(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記患者の前記両顎の互いに対する前記咬合接触運動をデジタル方式で決定するステップが、システムが、測定された前記噛み合わせ間の運動を補間するステップを含む、請求項1に記載の方法。
前記方法が、システムが、前記上顎の前記三次元表現、前記下顎の前記三次元表現、前記第1噛み合わせの前記第1三次元表現及び前記第2噛み合わせの前記第2三次元表現をデジタル方式で整列させるステップを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
歯科医学では咬合は歯が接触するときの歯の運動、及び自然歯を模擬的に再現する人工歯配列に関する。
例えば、「オックスフォード歯科医学辞典(Oxford Dictionary of Dentistry)」、第1版、2010年、ISBN978−0−19−953301−5記載の、
咬合:名詞、1.上歯と下歯が接触するときの統合的運動;2.自然歯列を模擬的に再現する人工歯配列
及び、「ドーランド医学図解辞典(Dorland’s illustrated medical dictionary)」第32版、2012年、ISBN978−1−4160−6257−8記載の
咬合:[...]4.歯科医学において(a)運動中の歯の咬合面の接触関係;(b)口の様々な位置に適合し、且つ、人工歯で置き換わる予定の自然歯の目的にかなうような人工歯配列
を参照のこと。
【0003】
人工歯、クラウン、ブリッジ、義歯などのような補修補助具を設計するときは咬合が維持されることが重要である。
咬合が正確でない場合には患者は咬合機能低下、不快感、及び/又は痛みを経験することがあり得、さらには補修補助具がひび割れたり、破損したりすることがあり得る。
【0004】
補修補助具を手作業で設計するときにはいわゆる咬合器の使用が非常に一般的である。
しかしながら、咬合器には様々なモデルとデザインがあり、咬合器全てにとって共通することは咬合器が咬合を模擬的に再現するために使用されることである。
咬合器は上顎のモデルが付いている上部と下顎のモデルが付いている下部を備える。
その上部と下部はある特定の制限内で互いに対して動くことができる。
そのような制限又はそれらの制限の少なくとも幾つかは、使用者による調節を可能にし、且つ、それによって患者の咬合のより良い模擬的な再現の達成を可能にするために多種類の調節可能な咬合器に存在する。
多くの場合に咬合器パラメーターと呼ばれる調節可能な制限は様々な方法で測定され、取得され得る。
そのような咬合器パラメーターの例は上顎と下顎のモデルが回転する咬合器軸であり、その場合にこの軸線に対してそれらのモデルを正確に配置するために顔弓が多くの場合に使用される。
他のそのようなパラメーターは、例えば、顆路指導、ベネット角及びベネットシフトであり得る。
【0005】
しかしながら、歯科医院及び歯科技工室における三次元スキャナーと三次元プリンターの導入に関して、CAD/CAMソフトウェアを使用する歯科用補修補助具の設計は非常に一般的になりつつある。
物理的咬合器を模擬的に再現する仮想咬合器が多数の用途において導入されており、また、仮想咬合器パラメーターを設定及び決定する多くの異なる方法が説明されつつある。
【0006】
例えば、患者の上顎と下顎咬合の軸線を決定し、特にコンピューター処理視覚映像を用いてそのような軸線の周りでの顎の運動をモデル化するための方法と装置を開示している特許文献1を参照されたい。
【0007】
しかしながら、CAD/CAMソフトウェアなどのデジタルツールの導入により非常に様々な方法で咬合を決定することが可能になる。
よって、本明細書は、物理的シミュレーター(物理的咬合器)の咬合をデジタルシミュレーション(仮想咬合器)で模擬的に再現するために、咬合器パラメーターを確立するためのソフトウェアを使用する代わりに実際の患者に特異的な咬合と運動を直接的に推定すること、又はデジタルツールを使用してその咬合と運動を直接的にシミュレートすることに関する。
【0008】
いわゆる電子顔弓も存在する。
電子顔弓は患者の顔に取り付けられ、顎の運動を記録する。
そのような電子顔弓の例はツェブリス・デンタルGmbH社のJMAシステムであり、そのシステムは顎の運動を記録するために超音波を使用する。
しかしながら、そのような電子顔弓は多くの場合は準備するのに時間がかかり、電子顔弓の唯一の用途は顎の運動を検出することであり、それらのことが電子顔弓を取得するには高価なものにしている。
【0009】
よって、本明細書はさらに、歯科医院及び歯科技工室において他の目的のために使用されており、且つ、益々一般的になりつつあるハードウェアを適用及び使用しやすい患者特異的運動を決定する代替的方法に関する。
【発明の概要】
【0011】
患者の歯科用部材を設計する方法であって、
前記患者の上顎の三次元表現を取得するステップと、
前記患者の下顎の三次元表現を取得するステップと、
少なくとも第1咬合における前記患者の両顎の第1噛み合わせの第1三次元表現、及びその第1咬合とは異なる第2咬合における前記患者の両顎の第2噛み合わせの第2三次元表現を取得するステップと、
前記の少なくとも第1三次元表現、前記第2三次元表現及び前記患者の上顎と下顎との間の接触に基づいて前記患者の両顎の互いに対する咬合接触運動をデジタル方式で決定するステップと、
前記患者の顎の互いに対する前記咬合接触運動に基づいて前記歯科用部材をデジタル方式で設計するステップと
を含む前記方法を開示する。
【0012】
結果として、物理的又は空間的に可能な運動又は患者の両顎の運動を少なくとも2通りの噛み合わせに基づいて推定することが可能であるということが利点である。
とりわけ、咬合接触運動は患者への痛みと不快感を避けるために補修補助具と他の歯科用部材を設計するときに維持することが適切であるこの運動であるので、その咬合接触運動を推定することが利点である。
有利なことに、咬合接触運動を記録することができる。
これにより、歯科用部材を設計するためにその運動を視覚化するため、又はその運動を使用するために後で再生することが可能になる。
【0013】
前記噛み合わせは必ずしも上顎と下顎の全咬合を包含する必要は無い。
有利なことに、それらの噛み合わせのそれぞれの三次元表現のためには実際の咬合のうちの一部だけが使用される。
これが時間を節約し、口腔内スキャナーを使用するときに特に有利である。
口腔内スキャナーを用いる現行の方法の適用は本明細書においてさらに考察される。
【0014】
患者の上顎の三次元表現とその患者の下顎の三次元表現を整列させるために噛み合わせのそれぞれの三次元表現を使用することができる。
よって、両顎の咬合接触運動が決定されているときにその咬合接触運動を使用してその運動をモニター上に映像化することができる。
【0015】
そのような整列は当技術分野においてよく知られている。
典型的には、そのような整列は最初の整列とその後の例えばICP(再帰性最近点(Iterative Closest Point))アルゴリズムを使用することによる最適化によって提供される。
さらなる情報については例えばPaul J. BeslとNeil D. McKay、Proc. SPIE誌、第1611巻、Sensor Fusion IV: Control Paradigms and Data Structures、586頁(1992年4月30日)の「Methods for registration of 3−D shapes」を参照されたい。
とりわけ、この整列は、上顎と下顎の互いに対する決定された咬合接触運動に基づいて歯科用部材、例えば、補修補助具又は歯列矯正器具が設計され得るので有利である。
【0016】
1つの実施形態では、歯科用部材が患者に挿入されたとき、決定された咬合接触運動が維持されるようにその歯科用部材を設計すべきであるので、歯科用部材を設計するときの設計基準として患者の両顎の三次元表現の歯を使用することによりこの整列を行うことができる。
【0017】
例えば、咬合接触運動中に患者の顎の三次元表現の歯は、例えば面又は境界をトレースすることにより基準参照を定義するために使用され得、その面又は境界は、咬合接触運動に影響することがなく、且つ、そうして復元作業の後でもその患者に特異的な運動を維持する歯科用部材を設計することができる境界を定義する。
同時に、接触運動を再生し、且つ、補修補助具を調節して運動中のその補修補助具の適正な接触と機能を確実にすることによる、歯科用補修補助具などの要素の適正な接触と機能の設計のために前記咬合接触運動を使用することができる。
【0018】
例えば、設計者は少なくとも1つの接触領域が歯科用部材と基準参照との間に提供されるようにその歯科用部材を設計することができる。
こうして患者の口に挿入されると咬合接触がその歯科用部材及び対する歯又は補修補助具に対して実現する。
補修補助具などの歯科用部材が動的咬合を支援する好適な咬合機能を予定するためにこれを使用することができる。
【0019】
代替的実施形態では、その運動自体を境界として使用することができる。
例えば、歯科用部材が下顎に配置される場合に上顎は、咬合接触運動を再生している間に基本的にその歯科用部材からその咬合接触運動が正確に再生されるのを防いでいる重複物を切除又は削除する固体物体として取り扱われ得る。
あるいは、そのような重複物を、例えば赤色でその重複物に印をつけて特定することができ、それによってその領域を除去すべきか、再設計すべきか決定することが設計者次第になる。
【0020】
表現によって暗示されるように、咬合接触運動は上顎(上あご)の歯と下顎(下あご)の歯との間の少なくとも1つの接触領域が維持されている両顎の運動である。
この運動は多くの場合は動的咬合とも呼ばれる。
【0021】
患者の両顎の互いに対する咬合接触運動を決定又は推定するために例えば、3通り、4通り、5通り、6通り、7通り、8通り、9通り、10通りなどの2通りより多くの異なる噛み合わせが必要とされ得る。
【0022】
3Shape社のTRIOSスキャナーのような口内三次元スキャナーを使用して噛み合わせを記録することができる。
歯科医が患者に上顎と下顎を噛み合わせるように頼み、患者が第1配置で噛み合わせている間に歯科医がその患者の歯のスキャニングを口内スキャナーにより実施して第1三次元表現を取得する。
次に、歯科医が患者に上顎と下顎を再度噛み合わせるように頼み、患者が第2配置で噛み合わせている間に歯科医がその患者の歯のスキャニングを口内スキャナーにより実施して第2三次元表現を取得する。
両顎の互いに対する咬合接触運動の決定のためにより多くの噛み合わせが望ましい、又は必要である場合は歯科医が患者に3回目、4回目、5回目などの咬合を行うように頼み、各咬合についてスキャニングを実施する。
【0023】
1つの実施形態では、咬合接触運動のデジタル方式での決定は一連の連続的な各咬合における患者の顎の噛み合わせの少なくとも2つの三次元表現を含む。
そのような一連の噛み合わせを連続的に撮影することにより、噛み合わせと噛み合わせの間のどのような推定又は補間を行うことも無く、直接的に本当の運動を取得することができる。
【0024】
そのような一連の噛み合わせは、例えば、患者が咬合接触運動で両顎を動かしている間に上記のTRIOSスキャナーなどのスキャナーを患者の歯に対して保持することによって取得され得る。
次に、そのTRIOSを咬合接触運動の間の一連の三次元スキャンを記録するように設定する。
その後、各三次元スキャンを使用して上顎と下顎を整列させることができ、その後では三次元スキャンの連続的記録の間に噛み合わせが取得された順序に対応する順序で上顎と下顎がそれぞれの整列状態で提示され得る。
よって、幾つかの実施形態では、前記方法は口腔内スキャナーを使用して患者の顎の複数の噛み合わせの三次元表現を取得することを含む。
【0025】
このことは、複数の噛み合わせの三次元表現が一連の連続的フレームとして記録される上述したような実施形態において特に有利である。
例えば、それらのフレームを使用して両顎の運動を示すアニメーションを作成することができる。
そのフレームは有利なことに三次元フレーム、すなわち、上顎と下顎が上顎と下顎のそれぞれの噛み合わせに関して整列させられているフレームであり得、それによって上顎と下顎の三次元表現を回転させることができる。
しかしながら、それらのフレームは代替的に二次元像であり得る。
【0026】
特に、1つの実施形態では、所与の用途にとって充分に高い解像度で咬合接触運動を作成するのに充分に短い間隔で噛み合わせの三次元表現を取得する場合、複数の噛み合わせの三次元表現、又は一連の連続的な噛み合わせの三次元表現を使用して咬合接触運動を直接的に決定することができる。
よって、三次元表現の咬合接触運動はビデオストリームとして再生されるように改作されている。
【0027】
また、1つの実施形態では、例えば仮想環境の中で互いに対して動いている上顎と下顎を示すことにより咬合接触運動を再生するとき、速度を変えることができ、例えば咬合接触運動をスローモーションで示すことができる。
【0028】
上で理解されたように、且つ、さらに明確にされるように、そうして本明細書に記載される方法は、口腔内スキャナーが両顎と咬合採得物の三次元表現を取得することができるので、特に有利なことにこの口腔内スキャナーと共に使用される。
また、歯科医又は歯科技工士は他の多くの目的のために口腔内スキャナーを使用し、したがって口腔内スキャナーはその使用において非常に万能になりつつある機器である。
【0029】
歯科医がそれぞれ異なる噛み合わせについて患者の口中で印象材を使用して物理的印象をとることによっても噛み合わせを取得することができる。
次に、それらの異なる噛み合わせの三次元表現を後で取得するためにはそれらの印象を例えば三次元卓上スキャナーでスキャンするべきである。
【0030】
歯科用部材をデジタル方式で設計する方法は通常は、コンピューター上で動く3Shape社のDental System CADソフトウェアなどのソフトウェアCADプログラムを使用して歯科技工士により実施される。
歯科技工士は通常は様々な三次元表現、すなわち、患者の上顎、下顎、第1噛み合わせ及び第2噛み合わせの三次元表現をコンピューターファイルとして取得し、次にこれらのファイルをソフトウェアプログラムに読み込ませることができ、そうしてその患者の両顎の咬合接触運動をソフトウェアプログラムが自動的にデジタル方式で決定するか、又は歯科技工士がデジタル方式で決定することができる。
その後、歯科技工士が歯科用部材を設計することができる、又はその部材はソフトウェアプログラムによって自動的に設計され得る。
【0031】
歯科医が口内三次元スキャナーを使用してスキャニングを実施した場合にはその歯科医から様々な三次元表現をコンピューターファイルとして取得することができる。
物理的印象が作製された場合は、歯科技工士自身が歯科技工室でそれらの印象をスキャンすることができ、次にそのスキャニングによって取得された三次元表現をコンピューターファイルとして取得し、ソフトウェアCADプログラムにおいて使用するためにコンピューターに読み込ませることができる。
前記方法はコンピューター実装方法であり得る。
【0032】
幾つかの実施形態では、患者の両顎の互いに対する咬合接触運動のデジタル方式での決定は測定された噛み合わせと噛み合わせの間の運動を補間することを含む。
【0033】
1つの実施形態では、前記補間は多数のステップにわたる両顎の位置と回転/角度の線形補間である。
ステップの数は咬合採得物の三次元表現の数及び/又は咬合採得物の三次元表現間の距離に基づいて決定され得る。
ステップの数が多くなるほど高い解像度を有する咬合接触運動が得られるが、しかしながら、より大きな処理能力が必要である。
【0034】
幾つかの実施形態では、前記補間は剛体変換の実施を含む。
幾つかの実施形態では、前記補間は線形変換の実施を含む。
幾つかの実施形態では、前記補間は非線形変換の実施を含む。
幾つかの実施形態では、前記補間は線形変換と非線形変換の組合せである。
幾つかの実施形態では、前記変換が平行移動と回転を含む。
幾つかの実施形態では、前記補間は少なくとも第1噛み合わせと第2噛み合わせから既知のデータポイントの範囲内に存在する歯に関して実施される。
【0035】
補間の経路に沿って歯が存在する場合、前記補間は非線形平行移動及び/又は回転である。
言い換えると、歯の衝突が起こること、すなわち、物理的世界であれば不可能であるそれらの三次元表現の領域の重複が補間の際に検出される場合に、適正な接触を確実にするために補間で両顎を移動させることによって重複を回避する。
よって、1つの実施形態では、前記方法は
補間中に患者の上顎の三次元表現の歯とその患者の下顎の三次元表現の歯の重複領域を検出すること、及び
重複領域が検出されなくなるまで前記患者の上顎の三次元表現と前記患者の下顎の三次元表現を離していくこと
をさらに含む。
【0036】
補間するときに重複領域を考慮することで咬合接触運動のさらに好適な推定と、結果として、設計された歯科用部材のより好適なフィット感が提供される。
次に、両顎の三次元表現の間に咬合接触が全く存在しないかが同様の方法で補間の際に検出され得る。
【0037】
よって、1つの実施形態では、前記方法は
患者の上顎の三次元表現の歯とその患者の下顎の三次元表現の歯の間の重複領域が無いことを補間の際に検出すること、及び
少なくとも1つの接触領域が検出されるまで前記患者の上顎の三次元表現と前記患者の下顎の三次元表現を一緒に動かすこと
をさらに含む。
【0038】
それぞれの顎を離していくこと、又は一緒に/互いに向かって動かしていくことは直線的に実行され得る。
しかしながら、回転移動に沿って両顎を閉じたり(一緒に動かす)、開いたり(離していく)することもできる。
これはシステム又は使用者によって設定された初期回転軸線を中心にして実行され得る。
しかしながら、咬合接触運動の決定においてさらに高い正確性を得るために物理的/生物学的モデルに基づいて実行することもできる。
【0039】
幾つかの実施形態では、患者の両顎の咬合接触運動は
前方転位、
後方転位、
外側転位、
外側‐後方転位、
内側転位、及び/又は
イミディエイトサイドシフト
を含む。
【0040】
1つの実施形態では、咬合接触運動はその咬合接触運動が決定された順番で再生される。
例えば、まず咬合採得物の側方三次元表現を取得し、続いて咬合採得物の三次元表現を前方転位の際に取得し、その後に咬合採得物の三次元表現を後方転位の際に取得することによって咬合接触運動が決定された場合、その咬合接触運動は同じ順番で再生される。
咬合接触運動が筋肉の運動、顎の立体配置等のような解剖学のために順番を逆に再生される場合にその運動はわずかに異なることがあり得るので、これにより前記咬合接触運動の正確性が上昇する。
【0041】
しかしながら、幾つかの実施形態では、高い正確性を喪失するリスクがあらゆる順序及び方向で咬合接触運動を再生することができることと交換で許容可能であり得る。
【0042】
幾つかの実施形態では、患者の両顎の咬合接触運動の決定は両顎の運動の極致点を決定することを含む。
幾つかの実施形態では、前記三次元表現のうちの少なくとも1つは患者の両顎の咬合接触運動に対する制約を提供する。
幾つかの実施形態では、前記方法は両顎のどの咬合/運動が記録された噛み合わせによるものであり、両顎のどの咬合/運動が決定された咬合接触運動によるものであるのかを示すことを含む。
【0043】
幾つかの実施形態では、前記噛み合わせは
上歯と下歯のうちの少なくとも幾つかの間で接触がある過蓋咬合、
左方へのライ/スキュー咬合(wry/skew bite)、
右方へのライ/スキュー咬合(wry/skew bite)、及び/又は
歯と両顎が静止期咬合状態にある場合の咬合
を含む。
【0044】
幾つかの実施形態では、前記噛み合わせは1つ以上の咬合面間記録を含み、その場合に前記咬合面間記録は
中心位及び/又は最大咬頭嵌合位、
右側面、
左側面、及び/又は
前方面
を含む。
【0045】
幾つかの実施形態では、前記噛み合わせのうちの少なくとも1つの噛み合わせは前記両顎の前記運動の極値点を含む。
【0046】
幾つかの実施形態では、前記噛み合わせは
最大外側転位、
最大内側転位、
最大イミディエイトサイドシフト、
最大外側‐後方転位、
前記患者の最大前方転位、及び/又は
前記患者の最大後方転位
を含む。
【0047】
幾つかの実施形態では、歯科用部材は患者の両顎の決定された咬合接触運動に基づいて前記患者用に設計される。
幾つかの実施形態では、前記方法は、歯科用部材の設計中にオペレーターが記録された噛み合わせによるものである両顎の咬合/運動の検分と映像化の間を交互する選択肢を有することを含む。
幾つかの実施形態では、前記歯科用部材は歯科用補修補助具又は歯列矯正器具である。
幾つかの実施形態では、前記歯科用補修補助具はクラウン、アバットメント、ブリッジ、総床義歯、部分床義歯、インレー、アンレー等である。
幾つかの実施形態では、前記歯列矯正器具はブレース、アライナー、リテーナー等である。
【0048】
幾つかの実施形態では、前記三次元表現は患者の歯の腔内スキャニングにより、及び/又は前記患者の歯の物理的印象のスキャニングにより、及び/又は前記患者の歯の物理的モデルのスキャニングにより取得される。
幾つかの実施形態では、三次元スキャンを取得することにより前記三次元表現が取得される。
【0049】
幾つかの実施形態では、前記三次元スキャンは患者の歯のセットの少なくとも一部の口内スキャン、前記患者の歯のセットの印象の少なくとも一部のスキャン、及び/又は前記患者の歯のセットの物理的モデルの少なくとも一部のスキャンである。
幾つかの実施形態では、前記三次元スキャンはレーザー光スキャニング、LEDスキャニング、白色光スキャニング、蛍光スキャニング、プローブスキャニング、X線スキャニング、及び/又はCTスキャニングにより実施される。
【0050】
特に、患者の歯科用部材を設計するためのシステムであって、
前記患者の上顎の三次元表現を取得するための手段、
前記患者の下顎の三次元表現を取得するための手段、
少なくとも第1咬合における前記患者の両顎の第1噛み合わせの第1三次元表現、及びその第1咬合とは異なる第2咬合における前記患者の両顎の第2噛み合わせの第2三次元表現を取得するための手段、
前記の少なくとも第1三次元表現、前記第2三次元表現及び前記患者の上顎と下顎との間の接触に基づいて前記患者の両顎の互いに対する咬合接触運動をデジタル方式で決定するための手段、及び
前記患者の顎の互いに対する前記咬合接触運動に基づいて前記歯科用部材をデジタル方式で設計するための手段
を含む前記システムが本明細書において開示される。
【0051】
さらに、本発明はプログラムコード手段がデータプロセッシングシステム上で実行されると前記実施形態のいずれか一つに従う方法をそのデータプロセッシングシステムに実行させるそのプログラムコード手段を備えるコンピュータープログラム製品、及びそのプログラムコード手段を保存したコンピューター読み込み可能媒体を備えるコンピュータープログラム製品に関する。
【0052】
さらに、本発明は患者の歯科用部材のコンピューター援用デジタル設計の実行用に構成されているコンピュータープログラムであって、
前記患者の上顎の三次元表現を取得すること、
前記患者の下顎の三次元表現を取得すること、
少なくとも第1咬合における前記患者の両顎の第1噛み合わせの第1三次元表現、及びその第1咬合とは異なる第2咬合における前記患者の両顎の第2噛み合わせの第2三次元表現を取得すること、
前記の少なくとも第1三次元表現、前記第2三次元表現及び前記患者の上顎と下顎との間の接触に基づいて前記患者の両顎の互いに対する咬合接触運動をデジタル方式で決定すること、及び
前記患者の顎の互いに対する前記咬合接触運動に基づいて前記歯科用部材をデジタル方式で設計すること
を含む前記コンピュータープログラムを保存する非一過性コンピューター読み込み可能媒体に関する。
【発明を実施するための形態】
【0054】
後続の説明において添付されている図面の参照を行う。それらの図面は本発明が実施され得る方法を例示する。
図1は患者の歯科用部材をデジタル方式で設計する方法の流れ図の例を示す。
ステップ101において患者の上顎の三次元表現を取得する。
ステップ102において患者の下顎の三次元表現を取得する。
ステップ103において患者の両顎の第1噛み合わせの少なくとも第1三次元表現とその患者の両顎の第2噛み合わせの第2三次元表現を取得する。
ステップ104において患者の両顎の互いに対する咬合接触運動が少なくとも第1三次元表現と第2三次元表現に基づいてデジタル方式で決定される。
ステップ105において前記歯科用部材は患者の顎の互いに対する咬合接触運動に基づいてデジタル方式で設計される。
【0055】
図2は様々な噛み合わせの例を示す。
図2aは患者の上顎201と下顎202が静止期咬合状態にある場合の噛み合わせ200を示す。
図2bは患者の上顎201の右側の犬歯203が前記患者の下顎202の右側の犬歯204と接触している場合の噛み合わせ200を示す。
図2cは上顎201の前歯206の切縁205が下顎202の前歯208の切縁207と接触している場合の噛み合わせ200を示す。
図2dは両顎201、202の最前方転位と幾らかの外側転位を有する噛み合わせ200を示す。
図2eは同じく両顎201、202の最前方転位と幾らかの外側転位を有するが、その場合に外側転位が
図2dと異なっている噛み合わせ200を示す。
図2fは両顎201、202の強度の後方転位を有する噛み合わせ200を示す。
【0056】
図3は、各咬合における異なる噛み合わせ300、301、302、303、304の5つの三次元表現が取得されており、且つ、患者の両顎の互いに対する運動がこれらの三次元表現の間での補間により決定される実施形態を模式図により示す。
【0057】
運動方向、特に右と左について考察するときにその方向は患者に対してのものであることに、特に
図3、4及び5に関する説明を読むときに要注意である。
しかしながら、画像は観察者が患者に向かい合うように提示されている。よって、患者にとって左であるものは観察者にとっての右であり、その反対も成り立つ。
【0058】
本実施形態において決定される運動は患者の自然咀嚼運動である。多数の噛み合わせにより、その運動が自然運動に対してより正確に決定されることが可能になるが、5通りもの少ない数の噛み合わせでその運動を合理的に得ることが可能である。
【0059】
上顎310と下顎311が中心位咬合状態300である場合の噛み合わせを得る。これが患者の自然咬合である。通常は、これは歯が最大咬合接触状態にある位置でもある。
【0060】
咬合時の顎の側方運動は患者の下顎が左に動かされる左側方噛み合わせ302及び患者の下顎が右に動かされる右側方噛み合わせ301と共に中心位咬合を使用して決定され得る。
次に、その側方運動は右側方噛み合わせ301と中心位咬合300との間、及び中心位咬合300と左側方噛み合わせ302との間を補間することにより決定される。
【0061】
その補間は線形であり得る。
しかしながら、歯列弓の運動は通常は曲線運動を定義する。
よって、側方運動は側方曲線305に沿って補間することにより決定され得る。
補間経路/曲線305、308、312は好ましくは患者の顎の典型的な運動から得られる平均運動を定義する。
【0062】
前記システムが補間するとき、そのシステムは下顎と上顎の歯の間の咬合接触をチェックすることができる。
上顎と下顎の歯は側方線に沿って運動した場合に重複することをそのシステムが見出した場合にその運動は両顎を開き、歯が接触を維持するが、重複しない。
同様に、歯の間に接触が無い、例えば、顎が開いていることをそのシステムが見出した場合にその運動は接触が起こるまで上顎と下顎を一緒に閉じる。
このことは
図4a〜4c及び
図5a〜5cにおいてさらに例示される。
【0063】
両顎の開放と閉鎖は直線運動であり得る。
しかしながら、両顎の開放と閉鎖は初期軸線の周りでの回転でもあり得る。
初期軸線はコンピューターにより初期値として設定され得、使用者によって設定され得、又は他の場合では決定され得る。
したがって、前記システムが咬合接触を維持しながら側方曲線305に沿って噛み合わせ間を補間すると側方運動306が決定される。
【0064】
同様に、下顎が後退させられている後方噛み合わせ303への中心位咬合からの後方運動である後方転位307は後方転位曲線308に沿って上記のように補間することによって決定され得る。
さらに同様に、中心位咬合から前方噛み合わせ304への上顎に対する下顎の前方運動である前方転位309も前方転位曲線312に沿って記載されたように補間することによって決定され得る。
【0065】
決定された咬合運動から分かるように、咬合運動は、側方運動であれ、後方運動であれ、又は前方運動であれ、補間線から逸脱し得る。
しかしながら、噛み合わせの各三次元表現を表すそれぞれの点は周知の位置であるので、それらの補間線はこれらの点を通過する。
正確性の改善のためには噛み合わせのさらなる三次元表現を得てよく、このことは以前に言及されてもいる。
【0066】
図4及び5に関して、前記方法が補間の際に重複とギャップを考慮に入れる方法が一層さらに考察される。
図4aは患者の上顎310の三次元表現と患者の下顎311の三次元表現が中心位咬合状態300にある場合の噛み合わせの三次元表現を示す。
図4bは、下顎311が矢印によって示されるように右側方向に動かされる場合の実際の患者特異的運動を示す。
図4bは中心位咬合と右側方噛み合わせ301との間の側方運動の際の上顎と下顎の配置を示す。
その運動は上顎と下顎の歯の間の少なくとも1つの接触点を維持しながら実行される。
それらの接触点は示されている断面に必ずしも存在しなくてよいが、第1三次元歯モデルにおける他の歯と歯の間で生じ得る。
しかしながら、本事例では接触点350は2本の臼歯337と327との間に存在する。
【0067】
その後に、下顎311は
図4cに示されるように中心位咬合300から左側方噛み合わせ302に向かって左側方向に動かされる。
図4bと同様に、
図4cは接触点351が2本の臼歯317と347との間に存在する場合の上顎と下顎の相対的位置を示す。
図4a、4b及び4cは実際の患者特異的運動の際の上顎と下顎のそれぞれの相対的位置を示す。
側方運動の際に、又は他の運動、例えば、前方転位又は後方転位の際にも他の点、他の領域において他のそのような断面図を得ることができるだろう。
【0068】
しかしながら、
図5a、5b及び5cに示されるように、補間を使用して患者に特異的な運動、すなわち、咬合接触運動を決定するときには補正が必要であり得る。
図5aは上顎と下顎が中心位咬合状態300にある噛み合わせを示す。
この噛み合わせはその位置について記録されたように
図4aと同一である。
【0069】
しかしながら、中心位咬合噛み合わせと右側方噛み合わせ301との間で補間すると、
図4bにおいて示される位置に相当する
図5bに示されるように、臼歯327と337との間で重複352が検出される。
よって、この重複を補償するため、重複領域が無くなるまで、しかしそこまでしても咬合接触が存在する程度にまで両顎を離していく。
同様に、
図4cにおける位置に相当する
図5cに示されるように、補間の結果、上顎と下顎の間に接触が存在しない。
よって、三次元表現が重複しない程度であるが咬合接触が得られるまで両顎を一緒に動かす。
【0070】
図6に関して、歯科用部材の設計に咬合接触運動をどのように使用することができるかが説明されている。
第1三次元歯モデルが咬合接触運動602に従うときにその三次元歯モデルの歯601の先端をトレースすることによってトレース面600を作成する。
次にそのトレース面を歯科用部材の設計のための基準参照として使用することができる。
例えば、トレース面600は、歯科用部材がそのトレース面を貫通し、そうして患者によって行われる実際の患者特異的咬合接触運動を妨げる場合にその歯科用部材を切除するための切除面として使用され得る。
図5では1本の歯601を用いただけで示されているが、前記トレース面は通常はそれぞれの顎における各歯のトレース線又はトレース面の合計である。
【0071】
幾つかの実施形態を詳細に記述及び説明してきたが、本発明はそれらの実施形態に限定されず、後続の特許請求の範囲において定義される内容の範囲内の他の方法でも実現され得る。
特に、他の実施形態を利用してよく、且つ、本発明の範囲から逸脱することなく構造的改変及び機能的改変を行ってよいことが理解されるべきである。
【0072】
幾つかの手段を列挙する装置クレームでは、これらの手段のうちの幾つかは同一のハードウェア物品によって実現され得る。
ある特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されている、又は異なる実施形態に記載されているという単なる事実でこれらの手段の組合せを活用することができないことは表されない。
【0073】
ある請求項は前掲の請求項のいずれかを指してよく、「いずれか」は前掲の請求の「いずれか1つ以上」を意味すると理解される。
【0074】
本明細書において「備える(含む)/備えている(含んでいる)(comprises/comprising)」という用語が使用されるとき、その用語は記載された特徴、完全体、ステップ、又は要素の存在を明示するために採用されるが、1つ以上の他の特徴、完全体、ステップ、要素、又はそれらの群の存在又は追加を排除しないと理解されることが強調されるべきである。
【0075】
上記及び後続の方法の特徴はソフトウェアに実装され得、且つ、コンピューター実行可能指令の実行によってデータプロセッシングシステム又は他のプロセッシング手段の上で実行され得る。
それらの指令は記憶媒体から、又は別のコンピューターからコンピューターネットワークを介してメモリ、例えば、RAMに読み込まれるプログラムコード手段であり得る。
あるいは、記載された特徴は、ソフトウェアの代わりに、又はソフトウェアと組み合わせてハードワイヤード回路(hardwired circuitry)によって実装され得る。
【0076】
<実施形態>
後続の一連の実施形態は本発明を限定すると読解されるべきではなく、一連の有利な実施形態及び例として理解されるべきである。
【0077】
1. 患者の歯科用部材を設計する方法であって、
前記患者の上顎の三次元表現を取得するステップと、
前記患者の下顎の三次元表現を取得するステップと、
少なくとも第1咬合における前記患者の両顎の第1噛み合わせの第1三次元表現、及び前記第1咬合とは異なる第2咬合における前記患者の両顎の第2噛み合わせの第2三次元表現を取得するステップと、
前記の少なくとも第1三次元表現、前記第2三次元表現及び前記患者の上顎と下顎との間の接触に基づいて前記患者の両顎の互いに対する咬合接触運動をデジタル方式で決定するステップと、
前記患者の顎の互いに対する前記咬合接触運動に基づいて前記歯科用部材をデジタル方式で設計するステップと
を含む、ことを特徴とする方法。
【0078】
2. 前記咬合接触運動をデジタル方式で決定するステップが一連の連続的な各咬合における前記患者の両顎の噛み合わせの少なくとも2つの三次元表現を含む、実施形態1に記載の方法。
3. 前記方法が、口腔内スキャナーを使用して前記一連の連続的な各咬合における前記患者の両顎の噛み合わせの少なくとも2つの三次元表現を取得するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
4. 前記方法が、噛み合わせの前記三次元表現が一連の連続的なフレームとして記録されるステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の方法。
5. 前記方法が、前記患者の顎の複数の噛み合わせの三次元表現を取得するステップを含み、前記三次元表現がビデオストリームとして再生されるように改作されている、実施形態2、3又は4に記載の方法。
【0079】
6. 前記患者の両顎の互いに対する前記咬合接触運動をデジタル方式で決定するステップが前記の測定された噛み合わせと噛み合わせの間の運動を補間するステップを含む、実施形態1に記載の方法。
7. 前記患者の両顎の互いに対する咬合接触運動をデジタル方式で決定するステップが前記の測定された噛み合わせと噛み合わせの間の運動を補間するステップを含む、実施形態6に記載の方法。
8. 前記補間が剛体変換の実施を含む、実施形態6又は7に記載の方法。
9. 前記補間が線形変換の実施を含む、実施形態6、7又は8に記載の方法。
10. 前記補間が非線形変換の実施を含む、実施形態6、7又は8に記載の方法。
11. 前記補間が線形変換と非線形変換の組合せである、実施形態6、7又は8に記載の方法。
12. 前記変換が平行移動と回転を含む、実施形態6から11のいずれか一つに記載の方法。
13. 前記補間が少なくとも前記第1噛み合わせと前記第2噛み合わせから既知のデータポイントの範囲内に存在する歯に関して実施される、実施形態6から12のいずれか一つに記載の方法。
【0080】
14. 前記方法が
補間中に前記患者の上顎の前記三次元表現の歯と前記患者の下顎の前記三次元表現の歯の重複領域を検出するステップと、
重複領域が検出されなくなるまで前記患者の上顎の前記三次元表現と前記患者の下顎の前記三次元表現を離していくステップ
をさらに含む、実施形態6から13のいずれか一つに記載の方法。
15. 前記方法が、前記患者の両顎の第3噛み合わせの第3の三次元表現を取得するステップ、をさらに含む、実施形態1から14のいずれか一つに記載の方法。
16. 前記方法が、少なくとも前記上顎の前記三次元表現、前記下顎の前記三次元表現、前記第1噛み合わせの前記第1三次元表現及び前記第2噛み合わせの前記第2三次元表現をデジタル方式で整列させるステップを含む、
実施形態1から15のいずれか一つに記載の方法。
【0081】
17. 前記患者の両顎の前記咬合接触運動が
前方転位、
後方転位、
外側転位、
外側‐後方転位、
内側転位、及び/又は
イミディエイトサイドシフト
を含む、実施形態1から16のいずれか一つに記載の方法。
18. 前記患者の両顎の前記咬合接触運動の決定が前記両顎の運動の極致点を決定するステップを含む、実施形態1から17のいずれか一つに記載の方法。
19. 前記三次元表現のうちの少なくとも1つが前記患者の両顎の前記咬合接触運動に対する制約を提供する、実施形態1から18のいずれか一つに記載の方法。
20. 前記方法が、前記両顎のどの運動が記録された噛み合わせによるものであり、前記両顎のどの運動が前記の決定された咬合接触運動によるものであるのかを示すステップを含む、実施形態1から19のいずれか一つに記載の方法。
21. 前記咬合接触運動が決定された順番で前記咬合接触運動が再生される、実施形態1から20のいずれか一つに記載の方法。
【0082】
22. 前記噛み合わせが
上歯と下歯のうちの少なくとも幾つかの間で接触がある過蓋咬合、
左方へのライ/スキュー咬合(wry/skew bite)、
右方へのライ/スキュー咬合(wry/skew bite)、及び/又は
歯と両顎が静止期咬合状態にある場合の咬合
を含む、実施形態1から21のいずれか一つに記載の方法。
【0083】
23. 前記噛み合わせが1つ以上の咬合面間記録を含み、その場合に前記咬合面間記録が、
中心位及び/又は最大咬頭嵌合位、
右側面、
左側面、及び/又は
前方面
を含む、実施形態1から22のいずれか一つに記載の方法。
【0084】
24. 前記噛み合わせのうちの少なくとも1つの噛み合わせが前記両顎の前記運動の極値点を含む、実施形態1から23のいずれか一つに記載の方法。
【0085】
25. 前記噛み合わせが
最大外側転位、
最大内側転位、
最大イミディエイトサイドシフト、
最大外側‐後方転位、
前記患者の最大前方転位、及び/又は
前記患者の最大後方転位
を含む、実施形態1から24のいずれか一つに記載の方法。
【0086】
26. 前記歯科用部材が前記患者の両顎の決定された咬合接触運動に基づいて前記患者用に設計される、実施形態1から25のいずれか一つに記載の方法。
27. 前記方法が、前記歯科用部材の設計中にオペレーターが記録された噛み合わせによるものである前記両顎の前記咬合/運動の検分と映像化の間を交互する選択肢を有することを含む、実施形態1から26のいずれか一つに記載の方法。
28. 前記歯科用部材が歯科用補修補助具又は歯列矯正器具である、実施形態1から27のいずれか一つに記載の方法。
29. 前記歯科用補修補助具がクラウン、アバットメント、ブリッジ、総床義歯、部分床義歯、インレー、アンレー等である、実施形態1から28のいずれか一つに記載の方法。
30. 前記歯列矯正器具がブレース、アライナー、リテーナー等である、実施形態1から29のいずれか一つに記載の方法。
【0087】
31. 前記三次元表現が前記患者の歯の腔内スキャニングにより、及び/又は前記患者の歯の物理的印象のスキャニングにより、及び/又は前記患者の歯の物理的モデルのスキャニングにより取得される、実施形態1から30のいずれか一つに記載の方法。
32. 三次元スキャンを取得することにより前記三次元表現が取得される、実施形態1から31のいずれか一つに記載の方法。
33. 前記三次元スキャンが前記患者の歯のセットの少なくとも一部の口内スキャン、前記患者の歯のセットの印象の少なくとも一部のスキャン、及び/又は前記患者の歯のセットの物理的モデルの少なくとも一部のスキャンである、実施形態1から32のいずれか一つに記載の方法。
34. 前記三次元スキャンがレーザー光スキャニング、LEDスキャニング、白色光スキャニング、蛍光スキャニング、プローブスキャニング、X線スキャニング、及び/又はCTスキャニングにより実施される、実施形態1から33のいずれか一つに記載の方法。
【0088】
35. 前記咬合接触運動が前記歯科用部材を設計するときの設計基準として使用される基準参照を定義する、実施形態1から34のいずれか一つに記載の方法。
36. 前記の少なくとも1つの接触面が前記歯科用部材と前記基準参照との間に提供される、実施形態35に記載の方法。
37. 前記咬合接触運動が前記歯科用部材を設計するときの設計基準としてのトレース面を定義する、実施形態35又は36に記載の方法。
38. 前記トレース面が前記歯科用部材を切除して整えるための切除平面として使用される、ことを特徴とする請求項37に記載の方法。
39. 前記歯科用部材の少なくとも一部が前記トレース面まで切除される、ことを特徴とする請求項37に記載の方法。
【0089】
40. プログラムコード手段がデータプロセッシングシステム上で実行されると前記請求項のいずれか一項に記載の方法を前記データプロセッシングシステムに実行させる前記プログラムコード手段を備えるコンピュータープログラム製品。
【0090】
41. 前記プログラムコード手段を保存したコンピューター読み込み可能媒体を備える前記実施形態に記載のコンピュータープログラム製品。
【0091】
42. 前記請求項のいずれか一項以上の方法を実施することによる患者の歯科用部材のコンピューター援用デジタル設計の実行用に構成されているコンピュータープログラムを保存する非一過性コンピューター読み込み可能媒体。
【0092】
43. 患者の歯科用部材を設計するためのシステムであって、
前記患者の上顎の三次元表現を取得するための手段、
前記患者の下顎の三次元表現を取得するための手段、
少なくとも第1咬合における前記患者の両顎の第1噛み合わせの第1三次元表現、及び前記第1咬合とは異なる第2咬合における前記患者の両顎の第2噛み合わせの第2三次元表現を取得するための手段、
前記の少なくとも第1三次元表現、前記第2三次元表現及び前記患者の上顎と下顎との間の接触に基づいて前記患者の両顎の互いに対する咬合接触運動をデジタル方式で決定するための手段、及び
前記患者の顎の互いに対する前記咬合接触運動に基づいて前記歯科用部材をデジタル方式で設計するための手段
を含む前記システム。