
図92・工程E)。dUTPの存在下においてPCRを使用した場合、本物のLDR産物のみが増幅する。元のPCRプライマー、及びLDRプローブのどちらもLDR産物を増幅せず、さらなるキャリーオーバー防止をもたらす。
【0189】
図93は、miRNAを定量化するための別のRT−PCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。本方法は、本質的には、
図92で示した方法と同一の工程(即ち、工程A〜D)を含むが、本実施形態では、miRNA特異的ライゲーションプローブは、UniTaqプライマー配列(Ai、Ci’)、及びUniTaqタグ配列(Bi’)を含有するように設計される。したがって、本実施形態では、上述のように、かつ、
図93・工程E〜Gで記載したように、UniTaq特異的プライマー(F1−Bi−Q−Ai、Ci)を用いたリアルタイムPCRを使用して、ライゲーション産物を後で増幅、検出、及び定量化する。
【0190】
図94もまた、miRNAを定量化するためのRT−PCR−qLDRキャリーオーバー防止反応について示す。本方法は、エクソソームまたは他の生体サンプルからRNAを単離すること、及び、キャリーオーバー防止のためにUDGで処理することを含む(
図94・工程B)。標的miRNAの3’末端に相補的な部分を有し、ステムループ、タグ(Tj)、及びブロック基(塗りつぶした円)を含有するオリゴヌクレオチドプライマーを、標的miRNAの3’末端にハイブリダイゼーションする。dUTPの存在下において逆転写酵素(塗りつぶした菱形)を使用して、オリゴヌクレオチドの3’末端を伸長する(
図94・工程B)。
図94・工程Bに示すように、Taqポリメラーゼを活性化して、逆転写したmiRNAの一部に相補的な配列及び上流プライマー特異的配列部分(Ti)を含むブリッジプライマー、並びにタグ(Ti、Tj)プライマーを使用した、サイクルを制限したPCR増幅(12〜20回)を実施する。プライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部、及びユニバーサルプライマー特異的部分を含有し、後のビオチン標識プライマーを使用したユニバーサルPCR増幅により、5’ビオチンを、対象の領域を含有する増幅産物に付加することを可能にする。PCR産物はdUを組み込み、キャリーオーバー防止を可能にする(
図94・工程C)。
図94・工程Dに示すように、ビオチン化PCR産物を固体支持体に固定し、miRNA配列特異的ライゲーションプローブを使用して対象の領域を検出する。本実施形態において、ライゲーション対のmiRNA配列特異的ライゲーションプローブは、相補性尾部配列、及びそれぞれ、上述のように互いに極めて接近した場合にFRETを介して検出可能なシグナルを生成可能なアクセプターまたはドナー基を含有する。したがって、ライゲーションに続いて(
図94・工程D)、ライゲーション産物の相補性5’及び3’尾部末端は互いにハイブリダイゼーションし、対応するドナー及びアクセプター部位を互いに極めて接近させ、検出可能なFRETシグナルを生成する(
図94・工程E)。
【0191】
本発明の別の態様は、サンプルにおいて、サンプル中の他のmiRNA分子とは1つ以上の塩基の配列が異なる標的マイクロリボヌクレオチド配列を含有する1つ以上のマイクロリボ核酸(miRNA)分子を識別するための方法に関する。本方法は、他のmiRNA分子とは1つ以上の塩基の違いにより配列が異なる標的マイクロリボヌクレオチド配列を潜在的に含有する1つ以上のmiRNA分子を含有するサンプルを提供すること、及び、該サンプルを、サンプル中に潜在的に存在するdU含有核酸分子を分解可能な1種以上の酵素と接触させることを含む。接触したサンプルを、リガーゼと、並びに、5’リン酸基、5’ステムループ部分、ループ領域内の内部プライマー特異的部分、ブロック基、及び、標的マイクロリボヌクレオチド配列を含有するmiRNA分子の3’部分に相補的な3’ヌクレオチド配列を含む第1のオリゴヌクレオチドプローブと混和してライゲーション反応物を形成する。本方法は更に、サンプル中に存在する場合、3’末端に標的マイクロリボヌクレオチド配列を含有するmiRNA分子を、第1のオリゴヌクレオチドプローブの5’リン酸基にライゲーションして、第1のオリゴヌクレオチドプローブに付加された標的マイクロリボヌクレオチド配列を含有するmiRNA分子を含むキメラ核酸分子を生成することを含む。1つ以上のオリゴヌクレオチドプライマーセットを提供し、各プライマーセットは、(a)標的マイクロリボヌクレオチド配列及び5’プライマー特異的部分を含有するmiRNA分子の5’末端の相補鎖に相補的な3’ヌクレオチド配列を含む第1のオリゴヌクレオチドプライマー、(b)第1のオリゴヌクレオチドプローブの内部プライマー特異的部分に相補的なヌクレオチド配列を含む第2のオリゴヌクレオチドプライマー、及び(c)第1のオリゴヌクレオチドプライマーの5’プライマー特異的部分と同一のヌクレオチド配列を含む第3のオリゴヌクレオチドプライマーを含む。キメラ核酸分子を、1つ以上の第2のオリゴヌクレオチドプライマー、dUTPを含むデオキシヌクレオチド混合物、及び逆転写酵素と混和して逆転写反応混合物を形成し、プライマーセットの1つ以上の第2のオリゴヌクレオチドプライマーは、キメラ核酸分子の内部プライマー特異的部分にハイブリダイゼーションし、サンプル中に存在する場合、3’末端にて伸長してキメラ核酸分子の相補鎖を生成する。本方法は更に、逆転写反応混合物を、プライマーセットの第1及び第3のオリゴヌクレオチドプライマーと混和してポリメラーゼ反応混合物を形成すること、並びに、ポリメラーゼ連鎖反応混合物を、変性処理、ハイブリダイゼーション処理、及び伸長処理を含む1回以上のポリメラーゼ連鎖反応サイクルに供すことにより一次伸長生成物を形成することを含む。一次伸長生成物は、5’プライマー特異的部分、miRNA分子の標的マイクロリボヌクレオチド配列に対応するヌクレオチド配列、及び、内部プライマー特異的部分またはその相補鎖を含む。一次伸長生成物を、リガーゼ及び1つ以上のオリゴヌクレオチドプローブセットと混和し、ライゲーション反応混合物を形成する。各オリゴヌクレオチドプローブセットは、(a)標的特異的部分を有する第1のオリゴヌクレオチドプローブ、並びに、(b)標的特異的部分、及び一次伸長生成物に相補的な部分を有する第2のオリゴヌクレオチドプローブを含み、プローブセットの第1及び第2のオリゴヌクレオチドプローブは、塩基特異的な方法で、一次伸長生成物の相補性標的特異的部分にて、間に接合部を有して互いに隣接してハイブリダイゼーションするように構成される。1つ以上のオリゴヌクレオチドプローブセットの第1及び第2のオリゴヌクレオチドプローブを互いにライゲーションして、ライゲーション反応混合物中でライゲーション産物配列を形成し、サンプル中のライゲーション産物配列を検出して識別することにより、サンプル中の他のmiRNA分子とは1つ以上の塩基の配列が異なる標的マイクロリボヌクレオチド配列を含有する1つ以上のmiRNA分子を識別する。
【0192】
図95は、miRNAを定量化するためのライゲーション−RT−PCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。本方法は、エクソソームからRNAを単離すること、及び、キャリーオーバー防止のためにUDGで処理することを含む(
図95・工程B)。標的miRNAの3’末端に相補的な部分を有し、ステムループ、タグ(Tj’)、及びブロック基(塗りつぶした円)を含有するオリゴヌクレオチドプローブを、プローブの5’末端から標的miRNAの3’末端にライゲーションする。ライゲーション産物は、miRNA、Tj’タグ、ブロック基、及びmiRNAの3’部分に相補的な配列を含む(
図95・工程B)。Tj’に対するプライマー、及び逆転写酵素を使用してcDNAを生成する。
図95・工程Bに示すように、逆転写したmiRNAの一部に相補的な配列及び上流プライマー特異的配列部分(Ti)を含むブリッジプライマー、並びにタグ(Ti、Tj)プライマーを使用する、サイクルを制限したPCR増幅(12〜20サイクル)において、TaqポリメラーゼによりcDNAを増幅する。あるいは、20〜40回のPCRサイクルを使用してcDNAを増幅する。プライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部を含有する。所望により、PCRの前に、サンプルの一定量を12、24、48、または96個のウェルに分取することができる。PCR産物はdUを組み込み、キャリーオーバー防止を可能にする(
図95・工程C)。
【0193】
図95・工程Dに示すように、後のPCR増幅に好適なプライマー特異的部分(Ai、Ci’)を含有するmiRNA配列特異的ライゲーションプローブを、塩基特異的な方法で、対応する標的配列にハイブリダイゼーションする。リガーゼは、2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合で閉じ(
図95・工程D)、タグプライマー(Ai、Ci)、及び、ライゲーション接合部にまたがるTaqMan(商標)プローブ(F1−Q)を使用した検出のために、ライゲーション産物の一定量を個別のウェルに分取する(
図95・工程E〜F)。遊離したTaqMan(商標)プローブの標識の検出に基づいたリアルタイムPCRを使用して、サンプル中におけるmiRNAの存在を定量化する。キャリーオーバー防止のためにサンプルをUDGで処理し、この処理では、元の標的単位複製配列もまた破壊する(
図95・工程E)。dUTPの存在下においてPCRを使用した場合、本物のLDR産物のみが増幅する。元のPCRプライマー、及びLDRプローブのどちらもLDR産物を増幅せず、さらなるキャリーオーバー防止をもたらす。
【0194】
図96は、miRNAを定量化するための別のライゲーション−RT−PCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。本方法は、本質的には、
図95で示した方法と同一の工程(即ち、工程A〜D)を含むが、本実施形態では、miRNA特異的ライゲーションプローブは、UniTaqプライマー配列(Ai、Ci’)、及びUniTaqタグ配列(Bi’)を含有するように設計される。したがって、本実施形態では、上述のように、かつ、
図96・工程E〜Gで記載したように、UniTaq特異的プライマー(F1−Bi−Q−Ai、Ci)を用いたリアルタイムPCRを使用して、ライゲーション産物を後で増幅、検出、及び定量化する。
【0195】
図97は、miRNAを定量化するためのライゲーション−RT−PCR−qLDRキャリーオーバー防止反応を示す。本方法は、
図95に記載して示したのと実質的に同じ工程、即ち工程A及びBを含む。しかし、本実施形態では、工程Bで生成されるcDNAを、少なくとも1種のビオチン標識プライマーを使用して増幅し、5’ビオチンを、対象の領域を含有する増幅産物に付加する。PCR産物はdUを組み込み、キャリーオーバー防止を可能にする(
図97・工程C)。
図97・工程Dに示すように、ビオチン化PCR産物を固体支持体に固定し、miRNA配列特異的ライゲーションプローブを使用して対象の領域を検出する。本実施形態において、ライゲーション対のmiRNA配列特異的ライゲーションプローブは、相補性尾部配列、及びそれぞれ、上述のように互いに極めて接近した場合にFRETを介して検出可能なシグナルを生成可能なアクセプターまたはドナー基を含有する。したがって、ライゲーションに続いて(
図97・工程D)、ライゲーション産物の相補性5’及び3’尾部末端は互いにハイブリダイゼーションし、対応するドナー及びアクセプター部位を互いに極めて接近させ、検出可能なFRETシグナルを生成する(
図97・工程E)。
【0196】
図98は、miRNAを定量化するためのライゲーション−RT−PCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。本方法は、エクソソームまたは他の生体サンプルからRNAを単離すること、及び、キャリーオーバー防止のためにUDGで処理することを含む(
図98・工程B)。標的miRNAの3’末端に相補的な部分を有し、ステムループ、タグ(Tj’)、及びブロック基(塗りつぶした円)を含有するオリゴヌクレオチドプローブを、プローブの5’末端から標的miRNAの3’末端にライゲーションする。ライゲーション産物は、miRNA、Tj’タグ、ブロック基、及びmiRNAの3’部分に相補的な配列を含む(
図98・工程B)。プライマーTj、及び逆転写酵素を使用してcDNAを生成する。逆転写したmiRNAの一部に相補的な配列及び上流プライマー特異的配列部分(Ti)を含むブリッジプライマー、並びにタグ(Ti、Tj)プライマーを使用する、サイクルを制限したPCR増幅(12〜20サイクル)において、TaqポリメラーゼによりcDNAを増幅し、ブリッジプライマーは、
図98・工程Cに示すように、3’末端に切断可能なブロック基を含有する。あるいは、20〜40回のPCRサイクルを使用してcDNAを増幅する。上述のように、C3スペーサーは好適なブロック基であり、RNA塩基(r)は、プライマーが相補性標的にハイブリダイゼーションする場合にのみ、RNaseH(星印)を使用して切断される。プライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部を含有する。所望により、PCRの前に、サンプルの一定量を24、48、または96個のウェルに分取することができる。PCR産物はdUを組み込み、キャリーオーバー防止を可能にする(
図98・工程D)。
【0197】
図98・工程Eに示すように、後のPCR増幅に好適なプライマー特異的部分(Ai、Ci’)を含有するmiRNA配列特異的ライゲーションプローブを、塩基特異的な方法で、対応する標的配列にハイブリダイゼーションする。リガーゼは、2つのオリゴヌクレオチドを互いに共有結合で閉じ(
図98・工程E)、タグプライマー(Ai、Ci)、及び、ライゲーション接合部にまたがるTaqMan(商標)プローブ(F1−Q)を使用した検出のために、ライゲーション産物の一定量を個別のウェルに分取する(
図98・工程F〜G)。遊離したTaqMan(商標)プローブの標識の検出に基づいたリアルタイムPCRを使用して、サンプル中におけるmiRNAの存在を定量化する。キャリーオーバー防止のためにサンプルをUDGで処理し、この処理では、元の標的単位複製配列もまた破壊する(
図98・工程F)。dUTPの存在下においてPCRを使用した場合、本物のLDR産物のみが増幅する。元のPCRプライマー、及びLDRプローブのどちらもLDR産物を増幅せず、さらなるキャリーオーバー防止をもたらす。
【0198】
図99は、miRNAを定量化するための別のライゲーション−RT−PCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。本方法は、本質的には、
図98で示した方法と同一の工程(即ち工程A〜E)を含むが、本実施形態では、miRNA特異的ライゲーションプローブは、UniTaqプライマー配列(Ai、Ci’)、及びUniTaqタグ配列(Bi’)を含有するように設計される。したがって、本実施形態では、上述のように、かつ、
図99・工程F〜Hに記載するように、UniTaq特異的プライマー(F1−Bi−Q−Ai、Ci)を用いたリアルタイムPCRを使用して、ライゲーション産物を後で増幅、検出、及び定量化する。
【0199】
図100は、miRNAを定量化するためのライゲーション−RT−PCR−LDR−qPCRキャリーオーバー防止反応を示す。本方法は、
図98に記載して示したのと実質的に同じ工程、即ち工程A及びBを含む。しかし、本実施形態では、工程Bで作製するcDNAを、少なくとも1種のビオチン標識プライマーを使用して増幅し、対象の領域を含有するビオチン化生成物を形成する。PCR産物はdUを組み込み、キャリーオーバー防止を可能にする(
図100・工程D)。
図100・工程Eに示すように、ビオチン化PCR産物を固体支持体に固定し、miRNA配列特異的ライゲーションプローブを使用して対象の領域を検出する。本実施形態において、ライゲーション対のmiRNA配列特異的ライゲーションプローブは、相補性尾部配列、及びそれぞれ、上述のように互いに極めて接近した場合にFRETを介して検出可能なシグナルを生成可能なアクセプターまたはドナー基を含有する。したがって、ライゲーションに続いて(
図100・工程E)、ライゲーション産物の相補性5’及び3’尾部末端は互いにハイブリダイゼーションし、対応するドナー及びアクセプター部位を互いに極めて接近させ、検出可能なFRETシグナルを生成する(
図100・工程F)。
【0200】
本明細書でより詳細に記載されるように、本発明の方法は、1つ以上のヌクレオチド塩基の変異、挿入、欠失、転座、スプライス変異体、miRNA変異体、選択的転写、選択的開始部位、選択的コード配列、選択的非コード配列、選択的スプライシング、エクソン挿入、エクソン欠失、イントロン挿入、ゲノムレベル及び/またはメチル化ヌクレオチド塩基での他の再配列を含む少量の核酸分子を検出することが可能である。
【0201】
本明細書で使用する場合、「少量の核酸分子」とは、サンプル中に1%〜0.01%程の少なさで存在する標的核酸分子を意味する。即ち、1つ以上のヌクレオチド塩基の変異、挿入、欠失、転座、スプライス変異体、miRNA変異体、選択的転写、選択的開始部位、選択的コード配列、選択的非コード配列、選択的スプライシング、エクソン挿入、エクソン欠失、イントロン挿入、ゲノムレベル及び/またはメチル化ヌクレオチド塩基での他の再配列を有する少量の核酸分子を、1つ以上のヌクレオチド塩基の変異、挿入、欠失、転座、スプライス変異体、miRNA変異体、選択的転写、選択的開始部位、選択的コード配列、選択的非コード配列、選択的スプライシング、エクソン挿入、エクソン欠失、イントロン挿入、ゲノムレベル及び/またはメチル化ヌクレオチド塩基での他の再配列を有しない、少量の核酸分子と類似したヌクレオチド配列を有するサンプル(即ち、多量の核酸分子)中の、100〜10,000倍過剰の核酸分子から識別することができる。
【0202】
本発明のいくつかの実施形態では、1つ以上の少量の標的ヌクレオチド配列のコピー数を、少量の核酸分子と類似のヌクレオチド配列を有するサンプル中の、多量の核酸分子のコピー数と比較して定量化する。本発明の他の実施形態において、サンプル中の他のヌクレオチド配列と比較して、1つ以上の標的ヌクレオチド配列を定量化する。本発明の他の実施形態において、1つ以上の標的ヌクレオチド配列の相対的なコピー数を定量化する。相対的、及び絶対的(即ちコピー数)定量化の方法は、当該技術分野において周知である。
【0203】
検出される少量の標的核酸分子は、組織、細胞、血清、血液、血漿、羊水、痰、尿、体液、身体分泌物、身体排泄物、無細胞血中循環核酸、無細胞血中循環腫瘍核酸、妊娠した女性の無細胞血中循環胎児核酸、血中循環腫瘍細胞、腫瘍、腫瘍生検、及びエクソソームを含むがこれらに限定されない任意の生体サンプル中に存在することができる。
【0204】
本発明の方法は、病状の診断もしくは予測、及び/または遺伝子型もしくは病気の素因の識別に好適である。
【0205】
初期の癌検出に関して、本発明の方法は、サンプル中に1%〜0.01%で存在する場合、既知の遺伝子(例えばCRAF、KRAS)中の反復変異体、及び既知の遺伝子(例えばp53)中の一般的でない変異の両方の検出に好適である。本発明の方法は、エクソソームから単離した腫瘍特異的mRNA(例えば、マッチする通常の粘膜から結腸腫瘍組織を識別する多くの発現マーカー)、及び、エクソソームまたはアルゴノートタンパク質から単離した腫瘍特異的miRNA(例えば、マッチする通常の粘膜から結腸腫瘍組織を識別する多くのマイクロRNAマーカー)の正確な定量化を達成することもまた可能である。本発明の方法は、血中循環腫瘍細胞から単離したDNA中の腫瘍特異的コピーの変化の正確な定量化(例えば、マッチする通常の粘膜から結腸腫瘍組織を識別する多くのコピー変化)、及び、血中循環腫瘍細胞から単離したDNA(例えばKRAS、BRAF、AKT、p53、BrCA1遺伝子)における変異の検出もまた提供する。
【0206】
本発明は、(i)エクソソームまたは血中循環腫瘍細胞から単離した腫瘍特異的mRNA、(ii)エクソソームまたはアルゴノートタンパク質から単離した腫瘍特異的miRNA、及び(iii)転帰を予測可能、または治療をガイド可能な、血中循環腫瘍細胞から単離したDNA中の腫瘍特異的コピーの変化を正確に定量化することも可能である。本発明は、転帰を予測するか、または治療をガイドする、血中循環腫瘍細胞から単離したDNA、例えばKRAS、BRAF、AKT、p53、BrCA1または他の遺伝子における変異を検出することも可能である。
【0207】
出生前診断に関して、本発明の方法は、コピー数を数えることによる異数性(例えばトリソミー21)、既知の遺伝子に一般的な変異を含有する遺伝病(例えば鎌形赤血球貧血、嚢胞性線維症)、既知の遺伝子に一般的でない変異を含有する遺伝病(例えば家族性大腸ポリポーシス)、既知の遺伝子における、既知の、または散発性の、コピー数の喪失または増加により生じる遺伝病(例えばデュシェンヌ型筋ジストロフィー)を検出し、父子鑑別を行うことが可能である。
【0208】
上述のアッセイを臨床的設定において実施する重要な観点は、横列、及び縦列にサンプル、試薬及びアッセイ特異的プローブ/プライマーを満たすのに必要な労力の量を減少させることである。多くの実験室では96ウェルプレートが標準的であるが、384ウェルプレートはより高いスループット、及び各アッセイウェルのコスト低下をもたらす。これらのウェルプレートを採用することによる障害の一部により、これらのプレートに関係する労働が増加し、これはピペッティングロボットにより解決可能であるが、相当の資本的支出を含む。プレート内でのアッセイの特定の構成に応じて、ピペットチップの使用が増加することによってもまた、著しい支出が発生する。上述のアッセイの一実施形態では、24個のマルチプレックスPCR−LDR反応物をマイクロタイタープレートの24個の縦列に分配し、続いて、LDRタグプローブの16種類の異なるセットを、プレートの横列にわたって分配することを必要とする。このアッセイ設定では、8チップピペッターにより48回の送達を行い縦列を満たし、次いで、8チップピペッターによる48回の送達により列を全て満たすことを必要とする。1536個のウェルを有するプレートは、アッセイのコストを更に低下させるという利点を有するが、人が操作する手動能力を超えているため、自動化した充填が必要とされる。液体を各「ウェル」に導入する、デッドボリュームが少ないチャネルを使用するマイクロ流体デバイスを使用することにより、ピペット操作の回数を減少させて多くの横列及び縦列を同時に満たすことができる装置が実用化されているが、バルブ及び外部バルブドライバーを更に複雑にする必要がある。異なるアプローチがはっきりと是認されている。
【0209】
本発明の別の態様は、マイクロタイタープレートと組み合わせて使用するための、対向した上部表面及び底部表面を有し、上部表面はウェルの中に至る開口部を有し、底部表面はウェルの閉鎖端を画定するマイクロタイタープレートの、横及び/または縦一列になった2つ以上のウェルに同時に液体を加えるデバイスに関する。本デバイスは、第1及び第2の境界により画定される第1層を含み、計量チャンバが前記第1層の第1及び第2の境界の間に延在し、互いに流体連通している。第1層は作動可能な位置で、マイクロタイタープレートに隣接して適合するように構成され、第1層の第1の境界はマイクロタイタープレートの上部表面に最も近く、計量チャンバのそれぞれは、マイクロタイタープレートの横及び/または縦一列になった個々のウェルと流体連通している。第1層は、計量チャンバの1つ以上と流体連通した充填チャンバを更に含む。本デバイスは、第1及び第2の境界により画定される第2層を含み、充填ポートが第2層の第1及び第2の境界の間に延在する。第2層は、作動可能な位置で第1層に隣接して適合するように構成され、第2層の第1の境界は第1層の第2の境界に最も近く、充填ポートは充填室と連動している。第1層、第2層、及びマイクロタイタープレートが互いに作動可能な位置で配置される場合、充填ポートを通してデバイスに入る液体は、充填チャンバ、計量チャンバを通過して、マイクロタイタープレートの横及び/または縦一列になった2つ以上のウェルに入る。
【0210】
いくつかの実施形態において、本発明のデバイスは、第1及び第2の境界を有する中間層を更に含み、中間層流路が、前記中間層の第1及び第2の境界の間に延在している。中間層は、作動可能な位置でマイクロタイタープレートと第1層との間に適合するように構成され、中間層の第1の境界はマイクロタイタープレートの上部表面に隣接し、中間層の第2の境界は第1層の第1の境界に隣接している。中間層流路の1つはマイクロタイタープレートの横及び/または縦一列になった個々のウェルと連動しており、第1層、第2層、中間層、及びマイクロタイタープレートが、作動可能な位置で互いに配置される場合、充填ポートを通してデバイスに入る液体は充填チャンバ、計量チャンバ、中間層流路を通過し、マイクロタイタープレートのウェルに入る。
【0211】
本発明のデバイスは、第1及び第2の境界を有する第3層を更に含んでよく、充填ポートコネクタが、第3層の第1及び第2の境界の間に延在している。第3層は、作動可能な位置で第1及び第2層の間に適合するように構成され、第3層の第1の境界は第1層の第2の境界に隣接し、充填ポートコネクタは充填ポートと連動している。第1層、第2層、第3層、中間層、及びマイクロタイタープレートが、作動可能な位置で互いに配置される場合、充填ポートを通してデバイスに入る液体は充填ポートコネクタ、充填チャンバ、計量チャンバ、中間層流路を通過し、マイクロタイタープレートのウェルに入る。
【0212】
図103〜112は、本発明のデバイスの1つの例示的実施形態を示す。
図103は、本発明のデバイスと組み合わせて使用される、典型的な384ウェルマイクロタイタープレート100の上部及び側面図を示す。マイクロタイタープレートはいくつかのウェル103により画定され、各ウェルは、サンプル及び/または反応試薬を受けるのに好適な上部開口端104、並びに閉口下端102を有する。
図104は、
図103のマイクロタイタープレートの斜視図を示す。
【0213】
図105及び106は、それぞれ、マイクロタイタープレート100の上部表面に隣接して配置した、デバイスの中間層106の上部及び側面図、並びに分解斜視図を示す。デバイスの中間層106は、中間層に延在する中間流路108を含有する。中間層106の各中間流路108は、マイクロタイタープレート100の横列または縦列の個別のウェル103と連動している。一実施形態では、中間層流路は、計量チャンバから、マイクロタイタープレートのウェルへの液体の流れを制御または防止するためのバーストバルブとして機能する。中間層流路108の垂直チャネルの直径が、遠心力が加わるまで液体が計量チャンバ120(
図107を参照)から流れることを防止する表面張力を生み出す。いくつかの実施形態において、中間層流路108の垂直壁は、遠心力が加わるまで、計量チャンバ120からの流体流れの抵抗を増加させる疎水性物質で構成されるか、これによりコーティングされる。好適な疎水性物質としては、≧90°の水接触角を有する任意の材料、例えば、環状オレフィンコポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリジメチルシロキサン、フッ素化エチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。あるいは、中間層流路の壁を、<90°の水接触角を有する親水性材料で構成する一方、疎水性コーティング、例えばテフロン−カーボンブラックで処理し、>150°の水接触角を有する超疎水性表面を作製してもよい。
【0214】
計量チャンバ120(
図107を参照)の容積に対する中間層流路108の抵抗の比率は、当業者により容易に計算可能である。あるいは、外から加わる力の影響を受けながら液体を放出する受動性バルブの他の実施形態を用いることができる。
【0215】
図105及び106に示すように、中間層106は、第1層のオーバーフローチャンバ116を第1層の充填チャンバ118(
図107を参照)と接続するオーバーフロー流路110もまた含有する。
【0216】
図101及び102に示すように、マイクロタイタープレートの上部の周辺にデバイスの位置を記号で示すことにより、マイクロタイタープレートの上部表面への、デバイスの適切な配置及び配向を達成する。計量チャンバのそれぞれを更に位置合わせすることは、
図105の側面図に示すように、マイクロタイタープレート100の各ウェル103の開口端104と接する中間層106にフランジまたはスカート112を用いることにより達成可能である。位置決めの他の実施形態は、例えば、マイクロタイタープレートのウェルの上部の小型フランジに基づいて、当業者により想到されることができる。気密シールを提供することを意図したものではないが、
図105に示す中間層106のフランジまたはスカート112は、マイクロタイタープレート100の隣接ウェル間での交差汚染制御のいくらかの対策をもたらす。
【0217】
図107及び108は、それぞれ、デバイスの中間層106の第2の境界に隣接して作動可能に配置した、デバイスの第1層114の上部及び側面図、並びに分解斜視図を示す。デバイスの第1層114は、計量チャンバチャネル122を介して互いに、かつ、マイクロタイタープレートの個々のウェル103と流体連通した計量チャンバ120を含有する。計量チャンバ120は、マイクロタイタープレート100の各ウェル103に送達される液体の体積を制御するための固定容積を有する。計量チャンバ120は、液体の毛管現象により、または、機械的な力(例えば、液体を充填チャンバ118に押すピペッターの力)により、充填チャンバ118から液体を受ける。一実施形態では、デバイスの計量チャンバ120は全て、同じ計量容積を有する。別の実施形態では、計量チャンバ120は、横列及び/または縦列1つあたりで異なる計量容積を有する。充填チャンバ、計量チャンバの壁、及び計量チャンバチャネルは、親水性材料で構成されるか、またはこれでコーティングされてもよい。
【0218】
図107及び108に示すように、各計量チャンバ120は、中間層流路108を介してマイクロタイタープレートのウェル103と流体連通している。上述のように、中間層流路は、適切な力、例えば遠心力が加わるまで、計量チャンバ120内の液体がマイクロタイタープレート100のウェル103に流れることを防止するためのバーストバルブとして機能してもよい。
【0219】
図107及び108に示すように、デバイスの第1層114は、オーバーフローチャンバ116もまた含有する。上記の通り、オーバーフローチャンバ116は、中間層106のオーバーフロー流路110を介して充填チャンバ118と流体連通している。
【0220】
図109及び110は、それぞれ、デバイスの第1層114の第2の境界に作動可能に隣接して配置された、デバイスの第3層124の上部及び側面図、並びに分解斜視図を示す。デバイスの第3層124は、第3層124を通して延在し第2層130の充填ポート132(
図111に示す)を第1層114の充填チャンバ118と連動させ接続する、充填ポートコネクタ128を含有する。第3層124は、第3層124を通して延在し第1層114の計量チャンバ120を第2層130の通気道136(これも
図111に示す)と連動させ接続する通気道コネクター126も含有する。第3層の通気道コネクター126の壁は、疎水性物質で構成されるか、またはこれでコーティングされている。デバイスの第3層124は、第3層を通して延在し第1層114のオーバーフローチャンバ116を第2層130のオーバーフロー通気道134(
図111に示す)と連動させ接続するオーバーフロー通気道コネクター125もまた含有する。
【0221】
図111及び112は、それぞれ、デバイスの第3層124の第2の境界に作動可能に隣接して配置された、デバイスの第2層130の上部及び側面図、並びに分解斜視図を示す。デバイスの第2層130は、第2層130を通して延在し第3層124の充填ポートコネクタ128と連動するか、またはいくつかの実施形態では、第1層114の充填チャンバ118と直接連動する充填ポート132を含有する。デバイスの第2層130は、第2層130を通して延在し第1層114の計量チャンバ120と連動する通気道136もまた含有する。第2層の通気道136は、第3層124の通気道コネクター126を介して、第1層114の計量チャンバ120に接続する。
図111及び112で更に示すように、デバイスの第2層130は、第2層130を通して延在し第1層114のオーバーフローチャンバ116と連動しているオーバーフロー通気道134もまた含有する。オーバーフロー通気道134は、第3層124のオーバーフロー通気道コネクター125を介してオーバーフローチャンバ116に接続する。
【0222】
個別の層の観点からデバイスが記載されるが、デバイスの層は一体であり、デバイスをモノリシック構造とする。
【0223】
本発明の一実施形態では、デバイスの第1層は、計量チャンバの反対端に一対の離間した充填チャンバを備え、第2層は一対の離間した充填ポートを備え、それぞれが一対の離間した充填チャンバの1つと流体連通している。一対の離間した充填ポートの1つは、液体を一対の離間した充填チャンバの1つ及び計量チャンバの半分に提供しながら、一対の離間した充填ポートのもう片方は、一対の充填チャンバのもう一方及び計量チャンバの他の半分に液体を提供する。
【0224】
本発明の別の実施形態において、デバイスの第1層は、計量チャンバの反対端に一対の離間した充填チャンバを備え、第2層は一対の離間した充填ポートを備え、それぞれが一対の離間した充填チャンバの1つと流体連通している。一対の離間した充填ポートの1つは、液体を一対の充填チャンバの一方及び計量チャンバの全てに提供しながら、一対の離間した充填ポートのもう一方は、一対の充填チャンバのもう一方及び計量チャンバの全てに液体を提供する。
【0225】
本発明のデバイスは、前記マイクロタイタープレートの2つ以上の横列及び縦列を液体で満たすように構成することができる。
【0226】
本明細書における図は、384ウェルマイクロタイタープレートに適合する異なる設計を示すが、記載した構想は、当業者により1536ウェルプレートにも同様に適用可能である。上で詳述した
図105〜112は、デバイス−マイクロタイタープレートスタックの右側から充填ポート132を使用することにより、24個の縦列にわたる全ての列におけるウェル全てを同時に満たすためのデバイスを示す。この構成は、
図111に示すように、チャネル122により接続した個々の計量チャンバ120のそれぞれを満たす毛管現象に依存する。
【0227】
図113〜118は、デバイスの第2の構成を示す、一連の上部、側面図、及び分解透視図である。デバイスのこの第2の構成は、液体をチャネル及び計量チャンバに動かすピペッターの機械的な力に依存する。
図113〜118は、
図117に示すように、液体でウェルを機械的に満たすことを容易にするために、第2層230の充填ポート232が変更されていることを除いて、
図107〜112に示すものと全て同一のデバイス部品(200〜236として対応した番号を振っている)を示す。標準的な使い捨てチップがポートの中で適合して、正圧を用いて計量チャンバを満たすことを可能にするように、充填ポート232の形状は先細りになっている。充填ポートの寸法及び間隔は、手持ち式のマルチチャネルピペット、またはマルチチャネルロボット式ワークステーションの使用に適合している。
【0228】
図119〜126は、
図105〜118に記載したデバイスの異なる部分を示す、一連の上部、側面図、及び分解透視図である。
図119〜126に示したデバイスの部分は、
図105〜118で示した横列及び/または縦列の出口端、即ち、充填ポートに対向しているデバイスの部分を表す。300〜336で表示した、
図119〜126で示すデバイス部品は、
図105〜112に記載し、これらの図を参照して表示した部品(即ち、デバイス部品100〜136)に対応する。
【0229】
図127〜134は、本発明のデバイスの代替構成を示す、一連の上部、側面図、及び分解透視図である。デバイスのこの構成において、マイクロタイタープレートのウェルに試薬を入れるための充填ポート432(
図133を参照)は、デバイス−マイクロタイタープレートスタックの両側に位置している。この構成を使用して、2つの異なる試薬のセットを、各列の全てのウェルに加えることができる。あるいは、流体チャネルの各面は、デバイスの各側面から、24個の縦列のうち12個をアドレス指定することにより、プレートを、2つ並んだ192個のウェルの領域に分けることができる。この構成は、2つの領域の各横列及び各縦列を独立してアドレス指定する能力を保持する。400〜436で表示した、
図127〜134で示すデバイス部品は、
図105〜112に記載し、これらの図を参照して表示した部品(即ち、デバイス部品100〜136)に対応する。
【0230】
図135〜144は、本発明のデバイスの代替構成を示す、一連の上部、側面図、及び分解透視図である。デバイスのこの構成は、全てのウェルを横列で、及び全てのウェルを縦列で同時に満たすのに好適である。あるいは、流体チャネルの各面は、デバイスの各側面から24個の縦列のうち12個に、そして各デバイスの各側面から16個の横列のうち8個にアドレス指定をして、プレートを96個のウェルの4つの異なる領域に分割することができる。この構成は、4つの領域の各横列及び各縦列を独立してアドレス指定する能力を保持する。500〜536で表示した、
図135〜144で示すデバイス部品は、
図105〜112に記載し、これらの図を参照して表示した部品(即ち、デバイス部品100〜136)に対応する。
【0231】
この構成に従うと、
図135及び136は、それぞれ、マイクロタイタープレート500の上部表面に隣接して配置した、デバイスの中間層506の上部及び側面図、並びに分解斜視図を示す。デバイスの中間層506は、中間層に延在する中間流路508を含有する。本実施形態において、それぞれ
図135及び136の上部、側面図及び分解斜視図に示すように、マイクロタイタープレートの各ウェルは、少なくとも2個の中間流路508と連動する。中間層506は、オーバーフロー流路510もまた含有する。
【0232】
図137〜140は、デバイスの中間層506の第2の境界と作動可能に隣接して配置された、デバイスの第1層514(
図139を参照)の上部、側面図、及び分解斜視図を示す。本実施形態に従うと、本発明のデバイスの第1層514は、2つ以上の横列に計量チャンバを有する計量チャンバ520を有する第1領域513(
図137及び138を参照)、並びに、2つ以上の縦列に計量チャンバ520を有する第2領域515(
図139及び140を参照)を有し、第1及び第2領域は互いに離間している。第1層514の第1領域513及び第2領域515の計量チャンバ520は、計量チャンバチャネル522、及び、マイクロタイタープレートの個々のウェル503を介して互いに流体連通している。上述のように、計量チャンバ520は、マイクロタイタープレート500の各ウェル503に送達される液体の体積を制御するための固定容積を有する。計量チャンバ520は、液体の毛管現象により、または、充填チャンバ518に液体を押す機械的な力により、充填チャンバ518から液体を受ける。計量チャンバ520からマイクロタイタープレートのウェルへの液体の流れは、例えば中間層流路508の疎水性力により制御される。一実施形態では、デバイスの計量チャンバ520は全て、同じ計量容積を有する。別の実施形態では、計量チャンバ520は、横列及び/または縦列1つあたりで異なる計量容積を有する。
【0233】
デバイスの第1層514の第1領域513及び第2領域515はそれぞれ、
図137〜138、及び
図139〜140に別々に示すように、オーバーフローチャンバ516を含有する。上記の通り、オーバーフローチャンバ516は、中間層506のオーバーフロー流路510を介して充填チャンバ518と流体連通している。
【0234】
図141及び142は、それぞれ、デバイスの第1層514の第2領域515の第2の境界に作動可能に隣接して配置されたデバイスの第3層524の上部及び側面図、並びに分解斜視図を示す。デバイスの第3層524は、第3層524を通して延在し第2層530の充填ポート532(
図143に示す)を第1層514の充填チャンバ518と連動させ接続する、充填ポートコネクタ528を含有する。第3層524は、第3層524を通して延在し第1層514の計量チャンバ520を第2層530の通気道536(これも
図143に示す)と連動させ接続する通気道コネクター526も含有する。デバイスの第3層524は、第3層を通して延在し第1層514のオーバーフローチャンバ516を第2層530のオーバーフロー通気道534(
図143に示す)と連動させ接続するオーバーフロー通気道コネクター525もまた含有する。
【0235】
図143及び144は、それぞれ、デバイスの第3層524の第2の境界に作動可能に隣接して配置された、デバイスの第2層530の上部及び側面図、並びに分解斜視図を示す。本実施形態において、デバイスの第2層530は、第2層530を通して延在して第3層524の充填ポートコネクタ528と、または、いくつかの実施形態では、第1層514の充填チャンバ518と直接連動した、各横列及び各縦列用の充填ポート532を含有する。デバイスの第2層530は、第2層530を通して延在し第1層514の計量チャンバ520と連動している通気道536を更に含有する。第2層の通気道536は、第3層524の通気道コネクター526を介して、第1層514の計量チャンバ520に接続する。
図143及び144で更に示すように、デバイスの第2層530は、各横列及び縦列に、第2層530を通して延在し第1層514のオーバーフローチャンバ516と連動したオーバーフロー通気道534もまた含有する。オーバーフロー通気道534は、第3層524のオーバーフロー通気道コネクター525を介してオーバーフローチャンバ516に接続する。
【0236】
上述の異なる構成のそれぞれは、製造目的のために、デバイスの各層の上部、側面図、及び分解図を示す一連の図面により示されているが、デバイスは当業者により決定されるように、モノリシック構造に作られることも、または個別層から組み立てられることも可能である。
【0237】
本発明の別の態様は、対向した上部表面及び底部表面を有するマイクロタイタープレートの横及び/または縦一列になった2つ以上のウェルに液体を加える方法に関し、上部表面はウェルの中に至る開口部を有し、底部表面はウェルの閉鎖端を画定する。本方法は、上述した本発明のデバイスを提供すること、及びデバイスを液体で満たすことを含む。液体を、デバイスの前記マイクロタイタープレートの横及び/または縦一列になった2つ以上のウェルに充填する。
【0238】
上記の通り、毛管現象または機械的な力によりウェルが満たされることが可能となるように、本発明のデバイスを構成してもよい。
【0239】
逐次的、または同時のいずれかにより、マイクロタイタープレートの全ての縦列及び横列を同時的に満たすことを可能にする本発明のデバイスは、生物学的試薬と適合性があり、マイクロタイタープレートのウェル上に配置される好適な材料(例えばポリスチレン、ポリカーボネート等)から製造される。次に、試薬を充填ポート(例えば24及び/または16個の充填ポート)に導入し、マイクロタイタープレートウェルのそれぞれの上に配置された計量チャンバ(例えば、プレートの384個のウェルに対する384個の計量チャンバ)のそれぞれに試薬を自動的に分配する。装填を行ったデバイス−マイクロタイタープレートスタックを、標準的な低速遠心分離のスイングバケットローターに入れ、液体を個々の計量チャンバからそれぞれのウェルに入れるのに十分な力による簡単なスピンに通す。遠心分離を止めた後、デバイス−マイクロタイタープレートスタックを遠心分離器から取り外し、スタックを分離して、デバイスは片付けて、プレートをアッセイプロセスの次工程で使用する。したがって、384ウェルプレートについて上述したアッセイ構成を設定する労力は、人力アプローチを用いて8チップピペッターによる送達を合計96回行うことと比較して、縦列の充填ポートに8チップピペッターによる送達をそれぞれ3回に、横列の充填ポートに8チップピペッターによる送達をそれぞれ2回にまで減少する。更に、デバイスを用いることにより、わずか24個のピペットチップしか消費しないのに対して、手動アプローチでは384個のピペットチップを消費するため相当のコスト削減となり、ハイスループットの臨床用実験室においてはこのコスト削減は重要となる。上述したデバイス及びプロセスは、当業者により1536ウェルマイクロタイタープレートに容易に適用されることができ、384ウェルプレートで記載したものと類似の利点をもたらす。ピペット操作工程の数を劇的に減らす、本明細書で記載されるデバイスの更なる利点は、PCR単位複製配列を含有するエアゾールによる交差汚染の制御である。このことは特に、少ない変異対立遺伝子のコピー数の提示を検出することにおいて重要である。デバイスの充填ポートに液体sを導入する間、384個または1536個のウェルはそれぞれデバイスによりカバーされ、カバーしたウェルの組み合わせ、及び液体移動工程数の減少が、ウェル間でのPCR単位複製配列の交差汚染の可能性をいくらか低下させる。
【0240】
各横列及び縦列は独立してアドレス指定可能であるため、充填ポートをどのように満たすかについての賢明な選択により、同じデバイスにより達成可能な多くのアッセイ構成を考案することができる。したがって、同じ液体を、8チップピペット操作工程をそれぞれ3回行って(チップは変更しない)、24個全てのカラム全てに入れることができ、また、同じ液体を、8チップピペット操作工程をそれぞれ2回行って(チップは変更しない)、16個全てのカラムに入れることができる。8チップピペット操作工程をそれぞれ3回行うことにより(チップは3回交換する)、24個の縦列のそれぞれに24種類の異なる成分を入れることができ、8チップピペット操作工程をそれぞれ2回行うことにより(チップは2回交換する)、16個の横列のそれぞれに16種類の異なる成分を加えることができる。当業者には、多くの他の充填構成が可能である。分配する液体は、任意の生物学的液体、例えば生体サンプル、反応試薬(例えばプライマー、プローブ、酵素、反応生成物等)とすることができる。
【0241】
一実施形態では、一連の分配デバイスは固定した計量容積を選択することにより利用可能であり、これにより、臨床的診断実験室、または薬剤開発実験室において見られ得るような、特定の大量の分子生物学的適用が予測される。別の実施形態において、特定の適用向けの特定の計量容積を使用することにより、特注の分配デバイスが作製される。
【0242】
好ましい実施形態を本明細書において詳細に記述及び記載したが、関連分野の当業者には、本発明の精神から逸脱することなく、種々の変更、追加、置換等を行うことができ、したがってこれらは、以下に続く特許請求の範囲に規定される本発明の範囲内であると考えられることが明らかとなるであろう。
【実施例】
【0243】
予測実施例1− 全血漿cfDNA中の既知の遺伝子における高感度変異マーカー(1%〜0.01%で存在する場合)、一塩基変異、わずかな挿入及びわずかな欠失変異
アプローチの概要:本アプローチは、3つの酵素:(i)開始時のサンプル中において少量のDNAコピーを正確にコピーするためのTaqポリメラーゼ、(ii)上流LDRプライマーのブロック基を取り除くRNase H2酵素、及び(iii)上流プライマーの3’側のミスマッチとマッチを識別するリガーゼの忠実性に依存する。後者は、3’末端から2番目または3番目における意図的なミスマッチまたはヌクレオチド類似体を用いることにより、更に濃縮される(3’末端で完全にマッチする場合、3’末端のハイブリダイゼーションをわずかに不安定化させるが、3’末端でミスマッチする場合、3’末端のハイブリダイゼーションを著しく不安定化させる)。最終的に、サイクル時間及び条件の変更といった速度論的アプローチにより、野生型と変異鋳型の識別力を高めることができる。ライゲーション現象が起こると、これらの生成物は後のリアルタイムPCR増幅工程で増幅されるため、この工程は重要な識別工程である。
【0244】
開始時のPCR工程に関して、部分的に同一のユニバーサル尾部を含有するPCRプライマーを低濃度(10〜50nM)で使用する。同一領域は8〜11塩基、またはそれ以上で変化してもよい。したがって、任意の標的非依存性プライマー二量体が形成されると、誤った生成物はヘアピンを形成し、更なる増幅を阻害する。更に、その尾部は、正しい単位複製配列に対するPCRプライマーのその後の結合を高める。
【0245】
あるいは、増幅の忠実性、及び誤った単位複製配列及びプライマー二量体の低減は、低濃度ではあるがRNA塩基、4種類の追加の塩基、及び3’末端にブロック基を含有するPCRプライマーにより達成される。プライマーが、意図する標的に正しくハイブリダイゼーションする場合のみ、RNaseH2がRNA塩基を切断し、DNAプライマー上の遊離3’OHを遊離させる。プライマーが誤った標的で偶然活性化されても、次のラウンドで、プライマー3’末端の下流にある塩基は、取り除かれる塩基に対して完全にマッチすることはない。これは、第2の切断及び伸長の可能性を著しく低下させる。簡単に言えば、誤った標的の増幅効率は、有意なバックグラウンドを生み出さない。更に、最初のPCR増幅に続き、実質的に最初のPCR産物の中でネスティング(nesting)するLDR工程がある。
【0246】
cfDNAから開始する場合、平均長は160塩基であるため、PCRプライマーは、各群が約100bpの断片を増幅するように遺伝子領域(例えばp53)にわたってタイリングされる場合、2つの群にプールされなければならず、これらを互いに、所与の領域にわたって「タイリング」されるように、約50塩基を移動させる。
【0247】
キャリーオーバー汚染から保護するため、ポリメラーゼ活性化の前にUNGを反応に加え、dUTPを用いて最初のPCR増幅を実施する。LDRプローブは天然塩基を含むため、LDR産物はここで、第2のリアルタイムPCR工程におけるUNG分解に対して耐性がある。LDR産物は、非ライゲーション末端に、標的DNAでは欠いている配列タグまたはUniTaq配列を含有するため、LDR産物の偶然のキャリーオーバーは大規模な増幅をもたらさないことを記しておく。PCRとは異なり、最初のLDR産物は、第2のLDR反応に対する基質ではない。
【0248】
最も困難な事例はKRAS変異に関するものであり、ここでは、コドン12における6つの変化、及びコドン13における1つの変化は全て、互いに離間している。一般に、最も高い忠実性に関して、変異プローブと野生型配列との間のミスマッチは、少なくとも最後の塩基に関してG:Tではなく、C:Aでなければならない。したがって、即ち1回のPCR反応あたりでトップ鎖及びボトム鎖プローブの両方、即ち2個のライゲーションセットを実施する必要がある。しかし、目的は変異を発見することであり、互いに異なる変異を区別することでは必ずしもないため、2つ以上の変異が同一のUniTaq配列、または蛍光標識したTaqMan(商標)プローブに与えられてもよい。
【0249】
異なるプローブは、(希少な)変異配列の結合において互いに競合するため、全てのプローブが正しい配列にハイブリダイゼーションすることを可能にすることが重要である。KRASコドン12の1番目の位置における変異に関して、3つの上流プライマー及び1つの下流プライマーが存在する。野生型標的配列への変異LDRプローブの誤ったライゲーションは、識別する塩基において野生型配列を有するが適切なタグ配列を欠くブロックされた上流LDRプローブを使用することによって、更に抑制されてもよい。プローブは、通常の配列に対する変異プローブの誤ったライゲーション/誤ったシグナルを避けるように設計されているが、正しいライゲーションが変異配列の存在下で生じるようにも設計されている。
【0250】
各変異の検出用のPCRプライマー及びLDRプローブを使用した上記アプローチの識別レベルを要約する:
1. 任意の標的非依存性プライマー二量体が形成された場合、誤った生成物がヘアピンを形成して更なる増幅を阻害するように、ユニバーサル尾部を有するPCRプライマーを使用する。
2. 最初のPCR反応のキャリーオーバー汚染を防止するために、UNGを使用する。
3. 標的にハイブリダイゼーションした場合のみ、上流LDRプローブの非ブロック3’OHを遊離させるために、RNaseH2のヌクレアーゼ活性を使用する。
4. 上流LDRプローブで、熱安定性リガーゼの3’ライゲーション忠実性を使用する。
5. 上流プローブの3’末端から2番目または3番目の塩基において、ミスマッチまたはヌクレオチド類似体を使用する。
6. リアルタイムPCR読出し用のLDR産物を増幅するために、UniTaqまたはタグプライマーを使用する。
7. リアルタイムPCR反応のキャリーオーバー汚染を防止するために、UNGを使用する。
【0251】
既知の遺伝子における、変異マーカー(1%〜0.01%で存在する場合)、反復変異の高感度検出のための詳細プロトコール:
1.1.a. 任意の標的非依存性プライマー二量体が形成された場合、誤った生成物がヘアピンを形成して更なる増幅を阻害するように、UNG(キャリーオーバーを防止するため、37℃、15〜30分)、dUTP、及び他のdNTP、AmpliTaq Gold、並びにユニバーサル尾部を含有する遺伝子特異的プライマーの存在下でゲノムDNAをインキュベーションする。この最初のゲノムDNA−PCR反応混合物は、12、24、48、もしくは96個の個別のウェルでのマルチプレックスPCR増幅(空間的多重化)、または単一のウェルでのマルチプレックスPCR増幅に好適である。血漿由来のゲノムDNAを変性させ、UNGを不活性化させ、AmpliTaq Goldを活性化させ(94℃、5〜10分)、回数を制限したサイクルで、変異を含有する断片をマルチプレックスPCR増幅させる(94℃・10秒、60℃・30秒、72℃・30秒で12〜20サイクル)。PCRプライマーは、約64〜66℃のTm値を有するように設計され、ユニプレックス(uniplex)PCRの基準の10〜50倍未満の濃度(各プライマーが10nM〜50nM)で使用した場合でも、頑健にハイブリダイゼーションする。サイクルは、互いに均衡を保ってPCR産物のバランスを保持するために制限されるが、依然として少量の配列を約100,000〜1,000,000倍に増幅する。PCR増幅の後、(99℃で30分間インキュベーションすることにより)Taqポリメラーゼを不活性化させる。
【0252】
1.1.b. (好ましくは株AK16Dからの)熱安定性リガーゼ、RNaseH2、最適化したライゲーション条件のための緩衝液補助成分、並びに好適な上流及び下流LDRプローブ(それぞれ10nM〜20nM、下流プローブは5’リン酸基を伴って合成されてもよいし、または反応前にバルクでキナーゼにより処理してもよい;上流プローブは、所望の3’末端の後のRNA塩基、4つの追加の塩基、及び、標的非依存性ライゲーションを防止するためのブロック基を含む)を加える。上流プローブは、UniAi等の5’タグ、続いて3番目または末尾から2番目の塩基にC:AまたはG:Tミスマッチを有する標的特異的配列、3’末端での変異塩基、続いて、標的にマッチするRNA塩基及び4つの更なるDNA塩基、並びに、ライゲーション(または、ポリメラーゼによる後の伸長)をブロックするC3スペーサーを含む。下流プローブは、5’リン酸化末端、続いて標的特異的配列、及びUniCi’等の3’タグを含む。LDRを20サイクル実施する(94℃・10秒、60℃・4〜5分)。これにより、変異DNAが存在する場合、PCR産物でライゲーション現象を生じることが可能となる。
【0253】
1.1.c. チューブ/ウェルを開き、(10〜100倍に)希釈して、リアルタイムPCR反応のためにウェルに一定量を分配する(各ウェルは、キャリーオーバー防止のためにUNGと、適切なTaqMan(商標)マスターミックス、並びに以下のプライマー:UniCi及びUniAi、並びに、ライゲーション接合部にわたる配列をカバーするTaqMan(商標)プローブを含有する)。かかる条件下では、LDRプローブ上のタグ配列はそれぞれUniAi及びUniCiであり、生成物は以下:
UniAi − 上流標的−変異−下流標的 − UniCi’
の形態である。
【0254】
本アプローチは、第2のリアルタイムPCR反応において、バックグラウンドのシグナルオフ野生型DNAの生成を避ける。まず、残っている上流LDRプローブがハイブリダイゼーションする標的を持たず、それ故3’末端がブロックされたままとなり伸長しないように、UNGが、最初のPCR産物のボトム鎖を破壊する。次に、最初のPCR反応からの任意の残留PCRプライマーは、(UNGにより破壊された)最初のPCR産物、または(結合部位を有しない)LDR産物のいずれにも結合することができないため、3’末端がブロックされたままとなり、伸長しない。最後に、TaqMan(商標)プローブはここで、野生型配列とは異なる2つの塩基(変異塩基、及び、ライゲーション接合部の3’末端から3番目の位置の塩基)を有するため、60℃未満の温度でのみハイブリダイゼーションするが、このとき、上流PCRプライマーがまずハイブリダイゼーションし結果的に伸長するため、TaqMan(商標)プローブがハイブリダイゼーションしTaqポリメラーゼの5’−3’活性からシグナルを生成することを防止する。
【0255】
第2のアッセイ設計は、最初のマルチプレックスPCR増幅、続いて、PCR増幅した標的の、マイクロタイタープレートのウェル上での分配及び捕捉に基づく。1回のLDRサイクルで、固体支持体上での正しい標的のLDR産物の捕捉が可能になる一方、ライゲーションに失敗したものは洗い流される。LDR−FRET、リアルタイムPCR、または他のレポーターシステムのいずれかにより、LDR産物を定量化する。
【0256】
変異検出のためのcfDNAの増幅に関しては、ユニバーサル尾部を含有するPCRプライマーを使用する。遺伝子特異的プライマーは低濃度(10〜50nM)で使用し、これは部分的に同一のユニバーサル尾部を含有する。したがって、任意の標的非依存性プライマー二量体が形成されて存在する場合、生成物は更なる増幅を阻害するヘアピンを形成する。非常に少量の変異を検出する能力を最大化させるために、全ての成分を含有するマスターミックスを生成した後、反応混合物を12、24、48、または96個の独立したウェルに分配する。(変異を有する)単一分子を所与のウェルだけに分配することが可能であるので、本プロセスは、通常の野生型DNAと比較して変異を含有する分子を効率的に濃縮し、ノイズに対するシグナルが著しく向上する。1つのアプローチは、2工程増幅を用いることであり、ここで、最初の増幅ではユニバーサル尾部を有する遺伝子特異的プライマーを使用し、第2の増幅では、特異的精製物の鎖にビオチン基を付加するユニバーサルプライマーを使用する。(低濃度のPCRプライマーを用いる)最初の増幅は、約8〜20サイクルに制限すると依然として定量可能である。次に、増幅生成物を希釈して、元のウェルのそれぞれについて2つの新しいウェルに入れる。それぞれは、対応するウェルの中に、一方または他方がビオチン化された2つのユニバーサルプライマー(より高い濃度である0.5〜1pモル)を含有する。ここで、増幅を更に8〜29サイクル続け、合計約15〜40サイクルとする。任意の工程として、使われなかったプライマーから生成物を(電気泳動またはサイズで)分離してもよい。
【0257】
あるいは、1つのユニバーサルプライマーのみがビオチン化された複数のユニバーサルプライマーを最初の増幅ウェルに添加することにより、1回の増幅反応で生成物を増幅してもよい。あるいは、ビオチン化遺伝子特異的プライマーを1回の増幅工程で直接使用してもよい。トップ及びボトム鎖の両方に対してLDRプローブを設計する(即ち、変異のLDR識別を最大化する)のが賢明である場合のみ、所与の単位複製配列のフォワード及びリバース鎖の両方を捕捉する必要がある。このことは、同じ反応で50%ビオチン化された各プライマーの混合物、または別個の反応で100%ビオチン化されたプライマーの混合物を使用することにより達成されてもよい。固体支持体上での捕捉の間にビオチン化生成物が分離したままである限り、これらを両方、同一の増幅反応に供してもよい。しかし、PCR産物の鎖が捕捉後に再びハイブリダイゼーションする場合、固体支持体上の別のアドレスで捕捉される必要があり得る。この空間的分離は、後のLDR検出により変異を識別するのに利用可能な一本鎖PCR産物が、確実に十分に存在するために必要であり得る。
【0258】
cfDNAを用いると、断片長は生物学的に、約160bpに制限される。したがって、より大きい領域にわたって共通のホットスポット変異をカバーするために、オーバーラップする断片を生成するようにプライマーセットが設計される。そのために、プライマーは、上述のウェルの数を2倍にして、「A」及び「B」プールの間に分配される。CTCのエクソンサイズの断片から単離したDNAを多くの場合使用することができるため、2つの単位複製配列プールを使用する必要性が軽減される。断片によっては、他の断片よりもよりゆっくりと増幅するものがある。この問題は、更に何回かの増幅サイクルを用いた、追加の多重化反応を含めることにより克服され得る。
【0259】
図38は、キャリーオーバーを防止した基本的なPCR−LDR−qPCR検出プロトコールを使用した、ゲノムまたはcfDNAでの変異検出を示す。生成物は、ライゲーション接合部配列にまたがって設計されるTaqMan(商標)プローブを使用して検出される。
【0260】
図39は
図38の変法を示し、ここではPCR産物が分配され(空間的多重化)、固体支持体上で捕捉される。PCRプライマーは、プライマー二量体形成を排除しユニバーサルプライマーによる増幅を可能にするユニバーサル尾部を含有し、この一方はビオチンを含有し、ストレプトアビジンでコーティングしたウェルでの生成物の捕捉を可能にする。ライゲーションプローブが標的にハイブリダイゼーションし、ライゲーション接合部に完全な相補性が存在する場合のみ、生成物を形成させる。次に、未反応のライゲーションプローブ、または標的非依存性ライゲーション産物を洗い流す。互いにライゲーションした時だけハイブリダイゼーションを行い、検出に好適なFRETシグナルを生成する短い相補配列を含有するように、LDRプローブを設計する。
【0261】
図40は
図38の変法を示し、ここでは最初の遺伝子特異的PCRプライマーは、RNA塩基、4つの追加の塩基、及び3’末端のブロック基を含有する。これらの遺伝子特異的プライマーは、標的にハイブリダイゼーションした場合にのみ、RNaseH2によって末端からアンブロックされ、ポリメラーゼ伸長に好適な3’OH末端を遊離させる。
【0262】
図41は
図38の変法を示し、ここでは最初の遺伝子特異的PCRプライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部を含有する。上流及び下流LDRプローブはそれぞれ、UniAi及びUniCi’プライマー特異的部分を含有する。更に、上流変異特異的LDRプローブは、3’末端での変異塩基、続いて、標的にマッチするRNA塩基及び4つの更なるDNA塩基、並びに、ライゲーション(または、ポリメラーゼによる後の伸長)をブロックするC3スペーサーを含有する。RNaseH2の存在下、かつ、正しい標的にハイブリダイゼーションする場合にのみ、上流ブロック基が取り除かれ、ライゲーションに好適な3’OH末端を遊離させる。この図において、野生型DNAに相補的な上流LDRプローブは、ブロック基もまた含有するが、RNA塩基または5’タグは含有しない。このプローブは更に、野生型標的から変異を識別するライゲーション特異性を向上させる。
【0263】
図42は
図41の変法を示し、ここではPCR産物が分配され(空間的多重化)、固体支持体上で捕捉される。PCRプライマーは、プライマー二量体形成を排除するユニバーサル尾部を含有し、LDRプローブは、ライゲーションした時だけ互いにハイブリダイゼーションを行い、検出に好適なFRETシグナルを生成する短い相補配列を含有するように設計される。
【0264】
図43は
図42の変法を示し、ここでは下流LDRプローブの5’側は、上流プローブの3’を識別する塩基と同じ塩基を含有し、前記塩基は、FenヌクレアーゼまたはTaqポリメラーゼの5’→3’ヌクレアーゼ活性により取り除かれ、後のライゲーションに好適な5’リン酸基を遊離する。ヌクレアーゼは、下流プローブが変異標的にハイブリダイゼーションする場合にのみ切断しなければならない。上流及び下流変異特異的LDRプローブの両方が、ライゲーションした時だけ互いにハイブリダイゼーションを行い、検出に好適なFRETシグナルを生成する短い相補配列を含有する。この図において、野生型DNAに相補的な上流LDRプローブは相補配列を含有せず、切断された下流プローブにライゲーションした場合でも、FRETシグナルを生成しない。
【0265】
図44は
図43の変法を示し、ここでは最初の遺伝子特異的PCRプライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部を含有する。上流及び下流LDRプローブは、UniTaq Ai及びUniTaq Bi’−UniTaq Ci’プライマー特異的及び配列タグ部分を含有する。ライゲーションの後、生成物を希釈し、フォーマットUniTaq Ci及びF1−UniTaq Bi − Q−UniTaq AiのUniTaq特異的プライマーを含有するウェルに分配する(式中、F1は消光剤Qにより消光される蛍光染料である)。蛍光標識したプライマーにより形成された生成物鎖は、UniTaq Bi配列がUniTaq Bi’配列と対形成をするように、ヘアピン形成する。UniTaqプライマーCiがUniTaq Ci’配列に結合する場合、ポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性がUniTaq Bi配列を分解し、F1蛍光染料を遊離して、リアルタイムPCR機器により検出されるシグナルを生成する。
【0266】
図145は
図41の変法を示し、ここでは変異選択的上流プライマー及び遺伝子座特異的下流プライマーを使用して、PCR産物が選択的に増幅される。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseHは変異特異的RNA塩基を取り除き、ポリメラーゼ伸長に好適な3’OH基を遊離させる。RNaseHは、変異DNAに完全にマッチする場合にRNA塩基を優先的に切断するが、野生型DNAにハイブリダイゼーションした場合、RNA塩基を切断する可能性は低い。このことはPCR増幅の全てのサイクルの間で起こるため、特異的変異標的の増幅を高める。野生型配列を有する任意のプライマーはRNA塩基を欠いてブロックされたままであるため、野生型配列の増幅を更に減らす。最初のPCR濃縮工程の後、この手順には、キャリーオーバーを防止したLDR−qPCR検出プロトコールが続く。生成物は、ライゲーション接合部配列にまたがって設計されるTaqMan(商標)プローブを使用して検出される。
【0267】
図146は
図145の変法を示し、ここでは上流及び下流LDRプローブは、UniTaq Ai及びUniTaq Bi’−UniTaq Ci’プライマー特異的及び配列タグ部分を含有する。ライゲーションの後、生成物を希釈し、フォーマットUniTaq Ci及びF1−UniTaq Bi − Q−UniTaq AiのUniTaq特異的プライマーを含有するウェルに分配し、PCRで生成したシグナルを、リアルタイムPCR機器で検出する。
【0268】
図147は
図145の変法を示し、ここではPCR産物が固体支持体上で捕捉される。LDRプローブは、ライゲーションした時だけ互いにハイブリダイゼーションを行い、検出に好適なFRETシグナルを生成する短い相補配列を含有するように設計される。
【0269】
図148は
図41の変法を示し、ここでは遺伝子座特異的上流及び下流プライマーを使用して、PCR産物が選択的に増幅される。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseHはRNA塩基を取り除いてポリメラーゼ伸長に好適な3’OH基を遊離させる。上流PCRプライマーと部分的にオーバーラップする野生型配列を含むブロックLNAまたはPNAプローブは、上流プライマーと、野生型配列への結合において優先的に競合するが、変異DNAへの結合はさほど競合しないため、PCRの各ラウンドの間、野生型DNAの増幅を抑制する。最初のPCR濃縮工程の後、この手順には、キャリーオーバーを防止したLDR−qPCR検出プロトコールが続く。生成物は、ライゲーション接合部配列にまたがって設計されるTaqMan(商標)プローブを使用して検出される。
【0270】
図149は
図148の変法を示し、ここでは上流及び下流LDRプローブは、UniTaq Ai及びUniTaq Bi’−UniTaq Ci’プライマー特異的及び配列タグ部分を含有する。ライゲーションの後、生成物を希釈し、フォーマットUniTaq Ci及びF1−UniTaq Bi − Q−UniTaq AiのUniTaq特異的プライマーを含有するウェルに分配し、PCRで生成したシグナルを、リアルタイムPCR機器で検出する。
【0271】
図150は
図148の変法を示し、ここではPCR産物が固体支持体上で捕捉される。LDRプローブは、ライゲーションした時だけ互いにハイブリダイゼーションを行い、検出に好適なFRETシグナルを生成する短い相補配列を含有するように設計される。
【0272】
図154はもう一つの変法を示し、ここでは伸長後にループ−ヘアピンの形成を可能にする、トップ鎖の野生型配列に相補的な5’部分配列もまた含む遺伝子座特異的上流プライマー、及び遺伝子座特異的下流プライマーを使用して、PCR産物が選択的に増幅される。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseHはRNA塩基を取り除いてポリメラーゼ伸長に好適な3’OH基を遊離させる。5’ヌクレアーゼ、3’ヌクレアーゼ、及び鎖置換活性を欠くポリメラーゼを用いてPCRを実施する。(i)野生型ボトム鎖の変性は、3’末端において完全なマッチを有するループ−ヘアピンの形成をもたらし、これは、ポリメラーゼにより伸長され、より長いヘアピン領域を形成する。この領域は72℃では変性せず、上流プライマーが完全長トップ鎖を生成することを防止する。(ii)変異ボトム鎖の変性は、3’末端においてミスマッチを有するループ−ヘアピンの形成をもたらす。ループ−ヘアピンはポリメラーゼによって伸長されないため72℃で変性し、上流プライマーが完全長トップ鎖を生成することを可能にする。(iii)トップ鎖の変性は5’側にヘアピンをもたらし、ヘアピンはPCRの伸長工程中(72℃)に変性し、ポリメラーゼが完全長ボトム鎖を生成することを可能にする。(i)野生型及び(ii)変異鋳型を有する上流プライマーにおけるヘアピン伸長の選択性の差は、変異DNAの選択的増幅をもたらす。野生型DNAの増幅に対するこの選択は、PCRの各サイクルの間に発生するため、変異標的を濃縮する。最初のPCR濃縮工程の後、この手順には、キャリーオーバーを防止したLDR−qPCR検出プロトコールが続く。生成物は、ライゲーション接合部配列にまたがって設計されるTaqMan(商標)プローブを使用して検出される。
【0273】
図155は
図154の変法を示し、ここではPCR産物が固体支持体上で捕捉される。LDRプローブは、ライゲーションした時だけ互いにハイブリダイゼーションを行い、検出に好適なFRETシグナルを生成する短い相補配列を含有するように設計される。
【0274】
48個のウェルへの空間的多重化を用いる定量的変異計算の一例として、最初のPCR増幅を受け、約10,000個のゲノム当量(これらのうち12個がKRASコドン12に変異を含有する)の標的サンプル中の全cfDNAを考える。48個のウェルへの最初の分配では、ウェルあたり約200個のゲノム当量がもたらされ、1個のウェルは2つの変異コピーを含有し、10個のウェルは1つの変異コピーを含有し、残りの37個のウェルは変異コピーを含有しない。約20ラウンドのPCR増幅(計算を簡単にするために、99%の増幅効率、または約960,000倍の完了効率が1,046,576倍の増幅をもたらすものとする)の後、変異のコピー総数は960,000個であり、野生型のコピー総数は1億9200万個となる。変異DNAでのライゲーション効率を1サイクルあたり50%、回数を20サイクル、また、野生型DNAでのライゲーションに関してライゲーション忠実性を1,000倍と仮定すると、変異DNAは960万個の分子が得られる一方、野生型DNAは190万個の分子が得られる。変異体及び野生型のそれぞれに関して、48個のウェルへの空間的分配により200,000個、及び40,000個のLDR産物の分子が得られる。タグプライマー及びTaqMan(商標)プローブを加えてリアルタイムPCRを行った後、計算を簡単にするため、上記LDR産物のCt値をそれぞれ、10と12.5に変換する。陽性としてスコアリングされる任意の変異由来のシグナルについは、少なくとも2個または3個のウェルで現れ、また、野生型DNAのプローブのミスライゲーションから生じる(低レベルの)シグナルと容易に区別される必要がある。野生型DNAへのかかるミスライゲーションは、ライゲーション産物がシグナルを持たずサイレントとなるように、蛍光性レポーターを欠く野生型上流LDRプローブを加えることにより更に一層抑制することが可能である。起こり得るポアソン分布(例えば
図31を参照)は、12個の分子に関して、陰性サンプルが(ウェル:分子)(38:0;10:1;1:2)の分布範囲を有することを示す。これらの数は十分に異なっており、TaqMan(商標)読出しによりシグナルの定量的計算を行うことで、サンプル中の合計12個の変異KRAS分子に関して、ウェルあたり0、1、または2個の元の分子のスコア(それぞれ12.5、10、及び9のCt値で表される)を割り当てることが可能になる。シグナルが0個と1個以上の変異分子の区別のみを行うことができ、最小24個のウェルで、最初の12個またはそれ以下の分子計算される場合、変異コピーの最初の数を計算することができる。
【0275】
LDR−FRETを使用する場合、固相捕捉のために個々の48個のウェルに分配をした後、ビオチン化生成物の捕捉効率を50%のみと仮定すれば、各ウェルはそれぞれ、10,000個の変異、及び200万個の野生型KRAS単位複製配列を捕捉する。変異鋳型におけるライゲーション効率を50%のみと仮定すれば、1つの変異分子がもともと存在していた場合、少なくとも5,000個のLDR産物が固体支持体上で捕捉されるはずである。2個の変異分子が元のウェルに存在していた場合、およそ10,000個のLDR産物が捕捉されるはずである。野生型生成物のみを有するウェルに関して、ライゲーション忠実性を1:1,000(野生型DNA上でミスライゲーションした変異上流LDRプローブ)と仮定すると、1,000個のLDR産物のみが捕捉される。陽性としてスコアリングされる任意の変異由来のシグナルについては、少なくとも2個または3個のウェルで現れ、また、野生型DNAのプローブのミスライゲーションから生じる(低レベルの)シグナルと容易に区別される必要がある。野生型DNAへのかかるミスライゲーションは、ライゲーション産物がシグナルを持たずサイレントとなるように、蛍光性レポーターを欠く野生型上流LDRプローブを加えることにより更に一層抑制することが可能である。これらの数は十分に異なっており、LDR−FRET読出しによりシグナルの定量的計算を行うことで、サンプル中の合計12個の変異KRAS分子に関して、ウェルあたり0、1、または2個の元の分子のスコア(それぞれ、約1,000、5,000、及び10,000個のLDR−FRETシグナルとして表される)を割り当てることが可能になる。シグナルが0個と1個以上の変異分子の区別のみを行うことができ、最小24個のウェルで、最初の12個またはそれ以下の分子が計算される場合、変異コピーの最初の数を計算することができる。
【0276】
UniTaqを含有するLDRプローブを使用する場合、これらは以下のフォーマットである:上流プローブは、プライマー特異的部分を含有する、UniTaqAi等の5’配列タグ、続いて、3番目または末尾から2番目の塩基にてC:AまたはG:Tのミスマッチを有する標的特異的配列、3’末端での変異塩基、続いて、標的にマッチするRNA塩基及び4つの更なるDNA塩基、並びにC3スペーサー−ブロック基を含む。下流プライマーは、5’リン酸化末端、続いて標的特異的配列、及びUniTaq Bi’−UniCi’等の3’配列タグを含み、プライマー特異的部分もまた含有する。
【0277】
フォーマットUniTaq Ci及びF1−UniTaq Bi − Q−UniTaq AiのUniTaq特異的プライマーを使用して、LDR産物を検出することができる(式中、F1は消光剤Qにより消光される蛍光染料である)。これらの条件下で以下の生成物:
F1−UniTaq Bi − Q−UniTaq Ai − 上流標的−変異−下流標的 − UniTaq Bi’ − UniTaq Ci’
を形成する。
【0278】
この構築物は、UniTaq Bi配列がUniTaq Bi’配列と対形成をするようにヘアピン形成する。UniTaqプライマーCiがUniTaq Ci’配列に結合する場合、ポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性がUniTaq Bi配列を分解し、F1蛍光染料を遊離させる。
【0279】
最初のPCRプライマー、または上流LDRプローブは、RNA塩基、4つの追加の塩基、及び3’末端にブロック基(例えばC3スペーサー)もまた含有してもよい。RNaseH2を次に、反応に加える。これにより、鋳型非依存性生成物が確実に形成されないようにする。
【0280】
好熱性ファージキナーゼ(ロドサーマス・マリヌス(Rhodothermus marinus)に感染するバクテリオファージRM378に由来)を使用して、ライゲーション反応の間に下流LDRプローブをリン酸化してもよい。これらの条件下において、好熱性キナーゼは完全な熱安定性ではないため、LDRでの変性工程は、できるだけ短くする(即ち、94℃あるいはそれ以下で1秒間)か、または、完全なプライマーリン酸化を達成するために、65℃で15分間、適切にプレインキュベーションしなければならない。あるいは、下流LDRプローブの5’側は、上流プローブの3’を識別する塩基と同じ塩基を含有し、前記塩基は、FenヌクレアーゼまたはTaqポリメラーゼの5’→3’ヌクレアーゼ活性により取り除かれ、後のライゲーションに好適な5’リン酸基を遊離する。
【0281】
予測実施例2− 全血漿DNA中でのプロモーター高メチル化(1%〜0.01%で存在する場合)についての、高感度メチル化マーカー(例えば、p16及び他の癌抑制因子、CpG「アイランド」、また、Sept9、ビメンチン等)
アプローチv1の概観:単離ゲノムDNA、またはメチルが増加したDNAを、認識要素がC及びG塩基のみ、または大部分にC及びG塩基を含むものであるメチル感受性酵素(例えば、Bsh1236I=CG^CG;HinP1I=G^CGC;AciI=C^CGCまたはG^CGG;及びHpy99I=CGWCG^)のカクテルで処理する。慎重に選択したPCRプライマーは、約100〜130bpの非切断DNA断片を増幅する。断片は、切断がこれらの断片の離散を引き起こすように、少なくとも2〜3個のメチル感受性酵素部位を有しなければならない。これらの部位は、キャリーオーバー防止が2つのレベルで作用するように選択される:(i)これらの部位が、組み込まれたdUTPを含有するDNAでもなお切断可能であるため、UNGをキャリーオーバー防止に用いることが可能であり、及び、(ii)増幅後、生成物が、別の反応にキャリーオーバーするのであれば、速やか再切断されるようにこれらの部位が非メチル化される。最初のPCR増幅の後で、キャリーオーバーから保護したLDR及びUniTaq反応を、上述のとおり実施する。あるいは、LDR及びTaqMan(商標)、または直線的TaqMan(商標)反応を実施して、最初のサンプル中でのメチル化DNAの相対量を識別し、定量化してもよい。
【0282】
少量のメチル化を検出するためのPCRプライマー及びLDRプローブの両方を用いた上記アプローチの識別レベルを要約する:
1.メチル化していない場合に標的を切断する、メチル化感受性制限酵素を使用する。
2.任意の標的非依存性プライマー二量体が形成されると、誤った生成物が更なる増幅を阻害するヘアピンを形成するような、ユニバーサル尾部を有するPCRプライマーを使用する。
3.最初のPCR反応のキャリーオーバー汚染を防止するために、UNG及びメチル化感受性制限酵素を使用する。
4.上流LDRプローブで、熱安定性リガーゼの3’ライゲーション忠実性を使用する。
5.リアルタイムPCR読出しのためのLDR産物の増幅に、UniTaqまたはタグプライマーを使用する。
6.リアルタイムPCR反応のキャリーオーバー汚染を防止するために、UNGを使用する。
【0283】
プロモーターメチル化の高感度検出のための詳細プロトコールv1:
2.1.a. Bsh1236I(CG^CG)及びHinP1I(G^CGC)、並びにUNGの存在下にて(37℃、30〜60分)、ゲノムDNA、cfDNA、またはメチルが増加したDNAをインキュベーションし、非メチル化DNAを完全に分解してキャリーオーバーを防止する。マルチプレックスPCR増幅を最適化するための緩衝液補助成分、dUTP、及び他のdNTP、AmpliTaq Gold、並びに任意の標的非依存性プライマー二量体が形成されると、誤った生成物が更なる増幅を阻害するヘアピンを形成するようにユニバーサル尾部を含有する遺伝子特異的プライマーを加える。この最初のゲノムDNA−PCR反応混合物は、12、24、48、もしくは96個の個別のウェルでのマルチプレックスPCR増幅(空間的多重化)、または単一のウェルでのマルチプレックスPCR増幅に好適である。分解したゲノムDNAを変性させ、UNG及び制限エンドヌクレアーゼ不活性化させ、AmpliTaq Goldを活性化させ(94℃、5〜10分)、回数を制限したサイクル(94℃・10秒、60℃・30秒、72℃・30秒で16〜20サイクル)で、断片を含有する変異をマルチプレックスPCR増幅する。PCRプライマーは、約64〜66℃のTm値を有するように設計され、ユニプレックスPCRの基準の10〜50倍未満の濃度(各プライマーが10nM〜50nM)で使用した場合でも、頑健にハイブリダイゼーションする。サイクルは、互いにPCR産物の相対的バランスを保持するために制限されるが、依然として少量の配列を約100,000〜1,000,000倍に増幅する。PCR増幅の後、(99℃で30分間インキュベーションすることにより)Taqポリメラーゼを不活性化させる。
【0284】
2.1.b. (好ましくは株AK16Dからの)熱安定性リガーゼ、最適化したライゲーション条件のための緩衝液補助成分、並びに、好適な上流及び下流LDRプローブ(それぞれ10nM〜20nM、下流プライマーは5’リン酸基を伴って合成されてもよいし、または反応前にバルクでキナーゼ処理されてもよい)を加える。上流プローブは、UniAi等の5’タグ、続いて標的特異的配列を含む。下流プローブは、5’リン酸化末端、続いて標的特異的配列、及びUniCi’等の3’タグを含む。LDRを20サイクル実施する(94℃・10秒、60℃・4〜5分)。これにより、メチル化DNAが元のサンプルに存在した場合に、ライゲーション現象がPCR産物で発生することが可能となる。
【0285】
2.1.c. チューブ/ウェルを開き、(10〜100倍に)希釈して、リアルタイムPCR反応のために一定量をウェルに分配する。各ウェルは、キャリーオーバー防止のための、UNGを含む適切なTaqMan(商標)マスターミックス、並びに、以下のプライマーを含有する:UniCi及びUniAi、並びに、ライゲーション接合部にまたがる配列をカバーするTaqMan(商標)プローブ。かかる条件下では、LDRプライマー上のタグ配列はそれぞれUniAi及びUniCiであり、生成物は以下:
UniAi − 上流標的−メチル化領域 − 下流標的−UniCi’
の形態である。
【0286】
単一のプロモーター領域内の2つまたは3つの断片が、同一の蛍光染料を用いて同時に調査されてもよい。プロモーター1つあたりのメチル化断片の数を、その染料への合計シグナルにより測定してもよい。空間的多重化を使用する場合、37℃のインキュベーション工程の前(ただし、酵素の添加後)に、サンプルを12、24、48、または96個の個々のウェルに分配する。このようにして、DNAの所与の分子のプロモーター領域にまたがるメチル化を、3つの異なる分子における3つの異なる領域のメチル化と区別してもよい。
【0287】
野生型と変異シグナルを区別する必要はないため、LDR工程を取りやめ、最初のPCR反応の後に直接、第2のリアルタイムPCR(例えばTaqMan(商標))反応が続く。第2のPCRに直接進む場合の欠点は、最初のPCR反応生成物がdUTPを組み込むのでUNGにより破壊されるため、キャリーオーバーからのUNGによる保護を用いることができないことである。この問題に対応する1つのアプローチは、これらの生成物は非メチル化されているため、最初のPCRで標準的なdNTPを用い、制限エンドヌクレアーゼのみを頼りにして、最初または後のPCR反応からの潜在的なキャリーオーバーを破壊する、というものである。
【0288】
第2のアッセイ設計は、最初の制限設計、次にマルチプレックスPCR増幅、続いてマイクロタイタープレートのウェル上でのPCR増幅した標的の分配と捕捉に基づいている。1回のLDRサイクルで、固体支持体上での正しい標的のLDR産物の捕捉が可能になる一方、ライゲーションに失敗したものは洗い流される。LDR−FRET(qLDR)、リアルタイムPCR(qPCR)、または他のレポーターシステムのいずれかにより、LDR産物を定量化する。
【0289】
図45は、塩基の制限酵素分解、キャリーオーバーを防止したPCR−LDR−qPCR検出プロトコールを使用した、ゲノムまたはcfDNAでのメチル化検出を示す。生成物は、ライゲーション接合部配列にまたがって設計されるTaqMan(商標)プローブを使用して検出される。
【0290】
図46は
図45の変法を示し、ここでは最初の遺伝子特異的PCRプライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部を含有する。上流及び下流LDRプローブは、それぞれUniTaq Ai及びUniTaq Bi’−UniTaq Ci’タグを含有する。ライゲーションの後、生成物を希釈し、フォーマットUniTaq Ci及びF1−UniTaq Bi − Q−UniTaq AiのUniTaq特異的プライマーを含有するウェルに分配する(式中、F1は消光剤Qにより消光される蛍光染料である)。蛍光標識したプライマーにより形成された生成物鎖は、UniTaq Bi配列がUniTaq Bi’配列と対形成をするように、ヘアピン形成する。UniTaqプライマーCiがUniTaq Ci’配列に結合する場合、ポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性がUniTaq Bi配列を分解し、F1蛍光染料を遊離し、リアルタイムPCR機器により検出されるシグナルを生成する。
【0291】
図47は
図45の変法を示し、ここではPCR産物が分配され(空間的多重化)、固体支持体上で捕捉される。PCRプライマーは、プライマー二量体形成を排除しユニバーサルプライマーによる増幅を可能にするユニバーサル尾部を含有し、この一方はビオチンを含有し、ストレプトアビジンでコーティングしたウェルでの生成物の捕捉を可能にする。ライゲーションプローブが標的にハイブリダイゼーションし、ライゲーション接合部にて完全な相補性が存在する場合のみ、生成物を形成させる。次に、未反応のライゲーションプローブ、または標的非依存性ライゲーション産物を洗い流す。ライゲーションした時だけ互いにハイブリダイゼーションを行い、検出に好適なFRETシグナルを生成する短い相補配列を含有するように、LDRプローブを設計する。
【0292】
48個のウェルへの空間的多重化を用いる定量的メチル化計算の例として、染色体20のマーカーでのメチル化に関するスコアリングに用いた、腫瘍DNAの12個のゲノム当量を含むcfDNAのサンプルを考え、これを癌細胞1個あたり、約4個のコピーに増幅する。この増幅により、分解耐性のある48個のコピーのメチル化DNAを得る。合計60個のコピーに関して、非メチル化DNAは制限酵素により断片化されるが、小数の非メチル化DNA(約12個のコピー)が残存する。また、加齢によるメチル化が起こる場合があり、その非メチル化DNAが12個のコピーの範囲となることが可能になる。したがって、腫瘍特異的メチル化を含まないサンプルが、12〜24個のコピーの範囲でシグナルを有し得る一方、4つ全ての染色体においてメチル化染色体20にマーカーを有するサンプルは、合計で60〜72個の範囲のコピーを有し得る。起こり得るポアソン分布を確認すると(
図31及び32を参照)、陰性サンプルは、12個の分子に関して(ウェル:分子)(38:0;10:1;1:2)〜24個の分子に関して(29:0;15:1;4:2;1:3)の分布範囲を有する一方、陽性サンプルは、60個の分子に関して(14:0;17:1;11:2;4:3;1:4)〜72個の分子に関して(11:0;16:1;12:2;6:3;2:4;1:5)の分布範囲を有する。2個の分子(例えば、LDR−TaqMan(商標)用、Ct値は9、または、LDR−FRET検出の10,000個のLDR産物用)、及び3個の分子(例えば、LDR−TaqMan(商標)では、Ct値は8.5、またはLDR−FRETでは15,000個の分子)から生じるLDRシグナルを識別する正確性は、それぞれのウェル間のLDRシグナルの標準偏差に依存する。しかしながら、LDRシグナルが十分に変化して、より高レベルのシグナルの区別が困難になった場合でも、0、1、及び2個の最初の分子(LDR−TaqMan(商標)では、それぞれ、Ct値は12.5、10、及び9、または、LDR−FRETシグナルは約1,000、5,000、及び10,000と表される)を区別するシグナルが十分鮮明であるならば、本アプローチは、本物の循環腫瘍DNAを有するこれらの個体から生じるメチル化シグナルと、通常の血液における加齢性(ただし癌性ではない)メチル化シグナルの区別及び計算において困難はない。Ctまたは蛍光シグナルが、0または1個以上の最初のメチル化分子を区別することのみが可能であり、最小48個のウェルで腫瘍DNAの最初の12個以下のゲノム当量、及び、特定の領域(例えば20番染色体)についてのメチル化DNAの、60個以上のゲノム当量を計算することができる場合、本アプローチは、本物の循環腫瘍DNAを有するこれらの個体から生じるメチル化シグナルを、通常の血液における加齢性(ただし癌性ではない)メチル化シグナルと区別して計算しなければならない。
【0293】
UniTaqを含有するLDRプローブを使用する場合、これらは以下のフォーマットである:上流プローブは、UniTaqAi等の5’タグ、続いて標的特異的配列を含む。下流プローブは、5’リン酸化末端、続いて標的特異的配列、及び、UniTaq Bi’−UniTaq Ci’等の3’タグを含む。
【0294】
フォーマットUniTaq Ci及びF1−UniTaq Bi − Q−UniTaq AiのUniTaq特異的プライマーを使用して、LDR産物を検出することができる(式中、F1は消光剤Qにより消光される蛍光染料である)。これらの条件下で以下の生成物:
F1−UniTaq Bi − Q−UniTaq Ai − 上流標的−メチル化領域−下流標的 − UniTaq Bi’ − UniTaq Ci’
を形成する。
【0295】
この構築物は、UniTaq Bi配列がUniTaq Bi’配列と対形成をするようにヘアピン形成する。UniTaqプライマーCiがUniTaq Ci’配列に結合する場合、ポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性はUniTaq Bi配列を分解し、F1蛍光染料を遊離させる。
【0296】
上流LDRプローブ及びPCRプライマーは、RNA塩基、4つの追加の塩基、及び3’末端のブロック基もまた含有してもよい。RNaseH2を次に、反応に加える。これにより、鋳型非依存性生成物が確実に形成されないようにする。いくつかの設計においては、メチル感受性制限酵素切断部位は、酵素による切断が、4つの追加の塩基についての結合配列を取り除き、RNaseH2によるRNA塩基の切断が著しく減少するようにPCRプライマーの3’末端の下流にある。
【0297】
好熱性ファージキナーゼ(ロドサーマス・マリヌス(Rhodothermus marinus)に感染するバクテリオファージRM378に由来)を使用して、ライゲーション反応の間に下流LDRプローブをリン酸化してもよい。これらの条件下において、好熱性キナーゼは完全な熱安定性ではないため、LDRでの変性工程は、できるだけ短くする(例えば、94℃あるいはそれ以下で1秒間)か、または、完全なプライマーリン酸化を達成するために、65℃で15分間、適切にプレインキュベーションしなければならない。あるいは、下流プローブの5’側は、上流プローブの3’を識別する塩基と同じ塩基を含有してもよく、前記塩基は、FenヌクレアーゼまたはTaqポリメラーゼの5’→3’ヌクレアーゼ活性により取り除かれ、後のライゲーションに好適な5’リン酸基を遊離する。
【0298】
アプローチv2の概観:上記のように、単離ゲノムDNA、またはメチルが増加したDNAを、メチル感受性酵素(HinP1I、Bsh1236I、AciI、Hpy99I、及びHpyCH4IV)のカクテルで、並びに、メチル非感受性酵素(HaeIII及びMspI)により処理する。本アイデアは、およそ40塩基以上のDNAの断片を生成することであり、断片の5’リン酸基はメチル非感受性酵素に由来する。断片は、切断がこれらの断片の離散を引き起こすように、少なくとも2〜3個のメチル感受性酵素部位を有しなければならない。次に、ゲノム断片の一方の鎖を、ヘアピンを含有し、ゲノムDNAには無関係であり、5’リン酸基にてゲノム断片にライゲーションすることが可能である上流領域を有する人工鋳型にハイブリダイゼーションする。ヘアピンの一本鎖部分は、1つ以上のメチル感受性制限酵素部位を含有する標的に相補的な領域もまた含有する。次に、同一のメチル感受性酵素を再度加え、非メチル化標的鎖が最初の制限酵素分解工程を偶然逃れた場合、鎖はこの第2の工程で切断される。鋳型鎖にハイブリダイゼーションした下流のゲノム断片にハイブリダイゼーションする下流オリゴヌクレオチドを加える。遺伝子座特異的プライマーを伸長する場合、ポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性が、ライゲーションしたオリゴヌクレオチドの鋳型部分を破壊し、上流及び下流タグの両方を含有しかつ増幅に好適な生成物を生成する。ライゲーションしていないヘアピンオリゴヌクレオチドはそれ自体を伸長させ、それ以上増幅しない。上流及び下流オリゴヌクレオチドの両方が、任意のユニバーサル配列、及びUniTaq特異的配列を有し、チューブを開け、適切なUniTaqまたはTaqMan(商標)アッセイに分ける前に、12〜20サイクルの、同時の「プレ増幅」を可能にする。各プロモーター領域に関して、シグナルが現れ(Ct値は、メチル化配列の相対的な量を示す)、かつ合計のシグナル強度(即ち、このプロモーターに対してメチル化された1、2、または3個の位置)を示すように、3つの調査位置が存在する。本アプローチは、キャリーオーバーからの保護をもたらすためのUNGの使用、及びPCR増幅工程中に過剰の忠実性をもたらすためのRNaseH2の使用とも適合性がある。
【0299】
少量のメチル化の検出のための上記アプローチの識別レベルを要約する:
1. 二本鎖標的DNAに独自の5’リン酸基を生成するために、メチル化非感受性制限酵素を使用する。
2. メチル化されていない場合に二本鎖標的を切断するために、メチル化感受性制限酵素を使用する。
3. 最初のPCR反応のキャリーオーバー汚染を防止するために、UNG及びメチル化感受性制限酵素を使用する。
4. 正しいタグを標的鎖にライゲーションするために、熱安定性リガーゼのライゲーション忠実性を使用する。
5. ライゲーションした標的鎖を増幅するために、遺伝子座特異的プライマー及びポリメラーゼを使用する。
6. 標的にハイブリダイゼーションした場合にのみ、PCRプライマー上のアンブロックした3’OHを遊離させるために、RNaseH2のヌクレアーゼ活性を使用する。
7. タグと標的鎖がライゲーションされていない場合に、ヘアピンを形成してこれら自身を伸長し増幅しない生成物を形成するために、タグオリゴヌクレオチドの3’末端上の配列を使用する。
8. リアルタイムPCR読出しのためにPCRまたはLDR産物を増幅するために、UniTaqまたはタグプライマーを使用する。
【0300】
プロモーターメチル化の高感度検出のための詳細プロトコールv2:
2.2.a. 制限酵素、人工ヘアピン鋳型(以下を参照)、及び熱安定性リガーゼを含有する混合物を調製する。メチル感受性酵素(例えばHinP1I、Bsh1236I、AciI、Hpy99I、及びHpyCH4IV)のカクテルを用いて、並びに、メチル非感受性酵素(HaeIII及びMspI)により、単離ゲノムDNA、またはメチルが増加したDNAを切断する。HaeIIIまたはMspI部位からの5’リン酸基、及び、少なくとも3個のメチル感受性部位(これらはメチル化されているため、切断されない)を有する、およそ40塩基以上の断片を生成する。プロモーター1つあたりで、かかる断片を3個生成するのが好ましい。エンドヌクレアーゼを加熱して失活させ(65℃で15分間)、DNAを変性させる(94℃で1分間)。人工鋳型は、上流プライマー領域(任意の5’ユニバーサルプライマーU1Pm、続いてUniTaq Ai)及びUniTaq Aiに相補的な領域、並びに、約72℃のTmを有する標的DNAに相補的な領域、並びに、少なくとも1つのメチル感受性制限酵素切断部位とのオーバーラップを含有する。60℃でインキュベーションし、断片がメチル化され、正しい鋳型にハイブリダイゼーションした場合、かつその場合に限り、ヘアピンオリゴヌクレオチドが、標的DNAの5’リン酸基へハイブリダイゼーション及びライゲーションすることを可能にする。この最初のゲノムDNA−ライゲーション産物は、12、24、48、もしくは96個の個別のウェルでのマルチプレックスPCR増幅(空間的多重化)、または単一のウェルでのマルチプレックスPCR増幅に好適である。
【0301】
2.2.b. 以下を加える:メチル感受性制限酵素(37℃で30分間インキュベーションする)、並びに、ホットスタートTaqポリメラーゼ、dNTP、UniTaqAi、及び下流プライマー(5’ユニバーサルプライマーU2、続いてUniTaq Bi、続いて人工鋳型鎖配列のすぐ下流にある配列を有する標的断片に相補的な標的遺伝子座特異的配列を含有する)。遺伝子座特異的プライマーを伸長する場合、ポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性がライゲーションしたオリゴヌクレオチドの鋳型部分を破壊し、上流及び下流タグの両方を含有しかつ増幅に好適な生成物を生成する。ライゲーションしていないヘアピンオリゴヌクレオチドはそれ自体を伸長し、それ以上増幅しない。理想的には、LDR及びPCR複合プライマー上のユニバーサルプライマー尾部U1Pm及びU2は、ユニバーサルプライマーU1及びU2よりもわずかに短い。これにより、(誤った生成物への複合プライマーの結合と比較して)ユニバーサルプライマーU1Pm及びU2が所望の生成物に優先的に結合するように、最初のユニバーサル増幅を、低いサイクル温度(例えば55℃でアニーリング)、続いて高い温度(例えば65℃でアニーリング)で行うことが可能になる。標的と無関係の増幅を最小限にするための好ましい変法において、下流PCRプライマーは、RNA塩基及びブロック3’末端を含有し、プライマーが標的にハイブリダイゼーションする場合、これは、RNA塩基を切断するRNase−Hにより遊離される。これらの状態は、配列:
ユニバーサルプライマーU1Pm−UniTaq Ai − メチル化領域 − UniTaq Bi’ − ユニバーサルプライマーU2’
の生成物、または、単に配列:
UniTaq Ai − メチル化領域 − UniTaq Ci’
を増幅する。
【0302】
2.2.c. チューブを開き、10〜100倍に希釈し、一定量をTaqMan(商標)ウェルに分配する。各ウェルは以下のプライマーを含有する:ユニバーサルプライマーU2、及びフォーマットF1−UniTaq Bi−Q−UniTaq AiのUniTaq特異的プライマー(式中、F1は消光剤Qにより消光される蛍光染料である)。これらの条件下で以下の生成物:
F1−UniTaq Bi − Q−UniTaq Ai − メチル化領域 − UniTaq Bi’ − ユニバーサルプライマーU2’
を形成する。
【0303】
この構築物は、UniTaq Bi配列がUniTaq Bi’配列と対形成をするようにヘアピン形成する。ユニバーサルプライマーU2がユニバーサルプライマーU2’配列に結合する場合、ポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性はUniTaq Bi配列を分解し、F1蛍光染料を遊離させる。
【0304】
配列UniTaq Ai − 標的DNA − UniTaq Ci’の生成物に関して、nestedPCRプライマー、任意のRNaseH2切断によるブロック基の除去、及び内部TaqMan(商標)プローブを使用してこれらを検出してもよい。
【0305】
存在するDNAの総量に対する対照として、5’リン酸基がメチル非感受性酵素(HaeIIIまたはMspI)により生成され、断片の残りがメチル感受性酵素部位を欠いている、近くの標的断片を選択することができる。標的断片にライゲーションした上流オリゴヌクレオチドは、2つのオリゴヌクレオチド:(i)正しいUniTaq特異的配列を有する、100個に1個存在するオリゴヌクレオチド、及び(ii)3’末端に相補的な約8〜10個の塩基を有する配列を含む、100個のうち99個存在するオリゴヌクレオチドの混合物である。ライゲーション現象、並びにUNG及びAPエンドヌクレアーゼによる鋳型の破壊の後、PCR増幅のためにユニバーサルプライマーを加える。UniTaq配列を含有するライゲーション産物を増幅すると、元の鋳型100個のうち1個に等価なシグナルが得られる。ライゲーション産物の大多数は5’末端にユニバーサル配列を欠き、指数関数的に増幅しない。ライゲーションしていない上流プローブは、プローブ自体の後ろにヘアピンを形成してプローブの3’配列を伸長し、別のPCR単位複製配列の一部となるように、内容物から取り出す。あるいは、または加えて、対照には、目的物のプロモーター部位に存在する少量のメチル化DNAとの正確な比較を可能にするために、異なる比率、例えば1:10または1:1,000の2つのオリゴヌクレオチドを使用してもよい。
【0306】
代替の対照では、2つのオリゴヌクレオチド:(i)正しいUniTaq特異的配列を有する100個に1個存在するヘアピンオリゴヌクレオチド、及び、(ii)UniTaq配列を持たない100個のうち99個存在するヘアピンオリゴヌクレオチドの混合物を使用する。ライゲーション現象の後、PCR増幅のためにユニバーサルプライマーを加える。遺伝子座特異的プライマーを伸長する場合、ポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性は、ライゲーションしたオリゴヌクレオチドの鋳型部分を破壊し、上流及び下流タグの両方を含有しかつ増幅に好適な生成物を生成する。ライゲーションしていないヘアピンオリゴヌクレオチドはそれ自体を伸長し、それ以上増幅しない。UniTaq配列を含有するライゲーション産物を増幅すると、元の鋳型100個のうち1個に等価なシグナルが得られる。ライゲーション産物の大多数は5’末端にユニバーサル配列を欠き、指数関数的に増幅しない。
【0307】
図48は、キャリーオーバーを防止したPCR増幅プロトコールによる制限酵素分解、ヘアピンライゲーション、遺伝子座特異的伸長を使用した、ゲノムまたはcfDNAでのメチル化検出を示す。メチル化配列にわたって設計したTaqMan(商標)プローブを含むnestedPCRプライマーを使用して生成物を検出する。
【0308】
図49は
図48の変法を示し、ここでは最初の遺伝子特異的PCRプライマーはタグUniAi及びUniCiを含有する。生成物を希釈し、nested増幅のためにウェルに分配する。上流及び下流nestedPCRプライマーは、5’末端にそれぞれ、UniTaq Aj及びUniTaq Bj−UniTaq Cjタグを含有する。更に、フォーマットUniTaq Cj及びF1−UniTaq Bj − Q−UniTaq AjのUniTaq特異的プライマーは、より高濃度で増幅混合物中に存在するため、増幅生成物に組み込まれる優位なプライマーとなる。蛍光標識したプライマーにより形成された生成物鎖は、UniTaq Bj配列がUniTaq Bj’配列と対形成するようにヘアピン形成する。UniTaqプライマーCjがUniTaq Cj’配列に結合する場合、ポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性がUniTaq Bj配列を分解し、F1蛍光染料を遊離し、リアルタイムPCR機器により検出されるシグナルを生成する。
【0309】
配列UniTaq Ai − 標的DNA − UniTaq Ci’の生成物は、UniTaq Ci及びUniTaq Ai配列の中に入れ子状になったプライマー、並びに標準的なTaqMan(商標)プローブを使用してまた検出してもよい。
【0310】
単一のプロモーター領域内の2つまたは3つの断片が、同一の蛍光染料を用いて同時に調査されてもよい。プロモーター1つあたりのメチル化断片の数を、その染料に関する合計シグナルにより測定してもよい。空間的多重化を使用する場合、37℃のインキュベーション工程の前(ただし、酵素の添加後)に、サンプルを12、24、48、または96個の個々のウェルに分配する。このようにして、DNAの所与の分子のプロモーター領域にまたがるメチル化を、3つの異なる分子における3つの異なる領域のメチル化と区別してもよい。
【0311】
最初のライゲーション工程が存在するため、後のLDR工程は必要ではなく、最初のPCR反応に直接、第2のリアルタイムPCR(例えばTaqMan(商標))反応が続く。第2のPCRに直接進む場合の欠点は、最初のPCR反応生成物がdUTPを組み込むのでUNGにより破壊されるため、キャリーオーバーからのUNGによる保護が用いられないことである。この問題に対応する1つのアプローチは、これらの生成物は非メチル化されているため、最初のPCRで標準的なdNTPを用い、制限エンドヌクレアーゼのみを頼りにして、最初または後のPCR反応からの潜在的なキャリーオーバーを破壊する、というものである。
【0312】
PCRプライマーは、RNA塩基、4つの追加の塩基、及び3’末端のブロック基を含有してもよい。RNaseH2を次に、反応に加える。これにより、鋳型と無関係な生成物がUniTaqプライマーセットにより形成されないことが確実となる。いくつかの設計においては、メチル感受性制限酵素切断部位は、酵素による切断が、4つの追加の塩基についての結合配列を取り除き、RNaseH2によるRNA塩基の切断が著しく減少するようにPCRプライマーの3’末端の下流にある。
【0313】
アプローチv3の概要:単離ゲノムDNA、またはメチルが増加したDNAを、認識要素がCpGジヌクレオチド対(即ち、Bsh1236I=CG^CG;及びHpy99I=CGWCG^)のみを含むメチル感受性酵素で処理する。亜硫酸水素塩で処理し、「dC」を「dU」に変換し、鎖を非相補性にする。BstU1(CG^CG)の存在下で遺伝子座特異的プライマーをハイブリダイゼーションして、キャリーオーバーDNAを切断する。切断されなかったプライマー及び標的を、標的に結合した場合にのみRNaseH2を用いてアンブロックする。次に、アンブロックしたPCRプライマーで増幅して、切断されていない、亜硫酸水素塩により変換した約100〜130bpのDNA断片にする。断片は、切断がこれらの断片の離散を引き起こすとなるように少なくとも2個のメチル感受性酵素部位を有しなければならない。これらの部位は、キャリーオーバー防止が2つのレベルで作用するように選択される:(i)これらの部位が、組み込まれたdUTPを含有するDNAでもなお切断可能であり、UNGをキャリーオーバー防止に用いることが可能であり、及び、(ii)増幅後、生成物は、別の反応にキャリーオーバーするのであれば、速やか再切断されるようにこれらの部位が非メチル化される。更に、断片は、ブロックプライマーが最初にメチル化された標的の増幅のために濃縮され、更に、LDRプローブが最初にメチル化された標的の検出のために選択されるように、更なる内部メチル化CpG対を有しなければならない。最初のPCR増幅の後で、キャリーオーバーから保護したLDR及びUniTaq反応を、上述のとおり実施する。あるいは、LDR及びTaqMan(商標)、または直線的TaqMan(商標)反応を実施して、最初のサンプル中でのメチル化DNAの相対量を識別し、定量化してもよい。
【0314】
少量のメチル化の検出のためにPCR及びLDRプライマーの両方を使用した上記アプローチの識別のレベルを要約する:
1. メチル化していない場合に標的を切断するために、メチル化感受性制限酵素を使用する。
2. 標的にハイブリダイゼーションした場合にのみ、PCRプライマー上の非ブロック3’OHを遊離させるために、RNaseH2のヌクレアーゼ活性を使用する。
3. 最初のPCR反応のキャリーオーバー汚染を防止するために、UNG及びメチル化感受性制限酵素を使用する。
4. 上流LDRプローブで、熱安定性リガーゼの3’ライゲーション忠実性を使用する。
5. リアルタイムPCR読出しのためにLDR産物を増幅するために、UniTaqまたはタグプライマーを使用する。
6. リアルタイムPCR反応のキャリーオーバー汚染を防止するために、UNGを使用する。
【0315】
プロモーターメチル化の高感度検出のための詳細プロトコールv3
2.3.a. Bsh1236I(CG^CG)及びUNGの存在下でゲノムDNA、またはメチルが増加したDNAをインキュベーションし(37℃、30〜60分)、非メチル化DNAを完全に分解してキャリーオーバーを防止する。亜硫酸水素塩で処理して鎖を非相補性にし、市販されているキット(例えばZymo ResearchまたはQiagen製のもの)を使用してDNA鎖を精製する。マルチプレックスPCR増幅を最適化するための緩衝液補助成分、dUTP、並びに他のdNTP、AmpliTaq Gold、RNaseH2、BstU1(CG^CG)、並びに所望の3’末端の後のRNA塩基、4つの追加の塩基、及び誤った標的での伸長を防止するためのブロック基を含有する遺伝子特異的プライマーを加える。この最初のゲノムDNA−PCR反応混合物は、12、24、48、もしくは96個の個別のウェルでのマルチプレックスPCR増幅(空間的多重化)、または単一のウェルでのマルチプレックスPCR増幅に好適である。BstU1は、以前の増幅でのあらゆるキャリーオーバーDNAを切断する。分解したゲノムDNA及び制限エンドヌクレアーゼを変性させ、AmpliTaq Goldを活性化させ(94℃、5〜10分)、回数を制限したサイクル(94℃・10秒、60℃・30秒、72℃・30秒で16〜20サイクル)で、断片を含有する変異をマルチプレックスPCR増幅する。PCRプライマーは約60℃のTm値を有するように設計されるが、5個の過剰の塩基を用いるとTm値は65〜68℃に近づき、ユニプレックスPCRの基準の10〜50倍未満の濃度(各プライマーが10nM〜50nM)で使用した場合でも、頑健にハイブリダイゼーションする。更に、ブロッキングオリゴヌクレオチドを使用して非メチル化DNAの増幅を制限する。サイクルは、互いにPCR産物の相対的バランスを保持するために制限されるが、依然として少量の配列を約100,000〜1,000,000倍に増幅する。PCR増幅の後、(99℃で30分間インキュベーションすることにより)Taqポリメラーゼを不活性化させる。
【0316】
2.3.b. (好ましくは株AK16Dからの)熱安定性リガーゼ、最適化したライゲーション条件への緩衝液補助成分、並びに好適な上流及び下流LDRプローブ(それぞれ10nM〜20nM、下流プローブは5’リン酸基おを伴って合成されてもよく、または反応の前にバルクでキナーゼによりリン酸化されてもよい)を加える。上流プローブは、UniAi等の5’タグ、続いて標的特異的配列を含む。下流プローブは、5’リン酸化末端、続いて標的特異的配列、及びUniCi’等の3’タグを含む。LDRを20サイクル実施する(94℃・10秒、60℃・4〜5分)。これにより、メチル化DNAが元のサンプルに存在した場合に、ライゲーション現象がPCR産物で発生することが可能となる。
【0317】
2.3.c. チューブ/ウェルを開き、(10〜100倍に)希釈して、リアルタイムPCR反応のために一定量をウェルに分配する。各ウェルは、キャリーオーバー防止のための、UNGを含む適切なTaqMan(商標)マスターミックス、並びに、以下のプライマーを含有する:UniCi及びUniAi、並びに、ライゲーション接合部にまたがる配列をカバーするTaqMan(商標)プローブ。かかる条件下では、LDRプローブ上のタグ配列はそれぞれUniAi及びUniCiであり、生成物は以下:
UniAi − 上流標的−亜硫酸水素塩により変換したメチル化領域−下流標的 − UniCi’
の形態である。
【0318】
単一のプロモーター領域内の2つまたは3つの断片が、同一の蛍光染料を用いて同時に調査されてもよい。プロモーター1つあたりのメチル化断片の数を、その染料への合計シグナルにより測定してもよい。空間的多重化を使用する場合、37℃のインキュベーション工程の前(ただし、酵素の添加後)に、サンプルを12、24、48、または96個の個々のウェルに分配する。このようにして、DNAの所与の分子のプロモーター領域にまたがるメチル化を、3つの異なる分子における3つの異なる領域のメチル化と区別してもよい。
【0319】
図50は、制限酵素分解、及び亜硫酸水素塩処理を用いた、ゲノムまたはcfDNAでのメチル化検出を示す。最初の亜硫酸水素塩により変換したメチル化領域PCRプライマーは、RNA塩基、4つの追加の塩基、及び3’末端のブロック基を含有する。BstU1の存在下でのこれらのプライマーのハイブリダイゼーションは、キャリーオーバーDNAを切断する。これらの遺伝子特異的プライマーは、標的にハイブリダイゼーションした場合にのみ、RNaseH2によって末端からアンブロックされ、ポリメラーゼ伸長に好適な3’OH末端を遊離させる。ブロッキングオリゴヌクレオチドを使用して、亜硫酸水素塩により変換した非メチル化DNAの増幅を制限する。亜硫酸水素塩により変換したメチル化DNA標的用のLDRプローブは、更なる特異性を提供する。生成物は、ライゲーション接合部配列にまたがって設計されるTaqMan(商標)プローブを使用して検出される。
【0320】
図51は
図50の変法を示す。上流及び下流LDRプローブは、それぞれUniTaq Ai及びUniTaq Bi’−UniTaq Ci’タグを含有する。ライゲーションの後、生成物を希釈し、フォーマットUniTaq Ci及びF1−UniTaq Bi − Q−UniTaq AiのUniTaq特異的プライマーを含有するウェルに分配する(式中、F1は消光剤Qにより消光される蛍光染料である)。蛍光標識したプライマーにより形成された生成物鎖は、UniTaq Bi配列がUniTaq Bi’配列と対形成をするように、ヘアピン形成する。UniTaqプライマーCiがUniTaq Ci’配列に結合する場合、ポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性がUniTaq Bi配列を分解し、F1蛍光染料を遊離して、リアルタイムPCR機器により検出されるシグナルを生成する。
【0321】
図52は
図50の変法を示し、ここではPCR産物が分配され(空間的多重化)、固体支持体上で捕捉される。PCRプライマーは、プライマー二量体形成を排除しユニバーサルプライマーによる増幅を可能にするユニバーサル尾部を含有し、この一方はビオチンを含有し、ストレプトアビジンでコーティングしたウェルでの生成物の捕捉を可能にする。ライゲーション接合部にて完全な相補性が存在する場合、ライゲーションプローブを標的にハイブリダイゼーションし、生成物のみを形成させる。次に、未反応のライゲーションプローブ、または標的非依存性ライゲーション産物を洗い流す。ライゲーションした時だけ互いにハイブリダイゼーションを行い、検出に好適なFRETシグナルを生成する短い相補配列を含有するように、LDRプローブを設計する。
【0322】
図151は
図50の変法を示し、ここでは最初の制限エンドヌクレアーゼ分解及び亜硫酸水素塩変換の後、遺伝子座特異的上流及び下流プライマーを用いてPCR産物が選択的に増幅される。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseHはRNA塩基を取り除いてポリメラーゼ伸長に好適な3’OH基を遊離させる。上流PCRプライマーと部分的にオーバーラップする、亜硫酸水素塩により変換された非メチル化配列(またはその相補鎖)を含むブロックLNAまたはPNAプローブは、亜硫酸水素塩により転換された非メチル化標的配列への結合で上流プライマーと優先的に競合するが、亜硫酸水素塩により転換されたメチル化標的配列ではそれほど競合しないため、PCRの各ラウンド中の、亜硫酸水素塩により変換された非メチル化標的配列の増幅を抑制する。最初のPCR濃縮工程の後、この手順には、キャリーオーバーを防止したLDR−qPCR検出プロトコールが続く。生成物は、ライゲーション接合部配列にまたがって設計されるTaqMan(商標)プローブを使用して検出される。
【0323】
図152は
図151の変法を示し、ここでは上流及び下流LDRプローブは、UniTaq Ai及びUniTaq Bi’−UniTaq Ci’プライマー特異的及び配列タグ部分を含有する。ライゲーションの後、生成物を希釈し、フォーマットUniTaq Ci及びF1−UniTaq Bi − Q−UniTaq AiのUniTaq特異的プライマーを含有するウェルに分配し、PCRで生成したシグナルを、リアルタイムPCR機器で検出する。
【0324】
図153は
図151の変法を示し、ここではPCR産物が固体支持体上で捕捉される。LDRプローブは、ライゲーションした時だけ互いにハイブリダイゼーションを行い、検出に好適なFRETシグナルを生成する短い相補配列を含有するように設計される。
【0325】
図156は
図50の変法を示し、ここでは伸長後にループ−ヘアピンの形成を可能にする、トップ鎖の亜硫酸水素塩で処理した非メチル化配列に相補的な5’部分配列、及び遺伝子座特異的下流プライマーもまた含む遺伝子座特異的上流プライマーを使用して、PCR産物が選択的に増幅される。標的特異的ハイブリダイゼーションの際に、RNaseHはRNA塩基を取り除いてポリメラーゼ伸長に好適な3’OH基を遊離させる。5’ヌクレアーゼ、3’ヌクレアーゼ、及び鎖置換活性を欠くポリメラーゼを用いてPCRを実施する。(i)亜硫酸水素塩で処理した非メチル化ボトム鎖の変性は、3’末端で完全にマッチするループ−ヘアピンをもたらし、これは、ポリメラーゼにより伸長され、より長いヘアピン領域を形成する。この領域は72℃では変性せず、上流プライマーが完全長トップ鎖を生成することを防止する。(ii)亜硫酸水素塩で処理したメチル化ボトム鎖の変性は、2つ以上のミスマッチを有するループ−ヘアピンをもたらす。ループ−ヘアピンはポリメラーゼによって伸長されないため72℃で変性し、上流プライマーが完全長トップ鎖を生成することを可能にする。(iii)トップ鎖の変性は5’側にヘアピンをもたらし、ヘアピンはPCRの伸長工程中(72℃)に変性し、ポリメラーゼが完全長ボトム鎖を生成することを可能にする。(i)亜硫酸水素塩で処理した非メチル化鋳型、及び(ii)亜硫酸水素塩で処理したメチル化鋳型を有する上流プライマーにおけるヘアピン伸長の選択性の違いは、変異DNAの選択増幅をもたらす。亜硫酸水素塩で処理した非メチル化標的の増幅に対するこの選択は、PCRの各サイクルで発生するため、亜硫酸水素塩で処理したメチル化標的を濃縮する。最初のPCR濃縮工程の後、この手順には、キャリーオーバーを防止したLDR−qPCR検出プロトコールが続く。生成物は、ライゲーション接合部配列にまたがって設計されるTaqMan(商標)プローブを使用して検出される。
【0326】
図は
図148の変法を示し、ここではPCR産物が固体支持体上で捕捉される。LDRプローブは、ライゲーションした時だけ互いにハイブリダイゼーションを行い、検出に好適なFRETシグナルを生成する短い相補配列を含有するように設計される。
【0327】
上流LDRプローブ及びPCRプライマーは、RNA塩基、4つの追加の塩基、及び3’末端のブロック基もまた含有してもよい。RNaseH2を次に、反応に加える。これにより、鋳型非依存性生成物が確実に形成されないようにする。いくつかの設計においては、メチル感受性制限酵素切断部位は、酵素による切断によりブロック基を取り除くようにPCRプライマーの3’末端の下流にある。
【0328】
好熱性ファージキナーゼ(ロドサーマス・マリヌス(Rhodothermus marinus)に感染するバクテリオファージRM378に由来)を使用して、ライゲーション反応の間に下流LDRプローブをリン酸化してもよい。これらの条件下において、好熱性キナーゼは完全な熱安定性ではないため、LDRでの変性工程は、できるだけ短くする(例えば、94℃あるいはそれ以下で1秒間)か、または、完全なプライマーリン酸化を達成するために、65℃で15分間、適切にプレインキュベーションしなければならない。あるいは、下流プライマーの5’側は、上流プライマーの3’を識別する塩基と同じ塩基を含有してもよく、前記塩基は、FenヌクレアーゼまたはTaqポリメラーゼの5’→3’ヌクレアーゼ活性により取り除かれ、後のライゲーションに好適な5’リン酸基を遊離する。
【0329】
図53は
図50の変法を示し、ここではPCR産物が分配され(空間的多重化)、次いで、TaqMan(商標)プローブ及びブロックオリゴヌクレオチドを使用して第2のnestedPCRに通し、亜硫酸水素塩により変換した非メチル化DNAの増幅を制限する。
【0330】
図151、158は
図45の変法を示し、ここでは一次PCR産物が、nested遺伝子座特異的プライマー及び内部TaqMan(商標)プローブを使用して直接検出される。PCR産物はdUを組み込んで非メチル化されており、キャリーオーバー防止を可能にする。
【0331】
予測実施例3− 全ての血漿mRNA、エクソソーム、血中循環腫瘍細胞(CTC)またはCTCを含有する全血細胞から単離されたmRNAにおける遺伝子転座またはスプライス部位変化の非常に高感度な検出
アプローチの概要:本アプローチは、(i)最初のサンプル中において異常なRNA転写産物の少量のコピーを正確にコピーするための逆転写酵素、(ii)cDNAを比例的に増幅するためのTaqポリメラーゼ、及び(iii)互いに隣接してハイブリダイゼーションしたプライマーを識別する熱安定性リガーゼ、の3つの酵素の忠実性に依存する。ライゲーション現象が起こると、これらの生成物は後のリアルタイムPCR増幅工程で増幅されるため、この工程が鍵となる区別工程である。
【0332】
LDRを使用する利点の1つは、正確な切断点に関係ない転座現象を識別することができることである。更に、転座または選択的スプライシングが新しいエクソン−エクソン接合部を生成する場合、LDRは、接合部における厳密な塩基に至るまで、これらの接合部を正確に区別するのに理想的に適している。
【0333】
腫瘍内には、異常にスプライシングを受けた転写物について少なくとも2つの供給源が存在する。腫瘍は、全てが低メチル化されることで、遺伝子発現の全体的な調節異常を受ける場合がある。低メチル化の結果の1つは、プロモーター領域内の転写開始部位の調節の悪化であり、転写物の5’末端に代わりの配列が存在することが可能になる。次いで、かかる選択的スプライシングを受けたリーダー配列は、LDRベースのアッセイを使用することにより、正確に識別及び定量化することができる。異常なスプライシングを受けた転写物の第2の供給源は、スプライシング機構の調節異常に起因する。いくつかのかかる転写物は、腫瘍増殖を促進する、あるいは作動させるタンパク質に翻訳される。ここでもまた、これらの選択的スプライシングを受けた転写物は次いで、同一のLDR反応において、相対レベルで異常及び野生型転写物の両方を提供することを含むLDRベースのアッセイを使用して、正確に識別及び定量化することができる。
【0334】
キャリーオーバー汚染から保護するため、ポリメラーゼ活性化の前にUNGを反応に加え、dUTPを用いて最初のPCR増幅を実施する。LDRプローブは天然塩基を含むため、LDR産物はここで、第2のリアルタイムPCR工程におけるUNG分解に対して耐性がある。LDR産物は非ライゲーション末端に、標的DNAを欠くタグまたはUniTaq配列を含有するため、LDR産物の偶然のキャリーオーバーは大規模な増幅をもたらさないことを注意しなければならない。PCRとは異なり、最初のLDR産物は、第2のLDR反応に対する基質ではない。
【0335】
mRNAでの転座またはスプライス部位変化の非常に高感度な検出のための上記アプローチの識別レベルを要約する:
1. 任意の標的非依存性プライマー二量体が形成されると、誤った生成物が更なる増幅を阻害するヘアピンを形成するように、ユニバーサル尾部を有するPCRプライマーを使用する。
2. 最初のPCR反応のキャリーオーバー汚染を防止するために、UNGを使用する。
3. 上流LDRプローブで、熱安定性リガーゼの3’ライゲーション忠実性を使用する。
4. リアルタイムPCR読出しのためにLDR産物を増幅するために、UniTaqまたはタグプライマーを使用する。
5. リアルタイムPCR反応のキャリーオーバー汚染を防止するために、UNGを使用する。
【0336】
mRNAにおける遺伝子転座またはスプライス部位変化の非常に高感度な検出のための詳細プロトコール
3.1.a. 単離mRNA(あるいは全ての単離核酸)を、UNG(37℃、15〜30分、キャリーオーバーを防止するために)、dUTP、及び他のdNTP、MMLV逆転写酵素、AmpliTaq Gold、並びに転写物特異的プライマーの存在下において、インキュベーションする。(MMLV逆転写酵素は、全ての投入RNAから、50〜60℃にてcDNAを合成するものを設計してもよい(Invitrogen Superscript III)。あるいは、逆転写活性を向上させるためのTthまたはTma DNAポリメラーゼが設計されてきた(Mn補助因子の追加が必要となる場合がある)。最後に、好熱性PyroPhage 3173 DNAポリメラーゼは、鎖置換及び逆転写活性を共に有しており、これもまた用いてもよい。この最初のcDNA−PCR反応混合物は、12、24、48、もしくは96個の個別のウェル(空間的多重化)、または単一のウェルでの多重逆転写転写物PCR増幅に好適である。同種のRNA転写物上でのリバースプライマーの伸長によりcDNAを生成した後、UNG及びMMLV逆転写酵素を不活性化させ、AmpliTaq Goldを活性化させ(94℃、5〜10分)、回数を制限したサイクル(94℃・10秒、60℃・30秒、72℃・30秒で16〜20サイクル)で、転写物含有断片をマルチプレックスPCR増幅する。PCRプライマーは、約64〜66℃のTm値を有するように設計され、ユニプレックスPCRの基準の10〜50倍未満の濃度(各プライマーが10nM〜50nM)で使用した場合でも、頑健にハイブリダイゼーションように設計される。サイクルは、互いにPCR産物の相対的バランスを保持するために制限されるが、依然として少量の配列を約100,000〜1,000,000倍に増幅する。PCR増幅の後、(99℃で30分間インキュベーションすることにより)Taqポリメラーゼを不活性化させる。
【0337】
3.1.b. (好ましくは株AK16Dからの)熱安定性リガーゼ、最適化したライゲーション条件への緩衝液補助成分、並びに好適な上流及び下流LDRプローブ(それぞれ10nM〜20nM、下流プローブは5’リン酸基を伴って合成されるか、または反応前にバルクでキナーゼによりリン酸化されてもよい;上流プローブは、UniAi等の5’タグ、続いて転写物特異的配列を含む)を加える。下流プローブは、5’リン酸化末端、続いて標的特異的配列、及びUniCi’等の3’タグを含む。LDRを20サイクル実施する(94℃・10秒、60℃・4〜5分)。これにより、所望のエクソン−エクソン接合部が存在する場合、cDNA PCR産物上でライゲーション現象を生じることが可能となる。正確な接合部が未知である転座を検出するために、3種類のLDRプローブを使用する。中間のプローブ(1つまたは複数)は、(種々の)スプライシングした転写物の既知の上流及び下流領域に相補的な配列を含有する。上流及び下流プローブは、所望のライゲーション産物の、後でのUniTaqまたはTaqMan(商標)増幅及び検出を可能にする、上述のタグを含有する。
【0338】
3.1.c. チューブ/ウェルを開き、(10〜100倍に)希釈して、リアルタイムPCR反応のために一定量をウェルに分配する。各ウェルは、キャリーオーバー防止のための、UNGを含む適切なTaqMan(商標)マスターミックス、並びに、以下のプライマーを含有する:UniCi及びUniAi、並びに、ライゲーション接合部にまたがる配列をカバーするTaqMan(商標)プローブ。かかる条件下では、LDRプローブ上のタグ配列はそれぞれUniAi及びUniCiであり、生成物は以下:
UniTaq Ai − 上流エクソン−下流エクソン接合部 − UniTaq Ci’
の形態である。
【0339】
未知の接合部を有する転写物を検出するための3種類のLDRプローブを使用して、以下の生成物:
UniTaq Ai − 上流エクソン−ブリッジ配列−下流エクソン − UniTaq Ci’
を形成する。
【0340】
図54は、キャリーオーバーを防止したPCR−LDR反応を使用して、mRNAレベルで転座を検出するためのアプローチの概観を示す。2つの遺伝子間での転座の図解を示す。クロスオーバーにより、上流遺伝子のエクソン1、2、または3が、下流遺伝子のエクソンbと融合することができる。起こりうる全てのエクソン接合部(1−b、2−b、及び3−b)を検出するためにLDRプローブを設計する。
【0341】
図55は、キャリーオーバーを防止した基本的なRT−PCR−LDR−qPCR検出プロトコールを使用した融合遺伝子上での転座検出(概観は
図54)のクローズアップを示す。最初の遺伝子特異的逆転写及びPCRプライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部を含有する。生成物は、ライゲーション接合部配列にまたがって設計されるTaqMan(商標)プローブを使用して検出される。
【0342】
図56は
図55の変法を示し、上流及び下流LDRプローブはそれぞれ、UniTaq Ai及びUniTaq Bi’−UniTaq Ci’タグを含有し、蛍光標識したUniTaqプライマーを使用して生成物を検出する。
【0343】
図57は
図55の変法を示し、ここではPCR産物が分配され(空間的多重化)、固体支持体上で捕捉される。LDRプローブは、ライゲーションした時だけ互いにハイブリダイゼーションを行い、検出に好適なFRETシグナルを生成する短い相補配列を含有するように設計される。
【0344】
図58は、キャリーオーバーを防止したPCR−LDR反応を使用して、選択的スプライシングを検出するためのアプローチの概観を示す。通常(1−2−3a−4)及び選択的スプライス変異体(1−2−3b−4)mRNAの例の図解を示す。通常及び/または選択的スプライス変異体の両方(3a−4、及び3b−4)を検出するように、LDRプローブを設計する。
【0345】
図59は、キャリーオーバーを防止した基本的なRT−PCR−LDR−qPCR検出プロトコールを使用した選択的スプライス変異体検出(概観は
図58)のクローズアップを示す。最初の遺伝子特異的逆転写及びPCRプライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部を含有する。通常の転写物3a−4(F1)、及び選択的スプライス変異体3b−4(F2)に関して、ライゲーション接合部配列にまたがって設計した、異なる標識を付けたTaqMan(商標)プローブを使用して生成物を検出する。
【0346】
図60は
図59の変法を示し、ここでは上流及び下流LDRプローブはそれぞれ、UniTaq AiまたはUniTaq Aj、及びUniTaq Bi’−UniTaq Ci’タグを含有し、蛍光標識したUniTaqプライマーF1−UniTaq Bi − Q − UniTaq Ai及びF2−UniTaq Bi − Q − UniTaq Ajを使用して生成物を検出してシグナルF1及びF2を検出し、これらのシグナルそれぞれ通常の転写物3a−4、及び選択的スプライス変異体3b−4を表す。
【0347】
図61は
図59の変法を示し、ここではPCR産物が分配され(空間的多重化)、固体支持体上で捕捉される。LDRプローブは、ライゲーションした時に互いにハイブリダイゼーションだけを行う短い相補配列を含有するように設計され、検出に好適なFRETシグナルF1及びF2を生成し、これらのシグナルはそれぞれ、通常の転写物3a−4、及び選択的スプライス変異体3b−4を表す。
【0348】
図62は、キャリーオーバーを防止した基本的なRT−PCR−LDR−qPCR検出プロトコールを使用した少量の選択的スプライス変異体検出(概観は
図58)のクローズアップを示す。最初の遺伝子特異的逆転写及びPCRプライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部を含有し、3b−4接合部を含有する少数の転写物のみを増幅するように設計されている。少量の選択的スプライス変異体3b−4のライゲーション接合部配列にまたがって設計されたTaqMan(商標)プローブを使用して生成物を検出する。
【0349】
図63は
図62の変法を示し、ここでは上流及び下流LDRプローブはそれぞれUniTaq Ai、及びUniTaq Bi’−UniTaq Ci’タグを含有し、蛍光標識したUniTaqプライマーF1−UniTaq Bi − Q −UniTaq Aiを使用して生成物を検出してシグナルF1を検出し、このシグナルは少量の選択的スプライス変異体3b−4を表す。
【0350】
図64は
図62の変法を示し、ここではPCR産物が分配され(空間的多重化)、固体支持体上で捕捉される。LDRプローブは、ライゲーションした時に互いにハイブリダイゼーションだけを行う短い相補配列を含有するように設計され、検出に好適なFRETシグナルF1を生成し、このシグナルは、少量の選択的スプライス変異体3b−4を表す。
【0351】
図65は、キャリーオーバーを防止したPCR−LDR反応を使用して、第1のエクソンの選択的開始部位を有する選択的スプライシングを検出するアプローチの概観を示す。通常(1−2−3)及び選択的スプライス変異体(1a−2−3)mRNAの例の図解を示す。通常及び/または選択的スプライス変異体の両方(1−2、及び1a−2)を検出するように、LDRプローブを設計する。
【0352】
図66は、キャリーオーバーを防止した基本的なRT−PCR−LDR−qPCR検出プロトコールを使用した選択的スプライス変異体検出(概観は
図65)のクローズアップを示す。最初の遺伝子特異的逆転写及びPCRプライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部を含有する。通常の転写物1−2(F1)、及び選択的開始部位変異体1a−2(F2)に関して、ライゲーション接合部配列にまたがって設計した、異なる標識を付けたTaqMan(商標)プローブを使用して生成物を検出する。
【0353】
図67は
図66の変法を示し、ここでは上流及び下流LDRプローブはそれぞれ、UniTaq AiまたはUniTaq Aj、及びUniTaq Bi’−UniTaq Ci’タグを含有し、蛍光標識したUniTaqプライマーF1−UniTaq Bi − Q − UniTaq Ai及びF2−UniTaq Bi − Q − UniTaq Ajを使用して生成物を検出してシグナルF1及びF2を検出し、これらのシグナルはそれぞれ、通常の転写物1−2、及び選択的開始部位変異体1a−2を表す。
【0354】
図68は
図66の変法を示し、ここではPCR産物が分配され(空間的多重化)、固体支持体上で捕捉される。LDRプローブは、ライゲーションした時に互いにハイブリダイゼーションだけを行う短い相補配列を含有するように設計され、検出に好適なFRETシグナルF1及びF2を生成し、これらのシグナルはそれぞれ、通常の転写物1−2、及び選択的開始部位変異体1a−2を表す。
【0355】
図69は、キャリーオーバーを防止した基本的なRT−PCR−LDR−qPCR検出プロトコールを使用した少量の選択的スプライス変異体検出(概観は
図58)のクローズアップを示す。最初の遺伝子特異的逆転写及びPCRプライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部を含有し、1a−2接合部を含有する少数の転写物のみを増幅するように設計される。少量の選択的開始部位変異体1a−2のライゲーション接合部配列にまたがって設計したTaqMan(商標)プローブを使用して生成物を検出する。
【0356】
図70は
図69の変法を示し、ここでは上流及び下流LDRプローブはそれぞれUniTaq Ai、及びUniTaq Bi’−UniTaq Ci’タグを含有し、蛍光標識したUniTaqプライマーF1−UniTaq Bi − Q −UniTaq Aiを使用して生成物を検出してシグナルF1を検出し、このシグナルは、少量の選択的開始部位変異体1a−2を表す。
【0357】
図71は
図69の変法を示し、ここではPCR産物が分配され(空間的多重化)、固体支持体上で捕捉される。LDRプローブは、ライゲーションした時に互いにハイブリダイゼーションだけを行う短い相補配列を含有するように設計され、検出に好適なFRETシグナルF1を生成し、このシグナルは、少量の選択的開始部位変異体1a−2を表す。
【0358】
図72は、キャリーオーバーを防止したPCR−LDR反応を使用して、エクソンを欠失した選択的スプライシングを検出するアプローチの概観を示す。通常(e1−e2−e3−e4−e5)及び選択的スプライス変異体(e1−e2−e3−e5)mRNAの例の図解を示す。通常及び/または選択的スプライスエクソン欠失変異体(e4−e5、及びe3−e5)の両方を検出するように、LDRプローブを設計する。
【0359】
図73は、キャリーオーバーを防止した基本的なRT−PCR−LDR−qPCR検出プロトコールを使用した選択的スプライス変異体(エクソン欠失)検出(概観は
図58)のクローズアップを表す。最初の遺伝子特異的逆転写及びPCRプライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部を含有する。通常の転写物e4−e5(F1)、及び選択的スプライスエクソン欠失変異体e3−e5(F2)に関して、ライゲーション接合部配列にまたがって設計した、異なる標識を付けたTaqMan(商標)プローブを使用して生成物を検出する。
【0360】
図74は
図73の変法を示し、ここでは上流及び下流LDRプローブはそれぞれ、UniTaq AiまたはUniTaq Aj、及びUniTaq Bi’−UniTaq Ci’タグを含有し、蛍光標識したUniTaqプライマーF1−UniTaq Bi − Q − UniTaq Ai及びF2−UniTaq Bi − Q − UniTaq Ajを使用して生成物を検出してシグナルF1及びF2を検出し、これらのシグナルはそれぞれ、通常の転写物e4−e5、及び選択的スプライスエクソン欠失変異体e3−e5を表す。
【0361】
図75は
図73の変法を示し、ここではPCR産物が分配され(空間的多重化)、固体支持体上で捕捉される。LDRプローブは、ライゲーションした時に互いにハイブリダイゼーションだけを行う短い相補配列を含有するように設計され、検出に好適なFRETシグナルF1及びF2を生成し、これらのシグナルはそれぞれ、通常の転写物e4−e5、及び選択的スプライスエクソン欠失変異体e3−e5を表す。
【0362】
図76は、キャリーオーバーを防止した基本的なRT−PCR−LDR−qPCR検出プロトコールを使用した少量の選択的スプライス変異体(エクソン欠失)検出(概観は
図58)のクローズアップを示す。最初の遺伝子特異的逆転写及びPCRプライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部を含有し、e4配列を有するブロックオリゴヌクレオチドを使用することにより、e3−e4接合部を含有する少数の転写物のみを増幅し、野生型転写物の増幅を抑制する。少量の選択的スプライスエクソン欠失変異体e3−e5のライゲーション接合部配列にまたがって設計したTaqMan(商標)プローブを使用して生成物を検出する。
【0363】
図77は
図76の変法を示し、ここでは上流及び下流LDRプローブはそれぞれ、UniTaq Ai及びUniTaq Bi’−UniTaq Ci’タグを含有し、蛍光標識したUniTaqプライマーF1−UniTaq Bi − Q −UniTaq Aiを使用して生成物を検出してシグナルF1を検出し、このシグナルは、少量の選択的スプライスエクソン欠失変異体e3−e5を表す。
【0364】
図78は
図76の変法を示し、ここではPCR産物が分配され(空間的多重化)、固体支持体上で捕捉される。LDRプローブは、ライゲーションした時に互いにハイブリダイゼーションだけを行う短い相補配列を含有するように設計され、検出に好適なFRETシグナルF1を生成し、このシグナルは、少量の選択的スプライスエクソン欠失変異体e3−e5を表す。
【0365】
図79は、キャリーオーバーを防止したPCR−LDR反応を使用して、イントロンを挿入した選択的スプライシングを検出するアプローチの概観を表す。通常(e1−e2−e3−e4−e5)及び選択的スプライス変異体(e1−i1−e2−e3−e4−e5)mRNAの例の図解を示す。通常、及び/またはイントロンを挿入した選択的スプライス変異体(e1−e2、及びi1−e2)の両方を検出するように、LDRプローブを設計する。
【0366】
図80は、キャリーオーバーを防止した基本的なRT−PCR−LDR−リアルタイムPCR検出プロトコールを使用した選択的スプライス変異体検出(概観は
図79)のクローズアップを示す。最初の遺伝子特異的逆転写及びPCRプライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部を含有する。通常の転写物e1−e2(F1)、及びイントロンを挿入した選択的スプライス変異体i1−e2(F2)に関して、ライゲーション接合部配列にまたがって設計した、異なる標識を付けたTaqMan(商標)プローブを使用して生成物を検出する。
【0367】
図81は
図80の変法を示し、ここでは上流及び下流LDRプローブはそれぞれ、UniTaq AiまたはUniTaq Aj、及びUniTaq Bi’−UniTaq Ci’タグを含有し、蛍光標識したUniTaqプライマーF1−UniTaq Bi − Q − UniTaq Ai及びF2−UniTaq Bi − Q − UniTaq Ajを使用して生成物を検出してシグナルF1及びF2を検出し、これらのシグナルはそれぞれ、通常の転写物e1−e2、及びイントロンを挿入した選択的スプライス変異体i1−e2に表す。
【0368】
図82は
図80の変法を示し、ここではPCR産物が分配され(空間的多重化)、固体支持体上で捕捉される。LDRプローブは、ライゲーションした時に互いにハイブリダイゼーションだけを行う短い相補配列を含有するように設計され、検出に好適なFRETシグナルF1及びF2を生成し、これらのシグナルはそれぞれ、通常の転写物e1−e2、及びイントロンを挿入した選択的スプライス変異体i1−e2に表す。
【0369】
図83は、キャリーオーバーを防止した基本的なRT−PCR−LDR−qPCR検出プロトコールを使用した少量の選択的スプライス変異体(イントロン挿入)検出(概観は
図79)のクローズアップを表す。最初の遺伝子特異的逆転写及びPCRプライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部を含有し、i1−e2接合部を含有する少数の転写物のみを増幅するように設計される。このことは、(i)膵臓DNase1により核酸を分解し、mRNAをインタクトなまま残して全てのゲノムDNAを分解すること、または、(ii)例えば、ブロックプライマーの存在下でe3からi2まで逆転写するのと同様に、イントロンi2にまたがるプライマーセットを使用することにより達成されてもよい。イントロンi1−e2が挿入された少量の選択的スプライス変異体のライゲーション接合部配列にまたがって設計したTaqMan(商標)プローブを使用して生成物を検出する。
【0370】
図84は
図83の変法を示し、ここでは上流及び下流LDRプローブはそれぞれUniTaq Ai、及びUniTaq Bi’−UniTaq Ci’タグを含有し、蛍光標識したUniTaqプライマーF1−UniTaq Bi − Q −UniTaq Aiを使用して生成物を検出してシグナルF1を検出し、このシグナルは、少量のイントロンを挿入した選択的スプライス変異体i1−e2を表す。
【0371】
図85は
図83の変法を示し、ここではPCR産物が分配され(空間的多重化)、固体支持体上で捕捉される。LDRプローブは、ライゲーションした時に互いにハイブリダイゼーションだけを行う短い相補配列を含有するように設計され、検出に好適なFRETシグナルF1を生成し、このシグナルは、少量のイントロンを挿入した選択的スプライス変異体i1−e2を表す。
【0372】
UniTaqを含有するLDRプローブを使用する場合、これらは以下のフォーマットである:上流プローブはUniTaqAi等の5’タグ、続いて標的特異的配列を含む。下流プローブは、5’リン酸化末端、続いて標的特異的配列、及び、UniTaq Bi’−UniTaq Ci’等の3’タグを含む。
【0373】
フォーマットUniTaq Ci及びF1−UniTaq Bi − Q−UniTaq AiのUniTaq特異的プライマーを使用して、LDR産物を検出することができる(式中、F1は消光剤Qにより消光される蛍光染料である)。これらの条件下で以下の生成物:
F1−UniTaq Bi − Q−UniTaq Ai − 上流エクソン−下流エクソン接合部 − UniTaq Bi’ −UniTaq Ci’
を形成する。
【0374】
この構築物は、UniTaq Bi配列がUniTaq Bi’配列と対形成をするようにヘアピン形成する。UniTaqプライマーCiがUniTaq Ci’配列に結合する場合、ポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性はUniTaq Bi配列を分解し、F1蛍光染料を遊離させる。
【0375】
未知の接合部を有する転写物を検出するための3種類のLDRプローブを使用して、以下の生成物:
F1−UniTaq Bi − Q−UniTaq Ai − 上流エクソン−ブリッジ配列−下流エクソン−UniTaq Bi’ − UniTaq Ci’
を形成する。
【0376】
最初のPCRプライマーまたは上流LDRプローブの1つは、RNA塩基、4つの追加の塩基、及び3’末端のブロック基もまた含有してもよい。PCRのための逆転写工程の後、及び/またはLDR反応の間に、RNaseH2を反応に加える。これにより、鋳型非依存性生成物が確実に形成されないようにする。
【0377】
好熱性ファージキナーゼ(ロドサーマス・マリヌス(Rhodothermus marinus)に感染するバクテリオファージRM378に由来)を使用して、ライゲーション反応の間に下流LDRプローブをリン酸化してもよい。これらの条件下において、好熱性キナーゼは完全な熱安定性ではないため、LDRでの変性工程は、できるだけ短くする(例えば、94℃あるいはそれ以下で1秒間)か、または、完全なプライマーリン酸化を達成するために、65℃で15分間、適切にプレインキュベーションしなければならない。あるいは、下流プライマーの5’側は、上流プライマーの3’を識別する塩基と同じ塩基を含有してもよく、前記塩基は、FenヌクレアーゼまたはTaqポリメラーゼの5’→3’ヌクレアーゼ活性により取り除かれ、後のライゲーションに好適な5’リン酸基を遊離する。
【0378】
予測実施例4− 血中循環腫瘍細胞から単離したDNA中の腫瘍特異的コピーの変化の正確な定量化
アプローチの概要:精製サンプル中にはほんのわずかのCTCしか存在しないため、空間的多重化を使用して、サンプル中の各染色体コピーの数を正確に数えることが重要である。本アプローチは、(i)最初のサンプル中においてDNA領域の少量のコピーを正確にコピーするためのTaqポリメラーゼ、及び(ii)互いに隣接してハイブリダイゼーションするプライマーを識別するリガーゼ、の2つの酵素の忠実性に依存する。ライゲーション現象が起こると、これらの生成物は後のリアルタイムPCR増幅工程で増幅されるため、この工程が鍵となる区別工程である。
【0379】
キャリーオーバー汚染から保護するため、ポリメラーゼ活性化の前にUNGを反応に加え、dUTPを用いて最初のPCR増幅を実施する。LDRプローブは天然塩基を含むため、LDR産物はここで、第2のリアルタイムPCR工程におけるUNG分解に対して耐性がある。LDR産物は非ライゲーション末端に、標的DNAを欠くタグまたはUniTaq配列を含有するため、LDR産物の偶然のキャリーオーバーは大規模な増幅をもたらさないことを注意しなければならない。PCRとは異なり、最初のLDR産物は、第2のLDR反応に対する基質ではない。
【0380】
特異的領域のコピー数検出の区別のためにPCR及びLDRプライマーの両方を使用した上記アプローチの識別のレベルを要約する:
1. 任意の標的非依存性プライマー二量体が形成されると、誤った生成物が更なる増幅を阻害するヘアピンを形成するように、ユニバーサル尾部を有するPCRプライマーを使用する。
2. 最初のPCR反応のキャリーオーバー汚染を防止するために、UNGを使用する。
3. 上流LDRプローブで、熱安定性リガーゼの3’ライゲーション忠実性を使用する。
4. リアルタイムPCR読出しのためにLDR産物を増幅するために、UniTaqまたはタグプライマーを使用する。
5. リアルタイムPCR反応のキャリーオーバー汚染を防止するために、UNGを使用する。
【0381】
血中循環腫瘍細胞から単離したDNAまたはRNAにおける腫瘍特異的コピー変化の非常に正確な定量化のための詳細プロトコール
4.1.a. 任意の標的非依存性プライマー二量体が形成されると、誤った生成物が更なる増幅を阻害するヘアピンを形成するように、UNG(キャリーオーバーを防止するため、37℃、15〜30分)、dUTP、及び他のdNTP、AmpliTaq Gold、並びにユニバーサル尾部を含有する遺伝子特異的プライマーの存在下でゲノムDNAをインキュベーションする。この最初のゲノムDNA−PCR反応混合物は、マルチプレックスPCR増幅のために12,24、48、または96個の個別のウェル(空間的多重化)に分配される。血漿からゲノムDNAを変性させ、UNGを不活性化させ、AmpliTaq Goldを活性化させ(94℃、5〜10分)、回数を制限したサイクル(94℃・10秒、60℃・30秒、72℃・30秒で12〜20サイクル)で、染色体領域をマルチプレックスPCR増幅する。PCRプライマーは、約64〜66℃のTm値を有し、ユニプレックスPCRの基準の10〜50倍未満の濃度(各プライマーが10nM〜50nM)で使用した場合でも、頑健にハイブリダイゼーションするように設計する。サイクルは、互いに均衡を保ってPCR産物のバランスを保持するために制限されるが、依然として少量の配列を約100,000〜1,000,000倍に増幅する。PCR増幅の後、(99℃で30分間インキュベーションすることにより)Taqポリメラーゼを不活性化させる。
【0382】
4.1.b. (好ましくは株AK16Dからの)熱安定性リガーゼ、最適化したライゲーション条件への緩衝液補助成分、並びに好適な上流及び下流LDRプローブ(それぞれ10nM〜20nM、下流プローブは5’リン酸基を伴って合成されてもよいし、または反応前にバルクでキナーゼにより処理してもよい;上流プローブは、UniAi等の5’タグ、続いて標的特異的配列を含む)を加える。下流プローブは、5’リン酸化末端、続いて標的特異的配列、及びUniCi’等の3’タグを含む。LDRを20サイクル実施する(94℃・10秒、60℃・4〜5分)。これにより、染色体DNAが存在する場合、PCR産物上でライゲーション現象を生じることが可能となる。
【0383】
4.1.c. チューブ/ウェルを開き、(10〜100倍に)希釈して、リアルタイムPCR反応のために一定量をウェルに分配する。各ウェルは、キャリーオーバー防止のための、UNGを含む適切なTaqMan(商標)マスターミックス、並びに、以下のプライマーを含有する:UniCi及びUniAi、並びに、ライゲーション接合部にまたがる配列をカバーするTaqMan(商標)プローブ。かかる条件下では、LDRプライマー上のタグ配列はそれぞれUniAi及びUniCiであり、生成物は以下:
UniAi − 染色体標的領域 −UniCi’
の形態である。
【0384】
図86は、キャリーオーバーを防止した基本的なPCR−LDR−qPCR検出プロトコールを使用した、空間的多重化(
図6〜9を参照)によるDNAコピー数の計算を示す。最初の遺伝子特異的PCRプライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部を含有する。各染色体領域、及び計算した全コピー数について、ライゲーション接合部配列にまたがって設計したTaqMan(商標)プローブを使用して生成物を検出する。
【0385】
図87は
図86の変法を示し、ここでは上流及び下流LDRプローブはそれぞれUniTaq Ai、及びUniTaq Bi’−UniTaq Ci’タグを含有し、蛍光標識したUniTaqプライマーF1−UniTaq Bi − Q −UniTaq Aiを使用して生成物を検出し、各染色体領域及び計算した全コピー数についてのシグナルを検出する。
【0386】
図88は
図86の変法を示し、ここではPCR産物が分配され(空間的多重化)、固体支持体上で捕捉される(
図19〜23を参照)。LDRプローブは、ライゲーションした時だけ互いにハイブリダイゼーションを行い、各染色体領域、及び計算した全コピー数の検出に好適なFRETシグナルを生成する短い相補配列を含有するように設計される。
【0387】
図89は、キャリーオーバーを防止した基本的な逆転写PCR−LDR−qPCR検出プロトコールを使用した、空間的多重化(
図10〜13を参照)によるmRNA転写物の数の計算を示す。最初の遺伝子特異的逆転写及びPCRプライマーは、プライマー二量体を防止するための同一の8〜11塩基尾部を含有する。各mRNA転写物について、ライゲーション接合部配列にまたがって設計したTaqMan(商標)プローブを使用して生成物を検出し、正確な計算を可能にする。
【0388】
図90は
図89の変法を示し、ここでは上流及び下流LDRプローブはそれぞれ、UniTaq Ai及びUniTaq Bi’−UniTaq Ci’タグを含有し、蛍光標識したUniTaqプライマーF1−UniTaq Bi − Q −UniTaq Aiを使用して生成物を検出して、各mRNA転写物についてのシグナルを検出し、正確な計算を可能にする。
【0389】
図91は
図89の変法を示し、ここではPCR産物が分配され(空間的多重化)、固体支持体上で捕捉される(
図24〜28を参照)。LDRプローブは、正確な計算を可能にするために、ライゲーションした時だけ互いにハイブリダイゼーションを行い、各mRNA転写物の検出に好適なFRETシグナルを生成する短い相補配列を含有するように設計される。
【0390】
48個のウェルにまたがる空間的多重化の一例として、染色体腕8pのヘテロ接合性の喪失(8pにおけるLOH;より悪い転帰が予測される)、または17p12におけるHer2遺伝子の増幅(ハーセプチン治療に対する反応性が予測される)等の予後または治療効果を有する種々のコピー領域のために調製したプローブと共に、12個のCTCから単離したDNAを考える。著しい増幅が起こることが知られている重要な点における追加の対と共に、ゲノム全域でのコピー数を測定する複数のLDRプローブセットを使用してもよい。この例に関して、ゲノムの二倍体領域は24個のコピー(即ち2×12個の細胞)からシグナルを生み出し、8pでのLOH減少は12個のコピーを生み出し、かつ、例えばHer2遺伝子が8倍に増幅されると、96個のコピー(即ち8×12)からシグナルを生み出す。起こり得るポアソン分布(
図31及び32)は、LOH領域は、12個の分子に関して約(ウェル:分子)(38:0;10:1;1:2)の分布を有し、二倍体領域は、24個の分子に関して約(29:0;15:1;4:2;1:3)の分布を有する一方で、増幅領域は、96個の分子に関して約(6:0;13:1;13:2;9:3;4:4;2:5;1:6)の分布を有することを示す。領域が穏やかな増幅のみを受ける、例えば細胞あたり2個のコピーから3個のコピーに増幅を受けるとしても、トリソミー領域は、36個の分子に関して約(23:0;17:1;6:2;2:3)の分布を有するため、二倍体領域と区別可能であることに注意しなければならない。前述のとおり、LDR−TaqMan(商標)LDRシグナルが十分に変化して、より高レベルのシグナルを識別するのが困難になった場合でも、0、1、及び2個の最初の分子(それぞれ12.5、10、及び9のLDR−TaqMan(商標)Ct値、または約1,000、5,000、及び10,000個のLDRシグナルとして表される)を識別するのにシグナルが十分鮮明であるならば、本アプローチは、LOHを受けた領域、二倍体である領域、及び増幅を受けた領域の識別及び計算において困難はない。CTまたは蛍光シグナルは、0個、及び1個以上の最初の染色体分子のみを区別するのに十分なほど変化可能であり、最小48個のウェルにおける二倍体染色体の24個のコピーがある場合、本アプローチは、LOHを受けた領域、二倍体である領域、及び増幅を受けた領域を区別して計算しなければならない。
【0391】
腫瘍DNAの量が多い、またはmRNAもしくはmiRNAを有する、開始標的が多量に存在する、といったcfDNAサンプルに関して、LDRシグナルは比例的に強力となる。最初のシグナルを弱めるための異なる方法を使用することにより、最初の分子のより大きなダイナミックレンジを達成してもよい。例えば、エクソソームから単離したmRNAについての逆転写工程の後、サンプルを48個のウェルに等しく分ける代わりに、サンプルを10個の一定量に分配し、最初の8個をウェルに分配し、残った一定量の1つを10個の一定量に希釈し、これらの8個をウェルに分配する。これは、6等級の希釈規模(即ち、8×6=48)を可能にする。ポアソン分布の調査は、最後の希釈において1個のウェルが0個の分子を表すのであれば、LDR読出しが、20倍のダイナミックレンジ、または4〜5のCt範囲を提供する必要がある場合のみであっても、所与の8個のウェルのセットは、1〜128個の分子から2等級のダイナミックレンジにわたり、開始分子の半定量的推定をもたらすことができることを示す(8個のウェルの1〜128個の分子からのポアソン分布を示す
図33〜37を参照)。希釈はたった10倍であるため、いくつかのmRNA分子が10個の分子オーダーである一方、他は1×10
6個の分子オーダーである場合でも、少なくとも2セットの8個のウェルを使用して、サンプル中の複数の異なる転写物における元の分子の数を測定してもよい。
【0392】
同じアプローチを、RNAコピーの定量化のために使用してもよいが、逆転写酵素が第1の工程で加えられ、そしてまた空間的分配された最初の反応混合物は、上で概略を述べたように希釈及び分配されている。
【0393】
UniTaqを含有するLDRプローブを使用する場合、これらは以下のフォーマットである:上流プローブは、UniTaqAi等の5’タグ、続いて、3番目または末尾から2番目の塩基にてC:AまたはG:Tのミスマッチを有する標的特異的配列、3’末端での変異塩基、続いて、標的にマッチするRNA塩基及び4つの更なるDNA塩基、並びにC3スペーサー−ブロック基を含む。下流プローブは、5’リン酸化末端、続いて標的特異的配列、及び、UniTaq Bi’−UniCi’等の3’タグを含む。
【0394】
フォーマットUniTaq Ci及びF1−UniTaq Bi − Q−UniTaq AiのUniTaq特異的プライマーを使用して、LDR産物を検出することができる(式中、F1は消光剤Qにより消光される蛍光染料である)。これらの条件下で以下の生成物:
F1−UniTaq Bi − Q−UniTaq Ai − 染色体標的部位 − UniTaq Bi’ −UniTaq Ci’
を形成する。
【0395】
この構築物は、UniTaq Bi配列がUniTaq Bi’配列と対形成をするようにヘアピン形成する。UniTaqプライマーCiがUniTaq Ci’配列に結合する場合、ポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性はUniTaq Bi配列を分解し、F1蛍光染料を遊離させる。
【0396】
最初のPCRプライマー(RNAを有する)の1つ、または最初のPCRプライマー(DNAを有する)の両方、または上流LDRプローブもまた、RNA塩基、4つの追加の塩基、及び3’末端のブロック基を含有してもよい。DNAコピーを定量化する場合、RNaseH2をPCR反応、及び/またはLDR反応で加える。RNAを定量化する場合、RNaseH2を、PCR及び/またはLDR反応による逆転写工程の後で反応に加える。これにより、鋳型非依存性生成物が確実に形成されないようにする。
【0397】
好熱性ファージキナーゼ(ロドサーマス・マリヌス(Rhodothermus marinus)に感染するバクテリオファージRM378に由来)を使用して、ライゲーション反応の間に下流LDRプローブをリン酸化してもよい。これらの条件下において、好熱性キナーゼは完全な熱安定性ではないため、LDRでの変性工程は、できるだけ短くないといけない(例えば、94℃あるいはそれ以下で1秒間)か、または、完全なプライマーリン酸化を達成するために、65℃で15分間、適切にプレインキュベーションしなければならない。あるいは、下流プライマーの5’側は、上流プライマーの3’を識別する塩基と同じ塩基を含有してもよく、前記塩基は、FenヌクレアーゼまたはTaqポリメラーゼの5’→3’ヌクレアーゼ活性により取り除かれ、後のライゲーションに好適な5’リン酸基を遊離する。
【0398】
予測実施例5− 単離したエクソソーム、または血中循環腫瘍細胞からのmiRNA、lncRNA、またはmRNA変化の正確な定量化
アプローチの概要:本アプローチは、(i)最初のサンプル中においてmiRNAの少量のコピーを正確にコピーするための逆転写酵素及びTaqポリメラーゼ、並びに(ii)互いに隣接してハイブリダイゼーションしたプローブを識別するためのリガーゼ、の2つの酵素の忠実性に依存する。ライゲーション現象が起こると、これらの生成物は後のリアルタイムPCR増幅工程で増幅されるため、この工程が鍵となる区別工程である。
【0399】
マイクロRNA(miRNA)は、腫瘍の存在、分類及び予後の潜在的な組織特異的マーカーとして認識されてきた。miRNAは、Ago2タンパク質との複合体、またはエクソソームによるカプセル化のいずれかとして、血清及び血漿中に存在する。
【0400】
キャリーオーバー汚染から保護するため、MMLVによる逆転写の前にUNGを反応に加え、dUTPを用いて最初のPCR増幅を実施する。LDRプローブは天然塩基を含むため、LDR産物はここで、第2のリアルタイムPCR工程におけるUNG分解に対して耐性がある。LDR産物は非ライゲーション末端に、標的miRNAでは欠いているタグまたはUniTaq配列を含有するため、LDR産物の偶然のキャリーオーバーは大規模な増幅をもたらさないことに注意しなければならない。PCRとは異なり、最初のLDR産物は、第2のLDR反応に対する基質ではない。
【0401】
ユニバーサルリバースプライマー領域、及び6〜8塩基のmiRNA特異的領域を含有するmiRNA特異的ヘアピンループをmiRNAの3’末端にハイブリダイゼーションし、dUTPの存在下でMMLVにより伸長する。正しい条件下において、MMLVは、鋳型とは無関係の伸長反応において、miRNA鋳型の5’末端の後に2〜3個のCヌクレオチドを加える。
【0402】
最初のcDNAを生成した後、2〜3個の追加のCヌクレオチド及びmiRNAの12〜14個の特異的塩基にハイブリダイズする特異的塩基からのユニバーサルリバースプライマー及びユニバーサル尾部を有するフォワードプライマーを加える。Taqポリメラーゼを使用して、16〜20サイクルのユニバーサル増幅を実施する。ユニバーサルリバースプライマーはcDNA生成の間、ヘアピン領域の大部分を取り除くように位置する。
【0403】
miRNAの非常に高感度な検出のための上記アプローチの識別レベルを要約する:
1. 最初の逆転写及びPCR反応のキャリーオーバー汚染を防止するために、UNGを使用する。
2. 上流LDRプローブ上で熱安定性リガーゼの3’ライゲーション忠実性を使用する。
3. リアルタイムPCR読出しのためにLDR産物を増幅するために、UniTaqまたはタグプライマーを使用する。
4. リアルタイムPCR反応のキャリーオーバー汚染を防止するために、UNGを使用する。
【0404】
miRNAの高感度検出のための詳細プロトコール:
5.1.a. UNG(37℃、15〜30分、キャリーオーバーを防止するために)、dUTP、及び他のdNTP、MMLV逆転写酵素、AmpliTaq Gold、並びに転写物特異的プライマーの存在下にて単離miRNA(あるいは全ての単離核酸)をインキュベーションする。この最初のcDNA−PCR反応混合物は、12、24、48、もしくは96個の個別のウェル(空間的多重化)、または単一のウェルでの多重逆転写物PCR増幅に好適である。同種のmiRNA上でのヘアピンリバースプライマーの伸長によりcDNAを生成した後、UNG及びMMLV逆転写酵素を不活性化させ、AmpliTaq Goldを活性化させ(94℃、5〜10分)、回数を制限したサイクル(94℃・10秒、60℃・30秒、72℃・30秒で16〜20サイクル)で、ブリッジ及びタグプライマーTi、及びTjを使用して、転写物含有断片をマルチプレックスPCR増幅する。PCR増幅の後、(99℃で30分間インキュベーションすることにより)Taqポリメラーゼを不活性化させる。
【0405】
5.1.b. (好ましくは株AK16Dからの)熱安定性リガーゼ、最適化したライゲーション条件への緩衝液補助成分、並びに好適な上流及び下流LDRプローブ(それぞれ10nM〜20nM、下流プローブは5’リン酸基を伴って合成されてもよいし、または反応前にバルクでキナーゼにより処理してもよい;上流プローブは、UniAi等の5’タグ、続いて標的特異的配列を含む)を加える。下流プローブは、5’リン酸化末端、続いて標的特異的配列、及びUniCi’等の3’タグを含む。LDRを20サイクル実施する(94℃・10秒、60℃・4〜5分)。これにより、染色体DNAが存在する場合、PCR産物上でライゲーション現象を生じることが可能となる。
【0406】
5.1.c. チューブ/ウェルを開き、(10〜100倍に)希釈して、リアルタイムPCR反応のために一定量をウェルに分配する。各ウェルは、キャリーオーバー防止のための、UNGを含む適切なTaqMan(商標)マスターミックス、並びに、以下のプライマーを含有する:UniCi及びUniAi、並びに、ライゲーション接合部にまたがる配列をカバーするTaqMan(商標)プローブ。かかる条件下では、LDRプローブ上のタグ配列はそれぞれUniAi及びUniCiであり、生成物は以下:
UniAi − 上流miRNA − 下流miRNA接合部 −UniCi’
の形態である。
【0407】
上記主題の一変法において、ヘアピンオリゴヌクレオチドを塩基特異的な方法でmiRNAの3’末端にライゲーションし、タグ−プライマー結合部位(Tj)を含有する人工ループ配列を付加する。これにより、伸長によりmiRNA配列全体をコピーすること、並びに、miRNA標的特異的ブリッジプライマー((Ti)及びmiRNA特異的配列を含む)、並びに2つのタグプライマー(Ti、Tj)を使用してPCR反応を開始することが可能となる。PCR産物はここで、上述した後のLDR工程に好適である。
【0408】
図92は、ループプライマーの逆転写、続いてキャリーオーバーを防止したタグ及びブリッジプライマーPCRプロトコールを使用した、miRNA検出を示す。キャリーオーバーを防止して、後のLDR−qPCR検出プロトコールを使用する。最初のmiRNA特異的PCRプライマーは、プライマー二量体を予防するためのタグプライマーの一部としての、同一の8〜11塩基尾部を含有する。検出した各miRNAについて、ライゲーション接合部配列にまたがるように設計したTaqMan(商標)プローブを使用して生成物を検出する。
【0409】
図93は
図92の変法を示し、ここでは上流及び下流LDRプローブはそれぞれUniTaq Ai、及びUniTaq Bi’−UniTaq Ci’タグを含有し、各miRNAについてのシグナルを検出するための蛍光標識したUniTaqプライマーF1−UniTaq Bi − Q −UniTaq Aiを使用して、生成物を検出する。
【0410】
図94は
図92の変法を示し、ここではPCR産物が分配され(空間的多重化)、固体支持体上で捕捉される。LDRプローブは、ライゲーションした時だけ互いにハイブリダイゼーションを行う短い相補配列を含有するように設計され、各miRNAの検出に好適なFRETシグナルを生成する。
【0411】
図95は、ループプライマーのmiRNAへの直接のライゲーション、続いて、キャリーオーバーを防止したループに相補的なタグプライマーを使用する逆転写を使用した、miRNA検出を示す。本手順では、キャリーオーバーを防止したPCR−LDR−qPCR検出のためのタグ及びブリッジプライマーを使用する。最初のmiRNA特異的PCRプライマーは、プライマー二量体を予防するためのタグプライマーの一部としての、同一の8〜11塩基尾部を含有する。検出した各miRNAについて、ライゲーション接合部配列にまたがり設計したTaqMan(商標)プローブを使用して生成物を検出する。
【0412】
図96は
図95の変法を示し、ここでは上流及び下流LDRプライマーはそれぞれUniTaq Ai及びUniTaq Bi’−UniTaq Ci’タグを含有し、各miRNAについてのシグナルを検出するための蛍光標識したUniTaqプライマーF1−UniTaq Bi − Q −UniTaq Aiを使用して、生成物を検出する。
【0413】
図97は
図95の変法を示し、ここではPCR産物が分配され(空間的多重化)、固体支持体上で捕捉される。LDRプローブは、ライゲーションした時だけ互いにハイブリダイゼーションを行う短い相補配列を含有するように設計され、各miRNAの検出に好適なFRETシグナルを生成する。
【0414】
図98は
図95の変法を示し、ここではブリッジPCRプライマーは、RNA塩基、4つの追加の塩基、及び3’末端のブロック基を含有する。逆転写工程の後にRNaseH2を反応に加え、PCRプライマーをアンブロックする。これにより、鋳型非依存性生成物が確実に形成されないようにする。
【0415】
図99は
図98の変法を示し、ここでは上流及び下流LDRプローブはそれぞれUniTaq Ai、及びUniTaq Bi’−UniTaq Ci’タグを含有し、各miRNAについてのシグナルを検出するための蛍光標識したUniTaqプライマーF1−UniTaq Bi − Q −UniTaq Aiを使用して、生成物を検出する。
【0416】
図100は
図98の変法を示し、ここではPCR産物が分配され(空間的多重化)、固体支持体上で捕捉される。LDRプローブは、ライゲーションした時にだけ互いにハイブリダイゼーションを行う短い相補配列を含有するように設計され、各miRNAの検出に好適なFRETシグナルを生成する。
【0417】
UniTaqを含有するLDRプローブを使用する場合、これらは以下のフォーマットである:上流プローブはUniTaqAi等の5’タグ、続いて標的特異的配列を含む。下流プローブは、5’リン酸化末端、続いて標的特異的配列、及び、UniTaq Bi’−UniTaq Ci’等の3’タグを含む。
【0418】
フォーマットUniTaq Ci及びF1−UniTaq Bi − Q−UniTaq AiのUniTaq特異的プライマーを使用して、LDR産物を検出することができる(式中、F1は消光剤Qにより消光される蛍光染料である)。これらの条件下で以下の生成物:
F1−UniTaq Bi − Q−UniTaq Ai − 上流miRNA − 下流miRNA接合部 UniTaq Bi’ − UniTaq Ci’
を形成する。
【0419】
この構築物は、UniTaq Bi配列がUniTaq Bi’配列と対形成をするようにヘアピン形成する。UniTaqプライマーCiがUniTaq Ci’配列に結合する場合、ポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性はUniTaq Bi配列を分解し、F1蛍光染料を遊離させる。
【0420】
未知の接合部を有する転写物を検出するための3種類のLDRプローブを使用して、以下の生成物:
F1−UniTaq Bi − Q−UniTaq Ai − 上流エクソン−ブリッジ配列−下流エクソン−UniTaq Bi’ − UniTaq Ci’
を形成する。
【0421】
最初のPCRプライマーまたは上流LDRプローブの1つは、RNA塩基、4つの追加の塩基、及び3’末端のブロック基もまた含有してもよい。PCRのための逆転写工程の後、及び/またはLDR反応の間に、RNaseH2を反応に加える。これにより、鋳型非依存性生成物が確実に形成されないようにする。
【0422】
好熱性ファージキナーゼ(ロドサーマス・マリヌス(Rhodothermus marinus)を感染させるバクテリオファージRM378に由来)を使用して、ライゲーション反応の間に下流LDRプローブをリン酸化してもよい。これらの条件下において、好熱性キナーゼは完全な熱安定性ではないため、LDRでの変性工程は、できるだけ短くないといけない(例えば、94℃あるいはそれ以下で1秒間)か、または、完全なプライマーリン酸化を達成するために、65℃で15分間、適切にプレインキュベーションしなければならない。あるいは、下流プローブの5’側は、上流プローブの3’を識別する塩基と同じ塩基を含有してもよく、前記塩基は、FenヌクレアーゼまたはTaqポリメラーゼの5’→3’ヌクレアーゼ活性により取り除かれ、後のライゲーションに好適な5’リン酸基を遊離する。
【0423】
実証用実施例−PCR−LDR−qPCRによる、癌に関係する変異及びメチル化の検出
実証用実施例1〜4についての一般的な方法
使用した細胞株は、V600E(1799T>A)BRAFヘテロ接合変異を有するHT−29結腸腺癌細胞株;R248Q(743G>A)TP53及びG12D(35G>A)KRASヘテロ接合変異を有するHEC−1(A)子宮内膜腺癌細胞株;G12S(34G>A)KRASヘテロ接合変異を有するLS123結腸腺癌細胞株;G12C(34G>T)KRASホモ接合変異を有するSW1463結腸腺癌細胞株;G12V(35G>T)KRASホモ接合変異を有するSW480結腸腺癌細胞株;並びにG12A(35G>C)KRASヘテロ接合変異を有するSW1116結腸腺癌細胞株であった。全ての細胞株を、10%ウシ胎児血清を補充し、4.5g/Lグルコースを含有するマッコイ5A内の60cm
2培養皿に播種し、5% CO
2を含有する加湿雰囲気に維持した。細胞が80〜90%コンフルエンスに達したら、リン酸緩衝生理食塩水で洗浄し(x3)、遠心分離(500xg)により収集した。DNeasy Blood & Tissue Kit(Qiagen;Valencia,CA)を使用してDNAを単離した。Quant−iT Picogreen Assay Life Technologies/ThermoFisher;Waltham,Ma)により、DNAの濃度を測定した。ヒトの血液(軟膜)から単離した高分子量(>50kb)のゲノムDNA(Roche hgDNA)を含有するヒトゲノムDNA(0.2mg/mL)を、Roche(Indianapolis,IN)から購入した。ヒトゲノムDNAの正確な濃度をQuant−iT PicoGreen dsDNA Assay Kitにより測定すると、39ng/μLであった。
【0424】
年齢が21〜61歳の、癌に罹っていないドナーからのヒト血漿(抗凝固薬としてK2 EDTAを含む)を、BioreclamationIVT(Nassau,NY)から購入した。個々の血漿サンプル(5mL)から、メーカーの取扱説明書に従ってQIAamp Circulating Nucleic Acid Kitを使用し、DNAを単離し、Quant−iT Picogreen Assay(Life Technologies/ThermoFisher;Waltham,Ma)により定量化した。
【0425】
実証用実施例1−V600E(1799T>A)BRAF変異の検出
使用した全てのプライマーを表1に示す。Exiqon Inc.(Woburn,MA)から購入したプライマーiCDx−315−BRAF_FLWを除いて、全てのプライマーをIntegrated DNA Technologies Inc.(IDT,Coralville,IA)から購入した。
【0426】
(表1)BRAF V600E変異のPCR−LDR−qPCR検出用プライマー
[この文献は図面を表示できません]
/5SpC3/ − 5’ C3スペーサー、/3SpC3/ − 3’ C3スペーサー、/5Phos/ − 5’リン酸基、/56−FAM/ − 5’FAM蛍光染料、/5HEX/ − HEX(商標)蛍光染料、/ZEN/ − ZEN(商標)Flourescent Quencher(商標)、/3IABkFQ/ − 3’Iowa Black(登録商標)Flourescent Quencher、緑からピンクのスペクトル範囲、「+」 − 固定された核酸塩基、「rA」 − リボヌクレオチド塩基リボアデノシン;「rT」 − リボヌクレオチド塩基リボチミジン;「rG」 − リボヌクレオチド塩基リボグアノシン;「rC」 − リボヌクレオチド塩基リボシトシン
【0427】
希釈実験。PCR工程は、1.58μLのヌクレアーゼフリー水(IDT)、2μLのマグネシウム非含有Gotaq Flexi緩衝液5X(Promega,Madison,WI)、0.8μLのMgCl
2(25mM)(Promega,Madison,WI)、0.2μLのdNTP(dATP、dCTP、dGTP、及びdUTP、それぞれ10mM)(Promega,Madison,WI)、0.25μLのiCDx−328−Braf_PF_WT_blk2フォワードプライマー(2μM)、0.25μLのiCDx−284−Br600−PRリバースプライマー(2μM)、1.25μLのiCDx−284−Br600−PR LNAブロックプライマー(2μM)、0.25μLのRNaseH2(IDT)(20mU/μL)(IDTからのRNaseH2希釈緩衝液に希釈)、0.2μLのAntarctic熱不安定性UDG(New England Biolabs(NEB),Ipswich,MA)(1U/μL)、及び、白金Taq抗体(Invitrogen/ThermoFisher Waltham,Ma)と混合した0.22μLのKlentaq1ポリメラーゼ(DNA Polymerase Technology,St.Louis,MO)(0.02μLのKlentaq1ポリメラーゼ(50U/μL)を0.2μLの白金Taq抗体(5U/μL)に加えることにより混合物を調製)、並びに3μLの対応する鋳型を添加することによって調製した10μLの反応物中で実施した。鋳型は、NTC(非鋳型対照)用のヌクレアーゼフリー水、11.7ng/μLのRoche hgDNA(したがって、3μL中に35ngまたは10000ゲノム当量(GE))(野生型)、及び、以下の通りに混合したRoche hgDNAとHT−29 wcDNA:1)11.7ng/μLのRoche hgDNA中に0.047ng/μLのwcDNA HT−29、したがって、3μL中に0.14ngのwcDNA HT−29及び35ngのRoche hgDNA40GEのHT−29(20GEのみが変異)、及び10000GEのRocheヒトゲノムDNA(即ち、500個の野生型(wt)中に1個の変異(mt)に対応);2)11.7ng/μLのRoche hgDNA中に、0.023ng/μLのwcDNA HT−29、したがって、3μL中に0.07ngのwcDNA HT−29及び35ngのRoche hgDNA(20GEのHT−29(10GEのみが変異)及び10000GEのRoche hgDNA(即ち、1000個のwt中に1個の1mt)に対応);3)11.7ng/μLのRoche hgDNA中に0.0117ng/μLのwcDNA HT−29、したがって、3μL中に0.0035ngのwcDNA HT−29及び35ngのRoche hgDNA(10GEのHT−29(5GEのみが変異)及び10000GEのRoche hgDNA(即ち、2000個のwt中に1個のmt)に対応);4)11.7ng/μLのRoche hgDNA中に0.006ng/μLのwcDNA HT−29、したがって、3μL中に0.00175ngのwcDNA HT−29及び35ngのRoche hgDNA(5GEのHT−29(2または3GEのみが変異)及び10000個のRoche hgDNAのGE(即ち、5000個のwt中に1個のmt)に対応)であった。注:11.7ng/μLのRoche hgDNA混合物中に0.047ng/μLのwcDNA HT−29(10000GEのRoche hgDNA中に40GEの変異)を調製した後、上述の変異体−Roche hgDNA混合物(0.5体積)とRoche hgDNA(0.5体積)を11.7ng/μLで混合する連続希釈によって変異体とRoche hgDNAの混合物の残りを調製することで、変異GEは2分の1に希釈される一方、Roche hgDNA GEは希釈されないままである(10000GE)。Proflex PCRシステムサーモサイクラー(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)、並びに以下のプログラム:37℃で30分、95℃で2分、(94℃で10秒、60℃で30秒、及び72℃で30秒)を40サイクル、99.5℃で10分、並びに最終的に4℃で保持:を使用して、Applied Biosystems(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)製のMicroAmp(登録商標)の透明接着フィルムで密封した、BioExcell Clear 96ウェルPCR 0.2mLプレート(Worldwide Medical Products,Inc.,Bristol,PA)の中でPCR反応を実施した。
【0428】
5.82μLのヌクレアーゼフリー水(IDT)、1μLの10X AK16Dリガーゼ反応緩衝液[1X緩衝液は、20mMのTris−Hcl(pH8.5)(Bio−Rad,Hercules,CA)、5mMのMgCl
2(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)、50mMのKCl(Sigma−Aldrich,St.Louis,Mo)、10mMのDTT(Sigma−Aldrich,St.Louis,Mo)及び20μg/mLのBSA(Sigma−Aldrich,St.Louis,Mo)を含有する]、0.25μLのDTT(Sigma−Aldrich,St.Louis,Mo)(40mM)、0.25μLのNAD
+(Sigma−Aldrich,St.Louis,Mo)(40mM)、0.25μLのRNaseH2(IDT)(20mU/μL)、0.2μLのiCDx−308−Br600_(3)−L_Up_Rm上流プライマー(500nM)、0.2μLのiCDx−276−Br600−L_Dn_P下流プライマー(500nM)、0.028μLの精製したAK16Dリガーゼ(8.8μM)、並びに2μLのPCR反応物を加えて調製した10μLの反応物でLDR工程を実施した。Proflex PCRシステムサーモサイクラー(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)、並びに以下のプログラム:(94℃で10秒、及び60℃で4分)を20サイクル、続いて最終的に4℃で保持:を使用して、Applied Biosystems(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)製のMicroAmp(登録商標)の透明接着フィルムで密封した、BioExcell Clear 96ウェルPCR 0.2mLプレート(Worldwide Medical Products,Inc.,Bristol,PA)の中でLDR反応を実施した。
【0429】
1.5μLのヌクレアーゼフリー水(IDT)、5μLの2X TaqMan(登録商標)Fast Universal PCR Master Mix(高速増幅taq,UDG及びdUTP)(Applied Biosystems(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma製)、1μLのiCDx−277_A4フォワードプライマー(2.5μM)、1μLのiCDx−279_C4リバースプライマー(2.5μM)、0.5μLのiCDx−281−Br600_(3)_Probe Taqmanプローブ(5μM)、及び1μLのLDR反応物を加えて調製した10μLの反応物でqPCR工程を実施した。MicroAmp(商標)Optical接着フィルム(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)で密封したMicroAmp(登録商標)Fast−96−Well Reaction 0.1mLプレート、並びに以下の設定:高速ブロック、実験様式として検量線、内部標準としてROX、定量化法としてCt(自動閾値、ただし必要に応じて0.04に調節)、レポーターとしてTAMRA、及び消光剤としてNFQ−MGBを使用して、また、以下のプログラム:50℃で2分、及び(95℃で1秒、及び60℃で20秒)を40サイクル:を使用して、Applied Biosystems(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)製のViiA7リアルタイムサーモサイクラーの中でqPCR反応を実施した。
図159及び表2に結果を示す。
【0430】
(表2)BRAF V600Eを検出するための希釈実験の結果
[この文献は図面を表示できません]
Mt=変異BRAF V600E。WT=野生型BRAF。Het=ヘテロ接合体。UD=未測定。太字のCt値は「正しい曲線」から得たCtに対応し、通常のフォントタイプの値は「平らな曲線」、即ち、後期の増幅サイクル(通常は36のCt値の後)で現れる非ベースライン曲線から得た値に対応する。
【0431】
RocheのhgDNAを使用したピクセル実験。PCR工程は、56.54μLのヌクレアーゼフリー水(IDT)、26μLの、マグネシウム非含有Gotaq Flexi緩衝液5X(Promega,Madison,WI)、10.4μLのMgCl
2(25mM)(Promega,Madison,WI)、2.6μLのdNTP(dATP、dCTP、dGTP、及びdUTP、それぞれ10mM)(Promega,Madison,WI)、3.25μLのiCDx−328−Braf_PF_WT_blk2フォワードプライマー(2μM)、3.25μLのiCDx−284−Br600−PRリバースプライマー(2μM)、16.25μLのiCDx−284−Br600−PR LNAブロックプライマー(2μM)、3.25μLのRNaseH2(IDT)(20mU/μL)(IDTからのRNaseH2希釈緩衝液に希釈)、2.6μLのAntarctic熱不安定性UDG(New England Biolabs(NEB),Ipswich,MA)(1U/μL)、及び、白金Taq抗体(Invitrogen,Carlsbad,CA)と混合した2.86μLのKlentaq1ポリメラーゼ(DNA Polymerase Technology,St.Louis,MO)(混合物は、0.3μLのKlentaq1ポリメラーゼ(50U/μL)を3μLの白金Taq抗体(5U/μL)に加えることにより調製)、並びに3μLの対応する鋳型を加えることによって調製した130μLの混合物中で実施した。鋳型は、NTC(非鋳型対照)用のヌクレアーゼフリー水、2.925ng/μLのRoche hgDNA(したがって、3μL中に8.75ngのRoche hgDNAまたは2500ゲノム当量(GE))(野生型)、及び、以下の通りにRoche hgDNAと混合したHT−29 wcDNA:1)2.925ng/μLのRoche hgDNA中の0.023ng/μLのwcDNA HT−29、したがって、3μL中に0.07ngのwcDNA HT−29及び8.75ngのRoche hgDNA(20GEのHT−29(10GEのみが変異)及び2500GEのRoche hgDNAに対応);2)2.925ng/μLのRoche hgDNA中の、0.0117ng/μLのwcDNA HT−29、したがって、3μL中に0.0035ngのwcDNA HT−29及び8.75ngのRoche hgDNA(10GEのHT−29(5GEのみが変異)及び2500GEのRoche hgDNAに対応)であった。注:2.925ng/μLのRoche hgDNA混合物中の0.023ng/μLのwcDNA HT−29(0.5体積)(2500GEのRoche hgDNAにおいて、20GEが変異体、10GEが変異)に加えて、0.5体積のRoche hgDNA(2.925ng/μL)を混合する連続希釈により、2.925ng/μLのRoche hgDNA中の0.0117ng/μLのwcDNA HT−29を調製することで、変異体が10GE(5GEが変異)に希釈される一方、Roche hgDNAのGEは希釈されないままである(2500GE)。
【0432】
それぞれの130μLのPCR混合物を12個のチューブ(それぞれ10μL)に分け、次に、ProflexPCRシステムサーモサイクラー(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)、並びに以下のプログラム:37℃で30分、95℃で2分、(94℃で10秒、60℃で30秒、及び72℃で30秒)を40サイクル、99.5℃で10分、並びに最終的に4℃で保持:を使用して、Applied Biosystems(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)製のMicroAmp(登録商標)の透明接着フィルムで密封した、BioExcell Clear 96ウェルPCR 0.2mLプレート(Worldwide Medical Products,Inc.,Bristol,PA)の中でPCR反応を実施した。後のLDR及びqPCR工程は、希釈実験セクションで上述のとおりに実施した。
図160及び表3に結果を示す。
【0433】
(表3)Roche hgDNAに希釈したBRAF V600Eを検出するためのピクセル実験の結果
[この文献は図面を表示できません]
Mt=変異BRAF V600E。wt=野生型BRAF。Het=ヘテロ接合体。UD=未測定。縦列1〜12はそれぞれ、チューブ1〜12で得たCtに対応し、太字の値は「正しい曲線」から得たCtに対応し、通常のフォントタイプの値は「平らな曲線」から得られた値、即ち、後期の増幅サイクル(通常は36のCt値の後)で現れる非ベースライン曲線に対応する。
【0434】
ヒト血漿DNA(血漿#8)を使用したピクセル実験。PCR工程は、46.54μLのヌクレアーゼフリー水(IDT)、26μLの、マグネシウム非含有Gotaq Flexi緩衝液5X(Promega,Madison,WI)、10.4μLのMgCl
2(25mM)(Promega,Madison,WI)、2.6μLのdNTP(dATP、dCTP、dGTP、及びdUTP、それぞれ10mM)(Promega,Madison,WI)、3.25μLのiCDx−328−Braf_PF_WT_blk2フォワードプライマー(2μM)、3.25μLのiCDx−284−Br600−PRリバースプライマー(2μM)、16.25μLのiCDx−284−Br600−PR LNAブロックプライマー(2μM)、3.25μLのRNaseH2(IDT)(20mU/μL)(IDTからのRNaseH2希釈緩衝液に希釈)、2.6μLのAntarctic熱不安定性UDG(New England Biolabs(NEB),Ipswich,MA)(1U/μL)、及び、白金Taq抗体(Invitrogen,Carlsbad,CA)と混合した2.86μLのKlentaq1ポリメラーゼ(DNA Polymerase Technology,St.Louis,MO)(混合物は、0.3μLのKlentaq1ポリメラーゼ(50U/μL)を3μLの白金Taq抗体(5U/μL)に加えることにより調製)、並びに13μLの対応する鋳型を加えることによって調製した130μLの混合物中で実施した。鋳型は、NTC(非鋳型対照)用のヌクレアーゼフリー水、血漿DNA(6.9μLのヌクレアーゼフリー水及び6.1μLの血漿DNA(0.714ng/μL)として調製、したがって、PCR反応物中の4.375ngの血漿DNAまたは1250のゲノム当量(GE))(野生型)、及び、以下の通りに混合した血漿DNAとHT−29 wcDNA:1)4.9μLのヌクレアーゼフリー水、加えて6.1μLの血漿DNA(0.714ng/μL)、加えて0.035ng/μLのwcDNA HT−29(2μL)、したがって、4.375ngの血漿DNAまたは1250ゲノム当量(GE)に加えて0.07ngのwcDNA HT−29(PCR反応物中の20GEのHT−29(10GEのみが変異)に対応);2)5.9μLのヌクレアーゼフリー水、加えて6.1μLの血漿DNA(0.714ng/μL)、加えて0.035ng/μLのwcDNA HT−29(1μL)、したがって、4.375ngの血漿DNAまたは1250ゲノム当量(GE)に加えて0.035ngのwcDNA HT−29(PCR反応物中の10GEのHT−29(5GEのみが変異)に対応)であった。注:4.375ngの血漿DNAまたは1250ゲノム当量(GE)、及び0.07ngのwcDNA(20GEの変異体、10個が変異)の以前の混合物(0.5体積)を、4.375ngの血漿DNA混合物(0.5体積)と混合する連続希釈により、4.375ngの血漿DNAまたは1250ゲノム当量(GE)、及び0.035ngのwcDNA(10GEの変異体、5個が変異)の混合物を調製する。
【0435】
それぞれの130μLのPCR混合物を12個のチューブ(それぞれ10μL)に分け、次に、ProflexPCRシステムサーモサイクラー(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)、並びに以下のプログラム:37℃で30分、95℃で2分、(94℃で10秒、60℃で30秒、及び72℃で30秒)を45サイクル、99.5℃で10分、並びに最終的に4℃で保持:を使用して、Applied Biosystems(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)製のMicroAmp(登録商標)の透明接着フィルムで密封した、BioExcell Clear 96ウェルPCR 0.2mLプレート(Worldwide Medical Products,Inc.,Bristol,PA)の中でPCR反応を実施した。後のLDR及びqPCR工程は、希釈実験セクションで上述のとおりに実施した。
図161及び表4に結果を示す。
【0436】
(表4)ヒト血漿DNAに希釈したBRAF V600Eを検出するためのピクセル実験の結果
[この文献は図面を表示できません]
Mt=変異BRAF V600E。wt=野生型BRAF。Het=ヘテロ接合体。UD=未測定。縦列1〜12はそれぞれ、チューブ1〜12で得たCtに対応し、太字の値は「正しい曲線」から得たCtに対応し、通常のフォントタイプの値は「平らな曲線」から得られた値、即ち、後期の増幅サイクル(通常は36のCt値の後)で現れる非ベースライン曲線に対応する。
【0437】
実証用実施例2−R248Q(743G>A)TP53変異の検出
使用した全てのプライマーを表5に示す。PNABio Inc.(Thousand Oaks,CA)から購入したPNAプライマーを除いて、全てのプライマーをIntegrated DNA Technologies Inc.((IDT),Coralville,IA)から購入した。
【0438】
(表5)TP53 R248Q変異のPCR−LDR−qPCR検出用プライマー
[この文献は図面を表示できません]
PNA=ペプチド核酸、/5SpC3/ − 5’ C3スペーサー、/3SpC3/ − 3’ C3スペーサー、/5Phos/ − 5’リン酸基、/56−FAM/ − 5’FAM蛍光染料、/5HEX/ − HEX(商標)蛍光染料、/ZEN/ − ZEN(商標)Flourescent Quencher(商標)、/3IABkFQ/ − 3’Iowa Black(登録商標)Flourescent Quencher、緑からピンクのスペクトル範囲、「+」 − 固定された核酸塩基、「rA」 − リボヌクレオチド塩基リボアデノシン;「rT」 − リボヌクレオチド塩基リボチミジン;「rG」 − リボヌクレオチド塩基リボグアノシン;「rC」 − リボヌクレオチド塩基リボシトシン
【0439】
希釈実験。PCR工程は、1.58μLのヌクレアーゼフリー水(IDT)、2μLの、マグネシウム非含有Gotaq Flexi緩衝液5X(Promega,Madison,WI)、0.8μLのMgCl
2(25mM)(Promega,Madison,WI)、0.2μLのdNTP(dATP、dCTP、dGTP、及びdUTP、それぞれ10mM)(Promega,Madison,WI)、0.25μLのiCDx−326−p53−248_PF_WT_blk2フォワードプライマー(2μM)、0.25μLのiCDx−248−p53−248_PRリバースプライマー(2μM)、1.25μLのPNA−p53−248−10 PNA(ブロックプライマー)(または直近の実験でのPNA−p53−248−11L)(2μM)、0.25μLのRNaseH2(IDT)(20mU/μL)(IDTからのRNaseH2希釈緩衝液に希釈)、0.2μLのAntarctic熱不安定性UDG(New England Biolabs(NEB),Ipswich,MA)(1U/μL)、及び、白金Taq抗体(Invitrogen,Carlsbad,CA)と混合した0.22μLのKlentaq1ポリメラーゼ(DNA Polymerase Technology,St.Louis,MO)(混合物は、0.02μLのKlentaq1ポリメラーゼ(50U/μLで保存)を0.2μLの白金Taq抗体(5U/μLで保存)に加えることにより調製)、並びに3μLの対応する鋳型を添加することによって10μLの反応で実施した。鋳型は、NTC(非鋳型対照)用のヌクレアーゼフリー水、11.7ng/μLのRoche hgDNA(したがって、3μL中に35ngまたは10000ゲノム当量(GE))(野生型)、並びに、以下の通りに混合したRoche hgDNAとHEC−1(A)wcDNA:1)11.7ng/μLのRoche hgDNA中に0.047ng/μLのwcDNA HEC−1(A)、したがって、3μL中に0.14ngのwcDNA HEC−1(A)及び35ngのRoche hgDNA(40GEのHEC−1(A)(20GEのみが変異)及び10000GEのRocheヒトゲノムDNA(即ち、500wt中に1mt)に対応);2)11.7ng/μLのRoche hgDNA中に、0.023ng/μLのwcDNA HEC−1(A)、したがって、3μL中に0.07ngのwcDNA HEC−1(A)及び35ngのRoche hgDNA(20GEのHEC−1(A)(10GEのみが変異)及び10000GEのRoche hgDNA(即ち、1000wt中に1mt)に対応);3)11.7ng/μLのRoche hgDNA中の、0.0117ng/μLのwcDNA HEC−1(A)、したがって、3μL中に0.0035ngのwcDNA HEC−1(A)及び35ngのRoche hgDNA(10GEのHEC−1(A)(5GEのみが変異)及び10000GEのRoche hgDNA(即ち、2000wt中に1mt)に対応);4)11.7ng/μLのRoche hgDNA中の、0.006ng/μLのwcDNA HEC−1(A)、したがって、3μL中に0.00175ngのwcDNA HEC−1(A)及び35ngのRoche hgDNA(5GEのHEC−1(A)(2または3GEのみが変異)及び10000GEのRoche hgDNA(即ち、5000wt中に1mt)であった。注:11.7ng/μLのRoche hgDNA混合物中の0.047ng/μLのwcDNA HEC−1(A)(10000GEのRoche hgDNAの中に40GEの変異)を調製した後、以前の変異体−Roche hgDNA混合物(0.5体積)とRoche hgDNA(0.5体積)を11.7ng/μLで混合する連続希釈により変異体とRoche hgDNAの混合物の残りを調製することで、変異GEは2分の1に希釈される一方、Roche hgDNA GEは希釈されないままである(10000GE)。ProflexPCRシステムサーモサイクラー(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)、並びに以下のプログラム:37℃で30分、95℃で2分、(94℃で10秒、60℃で30秒、及び72℃で30秒)を35サイクル、99.5℃で10分、並びに最終的に4℃で保持:を使用して、Applied Biosystems(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)製のMicroAmp(登録商標)の透明接着フィルムで密封した、BioExcell Clear 96ウェルPCR 0.2mLプレート(Worldwide Medical Products,Inc.,Bristol,PA)の中でPCR反応を実施した。
【0440】
5.82μLのヌクレアーゼフリー水(IDT)、1μLの10X AK16Dリガーゼ反応緩衝液[1X緩衝液は、20mMのTris−Hcl(pH8.5)(Bio−Rad,Hercules,CA)、5mMのMgCl
2(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)、50mMのKCl(Sigma−Aldrich,St.Louis,Mo)、10mMのDTT(Sigma−Aldrich,St.Louis,Mo)及び20μg/mLのBSA(Sigma−Aldrich,St.Louis,Mo)を含有する]、0.25μLのDTT(Sigma−Aldrich,St.Louis,Mo)(40mM)、0.25μLのNAD
+(Sigma−Aldrich,St.Louis,Mo)(40mM)、0.25μLのRNaseH2(IDT)(20mU/μL)、0.2μLのiCDx−305−P53−248(3)−L_Up_Rm上流プライマー(500nM)、0.2μLのiCDx−202−P53−248−L_Dn_P下流プライマー(500nM)、0.028μLの精製したAK16Dリガーゼ(8.8μM)、並びに2μLのPCR反応物を加えて調製した10μLの反応物でLDR工程を実施した。ProflexPCRシステムサーモサイクラー(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)、並びに以下のプログラム:(94℃で10秒、及び60℃で4分)を20サイクル、続いて最終的に4℃で保持:を使用して、Applied Biosystems(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)製のMicroAmp(登録商標)の透明接着フィルムで密封した、BioExcell Clear 96ウェルPCR 0.2mLプレート(Worldwide Medical Products,Inc.,Bristol,PA)の中でLDR反応を実施した。
【0441】
1.5μLのヌクレアーゼフリー水(IDT)、5μLの2X TaqMan(登録商標)Fast Universal PCR Master Mix(高速増幅taq,UDG及びdUTP)(Applied Biosystems(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma製)、1μLのiCDx−82_GTT−GCGC_A2フォワードプライマー(2.5μM)、1μLのiCDx−244−C2リバースプライマー(2.5μM)、0.5μLのiCDx−228−p53−248_Probe_s Taqmanプローブ(5μM)、及び1μLのLDR反応物を加えて調製した10μLの反応物でqPCR工程を実施した。MicroAmp(商標)Optical接着フィルム(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)で密封したMicroAmp(登録商標)Fast−96−Well Reaction 0.1mLプレート、並びに以下の設定:高速ブロック、実験様式として検量線、内部標準としてROX、定量化法としてCt(自動閾値、ただし必要に応じて0.04に調節)、レポーターとしてFAM、及び消光剤としてNFQ−MGBを使用して、また、以下のプログラム:50℃で2分、及び(95℃で1秒、及び60℃で20秒)を40サイクル:を使用して、Applied Biosystems(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)製のViiA7リアルタイムサーモサイクラーの中でqPCR反応を実施した。PCR工程でPNA−p53−248−10ブロックプライマーを使用した実験の結果を
図162及び表6に示し、PCR工程でPNA−p53−248−11Lブロックプライマーを使用した実験の結果を
図163及び表7に示す。
【0442】
(表6)PCR工程でPNA−p53−248−10をブロックプライマーとして使用し、TP53 R248Qを検出する希釈実験の結果
[この文献は図面を表示できません]
Mt=変異TP53 R248Q。WT=野生型TP53。Het=ヘテロ接合体。UD=未測定。太字のCt値は「正しい曲線」から得たCtに対応し、通常のフォントタイプの値は「平らな曲線」、即ち、後期の増幅サイクル(通常は36のCt値の後)で現れる非ベースライン曲線から得た値に対応する。
【0443】
(表7)PCR工程でPNA−p53−248−11Lをブロックプライマーとして使用し、TP53 R248Qを検出する希釈実験の結果
[この文献は図面を表示できません]
Mt=変異TP53 R248Q。WT=野生型TP53。Het=ヘテロ接合体。UD=未測定。太字のCt値は「正しい曲線」から得たCtに対応し、通常のフォントタイプの値は「平らな曲線」、即ち、後期の増幅サイクル(通常は36のCt値の後)で現れる非ベースライン曲線から得た値に対応する。
【0444】
RocheのhgDNAを使用したピクセル実験。PCR工程は、56.54μLのヌクレアーゼフリー水(IDT)、 26μLの、マグネシウム非含有Gotaq Flexi緩衝液5X(Promega,Madison,WI)、 10.4μLのMgCl
2(25mM)(Promega,Madison,WI)、 2.6μLのdNTP(dATP、dCTP、dGTP、及びdUTP、それぞれ10mM)(Promega,Madison,WI)、 3.25μLのiCDx−326−p53−248_PF_WT_blk2フォワードプライマー(2μM)、3.25μLのiCDx−248−p53−248_PRリバースプライマー(2μM)、 16.25μLのPNA−p53−248−10 PNAブロックプライマー(2μM)、 3.25μLのRNaseH2(IDT)(20mU/μL)(IDTからのRNaseH2希釈緩衝液に希釈)、 2.6μLのAntarctic熱不安定性UDG(New England Biolabs(NEB),Ipswich,MA)(1U/μL)、 及び、白金Taq抗体(Invitrogen,Carlsbad,CA)と混合した2.86μLのKlentaq1ポリメラーゼ(DNA Polymerase Technology,St.Louis,MO)(混合物は、0.3μLのKlentaq1ポリメラーゼ(50U/μL)を3μLの白金Taq抗体(5U/μL)に加えることにより調製)、並びに3μLの対応する鋳型を加えることによって調製した130μLの混合物中で実施した。 鋳型は、NTC(非鋳型対照)用のヌクレアーゼフリー水、2.925ng/μLのRoche hgDNA(したがって、3μL中に8.75ngのRoche hgDNAまたは2500ゲノム当量(GE))(野生型)、並びに、以下の通りに混合したRoche hgDNAとHEC−1(A)wcDNA:1)2.925ng/μLのRoche hgDNA中の、0.023ng/μLのwcDNA HEC−1(A)、したがって、3μL中に0.07ngのwcDNA HEC−1(A)及び8.75ngのRoche hgDNA(20GEのHEC−1(A)の(10GEのみが変異)及び2500個のRoche hgDNAのGEに対応);2)2.925ng/μLのRoche hgDNA中の、0.0117ng/μLのwcDNA HEC−1(A)、したがって、3μL中に0.0035ngのwcDNA HEC−1(A)及び8.75ngのRoche hgDNA(10個のHEC−1(A)のGE(5GEのみが変異)及び2500個のRoche hgDNAのGEに対応)であった。注:2.925ng/μLのRoche hgDNA混合物中の0.023ng/μLのwcDNA HEC−1(A)(0.5体積)(2500個のRoche hgDNAのGEにおいて、20GEが変異体、10GEが変異)に加えて、0.5体積のRoche hgDNA(2.925ng/μL)を混合する連続希釈により、2.925ng/μLのRoche hgDNA中の0.0117ng/μLのwcDNA HEC−1(A)を調製することで、変異体が10GE(5GEが変異)に希釈される一方、Roche hgDNAのGEは希釈されないままである(2500GE)。
【0445】
それぞれの130μLのPCR混合物を12個のチューブ(それぞれ10μL)に分け、次に、ProflexPCRシステムサーモサイクラー(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)、並びに以下のプログラム:37℃で30分、95℃で2分、(94℃で10秒、60℃で30秒、及び72℃で30秒)を35サイクル、99.5℃で10分、並びに最終的に4℃で保持:を使用して、Applied Biosystems(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)製のMicroAmp(登録商標)の透明接着フィルムで密封した、BioExcell Clear 96ウェルPCR 0.2mLプレート(Worldwide Medical Products,Inc.,Bristol,PA)の中でPCR反応を実施した。後のLDR及びqPCR工程は、希釈実験セクションで上述のとおりに実施した。
図164及び表8に結果を示す。
【0446】
(表8)Roche hgDNAに希釈したTP53 R248Qを検出するためのピクセル実験の結果
[この文献は図面を表示できません]
Mt=変異TP53 R248Q。WT=野生型TP53。Het=ヘテロ接合体。UD=未測定。縦列1〜12はそれぞれ、チューブ1〜12で得たCtに対応し、太字の値は「正しい曲線」から得たCtに対応し、通常のフォントタイプの値は「平らな曲線」から得られた値、即ち、後期の増幅サイクル(通常は36のCt値の後)で現れる非ベースライン曲線に対応する。
【0447】
ヒト血漿DNA(血漿#10)を使用したピクセル実験。PCR工程は、46.54μLのヌクレアーゼフリー水(IDT)、26μLの、マグネシウム非含有Gotaq Flexi緩衝液5X(Promega,Madison,WI)、10.4μLのMgCl
2(25mM)(Promega,Madison,WI)、2.6μLのdNTP(dATP、dCTP、dGTP、及びdUTP、それぞれ10mM)(Promega,Madison,WI)、3.25μLのiCDx−326−p53−248_PF_WT_blk2フォワードプライマー(2μM)、3.25μLのiCDx−248−p53−248_PRリバースプライマー(2μM)、16.25μLのPNA−p53−248−11L PNAブロックプライマー(2μM)、3.25μLのRNaseH2(IDT)(20mU/μL)(IDTからのRNaseH2希釈緩衝液に希釈)、2.6μLのAntarctic熱不安定性UDG(New England Biolabs(NEB),Ipswich,MA)(1U/μL)、及び、白金Taq抗体(Invitrogen,Carlsbad,CA)と混合した2.86μLのKlentaq1ポリメラーゼ(DNA Polymerase Technology,St.Louis,MO)(混合物は、0.3μLのKlentaq1ポリメラーゼ(50U/μL)を3μLの白金Taq抗体(5U/μL)に加えることにより調製)、並びに13μLの対応する鋳型を加えることによって調製した130μLの混合物中で実施した。鋳型は、NTC(非鋳型対照)用のヌクレアーゼフリー水;血漿DNA(7.6μLのヌクレアーゼフリー水及び5.4μLの血漿DNA(0.811ng/μL)として調製、したがって、PCR反応物中の4.375ngの血漿DNAまたは1250ゲノム当量(GE))(野生型);並びに以下の通りに混合した血漿DNAとHEC−1(A) wcDNA:1)5.6μLのヌクレアーゼフリー水、加えて5.4μLの血漿DNA(0.811ng/μL)、加えて0.035ng/μLのwcDNA HEC−1(A)(2μL)、したがって、4.375ngの血漿DNAまたは1250ゲノム当量(GE)に加えて0.07ngのwcDNA HEC−1(A)(PCR反応物中の20GEのHEC−1(A)(10GEのみが変異)に対応);2)6.6μLのヌクレアーゼフリー水、加えて5.4μLの血漿DNA(0.811ng/μL)、加えて0.035ng/μLのwcDNA HEC−1(A)(1μL)、したがって、4.375ngの血漿DNAまたは1250ゲノム当量(GE)に加えて0.035ngのwcDNA HEC−1(A)(PCR反応物中の10GEのHEC−1(A)(5GEのみが変異)に対応)であった。注:4.375ngの血漿DNAまたは1250ゲノム当量(GE)、及び0.07ngのwcDNA(20GEの変異体、10個が変異)の以前の混合物(0.5体積)を、4.375ngの血漿DNA混合物(0.5体積)と混合する連続希釈により、4.375ngの血漿DNAまたは1250ゲノム当量(GE)、及び0.035ngのwcDNA(10GEの変異体、5個が変異)の混合物を調製する。
【0448】
それぞれの130μLのPCR混合物を12個のチューブ(それぞれ10μL)に分け、次に、Proflex PCRシステムサーモサイクラー(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)、及び以下のプログラム:37℃で30分、95℃で2分、(94℃で10秒、60℃で30秒、及び72℃で30秒)を35サイクル、99.5℃で10分、並びに最終的に4℃で保持:を使用して、Applied Biosystems(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)製のMicroAmp(登録商標)の透明接着フィルムで密封した、BioExcell Clear 96ウェルPCR 0.2mLプレート(Worldwide Medical Products,Inc.,Bristol,PA)の中でPCR反応を実施した。後のLDR及びqPCR工程は、希釈実験セクションで上述のとおりに実施した。
図165及び表9に結果を示す。
【0449】
(表9)ヒト血漿DNAに希釈したTP53 R248Qを検出するためのピクセル実験の結果
[この文献は図面を表示できません]
Mt=変異TP53 R248Q。WT=野生型TP53。Het=ヘテロ接合体。UD=未測定。縦列1〜12はそれぞれ、チューブ1〜12で得たCtに対応し、太字の値は「正しい曲線」から得たCtに対応し、通常のフォントタイプの値は「平らな曲線」から得られた値、即ち、後期の増幅サイクル(通常は36のCt値の後)で現れる非ベースライン曲線に対応する。
【0450】
実証用実施例3−KRASコドン12の第1の位置での変異の検出:G12C(34G>T)及びG12S(34G>A)
使用した全てのプライマーを表10に示す。PNABio Inc.(Thousand Oaks,CA)から購入したPNAプライマーを除いて、全てのプライマーをIntegrated DNA Technologies Inc.((IDT),Coralville,IA)から購入した。
【0451】
(表10)KRAS G12C及びG12S変異のPCR−LDR−qPCR検出用プライマー
[この文献は図面を表示できません]
PNA=ペプチド核酸、/5SpC3/ − 5’ C3スペーサー、/3SpC3/ − 3’ C3スペーサー、/5Phos/ − 5’リン酸基、/56−FAM/ − 5’FAM蛍光染料、/5HEX/ − HEX(商標)蛍光染料、/ZEN/ − ZEN(商標)Flourescent Quencher(商標)、/3IABkFQ/ − 3’Iowa Black(登録商標)Flourescent Quencher、緑からピンクのスペクトル範囲、「+」 − 固定された核酸塩基、「rA」 − リボヌクレオチド塩基リボアデノシン;「rT」 − リボヌクレオチド塩基リボチミジン;「rG」 − リボヌクレオチド塩基リボグアノシン;「rC」 − リボヌクレオチド塩基リボシトシン
【0452】
希釈実験。PCR工程は、1.58μLのヌクレアーゼフリー水(IDT)、2μLのマグネシウム非含有Gotaq Flexi緩衝液5X(Promega,Madison,WI)、0.8μLのMgCl
2(25mM)(Promega,Madison,WI)、0.2μLのdNTP(dATP、dCTP、dGTP、及びdUTP、それぞれ10mM)(Promega,Madison,WI)、0.25μLのiCDx−327−Kr_12_2_PF_WT_blk2フォワードプライマー(2μM)、0.25μLのiCDx−303−Kr−12_1&2_PRリバースプライマー(2μM)、1.25μLのPNA−Kras 12_2−11L(またはPNA−Kras 12_2−11R)PNAブロックプライマー(2μM)、0.25μLのRNaseH2(IDT)(20mU/μL)(IDTからのRNaseH2希釈緩衝液に希釈)、0.2μLのAntarctic熱不安定性UDG(New England Biolabs(NEB),Ipswich,MA)(1U/μL)、及び、白金Taq抗体(Invitrogen,Carlsbad,CA)と混合した0.22μLのKlentaq1ポリメラーゼ(DNA Polymerase Technology,St.Louis,MO)(混合物は、0.02μLのKlentaq1ポリメラーゼ(50U/μL)を0.2μLの白金Taq抗体(5U/μL)に加えることにより調製)、並びに3μLの対応する鋳型を添加することによって10μLの反応物で実施した。鋳型は、NTC(非鋳型対照)用のヌクレアーゼフリー水、11.7ng/μLのRoche hgDNA(したがって、3μL中に35ngまたは10000ゲノム当量(GE))(野生型)、並びに、以下の通りに混合したRoche hgDNAとSW1463(G12C、34G>T、ホモ接合)またはLS123(G12S、34G>A、ヘテロ接合)wcDNA:1)11.7ng/μLのRoche hgDNA中の0.047ng/μLのSW1463またはLS123 wcDNA、したがって、3μL中に0.14ngのSW1463またはLS123 wcDNA及び35ngのRoche hgDNA(40GEのSW1463またはLS123 wcDNAの(SW1463では40GEが変異し、LS123では20GEが変異)、及び、10000GEのRocheヒトゲノムDNA(即ち、SW1463では250wtに1mt、及びLS123では500wtに1mt)に対応する);2)11.7ng/μLのRoche hgDNA中の0.023ng/μLのSW1463またはLS123 wcDNA、したがって、3μL中に0.07ngのSW1463またはLS123 wcDNA及び35ngのRoche hgDNA(20個のSW1463またはLS123 wcDNAのGE(SW1463では20GEが変異し、LS123では10GEが変異)、及び10000個のRoche hgDNAのGE(即ち、SW1463では500wtに1mt、及びLS123では1000wtに1mt)に対応する);3)11.7ng/μLのRoche hgDNA中の0.0117ng/μLのSW1463またはLS123 wcDNA、したがって、3μL中に0.0035ngのSW1463またはLS123 wcDNA及び35ngのRoche hgDNA(10個のSW1463またはLS123 wcDNAのGE(SW1463では10GEが変異し、LS123では5GEが変異)、及び10000個のRoche hgDNAのGE(即ち、SW1463では1000wtに1mt、及びLS123では2000wtに1mt)に対応する);4)11.7ng/μLのRoche hgDNA中の0.006ng/μLのSW1463またはLS123 wcDNA、したがって、3μL中に0.00175ngのSW1463またはLS123 wcDNA及び35ngのRoche hgDNA(5個のSW1463またはLS123 wcDNAのGE(SW1463では5GEが変異し、LS123では2または3GEが変異)及び10000個のRoche hgDNAのGE(即ち、SW1463では2000wtに1mt、及びLS123では5000wtに1mt)に対応する)であった。注:11.7ng/μLのRoche hgDNA混合物中に0.047ng/μLのSW1463またはLS123 wcDNA(10000個のRoche hgDNAのGE中に40GEの変異)を調製した後、以前の変異体−Roche hgDNA混合物(0.5体積)とRoche hgDNA(0.5体積)を11.7ng/μLで混合する連続希釈により変異体とRoche hgDNAの混合物の残りを調製することで、変異GEは2分の1に希釈される一方、Roche hgDNA GEは希釈されないままである(10000GE)。ProflexPCRシステムサーモサイクラー(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)、及び以下のプログラム:37℃で30分、95℃で2分、(94℃で10秒、60℃で30秒、及び72℃で30秒)を50サイクル、99.5℃で10分、並びに最終的に4℃で保持:を使用して、Applied Biosystems(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)製のMicroAmp(登録商標)の透明接着フィルムで密封した、BioExcell Clear 96ウェルPCR 0.2mLプレート(Worldwide Medical Products,Inc.,Bristol,PA)の中でPCR反応を実施した。
【0453】
5.82μLのヌクレアーゼフリー水(IDT)、1μLの10X AK16Dリガーゼ反応緩衝液[1X緩衝液は、20mMのTris−HCl(pH8.5)(Bio−Rad,Hercules,CA)、5mMのMgCl
2(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)、50mMのKCl(Sigma−Aldrich,St.Louis,Mo)、10mMのDTT(Sigma−Aldrich,St.Louis,Mo)及び20μg/mLのBSA(Sigma−Aldrich,St.Louis,Mo)を含有する]、0.25μLのDTT(Sigma−Aldrich,St.Louis,Mo)(40mM)、0.25μLのNAD
+(Sigma−Aldrich,St.Louis,Mo)(40mM)、0.25μLのRNaseH2(IDT)(20mU/μL)、0.2μLのiCDx−393−Kr−12_1(3)−L_Up_Rm上流プライマー(500nM)、0.2μLのiCDx−222−Kr−12_1−L_Dn_P下流プライマー(500nM)、0.028μLの精製したAK16Dリガーゼ(8.8μM)、並びに2μLのPCR反応物を加えて調製した10μLの反応物でLDR工程を実施した。ProflexPCRシステムサーモサイクラー(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)、並びに以下のプログラム:(94℃で10秒、及び60℃で4分)を20サイクル、続いて最終的に4℃で保持:を使用して、Applied Biosystems(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)製のMicroAmp(登録商標)の透明接着フィルムで密封した、BioExcell Clear 96ウェルPCR 0.2mLプレート(Worldwide Medical Products,Inc.,Bristol,PA)の中でLDR反応を実施した。
【0454】
1.5μLのヌクレアーゼフリー水(IDT)、5μLの2X TaqMan(登録商標)Fast Universal PCR Master Mix(高速増幅taq,UDG及びdUTP)(Applied Biosystems(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma製)、1μLのiCDx−245_A3フォワードプライマー(2.5μM)、1μLのiCDx−246−C3リバースプライマー(2.5μM)、0.5μLのiCDx−259−T−Kr−12_1_Probe Taqmanプローブ(5μM)、並びに1μLのLDR反応物を加えて調製した10μLの反応物でqPCR工程を実施した。MicroAmp(商標)Optical接着フィルム(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)で密封したMicroAmp(登録商標)Fast−96−Well Reaction 0.1mLプレート、並びに以下の設定:高速ブロック、実験様式として検量線、内部標準としてROX、定量化法としてCt(自動閾値、ただし必要に応じて0.04に調節)、レポーターとしてHEX、並びに消光剤としてNFQ−MGBを使用して、また、以下のプログラム:50℃で2分、及び(95℃で1秒、及び60℃で20秒)を40サイクル:を使用して、Applied Biosystems(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)製のViiA7リアルタイムサーモサイクラーの中でqPCR反応を実施した。PCR工程でPNA−Kras 12_2−11L PNAブロックプライマーを使用した実験の結果を
図166及び表11に示す。PCR工程でPNA−Kras 12_2−11R PNAブロックプライマーを使用した実験の結果を
図167及び表12に示す。
【0455】
(表11)PCR工程でPNA−Kras 12_2−11L PNAブロックプライマーを使用してKRAS G12C (34G>T)変異を検出する希釈実験の結果
[この文献は図面を表示できません]
Mt=変異KRAS G12C。WT=野生型KRAS。Hom=ホモ接合。UD=未測定。太字のCt値は「正しい曲線」から得たCtに対応し、通常のフォントタイプの値は「平らな曲線」、即ち、後期の増幅サイクル(通常は36のCt値の後)で現れる非ベースライン曲線から得た値に対応する。
【0456】
(表12)PCR工程でPNA−Kras 12_2−11R PNAブロックプライマーを使用してKRAS G12S (34G>A)変異を検出する希釈実験の結果
[この文献は図面を表示できません]
Mt=変異KRAS G12S。WT=野生型KRAS。Het=ヘテロ接合体。UD=未測定。太字のCt値は「正しい曲線」から得たCtに対応し、通常のフォントタイプの値は「平らな曲線」、即ち、後期の増幅サイクル(通常は36のCt値の後)で現れる非ベースライン曲線から得た値に対応する。
【0457】
ヒト血漿DNA(血漿#9)を使用したピクセル実験。PCR工程は、46.54μLのヌクレアーゼフリー水(IDT)、26μLの、マグネシウム非含有Gotaq Flexi緩衝液5X(Promega,Madison,WI)、10.4μLのMgCl
2(25mM)(Promega,Madison,WI)、2.6μLのdNTP(dATP、dCTP、dGTP、及びdUTP、それぞれ10mM)(Promega,Madison,WI)、3.25μLのiCDx−327−Kr_12_2_PF_WT_blk2フォワードプライマー(2μM)、3.25μLのiCDx−303−Kr−12_1&2_PRリバースプライマー(2μM)、16.25μLのPNA−Kras 12_2−11L PNAブロックプライマー(2μM)、3.25μLのRNaseH2(IDT)(20mU/μL)(IDTからのRNaseH2希釈緩衝液に希釈)、2.6μLのAntarctic熱不安定性UDG(New England Biolabs(NEB),Ipswich,MA)(1U/μL)、及び、白金Taq抗体(Invitrogen,Carlsbad,CA)と混合した2.86μLのKlentaq1ポリメラーゼ(DNA Polymerase Technology,St.Louis,MO)(混合物は、0.3μLのKlentaq1ポリメラーゼ(50U/μL)を3μLの白金Taq抗体(5U/μL)に加えることにより調製)、並びに13μLの対応する鋳型を加えることによって調製した130μLの混合物中で実施した。鋳型は、NTC(非鋳型対照)用のヌクレアーゼフリー水;血漿DNA(8.3μLのヌクレアーゼフリー水及び4.7μLの血漿DNA(0.743ng/μL)として調製、したがって、PCR反応物中の3.5ngの血漿DNAまたは1000ゲノム当量(GE))(野生型);並びに以下の通りに混合した血漿DNAとSW1463 wcDNA:1)6.3μLのヌクレアーゼフリー水、加えて4.7μLの血漿DNA(0.743ng/μL)、加えて2μLのwcDNA SW1463(0.0175ng/μL)、したがって、3.5ngの血漿DNAまたは1000ゲノム当量(GE)に加えて0.035ngのwcDNA SW1463(PCR反応物中の10GEのSW1463(10GE全てが変異)に対応);2)7.3μLのヌクレアーゼフリー水、加えて4.7μLの血漿DNA(0.743ng/μL)、加えて1μLのwcDNA SW1463(0.0175ng/μL)、したがって、3.5ngの血漿DNAまたは1000ゲノム当量(GE)に加えて0.0175ngのwcDNA SW1463(PCR反応物中の5個のSW1463のGE(5GE全てが変異)に対応)であった。注:3.5ngの血漿DNAまたは1000ゲノム当量(GE)、及び0.035ngのwcDNA(10GEの変異体、10個が変異)の以前の混合物(0.5体積)を、3.5ngの血漿DNA混合物(0.5体積)と混合する連続希釈により、3.5ngの血漿DNAまたは1000ゲノム当量(GE)、及び0.0175ngのwcDNA(5GEの変異体、5個が変異)の混合物を調製する。
【0458】
それぞれの130μLのPCR混合物を12個のチューブ(それぞれ10μL)に分け、次に、ProflexPCRシステムサーモサイクラー(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)、並びに以下のプログラム:37℃で30分、95℃で2分、(94℃で10秒、60℃で30秒、及び72℃で30秒)を50サイクル、99.5℃で10分、並びに最終的に4℃で保持:を使用して、Applied Biosystems(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)製のMicroAmp(登録商標)の透明接着フィルムで密封した、BioExcell Clear 96ウェルPCR 0.2mLプレート(Worldwide Medical Products,Inc.,Bristol,PA)の中でPCR反応を実施した。後のLDR及びqPCR工程は、希釈実験セクションで上述のとおりに実施した。
図168及び表13に結果を示す。
【0459】
(表13)ヒト血漿DNAに希釈したKRAS G12Cを検出するピクセル実験の結果
[この文献は図面を表示できません]
Mt=変異KRAS G12C。WT=野生型KRAS。Hom=ホモ接合。UD=未測定。縦列1〜12はそれぞれ、チューブ1〜12で得たCtに対応し、太字の値は「正しい曲線」から得たCtに対応し、通常のフォントタイプの値は「平らな曲線」から得られた値、即ち、後期の増幅サイクル(通常は36のCt値の後)で現れる非ベースライン曲線に対応する。
【0460】
実証用実施例4− KRASコドン12の第2の位置での変異の検出:G12D(35G>A)、G12A(35G>C)及びG12V(35G>T)
使用した全てのプライマーを表14に示す。PNABio Inc.(Thousand Oaks,CA)から購入したPNAプライマーを除いて、全てのプライマーをIntegrated DNA Technologies Inc.((IDT),Coralville,IA)から購入した。
【0461】
(表14)KRAS G12D、G12A及びG12V変異のPCR−LDR−qPCR検出用プライマー
[この文献は図面を表示できません]
PNA=ペプチド核酸、/5SpC3/ − 5’ C3スペーサー、/3SpC3/ − 3’ C3スペーサー、/5Phos/ − 5’リン酸基、/56−FAM/ − 5’FAM蛍光染料、/5HEX/ − HEX(商標)蛍光染料、/ZEN/ − ZEN(商標)Flourescent Quencher(商標)、/3IABkFQ/ − 3’Iowa Black(登録商標)Flourescent Quencher、緑からピンクのスペクトル範囲、「+」 − 固定された核酸塩基、「rA」 − リボヌクレオチド塩基リボアデノシン;「rT」 − リボヌクレオチド塩基リボチミジン;「rG」 − リボヌクレオチド塩基リボグアノシン;「rC」 − リボヌクレオチド塩基リボシトシン
【0462】
希釈実験。PCR工程は、1.58μLのヌクレアーゼフリー水(IDT)、2μLの、マグネシウム非含有Gotaq Flexi緩衝液5X(Promega,Madison,WI)、0.8μLのMgCl
2(25mM)(Promega,Madison,WI)、0.2μLのdNTP(dATP、dCTP、dGTP、及びdUTP、それぞれ10mM)(Promega,Madison,WI)、0.25μLのiCDx−327−Kr_12_2_PF_WT_blk2フォワードプライマー(2μM)、0.25μLのiCDx−303−Kr−12_1&2_PRリバースプライマー(2μM)、1.25μLのPNA−Kras 12_2−11L PNAブロックプライマー(2μM)、0.25μLのRNaseH2(IDT)(20mU/μL)(IDTからのRNaseH2希釈緩衝液に希釈)、0.2μLのAntarctic熱不安定性UDG(New England Biolabs(NEB),Ipswich,MA)(1U/μL)、及び、白金Taq抗体(Invitrogen,Carlsbad,CA)と混合した0.22μLのKlentaq1ポリメラーゼ(DNA Polymerase Technology,St.Louis,MO)(混合物は、0.02μLのKlentaq1ポリメラーゼ(50U/μL)を0.2μLの白金Taq抗体(5U/μL)に加えることにより調製)、並びに3μLの対応する鋳型を添加することによって10μLの反応物中で実施した。鋳型は、NTC(非鋳型対照)用のヌクレアーゼフリー水、11.7ng/μLのRoche hgDNA(したがって、3μL中に35ngまたは10000ゲノム当量(GE))(野生型)、以下の通りにRoche hgDNAと混合したHEC−1(A)(G12D、35G>A、ヘテロ接合)またはSW1116(G12A、35G>C、ヘテロ接合)またはSW480(G12V、35G>T、ホモ接合)wcDNA:1)11.7ng/μLのRoche hgDNA中の0.047ng/μLのHEC−1(A)、SW1116またはSW480 wcDNA、したがって、3μL中に0.14ngのHEC−1(A)、SW1116またはSW480、及び35ngのRoche hgDNA(40GEのHEC−1(A)、SW1116またはSW480(HEC−1(A)またはSW1116では20GEが変異、SW480では40GEが変異)、及び、10000個のRocheヒトゲノムDNAのGE(即ち、HEC−1(A)またはSW1116では500wtに1mt、及びSW480では250wtに1mt)に対応する);2)11.7ng/μLのRoche hgDNA中の0.023ng/μLのHEC−1(A)、SW1116またはSW480のwcDNA、したがって、3μL中に0.07ngのHEC−1(A)、SW1116またはSW480 wcDNA、及び35ngのRoche hgDNA(20GEのHEC−1(A)、SW1116またはSW480(HEC−1(A)またはSW1116では10GEが変異、SW480では20GEが変異)、及び、10000GEのRoche hgDNA(即ち、HEC−1(A)またはSW1116では1000wtに1mt、及びSW480では500wtに1mt)に対応する);3)11.7ng/μLのRoche hgDNA中の0.0117ng/μLのHEC−1(A)、SW1116またはSW480 wcDNA、したがって、3μL中に0.0035ngのHEC−1(A)、SW1116またはSW480 wcDNA、及び35ngのRoche hgDNA(10GEのHEC−1(A)、SW1116またはSW480(HEC−1(A)またはSW1116では5GEが変異、SW480では10GEが変異)、及び10000GEのRoche hgDNA(即ち、HEC−1(A)またはSW1116では2000wtに1mt、及びSW480では1000wtに1mt)に対応する;4)11.7ng/μLのRoche hgDNA中の0.006ng/μLのHEC−1(A)、SW1116またはSW480 wcDNA、したがって、3μL中に0.00175ngのHEC−1(A)、SW1116またはSW480 wcDNA、及び35ngのRoche hgDNA(5GEのHEC−1(A)、SW1116またはSW480(HEC−1(A)またはSW1116では2または3GEが変異、SW480では5GEが変異)、及び、10000GEのRocheヒトゲノムDNA(即ち、HEC−1(A)またはSW1116では5000wtに1mt、及びSW480では2000wtに1mt)に対応する)であった。注:11.7ng/μLのRoche hgDNA混合物(10000GEのRoche hgDNA中に40GEの変異)中に0.047ng/μLのHEC−1(A)、SW1116またはSW480 wcDNAを調製した後、以前の変異体−Roche hgDNA混合物(0.5体積)とRoche hgDNA(0.5体積)を11.7ng/μLで混合する連続希釈により変異体とRoche hgDNAの混合物の残りを調製することで、変異GEは2分の1に希釈される一方、Roche hgDNA GEは希釈されないままである(10000GE)。Proflex PCRシステムサーモサイクラー(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)、及び以下のプログラム:37℃で30分、95℃で2分、(94℃で10秒、60℃で30秒、及び72℃で30秒)を50サイクル、99.5℃で10分、並びに最終的に4℃で保持:を使用して、Applied Biosystems(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)製のMicroAmp(登録商標)の透明接着フィルムで密封した、BioExcell Clear 96ウェルPCR 0.2mLプレート(Worldwide Medical Products,Inc.,Bristol,PA)の中でPCR反応を実施した。
【0463】
5.82μLのヌクレアーゼフリー水(IDT)、1μLの10X AK16Dリガーゼ反応緩衝液[1X緩衝液は、20mMのTris−HCl(pH8.5)(Bio−Rad,Hercules,CA)、5mMのMgCl
2(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)、50mMのKCl(Sigma−Aldrich,St.Louis,Mo)、10mMのDTT(Sigma−Aldrich,St.Louis,Mo)及び20μg/mLのBSA(Sigma−Aldrich,St.Louis,Mo)を含有する]、0.25μLのDTT(Sigma−Aldrich,St.Louis,Mo)(40mM)、 0.25μLのNAD
+(Sigma−Aldrich,St.Louis,Mo)(40mM)、 0.25μLのRNaseH2(IDT)(20mU/μL)、0.2μLのiCDx−307−Kr−12_2(3)−L_Up_RmまたはiCDx−394−Kr−12_2(3)−L_Up_Rm上流プライマー(500nM)、0.2μLのiCDx−269−Kr−12_2−L_Dn_P下流プライマー(500nM)、0.028μLの精製したAK16Dリガーゼ(8.8μM)、並びに2μLのPCR反応物を加えて調製した10μLの反応物でLDR工程を実施した。 ProflexPCRシステムサーモサイクラー(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)、並びに以下のプログラム:(94℃で10秒、及び60℃で4分)を20サイクル、続いて最終的に4℃で保持:を使用して、Applied Biosystems(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)製のMicroAmp(登録商標)の透明接着フィルムで密封した、BioExcell Clear 96ウェルPCR 0.2mLプレート(Worldwide Medical Products,Inc.,Bristol,PA)の中でLDR反応を実施した。
【0464】
1.5μLのヌクレアーゼフリー水(IDT)、5μLの2X TaqMan(登録商標)Fast Universal PCR Master Mix(高速増幅taq,UDG及びdUTP)(Applied Biosystems(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma製)、1μLのiCDx−245_A3フォワードプライマー(2.5μM)、1μLのiCDx−246−C3リバースプライマー(2.5μM)、0.5μLのiCDx−270−Kr−12_2(3)_ProbeTaqmanプローブ(5μM)、及び1μLのLDR反応物を加えて調製した10μLの反応物でqPCR工程を実施した。MicroAmp(商標)Optical接着フィルム(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)で密封したMicroAmp(登録商標)Fast−96−Well Reaction 0.1mLプレート、並びに以下の設定:高速ブロック、実験様式として検量線、内部標準としてROX、定量化法としてCt(自動閾値、ただし必要に応じて0.04に調節)、レポーターとしてHEX、並びに消光剤としてNFQ−MGBを使用して、また、以下のプログラム:50℃で2分、及び(95℃で1秒、及び60℃で20秒)を40サイクル:を使用して、Applied Biosystems(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)製のViiA7リアルタイムサーモサイクラーの中でqPCR反応を実施した。iCDx−307−Kr−12_2(3)−L up Rm上流LDRプライマーを使用してKRAS G12D(35G>A)変異を検出する実験の結果を、
図169及び表15に示す。iCDx−307−Kr−12_2(3)−L up Rm上流LDRプライマーを使用してKRAS G12A (G>C)を検出する実験の結果を、
図170及び表16に示す。iCDx−307−Kr−12_2(3)−L up Rm上流LDRプライマーを使用してKRASG12V(35G>T)変異を検出する実験の結果を、
図171及び表17に示す。
【0465】
(表15)iCDx−307−Kr−12_2(3)−L_Up_Rm上流LDRプライマーを使用してKRAS G12D(35G>A)を検出する希釈実験の結果
[この文献は図面を表示できません]
Mt=変異KRAS G12D。WT=野生型KRAS。Het=ヘテロ接合体。UD=未測定。太字のCt値は「正しい曲線」から得たCtに対応し、通常のフォントタイプの値は「平らな曲線」、即ち、後期の増幅サイクル(通常は36のCt値の後)で現れる非ベースライン曲線から得た値に対応する。
【0466】
(表16)iCDx−307−Kr−12_2(3)−L_Up_Rm上流LDRプライマーを使用してKRAS G12A(35G>C)を検出する希釈実験の結果
[この文献は図面を表示できません]
Mt=変異KRAS G12A。WT=野生型KRAS。Het=ヘテロ接合体。UD=未測定。太字のCt値は「正しい曲線」から得たCtに対応し、通常のフォントタイプの値は「平らな曲線」、即ち、後期の増幅サイクル(通常は36のCt値の後)で現れる非ベースライン曲線から得た値に対応する。
【0467】
(表17)iCDx−307−Kr−12_2(3)−L_Up_Rm上流LDRプライマーを使用してKRAS G12V(35G>T)を検出する希釈実験の結果
[この文献は図面を表示できません]
Mt=変異KRAS G12V。WT=野生型KRAS。Hom=ホモ接合。UD=未測定。太字のCt値は「正しい曲線」から得たCtに対応し、通常のフォントタイプの値は「平らな曲線」、即ち、後期の増幅サイクル(通常は36のCt値の後)で現れる非ベースライン曲線から得た値に対応する。
【0468】
ヒト血漿DNA(血漿#9)を使用したピクセル実験。PCR工程は、46.54μLのヌクレアーゼフリー水(IDT)、26μLの、マグネシウム非含有Gotaq Flexi緩衝液5X(Promega,Madison,WI)、10.4μLのMgCl
2(25mM)(Promega,Madison,WI)、2.6μLのdNTP(dATP、dCTP、dGTP、及びdUTP、それぞれ10mM)(Promega,Madison,WI)、3.25μLのiCDx−327−Kr_12_2_PF_WT_blk2フォワードプライマー(2μM)、3.25μLのiCDx−303−Kr−12_1&2_PRリバースプライマー(2μM)、16.25μLのPNA−Kras 12_2−11L PNAブロックプライマー(2μM)、3.25μLのRNaseH2(IDT)(20mU/μL)(IDTからのRNaseH2希釈緩衝液に希釈)、2.6μLのAntarctic熱不安定性UDG(New England Biolabs(NEB),Ipswich,MA)(1U/μL)、及び、白金Taq抗体(Invitrogen,Carlsbad,CA)と混合した2.86μLのKlentaq1ポリメラーゼ(DNA Polymerase Technology,St.Louis,MO)(混合物は、0.3μLのKlentaq1ポリメラーゼ(50U/μL)を3μLの白金Taq抗体(5U/μL)に加えることにより調製)、並びに13μLの対応する鋳型を加えることによって調製した130μLの混合物中で実施した。鋳型は、NTC(非鋳型対照)用のヌクレアーゼフリー水;血漿DNA(8.3μLのヌクレアーゼフリー水及び4.7μLの血漿DNA(0.743ng/μL)として調製、したがって、PCR反応物中の3.5ngの血漿DNAまたは1000ゲノム当量(GE))(野生型);並びに以下の通りに血漿DNAと混合したSW480 wcDNA:1)6.3μLのヌクレアーゼフリー水、加えて4.7μLの血漿DNA(0.743ng/μL)、加えて2μLのSW480 wcDNA(0.0175ng/μL)、したがって、3.5ngの血漿DNAまたは1000ゲノム当量(GE)に加えて0.035ngのSW480 wcDNA(PCR反応物中の10GEのSW480 wcDNA(10GE全てが変異)に対応);2)7.3μLのヌクレアーゼフリー水、加えて4.7μLの血漿DNA(0.743ng/μL)、加えて1μLのSW480 wcDNA(0.0175ng/μL)、したがって、3.5ngの血漿DNAまたは1000のゲノム当量(GE)に加えて0.0175ngのSW480 wcDNA(PCR反応物中の5GEのSW480(5GE全てが変異)に対応)であった。注:3.5ngの血漿DNAまたは1000ゲノム当量(GE)及び0.035ngのSW480 wcDNA(10GEの変異、10個が変異)の以前の混合物(0.5体積)を3.5ngの血漿DNA混合物(0.5体積)と混合する連続希釈により、3.5ngの血漿DNAまたは1000個のゲノム当量(GE)、及び0.0175ngのSW480 wcDNA(5GEの変異、5個が変異)の混合物を調製する。
【0469】
それぞれの130μLのPCR混合物を12個のチューブ(それぞれ10μL)に分け、次に、ProflexPCRシステムサーモサイクラー(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)、並びに以下のプログラム:37℃で30分、95℃で2分、(94℃で10秒、60℃で30秒、及び72℃で30秒)を50サイクル、99.5℃で10分、並びに最終的に4℃で保持:を使用して、Applied Biosystems(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)製のMicroAmp(登録商標)の透明接着フィルムで密封した、BioExcell Clear 96ウェルPCR 0.2mLプレート(Worldwide Medical Products,Inc.,Bristol,PA)の中でPCR反応を実施した。後のLDR及びqPCR工程は、iCDx−394−Kr−12_2(3)−L_Up_RmをLDR工程用の上流プライマーとして使用して、希釈実験セクションで上述のとおりに実施した。
図172及び表18に結果を示す。
【0470】
(表18)ヒト血漿DNAに希釈したKRAS G12Vを検出するピクセル実験の結果
[この文献は図面を表示できません]
Mt=変異KRAS G12V。WT=野生型KRAS。Hom=ホモ接合。UD=未測定。縦列1〜12はそれぞれ、チューブ1〜12で得たCtに対応し、太字の値は「正しい曲線」から得たCtに対応し、通常のフォントタイプの値は「平らな曲線」から得られた値、即ち、後期の増幅サイクル(通常は36のCt値の後)で現れる非ベースライン曲線に対応する。
【0471】
実証用実施例5−細胞株ゲノムDNAでのメチル化の検出
通常の方法。使用した細胞株は、LS−174T、HCT−15、HT−29、WiDi、SW1116、結腸腺癌細胞株であった。全ての細胞株を、10%ウシ胎児血清を添加した、4.5g/Lグルコースを含有するマッコイ5A培地の入った60cm
2培養皿に播種し、5% CO
2を含有する加湿雰囲気に維持した。細胞がコンフルエンスの80〜90%に達した後に、リン酸緩衝生理食塩水で洗浄し(x3)、遠心分離(500xg)により収集した。DNeasy Blood & Tissue Kit(Qiagen;Valencia,CA)を使用してDNAを単離した。Quant−iT Picogreenアッセイ(Life Technologies/ThermoFisher;Waltham,Ma)によりDNA濃度を測定した。
【0472】
ヒト血液(軟膜)から単離した、高分子量(>50kb)のゲノムDNAを含有するヒトゲノムDNA(0.2mg/mL)(RocheヒトゲノムDNA)をRoche(Indianapolis,IN)から購入した。Quant−iT PicoGreen dsDNAアッセイキットにより、このDNAの濃度を39ng/μLと測定した。
【0473】
酵素Bsh1236Iによる、ゲノムDNAの制限酵素分解。上で記載した細胞株からのゲノムDNA(500ng)を、1×CutSmart緩衝液(50mMの酢酸カリウム、20mMのTris酢酸、10mMの酢酸マグネシウム、100μg/mLのBSA(25℃でpH7.9))を含有する反応混合物(20μL)中で10単位の制限酵素Bsh1236Iにより分解した。分解反応を37℃で1時間行い、80℃で20分間加熱して後の酵素不活性化を行った。
【0474】
分解したゲノムDNAの亜硫酸水素塩変換。Zymo Research Corporation(Irvine,CA)製のEZ DNA Methylation−Lightningキットを使用して亜硫酸水素塩変換を行った。130μLのLightning Conversion試薬を、Bsh1236Iで分解したゲノムDNA(20μL)に加えた。変換反応物を98℃で8分間、続いて54℃で1時間インキュベーションしてから4℃まで冷却した。600μLのM−Binding緩衝液をZymo−Spin(商標)カラムに加え、続いてカラムを収集チューブの中に配置した。分解したDNA及びLightning Conversion試薬を含有する150μLの反応混合物を、600μLのM−Binding緩衝液を含有するZymo−Spin ICカラム内に入れた。カラムのキャップを密閉し、カラムを数回反転させて溶液を混合した。最高速度(≧10,000xg)でカラムを30秒間遠心分離し、通過画分を廃棄した。100μLのM−washing緩衝液をカラムに加え、最高速度で30秒間カラムを遠心分離し、通過画分を廃棄した。200μLのL−Desulphonation緩衝液をカラムに加え、カラムを室温で15〜20分静置させた。インキュベーション後、カラムを最高速度で30秒間遠心分離した。200μLのM−Wash緩衝液をカラムに加え、カラムを最高速度で30秒間遠心分離し、通過画分を廃棄した。この洗浄工程をもう一度繰り返した。最終的に、カラムを1.5mLのマイクロ遠心チューブの中に入れ、10μLのM−Elution緩衝液をカラムマトリックスに加え、最高速度で30秒間遠心分離し、亜硫酸水素塩により変換されたDNAを溶出した。
【0475】
PCR及びLDRプライマー。使用した全てのプライマーを表19に示す。Exiqon Inc.(Woburn,MA)から購入したLNA1及びLNA2、並びにPNA Bio(Thousand Oaks,CA)から購入したPNAを除いて、全てのプライマーをIntegrated DNA Technologies Inc.((IDT),Coralville,IA)から購入した。
【0476】
(表19)PCR−LDR−qPCRメチル化用プライマー
[この文献は図面を表示できません]
/5SpC3/ − 5’ C3スペーサー、/3SpC3/ − 3’ C3スペーサー、/5Phos/ − 5’リン酸基、/56−FAM/ − 5’FAM蛍光染料、/5HEX/ − HEX(商標)蛍光染料、/ZEN/ − ZEN(商標)Flourescent Quencher(商標)、/3IABkFQ/ − 3’Iowa Black(登録商標)Flourescent Quencher、緑からピンクのスペクトル範囲、「+」 − 固定された核酸塩基、「rA」 − リボヌクレオチド塩基リボアデノシン;「rT」 − リボヌクレオチド塩基リボチミジン;「rG」 − リボヌクレオチド塩基リボグアノシン;「rC」 − リボヌクレオチド塩基リボシトシン
【0477】
PCR−LDR−qPCR実験。PCR工程は、2μLの、マグネシウム非含有Gotaq Flexi緩衝液5X(Promega,Madison,WI)、0.8μLのMgCl
2(25mM)(Promega,Madison,WI)、0.2μLのdNTP(dATP、dCTP、dGTP、及びdUTP、それぞれ10mM)(Promega,Madison,WI)、0.25μLのiCDx−2031−Vim−S3−FPフォワードプライマー(2μM)、0.25μLのiCDx−2032A−Vim−S3−RPリバースプライマー(2μM)、1.25μLのVIM−S3−LNAまたはVIM−S3−PNA2ブロックプライマー(2μM)、0.25μLのRNaseH2(IDT)(20mU/μL)(IDTからのRNaseH2希釈緩衝液に希釈)、及び、白金Taq抗体(Invitrogen/Thermo Fisher,Waltham,Ma)と混合した0.22μLのKlentaq1ポリメラーゼ(DNA Polymerase Technology,St.Louis,MO)(混合物は、0.02μLのKlentaq1ポリメラーゼ(50U/μL)を0.2μLの白金Taq抗体(5U/μL)に加えることにより調製)、並びに、35ngのゲノムDNAを含有する、4.78μLの対応する鋳型を添加することによって調製した10μLの反応物で実施した。鋳型は、LS−174T、HCT−15、HT−29、WiDr、SW1116細胞株ゲノムDNA、及びRocheヒトゲノムDNAであった。ProFlex PCRシステムサーモサイクラー(Applied Biosystems/ThermoFisher,Waltham,Ma)の中でPCR反応を実施し、以下のプログラム:95℃で2分、(94℃で10秒、60℃で30秒及び72℃で30秒)を40サイクル、99.5℃で10分、及び最終的に4℃で保持:で実施した。
【0478】
5.82μLのヌクレアーゼフリー水(IDT)、1μLの10X AK16Dリガーゼ反応緩衝液[1X緩衝液は、20mMのTris−Hcl(pH8.5)(Bio−Rad,Hercules,CA)、5mMのMgCl
2(Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)、50mMのKCl(Sigma−Aldrich,St.Louis,Mo)、10mMのDTT(Sigma−Aldrich,St.Louis,Mo)及び20μg/mLのBSA(Sigma−Aldrich,St.Louis,Mo)を含有する]、0.25μLのDTT(Sigma−Aldrich,St.Louis,Mo)(40mM)、0.25μLのNAD
+(Sigma−Aldrich,St.Louis,Mo)(40mM)、0.25μLのRNaseH2(IDT)(20mU/μL)、0.2μLのiCDx−2033A−Vim−S3−Upプライマー(500nM)、0.2μLのiCDx−2034A−Vim−S3−Dnプライマー(500nM)、0.028μLの精製したAK16Dリガーゼ(8.8μM)、並びに2μLのPCR反応物を加えて調製した10μLの反応物でLDR工程を実施した。ProFlex PCRシステムサーモサイクラー(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)、並びに以下のプログラム:(94℃で10秒、及び60℃で4分)を20サイクル、続いて最終的に4℃で保持、の中でLDR反応を実施した。
【0479】
1.5μLのヌクレアーゼフリー水(IDT)、5μLの2X TaqMan(登録商標)Fast Universal PCR Master Mix(高速増幅taq,UDG及びdUTP)(Applied Biosystems(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma製)、1μLのiCDx−2036−Vim−S3−RT−FPフォワードプライマー(2.5μM)、1μLのiCDx−2037−Vim−S3−RT−RPリバースプライマー(2.5μM)、0.5μLのiCDx−2035A−Vim−S3−RT−PbTaqmanプローブ(5μM)、及び1μLのLDR反応生成物を加えることにより調製した10μLの反応混合物の中でqPCR工程を実施した。MicroAmp(商標)Optical接着フィルム(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)で密封したMicroAmp(登録商標)Fast−96−Well Reaction 0.1mLプレート、並びに以下の設定:高速ブロック、実験様式として検量線、内部標準としてROX、定量化法としてCt(自動閾値、ただし必要に応じて0.05に調節)、レポーターとしてTAMRA、及び消光剤としてNFQ−MGBを使用して、また、以下のプログラム:50℃で2分、及び(95℃で1秒、及び60℃で20秒)を40サイクル:を使用して、Applied Biosystems(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)製のViiA7リアルタイムサーモサイクラーの中でqPCR反応を実施した。
図173及び表20に結果を示す。
【0480】
(表20)細胞株ゲノムDNA内でのメチル化を検出する実験の結果
[この文献は図面を表示できません]
【0481】
ピクセル実験。59.14μLのヌクレアーゼフリー水(IDT)、26μLの、マグネシウム非含有Gotaq Flexi緩衝液5X(Promega,Madison,WI)、10.4μLのMgCl
2(25mM)(Promega,Madison,WI)、2.6μLのdNTP(dATP、dCTP、dGTP、及びdUTP、それぞれ10mM)(Promega,Madison,WI)、3.25μLのiCDx−2031−VIM−S3−FPフォワードプライマー(2μM)、3.25μLのiCDx−2032−VIM−S3−PRリバースプライマー(2μM)、16.25μLのiCDx−VIM−S3−LNA2ブロックプライマー(2μM)、3.25μLのRNaseH2(IDT)(20mU/μL)(IDTからのRNaseH2希釈緩衝液に希釈)、2.6μLのAntarctic熱不安定性UDG(New England Biolabs(NEB),Ipswich,MA)(1U/μL)、及び、白金Taq抗体(Invitrogen,Carlsbad,CA)と混合した2.86μLのKlentaq1ポリメラーゼ(DNA Polymerase Technology,St.Louis,MO)(混合物は、0.3μLのKlentaq1ポリメラーゼ(50U/μL)を3μLの白金Taq抗体(5U/μL)に加えることにより調製)、並びに3μLの対応する鋳型を加えることによって調製した130μLの混合物中でPCR工程を設定した。3μLの鋳型は、(1)9ng(2500GE)のRoche hgDNAと混合した0.070ng(20GE)のHT−29 DNA、(2)9ng(2500GE)のRoche hgDNAと混合した0.035ng(10GE)のHT−29細胞株DNA、(3)9ng(2500GE)のRoche DNA、(4)非鋳型対照(NTC)用のヌクレアーゼ非含有水を含有する。
【0482】
それぞれの130μLのPCR混合物を12個のチューブ(それぞれ10μL)に分け、次に、Proflex PCRシステムサーモサイクラー(Applied Biosystems/ThermoFisher;Waltham,Ma)の中で、以下のプログラム:95℃で2分、(94℃で10秒、60℃で30秒及び72℃で30秒)を40サイクル、99.5℃で10分、及び最終的に4℃で保持、によりPCR反応を実施した。後のLDR及びqPCR工程を上述の通りに実施した。結果を
図174及び表25に示す。
【0483】
VIM−S3トップ及びボトム鎖でのメチル化検出のためのPCR−LDR−qPCR手順を、LDR及びTaqmanプローブ(即ちバージョンB)プローブの修飾版を使用して上述の通りに繰り返した。メチル化検出の結果の比較を、
図175〜178の増幅プロットに示す。
図175は、VIM−S3トップ鎖プライマー設計及びTaqmanプローブバージョン「A」(表21)を使用した、細胞株及び野生型(Roche)DNAのリアルタイムPCRプロットを提供する。結果は、WiDr及びHT−29細胞株DNAのそれぞれに関して、約10及び11.5のCt値を示し、VIMプロモーター領域内のS3部位におけるメチル化を示す。細胞株SW1116、Roche DNA、最初のPCR工程、続いてのLDR工程、及び最後のTaqman工程用の非鋳型対照(NTC)は全てベースライン(即ち平坦)である。ボトム鎖用に設計したバージョン「A」プローブ(
図176及び表22)を使用して同じ実験を繰り返した。予想通り、WiDr及びHT−29細胞株DNAのそれぞれに関して、結果は約11及び9のCt値を示し、VIMプロモーター領域内のS3部位におけるメチル化を示す。しかし、以前の実験から、VIMプロモーター領域内のS3部位にてメチル化が存在しないことが分かっていたが、SW1116、Roche DNA、最初のPCR工程用の非鋳型対照(NTC)、及び後のLDR工程用のNTCの結果は全て、約28.5〜31のCt値となっている。この矛盾は、Taqmanプローブを、LDR産物の上流LDRプローブ部分に約9塩基、及び、LDR産物の下流LDRプローブ部分にプローブの残りの塩基分、オーバーラップするように設計することにより解決された。更に、5’側上にある2つの非相補性塩基をTaqmanプローブに加えることで、任意の偶然の交差ポリメラーゼ伸長部が、後のラウンドで上流LDRプローブ上に確実に伸長できないようにした。
図177は、WIM−S3トップ鎖プライマー設計及びTaqmanプローブバージョン「B」(表23)を使用した、細胞株及び野生型(Roche)DNAのリアルタイムPCRプロットを提供する。結果は、WiDr及びHT−29細胞株DNAのそれぞれに関して、約12及び13.5のCt値を示し、VIMプロモーター領域内のS3部位におけるメチル化を示す。細胞株SW1116、Roche DNA、最初のPCR工程、続いてのLDR工程、及び最後のTaqman工程用の非鋳型対照(NTC)は全てベースライン(即ち平坦)である。ボトム鎖用に設計したバージョン「B」プローブ(
図178及び表24)を使用して同じ実験を繰り返した。予想通り、WiDr及びHT−29細胞株DNAのそれぞれに関して、結果は約11.5及び9.5のCt値を示し、VIMプロモーター領域内のS3部位におけるメチル化を示す。ここで、細胞株SW1116、Roche DNA、最初のPCR工程、続いてのLDR工程、及び最後のTaqman工程用の非鋳型対照(NTC)の結果は全てベースライン(即ち平坦)であり、新しいプローブ設計バージョン「B」は、VIM部位3領域内でのメチル化を行うことなく、NTCまたはサンプルからの誤ったシグナルの問題を解決したことを示す。
【0484】
(表21)Taqmanプローブバージョン「A」を使用したVIM_S3_トップ鎖用メチル化プライマー
[この文献は図面を表示できません]
/5SpC3/ − 5’ C3スペーサー、/3SpC3/ − 3’ C3スペーサー、/5Phos/ − 5’リン酸基、/56−FAM/ − 5’FAM蛍光染料、/5HEX/ − HEX(商標)蛍光染料、/ZEN/ − ZEN(商標)Flourescent Quencher(商標)、/3IABkFQ/ − 3’Iowa Black(登録商標)Flourescent Quencher、緑からピンクのスペクトル範囲、「+」 − 固定された核酸塩基、「rA」 − リボヌクレオチド塩基リボアデノシン;「rT」 − リボヌクレオチド塩基リボチミジン;「rG」 − リボヌクレオチド塩基リボグアノシン;「rC」 − リボヌクレオチド塩基リボシトシン
【0485】
(表22)Taqmanプローブバージョン「A」を使用した、VIM_S3_ボトム鎖用メチル化プライマー
[この文献は図面を表示できません]
/5SpC3/ − 5’ C3スペーサー、/3SpC3/ − 3’ C3スペーサー、/5Phos/ − 5’リン酸基、/56−FAM/ − 5’FAM蛍光染料、/5HEX/ − HEX(商標)蛍光染料、/ZEN/ − ZEN(商標)Flourescent Quencher(商標)、/3IABkFQ/ − 3’Iowa Black(登録商標)Flourescent Quencher、緑からピンクのスペクトル範囲、「+」 − 固定された核酸塩基、「rA」 − リボヌクレオチド塩基リボアデノシン;「rT」 − リボヌクレオチド塩基リボチミジン;「rG」 − リボヌクレオチド塩基リボグアノシン;「rC」 − リボヌクレオチド塩基リボシトシン
【0486】
(表23)Taqmanプローブバージョン「B」を使用したVIM_S3_トップ鎖用メチル化プライマー
[この文献は図面を表示できません]
/5SpC3/ − 5’ C3スペーサー、/3SpC3/ − 3’ C3スペーサー、/5Phos/ − 5’リン酸基、/56−FAM/ − 5’FAM蛍光染料、/5HEX/ − HEX(商標)蛍光染料、/ZEN/ − ZEN(商標)Flourescent Quencher(商標)、/3IABkFQ/ − 3’Iowa Black(登録商標)Flourescent Quencher、緑からピンクのスペクトル範囲、「+」 − 固定された核酸塩基、「rA」 − リボヌクレオチド塩基リボアデノシン;「rT」 − リボヌクレオチド塩基リボチミジン;「rG」 − リボヌクレオチド塩基リボグアノシン;「rC」 − リボヌクレオチド塩基リボシトシン
【0487】
(表24)Taqmanプローブバージョン「B」を使用したVIM_S3_ボトム鎖用メチル化プライマー
[この文献は図面を表示できません]
/5SpC3/ − 5’ C3スペーサー、/3SpC3/ − 3’ C3スペーサー、/5Phos/ − 5’リン酸基、/56−FAM/ − 5’FAM蛍光染料、/5HEX/ − HEX(商標)蛍光染料、/ZEN/ − ZEN(商標)Flourescent Quencher(商標)、/3IABkFQ/ − 3’Iowa Black(登録商標)Flourescent Quencher、緑からピンクのスペクトル範囲、「+」 − 固定された核酸塩基、「rA」 − リボヌクレオチド塩基リボアデノシン;「rT」 − リボヌクレオチド塩基リボチミジン;「rG」 − リボヌクレオチド塩基リボグアノシン;「rC」 − リボヌクレオチド塩基リボシトシン
【0488】
(表25)Roche hgDNAのバックグラウンドにおけるHT−29 DNAのメチル化を検出するピクセル実験の結果
[この文献は図面を表示できません]
【0489】
実証用実施例6−メチル化及び変異検出プライマー設計
まず、ビメンチン(VIM)及びTMEM90B遺伝子のゲノムDNA配列のコンピューター解析を行い、予想される高度にメチル化されたCG部位を識別することにより、メチル化アッセイ設計を行った。複数のメチル化部位のコンピューター解析及び識別の後、各遺伝子内の3つないし4つの部位をアッセイ開発のために選択した。アッセイ開発を補助するために、コンピューターによる亜硫酸水素塩変換を、それぞれの遺伝子の亜硫酸水素塩により変換されたゲノムDNA上で実施する。この変換をトップ及びボトム鎖の両方で実施し、想定される亜硫酸水素塩により変換された配列のオリゴヌクレオチドを設計する。コンピューターによる変換を、トップ鎖上では直接5’C塩基の直後に続かないG塩基をA塩基に変換し(CGでない全てのGについて、G−A変換)、ボトム鎖については、直接3’G塩基に隣接するC塩基をT塩基に変換する(CGでない全てのC塩基について、C−T変換)ことにより実施する。亜硫酸水素塩による変換の後で非常に高いGC含有量を有する配列を避けることを含む、設計基準を補助する配列における多数の追加の特徴の識別として、ライゲーションアッセイの設計基準は、メチル化Cまたは隣接G(相補鎖のCはメチル化されている)のいずれかである識別する塩基を同定することから始まる。アッセイ開発用のメチル化部位が選択されると、トップ及びボトム鎖の両方における同じ部位がアッセイされる。4工程のアプローチを利用し、本アッセイ用のオリゴヌクレオチドを設計した。第1の工程は、上流及び下流リガーゼ検出反応(LDR)オリゴヌクレオチドを設計することである。次に、遺伝子特異的フォワード及びリバースオリゴヌクレオチドを設計して、全長が100〜140塩基の遺伝子特異的単位複製配列内のLDR部位及びLDRオリゴヌクレオチドをカバーする。3番目に、ライゲーション部位をカバーし、ライゲーションしたLDR産物に特異的に結合する、蛍光染色標識プローブ(FAM及びHEX(商標))を設計する。そして、最終工程は対応するWT固定核酸(LNA(商標))プローブを設計し、亜硫酸水素塩により変換した非メチル化プロモーター領域の増幅をブロックすることである。
[この文献は図面を表示できません]
亜硫酸水素塩変換前、及び亜硫酸水素塩変換後のトップVIM部位3(S3)ゲノム配列(赤色の太字ヌクレオチドは、メチル化のS3部位を表す)。
【0490】
LDR上流(Up)オリゴヌクレオチドプローブは、64〜66℃のT
mで、対象の識別する塩基の3’末端に、メチル化CGのCまたはGのいずれかを有するように設計する。プライマー配列を選択し、必要なT
m範囲となると、IDT(Coralville,Ia)RNaseH2(商標)切断法に基づく非特異的伸長をブロックする技術を利用して、識別する塩基の3’側に隣接して相補性RNA塩基を、続いて、第2及び第3の位置に、2つのマッチするDNA塩基を、そして第4及び第5(または第3及び第5)の位置に、2つのミスマッチDNA塩基(G−TまたはA−Cミスマッチのいずれかが好ましい)を加え、続いて3’C3スペーサーを加える。5つ全ての塩基尾部、及びスペーサーを使用して、上流LDRプローブの非特異的伸長をブロックする。上流LDRオリゴヌクレオチドプローブに関して、追加のミスマッチ(G−TまたはA−Cミスマッチのいずれかが好ましい)もまた、識別する塩基の5’側上の隣接する第2または第3の位置で利用してもよい。追加の修飾としては、ライゲーション産物のλエキソヌクレアーゼ分解をブロックするための任意の5’C3スペーサーが挙げられる。上流オリゴヌクレオチドの選択及び修飾の後、後のリアルタイムPCR実験用のフォワードオリゴヌクレオチドに対応するタグ配列を、配列の5’側に加える。タグ配列を、以前に設計したqPCRオリゴヌクレオチドフォワード及びリバースプライマーの対のリストから選択する。
上流LDRプローブ配列:
[この文献は図面を表示できません]
5’タグ配列+上流LDRプローブ配列:
[この文献は図面を表示できません]
5’タグ配列+5’スペーサー、並びに第4及び第5の切断位置におけるミスマッチを有する上流LDRプローブ配列:
[この文献は図面を表示できません]
5’タグ配列+5’スペーサー、並びに第3及び第5の切断位置におけるミスマッチを有する上流LDRプローブ配列
[この文献は図面を表示できません]
VIM S3の、亜硫酸水素塩により変換されたゲノムDNA上流LDR位置は太字とし、小文字「a」は第3の位置のミスマッチ部位であり、RNA切断部位には下線を引いた。
【0491】
下流(Dn)LDRオリゴヌクレオチドプローブは、識別する塩基の3’側の直後の塩基にて設計した。オリゴヌクレオチドプローブは、70〜72℃のT
mで設計した。上流プローブと同様に、選択したタグ配列を配列の3’末端に加える。設計に加えた更なる修飾には、5’側に最も近い第4の位置におけるミスマッチの追加、及び、リアルタイムタグ配列の直前でのオリゴヌクレオチドの3’末端への、更なるミスマッチ塩基の包含を含む。
下流LDRプローブ配列:
[この文献は図面を表示できません]
下流LDRプローブ+3’相補性タグプライマー配列:
[この文献は図面を表示できません]
第4の位置におけるミスマッチ、及びqPCR配列からの亜硫酸水素塩により変換されたゲノム配列と離間した更なる塩基を有する下流オリゴヌクレオチド:
[この文献は図面を表示できません]
VIM S3の、亜硫酸水素塩により変換されたゲノムDNA下流(Dn)LDRの位置は太字とし、メチル化のCG部位には下線を引いた。
【0492】
遺伝子特異的フォワード(FP)及びリバース(RP)オリゴヌクレオチドプライマーを、単位複製配列の合計長が約100〜140塩基の上流LDRオリゴヌクレオチドプローブと著しくオーバーラップするLDRオリゴヌクレオチドプローブのすぐ上流に設計した。フォワード及びリバース遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプライマーを、62〜64℃のT
mで設計した。リバースプライマーを、Dn LDRオリゴヌクレオチドプローブのオーバーラップなしで更に下流に設計し、存在する場合、メチル化部位の更なる区別のために、更なるCGCG制限酵素切断部位を組み込んだ。1つ以上のBsh1236I(CGCG)制限酵素切断部位が標的DNA中に存在し、亜硫酸水素塩変換の前に非メチル化DNAの任意の切断を可能にするのが好ましい。所望により、リバースプライマーは、他のリバースプライマーとのプライマー−二量体形成を防止するために、5’末端に付加した非特異的な10個の塩基尾部を有する。フォワード及びリバースプライマーは共にまた、プライマーの3’末端におけるRNA切断法を利用するが、LDRオリゴヌクレオチドプローブとは異なり、プライマーはブロック基に隣接する3’末端に1つのミスマッチを有するのみである。
フォワードプライマー:
[この文献は図面を表示できません]
リバースプライマー:
[この文献は図面を表示できません]
リバースプライマー+10個の塩基尾部:
[この文献は図面を表示できません]
プライマーのRNA切断部分に1個の塩基ミスマッチ(小文字かつ太字)を含有するフォワード及びリバースプライマー:
[この文献は図面を表示できません]
VIM S3の、亜硫酸水素塩により変換されたゲノムDNA遺伝子特異的フォワード(FP)及びリバース(RP)プライマーは太字にし、メチル化のCG部位は拡大し、RNA切断部位領域には下線を引いた。
【0493】
上記分析により識別した3ないし4つの部位について、トップ及びボトム鎖の両方でのアッセイ開発のために2つの部位を選択した。2つの部位を区別するために、部位特異的5’FAMまたは5’HEX(商標)標識プローブを含むライゲーション産物をカバーするように鎖特異的リアルタイムプローブを設計した。リアルタイムプローブを設計して、識別する塩基の5’側の上流LDRプローブに組み込んだ第3の位置のミスマッチを組み込み、更なるプローブを設計し、下流プローブの識別する塩基の3’側における5’ミスマッチ、及び所望の第4の位置のミスマッチをカバーした。プローブのT
mは68〜70℃に設計する。最初に、ライゲーション部位の5’及び3’側を等しくカバーするようにプローブを設計するが、カバー率の偏りがライゲーション部位の(5’)側の1/3、続いて下流側(3’)が2/3である更なるプローブを設計し、大部分のプローブについて、最も多い場合でライゲーション部位の7塩基上流、及び15塩基下流にあった。G塩基に結合した場合の低いFAM染料蛍光による問題を回避するために、全てのプローブは、最初の5’塩基にG塩基を避けるように設計することで、染料は配列修正を必要とすることなく、必要に応じて交換可能となる。更なる修飾は、蛍光染料の直後でのミスマッチの付加を含む。プローブはIDTから合成し、5’側から9塩基にZEN(商標)(IDT)消光剤、及び3’末端ではIowa Black(登録商標)FQ (IDT)を利用する。
第3の位置でのミスマッチ(太字)とマッチするリアルタイムプローブ:
[この文献は図面を表示できません]
第3の位置のミスマッチ(太字)、及び2つの更なる塩基とマッチするリアルタイムプローブ:
[この文献は図面を表示できません]
VIM S3の、亜硫酸水素塩により変換された、リアルタイムプローブゲノムのDNA部位、小文字「a」は、第3の位置のミスマッチ上流の部位、及び、下線を引いた
Aは、第4の位置のミスマッチ下流の部位。
【0494】
固定した核酸(LNA(商標))ブロックプライマーを設計し、亜硫酸水素塩により変換された非メチル化標的に結合する完全にマッチするLNAプローブを有し、かつ、5〜10個のロック(LNA)塩基を利用して増幅を防止することにより、亜硫酸水素塩により変換された非メチル化標的の増幅を低下させた。LNAブロックプローブは、Exiqon(Woburn,Ma)により72〜75℃のT
mで合成する。
【0495】
(表26)メチル化検出オリゴヌクレオチドの一覧
[この文献は図面を表示できません]
/5SpC3/ − 5’ C3スペーサー、/3SpC3/ − 3’ C3スペーサー、/5Phos/ − 5’リン酸基、/56−FAM/ − 5’FAM蛍光染料、/5HEX/ − HEX(商標)蛍光染料、/ZEN/ − ZEN(商標)Flourescent Quencher(商標)、/3IABkFQ/ − 3’Iowa Black(登録商標)Flourescent Quencher、緑からピンクのスペクトル範囲、「+」 − 固定された核酸塩基、「rA」 − リボヌクレオチド塩基リボアデノシン;「rT」 − リボヌクレオチド塩基リボチミジン;「rG」 − リボヌクレオチド塩基リボグアノシン;「rC」 − リボヌクレオチド塩基リボシトシン
【0496】
KRAS(G12A、G12D、G12S、G12C、及びG12V)、BRAF(V600E、1799T>A)、及びTp53(R248Q、743G>A)を含む既知のホットスポット変異を有する、多数の異なる癌遺伝子及び癌抑制因子で変異検出を実施した。対象の変異に位置する塩基を識別することを除いて、定量的リガーゼ検出反応(LDR)アプローチを使用するメチル化アッセイ同様にアッセイを実施する。
【0497】
64〜66℃のT
mで、(対象の塩基を識別する)変異の5’上流及び末端にてLDR上流(Up)オリゴヌクレオチドプローブを設計する。この塩基からプライマーを、必要なT
mの範囲内で選択すると、IDT(Coralville,Ia)RNaseH2(商標)切断法をベースにした、非特異的な伸長をブロックする技術を利用し、識別する塩基のすぐ3’側に相補性RNA塩基を、続いて、第2及び第3の位置にて2つのマッチしたDNA塩基を、そして、第4及び第5の位置にて2つのミスマッチDNA塩基(G−A、C−T)を加え、続いて3’C3スペーサーを加える。5つ全ての塩基尾部、及びスペーサーを使用して、上流LDRプローブの非特異的伸長をブロックする。上流LDRオリゴヌクレオチドプローブに関して、追加のミスマッチ(G−TまたはA−Cミスマッチのいずれかが好ましい)を、識別する塩基の5’側の隣接する位置、第2、または好ましくは第3の位置でもまた利用する。上流オリゴヌクレオチドの選択及び修飾の後、後のリアルタイムPCR実験用のフォワードプライマーに対応するタグ配列を、上流LDRプローブ配列の5’側に加える。タグ配列を、以前に設計したqPCRオリゴヌクレオチドフォワード及びリバースプライマーの対のリストから選択する。
iCDx−308−Br600_(3)−L_Up_Rm:
[この文献は図面を表示できません]
上流LDRオリゴヌクレオチドの例(5’から:大文字かつ太字のタグ、小文字斜体字の短いリンカー配列、変異(太字)の前の位置3におけるミスマッチを有する、大文字の上流LDRプローブ配列、並びに、太字かつ小文字の、5つの塩基尾部の最後の位置におけるミスマッチ)。
【0498】
追加の上流LDRプローブを、以下の修飾を加えて上述の通りに設計した:「A」バージョンのLDRプローブについて、識別する塩基の3’側のすぐ隣にRNA塩基、続いて、第2、第3、及び第4の位置に3つのマッチしたDNA塩基、そして第5の位置に1つのミスマッチDNA塩基(G−A、C−T)、続いて3’C3スペーサーの付加;「B」バージョンのLDRプローブについて、識別する塩基の3’側のすぐ隣にRNA塩基、続いて第2及び第3の位置にて2つのマッチしたDNA塩基、そして、第4及び第5の位置にて2つのミスマッチDNA塩基(G−A、C−T)、続いて3’C3スペーサーの付加;「D」バージョンのLDRプローブについて、識別する塩基の3’側のすぐ隣にRNA塩基、続いて第2及び第4の位置にて2つのマッチしたDNA塩基、そして、第3及び第5の位置にて2つのミスマッチDNA塩基(G−A、C−T)、続いて3’C3スペーサーの付加。更に、「A」、「B」及び「D」バージョンの上流LDRプローブは、ライゲーション接合部(RNaseHによる切断後の3’末端)から第3の位置にてミスマッチDNA塩基(G−A、C−T)を有し、「D」バージョンの下流LDRプローブは、ライゲーション接合部(即ち5’末端)から第4の位置にてミスマッチDNA塩基(G−A、C−T)を有した。
【0499】
下流(Dn)LDRオリゴヌクレオチドプローブは、識別する塩基の3’側の直後の塩基にて設計した。68℃のT
mでオリゴヌクレオチドを設計した。後のリアルタイムPCR実験用のリバースプライマーの逆相補鎖に対応するタグ配列を、LDR特異的配列の3’側に加える。上流LDRオリゴヌクレオチドプローブ同様に、これらの配列もまた、最適のqPCRプライマー対の所定の一覧から選択する。
iCDx−276−Br600_L_Dn_P:
[この文献は図面を表示できません]
下流LDRオリゴヌクレオチドの例(5’から:大文字の上流LDRプローブ配列、小文字斜体字の短いリンカー配列、続いて大文字かつ太字のリアルタイムPCR用タグ)。
【0500】
PCR工程用の遺伝子特異的フォワード(FP)及びリバース(RP)プライマーを、LDRオリゴヌクレオチドプローブのそれぞれすぐ上流または下流に設計した。FPと上流LDRオリゴヌクレオチドプローブとの間には著しいオーバーラップが存在し、RPと下流LDRプローブとの間にはオーバーラップは存在しない。フォワード及びリバース遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプライマーを、64〜66℃のT
mで、かつ74〜94塩基の合計の単位複製配列長さで設計した。更に、リバースプライマーは、下流プライマーのプライマー−二量体形成を防止するために5’末端に付加した、非特異的な10個の塩基尾部を有する。所望により、フォワード及びリバースプライマーは共に、プライマーの3’末端にて5塩基RNaseH2(商標)切断法を利用するが、LDRオリゴヌクレオチドプローブとは異なり、3’末端ではゼロまたは1個のミスマッチを有する(この3’末端が識別される変異塩基である場合、この末端は野生型配列とマッチし、変異配列とミスマッチする)。
iCDx−328−Braf_PF_WT_blk2(5塩基RNaseH2(商標)切断法による、3’末端がミスマッチした遺伝子特異的FP):
[この文献は図面を表示できません]
iCDx−284−Br600−PR(10塩基の尾部(太字)、1個の余分なリンカー塩基(斜体字)、及び遺伝子特異的配列(大文字)を有する遺伝子特異的RP):
[この文献は図面を表示できません]
遺伝子特異的フォワード及びリバースPCRプライマーの例。
【0501】
リアルタイムPCR工程用に、5’末端をFAM、HEX(商標)またはTAMRAで標識した鎖特異的リアルタイムプローブを設計し、上流及び下流LDRプライマー間の接合部にまたがるライゲーション産物をカバーした。対応する上流オリゴヌクレオチドに組み込まれた識別する塩基の5’側に位置する、隣接する位置、第2、または第3の位置におけるミスマッチのいずれかを組み込み、異なるプローブを設計した。68℃のT
mでプローブを設計した。G塩基に結合した場合の低いFAM染料蛍光による問題を回避するために、全てのプローブを、第1の5’開始塩基でG塩基を用いることなく設計したことで、染料は配列修正を必要とすることなく、必要に応じて交換可能となる。更なる修飾は、蛍光プローブの直後にミスマッチの付加を含む。プローブはIDTから合成し、多くでは5’側ではZEN(商標)消光剤の9個の塩基、及び3’末端ではIowa Black(登録商標)FQまたはIowa Black(登録商標)RQ(IDT)を利用する。
iCDx−277_A4:
[この文献は図面を表示できません]
iCDx−279_C4:
[この文献は図面を表示できません]
iCDx−281−Br600_(3)_Probe:
[この文献は図面を表示できません]
リアルタイムPCR実験で使用したオリゴヌクレオチドの例。
【0502】
野生型標的の増幅、並びに増幅した野生型標的での上流及び下流LDRプローブのライゲーションの増幅を減らすように、固定した核酸(LNA(商標))ブロックプライマーを設計した。これを達成するために、3〜6個の固定塩基を利用した、野生型に完全にマッチするLNAプローブを、71〜76℃のT
mでExiqon(Woburn,Ma)により合成した。LNAは、野生型DNAでのプローブ伸長により生じる偽陽性の結果を防止するために、5’リン酸基基、および3つのプライムC3スペーサーもまた含有する。
iCDx−315−BRAF_FLW:
[この文献は図面を表示できません]
野生型シグナルをブロックするために使用したLNAオリゴヌクレオチドの例(LNA塩基は、+の記号が前にある塩基である)。
【0503】
あるいは、野生型標的の増幅、並びに増幅した野生型標的での上流及び下流LDRプローブのライゲーションを減らすように、ペプチド核酸(PNA(商標))ブロックプライマーを設計した。この設計を行うために、識別する塩基の両側に4〜8個の塩基を含み、70〜76℃のT
mを有するように、野生型に完全にマッチするPNAオリゴヌクレオチドを設計した。PNAオリゴヌクレオチドはPNA Bio(Thousand Oaks,CA)により合成した。
PNA−p53−248−11L:
[この文献は図面を表示できません]
野生型シグナルをブロックするために使用したPNAオリゴヌクレオチドの例(識別する塩基は太字であり、野生型標的にマッチする)。
【0504】
(表27)変異検出プライマーの一覧
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
/5SpC3/ − 5’ C3スペーサー、/3SpC3/ − 3’ C3スペーサー、/5Phos/ − 5’リン酸基、/56−FAM/ − 5’FAM蛍光染料、/5HEX/ − HEX(商標)蛍光染料、/ZEN/ − ZEN(商標)Flourescent Quencher(商標)、/3IABkFQ/ − 3’Iowa Black(登録商標)Flourescent Quencher、緑からピンクのスペクトル範囲、「+」 − 固定された核酸塩基、「rA」 − リボヌクレオチド塩基リボアデノシン;「rT」 − リボヌクレオチド塩基リボチミジン;「rG」 − リボヌクレオチド塩基リボグアノシン;「rC」 − リボヌクレオチド塩基リボシトシン
【0505】
(表28)メチル化検出オリゴヌクレオチド
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
/5SpC3/ − 5’ C3スペーサー、/3SpC3/ − 3’ C3スペーサー、/5Phos/ − 5’リン酸基、/56−FAM/ − 5’FAM蛍光染料、/5HEX/ − HEX(商標)蛍光染料、/ZEN/ − ZEN(商標)Flourescent Quencher(商標)、/3IABkFQ/ − 3’Iowa Black(登録商標)Flourescent Quencher、緑からピンクのスペクトル範囲、「+」 − 固定された核酸塩基、「rA」 − リボヌクレオチド塩基リボアデノシン;「rT」 − リボヌクレオチド塩基リボチミジン;「rG」 − リボヌクレオチド塩基リボグアノシン;「rC」 − リボヌクレオチド塩基リボシトシン