特許第6871247号(P6871247)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871247
(24)【登録日】2021年4月19日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】調節可能チャイルドキャリア
(51)【国際特許分類】
   A47D 13/02 20060101AFI20210426BHJP
【FI】
   A47D13/02
【請求項の数】20
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2018-521974(P2018-521974)
(86)(22)【出願日】2016年10月28日
(65)【公表番号】特表2018-531745(P2018-531745A)
(43)【公表日】2018年11月1日
(86)【国際出願番号】US2016059534
(87)【国際公開番号】WO2017075500
(87)【国際公開日】20170504
【審査請求日】2018年10月19日
(31)【優先権主張番号】62/248,745
(32)【優先日】2015年10月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515252330
【氏名又は名称】ザ エルゴ ベビー キャリア, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】テルフォード, ロドニー ブイ.
【審査官】 小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0263491(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47D 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャイルドキャリアであって、
装着者の腰部のまわりに固着するために適合されたウエストベルトと、
前記ウエストベルトに結合された主要本体であって、前記主要本体は、装着者の胴体と協働する子供運搬面積を形成するように適合され、前記主要本体は、
少なくとも子供の胴体を支持するために構成された胴体支持部分と、
複数のバケットシート構成に構成可能な調節可能バケットシートであって、前記複数のバケットシート構成のそれぞれは、異なる、a)バケットシート深度およびb)バケットシート幅を有し、子供を蹲踞位置における対応するサイズ範囲内に支持するように適合されており、前記調節可能バケットシートは、
前記ウエストベルトおよび前記胴体支持部分に結合されたシート中心部分と、
前記シート中心部分の両側上に配置された腿支持体であって、前記腿支持体は、子供の腿の下を通過し、前記子供の腿を支持し、前記シート中心部分と協働することにより、前記調節可能バケットシートを形成するように適合されている、腿支持体と、
各腿支持体に結合された基部幅アジャスタであって、前記基部幅アジャスタは、前記ウエストベルトにおける前記主要本体の幅を調節するために複数の場所において前記ウエストベルトに選択的に結合するように構成されている、基部幅アジャスタと
を備える、調節可能バケットシートと
を備える、主要本体と
を備える、チャイルドキャリア。
【請求項2】
前記複数のバケットシート構成は、
子供を第1の蹲踞位置における第1のサイズ範囲内に支持するように適合された第1の構成と、
子供を第2の蹲踞位置における第2のサイズ範囲内に支持するように適合された第2の構成と
を備え、
前記第1の構成は、第1のバケットシート幅および第1のバケットシート深度を有し、前記第2の構成は、第2のバケットシート幅および第2のバケットシート深度を有し、前記第1のバケットシート幅は、前記第2のバケットシート幅未満であり、前記第1のバケットシート深度は、前記第2のバケットシート深度を上回る、請求項1に記載のチャイルドキャリア。
【請求項3】
前記バケットシート深度および前記バケットシート幅を調節するように適合された1つ以上の調節面積をさらに備える、請求項1に記載のチャイルドキャリア。
【請求項4】
前記チャイルドキャリアは、腿幅アジャスタのセットを備え、前記基部幅アジャスタは、大まかなバケットシート幅制御を提供するように適合され、前記腿幅アジャスタのセットは、より細かいバケットシート幅制御を提供するように適合されている、請求項1に記載のチャイルドキャリア。
【請求項5】
前記チャイルドキャリアは、前記バケットシート深度に依存する最小装着可能高さを有する、請求項1に記載のチャイルドキャリア。
【請求項6】
前記基部幅アジャスタは、前記バケットシート深度を調節するために複数の場所において前記ウエストベルトに選択的に結合するように構成されている、請求項1に記載のチャイルドキャリア。
【請求項7】
前記調節可能バケットシートの膨らみを制御するように適合された1つ以上の布地成形部材をさらに備える、請求項6に記載のチャイルドキャリア。
【請求項8】
前記1つ以上の布地成形部材は、前記腿支持体と前記シート中心部分との間に配置されたダーツを備え、前記基部幅アジャスタの調節に応答して、前記ダーツは、開閉するように適合されている、請求項7に記載のチャイルドキャリア。
【請求項9】
前記基部幅アジャスタは、最大バケットシート深度に対応する第1の設定および最小バケットシート深度に対応する第2の設定に構成可能であり、前記ダーツは、前記第1の設定に対応する第1の形状および前記第2の設定に対応する第2の形状を有する、請求項8に記載のチャイルドキャリア。
【請求項10】
前記シート中心部分は、側方外側縁を備え、前記腿支持体は、側方内側縁を備え、前記ダーツは、前記側方外側縁と前記側方内側縁との間に配置されている、請求項8に記載のチャイルドキャリア。
【請求項11】
前記基部幅アジャスタは、前記ダーツを開閉するために、前記側方内側縁を前記側方外側縁に対して回転させるための回転を通して調節可能である、請求項10に記載のチャイルドキャリア。
【請求項12】
前記バケットシート深度の調節は、前記チャイルドキャリアの最小装着可能高さを調節する、請求項6に記載のチャイルドキャリア。
【請求項13】
前記腿支持体に結合された腿幅アダプタをさらに備え、前記腿幅アダプタは、前記調節可能バケットシートの幅を調節するように構成されている、請求項6に記載のチャイルドキャリア。
【請求項14】
内側の折り下げられた位置に構成可能な頸部支持体をさらに備え、前記頸部支持体は、子供の頸部を支持するために前記子供運搬面積内に位置付けられている、請求項1に記載のチャイルドキャリア。
【請求項15】
前記頸部支持体はさらに、延在された折り上げられた位置および外側の折り下げられた位置に構成可能である、請求項14に記載のチャイルドキャリア。
【請求項16】
前記複数のバケットシート構成は、乳児用インサートを伴わずに、乳児を蹲踞位置に支持するように適合された構成を備える、請求項1に記載のチャイルドキャリア。
【請求項17】
前記複数のバケットシート構成は、小児を蹲踞位置に支持するように適合された構成を備える、請求項16に記載のチャイルドキャリア。
【請求項18】
チャイルドキャリアであって、
装着者の腰部のまわりに固着するために適合されたウエストベルトと、
前記ウエストベルトに結合された主要本体であって、前記主要本体は、装着者の胴体と協働する子供運搬面積を形成するように適合され、前記主要本体は、
少なくとも子供の胴体を支持するために構成された胴体支持部分と、
複数のバケットシート構成に構成可能な調節可能バケットシートであって、前記複数のバケットシート構成のそれぞれは、異なる、a)バケットシート深度およびb)バケットシート幅を有し、子供を蹲踞位置における対応するサイズ範囲内に支持するように適合されている、調節可能バケットシートと
を備える、主要本体と、
基部幅アジャスタのセットおよび腿幅アジャスタのセットであって、前記基部幅アジャスタのセットは、大まかなバケットシート幅制御を提供するように適合され、前記腿幅アジャスタのセットは、より細かいバケットシート幅制御を提供するように適合されている、基部幅アジャスタのセットおよび腿幅アジャスタのセットと
を備える、チャイルドキャリア。
【請求項19】
シート中心部分の両側上に配置された腿支持体であって、前記腿支持体は、子供の腿の下を通過し、前記子供の腿を支持し、前記シート中心部分と協働することにより、前記調節可能バケットシートを形成するように適合されている、腿支持体
をさらに備え、前記腿幅アジャスタのセットにおける各腿幅アジャスタは、腿幅アジャスタストラップを備え、前記腿幅アジャスタストラップは、それぞれの腿支持体に結合される第1の端部と、前記子供の腿における前記調節可能バケットシートの幅を調節するために複数の位置において前記主要本体に選択的に結合するように適合されている第2の端部とを有する、請求項18に記載のチャイルドキャリア。
【請求項20】
前記基部幅アジャスタのセットは、各腿支持体に結合される基部幅アジャスタを備え、前記基部幅アジャスタのセットは、前記ウエストベルトにおける前記主要本体の幅を調節するために前記ウエストベルトに選択的に結合するように適合されている、請求項19に記載のチャイルドキャリア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、35USC§119(e)下で2015年10月30日に出願された、Rodney Telfordによる「Baby Carrier」という題名の米国仮特許出願第62/248,745号に対して優先権の利益を主張する。上記文献の全ての内容は、参照することによって本明細書において援用される。
【0002】
(技術分野)
本開示は、チャイルドキャリアに関する。より具体的には、本開示は、子供が成長するにつれて子供を人間工学的に運搬するように適合可能なチャイルドキャリアに関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
種々のチャイルドキャリアが、現在、両親または他の個人によって子供を移送するために利用可能である。チャイルドキャリアは、子供を運搬する際、装着者に手および腕の移動の自由をもたらすため、乳児および小児を運搬するために人気となっている。子供の安全の追求において、これらのデバイスのいくつかは、とりわけ、剛性シートおよびフレームを伴って、過度に複雑となっており、これは、キャリアの重量を大幅に増加させ、子供の成長に適応することもできない。これらの複雑なキャリアは、比較的に重く、過度の歪みを、装着者に、特に、腰椎領域にかける。加えて、今日のキャリアの多くのサイズのため、それらは、背中のみに装着され、したがって、子供に、子供とその母親が対面関係となり得る位置の快適性および安全性を与えることができない。
【0004】
軟質の構造化されたキャリアは、それらがより軽量であり、あまり煩雑ではなく、より装着が快適であるため、ますます人気になっている。これらのキャリアは、構造を提供するために、剛性フレームではなく、詰め物、縫製、および布地を組み込む。しかしながら、いくつかの軟質の構造化されたキャリアは、子供の脚部が下方に吊架し、子供の背骨の付け根が、子供の体重を支持する状態で、子供を直立位置に保持する。本位置は、乳児および他の若年の子供にとって最適ではあり得ない。成人の背骨は、4つの湾曲を有するが、幼児の背骨は、2つのみの湾曲を有する。幼児の背骨の大部分は、C−形状(いわゆる全後彎)を形成するであろう。幼児、特に、乳児を直立位置に位置付けることは、背骨の湾曲を過度に限定し、乳児の仙骨に応力をかけ得る。これは、乳児の骨盤を後方に傾斜させ、脚部および腰部移動を限定し得、これは、乳児の骨盤の健康な発達を妨害し得る。
【0005】
さらに、従来の軟質の構造化されたキャリアは、通常、非常に限定された年齢、体重、およびサイズの子供のために設計され、ある範囲の年齢に適応するために、キャリアの形状に関して妥協される。キャリアが、ある年齢/体重/サイズにおける子供の人間工学的位置付けを支援する場合でも、同一キャリアを利用しながら、その年齢の範囲を通して子供を人間工学的位置に位置付けることは、異なる子供が、異なる速度で発達し、子供の解剖学的構造および生理学が、乳児期と小児期との間で大きく変化するため、問題を呈する。
【0006】
乳児またはより低年齢児のために設計されるキャリアは、キャリアのシートおよび背面支持部分が小さすぎるであろうため、子供が小児期に成長するにつれて、子供を収容し得ない。キャリアをより適合可能にする試みとして、いくつかのキャリアは、子供の成長に適応するために拡張し得る(例えば、付加的背面パネル材料を展開する、または新しいパネルを取り付けることによって)、展開され、シートに追加され、シートおよび/または背面パネルを広げることができる、付加的パネルを提供する。しかしながら、単に、シートを広げる、またはキャリアを延長させることは、適切な人間工学に適正に対処するものではない。
【0007】
一方、より高年齢児のために設計されるキャリアは、乳児を適切に支持し得ない。本問題に対する1つの解決策は、特別に設計された「乳児用インサート」の使用である。一般に、乳児用インサートは、付加的詰め物および構造を組み込み、そうでなければ乳児を適切に支持しないであろう、小さな乳児をキャリア内で運搬することを可能にする、付属品である。しかしながら、全てのキャリアが、乳児用インサートの使用に対応するわけではない。さらに、設計に応じて、乳児用インサートは、煩雑、非直感的、かつ容易に紛失され得る。特に、別個の乳児用インサートの使用は、両親が2つの別個のデバイスを保管することを要求し得、装着者のためのキャリアの構成、キャリアの装着、またはキャリアへの子供の出し入れの困難度を有意に増加させ得る。
【0008】
前述の問題に起因して、両親は、多くの場合、子供が成長するにつれてキャリアを交換することを選ぶ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
(要約)
本明細書に説明される実施形態は、赤ちゃんのサイズに適合され、キャリア調節性の範囲を通して子供の人間工学的位置付けを提供することができる、装着可能チャイルドキャリアを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態によると、チャイルドキャリアは、装着者の腰部を中心として固着するために適合される、ウエストベルトと、ウエストベルトに結合される、主要本体とを含み、主要主体は、装着者の胴体と協働する、子供運搬面積を形成するように適合される。主要本体は、少なくとも子供の胴体を支持するために構成される、胴体支持部分と、複数のバケットシート構成において構成可能な調節可能バケットシートであって、複数のバケットシート構成のそれぞれは、異なる、バケットシート深度およびバケットシート幅を有し、子供を蹲踞位置において対応するサイズ範囲内に支持するように適合される、バケットシートとを含むことができる。一実施形態では、複数のバケットシート構成は、乳児用インサートを伴わずに、乳児を蹲踞位置に支持するように適合される構成を備える。複数のバケットシート構成は、小児を蹲踞位置に支持するように適合される構成を含んでもよい。
【0011】
チャイルドキャリアは、バケットシート深度およびバケットシート幅を調節するように適合される、1つ以上の調節面積を含むことができる。一実施形態では、チャイルドキャリアは、バケットシート深度に依存する、最小装着可能高さを有する。
【0012】
一側面によると、複数のバケットシート構成は、子供を第1の蹲踞位置における第1のサイズ範囲内に支持するように適合される、第1の構成と、子供を第2の蹲踞位置における第2のサイズ範囲内に支持するように適合される、第2の構成とを備える。第1の構成は、第1のバケットシート幅および第1のバケットシート深度を有してもよく、第2の構成は、第2のバケットシート幅および第2のバケットシート深度を有してもよく、第1のバケットシート幅は、第2のバケットシート幅未満であり、第1のバケットシート深度は、第2のバケットシート深度を上回る。
【0013】
一実施形態では、主要本体はさらに、ウエストベルトおよび胴体支持部分に結合される、シート中心部分と、シート中心部分の両側上に配置される、腿支持体とを備える。腿支持体は、子供の腿の下を通過し、それを支持し、シート中心部分と協働し、バケットシートを形成するように適合されることができる。キャリアはさらに、各腿支持体に結合される、基部幅アジャスタを含むことができる。基部幅アジャスタは、複数の場所においてウエストベルトに選択的に結合し、ウエストベルトにおける主要本体の幅を調節するために構成されることができる。基部幅アジャスタはまた、複数の場所においてウエストベルトに選択的に結合し、バケットシート深度を調節するために構成されることができる。
【0014】
チャイルドキャリアは、バケットシートの膨らみを制御するように適合される、1つ以上の布地成形部材を含んでもよい。一実施例として、布地成形部材は、腿支持体とシート中心部分との間に配置される、ダーツを備えてもよく、ダーツは、基部幅アジャスタの調節に応答して、開閉するように適合される。基部幅アジャスタは、最大バケットシート深度に対応する第1の設定および最小バケットシート深度に対応する第2の設定において構成可能であってもよく、ダーツまたは他の布地成形部材は、第1の設定に対応する第1の形状および第2の設定に対応する第2の形状を有する。
【0015】
一実施形態によると、シート中心部分は、側方外側縁を備え、腿支持体は、側方内側縁を備える。布地成形部材は、側方外側縁と側方内側縁との間に配置されてもよい。基部幅アジャスタは、側方内側縁を側方外側縁に対して回転させるための回転を通して、布地成形部材を開閉するように調節可能であることができる。さらに、基部幅アジャスタの調節は、バケット深度/形状を増減させることができる。
【0016】
キャリアはさらに、腿支持体に結合される、腿幅アダプタを備える、腿幅アジャスタを含んでもよく、腿幅アダプタは、バケットシートの幅を調節することができる。
【0017】
キャリアはまた、内側の折り下げられた位置において構成可能な頸部支持体を含んでもよく、頸部支持体は、子供の頸部を支持するために子供運搬面積内に位置付けられる。頸部支持体はまた、延在された位置において、より大きい子供のための付加的キャリア長さおよび支持または眠っている赤ちゃんのための付加的頸部支持体および被覆率を提供するように構成されてもよい。頸部支持体はまた、外側の折り下げられた位置において構成可能であってもよい。
【0018】
一実施形態によると、チャイルドキャリアを構成する方法は、運搬される子供に対して、チャイルドキャリアのバケットシートを子供のサイズに調節することと、子供が人間工学的蹲踞位置に支持されるように、子供をチャイルドキャリアの子供運搬面積内に位置付けることとを含むことができる。バケットシートを子供のサイズに調節することは、子供のサイズに対応する基部幅設定のための位置において、チャイルドキャリアの基部幅アジャスタをチャイルドキャリアのウエストベルトに結合することによって、バケットシートの深度を構成することと、腿幅アダプタを調節し、バケットシートの幅を調節することとを含むことができる。バケットシートの深度を構成することはさらに、基部幅アジャスタを回転させ、ダーツを開閉することを含んでもよい。本方法はさらに、子供運搬面積の一部を充填し、子供の頸部を支持するように、調節可能頸部支持体を構成することを含んでもよい。
【0019】
本明細書に説明される実施形態は、人間工学的バケットシートが、新生児から小児までの赤ちゃんの成長に併せて徐々に調節し、赤ちゃんが、複数の段階において、人間工学的蹲踞、すなわち、自然な「M形状」位置に着座されることを可能にするため、従来のキャリアに優る利点を提供する。
【0020】
付加的利点として、本明細書に説明される実施形態は、シート形状を変化させるために、キャリアに構造を追加する、またはそこから除去することを要求しない、調節可能シート形状を提供することができる。例えば、いくつかの実施形態は、乳児のための乳児用インサートを要求せずに、乳児およびより大きい子供を収容することができる。
【0021】
本明細書に説明される実施形態は、シートにパネルを追加する、またはそこから除去せずに、キャリアシート形状の容易な調節を可能にするための別の利点を提供することができる。
【0022】
本明細書に説明される実施形態は、キャリアに、キャリアの全体的長さを延長するための複雑な機構を要求せずに調節され得る、装着可能長さを提供することによって、別の利点を提供することができる。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
チャイルドキャリアであって、
装着者の腰部を中心として固着するために適合されたウエストベルトと、
前記ウエストベルトに結合された主要本体であって、前記主要本体は、装着者の胴体と協働する子供運搬面積を形成するように適合され、前記主要本体は、
少なくとも子供の胴体を支持するために構成された胴体支持部分と、
複数のバケットシート構成に構成可能な調節可能バケットシートであって、前記複数のバケットシート構成のそれぞれは、異なる、a)バケットシート深度およびb)バケットシート幅を有し、子供を蹲踞位置における対応するサイズ範囲内に支持するように適合されている、バケットシートと
を備える、主要本体と
を備える、チャイルドキャリア。
(項目2)
前記複数のバケットシート構成は、
子供を第1の蹲踞位置における第1のサイズ範囲内に支持するように適合された第1の構成と、
子供を第2の蹲踞位置における第2のサイズ範囲内に支持するように適合された第2の構成と
を備え、
前記第1の構成は、第1のバケットシート幅および第1のバケットシート深度を有し、前記第2の構成は、第2のバケットシート幅および第2のバケットシート深度を有し、前記第1のバケットシート幅は、前記第2のバケットシート幅未満であり、前記第1のバケットシート深度は、前記第2のバケットシート深度を上回る、項目1に記載のチャイルドキャリア。
(項目3)
前記バケットシート深度および前記バケットシート幅を調節するように適合された1つ以上の調節面積をさらに備える、項目1に記載のチャイルドキャリア。
(項目4)
前記チャイルドキャリアは、基部幅アジャスタのセットおよび腿幅アジャスタのセットを備え、前記基部幅アジャスタのセットは、大まかなバケットシート幅制御を提供するように適合され、前記腿幅アジャスタのセットは、より細かいバケットシート幅制御を提供するように適合されている、項目1に記載のチャイルドキャリア。
(項目5)
前記チャイルドキャリアは、前記バケットシート深度に依存する最小装着可能高さを有する、項目1に記載のチャイルドキャリア。
(項目6)
前記主要本体はさらに、
前記ウエストベルトおよび胴体支持部分に結合されたシート中心部分と、
前記シート中心部分の両側上に配置された腿支持体であって、前記腿支持体は、前記子供の腿の下を通過し、それを支持し、前記シート中心部分と協働し、前記バケットシートを形成するように適合されている、腿支持体と、
各腿支持体に結合された基部幅アジャスタであって、前記基部幅アジャスタは、複数の場所において前記ウエストベルトに選択的に結合し、前記ウエストベルトにおける前記主要本体の幅を調節するために構成されている、基部幅アジャスタと
を備える、項目1に記載のチャイルドキャリア。
(項目7)
前記基部幅アジャスタは、複数の場所において前記ウエストベルトに選択的に結合し、前記バケットシート深度を調節するために構成されている、項目6に記載のチャイルドキャリア。
(項目8)
前記バケットシートの膨らみを制御するように適合された1つ以上の布地成形部材をさらに備える、項目7に記載のチャイルドキャリア。
(項目9)
前記布地成形部材は、前記腿支持体と前記シート中心部分との間に配置されたダーツを備え、前記基部幅アジャスタの調節に応答して、前記ダーツは、開閉するように適合されている、項目8に記載のチャイルドキャリア。
(項目10)
前記基部幅アジャスタは、最大バケットシート深度に対応する第1の設定および最小バケットシート深度に対応する第2の設定に構成可能であり、前記ダーツは、前記第1の設定に対応する第1の形状および前記第2の設定に対応する第2の形状を有する、項目9に記載のチャイルドキャリア。
(項目11)
前記シート中心部分は、側方外側縁を備え、前記腿支持体は、側方内側縁を備え、前記ダーツは、前記側方外側縁と前記側方内側縁との間に配置されている、項目9に記載のチャイルドキャリア。
(項目12)
前記基部幅アジャスタは、前記ダーツを開閉するために、前記側方内側縁を前記側方外側縁に対して回転させるための回転を通して調節可能である、項目11に記載のチャイルドキャリア。
(項目13)
前記バケットシート深度の調節は、前記チャイルドキャリアの最小装着可能高さを調節する、項目7に記載のチャイルドキャリア。
(項目14)
前記腿支持体に結合された腿幅アダプタをさらに備え、前記腿幅アダプタは、前記バケットシートの幅を調節するように構成されている、項目7に記載のチャイルドキャリア。
(項目15)
内側の折り下げられた位置において構成可能な頸部支持体をさらに備え、前記頸部支持体は、子供の頸部を支持するために前記子供運搬面積内に位置付けられている、項目1に記載のチャイルドキャリア。
(項目16)
前記頸部支持体はさらに、延在された折り上げられた位置および外側の折り下げられた位置において構成可能である、項目15に記載のチャイルドキャリア。
(項目17)
前記複数のバケットシート構成は、乳児用インサートを伴わずに、乳児を蹲踞位置に支持するように適合された構成を備える、項目1に記載のチャイルドキャリア。
(項目18)
前記複数のバケットシート構成は、小児を蹲踞位置に支持するように適合された構成を備える、項目17に記載のチャイルドキャリア。
(項目19)
チャイルドキャリアを構成する方法であって、
運搬される子供に対して、前記チャイルドキャリアのバケットシートを子供のサイズに調節することであって、前記バケットシートを子供のサイズに調節することは、
前記子供のサイズに対応する基部幅設定のための位置において、前記チャイルドキャリアの基部幅アジャスタを前記チャイルドキャリアのウエストベルトに結合することによって、前記バケットシートの深度を構成することと、
腿幅アダプタを調節し、前記バケットシートの幅を調節することと
を含む、ことと、
前記子供が人間工学的蹲踞位置に支持されるように、前記子供を前記チャイルドキャリアの子供運搬面積内に位置付けることと
を含む、方法。
(項目20)
前記バケットシートの深度を構成することはさらに、前記基部幅アジャスタを回転させ、ダーツを開閉することを含む、項目19に記載の方法。
(項目21)
前記子供運搬面積の一部を充填し、子供の頸部を支持するように、調節可能頸部支持体を構成することをさらに含む、項目19に記載の方法。
【0023】
本発明のこれらおよび他の目的のより深い理解のために、付随の図面と関連付けて読まれるべき、以下の発明を実施するための形態を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、子供を調節可能キャリアで運搬する成人装着者の概略表現である。
図2A図2Aは、調節可能ベビーキャリアの一実施形態の内側図の概略表現である。
図2B図2Bは、調節可能キャリアの一実施形態の外側図の概略表現である。
図3図3Aは、第1の基部幅アジャスタ構成における基部幅アジャスタの一実施形態の概略表現である。図3Bは、第2の基部幅アジャスタ構成における基部幅アジャスタの一実施形態の概略表現である。図3Cは、第3の基部幅アジャスタ構成における基部幅アジャスタの一実施形態の概略表現である。
図4図4Aは、第1の腿幅アジャスタ構成における腿幅アジャスタを伴うキャリアの一実施形態の概略表現である。図4Bは、第2の腿幅アジャスタ構成における腿幅アジャスタを伴うキャリアの一実施形態の概略表現である。図4Cは、第3の腿幅アジャスタ構成における腿幅アジャスタを伴うキャリアの一実施形態の概略表現である。
図5図5Aは、第1の腿幅アジャスタ構成における腿幅アジャスタを伴うキャリアの一実施形態の別の図の概略表現である。図5Bは、第3の腿幅アジャスタ構成における腿幅アジャスタを伴うキャリアの一実施形態の別の図の概略表現である。
図6図6Aは、第1のシート構成におけるバケットシートを伴うキャリアの一実施形態の概略表現である。図6Bは、第2のシート構成におけるバケットシートを伴うキャリアの一実施形態の概略表現である。図6Cは、第3のシート構成におけるバケットシートを伴うキャリアの一実施形態の概略表現である。
図7図7Aは、第1の頸部支持体構成における頸部支持体を伴うキャリアの一実施形態の概略表現である。図7Bは、第2の頸部支持体構成における頸部支持体を伴うキャリアの一実施形態の概略表現である。図7Cは、第3の頸部支持体構成における頸部支持体を伴うキャリアの一実施形態の概略表現である。
図8図8は、背面運搬位置にキャリアを装着している装着者の一実施形態の概略表現である。
図9図9は、側面運搬構成にキャリアを装着している装着者の一実施形態の概略表現である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(詳細な説明)
チャイルドキャリアおよび関連方法ならびにその種々の特徴および有利な詳細は、付随の図面に図示され、以下の説明に詳述される、非限定的実施形態を参照することによって、より完全に説明される。周知の出発材料、処理技法、構成要素、および機器の説明は、詳細において本発明を不必要に曖昧にしないように省略される。しかしながら、発明を実施するための形態および具体的実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すが、例証として与えられるにすぎず、限定ではないことを理解されたい。本発明の根本概念の精神および/または範囲内の種々の代用、修正、追加、ならびに/もしくは並べ替えは、本開示から当業者に明白となるであろう。
【0026】
本開示は、乳児を含む、子供が、ある範囲の年齢を通して、子供を支持し、子供の骨盤および腿を好ましい人間工学的位置に維持する様式で運搬されることを可能にする、チャイルドキャリアに関する。特に、本明細書に説明される実施形態は、子供の臀部、骨盤、および腿を所望の位置に支持する、キャリアを提供する。本明細書に説明される実施形態はまた、子供が、子供を運搬する人物の正面または背面もしくは側面上で運搬されることを可能にする。キャリアは、それぞれ、正面、背面、または側面位置において、運搬される子供の体重が装着者の重力中心の近傍にあって、装着者の正面、背面、または側面面に近接した状態で、ユーザによって、装着者の正面、背面、または側面に装着されることができる。
【0027】
調節可能チャイルドキャリアは、子供が種々の配向に運搬されているとき、子供の腰部、骨盤、臀部、および両上腿を支持しながら、広範囲のサイズの子供を正面、背面、または側面運搬位置に収容するように構成されることができる。例えば、本明細書に開示されるチャイルドキャリアの実施形態は、新生児(乳児)(例えば、約7ポンド)で、加えて、最大約45ポンドまたはそれを上回るまでの子供で使用可能な調節可能チャイルドキャリアを提供し得る。
【0028】
本開示の一側面によると、キャリアは、子供のためのバケットシートと、調節されると、シートバケットの深度およびチャイルドキャリアの高さを調節する役割を果たす、1つ以上の調節面積とを含む。新生児設定に調節されると、キャリアは、シートバケットの深度が最大となり得るように構成される。逆に言えば、その最大、すなわち、最も大きなサイズ設定(例えば、キャリアが収容するように設計される最大子供のための設定)まで調節されると、シートバケットの深度は、最小となり得る。バケットシートの深度が最大であるとき、腿は、冠状面に対する子供の腿の角度が最大であり得るように支持されてもよく、バケットシートの深度が最小であるとき、腿は、冠状面に対する子供の腿の角度が最小であり得るように支持されてもよい。同様に、次いで、バケットシートが最大となると、キャリアは、バケットシートが最小深度であるときより比較的に湾曲をその背骨に伴って、キャリアがその中に運搬される子供を維持するように構成されてもよい。
【0029】
チャイルドキャリアは、チャイルドキャリアによって提供されるバケットシート面積の形状を調節するために、単独で、または協働して機能する、1つ以上の調節点を含んでもよい。これらの調節点は、主要パネルがキャリアのウエストバンドに結合される点におけるベビーキャリアの主要パネルの幅を調節するように適合される、基部幅アジャスタを含んでもよい。主要パネルの基部の幅の調節は、新生児のための最狭設定に調節されるとき、バケット面積のための最大形状、したがって、最大バケットシートの深度面積を、最広設定に調節されるとき、最大子供のための最小限のバケットシートの深度面積を提供する役割を果たし得る。
【0030】
実施形態によって提供される別の調節点は、腿幅アジャスタであってもよい。これらの腿幅アジャスタは、子供の腿を収容するように構成される主要パネル内の点におけるベビーキャリアの主要パネルの幅を調節するように構成される。主要パネルの腿幅は、新生児のための腿幅アジャスタの最緊締または最小設定では、最小であり、(例えば、キャリアが収容するように設計される)最大子供のためのその最大または最弛緩設定(完全に解放される、または係合されなくてもよい)では、最広であってもよい。
【0031】
これらの調節点はまた、ベビーキャリアを調節するために協働して機能してもよい。例えば、腿幅アジャスタはまた、基部幅アジャスタによって提供される大まかな調節の範囲内であるバケット面積のためのより細かい調節部としての役割を果たし得る。
【0032】
ある実施形態のキャリアはまた、高さを調節するように構成されてもよい。ある実施形態では、中心におけるウエストベルトの上部縁から中心におけるキャリアの上部縁までの物理的キャリアの長さは、一貫したままであるが、しかしながら、装着可能高さは、バケットシートサイズの設定に応じて変化する。基部幅がその最小/最狭設定にあると、バケットシートは、より深く、キャリア長さ測定値の多くを消費し、したがって、装着可能高さのために殆ど測定値を残さない一方、基部幅がその最大/最広設定にあると、バケットシートは、浅く、キャリア長さ測定値をあまり消費せず、したがって、装着可能高さのためにより多くの測定値を残す。
【0033】
そのようなキャリアの実施形態はまた、調節可能頸部支持体を含んでもよい。そのような頸部支持体またはカラーは、子供が面している方向、子供のサイズ、または他の基準に従って位置付けられてもよい。調節可能頸部支持体は、頸部支持体が延在されてもよく、キャリアの中心高さを増加させ、子供のための付加的背中または頸部支持体を与える(子供のサイズに応じて)ように、主要パネルに対して回転可能であってもよい。頸部支持体はまた、装着者から離れるように折り返され、キャリアの高さを低減させてもよい(例えば、非乳児子供のために)。頸部支持体はまた、子供運搬面積の内側に常駐し、乳児または他の子供に付加的頭部もしくは頸部支持体を与え得るように、キャリアの中に装着者に向かって折り下げられてもよい。
【0034】
本明細書に開示されるような実施形態は、したがって、広範囲のサイズの子供を正面、背面、または側面運搬位置に収容するように構成される、調節可能チャイルドキャリアを提供し得る。実施形態は、したがって、付加的乳児用インサートの使用を伴わずに乳児を運搬するように適切に定寸され得る。そのような設定に従って構成されると、キャリアは、乳児の膝が上昇された状態で、チャイルドキャリアの子供運搬面積内における子供の設置のために適合され得る。一実施形態では、乳児を収容するように調節されると、キャリアは、乳児の大腿部を冠状面から90〜120度の角度に伴った位置に乳児を支持するように適合される。加えて、キャリアは、乳児の膝を正中面から45〜60度に伴った位置に乳児を支持するように適合されることができる。特定の実施形態では、キャリアは、蹲踞位置を助長するように適合されることができる。
【0035】
キャリアは、装着者のためにも同様に人間工学的であることができる。詰め物が入れられたウエストベルトは、腰椎支持を提供し得、体重を装着者に均一に分散させながら、キャリアを正面、側面、または背面運搬位置に位置付けることができる、構成可能ハーネスを形成し得る、ショルダストラップ(キャリアの同側または両側に取り付けられ得る)と協働し得る。キャリアは、子供が、子供の体重を均一に分散させる、装着者の重力中心に近接して位置付けられるように調節されてもよい。いくつかの実施形態では、ハーネスは、子供の体重の大部分が装着者の腰部に伝達されるように調節されてもよい。
【0036】
図1は、子供を調節可能キャリア100で運搬する成人装着者の概略表現である。調節可能キャリアは、ウエストベルト115に結合される、主要本体110を備える。主要本体110は、胴体支持部分130と、バケットシート125とを含む。胴体支持部分130は、キャリア100内にある間、子供の上半身を支持するために構成される。シート125は、子供の脚部、腰部、および後部を人間工学的位置に支持するために構成される。以下により詳細に議論されるように、調節可能キャリア100の実施形態は、キャリア100が、子供が成長するにつれて調節され、子供の骨盤、臀部、および腿が全て支持された状態で、子供を子供の体重またはサイズのために適切な人間工学的蹲踞位置に支持し得るように、種々の調節を含むことができる。人間工学的蹲踞位置(「カエル足」、「カエル」、「蹲踞開脚」、または「M」位置としても知られる)(線101によって示される)では、股関節における撓曲は、冠状面から、少なくとも90°、ある場合には、110°〜120°であり、開脚角度は、正中面から平均約45〜55°であることができる。キャリア100が調節可能であるため、股関節および開脚の角度は、キャリア100の設定および子供の発達段階に依存し得る。
【0037】
一実施形態では、キャリアは、子供の大腿部を冠状面から約90°〜120°(または他の上昇位置)に伴う位置に子供を支持し、子供の膝をある開脚量を伴って位置付けるように適合されることができる。開脚の量は、子供の発達段階および配向に依存し得、新生児は、最終開脚が約40°〜45°であるように、30°未満、次いで、約30°、次いで、約35°〜40°等を有するが、例えば、約55°を含む、他の開脚の量が、達成されてもよい。一実施形態では、開脚は、正中面から少なくとも20°度であってもよい。子供の体重は、仙骨があまりに多くの体重を支承せず、子供が、骨盤発達により良好であると考えられる、より自然な湾曲「C」背骨を蹲踞位置に静置し得るように、子供の臀部、腿、および背中を横断して分散されることができる。しかしながら、子供は、好ましくは、子供が、主に、その仙骨で着座している場合の姿勢ではなく、支持姿勢を強調する、任意の快適な位置に位置付けられることができることに留意されたい。
【0038】
図2Aは、調節可能ベビーキャリア100の一実施形態の内側図の概略表現であり、図2Bは、調節可能キャリア100の一実施形態の外側図の概略表現である(図2Aおよび2Bは、集合的に、本明細書では、図2と称される)。キャリア100は、ウエストベルト115に結合される、主要本体110を備える。主要本体110は、上側胴体支持部分130と、シート部分120と、腿支持面積140とを含む。キャリア100はまた、ショルダストラップ190と、チェストストラップ195とを含んでもよい。子供は、装着者の胴体と協働する主要本体110によって作成された子供運搬面積内に支持されることができる。胴体支持部分130は、キャリア内にある間、子供の上半身を支持するように構成される一方、シート部分120は、調節可能腿支持面積140と協働し、子供の脚部および腰部を人間工学的に位置付けるように適合される、調節可能バケットシート125(図1)を形成する。ウエストベルト115およびショルダストラップ190は、子供の体重を装着者に分散させる、ハーネスを提供する。チェストストラップ195は、左および右ショルダストラップをともに固着させるために使用されることができる。
【0039】
バケットシート部分120および腿支持面積140は、子供運搬面積の外側(装着者の胴体から離れた側)から内側に通過し、支持および調節可能バケットシート125を形成するように適合される。腿支持面積140の内側端部部分は、バケットシート125の幅および深度を調節するために構成可能な基部幅アジャスタ150によって、ウエストベルト115に選択的に結合されることができる。腿幅アジャスタ160もまた、付加的幅調節を提供するために提供されることができる。したがって、バケットシート120は、ある範囲の年齢/サイズ/体重に適応するように調節されることができる。
【0040】
支持および調節可能バケットシート125は、内向き側から外向き側および右から左に略凹面(例えば、「C」形状)内側外形を有することができる。シート側縁142、144(腿支持面積140の縁によって形成される)は、シートの中心より高くあることができ、側縁が子供の脚部(例えば、膝の上方)がぶらぶらしないように、子供の腰部からある距離において、子供の腿の下およびその周囲を通過するように離間されることができる。いくつかの実施形態では、腿支持面積140は、付加的支持を提供してもよい。特に、ある実施形態では、腿支持面積140は、ギャザー、弾性材料、または別のタイプの付勢材料を含んでもよい。
【0041】
バケットシート部分120は、一端において、キャリア100のウエストベルト115または他の部分に、他端において、上側胴体支持部分130に結合される、シート中心部分122を備える。シート中心部分122は、単一材料片から形成されてもよい、または複数の材料片、複数の材料層、もしくは複数の材料から形成されてもよい。上側胴体支持部分130とシート中心部分122との間の合流点は、実質的にシームレスな遷移であってもよい。例えば、一実施形態では、中心パネル123は、シート中心部分122および上側胴体中心パネルが、1つ以上の材料層の一体型構造を備えるように、シート中心部分122および上側胴体中心パネルを形成してもよい。他の実施形態では、合流点は、上側胴体支持部分130とシート中心部分122との間を隔てる、継目、縁、または他の特徴を含んでもよい。
【0042】
腿支持面積140は、シート中心部分122の左および右に配置される。腿支持面積140は、腿支持面積140が、子供の腰部からある距離において、子供の腿の下およびその周囲を通過するように、基部幅アジャスタ150によって、ウエストベルト115に選択的に結合されてもよく、子供の腿の下およびその周囲を通過する、腿支持面積140の部分は、子供の膝が持ち上げられるように、子供の臀部より高い。腿支持面積140は、子供の腿が腿支持面積140または装着者の胴体によって開脚するよう促され得るように十分な堅度を有することができる。一実施形態では、腿支持面積140は、腿詰め物141の面積を提供し、子供の腿を支持する。
【0043】
基部幅アジャスタ150は、個別の腿支持面積140に結合されてもよい。一実施形態では、基部幅アジャスタ150は、腿支持面積140に結合される、フラップまたはタブを備えてもよい。図示される実施形態では、基部幅アジャスタ150は、同一腿支持体ストラップの一部を用いて、個別の腿支持面積140に結合される。しかしながら、他の構成もまた、使用されてもよい。いずれの場合も、基部幅アジャスタ150は、ウエストベルト115に選択的に結合され、主要本体110の腿支持面積140をウエストベルト115に結合することができる。
【0044】
基部幅アジャスタ150は、ウエストベルト115に接続する、主要本体110の基部の幅を調節するために使用されることができる。フックおよびループ材料、ボタン、スナップ、ジッパ等の基部幅アジャスタ150の締結機構151は、ウエストベルト115上の対応する締結機構117と協働し、腿支持面積140をウエストベルト115に結合することができる。締結機構117、151は、基部幅アジャスタ150が、複数の位置において、またはある範囲の位置全体を通して、ウエストベルト115に結合され得るように構成される。
【0045】
ウエストベルト115に近接するバケットシート125の幅は、基部幅アジャスタ150がウエストベルト115に固着される、位置を変化させることによって調節されることができる。例えば、基部幅アジャスタ150の臀部端部を内側寄りに側方に移動させる(基部幅アジャスタ150を内向きに回転させる)ことは、主要本体110がウエストバンド115と衝合する点における主要本体110の幅を減少させ、腿支持面積140が子供の腿の下を通過する、バケットシートの幅を減少させる役割を果たし得る。基部幅アジャスタ150の端部を外側寄りに側方に移動させる(基部幅アジャスタ150を側方外向きに回転させる)ことは、ウエストベルト115に結合される、主要本体110の幅を増加させ、腿支持面積140が子供の腿の下を通過する、バケットシート幅を増加させ得る。
【0046】
基部幅アジャスタ150は、バケットシート125の深度を制御するために使用されることができる。最小(または最狭)基部幅設定では、基部幅アジャスタ150は、ウエストベルト115の中心軸に向かって相互に最大限に近接するように(可能性として考えられる位置の範囲または数を前提として)、ウエストベルト115に締結されてもよい。本最小基部幅設定では、キャリア100は、シートバケット125の深度が最大となり得るように構成される。最大(または最広)基部幅設定では、基部幅アジャスタ150は、ウエストベルト115の中心軸から相互に最大限に遠位に離れるように(可能性として考えられる位置の範囲または数を前提として)、ウエストベルト115に締結されてもよい。本最大(または最広)基部幅設定では、キャリア100は、バケットシート125の深度が最小になり得るように構成される。
【0047】
バケットシート部分120は、1つ以上の成形部材を含み、バケットシートの成形を促進してもよい。一実施形態では、バケットシート部分120は、腿支持面積140の個別の内側縁146、148とシート中心部分122の側方外側縁126、128との間の間隙に跨架する、襠部分170を含む。襠部分170は、側方外側縁126、128またはそれに近接して、シート中心部分122に、側方内側縁146、148またはそれに近接して、腿支持面積に締結され、概して、バケットシート125の底部に向かって指向する、ダーツ頂点174と、縁126、146または近接する接続によって画定されたダーツ脚部とを有する、第1のダーツと、ダーツ頂点175と、縁128、148または近接する接続によって画定されたダーツ脚部とを有する、第2のダーツとを形成してもよい。ダーツ脚部は、ダーツを収集または解放するように閉鎖もしくは開放されることができる。特に、基部幅アジャスタ150を調節し、シート中心部分122と腿支持面積140との間の角度を減少させることによって、ダーツ脚部は、閉鎖され、ダーツは、深くなることができる。その結果、バケットシート125は、さらに膨らみ、より深い湾曲をとることができる。逆に言えば、基部幅アジャスタ150を調節し、シート中心部分122と腿支持面積140との間の角度を増加させることは、ダーツ脚部を開放し、襠部分170によって形成されるダーツをより浅くする。その結果、キャリア100によって形成されるバケットシート125は、より浅くなるであろう。前述の実施形態では、成形部材は、ダーツであるが、他の成形機構も、限定ではないが、プリーツ、ギャザー、またはタックを含む、バケットシート125の完全度を制御するために使用されることができる。
【0048】
図3A、3B、および3C(集合的に、図3)を簡単に参照すると、図3は、基部幅アジャスタ150の一実施形態の動作を図示する。図3では、基部幅アジャスタ150は、主要本体110の側方中心線の両側に対してウエストベルト115に固着され、腿支持面積140におけるキャリア100の幅を調節することができる。図示される実施形態では、フックおよびループ材料が、ウエストベルト115と装着者との間に狭入されるウエストベルト115の側において基部幅アジャスタ150をウエストベルト115に固着するために使用される。これは、基部幅アジャスタ150に対する圧力のため、使用時、フックおよびループ材料の保持を増加させることができる。
【0049】
図3の実施形態では、各基部幅アジャスタ150は、3つの位置154、156、158のうちの1つにおいて、ウエストベルト115に固着される。これらの位置は、子供の特定のサイズ範囲に対応し得る。図3Aでは、基部幅アジャスタ150は、最小(または最狭)基部幅設定に対応する、位置154に固着される。図3Bでは、基部幅アジャスタ150は、中程度の基部幅設定に対応する、位置156に固着される。図3Cでは、基部幅アジャスタ150は、最大(または最広)基部幅設定に対応する、位置158に固着される。
【0050】
基部幅アジャスタ150は、図示されるように、それらが調節されるにつれて、本質的に、枢動点から回転することに留意されたい。したがって、取付位置の側方位置が変化するだけではなく、垂直位置も同様に、変化する(例えば、基部幅アジャスタ150のための位置154、156、および158は、相互から側方および垂直の両方において変位される)。このような回転運動の使用は、所与の側方変化のために、バケット深度においてさらなる変化を提供する。しかしながら、他の実施形態は、より線形の運動を使用し得る(例えば、取付位置が水平に整合される)。さらに、位置154、156、および158は、一例として、提供される。図示される実施形態では、基部幅アジャスタ150は、ある連続範囲の位置において締結機構117に結合されることができる。他の実施形態は、離散取付点を提供してもよい。
【0051】
図3Aを参照すると、基部幅アジャスタ150は、ウエストベルト115の中心軸に向かって相互に最大限に近接するように(可能性として考えられる位置の範囲または数を前提として)、ウエストベルト115に締結される。しかしながら、腿支持面積140の側方内側縁146、148は、シート中心支持部分122の側方外側縁126、128(襠部分170によって隠蔽される)に近接して牽引されるため、襠部分170は、深く湾曲したダーツを形成する。換言すると、相互に最大限に近接するように、基部幅アジャスタ150をウエストベルト115に締結することによって、襠部分170の側方外側縁は、襠部分170の側方内側縁に向かって牽引され、対応するより大きな湾曲またはダーツ形状を襠部分170に作成し得る。これは、バケットシート部分120を成形し、バケットシートの深度部分を増加させる役割を果たす。
【0052】
図3Cを参照すると、基部幅アジャスタ150は、最大(または最広)基部幅設定に対応する、位置158に固着される。本構成では、側方内側縁146、148は、図3Cの個別の側方外側縁126、148から離れるように回転される。言い換えると、ダーツ脚部は、ダーツを開放し、より少ない形状(湾曲)を襠部分170の端部に作成するように開放される。相互に最大限に遠位に来るように、基部幅アジャスタ150をウエストベルト115に締結することによって(再び、基部幅アジャスタ150をウエストベルト115に結合するための可能性として考えられる設定の範囲を前提として)、張力が、襠部分170が比較的に平坦のままであるように、襠部分170の外側縁に維持され得る。したがって、バケットシート部分120は、比較的に平坦またはより小さい形状構成に維持され、バケットシート125の深度を最小限にする役割を果たし得る。
【0053】
基部幅アジャスタ150は、主に、ウエストベルト115に近接するシートの幅を調節する。しかしながら、ウエストベルト115から離れて移動すると、シート(縁142、144)は、拡開し得る。図2を参照すると、腿幅アジャスタ160が、ウエストベルト115から離れるシートの幅を調節するために提供されてもよい。特に、腿幅アジャスタ160は、腿支持体140の縁142、144が子供の腿の下を通過するバケットシートの幅を調節するように適合されてもよい。腿幅アジャスタ160は、腿支持面積140が子供の膝を過ぎて延在せず、したがって、腿支持面積140が、子供の脚部を直線化する、または子供の脚部を過度に開脚しないように防止するように、腿支持面積140を引き込むために使用されることができる。
【0054】
ある実施形態では、腿幅アジャスタ160は、個別の腿支持面積140に結合され、腿支持面積140のレベルにおいてキャリアの幅を調節するように構成されてもよい。一実施形態によると、各腿幅アジャスタ160は、第1の端部162において支持部分141に近接する個別の腿支持面積140に結合され、主要本体110(例えば、シート中心部分122または他の場所)に選択的に結合され得る、第2の端部を含む、材料片(ウェビングまたは他の材料)であってもよい。腿幅アジャスタ160は、各側に1つずつの引きひもシステムとして作用し、腿支持面積140を側方に内向きに引動させ、それによって、子供の腿におけるキャリア100の幅をさらに調節することによって、キャリア100の幅を腿レベルで調節することができる。
【0055】
図4A、4B、および4C(集合的に、図4)ならびに図5Aおよび5B(集合的に、図5)を簡単に参照すると、腿幅アジャスタ160の一実施形態の動作が、図示される。腿幅アジャスタ160は、バケットシート部分120に選択的に結合され、腿支持面積140を所望の量だけ側方内向きに引動させることができる。図4は、例えば、最狭(最緊締)設定(図4A図5A)、中程度の設定(図4B)および最広(最弛緩)設定(図4C図5B)に対応する、3つの位置に固着される腿幅アジャスタ160を図示する。
【0056】
図示される実施形態では、各腿幅アジャスタ160は、第1の端部162において、腿詰め物141に近接する(例えば、個別の外側縁142、144の近傍の)個別の腿支持面積140の外側に締結される、材料のストリップを含む。腿幅アジャスタ160が、布地トンネル172を通して、主要本体110のバケットシート部分120上の対応する締結具に選択的に締結され得る、複数の離間される腿幅アジャスタ締結具166(例えば、スナップ、ボタン、フックおよびループ等)を含む、遠位部分164に内側寄りに側方に延設される。
【0057】
図4Aでは、個別の腿支持面積140に最も近い、腿幅アジャスタ締結具166は、バケットシート部分120上の対応する締結具に締結される。本位置は、最狭腿幅アジャスタ設定に対応し、図5Aに図示されるように、腿支持面積140は、内向きに集められ、子供の腿におけるキャリア100の幅を減少させる。逆に言えば、個別の腿支持面積140から最も遠い締結具166をバケットシート部分120に締結することは、図4Cに示されるように、腿幅アジャスタ160の最広設定を達成し得る。腿幅アジャスタ160が、図4Cの最広設定位置にあるとき、腿支持面積140の外側縁は、図5Bに図示されるように、拡開し、したがって、子供の腿におけるキャリア100を広げることができる。
【0058】
前述から理解され得るように、基部幅アジャスタ150および腿幅アジャスタ160は、キャリア100を調節するように協働して機能してもよい。一実施形態によると、基部幅アジャスタ150は、シート深度の調節のために使用され、シート幅の大まかな調節を提供することができる一方、腿幅アジャスタ160は、基部幅アジャスタ150によって提供される大まかな調節の範囲内の幅のための細かい調節としての役割を果たし得る。例えば、キャリア100の基部幅アジャスタ150の特定の設定では、腿支持面積140におけるキャリア100の幅は、腿幅アジャスタ160をその最小または最狭(最緊締)設定に伴うと、最狭であり、腿幅アジャスタ160をその最広(最弛緩)設定に伴うと、最大となり得る。
【0059】
キャリア100はまた、キャリア100の他の設定に基づいて、高さを調節してもよい。特に、基部幅アジャスタ150の調節は、装着可能背面高さ(バケットシート125の底部から上部縁132までの長さ)を調節する。これは、装着可能背面高さがバケットシートサイズの設定に応じて変化するように、中心におけるウエストベルト115の上部縁116から中心における主要本体110の上部縁132までの物理的キャリア材料の長さが一貫したままであるために生じる。バケットを消費する深さが深いほど、縁116と132との間の材料の長さがより長くなり、したがって、装着可能高さのために殆ど測定値を残さない一方、バケットを消費する深さが浅いほど、材料縁116と132との間の長さがより短くなり、したがって、装着可能高さのためにより多くの測定値を残す。
【0060】
したがって、最小子供モード(例えば、乳児モード)(その最小/最狭設定における基部幅)に調節されると、バケットシート125は、より深くなり、キャリア長さ測定値の多くを消費し、したがって、装着可能高さのために殆ど測定値を残し得ない(バケットシート125の底部から中心におけるキャリア中心パネル123の上部縁までの長さは、その最短高さにある)。最大子供モード(例えば、小児モード)(その最大/最広設定における基部幅)に調節されると、バケットシート125は、浅くなり、キャリア長さ測定値を殆ど消費せず、したがって、装着可能高さのためにより多くの測定値を残す(バケットシート125の底部から中心におけるキャリア中心パネル123の上部縁までの長さは、その最長高さにある)。キャリアは、したがって、バケットシートへの調節に基づいて、子供の高さを調節する。
【0061】
キャリア100は、支持される範囲を通して子供のサイズにかかわらず、子供のための人間工学的支持を提供するように調節されてもよい。一実施形態によると、キャリア100は、基部幅アジャスタ150および腿幅アジャスタ160がその最狭設定に設定されると、乳児のために設定されることができる。本構成では、バケットシートは、その最深深度となり、腿支持面積140におけるより高い壁が、子供の腿および膝をより大きな角度かつそのサイズの子供のために適切な蹲踞位置まで持ち上げるであろう。同様に、キャリア100は、基部幅アジャスタ150および腿幅アジャスタ160がその最広設定にあると、最大子供のために設定されることができる。本構成では、バケットシートは、その最浅深度となり、腿支持面積140におけるより低い壁は、子供の腿および膝をより小さい角度かつより大きいサイズの子供のために適切な蹲踞位置に持ち上げ得る。
【0062】
したがって、調節可能バケットシートは、異なるシートバケット深度およびシートバケット幅を有する複数の構成において構成可能である。異なる構成は、対応するサイズ範囲内の子供を蹲踞位置に支持するように適合されることができる。例えば、一実施形態では、バケットシートは、20〜24インチの子供(概して、0〜3ヶ月および7ポンドを上回る乳児に対応する)を、乳児用インサートを要求せずに、乳児のために適切な蹲踞位置において人間工学的に運搬するように適合される、第1の構成を有することができる。さらに、キャリアは、24〜28インチの子供(概して、3〜9ヶ月のより高齢児に対応する)をその子供のサイズに適切な蹲踞位置において人間工学的に運搬するように適合される、第2の構成を有することができる。加えて、キャリアは、本実施例では、28インチまたはそれを上回る子供(概して、9〜48ヶ月のより高齢児または小児に対応する(キャリアまたは装着者の最大運搬容量))を人間工学的に運搬するように適合される、第3の構成を有することができる。第1の構成は、最狭設定(最深バケットシート)(乳児モード)における基部幅に対応することができ、第2の構成は、中程度の設定における基部幅に対応することができ、第3の構成は、最広設定(最浅バケットシート)(小児モード)における基部幅に対応することができる。上記に提供される範囲は、一例として提供され、限定ではないことに留意されたい。さらに、シートは、他の構成を有してもよい。
【0063】
ユーザは、したがって、バケットシート125を調節し、子供の骨盤、臀部、および腿が全て支持された状態で、子供を子供の体重またはサイズのために適切な人間工学的蹲踞位置に支持することができる。子供の体重は、子供が、子供の体重が主に仙骨にかかるように着座するのではなく、シート内に蹲踞するように支持されることができる。子供は、膝が臀部より高い、ある場合には、90度より高い状態で、支持されることができる。バケットシート125は、子供の臀部が支持される、子供の腰部より広いスリングまたはパウチを形成するように調節されることができる。腿支持面積140は、子供の腿の下およびその周囲を通過する、腿支持面積140の部分が、子供の臀部より高く、子供の膝を持ち上げるように、子供の腰部からある距離において、子供の腿の下およびその周囲を通過するように調節されることができる。腿支持面積140は、子供の腿が腿支持体ストラップまたは装着者の胴体によって開脚されることを促すために十分な堅度を有することができる。
【0064】
図6A、6B、および6C(集合的に、図6)は、種々のサイズの子供を収容するように調節される、キャリア100の一実施形態の概略表現である。図6Aは、図3Aの最小基部幅設定に対応し、図6Bは、図3Bの中程度の基部幅設定に対応し、図6Cは、図3Cの最大基部幅設定に対応する。基部幅アジャスタ150および腿幅アジャスタ160の調節を通して、バケットシート125の幅およびバケットシート125の深度(深度202によって示される)は、構成されることができる。さらに、背中を支持するために利用可能なキャリア100の材料の長さが、バケットシート125の深度に依存するため、基部幅アジャスタ150の調節はまた、キャリア100の最小装着可能高さ204を調節する。図6に図示されるように、キャリア100の装着可能高さ204は、バケット深度の減少に伴って増加する。
【0065】
全ての設定が小さい赤ちゃんのために設定されると、シート中心部分122、襠部分170、および腿支持面積140は、協働して、図6Aに図示されるように、深いバケットシート125を形成する。腿(膝の下)により高い壁を伴う深いバケットシート125は、子供の膝(線210によって示される)を適切な蹲踞位置まで持ち上げる傾向にあり、c−形状への背中の丸まりを助長する(線212によって示される)。さらに、より深いバケットシート125は、装着可能高さ204を短縮させる。したがって、図6Aの構成は、乳児に好適となり得る。子供が成長するにつれて、子供の背骨は、自然に直線となるはずであり、子供は、殆ど膝支持を要求しないであろう。基部幅アジャスタ150および腿幅アジャスタは、バケットシート125を広げ、付加的背中支持長さを提供し、子供の背骨の伸長を支持するように調節されることができる。例えば、キャリア100の図6Bおよび図6Cに示されるように、バケットシート125は、殆ど膝持ち上げを提供しないが、適切な蹲踞位置(例えば、図6Bにおける高齢児および図6Cにおける小児のため)を維持するために十分であり、子供が背中をより直線にして静置することを可能にするように調節されてもよい。
【0066】
図2に戻ると、キャリア100はまた、調節可能頸部支持体180を含んでもよい。調節可能頸部支持体180は、キャリア100の中心高さを増加させるように延在され、子供のための付加的背中または頸部支持体を与えてもよい(子供のサイズに応じて)。頸部支持体180はまた、装着者から離れるように折り返され、キャリアの高さを低減させてもよい(例えば、非乳児子供のために)。頸部支持体180はまた、子供運搬面積の内側に常駐し、乳児または他の子供に付加的頭部もしくは頸部支持体を与え得るように、装着者に向かって折り下げられてもよい。頸部支持体180のサイズ、形状、および位置は、頸部支持体180がキャリアの中に折り込まれるとき、頸部支持体180が、平均乳児の頸部の背後に嵌合し、それを支持するであろうように選択されることができる。
【0067】
限定ではないが、ボタン、スナップ、Dリングおよびクリップまたはフック、フックおよびループ材料のパッチ、もしくは他の固着機構等の、相補的延在位置固着機構および相補的非延在位置固着機構が、調節可能頸部支持体180が、延在位置に固着される、または折り返され、非延在位置に固着され得るように、提供されることができる。
【0068】
図7A、7B、および7Cは、それぞれ、内側の折り下げられた構成、延在された構成、および外側の折り下げられた構成における、調節可能頸部支持体180の一実施形態を図示する。図7Aの内側の折り下げられた位置では、調節可能頸部支持体180は、部分的に、キャリア100の運搬面積の内側を充填し、不十分な頭部制御を伴う乳児により多くの頭部および頸部支持を与えるように適合されることができる(また、図6A参照)。調節可能頸部支持体180はまた、図7Bの外側の折り下げられた構成に構成され、子供が成長するにつれて、付加的容積をキャリア内に提供することができる(また、図6Bおよび6C参照)。頸部支持体180は、図7Cに図示されるように、延在されたモード(上方にひっくり返される)に構成され、中心背面長さを増加させ、小児のための付加的背中支持または非乳児のための頭部および頸部支持を与えることができる。頸部支持体180は、子供のサイズまたは他の基準に従って位置付けられてもよい。
【0069】
一実施形態によると、調節可能頸部支持体180は、上部縁132に近接して主要本体110に継合されてもよい。結合部は、調節可能頸部支持体180が内側の折り下げられた構成から外側の折り下げられた構成に縁132をひっくり返ることを可能にする、略水平ヒンジを形成してもよい。図示される実施形態では、調節可能頸部支持体180は、第1の頸部支持体締結具182のセットを使用して、内側の折り下げられた構成および外側の折り下げられた構成に固着されてもよく、第1の頸部支持体締結具182のセットの上方に位置する第2の頸部支持体締結具184のセットを使用して、延在された構成に固着されてもよい。好ましくは、必ずしもではないが、頸部支持体締結具は、主要本体110の外側上に位置する。
【0070】
再び図2を参照すると、ショルダストラップ190は、ループを形成し、キャリア100の側方中心線の両側に取り付けるように構成されることができる。他の実施形態では、ショルダストラップは、「x」構成に装着されてもよい。各ショルダストラップ190は、1つ以上の場所において上側胴体支持部分130に接続し、上側胴体支持部分130を装着者に向かって引動させてもよい。ショルダストラップはまた、ショルダストラップ190が上側胴体支持部分130に結合される、中心線の同一側または反対側において、腿支持面積140またはキャリア100の他の部分の上方のキャリア100の主要本体110に結合してもよい。ショルダストラップ190は、調節可能であってもよく、ある場合には、正面運搬、側面運搬位置(腰部運搬)または背面運搬位置等、複数のキャリア位置を支持するように再構成されることができる。
【0071】
ウエストベルト115は、腰椎支持部分119を有し、装着者の腰部上に静置するように構成されてもよい。好ましくは、ハーネスが、子供の体重が、装着者の腰部および肩部に均一に分散されるように、さらにより好ましくは、子供の体重が、装着者の腰部および肩部に、ある場合には、主に、肩部ではなく、装着者の腰部に均一に分散されるように構成される。ある場合には、70パーセントまたはそれを上回る子供の体重が、ウエストベルト115を通して、装着者の腰部に分散され、それによって、装着者の快適性を助長し、装着者の疲労を減少させることができる。
【0072】
本開示の一側面によると、キャリア100は、構造を提供するために、詰め物、縫製、および布地を組み込む、軟質の構造化されたキャリアであることができる。上側胴体支持部分130、バケットシート部分120、腿支持体140、および腿幅アジャスタ150を含む、主要本体110は、可撓性であることができ、剛性フレームを伴わずに、主に、天然または合成繊維から形成されることができる。しかしながら、当業者によって理解されるであろうように、軟質の構造化されたキャリアのバックル、締結具等のいくつかの構成要素は、硬質プラスチック、金属、および同等物から形成されてもよい。
【0073】
キャリア100は、単一材料片、または複数の材料片、複数の材料層、もしくは複数の材料から形成される、1つ以上のパネルを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、上側胴体支持部分130は、子供の皮膚に対する快適性のために選択された内側層と、通気性、ファッション性、歪み抵抗等のために選択された外側層とともに形成されてもよい。上側胴体支持部分130は、直線縁、増加幅もしくは減少幅の面積のためのテーパ状縁を有する、または別様に、子供もしくユーザの快適性または安全性のために構成されてもよい。同様に、バケットシート部分120は、単一材料片から形成される、1つもしくはそれを上回るパネルを含んでもよい、または複数の材料片、複数の材料層、もしくは複数の材料から形成されてもよい。上側胴体支持部分130とバケットシート部分120との間の合流点は、実質的にシームレスな遷移であってもよい。一実施形態では、上側胴体支持部分130の中心およびバケットシート部分120の中心は、上側胴体支持部分130および腿支持面積140の側方外側部分を形成する、側面パネルに取り付けられる、(1つ以上の層の)一体型中心パネル123から形成されてもよい。内側層は、子供の皮膚に対する快適性のために選択され、外側層は、通気性、ファッション性、歪み抵抗等のために選択されてもよい。いくつかの実施形態では、中心部分は、快適性のために選択され、側方部分は、通気性、安全性等のために選択されてもよい。
【0074】
キャリア100は、いくつかの運搬位置を支持してもよいことに留意されたい。図1は、例えば、内向きに面した正面運搬位置において子供を運搬する成人装着者の一実施形態の概略表現である。図8は、内向きに面した背面装着構成において子供をキャリア100内で運搬する成人装着者の一実施形態の概略表現である。図9は、側面(腰部)装着構成において子供をキャリア100内で運搬する成人装着者の一実施形態の概略表現である。
【0075】
本明細書で使用されるように、用語「comprise(備える)」、「comprising(備える)」、「include(含む)」、「including(含む)」、「has(有する)」、「having(有する)」、またはその任意の他の変形例は、非排他的含有を網羅することが意図される。例えば、要素のリストを備える、プロセス、物品、または装置は、必ずしも、それらの要素のみに限定されず、明示的にリストされていない、あるいはそのようなプロセス、物品、または装置に固有の他の要素を含んでもよい。さらに、別様に示されない限り、用語「or(または)」は、包括的「または」を指し、排他的「または」を指すものではない。例えば、条件AまたはBは、以下のうちの任意の1つによって充足される:Aは、真(または、存在)であり、Bは、偽(または、不在)である、Aは、偽(または、不在)であり、Bは、真(または、存在)である、ならびにAおよびBの両方が、真の(または、存在)である。本明細書で使用されるように、「a」または「an」(および、先行詞が「a」または「an」であるときは、「the」)によって先行される用語は、別様に明確に示されない限り、そのような用語の単数形および複数形の両方を含む(すなわち、「a」または「an」の参照は、単数形のみまたは複数形のみを明確に示す)。また、本明細書の説明および全体を通して使用されるように、「in(の中に)」の意味は、文脈によって明確に別様に示されない限り、「in(の中に)」および「on(の上に)」を含む。
【0076】
加えて、本明細書に与えられる任意の実施例または例証は、いかようにも、それらがともに利用される任意の用語もしくは複数の用語の制限、限定、またはその定義を表現するものとして、見なされない。代わりに、これらの実施例または例証は、ある特定の実施形態に関して説明されており、例証にすぎないものと見なされるべきである。当業者は、これらの実施例または例証とともに利用される任意の用語もしくは複数の用語が、それとともに、または明細書のいずれかに与えられ得る、あるいは与えられない場合もある、他の実施形態を包含し、全てのそのような実施形態が、その用語または複数の用語の範囲内に含まれることが意図されることを理解するであろう。そのような非限定的実施例および例証を指定する用語として、「for example(例えば)」、「for instance(例えば)」、「e.g.(例えば)」、「in one embodiment(一実施形態では)」が挙げられるが、それらに限定されない。
【0077】
本明細書全体を通しての「one embodiment(一実施形態)」、「an embodiment(ある実施形態)」、または「a specific embodiment(具体的実施形態)」、あるいは類似専門用語の参照は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも、一実施形態に含まれ、必ずしも、全実施形態に存在しなくてもよいことを意味する。したがって、語句「in one embodiment(一実施形態では)」、「in an embodiment(ある実施形態では)」、または「in a specific embodiment(具体的実施形態では)」、あるいは本明細書全体を通した種々の場所における類似専門用語の個別の表出は、必ずしも、同一の実施形態を参照するわけではない。さらに、任意の特定の実施形態の特定の特徴、構造、または特性は、任意の好適な様式において、1つ以上の他の実施形態と組み合わせられてもよい。本明細書に説明および図示される実施形態の他の変形例および修正も、本明細書の教示に照らして可能であって、本発明の精神および範囲の一部として見なされるべきであることを理解されたい。
【0078】
本明細書における説明では、構成要素および/または方法の実施例等の多数の具体的詳細が、本発明の実施形態の完全理解をもたらすために提供される。しかしながら、当業者は、実施形態が、具体的詳細のうちの1つ以上を伴わずに、もしくは他の装置、システム、アセンブリ、方法、構成要素、材料、部品、および/または同等物を伴って、実践されることが可能であり得ることを認識するであろう。他の事例では、周知の構造、構成要素、システム、材料、または動作は、本発明の実施形態の側面を曖昧にすることを回避するために、具体的に示されない、または詳細に説明されない。本発明は、特定の実施形態を使用することによって図示され得るが、これは、本発明の限定ではなく、それを任意の特定の実施形態に限定するものでもなく、当業者は、付加的実施形態が、容易に理解可能であって、本発明の一部であることを認識するであろう。
【0079】
また、図面/図に描写される要素のうちの1つ以上は、特定の用途に従って有用であるようなある場合には、より分離される、または統合される様式において、実装される、あるいは除去される、または動作不能にさえされ得ることを理解されたい。加えて、図面/図における任意の信号矢印は、別様に具体的に記載されない限り、例示としてのみ見なされ、限定するものではない。
【0080】
本明細書に詳細に説明された代表的実施形態は、一例として提示され、限定としてではない。種々の変更が、説明される実施形態の形態および詳細に成され、添付の請求項の範囲内である、均等物実施形態をもたらしてもよいことが、当業者によって理解されるであろう。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9