特許第6871232号(P6871232)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6871232新規結合ドメイン含有ポリペプチドおよびその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871232
(24)【登録日】2021年4月19日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】新規結合ドメイン含有ポリペプチドおよびその使用
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/00 20060101AFI20210426BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20210426BHJP
   C40B 40/10 20060101ALI20210426BHJP
   C40B 50/06 20060101ALI20210426BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20210426BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20210426BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20210426BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20210426BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20210426BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20210426BHJP
   C12N 5/0783 20100101ALI20210426BHJP
   C12N 7/01 20060101ALI20210426BHJP
   A61K 38/16 20060101ALI20210426BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20210426BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   C07K14/00ZNA
   C07K19/00
   C40B40/10
   C40B50/06
   C12N15/62 Z
   C12N15/63 Z
   C12N1/15
   C12N1/19
   C12N1/21
   C12N5/10
   C12N5/0783
   C12N7/01
   A61K38/16
   A61K35/17 Z
   A61P35/00
【請求項の数】38
【全頁数】169
(21)【出願番号】特願2018-503725(P2018-503725)
(86)(22)【出願日】2016年4月4日
(65)【公表番号】特表2018-516092(P2018-516092A)
(43)【公表日】2018年6月21日
(86)【国際出願番号】US2016025868
(87)【国際公開番号】WO2016164305
(87)【国際公開日】20161013
【審査請求日】2019年3月28日
(31)【優先権主張番号】62/143,772
(32)【優先日】2015年4月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517350377
【氏名又は名称】サブドメイン リミテッド ライアビリティ カンパニー
(73)【特許権者】
【識別番号】517350388
【氏名又は名称】アーセルクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ラフレール デビッド ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ヒルベルト デビッド エム.
【審査官】 小林 薫
(56)【参考文献】
【文献】 Trends Biotechnol., 2005, Vol.23, No.10, pp.514-522
【文献】 FEBS J., 2008, Vol.275, pp.2668-2676
【文献】 Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol., 2015, Vol.55, pp.489-511(国会図書館受入:2015.05.07)
【文献】 Proc. Natl. Acad. Sci., 1999, Vol.96, pp.5486-5491
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00−15/90
C07K 1/00−19/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/WPIDS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
MGSWX5X6FKX9X10LAX13IKX16X17LEALGGSEAELAX30FEX33X34IAX37FEX40X41LQX44YKGKGNPEVEALRKEAAAIRDELQAYRHN (配列番号2)、
MGSWAEFKQRLAAIKTRLEALGGSEAELAAFX32X33EIX36AFX39X40ELX43AYKGKGNPEVEALX57X58EAX61AIX64X65ELX68AYRHN (配列番号3)、
MGSWX5EFX8X9RLX12AIX15X16RLX19ALGGSEAELAAFEKEIAAFESELQAYKGKGNPEVEX55LRX58X59AAX62IRX65X66LQAYRHN (配列番号4)、
MGSWX5X6FKX9X10LAX13IKX16X17LEALGGSEAELAAFX32X33EIX36AFX39X40ELX43AYKGKGNPEVEX55LRX58X59AAX62IRX65X66LQAYRHN (配列番号5)、
MGSWX5EFX8X9RLX12AIX15X16RLX19ALGGSEAELAX30FEX33X34IAX37FEX40X41LQX44YKGKGNPEVEALX57X58EAX61AIX64X65ELX68AYRHN (配列番号6)、
MGSWX5X6FKX9X10LAX13IKX16X17LEALZ1EAELAX28FEX31X32IAX35FEX38X39LQX42YZ2NPEVEALRKEAAAIRDELQAYRHN (配列番号7)、
MGSWAEFKQRLAAIKTRLEALZ1EAELAAFX30X31EIX34AFX37X38ELX41AYZ2NPEVEALX52X53EAX56AIX59X60ELX63AYRHN (配列番号8)、
MGSWX5EFX8X9RLX12AIX15X16RLX19ALZ1EAELAAFEKEIAAFESELQAYZ2NPEVEX50LRX53X54AAX57IRX60X61LQAYRHN (配列番号9)、
MGSWX5X6FKX9X10LAX13IKX16X17LEALZ1EAELAAFX30X31EIX34AFX37X38ELX41AYZ2NPEVEX50LRX53X54AAX57IRX60X61LQAYRHN (配列番号10)、または
MGSWX5EFX8X9RLX12AIX15X16RLX19ALZ1EAELAX28FEX31X32IAX35FEX38X39LQX42YZ2NPEVEALX52X53EAX56AIX59X60ELX63AYRHN (配列番号11)
のアミノ酸配列を含む、標的結合ポリペプチドであって、
(a)Xnが天然アミノ酸または非天然アミノ酸であり、
(b)Z1およびZ2が、2〜30個の天然アミノ酸または非天然アミノ酸を含み、
(c)標的結合ポリペプチドが、関心対象の標的に特異的に結合し、該標的結合ポリペプチドと該関心対象の標的との特異的結合が、配列番号1のアミノ酸配列を含む参照ポリペプチドと該関心対象の標的との結合より強く、
(d)標的結合ポリペプチドが、配列番号50のアミノ酸配列を含まない、
標的結合ポリペプチド。
【請求項2】
配列番号4のアミノ酸配列を含む、請求項1記載の標的結合ポリペプチド。
【請求項3】
Xnが、システインでもプロリンでもない、請求項1または2記載の標的結合ポリペプチド。
【請求項4】
関心対象の標的ががん抗原である、請求項1〜3のいずれか一項記載の標的結合ポリペプチド。
【請求項5】
前記がん抗原が、PD-L1、CD137、またはCD123である、請求項4記載の標的結合ポリペプチド。
【請求項6】
(a)関心対象の標的がPD-L1であり、標的結合ポリペプチドが配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、配列番号42、配列番号43、および配列番号44 からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、
(b)関心対象の標的がCD137であり、標的結合ポリペプチドが、配列番号:12、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、および配列番号19からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、
(c)関心対象の標的がCD123であり、配列番号92〜127からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、または
(d)関心対象の標的がCD123であり、標的結合ポリペプチドが、(c)の標的結合ポリペプチドとCD123との結合において競合する
請求項5記載の標的結合ポリペプチド。
【請求項7】
リンカーペプチドによってつなげられた3つの逆平行αへリックスを含む、新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)であって、
(a)該DBDppが、配列番号1のアミノ酸配列に対する改変に由来する合成ペプチドであり、該改変が、配列番号1の位置1〜6、8〜10、12、13、15〜17、19、20〜27、29、30、32〜34、36、37、39〜41、43〜52、54、55、57〜59、61、62、64〜66、および68〜73から選択される1〜30個の保存的または非保存的アミノ酸置換からなり
(b)該DBDppが関心対象の標的に特異的に結合し、該DBDppと該関心対象の標的との特異的結合が、配列番号1のアミノ酸配列を含む参照ポリペプチドと該関心対象の標的との結合より強く、
(c)該DBDppが、配列番号50のアミノ酸配列を含まない、
新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)。
【請求項8】
前記改変が、配列番号1の位置2〜6、8〜10、12、13、15〜17、19、20、29、30、32〜34、36、37、39〜41、43、44、52、54、55、57〜59、61、62、64〜66、68、69、および70から選択される1〜30個の保存的または非保存的アミノ酸置換からなる、請求項7記載の新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)。
【請求項9】
MGSWX5X6FKX9X10LAX13IKX16X17LEALGGSEAELAX30FEX33X34IAX37FEX40X41LQX44YKGKGNPEVEALRKEAAAIRDELQAYRHN (配列番号2)、
MGSWAEFKQRLAAIKTRLEALGGSEAELAAFX32X33EIX36AFX39X40ELX43AYKGKGNPEVEALX57X58EAX61AIX64X65ELX68AYRHN (配列番号3)、
MGSWX5EFX8X9RLX12AIX15X16RLX19ALGGSEAELAAFEKEIAAFESELQAYKGKGNPEVEX55LRX58X59AAX62IRX65X66LQAYRHN (配列番号4)、
MGSWX5X6FKX9X10LAX13IKX16X17LEALGGSEAELAAFX32X33EIX36AFX39X40ELX43AYKGKGNPEVEX55LRX58X59AAX62IRX65X66LQAYRHN (配列番号5)、または
MGSWX5EFX8X9RLX12AIX15X16RLX19ALGGSEAELAX30FEX33X34IAX37FEX40X41LQX44YKGKGNPEVEALX57X58EAX61AIX64X65ELX68AYRHN (配列番号6)
のアミノ酸配列を含み、
Xnが天然アミノ酸または非天然アミノ酸である、
請求項7または8記載のDBDpp。
【請求項10】
CD123(配列番号187)のアミノ酸19〜305を含むタンパク質またはCD123と少なくとも95%同一であるタンパク質に特異的に結合する、請求項7〜9のいずれか一項記載のDBDpp。
【請求項11】
DBDppが以下(a)〜(e)の1つまたは複数によって特徴付けられる、請求項10記載のDBDpp:
(a)該DBDppが、CD123(配列番号187)のアミノ酸19〜305を含む該タンパク質またはCD123と少なくとも95%同一である該タンパク質に、10-4M〜10-12Mの解離定数(KD)で結合する、
(b)該DBDppが、
MGSWX5EFX8X9RLX12AIX15X16RLX19ALGGSEAELAAFEKEIAAFESELQAYKGKGNPEVEX55LRX58X59AAX62IRX65X66LQAYRHN (配列番号4)
のアミノ酸配列を含み、ここで、Xnが天然アミノ酸または非天然アミノ酸である、
(c)該DBDppが、
MGSWX5EFX8X9RLX12AIX15X16RLX19ALGGSEAELAAFEKEIAAFESELQAYKGKGNPEVEX55LRX58X59AAX62IRX65X66LQAYRHN (配列番号4)
のアミノ酸配列を含み、ここで、Xnが天然アミノ酸または非天然アミノ酸であり、かつXnがシステインでもプロリンでもない、
(d)該DBDppが、配列番号60〜配列番号136のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、および
(e)該DBDppが、腫瘍に結合することができる。
【請求項12】
請求項7〜11のいずれか一項記載の第1および第2のDBDppを含む融合タンパク質であって、該第1および第2のDBDppが腫瘍標的に対して結合特異性を示し、任意で該第1および第2のDBDppが、異なる腫瘍標的に対して結合特異性を示す、融合タンパク質。
【請求項13】
標識されている、請求項1〜6のいずれか一項記載の標的結合ポリペプチド、請求項7〜11のいずれか一項記載のDBDpp、または請求項12記載の融合タンパク質。
【請求項14】
前記標識が、ビオチン部分であるか、または酵素標識、蛍光標識、発光標識、および生物発光標識からなる群より選択される、請求項13記載の標的結合ポリペプチドまたは融合タンパク質。
【請求項15】
治療剤または細胞傷害性剤と結合体化されている、請求項1〜6、13、および14のいずれか一項記載の標的結合ポリペプチド、請求項7〜11、13、および14のいずれか一項記載のDBDpp、または請求項12〜14のいずれか一項記載の融合タンパク質。
【請求項16】
請求項1〜6、および13〜15のいずれか一項記載の標的結合ポリペプチド、請求項7〜11、および13〜15のいずれか一項記載のDBDpp、または請求項12〜15のいずれか一項記載の融合タンパク質を含み、薬学的に許容される担体をさらに含む、薬学的組成物。
【請求項17】
請求項1〜6、および13〜15のいずれか一項記載の標的結合ポリペプチド、請求項7〜11、および13〜15のいずれか一項記載のDBDpp、または請求項12〜15のいずれか一項記載の融合タンパク質を含む、キット。
【請求項18】
請求項1〜6のいずれか一項記載の標的結合ポリペプチド、請求項7〜11のいずれか一項記載のDBDpp、または請求項12記載の融合タンパク質をコードする、単離された核酸分子。
【請求項19】
請求項18記載の単離された核酸分子を含む、ベクター。
【請求項20】
前記核酸分子によってコードされる標的結合ポリペプチド、DBDpp、または融合タンパク質の発現を調節するヌクレオチド配列をさらに含む、請求項19記載のベクター。
【請求項21】
請求項18記載の核酸分子または請求項19もしくは20記載のベクターを含む、宿主細胞。
【請求項22】
請求項1〜6のいずれか一項記載の標的結合ポリペプチド、請求項7〜11のいずれか一項記載のDBDpp、または請求項12記載の融合タンパク質を発現するように操作された、細胞株。
【請求項23】
(a)標的指向ドメインと、
(b)膜貫通ドメインと、
(c)細胞内シグナル伝達ドメインと
を含む、キメラ抗原受容体(CAR)であって、
該標的指向ドメインが、請求項1〜6のいずれか一項記載の標的結合ポリペプチド、請求項7〜11のいずれか一項記載のDBDpp、または請求項12記載の融合タンパク質を含
キメラ抗原受容体(CAR)。
【請求項24】
前記細胞内シグナル伝達ドメインが、ヒトCD3ζドメイン、41BBドメイン、CD28ドメイン、およびその任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項23記載のCAR。
【請求項25】
前記標的結合ポリペプチド、DBDpp、または融合タンパク質が、血液悪性腫瘍または固形腫瘍に関連する腫瘍抗原に結合する、請求項23または24記載のCAR。
【請求項26】
前記腫瘍抗原が、CD137、PD-L1、CD123、CTLA4、CD47、KIR、DR5、TIM3、PD1、EGFR、TCR、CD19、CD20、CD22、ROR1、メソテリン、CD33/IL3Ra、cMet、PSMA、糖脂質F77、EGFRvIII、GD2、NY-ESO-1、MAGE A3、およびその組み合わせからなる群より選択される、
請求項23〜25のいずれか一項記載のCAR。
【請求項27】
細胞内シグナル伝達ドメインが、共刺激シグナル伝達領域を含む、請求項23〜26のいずれか一項記載のCAR。
【請求項28】
前記共刺激シグナル伝達領域が、CD27、CD28、4-1BB、OX40、CD30、CD40、PD-1、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3、CD83に特異的に結合するリガンド、およびその任意の組み合わせからなる群より選択される共刺激分子の細胞内ドメインを含む、請求項27記載のCAR。
【請求項29】
請求項23〜28のいずれか一項記載のCARをコードする配列を含む、単離された核酸分子。
【請求項30】
請求項23〜28のいずれか一項記載のCARをコードする配列を含む核酸分子を含む細胞
【請求項31】
前記細胞がT細胞またはナチュラルキラー(NK)細胞である、請求項30記載の細胞。
【請求項32】
前記標的結合ポリペプチド、DBDpp、または融合タンパク質がその対応する腫瘍抗原に結合した時に、細胞が抗腫瘍免疫を示す、請求項30または31記載の細胞。
【請求項33】
請求項23〜28のいずれか一項記載のCARを含む免疫細胞を含む、がんを処置するための薬学的組成物
【請求項34】
キメラ抗原受容体(CAR)を含む免疫細胞を含む、がんを処置するための薬学的組成物であって、
該CARが、
(a)MGSWX5X6FKX9X10LAX13IKX16X17LEALGGSEAELAX30FEX33X34IAX37FEX40X41LQX44YKGKGNPEVEALRKEAAAIRDELQAYRHN (配列番号2)、
MGSWAEFKQRLAAIKTRLEALGGSEAELAAFX32X33EIX36AFX39X40ELX43AYKGKGNPEVEALX57X58EAX61AIX64X65ELX68AYRHN (配列番号3)、
MGSWX5EFX8X9RLX12AIX15X16RLX19ALGGSEAELAAFEKEIAAFESELQAYKGKGNPEVEX55LRX58X59AAX62IRX65X66LQAYRHN (配列番号4)、
MGSWX5X6FKX9X10LAX13IKX16X17LEALGGSEAELAAFX32X33EIX36AFX39X40ELX43AYKGKGNPEVEX55LRX58X59AAX62IRX65X66LQAYRHN (配列番号5)、および
MGSWX5EFX8X9RLX12AIX15X16RLX19ALGGSEAELAX30FEX33X34IAX37FEX40X41LQX44YKGKGNPEVEALX57X58EAX61AIX64X65ELX68AYRHN (配列番号6)
からなる群より選択されるアミノ酸配列を有する標的結合ポリペプチドを含む標的結合ドメインであって、Xnが天然アミノ酸または非天然アミノ酸であり、かつXnがシステインでもプロリンでもなく、該標的結合ポリペプチドが、がん細胞によって発現される関心対象の標的に特異的に結合し、該標的結合ポリペプチドと該関心対象の標的との特異的結合が、配列番号1に記載のポリペプチドと該関心対象の標的との結合よりも強い、標的結合ドメインと、
(b)41BBおよびCD28から選択される膜貫通ドメインと
(c)T細胞受容体のα鎖、β鎖、およびζ鎖から選択されるシグナル伝達ドメインを含む細胞内ドメインと
を含、薬学的組成物。
【請求項35】
前記免疫細胞がT細胞またはナチュラルキラー(NK)細胞である、請求項33または34記載の薬学的組成物
【請求項36】
参照ポリペプチドを、関心対象の標的に対して特異的に結合できる標的結合ポリペプチドに変換するための方法であって、
(a)参照ポリペプチドに由来する複数のアミノ酸残基を改変して、複数の候補標的結合ポリペプチドを作製する工程であって、該候補標的結合ポリペプチドが、配列番号1のアミノ酸配列の変種を含み、該候補標的結合ポリペプチドが、リンカーペプチドによってつなげられた3つの逆平行αへリックスを含み、改変されるアミノ酸残基が溶媒接触性または溶媒非接触性であり、かつ改変が、1個または複数個の保存的アミノ酸置換または非保存的アミノ酸置換を含み、システインによる置換もプロリンによる置換も含まない、工程;
(b)該複数の候補標的結合ポリペプチドを複数のベクターに入れて候補ライブラリーを作製する工程;および
(c)関心対象の標的に対して特異的結合を示す候補標的結合ポリペプチドについて候補ライブラリーをスクリーニングする工程
を含む、方法。
【請求項37】
候補標的結合ポリペプチドの中にある潜在的に免疫原性のアミノ酸残基を特定する工程と、該候補標的結合ポリペプチドの中にある潜在的に免疫原性のアミノ酸残基の少なくとも1つを改変する工程とをさらに含み、該改変がアミノ酸置換を含む、請求項36記載の方法。
【請求項38】
DBDppに対する抗体を作製するための免疫原として使用するのに適している、請求項7〜11のいずれか一項記載のDBDppを含む融合ポリペプチドを含む、ウイルス様粒子(VLP)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する案件
本願は、2015年4月6日に出願された米国特許仮出願第62/143,772号に係る優先権を主張する。米国特許仮出願第62/143,772号の全体が参照として本明細書に組み入れられる。本明細書において言及された参考文献、特許、および特許出願は全て、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
配列表への言及
本願は電子形式の配列表を伴って出願されている。配列表は、2016年4月4日に作成された、サイズが144キロバイトのENC002WOSEQUENCELISTING.TXTという名称のファイルとして提供されている。配列表にある情報は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0003】
背景
抗体をベースとする試薬は生物学的研究と開発のペースを速めてきた。抗体組成物は、製薬産業において利用される治療剤および診断剤の最も重要で、かつ成功した部類の1つである。しかしながら、費用と時間と効力が、代わりとなる親和性試薬の開発の動機となってきた。
【0004】
歴史を通して抗体によって提供されてきた用途のために、様々な非抗体結合形式が現れた。構造不定の直鎖ペプチドについて多くの成功例が報告されてきたが、構造的制約をペプチド配列に課すことによって、典型的には、ジスルフィド結合を導入することによって、さらに確固とした結果が成し遂げられた。この制約は、決まった形状相補性と、制約がなければ埋もれている可能性がある、従って、標的に面していない可能性がある残基(例えば、疎水性アミノ酸)の表面提示の好都合な動力学によって高い親和性と高い特異性をもたらす(Ladner, Trends in Biotech. 13(10):426-430, 1995(非特許文献1))。その反対に、ジスルフィド結合を含む形式は、典型的に、ドメイン内またはドメイン間で間違ったシステイン対形成を起こしやすく、そのために発現と産物収率と産物品質が低下することがある。
【0005】
タンパク質サブドメイン内に発見された構造は構造制約の別の源を提供してきた。様々な異なる標的に対する、抗体に似た親和性をもつ構造、例えば、フィブロネクチンIII型反復(アドネクチン)、z-タンパク質(アフィボディ(affibody))、ノッチン(knottin)、リポカリン(アンチカリン)、およびアンキリン反復(ダルピン)が開発されている(Hey et al., Trends in Biotech. 23(10):514-422, 2005(非特許文献2))。これらのドメインは、典型的には、抗体可変ドメインに見出されるフレームワークと相補性決定領域(CDR)に似た2つの特徴、すなわち、高い熱力学的安定性を付与する構造スキャフォールドと、ディスプレイライブラリーの可変性の根幹をなす残基またはループを備えている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Ladner, Trends in Biotech. 13(10):426-430, 1995
【非特許文献2】Hey et al., Trends in Biotech. 23(10):514-422, 2005
【発明の概要】
【0007】
概要
一般的に、新たな標的結合剤および標的結合組成物、特に、代替の結合スキャフォールド(例えば、非抗体スキャフォールド)を含有する、このような薬剤が未だ対処されずに、かなり必要とされている。いくつかの態様では、特に関心の高い薬剤は、例えば、抗体と比較して大幅に低下した生産コスト、ならびに/または同等の、もしくは優れた試薬、診断特性および/もしくは治療特性を特徴とすることがある。本開示は、いくつかの態様では、このような望ましい薬剤を提供する。例えば、いくつかの態様では、本開示は、高い標的結合親和性と、非抗体構造スキャフォールドを特徴とする、ある特定のポリペプチド物質を提供する。または、もしくはさらに、いくつかの態様では、標的結合物質、例えば、本明細書において開示されたポリペプチド、例えば、本明細書において開示された生成方法に起因するポリペプチドには、例えば、高い標的特異的結合を含む利点がある。一部の態様では、これは、都合の良いことに、治療剤(例えば、免疫細胞)を特定の細胞(例えば、病気の細胞)に標的指向させ、それによって、オフターゲット効果を小さくするか、または無くすのに使用することができる。一部の態様では、標的特異的ポリペプチドなどの本明細書において提供される物質は、疾患に関与する細胞または可溶性因子に結合するタンパク質治療剤として使用することができる。一部の態様では、提供される物質は、高度の特異性で標的(例えば、タンパク質または他の標的)を精製するのに使用することができ、これにより、例えば、純度が高くなる、および/または標的を精製するための下流処理が削減される可能性がある。
【0008】
本明細書において開示された本発明のいくつかの態様は、関心対象の標的に特異的に結合する物質、例えば、本明細書において開示された新規結合ドメイン(DBD)含有ポリペプチド(DBDpp)に関する。DBDppをコードする核酸、ならびに前記核酸を含有するベクターおよび宿主細胞も提供され、同様に、DBDppライブラリー、ならびにこのようなライブラリーを生成およびスクリーニングするための方法、ならびにこのようなライブラリーおよび/またはスクリーニングから特定されたDBDppも提供される。DBDpp融合タンパク質を含むDBDppも提供され、同様に、DBDppを作製および使用する方法も提供される。このような使用の非限定的な例には、アフィニティー精製、標的分析、診断用途および/または治療用途が含まれるが、これに限定されない。
【0009】
いくつかの態様では、高度の特異性で関心対象の標的に結合する結合物質が提供される。いくつかの態様では、前記結合物質は非抗体物質である。いくつかの態様では、前記結合物質はポリペプチドである。いくつかの態様では、少なくとも1つの位置でSEQ ID NO:1の配列とは異なる配列を有する、関心対象の標的に結合するためのポリペプチドが提供される。いくつかのこのような態様において、前記物質(例えば、ポリペプチド)は関心対象の標的に対して特異的結合を示し、この結合は、SEQ ID NO:1のポリペプチドと関心対象の標的との結合より強い。いくつかの態様では、
を含むアミノ酸配列を含む、関心対象の標的に結合するためのポリペプチドであって、前記配列が、(例えば、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列に対する改変によって)SEQ ID NO:1の配列とは配列が異なる、ポリペプチドが提供される。いくつかの態様では、前記ポリペプチドは関心対象の標的(例えば、がんマーカーまたは関心対象の標的に関連する他の独特のマーカー)に特異的に結合し、前記ポリペプチドと関心対象の標的との特異的結合は、SEQ ID NO:1のポリペプチドと関心対象の標的との結合より強い。いくつかの態様では、前記ポリペプチドはSEQ ID NO:50の配列を含有しない。
【0010】
いくつかの態様では、前記ポリペプチドは、ある特定の選択されたアミノ酸位置が改変されているために、SEQ ID NO:1とは異なる配列を有する。一部の態様では、改変は置換を含む。いくつかの態様では、置換は保存的置換であるのに対して、一部の態様では、置換は非保存的置換である。なおさらなる態様では、保存的置換および非保存的置換の組み合わせが用いられる。一部の態様では、置換は、システインによる置換を含まない(例えば、システインは配列に付加されない)。一部の態様では、置換は、プロリンによる置換を含まない(例えば、プロリンは配列に付加されない)。一部の態様では、置換によりシステインもプロリンも前記ポリペプチドの配列に入れられていない。
【0011】
本明細書において開示された物質は様々な関心対象の標的に結合することができる。例えば、いくつかの態様では、前記ポリペプチドが特異的に結合する関心対象の標的はがん抗原である。一部の態様では、前記ポリペプチドが特異的に結合するがん抗原はPD-L1である。いくつかのこのような態様において、標的結合ポリペプチドは、SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:41、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:43、およびSEQ ID NO:44からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むか、またはこのようなアミノ酸配列から本質的になる。一部の態様では、前記ポリペプチドが特異的に結合するがん抗原はCD137である。一部のこのような態様では、前記ポリペプチドは、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、およびSEQ ID NO:19からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むか、またはこのようなアミノ酸配列から本質的になる。一部の態様では、前記ポリペプチドが特異的に結合するがん抗原はCD123である。一部のこのような態様では、前記ポリペプチドは、SEQ ID NO:92〜127より選択されるアミノ酸配列を含むか、またはこのようなアミノ酸配列から本質的になる。一部の態様では、がん抗原の組み合わせは、例えば、様々な標的結合ポリペプチドをカップリングするか、または別の方法で組み合わせることによって、標的化される。一部の態様では、2種類、3種類、4種類、またはそれより多い異なるがん抗原が標的化される。一部の態様では、1種類の標的(例えば、二量体、三量体など)に結合する能力(ability)および/または能力(capacity)を高めるために、複数の標的結合ポリペプチドが用いられる。
【0012】
さらに、いくつかの態様では、参照ポリペプチドを、関心対象の標的に対して特異的結合を有するポリペプチドに変換するための方法であって、以下の工程を含む、方法が提供される:
参照ポリペプチドに由来する複数のアミノ酸残基を改変して複数の候補結合ポリペプチドを作製する工程;
複数の候補結合ポリペプチドを複数のベクターに入れて候補ライブラリーを作製する工程;
および関心対象の標的に対して特異的結合を示す候補結合ポリペプチドがあるかどうか候補ライブラリーをスクリーニングする工程。いくつかの態様では、参照ポリペプチドは非天然ポリペプチドの変種を含み、リンカーペプチドによって接続された3つの逆平行αへリックスを含む。いくつかの態様では、改変されるアミノ酸残基は溶媒接触性または溶媒非接触性である。いくつかの態様では、さらに大きな程度の溶媒接触性アミノ酸が改変されるのに対して、一部の態様では、さらに大きな程度の溶媒非接触性アミノ酸が改変される。一部の態様では、改変はアミノ酸置換を含む。上記で議論したように、置換は、保存的アミノ酸置換、非保存的アミノ酸置換、および/またはその組み合わせを含んでもよい。任意で、いくつかの態様では、置換はシステインへの置換を含まず、プロリンへの置換を含まず、場合によっては、システインへの置換もプロリンへの置換も含まない。
【0013】
いくつかの態様では、前記方法は、(例えば、関心対象の標的に結合する、結果として生じるポリペプチドの潜在的な免疫原性を減らすために)候補結合ポリペプチドの中にある潜在的に免疫原性のアミノ酸残基を特定する工程、および潜在的に免疫原性のアミノ酸残基の少なくとも1つを改変する工程をさらに含む。いくつかの態様では、免疫原性を減らすための改変はアミノ酸置換(例えば、保存的置換および/または非保存的置換)を含む。
【0014】
いくつかの態様では、3つの逆平行αへリックスを含むか、または3つの逆平行αへリックスから本質的になる新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)であって、合成ポリペプチドの変種であり、CD123と少なくとも95%同一のタンパク質に免疫特異的に結合する、DBDppが提供される。いくつかの態様では、DBDppの解離定数(KD)は約10-4M〜約10-12Mである。一部の態様では、DBDppが免疫特異的に結合する標的はCD123のアミノ酸19〜305(SEQ ID NO:187)を含む。アミノ酸配列
を有するDBDppも本明細書において提供され、Xnは天然アミノ酸または非天然アミノ酸である。さらに、SEQ ID NO:60〜SEQ ID NO:136のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を有するDBDppも提供される。なおさらなる態様は、CD123(または本明細書において開示された他の関心対象の標的)に結合し、腫瘍標的に対して結合特異性を示す1種類または複数種のさらなるDBDppをさらに含む、融合タンパク質を提供する。
【0015】
いくつかの態様では、標的結合物質(例えば、関心対象の標的に対して特異性を有するポリペプチド)は標識される。態様に応じて、酵素標識、蛍光標識、発光標識、および生物発光標識を含むが、これに限定されない様々な標識を使用することができる。一部の態様では、標識はビオチン部分である。いくつかの態様では、ストレプトアビジン部分を使用することができる。一部の態様では、Hisタグ、FLAGタグ、または他のタグが用いられる。一部の態様では、標識は、ルシフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質、赤色蛍光タンパク質、または他の類似する物質である。
【0016】
いくつかの態様では、標的結合物質(例えば、ポリペプチド)は治療剤または細胞傷害性剤(例えば、化学療法剤、放射線療法剤など)と結合体化されている。態様に応じて、標的結合物質は、任意で、薬学的に許容される担体を含んでもよい。
【0017】
いくつかの態様では、本明細書において開示された任意の標的結合物質を含むキット(例えば、治療キット、診断キット、研究使用のためのキットなど)が提供される。
【0018】
いくつかの態様は、本明細書において開示された任意の標的結合ポリペプチドをコードする単離された核酸分子も提供する。なおさらなる態様は、単離された核酸分子を含有するベクター(例えば、プラスミド、ウイルスベクター、または非ウイルスベクター)を提供する。いくつかのこのような態様はまた、前記核酸によってコードされるタンパク質を発現するための標準的な成分(例えば、プロモーター、パッケージング成分など)も含んでもよい。例えば、いくつかの態様では、ベクターは、核酸分子によってコードされるポリペプチドの発現を調節する、さらなるヌクレオチド配列をさらに含む。いくつかの態様では、さらなる核酸配列は誘導性プロモーターである。
【0019】
さらに、いくつかの態様では、本明細書において開示された任意の標的結合ポリペプチドをコードする核酸分子を含む宿主細胞が提供される。いくつかの態様、このような態様では、宿主細胞(例えば、細胞株)は、本明細書において開示された標的結合ポリペプチドを発現するように操作される。一部の態様では、宿主細胞が標的結合ポリペプチドを発現すると、標的結合ポリペプチドの産生および単離が可能になる。一部の態様では、発現によって、表面に発現した、および/または細胞膜に内在する標的結合ポリペプチドが得られる。
【0020】
本明細書では、CD123(または他の関心対象の標的)との結合において、本明細書において開示されたポリペプチドと競合する新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)も提供される。いくつかの態様では、CD123、PD-L1、CD19、CD22など(または本明細書において開示された他の標的)を含む、他の関心対象の標的との結合において、本明細書において開示されたポリペプチドと競合するポリペプチドも提供される。提供される競合物質には、完全または部分的なアゴニスト、完全または部分的なアンタゴニストなどが含まれる。関心対象の標的との結合(物質と関心対象の標的との結合の立体障害または他の障害につながる、同じエピトープ、重複エピトープ、または非重複エピトープとの結合)において競合するこれらの物質は競合的結合アッセイによって特定することができる。
【0021】
本明細書では、腫瘍に結合する(単独の、または細胞が発現した)ポリペプチドも提供される。いくつかの態様では、結合は、前記ポリペプチドが作製され、腫瘍が発現する1種類または複数種のマーカーに対する特異的結合を有すると特定されたことに基づく。腫瘍は態様に応じて懸濁腫瘍でも固形腫瘍でもよい。
【0022】
いくつかの態様はまた、標的指向ドメインと、膜貫通ドメインと、細胞内シグナル伝達ドメインとを含むキメラ抗原受容体(CAR)も提供する。いくつかの態様では、標的指向ドメインは、少なくとも部分的に、本明細書において開示された標的結合ポリペプチドで構成される。いくつかの態様では、細胞内シグナル伝達ドメインは、ヒトCD3ζドメイン、41BBドメイン、CD28ドメイン、およびその任意の組み合わせからなる群より選択される。態様に応じて、共刺激シグナル伝達領域は、CD27、CD28、4-1BB、OX40、CD30、CD40、PD-1、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3、CD83と共に特異的に結合するリガンド、およびその任意の組み合わせからなる群より選択される共刺激分子の細胞内ドメインを含む。いくつかの態様では、CARは、さらなる標的結合ポリペプチドを含む融合タンパク質を含む。標的指向領域の一部(または全て)として標的結合ポリペプチドを含むCARをコードする単離された核酸配列も提供される。
【0023】
さらに本明細書中では、少なくとも部分的に、関心対象の標的に結合するポリペプチドで構成される抗原結合ドメインと、膜貫通ドメインと、シグナル伝達ドメインを含むCARをコードする核酸配列を含む、細胞が提供される。いくつかの態様では、前記ポリペプチドは腫瘍抗原に特異的に結合する(従って、CARを発現する細胞を腫瘍に送達するように機能する)。いくつかの態様では、腫瘍抗原は血液悪性腫瘍に関連する。さらなる態様では、腫瘍抗原は固形腫瘍に関連する。一部の態様では、固形腫瘍および血液腫瘍を両方とも同時に標的化することができる。いくつかの態様では、腫瘍抗原は、CD137、PD-L1、CD123、CTLA4、CD47、KIR、DR5、TIM3、PD1、EGFR、TCR、CD19、CD20、CD22、ROR1、メソテリン、CD33/IL3Ra、cMet、PSMA、糖脂質F77、EGFRvIII、GD2、NY-ESO-1、MAGE A3、およびその組み合わせからなる群より選択される。態様に応じて、CARを発現する細胞はT細胞でもナチュラルキラー(NK)細胞でもよい。いくつかの態様では、前記ポリペプチドがその対応する腫瘍抗原に結合した時に、前記細胞(T細胞でもNK細胞でも他の細胞タイプでも)は抗腫瘍免疫を示す。
【0024】
なおさらなる態様は、SEQ ID 4の配列を有するアミノ酸を提供し、Xnはシステインでもプロリンでもない。
【0025】
いくつかの態様では、膜結合ウイルス様粒子(VLP)を生じ、キメラ抗原受容体(CAR)と融合した新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)を含む融合タンパク質を発現するように操作された哺乳動物細胞であって、融合タンパク質が、生じたVLP上に(例えば、膜貫通タンパク質として)発現される、哺乳動物細胞も提供される。態様に応じて、哺乳動物細胞によって産生されたVLPは、抗体を作製するための免疫原として使用するのに適している。一部のこのような態様において、前記抗体は新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)に対して作られる(例えば、前記抗体はDBDppに結合し、DBDppの検出、DBDppの分離などに使用することができる)。
【0026】
本明細書において開示された標的結合ポリペプチドはまた、治療の場面で、例えば、がん(例えば、固形腫瘍または血液悪性腫瘍)などの疾患を処置および/または診断するのに有用である。従って、いくつかの態様では、がんを有する対象を処置する方法であって、以下の工程を含む、方法が提供される:
キメラ抗原受容体(CAR)を含む免疫細胞を対象に投与する工程であって、
CARが、以下:
を含むアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む標的結合ドメインと;
膜貫通ドメインと;
細胞内ドメイン(シグナル伝達ドメインを含む)と
を含む、工程。がんを有する対象に投与されると、標的結合ドメインは、がん細胞が発現する関心対象の標的に特異的に結合し、関心対象の標的に結合すると、がん細胞に細胞傷害効果をもたらす細胞傷害シグナルを生じるように免疫細胞が誘導され、それによって、がんが処置される。いくつかの態様では、前記ポリペプチドは、SEQ ID NO:1とは異なる配列を有する(例えば、前記ポリペプチドはSEQ ID NO:1のアミノ酸配列を改変することによって作製される)。相違する配列の結果として、前記ポリペプチドと関心対象の標的との特異的結合は、SEQ ID NO:1のポリペプチドと関心対象の標的との結合より強い。
【0027】
態様に応じて、免疫細胞はT細胞でもよい。一部の態様では、免疫細胞はNK細胞である。任意で、他の免疫細胞、および/または異なる免疫細胞タイプの組み合わせを使用することができる。一部の態様では、細胞タイプ(例えば、NK細胞およびT細胞)の組み合わせはがんを処置するのに相乗作用するので有利である。組み合わせが用いられた時、様々な細胞タイプが、同じ、または異なる(もしくは重複する)腫瘍抗原を標的とすることができる。
【0028】
T細胞が用いられる、いくつかの態様では、関心対象の標的に結合すると、T細胞は細胞内シグナル伝達を開始し、サイトカインを産生し、脱顆粒し、それによって、がん細胞に対して細胞傷害効果が生じるように刺激される。さらに、いくつかの態様では、T細胞は関心対象の標的への結合に応答して増殖する。しかしながら、有利なことに、T細胞の活性があっても、T細胞はT細胞疲弊(T cell exhaustion)に関連する表現型を示さない。T細胞を用いるいくつかの態様では、CARの膜貫通ドメインは41BBまたはCD28を含み、細胞質ドメインはT細胞受容体のα鎖、β鎖、またはζ鎖を含む。
【0029】
NK細胞を用いるいくつかの態様では、膜貫通ドメインはCD28を含み、細胞質ドメインはT細胞受容体のζ鎖を含む。
【0030】
いくつかの態様では、CAR含有免疫細胞は、がん細胞が発現する関心対象の標的、例えば、CD137、PD-L1、CD123、CTLA4、CD47、KIR、DR5、TIM3、PD1、EGFR、TCR、CD19、CD20、CD22、ROR1、メソテリン、CD33/IL3Ra、cMet、PSMA、糖脂質F77、EGFRvIII、GD2、NY-ESO-1、MAGE A3、およびその組み合わせからなる群より選択される腫瘍抗原に結合するように設計される。
【0031】
いくつかの態様では、CARは、SEQ ID NO:4のアミノ酸を有する第2のポリペプチドをさらに含み、前記ポリペプチドは、がん細胞が発現する関心対象の第2の標的に特異的に結合することができ、第2のポリペプチドと、関心対象の第2の標的との特異的結合は、SEQ ID NO:1のポリペプチドと関心対象の第2の標的との結合より大きい。いくつかの態様では、CARの標的指向ドメインの少なくとも一部を構成する前記ポリペプチドの作製は、置換によってシステインまたはプロリンをSEQ ID NO:1に入れる工程を含まない。
【0032】
いくつかの態様では、CARを有する免疫細胞の投与は静脈内投与であるが、ある特定の処置シナリオについては、動脈内経路、筋肉内経路、局所経路、または他の許容される経路などの他の経路を使用することができる。
【0033】
いくつかの態様では、がんを有する対象を処置する方法であって、以下の工程を含む、方法も提供される:
キメラ抗原受容体(CAR)を含む免疫細胞を対象に投与する工程であって、
CARが、以下:
SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:6より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む標的結合ドメインであって、
SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:6のいずれにも、置換によってシステイン残基もプロリン残基も入れられておらず、
前記ポリペプチドが、がん細胞が発現する関心対象の標的に特異的に結合し、
前記ポリペプチドと関心対象の標的との特異的結合が、SEQ ID NO:1のポリペプチドと関心対象の標的との結合より強い、標的結合ドメインと;
膜貫通ドメインと;
シグナル伝達ドメインを含む細胞内ドメインと
を含み、標的結合ドメインが、がんを有する対象に投与されると、がん細胞が発現する関心対象の標的に特異的に結合し、関心対象の標的に結合すると、がん細胞に細胞傷害効果をもたらす細胞傷害シグナルを生じるように免疫細胞が誘導され、それによって、がんが処置される、工程。上記で議論したように、態様に応じて、免疫細胞は、T細胞、NK細胞、または他のタイプの免疫細胞(またはタイプの組み合わせ)でもよい。一態様では、膜貫通ドメインは41BBまたはCD28を含み、細胞質ドメインはT細胞受容体のα鎖、β鎖、またはζ鎖を含み、免疫細胞はT細胞である。一部のこのような態様では、T細胞は関心対象の標的に結合すると、T細胞疲弊に関連する表現型を示さずに、細胞内シグナル伝達を開始し、サイトカインを産生し、増殖および脱顆粒し、それによって、がん細胞に対して細胞傷害効果が生じるように刺激される。
【0034】
さらなる態様は、がんを有する対象を処置する方法であって、以下の工程を含む、方法を提供する:
T細胞上に発現しているキメラ抗原受容体(CAR)を含む免疫細胞を対象に静脈内投与する工程であって、
CARが、以下:
SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、またはSEQ ID NO:6のアミノ酸配列を有するポリペプチドを含むが、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、またはSEQ ID NO:6のいずれにも、置換によってシステイン残基もプロリン残基も入れられていない標的結合ドメインであって、
前記ポリペプチドが、がん細胞が発現する関心対象の標的に特異的に結合し、
関心対象の標的との結合が、SEQ ID NO:1のポリペプチドと関心対象の標的との結合より強い、標的結合ドメインと;
41BBおよびCD28より選択される膜貫通ドメインと;
T細胞受容体のα鎖、β鎖、またはζ鎖より選択されるシグナル伝達ドメインを含む細胞内ドメインと
を含み、標的結合ドメインが、がんを有する対象に投与されると、がん細胞が発現する関心対象の標的に特異的に結合し、関心対象の標的に結合すると、がん細胞に細胞傷害効果をもたらす細胞傷害シグナルを生じるようにT細胞が誘導される、工程。いくつかの態様では、細胞傷害効果はT細胞の脱顆粒に起因する。有利なことに、いくつかの態様では、T細胞の活性化および細胞傷害活性は、T細胞が、T細胞疲弊に関連する表現型を示すことに関連しない。いくつかの態様では、CARは、任意で、標的結合ドメインとは異なる標的を有する第2のポリペプチドを含む第2の標的結合ドメインをさらに含む。なおさらなる態様では、任意で、マーカーへの結合能力を高めるために、または他のマーカーに対する結合特異性を付与するために、さらなる標的指向ドメインが含められてもよい。
【0035】
さらに、いくつかの態様では、がんを処置するためのキメラ抗原受容体(CAR)を含む免疫細胞の使用であって、以下の工程を含む、使用が提供される:
CARが、以下:
SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:6からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、標的結合ドメインであって、
SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:6のいずれにも、置換によってシステイン残基もプロリン残基も入れられておらず、
前記ポリペプチドが、がん細胞が発現する関心対象の標的に特異的に結合し、
前記ポリペプチドと関心対象の標的との特異的結合が、SEQ ID NO:1のポリペプチドと関心対象の標的との結合より強い、標的結合ドメインと;
41BBおよびCD28より選択される膜貫通ドメインと;
T細胞受容体のα鎖、β鎖、またはζ鎖より選択されるシグナル伝達ドメインを含む細胞内ドメインと
を含み、標的結合ドメインが、がんを有する対象に投与されると、がん細胞が発現する関心対象の標的に特異的に結合し、関心対象の標的に結合すると、がん細胞に細胞傷害効果をもたらす細胞傷害シグナルを生じるように免疫細胞が誘導される、工程。態様に応じて、免疫細胞はT細胞でもナチュラルキラー(NK)細胞でもよい。
【0036】
結合ドメイン組成物、結合ドメイン組成物を作製、スクリーニング、および使用するための方法に加えて、関心対象の標的を精製するための方法も提供される。従って、いくつかの態様では、関心対象の標的を精製するための方法であって、以下の工程:
関心対象の標的を含む試料を、固体支持体に取り付けられたポリペプチド物質を含む組成物と接触させる工程であって、前記ポリペプチド物質が、
を含むアミノ酸配列を有し、前記ポリペプチドがSEQ ID NO:1とは異なるアミノ酸配列を有し、前記ポリペプチドが関心対象の標的に特異的に結合し、前記ポリペプチドと関心対象の標的との特異的結合は、SEQ ID NO:1のポリペプチドと関心対象の標的との結合より強い、工程;および
前記組成物に結合しなかった試料の一部を取り出す工程
を含み、接触させる工程が、前記組成物と関心対象の標的との結合を可能にする条件下で行われる、方法が、本明細書において提供される。いくつかの態様では、前記方法は、関心対象の標的から前記組成物を解離する工程と、関心対象の標的を回収する工程とをさらに含む。いくつかの態様では、関心対象の標的を前記組成物から溶出し、それによって、関心対象の標的を(完全に、または部分的に)精製することができる。
【0037】
態様に応じて、固体支持体は、ビーズ、ガラススライド、チップ、ゼラチン、またはアガロースでもよい。ある特定の態様では、支持体の組み合わせを使用することができる。いくつかの態様では、前記ポリペプチド物質は非共有性会合を介して固体支持体にカップリングされるのに対して、他の態様では、前記ポリペプチド物質は共有結合を介して固体支持体にカップリングされる。態様に応じて、支持体、および関心対象の標的、共有結合および非共有性会合の組み合わせも使用することができる。
【0038】
いくつかの態様では、前記組成物のポリペプチド物質はペプチドタグをさらに含み、ペプチドタグはヘキサヒスチジン部分またはFLAGタグを含む。一部の態様では、前記組成物のポリペプチド物質はストレプトアビジン部分をさらに含む。態様に応じて、他のタイプのタグ、例えば、酵素タグ、比色タグ、生物発光タグ、および/または蛍光タグを使用することができる。
【0039】
一部の態様では、固体支持体はビーズを含み、前記組成物は、関心対象の標的を精製するためのアフィニティークロマトグラフィーにおける使用に適している。
【0040】
いくつかの態様では、前記ポリペプチドをコードする核酸分子は、細胞株に形質導入して、細胞株に前記ポリペプチドを発現させるために用いられる発現ベクターの中に入れられる。このような態様は、タンパク質精製において使用するために前記ポリペプチドを大規模生産するのを可能にする。
【0041】
いくつかの態様では、関心対象の標的を精製するための方法であって、以下の工程:
関心対象の標的を含む試料を、固体支持体にカップリングされたウイルス様粒子を含む組成物と接触させる工程であって、ウイルス様粒子が膜タンパク質としてポリペプチドを発現し、前記ポリペプチドが、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、および SEQ ID NO:6からなる群より選択されるアミノ酸配列を有し、前記ポリペプチドがSEQ ID NO:1とは異なるアミノ酸配列を有し、前記ポリペプチドが関心対象の標的に特異的に結合し、前記ポリペプチドと関心対象の標的との特異的結合が、SEQ ID NO:1のポリペプチドと関心対象の標的との結合より強い、工程;および
前記組成物に結合しなかった試料の一部を取り出す工程
を含み、接触させる工程が、前記組成物と関心対象の標的との結合を可能にする条件下で行われる、方法、も提供される。いくつかの態様では、前記ポリペプチドを作製する時に、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、および SEQ ID NO:6のいずれにも、置換によってシステイン残基もプロリン残基も入れられていない。
【0042】
いくつかの態様では、固体支持体は、ビーズ、ガラススライド、チップ、ゼラチン、またはアガロースの1つまたは複数を含む。いくつかの態様では、前記組成物のポリペプチドはペプチドタグをさらに含み、ペプチドタグはヘキサヒスチジン部分またはFLAGタグを含む。本明細書において議論されたように、さらなる態様では他のタイプのタグを使用することができる。
【0043】
一部の態様では、前記組成物に結合しなかった試料の一部は捨てられる。一部の態様では、さらなる関心対象の標的を捕捉し、それによって、精製の全収率を改善するために、前記組成物に結合しなかった試料の一部は前記組成物と再び接触される。
【0044】
いくつかの態様では、前記方法は、前記組成物に結合しなかった試料の一部を、前記組成物のポリペプチドに対して作られた抗体と接触させる工程であって、前記抗体が、キメラ抗原受容体(CAR)と融合した前記ポリペプチドを含む融合タンパク質を発現するように操作された哺乳動物細胞から放出された、前記ポリペプチドを発現する膜結合ウイルス様粒子(VLP)から作製され、融合タンパク質が、生じたVLP上に発現され、前記抗体が、固体支持体から離れた残留ポリペプチドを検出するアッセイにおいて使用するのに適している、工程をさらに含む。
【0045】
標的を精製するための方法(例えば、多量の試料から標的を取り出すための方法)が提供されるだけでなく、いくつかの態様は、関心対象の標的を含む試料から1種または複数種の汚染物質を除去するための方法であって、以下の工程:
関心対象の標的を含む試料を、固体支持体にカップリングされたウイルス様粒子を含む組成物と接触させる工程であって、ウイルス様粒子が膜タンパク質としてポリペプチドを発現し、前記ポリペプチドが、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、および SEQ ID NO:6からなる群より選択されるアミノ酸配列を有し、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:6のいずれにも、置換によってシステイン残基もプロリン残基も入れられておらず、前記ポリペプチドがSEQ ID NO:1とは異なるアミノ酸配列を有し、前記ポリペプチドが、関心対象の標的を含む試料から除去される1種または複数種の汚染物質に特異的に結合し、前記ポリペプチドと1種または複数種の汚染物質との特異的結合が、SEQ ID NO:1のポリペプチドと1種または複数種の汚染物質との結合より強い、工程;および
前記組成物に結合しなかった試料の一部を収集する工程
を含み、接触させる工程が、前記組成物と1種または複数種の汚染物質との結合を可能にする条件下で行われる、方法を、提供する。上記で議論したように、いくつかの態様では、前記組成物のポリペプチドはペプチドタグなどのタグをさらに含む。いくつかの態様では、ペプチドタグはヘキサヒスチンジン部分またはFLAGタグを含む。態様に応じて、固体支持体はビーズ、ガラススライド、チップ、ゼラチン、またはアガロースを含んでもよく、ウイルス様粒子は非共有性会合を介して固体支持体にカップリングされる。一部の態様では、試料からさらなる汚染物質を除去するために、収集された試料の一部は前記組成物と再び接触される。
【0046】
本明細書では、タンパク質精製において使用するための組成物も提供される。いくつかの態様では、
、ならびにその組み合わせからなる群より選択される配列を含み、SEQ ID NO:1ではないアミノ酸配列を有するポリペプチド物質を含むアフィニティー樹脂が提供される。
【0047】
上記で列挙された任意の配列において、X位置(例えば、「Xn」)はいずれも天然アミノ酸でも非天然アミノ酸でもよく、それぞれのXnは、同じ、または異なる天然アミノ酸または非天然アミノ酸である。さらに、いくつかの態様では、Z1および/またはZ2は約2〜約30個の天然アミノ酸または非天然アミノ酸を含んでもよい。
【0048】
いくつかの態様では、前記ポリペプチド物質は、1つまたは複数の残基におけるアミノ酸置換の分だけSEQ ID NO:1と異なるアミノ酸配列を有する。態様に応じて、1つまたは複数の残基におけるアミノ酸置換は保存的置換を含んでもよく、非保存的置換を含んでもよい。いくつかの態様では、保存的置換および非保存的置換の組み合わせも使用することができる。さらに、いくつかの態様では、1つまたは複数の残基におけるアミノ酸置換は溶媒接触性残基における置換を含む。一部の態様では、1つまたは複数の残基におけるアミノ酸置換は溶媒非接触性残基における置換を含む。一部の態様では、任意で、溶媒接触性残基および溶媒非接触性残基の両方において置換(保存的置換でも非保存的置換でも)を行うことができる。いくつかの態様では、前記ポリペプチド物質は、1つまたは複数の残基におけるアミノ酸欠失の分だけSEQ ID NO:1と異なるアミノ酸配列を有する。
【0049】
いくつかの態様では、アフィニティー樹脂を作製する方法であって、
、およびその組み合わせからなる群より選択される配列を含み、SEQ ID NO:1ではないアミノ酸配列を有するポリペプチド物質を固体支持体に取り付ける工程を含む、方法が提供される。いくつかの態様では、配列のX位置(例えば、「Xn」)は天然アミノ酸を含んでもよく、非天然アミノ酸を含んでもよく、それぞれのXnは、同じ、もしくは異なる天然アミノ酸もしくは非天然アミノ酸であり、ならびに/またはZ1および/もしくはZ2は2〜30個の天然アミノ酸もしくは非天然アミノ酸である。いくつかの態様では、前記ポリペプチド物質は共有結合によって、非共有性会合によって、またはその組み合わせによって固体支持体に取り付けられる。いくつかの態様では、固体支持体は、ビーズ、ガラススライド、チップ、ゼラチン、またはアガロースの1つまたは複数を含む。
【0050】
いくつかの態様では、タンパク質精製のために、
、およびその組み合わせからなる群より選択される配列を含み、SEQ ID NO:1ではないアミノ酸配列を有するポリペプチド物質にカップリングされている固体支持体を含む組成物がさらに提供される。いくつかの態様では、Xnは天然アミノ酸もしくは非天然アミノ酸であり、それぞれのXnは同じ、もしくは異なる天然アミノ酸もしくは非天然アミノ酸であり、ならびに/またはZ1および/もしくはZ2は2〜30個の天然アミノ酸もしくは非天然アミノ酸である。いくつかの態様では、前記ポリペプチド物質は、1つまたは複数の残基におけるアミノ酸置換の分だけSEQ ID NO:1と異なるアミノ酸配列を有する。
【0051】
態様に応じて、1つまたは複数の残基におけるアミノ酸置換は保存的置換を含んでもよく、非保存的置換を含んでもよい。ある特定の態様では、保存的置換および非保存的置換の組み合わせも使用することができる。いくつかの態様では、1つまたは複数の残基におけるアミノ酸置換は溶媒接触性残基における置換を含む。いくつかの態様では、1つまたは複数の残基におけるアミノ酸置換は溶媒非接触性残基における置換を含む。一部の態様では、溶媒接触性残基および溶媒非接触性残基の両方における置換が用いられる。いくつかの態様では、前記ポリペプチド物質は、1つまたは複数の残基におけるアミノ酸欠失の分だけSEQ ID NO:1とは異なるアミノ酸配列を有する。態様に応じて、固体支持体は、ビーズ、ガラススライド、チップ、ゼラチン、またはアガロースの1つまたは複数を含んでもよい。
【0052】
いくつかの態様では、本明細書において開示されたポリペプチドはタンパク質分析において使用することができ、例えば、検出可能な物質またはタグとして機能することができる。従って、本明細書において、いくつかの態様では、検出可能な物質および/またはタグに結合体化されたポリペプチド物質を含む組成物が提供され、前記ポリペプチド物質は
、およびその組み合わせからなる群より選択される配列を含み、SEQ ID NO:1ではないアミノ酸配列を有する。いくつかの態様では、Xnは天然アミノ酸もしくは非天然アミノ酸であり、それぞれのXnは、同じ、もしくは異なる天然アミノ酸もしくは非天然アミノ酸であり、ならびに/またはZ1および/もしくはZ2は2〜30個の天然アミノ酸もしくは非天然アミノ酸である。
【0053】
いくつかの態様では、検出可能な物質は色素原を含む。いくつかの態様では、検出可能な物質は蛍光色素を含む。いくつかの態様では、検出可能な物質は放射性核種を含む。このような態様では、検出可能な物質は定量可能である。
【0054】
前記組成物のいくつかの態様では、前記ポリペプチド物質は、クロマトグラフィービーズ、樹脂、ガラススライド、チップ、ゼラチン、またはアガロースに結合体化される。いくつかの態様では、タグは、ポリヒスチジルタグ、mycタグ、またはFLAGタグを含む。いくつかの態様では、タグの組み合わせも使用することができる。いくつかの態様では、前記ポリペプチド物質は、共有結合によって、検出可能な物質またはタグに結合体化される。前記組成物のいくつかの態様では、前記ポリペプチド物質は融合タンパク質である。いくつかの態様では、前記ポリペプチド物質は多量体である。
【0055】
関心対象の標的に特異的に結合する新規結合ドメイン(DBD)含有ポリペプチド(DBDpp)が提供され、同様に、提供されるDBDppをコードする核酸、前記核酸を含有するベクター、ならびに前記核酸およびベクターを含有する宿主細胞も提供される。DBDppライブラリー、このようなライブラリーを生成およびスクリーニングするための方法、ならびにこのようなライブラリーおよびスクリーニングから特定されたDBDppも提供される。DBDpp融合タンパク質などのDBDppも提供され、同様に、DBDppを作製および使用する方法も提供される。このような使用には、アフィニティー精製ならびに診断用途および治療用途が含まれるが、これに限定されない。
【0056】
一態様では、(例えば、アミノ酸改変のために)SEQ ID NO:1の配列を有する参照スキャフォールドのアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列をもつDBDppが提供される。参照スキャフォールドは、元々はタンパク質フォールディングの練習として操作された、非天然で、かつ標的がない(targetless)(例えば、出願人の知る限りでは、標的は現在、分かっていない)逆平行3ヘリックスバンドル参照ポリペプチドの変種である(その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Walsh et al., PNAS 96:5486-5491 (1999)を参照されたい)。SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有する、標的がない参照スキャフォールドの改変を含有するポリペプチドは関心対象の標的に特異的に結合できることが発見されており、いくつかの態様では本明細書において開示される。理論に拘束されるものではないが、DBDを設計する際には、(改変することができる)表面に露出した残基の構造的制約は、表面に露出した残基が関心対象の標的に特異的に結合する能力を付与すると考えられている。
【0057】
一態様において、DBDpp物質は、SEQ ID NO:1と相同性を示すが、1つまたは複数のアミノ酸の改変の分だけSEQ ID NO:1とは異なるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。いくつかの態様によれば、本明細書において提供される標的結合物質(例えば、DBDpp)は、関心対象の標的(例えば、がんまたは腫瘍に関連するマーカー、例えば、非限定的な態様としてCD123、CD137、PD-L1、CD19、CD22、NY-ESO、MAGE A3)に特異的に結合する。いくつかの態様では、提供される標的結合物質(例えば、DBDpp)は、SEQ ID NO:1と比較して改変されている合計5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、5〜45個、5〜50個、5〜55個、または5〜60個のアミノ酸残基を含み、関心対象の標的に特異的に結合する。別の態様では、改変されたアミノ酸残基のうち5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、5〜45個、5〜50個、5〜55個、または5〜60個は置換である。別の態様では、改変されたアミノ酸残基のうち5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、5〜45個、または5〜50個は保存的置換である。別の態様では、改変されたアミノ酸残基のうち5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、5〜45個、または5〜50個は非保存的置換である。さらなる態様では、アミノ酸残基改変のうち5〜15個、5〜20個、5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、または5〜45個は保存的置換であり、アミノ酸残基改変のうち5〜15個、5〜20個、5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、または5〜45個は非保存的置換である。さらなる態様では、置換のうち1〜25個、1〜30個、1〜35個、5〜40個、5〜45個、5〜50個、5〜55個、または5〜60個は、M1、G2、S3、W4、A5、E6、K8、Q9、R10、A12、A13、K15、T16、R17、E19、A20、L21、G22、G23、S24、E25、A26、E27、A29、A30、E32、K33、E34、A36、A37、E39、S40、E41、Q43、A44、Y45、K46、G47、K48、G49、N50、P51、E52、E54、A55、R57、K58、E59、A61、A62、R64、D65、E66、Q68、A69、Y70、R71、H72、およびN73からなる群より選択される、SEQ ID NO:1のアミノ酸残基にある。さらなる態様では、置換のうち1〜20個、1〜30個、または1〜40個は、G2、S3、W4、A5、E6、K8、Q9、R10、A12、A13、K15、T16、R17、E19、A20、A29、A30、E32、K33、E34、A36、A37、E39、S40、E41、Q43、A44、E52、E54、A55、R57、K58、E59、A61、A62、R64、D65、E66、Q68、A69、およびY70からなる群より選択される、SEQ ID NO:1のアミノ酸残基にある。任意のさらなる態様では、DBDppは、任意で、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列の溶媒非接触性残基に対応する残基のうち1〜5個、1〜10個、1〜15個、5〜10個、または5〜15個が置換されたアミノ酸配列をさらに含み、DBDppは関心対象の標的に特異的に結合する。いくつかの態様では、DBDppは、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列の溶媒接触性残基または溶媒非接触性残基に対応する残基のうち約1〜約5個、約1〜約10個、約1〜約15個、約5〜約10個、約5〜約15個(またはそれより多く)が置換されたアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、接触性残基および非接触性残基が両方とも置換されると、接触性残基だけの置換または非接触性残基だけの置換と比較して大きな程度の標的特異性が付与される。さらなる任意の態様では、SEQ ID NO:1の溶媒非接触性残基に対応する置換される残基は、F7、L11、I14、L18、L28、F31、I35、F38、L42、V53、L56、A60、I63、およびL67、およびY70からなる群より選択される。さらなる態様では、L21およびY45が、置換される溶媒非接触性残基の群に含まれる。さらなる態様では、DBDppは融合タンパク質である(例えば、DBDppは、直接的または間接的に、治療剤または診断剤などの別の分子と融合されるか、結合体化されるか、または別の方法で会合される)。一態様では、DBDppは固体支持体に取り付けられる。さらなる態様では、固体支持体は、ビーズ、ガラススライド、チップ、ゼラチン、およびアガロースからなる群より選択される。さらなる態様では、DBDppは、核酸、オリゴ糖、ペプチド、タンパク質、細胞表面抗原、および有機低分子からなる群より選択される関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、血清タンパク質、細胞表面タンパク質、治療用タンパク質、腫瘍特異的抗原(TSA)、がん特異的抗原(CSA)、およびペプチドタグ含有タンパク質からなる群より選択されるタンパク質に特異的に結合する。別の態様では、DBDppは、本明細書において開示された標的に特異的に結合する。DBDppをコードする核酸および前記核酸を含有するベクターも提供される。前記核酸およびベクターを含有する宿主細胞(ウイルス粒子を含む)も提供される。一部の態様では、宿主細胞は表面にDBDppをディスプレイする。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイする原核生物または真核生物である。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイするファージである。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDpp融合タンパク質を発現するヒト免疫細胞である。複数種のDBDppを含むライブラリーも提供される。
【0058】
一態様では、DBDppは、
(a)
[配列中、X5、X8、X9、X12、X15、X16、X19、X55、X58、X59、X62、X65、および/またはX66が天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基である];
(b)
[配列中、X5、X6、X9、X10、X13、X16、X17、X30、X33、X34、X37、X40、X41、および/またはX44が天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基である];
(c)
[配列中、X32、X33、X36、X39、X40、X43、X57、X58、X61、X64、X65、および/またはX68が天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基である];
(d)
[配列中、X5、X6、X9、X10、X13、X16、X17、X32、X33、X36、X39、X40、X43、X55、X58、X59、X62、X65、および/またはX66が天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基である];ならびに
(e)
[配列中、X5、X8、X9、X12、X15、X16、X19、X30、X33、X34、X37、X40、X41、X44、X57、X58、X61、X64、X65、および/またはX68が天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基である]、からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、関心対象の標的に特異的に結合する。いくつかの態様では、DBDppは、SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、およびSEQ ID NO:5からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むか、またはこのようなアミノ酸配列からなるか、またはこのようなアミノ酸配列から本質的になる。さらなる態様では、Xnは天然アミノ酸残基である。さらなる態様では、Xnは、システインまたはプロリン以外の天然アミノ酸残基である。なおさらなる態様では、Xnはアミノ酸の欠失(例えば、任意で、配列中のヌル位置)である。さらなる態様では、DBDppは融合タンパク質である。別の態様では、DBDppは、核酸、オリゴ糖、ペプチド、タンパク質、細胞表面抗原、および有機低分子からなる群より選択される関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、血清タンパク質、細胞表面タンパク質、治療用タンパク質、TSA、CSA、およびペプチドタグ含有タンパク質からなる群より選択されるタンパク質に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、本明細書において開示された標的に特異的に結合する。さらなる態様では、複数種のDBDppを含有するライブラリーが提供される。DBDppをコードする核酸および前記核酸を含有するベクターも提供される。前記核酸およびベクターを含有する宿主細胞(ウイルス粒子を含む)も提供される。一部の態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイする原核生物または真核生物である。一部の態様では、宿主細胞は表面にDBDppをディスプレイする。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイするファージである。さらなる態様では、宿主細胞は、1種類または複数種のDBDpp融合タンパク質を表面に発現するヒト免疫細胞(例えば、B細胞、T細胞、キラーT細胞、ヘルパーT細胞、調節性T細胞、抗原提示細胞、ナチュラルキラー細胞など)である。一態様では、DBDppは固体支持体に取り付けられる。さらなる態様では、固体支持体は、ビーズ、ガラススライド、他のガラスまたはプラスチックベースの材料(例えば、フィルターまたはフィルター装置)、濾過材料(例えば、ガラス繊維、スチールウール、ポリエーテルスルホンなど)、チップ、ゼラチン、およびアガロース、ならびにその組み合わせからなる群より選択される。
【0059】
(a)
[配列中、X5、X8、X9、X12、X15、X16、X19、X50、X53、X54、X57、X60、および/またはX61が天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基であり、Z1および/またはZ2が2〜30個の天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基である];
(b)
[配列中、X5、X6、X9、X10、X13、X16、X17、X28、X31、X32、X35、X38、X39、および/またはX42が天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基であり、Z1および/またはZ2が2〜30個の天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基である];
(c)
[配列中、X30、X31、X34、X37、X38、X41、X52、X53、X56、X59、X60、および/またはX63が天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基であり、Z1および/またはZ2が2〜30個の天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基である];
(d)
[配列中、X5、X6、X9、X10、X13、X16、X17、X30、X31、X34、X37、X38、X41、X50、X53、X54、X57、X60、および/またはX61が天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基であり、Z1および/またはZ2が2〜30個の天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基である];ならびに
(e)
[配列中、X5、X8、X9、X12、X15、X16、X19、X28、X31、X32、X35、X38、X39、X42、X52、X53、X56、X59、X60、および/またはX63が天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基であり、Z1および/またはZ2が2〜30個の天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基である]、からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、関心対象の標的に特異的に結合する、単離されたDBDppも提供される。いくつかの態様では、DBDppは、SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8、SEQ ID NO:9、およびSEQ ID NO:10、およびSEQ ID NO:11からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むか、またはこのようなアミノ酸配列からなるか、またはこのようなアミノ酸配列から本質的になる。さらなる態様では、Xnは天然アミノ酸残基である。さらなる態様では、Xnは、システインまたはプロリン以外の天然アミノ酸残基である。なおさらなる態様では、Xnはアミノ酸の欠失(例えば、任意で、配列中のヌル位置)である。なおさらなる態様では、Z1および/またはZ2はアミノ酸の欠失(例えば、任意で、配列中のヌル位置)である。さらなる態様では、DBDppは融合タンパク質である。別の態様では、DBDppは、核酸、オリゴ糖、ペプチド、タンパク質、細胞表面抗原、および有機低分子からなる群より選択される関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、血清タンパク質、細胞表面タンパク質、治療用タンパク質、TSA、CSA、およびペプチドタグ含有タンパク質からなる群より選択されるタンパク質に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、本明細書において開示された標的に特異的に結合する。さらなる態様では、複数種のDBDppを含有するライブラリーが提供される。DBDppをコードする核酸および前記核酸を含有するベクターも提供される。前記核酸を含有する、ウイルス粒子を含む宿主細胞も提供される。一部の態様では、宿主細胞は表面にDBDppをディスプレイする。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイするファージである。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイする原核生物または真核生物である。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDpp融合タンパク質を発現するヒト免疫細胞である。一態様では、DBDppは固体支持体に取り付けられる。さらなる態様では、固体支持体は、ビーズ、ガラススライド、チップ、ゼラチン、およびアガロースからなる群より選択される。
【0060】
DBDpp融合タンパク質などのDBDppをコードする核酸も提供される。さらに、DBDpp(例えば、DBDpp融合タンパク質)をコードする核酸を含有するベクター、ならびに前記核酸およびベクターを含有する宿主細胞が提供される。一部の態様では、宿主細胞は、ウイルス粒子、または細菌細胞、酵母細胞、真菌細胞、もしくは植物細胞である。特定の態様では、宿主細胞は哺乳動物細胞である。別の態様では、哺乳動物細胞は免疫細胞である。さらなる態様では、宿主細胞はヒト免疫細胞である。一部の態様では、宿主細胞は、融合タンパク質としてDBDppを細胞表面にディスプレイする。さらなる態様では、宿主細胞は、DBDppを細胞表面にディスプレイするヒト免疫細胞である。さらに、複数種のDBDppをコードする核酸を含むベクターライブラリーが本明細書において提供される。
【0061】
複数種のDBDppを含有するライブラリーも提供される。一態様では、DBDppライブラリーは、異なるアミノ酸配列を含有し、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を含む複数種のDBDppを含み、合計5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、5〜45個、5〜50個、5〜55個、または5〜60個のアミノ酸残基(列挙された数の間の任意の数を含む)が改変されており、DBDppは関心対象の標的に特異的に結合する。別の態様では、改変されたアミノ酸残基のうち5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、5〜45個、5〜50個、5〜55個、または5〜60個(列挙された数の間の任意の数を含む)は置換である。別の態様では、改変されたアミノ酸残基のうち5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、5〜45個、または5〜50個(列挙された数の間の任意の数を含む)は保存的置換である。別の態様では、改変されたアミノ酸残基のうち5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、5〜45個、または5〜50個(列挙された数の間の任意の数を含む)は非保存的置換である。さらなる態様では、アミノ酸残基改変のうち5〜15個、5〜20個、5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、または5〜45個(列挙された数の間の任意の数を含む)は保存的置換であり、アミノ酸残基改変のうち5〜15個、5〜20個、5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、または5〜45個(列挙された数の間の任意の数を含む)は非保存的置換である。さらなる態様では、置換のうち5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、5〜45個、5〜50個、5〜55個、または5〜60個(列挙された数の間の任意の数を含む)は、M1、G2、S3、W4、A5、E6、K8、Q9、R10、A12、A13、K15、T16、R17、E19、A20、L21、G22、G23、S24、E25、A26、E27、A29、A30、E32、K33、E34、A36、A37、E39、S40、E41、Q43、A44、Y45、K46、G47、K48、G49、N50、P51、E52、E54、A55、R57、K58、E59、A61、A62、R64、D65、E66、Q68、A69、Y70、R71、H72、およびN73からなる群より選択される、SEQ ID NO:1の1つまたは複数のアミノ酸残基にある。さらなる態様では、置換のうち1〜20個、1〜30個、または1〜40個(列挙された数の間の任意の数を含む)は、G2、S3、W4、A5、E6、K8、Q9、R10、A12、A13、K15、T16、R17、E19、A20、A29、A30、E32、K33、E34、A36、A37、E39、S40、E41、Q43、A44、E52、E54、A55、R57、K58、E59、A61、A62、R64、D65、E66、Q68、A69、およびY70からなる群より選択される、SEQ ID NO:1のアミノ酸残基の1つまたは複数にある。別の態様では、ライブラリーは、異なる標的に特異的に結合する、少なくとも2個、3個、4個、5個、10個、25個、50個、75個、100個、250個、500個、または1000個(列挙された数の間にある任意の範囲、例えば、2〜10個、5〜25個、50〜100個、250〜1000個などを含む)の異なるDBDpp(またはある特定の標的に対して異なる特異性を有するDBDpp)を含む。さらなる態様では、ライブラリー中にあるDBDppが結合する異なる標的は、核酸、オリゴ糖、ペプチド、タンパク質、細胞表面抗原、および有機低分子からなる群より選択される。さらなる態様では、ライブラリーは、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、血清タンパク質、細胞表面タンパク質、治療用タンパク質、TSA、CSA、およびペプチドタグ含有タンパク質からなる群より選択されるタンパク質標的に特異的に結合する、少なくとも2個、3個、4個、5個、10個、25個、50個、75個、100個、250個、500個、または1000個(列挙された数の間にある任意の範囲、例えば、2〜10個、5〜25個、50〜100個、250〜1000個などを含む)異なるDBDppを含む。さらなる態様では、ライブラリーは、本明細書において開示された標的に特異的に結合する、少なくとも2個、3個、4個、5個、10個、25個、50個、75個、100個、250個、500個、または1000個(列挙された数の間にある任意の範囲、例えば、2〜10個、5〜25個、50〜100個、250〜1000個などを含む)異なるDBDppを含む。さらなる態様では、ライブラリーはベクターライブラリーまたは宿主細胞ライブラリーである。さらなる態様では、ベクターライブラリーは宿主細胞のライブラリーである。別の態様では、宿主細胞ライブラリーは、DBDppを表面にディスプレイする複数の宿主細胞を含む。さらなる態様では、宿主細胞は、DBDppを表面にディスプレイするファージである。一部の態様では、ベクターライブラリーは、(a)異なる標的に特異的に結合する3種類のDBDppをコードする核酸;(b)同じ標的に特異的に結合する異なる配列を有する3種類のDBDppをコードする核酸;(c)標的の同じエピトープに特異的に結合する異なる配列を有する3種類のDBDppをコードする核酸;(d)標的の異なるエピトープに特異的に結合する異なる配列を有する3種類のDBDppをコードする核酸;(e)同じ標的との結合において競合する異なる配列を有する3種類のDBDppをコードする核酸;または(f)同じDBDpp配列をコードする3つの異なる核酸配列を含む。前記ベクターを含有する宿主細胞も提供される。
【0062】
SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を含むDBDppをコードする複数の異なる核酸配列を含むベクターライブラリーであって、合計1〜5個、5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、5〜45個、5〜50個、5〜55個、もしくは5〜60個のアミノ酸残基(または列挙された数の間の任意の数)が改変されており、DBDppが関心対象の標的に特異的に結合する、ベクターライブラリーも提供される。別の態様では、核酸配列によってコードされる、改変されたアミノ酸残基のうち1〜5個、5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、5〜45個、5〜50個、5〜55個、もしくは5〜60個(または列挙された数の間の任意の数)は置換である。別の態様では、改変されたアミノ酸残基のうち1〜5個、5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、5〜45個、もしくは5〜50個(または列挙された数の間の任意の数)は保存的置換である。別の態様では、コードされる改変されたアミノ酸残基のうち1〜5個、5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、5〜45個、もしくは5〜50個(または列挙された数の間の任意の数)は非保存的置換である。さらなる態様では、コードされるアミノ酸残基改変のうち1〜5個、5〜15個、5〜20個、5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、もしくは5〜45個(または列挙された数の間の任意の数)は保存的置換であり、コードされるアミノ酸残基改変のうち1〜5個、5〜15個、5〜20個、5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、もしくは5〜45個(または列挙された数の間の任意の数)は非保存的置換である。さらなる態様では、コードされる置換のうち1〜5個、5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、5〜45個、5〜50個、5〜55個、もしくは5〜60個(または列挙された数の間の任意の数)は、M1、G2、S3、W4、A5、E6、K8、Q9、R10、A12、A13、K15、T16、R17、E19、A20、L21、G22、G23、S24、E25、A26、E27、A29、A30、E32、K33、E34、A36、A37、E39、S40、E41、Q43、A44、Y45、K46、G47、K48、G49、N50、P51、E52、E54、A55、R57、K58、E59、A61、A62、R64、D65、E66、Q68、A69、Y70、R71、H72、およびN73の1つまたは複数からなる群より選択される、SEQ ID NO:1のアミノ酸残基にある。さらなる態様では、コードされる置換のうち1〜20個、1〜30個、もしくは1〜40個(または列挙された数の間の任意の数)は、G2、S3、W4、A5、E6、K8、Q9、R10、A12、A13、K15、T16、R17、E19、A20、A29、A30、E32、K33、E34、A36、A37、E39、S40、E41、Q43、A44、E52、E54、A55、R57、K58、E59、A61、A62、R64、D65、E66、Q68、A69、およびY70の1つまたは複数からなる群より選択される、SEQ ID NO:1のアミノ酸残基にある。さらなる態様では、前記核酸は、任意で、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列の溶媒非接触性残基に対応する残基のうち1〜5個、5〜15個、5〜20個、5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、もしくは5〜45個(または列挙された数の間の任意の数)が置換されたアミノ酸配列をさらに含み、関心対象の標的に特異的に結合するDBDppをコードする。別の態様では、ライブラリーは、異なる標的に特異的に結合する(または同じ標的に対して異なる親和性を有する)、少なくとも2個、3個、4個、5個、10個、25個、50個、75個、100個、250個、500個、または1000個の異なるDBDppをコードする核酸を含む。さらなる態様では、ライブラリー中にあるDBDppが結合する異なる標的は、核酸、オリゴ糖、ペプチド、タンパク質、細胞表面抗原、および有機低分子からなる群より選択される。さらなる態様では、ライブラリーは、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、血清タンパク質、細胞表面タンパク質、治療用タンパク質、TSA、CSA、およびペプチドタグ含有タンパク質からなる群より選択されるタンパク質標的に特異的に結合する、少なくとも2個、3個、4個、5個、10個、25個、50個、75個、100個、250個、500個、または1000個の異なるDBDppをコードする核酸を含む。さらなる態様では、ライブラリーは、本明細書において開示された標的に特異的に結合する、少なくとも2個、3個、4個、5個、10個、25個、50個、75個、100個、250個、500個、または1000個の異なるDBDppをコードする核酸を含む。さらなる態様では、ベクターライブラリーは宿主細胞(例えば、ウイルス粒子)に含められる。別の態様では、ライブラリーは、表面にDBDppをディスプレイする複数の宿主細胞を含む。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイするファージである。一部の態様では、ベクターライブラリーは、(a)異なる標的に特異的に結合する3種類のDBDppをコードする核酸;(b)同じ標的に特異的に結合する異なる配列を有する3種類のDBDppをコードする核酸;(c)標的の同じエピトープに特異的に結合する異なる配列を有する3種類のDBDppをコードする核酸;(d)標的の異なるエピトープに特異的に結合する異なる配列を有する3種類のDBDppをコードする核酸;(e)同じ標的との結合において競合する異なる配列を有する3種類のDBDppをコードする核酸;または(f)同じDBDpp配列をコードする3つの異なる核酸配列を含む。前記ベクターを含有する宿主細胞も提供される。
【0063】
一態様では、ベクターライブラリーは、DBDppをコードする複数の異なる核酸を含み、コードされるDBDppは、
(a)
[配列中、X5、X8、X9、X12、X15、X16、X19、X55、X58、X59、X62、X65、および/またはX66が天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基である];
(b)
[配列中、X5、X6、X9、X10、X13、X16、X17、X30、X33、X34、X37、X40、X41、および/またはX44が天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基である];
(c)
[配列中、X32、X33、X36、X39、X40、X43、X57、X58、X61、X64、X65、および/またはX68が天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基である];ならびに
(d)
[配列中、X5、X6、X9、X10、X13、X16、X17、X32、X33、X36、X39、X40、X43、X55、X58、X59、X62、X65、および/またはX66が天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基である];ならびに
(e)
[配列中、X5、X8、X9、X12、X15、X16、X19、X30、X33、X34、X37、X40、X41、X44、X57、X58、X61、X64、X65、および/またはX68が天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基である]、からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる態様では、Xnは天然アミノ酸残基である。さらなる態様では、Xnは、システインまたはプロリン以外の天然アミノ酸残基である。なおさらなる態様では、Xnはアミノ酸の欠失(例えば、任意で、配列中のヌル位置)である。さらなる態様では、ライブラリー中にある複数のベクターはDBDpp融合タンパク質をコードする。別の態様では、ライブラリーは、異なる標的に特異的に結合する、少なくとも2個、3個、4個、5個、10個、25個、50個、75個、100個、250個、500個、または1000個の異なるDBDppをコードする核酸を含む。さらなる態様では、ライブラリー中にある核酸によってコードされるDBDppが結合する異なる標的は、核酸、オリゴ糖、ペプチド、タンパク質、細胞表面抗原、および有機低分子からなる群より選択される。さらなる態様では、ライブラリーは、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、血清タンパク質、細胞表面タンパク質、治療用タンパク質、TSA、CSA、およびペプチドタグ含有タンパク質からなる群より選択されるタンパク質標的に特異的に結合する、少なくとも2個、3個、4個、5個、10個、25個、50個、75個、100個、250個、500個、または1000個の異なるDBDppをコードする核酸を含む。さらなる態様では、ライブラリーは、本明細書において開示された標的に特異的に結合する、少なくとも2個、3個、4個、5個、10個、25個、50個、75個、100個、250個、500個、または1000個の異なるDBDppをコードする核酸を含む。さらなる態様では、ベクターライブラリーの複数のベクターは、宿主細胞(例えば、ファージなどのウイルス粒子)、大腸菌(E.coli)、酵母、および哺乳動物細胞に含められる。別の態様では、宿主細胞は表面にDBDppをディスプレイする。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイするファージである。一部の態様では、ベクターライブラリーは、(a)異なる標的に特異的に結合する3種類のDBDppをコードする核酸;(b)同じ標的に特異的に結合する異なる配列を有する3種類のDBDppをコードする核酸;(c)標的の同じエピトープに特異的に結合する異なる配列を有する3種類のDBDppをコードする核酸;(d)標的の異なるエピトープに特異的に結合する異なる配列を有する3種類のDBDppをコードする核酸;(e)同じ標的との結合において競合する異なる配列を有する3種類のDBDppをコードする核酸;または(f)同じDBDpp配列をコードする3つの異なる核酸配列を含む。前記ベクターを含有する宿主細胞も提供される。
【0064】
一態様では、ベクターライブラリーは、
(a)
[配列中、X5、X8、X9、X12、X15、X16、X19、X50、X53、X54、X57、X60、および/またはX61が天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基であり、Z1およびZ2が2〜30個の天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基である];
(b)
[配列中、X5、X6、X9、X10、X13、X16、X17、X28、X31、X32、X35、X38、X39、および/またはX42が天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基であり、Z1およびZ2が2〜30個の天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基である];
(c)
[配列中、X30、X31、X34、X37、X38、X41、X52、X53、X56、X59、X60、および/またはX63が天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基であり、Z1およびZ2が2〜30個の天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基である];
(d)
[配列中、X5、X6、X9、X10、X13、X16、X17、X30、X31、X34、X37、X38、X41、X50、X53、X54、X57、X60、および/またはX61が天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基であり、Z1およびZ2が2〜30個の天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基である];ならびに
(e)
[配列中、X5、X8、X9、X12、X15、X16、X19、X28、X31、X32、X35、X38、X39、X42、X52、X53、X56、X59、X60、および/またはX63が天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基であり、Z1およびZ2が2〜30個の天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基である]、からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、関心対象の標的に特異的に結合するDBDppをコードする複数の核酸を含む。さらなる態様では、Xnは天然アミノ酸残基である。さらなる態様では、Xnは、システインまたはプロリン以外の天然アミノ酸残基である。なおさらなる態様では、Xnはアミノ酸の欠失(例えば、任意で、配列中のヌル位置)である。さらなる態様では、ライブラリー中にある複数のベクターはDBDpp融合タンパク質をコードする。別の態様では、ライブラリーは、異なる標的に特異的に結合する、少なくとも2個、3個、4個、5個、10個、25個、50個、75個、100個、250個、500個、または1000個の異なるDBDppをコードする核酸を含む。さらなる態様では、ライブラリー中にある核酸によってコードされるDBDppが結合する異なる標的は、核酸、オリゴ糖、ペプチド、タンパク質、細胞表面抗原、および有機低分子からなる群より選択される。さらなる態様では、ライブラリーは、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、血清タンパク質、細胞表面タンパク質、治療用タンパク質、TSA、CSA、およびペプチドタグ含有タンパク質からなる群より選択されるタンパク質標的に特異的に結合する、少なくとも2個、3個、4個、5個、10個、25個、50個、75個、100個、250個、500個、または1000個の異なるDBDppをコードする核酸を含む。さらなる態様では、ライブラリーは、本明細書において開示された標的に特異的に結合する、少なくとも2個、3個、4個、5個、10個、25個、50個、75個、100個、250個、500個、または1000個の異なるDBDppをコードする核酸を含む。さらなる態様では、ベクターライブラリーの複数のベクターは宿主細胞に含められる。別の態様では、宿主細胞(例えば、ウイルス粒子)は表面にDBDppをディスプレイする。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイするファージである。一部の態様では、宿主細胞は哺乳動物細胞である。一部の態様では、ベクターライブラリーは、(a)異なる標的に特異的に結合する3種類のDBDppをコードする核酸;(b)同じ標的に特異的に結合する異なる配列を有する3種類のDBDppをコードする核酸;(c)標的の同じエピトープに特異的に結合する異なる配列を有する3種類のDBDppをコードする核酸;(d)標的の異なるエピトープに特異的に結合する異なる配列を有する3種類のDBDppをコードする核酸;(e)同じ標的との結合において競合する異なる配列を有する3種類のDBDppをコードする核酸;または(f)同じDBDpp配列をコードする3つの異なる核酸配列を含む。前記ベクターを含有する宿主細胞も提供される。
【0065】
本明細書において提供されるいくつかの態様によるDBDppは、標的結合、インビトロまたはインビボで関心対象の標的(例えば、精製標的、治療標的、診断標的、ペプチドタグ、および血清タンパク質、例えば、ヒト血清アルブミン(HSA)または免疫グロブリン)を結合する、連結する、および/または別の方法で会合する能力、ならびにタンパク質を連結または会合するための反応部位として役立つ能力、例えば、さらなる部分(例えば、固体支持体)および/または他の改変を有するDBDpp融合タンパク質を含むが、これに限定されない活性を有する。本明細書において提供されるDBDppはまた、製造、精製、処方、ならびに生物学的用途、診断用途、および治療用途において有用な、さらなる望ましい特性および/または機能性も有することができる。
【0066】
一部の態様では、DBDppは、関心対象の標的を含有する試料中にある関心対象の標的を結合する、検出する、定量する、取り出す、かつ/または精製するために用いられる。
【0067】
非限定的な一態様は、試料中にある関心対象の標的を検出するための方法であって、(a)DBDppと標的との特異的結合に適した条件下で、試料を、標的に特異的に結合するDBDppと接触させて、標的/DBDpp複合体を形成する工程、ならびに(b)複合体および/または捕捉された標的の存在を検出する工程を含む、方法を提供する。一態様では、DBDppは固体支持体上に固定化される。
【0068】
関心対象の標的を含有する試料中にある関心対象の標的を定量するための方法であって、(a)DBDppと標的との特異的結合に適した条件下で、試料を、標的に特異的に結合し、固体支持体上に固定化されたDBDppと接触させて、標的/DBDpp複合体を形成する工程、ならびに(b)標的/DBDpp複合体および/または捕捉された標的の存在を検出する工程であって、産物の量的検出は試料中の標的の量を示すか、または別の方法で相関付けることができる、工程を含む、方法も提供される。
【0069】
一部の態様は、関心対象の標的を含有する試料から関心対象の標的を精製するための方法であって、(a)DBDppと標的との特異的結合に適した条件下で、関心対象の標的を含有する試料を、標的に特異的に結合するDBDppと接触させる工程、および(b)結合した標的を回収する工程を含む、方法を提供する。一部の態様では、標的は溶出によって回収される。一態様では、DBDppは固体支持体上に固定化される。さらなる態様では、結合した標的の検出は紫外線吸収、または他の視覚化もしくは化学に基づく検出法によってモニタリングされる。一部の態様では、試料から望ましくない関心対象の標的を取り出す方法が提供され、結合した望ましくない標的は直接捨てられるか、あるいは溶出され(または別の方法で収集もしくは回収され)、次いで、捨てられる。
【0070】
さらなる態様は、関心対象の標的に特異的に結合するDBDppがあるかどうかDBDppライブラリーをスクリーニングする方法であって、(a)DBDppライブラリーを表面にディスプレイする複数の宿主細胞(例えば、ウイルス粒子、ファージ、細菌、および/または哺乳動物細胞)を入手する工程;(b)標的とDBDppとの特異的結合に適した条件下で、複数の宿主細胞を関心対象の標的と接触させる工程;ならびに(c)標的とDBDppの結合を確かめる工程を含む、方法を提供する。一態様では、宿主細胞は、DBDppを表面にディスプレイするファージである。
【0071】
いくつかの態様では、診断用途および治療用途においてDBDppを使用する方法も提供される。一態様は、疾患または障害を処置する方法であって、関心対象の治療標的に特異的に結合する、治療的有効量のDBDpp(例えば、DBDpp融合タンパク質)を、処置を必要とする対象に投与する工程を含む、方法を提供する。一部の態様では、疾患または障害は、がん、免疫系の疾患もしくは障害、または感染症である。DBDppと一緒に、さらなる治療剤を同時投与する工程を含む、疾患または障害を処置する方法も提供される。
【0072】
さらに、がんを処置または予防するための方法であって、DBDpp-CAR Tリンパ球を、標的細胞の表面に腫瘍抗原を発現する患者(例えば、がんにかかりやすい患者、またはがんを有する患者)に投与する工程を含み、DBDppが抗原に特異的に結合する、方法が提供される。
【0073】
[本発明1001]
関心対象の標的に結合するためのポリペプチドであって、
を含むアミノ酸配列を含み、
SEQ ID NO:1のアミノ酸配列に対する改変に由来し、
関心対象の標的に特異的に結合し、
ポリペプチドと関心対象の標的との特異的結合が、SEQ ID NO:1のポリペプチドと関心対象の標的との結合より強い、ポリペプチド。
[本発明1002]
SEQ ID NO:50を含有しない、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1003]
SEQ ID NO:1に対する改変が置換を含む、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1004]
置換が保存的置換である、本発明1003のポリペプチド。
[本発明1005]
置換が非保存的置換である、本発明1003のポリペプチド。
[本発明1006]
置換が、SEQ ID NO:1のアミノ酸の、システインとの置換を含まない、本発明1003のポリペプチド。
[本発明1007]
置換が、SEQ ID NO:1のアミノ酸の、プロリンとの置換を含まない、本発明1003のポリペプチド。
[本発明1008]
ポリペプチドが特異的に結合する関心対象の標的ががん抗原である、本発明1001のポリペプチド。
[本発明1009]
ポリペプチドが特異的に結合するがん抗原がPD-L1である、本発明1008のポリペプチド。
[本発明1010]
SEQ ID NO:38、SEQ ID NO:39、SEQ ID NO:40、SEQ ID NO:41、SEQ ID NO:42、SEQ ID NO:43、およびSEQ ID NO:44 からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、本発明1009のポリペプチド。
[本発明1011]
ポリペプチドが特異的に結合するがん抗原がCD137であり、ポリペプチドが、SEQ ID NO:12、SEQ ID NO:13、SEQ ID NO:14、SEQ ID NO:15、SEQ ID NO:16、SEQ ID NO:17、SEQ ID NO:18、およびSEQ ID NO:19からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、本発明1008のポリペプチド。
[本発明1012]
ポリペプチドが特異的に結合するがん抗原がCD123である、本発明1008のポリペプチド。
[本発明1013]
SEQ ID NO:92〜127より選択されるアミノ酸配列を含む、本発明1012のポリペプチド。
[本発明1014]
参照ポリペプチドを、関心対象の標的に対して特異的結合を有するポリペプチドに変換するための方法であって、以下の工程を含む、方法:
参照ポリペプチドに由来する複数のアミノ酸残基を改変して、複数の候補結合ポリペプチドを作製する工程であって、
参照ポリペプチドが非天然ポリペプチドの変種を含み、リンカーペプチドによってつなげられた3つの逆平行αへリックスを含み、
改変されるアミノ酸残基が溶媒接触性または溶媒非接触性であり、
改変がアミノ酸置換を含む、工程;
複数の候補結合ポリペプチドを複数のベクターに入れて候補ライブラリーを作製する工程;および
関心対象の標的に対して特異的結合を示す候補結合ポリペプチドがあるかどうか候補ライブラリーをスクリーニングする工程。
[本発明1015]
置換が保存的アミノ酸置換である、本発明1014の方法。
[本発明1016]
置換が非保存的アミノ酸置換である、本発明1014の方法。
[本発明1017]
置換がシステインへの置換を含まない、本発明1014〜1016のいずれかの方法。
[本発明1018]
置換がプロリンへの置換を含まない、本発明1014〜1017のいずれかの方法。
[本発明1019]
候補結合ポリペプチドの中にある潜在的に免疫原性のアミノ酸残基を特定する工程と、潜在的に免疫原性のアミノ酸残基の少なくとも1つを改変する工程とをさらに含み、改変がアミノ酸置換を含む、本発明1014〜1018のいずれかの方法。
[本発明1020]
3つの逆平行αへリックスを含み、合成ポリペプチドの変種であり、CD123と少なくとも95%同一のタンパク質に免疫特異的に結合する、新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)。
[本発明1021]
約10-4M〜約10-12Mの解離定数(KD)を有する、本発明1020の新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)。
[本発明1022]
DBDppが免疫特異的に結合するタンパク質がCD123のアミノ酸19〜305(SEQ ID NO:187)を含む、本発明1020または1021の新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)。
[本発明1023]
アミノ酸配列が、
を含み、Xnが天然アミノ酸または非天然アミノ酸である、本発明1020〜1022のいずれかの新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)。
[本発明1024]
SEQ ID NO:60〜SEQ ID NO:136のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも85%同一のアミノ酸配列を含む、本発明1020〜1022のいずれかの新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)。
[本発明1025]
本発明1020〜1024のいずれかの新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)を含み、腫瘍標的に対して結合特異性を示す1種類または複数種のさらなるDBDppをさらに含む、融合タンパク質。
[本発明1026]
標識されている、本発明1020〜1025のいずれかの新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)。
[本発明1027]
標識が、酵素標識、蛍光標識、発光標識、および生物発光標識からなる群より選択される、本発明1026の新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)。
[本発明1028]
標識がビオチン部分である、本発明1026の新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)。
[本発明1029]
治療剤または細胞傷害性剤と結合体化されている、本発明1020〜1028のいずれかの新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)。
[本発明1030]
薬学的に許容される担体をさらに含む、本発明1020〜1029のいずれかの新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)。
[本発明1031]
本発明1020〜1030のいずれかの新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)を含む、キット。
[本発明1032]
本発明1020〜1030のいずれかの新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)をコードする、単離された核酸分子。
[本発明1033]
本発明1032の単離された核酸分子を含む、ベクター。
[本発明1034]
核酸分子によってコードされる新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)の発現を調節するヌクレオチド配列をさらに含む、本発明1033のベクター。
[本発明1035]
本発明1033の核酸分子を含む、宿主細胞。
[本発明1036]
本発明1020〜1030のいずれかの新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)を発現するように操作された、細胞株。
[本発明1037]
CD123との結合において本発明1020〜1030のいずれかのDBDppと競合する、新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)。
[本発明1038]
腫瘍に結合する、本発明1020〜1030のいずれかの新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)。
[本発明1039]
本発明1020〜1030のいずれかの新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)を含む標的指向ドメインと、膜貫通ドメインと、細胞内シグナル伝達ドメインとを含む、キメラ抗原受容体(CAR)。
[本発明1040]
細胞内シグナル伝達ドメインが、ヒトCD3ζドメイン、41BBドメイン、CD28ドメイン、およびその任意の組み合わせからなる群より選択される、本発明1039のキメラ抗原受容体(CAR)。
[本発明1041]
共刺激シグナル伝達領域が、CD27、CD28、4-1BB、OX40、CD30、CD40、PD-1、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3、CD83と共に特異的に結合するリガンド、およびその任意の組み合わせからなる群より選択される共刺激分子の細胞内ドメインを含む、本発明1039または1040のいずれかのキメラ抗原受容体(CAR)。
[本発明1042]
本発明1025の融合タンパク質を含む、キメラ抗原受容体(CAR)。
[本発明1043]
本発明1020〜1030のいずれかの新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)と、膜貫通ドメインと、細胞内シグナル伝達ドメインとを含むキメラ抗原受容体(CAR)をコードする配列を含む、単離された核酸配列。
[本発明1044]
新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)に由来する抗原結合ドメインと、膜貫通ドメインと、シグナル伝達ドメインとを含むキメラ抗原受容体(CAR)をコードする配列を含む核酸配列を含む、細胞。
[本発明1045]
新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)が腫瘍抗原に結合する、本発明1044の細胞。
[本発明1046]
腫瘍抗原が血液悪性腫瘍に関連する、本発明1045の細胞。
[本発明1047]
腫瘍抗原が固形腫瘍に関連する、本発明1045の細胞。
[本発明1048]
腫瘍抗原が、CD137、PD-L1、CD123、CTLA4、CD47、KIR、DR5、TIM3、PD1、EGFR、TCR、CD19、CD20、CD22、ROR1、メソテリン、CD33/IL3Ra、cMet、PSMA、糖脂質F77、EGFRvIII、GD2、NY-ESO-1、MAGE A3、およびその組み合わせからなる群より選択される、本発明1045の細胞。
[本発明1049]
T細胞またはナチュラルキラー(NK)細胞である、本発明1044〜1048のいずれかの細胞。
[本発明1050]
新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)がその対応する腫瘍抗原に結合した時に、細胞が抗腫瘍免疫を示す、本発明1049の細胞。
[本発明1051]
Xnがシステインでもプロリンでもない、SEQ ID 4を含むアミノ酸配列。
[本発明1052]
膜結合ウイルス様粒子(VLP)を生じ、キメラ抗原受容体(CAR)と融合した新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)を含む融合タンパク質を発現するように操作された哺乳動物細胞であって、融合タンパク質が、生じたVLP上に発現される、哺乳動物細胞。
[本発明1053]
新規結合ドメインポリペプチド(DBDpp)に対して作られた抗体を作製するための免疫原として使用するのに適している、本発明1052の哺乳動物細胞によって産生されたウイルス様粒子(VLP)。
[本発明1054]
CD123との結合において本発明1020〜1030のいずれかのDBDppと競合する、ポリペプチド。
[本発明1055]
がんを有する対象を処置する方法であって、以下の工程を含む、方法:
キメラ抗原受容体(CAR)を含む免疫細胞を対象に投与する工程であって、
CARが、以下:
を含むアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、標的結合ドメインであって
該ポリペプチドが、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列に対する改変に由来し、
該ポリペプチドが、がん細胞が発現する関心対象の標的に特異的に結合し、
該ポリペプチドと関心対象の標的との特異的結合が、SEQ ID NO:1のポリペプチドと関心対象の標的との結合より強い、標的結合ドメインと;
膜貫通ドメインと;
シグナル伝達ドメインを含む細胞内ドメインと
を含み、
標的結合ドメインが、がんを有する対象に投与されると、がん細胞が発現する関心対象の標的に特異的に結合し、
関心対象の標的に結合すると、がん細胞に細胞傷害効果をもたらす細胞傷害シグナルを生じるように免疫細胞が誘導され、それによって、がんが処置される、工程。
[本発明1056]
免疫細胞がT細胞である、本発明1055の方法。
[本発明1057]
免疫細胞がNK細胞である、本発明1055の方法。
[本発明1058]
投与が静脈内投与である、本発明1055の方法。
[本発明1059]
膜貫通ドメインが41BBまたはCD28を含み、細胞質ドメインがT細胞受容体のα鎖、β鎖、またはζ鎖を含み、免疫細胞がT細胞である、本発明1055の方法。
[本発明1060]
関心対象の標的に結合すると、T細胞が、細胞内シグナル伝達を開始し、サイトカインを産生し、脱顆粒し、それによって、がん細胞に対して細胞傷害効果が生じるように刺激される、本発明1059の方法。
[本発明1061]
T細胞が、関心対象の標的との結合に応答して増殖し、T細胞疲弊に関連する表現型を示さない、本発明1060の方法。
[本発明1062]
膜貫通ドメインがCD28を含み、細胞質ドメインがT細胞受容体のζ鎖を含み、免疫細胞がNK細胞である、本発明1055の方法。
[本発明1063]
がん細胞が発現する関心対象の標的が、CD137、PD-L1、CD123、CTLA4、CD47、KIR、DR5、TIM3、PD1、EGFR、TCR、CD19、CD20、CD22、ROR1、メソテリン、CD33/IL3Ra、cMet、PSMA、糖脂質F77、EGFRvIII、GD2、NY-ESO-1、MAGE A3、およびその組み合わせからなる群より選択される腫瘍抗原の1つまたは複数である、本発明1055の方法。
[本発明1064]
キメラ抗原受容体(CAR)が、
SEQ ID NO:4のアミノ酸を有し、がん細胞が発現する第2の関心対象の標的に特異的に結合することができる第2のポリペプチド
をさらに含み、第2のポリペプチドと第2の関心対象の標的との特異的結合が、SEQ ID NO:1のポリペプチドと第2の関心対象の標的との結合より強い、本発明1055の方法。
[本発明1065]
改変が、置換によってSEQ ID NO:1にシステインまたはプロリンを入れることを含まない、本発明1055の方法。
[本発明1066]
がんを有する対象を処置する方法であって、以下の工程を含む、方法:
キメラ抗原受容体(CAR)を含む免疫細胞を対象に投与する工程であって、
CARが、以下:
SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、および SEQ ID NO:6からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、標的結合ドメインであって、
SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、および SEQ ID NO:6のいずれにも、置換によってシステイン残基もプロリン残基も入れられておらず、
該ポリペプチドが、がん細胞が発現する関心対象の標的に特異的に結合し、
該ポリペプチドと関心対象の標的との特異的結合が、SEQ ID NO:1のポリペプチドと関心対象の標的との結合より強い、標的結合ドメインと;
膜貫通ドメインと;
シグナル伝達ドメインを含む細胞内ドメインと
を含み、
標的結合ドメインが、がんを有する対象に投与されると、がん細胞が発現する関心対象の標的に特異的に結合し、
関心対象の標的に結合すると、がん細胞に細胞傷害効果をもたらす細胞傷害シグナルを生じるように免疫細胞が誘導され、それによって、がんが処置される、工程。
[本発明1067]
免疫細胞がT細胞である、本発明1066の方法。
[本発明1068]
免疫細胞がNK細胞である、本発明1066の方法。
[本発明1069]
膜貫通ドメインが41BBまたはCD28を含み、細胞質ドメインがT細胞受容体のα鎖、β鎖、またはζ鎖を含み、免疫細胞がT細胞である、本発明1066の方法。
[本発明1070]
関心対象の標的に結合すると、T細胞が、細胞内シグナル伝達を開始し、サイトカインを産生し、増殖し、脱顆粒し、それによって、がん細胞に対して細胞傷害効果が生じるように刺激され、T細胞が、T細胞疲弊に関連する表現型を示さない、本発明1069の方法。
[本発明1071]
がんを有する対象を処置する方法であって、以下の工程を含む、方法:
T細胞上に発現しているキメラ抗原受容体(CAR)を含む免疫細胞を対象に静脈内投与する工程であって、
CARが、以下:
SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、および SEQ ID NO:6からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、標的結合ドメインであって、
SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、および SEQ ID NO:6のいずれにも、置換によってシステイン残基もプロリン残基も入れられておらず、
ポリペプチドが、がん細胞が発現する関心対象の標的に特異的に結合し、
ポリペプチドと関心対象の標的との特異的結合が、SEQ ID NO:1のポリペプチドと関心対象の標的との結合より強い、標的結合ドメインと;
41BBおよびCD28より選択される膜貫通ドメインと;
T細胞受容体のα鎖、β鎖、またはζ鎖より選択されるシグナル伝達ドメインを含む細胞内ドメインと
を含み、
標的結合ドメインが、がんを有する対象に投与されると、がん細胞が発現する関心対象の標的に特異的に結合し、
関心対象の標的に結合すると、がん細胞に細胞傷害効果をもたらす細胞傷害シグナルを生じるようにT細胞が誘導される、工程。
[本発明1072]
細胞傷害効果がT細胞の脱顆粒に起因する、本発明1071の方法。
[本発明1073]
活性化後に、T細胞が、T細胞疲弊に関連する表現型を示さない、本発明1071の方法。
[本発明1074]
キメラ抗原受容体(CAR)が、標的結合ドメインとは異なる標的を有する第2のポリペプチドを含む第2の標的結合ドメインをさらに含む、本発明1071の方法。
[本発明1075]
がんを処置するためのキメラ抗原受容体(CAR)を含むT細胞の使用であって、
CARが、以下:
SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:6からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、標的結合ドメインであって、
SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、および SEQ ID NO:6のいずれにも、置換によってシステイン残基もプロリン残基も入れられておらず、
ポリペプチドが、がん細胞が発現する関心対象の標的に特異的に結合し、
ポリペプチドと関心対象の標的との特異的結合が、SEQ ID NO:1のポリペプチドと関心対象の標的との結合より強い、標的結合ドメインと;
41BBおよびCD28より選択される膜貫通ドメインと;
T細胞受容体のα鎖、β鎖、またはζ鎖より選択されるシグナル伝達ドメインを含む細胞内ドメインと
を含み、
標的結合ドメインが、がんを有する対象に投与されると、がん細胞が発現する関心対象の標的に特異的に結合し、
関心対象の標的に結合すると、がん細胞に細胞傷害効果をもたらす細胞傷害シグナルを生じるようにT細胞が誘導される、使用。
[本発明1076]
がんを処置するためのキメラ抗原受容体(CAR)を含む免疫細胞の使用であって、
CARが、以下:
SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、およびSEQ ID NO:6からなる群より選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む、標的結合ドメインであって、
SEQ ID NO:2、SEQ ID NO:3、SEQ ID NO:4、SEQ ID NO:5、および SEQ ID NO:6のいずれにも、置換によってシステイン残基もプロリン残基も入れられておらず、
ポリペプチドが、がん細胞が発現する関心対象の標的に特異的に結合し、
ポリペプチドと関心対象の標的との特異的結合が、SEQ ID NO:1のポリペプチドと関心対象の標的との結合より強い、標的結合ドメインと;
41BBおよびCD28より選択される膜貫通ドメインと;
T細胞受容体のα鎖、β鎖、またはζ鎖より選択されるシグナル伝達ドメインを含む細胞内ドメインと
を含み、
標的結合ドメインが、がんを有する対象に投与されると、がん細胞が発現する関心対象の標的に特異的に結合し、
関心対象の標的に結合すると、がん細胞に細胞傷害効果をもたらす細胞傷害シグナルを生じるように免疫細胞が誘導される、使用。
[本発明1077]
免疫細胞がT細胞またはナチュラルキラー(NK)細胞である、本発明1076の使用。
上記で要約され、下記でさらに詳細に説明される、ある特定の方法は、専門家が行った、ある特定の行為を示している。しかしながら、この方法は、別の人による行為の指示も含んでもよい。従って、「標的特異的結合ポリペプチド-CARを含むT細胞を投与する」のような行為は、「標的特異的結合ポリペプチド-CARを含むT細胞の投与を指示する」を含むことが理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0074】
図1】SEQ ID NO:1から得られたDBDppのホモロジーモデルを示す模式図である。ヘリックスおよびドメインの3つの面を示す横断面図(図1A)。残基E19、N末端(NT)およびC末端(CT)の位置を示す縦断面図(図1B)。
図2】SEQ ID NO:1の参照スキャフォールドに基づくDBDppの異なるホモロジーモデルの模式図である。DBDppの面ライブラリー(F1、F2、およびF3)ならびに組み合わせライブラリー(C1およびC2)において、改変のために標的化された残基を濃く網がけする。F1ライブラリーの縦および横断面図をそれぞれ図2Aおよび図2Bに示す。F2ライブラリーの縦および横断面図をそれぞれ図2Cおよび図2Dに示す。F3ライブラリーの縦および横断面図をそれぞれ図2Eおよび図2Fに示す。C1ライブラリーの縦および横断面図をそれぞれ図2Gおよび図2Hに示す。C2ライブラリーの縦および横断面図をそれぞれ図2Iおよび図2Jに示す。各モデルについてN末端(NT)およびC末端(CT)を表示する。
図3A】本明細書開示のいくつかの態様により使用するためのファージディスプレイ構築物の模式図である。
図3B】本明細書開示のライブラリーを産生するために使用されるpCombファージミドベクターのための線状ベクターマップを示す。NNKまたはトリマーコドンを含むオリゴを利用して、クンケル変異誘発によりライブラリーを創出した。DBDpp変種ペプチド配列をFLAGペプチドタグ配列とM13遺伝子pIIIとの間でフレーム内に発現させた。DBDppをDsbAシグナルペプチドの制御下でN末端pIII遺伝子融合体として発現させた。
図3C】実施例に記載されるDBDppライブラリーを産生するために使用されたpCombファージミドベクターのための線状ベクターマップを示す。DsbAシグナルペプチドとM13遺伝子pIIIとの間のフレーム内にDBDppを発現させた。改変されたpCombファージミドベクターは、図3Bに示したものと同じであるが、本明細書開示のある特定の態様により、FLAGペプチドタグ配列は不在である(その際、FLAGタグを任意で除去または別の様々なタグで置き換える)。
図3D】比較結合アッセイからのデータを示す。N末端FLAGタグ融合体を大腸菌培養物から発現させ、精製した。ELISAに基づく結合判定から、精製されたFLAG-pb04(PD-L1を標的指向する)がPD-L1-Fc被覆マイクロタイターウェルに用量依存的に結合する一方で、FLAG-α3D(N末端にFLAGタグを有するSEQ ID 49の参照配列)が結合性に変化を示さないことが実証された。
図4】DBDppは、新規な結合特異性を有し、これらの新規な結合特異性を、融合タンパク質(例えば、抗体-DBDpp融合タンパク質)の部分として、別の分子(例えば、抗体)に与える。DBDpp(丸で示す)から抗体重鎖のC末端(図4A)およびN末端(図4B)への組換え融合体を示す模式図。RSV特異的抗体(SYN)およびSEQ ID NO:1の無標的ペプチド(DBD)またはCD137特異的DBDpp(bb10)のいずれかを使用してDBDpp-抗体融合体を創出した。DBDppをN末端(bb10-SYNおよびDBD-SYN)またはC末端(SYN-bb10およびSYN-DBD)に融合させる。4つの抗体融合体の全てがRSVに結合する(図4C)。しかし、bb10から抗体重鎖のN末端(bb10-SYN)またはC末端(SYN-bb10)のいずれかへの融合体は、それがなければ一特異性である抗体に対し、新規なCD137結合特異性を与える(図4D)。
図5A】本明細書開示のいくつかの態様によるDBDpp-CAR融合タンパク質の模式図を示す。例として6つの異なるDBDpp-CAR形式を提示するが、それらの形式は、限定ではなく例証であることが意図される。細胞外DBDppドメインは、単一の標的(例えばDBDpp「A」)または1つを超える標的もしくはエピトープ(例えばDBDpp「A」およびDBDpp「B」)に特異的な場合がある。膜貫通(TM)ドメインの非限定的な例を示し、CD3、CD28および41BB由来の細胞内ドメインの非限定的な例も示す。任意で、ペプチドリンカーを介してドメインを連結する(網がけで示す)。
図5B】膜結合型(例えば、細胞外)DBDpp-CAR融合体のさらなる模式図を示す。
図5C】可溶性DBDppの模式図を示す。
図6】多重特異性DBDpp融合体は細胞表面の標的を認識する。FACS分析により、bb10-SYNおよびSYNbb10二重特異性抗体(網がけのヒストグラム)は活性化CEM細胞にSYN単独(黒い枠線)よりも大きなレベルで結合することが示される。bb10 N末端融合体(図6A)で観察された、C末端融合体(図6B)と比較して弱い結合は、上記ELISAデータと一致する。URE1は、CD137標的指向ウレルマブの可変ドメインがIgGスキャフォールドに融合されたものから形成された組換え抗体構築物である。PMA(50ng/ml)およびイオノマイシン(500ng/ml)で48時間活性化後にCEM細胞の結合を行った。結合した抗体の検出を抗IgG1 Fcを用いて行った(FITC-A)。
図7A】DBDppは、抗体-DBDpp融合タンパク質に新規な生物学的活性を与える。ウレルマブなどのリガンドまたはアゴニスト抗体によるCD137の活性化は、シグナル伝達カスケードを誘導し、結果としてサイトカイン生成、抗アポトーシス分子の発現、および増強した免疫応答が生じる。bb10-SYNおよびSYN-bb10がPBMCからのサイトカイン放出を誘導する能力を測定することにより、CD137標的指向DBDppであるbb10のアゴニスト可能性を判定した。可溶性形式およびプラスチックウェル被覆形式の両方でbb10融合体を検査した。完全RPMI培地中のPBMCをプレートに添加し、一晩インキュベートした。次に、ELISAを用いてTNFaについて細胞培養上清を測定した。2つのドナーPBMC集団について、bb10融合体は、アゴニスト性抗CD137モノクローナル抗体URE1以上のレベルでTNFアルファの分泌を誘導する。
図7B】DBDppは、抗体-DBDpp融合タンパク質に新規な生物学的活性を与える。ウレルマブなどのリガンドまたはアゴニスト抗体によるCD137の活性化は、シグナル伝達カスケードを誘導し、結果としてサイトカイン生成、抗アポトーシス分子の発現、および増強した免疫応答が生じる。bb10-SYNおよびSYN-bb10がPBMCからのサイトカイン放出を誘導する能力を測定することにより、CD137標的指向DBDppであるbb10のアゴニスト可能性を判定した。可溶性形式およびプラスチックウェル被覆形式の両方でbb10融合体を検査した。完全RPMI培地中のPBMCをプレートに添加し、一晩インキュベートした。次に、ELISAを用いてTNFaについて細胞培養上清を測定した。2つのドナーPBMC集団について、bb10融合体は、アゴニスト性抗CD137モノクローナル抗体URE1以上のレベルでTNFアルファの分泌を誘導する。
図7C】DBDppは、抗体-DBDpp融合タンパク質に新規な生物学的活性を与える。ウレルマブなどのリガンドまたはアゴニスト抗体によるCD137の活性化は、シグナル伝達カスケードを誘導し、結果としてサイトカイン生成、抗アポトーシス分子の発現、および増強した免疫応答が生じる。bb10-SYNおよびSYN-bb10がPBMCからのサイトカイン放出を誘導する能力を測定することにより、CD137標的指向DBDppであるbb10のアゴニスト可能性を判定した。可溶性形式およびプラスチックウェル被覆形式の両方でbb10融合体を検査した。完全RPMI培地中のPBMCをプレートに添加し、一晩インキュベートした。次に、ELISAを用いてIL8について細胞培養上清を測定した。2つのドナーPBMC集団について、bb10融合体は、アゴニスト性抗CD137モノクローナル抗体URE1以上のレベルでIL8の分泌を誘導する。
図7D】DBDppは、抗体-DBDpp融合タンパク質に新規な生物学的活性を与える。ウレルマブなどのリガンドまたはアゴニスト抗体によるCD137の活性化は、シグナル伝達カスケードを誘導し、結果としてサイトカイン生成、抗アポトーシス分子の発現、および増強した免疫応答が生じる。bb10-SYNおよびSYN-bb10がPBMCからのサイトカイン放出を誘導する能力を測定することにより、CD137標的指向DBDppであるbb10のアゴニスト可能性を判定した。可溶性形式およびプラスチックウェル被覆形式の両方でbb10融合体を検査した。完全RPMI培地中のPBMCをプレートに添加し、一晩インキュベートした。次に、ELISAを用いてIL8について細胞培養上清を測定した。2つのドナーPBMC集団について、bb10融合体は、アゴニスト性抗CD137モノクローナル抗体URE1以上のレベルでIL8の分泌を誘導する。
図8】インビボ安定性は、大部分の生物学的製剤の臨床効果に重要である。抗体融合パートナーと比較してDBDppの相対安定性を判定するためにbb10融合体の薬物動態測定を行った。融合体の単回静脈内注射(1mg/kg)を受けたCD1マウスからの血清中に存在する二重特異性抗体のRSV結合性およびCD137結合性の両方の分析によりインビボ安定性を決定した。15分目および48時間目に血清試料を収集し、ELISAによりアッセイした。N末端およびC末端DBDpp融合タンパク質の両方は、持続性のインビボ安定性を示す。下により詳細に論じるように、いくつかの態様は、拡張した安定性(例えば、24時間、48時間、72時間、96時間、6日、8日、10日、またはそれを超える時間の程度で、列挙した時間の間の時間を含む)を有するDBDpp融合体を伴う。
図9】本明細書開示のいくつかの態様により生産されたDBDppのHPLC精製を示す。
図10】本明細書開示のいくつかの態様により生産された精製DBDppのSDS-PAGE分析を示す。レーン1は分子量マーカーであり、レーン2はSEQ ID NO:58の精製DBDppに対応し、レーン3〜9はそれぞれSEQ ID NO:51〜57の精製DBDppに対応する。
図11】SEQ ID NO. 54のデコンボリューション後のエレクトロスプレーイオン化質量分析(ESI-MS)スペクトルを示す。
図12A】固体表面に固定化されたCD137への、CD137標的指向DBDppの結合性に関するデータを示す。図12Aは、SEQ ID NO: 51(12A)のDBDppのセンサグラムである。
図12B】固体表面に固定化されたCD137への、CD137標的指向DBDppの結合性に関するデータを示す。図12Bは、SEQ ID NO: 51(12B)のDBDppについての対応する定常状態の結合データを示す。
図12C】固体表面に固定化されたCD137への、CD137標的指向DBDppの結合性に関するデータを示す。図12Cは、SEQ ID NO: 52(12C)のDBDppのセンサグラムである。
図12D】固体表面に固定化されたCD137への、CD137標的指向DBDppの結合性に関するデータを示す。図12Dは、SEQ ID NO: 52(12D)のDBDppについての対応する定常状態の結合データを示す。
図12E】固体表面に固定化されたCD137への、CD137標的指向DBDppの結合性に関するデータを示す。図12Eは、SEQ ID NO: 53(12E)のDBDppのセンサグラムである。
図12F】固体表面に固定化されたCD137への、CD137標的指向DBDppの結合性に関するデータを示す。図12Fは、SEQ ID NO: 53(12F)のDBDppについての対応する定常状態の結合データを示す。
図12G】固体表面に固定化されたCD137への、CD137標的指向DBDppの結合性に関するデータを示す。図12Gは、SEQ ID NO: 54(12G)のDBDppのセンサグラムである。
図12H】固体表面に固定化されたCD137への、CD137標的指向DBDppの結合性に関するデータを示す。図12Hは、SEQ ID NO: 54(12H)のDBDppについての対応する定常状態の結合データを示す。
図12I】固体表面に固定化されたCD137への、CD137標的指向DBDppの結合性に関するデータを示す。図12Iは、SEQ ID NO: 55(12I)のDBDppのセンサグラムである。
図12J】固体表面に固定化されたCD137への、CD137標的指向DBDppの結合性に関するデータを示す。図12Jは、SEQ ID NO: 55(12J)のDBDppについての対応する定常状態の結合データを示す。
図12K】固体表面に固定化されたCD137への、CD137標的指向DBDppの結合性に関するデータを示す。図12Kは、SEQ ID NO: 56(12K)のDBDppのセンサグラムである。
図12L】固体表面に固定化されたCD137への、CD137標的指向DBDppの結合性に関するデータを示す。図12Lは、SEQ ID NO: 56(12L)のDBDppについての対応する定常状態の結合データを示す。
図12M】固体表面に固定化されたCD137への、CD137標的指向DBDppの結合性に関するデータを示す。図12Mは、SEQ ID NO: 57(12M)のDBDppのセンサグラムである。
図12N】固体表面に固定化されたCD137への、CD137標的指向DBDppの結合性に関するデータを示す。図12Nは、SEQ ID NO: 57(12N)のDBDppについての対応する定常状態の結合データを示す。
図12O】固体表面に固定化されたCD137への、CD137標的指向DBDppの結合性に関するデータを示す。図12Oは、SEQ ID NO: 58(12O)のDBDppのセンサグラムである。
図12P】固体表面に固定化されたCD137への、CD137標的指向DBDppの結合性に関するデータを示す。図12Pは、SEQ ID NO: 58(12P)のDBDppについての対応する定常状態の結合データを示す。
図13】チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞上清からのCD137タンパク質の精製についてのクロマトグラフィーのデータを示す。
図14】DBDppを使用して精製されたタンパク質の分析。図14Aに、DBDpp精製カラムから精製された画分を負荷したクマシー染色ゲルを示す。レーン1は分子量マーカーである。レーン2はIMACで精製されたCD137タンパク質であり、レーン3〜8は本明細書におけるいくつかの態様による様々なDBDppを用いたカラムからの溶出液である。図14Bは、図14Aに示される試料に対応する試料を用いたウエスタンブロット分析である。
図15A】DBDppの熱安定性。図15Aに、様々な上昇温度に曝露後のPD-L1PD-L1-Fc被覆マイクロプレートのウェルへのDR5 scFvの結合性の評価を示す。
図15B】DBDppの熱安定性。図15Bに温度増加と、PD-L1PD-L1に方向付けられたscFvによるPDL1結合性の減少との間の相関を示すデータを示す。
図15C】DBDppの熱安定性。図15Cに、本明細書開示の一態様によるDBDpp(pb04 DBDpp)が、最大100℃までの漸増温度に曝露された後にPD-L1PD-L1結合親和性を保持したことを示す。
図15D】DBDppの熱安定性。図15Dに、同じく熱安定性も示し、最大100℃までの温度に曝露後にPD-L1PD-L1と結合することができる追加的なDBDpp(pb06 DBDpp)を示す。
図16】DBDppの交差反応性。図16Aに、DBDppが複数の種にわたる標的と結合する能力に関するデータを示す。特に、図16Aは、PD-L1に対する可溶性DBDppが類似の結合親和性でヒトPD-L1(上の線)およびカニクイザルPD-L1(下の線)に結合できることを実証している。図16Bに、T細胞、具体的にはキメラ抗原受容体T細胞に発現されたときに、T細胞がヒトおよびカニクイザルの両方のPD-L1を認識し、結合できることを確認するフローサイトメトリーのデータを示す。
図17】DBDpp-CAR発現および標的結合性の判定。図17に様々な候補DBDpp-CAR HEK-293T細胞のDBDpp-CAR発現およびCD-123-Fc結合性に関するデータを示す。
図18】DBDppはシグナル伝達を媒介する。図18に、DBDpp-CAR Jurkat細胞の発現および細胞内シグナル伝達経路を経由して機能する能力に関するデータを示す。
図19】CD123-DBDpp-CAR T細胞は標的の結合に応答してサイトカインを生成する。図19Aに、CD123を標的指向するDBDpp-CARを発現しているT細胞によるインターフェロンガンマ(IFNγ)の生成に関するデータを示す。図19Bに、CD123標的指向DBDpp-CAR T細胞によるインターロイキン2(IL2)の生成を測定している類似のデータを示す。
図20】PD-L1-DBDpp-CAR T細胞は標的の結合に応答してサイトカインを生成する。図20AにPD-L1を標的指向するDBDpp-CARを発現しているT細胞によるインターフェロンガンマ(IFNγ)の生成に関するデータを示す。図20Bに、PD-L1標的指向DBDpp-CAR T細胞によるインターロイキン2(IL2)の生成を測定している類似のデータを示す。
図21】CD123-DBDpp-CAR T細胞は標的の結合に応答して増殖する。図21に、対照およびCD123標的指向scFvと比較した、CD123標的指向DBDpp-CAR T細胞の増殖に関するデータを示す。
図22】PD-L1-DBDpp-CAR T細胞は標的の結合に応答して増殖する。図22に、モック条件と比較した、PD-L1標的指向DBDpp-CAR T細胞の増殖に関するデータを示す。
図23A】DBDpp-CARを発現しているT細胞は、scFvよりも大きな程度の過剰消耗を受けない。図23Aに、様々なDBDpp-CARを発現しているT細胞での3つの消耗マーカー(LAG-3、PD-1、およびTIM3)の発現が、scFvでのそれらのマーカーの発現と類似のレベルであることを示す。
図23B】DBDpp-CARを発現しているT細胞は、scFvよりも大きな程度の過剰消耗を受けない。図23Bに、DBDpp-CAR T細胞(CD123標的指向cg06 DBDppを発現している)上の消耗マーカーの発現が、CD123特異的scFvを発現しているCAR T細胞(32716)と比較して、類似していることを示すフローサイトメトリーのデータを示す。
図24A】DBDpp-CARを発現しているT細胞は標的の結合に応答して脱顆粒する。図24Aに、CD123標的指向DBDpp-CAR T細胞を単独で培養した場合の(DBDpp-CAR T細胞の脱顆粒のマーカーとしての)CD107aの生成を示す。
図24B】DBDpp-CARを発現しているT細胞は標的の結合に応答して脱顆粒する。図24BにDBDpp-CAR T細胞をCD123陰性K562腫瘍細胞と共培養した場合のCD107a生成を示す。
図24C】DBDpp-CARを発現しているT細胞は標的の結合に応答して脱顆粒する。図24Cに、CD123-標的指向DBDpp-CAR T細胞をCD123陽性BDCM細胞と共培養した場合のCD107aを示す。
図24D】DBDpp-CARを発現しているT細胞は標的の結合に応答して脱顆粒する。図24Dに、CD123標的指向DBDpp-CAR T細胞とCD123陽性BDCM細胞との共培養実験の繰り返しからのデータを示す。
図25A】PD-L1-DBDpp-CARを発現しているT細胞は標的の結合に応答して脱顆粒する。図25Aに、PD-L1標的指向DBDpp-CAR T細胞を単独で、例えば不活性化状態で培養した場合の(DBDpp-CAR T細胞の脱顆粒のマーカーとしての)CD107aの発現を示す。
図25B】PD-L1-DBDpp-CARを発現しているT細胞は標的の結合に応答して脱顆粒する。図25Bに、DBDpp-CAR T細胞をPD-L1陰性K562腫瘍細胞と共培養した場合のCD107aの測定を示す。
図25C】PD-L1-DBDpp-CARを発現しているT細胞は標的の結合に応答して脱顆粒する。図25Cに、PD-L1標的指向DBDpp-CAR T細胞をPD-L1陽性SUDHL1細胞と共培養した場合の増加したCD107aを示す。
図25D】PD-L1-DBDpp-CARを発現しているT細胞は標的の結合に応答して脱顆粒する。図25Dに、PD-L1標的指向DBDpp-CAR T細胞とPD-L1陽性SUDHL1細胞との共培養の実験繰り返しからのデータを示す。
図26A】DBDpp-CARを発現しているT細胞は、標的特異的腫瘍細胞傷害作用を媒介する。図26Aに、CD123標的指向DBDpp-CAR T細胞による、CD123に関して陰性であるK562腫瘍細胞の、死滅パーセンテージに関するデータを示す。最初のドナー血液試料からのT細胞を使用して図26Aのデータを生成した。
図26B】DBDpp-CARを発現しているT細胞は、標的特異的腫瘍細胞傷害作用を媒介する。図26Bに、CD123標的指向DBDpp-CAR T細胞をCD123陽性BDCM細胞と共培養した場合の、死滅パーセンテージを示す。最初のドナー血液試料からのT細胞を使用して26Bのデータを生成した。
図26C】DBDpp-CARを発現しているT細胞は、標的特異的腫瘍細胞傷害作用を媒介する。図26Cに、第2のドナーから収集されたT細胞からの類似のデータを示す。
図26D】DBDpp-CARを発現しているT細胞は、標的特異的腫瘍細胞傷害作用を媒介する。図26Dに、第2のドナーから収集されたT細胞からの類似のデータを示す。
図27A】DBDpp-CARを発現しているT細胞は、標的特異的腫瘍細胞傷害作用を媒介する。図27Aに、PD-L1標的指向DBDpp-CAR T細胞による、PD-L1に関して陰性であるK562腫瘍細胞の、死滅パーセンテージに関するデータを示す。様々なPD-L1標的指向DBDppを発現しているCAR T細胞は、モック対照よりも低い死滅率を示した。
図27B】DBDpp-CARを発現しているT細胞は、標的特異的腫瘍細胞傷害作用を媒介する。図27Bに、PD-L1標的指向DBDpp-CAR T細胞をPD-L1陽性SUDHL1細胞と共培養した場合の、上昇した死滅パーセンテージを示す。
図27C】DBDpp-CARを発現しているT細胞は、標的特異的腫瘍細胞傷害作用を媒介する。図27Aに、PD-L1標的指向DBDpp-CAR T細胞による、PD-L1に関して陰性であるK562腫瘍細胞の死滅パーセンテージに関するデータを示す。様々なPD-L1標的指向DBDppを発現しているCAR T細胞は、モック対照よりも低い死滅率を示した。2つの追加的なドナーについて図27Cに類似のデータを示す。
図27D】DBDpp-CARを発現しているT細胞は、標的特異的腫瘍細胞傷害作用を媒介する。図27Bに、PD-L1標的指向DBDpp-CAR T細胞をPD-L1陽性SUDHL1細胞と共培養した場合の上昇した死滅パーセンテージを示す。2つの追加的なドナーについて図27Dに類似のデータを示す。
図27E】DBDpp-CARを発現しているT細胞は、標的特異的腫瘍細胞傷害作用を媒介する。図27Aに、PD-L1標的指向DBDpp-CAR T細胞による、PD-L1に関して陰性であるK562腫瘍細胞の死滅パーセンテージに関するデータを示す。様々なPD-L1標的指向DBDppを発現しているCAR T細胞は、モック対照よりも低い死滅率を示した。2つの追加的なドナーについて図27Eに類似のデータを示す。
図27F】DBDpp-CARを発現しているT細胞は、標的特異的腫瘍細胞傷害作用を媒介する。図27Bに、PD-L1標的指向DBDpp-CAR T細胞をPD-L1陽性SUDHL1細胞と共培養した場合の上昇した死滅パーセンテージを示す。2つの追加的なドナーについて図27Fに類似のデータを示す。
図28】免疫原性潜在性が減少したDBDpp。本明細書開示のDBDppは合成されたものであるので、潜在的に免疫原性のエピトープを特定するために分析を行った。DBDpp(cg06)の三次元モデルを図28Aに示す。図28Bに、潜在的免疫原性がより低いように改変された潜在的免疫原性エピトープの(3つのうち)1つを有するcg06を示す。図28Cに、潜在的免疫原性エピトープの(3つのうち)2つが改変されたcg06を示す。図28Dに、潜在的免疫原性エピトープの3つ全てが改変されたcg06を示す。
図29】改変されたエピトープを有するDBDppは機能性を保持する。図29Aに、CD123標的指向DBDpp(cg06)の異種を発現しているCAR T細胞に関するデータを示す。全部で3つの潜在的に免疫原性のエピトープがDBDpp配列から除去されても、異種は、CD123陽性BDCM標的細胞に結合した後、シグナル伝達(ルシフェラーゼを発現するように活性化Jurkat細胞を操作)を媒介する能力を保持する(未改変cg06を矢印で示す)。図29Bに、改変された異種がCD123陽性KG-1a細胞に結合した場合の、類似の効力を示す(未改変cg06を矢印で示す)。
図30】腫瘍細胞上の二重マーカーの発現。図30Aに、K562細胞、KG1a細胞、BDCM細胞、SUDHL細胞、またはH460細胞上でのCD123の発現についてのフローサイトメトリーのデータを示す。図30Bに、同じ細胞株上でのPD-L1の発現についてのフローサイトメトリーのデータを示す。
図31A】二重特異性DBDpp-CAR T細胞。図31Aに、CD123標的指向DBDpp-CARを発現しているT細胞のパーセンテージを示す。
図31B】二重特異性DBDpp-CAR T細胞。図31Bに、PD-L1標的指向DBDpp-CARを発現しているT細胞のパーセンテージを示す。
図31C】二重特異性DBDpp-CAR T細胞。図31Cに、二重特異性CD123-PD-L1標的指向DBDpp-CARを発現しているT細胞(pb04 DBDppよりもcg06 DBDppの方がT細胞膜に遠位で発現)のパーセンテージを示す。
図31D】二重特異性DBDpp-CAR T細胞。図31Dに、二重特異性PD-L1-CD123標的指向DBDpp-CARを発現しているT細胞(cg06 DBDppよりもpb04 DBDppの方がT細胞膜に遠位で発現)のパーセンテージを示す。
図31E】二重特異性DBDpp-CAR T細胞。図31Eに、二重特異性DBDppの、増加した細胞内シグナル伝達に関するデータを示す。
図32】競合DBDpp結合アッセイ。図32に、たとえ試験したDBDppが異なるアミノ酸一次配列を有するとしても、共通のエピトープ結合性を示すDBDppを特定するために使用することができる、競合結合アッセイの一態様を示す。
【発明を実施するための形態】
【0075】
詳細な説明
本明細書において用いられるセクションの見出しは系統立ててまとめることだけを目的とし、説明された対象を限定すると解釈してはならない。
【0076】
用語の定義
本明細書において態様が「含む(comprising)」という言葉で説明されている場合は必ず、「からなる(consisting of)」および/または「から本質的になる(consisting essentially of)」という言葉で説明されている別の類似する態様も提供されることが理解される。しかしながら、クレームにおいて移行句として用いられる時には、それぞれの言葉は別個に、かつ適切な法律上の、および事実に基づいた意味合いで解釈しなければならない(例えば、「含む」はオープンエンドの句だとみなされるのに対して、「からなる」は排他的であり、「から本質的になる」は中立の立場をとる)。
【0077】
本明細書において用いられる単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は特別の定めのない限り複数の内容(reference)を含む。
【0078】
本明細書において「Aおよび/またはB」などの句において用いられる「および/または」という用語は、AおよびBの両方;AまたはB;A(のみ);およびB(のみ)を含むことが意図される。同様に、「A、B、および/またはC」などの句において用いられる「および/または」という用語は、以下の態様のそれぞれ:A、B、およびC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;AおよびC;AおよびB;BおよびC;A(のみ);B(のみ);ならびにC(のみ)を含むことが意図される。
【0079】
「タンパク質」および「ポリペプチド」という用語は、ペプチド結合を介して連結したアミノ酸に由来する単位を含む生物学的ポリマーを指すために本明細書において同義に用いられる。タンパク質は2本以上のポリペプチド鎖で構成されてもよい。
【0080】
本明細書において同義に用いられる「抗体」または「免疫グロブリン」という用語は、抗体の任意の機能ドメイン、例えば、抗原結合断片もしくはその単鎖、エフェクタードメイン、サルベージ(salvage)受容体結合エピトープ、またはその一部を含む、抗体全体および抗体断片を含む。代表的な抗体は、ジスルフィド結合によって相互接続した少なくとも2本の重(H)鎖および2本の軽(L)鎖を含む。それぞれの重鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではVHと略す)と重鎖定常領域で構成される。重鎖定常領域は、3つのドメイン、CH1、CH2、およびCH3で構成される。それぞれの軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではVLと略す)と軽鎖定常領域で構成される。軽鎖定常領域は1つのドメイン、C1で構成される。VH領域およびVL領域は、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変領域にさらに細分することができ、超可変性領域には、フレームワーク領域(FW)と呼ばれる、さらに保存されている領域が点在している。それぞれのVHおよびVLは3つのCDRと4つのFRで構成され、アミノ末端からカルボキシ末端に向かって以下の順序:FW1、CDR1、FW2、CDR2、FW3、CDR3、FW4で並べられている。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含有する。抗体の定常領域は、免疫グロブリンと、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)および古典的補体系の第1の成分(C1q)を含む宿主組織または因子との結合を媒介することができる。本開示の非限定的なタイプの抗体には、例えば、DBDppが(例えば、ペプチド結合を介して、もしくは化学リンカーを介して)典型的な(完全長)抗体全体の重鎖および/もしくは軽鎖のN末端に共有結合的に連結されたか、または抗体全体のH鎖および/もしくはL鎖に差し込まれた、典型的な抗体、scFv、およびその組み合わせが含まれる。
【0081】
「抗体断片」という用語は、全く損なわれていない抗体の一部を指し、抗体の任意の機能ドメイン、例えば、抗原結合断片またはその単鎖、エフェクタードメインまたはその一部、およびサルベージ受容体結合エピトープまたはその一部を指す。抗体断片の例には、Fab、Fab'、F(ab')2、およびFv断片、直鎖抗体、単鎖抗体、ならびに抗体断片から形成された多重特異性抗体が含まれるが、これに限定されない。本明細書において用いられる「抗体断片」は抗原結合部位またはエピトープ結合部位を含む。一態様では、DBDpp融合タンパク質はエフェクタードメインまたはその一部を含む。一態様では、DBDpp融合タンパク質はサルベージ受容体結合エピトープまたはその一部を含む。
【0082】
本明細書において用いられる「Fc領域」または単に「Fc」という用語は、免疫グロブリン鎖定常領域、好ましくは、免疫グロブリン重鎖定常領域、またはその一部のカルボキシル末端部分を意味すると理解される。例えば、免疫グロブリンFc領域は、(1)CH1ドメイン、CH2ドメイン、およびCH3ドメイン、(2)CH1ドメインおよびCH2ドメイン、(3)CH1ドメインおよびCH3ドメイン、4)CH2ドメインおよびCH3ドメイン、または(5)2つ以上のドメインの組み合わせと、免疫グロブリンヒンジ領域を含んでもよい。好ましい態様では、免疫グロブリンFc領域は少なくとも免疫グロブリンヒンジ領域とCH2ドメインとCH3ドメインを含み、好ましくは、CH1ドメインを欠いている。一態様では、重鎖定常領域が得られる免疫グロブリンのクラスは、IgG(Igγ)(γサブクラス1、2、3、または4)である。免疫グロブリンの他のクラス、IgA(Igα)、IgD(Igδ)、IgE(Igε)、およびIgM(Igμ)が用いられてもよい。適切な免疫グロブリン重鎖定常領域の選択は米国特許第5,541,087号および同第5,726,044号において詳細に議論されている。米国特許第5,541,087号および同第5,726,044号はそれぞれ、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。特定の結果を実現するための、ある特定の免疫グロブリンクラスおよびサブクラスに由来する特定の免疫グロブリン重鎖定常領域配列の選択は当業者の技術の範囲内にあるとみなされる。免疫グロブリンFc領域をコードするDNA構築物の一部は、好ましくは、少なくとも、ヒンジドメインの一部と、好ましくは、少なくとも、FcγのCH3ドメインまたはIgA、IgD、IgE、もしくはIgMのいずれかの相同ドメインの一部を含む。さらに、免疫グロブリン重鎖定常領域内でのアミノ酸の置換または欠失は、本明細書において開示された方法および組成物の実施において有用な場合があると意図される。一例は、Fc受容体に対する親和性が低下したFc変種を作り出すために、上部のCH2領域にアミノ酸置換を導入することであろう(Cole, J. Immunol. 159:3613 (1997))。
【0083】
「抗体依存性細胞傷害」または「ADCC」は、Fc受容体(FcR)を発現する非特異的な細胞傷害細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球、およびマクロファージ)が、標的細胞上にある結合抗体を認識し、その後に、標的細胞の溶解(または他の細胞傷害効果)を引き起こす細胞性反応を指す。関心対象の分子のADCC活性を評価するために、当技術分野において公知の任意のインビトロADCCアッセイ、例えば、米国特許第5,500,362号または同第5,821,337号に記載のインビトロADCCアッセイを使用することができる。このようなアッセイに有用なエフェクター細胞には末梢血単核球(PBMC)およびナチュラルキラー(NK)細胞が含まれるが、これに限定されない。または、もしくはさらに、関心対象の分子のADCC活性は、インビボで、例えば、動物モデル、例えば、Clynes et al. PNAS 95:652-656 (1998)に開示される動物モデルにおいて評価することができる。
【0084】
本明細書において用いられる「単鎖可変断片」または「scFv」抗体という用語は、リンカーペプチドでつながった、重鎖および軽鎖だけの可変領域を含む抗体(例えば、抗体断片)の種類を指す。一態様では、DBDpp融合タンパク質はDBDppおよびscFvを含む。
【0085】
「リンカー」という用語は、DBDppと、DBDpp融合タンパク質の別のポリペプチドとの間に位置するペプチドまたは他の化学的連結を指す。2つ以上の連結されたDBDppをカップリングするのに適したリンカーは当業者に明らかであり、非限定的な例が本明細書に記載されている。
【0086】
本明細書において用いられる「機能的に連結された」という用語は、それぞれの分子が単独で有していた機能活性の少なくともいくらかのレベルを保持するように(それぞれの分子が機能活性を有していたと仮定する)、2つの分子が取り付けられることを示す。ある分子が機能活性をもたない態様では、他の分子がその機能活性の少なくともいくらかのレベルを保持していれば、ある分子は別の分子と機能的に連結されている。機能的に連結されたとは、2つの非機能的分子の連結を指すこともある。2つの分子は直接的に取り付けられても、(例えば、リンカーを介して)間接的に取り付けられても「機能的に連結」することができる。
【0087】
「特異的に結合する」または「〜に対して選択的親和性を有する」という用語は、DBDppなどの結合物質が、標的エピトープに関連しないタンパク質を含む代替物質よりも、頻度が多く、速やかに、期間が長く、親和性が大きく、または上記の何らかの組み合わせで、エピトープ、タンパク質、または標的分子と反応するか、または会合することを意味する。異なる種の相同タンパク質間には配列同一性があるので、特異的結合は、いくつかの態様では、複数の種にあるタンパク質または標的を認識する結合物質を含むことがある。同様に、異なるタンパク質のポリペプチド配列のある特定の領域内には相同性があるので、特異的結合は、複数種のタンパク質または標的を認識する結合物質を含むことがある。ある特定の態様では、第1の標的に特異的に結合する結合物質は第2の標的に特異的に結合してもよく、特異的に結合しなくてもよいことが理解される。従って、「特異的結合」は、必ず、排他的な結合、例えば、1種類の標的だけとの結合を必要とするとは限らない(だが、1種類の標的だけとの結合を含むことがある)。従って、結合物質は、ある特定の態様では、複数種の標的に特異的に結合してもよい。ある特定の態様では、複数種の標的が、結合物質上にある同じ抗原結合部位に結合してもよい。
【0088】
「標的」とは、DBDpp、例えば、DBDpp融合タンパク質、またはDBDpp融合タンパク質の他の成分、例えば、抗体もしくは抗体可変ドメイン断片が結合することができる、任意の分子または分子の組み合わせを指す。
【0089】
「エピトープ」および「抗原決定基」という用語は本明細書において同義に用いられ、特定の結合物質(例えば、DBDppまたは抗体)が認識することができ、かつ特異的に結合することができる任意の分子(例えば、関心対象の標的)の一部を指す。認識される分子がポリペプチドである場合、エピトープは、連続したアミノ酸、ならびにタンパク質の三次フォールディングによって近接して並べられた非連続アミノ酸および/または他の化学的に活性のある分子(例えば、炭水化物)表面グループから形成することができる。連続するアミノ酸から形成されているエピトープは、典型的には、タンパク質が変性した場合にも保持されるが、三次フォールディングによって形成されたエピトープは、典型的には、タンパク質が変性すると失われる。エピトープは独特の空間配置中に典型的には少なくとも3アミノ酸、より通常は少なくとも5または8〜10アミノ酸を含む。
【0090】
本明細書において用いられる「ペプチドタグ」は、結果として生じた融合に機能をもたらすように、別のタンパク質の一部であるか、または(例えば、遺伝子工学によって)別のタンパク質に取り付けられたペプチド配列を指す。ペプチドタグは、通常、ペプチドタグに融合されるタンパク質と比較して、比較的短い。例として、ペプチドタグは、いくつかの態様では、長さが4個以上のアミノ酸、例えば、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、または25個、またはそれより多いアミノ酸である。一部の態様では、DBDppは、ペプチドタグを含有する融合タンパク質である。他の態様では、DBDppはペプチドタグに特異的に結合する。本明細書において提供されるように用途がある非常に多くのペプチドタグが当技術分野において公知である。DBDpp融合タンパク質またはDBDpp(例えば、DBDpp融合タンパク質)が結合する標的の成分になり得るペプチドタグの例。DBDpp融合タンパク質またはDBDpp(例えば、DBDpp融合タンパク質)が結合する標的の成分になり得るペプチドタグの例には、HA(血球凝集素)、c-myc、単純ヘルペスウイルス糖タンパク質D(gD)、T7、GST、GFP、MBP、Strepタグ、Hisタグ、Mycタグ、TAPタグ、およびFLAG(登録商標)タグ(Eastman Kodak, Rochester, N.Y.)が含まれるが、これに限定されない。同様に、タグエピトープに対する抗体があると、例えば、アフィニティー精製、ウエスタンブロット、ELISAアッセイ、および細胞の免疫染色において融合タンパク質を検出および局在化するのが可能になる。
【0091】
「天然の」という用語は、核酸分子、ポリペプチド、および宿主細胞などの生物学的材料に関連して用いられる時には、天然で見出され、ヒトによって改変されていない生物学的材料を指す。逆に、「非天然の」または「合成の」は生物学的材料に関連して用いられる時には、天然で見出されず、ヒトによって改変されている生物学的材料を指す。
【0092】
参照スキャフォールドSEQ ID NO:1の配列に関して(または他の配列に関して)本明細書において用いられる「改変」は、SEQ ID NO:1の対応するアミノ酸位置の(または他の配列の対応する位置に関する)配列の置換、欠失、挿入、および/または付加を含む。
【0093】
参照スキャフォールドSEQ ID NO:1の配列に関して(または他の配列に関して)「置換」とは、特定のアミノ酸残基と、SEQ ID NO:1の対応するアミノ酸位置における(または他の配列の対応する位置に関して)異なるアミノ酸残基との交換を指す。
【0094】
「保存的」アミノ酸置換は、あるアミノ酸残基が、類似する側鎖を有する別のアミノ酸残基と交換される置換である。類似する側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、塩基性側鎖(例えば、リジン(K)、アルギニン(R)、ヒスチジン(H))、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E))、無電荷極性側鎖(例えば、グリシン(G)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、スレオニン(T)、チロシン(Y)、システイン(C))、無極性側鎖(例えば、アラニン(A)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)、フェニルアラニン(F)、メチオニン(M)、トリプトファン(W)、β-分枝側鎖(例えば、スレオニン(T)、バリン(V)、イソロイシン(I))、および芳香族側鎖(例えば、チロシン(Y)、フェニルアラニン(F)、トリプトファン(W)、ヒスチジン(H))を含めて当技術分野において定義されている。例えば、チロシンの代わりにフェニルアラニンが用いられるのは保存的置換である。一態様では、DBDpp配列中に保存的置換があっても、置換を含有するDBDppと、DBDppが結合する関心対象の標的は特異的に結合する。一態様では、DBDpp配列中に保存的置換があっても、置換を含有するDBDppと、DBDppが結合する関心対象の標的との結合は無くならない。選択的結合親和性を付与する、変える、または維持する、ヌクレオチドおよびアミノ酸の保存的置換および非保存的置換を特定する方法は当技術分野において公知である(例えば、Brummell, Biochem. 32:1180-1187 (1993); Kobayashi, Protein Eng. 12(10):879-884 (1999);およびBurks, PNAS 94:412-417 (1997)を参照されたい)。
【0095】
「非保存的」アミノ酸置換とは、あるアミノ酸残基が、異なる側鎖を有する別のアミノ酸残基と交換される置換である。一態様では、DBDpp配列中に非保存的置換があっても、置換を含有するDBDppと、DBDppが結合する関心対象の標的は特異的に結合する。一態様では、DBDpp配列中に非保存的置換があっても、置換を含有するDBDppと、DBDppが結合する関心対象の標的との結合は無くならない。
【0096】
「非天然アミノ酸」、「アミノ酸類似体」、および「非標準的アミノ酸残基」は本明細書において同義に用いられる。本明細書において提供されるDBDppにおいて置換することができる非天然アミノ酸は当技術分野において公知である。一態様では、非天然アミノ酸は、プロリンの代わりに置換することができる4-ヒドロキシプロリン;リジンの代わりに置換することができる5-ヒドロキシリジン;ヒスチジンの代わりに置換することができる3-メチルヒスチジン;セリンの代わりに置換することができるホモセリン;およびリジンの代わりに置換することができるオルニチンである。DBDppにおいて置換することができる非天然アミノ酸のさらなる例には、一般的なアミノ酸のD-異性体、2,4-ジアミノ酪酸、α-アミノイソ酪酸、A-アミノ酪酸、Abu、2-アミノ酪酸、γ-Abu、ε-Ahx、6-アミノヘキサン酸、Aib、2-アミノイソ酪酸、3-アミノプロピオン酸、オルニチン、ノルロイシン、ノルバリン、ヒドロキシプロリン、サルコシン、シトルリン、ホモシトルリン、システイン酸、t-ブチルグリシン、t-ブチルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、β-アラニン、ランチオニン、デヒドロアラニン、γ-アミノ酪酸、セレノシステインおよびピロリジンフルオロ-アミノ酸、デザイナー(designer)アミノ酸、例えば、β-メチルアミノ酸、Cα-メチルアミノ酸およびNα-メチルアミノ酸、または非天然アミノ酸の組み合わせなどの分子が含まれるが、これに限定されない。なおさらなる非天然アミノ酸には、4-アミノ酪酸、4-アミノ-3-ヒドロキシ-5-フェニルペンタン酸、4-アミノ-3-ヒドロキシ-6-メチルヘプタン酸、2-チエニルアラニン、および/またはアミノ酸のD-異性体が含まれ得る。本明細書において議論したように、いくつかの態様では、非天然アミノ酸またはアミノ酸類似体には、配列からの1つまたは複数のアミノ酸の欠失が含まれる得る。
【0097】
本明細書において同義に用いられる「ポリヌクレオチド」および「核酸」という用語は、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドいずれかの、任意の長さのポリマー形態のヌクレオチドを指す。これらの用語には、DNA、RNA、cDNA(相補的DNA)、mRNA(メッセンジャーRNA)、rRNA(リボソームRNA)、shRNA(低分子ヘアピン型RNA)、snRNA(核内低分子RNA)、snoRNA(核小体低分子RNA)、miRNA(マイクロRNA)、ゲノムDNA、合成DNA、合成RNA、および/またはtRNAが含まれるが、これに限定されない。
【0098】
本明細書において用いられる「裸のDNA」という用語は、適切な発現ベクター(例えば、プラスミド)の中で発現のために正しい方向にクローニングされたDNAである、DBDppなどのタンパク質(例えば、CAR)をコードするDNA(例えば、ヒストンを含まないDNA)を指す。使用され得るウイルスベクターには、SINレンチウイルスベクター、レトロウイルスベクター、フォーミーウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、ハイブリッドベクター、および/またはプラスミドトランスポゾン(例えば、スリーピングビューティ トランスポゾン系)もしくはインテグラーゼに基づくベクター系が含まれるが、これに限定されない。DBDppの作製および仕様に関して使用することができる他のベクターは本明細書に記載されているか、そうでなければ当技術分野において公知である。
【0099】
本明細書において用いられる「ベクター」、「クローニングベクター」、および「発現ベクター」という用語は、宿主を形質転換し、導入された配列の発現(例えば、転写および翻訳)を促進するように、核酸配列(例えば、DBDppコード配列)を宿主細胞(例えば、クローニングベクター)の中で維持もしくは増幅することができるか、または宿主細胞に導入することができるビヒクルを指す。ベクターにはプラスミド、ファージ、ウイルスなどが含まれる。
【0100】
「宿主細胞」は、DBDppをコードする核酸のレシピエントになることができるか、またはDBDppをコードする核酸のレシピエントである個々の細胞または細胞培養物を含む。宿主細胞には、ウイルス粒子、ファージミド、細菌、酵母、植物、動物、および哺乳動物の細胞が含まれるが、これに限定されない。宿主細胞は1個しかない宿主細胞の子孫を含み、天然の、偶然の、または意図的な変異および/または変化があるために、子孫は、必ず、(形態または全DNA相補鎖の点で)元々の親細胞と完璧に同一であるとは限らない場合がある。宿主細胞には、インビボ、インビトロ、またはエクスビボで、DBDppをコードする核酸でトランスフェクトした細胞、またはDBDppをコードする核酸に感染させた細胞が含まれる。一部の例では、例えば、ファージディスプレイでは、宿主細胞は表面にDBDppを発現およびディスプレイすることができる。「発現」は転写および/または翻訳を含む。
【0101】
DBDppの「ライブラリー」は複数のユニークなDBDppを指し、任意で、同じ標的に結合するが、異なる結合部位および/または特異性を有する複数種のDBDppを含む。
【0102】
DBDppの「ベクターライブラリー」は、DBDppをコードする複数のユニークな核酸(上述のように、任意で、同じ標的に結合するが、異なる結合部位および/または特異性を有するDBDppをコードする核酸を含む)を指す。
【0103】
本明細書において用いられる「固体支持体」、「支持体」、「マトリックス」、および「樹脂」という用語は同義に用いられ、非限定的に、DBDpp、抗体、もしくは他のタンパク質が直接的もしくは間接的に(例えば、他の結合パートナー中間体、例えば、他の抗体もしくはプロテインAを介して)取り付けられ得る(例えば、カップリング、連結、もしくは付着され得る)、またはDBDppもしくは抗体が(例えば、受容体もしくはチャンネルを介して)埋め込まれ得る、任意のカラム(もしくはカラム材料)、ビーズ、試験管、マイクロタイターディッシュ、固体粒子(例えば、アガロースもしくはセファロース)、マイクロチップ(例えば、ケイ素、ケイ素-ガラス、もしくは金チップ)、または膜(例えば、生物膜もしくはフィルター膜)を指す。ポリペプチドを固体支持体(例えば、マトリックス、樹脂、プラスチックなど)に取り付けるための試薬および技法は当技術分野において周知である。適切な固体支持体には、クロマトグラフィー樹脂またはマトリックス(例えば、SEPHAROSE-4FFアガロースビーズ)、プラスチックマイクロタイターディッシュの中にあるウェルの壁または床、シリカベースのバイオチップ、ポリアクリルアミド、アガロース、シリカ、ニトロセルロース、紙、プラスチック、ナイロン、金属、およびその組み合わせが含まれるが、これに限定されない。DBDppおよび他の組成物は、当技術分野において公知の試薬および技法を用いて、支持体材料上に非共有性会合によって取り付けられてもよく、共有結合によって取り付けられてもよい。一態様では、DBDppはリンカーを用いてクロマトグラフィー材料にカップリングされる。
【0104】
本明細書において用いられる「薬学的に許容される」または「生理学的に許容される」という用語およびその文法上の変化は、これらが組成物、担体、希釈剤、および試薬を指している時には同義に用いられ、治療を止めるのに十分な、望ましくない生理学的効果、例えば、悪心、めまい、胃の不調などを生じずに、材料をヒトに、またはヒトの表面に投与ができることを表す。
【0105】
「調整する」とは、振幅、頻度、程度、または活性を加減または調節することを意味する。別の関連する局面において、このような調整は正に調整されてもよく(例えば、頻度、程度、または活性の増加)、負に調整されてもよい(例えば、頻度、程度、または活性の減少)。いくつかの態様では、正の方向または負の方向への調整は、治療剤を投与する前の細胞、組織、または臓器の機能と比較して関係づけられる。さらなる態様では、正の方向または負の方向への調整は正常で健常な細胞、組織、または臓器と関係づけられる。
【0106】
本明細書において提供される、DBDpp、例えば、DBDpp融合タンパク質の「有効量」とは、DBDpp(例えば、DBDpp融合タンパク質)が結合する標的に関連した1つまたは複数の生物学的活性のレベルの観察可能な変化を引き起こすなど、具体的に述べられた目的を果たすのに十分な量である。ある特定の態様では、変化によって標的活性のレベルは増加する。他の態様では、変化によって標的活性のレベルは減少する。「有効量」は、述べられた目的に関連して経験的に、かつ日常的に求めることができる。「治療有効量」という用語は、対象(哺乳動物)において疾患または障害を「処置する」(例えば、その症状を軽減する)のに有効な、DBDpp融合タンパク質などのDBDppまたは他の治療剤の量を指す。「予防有効量」とは、必要な投与量で必要な期間にわたって、望ましい予防結果を実現するのに有効な量を指す。
【0107】
「患者」、「対象」、「動物」、および「哺乳動物」は同義に用いられ、哺乳動物、例えば、ヒト患者および非ヒト霊長類、ならびに実験動物、例えば、ウサギ、ラット、およびマウス、ならびに他の動物を指す。動物には、全ての脊椎動物、例えば、哺乳動物、ならびに非哺乳動物、例えば、ニワトリ、両生類、およびハ虫類が含まれる。本明細書において用いられる「哺乳動物」は、ヒトおよび非ヒト霊長類、例えば、チンパンジーおよび他の類人猿およびサル種;家畜、例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、およびウマ;飼いならされた哺乳動物、例えば、イヌおよびネコ;マウス、ラット、およびモルモットなどのげっ歯類を含む実験動物などを含むが、それに限定されるわけではない哺乳綱の任意のメンバーを指す。特定の態様では、患者はヒトである。この用語は特定の年齢および性別を示さない。従って、成人および新生児の対象ならびに胚および胎児は男性でも女性でも、この用語の範囲に含まれることが意図される。
【0108】
本明細書において用いられる「処置する」、「処置」、および「処置する工程」という用語は、治療的処置と、予防的措置もしくは防止的措置の両方を指す。この場合、疾患、状態、または障害の症状、合併症、または生化学的徴候を阻止して、または減速させて(弱めるか、または遅らせて)、症状を緩和するか、または疾患、状態、もしくは障害をこれ以上発症するのを食い止めるか、もしくは阻害することを目的とする。処置は、(疾患の発生を阻止するか、もしくは遅らせる、またはその臨床症状もしくは非顕性症状の発現を阻止するための)予防的処置でもよく、疾患、状態、または障害、標的となった病的状態が発現した後では、病的状態を阻止するための、有益な結果を追求する、もしくは得るための、または処置が最終的にうまくいかなかった場合でも、状態を発症している個体の変化を小さくするための、症状の治療的な抑制または緩和でもよい。処置を必要とする者には、状態が既にある人ならびに状態にかかりやすい人、または状態を予防しようとする人が含まれる。処置は、DBDpp融合タンパク質を単独で用いる処置でもよく、さらなる治療剤と組み合わせて用いる処置でもよい。
【0109】
「がん」、「腫瘍」、または「悪性腫瘍」は同じ意味の用語として用いられ、制御されていない異常な細胞増殖、冒された細胞が局所的に広がるか、または血流およびリンパ系を通って身体の他の部分に広がる(転移する)能力、ならびに多数の任意の特徴的な構造特徴および/または分子特徴を特徴とする多数の任意の疾患を指す。本明細書において用いられる「腫瘍」とは、悪性か良性かに関係なく全ての新生物性細胞増殖(growth)および増殖(proliferation)を指し、全ての前がん性およびがん性の細胞および組織を指す。「がん性腫瘍」または「悪性細胞」は、特定の構造特性を有し、分化が無く、浸潤および転移することができる細胞と理解される。本明細書において提供されるDBDpp融合タンパク質を用いて処置することができるがんには、乳がん、肺がん、脳がん、骨がん、肝臓がん、腎臓がん、結腸がん、頭頚部がん、卵巣がん、造血がん(例えば、白血病)、および前立腺がんが含まれるが、それに限定されるわけではない。DBDpp含有抗体を用いて処置され得る他のタイプのがんおよび腫瘍は本明細書に記載されているか、そうでなければ当技術分野において公知である。
【0110】
腫瘍抗原またはがん抗原という用語は本明細書において同義に用いられる。腫瘍およびがん抗原は、腫瘍特異的抗原(TSA)、がん特異的抗原(CSA)、腫瘍関連抗原(TAA)、またはがん関連抗原(CAA)でもよい。TSAは、腫瘍細胞にしかなく、体内の他の細胞では生じない抗原である。TAAは、腫瘍と一部の正常細胞の両方に見出される抗原である。腫瘍の動的な性質のために、場合によっては、腫瘍細胞は、ある特定の段階ではユニークな抗原を発現することがあり、他の段階では、非腫瘍細胞でも発現する抗原も発現する。従って、ある特定のマーカーをTAAとして含めることは、このマーカーがTSAとみなされることを排除しない。DBDppが特異的に結合する可能性のあるTAAおよびTSAの例には、CD19、CD20、CD22、ROR1、メソテリン、CD33/IL3Ra、cMet、PSMA、糖脂質F77、EGFRvIII、GD2、NY-ESO-1TCR、MAGE A3 TCR MARTI、gp100(Pmel17)、チロシナーゼ、TRP1、TRP2、MAGE1、MAGE3、BAGE、GAGE1、GAGE2、pi5、CEA;p53、Ras、HER-2/neu;BCR-ABL、E2A-PRL、H4-RET、1GH-IGK、MYL-RAR;EBVA、HPV抗原E6およびE7、TSP-180、MAGE4、MAGE5、MAGE6、RAGE、NY-ESO、p185erbB2、p180erbB3、nm-23H1、PSA、CA19-9、CA72-4、CAM17.1、NuMa、K-ras、β-カテニン、CDK4、Mum-1、p15、p16、43-9F、5T4(791Tgp72)α-フェトプロテム(fetoprotem)、β-HCG、BCA225、BTAA、CA125、CA15-3\CA27.29\BCAA、CA195、CA242、CA50、CAM43、CD68\I、CO-029、FGF5、G250、Ga733VEpCAM、HTgp-175、M344、MA50、MG7-Ag、MOV18、NB/70K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA90\Mac-2、TAAL6、TAG72、TLP、およびTPSが含まれるが、これに限定されない。
【0111】
本明細書において用いられる「標的細胞」という用語は、疾患に関与し、DBDpp含有組成物によって標的指向され得る細胞を指す。他の標的細胞には、本発明のDBDppによって標的指向され得る、対象(例えば、ヒトまたは動物)の任意の細胞が含まれる。標的細胞は、DBDpp融合タンパク質が特異的に結合する標的を発現または過剰発現する細胞でもよい。
【0112】
「エフェクター細胞」という用語は、1つまたは複数のFcRを発現し、エフェクター機能を果たす白血球のことである。好ましくは、この細胞は少なくともFc(RIIIを発現し、ADCCエフェクター機能を果たす。ADCCを媒介するヒト白血球の例には、末梢血単核球(PBMC)、ナチュラルキラー(NK)細胞、単球、細胞傷害性T細胞、および好中球が含まれ、ある特定の態様ではPBMCおよびNK細胞が好ましい。エフェクター細胞は、その天然供給源から、例えば、本明細書に記載のように、または当技術分野において公知なように血液またはPBMCから単離することができる。特定の態様では、エフェクター細胞はヒトエフェクター細胞である。
【0113】
「エフェクター機能」という用語は、分化した細胞の特化した免疫機能を指す。T細胞のエフェクター機能は、例えば、細胞溶解活性でもよく、サイトカイン分泌を含むヘルパー活性でもよい。
【0114】
「T細胞」および「Tリンパ球」という用語は同義であり、本明細書中では同意語として用いられる。例には、ナイーブT細胞、セントラルメモリーT細胞、エフェクターメモリーT細胞、またはその組み合わせが含まれるが、これに限定されない。
【0115】
本明細書において用いられる「免疫細胞」という用語は、抗原提示細胞、B細胞、好塩基球、細胞傷害性T細胞、樹状細胞、好酸球、顆粒球、ヘルパーT細胞、白血球、リンパ球、マクロファージ、マスト細胞、メモリー細胞、単球、ナチュラルキラー細胞、好中球、食細胞、プラズマ細胞、およびT細胞を含むが、これに限定されない哺乳動物免疫系の細胞を指す。
【0116】
本明細書において用いられる「免疫応答」という用語は、自然免疫、体液性免疫、細胞性免疫、免疫、炎症応答、獲得(適応)免疫、自己免疫、および/または過活動の免疫を含むが、これに限定されない免疫を指す。
【0117】
本明細書において用いられる「形質導入」という用語は、ウイルスベクターを用いて外来核酸を細胞に導入することを指す。本明細書において用いられる「トランスフェクション」は、組換えDNA技術を用いて外来核酸を細胞に導入することを指す。「形質転換」という用語は、宿主細胞が、導入されたコード配列によってコードされる望ましい物質、例えば、タンパク質または酵素を産生するように、導入された核酸を発現するように、「外来の」(例えば、外因性の、細胞外の、または非内因性の)核酸(DNAまたはRNA)配列を宿主細胞に導入することを意味する。導入された核酸配列はまた「クローニングされた」または「外来の」遺伝子または配列と呼ばれることもあり、調節配列または制御配列、例えば、開始配列、停止配列、プロモーター配列、シグナル配列、分泌配列、または細胞の遺伝子機構が使用する他の配列を含んでもよい。核酸配列は、機能が分からない非機能性の配列を含んでもよい。導入された核酸(例えば、DNAまたはRNA)を受け取り、発現する宿主細胞は「形質転換」されており、「形質転換体」または「クローン」である。宿主細胞に導入されるDNAまたはRNAは、宿主細胞と同じ属もしくは種の細胞または異なる属もしくは種の細胞を含む任意の供給源に由来してよく、非天然でもよい。
【0118】
「細胞表面受容体」とは、シグナルを受け取り、このようなシグナルを細胞の原形質膜を横断して伝達することができる分子および分子の複合体を指す。本明細書において提供される細胞表面受容体の一例は、転移性細胞上にある、活性化されたインテグリン受容体、例えば、活性化されたαvβ3インテグリン受容体である。本明細書において用いられる「細胞表面受容体」はまた、関心対象の標的に結合することができるDBDppを含有する、細胞表面で発現している分子も含む。「受容体」という用語は、分子(例えば、リガンド)に結合するか、別の方法で相互作用し、細胞上でリガンドの効果を媒介する細胞関連タンパク質を示す。いくつかの態様では、受容体と相互作用する分子は生理活性分子である。膜結合型細胞表面受容体は、細胞外リガンド結合ドメインと、膜貫通ドメインと、典型的にはシグナル伝達に関与する細胞内エフェクタードメインを含むマルチドメイン構造を特徴とする。
【0119】
本明細書において用いられる「キメラ抗原受容体」または「CAR」(複数可)とは、抗原または標的特異性を細胞(例えば、T細胞、例えば、ナイーブT細胞、セントラルメモリーT細胞、エフェクターメモリーT細胞、NK細胞、NKT細胞、またはその組み合わせ)上につなぎ合わせた、操作された受容体を指す。CARは、人工T細胞受容体、キメラT細胞受容体、またはキメラ免疫受容体としても知られる。
【0120】
新規結合ドメインポリペプチド
「新規結合ドメイン」およびDBDという用語は、参照スキャフォールド配列:
のある特定の配列およびある特定の構造特徴を共有する標的結合配列について述べるために本明細書において同義に用いられる。DBDppおよびDBDポリペプチドという用語は、明示的に、または文脈によって特に定められていない限り、単数(すなわち、1個のDBDポリペプチド)および複数(すなわち、複数のDBDポリペプチド)の内容を含む。DBDppは、標的分子に特異的に(ランダムでなく)結合することができるポリペプチドである。
【0121】
SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を有する、非天然の、かつ標的がない(出願人は、結合することができる標的を知らない)逆平行3ヘリックスバンドルは、関心対象の標的に結合する新規結合ドメイン(DBD)含有ポリペプチド(DBDpp)を生成するための、ならびに望ましい機能活性および/または生物学的活性を有するDBDppがあるかどうかスクリーニングすることができるDBDppライブラリーを作り出すための参照スキャフォールドプラットフォームとして使用できることが発見されており、いくつかの態様では本明細書において開示される。従って、一部の局面では、本開示は、望ましい特性、例えば、関心対象の標的に結合する能力を有するDBDppを生成する方法におけるDBDppの使用;DBDppライブラリーを生成する方法;このような方法によって生成されたDBDppのライブラリー;望ましい生物学的活性があるかどうか、このようなDBDppライブラリーをスクリーニングするための方法;およびこのようなライブラリーから特定されたDBDppに関する。
【0122】
特に定めのない限り、開示された組成物および方法の実施では、当該技術の範囲内である、分子生物学の標準的な技法(組換え法、組織培養、および細胞形質転換を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学、ならびに免疫学の標準的な技法が用いられる。このような技法は、典型的には、製造業者の仕様に従って、または公知の手順、例えば、Sambrook et al. (Molecular Cloning: A Laboratory Manual. Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989)); PCR Technology: Principles and Applications for DNA Amplification (ed. H. A. Erlich, Freeman Press, NY, N.Y., 1992); Oligonucleotide Synthesis (Gait, ed., 1984); Animal Cell Culture (Freshney, ed., 1987); Handbook of Experimental Immunology (Weir et al., eds.; Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells (Miller, ed., 1987); Current Protocols in Molecular Biology (Ausubel., ed., 1987); PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications (Innis, ed., Academic Press, San Diego, Calif., 1990); Mattila, et al., Nucleic Acids Res. 19:967 (1991); Eckert, et al., PCR Methods and Applications 1:17 (1991); PCR (McPherson, ed., IRL Press, Oxford); PCR: The Polymerase Chain Reaction, (Mullis, ed., 1994); Harlow, Antibodies: A Laboratory Manual, (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2nd ed. 1988)、およびKontermann, ed., 「The Antibody Engineering Lab Manual」(Springer Verlag, Heidelberg/New York, 2000); Current Protocols in Immunology (Coligan, ed., 1991); The Immunoassay Handbook (Wild, ed., Stockton Press NY, 1994);およびMethods of Immunological Analysis (Masseyeff., ed., Weinheim: VCH Verlags gesellschaft mbH, 1993);ならびにGennaro, et al. 2000, Remington: the Science and Practice of Pharmacy, 20th Ed. Lipincott Williams and Wilkins: Baltimore, Md.に示されている手順を用いて、もしくは日常的に変更して一般的に遂行されるように、あるいは本明細書に記載のように行われる。明確な定義が提供されていない限り、本明細書に記載の分析化学、合成有機化学、ならびにメディシナルケミストリーおよび製薬化学に関連して用いられる命名法、ならびに本明細書に記載の分析化学、合成有機化学、ならびにメディシナルケミストリーおよび製薬化学の実験手順および技法は、当技術分野において公知の、かつ当技術分野において用いられるものである。さらに、化学合成、化学分析、組換え産生、精製、製剤、処方、送達、および患者の処置のために標準的な技法を使用することができる。
【0123】
一態様では、DBDppは、公的に記録されている(2015年4月6日に出願された米国特許仮出願第62/143,772号の出願の時点で、かつ出願人が知っているところでは)天然細胞リガンドに由来しない。別の態様では、DBDppは、免疫グロブリン由来抗原結合ドメインにも、別の抗体ドメイン、例えば、定常領域、可変領域、相補性決定領域(CDR)、フレームワーク領域、Fcドメイン、またはヒンジ領域にも由来しない。別の態様では、DBDppは3つのCDRを含有しない。別の態様では、DBDppはCDR1およびCDR2を含有しない。さらに別の態様では、DBDppはCDR1を含有しない。さらに別の態様では、DBDppはCDR2を含有しない。別の態様では、DBDppはプロテインAに由来しない。別の態様では、DBDppは天然細菌受容体に由来しない。別の態様では、DBDppはフィブロネクチンに由来しない。別の態様では、DBDppはフィブロネクチンIII型ドメインに由来しない。さらに別の態様では、DBDppはノッチンタンパク質に由来しない。さらに別の態様では、DBDppはリポカリンに由来しない。さらに別の態様では、DBDppはアフィボディに由来しない。
【0124】
配列の特徴
上述したように、SEQ ID NO:1の参照スキャフォールドポリペプチドは3つの逆平行αへリックスを含有し、元々はタンパク質フォールディングの練習として操作された、非天然の、かつ標的がないポリペプチド配列の変種である。SEQ ID NO:1の参照スキャフォールドポリペプチドの配列中に、DBDppが関心対象の標的に結合する能力を付与し、標的結合物質および標的指向物質としてのDBDppの使用を付与する、ある特定のアミノ酸残基改変を含有するDBDppが本明細書において提供される。
【0125】
一態様では、個々のDBDppの長さは、約65〜150アミノ酸、約65〜125アミノ酸、約65〜100アミノ酸、約65〜90アミノ酸、約65〜80アミノ酸、約65〜70アミノ酸である。一部の態様では、DBDppの長さは約75〜150アミノ酸、約75〜125アミノ酸、約75〜100アミノ酸、約75〜90アミノ酸、約75〜80アミノ酸であることも意図される。DBDppは裸でもよく、毒素および放射性同位体を含むが、これに限定されない他の分子に結合体化されてもよい。なおさらなる態様では、さらに長いDBDpp、例えば、長さが約150〜約160アミノ酸、約160〜約170アミノ酸、約170〜約180アミノ酸、約180〜約190アミノ酸、約190〜約200アミノ酸のDBDpp、または列挙された長さの間にある(端点を含む)任意の長さのDBDppが用いられる。
【0126】
既知の結合タンパク質については、この分子の結合領域を構成する特定の残基が実験により確かめられている(または理論的に確かめることができる)。天然結合タンパク質(例えば、抗体またはプロテインA)には、既知の標的との結合を促進する特定可能な残基がある。しかしながら、天然のリガンドおよび結合タンパク質と異なり、設計されたタンパク質であるα3d(SEQ ID NO:49)またはSEQ ID NO:1の参照スキャフォールド配列は別のタンパク質(例えば、標的)に特異的に結合することが分かっていない。従って、内因性結合残基をガイドとして利用して新規の結合特異性を操作することができない。標的に結合するDBDppを構築している間に、残基は表面に露出していれば、すなわち、かなり大きな溶媒接触性を示せば、変異(例えば、ライブラリー内での無作為化)に適しているとみなされた。単離された状態(領域I)と比較した、このドメイン(領域D)内にある残基の相対接触性はパーセント値(%A)で表される。約10%〜11%未満の%A値を有するSEQ ID NO:1のアミノ残基(例えば、SEQ ID NO:1のF7、L11、I14、L18、L21、S24、L28、F31、I35、F38、L42、Y45、G49、V53、L56、A60、I63、およびL67に対応する残基)は外部溶媒に接触していないと考えられ、SEQ ID NO:1構造の内部コア残基であるとみなされた。逆に、約10%〜11%を超える%A値を有するSEQ ID NO:1のアミノ酸残基は、関心対象の標的と相互作用する可能性が大きい位置を占めると考えられた。タンパク質の結合表面は、典型的には、三次元空間において互いに隣接するか、または近くにある、いくつかのアミノ残基で構成される。従って、本明細書中のいくつかの態様による、ライブラリー構築における、あまり重要でない考慮すべきことは、DBDppの予測された二次構造内および三次構造内での、これらの選択された残基の相対的な近さであった。
【0127】
αへリックスなどのタンパク質二次構造は、温度、マトリックスまたは緩衝液の組成、および濃度などの環境変数に応じて変化することがある。SEQ ID NO:1の参照ポリペプチド配列のαヘリックス二次構造は、ヘリックス1については残基G2-A20、ヘリックス2については残基L28-A44、ヘリックス3については残基E52-Y70で構成されると予測される。さらなる態様では、SEQ ID NO:1の参照ポリペプチド配列のαヘリックス二次構造は、ヘリックス1については残基W4-L21、ヘリックス2については残基E25-Y45、ヘリックス3については残基P51-Y70で構成されると予測される。溶媒接触性が低いαヘリックス残基に対応する参照スキャフォールドのアミノ酸位置は、SEQ ID NO:1のF7、L11、I14、L18、L21、L28、F31、I35、F38、L42、Y45、V53、L56、A60、I63、およびL67である。溶媒接触性αヘリックス残基に対応する参照スキャフォールドのアミノ酸位置は、SEQ ID NO:1のG2、S3、W4、A5、E6、K8、Q9、R10、A12、A13、K15、T16、R17、E19、A20、A29、A30、E32、K33、E34、A36、A37、E39、S40、E41、Q43、A44、E52、E54、A55、R57、K58、E59、A61、A62、R64、D65、E66、Q68、A69、およびY70である。非αヘリックス残基に対応する参照スキャフォールドのアミノ酸位置は、以下:SEQ ID NO:1のM1、G22、G23、S24、E25、A26、E27、K46、G47、K48、G49、N50、P51、R71、H72、およびN73である。
【0128】
一態様では、DBDppは、1つまたは複数のアミノ酸置換のある、SEQ ID NO:1で構成される標的結合ポリペプチドと定義される。一態様では、DBDppをSEQ ID NO:1と配列アラインメントすると、90%を超える配列同一性が明らかになるだろう。他の態様では、DBDppをSEQ ID NO:1と配列アラインメントすると、80%を超える配列同一性が明らかになるだろう。他の態様では、DBDppをSEQ ID NO:1と配列アラインメントすると、70%を超える配列同一性が明らかになるだろう。他の態様では、DBDppをSEQ ID NO:1と配列アラインメントすると、60%を超える配列同一性が明らかになるだろう。他の態様では、DBDppをSEQ ID NO:1と配列アラインメントすると、50%を超える配列同一性が明らかになるだろう。
【0129】
一部の態様では、%A値が10%未満のDBDpp残基は変化しないか、または保存されたアミノ酸変化で置換されるだろう。特定の態様では、DBDppがアミノ酸配列を有する、変異誘発されて改変される溶媒接触性(すなわち、%Aが10を超える)残基は、α-ヘリックス二次構造に関連するポリペプチドの領域内に位置するだろう。溶媒非接触性残基を有するSEQ ID NO:1の配列のαヘリックス位置は、SEQ ID NO:1のF7、L11、I14、L18、L21、L28、F31、I35、F38、L42、Y45、V53、L56、A60、I63、およびL67に対応する。これらの位置におけるアミノ酸置換は、好ましくは、性質の点では保存的であり、従来と異なったアミノ酸を含んでもよく、非天然のアミノ酸を含んでもよい。一部の態様では、天然アミノ酸置換の選択には、L、I、V、A、およびF(ならびにW、Y、M)が含まれる。一部のDBDppでは、DBDppに含まれるDBDの溶媒非接触性残基は、SEQ ID NO:1にある対応する残基、SEQ ID NO:1のF7、L11、I14、L18、L21、L28、F31、I35、F38、L42、Y45、V53、L56、A60、I63、およびL67との同一性が60%、70%、80%、もしくは90%より大きいか、またはこのような残基と100%同一である。
【0130】
一態様では、DBDppは、合計5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、5〜45個、5〜50個、5〜55個、または5〜60個のアミノ酸残基が改変されている、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を含み、関心対象の標的に特異的に結合する。別の態様では、改変されたアミノ酸残基のうち5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、5〜45個、5〜50個、5〜55個、または5〜60個が置換である。別の態様では、改変されたアミノ酸残基のうち5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、5〜45個、または5〜50個が保存的置換である。別の態様では、改変されたアミノ酸残基のうち5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、5〜45個、または5〜50個が非保存的置換である。さらなる態様では、アミノ酸残基改変のうち5〜15個、5〜20個、5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、または5〜45個が保存的置換であり、アミノ酸残基改変のうち5〜15個、5〜20個、5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、または5〜45個が非保存的置換である。さらなる態様では、置換のうち1〜25個、1〜30個、1〜35個、5〜40個、5〜45個、5〜50個、5〜55個、または5〜60個が、M1、G2、S3、W4、A5、E6、K8、Q9、R10、A12、A13、K15、T16、R17、E19、A20、L21、G22、G23、S24、E25、A26、E27、A29、A30、E32、K33、E34、A36、A37、E39、S40、E41、Q43、A44、Y45、K46、G47、K48、G49、N50、P51、E52、E54、A55、R57、K58、E59、A61、A62、R64、D65、E66、Q68、A69、Y70、R71、H72、およびN73からなる群より選択される、SEQ ID NO:1のアミノ酸残基にある。さらなる態様では、置換のうち1〜25個、1〜30個、1〜35個、5〜40個、5〜45個、5〜50個、5〜55個、または5〜60個が、M1、G2、S3、W4、A5、E6、K8、Q9、R10、A12、A13、K15、T16、R17、E19、A20、G22、G23、S24、E25、A26、E27、A29、A30、E32、K33、E34、A36、A37、E39、S40、E41、Q43、A44、K46、G47、K48、G49、N50、P51、E52、E54、A55、R57、K58、E59、A61、A62、R64、D65、E66、Q68、A69、Y70、R71、H72、およびN73からなる群より選択される、SEQ ID NO:1のアミノ酸残基にある。さらなる態様では、置換のうち1〜20個、1〜30個、または1〜40個が、G2、S3、W4、A5、E6、K8、Q9、R10、A12、A13、K15、T16、R17、E19、A20、A29、A30、E32、K33、E34、A36、A37、E39、S40、E41、Q43、A44、E52、E54、A55、R57、K58、E59、A61、A62、R64、D65、E66、Q68、A69、およびY70からなる群より選択される、SEQ ID NO:1のアミノ酸残基にある。任意のさらなる態様では、DBDppは、任意で、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列の溶媒非接触性残基に対応する置換のうち1〜5個、1〜10個、1〜15個、5〜10個、または5〜15個が置換されたアミノ酸配列をさらに含み、関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる任意の態様では、SEQ ID NO:1の溶媒非接触性残基に対応する置換される残基は、F7、L11、I14、L18、L28、F31、I35、F38、L42、V53、L56、A60、I63、およびL67、ならびにY70からなる群より選択される。一部の態様では、SEQ ID NO:1の溶媒非接触性残基に対応する置換される残基は、F7、L11、I14、L18、L21、L28、F31、I35、F38、L42、Y45、V53、L56、A60、I63、およびL67、ならびにY70からなる群より選択される。さらなる態様では、DBDppは融合タンパク質である。一態様では、DBDppは固体支持体に取り付けられる。さらなる態様では、固体支持体は、ビーズ、ガラススライド、チップ、ゼラチン、およびアガロースからなる群より選択される。さらなる態様では、DBDppは、核酸、オリゴ糖、ペプチド、タンパク質、細胞表面抗原、および有機低分子からなる群より選択される関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、血清タンパク質、細胞表面タンパク質、治療用タンパク質、TSA、CSA、およびペプチドタグ含有タンパク質からなる群より選択されるタンパク質に特異的に結合する。別の態様では、DBDppは、本明細書において開示された標的に特異的に結合する。DBDppをコードする核酸および前記核酸を含有するベクターも提供される。前記核酸およびベクターを含有する宿主細胞(ウイルス粒子を含む)も提供される。一部の態様では、宿主細胞は表面にDBDppをディスプレイする。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイする原核生物または真核生物である。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイするファージである。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDpp融合タンパク質を発現するヒト免疫細胞である。複数種のDBDppを含むライブラリーも提供される。
【0131】
一態様では、単離されたDBDppは、SEQ ID NO:1の5〜15個、5〜20個、5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個の溶媒接触性アミノ酸残基が置換され、SEQ ID NO:1の1〜5個、1〜10個、1〜15個、5〜10個、または5〜15個の溶媒非接触性残基が保存的アミノ酸置換によって置換されてもよい、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列バリエーションを含み、関心対象の標的に特異的に結合する。一部の態様では、SEQ ID NO:1の置換される溶媒接触性アミノ酸残基は10を超える%Aを有する。一部の態様では、SEQ ID NO:1の置換される溶媒非接触性アミノ酸残基は10未満の%Aを有する。一態様では、SEQ ID NO:1の置換される溶媒接触性アミノ酸残基は、G2、S3、W4、A5、E6、K8、Q9、R10、A12、A13、K15、T16、R17、E19、A20、A29、A30、E32、K33、E34、A36、A37、E39、S40、E41、Q43、A44、E52、E54、A55、R57、K58、E59、A61、A62、R64、D65、E66、Q68、A69、およびY70からなる群より選択される。一部の態様では、溶媒接触性酸性残基のうち少なくとも3個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個、30個、または35個が置換される。一部の態様では、SEQ ID NO:1の溶媒接触性酸性残基のうち少なくとも3個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個、または30個が保存的アミノ酸残基置換で置換される。一部の態様では、SEQ ID NO:1の溶媒接触性酸性残基のうち少なくとも3個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、25個、または30個が非保存的アミノ酸残基置換で置換される。一部の態様では、アミノ酸置換はプロリンを含有しない。一部の態様では、アミノ酸置換はシステインもプロリンも含有しない。一部の態様では、アミノ酸残基置換は1個より多くのシステインを含まない。一部の態様では、溶媒接触性酸性残基のうち1〜5個、1〜10個、5〜15個、5〜20個、5〜25個、5〜30個、または5〜35個が置換される。一部の態様では、溶媒接触性酸性残基のうち5〜41個、10〜41個、15〜41個、20〜41個、25〜41個、30〜41個、または35〜41個が置換される。一部の態様では、溶媒接触性酸性残基のうち5〜35個が保存的置換で置換され、溶媒接触性酸性残基のうち5〜35個が非保存的置換で置換されるか、または溶媒接触性酸性残基のうち5〜25個が保存的置換で置換され、溶媒接触性酸性残基のうち5〜25個が非保存的置換で置換される。任意のさらなる態様では、DBDppは、任意で、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列の溶媒非接触性残基に対応する残基のうち1〜5個、1〜10個、1〜15個、5〜10個、または5〜15個が置換されたアミノ酸配列をさらに含み、関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる任意の態様では、SEQ ID NO:1の溶媒非接触性残基に対応する置換される残基は、F7、L11、I14、L18、L28、F31、I35、F38、L42、V53、L56、A60、I63、およびL67、ならびにY70からなる群より選択される。さらなる任意の態様では、SEQ ID NO:1の溶媒非接触性残基に対応する置換される残基は、F7、L11、I14、L18、L21、L28、F31、I35、F38、L42、Y45、V53、L56、A60、I63、およびL67、ならびにY70からなる群より選択される。さらなる態様では、DBDppは融合タンパク質である。一態様では、DBDppは固体支持体に取り付けられる。さらなる態様では、固体支持体は、ビーズ、ガラススライド、チップ、ゼラチン、およびアガロースからなる群より選択される。さらなる態様では、DBDppは、核酸、オリゴ糖、ペプチド、タンパク質、細胞表面抗原、および有機低分子からなる群より選択される関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、血清タンパク質、細胞表面タンパク質、治療用タンパク質、TSA、CSA、およびペプチドタグ含有タンパク質からなる群より選択されるタンパク質に特異的に結合する。別の態様では、DBDppは、本明細書において開示された標的に特異的に結合する。DBDppをコードする核酸および前記核酸を含有するベクターも提供される。前記核酸およびベクターを含有する宿主細胞(ウイルス粒子を含む)も提供される。一部の態様では、宿主細胞は表面にDBDppをディスプレイする。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイする原核生物または真核生物である。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイするファージである。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDpp融合タンパク質を発現するヒト免疫細胞である。複数種のDBDppを含むライブラリーも提供される。
【0132】
「ループ」という用語は、例えば、参照スキャフォールドSEQ ID NO:1のヘリックス1とヘリックス2の間に位置するループ(例えば、SEQ ID NO:2-6の位置22-24、およびSEQ ID NO:7-11のZ1)、ならびに/または参照スキャフォールドSEQ ID NO:1のヘリックス2とヘリックス3の間に位置するループ(例えば、SEQ ID NO:2-6の位置46-48、およびSEQ ID NO:7-11のZ2)に対応する、DBD内にある配列を指す。特定の態様では、Z1およびZ2ループの一方または両方は、2〜5個、2〜10個、2〜15個、2〜20個、2〜25個、または2〜30個のアミノ酸残基(端点、および列挙された数の間にある任意の数を含む)からなるアミノ酸配列である。一部の態様では、Z1およびZ2ループの一方または両方は、1個、2個、3個、4個、5個、5個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個の、または20個を超えるアミノ酸残基(端点、および列挙された数の間にある任意の数を含む)からなるアミノ酸配列である。さらなる態様では、Z1および/またはZ2ループのアミノ酸残基の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、または95%はグリシンまたはセリンである。さらなる態様では、Z1および/またはZ2ループのアミノ酸残基の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、または95%は、グリシン、セリン、スレオニン、アラニン、プロリン、ヒスチジン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、リジン、およびアルギニンからなる群より選択される。一態様では、Z1ループはアミノ酸配列GGSを有する。一態様では、Z2ループはアミノ酸配列KGKGを有する。
【0133】
一態様では、DBDppは、
のアミノ酸配列を含み、配列中、X5、X6、X9、X10、X13、X16、X17、X30、X33、X34、X37、X40、X41、およびX44は天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基であり、DBDppは関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる態様では、Xnは天然アミノ酸残基である。さらなる態様では、Xnは、システインまたはプロリン以外の天然アミノ酸残基である。特定の態様では、DBDppはアミノ酸配列LAAIKTRLQ(SEQ ID NO:50)を含有しない。さらなる態様では、DBDppは融合タンパク質である。一部の態様では、SEQ ID NO:1の置換されるアミノ酸残基のうち少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個は保存的アミノ酸残基置換で置換される。一部の態様では、SEQ ID NO:1の上述のアミノ酸残基のうち少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個は非保存的アミノ酸残基置換で置換される。一部の態様では、アミノ酸置換はプロリンを含有しない。一部の態様では、アミノ酸置換はシステインを含有しない。一部の態様では、プロリンもシステインもアミノ酸置換に含まれない。一部の態様では、アミノ酸残基置換は1個より多くのシステインを含まない。一部の態様では、溶媒接触性酸性残基のうち1〜12個は保存的置換で置換され、溶媒接触性酸性残基のうち1〜12個は非保存的置換で置換されるか、または溶媒接触性酸性残基のうち5〜12個は保存的置換で置換され、溶媒接触性アミノ酸残基のうち5〜12個は非保存的置換で置換される。別の態様では、DBDppは、核酸、オリゴ糖、ペプチド、タンパク質、細胞表面抗原、および有機低分子からなる群より選択される関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、血清タンパク質、細胞表面タンパク質、治療用タンパク質、TSA、CSA、およびペプチドタグ含有タンパク質からなる群より選択されるタンパク質に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、本明細書において開示された標的に特異的に結合する。さらなる態様では、複数種のDBDppを含有するライブラリーが提供される。DBDppをコードする核酸および前記核酸を含有するベクターも提供される。前記核酸およびベクターを含有する宿主細胞(ウイルス粒子を含む)も提供される。一部の態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイする原核生物または真核生物である。一部の態様では、宿主細胞は表面にDBDppをディスプレイする。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイするファージである。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDpp融合タンパク質を発現するヒト免疫細胞である。一態様では、DBDppは固体支持体に取り付けられる。さらなる態様では、固体支持体は、ビーズ、ガラススライド、チップ、ゼラチン、およびアガロースからなる群より選択される。
【0134】
一態様では、DBDppは、
のアミノ酸配列を含み、配列中、X32、X33、X36、X39、X40、X43、X57、X58、X61、X64、X65、およびX68は天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基であり、DBDppは関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる態様では、Xnは天然アミノ酸残基である。さらなる態様では、Xnは、システインまたはプロリン以外の天然アミノ酸残基である。特定の態様では、DBDppはアミノ酸配列LAAIKTRLQ(SEQ ID NO:50)を含有しない。さらなる態様では、DBDppは融合タンパク質である。一部の態様では、SEQ ID NO:1の置換されるアミノ酸残基のうち少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個は保存的アミノ酸残基置換で置換される。一部の態様では、SEQ ID NO:1の上述のアミノ酸残基のうち少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個は非保存的アミノ酸残基置換で置換される。一部の態様では、アミノ酸置換はプロリンを含有しない。一部の態様では、アミノ酸置換はシステインを含有しない。一部の態様では、プロリンもシステインもアミノ酸置換に含まれない。一部の態様では、アミノ酸残基置換は1個より多くのシステインを含まない。一部の態様では、溶媒接触性酸性残基のうち1〜12個は保存的置換で置換され、溶媒接触性酸性残基のうち1〜12個は非保存的置換で置換されるか、または溶媒接触性酸性残基のうち5〜12個は保存的置換で置換され、溶媒接触性アミノ酸残基のうち5〜12個は非保存的置換で置換される。別の態様では、DBDppは、核酸、オリゴ糖、ペプチド、タンパク質、細胞表面抗原、および有機低分子からなる群より選択される関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、血清タンパク質、細胞表面タンパク質、治療用タンパク質、TSA、CSA、およびペプチドタグ含有タンパク質からなる群より選択されるタンパク質に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、本明細書において開示された標的に特異的に結合する。さらなる態様では、複数種のDBDppを含有するライブラリーが提供される。DBDppをコードする核酸および前記核酸を含有するベクターも提供される。前記核酸およびベクターを含有する宿主細胞(ウイルス粒子を含む)も提供される。一部の態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイする原核生物または真核生物である。一部の態様では、宿主細胞は表面にDBDppをディスプレイする。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイするファージである。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDpp融合タンパク質を発現するヒト免疫細胞である。一態様では、DBDppは固体支持体に取り付けられる。さらなる態様では、固体支持体は、ビーズ、ガラススライド、チップ、ゼラチン、およびアガロースからなる群より選択される。
【0135】
一態様では、DBDppは、
のアミノ酸配列を含み、配列中、X5、X8、X9、X12、X15、X16、X19、X55、X58、X59、X62、X65、およびX66は天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基であり、DBDppは関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる態様では、Xnは天然アミノ酸残基である。さらなる態様では、Xnは、システインまたはプロリン以外の天然アミノ酸残基である。特定の態様では、DBDppはアミノ酸配列LAAIKTRLQ(SEQ ID NO:50)を含有しない。さらなる態様では、DBDppは融合タンパク質である。一部の態様では、SEQ ID NO:1の置換されるアミノ酸残基のうち少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個は保存的アミノ酸残基置換で置換される。一部の態様では、SEQ ID NO:1の上述のアミノ酸残基のうち少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個は非保存的アミノ酸残基置換で置換される。一部の態様では、アミノ酸置換はプロリンを含有しない。一部の態様では、アミノ酸置換はシステインを含有しない。一部の態様では、プロリンもシステインもアミノ酸置換に含まれない。一部の態様では、アミノ酸残基置換は1個より多くのシステインを含まない。一部の態様では、溶媒接触性酸性残基のうち1〜12個は保存的置換で置換され、溶媒接触性酸性残基のうち1〜12個は非保存的置換で置換されるか、または溶媒接触性酸性残基のうち5〜12個は保存的置換で置換され、溶媒接触性アミノ酸残基のうち5〜12個は非保存的置換で置換される。別の態様では、DBDppは、核酸、オリゴ糖、ペプチド、タンパク質、細胞表面抗原、および有機低分子からなる群より選択される関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、血清タンパク質、細胞表面タンパク質、治療用タンパク質、TSA、CSA、およびペプチドタグ含有タンパク質からなる群より選択されるタンパク質に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、本明細書において開示された標的に特異的に結合する。さらなる態様では、複数種のDBDppを含有するライブラリーが提供される。DBDppをコードする核酸および前記核酸を含有するベクターも提供される。前記核酸およびベクターを含有する宿主細胞(ウイルス粒子を含む)も提供される。一部の態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイする原核生物または真核生物である。一部の態様では、宿主細胞は表面にDBDppをディスプレイする。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイするファージである。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDpp融合タンパク質を発現するヒト免疫細胞である。一態様では、DBDppは固体支持体に取り付けられる。さらなる態様では、固体支持体は、ビーズ、ガラススライド、チップ、ゼラチン、およびアガロースからなる群より選択される。
【0136】
一態様では、DBDppは、
のアミノ酸配列を含み、配列中、X5、X6、X9、X10、X13、X16、X17、X32、X33、X36、X39、X40、X43、X55、X58、X59、X62、X65、およびX66は天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基であり、DBDppは関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる態様では、Xnは天然アミノ酸残基である。さらなる態様では、Xnは、システインまたはプロリン以外の天然アミノ酸残基である。特定の態様では、DBDppはアミノ酸配列LAAIKTRLQ(SEQ ID NO:50)を含有しない。さらなる態様では、DBDppは融合タンパク質である。一部の態様では、SEQ ID NO:1の置換されるアミノ酸残基のうち少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個は保存的アミノ酸残基置換で置換される。一部の態様では、SEQ ID NO:1の上述のアミノ酸残基のうち少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個は非保存的アミノ酸残基置換で置換される。一部の態様では、アミノ酸置換はプロリンを含有しない。一部の態様では、アミノ酸置換はシステインを含有しない。一部の態様では、プロリンもシステインもアミノ酸置換に含まれない。一部の態様では、アミノ酸残基置換は1個より多くのシステインを含まない。一部の態様では、溶媒接触性酸性残基のうち1〜12個は保存的置換で置換され、溶媒接触性酸性残基のうち1〜12個は非保存的置換で置換されるか、または溶媒接触性酸性残基のうち5〜12個は保存的置換で置換され、溶媒接触性アミノ酸残基のうち5〜12個は非保存的置換で置換される。別の態様では、DBDppは、核酸、オリゴ糖、ペプチド、タンパク質、細胞表面抗原、および有機低分子からなる群より選択される関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、血清タンパク質、細胞表面タンパク質、治療用タンパク質、TSA、CSA、およびペプチドタグ含有タンパク質からなる群より選択されるタンパク質に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、本明細書において開示された標的に特異的に結合する。さらなる態様では、複数種のDBDppを含有するライブラリーが提供される。DBDppをコードする核酸および前記核酸を含有するベクターも提供される。前記核酸およびベクターを含有する宿主細胞(ウイルス粒子を含む)も提供される。一部の態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイする原核生物または真核生物である。一部の態様では、宿主細胞は表面にDBDppをディスプレイする。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイするファージである。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDpp融合タンパク質を発現するヒト免疫細胞である。一態様では、DBDppは固体支持体に取り付けられる。さらなる態様では、固体支持体は、ビーズ、ガラススライド、チップ、ゼラチン、およびアガロースからなる群より選択される。
【0137】
一態様では、DBDppは、
のアミノ酸配列を含み、配列中、X5、X8、X9、X12、X15、X16、X19、X30、X33、X34、X37、X40、X41、X44、X57、X58、X61、X64、X65、およびX68は天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基であり、関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる態様では、Xnは天然アミノ酸残基である。さらなる態様では、Xnは、システインまたはプロリン以外の天然アミノ酸残基である。特定の態様では、DBDppはアミノ酸配列LAAIKTRLQ(SEQ ID NO:50)を含有しない。さらなる態様では、DBDppは融合タンパク質である。一部の態様では、SEQ ID NO:1の置換されるアミノ酸残基のうち少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個は保存的アミノ酸残基置換で置換される。一部の態様では、SEQ ID NO:1の上述のアミノ酸残基のうち少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個は非保存的アミノ酸残基置換で置換される。一部の態様では、アミノ酸置換はプロリンを含有しない。一部の態様では、アミノ酸置換はシステインを含有しない。一部の態様では、プロリンもシステインもアミノ酸置換に含まれない。一部の態様では、アミノ酸残基置換は1個より多くのシステインを含まない。一部の態様では、溶媒接触性酸性残基のうち1〜12個は保存的置換で置換され、溶媒接触性酸性残基のうち1〜12個は非保存的置換で置換されるか、または溶媒接触性酸性残基のうち5〜12個は保存的置換で置換され、溶媒接触性アミノ酸残基のうち5〜12個は非保存的置換で置換される。別の態様では、DBDppは、核酸、オリゴ糖、ペプチド、タンパク質、細胞表面抗原、および有機低分子からなる群より選択される関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、血清タンパク質、細胞表面タンパク質、治療用タンパク質、TSA、CSA、およびペプチドタグ含有タンパク質からなる群より選択されるタンパク質に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、本明細書において開示された標的に特異的に結合する。さらなる態様では、複数種のDBDppを含有するライブラリーが提供される。DBDppをコードする核酸および前記核酸を含有するベクターも提供される。前記核酸およびベクターを含有する宿主細胞(ウイルス粒子を含む)も提供される。一部の態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイする原核生物または真核生物である。一部の態様では、宿主細胞は表面にDBDppをディスプレイする。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイするファージである。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDpp融合タンパク質を発現するヒト免疫細胞である。一態様では、DBDppは固体支持体に取り付けられる。さらなる態様では、固体支持体は、ビーズ、ガラススライド、チップ、ゼラチン、およびアガロースからなる群より選択される。
【0138】
のアミノ酸配列を含む、単離されたDBDppも提供され、配列中、X5、X6、X9、X10、X13、X16、X17、X28、X31、X32、X35、X38、X39、およびX42が天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基であり、Z1およびZ2は2〜30個の天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基であり、DBDppは関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる態様では、Xnは天然アミノ酸残基である。さらなる態様では、Xnは、システインまたはプロリン以外の天然アミノ酸残基である。特定の態様では、DBDppはアミノ酸配列LAAIKTRLQ(SEQ ID NO:50)を含有しない。さらなる態様では、DBDppは融合タンパク質である。一部の態様では、SEQ ID NO:1の置換されるアミノ酸残基のうち少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個は保存的アミノ酸残基置換で置換される。一部の態様では、SEQ ID NO:1の上述のアミノ酸残基のうち少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個は非保存的アミノ酸残基置換で置換される。一部の態様では、アミノ酸置換はプロリンを含有しない。一部の態様では、アミノ酸置換はシステインを含有しない。一部の態様では、プロリンもシステインもアミノ酸置換に含まれない。一部の態様では、アミノ酸残基置換は1個より多くのシステインを含まない。一部の態様では、溶媒接触性酸性残基のうち1〜12個は保存的置換で置換され、溶媒接触性酸性残基のうち1〜12個は非保存的置換で置換されるか、または溶媒接触性酸性残基のうち5〜12個は保存的置換で置換され、溶媒接触性アミノ酸残基のうち5〜12個は非保存的置換で置換される。別の態様では、DBDppは、核酸、オリゴ糖、ペプチド、タンパク質、細胞表面抗原、および有機低分子からなる群より選択される関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、血清タンパク質、細胞表面タンパク質、治療用タンパク質、TSA、CSA、およびペプチドタグ含有タンパク質からなる群より選択されるタンパク質に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、本明細書において開示された標的に特異的に結合する。さらなる態様では、複数種のDBDppを含有するライブラリーが提供される。DBDppをコードする核酸および前記核酸を含有するベクターも提供される。前記核酸およびベクターを含有する宿主細胞(ウイルス粒子を含む)も提供される。一部の態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイする原核生物または真核生物である。一部の態様では、宿主細胞は表面にDBDppをディスプレイする。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイするファージである。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDpp融合タンパク質を発現するヒト免疫細胞である。一態様では、DBDppは固体支持体に取り付けられる。さらなる態様では、固体支持体は、ビーズ、ガラススライド、チップ、ゼラチン、およびアガロースからなる群より選択される。
【0139】
のアミノ酸配列を含む、単離されたDBDppも提供され、配列中、X30、X31、X34、X37、X38、X41、X52、X53、X56、X59、X60、およびX63が天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基であり、Z1およびZ2は2〜30個の天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基であり、DBDppは関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる態様では、Xnは天然アミノ酸残基である。さらなる態様では、Xnは、システインまたはプロリン以外の天然アミノ酸残基である。特定の態様では、DBDppはアミノ酸配列LAAIKTRLQ(SEQ ID NO:50)を含有しない。さらなる態様では、DBDppは融合タンパク質である。一部の態様では、SEQ ID NO:1の置換されるアミノ酸残基のうち少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個は保存的アミノ酸残基置換で置換される。一部の態様では、SEQ ID NO:1の上述のアミノ酸残基のうち少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個は非保存的アミノ酸残基置換で置換される。一部の態様では、アミノ酸置換はプロリンを含有しない。一部の態様では、アミノ酸置換はシステインを含有しない。一部の態様では、プロリンもシステインもアミノ酸置換に含まれない。一部の態様では、アミノ酸残基置換は1個より多くのシステインを含まない。一部の態様では、溶媒接触性酸性残基のうち1〜12個は保存的置換で置換され、溶媒接触性酸性残基のうち1〜12個は非保存的置換で置換されるか、または溶媒接触性酸性残基のうち5〜12個は保存的置換で置換され、溶媒接触性アミノ酸残基のうち5〜12個は非保存的置換で置換される。別の態様では、DBDppは、核酸、オリゴ糖、ペプチド、タンパク質、細胞表面抗原、および有機低分子からなる群より選択される関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、血清タンパク質、細胞表面タンパク質、治療用タンパク質、TSA、CSA、およびペプチドタグ含有タンパク質からなる群より選択されるタンパク質に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、本明細書において開示された標的に特異的に結合する。さらなる態様では、複数種のDBDppを含有するライブラリーが提供される。DBDppをコードする核酸および前記核酸を含有するベクターも提供される。前記核酸およびベクターを含有する宿主細胞(ウイルス粒子を含む)も提供される。一部の態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイする原核生物または真核生物である。一部の態様では、宿主細胞は表面にDBDppをディスプレイする。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイするファージである。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDpp融合タンパク質を発現するヒト免疫細胞である。一態様では、DBDppは固体支持体に取り付けられる。さらなる態様では、固体支持体は、ビーズ、ガラススライド、チップ、ゼラチン、およびアガロースからなる群より選択される。
【0140】
のアミノ酸配列を含む、単離されたDBDppも提供され、配列中、X5、X6、X9、X10、X13、X16、X17、X30、X31、X34、X37、X38、X41、X50、X53、X54、X57、X60、およびX61が天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基であり、Z1およびZ2は2〜30個の天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基であり、DBDppは関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる態様では、Xnは天然アミノ酸残基である。さらなる態様では、Xnは、システインまたはプロリン以外の天然アミノ酸残基である。特定の態様では、DBDppはアミノ酸配列LAAIKTRLQ(SEQ ID NO:50)を含有しない。さらなる態様では、DBDppは融合タンパク質である。一部の態様では、SEQ ID NO:1の置換されるアミノ酸残基のうち少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個は保存的アミノ酸残基置換で置換される。一部の態様では、SEQ ID NO:1の上述のアミノ酸残基のうち少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個は非保存的アミノ酸残基置換で置換される。一部の態様では、アミノ酸置換はプロリンを含有しない。一部の態様では、アミノ酸置換はシステインを含有しない。一部の態様では、プロリンもシステインもアミノ酸置換に含まれない。一部の態様では、アミノ酸残基置換は1個より多くのシステインを含まない。一部の態様では、溶媒接触性酸性残基のうち1〜12個は保存的置換で置換され、溶媒接触性酸性残基のうち1〜12個は非保存的置換で置換されるか、または溶媒接触性酸性残基のうち5〜12個は保存的置換で置換され、溶媒接触性アミノ酸残基のうち5〜12個は非保存的置換で置換される。別の態様では、DBDppは、核酸、オリゴ糖、ペプチド、タンパク質、細胞表面抗原、および有機低分子からなる群より選択される関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、血清タンパク質、細胞表面タンパク質、治療用タンパク質、TSA、CSA、およびペプチドタグ含有タンパク質からなる群より選択されるタンパク質に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、本明細書において開示された標的に特異的に結合する。さらなる態様では、複数種のDBDppを含有するライブラリーが提供される。DBDppをコードする核酸および前記核酸を含有するベクターも提供される。前記核酸およびベクターを含有する宿主細胞(ウイルス粒子を含む)も提供される。一部の態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイする原核生物または真核生物である。一部の態様では、宿主細胞は表面にDBDppをディスプレイする。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイするファージである。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDpp融合タンパク質を発現するヒト免疫細胞である。一態様では、DBDppは固体支持体に取り付けられる。さらなる態様では、固体支持体は、ビーズ、ガラススライド、チップ、ゼラチン、およびアガロースからなる群より選択される。
【0141】
のアミノ酸配列を含む、単離されたDBDppも提供され、配列中、X5、X8、X9、X12、X15、X16、X19、X28、X31、X32、X35、X38、X39、X42、X52、X53、X56、X59、X60、およびX63が天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基であり、Z1およびZ2は2〜30個の天然アミノ酸残基および/または非天然アミノ酸残基であり、DBDppは関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる態様では、Xnは天然アミノ酸残基である。さらなる態様では、Xnは、システインまたはプロリン以外の天然アミノ酸残基である。特定の態様では、DBDppはアミノ酸配列LAAIKTRLQ(SEQ ID NO:50)を含有しない。さらなる態様では、DBDppは融合タンパク質である。一部の態様では、SEQ ID NO:1の置換されるアミノ酸残基のうち少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個は保存的アミノ酸残基置換で置換される。一部の態様では、SEQ ID NO:1の上述のアミノ酸残基のうち少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個は非保存的アミノ酸残基置換で置換される。一部の態様では、アミノ酸置換はプロリンを含有しない。一部の態様では、アミノ酸置換はシステインを含有しない。一部の態様では、プロリンもシステインもアミノ酸置換に含まれない。一部の態様では、アミノ酸残基置換は1個より多くのシステインを含まない。一部の態様では、溶媒接触性酸性残基のうち1〜12個は保存的置換で置換され、溶媒接触性酸性残基のうち1〜12個は非保存的置換で置換されるか、または溶媒接触性酸性残基のうち5〜12個は保存的置換で置換され、溶媒接触性アミノ酸残基のうち5〜12個は非保存的置換で置換される。別の態様では、DBDppは、核酸、オリゴ糖、ペプチド、タンパク質、細胞表面抗原、および有機低分子からなる群より選択される関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、血清タンパク質、細胞表面タンパク質、治療用タンパク質、TSA、CSA、およびペプチドタグ含有タンパク質からなる群より選択されるタンパク質に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、本明細書において開示された標的に特異的に結合する。さらなる態様では、複数種のDBDppを含有するライブラリーが提供される。DBDppをコードする核酸および前記核酸を含有するベクターも提供される。前記核酸およびベクターを含有する宿主細胞(ウイルス粒子を含む)も提供される。一部の態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイする原核生物または真核生物である。一部の態様では、宿主細胞は表面にDBDppをディスプレイする。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDppをディスプレイするファージである。さらなる態様では、宿主細胞は、表面にDBDpp融合タンパク質を発現するヒト免疫細胞である。一態様では、DBDppは固体支持体に取り付けられる。さらなる態様では、固体支持体は、ビーズ、ガラススライド、チップ、ゼラチン、およびアガロースからなる群より選択される。
【0142】
一部の態様では、DBDppは、G2、S3、W4、A5、E6、K8、Q9、R10、A12、A13、K15、T16、R17、E19、A20、A29、A30、E32、K33、E34、A36、A37、E39、S40、E41、Q43、A44、E52、E54、A55、R57、K58、E59、A61、A62、R64、D65、E66、Q68、A69、およびY70からなる群より選択される、SEQ ID NO:1の配列中の対応する位置に置換を含む。さらなる態様では、DBDppは、SEQ ID NO:1の配列中にある上述の位置のうち少なくとも1個、5個、10個、15個、20個、または30個の置換を含む。これらの置換は保存的置換でもよく、非保存的置換でもよく、保存的置換と非保存的置換の混合でもよい。一部の態様では、置換はプロリンの付加もシステインの付加も含まない。一部の態様では、置換は、1個のシステインより多くのシステインを含まない。一部のDBDppでは、これらの残基はSEQ ID NO:1と90%を超えて同一な場合がある。他のDBDppでは、これらの残基はSEQ ID NO:1と80%を超えて同一な場合がある。他のDBDppでは、これらの残基はSEQ ID NO:1と70%を超えて同一な場合がある。他のDBDppでは、これらの残基はSEQ ID NO:1と60%を超えて同一な場合がある。他のDBDppでは、これらの残基はSEQ ID NO:1と50%を超えて同一な場合がある。他のDBDppでは、これらの残基はSEQ ID NO:1と40%を超えて同一な場合がある。他のDBDppでは、これらの残基はSEQ ID NO:1と30%を超えて同一な場合がある。他のDBDppでは、これらの残基はSEQ ID NO:1と20%を超えて同一な場合がある。他のDBDppでは、これらの残基はSEQ ID NO:1と10%を超えて同一な場合がある。
【0143】
一部の態様では、DBDppは、M1、L21、G22、G23、S24、E25、A26、E27、Y45、K46、G47、K48、G49、N50、P51、R71、H72、およびN73からなる群より選択される、SEQ ID NO:1の配列中の位置に置換を含む。
【0144】
さらに、SEQ ID NO:1の対応する配列のアミノ末端、カルボキシ末端、またはアミノ末端およびカルボキシ末端の両方からアミノ酸残基が欠失しているDBDppが本明細書において提供される。一部の態様では、DBDppは、SEQ ID NO:1の配列に対応するDBDpp配列のアミノ末端から1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、または12個のアミノ酸残基が欠失している配列を含有する。一部の態様では、DBDppは、SEQ ID NO:1の配列に対応するDBDpp配列のカルボキシ末端から1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、または12個のアミノ酸残基が欠失している配列を含有する。一部の態様では、DBDppは、SEQ ID NO:1の対応する配列のアミノ末端から1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、11個、または12個のアミノ酸残基が欠失している配列と、SEQ ID NO:1の配列に対応するカルボキシ末端から1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、または12個のアミノ酸残基が欠失している配列を含有する。さらなる態様では、DBDppは、SEQ ID NO:1に対応する配列のカルボキシ末端から1〜5個、1〜10個、または1〜15個のアミノ酸残基が欠失している配列を含有する。一部の態様では、DBDppは、SEQ ID NO:1に対応する配列のアミノ末端から1〜5個、1〜10個、または1〜15個のアミノ酸残基が欠失している配列と、SEQ ID NO:1に対応する配列のカルボキシ末端から1〜5個、1〜10個、または1〜15個のアミノ酸残基が欠失している配列を含有する。
【0145】
一部の態様では、DBDppは、配列改変(すなわち、置換、欠失、挿入、および付加)の2つ以上のカテゴリーの点で、参照SEQ ID NO:1にある対応する配列とは異なる配列を含有する。例えば、DBDppは、参照ポリペプチド配列にある対応する配列と比較して、アミノ酸欠失、挿入、および置換の組み合わせを含んでもよい。一部の態様では、DBDppは、SEQ ID NO:1に示した配列参照配列内に1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個の、または10個を超えるアミノ酸欠失を含有する。一部の態様では、DBDppは、SEQ ID NO:1に示した参照配列内に1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、または10個を超えるアミノ酸挿入を含有する。
【0146】
DBDppは関心対象の標的に結合する
一部の態様によれば、DBDppは関心対象の標的に結合することができ、いくつかの態様では、標的の機能に識別可能な影響を及ぼさない。または、いくつかの態様では、DBDppは関心対象の標的に結合することができ、その標的の生物学的活性を完全にまたは部分的に阻害する、アンタゴナイズする、アゴナイズする、ブロックする、増やす、刺激する、または妨害する。このような活性を評価するための当技術分野において公知のアッセイ、バイオアッセイ、および/または動物モデルを用いて、または日常的に変更して、結合をアゴニスト的またはアンタゴニスト的だと特定し、確かめることができる。
【0147】
DBDppアゴニストとは、DBDpp標的の生物学的活性を何らかのやり方で増やす、もしくは増強するか、またはDBDpp標的の既知のアゴニストと同等の生物学的活性を有するDBDppを指す。別の態様では、DBDppは、DBDppが結合する標的のアンタゴニストである。DBDppアンタゴニストとは、DBDpp標的タンパク質の生物学的活性を完全もしくは部分的にブロックするか、もしくは何らかのやり方で妨害するか、またはDBDpp標的タンパク質の既知のアンタゴニストもしくは阻害剤と同等の生物学的活性を有するDBDppを指す。
【0148】
「標的に対する結合親和性」、「標的との結合」などのような表現は、親和定数、例えば、ある特定の抗原濃度で会合および解離するDBDppの量を求めることによって直接測定され得るポリペプチドの特性を指す。競合分析、平衡分析およびマイクロカロリメトリー分析、ならびに(例えば、Biacore(登録商標)機器を用いた)表面プラズモン共鳴相互作用に基づくリアルタイム相互作用分析などがあるが、これに限定されない様々な方法を用いて、分子相互作用を特徴付けることができる。これらの方法は当業者に周知であり、例えば、Neri D et al. (1996) Tibtech 14:465-470およびJansson M et al. (1997) J Biol Chem 272:8189-8197に記載されている。
【0149】
ある特定のDBDpp結合事象のための親和性要件は、結合マトリックスの組成および複雑度、DBDppおよび標的分子の結合価および密度、ならびにDBDppの機能的用途を含むが、これに限定されない様々な要因によって決まる。一態様では、DBDppは、5×10-3M、10-3M、5×10-4M、10-4M、5×10-5M、または10-5Mより小さいか、またはこれに等しい解離定数(KD)で関心対象の標的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、5×10-6M、10-6M、5×10-7M、10-7M、5×10-8M、または10-8Mより小さいか、またはこれに等しいKDで関心対象の標的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、5×10-9M、10-9M、5×10-10M、10-10M、5×10-11M、10-11M、5×10-12M、10-12M、5×10-13M、10-13M、5×10-14M、10-14M、5×10-15M、または10-15Mより小さいか、またはこれに等しいKDで関心対象の標的に結合する。いくつかの態様では、本明細書において開示された方法によって作製されたDBDppは、10-4M〜10-5M、10-5M〜10-6M、10-6M〜10-7M、10-7M〜10-8M、10-8M〜10-9M、10-9M〜10-10M、10-10M〜10-11M、および10-11M〜10-12Mからなる群より選択される解離定数を有する。
【0150】
一態様では、DBDppは活性型で関心対象の標的に結合する。一態様では、DBDppは活性型で関心対象の標的に可逆的に結合し、活性型で、結合した標的も放出する。一態様では、DBDppは天然型で関心対象の標的に結合する。特定の態様では、DBDppは、10-10sec-1、5×10-9sec-1、10-9sec-1、5×10-8sec-1、10-8sec-1、5×10-7sec-1、10-7sec-1、5×10-6sec-1、10-6sec-1、5×10-5sec-1、10-5sec-1、5×10-4sec-1、10-4sec-1、5×10-3sec-1、10-3sec-1、5×10-2sec-1、10-2sec-1、5×10-1sec-1、または10-1sec-1より大きいか、またはこれに等しいオフレートまたはKoffで関心対象の標的に結合する。
【0151】
KDおよびオフレートを決定するための結合実験は、[pH6.0、0.01%Tween20]、[pH6.0、0.1%ゼラチン]、[pH5.0、0.01%Tween20]、[pH9.0、0.1%Tween20]、[pH6.0、15%エチレングリコール、0.01%Tween20]、[pH5.0、15%エチレングリコール、0.01%Tween20]、および[pH9.0、15%エチレングリコール、0.01%Tween20]を含むが、これに限定されない多数の条件で行うことができる。これらの溶液を作るための緩衝液は容易に当業者によって決定することができ、最終溶液の望ましいpHに大きく左右される。低pH溶液(<pH5.5)は、例えば、クエン酸緩衝液、グリシン-HCl緩衝液、またはコハク酸緩衝液に溶解して作ることができる。高pH溶液は、例えば、Tris-HCl、リン酸緩衝液、または重炭酸ナトリウム緩衝液に溶解して作ることができる。例えば、最適なpHおよび/または塩濃度を決定する目的で、多数の条件を用いてKDおよびオフレートを決定することができる。
【0152】
一態様では、DBDppは、0.1〜10-7sec-1、10-2〜10-7sec-1、または0.5X10-2〜10-7sec-1のKoffで関心対象の標的に特異的に結合する。特定の態様では、DBDpp(例えば、DBDpp融合タンパク質)は、5X10-2sec-1、10-2sec-1、5X10-3sec-1、または10-3sec-1より小さいオフレート(Koff)で関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、5X10-4sec-1、10-4sec-1、5X10-5sec-1、または10-5sec1、5X10-6sec-1、10-6sec-1、5X10-7sec-1、または10-7sec-1より小さいオフレート(Koff)で関心対象の標的に特異的に結合する。
【0153】
一態様では、DBDppは、103〜107M-1sec-1、103〜106M-1sec-1、または103〜105M-1sec-1のKonで関心対象の標的に特異的に結合する。他の特定の態様では、DBDpp(例えば、DBDpp融合タンパク質)は、103M-1sec-1、5X103M-1sec-1、104M-1sec-1、または5X104M-1sec-1より大きなオンレート(Kon)で関心対象の標的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、105M-1sec-1、5X105M-1sec-1、106M-1sec-1、または5X106M-1sec-1、または107M-1sec-1より大きなKonで関心対象の標的に結合する。
【0154】
関心対象のDBDpp標的
DBDppが特異的に結合する関心対象の標的は、DBDppが結合することが望まれる任意の分子でよい。例えば、DBDppが特異的に結合する標的は、精製、製造、処方、治療、診断、または予後の上で関連する、または価値がある任意の標的でよい。多数の例示的な標的が例として本明細書において提供され、例示であり、かつ限定しないことが意図される。関心対象の標的は天然でもよく、合成でもよい。関心対象の標的は細胞外成分または細胞内成分でもよく、可溶性因子(例えば、酵素、ホルモン、サイトカイン、および増殖因子、毒素、毒液、汚染物質など)でもよく、膜貫通タンパク質(例えば、細胞表面受容体)でもよい。一態様では、DBDppが特異的に結合する関心対象の標的は、異なる配列を有するDBDppそのものである。
【0155】
一態様では、DBDpp融合タンパク質は、標的細胞の表面にある関心対象の標的に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDpp融合タンパク質は細胞表面受容体に特異的に結合する。一態様では、DBDpp融合タンパク質は、増殖因子受容体、チロシンキナーゼ受容体、TNFファミリー受容体、Gタンパク質共役受容体、およびケモカイン受容体より選択されるファミリーメンバーである関心対象の標的に特異的に結合する。一部の態様では、DBDpp融合タンパク質は同じファミリーの複数のメンバー(例えば、TNF受容体TRAILR1およびTRAILR2)に結合する。一部の態様では、DBDpp融合タンパク質は、異なるファミリーからのメンバーに結合する。従って、例えば、一部の態様では、DBDpp融合タンパク質は、増殖因子受容体と、TNF受容体またはGタンパク質共役受容体と、ケモカイン受容体に結合することができる。
【0156】
一態様では、DBDppは、血清タンパク質または治療用タンパク質、例えば、抗体または抗体断片に特異的に結合する。一部の態様では、DBDpp(例えば、DBDpp融合タンパク質)が結合する関心対象の標的はヒトタンパク質である。一態様では、DBDpp(例えば、DBDpp融合タンパク質)は、関心対象のヒトタンパク質標的、ならびにそのサル(例えば、カニクイザル)、マウス、ウサギ、ハムスター、および/またはウサギのオルソログに結合する。
【0157】
一態様では、DBDppは、血清タンパク質である関心対象の標的に特異的に結合する。一態様では、DBDppは、血清アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン(HSA))、チロキシン結合タンパク質、トランスフェリン、フィブリノゲン、ならびに免疫グロブリン(例えば、IgG、IgE、およびIgM)より選択される血清タンパク質に特異的に結合する。理論に拘束されるものではないが、DBDppと担体タンパク質との結合は、担体タンパク質結合配列が無いDBDpp融合タンパク質と比較して改善した腫瘍標的指向、腫瘍浸透、腫瘍内での拡散、および向上した治療活性を含むが、これに限定されない改善した薬力学的プロファイルをDBDpp(またはその融合)に付与すると考えられている(例えば、WO01/45746を参照されたい。WO01/45746の内容は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる)。
【0158】
一態様では、DBDppが特異的に結合する関心対象の標的は疾患関連抗原である。前記抗原は、がんに特有の抗原、ならびに/または特定の細胞タイプ(例えば、過剰増殖細胞)に特有の抗原、ならびに/または病原体(例えば、細菌細胞(例えば、結核、天然痘、および炭疽菌)、ウイルス(例えば、HIV)、寄生生物(例えば、マラリアおよびリーシュマニア症)、真菌感染、カビ、マイコプラズマに特有の抗原でもよく、プリオン抗原でもよく、免疫系障害に関連する抗原でもよい。
【0159】
さらなる態様では、DBDpp(例えば、DBDpp融合タンパク質)が結合する関心対象の標的は、細菌抗原、ウイルス抗原、真菌抗原、マイコプラズマ抗原、プリオン抗原、または寄生生物抗原(例えば、哺乳動物に感染する寄生生物)である。一態様では、DBDppの標的は炭疽菌、B型肝炎、狂犬病、ニパーウイルス、西ナイルウイルス、髄膜炎ウイルス、またはCMVである。さらなる態様では、DBDppは病原体に特異的に結合する。
【0160】
一態様では、DBDppはがん標的に特異的に結合する。別の態様では、DBDppはTSAまたはTAAに特異的に結合する。一部の態様では、DBDppは、PTGER4、ITGA4、CD37、CD52、CD62L(L-セレクチン)、CXCR4、CD69、EVI2B(CD361)、SLC39A8、MICB、LRRC70、CLELC2B、HMHA1、LST1、およびCMTM6(CKLFSF6)からなる群より選択される標的に特異的に結合する。
【0161】
一態様では、DBDppは、CD19(B-CLL、B-ALL、白血病、リンパ腫、BNHL/CLL、ALLポスト(post)-HCST、Bリンパ系腫瘍、B系列腫瘍)、CD20(マントル細胞リンパ腫/無痛性(indolent)B-NHL)、PMSA(前立腺がん)、CEA(乳がん、結腸直腸がん)、Her2/neu(肺がん、骨肉腫、グリア芽細胞腫)、κ軽鎖(B-NHLおよびB-CLL)に特異的に結合する。
【0162】
一態様では、DBDppは、CD47、CTLA4、DR5、KIR、LAG3、OX40、PD-L1、およびTIM3からなる群より選択される標的に特異的に結合する。
【0163】
一態様では、DBDppは、PDGFRA、PDGFRB、PDGFA、PDGFB、PDGFCC、PDGFC、PDGFD、VEGFR1、VEGFR2、VEGFR3、VEGFC、VEGFD、ニューロピリン2(NRP2)、ベータセルリン、PLGF、RET(トランスフェクションの間に再編成される)、TIE1、TIE2(TEK)、CA125、CD3、CD4、CD7、CD10、CD13、CD19、CD22、CD25、CD30、CD32、CD32b、CD33、CD38、FRSF5(CD40)、CD44(例えば、CD44v6)、CD47、CD49e(インテグリンα5)、CD52、CD54(ICAM)、CD55、CD64、CD74、CD80、CD90、CD117(cKit)、CD133、CD200、(プロミニン(prominin)1)、CD147、CD166、CD200、ESA、SHH、DHH、IHH、patched1(PTCH1)、smoothened(SMO)、WNT1、WNT2B、WNT3A、WNT4、WNT4A、WNT5A、WNT5B、WNT7B、WNT8A、WNT10A、WNT10B、WNT16B、LKP5、LRP5、LRP6、FZD1、FZD2、FZD4、FZD5、FZD6、FZD7、FZD8、Notch、Notch1、Notch3、Notch4、DLL4、Jagged、Jagged1、Jagged2、Jagged3、TNFSF1(TNFb、LTa)、TNFRSF1A(TNFR1、p55、p60)、TNFRSF1B(TNFR2)、TNFSF6(Fasリガンド)、TNFRSF6(Fas、CD95)、TNFRSF6B(DcR3)、TNFSF4(OX40リガンド)、TNFSF5(CD40リガンド)、TNFSF7(CD27リガンド、CD70)、TNFRSF7(CD27)、TNFSF8(CD30リガンド)、TNFSF9(41BBリガンド)、TNFRSF8(CD30)、TNFSF11(RANKL)、TNFRSF10A(TRAILR1、DR4)、TNFRSF10B(TRAILR2、DR5)、TNFRSF4(OX40)、TNFRSF11A(RANK)、TNFSF12(TWEAK)、TNFRSF12(TWEAKR)、TNFSF13(APRIL)、TNFSF13B(BLYS)、TNFRSF13B(TACI)、TNFRSF13C(BAFFR)、TNFSF15(TL1A)、TNFRSF17(BCMA)、TNFRSF19L(KELT)、TNFRSF19(TROY)、TNFRSF21(DR6)、TNFRSF25(DR3)、ANG1(ANGPT1)、ANG2(ANGPT2)、ANG3(ANGPTL1)、ANG4(ANGPT4)、TIE2、IL1α、IL1β、ILIRI、1L1R2、IL2IL2R、IL5、IL5R、IL6、IL6R、1L8、1L8R、IL10、IL10R、IL12、IL12R、IL13、IL13R、IL15、IL15R、IL18、IL18R、IL19、IL19R、IL21、IL21R、IL23、IL23R、mif、XAG1、XAG3、REGIV、FGF1、FGF2、FGF3、FGF4、FGFR1、FGFR2、FGFR3、ALK、ALK1、ALK7、ALCAM、アルテミン(Artemin)、Axl、TGFb、TGFb2、TGFb3、TGFBR1、IGFIIR、BMP2、BMP5、BMP6、BMPRI、GDF3、GDF8、GDF9、N-カドヘリン、E-カドヘリン、VE-カドヘリン、EPCAM(EGP2)、NCAM、LICAM(GDI71)、ガングリオシドGM2、ガングリオシドGD2、カルシトニン、PSGR、DCC、CDCP1、CXCR2、CXCR7、CCR3、CCR4、CCR5、CCR7、CCR10、CXCR4、CXCL1、CXCL5、CXCL6、CXCL8、CXCL12、CCL2、CCL3、CCL4、CCL5、CCL11、クローディン1、クローディン2、クローディン3、クローディン4、TMEFF2、ニューレグリン、MCSF、CSF、CSFR(fms)、GCSF、GCSFR、BCAM、HPV、hCG、SR1F、PSA、FOLR2(葉酸受容体β)、BRCA1、BRCA2、HLA-DR、ABCC3、ABCB5、HM1.24、LFA1、LYNX、S100A8、S100A9、SCF、フォン・ウィルブランド因子、ルイスY6受容体、ルイスY、CAG250(CA9)、CRYPTO、VLA5、CTLA4、HLA-DR、MUCl、MUCl8、ムチンCanAg、ガングリオシドGD3、EGFL7、PDGFRa、IL21、IGF1、IGF2、HGF、PSMA、SLAMF7、がん胎児抗原(CEA)、FAP、インテグリンavb3、インテグリンα5β、アクチビンBlα、ロイコトリエンB4受容体(LTB4R)、ニューロテンシンNT受容体(NTR)、5T4がん胎児抗原、テネイシンC、MMP、MMP2、MMP7、MMP9、MMP12、MMP14、MMP26、カテプシンG、カテプシンH、カテプシンL、SULF1、SULF2、MET、UPA、MHCLMN(CA9)、TAG-72、TM4SF1、ヘパラナーゼ(HPSE)、シンデカン(SDCl)、エフリンB2、エフリンB4、Tニューロピリン1(NRP1)、TEM1、メソテリン、TGFβ1、TGFBRII、FcRn、ホスファチジセリン(phosphatidlyserine)、葉酸受容体α(FOLR1)、およびレラキシン2からなる群より選択される関心対象の標的に特異的に結合する。上記の標的および本明細書に記載の他の標的は例示であり、限定しないことが意図される。
【0164】
一態様では、DBDpp(例えば、DBDpp融合タンパク質)は、VEGF、VEGFA、VEGFR1、VEGFR2、IGF1R、インテグリン、cMet、EGFR、ErbB2(Her2)、CD20、神経成長因子(NGR)、肝細胞増殖因子受容体、ErbB3(Her3)、ErbB4、前立腺特異的膜抗原より選択される関心対象の標的に特異的に結合する。
【0165】
一態様では、DBDpp(例えば、DBDpp融合タンパク質)が特異的に結合する関心対象の標的は、自己免疫障害、炎症障害、もしくは他の免疫系障害に関連する抗原であるか、または免疫応答の調節に関連する。
【0166】
一態様では、DBDppは、免疫阻害標的である関心対象の標的に特異的に結合する。別の態様では、DBDppは、IL1、IL1b、IL1Ra、IL5、IL6、IL6R、CD26L、CD28、CD80、FcRn、またはFcγRIIBより選択される免疫阻害標的に特異的に結合する。別の態様では、DBDppは、CD25、CD28、CTLA4、PD1、B7-H1(PD-L1)、B7-H4、IL10、TGFβ、TNFSF4(OX40リガンド)、TNFRSF4(OX40)、TNFSF5(CD40リガンド)、TNFRSF5(CD40)、TNFSF9(41BBリガンド)、TNFRSF9(41BB、CD137)、TNFSF14(LIGHT、HVEMリガンド)、TNFRSF14(HVEM)、TNFSF15(TL1A)、TNFRSF25(DR3)、TNFSF18(GITRリガンド)、およびTNFRSF18(GITR)より選択される免疫賦活標的に特異的に結合する。
【0167】
さらなる態様では、DBDppは、IL1Rb、IL2、IL3、IL4、IL7、IL11、IL15、IL16、IL17、IL17A、IL17F、IL18、IL19、IL25、IL32、IL33、インターフェロンβ、SCF、BCA1/CXCL13、CXCL1、CXCL2、CXCL6、CXCL13、CXCL16、C3AR、C5AR、CXCR1、CXCR2、CCR1、CCR3、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10、ChemR23、CCL3、CCL5、CCL11、CCL13、CCL17、CCL18、CCL19、CCL20、CCL21、CCL22、CCL24、CCL25、CCL26、CCL27、MPL、GP130、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR7、TLR8、TLR9、TREM1、TREM2、オンコスタチンM、リンホトキシンα(LTa)、インテグリンβ7サブユニット、CD49a(インテグリンα1)、インテグリンa5b3、MIF、ESM1、WIF1、カテプシンB、カテプシンD、カテプシンK、カテプシンS、TNFSF2(TNFa)、TNFSF3(LTb)、TNFRSF3(LTBR)、TNFSF6(Fasリガンド)、TNFRSF6(Fas、CD95)、TNFRSF6B(DcR3)、TNFSF8(CD30リガンド)、TNFRSF8(CD30)、TNFSF11(RANKL)、TNFRSF11A(RANK)、TNFRSF16(NGFR)、TNFRSF19L(RELT)、TNFRSF19(TROY)、TNFRSF21(DR6)、CD14、CD23、CD36、CD36L、CD39、CD52、CD91、CD137、CD153、CD164、CD200、CD200R、BTLA、B7-1(CD80)、B7-2(CD86)、B7h、B7-DC(PDL2)、ICOS、ICOSL、MHC、CD、B7-H2、B7-H3、B7x、SLAM、KIM-1、SLAMF2、SLAMF3、SLAMF4、SLAMF5、SLAMF6、およびSLAMF7、TNFSF1A(TNF-α)、TNFRSF1A(TNFR1、p55、p60)、TNFRSF1B(TNFR2)、TNFSF7(CD27リガンド、CD70)、TNFRSF7(CD27)、TNFSF13B(BLYS)、TNFSF13(APRIL)、TNFRSF13B(TACI)、TNFRSF13C(BAFFR)、TNFRSF17(BCMA)、TNFSF12(TWEAK)、TNFRSF12(TWEAKR)、TNFRSF5(CD40)、IL1、IL1b、IL1R、IL2R、IL4-Ra、IL5、IL5R、IL6、IL6R、IL9、IL12、IL13、IL14、IL15、IL15R、IL17f、IL17R、IL17Rb、IL17RC、IL20、IL21、IL22RA、IL23、IL23R、IL31、TSLP、TSLPR、インターフェロンα、インターフェロンγ、B7RP1、cKit、GMCSF、GMCSFR、CTLA4、CD2、CD3、CD4、CD11a、CD18、CD20、CD22、CD30、CD40、CD86、CXCR3、CXCR4、CCR2、CCR4、CCR5、CCR8、CCL2、CXCL10、PlGF、α4インテグリンサブユニット、A4B7インテグリン、C5、RhD、IgE、ならびにRhより選択される関心対象の標的に特異的に結合する。
【0168】
別の態様では、DBDppは、アミロイドβ(Aβ)、βアミロイド、補体因子D、PLP、ROBO4、ROBO、GDNF、NGF、LINGO、ミオスタチン、酸化LDL、gpIIB、gpIIIa、PCSK9、第VIII因子、インテグリンa2bB3、AOC3、メソテリン、DKK1、オステオポンチン、カテプシンK、TNFRSF19L(RELT)、TNFRSF19(TROY)、およびスクレロスチンより選択される関心対象の標的に特異的に結合する。
【0169】
一態様では、DBDppは、CD137、CD47、CTLA4、DR5、KIR、PD-L1、PD1、およびTIM3からなる群より選択される関心対象の標的に特異的に結合する。
【0170】
一態様では、DBDppはCD137に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppはCD137に特異的に結合し、
より選択されるアミノ酸配列を含む。上述のDBDppと同じCD137エピトープに完全にまたは部分的に結合する(例えば、エピトープと重複する)他のDBDppおよびポリペプチドが提供される。さらに、CD137との結合において上述のDBDppと完全にまたは部分的に競合するDBDppおよびポリペプチドも提供される。DBDppをコードする核酸も提供され、同様に、前記核酸を含有するベクターならびに前記核酸およびベクターを含有する宿主細胞も提供される。
【0171】
一態様では、DBDppはCD47に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppはCD47に特異的に結合し、
より選択されるアミノ酸配列を含む。上述のDBDppと同じCD47エピトープに完全にまたは部分的に結合する他のDBDppおよびポリペプチドが提供される。さらに、CD47との結合において上述のDBDppと完全にまたは部分的に競合するDBDppおよびポリペプチドも提供される。DBDppをコードする核酸も提供され、同様に、前記核酸を含有するベクターならびに前記核酸およびベクターを含有する宿主細胞も提供される。
【0172】
一態様では、DBDppはCTLA4に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppはCTLA4に特異的に結合し、
のアミノ酸配列を含む。上述のDBDppと同じCTLA4エピトープに完全にまたは部分的に結合する他のDBDppおよびポリペプチドが提供される。さらに、CTLA4との結合において上述のDBDppと完全にまたは部分的に競合するDBDppおよびポリペプチドも提供される。DBDppをコードする核酸も提供され、同様に、前記核酸を含有するベクターならびに前記核酸およびベクターを含有する宿主細胞も提供される。
【0173】
一態様では、DBDppはDR5に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppはDR5に特異的に結合し、
より選択されるアミノ酸配列を含む。上述のDBDppと同じDR5エピトープに完全にまたは部分的に結合する他のDBDppおよびポリペプチドが提供される。さらに、DR5との結合において上述のDBDppと完全にまたは部分的に競合するDBDppおよびポリペプチドも提供される。DBDppをコードする核酸も提供され、同様に、前記核酸を含有するベクターならびに前記核酸およびベクターを含有する宿主細胞も提供される。
【0174】
一態様では、DBDppはKIRに特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppはKIRに特異的に結合し、
より選択されるアミノ酸配列を含む。上述のDBDppと同じKIRエピトープに完全にまたは部分的に結合する他のDBDppおよびポリペプチドが提供される。さらに、KIRとの結合において上述のDBDppと完全にまたは部分的に競合するDBDppおよびポリペプチドも提供される。DBDppをコードする核酸も提供され、同様に、前記核酸を含有するベクターならびに前記核酸およびベクターを含有する宿主細胞も提供される。
【0175】
一態様では、DBDppはPD-L1に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppはPD-L1に特異的に結合し、
より選択されるアミノ酸配列を含む。上述のDBDppと同じPD-L1エピトープに完全にまたは部分的に結合する他のDBDppおよびポリペプチドが提供される。さらに、PD-L1との結合においてDBDppと完全にまたは部分的に競合するDBDppおよびポリペプチドも提供される。DBDppをコードする核酸も提供され、同様に、前記核酸を含有するベクターならびに前記核酸およびベクターを含有する宿主細胞も提供される。
【0176】
一態様では、DBDppはPD1に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppはPD1に特異的に結合し、
より選択されるアミノ酸配列を含む。上述のDBDppと同じPD1エピトープに完全にまたは部分的に結合する他のDBDppおよびポリペプチドが提供される。さらに、PD1との結合において上述のDBDppと完全にまたは部分的に競合するDBDppおよびポリペプチドも提供される。DBDppをコードする核酸も提供され、同様に、前記核酸を含有するベクターならびに前記核酸およびベクターを含有する宿主細胞も提供される。
【0177】
一態様では、DBDppはTIM3に特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppはTIM3に特異的に結合し、
のアミノ酸配列を含む。上述のDBDppと同じTIM3エピトープに完全にまたは部分的に結合する他のDBDppおよびポリペプチドが提供される。さらに、TIM3との結合においてDBDppと完全にまたは部分的に競合するDBDppおよびポリペプチドも提供される。DBDppをコードする核酸も提供され、同様に、前記核酸を含有するベクターならびに前記核酸およびベクターを含有する宿主細胞も提供される。
【0178】
別の態様では、DBDppは、関心対象の標的に存在するペプチドタグに結合する。このようなペプチドタグは、ペプチドタグを含有する関心対象の標的を精製する、検出する、および/または取り付けるための有用な手段となる。一態様では、DBDppは、以下の群:ヘキサヒスチジル(His6)タグ、mycタグ、またはFLAGタグより選択されるペプチドタグに特異的に結合する。他のペプチドタグは本明細書に記載されているか、そうでなければ当技術分野において公知である。
【0179】
別の態様では、DBDppが結合する標的は、汚染物質の混合物からの精製の対象である。一態様では、標的は、細胞溶解産物または細胞培養上清からの選択的単離を必要とする、天然タンパク質または組換え発現タンパク質でもよい。
【0180】
DBDpp融合タンパク質
「融合ポリペプチド」、「融合タンパク質」、「キメラポリペプチド」、「キメラタンパク質」、「キメラ抗原」は、少なくとも2つのポリペプチドと、任意で、2つのポリペプチドを(例えば組換えプロセスにより生成される)1つの連続ポリペプチドへと機能的に連結するためのリンカーと、から構成されるポリペプチドである。2つのポリペプチドは、機能的に、直接または間接的に結合され得る。
【0181】
「DBDpp融合タンパク質」は、関心対象の標的と特異的に結合する少なくとも1つのDBDppを含む。一態様では、DBDpp融合タンパク質は、1つを超えるDBDppを含み、その際、2つ以上のDBDppは、同じまたは異なる特異性を有する。追加的な態様では、DBDpp融合タンパク質は、DBDpp融合タンパク質が複数の標的および/または同じ標的上の繰り返しエピトープもしくは異なるエピトープと結合できるようにする、同じまたは異なるDBDppのタンデム繰り返しから構成される。追加的な態様では、DBDpp融合タンパク質は、DBDppおよび追加的なドメインを含むポリペプチド配列を含む。一部の態様では、DBDpp融合タンパク質は、DBDppならびに抗体、抗体フラグメント(例えば、抗原結合ドメインまたはその部分(例えば、ScFv)、エフェクタードメインまたはその部分、FcRn結合ドメインまたはその部分、およびFcまたはその部分)、血清タンパク質(例えば、アルブミンまたはその部分)、サイトカイン、成長因子、ホルモン、造影剤、標識剤、およびペプチドタグより選択されるメンバーを含む。一部の態様では、DBDpp融合タンパク質は、免疫グロブリンのFcドメイン(例えば、ヒトFcドメイン)またはその部分を含む。さらなる態様では、Fcドメインは変異型ヒトFcドメインである。
【0182】
本明細書において提供されるDBDppには、DBDpp融合タンパク質が含まれる。DBDppと、関心対象の任意のポリペプチドとを機能的に連結して、DBDpp融合タンパク質を形成させることができる。したがって、一部の態様では、DBDppは、より大きな多ドメイン分子複合体に組み入れられ(例えば、モノマー性またはマルチマー性DBDpp融合タンパク質)、そうすることで、組み入れられるDBDppの機能的属性を、結果として生じる融合タンパク質に与える。一部の態様では、DBDpp融合タンパク質は、DBDppと、抗体、抗体フラグメント、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)もしくは血清タンパク質フラグメント、または細胞表面受容体、T細胞受容体(TCR)アルファ鎖、T細胞受容体ベータ鎖、サイトカイン、成長因子、ホルモン、もしくは酵素、またはそのフラグメントからのポリペプチド配列とを含む。多ドメインおよび/または多機能複合体へのDBDの組み入れは、当技術分野において公知の技法を用いた、別の化学的部分に結合する別のポリペプチドへの組換え融合および別のポリペプチド(または他の望ましい化学化合物)への共有化学結合により日常的に達成することができる。DBDpp融合タンパク質は、追加的に、リンカーおよび本明細書記載の他の構成要素などの、他の随意の構成要素を含むことができる。
【0183】
DBDppマルチマー
一部の態様では、DBDpp融合タンパク質は、1つのDBDppを含む。一部の態様では、DBDpp融合タンパク質は、少なくとも2、3、4、もしくは5つ、または5つを超えるDBDppを含む。一部の態様では、DBDpp融合タンパク質は、1〜3つ、1〜4つ、1〜5つ、または5つを超える異なるDBDppを含む。一部の態様では、DBDpp融合タンパク質は、少なくとも2、3、4、もしくは5つ、または5つを超える異なるDBDppを含む。したがって、DBDpp融合タンパク質は、モノマー性DBDpp(すなわち、1つのDBDppを含む)またはマルチマー性DBDpp(すなわち、リンカーによって機能的につながれていてもよい1つを超えるDBDppをタンデムで含む)であることができる。そのようなマルチマー性DBDppの非限定的な態様を図5Aに示す。いくつかの態様では、マルチマー性DBDppの使用は、強化された(例えば、相乗的な)標的結合を提供する。追加的な態様では、マルチマー性DBDppは、単一のDBDpp構築物を用いて1つを超える標的を標的指向することを可能にする(例えば、二重特異性、三重特異性など)。
【0184】
マルチマー性DBDpp融合タンパク質は、DBDppホモマルチマー性(すなわち、リンカーによってつながれていてもよい、同じDBDppを1つを超えるタンデムで含む)(例えば、ホモダイマー、ホモトリマー、ホモテトラマーなど)またはDBDppヘテロマルチマー性(すなわち、少なくとも2つの異なるDBDppタンパク質がある、2つ以上のDBDppを含む)であることができる。マルチマー性組成物内に含まれるモノマー性DBDppの数は、態様に応じて異なる場合があり、DBDppが生成される発現系によって少なくとも部分的に規定される場合がある。しかし、いくつかの態様では、融合タンパク質は、約5〜約10個のDBDppサブユニット、約10〜約15個のサブユニット、約15〜約20個のサブユニット、約20〜約25個のサブユニット、または約25〜約30個のサブユニット(記載された中間の数および両端を含む)のマルチマーを含む場合がある。さらに、DBDpp融合タンパク質の複数のタンデム構成要素は、同じまたは異なるDBDppを含むことができる。一部のDBDpp融合体では、DBDppは、モノマーとして、またはホモダイマーもしくはヘテロダイマー、ホモトリマーもしくはヘテロトリマー、ホモテトラマーもしくはヘテロテトラマーなどのホモマルチマーもしくはヘテロマーの状態で存在する。
【0185】
一態様では、2つ以上のDBDppは、機能的に融合されてDBDpp融合タンパク質を形成する。一態様では、DBDppの融合パートナーは同一のDBDppである。2つ以上の同一のDBDppが連結する結果として、モノマー性組成物に対する別個の優位性(例えば、増加した結合アビディティー、標的のクラスター形成および受容体活性化)を与える多価分子が生じる。別の態様では、DBDppの融合パートナーは、同一でないDBDppである。2つ以上の同一でないDBDppが連結する結果として、1つを超える標的抗原と独立してまたは同時に結合する可能性を有する多価多重特異性分子が生じる。
【0186】
DBDpp融合タンパク質は、「単特異性」または「多重特異性」であることができる。「多重特異性」(例えば、二重特異性、三重特異性またはより大きな多重特異性)であるDBDpp融合タンパク質は、1つまたは複数の異なる分子(例えば、タンパク質、固体支持構造物など)上に存在する2つ以上の異なるエピトープを認識し、それに結合する。
【0187】
一態様では、多重特異性DBDpp融合タンパク質は、関心対象の単一の標的上の少なくとも2つの異なるエピトープに結合する少なくとも2つのDBDppを含む。追加的な態様では、多重特異性DBDpp融合タンパク質は、関心対象の標的上の1つのエピトープと特異的に結合する少なくとも1つのDBDpp、および関心対象の同じ標的上の別のエピトープに特異的に結合する少なくとも1つの他のドメインまたは機能付与配列(例えば、scFvなどの抗体フラグメントまたはドメイン)を含む。一態様では、多重特異性DBDpp融合タンパク質は、関心対象の標的上のエピトープに特異的に結合する少なくとも1つのDBDpp、および関心対象の別の標的上のエピトープに特異的に結合する少なくとも1つのドメインまたは機能付与配列、例えば、抗体フラグメントまたはドメイン(例えば、scFv)を含む。他の態様では、DBDpp融合タンパク質は、少なくとも1つのDBDpp、および固体支持体に特異的に結合する少なくとも1つの他のDBDppまたは機能付与ドメイン配列、例えば、抗体フラグメントまたはドメインを含む。
【0188】
さらなる態様では、2つ以上のDBDppを含むマルチマー性DBDpp融合体が今度は他の異種タンパク質(またはそのサブドメイン)と融合され、そうすることで、多価で多重特異性の特性を融合パートナーに与える。DBDppの融合パートナーの例には、非限定的に、抗体、抗体サブドメイン(例えば、scFvまたはFcドメイン)、血清アルブミン、血清アルブミンサブドメイン、細胞表面受容体、T細胞受容体(TCR)アルファ鎖、T細胞受容体ベータ鎖、細胞表面受容体サブドメイン、ペプチド、ペプチドタグ(例えば、FLAGまたはmyc)、フィブロネクチンIII型リピート、z-ドメイン、エラスチン様ポリペプチドが挙げられる。DBDppの数および配置ならびに融合タンパク質内のそれらのそれぞれの位置は変動する可能性がある。例えば、DBDppを、融合パートナーの一方または全ての末端に配置し、かつ/またはDBDpp融合パートナー内の異種サブユニット内に分散させることができる。
【0189】
一態様では、DBDpp融合体は二重特異性であり、2つの異なる細胞型の表面に発現される2つの異なる標的に特異的に結合する。一態様では、二重特異性DBDpp融合タンパク質は、がん細胞標的および免疫エフェクター細胞標的に特異的に結合する。一態様では、二重特異性DBDpp融合タンパク質は、がん細胞上に発現される標的(例えばCD19)およびTリンパ球の表面に発現される標的(例えば、CD3)と特異的に結合する。
【0190】
抗体および抗体フラグメントとの融合体としてのDBDpp
一態様では、DBDpp融合タンパク質は、抗体全体または抗体フラグメントもしくはドメイン(例えば、IgG1抗体、IgG3抗体、抗体可変領域、CDR3、ScFv、Fc、FcRn結合ドメイン、および他の抗体ドメイン)を含む。DBDppおよびDBDpp融合タンパク質は、相互に、および/または抗体、抗体鎖、抗体フラグメントもしくは抗体ドメインの1つもしくは複数の末端に機能的に連結されることができる。
【0191】
DBDpp融合タンパク質の抗体構成要素は、任意の適切な免疫グロブリン全体もしくは抗体フラグメント(例えば、抗原結合ドメインおよび/もしくはエフェクタードメイン)またはそのフラグメントであることができる。一態様では、DBDpp-抗体融合タンパク質は、伝統的なモノクローナル抗体の構造特性および機能特性を保持する。したがって、一部の態様では、DBDpp-抗体融合タンパク質は、エピトープ結合特性を保持するが、有利には、DBDpp融合体を介して1つまたは複数の追加的な標的結合特異性も組み入れている。DBDpp融合体に使用することができる抗体には、非限定的に、モノクローナル抗体、多重特異性抗体、ヒト抗体、ヒト化抗体、霊長類化抗体、およびキメラ抗体が含まれる。本明細書において提供される免疫グロブリンまたは抗体分子は、免疫グロブリン分子の任意の種類(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、およびIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)またはサブクラスであることができる。特定の態様では、抗体は、Fcを最適化された抗体である。抗体は、鳥類および哺乳類を含む任意の動物起源、もしくはその起源由来または合成により産生されたものであることができる。DBDpp-抗体融合タンパク質の抗体構成要素は、自然由来または組換え操作(例えば、ファージディスプレイ、異種移植マウス(xenomouse)、および合成)の結果であることができる。ある特定の態様では、抗体-DBDpp融合体の抗体構成要素は、半減期を増大させ、抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)および/または補体依存性細胞傷害(CDC)活性を増加または減少させる。一部の態様では、抗体は、ヒト抗体、マウス抗体、ロバ抗体、ウサギ抗体、ヤギ抗体、モルモット抗体、ラクダ抗体、ラマ抗体、ウマ抗体、またはニワトリ抗体である。特定の態様では、抗体はヒトである。
【0192】
一態様では、DBDppは、抗体フラグメントまたはサブドメイン(例えば、ScFv、ダイアボディー、EP404,097;国際公開公報第93/111161号;国際公開公報第2014/028776号;およびHolliger et al., PNAS 90:6444-6448 (1993)、これらのそれぞれは、その全体で参照により本明細書に組み入れられる)に機能的に連結される。抗体フラグメントまたはサブドメインは、抗体の任意のフラグメントまたはドメインであることができる。例えば、そのそれぞれがその全体で参照により本明細書に組み入れられる国際公開公報第04/058820号、国際公開公報第99/42077号および国際公開公報第05/017148号を参照されたい。例えば、DBDpp融合タンパク質は、1つもしくは複数のエフェクター機能をDBDppに付与し、かつ/または1つもしくは複数のFc受容体に結合する能力をDBDpp融合タンパク質に付与する抗体エフェクタードメインまたは抗体エフェクタードメインの誘導体を含むことができる。一部の態様では、DBDpp-抗体融合タンパク質は、抗体の抗原結合フラグメントまたはそのフラグメントを含む。追加的な態様では、DBDpp-抗体融合タンパク質は、CH2ドメインおよびCH3ドメインにより提供されるエフェクター機能を有する、抗体の1つまたは複数のCH2ドメインおよび/またはCH3ドメインを含む免疫グロブリンエフェクタードメインを含む。エフェクター機能を提供し、かつ本発明により包含されるDBDpp融合体における他の配列は、当業者に明らかであり、その配列を所望のエフェクター機能に基づいて日常的に選択して、本明細書に包含されるDBDpp融合タンパク質に設計することができる。
【0193】
一態様では、本明細書に提供される抗体-DBDpp融合体の抗体構成要素は、抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)を増加させるように改変されている(例えば、それぞれがその全体で参照により本明細書に組み入れられる、Bruhns et al., Blood 113:3716-3725 (2009); Shields et al., J. Biol. Chem. 276:6591-6604 (2001); Lazar et al., PNAS 103:4005-4010 (2006); Stavenhagen et al., Cancer Res., 67:8882-8890 (2007); Horton et al., Cancer Res. 68:8049-8057 (2008); Zalevsky et al., Blood 113:3735-3743 (2009); Bruckheimer, Neoplasia 11:509-517 (2009);国際公開公報第2006/020114号; Strohl, Curr. Op. Biotechnol. 20:685-691 (2009);および国際公開公報第2004/074455号を参照されたい)。ADCCを増加させるDBDpp-抗体融合タンパク質の抗体構成要素中に含まれるFc配列の操作改変の例には、IgG1-S298A、E333A、K334A;IgGl-S239D、I332E;IgG1-S239D、A330L、I332E;IgG1-P247I、A339DまたはQ;S298DまたはVを有するまたは有さないIgG1-D280H、K290S;IgG1-F243L、R292P、Y300L;IgG1-F243L、R292P、Y300L、P396L;およびIgG1-F243L、R292P、Y300L、V305I、P396Lに対応する1つまたは複数の改変が含まれ、その際、Fc領域における残基の付番は、KabatらのEUインデックスの付番である(Kabat et al., Sequences of proteins of Immunological Interest, 1991 Fifth edition)。
【0194】
一態様では、DBDpp融合体は、抗体全体または抗原結合フラグメントである抗体フラグメントを含む。さらなる態様では、抗体または抗体フラグメントは、疾患と関係する抗原と結合する。一態様では、DBDpp融合タンパク質は、がん抗原と特異的に結合する抗体または抗体フラグメントを含む。別の態様では、DBDpp融合タンパク質は、特定の病原体(例えば、細菌細胞(例えば、結核、痘瘡、炭疽))、ウイルス(例えば、HIV)、寄生虫(例えば、マラリア、リーシュマニア症)、真菌感染、カビ、マイコプラズマ、プリオン抗原と特異的に結合する抗体または抗体フラグメントを含み、別の態様では、DBDpp融合タンパク質は、特定の病原体(例えば、細菌細胞(例えば、結核、痘瘡、炭疽))、ウイルス(例えば、HIV)、寄生虫(例えば、マラリア、リーシュマニア症)、真菌感染、カビ、マイコプラズマ、またはプリオン抗原と特異的に結合する抗体または抗体フラグメントを含む。別の態様では、DBDpp融合タンパク質は、免疫系の疾患または障害に関連する抗原と特異的に結合する抗体または抗体フラグメントを含む。
【0195】
好ましい態様では、抗体フラグメントまたはドメインを含むDBDpp融合タンパク質は、親抗体の活性を保持する。したがって、ある特定の態様では、抗体フラグメントまたはドメインを含むDBDpp融合タンパク質は、補体依存性細胞傷害作用を誘導する能力がある。ある特定の態様では、抗体フラグメントまたはドメインを含むDBDpp融合タンパク質は、抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)を誘導する能力がある。
【0196】
したがって、一部の態様では、DBDpp融合タンパク質は、DBDpp融合タンパク質に免疫グロブリンの生物学的または生化学的特徴を付与する抗体フラグメントを含む。一部の態様では、抗体フラグメントは、1つまたは複数のDBDppが無いDBDpp融合タンパク質と比較して、非共有結合的に二量体化する能力、腫瘍部位に局在する能力、および増加した血清半減期より選択される特徴を付与する。ある特定の態様では、DBDpp融合タンパク質は、DBDppが結合していない対応する抗体と少なくとも同じ安定性である。ある特定の態様では、DBDpp融合タンパク質は、DBDppが結合していない対応する抗体よりも安定である。DBDpp融合タンパク質の安定性は、例えば、ELISA技法を含めた確立された方法を用いて測定することができる。一部の態様では、DBDpp融合タンパク質は、37℃の全血(インビボまたはエクスビボ)中で少なくとも約10時間、少なくとも約15時間、少なくとも約20時間、少なくとも約24時間、少なくとも約25時間、少なくとも約30時間、少なくとも約35時間、少なくとも約40時間、少なくとも約45時間、少なくとも約48時間、少なくとも約50時間、少なくとも約55時間、少なくとも約60時間、少なくとも約65時間、少なくとも約70時間、少なくとも約72時間、少なくとも約75時間、少なくとも約80時間、少なくとも約85時間、少なくとも約90時間、少なくとも約95時間、または少なくとも約100時間(記載した時間の間の任意の時間を含む)安定である。一態様では、DBDpp融合体は、対応する未変更の免疫グロブリン配列を有する免疫グロブリンフラグメントと比較して、定常領域ドメインのうち1つまたは複数の少なくとも一部が、減少もしくは増加したエフェクター機能、非共有結合的に二量体化する能力、腫瘍部位に局在する増加した能力、減少した血清半減期、または増加した血清半減期などの所望の生化学的特徴を与えるように変更されている免疫グロブリンドメインまたはフラグメントに対応する免疫グロブリンエフェクタードメインまたは半減期に影響するドメインを含む。定常領域ドメインのこれらの変更は、アミノ酸置換、挿入、または欠失であることができる。
【0197】
一態様では、DBDpp融合タンパク質は、DBDpp融合タンパク質に抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)を付与する免疫グロブリンエフェクタードメインまたは免疫グロブリンエフェクタードメイン誘導体のアミノ酸配列を含む。追加的な態様では、DBDpp融合タンパク質は、ADCCを増加させるように改変されている免疫グロブリンエフェクタードメインの配列を含む(例えば、そのそれぞれの内容がその全体で参照により本明細書に組み入れられるBruhns, Blood 113:3716-3725 (2009); Shields, J. Biol. Chem. 276:6591-6604 (2001); Lazar, PNAS 103:4005-4010 (2006); Stavenhagen, Cancer Res. 67:8882-8890 (2007); Horton, Cancer Res. 68:8049-8057 (2008); Zalevsky, Blood 113:3735-3743 (2009); Bruckheimer, Neoplasia 11:509-517 (2009);国際公開公報第06/020114号; Strohl, Curr. Op. Biotechnol. 20:685-691 (2009);および国際公開公報第04/074455号を参照されたい)。ADCCを増加させるDBDpp融合タンパク質におけるアミノ酸配列に含まれる、免疫グロブリンフラグメントを操作する改変の例には、IgG1-S298A、E333A、K334A;IgG1-S239D、I332E;IgG1-S239D、A330L、I332E;IgG1-P247I、A339DまたはQ;S298DまたはVを有するまたは有さないIgG1-D280H、K290S;IgG1-F243L、R292P、Y300L;IgG1-F243L、R292P、Y300L、P396L;およびIgG1-F243L、R292P、Y300L、V305I、P396Lに対応する1つまたは複数の改変を有する免疫グロブリンエフェクタードメイン配列が含まれ、その際、Fc領域における残基の付番は、KabatらのEUインデックスの付番である(参照により本明細書に組み入れられる、Kabat et al., Sequences of proteins of Immunological Interest, 1991 Fifth edition)。
【0198】
他の態様では、DBDpp融合タンパク質は、ADCCを減少させるように改変されている免疫グロブリンエフェクタードメインの配列を含む(例えば、そのそれぞれの内容がその全体で参照により本明細書に組み入れられる、Idusogie et al., J. Immunol. 166:2571-2575 (2001); Sazinsky et al., PNAS 105:20167-20172 (2008); Davis et al., J. Rheumatol. 34:2204-2210 (2007); Bolt et al., Eur. J. Immunol. 23:403-411 (1993); Alegre et al., Transplantation 57:1537-1543 (1994); Xu et al., Cell Immunol. 200:16-26 (2000); Cole et al., Transplantation 68:563-571 (1999); Hutchins et al., PNAS 92:11980-11984 (1995); Reddy et al., J. Immunol. 164:1925-1933 (2000);国際公開公報第97/11971号;国際公開公報第07/106585号;US2007/0148167A1; McEarchern et al., Blood 109:1185-1192 (2007); Strohl, Curr. Op. Biotechnol. 20:685-691 (2009);およびKumagai et al., J. Clin. Pharmacol. 47:1489-1497 (2007)を参照されたい)。ADCCを減少させるDBDpp融合タンパク質におけるアミノ酸配列に含まれる、免疫グロブリンフラグメント配列を操作する改変の例には、IgG1-K326W、E333S;IgG2-E333S;IgG1-N297A;IgG1-L234A、L235A;IgG2-V234A、G237A;IgG4-L235A、G237A、E318A;IgG4-S228P、L236E;IgG2- 118-260;IgG4- 261-447;IgG2-H268Q、V309L、A330S、A331S;IgG1-C220S、C226S、C229S、P238S;IgG1-C226S、C229S、E233P、L234V、L235A;またはIgG1-L234F、L235E、P331Sに対応する1つまたは複数の改変を有する免疫グロブリンエフェクタードメイン配列が含まれ、その際、残基の付番は、KabatらのEUインデックスの付番である(参照により本明細書に組み入れられる、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 1991 Fifth edition)。
【0199】
追加的な態様では、DBDpp融合タンパク質は、DBDpp融合タンパク質に抗体依存性細胞食作用(ADCP)を付与する免疫グロブリンエフェクタードメインまたは免疫グロブリンエフェクタードメイン誘導体のアミノ酸配列を含む。追加的な態様では、DBDpp融合タンパク質は、抗体依存性細胞食作用(ADCP)を増加させるように改変されている免疫グロブリンエフェクタードメインの配列を含む(例えば、そのそれぞれの内容がその全体で参照により本明細書に組み入れられる、Shields et al., J. Biol. Chem. 276:6591-6604 (2001); Lazar et al., PNAS 103:4005-4010 (2006); Stavenhagen et al., Cancer Res., 67:8882-8890 (2007); Richards et al., Mol. Cancer Ther. 7:2517-2527 (2008); Horton et al., Cancer Res. 68:8049-8057 (2008), Zalevsky et al., Blood 113:3735-3743 (2009); Bruckheimer et al., Neoplasia 11:509-517 (2009);国際公開公報第06/020114号;Strohl, Curr. Op. Biotechnol. 20:685-691 (2009);および国際公開公報第04/074455号を参照されたい)。ADCPを増加させるDBDpp融合タンパク質におけるアミノ酸配列に含まれる、免疫グロブリンフラグメントを操作する改変の例には、IgG1-S298A、E333A、K334A;IgG1-S239D、I332E;IgG1-S239D、A330L、I332E;IgG1-P247I、A339DまたはQ;S298DまたはVを有するまたは有さないIgG1-D280H、K290S;IgG1-F243L、R292P、Y300L;IgG1-F243L、R292P、Y300L、P396L;IgG1-F243L、R292P、Y300L、V305I、P396L;およびIgG1-G236A、S239D、I332Eに対応する1つまたは複数の改変を有する免疫グロブリンエフェクタードメイン配列が含まれ、その際、残基の付番は、KabatらのEUインデックスの付番である(参照により本明細書に組み入れられる、Kabat et al., Sequences of proteins of Immunological Interest, 1991 Fifth edition)。
【0200】
他の態様では、DBDpp融合タンパク質は、ADCPを減少させるように改変されている免疫グロブリンエフェクタードメインの配列を含む(例えば、そのそれぞれの内容がその全体で参照により本明細書に組み入れられる、Sazinsky et al., PNAS 105:20167-20172 (2008); Davis et al., J. Rheumatol. 34:2204-2210 (2007); Bolt et al., Eur. J. Immunol. 23:403-411 (1993); Alegre et al., Transplantation 57:1537-1543 (1994); Xu et al., Cell Immunol. 200:16-20 (2000); Cole et al., Transplantation 68:563-571 (1999); Hutchins et al., PNAS 92:11980-11984 (1995); Reddy et al., J. Immunol. 164:1925-1933 (2000);国際公開公報第97/11971号;国際公開公報第07/106585号;US2007/0148167A1; McEarchern et al., Blood 109:1185-1192 (2007); Strohl, Curr. Op. Biotechnol. 20:685-691 (2009);およびKumagai et al., J. Clin. Pharmacol. 47:1489-1497 (2007)を参照されたい)。例として、DBDpp融合タンパク質は、ADCCを減少させる以下の改変:IgG1-N297A;IgG1-L234A、L235A;IgG2-V234A、G237A;IgG4-L235A、G237A、E318A;IgG4-S228P、L236E;IgG2 EU配列の118-260;IgG4-EU配列の261-447;IgG2-H268Q、V309L、A330S、A331S;IgG1-C220S、C226S、C229S、P238S;IgG1-C226S、C229S、E233P、L234V、L235A;およびIgG1-L234F、L235E、P331Sのうち1つまたは複数を含む抗体フラグメントまたはドメインを含むことができ、その際、残基の付番は、KabatらのEUインデックスの付番である(参照により本明細書に組み入れられる、Kabat et al., Sequences of proteins of Immunological Interest, 1991 Fifth edition)。
【0201】
追加的な態様では、DBDpp融合タンパク質は、DBDpp融合タンパク質に補体依存性細胞傷害作用(CDC)を付与する免疫グロブリンエフェクタードメインまたは免疫グロブリンエフェクタードメイン誘導体のアミノ酸配列を含む。追加的な態様では、DBDpp融合タンパク質は、補体依存性細胞傷害作用(CDC)を増加させるように改変されている免疫グロブリンエフェクタードメインの配列を含む(例えば、そのそれぞれの内容がその全体で参照により本明細書に組み入れられる、Idusogie et al., J. Immunol. 166:2571-2575 (2001); Strohl, Curr. Op. Biotechnol. 20:685-691 (2009);およびNatsume et al., Cancer Res. 68:3863-3872 (2008)を参照されたい)。例として、DBDpp融合タンパク質は、CDCを増加させる以下の改変:IgG1-K326A、E333A;IgG1-K326W、E333S、IgG2-E333Sのうち1つまたは複数を含む抗体フラグメントまたはドメインを含むことができ、その際、残基の付番は、KabatらのEUインデックスの付番である(参照により本明細書に組み入れられる、Kabat et al., Sequences of proteins of Immunological Interest, 1991 Fifth edition)。
【0202】
追加的な態様では、DBDpp融合タンパク質は、FcガンマRIIb受容体と結合する能力をDBDpp融合体に付与する免疫グロブリンエフェクタードメインまたは免疫グロブリンエフェクタードメイン誘導体のアミノ酸配列を含む。追加的な態様では、DBDpp融合タンパク質は、FcガンマRIIb受容体への抑制性結合を増加させるように改変されている免疫グロブリンエフェクタードメインの配列を含む(例えば、Chu et al., Mol. Immunol. 45:3926-3933 (2008)を参照されたい)。抑制性FcガンマRIIb受容体への結合を増加させるDBDpp融合タンパク質におけるアミノ酸配列に含まれる、免疫グロブリンフラグメントを操作する改変の例は、IgG1-S267E、L328Fである。
【0203】
他の態様では、DBDpp融合タンパク質は、CDCを減少させるように改変されている免疫グロブリンエフェクタードメインの配列を含む(例えば、そのそれぞれの内容がその全体で参照により本明細書に組み入れられる、国際公開公報第97/11971号;国際公開公報第07/106585号;US2007/0148167A1; McEarchern et al., Blood 109:1185-1192 (2007); Hayden-Ledbetter et al., Clin. Cancer 15:2739-2746 (2009); Lazar et al., PNAS 103:4005-4010 (2006); Bruckheimer et al., Neoplasia 11:509-517 (2009); Strohl, Curr. Op. Biotechnol. 20:685-691 (2009);およびSazinsky et al., PNAS 105:20167-20172 (2008)を参照されたい)。例として、DBDpp融合タンパク質は、CDCを減少させる以下の改変:IgG1-S239D、A330L、I332E;IgG2- 118-260;IgG4- 261-447;IgG2-H268Q、V309L、A330S、A331S;IgG1-C226S、C229S、E233P、L234V、L235A;IgG1-L234F、L235E、P331S;およびIgG1-C226S、P230Sのうち1つまたは複数を含む抗体フラグメントまたはドメインを含むことができ、その際、残基の付番は、KabatらのEUインデックスの付番である(参照により本明細書に組み入れられる、Kabat et al., Sequences of proteins of Immunological Interest, 1991 Fifth edition)。
【0204】
IgGの半減期は、それが新生児受容体FcRnにpH依存性結合することにより媒介される。ある特定の態様では、DBDpp融合タンパク質は、DBDpp融合体に新生児受容体FcRnと結合する能力を付与する免疫グロブリンエフェクタードメインまたは免疫グロブリンエフェクタードメイン誘導体のアミノ酸配列を含む。ある特定の態様では、DBDpp融合タンパク質は、FcRnへの結合性を増強するように改変されている免疫グロブリンFcRn結合ドメインの配列を含む(例えば、そのそれぞれの内容がその全体で参照により本明細書に組み入れられる、Petkova et al., Int. Immunol. 18:1759-1769 (2006); Dall'Acqua et al., J. Immunol.169:5171-5180 (2002); Oganesyan et al., Mol. Immunol. 46:1750-1755 (2009); Dall'Acqua et al., J. Biol. Chem. 281:23514-23524 (2006)、Hinton et al., J. Immunol. 176:346-356 (2006); Datta-Mannan et al., Drug Metab. Dispos. 35:86-94 (2007); Datta-Mannan et al., J. Biol. Chem. 282:1709-1717 (2007);国際公開公報第06/130834号; Strohl, Curr. Op. Biotechnol. 20:685-691 (2009);およびYeung et al., J. Immunol. 182:7663-7671 (2009)を参照されたい)。
【0205】
追加的な態様では、DBDpp融合タンパク質は、pH7.4ではなくpH6.0でFcRnに対して選択的親和性を有するように改変されている免疫グロブリンエフェクタードメインの配列を含む。例として、DBDpp融合タンパク質は、半減期を増加させる以下の改変:IgG1-M252Y、S254T、T256E;IgG1-T250Q、M428L;IgG1-H433K、N434Y;IgG1-N434A;およびIgG1-T307A、E380A、N434Aのうち1つまたは複数を含む抗体フラグメントまたはドメインを含むことができ、その際、残基の付番は、KabatらのEUインデックスの付番である(参照により本明細書に組み入れられる、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 1991 Fifth edition)。
【0206】
他の態様では、DBDpp融合タンパク質は、FcRnへの結合を減少させるように改変されている免疫グロブリンエフェクタードメインの配列を含む(例えば、そのそれぞれの内容がその全体で参照により本明細書に組み入れられる、Petkova et al., Int. Immunol. 18:1759-1769 (2006); Datta- Mannan et al., Drug Metab. Dispos. 35:86-94 (2007); Datta- Mannan et al., J. Biol. Chem. 282:1709-1717 (2007); Strohl, Curr. Op. Biotechnol. 20:685-691 (2009);およびVaccaro et al., Nat. Biotechnol. 23:1283-1288 (2005)を参照されたい)。例として、DBDpp融合タンパク質は、半減期を減少させる以下の改変:IgG1-M252Y、S254T、T256E;H433K、N434F、436H;IgG1-I253A;ならびにIgG1-P257I、N434HおよびD376V、N434Hのうち1つまたは複数を含む抗体フラグメントまたはドメインを含むことができ、その際、残基の付番は、KabatらのEUインデックスの付番である(参照により本明細書に組み入れられる、Kabat et al., Sequences of proteins of Immunological Interest, 1991 Fifth edition)。
【0207】
別の態様によると、DBDpp融合タンパク質は、免疫グロブリンエフェクタードメインに対応するアミノ酸配列を含み、そのアミノ酸配列は、その配列中に238、239、246、248、249、252、254、255、256、258、265、267、268、269、270、272、276、278、280、283、285、286、289、290、292、293、294、295、296、298、301、303、305、307、309、312、315、320、322、324、326、327、329、330、331、332、333、334、335、337、338、340、360、373、376、378、382、388、389、398、414、416、419、430、434、435、437、438および439からなる群より選択されるFc領域(例えばFCガンマ)の位置に対応する少なくとも1つの置換を含むように改変されており、その際、Fc領域における残基の付番は、KabatらのEU付番システムによる(参照により本明細書に組み入れられる、Kabat et al., Sequences of proteins of Immunological Interest, 1991 Fifth edition)。特定の態様では、DBDpp融合タンパク質は、位置434に対応する少なくとも1つの残基がA、W、Y、FおよびHからなる群より選択される残基である、免疫グロブリンエフェクタードメイン誘導体の配列を含む。別の態様によると、DBDpp融合タンパク質は、以下の個々の置換S298A/E333A/K334Aを有する免疫グロブリンエフェクターフラグメント誘導体の配列を含む。追加的な態様では、DBDpp融合タンパク質は、K322Aに対応する置換を有する免疫グロブリンエフェクタードメイン誘導体を含む。別の態様では、DBDpp融合タンパク質は、以下の置換K246H、H268D、E283L、S324G、S239DおよびI332Eの1つまたは任意の組み合わせを有する免疫グロブリンエフェクタードメイン誘導体の配列を含む。なお別の態様によると、DBDpp融合タンパク質は、D265A/N297Aに対応する置換を有する免疫グロブリンエフェクタードメイン誘導体の配列を含む。
【0208】
ある特定の態様では、DBDpp融合タンパク質は、当技術分野において公知の技法を用いてエフェクター機能を増加させるように糖鎖操作または変異されている免疫グロブリンエフェクタードメインの配列を含む。例えば、DBDppに含まれる定常領域ドメイン配列の不活性化(点変異または他の手段による)は、循環しているDBDpp融合タンパク質のFc受容体結合性を減少させることにより腫瘍の局在を増加させる場合がある。他の場合では、本発明のある特定の態様に一致する定常領域の改変は、補体結合性を緩和することで、結合体化した細胞毒の血清半減期および非特異的結合を減少させる場合がある。定常領域のなお他の改変を使用して、ジスルフィド性連結またはオリゴ糖部分が改変される場合があり、そのことは、増加した抗原特異性または抗体柔軟性に起因する増強した局在を可能にする。結果として生じる生理学的プロファイル、バイオアベイラビリティー、ならびに腫瘍局在、生体内分布および血清半減期などの改変の他の生化学効果は、過度に実験せずに周知の免疫学的技法を用いて容易に測定および定量することができる。
【0209】
ある特定の態様では、免疫エフェクター細胞は、免疫グロブリン定常領域に対する受容体などの、一般に「Fc受容体」(「FcR」)と呼ばれる受容体クラスを含む、免疫グロブリンに対する細胞表面受容体または他のペプチド結合分子を含む。いくつかのFcRが、構造的および/または機能的に特徴付けられており、免疫グロブリン重鎖アイソタイプの限られたサブセットと相互作用する特異的能力を有する、もしくは様々な親和性でFcドメインと相互作用する、および/またはある特定の条件で免疫エフェクター細胞の限られたサブセット上に発現される場合があるFcRを含めて、当技術分野において公知であり(例えば、Kijimoto-Ochichai et al., Cell Mol. Life. Sci. 59:648 (2002); Davis et al., Curr. Top. Microbiol. Immunol. 266:85 (2002); Pawankar, Curr. Opin. Allerg. Clin. Immunol. 1:3 (2001); Radaev et al., Mol. Immunol. 38:1073 (2002); Wurzburg et al., Mol. Immunol. 38:1063 (2002); Sulica et al., Int. Rev. Immunol. 20:371 (2001); Underhill et al., Ann. Rev. Immunol. 20:825 (2002); Coggeshall, Curr. Dir. Autoimm. 5:1 (2002); Mimura et al., Adv. Exp. Med. Biol. 495:49 (2001); Baumann et al., Adv. Exp. Med. Biol. 495:219 (2001); Santoso et al., Ital. Heart J. 2:811 (2001); Novak et al., Curr. Opin. Immunol. 13:721 (2001); Fossati et al., Eur. J. Clin. Invest. 31:821 (2001))、それらは、そのそれぞれがその全体で参照により本明細書に組み入れられる。
【0210】
ADCCを媒介する能力がある細胞が、免疫エフェクター細胞の例である。他の免疫エフェクター細胞には、ナチュラルキラー細胞、腫瘍浸潤Tリンパ球(TIL)、細胞傷害性Tリンパ球、およびアレルギー反応のメカニズムを構成する細胞などの顆粒球が含まれる。したがって、免疫エフェクター細胞には、非限定的に、Tリンパ球、Bリンパ球、NK細胞、単球、マクロファージ、樹状細胞、好中球、好塩基球、好酸球、マスト細胞、血小板、赤血球、および先駆細胞(precursor)、前駆細胞(progenitor)(例えば、造血幹細胞)、ならびにそのような細胞の静止形態、活性化形態、および成熟形態などの骨髄細胞系列およびリンパ球系列内の様々な分化段階の細胞を含む造血起源の細胞が含まれ、それらの細胞は、機能的細胞表面FcRの1種または複数種を発現する場合がある(が、必ずしも発現するわけではない)。他の免疫エフェクター細胞には、免疫機能を媒介する能力がある非造血起源の細胞、例えば、内皮細胞、角化細胞、線維芽細胞、破骨細胞、上皮細胞、および他の細胞が含まれ得る。免疫エフェクター細胞は、細胞傷害もしくは細胞分裂停止事象、またはエンドサイトーシス、食作用、もしくはピノサイトーシス事象を媒介する、あるいはアポトーシスの誘導を引き起こす、あるいは微生物免疫もしくは微生物感染の中和を引き起こす細胞、あるいはアレルギー反応、炎症反応、過敏反応および/または自己免疫反応を媒介する細胞も含むことができる。
【0211】
アルブミン融合体としてのDBDpp
DBDpp-アルブミン融合タンパク質をコードする核酸分子も、これらの核酸を含むベクター、これらの核酸ベクターを含む宿主細胞、ならびにDBDpp-アルブミン融合タンパク質を製造する方法ならびにこれらの核酸、ベクター、および/または宿主細胞を使用する方法と同様に、本明細書において包含される。本発明は、DBDpp-アルブミン融合タンパク質および薬学的に許容される希釈剤または担体を含む薬学的製剤も包含する。患者に薬学的製剤を投与する段階を含む、患者、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトにおける疾患または疾患症状を治療、予防、回復または診断する方法に、そのような製剤を使用することができる。
【0212】
キメラ受容体としてのDBDpp
可溶性多ドメインタンパク質へのDBDの組み入れに加えて、本発明は、膜結合型融合タンパク質に結合特異性を与えるように設計された少なくとも1つのDBDppから構成される細胞関連DBDppを創出するための手段を提供する。DBDpp-受容体は、任意の細胞型により発現され得る。
【0213】
一態様では、DBDpp-受容体融合タンパク質は、以下の要素:細胞外標的指向ドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインから構成されるキメラ抗原受容体(CAR)またはDBDpp-CARを含み、その際、細胞質ドメインは、シグナル伝達ドメインを含む。別の態様では、DBDpp-CARは、細胞外標的指向ドメインおよび膜貫通ドメインから構成される。さらなる態様では、DBDpp-CARは、1つまたは複数のDBDppから構成される細胞外ドメインから構成され、その際、各DBDppは、同じまたは異なる特異性を有する標的特異的結合ドメインを構成する。いくつかの態様では、標的特異的ドメインは、非限定的な例として、CD123、CD137、PD-L1、CD19、CD22、NY-ESO、またはMAGE A3などの、本明細書開示のがん抗原または腫瘍抗原のうち1つ(または複数)に対するものである。一態様では、DBDpp-CARの細胞内ドメイン(例えば、細胞質ドメイン)は、CD3ゼータ鎖の細胞内ドメインを含む。別の態様では、DBDppの細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ゼータ鎖の細胞内ドメインの部分から構成される。さらなる態様では、DBDpp-CARの細胞内ドメインは、CD3ゼータ鎖の細胞内ドメインおよび共刺激シグナル伝達領域を含む。共刺激シグナル伝達領域は、共刺激分子の細胞内ドメインの全部または部分を含む、DBDpp-CARの一部を表す。共刺激分子は、抗原に対するリンパ球の効率的な応答に必要な、抗原受容体以外の細胞表面分子またはそのリガンドである。CARに共刺激特性を付与することが可能な共刺激分子およびこれらの分子の部分は、当技術分野において公知であり、それをDBDpp-CARに日常的に組み入れることができる。加えて、これらの細胞内シグナル伝達ドメインおよび共刺激ドメインに切断または変異を組み入れて、受容体シグナル伝達をさらに増強または減少させる場合がある。好ましい態様では、DBDpp-CARを安定発現させるために、T細胞が遺伝的に改変される。そのような態様では、DBDpp-CARの細胞質ドメインを、CD28および/もしくは4-1BBシグナル伝達ドメイン自体を含むように設計する、または本発明に関連して有用な任意の他の望ましい細胞質ドメインと組み合わせることができる。一態様では、DBDpp-CARの細胞質ドメインは、CD3-ゼータのシグナル伝達ドメインをさらに含むように設計することができる。例えば、図5Bに模式的に示すように、一態様では、DBDpp-CARは、細胞外標的指向ドメイン、細胞膜を通過する膜貫通ドメインを有する細胞外タンパク質リンカー(T細胞またはNK細胞に見られるものなど)、および複数のシグナル伝達モジュールを任意で含む細胞質ドメインを含む。いくつかの態様では、DBDpp-CARは、エピトープタグも含む場合がある。いくつかの態様では、DBDpp-CARの細胞質ドメインは、非限定的に、CD3-ゼータ、4-1BBおよびCD28シグナル伝達モジュールならびにそれらの組み合わせを含むことができる。
【0214】
細胞外ドメイン
標的指向される所望の抗原に応じて、所望の抗原標的に特異的な適切な抗原結合性DBDppを含むようにDBDpp-CARを操作することができる。例えば、CD19が標的指向される所望の抗原ならば、1つまたは複数のCD19結合性DBDppをDBDpp-CARの標的特異的結合ドメインに組み入れることができる。あるいは、DBDpp-CARは、DBDpp-CARに多重特異性または多価性を与える、1つを超えるDBDppを含み得る。
【0215】
DBDpp受容体(例えば、DBDpp-CAR)の細胞外ドメインに組み入れられるDBDppの選択は、標的指向される1つまたは複数の細胞の同一性に依存する。例えば、DBDpp-CARは、同じ細胞または別の細胞上の受容体などの細胞表面タンパク質に特異的に結合する場合がある。他の態様では、DBDpp-CARは、免疫グロブリンなどの可溶性分子に特異的に結合する。他の態様では、DBDpp-CARにより結合される、関心対象の標的には、ウイルス感染、細菌感染および寄生虫感染、免疫系の疾患および障害(例えば、自己免疫疾患)に関連する標的が含まれる。
【0216】
他の態様では、DBDpp-CARは、がんに関連する標的細胞上の細胞表面マーカーとして作用するリガンドを認識するように選択される場合がある。DBDpp-CARは、一部の態様では、腫瘍抗原(例えば、TAAまたは本明細書記載もしくはそうでなければ当技術分野において公知の他の腫瘍抗原)を標的指向し、それと結合することができる。したがって、本明細書において提供されるのは、DBDpp-CARを創出するための方法、ヒトT細胞およびナチュラルキラー細胞などのキメラ細胞の創出におけるその使用ならびに養子免疫療法におけるこれらのキメラT細胞の使用である。
【0217】
本明細書において提供される状況において、「腫瘍抗原」は、がんなどの特定の過剰増殖障害に一般的な抗原を表す。DBDpp-CARにおいてDBDppにより特異的に結合されることができる腫瘍抗原が、本明細書に開示される。一態様では、DBDpp-CARにおけるDBDppは、腫瘍特異抗原(TSA)または腫瘍関連抗原(TAA)と特異的に結合する。TSAは、腫瘍細胞に独特であり、体内の他の細胞には存在しない。TAA関連抗原は、腫瘍細胞に独特でなく、その代わりに、抗原に対する免疫寛容状態を誘導できない条件下で正常細胞上にも発現される。腫瘍上の抗原の発現は、免疫系が抗原に応答できるようにする条件下で生じる場合がある。TAAは、免疫系が未熟であって応答できない胎児発生の間に正常細胞上に発現される抗原の場合があり、またはTAAは、通常は正常細胞上に極めて低レベルで存在するが、腫瘍細胞上にずっと高いレベルで発現される抗原の場合がある。DBDpp-CARにおけるDBDppによって特異的に結合されることができるTSA抗原またはTAA抗原の非限定的な例には、MARTl/MelanA(MARTI)、gp100(Pmel 17)、チロシナーゼ、TRP1、TRP2などの分化抗原;MAGE1、MAGE3、BAGE、GAGE1、GAGE2、pi5などの腫瘍特異多系列抗原;CEAなどの過剰発現された胎児性抗原;ならびにp53、Ras、HER-2/neuなどの過剰発現されたがん遺伝子または変異型腫瘍抑制遺伝子;BCR-ABL、E2A-PRL、H4-RET、1GH-IGK、MYL-RARなどの染色体転座に起因する独特な腫瘍抗原;エプスタイン-バーウイルス抗原EBVAおよびヒトパピローマウイルス(HPV)抗原E6およびE7などのウイルス抗原;TSP-180、MAGE4、MAGE5、MAGE6、RAGE、NY-ESO、pl85erbB2、pl80erbB3、cmet、nm-23Hl、PSA、TAG72、CA19-9、CA72-4、CAM17.1、NuMa、K-ras、ベータ-カテニン、CDK4、Mum-1、p15、p16、43-9F、5T4(791Tgp72)アルファ-フェトプロテイン、ベータ-HCG、BCA225、BTAA、CA125、CA15-3\CA27.29\BCAA、CA195、CA242、CA50、CAM43、CD68\I、CO-029、FGF5、G250、Ga733VEpCAM、HTgp-175、M344、MA50、MG7-Ag、MOV18、NB/70K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA90/Mac-2、TAAL6、TAG72、TLP、およびTPS;神経膠腫関連抗原、がん胎児性抗原(CEA)、β-ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン、アルファフェトプロテイン(AFP)、レクチン反応性AFP、サイログロブリン、RAGE-1、MN-CA IX、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、RU1、RU2(AS)、腸カルボキシルエステラーゼ、mut hsp70-2、MCSF、プロスターゼ(prostase)、前立腺特異抗原(PSA)、PAP、NY-ESO-1、LAGE-la、p53、プロステイン(prostein)、PSMA、Her2/neu、サバイビンおよびテロメラーゼ、前立腺がん腫瘍抗原-1(PCTA1)、MAGE、ELF2M、好中球エラスターゼ、エフリンB2、TACI(CD267)、BAFF-R(CD268)、BCMA(CD269)、TLR4、インスリン成長因子(IGF)I、IGFII、IGFI受容体およびメソテリンより選択されるメンバーが含まれる。
【0218】
特別な態様では、DBDpp-CARの抗原結合部分の一部におけるDBDppは、CD123、HVEM、BTLA、DR3、CD19、CD20、CD22、ROR1、メソテリン、CD33/lL3Ra、cMet、PSMA、糖脂質F77、EGFRvIII、GD2、MY-ESO-1TCR、CD133、CD47およびMAGE A3 TCRより選択される標的と特異的に結合する。別の好ましい態様では、DBDpp-CARの抗原結合部分の一部におけるDBDppは、全てのクラスの免疫グロブリンまたは特定のアイソタイプ、アロタイプもしくはイディオタイプと特異的に結合する。
【0219】
一態様では、DBDpp-CARにおけるDBDppは、悪性腫瘍に関連する腫瘍抗原と特異的に結合する。悪性腫瘍はいくつかの腫瘍抗原を発現しており、その腫瘍抗原と結合するようにDBDpp-CARを操作することができる。一態様では、DBDpp-CARのDBDppは、黒色腫でのMART-1、チロシナーゼおよびGP100などの組織特異抗原ならびに前立腺がんでの前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)および前立腺特異抗原(PSA);がん遺伝子HER2/Neu ErbB2などの形質転換関連分子;がん胎児性抗原(CEA)などの腫瘍胎児性(onco-fetal)抗原;B細胞リンパ腫特異的イディオタイプ免疫グロブリン;CD19、CD20およびCD37などのB細胞分化抗原;骨髄系細胞上のTSLPRおよびIL-7Rならびにがん精巣(CT)抗原(例えば NY-ESO-1、LAGE-1a)、CS-1、CD38、CD138、MUC1、HM1.24、CYP1B1、SP17、PRAME、ウィルムス腫瘍1(WT1)、および多発性骨髄腫細胞上の熱ショックタンパク質gp96より選択される抗原に結合する。
【0220】
膜貫通ドメイン
本明細書に使用される「膜貫通ドメイン」(TMD)は、DBDpp-CARなどの、細胞表面に発現されるDBDpp融合タンパク質の、形質膜を通過する領域を表す。一部の態様では、DBDpp-CARの膜貫通ドメインは、膜貫通タンパク質(例えばI型膜貫通タンパク質)の膜貫通領域、人工疎水性配列またはその組み合わせである。他の膜貫通ドメインは、当業者に明白であり、本発明の代替的な態様に関連して使用される場合がある。
【0221】
DBDpp受容体の細胞外ドメインに融合された膜貫通ドメインを含むように、DBDpp受容体(例えば、DBDpp-CAR)を設計することができる。上記のように、細胞外ドメインと膜貫通ドメインとの融合は、リンカーを用いてまたは用いずに達成することができる。一態様では、DBDpp-CARにおけるドメインのうちの1つに自然に関連する膜貫通ドメインが使用される。特定の態様では、DBDpp-CARにおける膜貫通ドメインはCD8膜貫通ドメインである。ある場合には、DBDpp-CARの膜貫通ドメインは、CD8ヒンジドメインを含む。一部の態様では、膜貫通ドメインは、他の表面膜タンパク質との関連を促進または阻害するように選択される、またはアミノ酸置換により改変される。
【0222】
膜貫通ドメインは、天然起源または合成起源のいずれか由来であることができる。起源が天然の場合、ドメインは、任意の膜結合型または膜貫通タンパク質由来であることができる。本明細書における目的のために特に有用な膜貫通領域は、T細胞受容体のアルファ、ベータまたはゼータ鎖;CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、およびCD154の群より選択されるメンバー由来の(すなわち、そのメンバーの少なくとも膜貫通領域を含む)場合がある。あるいは、膜貫通ドメインは合成であることができ、その場合、DBDpp-CAR膜貫通ドメインは、ロイシンおよびバリンなどの疎水性残基を主に含む。さらなる態様では、膜貫通ドメインは、合成膜貫通ドメインの各末端にフェニルアラニン、トリプトファンおよびバリンのトリプレットを含む。
【0223】
本明細書において使用される「細胞外スペーサードメイン」(ESD)は、抗原特異的標的指向領域と膜貫通ドメインとの間の親水性領域を表す。一部の態様では、DBDpp-CARは、細胞外スペーサードメインを含む。他の態様では、DBDpp-CARは、細胞外スペーサードメインを含まない。細胞外スペーサードメインには、非限定的に、抗体のFcフラグメントまたはそのフラグメントもしくは誘導体、抗体のヒンジ領域またはそのフラグメントもしくは誘導体、抗体のCH2領域、抗体のCH3領域、人工スペーサー配列あるいはその組み合わせが含まれる。細胞外スペーサードメインの追加的な例には、非限定的に、CD8aヒンジ、および例えば、Gly3程度に小さい場合があるポリペプチドからできた人工スペーサー、または(ヒトIgG4などの)IgGのCH1およびCH3ドメインが含まれる。一部の態様では、細胞外スペーサードメインは、(i)IgG4のヒンジ、CH2およびCH3領域、(ii)IgG4のヒンジ領域、(iii)IgG4のヒンジおよびCH2、(iv)CD8aのヒンジ領域、(v)IgG1のヒンジ、CH2およびCH3領域、(vi)IgG1のヒンジ領域または(vi)IgG1のヒンジおよびCH2領域のうち任意の1つまたは複数である。他の細胞外スペーサードメインは、当業者に明らかであり、本明細書において提供される代替的な態様に関連して使用される場合がある。
【0224】
一部の態様では、約1〜100アミノ酸長の短いオリゴペプチドまたはポリペプチドリンカーが、DBDpp-CARのドメインのいずれかを一緒に連結するために使用される。リンカーがグリシンおよびセリン(または任意の他のアミノ酸)のような柔軟な残基から構成されることにより、隣接するタンパク質ドメインは、相互に対して自由に移動することができる。リンカーのアミノ酸配列組成は、DBDpp-CARまたはDBDpp融合タンパク質の潜在的免疫原性を最小限にするように選択される場合がある。2つの隣接ドメインが相互に立体的に妨害しないことを確実にすることが望ましい場合、より長いリンカーを使用することができる。一部の態様では、好ましくは2〜10アミノ酸長のものが、DBDpp-CARの膜貫通ドメインと細胞質シグナル伝達ドメインとの間に連結を形成する。さらなる態様では、リンカーは、10〜15アミノ酸長、または15〜20アミノ酸長、または20〜30アミノ酸長、または30〜60アミノ酸長、または60〜100アミノ酸長(または記載したアミノ酸長の間の任意の範囲)である。さらなる態様では、リンカーは、グリシン-セリンのダブレット配列である。さらなる態様は、ヒトT細胞表面糖タンパク質CD8アルファ鎖由来のヒンジ領域のフラグメント(例えば、Swiss-Protアクセッション番号P01732のCD8アルファ鎖のアミノ酸位置138〜182の範囲)を採用する。さらなる態様は、発現機能または免疫原性を改善するようにアミノ酸置換によりさらに改変されているCD8ヒンジ領域のフラグメントを採用する。さらなる態様は、ヒトCD28由来の細胞外領域のフラグメントを採用する。さらなる態様は、発現機能または免疫原性を改善するようにアミノ酸置換によりさらに改変されているCD28細胞外領域のフラグメントを採用する。
【0225】
細胞内ドメイン
本明細書において使用される「細胞内シグナル伝達ドメイン」(ISD)または「細胞質ドメイン」は、エフェクター機能のシグナルを伝達し、細胞にその特殊な機能を実行するよう指令する、DBDpp-CARの部分を表す。DBDpp-CARの細胞質ドメイン(すなわち、細胞内シグナル伝達ドメイン)は、DBDpp-CARを発現するよう操作された免疫細胞の正常なエフェクター機能のうち少なくとも1つの活性化を担う。「エフェクター機能」という用語は、細胞の特殊な機能を表す。T細胞のエフェクター機能は、例えば、細胞溶解活性およびサイトカインの分泌を含めたヘルパー活性が含まれる。したがって、「細胞内シグナル伝達ドメイン」という用語は、エフェクター機能のシグナルを伝達し、細胞に特殊な機能を実行するよう指令する、DBDpp-CARタンパク質の部分を表す。典型的には天然の受容体に対応する細胞内シグナル伝達ドメイン全体を採用することができるものの、多くの場合で鎖全体を使用する必要はない。細胞内シグナル伝達ドメインの切断された部分が使用される範囲で、そのような切断された部分がエフェクター機能のシグナルを伝達する限り、それを無傷の鎖の代わりに使用することができる。したがって、細胞内シグナル伝達ドメインという用語は、エフェクター機能のシグナルを伝達するために十分な、細胞内シグナル伝達ドメインの任意の切断された部分を含むことが意味される。一態様では、DBDpp-CARにおける細胞内シグナル伝達ドメインには、T細胞受容体(TCR)の細胞質配列、および抗原受容体の会合後に協力してシグナル伝達を開始するように作用する共受容体の配列、または機能的能力を有するこれらの配列の任意の誘導体もしくは異種も含まれる。エフェクター機能のシグナルを伝達するドメインの例には、非限定的に、T細胞受容体複合体のζ鎖またはそのホモログ(例えば、η鎖、FcsRlyおよびβ鎖、MB1(Iga)鎖、B29(Ig)鎖など)のうちいずれか、ヒトCD3ゼータ鎖、CD3ポリペプチド(Δ、δおよびε)、sykファミリーチロシンキナーゼ(Syk、ZAP70など)、srcファミリーチロシンキナーゼ(Lck、Fyn、Lynなど)ならびにCD2、CD5およびCD28などのT細胞伝達に関与する他の分子が含まれる。
【0226】
TCR単独により発生するシグナルは、T細胞の完全活性化に不十分であること、および二次シグナルまたは共刺激シグナルも必要であることが公知である。したがって、T細胞活性化は、2つの別個のクラスの細胞質シグナル伝達配列、すなわちTCRにより抗原依存性一次活性化を開始する配列(一次細胞質シグナル伝達配列)および二次シグナルまたは共刺激シグナルを提供するように抗原非依存的に作用する配列(二次細胞質シグナル伝達配列)により媒介されると言うことができる。
【0227】
一次細胞質シグナル伝達配列は、刺激的または抑制的のいずれかでTCR複合体の一次活性化を調節する。刺激的に作用する一次細胞質シグナル伝達配列は、免疫受容体チロシン活性化モチーフ(ITAM)として公知のシグナル伝達モチーフを含む場合がある。
【0228】
本発明に特に有用な一次細胞質シグナル伝達配列を含むITAMの例には、TCRゼータ、FcRガンマ、FcRベータ、CD3ガンマ、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD22、CD79a、CD79b、およびCD66d由来のITAMが含まれる。CARにおける細胞質シグナル伝達分子は、CD3ゼータ由来の細胞質シグナル伝達配列を含むことが特に好ましい。
【0229】
本明細書に使用される「共刺激ドメイン」(CSD)は、記憶細胞の増殖、生存および/または発生を増強するCARまたはDBDpp-CARの部分を表す。DBDpp-CARは、1つまたは複数の共刺激ドメインを含む場合がある。各共刺激ドメインは、例えば、CD28、CD137(4-1BB)、CD134(OX40)、Dap10、CD27、CD2、CD5、ICAM-1、LFA-1(CD11a/CD18)、Lck、TNFR-I、TNFR-II、Fas、CD30、およびCD40より選択されるTNFRスーパーファミリーのメンバーのうち任意の1つもしくは複数またはその組み合わせの共刺激ドメインを含む。他の共刺激ドメイン(例えば、他のタンパク質由来のもの)は、当業者に明らかであり、本発明の代替的な態様に関連して使用される場合がある。
【0230】
好ましい態様では、DBDpp-CARの細胞質ドメインは、CD3-ゼータシグナル伝達ドメインを単独で、またはDBDpp-CARに関連して有用な任意の他の所望の細胞質ドメインと組み合わせて含む。例えば、DBDpp-CARの細胞質ドメインは、CD3ゼータ鎖の部分および共刺激シグナル伝達領域を含むことができる。共刺激シグナル伝達領域は、共刺激分子の細胞内ドメインを含むCARの部分を表す。共刺激分子は、抗原受容体またはそのリガンド以外の細胞表面分子であって、抗原に対するリンパ球の効率的な応答に必要な細胞表面分子である。そのような分子の例には、CD27、CD28、4-1BB(CD137)、OX40、CD30、CD40、PD1、ICOS、リンパ球機能関連抗原-1(LFA1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7H3、TIM1、およびLAG-3が含まれる。
【0231】
ポリペプチドリンカーは、DBDpp-CARの隣接するエレメント間に位置する場合がある。例えば、リンカーは、隣接するDBDpp間、またはDBDppと膜貫通ドメインとの間、または膜貫通ドメインと細胞質ドメインとの間、または隣接する細胞質ドメイン間に位置する場合がある。DBDpp-CARの細胞質シグナル伝達部分内の細胞質シグナル伝達配列は、ランダムな順序または特定の順序で相互に連結される場合がある。任意で、好ましくは2〜10アミノ酸長の短いリンカーが連結を形成する場合がある。グリシン-セリンダブレットは、特に適切なリンカーを与える。
【0232】
エピトープタグ
一部の態様では、DBDpp融合タンパク質は、ペプチド性エピトープタグを含む。一部の態様では、ペプチドタグは、ヘキサヒスチジル(His6)タグ、mycタグおよびFLAGタグからなる群より選択される。追加的な態様では、ペプチドタグには、非限定的に、avitag(タグのビオチン化およびストレプトアビジンを用いた単離を可能にする)、カルモジュリン、Eタグ、ヘマグルチニン(HA)、Sタグ、SBPタグ、softag 1、ストレプトアビジン、テトラシステインまたはポリシステイン、V5、VSV、およびXpressタグが含まれる。追加的に、ポリヒスチジルタグ(6残基以外)を使用することができる。追加的な態様では、共有ペプチドタグ、タンパク質タグなどを使用することができる。共有ペプチドタグには、非限定的に、イソペプタグ(isopeptag)(ピリンCタンパク質と共有結合する)、Spytag(SpyCatcherタンパク質に共有結合する)、およびSnooptag(SnoopCatcherタンパク質に共有結合する)が含まれる。なお追加的な態様では、非限定的にビオチンカルボキシル担体タンパク質(BCCP)、グルタチオン-s-トランスフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質(または他のフルオロフォア)、Haloタグ、Nusタグ、チオレドキシン、およびFcタグを含めたタンパク質タグが、任意で使用される場合がある。なお追加的な態様では、複数種類のタグが使用される場合がある。なお追加的な態様では、タグは使用されない。態様に応じて、本明細書開示の細胞外ドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞内ドメインの任意の組み合わせが使用される場合がある。
【0233】
リンカー
「リンカー」およびスペーサーという用語は、それが無ければ独立している機能性ドメインを連結するように機能するペプチドまたは他の化学的連結を表すために本明細書において互換的に使用される。一態様では、DBDppにおけるリンカーは、DBDppと、それが無ければ独立している機能性ドメインを含む別のポリペプチド構成要素との間に位置する。2つ以上の連結されたDBDppをカップリングするために適したリンカーは、当業者に明らかであり、一般的に、ペプチド、タンパク質または他の有機分子を連結するために当技術分野において使用される任意のリンカーであり得る。特別な態様では、そのようなリンカーは、薬学的用途のために意図されるタンパク質またはポリペプチドを構築するために適している。
【0234】
DBDpp融合タンパク質のDBDppと追加的な構成要素とを、単鎖アミノ酸配列として機能的に連結するために適したリンカーには、非限定的に、グリシンリンカー、セリンリンカー、混合グリシン/セリンリンカー、グリシンリッチリンカーおよびセリンリッチリンカーまたは主に極性ポリペプチドフラグメントから構成されるリンカーなどのポリペプチドリンカーが含まれる。
【0235】
一態様では、リンカーは、グリシン、アラニン、プロリン、アスパラギン、グルタミン、およびリジンより選択される大部分のアミノ酸から構成される。一態様では、リンカーは、グリシン、アラニン、プロリン、アスパラギン、アスパラギン酸、スレオニン、グルタミン、およびリジンより選択される大部分のアミノ酸から構成される。一態様では、DBDpp融合タンパク質のリンカーは、グリシン、アラニン、プロリン、アスパラギン、グルタミン、およびリジンより選択されるアミノ酸のうち1つまたは複数から構成される。一態様では、DBDpp融合タンパク質のリンカーは、グリシン、アラニン、プロリン、アスパラギン、アスパラギン酸、スレオニン、グルタミン、およびリジンより選択されるアミノ酸のうち1つまたは複数より構成される。別の態様では、DBDpp融合タンパク質のリンカーは、立体障害されない大部分のアミノ酸より構成される。別の態様では、大部分のアミノ酸が、グリシン、セリン、および/またはアラニンであるリンカーである。一部の態様では、ペプチドリンカーは、ポリグリシン((Gly)5および(Gly)8など)、ポリ(Gly-Ala)、ならびにポリアラニンより選択される。一部の態様では、ペプチドリンカーは、Gly-Gly-Gly-Gly-Thr-Gly-Gly-Gly-Gly-Serの配列を含む。一部の態様では、ペプチドリンカーは、Gly-Gly-Gly-Gly-Asp-Gly-Gly-Gly-Gly-Serの配列を含む。
【0236】
一態様では、DBDpp融合体は、DBDpp融合タンパク質の別の構成要素と直接(すなわちリンカーなしに)結合しているDBDppを含む。一態様では、DBDpp融合体は、DBDpp融合体の別の構成要素と直接結合している、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つのDBDppを含む。
【0237】
別の態様では、リンカーを経由してDBDppをDBDpp融合タンパク質の別の構成要素と機能的に連結することができる。DBDpp融合タンパク質は、単一のリンカーを含む、複数のリンカーを含む、またはリンカーを含まないことができる。一態様では、DBDpp融合体は、リンカーペプチドを経由してDBDpp融合タンパク質の別の構成要素と機能的に連結されるDBDppを含む。一態様では、DBDpp融合体は、リンカーペプチドを経由してDBDpp融合タンパク質の別の構成要素と機能的に連結される少なくとも2、3、4、または5つのDBDを含む。
【0238】
リンカーは、DBDppを関心対象の標的と結合できるようにする方法でDBDppを機能的に連結することが可能な限り、任意のサイズまたは組成であることができる。一部の態様では、リンカーは、約1〜約100個のアミノ酸、約1〜50個のアミノ酸、約1〜20個のアミノ酸、約1〜15個のアミノ酸、約1〜10個のアミノ酸、約1〜5つのアミノ酸、約2〜20個のアミノ酸、約2〜15個のアミノ酸、約2〜10個のアミノ酸、または約2〜5つのアミノ酸である。リンカーの長さ、柔軟性の程度および/または他の性質が、非限定的に関心対象の標的または関心対象の1つもしくは複数の他の標的タンパク質に対する親和性、特異性またはアビディティーを含めた、本発明の最終的なポリペプチドの性質に幾分影響し得ることは明らかなはずである。2つ以上のリンカーがDBDpp融合タンパク質に使用される場合、これらのリンカーは、同じまたは異なる場合がある。本明細書において提供される状況および開示において、当業者は、DBDpp融合タンパク質のDBDppと他の構成要素とを機能的に連結するために最適なリンカーの組成および長さを日常的に決定することが可能である。
【0239】
リンカーは、アルキルリンカーまたはPEGリンカーなどの非ペプチドリンカーであることもできる。例えば、-NH-(CH2)s-C(0)-[式中、s=2〜20]などのアルキルリンカーを使用することができる。これらのアルキルリンカーは、さらに、低級アルキル(例えば、C1〜C6)、低級アシル、ハロゲン(例えば、Cl、Br)、CN、NH2、フェニルなどの任意の非立体障害基により置換される場合がある。例示的な非ペプチドリンカーはPEGリンカーである。ある特定の態様では、PEGリンカーは、約100〜5000kDaまたは約100〜500kDaの分子量を有する。
【0240】
DBDppとDBDpp融合タンパク質の構成要素とを化学架橋によりカップリングするために適したリンカーには、非限定的に、グルタルアルデヒド、イミドエステル、例えばジメチルアジピミデート(DMA)、ジメチルスベリミデート(DMS)およびジメチルピメリミデート(DMP)など、またはN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル、例えばジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)(DSP)およびジチオビス(スルホスクシンイミジルプロピオネート)(DTSSP)などのホモ二機能性化学架橋化合物が含まれる。架橋用のヘテロ二機能性試薬であるDBDppとDBDpp融合タンパク質構成要素とをカップリングするために適したリンカーの例には、非限定的に、一方のアミン反応性末端および他方の末端にスルフヒドリル反応性部分を有する架橋剤、または一方の末端のNHSエステルおよびSH反応基(例えば、マレイミドまたはピリジル)を有する架橋剤が含まれる。
【0241】
追加的な態様では、DBDpp融合タンパク質におけるリンカーのうち1つまたは複数は切断可能である。切断可能なリンカーの例には、非限定的に、Tev、トロンビン、第Xa因子、プラスミン(血液プロテアーゼ)、メタロプロテアーゼ、カテプシン(例えば、GFLGなど)、および他の身体区画中に見られるプロテアーゼなどの、様々な種類のプロテアーゼによって(インビトロまたはインビボで)認識されるペプチド配列が含まれる。
【0242】
一態様では、リンカーは、細胞中のDBDppまたは細胞傷害性剤の放出を促進する「切断可能なリンカー」である。例えば、酸に不安定なリンカー(例えばヒドラゾン)、プロテアーゼ感受性(例えば、ペプチダーゼ感受性)リンカー、光分解性リンカー、ジメチルリンカーまたはジスルフィド含有リンカー(それぞれがその全体で参照により組み入れられる、Chari, Can. Res. 52:127-131 (1992);米国特許第5,208,020号;米国特許出願公開第20090110753号)を使用することができ、その際、組成物が細胞内にインターナリゼーションされるときにDBDppまたは細胞傷害性剤と融合パートナーとの共有結合が細胞内で切断されることが望ましい。用語「細胞内で切断される」および「細胞内切断」は、DBDpp薬物結合体に対する細胞内部での代謝過程または反応を表し、その際、共有結合、すなわち、DBDppと細胞傷害性剤との間、DBDppと融合パートナーとの間、または2つのDBDppの間でリンカーを介して連結している共有結合が破壊され、細胞内で解離した遊離のDBDppおよび/または細胞傷害性剤が生じる。
【0243】
リンカーの最適化は、本明細書記載の技法および/またはそうでなければ当技術分野において公知の技法を用いて評価することができる。一部の態様では、リンカーは、DBDppが標的分子と結合する能力および/または抗体ドメインもしくはフラグメントなどの別のDBDpp融合タンパク質構成要素が抗原と結合する能力を破壊しない。
【0244】
化学的結合体としてのDBDpp
関心対象の標的への特異的結合を促進するDBDppは、蛍光色素、放射性同位体、クロマトグラフィー組成物(例えば、ビーズ、樹脂、ゲルなど)および化学療法剤などの多様な化合物と化学的に結合体化させることができる。DBDpp結合体は、非限定的に精製、診断、分析、製造および治療応用を含めた用途を有する。
【0245】
DBD配列にシステインが元々欠如していることは、部位特異的結合体化のために独特なシステインを導入する機会を与える。
【0246】
一部の態様では、DBDpp(例えば、DBDpp融合タンパク質)は、少なくとも1つの反応性残基を含む。反応性残基は、例えば、化学療法薬などの結合体の結合部位として有用である。反応性残基は、例えば、システイン、リジン、または別の反応性残基であることができる。したがって、システインを、NもしくはC末端、またはDBDpp配列内のいずれかでDBDppに付加することができる。システインを、DBDppの配列における別のアミノ酸の代わりに置換することができる。加えて、リジンを、いずれかの末端もしくはDBDpp配列内でDBDppに付加することができ、および/またはリジンを、DBDppの配列における別のアミノ酸の代わりに置換することができる。一態様では、反応性残基(例えば、システイン、リジンなど)は、DBDのループ配列(例えば、SEQ ID NO:7〜11のZ1およびZ2)中に配置される。一態様では、反応性残基は、DBDpp融合体の構成要素の間に、例えば、DBDpp融合タンパク質のDBDppと他の構成要素との間に配置されたリンカー中に配置される。反応性残基(例えば、システイン、リジンなど)は、DBDppまたはDBDpp融合タンパク質の他の構成要素の配列内に配置することもできる。一態様では、DBDppまたはDBDpp融合タンパク質は、少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つの反応性残基を含む。一態様では、DBDpp融合タンパク質などのDBDppは、少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つのシステイン残基を含む。
【0247】
DBDppの生産
提供される方法を実施するために有用なDBDppの生産は、当技術分野において公知の化学合成、半合成法および組換えDNA方法のための多様な標準技法を用いて実施される場合がある。DBDppを個別にまたは多ドメイン融合タンパク質の部分として、可溶性物質および細胞関連タンパク質として生産するための方法も提供される。
【0248】
いくつかの態様では、DBDppのための全体的な生産スキームは、参照タンパク質のスキャフォールドを得ることおよび改変のためにスキャフォールド内に複数の残基を特定することを含む。態様に応じて、参照スキャフォールドは、1つまたは複数のアルファ-ヘリックス領域または他の三次構造を有するタンパク質構造を含む場合がある。特定された後、複数の残基を例えばアミノ酸の置換により改変することができる。一部の態様では、置換は保存的であり、一方で他の態様では、非保存的置換が行われる。一部の態様では、天然アミノ酸(例えば、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、またはバリンのうち1つ)が、改変のために標的指向位置で参照スキャフォールドに置換される。ある特定の態様では、改変は、システインまたはプロリンのいずれかに置換することを含まない。特別な態様において望ましい、全ての特定された位置に改変が行われた後、結果として生じる改変ポリペプチド(例えば、候補DBDpp)を、(例えば改変ポリペプチドのそれぞれの数を増加させるために)例えばプラスミド、細菌、ファージ、または他のベクターに組換え発現させることができる。次に、改変ポリペプチドを精製およびスクリーニングして、関心対象の特別な標的に特異的結合性を有する改変ポリペプチドを特定することができる。いくつかの態様では、ある特定の改変ポリペプチドは、一部の態様では、関心対象の所与の標的にほとんどまたは全く結合性を示さない場合がある参照スキャフォールドと比べて、関心対象の標的に対して増強された結合特異性を示す。追加的な態様では、参照スキャフォールドは、関心対象の標的に応じて関心対象の標的と多少の相互作用(例えば非特異的相互作用)を示す場合があり、一方で、ある特定の改変ポリペプチドは、関心対象の標的に対して少なくとも約2倍、少なくとも約5倍、少なくとも約10倍、少なくとも約20倍、少なくとも約50倍、または少なくとも約100倍(もしくはそれを超えて)増加した結合特異性を示す。任意で、参照配列および/または改変ポリペプチド(例えば、DBDpp)を脱免疫することができる。例えば、DBDppに対する潜在的免疫反応を低減または除去するために、潜在的に免疫原性の残基またはモチーフを特定し、改変することができる。DBDppの生産、選択、および分離の様々な態様に関する追加的な詳細を下記により詳細に提供する。
【0249】
DBDppの組換え発現
一部の態様では、DBDpp融合タンパク質などのDBDppは、「組換え生産」される(すなわち、組換えDNA技法を用いて生産される)。例示的なDBDpp融合タンパク質を合成するために利用可能な組換え方法には、非限定的に、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づく合成、コンカテマー化、シームレスクローニング、および再帰的定方向ライゲーション(recursive directional ligation)(RDL)(例えば、そのそれぞれの内容がその全体で参照により本明細書に組み入れられる、Meyer et al., Biomacromolecules 3:357-367 (2002)、Kurihara et al., Biotechnol. Lett. 27:665-670 (2005)、Haider et al., Mol. Pharm. 2:139-150 (2005);およびMcMillan et al., 32:3643-3646 (1999)を参照されたい)。
【0250】
DBDppをコードするポリヌクレオチド配列を含む核酸も提供される。そのようなポリヌクレオチドは、任意でさらに1つまたは複数の発現制御エレメントを含む。例えば、ポリヌクレオチドは、発現制御エレメントとして1つまたは複数のプロモーターまたは転写エンハンサー、リボソーム結合部位、転写終結シグナル、およびポリアデニル化シグナルを含むことができる。ポリヌクレオチドを、任意の適切なベクター内に挿入することができ、そのベクターを発現に適した任意の宿主細胞内に含ませることができる。
【0251】
DBDppをコードする核酸の発現は、DBDppをコードする核酸を典型的には発現ベクター中のプロモーターに機能的に連結することによって達成される。典型的な発現ベクターは、転写および翻訳終結因子、開始配列、ならびに所望の核酸配列の発現調節に有用なプロモーターを含む。適切な転写/翻訳制御シグナルと共にDBDppをコードする核酸配列を含む発現ベクターを日常的に構築するために、当技術分野において公知の方法を用いることができる。これらの方法には、非限定的に、インビトロ組換えDNA技法、合成技法およびインビボ組換え/遺伝子組換えが含まれる。ポリヌクレオチドの発現は、非限定的に細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞、植物細胞または哺乳動物細胞を含む、当技術分野において公知の任意の適切な発現宿主において行うことができる。一態様では、DBDppをコードする核酸配列は、適切なプロモーター配列に機能的に連結されることにより、核酸配列は宿主においてDBDppに転写および/または翻訳される。大腸菌での発現に有用なプロモーターには、非限定的に、T7プロモーターが含まれる。
【0252】
一態様では、核酸をコードするDBDppを含むベクターは、DBDppの発現用の宿主細胞(例えばファージミド)に導入される。ベクターは、エピソームのままであるか、または治療物質をコードする挿入部を転写することができる限り、染色体に組み入れることができる。ベクターを、標準的な組換えDNA技法により構築することができる。ベクターは、プラスミド、ファージ、コスミド、ファージミド、ウイルス、または当技術分野において公知の任意の他の種類であることができ、それらは原核細胞または真核細胞での複製および発現のために使用される。プロモーターなどの多種多様な転写シグナルおよびプロモーター上へのRNAポリメラーゼの結合を調節する他の配列を含めた、当技術分野において公知の多種多様な構成要素(発現制御エレメントなど)をそのようなベクター中に含ませることができることが、当業者により認識されている。ベクターが発現される細胞において効果的であることが公知であるかまたは実証された任意のプロモーターを使用して、DBDppの発現を開始することができる。適切なプロモーターは、誘導性(例えば、調節型)または構成性であることができる。適切なプロモーターの非限定的な例には、SV40初期プロモーター領域、ラウス肉腫ウイルスの3'長末端反復に含まれるプロモーター、HSV-1(単純ヘルペスウイルス-1)チミジンキナーゼプロモーター、メタロチオネイン遺伝子の調節配列などだけでなく、組織特異性を示し、トランスジェニック動物に利用されている以下の動物転写制御領域:膵腺房細胞において活性なエラスターゼI遺伝子制御領域;膵ベータ細胞において活性なインスリン遺伝子制御領域、精巣、乳房、リンパ系およびマスト細胞において活性なマウス乳がんウイルス制御領域、肝臓において活性なアルブミン遺伝子制御領域、肝臓において活性なアルファ-フェトプロテイン遺伝子制御領域、肝臓において活性なアルファ1-アンチトリプシン遺伝子制御領域、赤血球において活性なベータ-グロビン遺伝子制御領域、脳内のオリゴデンドロサイト細胞において活性なミエリン塩基性タンパク質遺伝子制御領域、骨格筋において活性なミオシン軽鎖-2遺伝子制御領域、および視床下部において活性なゴナドトロピン放出ホルモン遺伝子制御領域が含まれる。特別な態様では、プロモーターは、リンパ系細胞において活性な免疫グロブリン遺伝子制御領域である。
【0253】
一態様では、DBDppをコードする1つまたは数種の核酸は、構成性プロモーターまたはその代わりに調節された発現系の制御下で発現される。適切な調節型発現系には、非限定的に、テトラサイクリン調節型発現系、エクジソン誘導性発現系、lacスイッチ発現系、グルココルチコイド誘導性発現系、温度誘導性プロモーター系、およびメタロチオネイン金属誘導性発現系が含まれる。DBDppをコードするいくつかの異なる核酸が宿主細胞系内に含まれる場合、一部の核酸は、構成性プロモーターの制御下で発現される場合があり、一方で他の核酸は、調節型プロモーターの制御下で発現される場合がある。発現レベルは、ウエスタンブロット分析およびノーザンブロット分析を含めた、当技術分野において公知の方法によって決定される場合がある。
【0254】
多様な宿主-発現ベクター系を利用してDBDppをコードする核酸を発現させることができる。DBDpp(例えば、個別のDBDサブユニットもしくはDBDpp融合体)またはその部分もしくはフラグメントをコードする核酸を含むベクターには、プラスミドベクター、一本鎖および二本鎖ファージベクター、ならびに一本鎖および二本鎖RNAまたはDNAウイルスベクターが含まれる。ファージおよびウイルスベクターは、感染および形質導入のための公知の技法を用いて、パッケージングまたは封入されたウイルスの形態で宿主細胞に導入される場合もある。さらに、ウイルスベクターは、複製能力がある、あるいは複製できない場合がある。あるいは、無細胞翻訳系を使用して、DNA発現構築物由来のRNAを用いてタンパク質が生産される場合もある(例えば、それぞれがその全体で参照により本明細書に組み入れられる、国際公開公報第86/05807号および同第89/01036号;ならびに米国特許第5,122,464号を参照されたい)。
【0255】
一般的に、細胞または培養細胞株のうち任意の種類を使用して、本明細書に提供するDBDppを発現させることができる。一部の態様では、操作された宿主細胞を産生するために使用されるバックグラウンド細胞株は、ファージ、細菌細胞、酵母細胞または哺乳動物細胞である。DBDpp融合タンパク質のコード配列を発現させるために、多様な宿主-発現ベクター系が使用される場合がある。関心対象の標的のコード配列および融合ポリペプチドのコード配列を含む組換えプラスミドDNA発現ベクターまたはコスミドDNA発現ベクターをトランスフェクトされた宿主細胞系として哺乳動物細胞を使用することができる。
【0256】
細胞は、生物(ヒトを含む)からの初発単離物、培養物、または形質転換性もしくは遺伝子導入性の細胞株であることができる。一部の態様では、宿主細胞はヒト細胞である。一部の態様では、宿主細胞はヒトT細胞である。一部の態様では、宿主細胞はヒト患者由来である。
【0257】
有用な宿主細胞には、非限定的に、DBDppコード配列を含む組換えバクテリオファージDNA発現ベクター、プラスミドDNA発現ベクターもしくはコスミドDNA発現ベクターで形質転換された細菌(例えば、大腸菌、枯草菌(B. subtilis))などの微生物;DBDppコード配列を含む組換え酵母発現ベクターで形質転換された酵母(例えば、サッカロミセス(Saccharomyces)、ピキア(Pichia));DBDppコード配列を含む組換えウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)に感染した昆虫細胞系;組換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス、CaMV;タバコモザイクウイルス、TMV)に感染した、またはDBDppコード配列を含む組換えプラスミド発現ベクター(例えば、Tiプラスミド)で形質転換された植物細胞系が含まれる。特別な態様では、哺乳動物細胞系は、DBDppを生産するために使用される。哺乳動物細胞系は、典型的には、哺乳動物細胞のゲノム由来のプロモーター(例えば、メタロチオネインプロモーター)または哺乳動物ウイルス由来のプロモーター(例えば、アデノウイルス後期プロモーター;ワクシニアウイルス7.5Kプロモーター)を含む組換え発現構築物を利用する。
【0258】
DBDpp融合タンパク質などのDBDppを生産することに宿主細胞として有用な原核生物には、大腸菌および枯草菌などのグラム陰性生物またはグラム陽性生物が含まれる。原核生物宿主細胞に使用するための発現ベクターは、一般的に、1つまたは複数の表現型選択マーカー遺伝子(例えば、抗生物質耐性を付与するまたは独立栄養の必要としているものを供給するタンパク質をコードする遺伝子)を含む。有用な原核生物宿主発現ベクターの例には、pKK223-3(Pharmacia, Uppsala, Sweden)、pGEMl(Promega, Wis., USA)、pET(Novagen, Wis., USA)およびpRSET(Invitrogen, Calif., USA)シリーズのベクターが含まれる(例えば、Studier, J. Mol. Biol. 219:37 (1991)およびSchoepfer, Gene 124:83 (1993)を参照されたい)。原核生物宿主細胞発現ベクターにしばしば使用される例示的なプロモーター配列には、T7(Rosenberg et al., Gene 56:125-135 (1987))、ベータ-ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)、ラクトースプロモーター系(Chang et al., Nature 275:615 (1978));およびGoeddel et al., Nature 281 :544 (1979))、トリプトファン(trp)プロモーター系(Goeddel et al., Nucl. Acids Res. 8:4057, (1980))、およびtacプロモーター(Sambrook et al., 1990, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2d Ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N.Y.)が含まれる。
【0259】
一態様では、米国特許出願第60/344,169号および国際公開公報第03/056914号(methods for producing humanlike glycoprotein in a non-humaneukaryotic host cell)(そのそれぞれの内容がその全体で参照により組み入れられる)に教示された発現系などの、DBDppのコード配列を含む組換え酵母発現ベクターで形質転換された酵母細胞を含めた、真核生物宿主細胞系が使用される。DBDなどの本発明の組成物を生産するために使用することができる例示的な酵母には、サッカロミセス、ピキア、アクチノマイセス(Actinomycetes)、およびクルイベロマイセス(Kluyveromyces)属からの酵母が含まれる。酵母ベクターは、典型的には、2mu酵母プラスミド由来の複製起点配列、自律複製配列(ARS)、プロモーター領域、ポリアデニル化のための配列、転写終結のための配列、および選択マーカー遺伝子を含む。酵母発現構築物中のプロモーター配列の例には、メタロチオネイン、3-ホスホグリセリン酸キナーゼ(Hitzeman, J. Biol. Chem. 255:2073 (1980))ならびにエノラーゼ、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、ヘキソキナーゼ、ピルビン酸デカルボキシラーゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース-6-リン酸イソメラーゼ、3-ホスホグリセリン酸ムターゼ、ピルビン酸キナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、ホスホグルコースイソメラーゼおよびグルコキナーゼなどの他の糖分解酵素由来のプロモーターが含まれる。酵母発現での使用に適した追加的なベクターおよびプロモーターならびに酵母の形質転換プロトコールは、当技術分野において公知である。例えば、Fleer, Gene 107:285-195 (1991)およびHinnen, PNAS 75:1929 (1978)を参照されたい。
【0260】
昆虫および植物宿主細胞培養系も、本発明の組成物を生産するために有用である。そのような宿主細胞系には、例えば非限定的に、そのそれぞれの内容がその全体で参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第6,815,184号;米国特許出願公開第60/365,769号および同第60/368,047号;ならびに国際公開公報第2004/057002号、同第2004/024927号、および同第2003/078614号に教示される発現系を含めた、DBDのコード配列を含む組換えウイルス発現ベクター(例えば、バキュロウイルス)に感染した昆虫細胞系;DBDのコード配列を含む組換えウイルス発現ベクター(例えば、カリフラワーモザイクウイルス、CaMV;タバコモザイクウイルス、TMV)に感染した、または組換えプラスミド発現ベクター(例えば、Tiプラスミド)で形質転換された植物細胞系が含まれる。
【0261】
追加的な態様では、安定増幅された(CHO/dhfr)または二重微小染色体として不安定増幅された、DBDppをコードするDNAの複数のコピーを含むように操作された細胞株(例えば、マウス細胞株)を含めた、組換えウイルス発現ベクター(例えば、アデノウイルス、レトロウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、レンチウイルス)に感染した動物細胞系を含めた宿主細胞系が使用される場合がある。一態様では、DBDppをコードするポリヌクレオチドを含むベクターは、多シストロン性である。これらの組成物を生産するために有用な例示的な哺乳動物細胞には、293細胞(例えば、293Tおよび293F)、CHO細胞、BHK細胞、NS0細胞、SP2/0細胞、YO骨髄腫細胞、P3X63マウス骨髄腫細胞、PER細胞、PER.C6(Crucell, Netherlands)細胞VERY、Hela細胞、COS細胞、MDCK細胞、3T3細胞、W138細胞、BT483細胞、Hs578T細胞、HTB2細胞、BT20細胞、T47D細胞、CRL7O30細胞、HsS78Bst細胞、ハイブリドーマ細胞、および他の哺乳動物細胞が含まれる。本発明の実施に有用な追加的で例示的な哺乳動物宿主細胞には、非限定的にT細胞が含まれる。発現系および選択方法のいくつかの例は、以下の参考文献およびその中に引用される参考文献に記載されている:Borth et al., Biotechnol. Bioen. 71(4):266-73 (2000)、Werner et al., Arzneimittelforschung/Drug Res. 48(8):870-80 (1998)、Andersen et al., Curr. Op. Biotechnol. 13:117-123 (2002)、Chadd et al., Curr. Op, Biotechnol. 12:188-194 (2001)、およびGiddings, Curr. Op. Biotechnol. 12:450-454 (2001)。発現系および選択方法の追加的な例は、Logan et al., PNAS 81:355-359 (1984)、Birtner et al. Methods Enzymol. 153:51-544 (1987)に記載されている。哺乳動物宿主細胞発現ベクターのための転写および翻訳制御配列は、多くの場合にウイルスゲノム由来である。哺乳動物発現ベクターに一般的に使用されるプロモーター配列およびエンハンサー配列には、ポリオーマウイルス、アデノウイルス2、サルウイルス40(SV40)、およびヒトサイトメガロウイルス(CMV)由来の配列が含まれる。哺乳動物宿主細胞に使用するための例示的な市販の発現ベクターには、pCEP4(Invitrogen)およびpcDNA3(Invitrogen)が含まれる。
【0262】
宿主細胞(例えば、哺乳動物宿主細胞)に核酸を導入するための物理的方法には、リン酸カルシウム沈殿、リポフェクション、粒子衝突、微量注入、エレクトロポレーションなどが含まれる。ベクターおよび/または外因性核酸を含む細胞を生産するための方法は、当技術分野において周知である。例えば、Sambrookら(2001, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, New York)を参照されたい。
【0263】
関心対象のポリヌクレオチドを宿主細胞内に導入するための生物的方法には、DNAベクターおよびRNAベクターの使用が含まれる。ウイルスベクター、特にレトロウイルスベクターは、哺乳動物(例えば、ヒト)細胞に遺伝子を挿入するための最も広く使用される方法になっている。他のウイルスベクターは、レンチウイルス、ポックスウイルス、単純ヘルペスウイルスI、アデノウイルスおよびアデノ随伴ウイルスならびに同種のものから得ることができる。例えば、そのそれぞれの内容がその全体で参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第5,350,674号および同第5,585,362号を参照されたい。
【0264】
関心対象のDNAポリヌクレオチドおよびRNAポリヌクレオチドを宿主細胞に導入するための方法には、細胞のエレクトロポレーションが含まれ、エレクトロポレーションでは、細胞膜の透過性を増加させるために電場が細胞に適用され、化学物質、薬物、またはポリヌクレオチドを細胞に導入可能にする。エレクトロポレーションを用いて、DBDppを含むDNA構築物またはRNA構築物が哺乳動物細胞または原核細胞に導入される場合がある。
【0265】
好ましい態様では、細胞のエレクトロポレーションの結果、T細胞、NK細胞、NKT細胞の表面でのDBDpp-CARの発現が生じる。そのような発現は、細胞の生涯にわたり一過性または安定的であり得る。エレクトロポレーションは、MaxCyte GT(登録商標)およびSTX(登録商標)Transfection Systems(MaxCyte, Gaithersburg, MD, USA)を含めた、当技術分野において公知の方法を用いて達成され得る。
【0266】
宿主細胞にポリヌクレオチドを導入するための化学的手段には、巨大分子複合体、ナノカプセル、ミクロスフェア、ビーズ、ならびに水中油型エマルション、ミセル、混合ミセル、およびリポソームを含めた脂質ベース系などのコロイド分散系が含まれる。インビトロおよびインビボ送達ビヒクルとして使用するための例示的なコロイド系は、リポソーム(例えば、人工膜小胞)である。非ウイルス性送達系が利用される場合、例示的な送達ビヒクルはリポソームである。宿主細胞に核酸を(インビトロ、エクスビボまたはインビボで)導入するために、脂質製剤の使用が考えられる。別の局面では、核酸は、脂質と関連することができる。脂質と関連する核酸を、リポソームの水性内部に封入する、リポソームの脂質二重層内に散在させる、リポソームとオリゴヌクレオチドとの両方に関連する連結分子を介してリポソームと結合させる、リポソーム中に閉じ込める、リポソームと複合体にする、脂質を含む溶液中に分散させる、脂質と混合する、脂質と組み合わせる、脂質中に懸濁物として含ませる、ミセルと共に含ませるもしくは複合体にする、またはさもなければ脂質と関連させることができる。脂質、脂質/DNAまたは脂質/発現ベクター関連組成物は、溶液中の任意の特定の構造に限定されない。例えば、それらは、ミセルとして二重層構造で、または「崩壊した」構造で存在することができる。それらは、溶液中に単に散在することもでき、サイズまたは形状が均一ではない凝集物を形成している可能性がある。脂質は、天然脂質または合成脂質であることができる脂肪性物質である。例えば、脂質には、細胞質中に自然に存在する脂肪滴だけでなく、長鎖脂肪族炭化水素ならびに脂肪酸、アルコール、アミン、アミノアルコール、およびアルデヒドなどのその誘導体を含む化合物のクラスが含まれる。
【0267】
使用に適した脂質は、商業的起源から得ることができる。例えば、ジミリストイルホスファチジルコリン(「DMPC」)は、Sigma, St. Louis, MOから得ることができ;リン酸ジセチル(「DCP」)は、K & K Laboratories(Plainview, NY)から得ることができ;コレステロール(「Choi」)は、Calbiochem-Behringから得ることができ;ジミリストイルホスファチジルグリセロール(「DMPG」)および他の脂質は、Avanti Polar Lipids, Inc.(Birmingham, AL)から得られる場合がある。脂質のクロロホルムまたはクロロホルム/メタノール溶液原液を約-20℃で保存することができる。クロロホルムは、メタノールよりも容易に蒸発するので、クロロホルムが唯一の溶媒として使用され得る。「リポソーム」は、閉鎖された脂質二重層または凝集物の産生により形成される多様な単層および多重膜脂質ビヒクルを包含する一般名である。リポソームは、リン脂質二重層膜および内部の水性媒質を有する小胞構造を有することを特徴とすることができる。多重膜リポソームは、水性媒質により分離された複数の脂質層を有する。リン脂質が過剰の水溶液中に懸濁されると、リポソームが自然に形成する。脂質構成要素は、閉鎖構造を形成する前に自己再編成を受け、水および溶解した溶質を脂質二重層の間に閉じ込める(Ghosh et al., Glycobiology 5:505-510 (1991))。しかし、通常の小胞構造と異なる溶液中構造を有する組成物も包含される。例えば、脂質は、ミセル構造をとる、または単に脂質分子の非均一凝集物として存在することができる。リポフェクタミン-核酸複合体も考えられる。
【0268】
宿主細胞中に外因性核酸を導入するために使用される方法にかかわらず、宿主細胞中の組換え核酸配列の存在を、当技術分野において公知の多様なアッセイにより日常的に確認することができる。そのようなアッセイには、例えば、本発明の範囲内に入る物質を特定するためのサザンブロットおよびノーザンブロット、RT-PCRおよびPCRなどの当技術分野において公知の「分子生物学」アッセイ;例えば免疫学的手段(ELISAおよびウエスタンブロット)または本明細書記載のアッセイにより、特定のペプチドの存在または不在を検出することなどの「生化学」アッセイが含まれる。
【0269】
レポーター遺伝子は、潜在的にトランスフェクトされた細胞を特定するためおよび調節配列の機能性を評価するために使用される。一般に、レポーター遺伝子は、レシピエント生物、組織、または細胞に存在しないまたは発現されない遺伝子であって、いくつかの容易に検出可能な特性、例えば、酵素活性によって発現が明らかになるポリペプチドをコードする遺伝子である。レポーター遺伝子の発現は、DNAがレシピエント細胞に導入された後の適切な時間にアッセイされる。適切なレポーター遺伝子の非限定的な一覧は、ルシフェラーゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、分泌型アルカリホスファターゼをコードする遺伝子、または緑色蛍光タンパク質遺伝子を含むことができる(例えば、Ui-Tei et al., FEBS Lett. 479:79-82 (2000))。適切な発現系は当技術分野において公知であり、公知の技法を用いて調製するまたは商業的に得ることができる。一般に、レポーター遺伝子の最高発現レベルを示している最小の5'フランキング領域を有する構築物がプロモーターとして特定される。そのようなプロモーター領域を、レポーター遺伝子と日常的に連結し、プロモーター推進転写をモジュレートする能力について物質を評価するために使用することができる。
【0270】
非限定的に、それぞれtk-、hgprt-またはaprt-細胞に採用することができる単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子、ヒポキサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子およびアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子(Lowy et al., Cell 22:817 (1980))を含めたいくつかの選択系を哺乳動物宿主-ベクター発現系に使用することができる。追加的に、例えば、dhfr、gpt、neo、hygro、trpB、hisD、ODC(オルニチンデカルボキシラーゼ)、およびグルタミンシンターゼ系についての選択のベースとして代謝拮抗薬耐性を使用することができる。
【0271】
DBDppの精製
DBDpp融合タンパク質などのDBDppが組換え発現により生産された後、組換えタンパク質の精製のための当技術分野において公知の任意の方法により、例えば、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、アフィニティー、およびサイジングカラムクロマトグラフィー)、遠心分離、溶解度差により、またはタンパク質精製のための任意の他の標準技法により、DBDpp融合タンパク質を精製することができる。追加的な態様では、精製を促進するために、DBDppは、本明細書記載またはさもなければ当技術分野において公知の異種ポリペプチド配列と任意で融合される。さらに詳細には、DBDppアフィニティーカラム用のリガンド(例えば、抗体および他のアフィニティーマトリックス)がアフィニティー精製用であること、および任意で、当技術分野において公知の技法を用いたDBDppの最終調製の前に、これらのリガンドにより結合されるDBDppまたはDBDpp融合体の他の構成要素が組成物から取り出されることが構想されている。
【0272】
細胞関連DBDppの発現
本発明の別の態様では、DBDppの生産の結果として、細胞関連DBDpp組成物が生じる。例えば、細胞膜アンカーまたは膜貫通ドメインに機能的に連結されるDBDppをコードする組換えベクターの発現は、細胞関連型を維持する可能性を有する。DBDppを含むキメラ抗原受容体は、意図的に細胞関連型であり、その受容体が発現される細胞に関連して使用される。特定の一態様は、DBDppキメラ抗原受容体(CAR)を発現するように形質導入されているT細胞の養子細胞移植戦略に関係する。好ましくは、その表面にDBDppを安定発現するように細胞を遺伝的に改変して、MHCに非依存的な新規な標的特異性を付与することができる。
【0273】
ウイルスが哺乳動物細胞ゲノムへのトランスフェクションおよび組み入れのために使用される適用において、多様なウイルス由来ベクターを使用することができる。ベクターとして有用なウイルスには、非限定的に、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、およびレンチウイルスが含まれる。レンチウイルスベクターは、導入遺伝子の長期の安定な組み入れおよび娘細胞におけるその繁殖を可能にするので、長期遺伝子導入(例えば、養子T細胞免疫療法)を達成するために特に適している。レンチウイルスベクターは、肝細胞などの非増殖細胞に形質導入できる点で、マウス白血病ウイルスなどのオンコレトロウイルス由来のベクターと比べて追加的な利点を有する。レンチウイルスベクターは、低免疫原性という追加的な利点も有する。一般に、適切なベクターは、少なくとも1つの生物において機能的な複製起点、プロモーター配列、好都合な制限エンドヌクレアーゼ部位、および1つまたは複数の選択マーカーを含む(例えば、国際公開公報第01/96584号および同第01/29058号;ならびに米国特許第6,326,193号)。いくつかのベクターのプロモーター配列が導入遺伝子の発現のために利用可能である。適切なプロモーターの一例は、前初期サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター配列である。このプロモーター配列は、それに機能的に連結される任意のポリヌクレオチド配列の高レベル発現を推進する能力がある、強力な構成性プロモーター配列である。適切なプロモーターの別の例は、EF-1aである。しかし、非限定的に、サルウイルス40(SV40)初期プロモーター、マウス乳がんウイルス(MMTV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)長末端反復(LTR)プロモーター、MoMuLVプロモーター、トリ白血病ウイルスプロモーター、エプスタイン-バーウイルス前初期プロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーターだけでなく、非限定的に、アクチンプロモーター、ミオシンプロモーター、ヘモグロビンプロモーター、およびクレアチンキナーゼプロモーターなどのヒト遺伝子プロモーターを含めた、他の構成性プロモーター配列も使用することができる。誘導性プロモーターには、非限定的に、メタロチオネインプロモーター、グルココルチコイドプロモーター、プロゲステロンプロモーター、およびテトラサイクリンプロモーターが含まれる。
【0274】
DBDpp-CARポリペプチドまたはその部分の発現を判定するために、ウイルスベクターによるトランスフェクトまたは感染が追求される細胞集団から発現細胞を特定および選択することを促進するように、細胞内に導入される発現ベクターは、選択マーカー遺伝子またはレポーター遺伝子の一方または両方も含むことができ、他の局面では、選択マーカーがDNAの別々の断片に担持され、共トランスフェクション手順に使用される場合がある。宿主細胞での発現を可能にするために、適切な調節配列が選択マーカー遺伝子およびレポーター遺伝子の両方に隣接する場合がある。有用な選択マーカーには、例えば、neoおよび類似物などの抗生物質耐性遺伝子が含まれる。
【0275】
本発明のT細胞の増殖および遺伝的改変の前に、T細胞の起源が対象から得られる。T細胞を、末梢血単核細胞、骨髄、リンパ節組織、臍帯血、胸腺組織、感染部位からの組織、腹水、胸水、脾臓組織、および腫瘍を含めたいくつかの起源から得ることができる。本明細書において提供されるある特定の態様では、当技術分野において入手可能な任意の数のT細胞株が使用される場合がある。
【0276】
T細胞の単離、培養、活性化および増殖方法の十分な論考は、その内容がその全体で参照により本明細書に組み入れられる国際公開公報第2012079000号に見出され得る。
【0277】
本明細書記載のDBDppをコードする核酸を含む宿主細胞が追加的に提供される。DBDppをコードする核酸配列を含む組成物が、さらに提供される。
【0278】
本明細書に使用される「共発現する」は、2つ以上のタンパク質コード配列の同時発現を表す。コード配列は、例えば、単一のポリペプチド鎖としての単一のタンパク質またはキメラタンパク質をコードする核酸であり得る。
【0279】
DBDppの化学合成
組換え方法に加えて、DBDppの生産は、当技術分野において公知の多様な液相および固相化学プロセスを用いた所望のポリペプチドの有機化学合成を用いて実施される場合もある。様々な自動合成装置が市販されており、公知のプロトコールに従って使用することができる。例えば、Tam et al., J. Am. Chem. Soc, 105:6442 (1983); Merrifield, Science 232:341-347 (1986); Barany and Merrifield, The Peptides, Gross and Meienhofer, eds, Academic Press, New York, 1- 284; Barany et al., Int. J. Pep. Protein Res., 30:705 739 (1987); Kelley et al. in Genetic Engineering Principles and Methods, Setlow, J. K., ed. Plenum Press, NY. 1990, vol. 12, pp. 1-19; Stewart et al., Solid-Phase Peptide Synthesis, W.H. Freeman Co., San Francisco, 1989を参照されたい。これらの方法論の1つの利点は、これらの方法論がDBDppの配列への非天然アミノ酸残基の組み入れを可能にすることである。
【0280】
本発明の方法に使用されるDBDppは、合成または翻訳の間または後に、例えば、グリコシル化、アセチル化、ベンジル化、リン酸化、アミド化、peg化、ホルミル化、公知の保護/ブロッキング基による誘導体化、タンパク質分解的切断、抗体分子との連結、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、peg化、タンパク質分解的プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、ユビキチン化などにより改変される場合がある(例えば、Creighton, Proteins: Structures and Molecular Properties, 2d Ed. (W.H. Freeman and Co., N.Y., 1992); Postranslational Covalent Modification of Proteins, Johnson, ed. (Academic Press, New York, 1983), pp. 1-12; Seifter, Meth. Enzymol., 182:626-646 (1990); Rattan, Ann. NY Acad. Sci., 663:48-62 (1992)を参照されたい)。特定の態様では、ペプチドは、N末端でアセチル化および/またはC末端でアミド化される。
【0281】
多数の化学的改変のうちいずれかは、非限定的にアセチル化、ホルミル化などを含めた公知の技法により実施される場合がある。追加的に、誘導体は、1つまたは複数の非古典的アミノ酸を含む場合がある。
【0282】
DBDppの集団をポリペプチドライブラリーにより表すことができる
DBDppの「ライブラリー」は、複数の独特なDBDppを表す。DBDppの「ベクターライブラリー」は、DBDppをコードする複数の独特な核酸を表す。これらのDBDppライブラリーを使用して、特定の予め決定された標的への結合性を促進する配列を選択および特定することができる。
【0283】
一態様では、DBDppは、異なるDBDpp分子の混合集団、またはライブラリーにより表される。DBDppのライブラリーは、独特なポリペプチド分子の数にいかなる特定のサイズ制限も意味しない。ライブラリーは、わずか3、5、6、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、または100個の独特なDBDppを含むことができ、1020個超の異なるDBDppに及ぶことができる。一部の態様では、ライブラリーは、最大約104、105、106、107、または108個の独特なDBDppを有する。さらなる態様では、ライブラリーは、最大約1012個の異なるDBDppを有する。
【0284】
一態様では、ポリペプチド異種の集団は、コア残基および異種残基の配列に基づく。例えば、SEQ ID NO:3の異種残基は、Xで表示され、Xは、配列中にXと表示される任意の他の残基の同一性とは無関係な任意のアミノ酸であることができる。ある特定の態様では、Xは、ヌル位置(例えば、その部位にアミノ酸がない)を含むことができる。異なる多様なアミノ酸のスキャフォールドアミノ酸配列では、Xは、全部で20種の天然アミノ酸残基のいずれかが任意の所与の異種における対応する位置Xに存在し得るように、これらの20種の天然アミノ酸残基から選択され得る。各位置でのアミノ酸残基の選択は、態様に応じて多かれ少なかれ無作為化される。異なる様々なアミノ酸残基が選択される群を、20種の天然アミノ酸残基のうち19、18、17、16またはそれ未満に限定することも可能である。例えば、一部の態様では、異種残基がシステインおよび/またはプロリンにより置き換えられることはない。異なる位置における変動性を、無作為化なしを意味する1つから最大で20種のアミノ酸全てまでの間で個別に調整することができる。より小さなアミノ酸サブセットのランダム導入は、導入されるデオキシリボヌクレオチド塩基の慎重な選択により得られる場合があり、例えばコドンT(A/C)Cを導入して、ポリペプチド鎖の所与の位置にセリンまたはチロシンのいずれかのランダム導入を獲得するために行われる場合がある。同様に、フェニルアラニン、ロイシン、アラニンおよびバリンのランダムな導入を獲得するために、コドン(T/C/A/G)CCを、ポリペプチド鎖の所与の位置に導入することができる。当業者に理解されるように、ポリペプチド鎖の所与の位置に異なる組み合わせのアミノ酸を獲得するために、多数の選択肢のデオキシリボヌクレオチド塩基の組み合わせを使用することができる。ポリペプチド鎖内の所与の位置に出現することができるアミノ酸のセットを、オリゴヌクレオチド合成の間に一度に1つのデオキシリボヌクレオチド塩基ではなくトリヌクレオチドを導入することにより決定することもできる。
【0285】
複数のDBDppを含むライブラリーも提供される。一部の態様では、DBDppライブラリーは、5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、5〜45個、5〜50個、5〜55個、または5〜60個のアミノ酸残基が改変されているSEQ ID NO:1のアミノ酸配列であって、DBDppが関心対象の標的と特異的に結合するアミノ酸配列を含む、複数の異なるDBDppを含む。一部の態様では、改変されたアミノ酸残基のうち5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、5〜45個、5〜50個、5〜55個、または5〜60個は、置換である。一部の態様では、改変されたアミノ酸残基のうち5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、5〜45個、または5〜50個は、保存的置換である。一部の態様では、改変されたアミノ酸残基のうち5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、5〜45個、または5〜50個は、非保存的置換である。さらなる態様では、アミノ酸残基の改変のうち5〜15個、5〜20個、5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、または5〜45個は、保存的置換であり、アミノ酸残基の改変のうち5〜15個、5〜20個、5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、または5〜45個は、非保存的置換である。追加的な態様では、置換のうち5〜25個、5〜30個、5〜35個、5〜40個、5〜45個、5〜50個、5〜55個、または5〜60個は、M1、G2、S3、W4、A5、E6、K8、Q9、R10、A12、A13、K15、T16、R17、E19、A20、L21、G22、G23、S24、E25、A26、E27、A29、A30、E32、K33、E34、A36、A37、E39、S40、E41、Q43、A44、Y45、K46、G47、K48、G49、N50、P51、E52、E54、A55、R57、K58、E59、A61、A62、R64、D65、E66、Q68、A69、Y70、R71、H72、およびN73からなる群より選択される、SEQ ID NO:1のアミノ酸残基にある。さらなる態様では、置換のうち1〜20個、1〜30個、または1〜40個は、G2、S3、W4、A5、E6、K8、Q9、R10、A12、A13、K15、T16、R17、E19、A20、A29、A30、E32、K33、E34、A36、A37、E39、S40、E41、Q43、A44、E52、E54、A55、R57、K58、E59、A61、A62、R64、D65、E66、Q68、A69、およびY70からなる群より選択される、SEQ ID NO:1のアミノ酸残基にある。別の態様では、ライブラリーは、異なる標的と特異的に結合する少なくとも2、3、4、5、10、25、50、75、100、250、500、または1000個の異なるDBDppを含む。さらなる態様では、ライブラリーの中のDBDppにより結合される異なる標的は、核酸、オリゴ糖、ペプチド、タンパク質、細胞表面抗原、および小型有機分子からなる群より選択される。さらなる態様では、ライブラリーは、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、血清タンパク質、細胞表面タンパク質、治療用タンパク質、TSA、CSA、および配列タグを含むタンパク質からなる群より選択されるタンパク質標的と特異的に結合する少なくとも2、3、4、5、10、25、50、75、100、250、500、または1000個の異なるDBDppを含む。さらなる態様では、ライブラリーは、本明細書開示の標的と特異的に結合する少なくとも2、3、4、5、10、25、50、75、100、250、500、または1000個の異なるDBDppを含む。追加的な態様では、ライブラリーは、ベクターライブラリーまたは宿主細胞ライブラリーである。追加的な態様では、ベクターライブラリーは、宿主細胞のライブラリーである。別の態様では、宿主細胞ライブラリーは、その表面にDBDppをディスプレイする複数の宿主細胞を含む。さらなる態様では、宿主細胞は、その表面にDBDppをディスプレイするファージである。
【0286】
一部の態様では、DBDppライブラリーは、(a)異なる標的に特異的に結合する3つのDBDpp;(b)同じ標的に特異的に結合する異なる配列を有する3、4、5、6、7、8、9、10個、もしくは10個を超えるDBDpp;(c)関心対象の標的の同じエピトープに特異的に結合する異なる配列を有する、3、4、5、6、7、8、9、10個、もしくは10個を超えるDBDpp;(d)標的の異なるエピトープに特異的に結合する異なる配列を有する3、4、5、6、7、8、9、10個、もしくは10個を超えるDBDpp;または(e)同じ標的への結合を競合する異なる配列を有する3、4、5、6、7、8、9、10個、または10個を超えるDBDppを含む。
【0287】
複数のDBDppを含むライブラリーも提供される。一部の態様では、DBDppライブラリーは、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を含む複数の異なるDBDppを含み、その際、5〜25、5〜30、5〜35、5〜40、5〜45、5〜50、5〜55、または5〜60個のアミノ酸残基が改変されており;かつその際、DBDppは、関心対象の標的と特異的に結合する。一部の態様では、改変されたアミノ酸残基のうち5〜25、5〜30、5〜35、5〜40、5〜45、5〜50、5〜55、または5〜60個は置換である。一部の態様では、改変されたアミノ酸残基のうち5〜25、5〜30、5〜35、5〜40、5〜45、または5〜50個は保存的置換である。一部の態様では、改変されたアミノ酸残基のうち5〜25、5〜30、5〜35、5〜40、5〜45、または5〜50個は非保存的置換である。さらなる態様では、アミノ酸残基の改変のうち5〜15、5〜20、5〜25、5〜30、5〜35、5〜40、または5〜45個は保存的置換であり、アミノ酸残基の改変のうち5〜15、5〜20、5〜25、5〜30、5〜35、5〜40、または5〜45個は非保存的置換である。追加的な態様では、置換のうち5〜25、5〜30、5〜35、5〜40、5〜45、5〜50、5〜55、または5〜60個は、SEQ ID NO:1の、M1、G2、S3、W4、A5、E6、K8、Q9、R10、A12、A13、K15、T16、R17、E19、A20、L21、G22、G23、S24、E25、A26、E27、A29、A30、E32、K33、E34、A36、A37、E39、S40、E41、Q43、A44、Y45、K46、G47、K48、G49、N50、P51、E52、E54、A55、R57、K58、E59、A61、A62、R64、D65、E66、Q68、A69、Y70、R71、H72、およびN73からなる群より選択されるアミノ酸残基にある。さらなる態様では、置換のうち1〜20、1〜30、または1〜40個は、SEQ ID NO:1の、G2、S3、W4、A5、E6、K8、Q9、R10、A12、A13、K15、T16、R17、E19、A20、A29、A30、E32、K33、E34、A36、A37、E39、S40、E41、Q43、A44、E52、E54、A55、R57、K58、E59、A61、A62、R64、D65、E66、Q68、A69、およびY70からなる群より選択されるアミノ酸残基にある。別の態様では、ライブラリーは、異なる標的と特異的に結合する、少なくとも2、3、4、5、10、25、50、75、100、250、500、または1000個の異なるDBDppを含む。さらなる態様では、ライブラリー中のDBDppにより結合される異なる標的は、核酸、オリゴ糖、ペプチド、タンパク質、細胞表面抗原、および小型有機分子からなる群より選択される。さらなる態様では、ライブラリーは、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、血清タンパク質、細胞表面タンパク質、治療用タンパク質、TSA、CSA、およびペプチドタグを含むタンパク質からなる群より選択されるタンパク質標的と特異的に結合する少なくとも2、3、4、5、10、25、50、75、100、250、500、または1000個の異なるDBDppを含む。さらなる態様では、ライブラリーは、本明細書開示の標的と特異的に結合する少なくとも2、3、4、5、10、25、50、75、100、250、500、または1000個の異なるDBDppを含む。追加的な態様では、ライブラリーは、ベクターライブラリーまたは宿主細胞[ウイルス粒子を含む]ライブラリーである。追加的な態様では、ベクターライブラリーは、宿主細胞のライブラリーである。別の態様では、宿主細胞ライブラリーは、その表面にDBDppをディスプレイする複数の宿主細胞を含む。さらなる態様では、宿主細胞は、その表面にDBDppをディスプレイするファージである。
【0288】
一部の態様では、DBDppライブラリーは、(a)異なる標的に特異的に結合する3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDpp;(b)同じ標的に特異的に結合する異なる配列を有する3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDpp;(c)関心対象の標的の同じエピトープに特異的に結合する異なる配列を有する3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDpp;(d)標的の異なるエピトープに特異的に結合する異なる配列を有する3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDpp;または(e)同じ標的への結合を競合する異なる配列を有する3、4、5、6、7、8、9、10、または10個を超えるDBDppを含む。
【0289】
追加的な態様では、DBDppライブラリーは、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を含むDBDppをコードする複数の異なる核酸配列を含み、その際、合計で5〜25、5〜30、5〜35、5〜40、5〜45、5〜50、5〜55、または5〜60個のアミノ酸残基が改変されており、かつその際、DBDppは、関心対象の標的と特異的に結合する。別の態様では、核酸配列によりコードされる改変されたアミノ酸残基のうち5〜25、5〜30、5〜35、5〜40、5〜45、5〜50、5〜55、または5〜60個は置換である。別の態様では、改変されたアミノ酸残基のうち5〜25、5〜30、5〜35、5〜40、5〜45、または5〜50個は保存的置換である。別の態様では、コードされる改変されたアミノ酸残基のうち5〜25、5〜30、5〜35、5〜40、5〜45、または5〜50個は非保存的置換である。さらなる態様では、コードされるアミノ酸残基の改変のうち5〜15、5〜20、5〜25、5〜30、5〜35、5〜40、または5〜45個は保存的置換であり、コードされるアミノ酸残基の改変のうち5〜15、5〜20、5〜25、5〜30、5〜35、5〜40、または5〜45個は非保存的置換である。追加的な態様では、コードされる置換のうち5〜25、5〜30、5〜35、5〜40、5〜45、5〜50、5〜55、または5〜60個は、SEQ ID NO:1のM1、G2、S3、W4、A5、E6、K8、Q9、R10、A12、A13、K15、T16、R17、E19、A20、L21、G22、G23、S24、E25、A26、E27、A29、A30、E32、K33、E34、A36、A37、E39、S40、E41、Q43、A44、Y45、K46、G47、K48、G49、N50、P51、E52、E54、A55、R57、K58、E59、A61、A62、R64、D65、E66、Q68、A69、Y70、R71、H72、およびN73からなる群より選択されるアミノ酸残基にある。さらなる態様では、コードされる置換のうち1〜20、1〜30、または1〜40個は、SEQ ID NO:1のG2、S3、W4、A5、E6、K8、Q9、R10、A12、A13、K15、T16、R17、E19、A20、A29、A30、E32、K33、E34、A36、A37、E39、S40、E41、Q43、A44、E52、E54、A55、R57、K58、E59、A61、A62、R64、D65、E66、Q68、A69、およびY70からなる群より選択されるアミノ酸残基にある。さらなる態様では、核酸はアミノ酸配列をさらに含むDBDppを任意でコードし、その際、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列の溶媒と隔絶された残基に対応する残基のうち1〜5、5〜15、5〜20、5〜25、5〜30、5〜35、5〜40、または5〜45個が置換されており、かつその際、DBDppは、関心対象の標的と特異的に結合する。別の態様では、ライブラリーは、異なる標的と特異的に結合する少なくとも2、3、4、5、10、25、50、75、100、250、500、または1000個の異なるDBDppをコードする核酸を含む。さらなる態様では、ライブラリー中のDBDppにより結合される異なる標的は、核酸、オリゴ糖、ペプチド、タンパク質、細胞表面抗原、および小型有機分子からなる群より選択される。さらなる態様では、ライブラリーは、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、血清タンパク質、細胞表面タンパク質、治療用タンパク質、TSA、CSA、およびペプチドタグを含むタンパク質からなる群より選択されるタンパク質標的と特異的に結合する少なくとも2、3、4、5、10、25、50、75、100、250、500、または1000個の異なるDBDppをコードする核酸を含む。さらなる態様では、ライブラリーは、本明細書開示の標的と特異的に結合する、少なくとも2、3、4、5、10、25、50、75、100、250、500、または1000個の異なるDBDppをコードする核酸を含む。追加的な態様では、ベクターライブラリーは、宿主細胞(例えば、ウイルス粒子)中に含まれる。別の態様では、ライブラリーは、その表面にDBDppをディスプレイする複数の宿主細胞を含む。さらなる態様では、宿主細胞は、その表面にDBDppをディスプレイするファージである。一部の態様では、DBDppライブラリーは、(a)異なる標的に特異的に結合する、3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDpp;(b)同じ標的に特異的に結合する異なる配列を有する、3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDpp;(c)標的の同じエピトープに特異的に結合する異なる配列を有する、3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDpp;(d)標的の異なるエピトープに特異的に結合する異なる配列を有する、3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDpp;または(e)同じ標的への結合を競合する異なる配列を有する、3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDppを含む。
【0290】
DBDpp融合タンパク質などのDBDppをコードする核酸も提供される。一部の態様では、核酸を含む宿主細胞は、細菌、酵母、真菌または哺乳動物細胞である。さらなる態様では、宿主細胞は免疫細胞である。さらなる態様では、宿主細胞はヒト免疫細胞である。さらなる態様では、ヒト免疫細胞は、その細胞表面にDBDppを発現する。特別な態様では、核酸はDBDpp融合タンパク質をコードする。さらなる態様では、宿主細胞は、細胞表面にDBDppを融合タンパク質として発現する。追加的に、本明細書においてDBDppをコードする複数の核酸を含むベクターライブラリーが提供される。
【0291】
一態様では、ベクターライブラリーは、DBDppをコードする複数の異なる核酸を含み、その際、コードされるDBDppは、
(a)
[配列中、X5、X8、X9、X12、X15、X16、X19、X55、X58、X59、X62、X65、およびX66は天然および/または非天然アミノ酸残基である];
(b)
[配列中、X5、X6、X9、X10、X13、X16、X17、X30、X33、X34、X37、X40、X41、およびX44は天然および/または非天然アミノ酸残基である];
(c)
[配列中、X32、X33、X36、X39、X40、X43、X57、X58、X61、X64、X65、およびX68は天然および/または非天然アミノ酸残基である];ならびに
(d)
[配列中、X5、X6、X9、X10、X13、X16、X17、X32、X33、X36、X39、X40、X43、X55、X58、X59、X62、X65、およびX66は天然および/または非天然アミノ酸残基である];ならびに
(e)
[配列中、X5、X8、X9、X12、X15、X16、X19、X30、X33、X34、X37、X40、X41、X44、X57、X58、X61、X64、X65、およびX68は天然および/または非天然アミノ酸残基である]、からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、その際、DBDppは、関心対象の標的と特異的に結合する。追加的な態様では、Xnは天然アミノ酸残基である。さらなる態様では、Xnはシステインまたはプロリン以外の天然アミノ酸残基である。追加的な態様では、ライブラリー中の複数のベクターはDBDpp融合タンパク質をコードする。別の態様では、ライブラリーは、異なる標的と特異的に結合する少なくとも2、3、4、5、10、25、50、75、100、250、500、または1000個の異なるDBDppをコードする核酸を含む。さらなる態様では、ライブラリー中の核酸によりコードされるDBDppにより結合される異なる標的は、核酸、オリゴ糖、ペプチド、タンパク質、細胞表面抗原、および小型有機分子からなる群より選択される。さらなる態様では、ライブラリーは、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、血清タンパク質、細胞表面タンパク質、治療用タンパク質、TSA、CSA、およびペプチドタグを含むタンパク質からなる群より選択されるタンパク質標的と特異的に結合する少なくとも2、3、4、5、10、25、50、75、100、250、500、または1000個の異なるDBDppをコードする核酸を含む。さらなる態様では、ライブラリーは、本明細書開示の標的と特異的に結合する少なくとも2、3、4、5、10、25、50、75、100、250、500、または1000個の異なるDBDppをコードする核酸を含む。追加的な態様では、ベクターライブラリーの複数のベクターは、宿主細胞(例えば、ファージなどのウイルス粒子)、大腸菌、酵母、および哺乳動物細胞中に含まれる。別の態様では、宿主細胞は、その表面にDBDppをディスプレイする。さらなる態様では、宿主細胞は、その表面にDBDppをディスプレイするファージである。一部の態様では、ベクターライブラリーは、(a)異なる標的に特異的に結合する3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDppをコードする核酸;(b)同じ標的に特異的に結合する異なる配列を有する3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDppをコードする核酸;(c)標的の同じエピトープに特異的に結合する異なる配列を有する3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDppをコードする核酸;(d)標的の異なるエピトープに特異的に結合する異なる配列を有する3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDppをコードする核酸;(e)同じ標的への結合を競合する異なる配列を有する3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDppをコードする核酸;または(f)同じDBDppをコードする3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超える異なる核酸を含む。ベクターを含む宿主細胞も提供される。
【0292】
一態様では、ベクターライブラリーは、
(a)
[配列中、X5、X8、X9、X12、X15、X16、X19、X50、X53、X54、X57、X60、およびX61は天然および/または非天然アミノ酸残基であり、Z1およびZ2は2〜30個の天然および/または非天然アミノ酸残基である];
(b)
[配列中、X5、X6、X9、X10、X13、X16、X17、X28、X31、X32、X35、X38、X39、およびX42は天然および/または非天然アミノ酸残基であり、Z1およびZ2は2〜30個の天然および/または非天然アミノ酸残基である];
(c)
[配列中、X30、X31、X34、X37、X38、X41、X52、X53、X56、X59、X60、およびX63は天然および/または非天然アミノ酸残基であり、Z1およびZ2は2〜30個の天然および/または非天然アミノ酸残基である];
(d)
[配列中、X5、X6、X9、X10、X13、X16、X17、X30、X31、X34、X37、X38、X41、X50、X53、X54、X57、X60、およびX61は天然および/または非天然アミノ酸残基であり、Z1およびZ2は2〜30個の天然および/または非天然アミノ酸残基である];ならびに
(e)
[配列中、X5、X8、X9、X12、X15、X16、X19、X28、X31、X32、X35、X38、X39、X42、X52、X53、X56、X59、X60、およびX63は天然および/または非天然アミノ酸残基であり、Z1およびZ2は2〜30個の天然および/または非天然アミノ酸残基である]、からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むDBDppをコードする複数の核酸を含み;その際、DBDppは、関心対象の標的と特異的に結合する。追加的な態様では、Xnは天然アミノ酸残基である。さらなる態様では、Xnはシステインまたはプロリン以外の天然アミノ酸残基である。追加的な態様では、ライブラリー中の複数のベクターは、DBDpp融合タンパク質をコードする。別の態様では、ライブラリーは、異なる標的と特異的に結合する少なくとも2、3、4、5、10、25、50、75、100、250、500、または1000個の異なるDBDppをコードする核酸を含む。さらなる態様では、ライブラリー中の核酸によりコードされるDBDppにより結合される異なる標的は、核酸、オリゴ糖、ペプチド、タンパク質、細胞表面抗原、および小型有機分子からなる群より選択される。さらなる態様では、ライブラリーは、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、血清タンパク質、細胞表面タンパク質、治療用タンパク質、TSA、CSA、およびペプチドタグを含むタンパク質からなる群より選択されるタンパク質標的と特異的に結合する少なくとも2、3、4、5、10、25、50、75、100、250、500、または1000個の異なるDBDppをコードする核酸を含む。さらなる態様では、ライブラリーは、本明細書開示の標的と特異的に結合する少なくとも2、3、4、5、10、25、50、75、100、250、500、または1000個の異なるDBDppをコードする核酸を含む。追加的な態様では、ベクターライブラリーの複数のベクターは、宿主細胞中に含まれる。別の態様では、宿主細胞(例えば、ウイルス粒子)は、その表面にDBDppをディスプレイする。さらなる態様では、宿主細胞は、その表面にDBDppをディスプレイするファージである。一部の態様では、ベクターライブラリーは、(a)異なる標的に特異的に結合する3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDppをコードする核酸;(b)同じ標的に特異的に結合する異なる配列を有する3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDppをコードする核酸;(c)標的の同じエピトープに特異的に結合する、異なる配列を有する3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDppをコードする核酸;(d)標的の異なるエピトープに特異的に結合する異なる配列を有する、3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDppをコードする核酸;(e)同じ標的への結合を競合する異なる配列を有する3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDppをコードする核酸;または(f)同じDBDpp配列をコードする3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超える異なる核酸配列を含む。ベクターを含む宿主細胞も提供される。
【0293】
一部の態様では、ライブラリー中の核酸によりコードされる4、5、10またはそれを超えるDBDppは異なる標的と特異的に結合する。
【0294】
一態様では、ベクターライブラリーは、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列を含むDBDppをコードする複数の異なる核酸配列を含み、その際、合計5〜25、5〜30、5〜35、5〜40、5〜45、5〜50、5〜55、または5〜60個のアミノ酸残基が改変されており;かつその際、DBDppは、関心対象の標的と特異的に結合する。別の態様では、核酸配列によりコードされる改変されたアミノ酸残基のうち5〜25、5〜30、5〜35、5〜40、5〜45、5〜50、5〜55、または5〜60個は置換である。別の態様では、改変されたアミノ酸残基のうち5〜25、5〜30、5〜35、5〜40、5〜45、または5〜50個は保存的置換である。別の態様では、コードされる改変されたアミノ酸残基のうち5〜25、5〜30、5〜35、5〜40、5〜45、または5〜50個は非保存的置換である。さらなる態様では、コードされるアミノ酸残基の改変のうち5〜15、5〜20、5〜25、5〜30、5〜35、5〜40、または5〜45個は保存的置換であり、コードされるアミノ酸残基の改変のうち5〜15、5〜20、5〜25、5〜30、5〜35、5〜40、または5〜45個は非保存的置換である。追加的な態様では、コードされる置換のうち5〜25、5〜30、5〜35、5〜40、5〜45、5〜50、5〜55、または5〜60個は、SEQ ID NO:1のM1、G2、S3、W4、A5、E6、K8、Q9、R10、A12、A13、K15、T16、R17、E19、A20、L21、G22、G23、S24、E25、A26、E27、A29、A30、E32、K33、E34、A36、A37、E39、S40、E41、Q43、A44、Y45、K46、G47、K48、G49、N50、P51、E52、E54、A55、R57、K58、E59、A61、A62、R64、D65、E66、Q68、A69、Y70、R71、H72、およびN73からなる群より選択されるアミノ酸残基にある。さらなる態様では、コードされる置換のうち1〜20、1〜30、または1〜40個は、SEQ ID NO:1のG2、S3、W4、A5、E6、K8、Q9、R10、A12、A13、K15、T16、R17、E19、A20、A29、A30、E32、K33、E34、A36、A37、E39、S40、E41、Q43、A44、E52、E54、A55、R57、K58、E59、A61、A62、R64、D65、E66、Q68、A69、およびY70からなる群より選択されるアミノ酸残基にある。さらなる態様では、核酸はアミノ酸配列をさらに含むDBDppを任意でコードし、その際、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列の溶媒と隔絶された残基に対応する残基のうち1〜5、5〜15、5〜20、5〜25、5〜30、5〜35、5〜40、または5〜45個が置換されており、かつその際、DBDppは、関心対象の標的と特異的に結合する。別の態様では、ライブラリーは、異なる標的と特異的に結合する少なくとも2、3、4、5、10、25、50、75、100、250、500、または1000個の異なるDBDppをコードする核酸を含む。さらなる態様では、ライブラリー中のDBDppにより結合される異なる標的は、核酸、オリゴ糖、ペプチド、タンパク質、細胞表面抗原、および小型有機分子からなる群より選択される。さらなる態様では、ライブラリーは、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、血清タンパク質、細胞表面タンパク質、治療用タンパク質、TSA、CSA、およびペプチドタグを含むタンパク質からなる群より選択されるタンパク質標的と特異的に結合する少なくとも2、3、4、5、10、25、50、75、100、250、500、または1000個の異なるDBDppをコードする核酸を含む。さらなる態様では、ライブラリーは、本明細書開示の標的と特異的に結合する少なくとも2、3、4、5、10、25、50、75、100、250、500、または1000個の異なるDBDppをコードする核酸を含む。追加的な態様では、ベクターライブラリーは、宿主細胞(例えば、ウイルス粒子)中に含まれる。別の態様では、ライブラリーは、その表面にDBDppをディスプレイする複数の宿主細胞を含む。さらなる態様では、宿主細胞は、その表面にDBDppをディスプレイするファージである。一部の態様では、ベクターライブラリーは、(a)異なる標的に特異的に結合する3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDppをコードする核酸;(b)同じ標的に特異的に結合する異なる配列を有する3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDppをコードする核酸;(c)標的の同じエピトープに特異的に結合する異なる配列を有する3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDppをコードする核酸;(d)標的の異なるエピトープに特異的に結合する異なる配列を有する3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDppをコードする核酸;または(e)同じ標的への結合を競合する異なる配列を有する3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDppをコードする核酸;または(f)同じDBDppをコードする3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超える異なる核酸を含む。ベクターを含む宿主細胞も提供される。
【0295】
一部の態様では、ベクターライブラリーは、(a)関心対象の異なる標的に特異的に結合する3つのDBDppをコードする核酸;(b)関心対象の同じ標的に特異的に結合する異なる配列を有する3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDppをコードする核酸;(c)関心対象の標的の同じエピトープに特異的に結合する異なる配列を有する3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDppをコードする核酸;(d)関心対象の標的の異なるエピトープに特異的に結合する異なる配列を有する3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDppをコードする核酸;(e)関心対象の同じ標的への結合を競合する異なる配列を有する3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDppをコードする核酸;または(f)同じDBDpp配列をコードする3つの異なる核酸配列を含む。
【0296】
一態様では、ベクターライブラリーは、
(a)
[配列中、X5、X8、X9、X12、X15、X16、X19、X50、X53、X54、X57、X60、およびX61は天然および/または非天然アミノ酸残基であり、Z1およびZ2は2〜30個の天然および/または非天然アミノ酸残基である];
(b)
[配列中、X5、X6、X9、X10、X13、X16、X17、X28、X31、X32、X35、X38、X39、およびX42は天然および/または非天然アミノ酸残基であり、Z1およびZ2は2〜30個の天然および/または非天然アミノ酸残基である];
(c)
[配列中、X30、X31、X34、X37、X38、X41、X52、X53、X56、X59、X60、およびX63は天然および/または非天然アミノ酸残基であり、Z1およびZ2は2〜30個の天然および/または非天然アミノ酸残基である];
(d)
[配列中、X5、X6、X9、X10、X13、X16、X17、X30、X31、X34、X37、X38、X41、X50、X53、X54、X57、X60、およびX61は天然および/または非天然アミノ酸残基であり、Z1およびZ2は2〜30個の天然および/または非天然アミノ酸残基である];ならびに
(e)
[配列中、X5、X8、X9、X12、X15、X16、X19、X28、X31、X32、X35、X38、X39、X42、X52、X53、X56、X59、X60、およびX63は天然および/または非天然アミノ酸残基であり、Z1およびZ2は2〜30個の天然および/または非天然アミノ酸残基である]、からなる群より選択されるアミノ酸を含むDBDppをコードする複数の核酸を含み、その際、DBDppは関心対象の標的と特異的に結合する。追加的な態様では、Xnは天然アミノ酸残基である。さらなる態様では、Xnはシステインまたはプロリン以外の天然アミノ酸残基である。追加的な態様では、ライブラリー中の複数のベクターは、DBDpp融合タンパク質をコードする。別の態様では、ライブラリーは、異なる標的と特異的に結合する少なくとも2、3、4、5、10、25、50、75、100、250、500、または1000個の異なるDBDppをコードする核酸を含む。さらなる態様では、ライブラリー中の核酸によりコードされるDBDppにより結合される異なる標的は、核酸、オリゴ糖、ペプチド、タンパク質、細胞表面抗原、および小型有機分子からなる群より選択される。さらなる態様では、ライブラリーは、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、血清タンパク質、細胞表面タンパク質、治療用タンパク質、TSA、CSA、およびペプチドタグを含むタンパク質からなる群より選択されるタンパク質標的と特異的に結合する少なくとも2、3、4、5、10、25、50、75、100、250、500、または1000個の異なるDBDppをコードする核酸を含む。さらなる態様では、ライブラリーは、本明細書開示の標的と特異的に結合する少なくとも2、3、4、5、10、25、50、75、100、250、500、または1000個の異なるDBDppをコードする核酸を含む。追加的な態様では、ベクターライブラリーの複数のベクターは、宿主細胞(ウイルス粒子を含む)中に含まれる。別の態様では、宿主細胞(例えば、ウイルス粒子)は、その表面にDBDppをディスプレイする。さらなる態様では、宿主細胞は、その表面にDBDppをディスプレイするファージである。一部の態様では、ベクターライブラリーにコードされるDBDppのうち少なくとも2、3、4、5、または10個は、異なる標的と特異的に結合する。一部の態様では、DBDppは、核酸、オリゴ糖、ペプチド、タンパク質、細胞表面抗原、および小型有機分子からなる群より選択される関心対象の標的と結合する。さらなる態様では、関心対象のDBDppの標的は、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、血清タンパク質、細胞表面タンパク質、治療用タンパク質、TSA、CSA、およびペプチドタグを含むタンパク質からなる群より選択されるタンパク質である。さらなる態様では、DBDppは本明細書開示の標的と特異的に結合する。ベクターライブラリーを含む宿主細胞(例えば、ウイルス粒子)のライブラリーも提供される。一部の態様では、ライブラリーは、その表面にDBDppをディスプレイする複数の宿主細胞(例えば、ウイルス粒子)を含む。特別な態様では、宿主細胞は、その表面にDBDppをディスプレイするファージである。一部の態様では、ベクターライブラリーは、(a)関心対象の異なる標的に特異的に結合する3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDppをコードする核酸;(b)関心対象の同じ標的に特異的に結合する異なる配列を有する3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDppをコードする核酸;(c)関心対象の標的の同じエピトープに特異的に結合する異なる配列を有する3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDppをコードする核酸;(d)関心対象の標的の異なるエピトープに特異的に結合する異なる配列を有する3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDppをコードする核酸;(e)関心対象の同じ標的への結合を競合する異なる配列を有する3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超えるDBDppをコードする核酸;または(f)同じDBDpp配列をコードする3、4、5、6、7、8、9、10、もしくは10個を超える異なる核酸配列を含む。
【0297】
本明細書において提供される範囲から逸脱することなく、意図される特定の用途にポリペプチドを合わせるようにDBDppを改変できることが構想されている。そのような改変は、DBDppのNもしくはC末端に追加的なアミノ酸を、および/またはDBDppに化学的結合体もしくは他の方法で結合している治療剤を含む場合がある。上述の追加的なアミノ酸残基は、別の結合官能基、もしくは酵素官能基、もしくは金属イオンキレート官能基、もしくは蛍光官能基、またはそれらの混合物などの任意の所望の官能基を有する1つまたは複数のポリペプチドドメインも構成する場合がある。
【0298】
DBDppの選択、単離および特定
ライブラリー内のDBDppなどの複数のDBDppから関心対象の標的と特異的に結合するDBDppを選択、単離および特定するための方法も提供される。一態様では、結合パートナーとの結合についてDBDppのライブラリーをスクリーニングする方法は、(a)DBDppのライブラリーをディスプレイしている集団を得る段階;(b)関心対象の標的と集団を結合に適した条件で接触させる段階;および(c)標的に結合するDBDppを特定する段階を含む。2つの例示的なDBDppディスプレイ選択プロセスには、パニングおよび細胞に基づくスクリーニング選択が含まれる。
【0299】
本明細書において提供される例証的な例では、DBDppファージディスプレイライブラリーが調製され、多数の検証済みの治療標的および診断標的と特異的に結合する能力を含めた所望の特性を有するDBDppについてスクリーニングされる。これらのスクリーニングで特定された代表的なDBDppは、さらに特徴付けられ、例えば、精製、診断、および治療応用に有用な望ましい特性を示すことが実証される。
【0300】
ディスプレイライブラリー
本明細書記載のように、SEQ ID NO:1の参照スキャフォールドにおける置換は、多用途の分子認識プラットフォームを提供する。DBDppのライブラリーを調製するための方法にそのようなDBDppを使用することができ、そのライブラリーを関心対象の標的に対してスクリーニングすることができる。そのようなスクリーニング方法を使用して、関心対象の標的と結合する能力などの所望の特性を有するDBDppを特定することができる。標的特異的DBDppの選択に使用されるDBDppの集団は異なる形態であることができ、非限定的にタンパク質ライブラリー、核酸ライブラリー、ベクターライブラリーおよび宿主細胞ライブラリーであることができる。
【0301】
核酸の改変を調製するための当技術分野において公知の様々な方法を用いて、別のDBDppおよび/またはSEQ ID NO:1の参照スキャフォールドと比べて1つまたは複数のアミノ酸残基に改変を有するDBDppを調製する(コードさせる)ことができる。DBDppをコードする核酸は、化学合成、組換え方法などの当技術分野において標準的な方法を用いて得られる、および/または生物学的起源から得られる場合がある。関心対象の核酸は、任意の特定の宿主細胞におけるその発現に必要な1つまたは複数のエレメントの制御下に置かれる場合がある。DBDppをコードする核酸を増やすために多様な宿主細胞が利用可能であり、その表面にDBDppをディスプレイするために用いられ得るディスプレイ方法は、当技術分野において公知であり、本明細書に記載されている。ディスプレイ方法には、非限定的に、ファージディスプレイ、細菌ディスプレイ、酵母ディスプレイ、リボソームディスプレイ、およびmRNAディスプレイが含まれる。
【0302】
一部の態様では、(部分的に)ランダム化されたDBDppライブラリーの産生は、SEQ ID NO:1の参照スキャフォールド配列内の特定位置の(部分的)ランダム化を要する。追加的な態様では、他の参照配列は、本明細書開示の方法により使用および改変される場合がある。一態様では、本明細書において提供される方法に使用するためのDBDppライブラリーは、組換えDNA技法により産生される。特に、それぞれ特別なアミノ酸位置で配列が異なるDBDppをコードする核酸配列のライブラリーを、テンプレート配列の部位特異的変異誘発またはランダム変異誘発により得ることができる。アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列内の対応する位置で「NNK」または「NNS」コドンを選択(導入)することなどの、当技術分野において公知の技法を用いて、アミノ酸配列内の特定の位置にランダムなアミノ酸残基を導入することができる。そのようなライブラリーを生産するための方法は、当技術分野において公知であり、そのようなライブラリーを産生するために商業サービスを利用することが可能である。関心対象の位置における関連アミノ酸残基を決定するヌクレオチドは、異なるDBDppをコードする配列のライブラリーを得ることなどの異なる方法で変異される。
【0303】
ライブラリーは、任意で、DBDの特定の溶媒に曝露されたアミノ酸配列位置の選択的変異またはランダム変異により創出される。
【0304】
一部の態様では、本明細書において提供されるDBDppライブラリー中の置換されたアミノ酸残基の位置の数は、5〜20個のアミノ酸の残基の位置に及ぶ。したがって、本明細書において提供されるDBDppライブラリー中の置換されたアミノ酸残基の位置の所定のセットは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の所定の置換されたアミノ酸残基の位置などの、5〜20個の所定の置換されたアミノ酸残基の位置を含む。いくつかの態様では、置換されたアミノ酸残基は、天然または非天然アミノ酸である。いくつかの態様では、20種の天然アミノ酸のうちいずれかを使用することができる。しかし、一部の態様では、置換の結果として、任意のアミノ酸からシステインおよび/またはプロリンへの置き換えは生じない。
【0305】
DBDppのライブラリーは、任意の適切な数の異なるDBDpp配列を含むことができる。一部の態様では、DBDppのライブラリーは、最小2つ、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも1000、少なくとも10,000、少なくとも105、少なくとも106、少なくとも107、少なくとも108、少なくとも109個またはそれを超える異なるDBDpp配列(例えば、DBDpp融合タンパク質)を含む。
【0306】
異なるDBDpp配列のライブラリーを表す場合の概念「置換されたアミノ酸残基の位置」は、DBDppのライブラリーからの異なるDBDppのアミノ酸配列のうち少なくとも2つが相互に比較される場合に、少なくとも2つの異なるアミノ酸残基の種類が配置されているアミノ酸残基の位置を表す。
【0307】
一態様では、本開示は、5〜20個の置換されたアミノ酸残基の位置の所定のセットのうち少なくとも1つにおいて相互に異なるDBDppのライブラリー(すなわち集合または複数)を生産する方法を包含する。したがって、DBDppのライブラリー内の配列は、選択された、所定の、またはランダムなセットに含まれる任意の1つまたは複数の特定のアミノ酸位置で相互に異なる。したがって、用語「異なる配列」または「異なるDBDpp配列」は、ライブラリー内の2つ以上のDBDppの間でアミノ酸残基の位置の所定のセットに配列変動または配列差が出現していることを表す。
【0308】
ディスプレイビヒクル
分子の集団またはライブラリーは、遺伝子型と表現型のカップリングをもたらす典型的なディスプレイビヒクル(例えば、バクテリオファージ、大腸菌、リボソーム)上にディスプレイされる。
【0309】
一部の態様では、関心対象の標的に対して検出可能な結合親和性または検出可能なインビトロ活性を有する所望のDBDpp配列を単離するためのスクリーニングまたは選択を促進するように、ライブラリーのDBDppは、ファージ粒子、リボソーム、細菌、酵母細胞、哺乳動物細胞または任意の他の適切な(微)生物の表面にディスプレイされる。この技法の主な利点は、遺伝子型(すなわち、ディスプレイされたタンパク質をコードする封入型DNA)と表現型(すなわち、本明細書において提供されるDBDppなどのディスプレイされたタンパク質)とのカップリングであり、それは、比較的簡単なインビトロアッセイで数100万〜数兆個のポリペプチド異種を有するライブラリーからの親和性に基づく選択を可能にする。
【0310】
置換されたDBDpp配列またはそのような置換されたDBDpp配列をコードするヌクレオチド配列のライブラリーをディスプレイおよび選択またはスクリーニングするために適し、かつ所望の特徴を有するDBDppに適用可能な方法、技法および宿主生物は、当業者に公知である。そのような方法は、例えば、Georgiou, Nat. Biotechnol. 15:29-34 (1997); Wittrup, Curr. Opin. Biotechnol. 12:395-399 (2001); Lipovsek and Pluckthun, J Immunol Methods 290:51-67 (2004); Reiersen, Nucl Acids Res, 33:e10, 2005; Levin, Mol BioSyst, 2:49-57 (2006); Bratkovic, Cell. Mol. Life. Sci. 67:749-767 (2010)に記載されている。例えば、ファージディスプレイ技法は、利用可能な最も頑健で多用途の選択技法の1つであるので、ファージライブラリーディスプレイ技法およびファージディスプレイ技法による選択が、タンパク質特異的結合物質のハイスループット特定のための方法として選ばれる場合がある(Scott, Science 249:386-390 (1990); Bratkovic, Cell. Mol. Life Sci. 67:749-767 (2010))。
【0311】
追加的に、DBDppの結合特性を変更する、例えば改善するためにディスプレイ技法を用いることができる。例えば、そのそれぞれの内容がその全体で参照により本明細書に組み入れられる、Scott, Science 249: 386 (1990); Devlin, Science 249: 404 (1990);米国特許第5,223,409号、同第5,733,731号、同第5,498,530号、同第5,432,018号、同第5,338,665号、および同第5,922,545号;国際公開公報第96/40987号および同第98/15833号を参照されたい。ペプチドファージディスプレイライブラリーでは、天然および/または非天然のペプチド配列を線維状ファージのコートタンパク質との融合によりディスプレイさせることができる。所望であれば、関心対象の標的に対してディスプレイされたペプチドをアフィニティー溶出させることができる。保持されたファージは、アフィニティー精製および再繁殖の連続ラウンドにより濃縮することができる。最良の結合性のDBDppを配列決定して、鍵となる残基を特定することができ、変異誘発ライブラリーを創出およびスクリーニングして、最良の結合物質の配列がさらに最適化される場合がある。Lowman, Ann. Rev. Biophys. Biomol. Struct. 26: 401-24 (1997)。
【0312】
ファージディスプレイ
典型的なファージディスプレイプロトコールは、線維状ファージ(ファージミド)表面発現系の使用、および各粒子が遺伝子ライブラリーの一メンバーの遺伝子産物をそのコートタンパク質(gIIIまたはgVIIIタンパク質)の1種類との融合体としてディスプレイしている細菌宿主におけるファージ粒子の生産を伴う。ファージ粒子のライブラリーは、標的へのファージライブラリーの結合、未結合のファージDBDppを除去するための洗浄段階、および結合した粒子の溶出を伴う、固定化標的分子への結合性についての選択プロセス(「バイオパニング」)を経て取得される。通常は、所望の特徴を有する分子を選択するために、細菌宿主における溶出されたファージ再増幅および固定化標的を用いた選択を伴う数ラウンドのパニングが必要である。
【0313】
例えば、ファージミドディスプレイ(Kay et al., Phage Display of Peptides and Proteins. A Laboratory Manual, B.K. Kay et al. 1996)を用いて、マイナーコートタンパク質pIIIと融合されたDBDppライブラリーのメンバーを含む融合タンパク質をそれぞれコードするファージミドの集合により所与のDBDppライブラリーが表される場合がある。エレクトロポレーションまたは他の手段によりこれらのファージミドを適切な大腸菌細胞(例えばTG1)に導入することができる。ヘルパーファージによる感染を用いて、DBDpp融合タンパク質をディスプレイするファージが生産される(ファージミドゲノムもパッケージングしている)。これらのファージを使用して、所与の標的に対する結合物質を選択することができ、選択されたファージに大腸菌TG1(Stratagene)を感染させることにより繁殖させることができる。
【0314】
したがって、特別な態様では、DBDppライブラリーは、ファージライブラリーとして提供され、ファージを関心対象の標識化標的と接触させることにより結合性のDBDppが特定され、その後、標識化された結合後の標的の検出または選択的収集により、結合性ファージが回収される。一態様では、ビオチン化標的が使用され、それによって、標的に特異的に結合するDBDppを産生するファージがストレプトアビジン被覆支持体(例えば、磁気ビーズ)を用いて捕捉される。一部の態様では、関心対象の標的に対して検出可能な結合親和性を有する1つまたは複数のDBDppを生産するための方法の選択段階は、関心対象の標的を本発明のDBDppライブラリーまたはDBDppライブラリー(複数のDBDppを含む)の混合物と接触させる段階および続いて、タンパク質と接触されているDBDppライブラリーまたはDBDppライブラリーの混合物から、関心対象の標的に対して検出可能な結合親和性を有する1つまたは複数のDBDppを特定する段階を反復遂行することにより、関心対象の標的に対して検出可能な結合親和性を有するDBDppについてDBDppライブラリーまたはDBDppライブラリーの混合物を(さらに)濃縮することを含む場合がある。検出可能なインビトロ活性を有するDBDppを、関心対象の標的と相互作用させることにより選択する段階は、(a)本発明のDBDppライブラリーまたはDBDppライブラリーの混合物を、関心対象のサイトカインまたは成長因子またはサイトカイン受容体または成長因子受容体と接触させる段階、および(b)DBDppライブラリーまたはDBDppライブラリーの混合物から、関心対象の標的に検出可能なインビトロ活性を有する1つまたは複数のDBDppを特定する段階を含む場合がある。
【0315】
本明細書の実施例に開示される例証的な態様では、DBDppをディスプレイさせ、関心対象の標的と特異的に結合する能力についてDBDppをスクリーニングするために、ファージディスプレイ方法が使用される。
【0316】
DBDドメインをファージ表面にディスプレイさせ、選択できることが本明細書において実証される。SEQ ID NO:1のスキャフォールドに基づき、本明細書の実施例に記載されたDBDppの異なるライブラリーを調製し、ファージディスプレイ方法に供して、CD137、CD47、CTLA4、DR5、KIR、PD-L1、PD1およびTIM3を含めた関心対象の異なる標的に特異的に結合するDBDppを生産できることが実証された。
【0317】
細胞ディスプレイ
一部の態様では、ライブラリースクリーニング技法には、細胞表面ディスプレイ系が含まれる。細胞表面ディスプレイ系は、グラム+細胞などの原核細胞、または酵母細胞などの真核細胞を含む場合がある。多数の細胞表面ディスプレイ系が当技術分野において公知であり、DBDppライブラリーをスクリーニングするために日常的に適応させることができる。原核生物系は、例えば、Francisco et al., PNAS 90:10444-10448 (1993)およびLee et al., Trends Biotechnol 21:45-52 (2003)に記載されている。真核生物系は、例えば、Boder et al., Nat. Biotechnol. 15:553-557 (1997)およびGai et al., Curr. Opin. Struct. Biol. 17:467-473 (2007)に記載されている。ペプチドグリカン関連リポタンパク質(PAL)融合体などの「大腸菌ディスプレイ」方法も本明細書に包含される。例えば、DBDppペプチドをlacリプレッサーのカルボキシル末端に融合して大腸菌に発現させることができる。
【0318】
当技術分野において公知の細菌ディスプレイ技法および酵母ディスプレイ技法は、それぞれa-アグルチニン酵母接着受容体または細菌外膜タンパク質(OMP)との融合体としての、酵母細胞である出芽酵母(S. cerevisiae)(Boder, Nat. Biotechnol. 15:553-557 (1997)または細菌(大腸菌、スタフィロコッカス カルノーサス(Staphylococcus carnosus))(Daugherty., 1998, Wernerus, Appl. Environ. Microbiol. 69(9):5328-5335 (2003))の表面での組換えタンパク質の発現を可能にする。
【0319】
一部の態様では、発現された融合タンパク質は、フローサイトメトリーによるライブラリーの表面発現の定量を可能にするペプチドタグも含む。抗タグ標識は、リガンドの間接的蛍光標識と組み合わせて、FACS(蛍光標示式細胞分取)による細胞分取および相互作用の結合親和性の決定を可能にする(Feldhaus et al., Nat. Biotechnol. 21:163-70 (2003); Wernerus et al. Appl. Environ. Microbiol. 69(9):5328-35 (2003))。
【0320】
インビトロ ディスプレイ
インビトロ(セルフリーまたは無細胞としても公知)ディスプレイ方法も、関心対象の標的と結合するDBDppを選択、単離および特定するために採用される場合がある。一例では、リボソームの放出前にランダムなRNAの翻訳が停止し、それらの関連するRNAがまだ結合しているポリペプチドのライブラリーが生じる。この方法および関係する方法は、まとめて「リボソームディスプレイ」と呼ばれる。他の公知の方法は、RNAへのペプチドの化学的連結を採用する。例えば、Roberts et al., PNAS 94:12297-303 (1997)を参照されたい。この方法および関係する方法は、まとめて「RNA-ペプチドスクリーニング、RNAディスプレイおよびmRNAディスプレイ」と呼ばれる。あるいは、インビトロディスプレイ方法は、発現されたポリペプチドがカップリングされる遺伝的構成要素としてDNAを採用する場合がある。シス-ディスプレイとして公知の方法は、タンパク質-DNA複合体のライブラリーからペプチドのインビトロ選択をもたらし、その内容がその全体で参照により本明細書に組み入れられるUS7842476B2に記載されている。ペプチドがポリエチレンロッドまたは溶媒透過性樹脂などの安定な非生物学的材料に固定化される、化学的に得られたペプチドライブラリーが開発されている。別の化学的に得られたペプチドライブラリーは、ガラススライド上に固定化されたペプチドをスキャンするためにフォトリソグラフィーを用いる。これらの方法および関係する方法は、まとめて「化学的ペプチドスクリーニング」と呼ばれる。化学的ペプチドスクリーニングは、D-アミノ酸および他の非天然類似体、ならびに非ペプチド性エレメントの使用が可能な点で有利な場合がある。生物学的方法および化学的方法の両方は、Wells, Curr. Opin. Biotechnol. 3:355-362 (1992)に総説されている。
【0321】
DBDppの選択
バイオパニングは、選択された標的に対して親和性を有する分子について、異なる分子の初期集団(DBDppライブラリーなど)を濃縮するための、公知の反復的選択およびスクリーニング方法である。標的に対して親和性を有するライブラリーのメンバーが結合させられる。非特異的または弱く結合したメンバーが支持体から洗浄される。次に、結合したライブラリーのメンバーが支持体から(例えば、溶出により)回収される。回収されたライブラリーのメンバーがさらなる分析(例えば、スクリーニング)のために収集される、または追加的な選択ラウンドのためにプールされる。
【0322】
一態様では、標的は、ファージライブラリーと共にインキュベーション後に固体支持体上に捕捉される。標的の固定化は、当技術分野において公知の多数の異なる方法により行うことができる。固体支持体の例は、マイクロタイタープレートもしくはチューブ(例えば、Maxisorpプレート、Maxisorpチューブ、Nunc)または磁気ビーズ(Dynabead(登録商標), Invitrogen)である。標的は、プラスチックまたはビーズ(表面活性化Dynabeads、例えばDynabeads M270 Epoxy, Invitrogen)に直接または標的がビオチン化されている場合はストレプトアビジンを介して(例えばDynabeads MyOne Streptavidin T1, Invitrogen)被覆することができる。
【0323】
加えて、標的は、標的または標的関連ペプチドタグに対する抗体またはプロテインAなどの中間的親和性分子を介してビーズに非共有結合的に結合される場合がある。Hisタグなどのペプチドタグまたはその代わりに標的に対する抗体を使用して支持体上の標的を捕捉することもできる。これらの代替的なペプチドタグは、Dynabeads(Dynabeads His-tag isolation and pull down, Invitrogen)およびプロテインAまたはプロテインGカップリング型Dynabeads(Dynabeads-Protein A/G, Invitrogen)にも適合している。磁気ビーズ上に標的を固定化するために、それぞれの特異的なビーズの種類については製造業者の推奨に従う。
【0324】
次に、捕捉する段階は、被覆された磁気ビーズに標的をトラップすることにより、標的に結合したファージを間接的に捕捉する段階からなる場合がある。標的-ファージ相互作用は、溶液中で行われる。非結合性ファージを洗浄除去できるように、標的を固体支持体上に固定化する必要がある。可溶性バイオパニング法での標的の固定化は、直接的バイオパニングプロトコールでの固定化可能性と同一である。
【0325】
古典的なバイオパニングプロトコールは、標的およびライブラリーの種類に応じて2、3〜5またはそれを超える選択ラウンドからなる。各選択ラウンドは、典型的には異なる段階、すなわち(1)選択された標的を支持体に固定化する段階[バイオパニングは、標的が固定化されず溶液状態を保つ(可溶性標的の場合)または細胞にアンカーされたままである(例えば、受容体などの膜アンカー型標的の場合)形式でも行うことができるので、この段階は任意である]、(2)ライブラリーを標的と共にインキュベーションする段階、(3)非特異的結合物質を除去するための洗浄段階、(4)任意で、結合物質を溶出する段階、および(5)段階(4)または段階(3)(連続スクリーニングラウンドで段階(4)が省略された場合)から溶出された結合物質を増幅させる段階からなる。最初のライブラリーから標的特異的結合物質を単離するために段階1〜5が、2、3、4またはそれを超える回数繰り返される。バイオパニングの後に、異なる選択ラウンドから単離された結合物質の標的特異性が、典型的にはELISAアッセイまたは類似のアッセイで分析される。
【0326】
一態様では、関心対象の標的と特異的に結合するDBDppについてのスクリーニング方法は、(a)関心対象の標的を複数のDBDppと接触させる段階;および(b)関心対象の標的と特異的に結合するDBDppを特定する段階を含む。関心対象の標的を複数のDBDppと接触させる段階は、当技術分野において公知の任意の方法で及ぼされる場合がある。例えば、一態様では、関心対象の標的は、固体支持体上に固定化され、複数のDBDpp分子を含む溶液が、固定化された関心対象の標的と接触される。そのような手順は、アフィニティーマトリックスが固定化された関心対象の標的から構成される、アフィニティークロマトグラフィープロセスに類似している。次に、関心対象の標的に対して選択的親和性を有するDBDppを、親和性選択などの当技術分野において公知の技法を用いて精製することができる。固体支持体の組成、関心対象の標的を固体支持体に結合させるプロセス、ならびに関心対象の標的に対して選択的親和性を有するDBDppをスクリーニングおよび単離する試薬、条件および方法は主として従来的であり、当業者に公知である。ある特定の状況では、選択的親和性相互作用の存在を決定または検出しようと試みる前に、関心対象の標的の混合物および/または関心対象の標的に結合した1つもしくは複数のDBDppから任意の未結合のDBDppを洗浄除去することが望ましい場合がある。そのような洗浄段階は、関心対象の標的が固体支持体に結合している場合に特に望ましい場合がある。
【0327】
本明細書記載の方法の選択段階を、選択方法として一般に公知の方法またはスクリーニング方法として一般に公知の方法により行うことができることが理解される。両方法は、望ましい構成要素および望ましくない構成要素の両方を含む本来の集団(例えば、DBDppライブラリー)から望ましい構成要素(例えば、DBDppライブラリーのメンバー)を特定し、続いて単離すること(例えば、選択段階)を構想している。選択方法の場合、ライブラリーのメンバーは、典型的には、所望の目標に到達するために所望の特性が適用される段階により単離され;そのような場合、所望の特性は、通常、関心対象の所与の標的に対する高い親和性という特性に限定される。そのような方法は、一般的に親和性選択方法として公知であり、そのような親和性選択方法は、関心対象の標的に対して高い親和性を有するDBDppを選択する目的でDBDppライブラリーに適用される。追加的な態様では、ライブラリーは、適切な選択条件(例えば短いインキュベーション時間または長い洗浄サイクルまたは当業者に公知のライブラリー選択技法のような他の条件)を調整することによって、所与の関心対象の標的への結合についての高い結合速度または標的に結合したライブラリーのメンバーについての低い解離速度などの、所望の動態特性を有するDBDppについてスクリーニングされる。あるいは、スクリーニング方法の場合、典型的には、全てのライブラリーのメンバーまたはライブラリーのメンバーの少なくとも実質的な集合が、所与の所望の特性に関して個別に調査され、そのような所望の特性を有するメンバーが保持され、一方でそのような所望の特性を有さないメンバーが捨てられる段階により、ライブラリーのメンバーは単離され、そのような場合および本明細書に提供される状況では、所望の特性は、関心対象の標的に対する高い親和性または関心対象の標的の活性の阻害、減少および/もしくは抑制などの機能的活性のいずれかに関係する場合がある。したがって、方法の選択段階は、(親和性)選択技法または親和性に基づくもしくは活性に基づく機能的スクリーニング技法のいずれか(両技法は、DBDppのうち選択されなかったDBDppと比べて有益な(好都合な、望ましい、優れた)親和性または活性特性を有する1つまたは複数のDBDppの選択をもたらす)により達成され得ることが提起されている。
【0328】
DBDppのスクリーニング
選択後、特定されたライブラリーのメンバーを個別に単離してスクリーニングすることができる。
【0329】
スクリーニングは、ライブラリーのメンバーを個別に(またはプールとして)分析することを特徴とし、一方で選択は、プロセスの間に他のメンバーから分離された(例えば、保持、溶出、または洗浄除去された)ライブラリーのメンバーを分析することを特徴とする点で、スクリーニングは選択と異なる。一態様では、ライブラリーのメンバーの集合は、選択段階に供されることなく直接スクリーニングされる。このアプローチは、例えば、公知の親和性成熟プロトコールの間に用いることができ、日常的に適用することができる。
【0330】
DBDppが関心対象の標的と特異的に結合する能力を、本明細書記載またはさもなければ当技術分野において公知のアッセイおよび他の方法を使用してまたは日常的に改変して決定することができる。例えば、DBDpp-標的相互作用を、下記の実施例に記載のように、またはその代わりにウエスタンブロット、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、蛍光イムノアッセイ、プロテインAイムノアッセイ、免疫組織化学(IHC)およびBIAcore分析などのインビトロまたはインビボ結合アッセイを用いてアッセイすることができる。同様に、DBDppが関心対象の標的と特異的に結合し、標的の生物学的活性を変更する能力を、本明細書記載またはさもなければ当技術分野において公知のアッセイおよび他の方法を用いて、またはそれを日常的に改変して決定することができる。DBDppがその標的に機能的に影響する能力を評価するアッセイ(例えば、シグナル伝達、増殖、遊走などを測定するためのアッセイ)を使用して、DBDpp-標的相互作用を間接的に判定することもできる。追加的に、特定の経路または活性を測定するアッセイでDBDppをその効果に基づき特定することができる。例えば、シグナル伝達経路(例えば、リン酸化の研究または多量体化)、イオンチャンネル流動、細胞内cAMPレベル、細胞活性、例えば遊走、接着、増殖、またはアポトーシス、およびウイルスの侵入、複製、出芽、または組み入れを測定するアッセイを用いて、DBDppの所望の特性を特定、特徴付け、および改善することができる。DBDppが別のDBDpp含有配列を競合的に阻害する能力を、ELISAおよびBIAcore分析を含めた当技術分野において公知の技法を用いて決定することができる。
【0331】
DBDppの特定
DBDppのライブラリー中に含まれるDBDpp候補が適切な細胞またはファージまたは粒子上にディスプレイされる場合、核酸コード配列を単離して日常的に決定することができる。細胞またはファージまたは粒子からそのDBDpp配列をコードするヌクレオチド配列を単離することが可能である。このようにして、選択されたDBDppライブラリーのメンバーのヌクレオチド配列を日常的な配列決定方法により決定することができる。
【0332】
標的に特異的なDBDppライブラリーのメンバーを核酸配列決定により特徴付けることができる。メンバーを分類するためおよび重複したメンバー(すなわちその同じDBDppをコードするメンバー)を除去するために配列情報が使用される。いくつかの態様によるDBDppライブラリーおよびライブラリーのメンバー(エピトープタグが付加されている一部のメンバーを含む)には、非限定的に、下の表1に特定されたメンバーが含まれる。追加的に、SEQ ID NO:2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11のいずれかに対応するDBDppが含まれ、その際、Xn位のうち1つまたは複数は天然または非天然アミノ酸により置換されている。一部の態様では、SEQ ID NO:2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11のいずれかに対応するDBDppは、Xn位に置換されたシステインおよび/またはプロリン残基を含まない。
【0333】
(表1)- DBDppライブラリーおよびライブラリーのメンバーの非限定的な例
【0334】
一部の態様では、本発明は、表1に特定された配列のうち1つまたは複数を含む。他の態様では、本発明は、表1に特定される配列と60〜70%、70〜75%、75〜80%、80〜85%、85〜90%、95〜99%の相同性(およびその中の重複する範囲)を有する配列のうち1つまたは複数を含む。いくつかの態様では、そのような相同性を有する配列は、表1に特定されるそれぞれの配列と比較して機能的に類似または同一である。いくつかの態様では、本発明は、そのそれぞれの標的について表1における配列のうち1つまたは複数と(完全にまたは部分的に)競合する1つまたは複数のポリペプチドを含む。いくつかの態様では、競合は、標準的な競合アッセイにより判定することができる。一部の態様では、競合は、競合しているポリペプチドが表1のポリペプチドと同じ特異的標的について競合する必要はなく、それどころか、それらは立体阻害性エピトープ、重複するエピトープなどと結合することにより競合することができる。
【0335】
DBDppの親和性成熟
親和性成熟戦略を用いて、本明細書記載のDBDpp融合タンパク質に使用することができる高親和性DBDppを産生させることができる。
【0336】
変異誘発ライブラリーを創出およびスクリーニングして、最良の結合物質の配列がさらに最適化される場合がある。Lowman, Ann. Rev. Biophys. Biomol. Struct. 26: 401-24 (1997)。
【0337】
所望の標的と特異的に結合する改良されたDBDppも、公知のDBDpp配列に基づき調製することができる。例えば、少なくとも1、2、3、4、5個、またはそれを超えるアミノ酸の変異(例えば、保存的または非保存的置換)、欠失または挿入を公知のDBDpp配列に導入することができ、結果として生じるDBDppを、標的の生物学的活性と拮抗するまたは標的の生物学的活性を作動する能力などの、所望の標的への結合および生物学的活性についてスクリーニングすることができる。
【0338】
製品
キットを含めた製品が本明細書において提供される。製品は、容器および容器上または容器付属のラベルまたは添付文書を含む場合がある。適切な容器には、例えば、ボトル、バイアルまたはシリンジが含まれる。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの多様な材料から形成されている場合がある。容器は、1つまたは複数のDBDpp、DBDppをコードする核酸および/または本開示のベクターもしくは宿主細胞を収容する。ラベルまたは添付文書は、親和性に基づくスクリーニング、検出、および/または精製を行うための説明書を含む場合がある。
【0339】
DBDppを含むキットも提供される。そのようなキットは、非限定的に、DBDppが特異的に結合する、関心対象の標的を検出または単離することを含めた用途を有する。そのようなアッセイキットは、関心対象の標的の存在についてスクリーニングするためおよび/または生物学的液体(例えば、血液、血清、または滑液)などの液体中の関心対象の標的の濃度の定量に有用であり得る。
【0340】
一態様では、関心対象の標的と特異的に結合するDBDppの1つまたは複数の容器と、任意で標的/DBDpp相互作用の存在もしくは不在またはその不在を決定するための検出手段とを含むDBDppアッセイキットが考えられている。キットは、さらに、例えば対照または標準として使用され得る関心対象の標的タンパク質を任意で含む。DBDppは、遊離であるまたは宿主細胞の表面もしくはバクテリオファージの表面に発現される場合がある。特定の態様では、キット中に提供されるDBDppまたは関心対象の標的は標識されている。当技術分野において公知の任意の標識を使用することができる。一部の態様では、標識は、ビオチン、蛍光発生基質、酵素、エピトープ、色素原、または放射性核種からなる群より選択される。一部の態様では、DBDppは固体支持体上に固定化される。標識を検出するために採用される検出手段は、標識の性質に依存し、当技術分野において公知の任意のもの、例えば、放射性核種を検出するためのフィルム;関心対象の標的の存在を検出するために検出可能なシグナルを発生または増幅する酵素基質であることができる。
【0341】
好ましくは、キットは、DBDpp用の固体支持体をさらに含み、固体支持体は、異なるエレメントとして提供される場合があり、または固体支持体上に関心対象の標的と特異的に結合するDBDppが固定化されている。よって、キット中の関心対象の標的と特異的に結合するDBDppは、固体支持体上に固定化されている場合があり、またはそれらはキットと共に含まれるもしくはキットとは別に提供される、そのような支持体上に固定化される場合がある。好ましくは、DBDppはマイクロタイタープレート上に被覆される。一部の態様では、検出はシグナル増幅分子を伴う。シグナル増幅分子が酵素の場合、キットは、任意で、酵素により必要とされる基質および補因子をさらに含み、増幅分子がフルオロフォアの場合、キットは、任意で、検出可能な発色団を提供する色素前駆体をさらに含む。
【0342】
キットは、アッセイを実施するための説明書ならびに安定化剤、洗浄およびインキュベーション緩衝液などの他の添加剤も含む場合がある。キットの構成要素は、予め決定された比で提供され、様々な試薬の相対量は、アッセイの感度および/または関心対象の標的を精製する能力を実質的に最大化する試薬の溶液中濃度を与えるように適切に変えられる。特に、通常は凍結乾燥された、賦形剤を含む乾燥粉末として試薬を提供することができ、その乾燥粉末は、溶解すると、被験試料と混合するために適した濃度を有する試薬溶液を与える。
【0343】
使用することができる結合アッセイのための様々な形式および技法は、当技術分野において公知であり、それらには、非限定的に、ナイロンまたはニトロセルロースなどのフィルターへの固定化;二次元アレイ、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、競合結合アッセイ、直接および間接サンドイッチアッセイ、免疫沈降アッセイ、蛍光測定微小体積アッセイ技法(FMAT(商標))、Luminex(商標)システムアッセイ、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)、生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)、電気イムノアッセイ、AlphaScreen(商標)、ナノ粒子由来技法、および表面プラズモン共鳴(SPR)が含まれる。
【0344】
結合アッセイは、均一または半均一であることができる。均一アッセイは、全ての構成要素が一緒に混合され、インキュベートされ、次に分析されるアッセイである。各構成要素が添加されてから、次の構成要素が添加される前に洗浄される典型的な段階式アセンブリサンドイッチアッセイとは対照的に、半均一アッセイは、大部分の反応が複合混合物として行われるが、最終の試薬の添加および分析の前に洗浄段階が必要なアッセイである。一部の態様では、アッセイはイムノアッセイである。ある特定の態様では、アッセイは半均一酵素イムノアッセイ(EIA)である。
【0345】
適用
単独であろうと、融合タンパク質として、化学的結合体としてまたは本明細書記載の他の態様としてであろうと、DBDppは多様な適用を有する。一部の態様では、DBDppは、検出試薬、捕捉試薬、分離試薬、診断試薬または分析試薬として使用される。いくつかの態様は、インビボ、インビトロおよび/またはエクスビボの適用を有する。DBDppをインビトロで採用する方法は、マイクロタイタープレート、タンパク質アレイ、バイオセンサ表面、組織切片、および当業者に明白な追加的な形式などの異なる形式で行うことができる。同様に、DBDppをインビボで採用する方法を、非限定的にDBDpp-Fc融合タンパク質、CAR細胞、およびDBDpp多重特異性抗体が含まれる異なる形式で用いることができる。特別な態様では、DBDpp融合タンパク質などのDBDppが治療物質として使用される。
【0346】
分析適用および診断適用
単独であろうと、融合タンパク質として、化学的結合体として、または本明細書記載の他の態様としてであろうと、DBDppは多様な適用を有する。一部の態様では、DBDppは、多様な異なる試料の種類からの関心対象の標的の検出試薬として使用される。
【0347】
一態様では、DBDppは、タンパク質の発現および精製などの製造プロセスに関与する溶液中の関心対象の標的を検出するために使用される。試料には、非限定的に、水、緩衝液、処理中の精製試料、原薬バルクおよび最終薬物製品が含まれる場合がある。なお追加的な態様では、水供給源または製造に使用される水(もしくは他の液体)などの試料から不純物または混入物を検出および/または除去するためにDBDppを使用することができる。
【0348】
別の態様では、DBDppは、診断試料中の関心対象の標的を検出するために使用される。試料には、非限定的に、組織ホモジネート、細胞抽出物、生検試料、血清、血漿、リンパ液、血液、血液分画、尿、滑液、髄液、唾液、粘液、痰、胸水、乳頭吸引液、呼吸器、腸管、および尿生殖器の液体、涙液、母乳、リンパ系からの液体、精液、脳脊髄液、臓器内系の液、腹水、腫瘍嚢胞液、羊水、および培養細胞からの培地または溶解液が含まれる場合がある。
【0349】
一態様では、DBDppは、生物学的試料中の1つまたは複数の要因(例えば、抗原または生物)の存在を検出するために有用である。本明細書において使用される用語「検出する」は、定量的または定性的検出を包含する。ある特定の態様では、生物学的試料は、細胞、組織または液体を含む。ある特定の態様では、そのような組織には正常組織および/またはがん性組織が含まれる。
【0350】
検出のための様々な形式および技法は、当技術分野において公知であり、それらには、非限定的に、ウエスタンブロット分析、免疫組織化学、ELISA、FACS分析、酵素アッセイ、オートラジオグラフィーおよび本明細書において言及される結合アッセイのうちいずれかが含まれる。
【0351】
一態様では、(a)標的へのDBDppの特異的結合に適した条件で、関心対象の標的と特異的に結合するDBDppと溶液を接触させる段階、および(b)DBDppと標的との結合を検出する段階を含む、標的を含む溶液中から関心対象の標的を検出するための方法が提供される。DBDppは遊離であるまたは固定化されている場合がある。関心対象の標的とDBDppとの間の結合を可能にするために十分な時間が見込まれ、溶液または混合物中の非結合性構成要素が除去または洗浄除去される。次に、例えば、結合複合体の一構成要素であるDBDpp上の標識からのシグナルを検出することにより、DBDppと関心対象の標的との間の結合複合体の形成を検出することができる。標識は、検出可能なシグナルを発生させるための蛍光標識、放射性化合物、または基質と反応する酵素などの、標準方法により検出することができるシグナルを発生する任意の標識であることができる。そのような目的に適した標識の例は、本明細書に記載されており、かつ/またはさもなければ当技術分野において公知である。
【0352】
関心対象の標的に結合するDBDppは、放射性同位体、親和性標識(ビオチン、アビジンなど)、酵素標識(ホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼなど)の使用により、国際公開公報第00/70023号および(Harlow and Lane (1989) Antibodies, Cold Spring Harbor Laboratory, pp. 1-726)に記載されたような当技術分野において公知の方法を用いて検出可能に標識することができる。
【0353】
検出可能なマーカーまたは標識は、放射性、色素原、発光、または蛍光シグナルなどの測定可能なシグナルを直接的または間接的のいずれかで生成する能力がある任意のものであることができ、それを使用して、試料中の結合した検出可能な部分または標識の量を定量することができる。当技術分野において公知の検出可能な標識には、3H、14C、32P、35S、または125Iなどの放射性同位体、電気化学発光標識(基質と併用したルテニウム(Ru)ベースの触媒など)、発光または生物発光標識(例えば、ユーロピウム、バナジウム)、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、もしくはルシフェリンなどの蛍光もしくは化学発光化合物、酵素(例えば、アルカリホスファターゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ、もしくはホースラディッシュペルオキシダーゼなどの酵素)、コロイド金、色ガラスもしくはプラスチックビーズ(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックス等)などの比色標識、常磁性原子もしくは磁性薬剤、高電子密度試薬、蛍光色素を含むナノビーズもしくはマイクロビーズ、ナノ結晶、量子ドット、量子ビーズ、ナノタグ、蛍光標識を有するデンドリマー、マイクロトランスポンダー、電子ドナー分子もしくは分子構造、または光反射粒子が含まれ、マイクロ粒子はナノ結晶または量子ドットの場合がある。ナノ結晶は、光子を吸収し、次に異なる波長の光子を再放射する物質(フルオロフォア)である。加えて、追加的な蛍光標識または二次抗体がナノ結晶に結合体化される場合がある。ナノ結晶は、InvitrogenおよびEvident Technologies(Troy, N.Y.)などの入手源から市販されている。他の標識には、紫外線(UV)照射を受けたときに強い蛍光シグナルを示す生成物3ベータ-D-リボフラノシル-2,7-ジオキソピリド[2,3-d]ピリミジンをもたらす非蛍光分子であるE)-5-[2-(メトキシカルボニル)エテニル]シチジンが含まれる。
【0354】
競合阻害は、当技術分野において公知の任意の方法、例えば競合ELISAアッセイにより決定することができる。DBDpp融合タンパク質(例えば、DBDpp-Fc、DBDpp-CAR、DBDpp-scFv)などのDBDppまたは他の分子は、所与のエピトープへの参照分子の結合をある程度遮断する程度にそのエピトープに結合するならば、そのエピトープへの参照分子の結合を「競合的に阻害する」と言われる。本明細書において使用されるDBDpp(例えば、DBDpp融合タンパク質)または他の分子は、所与のエピトープへの参照分子の結合を、例えば少なくとも90%、少なくとも80%、少なくとも70%、少なくとも60%、少なくとも50%、少なくとも40%、少なくとも30%、または少なくとも20%競合的に阻害すると言うことができる。用語「競合する」、「競合する能力」および「と競合する」は、非限定的に、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素イムノアッセイ(EIA)、好ましくは酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫放射定量アッセイ、蛍光イムノアッセイ、発光、電気化学発光、および免疫電気泳動アッセイなどの技法を用いた競合アッセイ系を含めた、本明細書記載のまたはさもなければ当技術分野において公知の標準的な競合アッセイで決定されるような、DBDpp融合タンパク質などのDBDpp(例えば、DBDpp-Fc、DBDpp CAR、DBDpp-scFv、およびDBDppを含む抗体)による標的への参照分子の結合の少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%の阻害を生成するDBDpp融合タンパク質などのDBDppを記載するために使用される相対的な用語である。候補結合分子の結合性および親和性を決定するための方法は、当技術分野において公知であり、それらには、非限定的に、アフィニティークロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、平衡透析法、蛍光プローブ置換(fluorescent probe displacement)、およびプラズマ共鳴が含まれる。
【0355】
アフィニティー精製
アフィニティークロマトグラフィーに基づく精製において、標的タンパク質は、それが典型的にはクロマトグラフィーマトリックスに共有結合的にカップリングしているリガンドに特異的で可逆的に結合する能力により選択的に単離される。一態様では、組換え起源または生物学的試料(例えば、血清)などの天然起源のいずれかの、関心対象の標的のアフィニティー精製のための試薬としてDBDppを使用することができる。
【0356】
別の態様では、関心対象の標的を含有する溶液から関心対象の標的を単離するための方法が提供される。そのような方法は、(a)関心対象の標的へのDBDppの結合を可能にする条件で溶液をDBDppと接触させる段階;および(b)関心対象の標的を回収する段階を含む。別の態様では、関心対象の標的を含有する溶液から関心対象の標的を単離するための方法であって、(a)標的へのDBDppの特異的結合に適した条件で溶液をDBDppと接触させる段階;ならびに(b)関心対象の標的および/またはDBDppにより形成された複合体を溶液の他の構成要素から分離する段階を含む方法が提供される。さらなる態様では、方法は、(c)関心対象の標的からDBDppを解離させる段階、および(d)解離した関心対象の標的を回収する段階をさらに含む。
【0357】
一部の態様では、関心対象の標的と特異的に結合するDBDppは、ビーズに固定化され、次に標的タンパク質をアフィニティー精製するために使用される。
【0358】
表面にタンパク質を共有結合的にカップリングさせる方法は、当業者により公知であり、固体表面にDBDppを結合させるために使用することができるペプチドタグは、当業者に公知である。さらに、当技術分野において公知の任意の試薬または技法を用いて、DBDppを固体表面に結合(すなわち、カップリング、連結、または接着)させることができる。一部の態様では、固体支持体は、ビーズ、ガラス、スライド、チップおよびゼラチンより選択される。このように、一連のDBDppを使用して、当技術分野において公知の技法を用いて固体表面にアレイを製造することができる。例えば、米国特許出願公開第2004/0009530号は、アレイを調製するための方法を開示している。米国特許出願公開第2004/0009530号の内容は、その全体で参照により本明細書に組み入れられる。
【0359】
別の態様では、DBDppは、関心対象の標的をアフィニティークロマトグラフィーにより単離するために使用される。クロマトグラフィーの任意の従来方法が採用され得る。一部の態様では、DBDppは、固体支持体上に固定化される。本明細書記載のまたはさもなければ当技術分野において公知の技法および試薬を用いて固体支持体上にDBDppを固定化することができる。適切な固体支持体は、本明細書に記載されている、またはさもなければ当技術分野において公知であり、特定の態様では、クロマトグラフィーカラムに充填するために適している。次に、DBDppと関心対象の標的との複合体を形成させるために好都合な条件で、固定化されたDBDppに溶液を負荷または接触させることができる。非結合性材料を洗浄除去することができる。適切な洗浄条件を当業者が容易に決定することができる。適切な洗浄条件の例には、非限定的にPBS/0.01% Tween 20、pH7.2および1M NaCl/10mM Tris、pH7.5が含まれる。リン酸塩は50%エチレングリコール中で沈殿する可能性があるので、トリス洗浄緩衝液が好ましい場合がある。一般に、非限定的な用語である洗浄緩衝液は、任意で0.0〜1.5M NaCl、より好ましくは 1M NaClを含有するpH7.0である。追加的に、洗浄緩衝液は、任意でTween 20、Tween 80、またはNP-80などの中性洗剤を含有する場合がある。関心対象の標的は、結合複合体の解離に有利に働く溶液条件を導入することによりDBDpp結合複合体から溶出させることができる。当業者は適切な溶出溶液を容易に決定することができ、それらには、非限定的に50%エチレングリコール/10mM NaOAcが含まれる。非限定的な例として、有用な溶出緩衝液は、40〜60%エチレングリコール、好ましくは50%エチレングリコール;および50〜100mM NaOAcをpH4〜7の範囲、より好ましくはpH4〜6、そして最も好ましくはpH4.5〜5.5の範囲のpHで含有する。好ましくは、関心対象の標的にDBDppを結合させるためにfast flowアフィニティークロマトグラフィー技法が使用され、そこから精製された関心対象の標的が溶出される。
【0360】
あるいは、関心対象の標的を含有する溶液とDBDppとを混合し、次に関心対象の標的とDBDppとの複合体を単離することによってクロマトグラフィーを実施することができる。この種の分離について、多くの方法が公知であり、日常的に適用することができる。例えば、DBDppがビーズなどの固体支持体上に固定化され、次に濾過により関心対象の標的と共に溶液から分離される場合がある。別の例では、DBDppは、ポリ-HIS尾部またはストレプトアビジン結合領域などのペプチドタグを含む融合タンパク質の場合があり、複合体が形成した後にペプチドタグを用いて、固定化金属アフィニティークロマトグラフィー樹脂またはストレプトアビジン被覆基質を用いてDBDppを単離することができる。分離した後、関心対象の標的を溶出条件下でDBDppから放出させ、精製形態で回収することができる。
【0361】
治療薬
本明細書記載のDBDは、非限定的に、インビトロ、エクスビボ、またはインビボであり得る治療的処置方法を含めた多様な適用に有用である。
【0362】
治療実体としての適用は、DBDppの標的結合特異性の特質である。様々な分子組成物内へのDBDppの組み入れ、(例えば、DBD-抗体融合体、DBD-薬物結合体およびDBD-キメラ受容体)は、非限定的に可溶性組成物および細胞関連組成物が含まれる多様な治療適応症および様式への適用を与える。
【0363】
一態様では、DBDppは、代謝系、心血管系、筋骨格系、神経系、または骨格系の疾患または障害に関連する標的に結合する可溶性融合タンパク質(図5Cに模式的に示され、任意のエピトープタグ10および標的指向ドメイン20から構成される)である。他の態様では、DBDppは、酵母、真菌、ウイルスまたは細菌感染症または疾患に関連する標的に結合する可溶性融合タンパク質である。一部の態様では、DBDppは、免疫系の疾患または障害に関連する標的に結合する可溶性融合タンパク質である。
【0364】
本明細書記載の治療方法を実施するために有用な治療用組成物も提供される。一態様では、本明細書に提供される治療用組成物は、生理学的に耐容される担体を、活性成分としてその中に溶解または分散された本明細書記載のDBDpp融合体の少なくとも1種と一緒に含有する。別の態様では、本明細書に提供される治療用組成物は、生理学的に耐容される担体を、活性成分としてその中に溶解または分散された本明細書記載のDBDppの少なくとも1種と一緒に含有する。好ましい態様では、治療用組成物は、治療目的でヒト患者に投与された場合に免疫原性ではない。
【0365】
その中に溶解または分散された活性成分を含有する薬理学的組成物の調製は、当技術分野において十分に理解されている。典型的には、そのような組成物は、水性または非水性の液剤または懸濁剤のいずれかとしての無菌注射剤として調製される。しかし、使用前に液体中の液剤または懸濁剤とするために適した固体剤形も調製することができる。調製物を乳化することもできる。したがって、DBDpp含有組成物は、液剤、懸濁剤、錠剤、カプセル剤、徐放製剤もしくは散剤の剤形、または他の組成物剤形をとることができる。一部の態様では、DBDpp組成物(例えば、DBDpp融合タンパク質)は、インビボ分布を保証または最適化するために製剤化され、例えば、血液脳関門(BBB)は多数の高親水性化合物を排除するが、所望であれば、例えばリポソームの状態での製剤化により、BBBを通過する移動を増加させるように組成物が調製される。リポソームの製造方法については、例えば、米国特許第4,522,811号、第5,374,548号、および第5,399,331号を参照されたい。リポソームは、特定の細胞または器官に選択的に輸送される1つまたは複数の部分を含むことで、標的指向薬物送達を増強することができる(例えば、Ranade, Clin. Pharmacol. 29:685 (1989)を参照されたい)。
【0366】
DBDpp(例えばDBDpp融合タンパク質)を、薬学的に許容され、活性成分と適合性であり、本明細書記載の治療方法での使用に適した量の他の活性成分および/または賦形剤と混合することができる。適切な賦形剤は、例えば、水、食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールまたは同種のものおよびその組み合わせである。加えて、所望であれば、組成物は、活性成分の有効性を増強する湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤および同種のものなどの少量の補助物質を含有することができる。
【0367】
治療用DBDppは、その中に構成要素の薬学的に許容される塩を含むことができる。薬学的に許容される塩には、例えば、塩酸もしくはリン酸などの無機酸、または酢酸、酒石酸、マンデル酸および同種のもののような有機酸と形成される酸付加塩(ポリペプチドの遊離のアミノ基と形成される)が含まれる。遊離のカルボキシル基と形成される塩は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウムまたは水酸化第二鉄などの無機塩基、ならびにイソプロピルアミン、トリメチルアミン、2-エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインおよび同種のもののような有機塩基由来であることもできる。
【0368】
生理学的に耐容される担体は、当技術分野において公知である。液体担体の例は、活性成分および水の他に物質を含有しない、または生理pH値のリン酸ナトリウムなどの緩衝液、生理食塩水またはリン酸緩衝食塩水などのその両方を含有する無菌水溶液である。なおさらに、水性担体は、1つを超える緩衝塩、ならびに塩化ナトリウムおよび塩化カリウムなどの塩、デキストロース、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、および他の溶質を含有することができる。
【0369】
液体組成物は、水の他におよび水を除外して、液相を含有することもできる。そのような追加的な液相の例は、グリセリン、綿実油などの植物油、オレイン酸エチルなどの有機エステル、および水-油エマルションである。
【0370】
一態様では、治療用組成物は、DBDpp融合タンパク質を、典型的には治療用組成物の総重量あたりDBDpp融合タンパク質が少なくとも0.1重量パーセントの量で含有する。重量パーセントは、全組成物あたりのDBDpp融合体の重量比である。したがって、例えば0.1重量パーセントは、全組成物100グラムあたりDBDppが0.1グラムである。
【0371】
DBDpp融合タンパク質含有治療用組成物は、典型的には、組成物の体積あたり活性成分として約10マイクログラム(μg)/ミリリットル(ml)〜約100ミリグラム(mg)/mlのDBDpp融合タンパク質を含有し、より好ましくは約1mg/ml〜約10mg/ml(すなわち、約0.1〜1重量パーセント)を含有する。
【0372】
DBDpp(例えば、DBDpp融合タンパク質)の投与のための投薬範囲は、標的分子により媒介される疾患症状が回復する所望の効果を生成するために十分大きなものである。投薬量は、過粘稠度症候群、肺水腫、うっ血性心不全、および同種のものなどの有害副作用を引き起こすほど大きくあるべきでない。一般的に、投薬量は、患者における年齢、状態、性別および疾患の程度に応じて多様であり、当業者が決定することができる。万一任意の合併症が起きた場合、個別の医師が投薬量を調整することができる。
【0373】
DBDpp(例えば、DBDpp融合タンパク質)は、注射または時間をかけた緩徐注入により非経口的に投与することができる。典型的には標的分子は全身投与により体内にアクセスされ、したがって最も多くの場合に治療用組成物の静脈内投与により処置されることができるものの、標的化された組織が標的分子を含有する可能性がある場合、他の組織および送達手段が考えられる。したがって、DBDppを、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、腔内、経皮的に投与することができ、蠕動手段により送達することができる。DBDpp融合タンパク質を、エアロゾルにより気道および肺に送達することもできる。
【0374】
DBDppを含有する治療用組成物を、例えば単位用量の注射によるように、静脈内に従来的に投与することができる。本明細書において提供される治療用組成物に関連して使用される場合の用語「単位用量」は、対象についての単位投薬量として適切な物理的に別個の単位を表し、各単位は、必要とされる希釈剤、例えば担体またはビヒクルに関連して所望の治療効果を生成するように計算された活性物質を予め決定された量で含有する。特定の態様では、DBDppを含有する治療用組成物は皮下投与される。
【0375】
一部の態様では、DBDpp(例えば、DBDpp融合タンパク質)は、投薬製剤と適合する方法および治療有効量で投与される。投与される量は、処置される対象、対象の系が活性成分を利用する能力、および所望の治療効果の程度に依存する。投与に必要な活性成分の正確な量は、医師の判断に依存し、各個体に特有である。しかし、全身適用に適した投薬量の範囲は、本明細書に開示されており、投与経路に依存する。投与に適した方式も多様であるが、初回投与に続く、その後の注射または他の投与による1または数時間間隔の反復投与により代表される。あるいは、インビボ治療のために特定された範囲内に血中濃度を維持するために十分な連続静脈内注入が考えられる。
【0376】
DBDpp組成物は、優良な医療行為に一致する方法で製剤化、調剤(dose)、および投与される。これに関連して考慮すべき要因には、処置される特定の障害、処置される特定の哺乳動物、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与計画作成、および医師に公知の他の要因が含まれる。DBDppの投与のための投薬量範囲は、標的分子により媒介される疾患症状が回復する所望の効果を生成するために十分大きなものである。投薬量は、過粘稠度症候群、肺水腫、うっ血性心不全、および同種のものなどの有害副作用を引き起こすほど大きくあるべきでない。一般的に、投薬量は、患者における年齢、状態、性別および疾患の程度に応じて多様であり、当業者が決定することができる。万一任意の合併症が起きた場合、個別の医師が投薬量を調整することができる。
【0377】
投与計画ならびに治療的および予防的使用のために有効な量、すなわち「投与方式」は、疾患または障害の原因、ステージおよび重症度、処置される哺乳動物の健康、身体状況、年齢、ならびにDBDの送達部位および様式を含めた多様な要因に依存する。複合体および形成の治療効力および毒性を、細胞培養または実験動物での標準的な薬学的、薬理学的、および毒性学的手順により決定することができる。これらの手順から得られたデータを、同じく、ヒトでの使用のための投薬範囲を設定することに使用することができる。さらに、公知の手順を用いて、治療指数(すなわち、集団の50パーセントにおいて治療的に有効な用量を集団の50パーセントに対して致死的な用量で割った値(ED50/LD50))を容易に決定することができる。投薬量は、好ましくは、ほとんどまたは全く毒性なしにED50を含む濃度範囲内であり、採用される剤形、患者の感受性、および投与経路に応じてこの範囲内で変動する場合がある。
【0378】
用法は、薬物吸収速度、バイオアベイラビリティー、代謝およびクリアランスなどの当技術分野において公知の薬物動態パラメーターも考慮する(例えば、Hidalgo-Aragones, J. Steroid Biochem. Mol. Biol. 58:611-617 (1996); Groning et al., Pharmazie 51:337-341 (1996); Fotherby, Contraception 54:59-69 (1996);およびJohnson et al., J. Pharm. Sci. 84:1144-1146 (1995)を参照されたい)。処置されている各対象についての用法を決定することは、臨床家にとって十分に現状技術の範囲内である。さらに、対象により必要とされ耐容されるような投薬量および頻度に応じて、DBDpp組成物の単回または多回投与を施すことができる。予防的および治療的処置の持続期間は、処置されている特定の疾患または状態に応じて変動する。急性処置しやすい疾患もあれば、一方で長期の慢性処置を必要とする疾患もある。DBDppを、追加的な治療剤と連続的または同時に投与することができる。
【0379】
一部の態様では、DBDppは、約1mg/kg〜約50mg/kg、約1mg/kg〜約25mg/kg、約1mg/kg〜約20mg/kg、約1mg/kg〜約15mg/kg、約1mg/kg〜約10mg/kg、または約1mg/kg〜約5mg/kgで投与される。
【0380】
別の態様では、DBDppは、より多くの1つまたは複数の追加的な治療薬と組み合わせて投与される。
【0381】
DBDpp融合タンパク質などのDBDppの治療有効量は、生理学的に耐容される組成物の状態で投与される場合、約0.1マイクログラム(μg)/ミリリットル(ml)〜約100μg/ml、好ましくは約1μg/ml〜約5μg/ml、通常は約5μg/mlの血漿中濃度を達成するために十分な量であることができる。別の言い方をすると、投薬量は、1日1回または複数回の投与が1または数日間で約0.1mg/kgから約300mg/kg、好ましくは約0.2mg/kgから約200mg/kg、最も好ましくは約0.5mg/kgから約20mg/kgまで変動することができる。
【0382】
一態様では、疾患または障害は、炎症または自己免疫疾患などの免疫系の疾患または障害である。
【0383】
一部の態様では、DBDppは、代謝系、心血管系、筋骨格系、神経系、または骨格系の疾患または障害に関連する標的に特異的に結合する可溶性タンパク質である。
【0384】
他の態様では、DBDppは、酵母、真菌、ウイルスまたは細菌感染症または疾患に関連する標的に特異的に結合する可溶性タンパク質である。一部の態様では、DBDppは、免疫系の疾患または障害に関連する標的に特異的に結合する可溶性タンパク質である。
【0385】
一態様では、DBDpp融合タンパク質は、腫瘍の成長を阻害する、新血管新生を減少させる、血管新生を減少させる、分化を誘導する、腫瘍体積を減少させる、および/または腫瘍の腫瘍形成能を減少させるために有用である。
【0386】
一部の態様では、本明細書記載のDBDppは、がんを処置するために有用である。したがって、一部の態様では、本発明は、治療有効量のDBDpp(例えばDBDpp融合体)を患者に投与する段階を含む、がんを処置する方法を提供する。
【0387】
処置することができるがんには、血管新生していない、またはまだ実質的に血管新生していない腫瘍、および血管新生した腫瘍が含まれる。がんは、非固形腫瘍(血液系腫瘍、例えば、白血病およびリンパ腫など)を含むことができ、または固形腫瘍を含むことができる。DBDppを用いて処置されるがんの種類には、非限定的に、がん腫、芽腫、および肉腫、ならびにある特定の白血病またはリンパ性悪性疾患、良性および悪性腫瘍、ならびに悪性疾患、例えば、肉腫、がん腫、および黒色腫が含まれる。成体腫瘍/がんおよび小児腫瘍/がんも含まれる。
【0388】
肉腫およびがん腫などの固形腫瘍の例には、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、および他の肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸がん、リンパ性悪性疾患、膵臓がん、乳がん、肺がん、卵巣がん、前立腺がん、肝細胞がん、扁平上皮がん、基底細胞がん、腺がん、汗腺がん、甲状腺髄様がん、甲状腺乳頭がん、褐色細胞腫、脂腺がん、乳頭状がん、乳頭腺がん、髄様がん、気管支原性がん、腎細胞がん、肝がん、胆管がん、絨毛がん、ウィルムス腫瘍、子宮頸がん、精巣腫瘍、セミノーマ、膀胱がん、黒色腫およびCNS腫瘍(神経膠腫(脳幹部神経膠腫および混合性神経膠腫など)、膠芽腫(多形性膠芽腫としても公知)、星状細胞腫、CNSリンパ腫、胚細胞腫、髄芽腫、シュワン腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫、神経芽腫、網膜芽腫および脳転移など)が含まれる。
【0389】
別の態様では、本明細書記載のDBDppは、血液がんを有する患者を処置するために有用である。血液(または血液性)がんの例には、急性白血病(急性リンパ性白血病、急性骨髄球性白血病、急性骨髄性白血病および骨髄芽球、前骨髄球、骨髄単球、単球および赤白血病など)、慢性白血病(慢性骨髄球性(顆粒球性)白血病、慢性骨髄性白血病、および慢性リンパ性白血病など)を含めた白血病、真性多血症、リンパ腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(インドレントおよび高悪性度形態)、多発性骨髄腫、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症、重鎖病、骨髄異形成症候群、ヘアリー細胞白血病ならびに脊髄形成異常が含まれる。
【0390】
追加的な態様では、DBDpp融合タンパク質は、(1)関心対象の細胞または組織上の標的(例えば、腫瘍細胞上の腫瘍抗原)および(2)T細胞受容体分子などのエフェクター細胞上の標的と結合する。一態様によると、患者における関心対象の感染性因子、細胞、組織、または他の部位に対する免疫応答を指令するために、DBDpp融合タンパク質による1つまたは複数の標的の結合が使用される。例えば、一部の態様では、DBDppはエフェクター細胞表面の標的と特異的に結合する。したがって、一部の態様では、DBDppは、T細胞表面の標的と特異的に結合する。特定の態様では、DBDppは、CD3と特異的に結合する。他の態様では、DBDppは、CD2と特異的に結合する。さらなる態様では、DBDppは、T細胞受容体(TCR)と特異的に結合する。追加的な態様によると、DBDppは、ナチュラルキラー細胞表面の標的と特異的に結合する。したがって、一部の態様では、DBDppは、NKG2D(ナチュラルキラー群2D)受容体と特異的に結合する。追加的な態様では、DBDppは、CD16(すなわち、FcガンマRIII)、CD64(すなわち、FcガンマRI)、またはCD32(すなわち、FcガンマRII)と特異的に結合する。
【0391】
一態様では、DBDpp融合タンパク質は、白血球上の標的および腫瘍細胞上の腫瘍抗原と結合する。一部の態様では、DBDpp融合タンパク質はNKG2Dと結合する。さらなる態様では、DBDpp融合タンパク質は、NKG2DならびにErbB2、EGFR、IGF1R、CD19、CD20、CD80およびEPCAMより選択される標的と結合する。一態様では、DBDpp融合タンパク質はCD3と結合する。特別な態様では、DBDppはCD3イプシロンと特異的に結合する。一態様では、DBDpp融合タンパク質はCD4と結合する。
【0392】
一態様では、DBDpp融合体は二重特異性であり、2つの異なる細胞型の表面に発現される2つの異なる標的に特異的に結合する。一態様では、二重特異性DBDpp融合タンパク質は、がん細胞標的および免疫エフェクター細胞標的に特異的に結合する。一態様では、二重特異性DBDpp融合タンパク質は、がん細胞上に発現される標的(例えばCD19)およびTリンパ球表面に発現される標的(例えば、CD3)と特異的に結合する。
【0393】
一部の態様では、DBDppは、リガンドの結合を模倣することができる。ある特定の態様では、DBDppは、例えば競合結合を介してリガンドの生物学的活性を模倣する(アゴニストDBDpp)、またはリガンドの生物活性を阻害する(アンタゴニストDBDpp)ことができる。DBDpp融合タンパク質中のDBDppは、他の方法で、例えば、DBDpp標的を中和、遮断、安定化、凝集、または架橋することにより、標的に影響を及ぼすこともできる。
【0394】
DBDppの薬物結合体
さらなる態様では、化学的結合体化の使用により、DBDpp融合タンパク質が他の有機もしくは無機分子または基質に連結される場合がある。一態様では、DBDpp-薬物結合体は、DBDppの標的指向特異性により細胞傷害性剤の局所送達を促進することが意図される。標的指向特異性と細胞傷害性剤とのこの組み合わせは、これらの未結合体化型物質の全身投与が正常細胞および除去されようとする腫瘍細胞に許容されないレベルの毒性を招き得る場合に、腫瘍への薬物の標的指向送達およびその中での細胞内蓄積を可能にする(Baldwin et al., Lancet pages 603-05 (1986); Thorpe, "Antibody Carriers Of Cytotoxic agents In Cancer Therapy: A Review," in Monoclonal Antibodies '84: Biological And Clinical Applications, A. Pinchera et al., (ed.s), pp. 475-506) (1985))。
【0395】
細胞傷害性剤には、化学療法剤、成長阻害剤、毒素(例えば、細菌、真菌、植物、もしくは動物起源の酵素活性毒素、またはそのフラグメント)、放射性同位体(すなわち、放射性結合体)などが含まれる。そのような免疫結合体の産生に有用な化学療法剤には、例えば、メトトレキセート、アドリアマイシン、ドキソルビシン、メルファラン、マイトマイシンC、クロラムブシル、ダウノルビシンまたは他の挿入剤が含まれる。そのような免疫結合体の産生に有用な化学療法剤には、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)およびモノメチルアウリスタチンF(MMAF)を含めたアウリスタチンなどの抗チューブリン薬も含まれる。本発明により使用することができる酵素活性毒素およびそのフラグメントには、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合性活性フラグメント、エクソトキシンA鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデッシンA鎖、アルファ-サルシン、シナアブラギリ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチンタンパク質、ヨウシュヤマゴボウ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PAPII、およびPAP-S)、ニガウリ(momordica charantia)阻害剤、クルシン、クロチン、サボンソウ(sapaonaria officinalis)阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン(restrictocin)、フェノマイシン(phenomycin)、エノマイシン(enomycin)、およびトリコテセンが含まれる。
【0396】
一態様では、DBDpp(例えば、DBDpp融合タンパク質)は、放射性同位体と結合体化される。さらなる態様では、DBDppは、いくつかの公知のキレート剤のうち任意の1つまたは直接標識化を用いて90Y、125I、131I、123I、111In、105Rh、153Sm、67Cu、67Ga、166Ho、177Lu、186Reおよび188Reより選択される同位体と結合体化される。他の態様では、DBDppは、薬物、プロドラッグまたはインターフェロンなどのリンホカインにカップリングされる。DBDppと細胞毒との結合体は、N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオール(pyridyidithiol))プロピオネート(SPDP)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(アジプイミド酸ジメチルHCLなど)、活性エステル(ジスクシンイミジルスベレートなど)、アルデヒド(グルタルアルデヒドなど)、ビス-アジド化合物(ビス(p-アジドベンゾイル)ヘキサンジアミンなど)、ビス-ジアゾニウム誘導体(ビス-(p-ジアゾニウムベンゾイル)-エチレンジアミンなど)、ジイソシアネート(トルエン(tolyene)2,6-ジイソシアネートなど)、およびビス-活性フッ素化合物(1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼンなど)のような多様な二官能性タンパク質カップリング剤を用いて日常的に行うことができる。特定の態様では、毒素は、酵素-切断可能リンカー系(例えば、SGN-35に存在するものなど)を経由してDBDpp融合タンパク質と結合体化される。DBDppと、カリチアマイシン、マイタンシノイド、トリコテン(trichothene)、およびCC1065などの1つまたは複数の小型分子毒素、ならびに毒素活性を有するこれらの毒素の誘導体との結合体も使用することができる。
【0397】
一部の態様では、細胞傷害性剤は、リンカーによりDBDppに共有結合される。一部の態様では、DBDppと細胞傷害性剤とを結合しているリンカーは、プロテアーゼにより切断可能である。
【0398】
細胞関連受容体としての治療的用途
本発明の一態様では、形質導入されたT細胞をDBDpp-CARの結合特異性により規定される腫瘍標的に再方向付けするために、DBDpp-CARが使用される。一例では、DBD標的結合ドメインを膜貫通ドメインおよび細胞内ドメインCD3-ゼータ、CD28、4-1BBと組み合わせているCARをコードするレンチウイルスベクターがプライマリーT細胞に形質導入される。したがって、結果として生じた形質導入後のT細胞集団は、DBDpp-CARが媒介するT細胞応答を誘発する場合がある。一態様では、T細胞はDBDpp-CARを発現するように遺伝的に改変され、DBDpp-CAR T細胞がそれを必要とするレシピエントに注入される。注入された細胞は、レシピエントにおける腫瘍細胞を死滅させることができる。本発明のいくつかの態様は、以下の利点:(i)標的結合特異性、(ii)増強した治療効力、(iii)減少したオフターゲット副作用、(iv)特定の患者または患者集団のマーカーに関する個別化のしやすさ、(v)生産および処理の間の増強した安定性、ならびに(vi)1、2つ、またはそれを超える特異的標的を標的指向して標的に方向付けた治療を増強できることのうち1つ、数個または全てを含むので、特に有利である。
【0399】
本明細書に使用される「遺伝的に改変された細胞」、「再方向付けされた細胞」、「遺伝子操作された細胞」または「改変された細胞」は、本明細書において提供されるDBDppを発現する細胞を表す。特定の態様では、遺伝的に改変された細胞は、DBDpp-CARなどのDBDpp融合タンパク質を発現する。さらなる態様では、遺伝的に改変された細胞は、細胞表面にDBDpp-CARを発現およびディスプレイする。
【0400】
本明細書において使用される「遺伝的に改変された細胞により標的指向される疾患」は、遺伝的に改変された細胞が治療上有益な結果を実現するために疾患細胞それとも健常細胞を標的指向するかどうかにかかわらず、遺伝的に改変された細胞により任意の疾患に任意の方法で関与する任意の細胞の標的指向を包含する。遺伝的に改変された細胞には、非限定的に、遺伝的に改変されたT細胞、NK細胞、造血幹細胞、多能性胚性幹細胞または胚性幹細胞が含まれる。遺伝的に改変された細胞は、標的細胞表面に発現される抗原のいずれかを標的指向することができるDBDpp-CARを発現する。
【0401】
一態様では、DBDpp-CARのDBDpp部分は、特定のがんを処置するように設計される。処置することができるがんには、血管新生していない、またはまだ実質的に血管新生していない腫瘍、および血管新生した腫瘍が含まれる。がんは、非固形腫瘍(血液系腫瘍、例えば、白血病およびリンパ腫など)を含むことができ、または固形腫瘍を含むことができる。DBDpp-CARを用いて処置されるがんの種類には、非限定的に、がん腫、芽腫、および肉腫、ならびにある特定の白血病またはリンパ性悪性疾患、良性および悪性腫瘍、ならびに悪性疾患、例えば、肉腫、がん腫、および黒色腫が含まれる。成体腫瘍/がんおよび小児腫瘍/がんも含まれる。
【0402】
血液(または血液性)がんの例には、急性白血病(急性リンパ性白血病、急性骨髄球性白血病、急性骨髄性白血病および骨髄芽球、前骨髄球、骨髄単球、単球および赤白血病など)、慢性白血病(慢性骨髄球性(顆粒球性)白血病、慢性骨髄性白血病、および慢性リンパ性白血病など)を含めた白血病、真性多血症、リンパ腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(インドレントおよび高悪性度形態)、多発性骨髄腫、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症、重鎖病、骨髄異形成症候群、ヘアリー細胞白血病ならびに脊髄形成異常が含まれる。
【0403】
肉腫およびがん腫などの固形腫瘍の例には、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、および他の肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、結腸がん、リンパ性悪性疾患、膵臓がん、乳がん、肺がん、卵巣がん、前立腺がん、肝細胞がん、扁平上皮がん、基底細胞がん、腺がん、汗腺がん、甲状腺髄様がん、甲状腺乳頭がん、褐色細胞腫、脂腺がん、乳頭状がん、乳頭腺がん、髄様がん、気管支原性がん、腎細胞がん、肝がん、胆管がん、絨毛がん、ウィルムス腫瘍、子宮頸がん、精巣腫瘍、セミノーマ、膀胱がん、黒色腫およびCNS腫瘍(神経膠腫(脳幹部神経膠腫および混合性神経膠腫など)、膠芽腫(多形性膠芽腫としても公知)、星状細胞腫、CNSリンパ腫、胚細胞腫、髄芽腫、シュワン腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫、神経芽腫、網膜芽腫および脳転移など)が含まれる。
【0404】
一態様では、CD19、CD20、CD22、およびROR1を標的指向するDBDpp-CARを発現している細胞を用いて、がんおよび障害を処置することができる。特定の一態様では、B細胞リンパ腫を処置するためにCD22を標的指向するように、DBD-CARを設計することができる。別の態様では、非限定的に、プレ-B ALL(小児適応)、成人ALL、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、同種骨髄移植後サルベージ療法、および同種のものを含めたがんおよび障害を処置するために、CD19を標的指向するように設計されたDBDppを含むDBDpp-CARを発現している細胞を使用することができる。
【0405】
本明細書において使用される「B細胞関連疾患」には、B細胞免疫不全症、自己免疫疾患および/またはB細胞に関連する過剰/無制御の細胞増殖(リンパ腫および/または白血病を含む)が含まれる。DBDpp-CARが治療アプローチのために使用され得るそのような疾患の例には、非限定的に、全身性エリテマトーデス(SLE)、糖尿病、関節リウマチ(RA)、反応性関節炎、多発性硬化症(MS)、尋常性天疱瘡、セリアック病、クローン病、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、自己免疫性甲状腺疾患、X連鎖性無ガンマグロブリン血症、プレB細胞型急性リンパ芽球性白血病、全身性エリテマトーデス、分類不能型免疫不全症、慢性リンパ性白血病、選択的IgA欠損症および/またはIgGサブクラス欠損症に関連する疾患、B細胞系列リンパ腫(ホジキンリンパ腫および/または非ホジキンリンパ腫)、胸腺腫を伴う免疫不全症、一過性低ガンマグロブリン血症および/または高IgM症候群、ならびにEBV媒介性リンパ増殖性疾患などのウイルス媒介性B細胞疾患およびB細胞が病態生理に関与する慢性感染症が含まれる。
【0406】
一態様では、中皮腫、膵臓がん、卵巣がん、および同種のものを処置するためにメソテリンを標的指向するようにDBDpp-CARを設計することができる。一態様では、急性骨髄性白血病および同種のものを処置するためにCD33/IL3Raを標的指向するようにDBDpp-CARを設計することができる。一態様では、トリプルネガティブ乳がん、非小細胞肺がん、および同種のものを処置するためにc-Metを標的指向するようにDBDpp-CARを設計することができる。一態様では、前立腺がんおよび同種のものを処置するためにPSMAを標的指向するようにDBDpp-CARを設計することができる。一態様では、前立腺がんおよび同種のものを処置するために糖脂質F77を標的指向するようにDBDpp-CARを設計することができる。一態様では、神経芽腫および同種のものを処置するためにEGFRvIlIを標的指向するようにDBDpp-CARを設計することができる。一態様では、神経芽腫、黒色腫、および同種のものを処置するためにGD-2を標的指向するようにDBDpp-CARを設計することができる。一態様では、骨髄腫、肉腫、黒色腫、および同種のものを処置するためにNY-ESO-1を標的指向するようにDBDpp-CARを設計することができる。一態様では、骨髄腫、肉腫、黒色腫、および同種のものを処置するためにMAGE A3を標的指向するようにDBDpp-CARを設計することができる。しかし、本発明が単に本明細書開示の抗原標的および疾患に限定されると解釈されるべきではない。むしろその代わりに、本発明は、疾患を処置するためにDBDpp-CARを使用することができる、疾患に関連する任意の抗原性標的を含むと解釈されるべきである。
【0407】
好ましい態様では、DBDpp-CARは、T細胞において発現され、かつがんを治療または予防するための方法であって、がん細胞がその表面に腫瘍抗原を発現しているがん患者にDBDpp-CARを発現している宿主細胞を投与する段階を含む方法を提供し、その際、DBDppは、標的抗原と特異的に結合する。DBDppおよびDBDpp-CARが結合する例示的な標的抗原には、非限定的に、CD19、CD123、TSLPR、およびCD267が含まれる。
【0408】
DBDpp-CAR改変T細胞は、哺乳動物におけるエクスビボ免疫処置および/またはインビボ治療のためのワクチンの1種として役立つこともできる。好ましくは、哺乳動物はヒトである。
【0409】
本明細書において提供されるDBDpp-CAR改変T細胞は、単独で、あるいは希釈剤および/または化学療法剤、抗体、サイトカインもしくは細胞集団などの他の構成要素と組み合わせた薬学的組成物としてのいずれかで投与することができる。本明細書に提供される組成物は、好ましくは、1つまたは複数回投与することができる静脈内投与用に製剤化される。
【0410】
本明細書において使用される「抗原欠損エスケープ異種」は、標的抗原の発現の減少または欠損を示す細胞であって、抗原が本明細書に提供されるCARにより標的指向される細胞を表す。
【0411】
本発明の様々な態様を、それに従って行われる実験の説明によりこれから例証する。以下の実施例は、開示された態様の実施を容易にするために提供されるのであって、本開示の残りをいかなる方法でも限定するものとして解釈すべきでない。実施例において、添付の図面が参照される。
【実施例】
【0412】
実施例1. DBDppの免疫原性の判定
DBDpp、特に、対象に投与されるおよび/または対象に投与された組成物の精製に使用されるDBDppの配列は、好ましくは対象(例えば、ヒト)に関して抗原性ではない。一部の態様では、DBDppの配列は、ヒトHLA-DR結合モチーフまたはプロテアソームおよび免疫プロテアソームにとっての切断部位を含まない。特定の態様では、DBDpp配列は、本明細書の出願日に実在するコンピューター予測モデルのバージョンにより決定されるような抗原性配列を含まない。特定の態様では、DBDpp配列は、ProPred(例えば、Singh, Bioinformatics 17(12):1236-1237 (2001)参照)、ProPred1(Singh, Bioinformatics 19(8):1009-14 (2003))、SYFPEITHI(例えば、Schuler, Immunoinf. Meth. in Mol. Biol. 409(1):75-93 (2007)参照)、SMM-align(例えば、Nielsen, BMC Bioinformatics 8:238 (2007)参照)、RANKPEP(例えば、Reche, Hum Immunol 63: 701-709. (2004)参照)、またはTEPITOPE(Sturniolo, Nat Biotechnol 17:555-561 (1999)参照)より選択されるアルゴリズムにより予測されるようなMHC(クラスIまたはクラスII)結合部位配列を含まず、その際、アルゴリズムのバージョンおよび適用されるデータベースは、本出願の出願日に存在する。
【0413】
アルファ3Dのアミノ酸配列
のインシリコ分析から、高親和性(結合閾値6%未満)で無差別に結合する(関連アレルの50%超に存在する)T細胞エピトープと特徴を共有するアミノ酸9個の配列(すなわち、LAAIKTRLQ(SEQ ID NO:50))が明らかとなった(Singh, Bioinformatics 17:1236-1237, 2001)。このエピトープは、DBDppライブラリーのうちいくつかのインバリアント領域内に存在する。したがって、免疫原性の潜在性を減少させる目的で、Q19E置換をSEQ ID NO:49に導入した。この保存的な表面に露出した置換は、疎水性コアを顕著に破壊する可能性がないように見えた(例えば、図1B参照)。結果として生じる配列(SEQ ID NO:1)のインシリコ分析により、より低い免疫原性スコアがもたらされた。
【0414】
実施例2. DBDppライブラリーの設計、構築およびスクリーニング
天然リガンドおよび結合タンパク質とは異なり、DBDの合成スキャフォールド配列(すなわち、SEQ ID NO:1)は、結合パートナーが分かっていない。標的に結合するDBDppの構築において、残基が表面に露出し、顕著な溶媒接触性を示すとみなされるならば、それらの残基を変異用に考慮した(すなわち、ライブラリー内の無作為化)。確定した分子構造の溶媒接触性を判定するために多様な方法が利用可能である。例えば、PyMOLは、分子の可視化および分析のために開発されたオープンソースのソフトウェアパッケージであり、LeeおよびRichards(Lee et al., J. Mol. Biol. 55:379-400 (1971))の方法を用いて溶媒接触性の表面積を計算するために使用される場合がある。より具体的には、PyMOL(バージョン1.4.1)を用いて「dot solvent」を1に、「solvent radius」を1.4Åに設定し、「dot density」を4に設定して、テンプレートPDB 2A3Dに基づきSEQ ID NO:1のホモロジーモデルの各アミノ酸について溶媒接触性の表面積を計算することができる。表2に、ドメインの状況で測定された、各残基について計算された面積(オングストロームの2乗)(面積D)および隣接残基により課される立体障害とは独立した、単離されたアミノ酸としての当該面積(面積I)を挙げる。単離された状態(面積I)と比較したドメイン内の残基の相対接触性(面積D)を、パーセント値(%A)として表す。
【0415】
(表2)参照スキャフォールド配列(SEQ ID NO:1)の溶媒接触性
【0416】
10%〜11%未満の%A値を有するドメイン残基(例えば、SEQ ID NO:1のF7、L11、I14、L18、L21、S24、L28、F31、I35、F38、L42、Y45、G49、V53、L56、A60、I63、およびL67;表2A)は、外部の溶媒と相対的に隔絶されているとみなされ、したがってDBDの内部コア残基とみなされた。逆に、10%〜11%超であった%A値を有する残基(例えば、SEQ ID NO:1のG2、S3、W4、A5、E6、K8、Q9、R10、A12、A13、K15、T16、R17、E19、A20、A29、A30、E32、K33、E34、A36、A37、E39、S40、E41、Q43、A44、E52、E54、A55、R57、K58、E59、A61、A62、R64、D65、E66、Q68、A69、およびY70)は、アルファ-ヘリックス二次構造に関連するポリペプチド領域内に配置されており、関心対象の高分子標的と相互作用するより大きな可能性を有する位置を占めると予測される。これらの溶媒とアクセス可能なアルファヘリックス残基を、ライブラリー中の最置換多様度が最大になる候補であるとみなした(保存的置換および非保存的置換を含む)。
【0417】
参照スキャフォールド配列の非アルファヘリックス残基は、いくつかの態様では、SEQ ID NO:1の位置M1、L21、G22、G23、S24、E25、A26、E27、Y45、K46、G47、K48、G49、N50、P51、R71、H72、およびN73に対応する。追加的な態様では、参照スキャフォールド配列の非アルファヘリックス残基は、SEQ ID NO:1の位置M1、G22、G23、S24、E25、A26、E27、K46、G47、K48、G49、N50、P51、R71、H72、およびN73に対応する。これらの残基を、同様に、ライブラリーにおける保存的置換および非保存的置換の候補とみなした。
【0418】
溶媒に露出したDBDppの特定のアミノ酸配列位置の選択的またはランダム変異誘発によりいくつかのDBDppライブラリーを創出した。一系列の実験では、SEQ ID NO:1のポリペプチドの参照スキャフォールド構造の置換された残基がドメインの単一面にクラスター化するように、および単一の連続する結合面を創出するように、本明細書において「面(face)」ライブラリーまたは「Fライブラリー」と呼ばれるライブラリーを設計した。SEQ ID NO:1のポリペプチドの構造の全部で3つの面(F1、F2およびF3)について面ライブラリーを構築した。ドメイン構造の非対称性のせいで、アルファヘリックスの各ペアは、したがって各面は、独特な幾何学的トポロジーを形成する(図1および2)。参照スキャフォールドにおいてモデル化されるように、多数の標的指向残基は、1400平方オングストロームよりも大きな連続表面積に対応し、これは、非抗体結合性スキャフォールドの調査のために測定された結合表面よりも有意に大きい(Gilbreth et al., Curr. Opin. Struct. Biol. 22:413-420 (2012))。
【0419】
別の実験セットでは、関心対象の標的への多面的結合性を潜在的に示すDBDppを特定するために、本明細書において「組み合わせ(combined)」ライブラリーまたは「Cライブラリー」と呼ばれるライブラリーを構築した(表3ならびに図1および2)。F系列ライブラリーに使用した3つのヘリックスのそれぞれからの残基を組み合わせることにより、組み合わせライブラリー(C1およびC2)を構築した。
【0420】
これらの実験では、合計32個の残基位置を変異誘発に供した。変異誘発された各位置は、少なくとも2つのライブラリーに存在する。さらに、変異誘発した各位置を2つのライブラリー「構造」、FおよびCに示す。
【0421】
(表3)DBDppライブラリーの配列プロファイル
X=全てのアミノ酸残基
Z=本明細書記載のループ1(Z1)またはループ2(Z2)に対応するアミノ酸配列
【0422】
DBDpp F2NNKライブラリーの構築
面2(ヘリックス2および3)の表面に露出した残基12個を標的指向するF2ライブラリーを構築した(表3ならびに図2Cおよび2D)。NNKコドンを含むオリゴを利用してクンケル変異誘発により、F2NNKと称されるこのライブラリーを創出した。DBDppがC末端でM13 pIIIのN末端に融合されている改変pCombファージミドベクターを用いてライブラリーを構築した。これらのDBDppもそのN末端でFLAGエピトープタグのC末端に融合されている。DBDpp融合タンパク質全体は、DsbAシグナルペプチドの分泌性制御下にある(図3B)。
【0423】
DBDppトリヌクレオチドホスホロアミダイトライブラリーの構築
F2NNKライブラリーと同じ改変pCombファージミドベクターにおけるクンケル変異誘発により後続のライブラリーを構築した。いくつかの態様では、FLAGタグは任意であり(例えば、図3C参照)、またはFLAGタグを別のタグにより置き換えることができる。トリヌクレオチドホスホロアミダイト(コドン)混合物を用いてこれらのライブラリーを構築した。終止コドン、システインコドンおよびプロリンコドンを排除するようにこれらの混合物を設計し、残りのアミノ酸の等しい表示を提供した。表3に示されるような全部で5つの配列プロファイル(F1、F2、F3、C1およびC2)を使用してライブラリーを築いた。
【0424】
F2NNKライブラリーを用いた選択
組換えビオチン化ヒト4-1BB/TNFRSF9/CD137-Fcに対する5ラウンドの選択にF2NNK DBDライブラリーを使用した。救出されたファージのELISAスクリーニングにより、95個のクローンのうち89個が4-1BB/CD137と結合し、平均ODが対照(IgG Fc)よりも5.3倍大きいことが明らかとなった。89個のクローンについての結合性(ELISA吸光値)の分布は、CD137が0.353(0.134〜0.617)、対照が0.067(0.056〜0.125)であった。個別のファージの配列決定により、89個のクローン全てがヌクレオチドレベルで同一であることが示された。特にbb10という名のこのクローンは、SEQ ID NO:1の配列の、配列中に下線を付けた12個のランダム化位置のうち8個だけ(下記配列の太字)に置換を含んでいた:
【0425】
F1、F2、F3、C1およびC2トリヌクレオチドホスホロアミダイトライブラリーを用いた選択
F1、F2、F3、C1およびC2トリヌクレオチドホスホロアミダイトライブラリーを用いた選択も行った。ほとんどの場合、選択に使用する前にライブラリーをプールした。等体積の個別のライブラリーを混ぜることにより、プールF(ライブラリーF1、F2およびF3)およびプールC(ライブラリーC1およびC2)を産生した。4-1BB/CD137ならびにCD47、CTLA4、DR5、KIR、LAG3、OX40、PD1、PD-L1およびTIM3を含めたより大きなパネルの精製組換え「標的」-Fcタンパク質(これらの標的の多くは免疫調節因子とみなされる(Pardoll et al., Nat. Rev. Cancer 12:252-264 (2012))へのDBDpp結合物質の選択にこれらのライブラリーを使用した。標的をDBDppファージライブラリーのプールと共にインキュベーションした後、プロテインAビーズ(標的タンパク質はFc融合体であった)を用いて未結合のファージから結合型ファージ標的複合体を捕捉し、分離した。3ラウンドの選択の後、救出されたファージクローンを、選択された標的への結合についてELISAによりスクリーニングした。
【0426】
各標的について、およそ90個のDBDppファージクローンを、標的タンパク質および非特異的対照(例えば、IgG1-Fc)への結合についてELISAによりスクリーニングした。非特異的対照よりも3倍高い標的特異的結合シグナルを示した個別のDBDppクローンに関して配列決定を行った。ある場合には、DBDppクローンの大部分が陽性であったELISAスクリーニングプレートについて、プレート全体を配列決定した。配列の結果から、合計でDBDppクローンのおよそ70%が正しいリーディングフレーム内にあり、予測される5つのライブラリー配列プロファイルのうち1つに一致したことが示された(表3)。予想されるプロファイルに一致しなかった配列は、典型的には、配列決定の読取り失敗、フレームシフト変異、短縮化、コンカテマー化または他のクローニングアーチファクトのいずれかから構成された。
【0427】
DBDppは多様な標的に結合する
表4に、各ライブラリーについてのクローンの分布を標的および結合データに関して示す。3つの副表に、全ての配列についての分布(上)および2以上(中央)または3以上(下)の標的特異的結合比を有する配列についての分布を記載する。(1つを超えるクローンにより配列が表される場合、平均結合値を使用する)。合計794個の配列のうち、330個が独特なクローンであり、そのうち278個がバックグラウンドの3倍のELISAシグナルをもたらした。
【0428】
(表4)DBDppクローンおよび独特な配列の分布
【0429】
表5に、上記実験から得られた例示的な配列を挙げる。各配列について、標的、起始ライブラリー(Lib.)、スクリーニング出現数(カウント)およびバックグラウンドに対する標的比(ELISA比)を示す。いくつかの態様では、上記(および本明細書における他のどこか)の配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%または少なくとも98%の相同性を有するDBDppは、有意な機能同等性を保持する。いくつかの態様では、相同性における多様化は、減少した免疫原性、増加した交差反応性、増加した特異性などのある特定の利点を提示する場合があるので、これは有利である。
【0430】
(表5)スクリーニングされたライブラリーから単離されたDBDppライブラリークローンの配列
【0431】
pb04(SEQ ID NO: 182)およびα3D(SEQ ID NO: 49)のN末端FLAGタグ融合体を発現させ、大腸菌培養物から精製した。ELISAによる判定によると、精製されたFLAG-pb04はPD-L1-Fc被覆マイクロタイターウェルに用量依存的に結合する。対照的に、FLAG-a3Dは、PD-L1-Fc標的タンパク質に検出可能な結合性を示さない(図3D)。結果から、関心対象の標的の多様なセットと新規な特異性で結合することが可能なDBDppのしっかりした入手源を与える上で、参照スキャフォールド配列(SEQ ID NO:1)の改変が有効であることが実証される。
【0432】
実施例3. DBDpp融合タンパク質
結合エレメントとしてのDBDppのモジュール性を判定するために、DBDpp CD137-結合物質であるbb10(SEQ ID NO:19)を、RSV特異的モノクローナル抗体パリビズマブ(SYNAGIS(登録商標))の配列由来の抗体重鎖のN末端またはC末端のいずれかとの融合体として再編成した(それぞれ図4Aおよび4Bに模式的に示す)。比較として、いかなる結合特異性を示すことも分かっていないDBDpp親配列(SEQ ID NO:1)を使用して類似の融合体を産生させた。等モル比の無関係な重鎖-bb10融合体および軽鎖cDNA発現構築物を一過性にトランスフェクトされたHEK293F懸濁細胞からタンパク質を生産し、従来のプロテインAアフィニティー方法により精製した。精製された試料のSDS-PAGEによる分離から、重鎖-bb10(DBDpp)融合タンパク質の泳動が分子量に基づく予測に見合っていたことが示された(データを示さず)。
【0433】
SECによる分析から、bb10 DBDpp抗体融合体は凝集せず、サイズ標準と比べて予想通りに泳動したことが示された(データは示さず)。SYN-bb10およびbb10-SYN融合体は、相互に類似の泳動を示し、どちらも親SYNAGIS(登録商標)抗体よりも速く移動した。
【0434】
二重特異性抗体SYN-bb10およびbb10-SYNは、CD137およびRSVの両方に結合性を示し(図4C〜D;黒四角はbb10-SYN、黒丸はSYN-bb10である))、新規な結合活性が親DBD配列に与えられ、DBDppの機能性がN末端融合体およびC末端融合の両方として維持されることを実証している。対照的に、標的なしのアルファ-ヘリックスタンパク質スキャフォールドとSYNとの融合体(N末端融合体についてDBD-SYN、白丸;C末端融合体についてSYN-DBD、白四角)は、RSVへの結合性だけを示すが、CD137への結合性は与えられなかった。
【0435】
CD137へのDBDpp、bb10の結合性を、2つの異なる実験方法:ELISA(図4C〜D)およびFACS(図6A〜C)を用いて実証する。これらのアッセイでは、標的抗原が提示され、最終的に3つの異なる形式:プラスチックに直接結合して(図4C〜D)またはインサイチューで細胞膜の一部としてのいずれかで認識される(図6A〜C)。
【0436】
SYN-bb10およびbb10-SYNを用いたPBMCの処置により、結合性に加えて、両方の融合タンパク質が標的細胞に下流の生物学的応答を誘導する能力があることが実証される(図7A〜D)。
【0437】
インビボ安定性は、大部分の生物学的製剤の臨床効果に重要である。bb10融合体(SYN-bb10およびbb10-SYN)の薬物動態測定を行って、mAb融合パートナーと比較したDBDppの相対安定性を判定した(図8)。融合タンパク質の単回静脈内注射(1mg/kg)を受けたCD1マウスからの血清中に存在する二重特異性抗体のRSV結合性とCD137結合性との両方の分析により、インビボ安定性を決定した。血清試料を15分目および48時間目に収集し、ELISAによりアッセイした。N末端性DBDpp融合タンパク質およびC末端性DBDpp融合タンパク質の両方がインビボで持続安定性を示す。
【0438】
実施例4. アフィニティー精製におけるDBDppの使用
8種のCD137結合性DBDppリガンド(SEQ ID NO:12〜19)をN末端ヘキサヒスチジン融合タンパク質として再編成した。それらのタグ付き配列および対応する親配列を表5に示す。
【0439】
(表5)- SEQ ID NO:12〜19から調製されたN末端ヘキサヒスチジン融合タンパク質
【0440】
各融合体を大腸菌BL21(DE3)細胞に別々に発現させた。細胞溶解および精製の後、固定化金属イオンクロマトグラフィーを用いて、逆相HPLCを使用してCD137結合性DBDppリガンドのそれぞれを再精製した。HPLCカラム(20×100mm C-4, Western Analytical)をそれぞれ0.1% TFA:アセトニトリル(88:12を2分間に続き、15分目に58:42)までの直線勾配で溶出させた。約12分での主ピークは、標的リガンドに対応した(図9の矢印参照)。さらに使用する前に、精製後のリガンドを凍結乾燥した。
【0441】
リガンドのそれぞれの同一性および純度をエレクトロスプレー質量分析(表6)およびSDS-PAGE(図10)により確認した。表6に、CD137標的指向DBDppのそれぞれについてその配列に基づく計算分子量を示す。表6に、N末端メチオニンをヘキサヒスチジンタグにより置き換えた後のDBDppのそれぞれについての予想される分子量も示す。表6に、観測された分子量も示す。SEQ ID NO. 54を除くCD137標的指向DBDppのそれぞれについて、観測された分子量は予想される分子量と十分に相関し、精製された試料中の優占種がヘキサヒスチジンタグを含んでいたことが示された。SEQ ID NO: 54について、メチオニンを含む種が主要な種であった。
【0442】
(表6)- 8つのタンパク質SEQ ID 51〜58について予想される分子量と観測された分子量との比較
【0443】
図10に、ヘキサヒスチジンタグを有するCD137標的指向DBDppのそれぞれのクマシーブルー染色SDS-PAGE分析を示す。レーン1は分子量ラダー(キロダルトン)であり、レーン2はSEQ ID NO: 58であり、レーン3〜9はそれぞれSEQ ID NO: 51〜57に対応する。各レーンは、DBDppの分解を示唆するよりスメアも小さなバンドの証拠もなく、きれいで正確なバンドを示している。
【0444】
図11にSEQ ID NO: 54よるDBDppのデコンボリューションされたエレクトロスプレー質量スペクトルを示し、そのスペクトルでは、試料中の優占種がHis6タグとは対照的に、N末端メチオニンを有するタンパク質のままであったことが明らかとなった。
【0445】
本明細書開示のいくつかの態様によると、タグ付きDBDppを生産するための本明細書開示の生産方法は、所与の生産実施での優占種(例えば、50%超、60%超、70%超、80%超など)がタグ付き種であることをもたらす。上述のように、態様に応じてHis6以外のタグが使用される場合がある。
【0446】
標的タンパク質CD137を、CD137-Fc-His6融合タンパク質として構築した。ヘキサヒスチジンタグを有する(Leu24-Gln186)/rヒトFc(Lys100-Lys329)キメラ(SEQ ID: 59)をHEK293細胞の一過性のトランスフェクションにより調製し、固定化金属イオンクロマトグラフィー(IMAC)を用いて清澄化細胞上清から精製し、次に緩衝液をPBSに交換した。この物質は商業的起源(RnD systems)から購入した標準タンパク質と同一に挙動し、これをCD137についての陽性対照として使用した。
【0447】
SEQ ID: 59を以下に示す。
【0448】
バイオレイヤー干渉法(ForteBio, Menlo Park, CA)を用いて樹立された方法に従ってCD137標的タンパク質に対する8つのhisタグ付きDBDppリガンド(SEQ ID NO:51〜58)の結合性を判定した。プロテインAを介してCD137-Fc-His6を固定化し、次に各DBDppリガンドの溶液中で5分間インキュベートして会合(結合)相を測定することにより結合アッセイを構築した。次に緩衝液中にセンサーを置いて解離相をモニターし、SEQ ID No: 51〜58のDBDppについての全センサグラム(時間(秒)をX軸、nmをY軸に示す)を、それぞれ図12A、12C、12E、12G、12I、12K、12M、および12Oに示す。定常状態の分析によりデータをあてはめ、対応するDBDppについて図12D、12D、12F、12H、12J、12L、12N、および12Pのそれぞれに示す。明らかになったデータにより、140nM〜1.7μMの範囲にCD137についての親和性定数がもたらされる(表7)。
【0449】
(表7)SEQ ID 51〜59の8つのリガンドについて計算された親和性定数
【0450】
製造業者のガイドラインを用いて8つのhis-融合タンパク質のうち4つをNHS活性化Sepharose 4 Fast Flow(GE Healthcare Life Sciences)に室温で4時間カップリングさせ、次に洗浄し、その後リガンド密度をアッセイした(表8)。
【0451】
(表8)測定されたアフィニティー樹脂のリガンド密度
【0452】
樹脂のそれぞれについて、洗浄後の樹脂の一部を3×25mmガラスカラム(Omnifit)に充填し、BioLogicクロマトグラフ(Bio-Rad)に装着した。樹脂を流速0.5mL/minのリン酸緩衝食塩水(PBS)1mlで平衡化した。(濃度0.25mg/mlまで添加された)CD137を含有するチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞上清の試料をカラムに適用し(0.2mL/minのCD137-Fc-Hisを550ug)、続いて洗浄(0.5ml/minのPBSを7.5ml)および溶出(0.2ml/minの50mM酢酸Na、pH3を2ml)した。別の試料の結合を評価する前に、0.5ml/minの6Mグアニジン-HCl 1mlで樹脂を再生し、0.5ml/minのPBS、25カラム容積で再平衡化した。
【0453】
図13に、クロマトグラムがCHO上清からのCD137-Fc-His6タンパク質の精製をもたらすことを示す。8〜9mLに溶出するピークは、溶出したCD137-Fc-His6タンパク質に対応する。このデータは、標的-結合物質相互作用を妨害する潜在性を有する生物学的タンパク質の複合混合物を投入試料が含む場合であっても、本明細書開示のDBDppが試料から標的タンパク質を高度の特異性で捕捉するためにうまく使用することができることを実証している。
【0454】
結合特異性をさらに判定するために、溶出相からの画分をSDS-PAGEにより判定して、アフィニティー樹脂がCD137を精製することができた一方でかなりの比率の宿主細胞タンパク質を除去することができたことを確認した。図14Aのレーン1に分子量ラダー(キロダルトン)を有するクマシーブルー染色ゲルを示す。レーン2に、陽性対照であるIMAC精製CD137タンパク質を示す。レーン3に、濃度0.25mg/mLでCHO上清に添加したCD137-Fc-His6である陰性対照を示すが、これは、上清からのCD137の精製が無かったことを表す。レーン4は、SEQ ID NO. 58のDBDppを用いた精製後の溶出液であり、レーン5は、SEQ ID NO. 51のDBDppを用いた精製後の溶出液であり、レーン6は、SEQ ID NO. 52のDBDppを用いた精製後の溶出液であり、レーン7は、SEQ ID NO. 57のDBDppを用いた精製後の溶出液であり、レーン8は、SEQ ID NO. 57のDBDppを用いた精製後の溶出液である。これらのデータは、DBDppが標的タンパク質を特異的に精製し、その中でCD137が非限定的な例であることを示している。レーン3は、CHO細胞上清のタンパク質構成要素の結果である、レーン中の追加的なタンパク質物質を明らかに示している。対照的に、レーン4〜8は、陽性対照であるIMAC精製CD137に類似したきれいなバンドを示し、他のタンパク質種はほとんどまたは全くない。
【0455】
追加的に、図14Bに示されるウエスタンブロット分析は、本明細書記載のDBDppが複雑なタンパク質含有試料から特異的標的タンパク質を単離する能力をさらに強調している。レーンのレイアウトは、図14Aについて上述したものと同じである。抗ペンタ-His-HRP結合体抗体(Qiagen)を検出のために使用した。クマシー染色により最初に示唆されたように、ウエスタンブロット分析から、本明細書記載のDBDppが標的タンパク質と特異性をもってうまく結合することができ、それで複雑な出発試料からそのタンパク質を特異的に単離するために使用できることが確認される。レーン4〜8におけるCD137標的指向DBDppのそれぞれは、固定化金属イオンクロマトグラフィーを用いた精製よりも良好にとはいかないまでも同様にCD137を精製できることを示している(レーン4〜8とレーン2とを比較)。CD137はただ1つの非限定的な態様であるので、追加的な態様による本明細書開示のDBDppを、様々な出発試料から多種多様な標的タンパク質を精製するために使用することができる。一部の態様では、出発試料は生物学的液体であり、一方で他の態様では、他の種類の液体試料または気体試料が出発物質を構成し、その出発物質から標的タンパク質を捕捉および精製することができる。
【0456】
実施例5. DBDppの安定性の特徴付け
本明細書開示の態様によりDBDppの安定性を評価するために本実施例を行った。
【0457】
インビトロ転写および翻訳反応(NEB, PureExpress)によりDBDpp-6×HIS融合体(pb04およびpb06)ならびにscFv-6×HIS融合体を発現させた。ELISAブロッキング緩衝液(Thermo Fisher)に試料を30倍希釈した。続いて個別の試料を25℃、40℃、55℃、70℃または100℃のいずれかで2分間インキュベートし、次に速やかに室温に戻した。温度増加に続く急速冷却は、標的の相互作用および/または結合を減少させるタンパク質の変性またはタンパク質の3次元構造の他の分解を引き起こす可能性がある。変性条件に曝された後にタンパク質が標的腫瘍抗原などのリガンドと結合できることは、上昇した温度への曝露中の安定性増強または曝露後に再フォールディングし機能を維持できることのいずれかを示す。とにかく、高まった熱安定性は、そのようなタンパク質を、生産、保存、解凍および臨床使用という難儀の最中および後に機能を維持するための魅力的な候補にする。
【0458】
熱に曝された試料をELISA緩衝液で系列希釈し、ELISAでPD-L1-Fcへの結合について測定した。結合したタンパク質をHRP-結合体型ウサギ抗6×HISポリクローナル抗体(Abcam)で検出した。図15AにPD-L1を発現している細胞へのDR5 scFvの結合性を示す。この特定のscFvはPD-L1と結合するように形成されていないので、これは、陰性対照として機能し、曝露温度にかかわらず予想通りDR5 scFvのいずれに対しても結合性は検出されない。図15Bに、PD-L1に対するscFvが最大約55℃の上昇温度に曝露された後にその標的にうまく結合することを示す。しかし、温度70℃への曝露は、scFvがPD-L1にうまく結合する能力の減少を示し、これはscFvの熱不安定性を暗示する。scFvを100℃に加熱後、標的PD-L1の結合性は完全に消失する。
【0459】
対照的に、DBDppは熱安定性の向上を示す。図15Cに、100℃の高温に曝された後であってもDBDpp(この非限定的な態様ではpb04)が標的PD-L1に結合できることを表すデータを示す。図15DにDBDpp(pb06)の異なる非限定的な態様についての類似のデータを示す。改めて、DBDppは最大100℃の温度の曝露後にその標的と結合する能力を保持している。
【0460】
これらのデータは、本明細書開示のいくつかの態様によるDBDppが、高温に曝露後に変性に抵抗し、かつ/または再フォールディングする能力を有し、所望の標的と結合する能力もまだ保持することを示唆している。上述のように、このことは、DBDppを魅力的な標的指向部分にしている。それは、DBDppの増加した熱安定性により、上昇した温度を伴う場合がある製造プロセス(または他の生産/取扱いプロトコール)に対してDBDppがscFvなどの他の種類の標的指向部分よりも良好に対応できるほど十分に強固であることが示唆されるからである。
【0461】
実施例6. DBDpp種の交差反応性
本明細書開示のDBDppの種特異性を確立するために本実施例を行った。
【0462】
図16Aに、ヒトPD-L1への結合について選択された可溶性DBDpp(この非限定的な態様ではpb04)が、ELISAにより判定されたように、カニクイザル(Macaca fascicularis)のPD-L1とも結合することができることを立証する。ヒトPD-L1またはカニクイザルPD-L1をELISAプレートの別々のウェルに固定化した。PD-L1に対する可溶性DBDpp(FLAGタグ付き)をそれぞれのプレート中でインキュベートして、各種からのPD-L1との結合度を判定した。示すように、pb04 DBDppは、ヒトPD-L1およびカニクイザルPD-L1の両方に結合する。図16Bに、さらに、ヒトおよびカニクイザル起源のPD-L1が、ヒトT細胞表面に発現されたDBDpp(この非限定的な態様ではpb04)を含むCARにより結合されることを実証する。フローサイトメトリーのデータにより示されるように、PD-L1に対するDBDpp CAR T細胞は、可溶性ヒトPD-L1およびカニクイザルPD-L1と結合することができる(ヒトに対して97.7%、およびカニクイザルに対して97.1%)。
【0463】
実施例7. DBDppを発現しているCAR T細胞は標的分子と結合する
この非限定的な態様におけるDBDppを含む一過性発現したCARが、SEQ ID NO: 187(CD123)の残基19〜305と少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む腫瘍標的と結合する能力を立証するために本実施例を行った。
【0464】
Lipofectamine 3000(Life Technologies)を使用して(例えば図5B参照)、CARを含むDBDppをコードするpcDNA3発現ベクターを293T細胞に一過性にトランスフェクトした。24時間後に、CellStripper(商標)を用いて細胞を収集した。蛍光標識抗FLAG抗体を用いてCAR発現について細胞を判定した。CD123に結合性のCARを含むDBDppを、ヒトIgG1 Fcに融合したCD123の細胞外ドメインを含むFc-融合タンパク質と共に細胞を細胞培養培地中で37°で30分間インキュベートし、洗浄し、次にPE抗ヒトIgG抗体で検出することにより測定した。CD123結合性およびCARの発現(FLAGタグ)の両方をフローサイトメトリーによりアッセイした。データを図17に示し、各データポイントは、複数の実験からのDBDpp-CARのそれぞれについての平均FLAG発現およびCD123結合性を示す。
【0465】
図17に、CD123結合性scFv(32716)または関心対象の標的の非限定的な態様としてのヒトT細胞において発現されたDBDppを含むCARが、可溶性CD123と結合することを実証するフローサイトメトリーのデータをまとめる。X軸はヒトT細胞上のCAR発現の測定値であり、Y軸はFc-CD123のCAR結合性を表す。
【0466】
実施例8. DBDppを含むCAR(DBDpp-CAR)を発現しているT細胞は細胞内シグナル伝達を誘導する
DBDppを含むCAR(DBDpp-CAR)がシグナル伝達を開始する能力を判定するために、ルシフェラーゼレポーター遺伝子とカップリングした活性化T細胞核因子(NFAT)エンハンサーをJurkatレポーター細胞において安定発現させた。エレクトロポレーションにより様々なCAR構築物をJurkatレポーター細胞株内に導入した。エレクトロポレーションの24時間後に、蛍光標識抗FLAGモノクローナル抗体を用いた検出によりCARの発現を判定した。次にDBDpp-CARを発現しているJurkat細胞をCD123+(非限定的な態様としてBDCM、急性骨髄性白血病)腫瘍細胞と共に6時間共培養し、その後、ルシフェラーゼアッセイ試薬(Promega)を細胞に添加することにより、NFATが媒介するシグナル伝達を測定し、図18に示すように相対発光量(RLU)を定量した。
【0467】
これらのデータは、この非限定的な態様においてDBDpp-CARが細胞(例えば、ヒトT細胞)上に発現され、そのように発現された場合に、DBDppにより結合された標的(この非限定的な態様ではFc-CD123)への曝露後にDBDpp-CARが細胞内シグナル伝達カスケードを開始することができることを実証している。
【0468】
実施例9. ヒトT細胞に発現されたDBDpp-CARは標的に結合するとサイトカインを生成する
CAR発現T細胞による標的の会合は、サイトカインの分泌をもたらすことができる。
【0469】
したがって、Lipofectamine 3000を使用して、DBDpp-CARをコードするpELNSベクターと共に第3世代のレンチウイルスパッケージングベクター(pRSV-REV、pMDLg/pRRE、およびpMD2.G)を293T細胞に一過性にトランスフェクトした。トランスフェクションの6時間後に培地を交換し、次にレンチウイルス含有培地をトランスフェクションの30および54時間後に収集し、プールし、次に遠心分離して細胞破片を除去した。次にレンチウイルスを小分けし、ウイルス形質導入のために使用するまで-80℃で保存した。40U/ml IL-2を補充した培地中でαCD3/CD28 T細胞活性化ビーズで活性化された総ヒトPBMCを用いてCARレンチウイルスによるヒトT細胞の形質導入を行った。24時間後に、培地1mlならびに40U/ml IL-2および硫酸プロタミンを補充したレンチウイルス含有培地3mlを有する6ウェル組織培養プレートのウェル1個あたり2×106個のPBMCを蒔いた。次にプレートを32℃および1000×gで2時間遠心分離し、37℃で一晩インキュベートした。翌日、新鮮培地およびレンチウイルス含有培地を用いてレンチウイルスの形質導入手順を繰り返した。最初の細胞活性化の72時間後に、T細胞活性化ビーズを除去し、次に約0.25〜0.5×106個のT細胞/mlで増殖させるために100U/ml IL-2を補充した新鮮培地中でT細胞を培養した。最初の活性化の7〜10日後にサイトカインアッセイ(下記)のためにT細胞を使用するまで、2〜3日毎にT細胞に追加的なT細胞培地およびIL-2を補充した。
【0470】
標的抗原の発現(この非限定的な態様ではCD123)に応答するサイトカイン生成を、96ウェルプレートのウェル1個あたり25,000個の形質導入後のT細胞(活性化の7日後)を25,000個の非標的(K562、CD123-)または標的(BDCM、CD123+)腫瘍細胞と共に培養することにより判定した。24時間後に培養上清を収集し、サイトカイン生成をELISAにより判定した。ELISAの前に培養上清を1:5に希釈した。同様に、PD-L1標的抗原の発現に応答したサイトカイン生成を、96ウェルプレートのウェル1個あたり25,000個の形質導入後のT細胞(活性化の7日後)を25,000個の非標的(K562、PD-L1-)または標的(SUDHL-1、PD-L1+)腫瘍細胞と共に培養することにより判定した。24時間後に培養上清を収集し、サイトカイン生成をELISAにより判定した。ELISAの前に培養上清を1:5に希釈した。
【0471】
図19Aに、CD123結合性DBDpp-CARを発現しているT細胞が、CD123-細胞株K562ではなく、CD123+ BDCM細胞を用いた刺激後にインターフェロンガンマ(IFNγ)を生成することを実証する。図19Bに、CD123結合性DBDpp-CARを発現しているT細胞が、CD123-細胞株K562ではなく、CD123+ BDCM細胞を用いた刺激後にインターロイキン2(IL2)を生成することを実証する。図20Aに、PD-L1結合性DBDpp-CARを発現しているT細胞が、PD-L1-細胞株K562ではなく、PD-L1+ SUDHL-1細胞を用いた刺激後にインターフェロンガンマ(IFNγ)を生成することを実証する。図20Bに、PD-L1結合性DBDpp-CARを発現しているT細胞が、PD-L1-細胞株K562ではなく、PD-L1+ SUDHL-1細胞を用いた刺激後にインターロイキン2(IL2)を生成することを実証する。
【0472】
実施例10. DBDpp-CARを発現しているT細胞は、標的を発現している腫瘍細胞と共培養されたときに増殖する
標的結合性CARを発現しているT細胞は、可溶性標的または標的発現腫瘍細胞の会合後に増殖することができる。
【0473】
24ウェルプレート中で形質導入後のT細胞(1×105個、活性化の10日後)を、マイトマイシン-Cで予備処理した腫瘍細胞1×105個と一緒に培養することにより、標的抗原(その中でCD123が非限定的な例である)を発現している腫瘍細胞に応答したDBDpp-CAR形質導入ヒトT細胞の増殖を判定した。腫瘍細胞には、標的非発現性のK562(CD123-)、標的の中間発現性株KG1aおよびMOLM-13(CD123-中間)、およびBDCM(CD123-高)が含まれた。形質導入されたT細胞を収集し、腫瘍細胞と共に96時間共培養した後にカウントした。PD-L1標的抗原を発現している腫瘍細胞に応答したT細胞増殖の判定にもこのアプローチを用いた。腫瘍細胞には、標的非発現性K562(PD-L1-)、標的中間発現性株BDCMおよびH460(PD-L1-中間)、およびSUDHL-1(PD-L1-高)が含まれた。細胞を収集し、96時間培養後にカウントした。これらの増殖実験からのデータをそれぞれ図21および図22に示す。
【0474】
図21におけるヒストグラムの棒線は、(左から右方向に)DBDpp-CAR T細胞の単独培養、CD123陰性K562細胞との共培養、CD123低レベル発現性KG1a細胞との共培養、CD123低レベル発現性MOLM-13細胞との共培養、およびCD123高レベル発現性BDCM細胞との共培養を表す。ヒストグラムの棒線の高さにより示されるように、CD123を(中間レベルまたは高レベル)発現する細胞と共にインキュベートした場合、T細胞の増殖に相応の増加がある。これらのデータは、CD123を標的指向しているDBDpp-CAR T細胞が、CD123との結合に応答して、CD123標的指向scFvに匹敵する程度に、または一部の態様ではそれよりも大きな程度で増殖することを示す。同様に、図22では、ヒストグラムの棒線は、(左から右方向に)PD-L1-DBDpp-CAR T細胞の単独培養、PD-L1陰性K562細胞との共培養、PD-L1を中間レベル発現しているBDCM細胞との共培養、PDL2を高レベル発現しているSUDHL-1細胞との共培養、およびPD-L1を中間レベル発現しているH460細胞との共培養を表す。これらのデータは、DBDppの標的に対するT細胞の応答の特異性を示している(例えば、標的が存在しないときは限られた応答であるかまたは応答が無い)。したがって、上記のようにこれらのデータは、PD-L1を標的指向しているDBDpp-CAR T細胞がPD-L1との結合に応答して特異的に増殖することを示す。上述のように、CD137、CD123、およびPD-L1は、DBDppが特異的に結合することができることで(T細胞、NK細胞などのCARと共に)標的特異的な免疫細胞機能を誘導することができる標的の、単なる非限定的な例である。
【0475】
実施例11. DBDpp-CARを形質導入されたT細胞は、T細胞消耗に関連する表現型を表さない
抗原および/または炎症性シグナルへのT細胞の持続性曝露は、エフェクター機能の喪失ならびにLAG-3、PD-1およびTIM-3などの複数の抑制受容体の発現により特徴付けられるT細胞の「消耗」を招く可能性がある。そのような消耗は、T細胞受容体を凝集させる抗原非依存性メカニズムによる自然なT細胞刺激に起因する可能性もある。T細胞消耗の成り行きは、減少した腫瘍制御である可能性があり、したがって過度の消耗を回避することは、T細胞を用いたがん免疫療法における望ましい特質である。
【0476】
DBDpp-CARを発現しているT細胞における潜在的抗原非依存性消耗を判定するために、形質導入されたT細胞(活性化の10日後)をCD3に対する抗体ならびにT細胞消耗マーカー(LAG3、PD1、およびTIM3)に対する抗体で染色した。図23Aに、いくつかのT細胞ドナーにわたる個別の実験からのデータをまとめる。このデータは、消耗マーカーの発現が様々なCD123結合性DBDpp-CAR T細胞において増強されなかったことを実証している。図23Bに、scFv含有CAR(一番上の列)またはDBDpp-CAR(この特定の実験ではCD123標的指向cg06)のいずれかを形質導入されたT細胞におけるT細胞の最初の活性化から10日後のLAG-3、PD1、およびTIM-3の発現の代表的なフローサイトメトリーのデータを示す。これらのデータの類似性は、ここでもDBDpp-CAR T細胞が消耗マーカーの発現をアップレギュレーションしないことを再度実証しており、このことは、がん免疫療法におけるそれらの効力をさらに裏付けるものである。
【0477】
実施例12. DBDpp-CARを発現しているT細胞は標的特異的な脱顆粒および腫瘍細胞傷害作用を示す
T細胞、NK細胞、および多くの単球系列細胞(態様に応じてその全てを使用することができる)の脱顆粒。細胞型に応じて、脱顆粒は、免疫細胞における分泌顆粒からの抗菌分子、細胞傷害性分子または他の分子の放出を生じることができる。パーフォリン(孔形成性細胞毒)またはグランザイム(標的細胞にアポトーシスを誘導するセリンプロテアーゼ)のような分子は、T細胞およびNK細胞が腫瘍細胞(または他の細胞型)死滅させるのを援助する。
【0478】
DBDpp-CARを発現しているT細胞の脱顆粒を判定するために、形質導入されたT細胞、1×105個(活性化の9日後)を、モネンシンおよびPE結合体型CD107a/LAMP1の存在下、T細胞培地中で4時間培養した。T細胞を単独または非標的腫瘍細胞(CD123-であるK562)または標的発現腫瘍細胞(BDCM、CD123+)2×105個の存在下で培養し、次に洗浄し、CD3の発現について染色した。次に、最初にCD3+SSC-低の細胞(非腫瘍)、次にCD3+CD107a+細胞に関してゲート設定したフローサイトメトリーによりT細胞の脱顆粒を判定した。記号は、複数のドナーを用いた個別の実験からの試料を表す。
【0479】
図24A〜24Dに、これらのデータをまとめる。図24Aに、CD123標的指向DBDpp-CAR T細胞を単独培養した場合の、陰性対照に相当するCD107a(DBDpp-CAR T細胞の脱顆粒マーカーとして)の生成を示す。図24Bに、DBDpp-CAR T細胞をCD123陰性K562腫瘍細胞と共に共培養したときの限られたCD107aの発現を示す。図24Cに、CD123標的指向DBDpp-CAR T細胞をCD123陽性BDCM細胞と共培養したときの顕著なCD107aの発現を示すことで、活性化され、シグナル伝達を受けており、脱顆粒を受けているT細胞が腫瘍の根絶をもたらすことを示す。図24Dに、CD123標的指向DBDpp-CAR T細胞とCD123陽性BDCM細胞との共培養の実験反復からのデータを示す。図25A〜25Dに、PD-L1-DBDpp-CARを発現しているT細胞の脱顆粒に関する類似のデータを示す。これらのデータは、DBDpp-CAR T細胞が効果的に脱顆粒することを実証するだけでなく、これらのデータは、DBDpp-CAR発現T細胞の標的依存性活性化のさらなる裏付けを与えるものである。
【0480】
実施例13. DBDpp-CARが媒介する腫瘍細胞傷害作用は標的に特異的である
図26および27に記載するように、DBDpp-CARを発現しているヒトT細胞の標的特異的な機能を、インビトロ腫瘍細胞細胞傷害作用を含むように拡張した。これらの実験に、蛍光増強リガンド(BATDA)を予備負荷されたCD123+(BDCM、急性骨髄性白血病)およびCD123-(K562、慢性骨髄性白血病)腫瘍細胞を採用した。CD123に方向付けられたDBDpp-CAR発現T細胞を腫瘍細胞と共に様々なエフェクター対標的(E:T)比で2時間培養した。モック共培養およびCD123に方向付けられたscFv-CARとの共培養を対照として使用した。追加的な実験群において、PD-L1+(SU-DHL-1、大細胞型リンパ腫)およびPD-L1-(K562、慢性骨髄性白血病)腫瘍細胞にBATDAを予備負荷した。PD-L1に方向付けられたDBDpp-CAR発現T細胞を腫瘍細胞と共に様々なE:T比で2時間培養した。モック共培養を対照として使用した。標的細胞の細胞溶解の結果としてBATDAリガンドが放出され、ユーロピウム溶液(Eu)を添加すると蛍光および安定なキレートを形成し、その蛍光をSynergy 2(Biotek)時間分解蛍光計を用いて測定した。
【0481】
図26A〜26Dおよび27A〜27Fにこれらの実験からのデータをまとめる。図26AにCD123標的指向DBDpp-CAR T細胞とK562細胞(CD123を発現せず)の共培養がモック共培養対照よりも少ない死滅パーセンテージをもたらすことを示す。対照的に、図26Bに、CD123標的指向DBDpp-CARを発現しているT細胞の各群が、モック共培養対照および一部のDBDppについてはscFvを用いてCD123に標的指向されたT細胞よりも効果的にCD123陽性腫瘍細胞を死滅させることを実証する。図26Cおよび26Dに、別のドナーからの細胞を用いた類似のデータを示す。
【0482】
さらなる例として、図27A〜27Fに、PD-L1に方向付けられたDBDpp-CAR T細胞についての死滅パーセンテージを示す。上述のように、PD-L1を発現していない細胞と共培養した場合、検出される細胞傷害作用は限られているかまたは検出されない(27A、27C、27E)。しかし、標的マーカーPD-L1を実際に発現する細胞と共培養した場合、細胞傷害作用が測定され、その細胞傷害作用はモック共培養対照において検出されるものをはるかに超えるものである(27B、27D、27F)。これらのデータは、DBDpp発現T細胞が標的特異的な腫瘍細胞の死滅を含むという機能的特質を拡張するものである。
【0483】
実施例14. DBDppドメインは脱免疫され、機能を保持することができる
多くの治療薬が、有害副作用を引き起こす潜在性を有するが、一方で有効な治療法をもたらしている。場合によっては、患者は、治療薬(薬物に基づくものであれ細胞に基づくものであれ)に対して免疫反応を有する場合がある。本明細書開示のDBDppは非ヒトタンパク質であるので、潜在的に免疫原性のエピトープを特定し、DBDppの機能的特性を損なうことなくそれらを除去するためにインシリコ分析を行った。
【0484】
cg06(SEQ ID NO: 99)のアミノ酸配列のインシリコ分析から、高親和性(結合閾値6%未満)で無差別に結合する(関連アレルの50%超に存在する)T細胞エピトープと特徴を共有する3つのアミノ酸9個の配列を特定した(Singh, Bioinformatics 17:1236-1237, 2012)。cg06内の特定のアミノ酸置換を、予測されるT細胞エピトープの数を減少するものとして特定した。対応する点変異を個別にまたは組み合わせてcg06に導入し、一連の「脱免疫化」DBDpp-CARをもたらした。
【0485】
DBDpp(cg06)の三次元モデルを図28Aに示す。図28Bに、潜在的に免疫原性のエピトープの(3つのうち)1つがより低い潜在的免疫原性であるように改変されたcg06を示す。図28Cに、潜在的免疫原性エピトープの(3つのうち)2つが改変されたcg06を示す。図28Dに、潜在的免疫原性エピトープの3つ全てが改変されたcg06を示す。
【0486】
Jurkatレポーター細胞にこれらの脱免疫されたDBDpp-CARをエレクトロポレーションした。24時間培養後、Jurkat細胞上のCARの発現を、抗FLAGモノクローナル抗体を用いた染色により判定した。細胞をCD123+標的腫瘍細胞(CD123を低レベル発現するKG1aおよびCD123を高レベル発現するBDCM)と6時間共培養した。ルシフェラーゼアッセイ試薬(Promega)を細胞に添加し、相対発光量(RLU)を定量することにより、NFATにより媒介されるシグナル伝達を測定した。
【0487】
これらの実験からのデータを図29A〜29Bに示す。図29Aに、CD123陽性BDCM細胞と共培養した場合に、脱免疫されたCD123結合性DBDpp-CAR(cg06-1からcg06-6)がNFATシグナル伝達を誘導することを実証する。図29Bに、より低いCD123発現を有する細胞(KG1a)と共培養した場合に、CD123結合性DBDpp-CARがNFATシグナル伝達も誘導することもさらに実証する。図29Aと比較して減少したRLUレベルに注目されたい。総合すれば、これらのデータは、標的結合性DBDppの免疫原性潜在性を、DBDppの機能または標的密度(CAR媒介細胞内シグナル伝達の依存性)を変更しないDBDppにおける特異的アミノ酸残基置換により減少させることができることを実証している。標的の存在度が大きいほど応答の程度は大きい。これらのデータは、本明細書開示のいくつかの態様によるDBDppを治療薬として使用することができ、必要ならばDBDpp-CAR含有細胞(例えば、T細胞、NK細胞など)に対する免疫応答の潜在性を減少させるように改変できることも示している。
【0488】
実施例15. 二重特異性DBDpp
ある場合には、標的細胞(例えば、腫瘍細胞)は、1つを超えるマーカーを発現する場合がある。一部の態様では、DBD-CARは標的細胞上の単一のマーカー(例えば、独特ながん細胞マーカー)を標的指向する。しかし、一部の態様では、ある特定のマーカーはがん細胞に独特なわけではなく、正常細胞上にも(おそらく異なるレベルであるものの)発現される。したがって、いくつかの態様では、2つのマーカーを標的指向することは、二重特異性DBDppを発現するようにCAR操作することによって免疫療法剤の特異性を増加させる機会を与える。そのような態様では、最も効率的に死滅した標的化された細胞は、DBDppにより標的指向された両方のマーカーを発現している細胞である(しかし、一方または他方のマーカーを発現している細胞の死滅がなお生じる場合がある)。このアプローチを検査するために、二重特異性DBDpp-CARをJurkat細胞上に発現させ、一方または両方の標的を発現している腫瘍細胞に応答した細胞内シグナル伝達を測定した。
【0489】
図30A〜30Bに、K562(CML);KG-1a(AML);BDCM(AML);SU-DHL-1(LCL)およびH460(肺がん)細胞株上のCD123およびPD-L1の細胞表面発現をそれぞれ規定する。K562はどちらの標的も発現せず、一方でKG1aおよびBDCMは、CD123と、CD123陰性細胞、SU-DHLおよびH460上に観察された高いPD-L1発現と比較して低レベルのPD-L1を発現する。これらの細胞株は、cg06(抗CD123)をPD-L1に対して特異性を有する第2のDBDpp(pb04)と融合したものを含む二重特異性CARにより、CD123結合性DBDpp-CAR(cg06)の細胞内シグナル伝達を増強することができるかどうか決定する機会を与える。図31Aに、CARへの抗FLAG mAbの結合により判定されるように、cg06だけ(図31A)、pb04だけ(図31B)、pb04のN末端に融合されたcg06(cg06-pb04、図31C)およびcg06のN末端に融合したpb04(pb04-cg06、図31D)を含むDBDpp-CARをJurkat NFATレポーター細胞株に形質導入し、発現させることができることを実証する。一特異性および二重特異性CARがNFAT経路を活性化する能力を、様々なCARと、異なるレベルのCD123および/またはPD-L1の発現を有する腫瘍細胞との共培養により判定した。細胞を標的細胞と6時間共培養した。ルシフェラーゼアッセイ試薬(Promega)を細胞に添加し、誘導された細胞内シグナル伝達の測定値として相対発光量(RLU)を定量することにより、NFATが媒介するシグナル伝達を測定した。
【0490】
図31Eに、この実験の結果を示す。最も左側の棒線の群およびヒストグラムは、様々な細胞型に対するcg06 DBDppの相対死滅効果を示す。高CD123+のBDCMと共培養後のシグナル伝達応答はこのDBDpp-CARを用いたときに最大であった。その右の次の群は、同じ細胞型に対するpb04 DBDppの共培養後の細胞内シグナル伝達を示すデータを表す。シグナル伝達はBDCMで最高であり、SUHDL1およびH460がそれに続いた(図30A〜30B参照、これらは、CD123およびPD-L1について最高発現細胞株である)。その右の次の群は、二重特異性cg06-pb04 DBDpp(pb04と比較してcg06の方がT細胞細胞膜に遠位である)の細胞内シグナル伝達を示すデータを表す。最後に、最も右の群は、第2の二重特異性DBPpp(pb04-cg06 DBDpp、ここで、cg06と比較してpb04の方がT細胞膜に遠位である)からの細胞内シグナル伝達を示す。これらの2つの群は、二重特異性DBDpp-CARが細胞内シグナル伝達を促進するように機能することを示す。いくつかの態様によると、二重特異性DBDpp-CARは、増強した活性を示す(BDCM細胞を用いたときのpb04-cg06群における細胞内シグナル伝達の強度は、pb04 DBDpp単独だけで説明できるよりも大きい)。したがって、いくつかの態様では、2つのDBDppを含むDBDpp-CARは、協力してT細胞機能を増強することができる。いくつかの態様では、二重特異性(または他のマルチマー性)DBDpp-CARに使用される様々なDBDppの間に相乗作用がある。
【0491】
実施例16. DBDppが媒介するインビボ腫瘍免疫療法
いくつかの態様では、DBDpp-CARを発現している細胞は、インビボ腫瘍細胞傷害作用を産生することに有効である。がんマーカー特異的DBDpp-CARがT細胞(または他の実験ではNK細胞)の表面に発現される実験を行う。マウスが固形腫瘍を発現するように遺伝子操作されたマウスモデルまたは特定のDBDpp-CARが方向付けられるがんマーカーを腫瘍細胞が発現する懸濁腫瘍を使用する。標的指向マーカーを発現しない腫瘍を有する対照マウスを対照として使用し、プラセボT細胞治療薬の投与を受けるマウスも同様である。
【0492】
DBDpp-CAR細胞をマウスに投与し、様々なDBDpp-CARの投与を受けているマウスについて全身腫瘍組織量を経時的に判定する。全身腫瘍組織量を、確立された方法(例えば、インビボイメージング)により判定し、死亡率を経時的に判定する。
【0493】
標的特異性DBD-pp-CAR細胞の投与を受ける結果として、DBDppにより特異的に標的指向されるマーカーを発現しているマウスにおいて全身腫瘍組織量は減少する。この減少は、プラセボの投与を受けているマウスと比較して有意である。同様に、この減少は、DBDppにより特異的に標的指向されるマーカーを発現しない腫瘍細胞を有するマウスと比較して有意である。さらに、プラセボ群および特定の標的マーカーを発現していない腫瘍を有するマウスの群と比較して標的特異的DBDpp-CARの投与を受けているマウスにおいて死亡率は減少する。この実験の結果は、DBDpp-CARを発現している免疫細胞が有効な治療剤であり、腫瘍細胞の標的特異的細胞傷害作用をインビボで産生することを実証している。
【0494】
実施例17. DBDppが媒介するインビボ腫瘍免疫療法
上述のように、DBDpp-CAR発現細胞は、腫瘍細胞傷害作用をインビボでもたらすのに有効である。がんマーカー特異的DBDpp-CARがT細胞(または他の実験ではNK細胞)の表面に発現される実験を行う。臨床試験から、DBDpp-CAR細胞の安全性が実証される。DBDppが特異的に標的指向するマーカーを発現している腫瘍を有するヒトにDBDpp-CAR細胞を投与するために追加的な試験を行う。
【0495】
当技術分野において慣用な技術により決定される計画でDBDpp-CAR細胞を投与する。腫瘍の進行、全身腫瘍組織量および死亡率を経時的に判定する。
【0496】
標的特異的DBDpp-CAR細胞の投与を受ける結果、腫瘍の進行が減速し、全体的な全身腫瘍組織量が減少する。この減少は、化学療法または放射線療法などの従来の抗がん技法を利用する歴史的データと比較して有意である。そのような治療法と比較して死亡率も減少する。オフターゲット細胞傷害作用の影響も限られている。この試験の結果は、DBDpp-CARを発現している免疫細胞が効果的な治療剤であり腫瘍細胞の標的特異的細胞傷害作用をインビボで産生することを実証している。
【0497】
実施例18: 別個のアミノ酸配列を含むDBDppの標的エピトープ特異性を規定するための競合阻害アッセイ
非限定的に、一次アミノ酸配列、pI、融解点、標的特異性、結合親和性、および標的エピトープ特異性を含めた様々な構造的および機能的特性によりDBDppを規定することができる。標的に対する一定濃度の第1のDBDppの結合が、漸増する濃度の第2のDBDppの存在下で行われる競合アッセイ形式を用いて、第1のDBDppの標的エピトープ特異性を、第2のDBDppと比較することができる。第1および第2のDBDppが、アミノ酸配列によりまたは空間的に規定されるような同じエピトープまたは部分重複するエピトープに結合するならば、第2のDBDppは標的への第1のDBDppの結合を阻害する(例えば、結合について競合する)。しかし、第2のDBDppが第1のDBDppの結合を阻害しないならば、DBDppは別個のエピトープに結合する。このアッセイ形式を使用して、PD-L1結合性DBDppであるpb04が、一定濃度(11.1pモル/ウェル)の第2のPD-L1結合性DBDppであるpb06の結合を阻害する能力を判定した。図32に、FC-PD-L1への、19pモル/ウェルというpb04のIC50濃度を有する可溶性pb04による、可溶性FLAGタグ付きpb06の結合の濃度依存性阻害を示す。したがって、pb04およびpb06は、たとえそのアミノ酸一次配列が異なっても(SEQ ID NO:182および184)、共通のエピトープ結合性を示す。このアッセイ形式は、DBDppがDBDppの標的にリガンドが結合するのを阻害する能力を特徴付けるために容易に適合される。
【0498】
実施例19: CD123標的指向DBDppの産生および選択
上に開示した方法のいくつかの態様により、参照配列SEQ ID NO:1を複数の位置で改変した。ある実験では、改変は、SEQ ID NO:6に対応するDBDppのライブラリーを生じた。CD123に対して特異性を示すDBDppの非限定的な例をSEQ ID NO:60〜69の配列により表す。
【0499】
追加的な実験では、改変は、SEQ ID NO:2に対応するDBDppのライブラリーを生じた。CD123に対して特異性を示すDBDppの非限定的な例をSEQ ID NO:70〜91の配列により表す。
【0500】
追加的な実験では、改変は、SEQ ID NO:4に対応するDBDppのライブラリーを生じた。CD123に対して特異性を示すDBDppの非限定的な例をSEQ ID NO:92〜127の配列により表す。
【0501】
態様に応じて、本明細書開示の方法により産生された任意のライブラリーのうち、ライブラリーの配列中のXn位のいずれかを天然または非天然アミノ酸により置換することができる。一部の態様では、システインおよび/またはプロリンはそのような置換のために使用されない。
【0502】
実施例20: 脱免疫されたCD123標的指向DBDppの産生および選択
上に開示した方法のいくつかの態様により、参照配列SEQ ID NO:1を複数の位置で改変した。ある実験では、改変は、SEQ ID NO:4に対応するDBDppのライブラリーを生じた。本明細書開示の方法により、選択されたライブラリーのメンバーを特定し、潜在的に免疫原性の残基を特定および改変することにより脱免疫した。本実験では、S65E置換によりSEQ ID NO:99のDBDppを改変し、減少した免疫原性を示すSEQ ID NO:130をもたらした。
【0503】
実施例21: CD123標的指向DBDppの脱免疫
SEQ ID NO:99のDBDppを産生させ、本明細書開示の方法により特定した。DBDppの潜在的免疫原性を減少させるためにさらなる改変を行った。本実験では、SEQ ID NO:128のDBDppをもたらすためにR17Q置換を行った。追加的に、SEQ ID NO:129のDBDppをもたらすためにS24E置換を行った。また、いくつかの態様により、複数の脱免疫置換を行うことができる。例えば、(i)SEQ ID NO:131のDBDppをもたらすためのR17Q、S24E置換、(ii)SEQ ID NO:132のDBDppをもたらすためのR17Q、S24T置換、(iii)SEQ ID NO:133のDBDppをもたらすためのR17Q、S24G置換、(iv)SEQ ID NO:134のDBDppをもたらすためのR17Q、S24E、S65E置換、(v)SEQ ID NO:135のDBDppをもたらすためのR17Q、S24T、S65E置換、およびSEQ ID NO:136のDBDppをもたらすためのR17Q、S24G、S65E置換を用いてSEQ ID NO:99を改変した。
【0504】
実施例22: CD19標的指向DBDppの産生および選択
上に開示した方法のいくつかの態様により、参照配列SEQ ID NO:1を複数の位置で改変した。ある実験では、改変は、SEQ ID NO:6に対応するDBDppのライブラリーを生じた。CD19に対して特異性を示すDBDppの非限定的な例をSEQ ID NO:137の配列により表す。
【0505】
追加的な実験では、改変は、SEQ ID NO:4に対応するDBDppのライブラリーを生じた。CD19に対して特異性を示すDBDppの非限定的な例をSEQ ID NO:138〜166の配列により表す。
【0506】
態様に応じて、本明細書開示の方法により産生した任意のライブラリーのうち、ライブラリーの配列中のXn位のいずれかを天然または非天然アミノ酸により置換することができる。一部の態様では、システインおよび/またはプロリンはそのような置換のために使用されない。
【0507】
実施例23: CD22標的指向DBDppの産生および選択
上に開示した方法のいくつかの態様により、参照配列SEQ ID NO:1を複数の位置で改変した。ある実験では、改変は、SEQ ID NO:2に対応するDBDppのライブラリーを生じた。CD22に対して特異性を示すDBDppの非限定的な例をSEQ ID NO:167〜168の配列により表す。
【0508】
追加的な実験では、改変は、SEQ ID NO:4に対応するDBDppのライブラリーを生じた。CD22に対して特異性を示すDBDppの非限定的な例をSEQ ID NO:169〜176の配列により表す。
【0509】
態様に応じて、本明細書開示の方法により産生した任意のライブラリーのうち、ライブラリーの配列中のXn位のいずれかを天然または非天然アミノ酸により置換することができる。一部の態様では、システインおよび/またはプロリンはそのような置換のために使用されない。
【0510】
実施例24: DR5標的指向DBDppの産生および選択
上に開示した方法のいくつかの態様により、参照配列SEQ ID NO:1を複数の位置で改変した。ある実験では、改変は、SEQ ID NO:6に対応するDBDppのライブラリーを生じた。DR5に対して特異性を示すDBDppの非限定的な例をSEQ ID NO:177〜178の配列により表す。
【0511】
追加的な実験では、改変は、SEQ ID NO:2に対応するDBDppのライブラリーを生じた。DR5に対して特異性を示すDBDppの非限定的な例をSEQ ID NO:179の配列により表す。
【0512】
追加的な実験では、改変は、SEQ ID NO:4に対応するDBDppのライブラリーを生じた。DR5に対して特異性を示すDBDppの非限定的な例をSEQ ID NO:180の配列により表す。
【0513】
態様に応じて、本明細書開示の方法により産生した任意のライブラリーのうち、ライブラリーの配列中のXn位のいずれかを天然または非天然アミノ酸により置換することができる。一部の態様では、システインおよび/またはプロリンはそのような置換のために使用されない。
【0514】
実施例25: PD-L1標的指向DBDppの産生および選択
上に開示した方法のいくつかの態様により、参照配列SEQ ID NO:1を複数の位置で改変した。ある実験では、改変は、SEQ ID NO:4に対応するDBDppのライブラリーを生じた。PD-L1に対して特異性を示すDBDppの非限定的な例をSEQ ID NO:181〜186の配列により表す。
【0515】
態様に応じて、本明細書開示の方法により産生した任意のライブラリーのうち、ライブラリーの配列中のXn位のいずれかを天然または非天然アミノ酸により置換することができる。一部の態様では、システインおよび/またはプロリンはそのような置換のために使用されない。
【0516】
引用された全ての刊行物、特許、特許出願、インターネットのサイト、およびアクセッション番号/データベース配列(ポリヌクレオチド配列およびポリペプチド配列の両方を含む)は、各個別の刊行物、特許、特許出願、インターネットのサイト、またはアクセッション番号/データベース配列がその全体で参照により本明細書に組み入れられると具体的および個別に表示される場合と同程度に、全ての目的のために参照によりそのように組み入れられる。
【0517】
上に開示された態様の特定の特徴および局面の様々な組み合わせまたは副組み合わせが作られる場合があり、それでも本発明の1つまたは複数の範囲内に入る場合があることが考えられる。さらに、態様に関連して、任意の特定の特徴、局面、方法、特性、性質、品質、特質、エレメント、または同種のものの本明細書における開示を、本明細書において示される全ての他の態様に使用することができる。したがって、開示された発明の多様な様式を形成させるために、開示された態様の様々な特徴および局面を相互に組み合わせまたは置換できることを理解すべきである。したがって、本明細書において開示された本発明の範囲を、上記の特別な開示された態様により限定すべきでないことが意図される。さらに、本発明に様々な改変および代替的な形態が可能であるものの、その具体例を図面に示し、本明細書に詳細に説明する。しかし、本発明は、開示された特定の形態または方法に本発明を限定するものでなく、逆に、本発明は説明された様々な態様および添付の特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれる全ての改変、等価物、および代替物に及ぶことができると理解すべきである。本明細書開示の任意の方法を、記載された順序で行う必要はない。本明細書開示の方法は、開業医によりとられるある特定の行為を含むが、それらは、それらの行為の任意の第三者の指導も明白にまたは暗示により含むことができる。例えば、「DBDpp-CARを含むT細胞を投与すること」などの行為は、「DBDpp-CARを含むT細胞の投与を指導すること」を含む。加えて、本開示の特徴または局面がマーカッシュグループにより説明される場合、当業者は、本開示がそれによりマーカッシュグループの任意の個別のメンバーまたはメンバーのサブグループによっても説明されることを認識している。
【0518】
本明細書開示の範囲は、任意および全ての重複、副範囲、およびその組み合わせも包含する。「最大」、「少なくとも」、「を超える」、「未満」、「の間」および同種のものなどの語句は、記載された数を含む。「約」または「およそ」などの用語が先行する数は、記載された数を含む。例えば、「約10ナノメートル」は「10ナノメートル」を含む。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図12F
図12G
図12H
図12I
図12J
図12K
図12L
図12M
図12N
図12O
図12P
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図15D
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23A
図23B
図24A
図24B
図24C
図24D
図25A
図25B
図25C
図25D
図26A
図26B
図26C
図26D
図27A
図27B
図27C
図27D
図27E
図27F
図28
図29
図30
図31A
図31B
図31C
図31D
図31E
図32
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]