(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記化合物(A)を構成するアルジトールが、アラビトール、キシリトール、リビトール、ソルビトール、マンニトール及びガラクチトールから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれかに記載の不織布製造用処理剤。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の不織布製造用処理剤は、特定の化合物(A)及び特定の成分(B)を含み、アニオン界面活性剤の重量割合が一定量未満である。以下に詳細に説明する。
【0011】
[エステル化合物(A)]
エステル化合物(A)は、アルジトール脂肪酸エステル化合物(A1)及び二無水アルジトールと脂肪酸とのエステル化合物(A2)から選ばれる少なくとも1種であり、本発明に必須の成分である。
エステル化合物(A)は、後述する成分(B)と併用すると、合成繊維の製造及び後加工工程にてスカム抑制及び低起泡性に優れる効果が得られる。
化合物(A1)と成分(B)とを併用した場合に合成繊維の製造及び後加工工程にてスカム抑制及び低起泡性に優れる効果が得られる要因は定かではないが、次のように推定している。
先ず、スカムの原因の一因である金属イオンを化合物(A1)が包摂する。次に、金属イオンを包摂した化合物(A1)と成分(B)とが相溶する。従って、金属イオンが処理剤中に取り込まれることで、金属イオンによるスカム析出を抑制しているものと推定している。又、スカム抑制に伴って、低起泡性に優れるものと推定している。
【0012】
(アルジトール脂肪酸エステル化合物(A1))
前記化合物(A1)を構成するアルジトールの水酸基の価数は、5以上である。4以下では、エステル化した場合に水酸基の数が少なくなり、化合物(A1)と成分(B)との併用による相互作用が小さいためか、スカム抑制することができない。なかでも、金属イオンがスカムとして析出するのを抑制する観点から、5又は6がより好ましく、6がさらに好ましい。
【0013】
前記化合物(A1)の水酸基の数の下限は、スカム抑制の観点から、2が好ましく、3がより好ましく、4がさらに好ましい。
前記化合物(A1)の水酸基の数の上限は、スカム抑制の観点から、6が好ましく、5がより好ましい。
【0014】
前記化合物(A1)を構成するアルジトールとしては、D−アラビニトール、L−アラビニトール、キシリトール、リビトール、D−イジトール、L−イジトール、ガラクチトール、D−グルシトール、L−グルシトール、D−マンニトール、L−マンニトール、ボレミトール、ペルセイトール、D−エリトロ−D−ガラクト−オクチトール等の水酸基の価数5〜8のアルジトールが挙げられる。なかでも、スカム抑制の観点から、D−アラビニトール、L−アラビニトール、キシリトール、リビトール、D−イジトール、L−イジトール、ガラクチトール、D−グルシトール、L−グルシトール、D−マンニトール、L−マンニトール等の水酸基の価数が5又は6のアルジトールが好ましい。
【0015】
前記化合物(A1)を構成する脂肪酸としては、酪酸、クロトン酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、イソセチル酸、マルガリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、イソエイコサ酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、ドコサン酸、イソドコサン酸、エルカ酸、テトラコサン酸、イソテトラコサン酸、ネルボン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等が挙げられる。
これらの中でも、低起泡性の観点から、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸などの飽和脂肪酸が好ましい。
【0016】
前記化合物(A1)としては、特に限定はされないが、例えば、D−マンニトールモノミリスチレート、D−マンニトールジミリスチレート、D−マンニトールトリミリスチレート、D−グルシトールモノパルミテート、D−グルシトールジパルミテート、D−グルシトールトリパルミテート、キシリトールモノステアテート、キシリトールジステアテート、キシリトールトリステアテート、ソルビトールモノステアレート(D−グルシトールモノステアレートともいう。)、D−マンニトールジパルミテート、ソルビトールジミリスチレート(D−グルシトールジミリスチレートともいう。)等が挙げられる。
【0017】
前記化合物(A1)は、市販品であっても、公知の方法により合成してもよい。公知の方法により合成する場合には、アルジトールと脂肪酸とをモル比1:1〜1:3でエステル化して得られる。
【0018】
(二無水アルジトールと脂肪酸とのエステル化合物(A2))
二無水アルジトールと脂肪酸とのエステル化合物(A2)(以後、化合物(A2)ということがある。)は、二無水アルジトールと脂肪酸とがエステル結合した構造を有するエステル化合物である。
エステル化合物(A2)は、後述する成分(B)と併用すると、合成繊維の製造及び後加工工程にてスカム抑制及び低起泡性に優れる効果が得られる。
化合物(A2)と成分(B)とを併用した場合に合成繊維の製造及び後加工工程にてスカム抑制及び低起泡性に優れる効果が得られる要因は定かではないが、次のように推定している。
化合物(A2)は、分子内に酸素原子を含む2つの環状構造を有するので、金属イオンを取り込みやすい。そこで、先ず、スカムの原因の一因である金属イオンを化合物(A2)が包摂する。次に、金属イオンを包摂した化合物(A2)と成分(B)とが相溶する。従って、金属イオンが処理剤中に取り込まれることで、金属イオンによるスカム析出を抑制しているものと推定している。又、スカム抑制に伴って、低起泡性に優れるものと推定している。
【0019】
前記化合物(A2)を構成する二無水アルジトールとしては、イソソルバイド、イソマンニド、イソイジドおよびイソガラクチド等のイソへキシドが挙げられる。
前記化合物(A2)を構成する脂肪酸は、前記化合物(A1)を構成する脂肪酸と同じものを挙げることができる。
前記化合物(A2)としては、特に限定されないが、例えば、イソソルビドモノステアレート、イソソルビドモノオレエート、イソソルビドモノラウレート、イソイジドモノステアレート、イソイジドモノオレート、イソイジドモノラウレート、イソマンニドモノパルミテート、イソソルビドモノミリスチレート等が挙げられる。
前記化合物(A2)は、市販品であっても、公知の方法により合成してもよい。
【0020】
[成分(B)]
本発明の処理剤は、成分(B)を必須に含む。成分(B)は、上述したように、化合物(A1)又は化合物(A2)と併用することにより、スカム析出を抑制している。
また、成分(B)は、絡合性に優れる成分である。
【0021】
本発明の処理剤に用いられる成分(B)は、ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(B2)、鉱物油(B3)及び1価アルコール脂肪酸エステル(B4)から選ばれる少なくとも1種である。
【0022】
前記ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)は、多価アルコール脂肪酸エステル(b1)にプロピレンオキシドやエチレンオキシドなどのアルキレンオキシドを付加した化合物である。
【0023】
多価アルコール脂肪酸エステル(b1)を構成する多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ショ糖等類が挙げられる。さらに、グリセリンの縮合物であるジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ヘキサグリセリン等のポリグリセリンも挙げられる。これらの中でも、絡合性向上の観点から、3価以上のアルコールが好ましく、グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールが好ましい例として挙げることができる。
【0024】
多価アルコール脂肪酸エステル(b1)を構成する脂肪酸としては、特に限定はなく、飽和であっても不飽和であってもよく、炭化水素基の側鎖にヒドロキシル基を含有していてもよい。当該脂肪酸はたとえば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、やし脂肪酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、リシノール酸、リノレン酸、リシネライジン酸、ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、セレブロン酸、ヒドロキシリグノセリン酸、サリチル酸、乳酸等があげられ、これ等を2種類以上併用してもよい。
【0025】
前記多価アルコール脂肪酸エステル(b1)は、多価アルコールの水酸基の少なくとも1つ以上がエステル化された構造を有するエステルである。また、当該多価アルコール脂肪酸エステルにおいて付加されるポリオキシアルキレン基を構成するアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等の炭素数2〜4のアルキレンオキシドが挙げられ、これ等の2種類以上を使用してもよい。付加されるエチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブチレンオキシドの付加の順序には特に限定はなく、また付加形態もブロック付加、ランダム付加及びブロック付加とランダム付加の組み合わせのいずれでもよく、特に制限はない。
【0026】
低起泡性及びスカム抑制の観点から、アルキレンオキシドの付加モル数は、多価アルコール脂肪酸エステル(b1)の1分子当り、5〜60が好ましく、10〜50がより好ましく、20〜40がさらに好ましい。60を越えると、低起泡性が悪化する可能性がある。5未満では、スカム抑制が不足する可能性がある。
【0027】
前記ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(B2)(以後単にエステル(B2)と表すことがある)は、脂肪酸とポリアルキレングリコールとがエステル結合した構造を有するエステル化合物である。
【0028】
前記エステル(B2)としては、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールモノパルミテート、ポリエチレングリコールジパルミテート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリエチレングリコールジオレエート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレンポリプロピレングリコールモノラウレート、ポリエチレンポリプロピレングリコールジラウレート、ポリエチレンポリプロピレングリコールモノオレエート、ポリエチレンポリプロピレングリコールジオレエート等が挙げられるが、これに限定されるものではない。これらの中でも、低起泡性の観点から、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリエチレングリコールジオレエート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレートが好ましく、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリエチレングリコールジオレエートがより好ましい。
【0029】
前記エステル(B2)を構成するポリアルキレングリコールの分子量は、低起泡性の観点から、100〜2000が好ましく、200〜1500がより好ましく、300〜1000がさらに好ましく、400〜800が最も好ましい。ポリアルキレングリコールの分子量が100未満であるとスカム抑制が不足する可能性があり、2000を越えると当該処理剤の発泡が多くなると共に製品粘度が高くなりスカム抑制が不足する可能性がある。
【0030】
前記鉱物油(B3)としては、マシン油、スピンドル油及び流動パラフィン等が挙げられるがこれに限定されるものではない。40℃における鉱物油の粘度はレッドウッド粘度計で40〜300秒(JISK−2283)の範囲とすることが好ましく、40〜160秒がより好ましく、60〜160秒がさらに好ましく、60〜120秒が特に好ましい。40秒未満では給油後の繊維を放置したとき放置時間と共に鉱物油が揮発する可能性があり、300秒を越えると粘度が高すぎてスカム抑制が低下する可能性がある。
【0031】
前記1価アルコール脂肪酸エステル(B4)は、一価アルコールと脂肪酸とがエステル結合した構造を有する化合物である。
【0032】
前記1価アルコール脂肪酸エステル(B4)を構成する1価アルコールとしては、特に限定はないが、1価の脂肪族アルコール等が挙げられる。1価の脂肪族アルコールの炭素数は分布があってもよい。また、飽和であっても不飽和であってもよく、直鎖状であってもよく、分岐を有していてもよい。1価の脂肪族アルコールの炭素数は、1〜30が好ましく、2〜24がより好ましく、4〜20がさらに好ましく、8〜18が特に好ましい。1価の脂肪族アルコールの炭素数が30を越えると、低起泡性が悪化する可能性がある。
前記1価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、2−エチルヘキサノール、ラウリルアルコール、ミリスチリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。
【0033】
前記1価アルコール脂肪酸エステル(B4)を構成する脂肪酸としては、特に限定はなく、飽和であっても不飽和であってもよく、炭化水素基の側鎖に水酸基を含有していてもよい。当該脂肪酸はたとえば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、やし脂肪酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、リシノール酸、リノレン酸、リシネライジン酸、ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、セレブロン酸、ヒドロキシリグノセリン酸、サリチル酸、乳酸等があげられ、これ等を2種類以上併用してもよい。
【0034】
(アニオン性界面活性剤(C))
アニオン性界面活性剤(C)は、アルキルスルホネート塩(C1)、アルキルサルフェート塩(C2)、ポリオキシアルキレンアルキルサルフェート塩(C3)、アルキルホスフェート塩(C4)、ポリオキシアルキレンアルキルホスフェート塩(C5)、ジアルキルスルホコハク酸塩(C6)、脂肪酸金属塩(C7)及び多価アルコール脂肪酸エステルサルフェート塩(C8)からなる群より選ばれた少なくとも1種であり、制電性を付与する成分である。従って、アニオン性界面活性剤(C)をさらに含むと、処理剤が付着した短繊維がカード工程等の工程を通過する工程通過性が向上するため、好ましい。
【0035】
前記アルキルスルホネート塩(C1)は、工程通過性向上の観点から、アルキル基が1〜30であることが好ましく、4〜22がより好ましく、6〜18がさらに好ましい。当該アルキル基は、直鎖若しくは分岐又は飽和若しくは不飽和又は脂肪族若しくは芳香族のいずれであってもよく、分布があってもよい。
前記アルキルスルホネート塩(C1)のアルキルスルホネートとしては、特に限定はないが、例えば、ブチルスルホネート、ヘキシルスルホネート、オクチルスルホネート、デシルスルホネート、ラウリルスルホネート、セチルスルホネート、ステアリルスルホネート、オレイルスルホネート、p−トルエンスルホネート、ドデシルフェニルスルホネート、オレイルフェニルスルホネート、ナフチルスルホネート、ジイソプロピルナフチルスルホネート等が挙げられ、工程通過性向上の観点から、オクチルスルホネート、デシルスルホネート、ラウリルスルホネート、セチルスルホネート、ステアリルスルホネート、オレイルスルホネートが好ましく、ラウリルスルホネート、セチルスルホネート、ステアリルスルホネート、オレイルスルホネートがさらに好ましい。
前記アルキルスルホネート塩(C1)の塩としては、特に限定はないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩が挙げられる。
【0036】
前記アルキルサルフェート塩(C2)は、工程通過性向上の観点から、アルキル基が1〜30であることが好ましく、4〜22がより好ましく、6〜18がさらに好ましい。当該アルキル基は、直鎖若しくは分岐又は飽和若しくは不飽和又は脂肪族若しくは芳香族のいずれであってもよく、分布があってもよい。
前記アルキルサルフェート塩(C2)のアルキルサルフェートとしては、特に限定はないが、例えば、メチルサルフェート、エチルサルフェート、ブチルサルフェート、ヘキシルサルフェート、オクチルサルフェート、デシルサルフェート、ラウリルサルフェート、セチルサルフェート、ステアリルサルフェート、オレイルサルフェート等が挙げられ、工程通過性向上の観点から、ラウリルサルフェート、セチルサルフェート、ステアリルサルフェート、オレイルサルフェートが好ましく、ラウリルサルフェート、セチルサルフェート、ステアリルサルフェート、オレイルサルフェートがさらに好ましい。
本発明のアルキルサルフェート塩(C2)の塩としては、特に限定はないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩が挙げられる。
【0037】
前記ポリオキシアルキレンアルキルサルフェート塩(C3)は、工程通過性向上の観点から、アルキル基が1〜30であることが好ましく、4〜22がより好ましく、6〜18がさらに好ましい。当該アルキル基は、直鎖若しくは分岐又は飽和若しくは不飽和又は脂肪族若しくは芳香族のいずれであってもよく、分布があってもよい。
本発明のポリオキシアルキレンアルキルサルフェート塩のポリオキシアルキレンは、ポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレンである。ポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンである場合には、ランダム型に付加重合させた化合物であってもよく、ブロック型に付加重合させた化合物であってもよい。生産性の点から、ランダム型に付加重合させた化合物が好ましい。
工程通過性向上の観点から、当該ポリオキシアルキレンの付加モル数は1〜40であり、2〜30が好ましく、3〜25がより好ましく、4〜20がさらに好ましい。当該ポリオキシアルキレンの付加モル数が40を超えると、工程通過性が低下する可能性がある。
前記ポリオキシアルキレンアルキルサルフェート塩(C3)の塩としては、特に限定はないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩が挙げられる。
【0038】
前記アルキルホスフェート塩(C4)は、工程通過性向上の観点から、アルキル基が1〜30であることが好ましく、4〜22がより好ましく、6〜18がさらに好ましい。当該アルキル基は、直鎖若しくは分岐又は飽和若しくは不飽和又は脂肪族若しくは芳香族のいずれであってもよく、分布があってもよい。
前記アルキルホスフェート塩(C4)のアルキルホスフェートとしては、特に限定はないが、例えば、メチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ブチルホスフェート、ヘキシルホスフェート、オクチルホスフェート、デシルホスフェート、ラウリルホスフェート、セチルホスフェート、ステアリルホスフェート、オレイルホスフェート、ジオクチルホスフェート、メチルオレイルホスフェート、ノニルフェニルオキシエトキシエチルメチルホスフェート等が挙げられる。
前記アルキルホスフェート塩(C4)の塩としては、特に限定はないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩が挙げられる。
【0039】
前記ポリオキシアルキレンアルキルホスフェート塩(C5)は、工程通過性向上の観点から、アルキル基が1〜30であることが好ましく、4〜22がより好ましく、6〜18がさらに好ましい。当該アルキル基は、直鎖若しくは分岐又は飽和若しくは不飽和又は脂肪族若しくは芳香族のいずれであってもよく、分布があってもよい。
前記ポリオキシアルキレンアルキルホスフェート塩(C5)のポリオキシアルキレンは、ポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレンである。ポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンである場合には、ランダム型に付加重合させた化合物であってもよく、ブロック型に付加重合させた化合物であってもよい。生産性の点から、ランダム型に付加重合させた化合物が好ましい。
工程通過性向上の観点から、当該ポリオキシアルキレンの付加モル数は1〜40であり、2〜30が好ましく、3〜25がより好ましく、4〜20がさらに好ましい。当該ポリオキシアルキレンの付加モル数が40を超えると、工程通過性が低下する可能性がある。
前記ポリオキシアルキレンアルキルホスフェート塩(C5)の塩としては、特に限定はないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩が挙げられる。
【0040】
前記アルキルスルホコハク酸塩(C6)は、工程通過性向上の観点から、アルキル基が1〜30であることが好ましく、4〜22がより好ましく、6〜18がさらに好ましい。当該アルキル基は、直鎖若しくは分岐又は飽和若しくは不飽和又は脂肪族若しくは芳香族のいずれであってもよく、分布があってもよい。2個のアルキル基は同一であっても異なっていてもよい。
前記アルキルスルホコハク酸塩(C6)としては、特に限定はないが、例えば、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩、ジドデセニルスルホコハク酸ナトリウム塩、ジ2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム塩、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウム塩、ジミリスチルスルホコハク酸ナトリウム塩、ジステアリルスルホコハク酸ナトリウム塩等を挙げることができる。
前記アルキルスルホコハク酸塩(C6)の塩としては、特に限定はないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩が挙げられる。
【0041】
前記脂肪酸金属塩(C7)は、工程通過性向上の観点から、アルキル基が1〜30であることが好ましく、4〜22がより好ましく、6〜18がさらに好ましい。当該アルキル基は、直鎖若しくは分岐又は飽和若しくは不飽和又は脂肪族若しくは芳香族のいずれであってもよく、分布があってもよい。
前記脂肪酸金属塩(C7)としては、特に限定はないが、例えば、酢酸、カプロン酸、ラウリン酸、2−エチルヘキサン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エルカ酸、マロン酸、アジピン酸、セバシン酸、ペンタデセニルコハク酸等のカリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
前記多価アルコール脂肪酸エステルサルフェート塩(C8)は、多価アルコール脂肪酸エステル(c)を硫酸化及び中和して得られる構造を有したサルフェート塩である。
硫酸化の方法は、特に限定されず、発煙硫酸、濃硫酸、クロルスルホン酸、三酸化硫黄ガス等により、公知の方法を用いることができる。
中和の方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。中和に用いる塩基性物質としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物、アンモニア、ヒドロキシアルキル鎖の炭素原子数が2〜4の、モノ、ジ及びトリアルカノールアミン、アルキル鎖の炭素原子数が1〜4の、1級、2級及び3級アルキルアミン等である。塩基性物質は二種以上併用してもよい。
【0042】
前記多価アルコール脂肪酸エステル(c)は、多価アルコールと脂肪酸とがエステル結合した構造を有するエステル化合物であり、合成品であっても、天然品であってもよい。
前記多価アルコール脂肪酸エステル(c)は、分子内のヒドロキシル基又は炭素−炭素不飽和結合が多い方が、前記サルフェート塩(A)1分子あたりのサルフェート基が多くなり、スカム抑制が良好になる。したがって、多価アルコール脂肪酸エステル(c)を構成する脂肪酸において、当該脂肪酸に対する不飽和脂肪酸含有量は、30重量%以上が好ましく、40重量%以上がより好ましく、70重量%以上がさらに好ましく、当該脂肪酸に対する不飽和脂肪酸含有量の上限値は、100重量%が好ましく、99重量%がさらに好ましい。
【0043】
前記多価アルコール脂肪酸エステル(c)の合成品に用いる多価アルコールは、ヒドロキシル基を2つ以上有する多価アルコールであり、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール等のジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、エリスリトール、ジグリセリン、ポリグリセリン、ソルビタン、ソルビトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、ショ糖等が挙げられ、低起泡性及びスカム抑制の観点から、グリセリン、ソルビタンがより好ましく、グリセリンがさらに好ましい。
【0044】
前記多価アルコール脂肪酸エステル(c)の合成品に用いる脂肪酸は、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸及びヒドロキシ不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。このような脂肪酸としては、たとえば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等、リグノセリン酸、ネルボン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラノリン脂肪酸、ヒドロキシカプリル酸、ヒドロキシカプリン酸、ヒドロキシウンデカン酸、ヒドロキシラウリン酸、ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、リノレン酸等が挙げられる。これらの中でも、分子内のヒドロキシル基又は炭素−炭素不飽和結合が多い方が、前記サルフェート塩1分子あたりのサルフェート基が多くなることでスカム抑制が良好になるという理由から、オレイン酸、ヒドロキシカプリル酸、ヒドロキシカプリン酸、ヒドロキシウンデカン酸、ヒドロキシラウリン酸、ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、リノレン酸が好ましく、リノレン酸がさらに好ましい。
【0045】
前記多価アルコール脂肪酸エステル(c)は、分子量が大きい程、低起泡性が良好である。従って、前記多価アルコール脂肪酸エステル(c)の総炭素数は23以上が好ましく、27以上がより好ましく、31以上がさらに好ましく、39以上が特に好ましい。前記多価アルコール脂肪酸エステル(c)の総炭素数の好ましい上限値は100であり、90がより好ましく、80がさらに好ましい。前記多価アルコール脂肪酸エステル(c)の総炭素数が100を越えると、スカム抑制が低下する可能性がある。
【0046】
前記多価アルコール脂肪酸エステル(c)の天然品としては、牛脂、豚脂、馬脂、羊脂、鳥脂、鯨油、海豚油、鰯油、鱈油、鮫油、ひまし油、菜種油、綿実油、胡麻油、オリーブ油、大豆油、やし油、パーム油、パーム核油、落花生油、トウモロコシ油、ひまわり油等が挙げられる。中でも、低起泡性の観点から、牛脂や菜種油が好ましい。
【0047】
前記多価アルコール脂肪酸エステル(c)としては、前記天然品に加えて、前記天然品を水素添加した構造を有する硬化油や半硬化油等も挙げられ、たとえば、硬化やし油、硬化パーム油、半硬化パ−ム油、硬化パ−ム核油、硬化大豆油、硬化菜種油、硬化ひまし油、硬化牛脂、半硬化牛脂、硬化豚脂、半硬化鰯油、硬化鰯油、硬化鱈油、半硬化鱈油、硬化鮫油、半硬化鮫油等が挙げられる。
【0048】
(一無水アルジトールと脂肪酸とのエステル化合物(D))
一無水アルジトールと脂肪酸とのエステル化合物(D)(以後、化合物(D)と記載することがある。)は、前記化合物(A)及び成分(B)と併用すると、スカム抑制効果が高まる成分である。化合物(D)は、前記成分(B1)とは、ポリオキシアルキレン基が付加されていない点で異なる。
前記化合物(D)を、前記化合物(A)及び成分(B)と併用した際にスカム抑制効果が高まる要因としては定かではないが、前記化合物(D)と成分(B)と併用した処理剤では、スカム抑制効果は見られないが、前記化合物(A)及び成分(B)と併用した処理剤に前記化合物(D)を加えると、スカム抑制効果がさらに向上することが確認できることから、化合物(D)は、化合物(A)及び成分(B)の相溶性を向上させることにより、スカム抑制効果が高まるものと推定している。
【0049】
前記化合物(D)は、アルジトールと脂肪酸とをモル比1:1〜1:2でエステル化して得られる際にアルジトール脂肪酸エステル化合物(A)との混合品として得られる。
反応条件によりエステル化合物(A)と前記化合物(D)との比率を調整することが可能であるが、エステル化反応時間を短く、温度を低温にする程エステル化合物(A)の比率が高くなる。
【0050】
前記化合物(D)を構成する一無水アルジトールとしては、特に限定はないが、ソルビタン及び/又はマンニタンが挙げられる。
前記化合物(D)を構成する脂肪酸としては、酪酸、クロトン酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、イソセチル酸、マルガリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、イソエイコサ酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、ドコサン酸、イソドコサン酸、エルカ酸、テトラコサン酸、イソテトラコサン酸、ネルボン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等が挙げられる。
これらの中でも、絡合性向上の観点から、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸などの炭素数C16以下の飽和脂肪酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸などの不飽和脂肪酸、イソセチル酸、イソステアリン酸、イソエイコサ酸、イソドコサン酸、イソテトラコサン酸などの分岐鎖脂肪酸が好ましい。
【0051】
前記化合物(D)としては、特に限定されないが、例えば、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンジパルミテート、ソルビタントリパルミテート、ソルビタンモノミリスチレート、ソルビタンジミリスチレート、ソルビタントリミリスチレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリオレエート、マンニタンモノパルミテート、マンニタンモノステアレート、マンニタンモノオレエート等が挙げられる。
これらの中でも、本願効果を奏する観点から、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンジパルミテート、ソルビタントリパルミテート、ソルビタンモノミリスチレート、ソルビタンジミリスチレート、ソルビタントリミリスチレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリオレエートが、好ましい。
【0052】
〔不織布製造用処理剤〕
本発明の不織布製造用処理剤は、不織布の製造に用いる短繊維に処理するものである。繊維については後述する。
本発明の不織布製造用処理剤は、アルジトール脂肪酸エステル化合物(A1)及び二無水アルジトールと脂肪酸とのエステル化合物(A2)から選ばれる少なくとも1種であるエステル化合物(A)と、ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(B2)、鉱物油(B3)及び1価アルコール脂肪酸エステル(B4)から選ばれる少なくとも1種である成分(B)とを含み、前記化合物(A1)を構成するアルジトールの水酸基の価数が4以上である、不織布製造用処理剤である。
本発明の不織布製造用処理剤は、エステル化合物(A)と成分(B)とを併用することで、合成繊維の製造及び後加工工程にてスカム抑制及び低起泡性に優れる効果が得られる。
【0053】
処理剤の不揮発分に対する前記化合物(A)の重量割合は、0.1〜20重量%が好ましく、0.5〜15重量%がより好ましく、1〜10重量%がさらに好ましく、1〜5重量%が特に好ましい。0.1重量%未満では、起泡を抑制できないことがあり、20重量%超ではスカム抑制に劣ることがある。
【0054】
処理剤の不揮発分に対する、前記化合物(A)及び前記成分(B)の重量割合の合計の上限値は、本願効果が得られやすい観点から、99重量%が好ましく、95重量%がより好ましく、90重量%がさらに好ましく、85重量%が特に好ましく、80重量%が最も好ましい。
処理剤の不揮発分に対する、前記化合物(A)及び前記成分(B)の重量割合の合計の下限値は、本願効果が得られやすい観点から、20重量%が好ましく、40重量%がより好ましく、50重量%がさらに好ましく、55重量%が特に好ましく、60重量%が最も好ましい。
【0055】
処理剤の不揮発分に対する前記アニオン性界面活性剤(C)の重量割合は、0.1〜60重量%が好ましく、0.5〜50重量%がより好ましく、1〜40重量%がさらに好ましく、2〜30重量%が特に好ましい。0.1重量%未満では、工程通過性が低下することがあり、20重量%超ではスカム抑制に劣ることがある。
【0056】
一無水アルジトールと脂肪酸とのエステル化合物(D)をさらに含むと、スカム抑制効果が高まるため、好ましい。
本発明の不織布製造用処理剤が、一無水アルジトールと脂肪酸とのエステル化合物(D)をさらに含む場合、化合物(D)の化合物(A)及び成分(B)の相溶性を向上させることにより、スカム抑制効果が高まる観点から、前記化合物(A)と前記化合物(D)との重量比(A/D)の下限値は、0.1が好ましく、0.2がより好ましく、0.3がさらに好ましく、0.4が特に好ましい。前記化合物(A)と前記化合物(D)との重量比(A/D)の上限値は、1000が好ましく、200がより好ましく、10がさらに好ましく、2が特に好ましい。
【0057】
[その他の成分]
本発明の不織布製造用処理剤は、必要に応じて水および/または溶剤を含有していてもよい。本発明に使用する水としては、純水、蒸留水、精製水、軟水、イオン交換水、水道水等のいずれであってもよい。
本発明の不織布製造用処理剤には、更に所望によりN−トリアルキルグリシンやN−トリアルキルスルフォベタインなどの乳化剤、カルナバワックス等の潤滑剤等を添加してもよい。また、必要があれば適切な防腐剤、防錆剤、消泡剤を添加してもよい。
本発明の不織布製造用処理剤の製造方法としては、特に限定なく、公知の方法を採用できる。処理剤は、通常、構成する前記の各成分を任意の順番で添加混合することによって製造される。
【0058】
[短繊維]
本発明の短繊維は、原料短繊維本体とこれに付着した上記不織布製造用処理剤とから構成される繊維をいい、一般的には所定の長さに切断した短繊維である。
不織布製造用処理剤の付与量は、原料短繊維に対して、0.05〜2.0重量%が好ましく、0.06〜1.5重量%がより好ましく、0.07〜1.0重量%がさらに好ましく、0.08〜0.7重量%が特に好ましい。0.05%未満では、静電気防止性が不足する可能性があり、2.0重量%超では、脱落によるスカムが増加する可能性がある。
【0059】
本発明の短繊維の繊維長は、不織布加工態様により次のように異なる。
スパンレース法及びニードルパンチ法による不織布製造に供する短繊維の場合は、2〜100mmが好ましく、10〜64mmがより好ましく、20〜60mmがさらに好ましく、31〜55mmが特に好ましい。繊維長が2mm未満及び100mm超であると、絡合性が低下する可能性がある。
エアレイド法及び抄紙法による不織布製造に供する短繊維の場合は、1〜40mmが好ましく、2〜20mmがより好ましく、3〜10mmがさらに好ましい。繊維長が40mm以下だと均一分散が達成され易く、さらに不織布の地合が良好になりやすい。繊維長が1mm以上だと、不織布に加工したときの不織布強力が良好である。
【0060】
本発明の短繊維の太さは、一般にデシテックス(以後、dtexで表現する)という単位で表されるが、0.7〜4.0dtexが好ましく、0.8〜3.0dtexがより好ましく、0.9〜2.0dtexがさらに好ましく、1.0〜1.5dtexが特に好ましい。0.7dtex未満では、カード通過性が低下する可能性がある。4.0dtex超では、絡合性が低下する可能性がある。
【0061】
本発明の不織布製造用処理剤は、そのまま希釈等せずに原料短繊維本体に付着させてもよく、水等で不揮発分全体の重量割合が0.2〜15重量%となる濃度に希釈してエマルションとして原料短繊維本体に付着させてもよい。不織布製造用処理剤を原料短繊維本体へ付着させる工程及び本発明の不織布製造用処理剤を原料短繊維本体に付着させる手段は、原料短繊維の種類によって異なる。
ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリ塩化ビニル繊維の場合には、不織布製造用処理剤を原料短繊維本体へ付着させる工程は、原料短繊維本体の紡糸工程、延伸工程、捲縮工程、切断工程手前等のいずれであってもよく、付着させる手段は、ローラー給油、ノズルスプレー給油、ディップ給油等のいずれであってもよい。
レーヨン繊維、キュプラ繊維、アセテート繊維等の再生繊維の場合には、不織布製造用処理剤を原料短繊維本体へ付着させる工程は繊維の切断工程後であり、付着させる手段は、均一に付着し、処理剤の性能が発揮され易い観点から、ディップ−ニップ給油が好ましい。
以上に限定されず、短繊維の製造工程やその特性に合わせ、より均一に効率よく目的の付着率が得られる方法を採用すればよい。また、乾燥の方法としては、熱風および赤外線により乾燥させる方法、熱源に接触させて乾燥させる方法等を用いてよい。
【0062】
本発明の原料短繊維としては、木綿繊維、晒し処理された木綿繊維等の天然繊維、レーヨン繊維、キュプラ繊維、アセテート繊維等の再生繊維、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、2種類以上の熱可塑性樹脂からなる複合繊維等の合成繊維が挙げられる。ポリアミド繊維としては、6−ナイロン繊維、6,6−ナイロン繊維、芳香族ポリアミド繊維等が挙げられる。
これらの中でも、レーヨン繊維は繊維表面が皺のある凸凹型を有することにより、絡合性が不足し易いため、本願発明の不織布製造用処理剤の効果が発揮され易い観点から、本願発明の不織布製造用処理剤は、レーヨン繊維用であると好ましく、本願発明の短繊維はレーヨン短繊維であると好ましく、本願発明の不織布は、レーヨン短繊維を含むものが好ましい。
【0063】
又、原料繊維がポリオレフィン繊維及びポリエステル繊維であれば、繊維が撥水性であるためにスパンレース法による不織布製造時により高い水圧が必要であり、起泡性低減がさらに必要との観点から、原料繊維がポリオレフィン繊維及びポリエステル繊維であることが、好ましい。
上記レーヨン繊維としては、ビスコースレーヨン繊維(強力レーヨン繊維、高強力レーヨン繊維、高湿潤弾性レーヨン繊維、ポリノジック繊維を含む)、溶剤紡糸レーヨン繊維等が挙げられる。
複合繊維の組み合わせとしては、ポリオレフィン系樹脂/ポリオレフィン系樹脂の場合、例えば、高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、直鎖状高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、低密度ポリエチレン/ポリプロピレン、プロピレンと他のα−オレフィンとの二元共重合体または三元共重合体/ポリプロピレン、直鎖状高密度ポリエチレン/高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン/高密度ポリエチレン等が挙げられる。また、ポリオレフィン系樹脂/ポリエステル系樹脂の場合、例えば、ポリプロピレン/ポリエチレンテレフタレート、高密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、直鎖状高密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート、低密度ポリエチレン/ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。また、ポリエステル系樹脂/ポリエステル系樹脂の場合、例えば、共重合ポリエステル/ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。さらにポリアミド系樹脂/ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂/ポリアミド系樹脂等からなる繊維も挙げられる。
これらの中でも、原料繊維が撥水性であるためにスパンレース法による不織布製造時により高い水圧が必要であり、起泡性低減がさらに必要との観点から、ポリオレフィン系樹脂/ポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂/ポリエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂/ポリエステル系樹脂がさらに好ましい。
後述するエアレイド法又は抄紙法による不織布製造工程に本発明の短繊維を供する場合には、原料繊維が熱融着繊維を含むと、熱融着繊維以外の繊維と混合した後、熱融着することで不織布となるため、好ましい。
前記熱融着繊維としては、不織布製造工程において溶融・融着が可能な熱可塑性繊維であればよく、低融点ポリエステル、低融点ビニロン、低融点ナイロンなどの単体繊維、あるいは芯がポリエチレン、ポリプロピレンあるいはポリエステルで、鞘がポリエステル、エチレン・酢酸ビニル共重合体のような所謂芯−鞘型の複合繊維などを単独で用いてもよいし、あるいはこれらの二種以上を併用してもよい。
【0064】
[不織布及び不織布の製造方法]
背景技術で既述したとおり、不織布加工態様は、多様化しており、スパンレース法、ニードルパンチ法、ケミカルボンド法、抄紙法及びエアレイド法がある。また、それらの不織布製造方法を組み合わせても良い。
本発明の不織布は、以下に記載する方法で作製した不織布である。
【0065】
(スパンレース法)
スパンレース法の場合には、本発明の短繊維を開繊工程にて開繊し、2以上の種類の短繊維を使用する場合には混綿し、不織布加工機によるカーディングにて繊維ウェブを作製する。
繊維ウェブを作製するには、繊維を不織布加工機に供給し、不織布加工機から排出されるフリースを適宜積層すればよい。不織布加工機としては、フリース中の繊維がほぼ一方向に配列するパラレル不織布加工機、フリース中の繊維が無配向となるランダム不織布加工機、前二者の中間程度の配向となるセミランダム不織布加工機、従来綿繊維の開繊に最も一般的に使用されているフラット不織布加工機等を使用することができる。不織布加工機から排出されたフリースを、そのまま多数枚重ねて、一方向に繊維が配列したウェブまたは繊維が無配向となっている繊維ウェブとしてもよい。また、一方向に繊維が配列したフリースを、各フリースの繊維が直交する状態で多数枚重ねて、縦・横均一な繊維ウェブとしてもよい。本発明においては、縦・横の引張強度が同等である方が好ましいので、繊維ウェブとしても、繊維が無配向となっている繊維ウェブまたは各フリース間の繊維が直交している繊維ウェブを採用することが好ましい。
不織布加工機によるカーディング工程は、繊維束状となったスライバーではなく、繊維ウェブを作製する点で、紡績時のカーディング工程と異なる。そのため、不織布加工機によるカーディング工程では、紡績時のカーディング工程では見られなかった風綿が発生し易い。係る理由から、本願発明の不織布製造用処理剤は、紡績用処理剤と異なり、絡合性の要求度が極めて高い。
【0066】
次に、スパンレース処理が繊維ウェブに施される。スパンレース処理は、繊維ウェブに高圧水流を衝突させるという絡合処理手段である。この手段によって、高圧水流のエネルギーが、繊維ウェブ中の繊維に与えられ、繊維はこのエネルギーによって運動させられ、その結果、繊維相互間に三次元的絡合が発現してくるのである。高圧水流は、例えば、孔径が0.05〜2.0mm程度、特に0.1〜0.4mmの噴射孔から、噴射圧力5〜150kg/cm
2・G程度で、水または温水等の液体を噴出させれば、容易に得ることができる。スパンレース処理は、一般的に、この噴射孔が0.3〜10mm間隔で一列または複数列に多数配列した装置を、繊維ウェブの進行方向と噴射孔の列とが直交するように配置し、進行する繊維ウェブ上に、高圧水流を衝突させることによって行われる。噴射孔と繊維ウェブ間との距離は、1〜15cm程度が好ましい。この距離が1cm未満であると、繊維ウェブに高圧水流が衝突したときのエネルギーが大きすぎて、得られる不織布の地合が乱れるおそれがある。一方、15cmを超えると、繊維ウェブに高圧水流が衝突したときのエネルギーが小さくなって、繊維に十分な運動エネルギーを与えることができず、三次元的絡合が不十分になる傾向が生じる。
【0067】
繊維ウェブにスパンレース処理を施す際、繊維ウェブは、通常、支持体に担持されている。すなわち、スパンレース処理が施される側とは、反対面に支持体が置かれている。この支持体は、繊維ウェブに施された高圧水流を良好に通過させるものであれば、どのようなものでも使用でき、例えばメッシュスクリーンや有孔板等が採用される。一般的には、金網等のメッシュスクリーンが採用され、また孔の大きさは、20〜100メッシュ程度であるのが好ましい。
【0068】
繊維ウェブにスパンレース処理を施した後、繊維ウェブには液体流として使用した水や温水等の液体が含浸された状態になっており、この液体を従来公知の方法で除去して、不織布が得られるのである。ここで、液体を除去する方法としては、まず、マングルロール等の絞り装置を用いて、過剰の液体を機械的に除去し、引き続き連続熱風乾燥機等の乾燥装置を用いて、残余の液体を除去する方法等が用いられる。以上のようにして得られた不織布は、繊維相互間の三次元的絡合が十分になされており、おしぼりや手拭き等の素材として使用するのに十分な引張強度を持つものである。
【0069】
(ニードルパンチ法)
繊維ウェブを作製する方法は、スパンレース法と同様である。
ニードルパンチ法による不織布製造方法は、一般的には繊維束に対して垂直な方向に棘を持った針が上下運動して、針の先端あるいは、棘に引っかかった繊維束が押し込められて立体的な絡み合いを生じさせることにより不織布を製造する工程(ニードルパンチ工程ということもある)を含む。ニードルパンチの回数、密度、針の形を最適化して、所望の結束力を得ることができる。
繊維ウェブをニードルパンチ法により不織布を製造するに際し、積層ウェブまたは不織布の少なくとも両端部を固定し、繊維移動を惹起しない状態にすることもできる。
【0070】
(抄紙法)
抄紙法による不織布製造方法は、本発明の処理剤が処理された短繊維を水中に分散させて抄紙する工程(抄紙工程ということもある)を含むものである。該短繊維は、抄紙工程において、撹拌・分散時、繊維同士が絡みにくく、速やかに沈降して単繊維に分散し、安定分散性も良好である。
抄紙工程としては、常法の湿式抄紙工程を採用できる。湿式抄紙工程としては、上記工程で本発明の処理剤が処理された短繊維をパルパーに投入して水中で撹拌・分散し、懸濁させる。この時、水に低シェアで分散され、気泡が抑制されるので、繊維が均一に分散することで、地合いの良好な抄紙を得ることができる。次に、抄き網に供給し、湿紙とする。そして、湿紙を乾燥させる乾燥工程を経て、ロール状に巻取り、湿式抄紙不織布を得る。抄き網は円網、短網が一般的であるが、長網、ロトフォーマー、ハイドロフォーマー、パーチフォーマーなどでも構わない。乾燥工程は複数の回転加熱ローラー式(多筒式)あるいはヤンキードラム式のいずれでも構わない。
また、本発明の抄紙不織布の製造方法は、抄紙工程で、原料短繊維を本発明の処理剤を含む水中に分散させて抄紙してもよい。
【0071】
(エアレイド法)
エアレイド法による不織布製造方法は、本発明の短繊維を篩、またはスクリーンを通して該短繊維が均一分散した繊維ウェブとなるよう降り積もらせる工程(エアレイド工程ということもある)を含むものである。
本発明の短繊維が、上記熱融着性繊維を含む場合、例えば、レーヨン繊維、パルプ繊維及び熱融着繊維からなる場合には、前記エアレイド工程により繊維ウェブを得た後、加熱による熱融着又は熱接着により不織布を製造する工程が好ましい。
又、本発明の短繊維が熱融着性繊維を含まない場合、例えば、レーヨン繊維単独である場合には、前記エアレイド工程により繊維ウェブを得た後、エマルションバインダーを付与し、繊維同士の交点を結合させて不織布を製造する工程が好ましい。
前記エマルションバインダーとしては、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン酢酸ビニル、ポリアクリレート等が用いられる。
【0072】
エアレイド法に用いられるウェブ製造装置としては、例えば、前後、左右、上下、水平円状等のいずれかに振動し短繊維をふるいの目から分散落下させる箱形篩いタイプの装置が使用できる。また、ネット状の金属多孔板が円筒状に成形され、且つその側面に繊維の投入口を有し、繊維をそのふるいの目から分散・落下させるネット状円筒型タイプの装置も使用できる。
エアレイド法で製造されたマット状の繊維ウェブにおいては、繊維は全方向に均一分散しているので、かさ高の繊維集合体となるし、繊維が均一分散されているので、強度の高い不織布が得られる。
【0073】
(繊維ウェブの重量(目付))
スパンレース法の場合、繊維ウェブの重量(目付)は、10〜150g/m
2程度であるのが好ましい。目付が10g/m
2未満であると、繊維密度が小さくなって、三次元的絡合が不十分になる傾向が生じる。一方、目付が150g/m
2を超える場合も、単位面積当りの繊維量が多すぎて、三次元的絡合が不十分になる傾向が生じる。
ニードルパンチ法の場合、繊維ウェブの重量(目付)は、20〜1300g/m
2程度と幅広く用途により選択できるが、20〜500g/m
2が好ましく、30〜400g/m
2がより好ましい。目付が20g/m
2未満及び1300g/m
2超であると、不織布の地合いが低下することがある。
エアレイド法の場合、繊維ウェブの重量(目付)は、10〜150g/m
2程度であるのが好ましい。目付が10g/m
2未満又は150g/m
2を超える場合も、単位面積当りの繊維量が適正でないことにより、不織布の厚さが不均一となる可能性がある。
【0074】
本発明の不織布は、スパンレース法及び抄紙法による不織布製造工程で起泡が少ないという特徴があるため、不織布上の泡により、繊維が乱れて目付けが不均一になることがなく、高品質である。又、スパンレース法の高圧水流を循環水にて行なう場合にも、スカム発生によるフィルターやノズル詰まり等の弊害がないため、不織布の生産性を向上させることができる。
本発明の不織布は、スパンレース法及びニードルパンチ法による不織布製造工程で、絡合性に優れることにより風綿が少ないため、ウェブが均一となることにより、高品質である。
本発明の不織布は、エアレイド法による不織布製造工程で、スカム抑制に優れることにより、ウェブが均一となることにより、高品質である。
【0075】
本発明の不織布の用途としては、各種不織布製造方法により次のように適した用途がある。
スパンレース法による不織布製造方法で得られた不織布は、製造工程でスパンレース処理をしていることにより、不織布製造用処理剤の残存量が少ない観点と、繊維間空隙が大きく、柔軟性に優れるという観点とから、直接、肌に触れる用途や拭き布として好適に用いられている。マスク、空気フィルター、水、コーヒーならびにティーバッグ、液体カートリッジならびにバッグフィルター、真空バッグ、アレルゲン膜、幼児用おむつ、女性用衛生ナプキン、成人失禁用製品、個人用衛生ふき取り繊維、包帯、外傷用包帯、空気フィルター、液体フィルター、家庭用ふき取り繊維、店舗用タオル、電池セパレーター、真空洗浄剤バッグ、化粧品パッド、食品パッケージ、衣類、衣服、医療用の衣類、および使い捨て下着等が挙げられる。
【0076】
エアレイド法による不織布製造方法で得られた不織布は、かさ高の繊維集合体となるし、繊維が均一分散されているので、強度の高い不織布が得られるため、化粧用パフ、衛材用、皮膚清浄用シート、ワイパー用、食品ドリップ吸収シート、キッチンペーパー、各種包装材、緩衝材、吸着性シート、吸音材、エアフィルターなどに有用である。
【0077】
抄紙法による不織布製造方法で得られた不織布は、地合いが均一でかつ優れた柔軟性を有しているので、衛生材料用または医療材料用または家庭用品用に有用である。具体的には、肌当て用基材、マスク、貼付剤用基材、化粧落とし用基材、衣料用芯地、ワイパー、合皮用基材などに有用である。
【0078】
化粧用パフ、化粧落とし用基材、皮膚清浄用シート、貼付剤用基材、マスク、キッチンペーパー、食品ドリップ吸収シート等の人体に関わる不織布を製造するために使用する本願発明の不織布製造用処理剤は、人体への安全性の観点から、前記エステル化合物(A)、前記ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)、前記鉱物油(B2)及び前記化合物(D)を含むと好ましい。
【実施例】
【0079】
以下に本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、各実施例、比較例における評価項目と評価方法は以下の通りである。又、各実施例、比較例における処理剤の明細と評価結果を表1〜表3にまとめて示す。処理剤の明細中、配合比率はいずれも重量%を表す。
ただし、実施例1、5、9及び14は、それぞれ参考例1、5、9及び14とする。
【0080】
[エステル化合物(A)の製造]
(製造例1)
(ソルビトールモノステアレートの製造)
撹拌翼、温度センサー、窒素ガス導入口、真空ラインを備えた2000mLの四つ口フラスコに、ソルビトールの80重量%水溶液455gとステアリン酸メチル720gを仕込み、窒素気流下90℃にて常圧で2時間、さらに6.67kPa以下で1時間脱水を行って、系内の水分含量が0.2%となった。そこに20重量%に調製したナトリウムメトキシドのメタノール溶液を15.2g、次亜リン酸ナトリウム0.30gを添加し、窒素気流下160℃まで常圧で2時間かけて昇温、そのまま窒素気流下160℃、常圧で反応を行い、7時間で系内がI相になったことを確認した。その後、窒素気流下160℃にて4.00kPa前後でさらに2時間反応を行い、薄層クロマトグラフィー(TLC)でステアリン酸メチルのスポットが消失したことを確認して反応終了とした。冷却後、80℃でキョーワード#700を1.0重量%添加し、26.7kPa以下で1時間吸着処理した後、ろ過してソルビトールモノステアレート(A1−1)を得た。
【0081】
(製造例2)
(マンニトールジパルミテートの製造)
撹拌翼、温度センサー、窒素ガス導入口、サンプリング口を備えた2000mLの四ッ口フラスコに、マンニトール455g(2.5モル)、パルミチン酸1280g(5モル)、触媒として炭酸カリウムを8g、カラメル生成抑制のため酸化防止剤8g(旭電化製アデカスタブAO−70)を仕込み、窒素気流下225℃にて常圧で3時間反応させた。酸価が5.0以下であることを確認して反応終了とした。約1500gのマンニトールジパルミテート(A1−2)を得た。
【0082】
(製造例3)
(イソソルビドモノステアレートの製造)
蒸留器を備えた撹拌装置中に、146g(1モル)のイソソルビド及び284g(1モル)のステアリン酸を、80℃で、0.38gの苛性ソーダ(18重量%濃度)と一緒に投入した。撹拌、窒素置換下で、最初に反応混合物を180℃1時間加熱し、水の留去をしつつ、時間で190℃に加熱し、さらに2時間で210℃に加熱した。210℃に到達後、1mgKOH/gの酸価に達するまでエステル化した。385gの琥珀色のイソソルビドステアレート(A2−1)が得られた。
【0083】
[化合物(D)の製造]
(製造例4)
(ソルビタンモノステアレートの製造)
四つ口フラスコに、D−ソルビトール液520g(2.0モル)を仕込み、400Paの減圧下、75℃で約10分間脱水した。次にステアリン酸560g(2.0モル)を仕込み、水酸化ナトリウム10w/v%水溶液10mLを加え、常圧下、窒素ガス気流中220℃で、3時間エステル化反応を行った。得られた反応混合物を170℃まで冷却し、リン酸(85質量%)2.3gを添加して触媒を中和し、次に、反応混合物を約150℃まで冷却し、グリセリン800gを加えて均一に混合後その温度で約1時間放置し、分離したグリセリン相約640gを除去した。得られたソルビタン脂肪酸エステルを、160℃、250Paの条件で減圧蒸留して残留するグリセリンを留去し、ソルビタンモノステアレート(D−1)800gを得た(酸価3.1、水酸基価:252)
【0084】
尚、表中の各成分は、以下のものを用いた。
A1−1 ソルビトールモノステアレート
A1−2 マンニトールジパルミテート
A1−3 ソルビトールトリステアレート
A1−4 ソルビトールモノオレエート
A1−5 ソルビトール・トリ・オレエート
A2−1 イソソルビドモノステアレート
A2−2 イソマンニドモノパルミテート
A2−3 イソソルビドモノミリスチレート
A2−4 イソソルビドモノオレエート
B1−1 ポリオキシエチレン(付加モル数:20)ソルビタンモノステアレート
B1−2 ポリオキシエチレン(付加モル数:20)ソルビタンモノオレエート
B1−3 ポリオキシエチレン(付加モル数:30)ひまし油エーテル
B1−4 ポリオキシエチレン(付加モル数:10)ひまし油エーテル
B1−5 ポリオキシエチレン(付加モル数:20)ソルビタントリステアレート
B1−6 ポリオキシエチレン(付加モル数:20)ソルビタンモノパルミテート
B2−1 ポリエチレングリコール(分子量:400)モノオレエート
B2−2 ポリエチレングリコール(分子量:1540)モノステアレート
B2−3 ポリエチレングリコール(分子量:200)ジラウレート
B2−4 ポリエチレングリコール(分子量:600)モノオレエート
B2−5 ポリエチレングリコール(分子量:400)モノラウレート
B3−1 鉱物油(粘度60秒)
B3−2 鉱物油(粘度120秒)
B3−3 鉱物油(粘度500秒)
B4−1 イソトリデシルステアレート
B4−2 イソオクチルパルミテート
C−1 菜種油サルフェートNa塩
C−2 ラウリルサルフェートNa塩
C−3 オレイルサルフェートNa塩
C−4 セチルサルフェートNa塩
D−1 ソルビタンモノステアレート
D−2 マンニタンモノパルミテート
D−3 ソルビタンモノミリスチレート
D−4 ソルビタントリステアレート
D−5 ソルビタンモノオレエート
D−6 ソルビタントリオレエート
G−1 グリセリンモノオレエート(アルジトールの水酸基の価数が3のアルジトール脂肪酸エステル)
G−2 エリスリトールジカプリレート(アルジトールの水酸基の価数が4のアルジトール脂肪酸エステル)
【0085】
[試料綿の作製]
次に、予め脱脂しておき、処理剤が付着していない1.7dtex×44mmの原料RBレーヨン短繊維を用い、原料短繊維に対する処理剤の不揮発分の付着量が0.2重量%になるように、前記処理剤のエマルションを給油し、当該原綿を80℃、2時間で乾燥した。得られた処理剤付与綿を下記の各評価に供した。
【0086】
[絡合性(風綿)評価]
処理剤付与綿3kgを大和機工社製ミニチュアローラーカード機で処理し、飛散した風綿をニューマーで吸引して集積し、その重量が30g未満であれば絡合性(風綿)が良好であると判断した。
絡合性(風綿)の判断の指標
◎(非常に良好):風綿の重量が10g未満
○(良好) :風綿の重量が10g以上30g未満
△(不良) :風綿の重量が30g以上60g未満
×(非常に不良):風綿の重量が60g以上
【0087】
[スカム抑制性評価]
処理剤付与綿3kgを大和機工社製ミニチュアローラーカード機で処理し、ケーシング内側に付着したスカムを下記の4段階で目視判定し、◎〜○であればスカム抑制効果が良好であると判断した。
スカムの目視判定の指標
◎(非常に良好):ケーシングの内側の2割未満の範囲にスカムが付着。
○(良好) :ケーシングの内側の2割以上5割未満の範囲にスカムが付着。
△(不良) :ケーシングの内側の5割以上8割未満の範囲にスカムが付着。
×(非常に不良):ケーシングの内側の8割以上の範囲にスカムが付着。
【0088】
[低起泡性]
処理剤付与綿30gを500mlのビーカーに入れ、その上に常温のイオン交換水300gを注ぎ入れ、ラップで蓋をして4時間放置後、イオン交換水に浸漬した処理剤付与綿から別の300mlビーカーに浸漬液200mlを搾り出した。次に、その搾り液30mlを100m1の栓付きメスシリンダーに入れて、10回強振した後、その5分後の泡の高さを測定した。泡の高さが1.0cm未満で低起泡性が良好であると判断した。
低起泡性の判断の指標(泡の高さ(cm))
◎(非常に良好):泡の高さが0.5cm未満。
○(良好) :泡の高さが0.5cm以上1.0cm未満。
△(不良) :泡の高さが1.0cm以上2.0cm未満。
×(非常に不良):泡の高さが2.0cm以上。
【0089】
[不織布の地合評価]
(スパンレース法)
処理剤付与綿40gをそれぞれ大和機工社製開繊機(型式OP−400)により開繊処理を施した。次いで、開繊処理された処理剤付与綿をランダム不織布加工機に供給し、排出されたフリースを積層して、目付100g/m
2の繊維ウェブを得た。この繊維ウェブを、金属製ネットよりなる支持体上に配置し、噴射圧力15kg/cm
2・Gで第一段階のスパンレース処理を施し、綿繊維相互間を予備的に三次元絡合させた。引き続き、噴射圧力100kg/cm
2・Gで第二段階のスパンレース処理を施し、乾燥して不織布をそれぞれ得た。得られたスパンレース法による不織布の地合を目視判定にて評価した。
不織布の地合の判断の指標
◎:不織布の地合の乱れがなく、見た目が非常に良好である。
○:不織布の地合の乱れが少なく、見た目が良好である。
△:不織布の地合に若干の乱れが見られる。
×:不織布の地合に乱れが見られる。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】
【表3】
【0093】
表1〜3から分かるように、実施例1〜14の不織布製造用処理剤は、アルジトール脂肪酸エステル化合物(A1)及び二無水アルジトールと脂肪酸とのエステル化合物(A2)から選ばれる少なくとも1種であるエステル化合物(A)と、ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル(B1)、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル(B2)、鉱物油(B3)及び1価アルコール脂肪酸エステル(B4)から選ばれる少なくとも1種である成分(B)とを含み、前記化合物(A1)を構成するアルジトールの水酸基の価数が5以上であるために、不織布製造用処理剤を付与した短繊維は、絡合性及びスカム抑制に優れ且つ起泡が少ない。
一方、比較例1〜6において、前記エステル化合物(A)がない場合(比較例1、3、5及び6)、前記成分(B)がない場合(比較例2及び4)、アルジトール脂肪酸エステル化合物であっても、水酸基の価数が4以下の場合(比較例5及び6)には、本願課題の内のすくなくとも1つが解決できていない。