特許第6871243号(P6871243)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6871243ベイピングポリシー警告システムおよび警告方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871243
(24)【登録日】2021年4月19日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】ベイピングポリシー警告システムおよび警告方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20210426BHJP
   A24F 47/00 20200101ALI20210426BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20210426BHJP
   G08B 21/24 20060101ALI20210426BHJP
【FI】
   H04M1/00 U
   A24F47/00
   H04M11/00 302
   G08B21/24
【請求項の数】16
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2018-516006(P2018-516006)
(86)(22)【出願日】2016年9月14日
(65)【公表番号】特表2019-502279(P2019-502279A)
(43)【公表日】2019年1月24日
(86)【国際出願番号】GB2016052828
(87)【国際公開番号】WO2017055799
(87)【国際公開日】20170406
【審査請求日】2018年4月4日
(31)【優先権主張番号】1517087.1
(32)【優先日】2015年9月28日
(33)【優先権主張国】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【弁理士】
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】ベイカー、ダリル
(72)【発明者】
【氏名】オールドベリー、ロス
【審査官】 田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0181945(US,A1)
【文献】 特表2009−544245(JP,A)
【文献】 特開2012−019499(JP,A)
【文献】 特開2001−061000(JP,A)
【文献】 特開2013−047948(JP,A)
【文献】 特開2010−033165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 19/00−31/00
A24F 47/00
H04M 1/00
H04M 11/00−11/10
H04W 4/00−99/00
H04L 12/28−12/955
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体通信装置によってベイピングポリシー警告を提供する方法であって、
移動体通信装置で基地局からの移動体ネットワークデータを受信する工程と、
受信した移動体ネットワークデータから移動体通信装置の場所に関する国コードを抽出する工程と、
抽出された国コードに応答して、電子タバコのためのベイピングポリシー警告データを取得する工程と、
ベイピングポリシー警告データを表示する工程と、を含み、
前記ベイピングポリシー警告データを取得する工程は、
前記抽出された国コードに関連して前記移動体通信装置のメモリに記憶されているベイピングポリシー警告データを検索する工程を含む方法。
【請求項2】
ベイピングポリシー警告データを取得する工程は、
前記取得された国コードをベイピングポリシーサーバに送信する工程と、
抽出された国コードに応答して、前記ベイピングポリシーサーバからベイピングポリシー警告データを受信する工程とを含むことを特徴とする請求項記載の方法。
【請求項3】
無線インターネット接続からIPアドレスを受信する工程と、
前記IPアドレスをベイピングポリシーサーバに送信する工程と、
前記IPアドレスに応答して、前記ベイピングポリシーサーバから、
i.国コード、および
ii.国コードに対応するそれぞれのベイピングポリシー警告データから成るリストから選択された1つ以上を受け取る工程とを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
GPSシステムから地理的座標を取得する工程と、
前記地理的座標をベイピングポリシーサーバに送信する工程と、
前記地理的座標に応答して、前記ベイピングポリシーサーバから、
i.国コード、および
ii.国コードに対応するそれぞれのベイピングポリシー警告データから成るリストから選択された1つ以上を受け取る工程とを含むことを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載の方法。
【請求項5】
国コードの変更の検出に応答して、移動体通信装置から電子蒸気供給システムに制御命令を送信して、ベイピングを制限する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載の方法。
【請求項6】
ユーザーから移動体通信装置への確認応答入力に応答して、移動体通信装置から電子蒸気供給システムに制御命令を送信する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載の方法。
【請求項7】
ベイピングポリシー警告データが機械可読ポリシーデータを含み、
前記機械可読ポリシーデータに応答して、移動体通信装置から電子蒸気供給システムに制御命令を送信する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至いずれか1項記載の方法。
【請求項8】
請求項1乃至7いずれか1項記載の方法を実行するように構成されたコンピュータープログラムコードを記憶したコンピューター可読媒体を含むコンピュータープログラ
【請求項9】
移動体通信装置であって、
基地局から移動体ネットワークデータを受信するように動作可能な無線通信受信機と、
受信された移動体ネットワークデータから国コードを抽出するように動作可能なプロセッサとを含み、
抽出された国コードに応答して、電子タバコのためのベイピングポリシー警告データを取得し、移動体通信装置の表示部にベイピングポリシー警告データを表示するように構成される移動体通信装置。
【請求項10】
それぞれの国コードに関連付けられた複数のベイピングポリシー警告データ項目を記憶するメモリを含み、
取得した国コードに対応するベイピングポリシー警告データの1つを検索するように構成されていることを特徴とする請求項記載の移動体通信装置。
【請求項11】
国コードをベイピングポリシーサーバに送信するように構成された送信機と、
送信された国コードに応答して、ベイピングポリシー警告データを受信するように構成された受信機とを含む請求項または10記載の移動体通信装置。
【請求項12】
無線インターネット接続からIPアドレスを受信するように構成された無線受信機と、
前記IPアドレスをベイピングポリシーサーバに送信するように構成された送信機と、
前記IPアドレスに応答して、前記ベイピングポリシーサーバからベイピングポリシー警告データを受信するように構成された受信機とを含む請求項乃至11いずれか1項記載の移動体通信装置。
【請求項13】
GPSシステムから地理的座標を取得するように動作可能なGPS受信機と、
前記地理的座標をベイピングポリシーサーバに送信するように動作可能な送信機と、
前記地理的座標に応答してベイピングポリシーサーバからベイピングポリシー警告データを受信するように動作可能な受信機とを含む請求項乃至12いずれか1項記載の移動体通信装置。
【請求項14】
電子蒸気供給システムに制御命令を送信するように動作可能な送信機を含み、
前記プロセッサは国コードの変化を検出するように動作可能であり、
前記移動体通信装置は、国コードの変更の検出に応答して、移動体通信装置から電子蒸気供給システムに制御命令を送信して、ベイピングを防止するように動作可能であることを特徴とする請求項乃至13いずれか1項記載の移動体通信装置。
【請求項15】
前記移動体通信装置が位置する国の表示を受信するように構成された受信機と、
複数の国のそれぞれの電子タバコのためのベイピングポリシーを記憶するように構成されたメモリと、
前記移動体通信装置から受信した国の前記表示に応答して、前記メモリからベイピングポリシーを検索するように構成されたプロセッサと、
前記検索されたベイピングポリシーを前記移動体通信装置に送信するように構成された送信器とを含むベイピングポリシー警告サーバ。
【請求項16】
前記メモリは各国の機械可読ベイピングポリシー命令を記憶するように構成され、
前記プロセッサは表示された国に利用可能な記憶された機械可読ベイピングポリシー命令を検索するように構成され、
前記送信機は検索された機械可読ベイピングポリシー命令を送信するように構成されていることを特徴とする請求項15記載のベイピングポリシー警告サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子ニコチン送出システム(例えば、電子タバコ)等の電子蒸気供給システムのためのベイピングポリシー警告システムおよび警告方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコ等の電子蒸気供給システムおよびその他のエアロゾル送出システムは、一般に、気化させる液体の貯蔵部を含み、液体は典型的にはニコチンを含む(これは、「電子液体」と呼ばれる場合がある)。ユーザーが装置で吸入すると、電気(例えば抵抗)ヒーターが作動して少量の液体が気化し、その結果、ユーザーが吸入するエアロゾルが実際に生成される。液体は、エアロゾルを生成しやすくするためにグリセリンまたはプロピレングリコールと共にエタノールまたは水等の溶媒中にニコチンを含んでもよく、さらに1種以上の追加の風味剤を含んでもよい。当業者は、電子タバコおよび他のそのような装置に使用することのできる多くの異なる液体配合物を認識している。
【0003】
このようにして気化した液体を吸入する行為は、一般にベイピング(vaping、以下ベイピングという)として知られている。
【0004】
電子タバコは、外部データ通信を支援するためのインターフェースを持っていてもよい。このインターフェースは、例えば、制御パラメータおよび/または更新されたソフトウェアを外部ソースから電子タバコにロードするために使用してもよい。これとは別にまたは加えてインターフェースは、電子タバコから外部システムにデータをダウンロードするのに利用してもよい。ダウンロードされたデータは、例えば、電子タバコの使用パラメータ、故障状態等を表してもよい。当業者であれば分かるように、電子タバコと1つ以上の外部システム(別の電子タバコであってもよい)との間で多くの他の形態のデータを交換することができる。
【0005】
場合によっては、外部システムとの通信を行う電子タバコのインターフェースは、電子タバコへのマイクロUSB、ミニUSB、または通常のUSB接続を用いるUSBリンク等の有線接続に基づく。電子タバコが外部システムと通信を行うインターフェースは、無線接続に基づくものであってもよい。このような無線接続は、有線接続に比べていくつかの利点を有する。例えば、ユーザーはそのような接続を形成するための追加のケーブルを必要としない。さらには、ユーザーは、移動、接続の設定、および装置を対に組み合わせる距離範囲に関してより柔軟性を有する。
【0006】
尚、多くの電子タバコは、電子タバコの再充電を可能にするために、すでにUSBインターフェースのための支持体を設けている。従って、データ通信も提供するためにこのような有線インターフェースを追加使用することは、比較的簡単である。しかしながら、無線データ接続を設ける状況はより複雑である。他の過去に提案された構成は、米国特許出願2015/184945号公報、米国特許出願2015/114407号公報、欧州特許出願2608578号公報および米国特許出願2015/071268号公報に開示されている
【発明の概要】
【0007】
本開示の1つの態様では、請求項1に記載の移動体通信装置によるベイピングポリシー警告を供する方法が提供される。
【0008】
本開示の別の態様では、請求項11に記載の移動体通信装置が提供される。
【0009】
本開示の別の態様では、請求項18に記載のベイピングポリシー警告サーバが提供される。
【0010】
本開示のさらなる、それぞれの態様および特徴は、添付の特許請求の範囲に定義される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示の実施形態を、添付の図面を参照しながら例として以下に説明する。
図1】本開示のいくつかの実施形態による電子タバコの概略図(分解図)である。
図2】本開示のいくつかの実施形態による図1の電子タバコの主要な電気および電子構成要素の概略図である。
図3】本開示のいくつかの実施形態による図1の電子タバコのプロセッサの簡略化した概略図である。
図4図1の電子タバコと移動体通信装置との間の無線通信の概略図である。
図5】本開示のいくつかの実施形態による電子タバコのカトマイザーの概略図(分解図)である。
図6】本開示のいくつかの実施形態による、図5のカトマイザーの気化器の概略図(分解図)である。
図7】本開示のいくつかの実施形態による移動体通信装置の概略図である。
図8】本開示のいくつかの実施形態による、ベイピングポリシー警告システムの概略図である。
図9】本開示のいくつかの実施形態によるベイピングポリシーサーバの概略図である。
図10】本開示のいくつかの実施形態による、移動体通信装置によってベイピングポリシー警告を提供する方法のフロー図である。
図11】本開示のいくつかの実施形態による、ベイピング行為事象のマップを生成する方法のフロー図である。
図12】本開示のいくつかの実施形態による、ベイピング行為事象のマップを検索する方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ベイピングポリシー警告システムおよび警告方法が開示される。以下の説明では、本開示の実施形態の完全な理解を提供するために、いくつかの特定の詳細が提示される。しかしながら、当業者には、これらの特定の詳細が本開示を実施するために使用する必要がないことが明らかである。逆に、当業者に知られている特定の詳細は、分かり易くするために必要に応じて省略されている。
【0013】
上述のように、本開示は、電子タバコ等の電子蒸気供給システムに関する。以下の説明の全体にわたり、「電子タバコ」という用語が使用される。しかしながら、この用語は、電子蒸気供給システム、エアロゾル送出装置、および他の同様の用語と互換性をもって使用することができる。
【0014】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による電子タバコ10の概略図(分解図)である(正確な縮尺ではない)。電子タバコは、本体、即ちコントロールユニット20およびカトマイザー30を含む。カトマイザー30は、典型的にはニコチンを含む液体の貯蔵部38、ヒーター36、およびマウスピース35を含む。電子タバコ10は、電子タバコの中心線に沿って、カトマイザー30の一端のマウスピース35からコントロールユニット20の反対側の端(通常、チップ端と呼ばれる)まで延びる長手方向の軸、即ち円筒軸を有する。この長手方向の軸は、LAで表された破線で図1に示されている。
【0015】
カトマイザーの液体貯蔵部38は、(電子)液体を液体の形態で直接保持すること、あるいは、液体の保持材として発泡体マトリックスまたは綿材料等の吸収構造を利用することができる。次いで、液体は、貯蔵部38から供給され、ヒーター36を含む気化器に供給される。例えば、液体は毛細管作用によって貯蔵部38から芯材(図1には図示せず)を介してヒーター36に流れてもよい。
【0016】
他の装置では、液体は植物材料または他の(表面上は固体の)植物派生材料の形態で提供されてもよい。この場合、液体は材料が加熱されたときに蒸発する材料中の揮発性物質を表すと考えることができる。尚、このタイプの材料を含む装置は、一般に液体をヒーターに移送するために芯材を必要とせず、適切な加熱をするために材料に対してヒーターの適切な配置を提供する。
【0017】
コントロールユニット20は、電子タバコ10に電力を供給するための再充電可能な電池またはバッテリー54およびプリント回路基板(PCB)28および/または電子タバコを全体的に制御するための他の電子機器を含む。
【0018】
コントロールユニット20およびカトマイザー30は、図1に示すように、互いに取り外し可能であるが、装置10の使用中は、例えばネジまたは差込み嵌合によって互いに結合されている。カトマイザー30およびコントロールユニット20のコネクタは、図1ではそれぞれ31Bおよび21Aとして概略的に示されている。コントロールユニットとカトマイザーとの間のこの接続は、2つの間を機械的および電気的接続性をもたらす。
【0019】
コントロールユニットがカトマイザーから取り外されるとき、カトマイザーに接続するために使用されるコントロールユニット表面の電気的接続部21Aは、充電装置(図示せず)を接続するためのソケットとしても機能してもよい。この充電装置の他端は、電子タバコのコントロールユニット内のバッテリー54を再充電するためにUSBソケットに差し込むことができる。他の構成では、電子タバコは、電気接続部21AとUSBソケットとの間を直接接続するための(例えば)ケーブルを備えてもよい。
【0020】
コントロールユニットには、PCB28に隣接する空気吸入口のための1つ以上の穴が設けられている。これらの穴は、コネクタ21Aを通って設けられた、コントロールユニットを通る空気通路に接続される。これは、次いでカトマイザー30を通ってマウスピース35への空気経路につながる。尚、ヒーター36および液体貯蔵部38は、コネクタ31Bとマウスピース35との間に空気流路を提供するように構成されている。この空気流路は、液体貯蔵部38がこの中心経路の周りの環状領域に閉じ込められた状態で、カトマイザー30の中心を通って流れることができる。あるいは(またはさらに)、空気流路は、液体貯蔵部38とカトマイザー30の外側ハウジングとの間に位置してもよい。
【0021】
ユーザーがマウスピース35から吸入すると、空気が1つ以上の吸気孔を通じてコントロールユニット20に吸入される。この空気流(またはそれに伴う圧力変化)は、センサ、例えば、圧力センサによって検出され、次いで圧力センサは、ヒーター36を作動させ、貯蔵部38から供給されるニコチン液を気化させる。空気流は、コントロールユニットから気化器に流れ、そこで空気流はニコチン蒸気と混合する。この空気流とニコチン蒸気の混合物(実質的にはエアロゾル)は、次いで、カトマイザー30を通ってマウスピース35から出て、ユーザーによって吸入される。カトマイザー30はコントロールユニットから取り外され、ニコチン液の供給が尽きて(別のカトマイザーと交換される)時に廃棄してもよい。
【0022】
当然のことながら、図1に示した電子タバコ10は一例としてのみ提示されており、多くの他の構成が採用されてもよい。例えば、構成によっては、カトマイザー30は、液体貯蔵部38を含むカートリッジと、ヒーター36を含む別個の気化器部分とに分割される。この構成では、貯蔵部38内の液体が消尽した後にカートリッジを廃棄することができるが、ヒーター36を含む別個の気化器部分は維持される。あるいは、電子タバコは、図1に示すようにカトマイザー30を備えていてもよいし、単体(一体型)装置として構成されていてもよいが、液体貯蔵部38は(ユーザーにより)交換可能なカートリッジの形態である。さらに可能な変形形態としては、ヒーター36が、図1に示されたものとは反対の、即ち液体貯蔵器38とマウスピース35との間に、カトマイザー30の反対側の端部に配置されてもよく、あるいは、ヒーター36は、カトマイザーの中心軸線LAに沿って配置され、液体容器はヒーター36の半径方向外側にある環状構造の形態等が挙げられる。
【0023】
当業者は、コントロールユニット20の多数の可能な変形形態が分かっている。例えば、空気流は、PCB28に隣接する空気流に加えてまたは空気流の代わりに、コントロールユニットの先端部、即ちコネクタ21Aの反対側の端部から入ることができる。この場合、空気流は、典型的には、バッテリー54とコントロールユニットの外壁との間の通路に沿ってカトマイザーに向かって吸い込まれる。同様にコントロールユニットは、先端部またはその近く、例えば、電池と先端部との間に位置するPCBを含むことができる。このようなPCBは、PCB28に加えてまたはPCB28の代わりに提供されてもよい。
【0024】
さらに、電子タバコはカトマイザーとコントロールユニットとの間の接続点での充電に加えて、または充電の代わりに、先端部で、または装置の他の場所でソケットによって充電を支援することができる(電子タバコによっては、本質的に一体化したユニットとして提供されるが、その場合は、ユーザーはコントロールユニットからカトマイザーを取り外すことはできない)。他の電子タバコは有線充電に加えて(またはその代わりに)無線(誘導)充電を支援できる。
【0025】
図1に示した電子タバコの可能な変形形態の上記説明は一例である。当業者は電子タバコ10の更なる可能な変形形態(および変形形態の組み合せ)を認識している。
【0026】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による図1の電子タバコ10の主要な機能的構成要素の概略図である。尚、図2は、主に電気的接続性および機能性に関するものであり、異なる構成要素の物理的寸法、またはコントロールユニット20もしくはカトマイザー30内のそれらの物理的配置の詳細を示すことは意図していない。さらに、当然のことながらコントロールユニット20内に配置された図2に示された構成要素の少なくともいくつかが回路基板28に取り付けられてもよい。あるいは、そのような構成要素の1つ以上を、回路基板28と連動して動作するようにコントロールユニットに収容することができるが、回路基板自体に物理的に取り付けられない。例えば、これらの構成要素は、1つ以上の追加の回路基板面に配置されてもよく、または別個に配置されてもよい(例えば、バッテリー54)。
【0027】
図2に示すように、カトマイザーは、コネクタ31Bを通して電力を受け取るヒーター310を含む。コントロールユニット20は、カトマイザー30の対応するコネクタ31B(可能性としてはUSB充電装置)に接続するための電気ソケットまたはコネクタ21Aを含む。その結果、コントロールユニット20とカトマイザー30との間の電気的接続性がもたらされる。
【0028】
コントロールユニット20はさらに、1つ以上の空気入り口から空気出口まで(コネクタ21Aを通してカトマイザー30まで)のコントロールユニット20を通る空気経路内またはその近傍に配置されたセンサ装置61を含む。センサ装置は、圧力センサ62および(またこの空気経路の中またはその近傍にある)温度センサ63を含む。コントロールユニットはさらに、キャパシタ220、プロセッサ50、電界効果トランジスタ(FET)スイッチ210、バッテリー54、および入出力装置59および58を含む。
【0029】
プロセッサ50および他の電子構成要素、例えば、圧力センサ62等の動作は、一般的にはプロセッサ(または他の構成要素)上で動作するソフトウェアプログラムによって少なくとも部分的に制御される。そのようなソフトウェアプログラムは、プロセッサ50自体に統合することができるROM等の不揮発性メモリに記憶してもよく、または別個の構成要素として提供することができる。プロセッサ50は、ROMにアクセスして、必要に応じて個々のソフトウェアプログラムをロードし実行してもよい。またプロセッサ50は、適切な通信設備、例えば圧力センサ62等のコントロールユニット20内の他の装置と適宜通信するためのピンまたはパッド(および対応する制御ソフトウェア)を含む。
【0030】
1つ以上の出力装置58は、視覚、聴覚および/または触覚に係る出力を提供してもよい。例えば、1つ以上の出力装置は、スピーカー58、バイブレータおよび/または1つ以上の光源を含んでもよい。ライトは、典型的には、同一または異なる色(または多色)でもよい1つ以上の発光ダイオード(LED)の形態で提供される。多色LEDの場合、様々な色は、異なる色のLED、例えば、赤色、緑色または青色のLEDを点灯することによって得られ、所望により異なる相対輝度で点灯することによって対応する相対的な色の変化が得られる。赤色、緑色および青色LEDが一緒に提供される場合、全範囲の色が可能であり、赤色、緑色および青色の3つのLEDのうち2つだけが提供される場合、色のそれぞれの副範囲が得られる。
【0031】
電子タバコ内の様々な状態と条件をユーザーに知らせるために、低残量バッテリー警告等、出力装置からの出力を使用してもよい。様々な状態または条件を通知するために、異なる出力信号を使用してもよい。例えば、出力装置58が音声スピーカーである場合、異なる状態または条件は、異なる音の高さおよび/または持続時間の発信音またはビープ音によって、および/またはそのようなビープ音または発信音を複数回提供することによって表現してもよい。あるいは出力装置58が1つ以上の光源を含む場合、異なる色、光のパルスまたは連続照明、異なるパルス持続時間等を使用することで、異なる状態または条件を表現してもよい。例えば、ある表示灯を用いて低電池警告を示し、一方、別の表示灯を使用して液体容器58がほぼ空になったことを示してもよい。当然のことながら所定の電子タバコは、複数の異なる出力モード(音、映像)等を支援する出力装置を含んでもよい。
【0032】
1つ以上の入力装置59は、様々な形態で提供してもよい。例えば、1つ以上の入力装置は、電子タバコの外側にボタン、例えば、機械式、電気式、または容量式(タッチ)センサとしてとして実装してもよい。装置によっては、入力機構としての電子タバコへの吹き込み(そのような吹き込みは、入力装置59の形態としても機能する圧力センサ62によって検出してもよい)、および/または他の形態の入力機構として、カトマイザー30およびコントロールユニット20の接続/切断を支援してもよい。再度、当然のことながら、所定の電子タバコは、複数の異なる入力モードを支援する入力装置59を含んでもよい。
【0033】
上述したように、電子タバコ10は、空気入り口から電子タバコを通って、カトマイザー30内の圧力センサ62およびヒーター310を通過してマウスピース35に至る空気経路を提供する。従って、ユーザーが電子タバコのマウスピースから吸い込むと、プロセッサ50は、圧力センサ62からの情報に基づいてその吸い込みを検出する。このような検出に応答して、CPUはバッテリー54からヒーターに電力を供給し、それによってユーザーによる吸い込みのためにニコチンを加熱して液体貯蔵部38から気化させる。
【0034】
図2に示す特定の構成では、FET210がバッテリー54とコネクタ21Aとの間に接続されている。このFET210はスイッチとして機能する。プロセッサ50は、FETのゲートに接続されてスイッチを作動させ、これにより、プロセッサは、検出された空気流の状態に応じてバッテリー54からヒーター310への電力の流れをオンおよびオフに切り替えることができる。当然のことながら、ヒーター電流は、例えば1〜5アンペアの範囲で比較的大きくなるので、FET210は、そのような電流制御を支援するように実装されるべきである(FET210の代わりに使用される他の形態のスイッチも同様である)。
【0035】
バッテリー54からヒーター310に流れる電力の量をよりきめ細かく制御するために、パルス幅変調(PWM)方式を採用してもよい。PWM方式は、例えば1msの繰り返し周期に基づいてもよい。このような各周期内に、スイッチ210は、周期の一部分の間オンにされ、周期の残りの部分に対してはオフにされる。これは、動作周期によってパラメータ化され、それによって、0の動作周期は、スイッチが各周期の全てでオフ(即ち、実質的に永久にオフ)であることを示し、0.33の動作周期は、スイッチが各周期の1/3の間でオンであることを示し、0.66の動作周期は、スイッチが各期間の2/3の間でオンであることを示し、1の動作周期は、FETが各周期全体でオンである(即ち、永久的にオンである)ことを示す。当然のことであるが、これらは動作周期の設定例として示しているだけであり、中間の値を適宜用いることができる。
【0036】
PWMの使用は、(電池出力電圧とヒーター抵抗に基づく)公称利用可能電力と動作周期との積で与えられる有効電力をヒーターに提供する。プロセッサ50は、例えば可能な限り迅速にヒーター310をその望ましい動作温度に上昇させるために、吸い込みの開始時に動作周期1(即ち、全出力)を利用してもよい。一旦この所望の動作温度が達成されると、プロセッサ50は、ヒーター310に所望の動作電力を供給するために、動作周期をある適切な値に減少させてもよい。
【0037】
図2に示すようにプロセッサ50は、無線通信、特にBluetooth(登録商標)Low Energy(BLE)通信の支援のための通信インターフェース55を含む。
【0038】
所望によりヒーター310をワイヤレス通信を送受信する通信インターフェース55を使用するためのアンテナとして利用してもよい。その動機付けの1つとしてコントロールユニット20が金属ハウジング202を有してもよく、一方、カトマイザー部30がプラスチックハウジング302を有してもよいことが挙げられる(コントロールユニット20は保持されているのでより耐久性があることで有利であるのに対し、カトマイザー30は使い捨てであるという事実を反映している)。金属ハウジングは、コントロールユニット20自体内に配置されたアンテナの動作に作用する遮蔽体または遮断体として機能する。しかしながら、ヒーター310を無線通信のためのアンテナとして利用することは、カトマイザーのプラスチックハウジングのためにこの金属遮蔽を回避するのに役立つが、追加の構成要素または複雑さ(またはコスト)をカトマイザーに加えることはない。あるいは、別個のアンテナ(図示せず)を設けてもよく、金属ハウジングの一部を使用してもよい。
【0039】
ヒーターがアンテナとして使用される場合、図2に示すように、プロセッサ50、より具体的には通信インターフェース55は、キャパシタ220によって(コネクタ31Bを通して)バッテリー54からヒーター310への電力線に結合してもよい。この容量結合は、ヒーターが加熱のための電力を供給されていないときに無線通信は動作してもよいので、スイッチ210の下流で行われる(詳細は後述する)。当然のことながら、キャパシタ220は、バッテリー54からヒーター310への電力供給がプロセッサ50に戻されるのを防止する。
【0040】
尚、容量性結合は、より複雑なLC(インダクタ−キャパシタ)ネットワークを使用して実装してもよく、通信インターフェース55の出力とのインピーダンスマッチングも提供することができる(当業者には知られているようにこのインピーダンス整合は、通信インターフェース55とアンテナとして作用するヒーター310との間の信号の適切な伝達を、このような信号を接続に沿って反射させるのではなく支援するのに役立つ)。
【0041】
構成によっては、プロセッサ50および通信インターフェースは、英国のレディング(Reading)を拠点とするDialog Semiconductor PLCのDialog DA14580チップを使用して実装される。このチップの詳細情報(およびデータシート)は、http//www.dialog-semiconductor.com/products/bluetooth-smart/smartbond-da14580で入手可能である。
【0042】
図3は、Bluetooth(登録商標)Low Energyを支援するための通信インターフェース5
5を含む、このチップ50の高レベルで単純化された概要を示す。このインターフェースは、特に、信号変調および復調等を行う無線トランシーバ520、リンク層ハードウェア512、および高度暗号化機能(128ビット)511を含む。無線トランシーバ520からの出力は、アンテナ(例えば、容量結合220並びにコネクタ21Aおよび31Bによってアンテナとして作用するヒーター310)に接続される。
【0043】
プロセッサ50の残りの部分は、汎用処理コア530、RAM531、ROM532、ワンタイムプログラミング(OTP)装置533、汎用I/Oシステム560(PCB28上の他の構成要素と通信するため)、電力管理装置540と、2つの母線を接続するためのブリッジ570とを含む。ROM532および/またはOTPユニット533に記憶されたソフトウェア命令は、コア530内の1つ以上の処理装置による実行のためにRAM531(および/またはコア530の一部として提供されるメモリ)にロードされてもよい。これらのソフトウェア命令は、プロセッサ50に、本明細書で説明する様々な機能、例えば、センサ装置61とインターフェース接続し、それに応じてヒーターを制御する等を実施させる。図3に示す装置は、通信インターフェース55としても、電子蒸気供給システム10のための一般的なコントロールユニットとしても機能するが、他の実施形態では、これらの2つの機能を2つ以上の異なる装置(チップ)に分割してもよい。例えば、1つのチップが通信インターフェース55として機能し、別のチップが電子蒸気供給システム10のための一般的なコントロールユニットとして機能してもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、プロセッサ50は、ヒーターが貯蔵部38から液体を蒸発させるために使用されているときに無線通信をさせないように構成してもよい。例えば、スイッチ210の電源が入った時に、無線通信は中断される、終了される、または開始するのを妨げられてもよい。逆に、無線通信が進行中であれば、例えば、センサ装置61からの空気流の検出を無視すること、および/または無線通信が進行している間にヒーター310への電力をオンにするスイッチ210を操作しないことで、ヒーターの起動を防止してもよい。
【0045】
実施形態によっては、加熱および無線通信の両方のためのヒーター310の同時動作を防止する1つの理由は、ヒーターのPWM制御からの起こり得る干渉を回避することである。このPWM制御は、通常、無線通信に使用される周波数よりもはるかに低いものの、(パルスの繰り返し周波数に基づいて)独自の周波数を持ち、2つは互いに干渉する可能性がある。状況によっては、実際には、このような干渉がいかなる問題も引き起こすことがなく、加熱および無線通信の両方のためのヒーター310の同時動作が許容される(そのように所望するなら)。これは、例えば、信号強度および/またはPWM周波数の適切な選択、適切なフィルタリングの提供等の技術によって容易にしてもよい。
【0046】
図4は、電子タバコ10と、スマートフォン400または他の適切な移動体通信装置(タブレット、ラップトップ、スマートウォッチ等)上で動作するアプリケーション(アプリ)との間のBluetooth(登録商標)Low Energy 通信を示す概略図である。このような通信は、広範囲の目的に使用することができる。例えば、電子タバコ10のファームウェアのアップグレード、電子タバコ10からの使用量および/または診断データの検索、電子タバコ10のリセットまたはロック解除、電子タバコ等の設定の制御等をすることが挙げられる。
【0047】
一般的に、例えば、入力装置59を使用すること、あるいは、場合によりカトマイザー30をコントロールユニット20に接続することで、電子タバコ10の電源を入れると、電子タバコ10はBluetooth(登録商標)Low Energy通信のアドバタイズを開始する。こ
の発信通信がスマートフォン400によって受信されると、スマートフォン400は電子タバコ10への接続を要求する。電子タバコは、出力装置58によってこの要求をユーザーに通知し、ユーザーの入力装置による要求の受け入れかまたは拒否するかを待ってもよい。要求が受け入れられたと仮定すると、電子タバコ10は、スマートフォン400とさらに通信することができる。尚、電子タバコは、スマートフォン400の識別情報を記憶しており、そのスマートフォンから自動的に将来の接続要求を受け入れることができる。接続が確立されると、スマートフォン400および電子タバコ10はクライアント−サーバモードで動作し、スマートフォンは電子タバコに要求を開始して送信するクライアントとして動作し、従って電子タバコはサーバとして動作(必要に応じて要求に対応)する。
【0048】
Bluetooth(登録商標)Low Energyリンク(Bluetooth Smart(登録商標)としても知られている)は、IEEE 802.15.1規格を実装し、約12cmの波長に対応する2.4〜2.
5GHzの周波数で、最大1Mbit/sのデータ転送速度で動作する。接続の設定時間は6ms未満で、平均消費電力は非常に低く、1mW以下である。Bluetooth(登録商標
) Low Energyリンクは、約50mまで延長してもよい。しかし、図4に示す状況では、
電子タバコ10とスマートフォン400は、通常、同じ人物に属しており、従って、互いに非常に接近している(例えば1m)。Bluetooth(登録商標) Low Energyの詳細については、次のURLを参照すれば分かる。
http://www.bluetooth.com/Pages/Bluetooth-Smart.aspx
【0049】
当然のことながら、電子タバコ10は、スマートフォン400(または任意の他の適切な装置)と通信するための他の通信プロトコルを支援してもよい。このような他の通信プロトコルは、Bluetooth(登録商標) Low Energyの代わりに用いるか、または追加して用いてもよい。このような他の通信プロトコルの例としては、Bluetooth(登録商標)(低
エネルギーのものではない、例えば、www.bluetooth.comを参照)、ISO13157に
よる近距離通信(NFC)、およびWiFi(登録商標)等が挙げられる。NFC通信は、Bluetooth(登録商標)(13.56MHz)よりもはるかに低い波長で動作し、一般
にずっと短い範囲(例えば、0.2m未満)である。しかしながら、この短い範囲は、図4に示すようなほとんどの使用されるシナリオと互換性がある。一方、電子タバコ10と遠隔装置との間には、IEEE802.11ah、IEEE802.11v等の低電力WiFi(登録商標)通信
を採用することができる。いずれの場合においても、適切な通信チップセットは、プロセッサ50の一部として、または別個の構成要素としてPCB28に含まれてもよい。当業者は、電子タバコ10に使用してもよい他の無線通信プロトコルを知っている。
【0050】
図5は、いくつかの実施形態による例示的なカトマイザー30の概略分解図である。カトマイザーは、外側プラスチックハウジング302、マウスピース35(ハウジングの一部として形成してもよい)、気化器620、中空の内側管612、およびコントロールユニットに取り付けるためのコネクタ31Bを有する。カトマイザー30を通る空気流路は、コネクタ31Bを通る空気入り口から始まり、次に気化器625の内部および中空管612を通り、最後にマウスピース35を通って出る。カトマイザー30は、(i)プラスチックハウジング302と、(ii)気化器620と内側管612との間の環状領域に液体を保持する。コネクタ31Bには、この領域の液体を保持しやすくし、漏れを防止するためのシール635が設けられている。
【0051】
図6は、図5に示した例示的なカトマイザー30の気化器620の概略分解図である。気化器620は、それぞれが実質的に半円形の断面を有する2つの構成要素627A、627Bから形成される実質的に円筒形のハウジング(受け台)を有する。組み立てられると、構成要素627A、627Bの縁は、(少なくともその全長に沿っては)完全には接しておらず、(図5に示すように)僅かな隙間625が残っている。この隙間は、気化器および管612の周りの外側容器からの液体が気化器620の内部に入ることを可能にする。
【0052】
図6に示した気化器の構成要素627Bの1つがヒーター310を支持する。ヒーター310に電力(および無線通信信号)を供給するための2つのコネクタ631A、631Bが示されている。より詳細には、これらの接合器631A、631Bは、ヒーターをコネクタ31Bに接続し、そこからコントロールユニット20に接続する。(尚、コネクタ631Aは、ヒーター310の下を通って図6には見えない電気的接続によって、コネクタ31Bから気化器620の遠端のパッド632Aに結合される。)
【0053】
ヒーター310は、焼結金属繊維材料で形成された加熱エレメントを含み、一般に、シートまたは多孔質の導電性材料(鋼等)の形態である。ただし、当然のことながら他の多孔質導電性材料を使用してもよい。図6の例における加熱エレメントの全体的な抵抗は約1オームである。ただし、例えば、利用可能なバッテリー電圧および加熱エレメントの所望の温度/電力消費特性を考慮して、他の抵抗を選択することができる。これに関して、関連する特性は、対象となる原料液体に依存する装置の所望のエアロゾル(蒸気)発生特性に従って選択してもよい。
【0054】
加熱エレメントの主要部分は、長さ(即ち、コネクタ31Bと接点632Aとの間を通る方向)が約20mmで幅が約8mmのほぼ長方形である。この例での加熱エレメントを含むシートの厚さは約0.15mmである。
【0055】
図6から分かるように、加熱エレメントのほぼ矩形の主要部分は、長辺の各々から内側に延びるスロット311を有する。これらのスロット311は、気化器ハウジング構成要素627Bによって提供される留めくぎ312と係合し、それにより、ハウジング構成要素627A、627Bに対する加熱エレメントの位置を維持しやすくする。
【0056】
スロットは約4.8mm内側に延び、約0.6mmの幅を有する。内方に延びるスロット311は、加熱エレメントの両側で互いに約5.4mmだけ離間しており、対向する側から内側に延びるスロットは、この間隔の約半分だけ互いにずらされている。このようなスロットの配置の結果、加熱エレメントに沿った電流の流れは実際には蛇行する経路に沿い、その結果、スロットの端部の周りに電流および電力が集中する。加熱エレメント表面の異なる場所における異なる電流密度/電力密度は、比較的低い電流密度の区域よりも熱くなる比較的高い電流密度の区域が存在することを意味する。このことにより、実際、様々な温度および温度勾配の範囲を有する加熱エレメントが提供され、それはエアロゾル供給システムに関して望ましい。なぜならば、原料液体の異なる成分が異なる温度でエアロゾル化/気化する可能性があり、ある範囲の温度の加熱エレメントを提供することで、原料液体中のある範囲の異なる成分が同時にエアロゾル化するのを促進できるからである。
【0057】
図6に示すヒーター310は、一方向に延びた実質的に平面の形状を有しており、アンテナとして機能するのに適している。コントロールユニットの金属ハウジング202と連結して、ヒーター310は、通常は、Bluetooth(登録商標)Low Energy通信の波長と同
じ位の物理的サイズ−即ち、約12cmの波長に対して(ヒーター310および金属ハウジング202の両方を考慮して)数センチメートルの大きさ−を有する近似双極子構成を形成する。
【0058】
図6は、ヒーター310(加熱エレメント)の1つの形状および構成を示しているが、当業者は様々な他の可能性を認識している。例えば、ヒーターをコイルまたは抵抗線の他の構成として設けてもよい。もう一つの可能性は、ヒーターが蒸発する液体(何らかの形のタバコ製品等)を含む管として構成されていることである。この場合、管は、主に熱を発生(例えば、コイルまたは他の加熱エレメントによって)させる場所から蒸発する液体に熱を輸送するために使用することができる。そのような場合、パイプは依然として加熱すべき液体に関してヒーターとして働く。このような構成は、無線構成を支援するアンテナとして、再度、所望により使用することができる。
【0059】
前述のように、適切な電子タバコ10は、例えばBluetooth(登録商標)Low Energyプ
ロトコルを使用して装置を組み合わせることで、移動体通信装置400と通信することができる。
【0060】
従って、スマートフォン上で動作するための適切なソフトウェア命令(例えば、アプリケーションの形態)を提供することで、電子タバコおよび/または電子タバコとスマートフォンを含むシステムに追加の機能性を提供することが可能である。
【0061】
ここで図7を参照すると、典型的なスマートフォン400は、中央処理装置(CPU)(410)を含む。CPUは、直接接続またはI/Oブリッジ414および/または母線430を介して、スマートフォンの構成要素と通信してもよい。
【0062】
図7に示す例では、CPUはメモリ412と直接通信する。このメモリ412は、オペレーティングシステムおよびアプリケーション(アプリ)を記憶するためのフラッシュ(登録商標)メモリ等の永続性メモリ、およびCPUによって現在使用されているデータを保持するためのRAM等の揮発性メモリを含んでもよい。典型的には、永続性メモリおよび揮発性メモリは、物理的に異なる構成単位(図示せず)によって形成される。さらに、メモリは、マイクロSDカード等のプラグインメモリと、加入者情報モジュール(SIM)(図示せず)上の加入者情報データとを別個に備えていてもよい。
【0063】
スマートフォンは、画像処理ユニット(GPU)416も含んでいてもよい。GPUは、CPUまたはI/Oブリッジを介して直接通信してもよく、またはCPUの一部であってもよい。GPUは、RAMをCPUと共有してもよく、またはそれ自体の専用RAM(図示せず)を有してもよく、移動体電話の表示部418に接続されてもよい。表示部は、典型的には、液晶(LCD)または有機発光ダイオード(OLED)表示部であるが、電子インク等の任意の適切な表示技術であってもよい。所望によりGPUは、スマートフォンの1つ以上のラウドスピーカー420を駆動するために使用されてもよい。
【0064】
これとは別にスピーカーは、I/Oブリッジおよび母線を介してCPUに接続されてもよい。スマートフォンの他の構成要素は、母線を介して同様に接続されてもよく、例えば、装置にタッチ入力を提供する目的で画面上に重ねられた容量性タッチ面等のタッチ面432、ユーザーからの音声を受信するためのマイクロホン434、画像を取り込むための1つ以上のカメラ436、スマートフォンの地理的位置の推定値を取得するための全地球測位システム(GPS)装置438および無線通信手段440等が挙げられる。
【0065】
次に無線通信手段440は、異なる規格および/またはプロトコルに準拠するいくつかの別個の無線通信システムを含んでもよく、例えば、Bluetooth(登録商標)(標準また
は低エネルギーの変形例)、前述した近距離通信およびWiFi(登録商標)、並びに2G、3Gおよび/または4G等の電話に基づく通信等が挙げられる。
【0066】
これらのシステムは、典型的には、USB(図示せず)等のデータリンクの一部であってもよい電力入力(図示せず)を介して充電可能な電池(図示せず)によって電力が供給される。
【0067】
当然のことながら異なるスマートフォンは、異なる機能(例えば、方位磁石またはブザー)を含み、上に列挙したものの一部(例えば、タッチ面)を省略してもよい。
【0068】
従って、より一般的には、本開示の一実施形態では、スマートフォン400等の適切な遠隔装置は、アプリを記憶して実行するためのCPUおよびメモリ、並びに電子タバコ10との無線通信を開始し、維持するように動作可能な無線通信手段を含む。しかし、遠隔装置は、タブレット、ラップトップ、スマートテレビ等の、これらの能力を有する装置であってもよいことは当然である。
【0069】
電子タバコおよび/または電子タバコ10および移動体通信装置400を含むシステムに提供してもよい追加の機能の一例は、関連する消費者情報の地理に基づくプッシュ通知である。
【0070】
ここで図8を参照すると、本開示の一実施形態では、システムは、電子タバコ10および電話またはスマートフォン等の移動体通信装置400を含む。
【0071】
再度図7を参照すると、移動体通信装置400は、基地局1100から移動(2G、3G、4G等)信号を受信するための無線受信手段440を含む。
【0072】
特に、移動体通信装置が新しい国に入ると、移動体通信装置は、新しいネットワークに参加するためのハンドオーバーまたは接続プロセスの一部として、ローカル基地局1100から標準化された移動体ネットワークデータを受信する。
【0073】
この標準化されたネットワークデータは、典型的には、国およびネットワークオペレータのために国際的に合意されたコードである移動体国コード(MCC)および移動体ネットワークコード(MNC)を含む。
【0074】
例えば、ITU−T勧告E.212標準では、MCCは各国固有の3桁のコードであり、MNCは移動体ネットワークオペレータの2桁または3桁のコードである。この2つの組み合わせにより、ネットワークの国とオペレータの一意的表示が提供される。
【0075】
移動体通信装置自体はまた、固有の国際移動体加入者識別(IMSI)と共に、自国およびネットワークのMCCおよびMNCを含む。移動体通信装置のMCC、MNCおよびIMSIは、典型的には新しいネットワークに通信され、移動体通信装置を新しいネットワークによって一意に識別することができ、新しいネットワークは移動体通信装置のホームネットワークにそのローミング状態を通知し、適切なバックエンドルーティングを設定する。
【0076】
このような標準化された挙動から、移動体通信装置のアプリケーションまたはオペレーティングシステムは、追加の目的のために、移動体通信装置がリンクされているネットワークの国コードを抽出することが可能である。
【0077】
本開示の一実施形態では、そのような目的の1つは、抽出された国コードに応答して、ベイピングポリシー警告データを取得し、例えば、装置の画面418に表示することによって、移動体通信装置のユーザーに提示することである。
【0078】
このベイピングポリシー警告データは、例えばその国におけるベイピングに関する関連する規制上の制限(例えば、電子蒸気供給システムを使用するための最低年齢、または屋内/屋外のベイピングに関する制限)、および/またはベイピングに関する社会的要望(例えば、レストランでベイピングをすることが社会的に適切であると一般的に考えられるかどうかを示すこと)の要約をユーザーに提供してもよい。便宜上、データは「ポリシー」データと呼ばれるが、当然のことながら、ベイピングに対する法律上/規制上の要件または使用条件に限定されず、関連する有用な情報を含んでもよく、例えば、電子蒸気供給システムに供給される充電器に関連する可能性がある現地の主電源電流および電圧の通知、あるいはどのような種類の小売店がベイピング材料を供給することが期待できるかの表示(例:電子液体の補充/カトマイザー)、あるいは特定のブランドに対して、その国でどの範囲の電子液体/カトマイザー風味剤が入手可能であるか等の情報が挙げられる。その意味で、ベイピングポリシー警告は、ベイピングに関する情報/電子蒸気供給システムの使用に関連する情報と呼ぶこともできる。他の関連するベイピングポリシー警告データは、当業者には明らかである。また、当然なことながら、「ベイピングポリシー警告データ」は、同様の目的のために、喫煙ポリシー警告データを含むかまたはそれを伴ってもよい。
【0079】
所望によりそのようなポリシーデータは、抽出された国コードが移動体通信装置の母国コードと異なる場合にのみ、移動体通信装置によって取得されてもよく、従って、移動体通信装置は、ユーザーの母国のネットワークに接続するたびにユーザーの母国のためのベイピングポリシー情報を検索することはしない。
【0080】
本開示の一実施形態では、移動体通信装置上のアプリケーションは、移動体通信装置のメモリ412内のそれぞれの国コードに関連付けられた複数のベイピングポリシー警告データ項目を記憶する。このベイピングポリシー警告データは、アプリケーションの発行元によって、従来の方法でのアプリケーションの更新プログラムを利用して最新の状態に保つことができる(例えば、年ごと、四半期ごと、または月ごとの更新サイクル等)。
【0081】
その結果、移動体通信装置は、移動体通信装置が通信しているネットワークの抽出された国コードに関連する適切なベイピングポリシー警告データをメモリから検索することによって、ベイピングポリシー警告データを取得する。
【0082】
この手法にはいくつかの利点が内在している。第1に移動体ネットワークの国コードを使用することは、全地球測位システム(GPS)受信機を備えていない移動体電話によって現在の国を検出できることを意味する。第2に検出が迅速であり、ユーザーは新しい国に進入した時点で現地の期待を迅速に知ることができる。第3に検出は、遠隔サーバへのデータリンクに依存していない(GPS座標を解決する場合や、遠隔保有のポリシーデータを取得する場合のように)。一部の電話機には移動体データ機能がないが、多くのユーザーはコストのためにローミング移動体データ接続を無効にする。一方、WiFi(登録商標)への即時アクセスも保証されていない。
【0083】
しかしながら、その代わりまたはそれに加えて、移動体通信装置が移動体データまたはWiFi(登録商標)を使用可能であるか使用可能になる場合は、所望により国および/またはベイピングポリシー警告データの識別は、ベイピングポリシーサーバ1300から得てもよい。
【0084】
従って、図8を再び参照すると、本開示の一実施形態では、システムは、電子タバコ10、電話またはスマートフォン等の移動体通信装置400、およびベイピングポリシーサーバ1300を含む。
【0085】
この実施形態では、移動体通信装置は、ベイピングポリシー警告データをベイピングポリシーサーバから取得または補足する。第1に、これは、移動体通信装置によって抽出された国コードをベイピングポリシーサーバに送信することによって得られる。次に、ベイピングポリシーサーバは、抽出された国コードに対応するベイピングポリシー警告データを、データベースから上記と同様の方法で調べ、検索し、その後、ベイピングポリシー警告データを移動体通信装置に送り返す。移動体通信装置とサーバとの間の通信は、移動体データを使用して基地局1100を介して、インターネット1200に接続して、そこでサーバに接続してもよく、または、WiFi(登録商標)アクセスポイント(図示せず)を介してインターネット1200に直接接続し、そこでサーバに接続してもよい。
【0086】
これにより、アプリケーション発行元は、より頻繁に更新されるベイピングポリシー情報を提供することができ、および/または所望により移動体表示装置に記憶されたベイピングポリシー情報にそれ程時間的には重要でないベイピングポリシー情報(例えば、電子蒸気供給システムの消耗品に関する特別提供の通知、またはユーザーが出席するために出張してきた数日後に始まる特別な事象でのベイピングポリシーについての通知等)を補うこともできる。
【0087】
典型的に、サーバは移動体通信装置よりも多くの計算およびメモリの資源を有するので、移動体通信装置にとって一般的に実用的なサービスよりも多くの計算集約的なサービスを有用に供給することができるのは当然である。
【0088】
従って、本開示の一実施形態では、信頼できる1組のGPS座標を提供するのに十分な数の衛星1000からGPS信号を受信するGPS対応移動体電話は、これらのGPS座標を、抽出された国コードと共に、または抽出された国コードの代わりにサーバに送信することができる。次いで、サーバはマップデータを参照して、移動体通信装置がどこにいるかを正確に検出し、それに従ってベイピングポリシー警告データが必要な国を修正または確認してもよい。
【0089】
サーバは、移動体通信装置上で局所的に保持されたポリシーデータを調べる際に使用するためのGPS座標に応答する国コードを返してもよく、および/またはそのような国コードに対応するそれぞれのベイピングポリシーデータを返してもよく、それによって、局所的に保持されたデータを含まないまたはそのような局所的に保持されたデータを補う移動体通信装置アプリケーションの変形例のためのデータを提供する。
【0090】
当然のことながら移動体通信装置は、ユーザーが国境を越えたときに解決するのに十分な精度のマップデータを記憶することができるが、これは大量の移動体通信装置記憶域を消費する可能性があり、従って、一部の装置にインストールすることは実際的ではないと考えられる。さらに、GPS信号を大量のマップデータと比較することにより、移動体通信装置のかなりの割合の計算資源を利用し、電池寿命を短縮する可能性もある。従って、原則としては、これを移動体通信装置上で局所的に実行してもよいが、この処理をベイピングポリシーサーバに外部委託することは有益であると考えられる。
【0091】
移動体通信装置が見つかった国を判定または確認するのにGPSを使用することで、移動体電話が国境を越えて移動体ネットワークに接続する国境付近で発生する「誤ったローミング」の問題に対処できる。この誤ったローミングの結果として、以下の場合に、移動体通信装置が、近隣の国にとって無用なベイピングポリシー警告を提供する可能性がある。即ち、ユーザーが自国の国境付近にいる場合、あるいは移動体通信装置が国境を越える際にタイムリーに更新するのに失敗し、以前の国の以前のネットワークからの十分に強い信号との接続を維持している場合である。
【0092】
同様に本開示の一実施形態では、無線インターネット接続からIPアドレスを受信するWiFi(登録商標)対応の移動体通信装置は、抽出された国コードと一緒にまたは抽出された国コードの代わりに、このIPアドレスをベイピングポリシーサーバに送信することができる。次いで、サーバは、IPアドレスを解決して、移動体通信装置がどこにあるかを正確に決定し、従って、ベイピングポリシー警告データが必要な国を修正または確認してもよい。次いで、サーバは、GPSに関連して上述したものと同様の方法と同様の効果で、国コードおよび/または対応するベイピングポリシー警告データを移動体通信装置に送り返してもよい。
【0093】
前述のように、移動体通信装置400は、電子タバコ10と通信してもよい。その結果、移動体通信装置は、移動体ネットワークデータからの国コードの変化の検出に応答して、またはベイピングポリシーサーバから受信した国コードに応答して、電子タバコに1つ以上の命令を送信してもよい。
【0094】
移動体通信装置は、例えば、電子タバコのLEDを点滅させることによって警告モードに入るように、電子タバコに命令を送ることができる。警告モードは、ユーザーに詳細情報のためにアプリケーションに相談する必要があることを示し、この時点で、ユーザーはベイピングポリシーを確認できる。所望によりユーザーは、アプリケーションによって提供された「確認」入力ボタンを(例えば、移動体通信装置の418タッチスクリーンを介して)タップすることができ、その後、移動体通信装置は、電子タバコにフォローアップ命令を送信して警告モードを終了することができる。あるいは、またはさらに、移動体通信装置は、最初に電子タバコに命令を送信して、ベイピングを防止し、ユーザーが「確認」ボタンをタップしてはじめてロック解除してもよい。
【0095】
さらに、アプリケーションによって移動体通信装置のメモリに記憶されるまたはベイピングポリシーサーバに記憶されるベイピングポリシーデータは、機械読み取り可能なベイピングポリシーデータを含んでもよい。この機械可読のベイピングポリシーデータは、所定のパラメータリストの形式をとる。純粋に非限定的な例として、これらのパラメータは、ベイピングに対する最低法定年齢の一部または全部、公共の空間、公共の建物、ホテル、空港、私有の建物の各場所で電子タバコを使用することが容認できるかどうかを示すそれぞれのフラグ、特定の期間内(1吸入当たり、1時間当たり、1日当たり等)の最大吸入量計画(これらが設定されている場合)等を含んでも良い。当然のことながらより一般的には、データが具体的に表すものの性質は、電子タバコのユーザーに電子タバコの使用に関する地理的に特定の情報を提供するための本明細書に記載された原理にとってそれ自体重要ではない。
【0096】
所望により移動体通信装置は、この機械可読のベイピングポリシーデータを解析し、それに応じて警告を与える、および/または電子タバコを制御することができる。
【0097】
例えば、移動体通信装置はユーザーの年齢の確認を要求するか、またはそれを予め登録された年齢と比較し、それに応じて電子タバコの使用を許可または阻止するように動作してもよい。同様に移動体通信装置は、電子タバコにそのヒーターを制御して、これが適切な場合に吸入ごとに発生する蒸気の量を調整するように命令することができる。他の制御および警告は当業者には明らかである。
【0098】
所望によりスマートフォンによる電子タバコの任意の制御を電子タバコ自体のコントロールユニットの適切な選択によって無効にしてもよい。
【0099】
従って、ここで図10を参照すると、本開示の要約された実施形態では、移動体通信装置によってベイピングポリシー警告を提供する方法は、
第1の工程s101で、移動体通信装置で基地局からの移動体ネットワークデータを受信することと、
第2の工程s102で、移動体通信装置の場所に関する国コードを取得することと、
第3の工程s103で、抽出された国コードに応答して、ベイピングポリシー警告データを取得することと、
第4の工程s104で、ベイピングポリシー警告データを表示することと、を含む。
【0100】
当業者には明らかであるが、本明細書に記載され、特許請求される装置の様々な実施形態の動作に対応する上記の方法における変形例は、本開示の範囲内にあると考えられ、以下を含むが、これらに限定されない、
受信した移動体ネットワークデータから国コードを抽出することと、
前記抽出された国コードに関連して前記移動体通信装置のメモリに記憶されているベイピングポリシー警告データを検索することと、
前記抽出された国コードをベイピングポリシーサーバに送信し、抽出された国コードに応答して、前記ベイピングポリシーサーバからベイピングポリシー警告データを受信することと、
無線インターネット接続からIPアドレスを受信し、前記IPアドレスをベイピングポリシーサーバに送信し、
前記IPアドレスに応答して、前記ベイピングポリシーサーバから、
i.国コード、および
ii.国コードに対応するそれぞれのベイピングポリシー警告データから成るリストから選択された1つ以上を受け取ることと、
GPSシステムから地理的座標を取得し、前記地理的座標をベイピングポリシーサーバに送信し、前記地理的座標に応答して、前記ベイピングポリシーサーバから、
i.国コード、および
ii.国コードに対応するそれぞれのベイピングポリシー警告データから成るリストから選択された1つ以上を受け取ることと、
国コードの変更の検出に応答して、移動体通信装置から電子蒸気供給システムに制御命令を送信して、ベイピングを制限することと、
ユーザーから移動体通信装置への確認応答入力に応答して、移動体通信装置から電子蒸気供給システムに制御命令を送信することと、
前記ベイピングポリシー警告データが機械可読ポリシーデータを含む場合、前記機械可読ポリシーデータに応答して、移動体通信装置から電子蒸気供給システムに制御命令を送信することとを含む方法。
【0101】
当然のことながら本開示の一実施形態では、上記技術のそれぞれの部分を実装するのに適した移動体通信装置(400)は、基地局(1100)から移動体ネットワークデータを受信するように動作可能な無線通信受信機(440)、および受信された移動体ネットワークデータから国コードを抽出するように動作可能なプロセッサ(410)を含み、移動体通信装置は、抽出された国コードに応答して、ベイピングポリシー警告データを取得し、移動体通信装置の表示部418にベイピングポリシー警告データを表示するように構成される。
【0102】
移動体通信装置の更なる特徴は、上記の技術の更なる態様に関する。従って、所望によりGPS受信機438がGPS座標を取得するために使用され、および/または(プロセッサ410と共に)無線手段440がWiFi(登録商標)IPアドレスを検出するために使用される。一方、メモリ412(例えば、その不揮発性フラッシュメモリ構成要素)は、国コードおよびベイピングポリシー警告のデータベースを記憶してもよい。
【0103】
同様に図9を参照すると、当然のことながら本開示の一実施形態では、上記技術のそれぞれの部分を実装するのに適したベイピングポリシー警告サーバ(1300)は、移動体通信装置から、前記移動体通信装置が位置する国の指示を受信するように構成された受信機(1310)と、複数の国のそれぞれのベイピングポリシー(1335)を記憶するように構成されたメモリ1330と、前記モバイル通信装置から受信した国の前記指示に応答して、前記メモリからベイピングポリシーを検索するように構成されたプロセッサ(1320)と、前記検索されたベイピングポリシーを前記移動体通信装置に送信するように構成された送信器(1310)とを含む。
【0104】
上述の実施形態は、移動体通信装置および関連する電子タバコを、全国規模でのベイピングの要件および/または基準に関する情報を得る有益な機能を提供する。しかしながら、ベイピング行為に関する情報がより人間的な規模で提供されることが望ましい。
【0105】
従って、電子タバコおよび/または電子タバコ10および移動体通信装置400を含むシステムに提供され得る追加の機能の別の例は、選択された場所(例えば、ユーザーの現在の場所、またはユーザーが訪れる予定の場所)のベイピング率ヒートマップである。
【0106】
再び図8を参照すると、本開示の一実施形態では、この機能を有するシステムは、電子タバコ10と、電話またはスマートフォン等の移動体通信装置400と、ベイピングマップサーバ1300とを含む。当然のことながら、ベイピングマップサーバは、前に説明したベイピングポリシーサーバと同一であってもよいし、別個であってもよい。サーバが同じである場合には、ベイピングポリシーデータおよびヒートマップデータの選択のためのGPSを基本とするマップデータ等のデータを共用してもよい。
【0107】
同様に移動体通信装置上で動作するアプリケーションは、上述のベイピングポリシー警告システムの関連する機能と、以下に説明するベイピングヒートマップシステムの機能とを組み込んでもよく、これらのアプリケーションは別々であってもよく、ユーザーは所望の機能レベルを得るために、いずれか一方または両方をインストールする、あるいはいずれもインストールしないことを選択してもよい。
【0108】
本開示の一実施形態では、電子タバコ10および移動体通信装置400は、(例えば、Bluetooth(登録商標)Low Energyを使用して)対で接続されている。
【0109】
電子タバコのユーザーが電子タバコを吸入する(即ち、「ベイピング」する)と前述のように、制御ユニット20内の圧力センサ62がこれを検出し、コントロールユニット内のプロセッサ50がヒーター310に電子液体の一部を蒸発させる。
【0110】
しかしながら、この実施形態では、通信インターフェース55は、一対に組み合わされた接続を介して移動体通信装置に信号を送信し、ベイピング行為が行われたことを通知する。
【0111】
それに応答して、移動体通信装置400(または典型的には、移動体通信装置上で動作するアプリケーション)は、GPS受信機438によって受信された現在の組のGPS座標を記録(log)してもよく、それによってベイピング行為が行われた場所を登録する。
【0112】
以下に説明するように、所定の期間中、移動体通信装置/アプリケーションは、複数のそのようなベイピング行為および対応する場所を記録し、それによって、(および所望により時間を記録することによって)ユーザーがどこで(および所望によりまた時間を記録することによって、いつ)ベイピングをしたかの履歴を構築する。
【0113】
移動体通信装置は、電池の電力を節約するために定期的にGPS受信を中断した場合、移動体通信装置/アプリケーションはGPS受信機を起動させて、ベイピング行為が行われたという電子タバコからの通知に応じて座標を取得することができる。ほとんどの状況で、通知とGPS座標の計算との間の数秒間の遅延は、ユーザーの位置の大きな変化にはならなかった。所望によりサンプル期間内(例えば、1秒間隔で)に連続したGPS座標を得て、ユーザーが移動しているかどうか、どの程度まで移動しているかを判断し、これを補正できる。GPS座標の変化が、ユーザーが車両内で十分な速度で移動していることを示している場合には、所望によりベイピング行為を記録しなくてもよい。なぜなら、公共の場所を示す可能性は低いからである。
【0114】
同様にバッテリー電力を節約するために、第1の組GPS座標が取得されると、移動体通信装置が既に監視しているローカルWiFi信号または移動体ネットワーク信号で検出された信号強度の変化等で、移動体通信装置が、ユーザーが大きく移動したという証拠を検出するまでGPS受信機を停止してもよい。このような静止期間の間、連続するベイピング事象は、第1のものと同じ組のGPS座標に記録されてもよい。
【0115】
いずれにしても、ユーザーのベイピング行為に対応するGPS座標(および所望により時間)の記録は、所定時間後に移動体通信装置によってヒートマップサーバ1300に送信(アップロード)してもよい。所定の時間は、例えば、ベイピング行為ごと、1時間ごと、予め設定した時間(例えば、4、8または12時間)後、または毎日であってもよい。所定の時間は、バッテリーの寿命およびアップリンクの利用可能性等の要因を考慮した設計上の選択肢の問題と考えられる。アップロードは、所定の時間が経過した後にサーバとの通信リンクが確立され、WiFi信号または移動体データが利用可能/適切である場合に開始してもよい。
【0116】
アップロードプロセスは、アップロードデータが本物であることを確立するために、アプリケーション、移動体通信装置、または(確立された一対のリンクを介して)電子タバコに適した任意の既知の認証方式を所望により使用してもよい。
【0117】
但し、続いてデータを(認証されたリンクを介してサーバへのGPS座標と所望により時間の記録を送信する)移動体通信装置または(アプリケーション、移動体通信装置または電子タバコを特定するデータをすべて取り除いて、GPS座標の記録と所望により時刻を保持する)サーバのいずれかで匿名化することができる。
【0118】
図9を参照すると上記の技術のそれぞれの部分を実装するのに適したベイピングヒートマップサーバ(1300)は、GPS座標および所望により対応する時間の記録を含むデータを移動体通信装置から受信するように構成された受信機(1310)と、後述するようにベイピングヒートマップに対応するデータを記憶するように構成されたメモリ1330と、ベイピングヒートマップにデータを配置し、照合に応答してヒートマップデータを検索するように構成されたプロセッサ(1320)と、前記検索されたヒートマップデータを前記移動体通信装置に送信するように構成された送信機(1310)とを含む。
【0119】
サーバでは、GPS座標および所望による対応する時間の記録を分析して、例えば、ベイピング行為の絶対数または相対数または頻度を、例えば、アップロードされたGPS座標が各区域に何回該当するかに応じて地理的マップの区域を色分けすることによって図式的に示すために使用される、1つ以上の所謂ヒートマップを形成するか、またはそれに寄与する。従って、ヒートマップは、GPS座標がヒートマップの区域に何回対応するかの頻度のヒストグラムと考えることができる。
【0120】
サーバは、潜在的に多数のユーザーの移動体通信装置からそのような記録を受信するように動作可能であり、その結果、大規模かつ十分に占有されたデータセットが得られる。
【0121】
当然のことながら、GPS座標は、(例えば、それぞれの移動体通信装置内のGPS受信機の性質に応じて、ユーザーの真の位置から1メートルまたは10メートル以内まで)非常に正確であることが可能である。その結果、国全体または世界全体に渡って潜在的なGPS座標の数が膨大になる。可能性のあるGPS位置ごとにヒストグラム計数が累積された場合、計算およびメモリのオーバーヘッドを伴った非常に大きなデータベースが作成される可能性がある。第2に、ヒストグラム(マップの各区域が何回記録されたかの計数)は、面積が常に例えば1平方メートルまたは10平方メートルに対応する場合、非常に希薄になる。このような状況では、マップの有用性は非常に高いベイピング行為の区域に限定されるだけの可能性がある。
【0122】
従って、本開示の一実施形態では、サーバは、異なる地理的マップ領域に可変粒度を有するヒートマップを生成して記憶するように構成されているので、田園地帯では、マップは1平方キロメートル以上の解像度でGPS記録を計数するが、市街地ではマップはGPS記録をはるかに高い解像度(例えば5平方メートル以下)で計数する。
【0123】
サーバは、GPS記録が受信されると、ヒートマップ粒度を適応するように変更することができる。任意の地理的領域は、GPS記録が計数される1平方キロメートルの区域から始まり(非限定的な例として)、この区域に関連して記録を一時的に記憶してもよい。区域に関連する記録の数が所定の閾値計数(非限定的な例として、10〜100の範囲内で選択された閾値)に達すると、サーバ・プロセッサは、その区域を2つ以上のサブ区域に分割する。GPS記録が保存されている場合は、それらを再利用してそれぞれのサブ区域の計数を作成し、新しい記録を受信したときに新しいサブ区域に基づいて計数を更新し続けることができる。一方、GPS記録が保存されていない場合、新しい記録が受信されると、新しい計数が更新される。このようにして、高レベルのベイピングを示す地理的区域が自動的に細分化され、各区域はベイピングの閾値数を表す。非常に激しいベイピング行為を示す区域(例えば、市内中心部の指定されたベイピング区域に対応している場合がある)では、マップの最小細分/最大解像度が達成される可能性がある。
【0124】
これとは別にまたはそれに加えて、ヒートマップが、良好な情報範囲を提供するのに十分なデータが入力されている間に、移動体通信装置アプリケーションの早期採用者にとってより迅速に有用になるように、ベイピング行為の期待されるレベル(例えば、町および都市におけるより小さい面積を有する)を予期する異なるサイズの区域でマップは予め定義、即ちシードされてもよい。
【0125】
上述のように、GPS座標はタイムスタンプと関連付けられてもよい。これにより、例えば、1時間ごとの使用状況を反映したヒートマップを作成する等、複数のヒートマップを生成することができる。
【0126】
続いて、移動体通信装置がヒートマップを要求する場合(後述するように)、サーバは現在時刻に対応するヒートマップを提供してもよい。これにより、ユーザーに、地域の習慣および一日の異なる時間帯にベイピングをするための人気スポットに関するより良い情報を提供してもよい。
【0127】
ヒートマップの地理的細分と同様にサーバは、受信されたデータの量に応じて一時的な細分化を提供してもよい。従って、最初に各区域に対して、データは24時間基準で提供されてもよい。引き続き、計数が大きくなるにつれて、午前と午後の別々のマップに分割されてもよい。引き続き計数がさらに大きくなるにつれて、典型的な営業時間の前、中、後のマップに分けてもよい。最終的に、データは特にピーク時のために時間マップを可能にすることができる。
【0128】
当然のことながら他の領域が標準的な(例えば、毎日の)ヒートマップデータ(所望により1組の結果における他のマップ領域のより短い時間枠を説明するために正規化される)を提供する一方で、多くのベイピング行為を参照する領域が、対応する時間のヒートマップデータを提供できるように時間領域分割を領域またはサブ領域基準で使用してもよい。
【0129】
達成された時間解像度が許容される場合には地域の日没時間(例えば、文化的または宗教的な遵守が毎日または特定の日に行動変化を引き起こす可能性のある時間)を概ね追跡する昼夜マップ等の他の分割が可能になる。
【0130】
従って、それとは別にまたはそれに加えて、サーバは、行動の地域的変化を反映するために平日および週末のヒートマップを生成してもよい。
【0131】
ヒートマップに加えて、サーバは、送信マップの空間的および/または時間的な解像度を示すデータを送信してもよく、その結果、ユーザーはそのような目的のためにサーバがどの程度信頼できるかを知る。
【0132】
ヒートマップを生成した後、サーバはヒートマップデータを移動体通信装置に提供してもよい。従って、本開示の一実施形態では、ベイピングヒートマップサーバは、移動体通信装置から蒸気ヒートマップに対する要求を受信する。この要求は、1組のGPS座標(例えば、目的の場所がユーザーの現在の場所である場合)等の目的の場所を示すデータ、または移動体通信装置のグラフィカル・ユーザ・インターフェース上のマップから選択された地名または座標等の特定の場所を含む。
【0133】
サーバは、蒸気ヒートマップ内のマップ位置を識別し、マップ位置の所定の距離内の1つ以上のマップ領域を識別するために、GPS座標を使用するか、地名に対応する座標を探してもよい。所定の距離は経度および緯度によって異なることがあり、その結果、正方形領域ではなく長方形領域となり、所望により移動体通信装置によって表示されるマップの形状および所望のスケールを示す移動体通信装置によって送信されるパラメータに応答してもよい。
【0134】
次にサーバ・プロセッサは任意に現在の時間または移動体通信装置からの要求で指定された時間の間、所定距離内の識別された各マップ領域に対応する計数データを検索する。
【0135】
次いでサーバは、各計数を示すデータを遠隔装置に送信することができる。
【0136】
送信されたデータは、単純に各計数であってもよく、または移動体通信装置が表示部に計数の表現を空間的に配置するのを支援するために所定の距離内の各マップ領域の範囲を示すデータを伴ってもよい。所望により送信データは、移動体通信装置による使用を容易にするために前処理された計数データを含んでもよく、例えば、計数値に対応する色を有する画像の形態を取ってもよい。この場合、画像は、移動体通信装置に記憶されるか、または移動体通信装置によって取得される地理的マップ画像上にカラーオーバーレイとして使用することができる。あるいは、このような画像は、計数値を示す色を組み込んだ処理済地理的マップ画像であってもよい。
【0137】
より一般的には、送信されたデータは、ベイピングが比較的または絶対的に普通であるおよび/またはめずらしいのはどこかをユーザーに直感的に示す目的の場所を囲む領域のマップを移動体通信装置に表示させるために十分なデータであり、移動体通信装置がどの程度の量のマップ情報を含むか、またはアクセスすることができるかに基づいたもので予め定められていてもよい。
【0138】
サーバおよび/または移動体通信装置は、要求された目的の領域内の過去のベイピング行為を単純に示す以上のことをしてもよい。
【0139】
例えば、サーバまたは移動体通信装置のいずれかは、目的の場所(典型的にはユーザーの現在のGPS座標)に対応するマップ領域内の計数が、過去にベイピングがこの場所で行われていないことを示すべく選択された所定の閾値未満であるかどうかを検出してもよい。
【0140】
計数がこの閾値を下回る場合、移動体通信装置は、その動作を変更するために電子タバコに命令を送信してもよい。
【0141】
例えば、命令により、電子タバコの警告灯が赤色に点滅し、それによりユーザーが移動体通信装置に情報を求めていなくても、ユーザーにベイピングが勧められない区域でのベイピングをしようとしているかもしれないことを警告する。
【0142】
同様に命令に従って、電子タバコはユーザーによる吸入に応答してヒーターを作動させなくすることで、ベイピングを防止してもよい。これは下限閾値を下回る計数(例えばゼロまたはそれに近く、所望により隣接するマップ領域が所定の閾値以上の計数を有し、目的の場所における低い計数が、起こり得る読み取り不足によるものではないことを示しているという条件と共に)に応答して発動してもよい。
【0143】
このような命令は移動体通信装置に表示されるメッセージを伴い、警告灯が点灯している理由および/またはベイピングが無効にされた理由をユーザーに説明してもよい。
【0144】
これらの状況では、ユーザーは移動体通信装置のインターフェース、または電子タバコ上の適切なボタンもしくは他のインターフェースのいずれかを使用して、そのような命令を無効にすることができる。
【0145】
上記の技術を使用して、電子タバコ10を含むシステム、移動体通信装置400およびベイピングヒートマップサーバ1300は、ヒートマップ情報を生成し、次いでユーザーに提供することができる。
【0146】
前述のように、典型的には電子タバコは移動体通信装置と対になっており、従って、ベイピング接続が行われたことを示すデータは、電子タバコと移動体通信装置との間で個人的に送信される。
【0147】
しかしながら、これにより、サーバで得られる潜在的な読み取り値の数は、適切なソフトウェアを含む移動体通信装置を有するユーザーおよびそれらの移動体通信装置に電子タバコを対に組み合わせたユーザーからのものに限定される。これらの人々は電子タバコユーザーの無作為かつ互に相関のない部分集合を表していると想定するのが合理的で、そのデータに基づくマップは合理的な行動の試料になるが、場合によってはより広範囲のデータセットを取得すると有益である。
【0148】
従って、所望により対の組み合せを必要とせずに、例えば、ベイピング行為を示す予め定められたコードを同報通信するBluetooth(登録商標)Low Energy広告ビーコンの一部
として検出されたベイピング行為を同報通信することができる。移動体通信装置は、この事前に設定されたコードの各検出を記録することができる。コード自体は標準化されていて匿名であり、広告ビーコンに組み込まれた一意の識別データは、移動体通信装置による同じ行動による複数の記録(logging)を防止する目的にのみ使用され、有意な期間保持
されないまたはユーザーにアクセス可能とするか、またはサーバに送信される。
【0149】
その結果、適切なソフトウェアを備えた移動体通信装置は、その地域の他のユーザーのベイピング行為を検出することができ、それにより、サーバにおけるベイピングヒートマップをより迅速に占有することができる。
【0150】
従って、要約すると、図11を参照し、ベイピングヒートマップを生成する方法は、
第1の工程s111で、電子蒸気供給システムでベイピング行為を検出することと、
第2の工程s112で、ベイピング行為の検出に応答して1組のGPS座標を記録することと、
第3の工程s113で、1組以上の記録されたGPS座標をベイピングヒートマップサーバに送信することと、
第4の工程s114で、送信された各組のGPS座標に応答して1つ以上のマップ領域内のベイピング計数を更新することとを含む。
【0151】
当業者には明らかであるが、本明細書に記載され、特許請求される装置の様々な実施形態の動作に対応する上記の方法における変形例は本開示の範囲内にあるとみなし、以下を含むがこれらに限定されない、
マップ領域内の電子タバコ計数が第1の所定の閾値を超えているかどうかを検出し、超えている場合には、マップ領域を2つ以上の新たなより小さいマップ領域に分割し、新たな小さなマップ領域の各々についてのベイピング計数の更新工程と、
ベイピング行為の検出に応答して1組のGPS座標に関連した時間を記録することを含む記録工程、各組のGPS座標に関連する時間を送信することを含む送信工程、および送信された各組のGPS座標または前記それぞれの関連する時間に応答して1つ以上のマップ領域内の所定の期間に対応する電子タバコ計数を更新することを含む更新工程と、
移動体通信装置にて、移動体通信装置と対になっている電子蒸気供給システムから、ベイピング行為が発生したことを示す信号を受信することを含む検出工程と、
移動体通信装置にて、ベイピング行為が発生したことを示す電子蒸気供給システムからの同報通信信号を受信することを含む検出工程。
【0152】
対応する電子蒸気供給システムは、電子蒸気供給システムを介してユーザーによる吸入を検出するように構成された圧力センサ、および検出された吸入に応答して、ベイピング行為が発生したことを示す無線信号を送信するように構成された通信インターフェースを含む。
【0153】
同様に対応する移動体通信装置は、ベイピング行為が発生したことを示す電子蒸気供給システムからの信号を検出するように構成された受信機、1組のGPS座標を取得するように動作可能なGPS受信機、信号が検出されたときに実質的に得られた1組のGPS座標を記録するように構成されたプロセッサ、および1組以上の記録されたGPS座標をベイピングヒートマップサーバに送信するように構成された送信機を含む。
【0154】
また同様に対応するベイピングヒートマップサーバは、移動体通信装置からの1組以上の記録されたGPS座標を受信するように構成された受信機、1つ以上のマップ領域を含むベイピングヒートマップを記憶するように構成されたメモリ、および各送信された組のGPS座標に応答して1つ以上のマップ領域内のベイピング計数を更新するように構成されたプロセッサを含む。
【0155】
一方、図12を参照すると、ベイピングヒートマップを検索する方法は、
第1の工程s121で目的の場所(ユーザーの現在の1組のGPS座標等)を含む蒸気ヒートマップの要求を遠隔装置から受信することと、
第2の工程s122で目的の位置に対応するマップ位置の所定の距離内の1つ以上のマップ領域を識別することと、
第3の工程s123で識別された各マップ領域に対応した各計数を検索することと、
第4の工程s124で各計数を示すデータを遠隔装置に送信することとを含む。
【0156】
当業者には明らかであるが、本明細書に記載され、特許請求される装置の様々な実施形態の動作に対応する上記の方法における変形例は、本開示の範囲内にあるとみなされ、以下を含むがこれらに限定されない、
前記所定の距離内の各マップ領域の範囲を示すデータを送信することを含む送信工程と、
前記所定の距離内の各マップ領域内の前記計数を示す画像を送信することを含む送信工程と、
前記目的の位置に対応するマップ領域内の計数が第2の所定の閾値未満であるかどうかを判定し、未満である場合には、目的の場所が喫煙のために慣習的に使用されていないことを示す機械可読データをサーバから送信する、および/または移動体通信装置から電子蒸気供給システムに電子蒸気供給システムの挙動を変更する命令を送信する工程。
【0157】
対応する電子蒸気供給システムは、警告表示を作動させるかまたは蒸気供給を防止する等の、電子蒸気供給システムの挙動を変更する命令を遠隔装置から受信するように構成された通信インターフェースを含む。
【0158】
同様に対応する移動体通信装置は、目的の場所を指定するベイピングヒートマップ要求をベイピングヒートマップサーバに送信するように構成された送信器と、目的の場所の所定の範囲内にある過去のベイピング行為の量を示すデータを受信するように構成された受信器をと含み、プロセッサは、移動体通信装置の表示部にデータを表す表示を生成するように構成される。
【0159】
ここでも同様に対応するベイピングヒートマップサーバは、移動体通信装置から目的の場所を識別するデータを含むベイピングヒートマップ要求を受信するように構成された受信機と、目的の場所に対応するマップ位置の所定の距離内の1つ以上のマップ領域を識別するように構成されたプロセッサと、各識別されたマップ領域に対応する該または各計数を検索するように構成されたプロセッサと、各計数を示すデータを送信する移動体通信装置に送信するように構成された送信機とを含む。
【0160】
当然のことながら、電子蒸気供給システム(電子タバコ)、移動体通信装置(スマートフォン、タブレット等)およびサーバは、本明細書に記載の複数の実施形態をそれぞれ実装してもよい。
【0161】
従って、例えば、電子タバコは、移動体通信装置から命令を受信し、および/または検出されたベイピング行為を送信するようになっていてもよく、一方、移動体通信装置は、ベイピングポリシーおよび/または閾値ベイピング計数に応答する命令を送信するようになっていてもよい。
【0162】
同様に移動体通信装置を、ホスト国の喫煙ポリシーデータおよび/または直近の地方の蒸気ヒートマップを検索するために、その位置を識別する目的でサーバにGPS座標を送信するように装備することができる(海外もしくは自宅)、および/またはベイピングポリシーデータを検索する目的で国コードをサーバに送信してもよい。
【0163】
同様にサーバは、ベイピングポリシーデータのために国レベルで(または州もしくは市のベイピングポリシーが適用される州もしくは市のレベルで)マップデータを維持してもよく、および/またはベイピング計数データのためのより小さい区画でマップデータを維持してもよい。次いで、サーバは、ベイピングポリシーデータおよび/またはベイピング計数データを、そのようなデータに目的の場所を示す要求を送信する移動体通信装置に提供することができる。
【0164】
これも当然のことながら本明細書に記載された方法のいずれも全て、ソフトウェア命令によって、または専用ハードウェアに包含されるもしくは置き換えることによって使用できるように適切に構成された従来のハードウェアで実行されてもよい。
【0165】
従って、従来の等価装置の既存部分に必要に応じて適応するのは、有形の非一時的な機械可読媒体(フロッピーディスク、光ディスク、ハードディスク、PROM、RAM、フラッシュメモリ、又これらまたは他の記憶媒体の任意の組み合わせ等)に記憶されたプロセッサ実装可能命令を含むコンピュータープログラム製品(本開示の方法を実行するように構成されたコンピュータープログラムコードを記憶したコンピューター可読媒体を含む)の形態で実施することができ、あるいは、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)または従来の等価装置を適合させるのに適した他の構成可能回路としてハードウェアで実現することができる。これとは別に、このようなコンピュータープログラムは、イーサネット(登録商標)、無線ネットワーク、インターネット、またはこれらの他のネットワークの任意の組み合わせ等のネットワークのデータ信号を介して送信されてもよい。
【0166】
様々な問題に対処し、技術を進歩させるために、本開示は、特許請求された発明が実施される可能性のある様々な実施形態を実例として示す。本開示の利点および特徴は、実施形態のみの代表的な試料であり、網羅的でも排他的でもない。それらは、クレームされた発明の理解および教示を助けるためにのみ提示される。本開示の利点、実施形態、実施例、機能、特徴、構造、および/または他の態様は、特許請求の範囲によって規定される開示または特許請求の範囲と同等の制限についての制限とみなされるべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用して改変を行うことができる。様々な実施形態は、開示された要素、構成要素、特徴、部品、工程、手段等の様々な組み合せを、本明細書に具体的に記載されたもの以外のものを適切に含む、それらからなる、またはそれらから本質的になってもよい。本開示は、現在特許請求されていないが、将来請求され得る他の発明を含むことができる。
図1
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