(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載の積層装置であって、前記供給コンベヤは無端状の搬送ベルトを備え、前記往復動部が後進時に前記搬送ベルトを停止し、前記往復動部が前進時に前記搬送ベルトを駆動することを特徴とする、生地の積層装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の積層装置では、帯状生地から生地片を切断してから受取コンベヤ上で重ね合わせるまでに時間がかかり、その間に生地片がシュリンク(縮小)してしまう。そのため、重ね合わせた生地片の幅方向の寸法が揃わず、積層生地は、その両端部分において所要の積層数とならない。そのため、積層数の少ない部分は耳生地と称され、不要な部分として切断しなければならず、耳生地部分が無駄になるという問題がある。
【0006】
本発明は、積層生地の幅寸法を一定に揃えることができる生地片の積層装置および積層方法を提供することを目的とする。
また、生地片が弛んだり波を打つ状態にならず均一に重ね合わせることができる積層装置及び積層方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、帯状生地を搬送する供給コンベヤと、前記帯状生地から
所定の長さの生地片を切断する切断刃を有する切断部と、前記供給コンベヤの下方に配置され
、前記生地片を
前記供給コンベヤの搬送方向と直交する方向へ所定の距離だけ搬送する受取コンベヤを備えた積層装置であって、前記供給コンベヤは
前記帯状生地の搬送方向に往復動する往復動部
と、前記供給コンベヤの先端側の上方に、搬送される前記帯状生地の先端を感知するセンサーとを備え、前記切断刃は前記供給コンベヤの先端で前記帯状生地を切断する構成であ
り、前記センサーから送られる感知信号に基づき前記帯状生地の先端の移動位置を算出し、前記帯状生地の先端が前記受取コンベア上に着地した時点で前記供給コンベヤの搬送を停止し、前記往復動部を前進端位置から所定距離だけ後退させ、前記帯状生地が前記供給コンベヤ上に繋がっている状態で前記帯状生地を徐々に前記受取コンベア上に移載した後、後退端位置で停止させ、前記切断刃が前記供給コンベアの先端で前記帯状生地から前記生地片を切断した後、前記センサーとともに前記往復動部を前記後退端位置から前記前進端位置に前進し、前記センサーを前記帯状生地の新たな先端の下流側へ移動し、前記往復動部の往復動を繰返すことにより、前記生地片が所定距離ずつ位置をずらして重ね合わせられ、幅寸法が前記生地片の所定の長さに揃えて積層するよう前記供給コンベアを制御する制御装置を備えることを特徴とする生地片の積層装置である。
【0008】
また、前記積層装置において、前記切断部は前記往復動部に備えられ、前記往復動部と一体的に搬送方向に往復動することを特徴とする。
【0009】
また、前記積層装置において、前記切断刃はシール面を備えるシールカッターであることを特徴とする。
【0010】
また、前記積層装置において、前記供給コンベヤは前記往復動部の前進端位置と後退端位置を調整可能に構成されたことを特徴とする。
【0013】
また、前記積層装置において、前記受取コンベヤは先端側が低くなるように傾斜して備えられることを特徴とする。
【0014】
また、前記積層装置において、前記供給コンベヤは無端状の搬送ベルトを備え、前記往復動部が後進時に前記搬送ベルトを停止し、前記往復動部が前進時に前記搬送ベルトを駆動することを特徴とする。
【0015】
また、前記積層装置において、前記往復動部は前記供給コンベヤの先端を上下動する先端上下部を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明は生地片の積層方法であって、
(a)
制御装置の指令に基づき供給コンベヤの先端を前進端位置にて待機し、前記供給コンベヤを駆動して帯状生地を搬送する工程、
(b)
搬送される前記帯状生地の先端を前記供給コンベヤの先端側の上方に備えられたセンサーで感知し、その感知信号を前記制御装置に送り、前記帯状生地の先端の移動位置を算出し、前記帯状生地の先端が前記供給コンベヤに備えた往復動部の先端から垂下し、前記往復動部の下方に配置され
、駆動が停止された受取コンベヤ上に着地する工程、
(c)
前記帯状生地の先端が着地した時点で前記制御装置の指令により前記供給コンベヤの搬送を停止するとともに、前記往復動部を後退させて、前記帯状生地の先端から後端に向けて徐々に前記受取コンベヤ上に移載する工程、
(d)前記往復動部を所定距離だけ後退した後、後退端位置で停止する工程、
(e)前記往復動部の先端で前記帯状生地を切断刃にて
所定の長さの生地片に切断し、前記生地片を前記受取コンベヤ上に移載する工程、
(f)
前記センサーとともに前記往復動部を前記後退端位置から前記前進端位置に前進
し、前記センサーを前記帯状生地の新たな先端の下流側へ移動する工程、
(g)前記受取コンベヤを
前記供給コンベヤの搬送方向に直交する方向に駆動し、移載した前記生地片を所定距離だけ搬送する工程、
(h)前記(a)から(g)の工程を複数回繰返し、帯状の積層生地を成形する工程
を含み、
前記帯状生地を先行する前記積層生地に重ね合わせる工程の際、前記帯状生地の先端を前記積層生地の一方の端部と位置合わせし、前記帯状生地が前記供給コンベヤ上に繋がっている状態で前記帯状生地を徐々に前記積層生地に移載し、その後、前記帯状生地から所定の長さの前記生地片を切断することにより、前記積層生地の幅寸法が前記生地片の所定の長さで揃うようにすることを特徴とする、生地片の積層方法である。
【0018】
また、前記生地片の積層方法は、工程(e)において、前記切断部に備えたシール面を備えたシールカッターにて前記帯状生地を切断し、前記帯状生地の内層が前記帯状生地の外層に覆われた生地片を重ね合わせて積層生地を成形することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、生地片を安定して積層することができるので、積層生地の幅寸法を一定に揃えることが可能になる。これにより、耳生地のロスを無くすことが可能になる。また、最終製品の品質や重量精度を向上させる積層生地を提供することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1乃至
図6を参照して、本発明の第1の実施形態に係る積層装置1について説明する。積層装置1は、供給コンベヤ2、受取コンベヤ3、制御装置4を備える。
本実施形態では、
図1に示す様に供給コンベヤ2の搬送方向Xと、受取コンベヤ3の搬送方向Yを平面視において直交して配置した装置として説明する。
供給コンベヤ2の後端側(上流側)には、多層の帯状生地Dを延展する延展装置5が連設されている。また、受取コンベヤ3の先端側(下流側)には、帯状の積層生地DDを次工程に搬送する搬送コンベヤ6が連設されている。
【0022】
供給コンベヤ2は、延展装置5から搬送される帯状生地Dを受取コンベヤ3に搬送供給するベルトコンベヤであり、往復動部11、搬送部12及び搬送ベルト20を備える。供給コンベヤ2の先端(下流端)は、往復動部11の移動により搬送方向Xに沿って前後動する。
ここでは、往復動部11が前後動する範囲において、供給コンベヤ2の先端及び往復動部11が前進した先端位置を前進端位置と称し、後退した後端位置を後退端位置と称することとする。
また、供給コンベヤ2は、箱型の左フレーム14、箱型の右フレーム15、スタンド16、スパン17を備える。左フレーム14及び右フレーム15は、3つのスタンド16上に搬送方向Xに沿って平行に配置される。2つのスパン17は、搬送方向Xの下流側の2ヶ所のスタンド16の間に渡設されている。
【0023】
往復動部11は、本体部21、先端部22、先端上下部23を備える。
本体部21は、左右のサイドプレート25、2つのコンベヤプレート26、リターンプーリ27、往復動プーリ29を備える。2つのサイドプレート25は、前記左フレーム14と右フレーム15の対向する内側に搬送方向Xに沿って平行に配置される。コンベヤプレート26は搬送方向Xに沿って2つ配置され、両端をサイドプレート25に固定されている。リターンプーリ27は後述する支点シャフト35の下方でサイドプレート25に回転自在に支持されている。往復動プーリ29は、リターンプーリ27と同じ高さで、かつ、その上流側に配置され、サイドプレート25に回転自在に支持されている。
【0024】
先端部22は、搬送部31、切断部32を備える。
搬送部31は、支点シャフト35を備える。支点シャフト35の両端は、左右のサイドプレート25に回転自在に軸支されている。また、支点シャフト35は、左右のサイドプレート25の内側において、2つのベースプレート37を回転自在に支持している。更に、支点シャフト35は、2つのベースプレート37の対向する内側で直径が太くなっていて、搬送ベルト20の従動プーリを兼ねている。
対向するベースプレート37の内側には、支点シャフト35の搬送方向Xの先端側に並んでコンベヤプレート38が取り付けられ、先端側にシャフトが固定され先端プーリ39を回転自在に支持している。コンベヤプレート38の上方には、対向するベースプレート37に渡設されたシャフト33にブラケットを介してセンサー34が取り付けられている。センサー34は、帯状生地Dの先端DFを感知するセンサーである。
【0025】
切断部32は切断刃41を備える。切断刃41は、前記先端プーリ39に掛け回された搬送ベルト20との間で帯状生地Dを生地片DSに切断する。
ここで、切断刃41が搬送ベルト20から最も離れた位置(
図5、
図7の状態)を切断刃41の初期位置(初期状態)と称し、切断刃41の刃先41Dが搬送ベルト20に接触し、帯状生地Dを切断する位置(
図11の状態)を切断位置(切断状態)と称することとする。
【0026】
切断刃41は、搬送ベルト20の幅寸法とほぼ同じ長さであり、切断プレート41Aと2つのシールプレート41Bで構成される。シールプレート41Bは切断プレート41Aの両面に取り付けられる。シールプレート41Bは、シール面41Cを有し、シール面41Cが切断プレート41Aの刃先41Dから5mm程度後退した位置に取り付けられる。
切断刃41は、両端の2ヶ所で各アーム52の一端に固定される。アーム52の他端はシャフト51に係止されている。
【0027】
切断部32は、切断刃41を駆動するアクチュエータ42を備える。アクチュエータ42は、例えば流体圧シリンダであって、アクチュエータ42の本体後端部でブラケット43に回転自在に支持されている。ブラケット43は、右側ベースプレート37Bに取り付けられている。アクチュエータ42のロッド先端にはジョイント44が取り付けられている。
右側ベースプレート37Bには支点ピン45が立設され、支点ピン45はアーム46の一端を回転自在に支持している。アーム46の他端は、ピン47でジョイント44と回転自在に連結している。さらに、ジョイント44は、ピン47でアーム48の一端とも回転自在に連結している。アーム48の他端はピン49でアーム50の一端と回転自在に連結している。アーム50の他端は、シャフト51に係止されている。シャフト51は、2つのベースプレート37に回転自在に軸支されている。
【0028】
上述のようなリンク機構を用いた駆動機構とすることで、アクチュエータ42のロッドが伸縮すると、切断刃41がシャフト51を中心として揺動し、切断位置の近辺ではほぼ水平方向に移動する。また、上述の構成では、アクチュエータ42のロッドが縮端から伸端まで移動する間に、切断刃41が初期位置から切断位置を経て初期位置に戻る往復動をする。更に、アクチュエータ42のロッドが伸端から縮端まで移動する工程でも、切断刃41は同様の往復動をする。
これにより、アクチュエータ42のロッドの伸縮速度が一番速い時に生地を切断することになる。従って、切断刃41が帯状生地Dに接する時間を最小にすることが出来るので、切断刃41に帯状生地Dが粘着することを防止出来る。さらにアクチュエータ42のロッドが伸縮する両工程で帯状生地Dの切断が可能なので、生産効率が良くなる。
【0029】
先端上下部23は、左右のベースプレート37の外側にそれぞれ配置され、左右対称に構成される。ここでは、
図1及び
図6を参照して右側に備えられた先端上下部23について説明し、左側の先端上下部23についての説明は省略する。先端上下部23は、スライダ55を備える。スライダ55は、2つのサイドプレート25の対向する内側面に設けられたベース部25Aに穿設された長穴(図示省略)に沿って滑動自在に設けられている。この長穴は、搬送方向Xに沿って延びている。
ベースプレート37の外側には支点ピン56が立設されている。支点ピン56には、ローラ57が回転自在に支持されている。ローラ57は、スライダ55の傾斜面55Aに接している。スライダ55には、ネジシャフト58の先端(
図6における右側)が回転自在に連結されている。ネジシャフト58の後端にはハンドル58Aが取り付けられている。またネジシャフト58のネジ部には、ベース59が螺合され、ベース59はサイドプレート25に取り付けられている。
【0030】
従って、ハンドル58Aを回転させると、スライダ55がベース部25Aの長穴に沿って移動する。ローラ57は、傾斜面55Aに沿って移動するので、先端部22は支点シャフト35を中心に上下に揺動する。これによって、先端プーリ39が受取コンベヤ3に対し接近離反でき、それらの相対距離を調整することが可能になる。
先端プーリ39の位置が決定したら、ロックハンドル60でネジシャフト58の回転を固定し、固定ピン61にてサイドプレート25とベースプレート37を固定する。
【0031】
本実施形態では、ハンドル58Aを手動で回転するように説明したが、例えばハンドル58Aに替えてギヤ等の駆動伝達部材を取り付け、電動モータ等でネジシャフト58を駆動することも可能である。このような構成とすれば、制御装置4にて容易に先端部22の高さ位置を調整することが可能になる。
【0032】
供給コンベヤ2は、前記往復動部11を搬送方向Xに沿って往復動する駆動部24を備える。
2つのサイドプレート25の対向する外側に、それぞれ3つのジョイントプレート65(両側で6つ)を介して、2つのスライドプレート66が固定される。
左フレーム14の内側側面には、レール67が搬送方向Xに沿って取り付けられている。レール67は、断面形状が六角形の棒状部材である。また、右フレーム15の内側側面には、レールプレート68が、搬送方向Xに沿って取り付けられている。レールプレート68は、断面形状が長方形の板状部材である。
【0033】
左側スライドプレート66Aには、2つ一組の鼓形状のローラ69が2組回転自在に支持されている。ローラ69の周面形状は、レール67の六角形の断面形状の二面に一致していて、2つのローラ69がレール67を上下から挟み込むことで、左側スライドプレート66Aはレール67に案内され搬送方向Xに沿って移動する。
右側スライドプレート66Bには、2つ一組の円筒形状のローラ70が2組回転自在に支持されている。2つのローラ70がレールプレート68を上下から挟み込むことでレールプレート68に案内され、右側スライドプレート66Bは、左側スライドプレート68Aと共に移動する。
【0034】
駆動部24は、駆動モータM1を備える。駆動モータM1は、サーボモータのごとき電動のモータである。駆動モータM1は駆動シャフト71の一方の軸端を係止している。駆動シャフト71は、左フレーム14と右フレーム15に回転自在に軸支されている。駆動シャフト71の両端は、駆動プーリ72を係止している。
左フレーム14の内側側面と右フレーム15の内側側面の後端側には、従動ピン73が設けられている。従動ピン73には従動プーリ74が回転自在に支持されている。二組の駆動プーリ72と従動プーリ74には無端状の駆動ベルト75がそれぞれ掛け回されている。各駆動ベルト75には、ブラケット76が係止されていて、ブラケット76は、前記2つのスライドプレート66に固定されている。
【0035】
右フレーム15内には、往復動部11の原点位置を設定するためのセンサー77が取り付けられている。また、センサー77の感知体であるプレート78が駆動ベルト75にブラケット76を介して取り付けられている。
本実施形態では、往復動部11の原点位置は、先端プーリ39の先端と受取コンベヤ3の搬送ベルト91の幅方向の中心線CYとが平面視で重なる位置と設定し、この位置でセンサー77がプレート78を感知する様にプレート78を配置している。
制御装置4は、往復動部11が前後動する往復動距離STを入力すると、前記原点位置を中心に往復動距離STの半分の距離だけ往復動部11が前後に移動した位置を、上述した前進端位置及び後退端位置として決定する。なお、前記原点位置から搬送方向Xの先端側への移動距離と後端側への移動距離を個別に制御装置4に入力することも可能である。このような構成とすることで、生地の種類や状態によって往復動距離ST及び前進端位置、後退端位置を調整することも可能である。
【0036】
上述のように本実施形態では、先端部22の搬送部31と切断部32は2つのベースプレート37に備えられているため、一体的に往復動する構成である。そのため、往復動距離ST及び前進端位置、後退端位置の変更を容易に行うことが可能である。
【0037】
搬送部12は、後端プーリ80、左右のコンベヤフレーム81、駆動プーリ82、従動プーリ84、コンベヤプレート85、キャリアプーリ86、テークアッププーリ87、スナッププーリ88を備える。
コンベヤフレーム81は、後端から搬送方向Xに向かって上方向に傾斜しており、後端に後端プーリ80を回転自在に支持している。コンベヤフレーム81の下流側にキャリアプーリ86が、左フレーム14と右フレーム15に回転自在に支持され、更にキャリアプーリ86の下流側にコンベヤプレート85が水平に設けられている。
【0038】
コンベヤプレート85の下方には、駆動シャフト83が、左フレーム14と右フレーム15に回転自在に軸支されている。駆動シャフト83は駆動プーリ82を係止していて、駆動シャフト83の端部は駆動モータM2を係止している。さらに、駆動シャフト83の軸端には、エンコーダE1が挿嵌されている。駆動プーリ82の上方には、テークアッププーリ87が備えられている。
また、左フレーム14と右フレーム15には、駆動プーリ82の上方にスナッププーリ88が、そして、駆動プーリ82の下流側に従動プーリ84が、それぞれ回転自在に支持されている。
搬送ベルト20は、駆動プーリ82、後端プーリ84、先端プーリ39などの上述した各プーリやコンベヤプレート26、38及び85に掛け回され、駆動モータM2により間欠的に駆動し、帯状生地Dを受取コンベヤ3に搬送する。
【0039】
受取コンベヤ3は、生地片DSを所定距離Lずつずらした位置に重ね合わせて積層した積層生地DDを搬送するコンベヤである。
受取コンベヤ3は、搬送ベルト91、左右のコンベヤフレーム92を備える。
コンベヤフレーム92は、ブラケット95を介してスパン17に取り付けられる。コンベヤフレーム92の搬送方向Yの後端側(上流端側/
図3における左側)には、駆動シャフト94がコンベヤフレーム92に回転自在に軸支されている。駆動シャフト94は、駆動プーリ93と駆動モータM3を係止している。
コンベヤフレーム92の先端側(下流端側)には、先端プーリ96が回転自在に支持され、駆動プーリ93と先端プーリ96の間にはコンベヤプレートが備えられる。搬送ベルト91は、駆動プーリ93、先端プーリ96、コンベヤプレート、従動プーリに掛け回されている。
2つのスパン17は高さを変えて設けられており、受取コンベヤ3は搬送方向Yに向かって下方向に傾斜して設置される。
【0040】
受取コンベヤ3は、生地片DSの移載から、次の生地片DSの移載開始までの間に、所定距離Lだけ搬送ベルト91を運行する。
所定距離Lは、搬送速度VYを制御装置4に入力して決定する。
所定距離Lを変更することで、積層生地の積層数を変更することが出来る。積層数を増やす場合はLを短くし、積層数を減らす場合はLを長くする。つまり、入力する搬送速度VYの値を、積層数を増やす場合は小さくし、積層数を減らす場合は大きくする。
若しくは、制御装置4に積層数を入力し、算出された数値から搬送ベルト91の搬送速度VYを決定することも可能である。
【0041】
受取コンベヤ3の後端部には、下粉散粉機7が備えられており、搬送ベルト91上に粉を散粉する。また、受取コンベヤ3の先端部には、上粉散粉機8が備えられており、搬送される積層生地DDの上面に粉を散粉する。
搬送コンベヤ6は、積層生地DDを後続の成形装置(延展装置、レストコンベヤ等)に搬送するコンベヤである。
【0042】
次に、
図7乃至
図12を参照して、積層装置1による生地片DSの積層工程について説明する。本実施形態では、先行する生地片DSの上面に所定距離Lだけずらした位置に帯状生地Dを重ね合わせ、その最終段階で所定長さDWの生地片DSを切断することで複数の切断片DSが積層した積層生地DDを成形する工程として説明する。
帯状のペストリーやクロワッサン等の生地に扁平状の油脂を載置し、生地の両端を折り畳んで重ね合わせた帯状生地Dを延展装置5にて延展する。延展された帯状生地Dは、延展装置5から供給コンベヤ2の搬送ベルト20上に移載され搬送される。
なお、受取コンベヤ3が搬送ベルト91上に生地片DSを積層した積層生地DDを載置し、前回切断された生地片DSを下流側に距離Lだけ移動して一時的に停止した状態から、次の積層工程について説明する。
【0043】
供給コンベヤ2の往復動部11は、最も下流側に移動した前進端位置に待機している。供給コンベヤ2の先端側に備えられたセンサー34が、搬送される帯状生地Dの先端DFを感知し、その感知信号が制御装置4に送られる。制御装置4は、この感知信号を起点としてエンコーダE1からのパルス信号に基づき、生地先端DFの移動位置を算出し、往復動部11に後退を指令する(
図7参照)。
【0044】
生地先端DFが、供給コンベヤ2の先端(先端プーリ39に掛け回された搬送ベルト20)から垂下し、受取コンベヤ3の搬送ベルト91上に着地する。
搬送ベルト91上には、生地片DSが所定距離Lずつ位置をずらして重ね合わされた積層生地DDが載置されている。積層生地DDの後端部分は、後端に向かって徐々に薄くなる。上述のように受取コンベヤ3は搬送方向Yに向かって、下方向に傾斜して配置されているので、前回切断された生地片DSの上面は、ほぼ水平となる(
図3参照)。したがって、先端プーリ39と次の生地片DSを移載する移載面97は、ほぼ平行になり、供給コンベヤ2の先端から垂下する帯状生地Dの先端DFの左端と右端はほぼ同時に移載面97に着地する(
図8参照)。
【0045】
制御装置4の指令により帯状生地Dの先端DFが移載面97に着地した時点で往復動部11は後退を開始し、供給コンベヤ2の搬送が停止する。
本実施形態では、往復動部11が後退している間は、搬送ベルト20は停止していると説明したが、生産量等の条件によっては搬送ベルト20を停止させなくてもよい。
【0046】
帯状生地Dは、移載面97(先行する生地片DS及び搬送ベルト91の上面)に先端DFから徐々に移載される(
図9参照)。そして、往復動部11が所定の往復動距離STの後退を完了し後退端位置に停止すると(
図10参照)、アクチュエータ42のロッドが縮端から伸端まで伸びて、切断刃41は初期位置から切断位置を経て初期位置に往復する。
切断刃41は、切断位置にて帯状生地Dの先端部から所定長さDWの生地片DSを切断する(
図11参照)。
【0047】
帯状生地Dを切断した後、切断刃41は切断位置から初期位置に復帰し、搬送ベルト20は駆動を開始し、往復動部11は後退端位置から前進を開始し(
図12参照)、前進端位置に復帰する(
図7参照)。
次の切断工程時には、アクチュエータ42のロッドが伸端から縮端に縮んで、切断刃41が初期位置から切断位置を経て初期位置に往復動する。
【0048】
切断刃41は、上述したようにシール面41Cを備えるシールカッターであるので、生地片DSの後端DR及び帯状生地Dの新たな先端DFは、シール面41Cと搬送ベルト20の間で押圧され生地が油脂を覆った状態で切断される。
生地片DSは先端DFと後端DRが生地で油脂を覆った状態になるので、積層生地DDの両端には油脂が現れないことになる。従って、積層生地DDは両端から油脂がはみ出すことが無く粘着が防止され、油脂によって切断刃41や後続の装置を汚すこともない。
【0049】
次の帯状生地Dの移載開始までの間に、受取コンベヤ3の搬送ベルト91は所定距離Lだけ運行し、積層生地DDを移動する。
上述の工程を繰り返し行うことで、切断片DSが所定距離Lずつ位置をずらして重ね合わされた帯状の積層生地DDを成形する。成形された積層生地DDは、受取コンベヤ3から、搬送コンベヤ6に移載され、後続の成形装置(延展装置、レストコンベヤ等)に搬送される。
【0050】
従来の積層装置では、生地片を重ね合わせる前にシュリンクが発生し、積層生地の幅寸法が乱れるという問題があった。しかし、本発明によれば、帯状生地Dを先行する積層生地DDに重ね合わせる工程の際、帯状生地Dの先端DFを先行する積層生地DDの一方の端部と位置合わせすることができる。さらに、移載面97に移載される帯状生地Dは、供給コンベヤ2上の帯状生地Dと繋がっている状態であるため、重ね合わされた帯状生地Dがシュリンクすることはない。その後、帯状生地Dから所定長さDWの生地片DSが切断される。そのため、生地片DSのシュリンクが抑えられることになるので、生地片DSは所定長さDWを保ったまま移載面97に移載され、成形された積層生地DDの幅寸法は所定長さDWで一定に揃うことになる。
また、前述のように先端プーリ39と移載面97はほぼ平行になるように配置されているので、帯状生地Dに弛みや波を打つことがない状態で搬送ベルト91に移載することが可能になり、積層状態の均一な積層生地を成形することが出来る。
【0051】
次に、
図13及び
図14を参照して第2の実施形態に係る積層装置101について説明する。第1の実施形態に係る積層装置1の構成要素と同一機能を奏する構成要素には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
積層装置101は、供給コンベヤ2、受取コンベヤ103、制御装置4を備える。
本実施形態では、
図13に示す様に供給コンベヤ2の搬送方向Xと、受取コンベヤ103の搬送方向Yが平面視において同一方向であり、供給コンベヤ2の搬送ベルト20の幅方向の中心線CXと、受取コンベヤ103の搬送ベルト91の幅方向の中心線CYが平面視において重なるように配置した装置として説明する。
【0052】
受取コンベヤ103のコンベヤフレーム92は、ブラケット105を介してスパン17に取り付けられる。ブラケット105は、スパン17に各々2つずつ取り付けられ、長さが異なっている。その為、コンベヤフレーム92は搬送方向Yに向かって下方向に傾斜して設置される。
本実施形態では、延展装置5にて延展される多層の帯状生地Dは、予め図示しないサーキュラーカッターで両端を切断し、幅寸法を所定の寸法にすることが望ましい。また、サーキュラーカッターはシール面を備えたシールカッターにすることが望ましい。
このような構成とすることで、搬送方向を変えなくても所望の積層生地を成形することが可能になる。
【0053】
次に、
図15を参照して第3の実施形態に係る積層装置201について説明する。第1の実施形態に係る積層装置1の構成要素と同一機能を奏する構成要素には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0054】
積層装置201は、供給コンベヤ202、受取コンベヤ3、制御装置4を備える。
供給コンベヤ202は、先端部22を上下動する先端上下部203を備える。
先端上下部203は、アクチュエータ205を備える。アクチュエータ205は、例えば流体圧シリンダであって、アクチュエータ205の本体後端部でブラケット206に回転自在に支持されている。ブラケット206はサイドプレート25の形状を一部変更したサイドプレート207に取り付けられている。アクチュエータ205のロッド先端にはジョイント208が取り付けられる。ジョイント208は、ベースプレート37の形状を一部変更したベースプレート209に回転自在に連結されている。
【0055】
上記のような構成とすることで、往復動部11が前進端位置から後退端位置までの間は、先端プーリ39を下降して先端プーリ39と搬送ベルト91の落差を最小にし、後退端位置から前進端位置に戻る間は、先端プーリ39を上昇して移載した生地片DSに干渉しないように動作する構成とすることが可能になる。
従って、切断された生地片DSの後端DRが落下する時間を最小にすることが可能で、生地のシュリンクを更に防止することが出来る。
【0056】
本発明の実施形態に基づく積層装置の説明は概ね上記の通りであるが、これに限ることなく、特許請求の範囲において様々な変更が可能である。
例えば、本発明では切断刃41をシールカッターとして説明したが、帯状の生地Dが油脂を重ね合わせた多層の帯状生地でない場合、シールカッターではなく平刃のカッターで構成されても良い。
【0057】
また、上記の実施形態では、供給コンベヤの往復動部と切断部が一体的に往復動する装置として説明したが、往復動部と切断部を別に配置し、別駆動とすることも可能である。このような構成とすることで、往復動する部分が軽量になり往復動速度を上げることが可能になる。この場合は、往復動部の往復動距離を変更した際に、切断部がそれに対応して位置を変更する構成とすることが望ましい。