特許第6871163号(P6871163)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6871163電子産業における使用のためのスルホキシド/グリコールエーテル系溶媒
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871163
(24)【登録日】2021年4月19日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】電子産業における使用のためのスルホキシド/グリコールエーテル系溶媒
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20210426BHJP
   G03F 7/42 20060101ALI20210426BHJP
   C11D 7/50 20060101ALI20210426BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   H01L21/304 647A
   G03F7/42
   C11D7/50
   H01L21/30 572A
【請求項の数】9
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-537468(P2017-537468)
(86)(22)【出願日】2017年1月20日
(65)【公表番号】特表2019-532483(P2019-532483A)
(43)【公表日】2019年11月7日
(86)【国際出願番号】CN2017071798
(87)【国際公開番号】WO2018058866
(87)【国際公開日】20180405
【審査請求日】2020年1月20日
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2016/100460
(32)【優先日】2016年9月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100093665
【弁理士】
【氏名又は名称】蛯谷 厚志
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】チ・ジアン
(72)【発明者】
【氏名】シン・ジアン
(72)【発明者】
【氏名】フア・レン
(72)【発明者】
【氏名】ユン・キュ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジアンハイ・ム
(72)【発明者】
【氏名】大場 薫
【審査官】 平野 崇
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−501958(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0099260(US,A1)
【文献】 特開2004−094203(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103293883(CN,A)
【文献】 米国特許第04770713(US,A)
【文献】 特表2012−522068(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
C11D 7/50
G03F 7/42
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)スルホキシドからなる50〜90重量%の第1の構成成分と、
(B)エチレングリコールモノブチルエーテルであるグリコールエーテルからなる9〜40重量%の第2の構成成分と、
(C)N−ホルミルモルホリン、N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、及びトリエチルホスフェートのうちの少なくとも1つからなる1〜30重量%の第3の構成成分と、を含み、前記重量%は溶媒の重量に基づく、溶媒。
【請求項2】
前記スルホキシドが、DMSOである、請求項1に記載の溶媒。
【請求項3】
前記溶媒の重量に基づいて、52〜66重量%の前記第1の構成成分と、17〜30重量%の前記第2の構成成分と、6〜18重量%の前記第3の構成成分と、を含む、請求項に記載の溶媒。
【請求項4】
−25℃未満の凝固点を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の溶媒。
【請求項5】
基板の表面を洗浄または剥離するためのプロセスであって、前記基板を、
(A)スルホキシドからなる50〜90重量%の第1の構成成分と、
(B)エチレングリコールモノブチルエーテルであるグリコールエーテルからなる9〜40重量%の第2の構成成分と、
(C)N−ホルミルモルホリン、N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、及びトリエチルホスフェートのうちの少なくとも1つからなる1〜30重量%の第3の構成成分と、を含む溶媒に接触させるステップを含み、前記重量%は前記溶媒の重量に基づく、プロセス。
【請求項6】
前記スルホキシドが、DMSOである、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
前記溶媒の重量に基づいて、52〜66重量%の前記第1の構成成分と、17〜30重量%の前記第2の構成成分と、6〜18重量%の前記第3の構成成分と、を含む、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
前記基板が、電子部品であり、前記表面が、汚染物質または金属イオンを含有する、請求項5〜7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記汚染物質が、ポリ(アミド酸)残渣またはポリイミド残渣である、請求項8に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な電子構成要素、例えば、ディスプレイユニット及び半導体の製造において有用な環境に優しい溶媒(「エコ溶媒」)に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの極性溶媒、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルホルムアミド(DMF)などは、生殖毒性を有し、これは、これらの材料に関する増加し続ける安全性及び規制に対する世界的な懸念を駆り立てている。例えば、NMPは、化学品の分類及び表示に関する欧州世界調和システム(GHS)の高懸念物質(SVHC)登記、ならびに特定の危険物質、混合物、及び物品の製造、上市、及び使用に対する制限を列挙するREACH Annex XVIIに列挙されている。
【0003】
NMPは、電子産業において、様々な部品(例えば、ディスプレイユニット用の構成要素、半導体基板など)及び機器の洗浄及び剥離に使用され、相当量のそれが、毎年消費されている。NMPよりも良好な環境プロファイルを有しつつ、類似した性能を達成するエコ溶媒の開発は、電子処理取引先からの緊急の要求である。本発明は、いくつかの実施形態において、NMPと同一またはそれよりも良好なフォトレジスト除去のための洗浄能力及び剥離能力を提供する、溶媒の組み合わせを詳述する。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態において、本発明は、
(A)スルホキシドからなる第1の構成成分と、
(B)グリコールエーテルからなる第2の構成成分と、
(C)N−ホルミルモルホリン、N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、トリエチルホスフェート、N,N−ジメチルアセトアミド;N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジエチルプロピオンアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−エチルアセトアミド、及びN−エチルプロピオンアミドのうちの少なくとも1つからなる第3の構成成分と、から本質的になる、溶媒である。
【0005】
一実施形態において、本発明は、基板の表面を洗浄または剥離するためのプロセスであって、該基板を、
(A)スルホキシドからなる第1の構成成分と、
(B)グリコールエーテルからなる第2の構成成分と、
(C)N−ホルミルモルホリン、N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、トリエチルホスフェート、N,N−ジメチルアセトアミド;N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジエチルプロピオンアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−エチルアセトアミド、及びN−エチルプロピオンアミドのうちの少なくとも1つからなる第3の構成成分と、から本質的になる溶媒に接触させるステップを含む、プロセスである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
定義
米国特許慣例の目的のため、参照されるいかなる特許、特許出願、または公開の内容も、特に定義の開示(本開示に具体的に提供されるいかなる定義にも矛盾しない程度まで)及び当該技術分野における一般的知識に関して、それらの全体が参照により組み込まれる(またはそれに相当する米国版が参照によりそのように組み込まれる)。
【0007】
本明細書に開示される数値範囲は、下限値から上限値(これらを含む)までの全ての値を含む。明示的な値(例えば、1〜7)を包含する範囲について、任意の2つの明示的な値間のいかなる下位範囲(例えば、1〜2、2〜6、5〜7、3〜7、5〜6など)も含まれる。
【0008】
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する」という用語、及びそれらの派生語は、それが具体的に開示されているか否かに関わらず、いかなる追加の構成要素、ステップ、または手順の存在も除外することを意図していない。いかなる疑念も避けるために、「含む(comprising)」という用語の使用を通して特許請求される全ての組成物は、それに反して述べられない限り、ポリマー性であるか別様であるかに関わらず、任意の追加の添加剤、アジュバント、または化合物を含み得る。対照的に、「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語は、あらゆる後続の引用範囲から、操作性にとって本質的ではないものを除いて、いかなる他の構成要素、ステップ、または手順も除外する。「からなる(consisting of)」という用語は、具体的に描写または列挙されていない、いかなる構成要素、ステップ、または手順も除外する。別段述べられない限り「または」という用語は、個々に、及び任意の組み合わせで、列挙される構成員を指す。単数形の使用は複数形の使用を含み、逆もまた同様である。
【0009】
それに反して述べられるか、文脈から暗示されるか、または当該技術分野において慣習的でない限り、全ての部及びパーセントは重量に基づき、全ての試験方法は本開示の出願日時点で最新のものである。
【0010】
「溶媒」及び同様の用語は、別の物質(すなわち、溶質)を溶解して、分子またはイオンサイズレベルで本質的に均質に分散した混合物(すなわち、溶液)を形成することができる物質を意味する。
【0011】
「電子部品」及び同様の用語は、電子物品(半導体またはディスプレイユニットなど)のための製造プロセスの、加工中もしくは完成した製品、または製品の構成要素を意味する。本発明の文脈において使用される場合、電子部品は、製品を製造するために使用される機器を含む。
【0012】
「加工中の製品」及び同様の用語は、未完成の製品または中間製品を意味する。加工中の製品は、出発材料、例えば、販売者から受け取ったままの材料、または製造プロセスの開始に供する前の材料を含む。
【0013】
「フォトレジスト」及び同様の用語は、放射線に曝露されたときに、化学エッチングに対するその耐性を失い、集積回路の生産中の半導体チップへの回路パターンの転写において特に使用される、感光性樹脂を意味する。
【0014】
「洗浄する」及び同様の用語は、本発明の文脈において、基板の表面から、通常加工中の電子部品の表面から、粒子性汚染物質及び金属イオンを除去して、後続の加工のために部品を準備することを意味する。
【0015】
「剥離する」及び同様の用語は、本発明の文脈において、基板の表面から、層、例えば、コーティングまたはフィルムを除去すること(半導体基板の表面からフォトレジストを除去することなど)を意味する。
【0016】
「凝固点」及び同様の用語は、液体が固体に変化する温度を意味する。本発明の溶媒の凝固点は、ガラス容器と、冷却浴または冷却トラップまたは温度制御系を有する冷蔵庫と、温度計または熱センサとを含む試験機器を使用することによって、決定することができる。液体溶媒の20グラム(20g)の試料を、ガラス容器、例えば、ガラスシリンダ中に置く。冷却浴または冷却トラップまたは冷蔵庫の温度を、0℃に設定する。温度計または熱センサを使用して、冷却浴または冷却トラップまたは冷蔵庫の内側の冷液もしくは冷気流の温度を決定する。調製された溶媒試料を有するガラス容器を、冷却浴または冷却トラップ内で少なくとも12時間保管する。溶媒試料の凝固点を、その物理的状態(すなわち、液体または固体)を観察することによって決定する。溶媒試料が依然として流動性を示す場合、冷却浴または冷却トラップまたは冷蔵庫内の現在の設定温度を、温度計または熱センサによって決定されるその温度がその以前の温度よりも1℃低くなるまで、低下させる。この手順を、溶媒試料が固体になるまで繰り返す。
【0017】
ポリ(アミド酸)は、ポリイミドの合成における中間ポリマーである。それは、強度の水素結合のため、極性溶媒中に可溶性である。
【0018】
ポリイミド(PI)は、イミドモノマーのポリマーである。それは通常、二無水物とジアミンとの反応によって生産される。電子産業において使用される1つの一般的なPIは、KAPTON(商標)である。それは、ピロメリット酸二無水物と4,4′−オキシジフェニルアミンとの縮合から生産される。
【0019】
溶媒
本発明の溶媒は、第1の構成成分と、第2の構成成分と、第3の構成成分とから本質的になる。第1の構成成分は、スルホキシドからなるか、またはスルホキシドである。第2の構成成分は、グリコールエーテルからなるか、またはグリコールエーテルである。第3の構成成分は、N−ホルミルモルホリン(CAS番号4394−85−8)、N,N−ジメチルプロピオンアミド(CAS番号758−96−3)、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(CAS番号53185−52−7)、トリエチルホスフェート(CAS番号78−40−0)、N,N−ジメチルアセトアミド(CAS番号127−19−5);N,N−ジエチルアセトアミド(CAS番号685−91−6)、N,N−ジエチルプロピオンアミド(CAS番号1114−51−8)、N−メチルアセトアミド(CAS番号79−16−3)、N−メチルプロピオンアミド(CAS番号1187−58−2)、N−エチルアセトアミド(CAS番号625−50−3)、及びN−エチルプロピオンアミド(CAS番号5129−72−6)のうちの少なくとも1つからなるか、またはそれから本質的になる。第1、第2、及び第3の構成成分はブレンドを形成し、このブレンドは、相分離していても、していなくてもよい。一実施形態において、本溶媒は、−25℃未満の凝固点を有する。
【0020】
スルホキシド
本発明の溶媒の第1の構成成分は、スルホキシド(すなわち、2つの炭素原子に結合したスルフィニル官能基を含有する化合物)からなるか、またはスルホキシドである。それは、極性官能基である。スルホキシドは、硫化物の酸化誘導体である。代表的なスルホキシドとしては、ジエチルスルホキシド、ブチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド、及びジメチルスルホキシド(DMSO)が挙げられるが、これらに限定されない。第1の構成成分は、1つ以上のスルホキシドからなってもよい。一実施形態において、第1の構成成分は、1つのスルホキシドからなる。一実施形態において、第1の構成成分は、2つ以上のスルホキシドからなる。一実施形態において、第1の構成成分は、DMSO(CAS番号67−68−5)からなるか、またはDMSOである。
【0021】
グリコールエーテル
本発明の溶媒の第2の構成成分は、グリコールエーテル(すなわち、エチレングリコールまたはプロピレングリコールのアルキルエーテルに基づく化合物)からなるか、またはグリコールエーテルである。これらの溶媒は、典型的には、低分子量エーテル及びアルコールの好ましい溶媒特性とともに、より高い沸点を有する。代表的なグリコールエーテルとしては、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、及びトリプロピレングリコールモノメチルエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。第2の構成成分は、1つ以上のグリコールエーテルからなってもよい。一実施形態において、第2の構成成分は、1つのグリコールエーテルからなる。一実施形態において、第2の構成成分は、2つ以上のグリコールエーテルからなる。一実施形態において、第2の構成成分は、エチレングリコールアルキルエーテルである。一実施形態において、第2の構成成分は、プロピレングリコールアルキルエーテルである。一実施形態において、エチレンまたはプロピレングリコールエーテルのアルキル構成成分は、2〜12個または3〜10個または3〜8個の炭素原子のアルキル基である。一実施形態において、第2の構成成分は、エチレングリコールモノブチルエーテル(CAS番号111−76−2)からなるか、またはエチレングリコールモノブチルエーテルである。
【0022】
実施形態
一実施形態において、本溶媒は、第1の構成成分としてのスルホキシドと、第2の構成成分としてのグリコールエーテルと、第3の構成成分としてのN−ホルミルモルホリンとからなるか、またはそれらから本質的になるブレンドである。
【0023】
一実施形態において、本溶媒は、第1の構成成分としてのスルホキシドと、第2の構成成分としてのグリコールエーテルと、第3の構成成分としてのN,N−ジメチルプロピオンアミドとからなるか、またはそれらから本質的になるブレンドである。
【0024】
一実施形態において、本溶媒は、第1の構成成分としてのスルホキシドと、第2の構成成分としてのグリコールエーテルと、第3の構成成分としての3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドとからなるか、またはそれらから本質的になるブレンドである。
【0025】
一実施形態において、本溶媒は、第1の構成成分としてのスルホキシドと、第2の構成成分としてのグリコールエーテルと、第3の構成成分としてのトリエチルホスフェートとからなるか、またはそれらから本質的になるブレンドである。
【0026】
一実施形態において、本溶媒は、第1の構成成分としてのDMSOと、第2の構成成分としてのグリコールエーテルと、第3の構成成分としてのN−ホルミルモルホリンとからなるか、またはそれらから本質的になるブレンドである。
【0027】
一実施形態において、本溶媒は、第1の構成成分としてのDMSOと、第2の構成成分としてのグリコールエーテルと、第3の構成成分としてのN,N−ジメチルプロピオンアミドとからなるか、またはそれらから本質的になるブレンドである。
【0028】
一実施形態において、本溶媒は、第1の構成成分としてのDMSOと、第2の構成成分としてのグリコールエーテルと、第3の構成成分としての3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドとからなるか、またはそれらから本質的になるブレンドである。
【0029】
一実施形態において、本溶媒は、第1の構成成分としてのDMSOと、第2の構成成分としてのグリコールエーテルと、第3の構成成分としてのトリエチルホスフェートとからなるか、またはそれらから本質的になるブレンドである。
【0030】
一実施形態において、本溶媒は、第1の構成成分としてのスルホキシドと、第2の構成成分としてのエチレングリコールモノブチルエーテルと、第3の構成成分としてのN−ホルミルモルホリンとからなるか、またはそれらから本質的になるブレンドである。
【0031】
一実施形態において、本溶媒は、第1の構成成分としてのスルホキシドと、第2の構成成分としてのエチレングリコールモノブチルエーテルと、第3の構成成分としてのN,N−ジメチルプロピオンアミドとからなるか、またはそれらから本質的になるブレンドである。
【0032】
一実施形態において、本溶媒は、第1の構成成分としてのスルホキシドと、第2の構成成分としてのエチレングリコールモノブチルエーテルと、第3の構成成分としての3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドとからなるか、またはそれらから本質的になるブレンドである。
【0033】
一実施形態において、本溶媒は、第1の構成成分としてのスルホキシドと、第2の構成成分としてのエチレングリコールモノブチルエーテルと、第3の構成成分としてのトリエチルホスフェートとからなるか、またはそれらから本質的になるブレンドである。
【0034】
一実施形態において、本溶媒は、第1の構成成分としてのDMSOと、第2の構成成分としてのエチレングリコールモノブチルエーテルと、第3の構成成分としてのN−ホルミルモルホリンとからなるか、またはそれらから本質的になる三成分ブレンドである。
【0035】
一実施形態において、本溶媒は、第1の構成成分としてのDMSOと、第2の構成成分としてのエチレングリコールモノブチルエーテルと、第3の構成成分としてのN,N−ジメチルプロピオンアミドとからなるか、またはそれらから本質的になる三成分ブレンドである。
【0036】
一実施形態において、本溶媒は、第1の構成成分としてのDMSOと、第2の構成成分としてのエチレングリコールモノブチルエーテルと、第3の構成成分としての3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドとからなるか、またはそれらから本質的になる三成分ブレンドである。
【0037】
一実施形態において、本溶媒は、第1の構成成分としてのDMSOと、第2の構成成分としてのエチレングリコールモノブチルエーテルと、第3の構成成分としてのトリエチルホスフェートとからなるか、またはそれらから本質的になる三成分ブレンドである。
【0038】
一実施形態において、本溶媒は、第1の構成成分としてのDMSOと、第2の構成成分としてのエチレングリコールモノブチルエーテルと、第3の構成成分としてのN−ホルミルモルホリン及びN,N−ジメチルプロピオンアミドの組み合わせとからなるか、またはそれらから本質的になる四成分ブレンドである。
【0039】
一実施形態において、本溶媒は、第1の構成成分としてのDMSOと、第2の構成成分としてのエチレングリコールモノブチルエーテルと、第3の構成成分としてのN−ホルミルモルホリン及び3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドの組み合わせとからなるか、またはそれらから本質的になる四成分ブレンドである。
【0040】
一実施形態において、本溶媒は、第1の構成成分としてのDMSOと、第2の構成成分としてのエチレングリコールモノブチルエーテルと、第3の構成成分としてのN−ホルミルモルホリン及びトリエチルホスフェートの組み合わせとからなるか、またはそれらから本質的になる四成分ブレンドである。
【0041】
一実施形態において、本溶媒は、第1の構成成分としてのDMSOと、第2の構成成分としてのエチレングリコールモノブチルエーテルと、第3の構成成分としてのN,N−ジメチルプロピオンアミド及び3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドの組み合わせとからなるか、またはそれらから本質的になる四成分ブレンドである。
【0042】
一実施形態において、本溶媒は、第1の構成成分としてのDMSOと、第2の構成成分としてのエチレングリコールモノブチルエーテルと、第3の構成成分としてのN,N−ジメチルプロピオンアミド及びトリエチルホスフェートの組み合わせとからなるか、またはそれらから本質的になる四成分ブレンドである。
【0043】
一実施形態において、本溶媒は、第1の構成成分としてのDMSOと、第2の構成成分としてのエチレングリコールモノブチルエーテルと、第3の構成成分としてのN−ホルミルモルホリン、N,N−ジメチルプロピオンアミド、及び3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドの組み合わせとからなるか、またはそれらから本質的になる五成分ブレンドである。
【0044】
一実施形態において、本溶媒は、第1の構成成分としてのDMSOと、第2の構成成分としてのエチレングリコールモノブチルエーテルと、第3の構成成分としてのN−ホルミルモルホリン、N,N−ジメチルプロピオンアミド、及びトリエチルホスフェートの組み合わせとからなるか、またはそれらから本質的になる五成分ブレンドである。
【0045】
一実施形態において、本溶媒は、第1の構成成分としてのDMSOと、第2の構成成分としてのエチレングリコールモノブチルエーテルと、第3の構成成分としてのN,N−ジメチルプロピオンアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、及びトリエチルホスフェートの組み合わせとからなるか、またはそれらから本質的になる五成分ブレンドである。
【0046】
一実施形態において、本溶媒は、第1の構成成分としてのDMSOと、第2の構成成分としてのエチレングリコールモノブチルエーテルと、第3の構成成分としてのN−ホルミルモルホリン、N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、及びトリエチルホスフェートの組み合わせとからなるか、またはそれらから本質的になる六成分ブレンドである。
【0047】
一実施形態において、本溶媒は、本溶媒の重量に基づく重量パーセント(重量%)で、50〜90重量%の第1の構成成分と、9〜40重量%の第2の構成成分と、1〜30重量%の第3の構成成分とからなるか、またはそれから本質的になる。
【0048】
一実施形態において、本溶媒は、本溶媒の重量に基づく重量パーセント(重量%)で、50〜90重量%のDMSOと、9〜40重量%のエチレングリコールモノブチルエーテルと、第3の構成成分として、1〜30重量%の、N−ホルミルモルホリン、N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、及びトリエチルホスフェートのうちの少なくとも1つとからなるか、またはそれから本質的になる。
【0049】
一実施形態において、本溶媒は、本溶媒の重量に基づく重量パーセント(重量%)で、10〜30重量%の第1の構成成分と、1〜30重量%の第2の構成成分と、70〜90重量%の第3の構成成分とからなるか、またはそれから本質的になる。
【0050】
一実施形態において、本溶媒は、本溶媒の重量に基づく重量パーセント(重量%)で、10〜30重量%のDMSOと、10〜30重量%のエチレングリコールモノブチルエーテルと、第3の構成成分として、70〜90重量%の、N−ホルミルモルホリン、N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、トリエチルホスフェート、N,N−ジメチルアセトアミド;N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジエチルプロピオンアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−エチルアセトアミド、及びN−エチルプロピオンアミドのうちの少なくとも1つとからなるか、またはそれから本質的になる。
【0051】
一実施形態において、本溶媒は、本溶媒の重量に基づく重量パーセント(重量%)で、10〜30重量%のDMSOと、10〜30重量%のエチレングリコールモノブチルエーテルと、第3の構成成分として、70〜90重量%のN,N−ジメチルプロピオンアミドとからなるか、またはそれから本質的になる。
【0052】
一実施形態において、本溶媒は、−25℃未満(<−25℃)、または<−20℃、または<−15℃、または<−10℃の凝固点を有する。一実施形態において、本溶媒は、−25℃以下〜−10℃以上の凝固点を有する。
【0053】
第3の構成成分が、1つ以上の物質からなる(例えば、第3の構成成分が、N−ホルミルモルホリン及びN,N−ジメチルプロピオンアミド及び/または3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド及び/またはトリエチルホスフェートから本質的になる、など)実施形態において、第3の構成成分中の各化合物の量は、幅広くかつ利便性に合わせて変動してもよい。第3の構成成分中の個々の各物質の量は、構成成分の重量に基づいて、0〜100重量%、または1〜99重量%、または10〜90重量%、または20〜80重量%、または30〜70重量%、または40〜60重量%、または50重量%で変動してもよい。
【0054】
本発明の溶媒の操作性にとって本質的ではないが、その中に含まれ得る任意の材料としては、酸化防止剤、着色剤、水捕捉剤、及び安定剤などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの材料は、電子部品を洗浄または剥離するための溶媒の有効性に対して、いかなる物質的影響も有さない。これらの任意の材料は、本溶媒の重量に基づいて、例えば、0.10〜5、または4、または3、または2、または1重量パーセントなどの既知の量で使用され、それらは、既知の方法で使用される。
【0055】
溶媒の調製
本発明の溶媒は、既知の機器及び既知の技術を使用して作製される。本溶媒の個々の構成成分は、市販されており、周囲条件(23℃及び大気圧)で液体であり、かつ従来の混合機器及び標準ブレンドプロトコルを使用して、互いに簡便に混合することができる。構成成分は、同時を含め、任意の順序で互いに添加することができる。
【0056】
溶媒の用途
本発明の溶媒は、エコ溶媒であり、すなわち、それらは、NMPに関連する毒性学的問題を有さないか、または低下したレベルでそれを有する。これらの溶媒は、基板の表面から、汚染物質及び他の不要な物質、具体的には極性汚染物質及び不要な極性物質を洗浄及び/または剥離するのに有用である。
【0057】
一実施形態において、本発明の溶媒は、電子産業において使用されるNMP及び他の極性溶媒の代替品として意図される。したがって、それらは、電子部品及び機器の洗浄及び剥離、ならびに様々な基板(例えば、半導体基板)からのフォトレジストの除去、ならびにポリイミドコーティング機器(例えば、配列層及びフレキシブルディスプレイ基板コーティング機)からのポリアミド酸ポリマー残渣の除去などの操作において、NMP及び他の極性溶媒と同一の様式で使用される。典型的には、これらの方法及びプロセスは、洗浄もしくは剥離される物体もしくは基板、またはフォトレジストもしくはポリアミド酸/ポリイミド残渣が除去される物体もしくは基板を、様々な条件、例えば、周囲条件、昇温もしくは低温、流動もしくは撹拌の有無(例えば、印刷、スピン、浸漬、フラッシュ、振動、シャワー、噴霧など)のうちのいずれかの下、除去されるいかなる材料(例えば、ポリ(アミド酸)/ポリイミド残渣、二無水物、ジアミンなどの汚染物、及びフォトレジストなど)も溶解させるのに十分な時間、溶媒と接触させるステップを含む。その後、この接触ステップの後、典型的には、濯ぎステップ(1回以上、典型的には、脱イオン水などの水性液体による)及び乾燥ステップが続く。−25℃未満の凝固温度を有する溶媒が、電子部品及び機器を洗浄及び/または剥離するプロセスにおける使用に特に好まれ得る。
【0058】
以下の実施例は、本発明の非限定的な説明である。
【実施例】
【0059】
材料
ポリ(アミド酸)、ポリイミドの前駆体:4,4’ジアミノジフェニルエテル・水ピロメリット酸重(Sigma−Aldrichより、NMP中に15〜16重量%溶解)。
【0060】
フォトレジスト:SFP−1400(Merckより)。
【0061】
溶媒:N−ホルミルモルホリン(Accela ChemBioより、98%)、ジメチルスルホキシド(DMSO)(Sinopharmより、99%)、トリエチルホスフェート(Sinopharmより、99%)、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド(BOC Scienceより、98%)、N,N−ジメチルプロピオンアミド(Energy Chemicalより、98%)、及びエチレングリコールモノブチルエーテル(The Dow Chemical Companyより、99%)。
【0062】
溶媒
本溶媒を、NMP、DMF、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドなどのハンセン溶解度パラメータに従って設計した。これらの商業化された溶媒は、ほとんどの電子材料に対して強度の溶解能力を有する。これらの溶媒を、表1に記載する。
【0063】
【表1-1】
【0064】
【表1-2】
【0065】
実施例1〜10及び比較例1〜5のプロトコル
ポリ(アミド酸)溶解:NMP中の4,4’ジアミノジフェニルエテル・水ピロメリット酸重前駆体の溶液を、脱イオン(DI)水または他のNMP不溶性液体と接触させて、NMPから前駆体を抽出する。その後、ポリ(アミド酸)前駆体を54℃で4時間ベークして、いかなる残渣溶媒/液体も蒸発させてから、それを試験溶媒と接触させることによって溶解させる。54℃で12時間後の結果を記録する。
【0066】
フォトレジスト剥離:2ミリリットル(ml)のSFP−1400フォトレジスト溶液を、100ミリメートル(mm)×100mm×1mmのサイズを有するガラス基板の表面上に置く。基板を、毎分500回転数(rpm)の回転速度で10秒間(s)スピンさせて、フォトレジスト溶液を拡散させる。その後、30秒間、回転速度を1000rpmまで加速させて、フォトレジストを均一にコーティングし、余分な溶媒をスピンして取り除く。コーティングした基板を加熱して、溶媒を130℃で10分間(min)蒸発させる。剥離ステップは、容器内に30グラム(g)の実施例を調製する。ベークした基板を、撹拌しながら容器内に置き、最後に、基板からフォトレジストを完全に除去する時間を測定する。
【0067】
結果
ポリ(アミド酸)溶解:各製品の4,4’ジアミノジフェニルエテル・水ピロメリット酸重の溶解度結果を、表2に報告する。各実施例及び比較試料のポリマーの含有量は、20重量%である。性能を、溶液の流動性を通して判定する。2つの実施例、N−ホルミルモルホリン/N,N−ジメチルプロピオンアミド、及びジメチルスルホキシド/N,N−ジメチルプロピオンアミドは、低粘度とともに良好な流動性を呈する。N−ホルミルモルホリン/3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドは、一定の流動性及び好適な粘度を示す。しかしながら、比較試料、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドにおいて、溶液中にゲルが発生し、これは、ポリマーの過飽和を示す。N−メチル−2−ピロリドンについて、試料は流動することはできるものの、その粘度は比較的高い。一般に、商業製品におけるN−メチル−2−ピロリドン中の4,4’ジアミノジフェニルエテル・水ピロメリット酸重の溶解度は、15重量%である。3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドについて、関連する溶解度は、比較的より低い。したがって、実施例のポリ(アミド酸)の溶解力は、比較試料よりも良好である。
【0068】
【表2】
【0069】
フォトレジスト剥離:各組み合わせのフォトレジスト剥離結果を、表3に列挙する。性能を、剥離時間によって評価する。ジメチルスルホキシド/エチレングリコールモノブチルエーテル/N,N−ジメチルプロピオンアミドの実施例は、15秒間以内にコーティングされたフォトレジストをガラス基板から完全に剥離させることができる。他の本発明のジメチルスルホキシド/エチレングリコールモノブチルエーテル系実施例は、フォトレジストを剥離させるのに15〜20秒間を必要とする。水系モノエタノールアミン/ジエチレングリコールブチルエーテル及びモノエタノールアミン/N−メチル−2−ピロリドン比較試料Dongji(KR1403516B1)は、剥離にほぼ30秒間を必要とする。しかしながら、水成分を有さない他の商業的組み合わせ、モノエタノールアミン/ジエチレングリコールブチルエーテルは、比較的緩徐な剥離速度を示す。したがって、実施例は、SFP−1400フォトレジストに対してより良好な剥離性能を持つ。
【0070】
【表3】
【0071】
実施例11〜17及び比較例6〜10のプロトコル
溶媒を、−25℃未満の凝固点、ならびにNMPよりも速いフォトレジスト剥離及びポリアミド酸溶解を有するように設計する。各ブレンド実施例について、各本発明の実施例及び各比較例の詳細な比率を、表4に報告する。
【0072】
【表4-1】
【0073】
【表4-2】
【0074】
ポリアミド酸溶解
ここでは、実施例1〜10及び比較例1〜5の手順を繰り返す。
【0075】
フォトレジスト剥離
ここでは、実施例1〜10及び比較例1〜5の手順を繰り返す。
【0076】
凝固試験
20グラム(20g)の試料を調製し、−25℃の冷蔵庫内で24時間保管した後、試料を液体または固体(凝固)状態について検視する。
【0077】
結果
【0078】
ポリマー酸溶解
各製品の4,4’ジアミノジフェニルエテル・水ピロメリット酸重の溶解度結果を、表5に報告する。各実施例及び比較試料のポリマーの量は、30重量%である。性能を、溶液の粘度により判定する。全てのジメチルスルホキシド/エチレングリコールモノブチルエーテル系溶媒は、ポリアミド酸を完全に溶解させ、良好な粘度を呈することができ、これは、本発明の組み合わせがN−メチル−2−ピロリドンと同等の性能を有することを示す。他の比較試料に関して、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドの関連する溶解度は、比較的より低い。この溶液は、流動が困難である。したがって、本発明の実施例のポリアミド酸の溶解力は、特定の商業製品と比較して良好である。
【0079】
【表5】
【0080】
フォトレジスト剥離
各組み合わせのフォトレジスト剥離結果を、表6に報告する。性能を、剥離時間によって評価する。ジメチルスルホキシド/エチレングリコールモノブチルエステル/N,N−ジメチルプロピオンアミドは、15秒間以内にコーティングされたフォトレジストをガラス基板から完全に剥離させることができる。ジメチルスルホキシド/エチレングリコールモノブチルエステル系実施例は、フォトレジストを剥離させるのに15〜20秒間を必要とする。水系モノエタノールアミン/ジエチレングリコールブチルエーテル及びモノエタノールアミン/N−メチル−2−ピロリドン比較試料は、剥離に30秒間近くを必要とする。しかしながら、水成分を有さない他の商業的組み合わせ、モノエタノールアミン/ジエチレングリコールブチルエーテルは、比較的緩徐な剥離速度を示す。したがって、実施例は、SFP−1400フォトレジストに対してより良好な剥離性能を持つ。
【0081】
【表6】
【0082】
フォトレジスト剥離(凝固)
20グラム(20g)の溶媒試料を、50ミリリットル(50mL)のガラスシリンダ中に置く。溶媒を含有するガラス容器及び温度計を冷蔵庫内に置き、冷蔵庫の温度を−25℃に設定する。試料を、−25℃の冷蔵庫内に12時間保持する。結果を、表7に報告する。溶媒の物理的状態(すなわち、液体または固体)を、ガラスシリンダ中の試料を目視検査することによって決定する。全ての本発明の試料は、液体である。比較例中で、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド及びモノエタノールアミン/ジエチレングリコールブチルエーテルは、液体である。しかしながら、N−メチル−2−ピロリドン、モノエタノールアミン/ジエチレングリコールブチルエーテル/脱イオン水、及びモノエタノールアミン/N−メチル−2−ピロリドン/脱イオン水は、固体である。
【0083】
【表7】
(態様)
(態様1)
(A)スルホキシドからなる第1の構成成分と、
(B)グリコールエーテルからなる第2の構成成分と、
(C)N−ホルミルモルホリン、N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、トリエチルホスフェート、N,N−ジメチルアセトアミド;N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジエチルプロピオンアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−エチルアセトアミド、及びN−エチルプロピオンアミドのうちの少なくとも1つからなる第3の構成成分と、から本質的になる、溶媒。
(態様2)
前記スルホキシドが、DMSOである、態様1に記載の溶媒。
(態様3)
前記グリコールエーテルが、エチレングリコールモノブチルエーテルである、態様1に記載の溶媒。
(態様4)
前記第1の構成成分が、DMSOであり、前記第2の構成成分が、エチレングリコールモノブチルエーテルである、態様1に記載の溶媒。
(態様5)
前記溶媒の重量に基づいて、50〜90重量%の前記第1の構成成分と、9〜40重量%の前記第2の構成成分と、1〜30重量%の前記第3の構成成分と、から本質的になる、態様1〜4のいずれか一項に記載の溶媒。
(態様6)
前記第3の構成成分が、N−ホルミルモルホリンである、態様5に記載の溶媒。
(態様7)
前記第3の構成成分が、N,N−ジメチルプロピオンアミドである、態様5に記載の溶媒。
(態様8)
前記第3の構成成分が、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドである、態様5に記載の溶媒。
(態様9)
前記第3の構成成分が、トリエチルホスフェートである、態様5に記載の溶媒。
(態様10)
前記溶媒の重量に基づいて、10〜30重量%の前記第1の構成成分と、10〜30重量%の前記第2の構成成分と、70〜90重量%の前記第3の構成成分と、から本質的になる、態様1〜4のいずれか一項に記載の溶媒。
(態様11)
前記第3の構成成分が、N,N−ジメチルプロピオンアミドである、態様10に記載の溶媒。
(態様12)
−25℃未満の凝固点を有する、態様1〜11のいずれか一項に記載の溶媒。
(態様13)
基板の表面を洗浄または剥離するためのプロセスであって、前記基板を、
(A)スルホキシドからなる第1の構成成分と、
(B)グリコールエーテルからなる第2の構成成分と、
(C)N−ホルミルモルホリン、N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミド、トリエチルホスフェート、N,N−ジメチルアセトアミド;N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジエチルプロピオンアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−エチルアセトアミド、及びN−エチルプロピオンアミドのうちの少なくとも1つからなる第3の構成成分と、から本質的になる
溶媒に接触させるステップを含む、プロセス。
(態様14)
前記基板が、電子部品であり、前記表面が、汚染物質または金属イオンを含有する、態様13に記載のプロセス。
(態様15)
前記汚染物質が、ポリ(アミド酸)残渣またはポリイミド残渣である、態様13に記載のプロセス。
(態様16)
前記基板が、電子部品であり、前記表面が、フォトレジストを含有する、態様13に記載のプロセス。
(態様17)
前記第1の構成成分が、DMSOである、態様13に記載のプロセス。
(態様18)
前記第2の構成成分が、エチレングリコールモノブチルエーテルである、態様13に記載のプロセス。
(態様19)
前記第1の構成成分が、DMSOであり、前記第2の構成成分が、エチレングリコールモノブチルエーテルである、態様13に記載のプロセス。
(態様20)
前記第3の構成成分が、N,N−ジメチルプロピオンアミドである、態様13に記載のプロセス。
(態様21)
前記溶媒が、前記溶媒の重量に基づいて、10〜30重量%の前記第1の構成成分と、10〜30重量%の前記第2の構成成分と、70〜90重量%の前記第3の構成成分と、から本質的になる、態様13〜20のいずれか一項に記載のプロセス。
(態様22)
前記溶媒が、−25℃未満の凝固点を有する、態様13〜21のいずれか一項に記載のプロセス。