特許第6871250号(P6871250)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アーテリーズ インコーポレイテッドの特許一覧

特許6871250医療撮像および医療撮像情報の効率的共有
<>
  • 特許6871250-医療撮像および医療撮像情報の効率的共有 図000003
  • 特許6871250-医療撮像および医療撮像情報の効率的共有 図000004
  • 特許6871250-医療撮像および医療撮像情報の効率的共有 図000005
  • 特許6871250-医療撮像および医療撮像情報の効率的共有 図000006
  • 特許6871250-医療撮像および医療撮像情報の効率的共有 図000007
  • 特許6871250-医療撮像および医療撮像情報の効率的共有 図000008
  • 特許6871250-医療撮像および医療撮像情報の効率的共有 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6871250
(24)【登録日】2021年4月19日
(45)【発行日】2021年5月12日
(54)【発明の名称】医療撮像および医療撮像情報の効率的共有
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20210426BHJP
【FI】
   A61B5/055 382
【請求項の数】6
【全頁数】49
(21)【出願番号】特願2018-527793(P2018-527793)
(86)(22)【出願日】2016年11月29日
(65)【公表番号】特表2018-536488(P2018-536488A)
(43)【公表日】2018年12月13日
(86)【国際出願番号】US2016064031
(87)【国際公開番号】WO2017091835
(87)【国際公開日】20170601
【審査請求日】2019年11月7日
(31)【優先権主張番号】62/260,565
(32)【優先日】2015年11月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/415,203
(32)【優先日】2016年10月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516215925
【氏名又は名称】アーテリーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン ベッカーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン アクセリオ−シリーズ
(72)【発明者】
【氏名】トリン アルニ ターラム
(72)【発明者】
【氏名】アルバート シャオ
(72)【発明者】
【氏名】ジョヴァンニ デ フランチェスコ
(72)【発明者】
【氏名】ダリル ビドゥロック
(72)【発明者】
【氏名】トリスタン ジャグデブ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ニュートン
【審査官】 後藤 順也
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/109254(WO,A2)
【文献】 特表2003−531710(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0309521(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
G01R 33/20−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位相エイリアシングを自動的に補正するために、磁気共鳴撮像(MRI)ベース医療撮像システムとともに使用するための操作の方法であって、
少なくとも1つのプロセッサによって、解剖学的構造を表すMRIデータのセットを受信するステップであって、MRIデータの前記セットは、それぞれの解剖学的構造および複数のボクセルの各々についての速度を備える、ステップと、
前記複数のボクセルのうちの少なくともいくつかの各々について、前記少なくとも1つのプロセッサによって、速度符号化パラメータの近くのフロー速度における急勾配を識別するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、急勾配を有するものとして識別される前記ボクセルすべてを接続して、囲まれた境界を定義するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記囲まれた境界中の前記ボクセルすべてがエイリアシングされるかどうかを決定するステップと、
前記囲まれた境界中の前記ボクセルすべてがエイリアシングされると決定したことに応答して、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記速度符号化パラメータの倍数を、前記囲まれた境界中の前記ボクセルの各々についての前記速度に追加するステップ、または
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記速度符号化パラメータの倍数を、前記囲まれた境界中の前記ボクセルの各々についての前記速度から差し引くステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記囲まれた境界中の前記ボクセルすべてがエイリアシングされるとは限らないと決定したことに応答して、前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記囲まれた境界中の隣接ボクセルのそれぞれの前記速度を分析するステップと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記隣接ボクセルの前記分析されたそれぞれの速度に少なくとも一部が基づいて、前記囲まれた境界中の前記ボクセルの各々の前記速度を修正するステップと
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記囲まれた境界中の前記ボクセルの各々の前記速度を修正するステップは、前記隣接ボクセルにわたる不連続性を最小限にするように決定された量だけ、前記ボクセルの各々の前記速度を修正するステップを備えたことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記囲まれた境界中の前記ボクセルすべてがエイリアシングされるかどうかを決定するステップは、前記囲まれた境界中の隣接ボクセルの間に急勾配があるかどうかを決定するステップを備えたことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
コンピュータに請求項1ないし4のいずれか1つに記載の方法を実行させることが可能な命令を有することを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項6】
請求項5記載のコンピュータプログラムを記録したことを特徴とする非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、磁気共鳴撮像(MRI)、たとえば4次元(4D)フローMRI、ならびに通信ネットワークまたはチャネル上での医療撮像および他の情報の共有に関する。
【背景技術】
【0002】
MRIは、医療撮像において最も一般的に利用されるが、他の分野において使われる場合がある。MRIマシンは、典型的には、中心または長手方向ボアを有するコイルの環状アレイである主磁石を含む。主磁石は、強安定磁界(たとえば、0.5テスラないし3.0テスラ)を生じることが可能である。ボアは、撮像されるべきオブジェクト、たとえば人体の少なくとも一部分を受信するようなサイズである。医療撮像アプリケーションにおいて使われるとき、MRIマシンは、うつ伏せの患者がボアの中に、およびその外へ容易にスライドまたは回転されることを可能にする患者台を含むことができる。
【0003】
MRIマシンは、勾配磁石も含む。勾配磁石は、主磁石によって生じられたもの(たとえば、180ガウスないし270ガウス)よりも比較的小さい変動磁界を生じ、オブジェクト(たとえば、患者)の選択された部分が撮像されることを可能にする。MRIマシンは、撮像されるべきオブジェクト(たとえば、患者)の選択された部分に無線周波エネルギーを印加するように操作される無線周波数(RF)コイルも含む。異なる構造(たとえば、解剖構造)を撮像するために、異なるRFコイルが使われてよい。たとえば、RFコイルのあるセットは、患者の首を撮像するのに適している場合があり、RFコイルの別のセットは、患者の胸部または心臓を撮像するのに適している場合がある。MRIマシンは一般的に、追加磁石、たとえば抵抗磁石および/または永久磁石を含む。
【0004】
MRIマシンは典型的には、磁石および/もしくはコイルを制御するのに、ならびに/または撮像されるオブジェクトの部分の画像を生じるための画像処理を実施するのに使われるコンピュータシステムを含むか、または通信可能に結合される。従来、MRIマシンは、物理的構造、たとえば、解剖学的構造を表すマグニチュードデータセットを生じる。データセットはしばしば、医療におけるデジタル撮像および通信(DICOM:Digital Imaging and Communications in Medicine)規格に準拠する。DICOMファイルは典型的には、規定されたフォーマットでのピクセルデータおよびメタデータを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許仮出願第61/571,908号明細書
【特許文献2】国際特許出願第PCT/US2012/045575号明細書
【特許文献3】米国特許仮出願第61/928,702号明細書
【特許文献4】国際特許出願第PCT/US2015/011851号明細書
【特許文献5】米国特許出願第15/112130号明細書
【特許文献6】米国特許仮出願第62/260,565号明細書
【特許文献7】米国特許仮出願第62/415,203号明細書
【特許文献8】米国特許仮出願第62/415,666号明細書
【発明の概要】
【0006】
4Dフロー撮像を向上する様々な手法が、本明細書において記載される。
【0007】
位相エイリアシングを自動的に補正するために、磁気共鳴撮像(MRI)ベース医療撮像システムとともに使用するための操作の方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、解剖学的構造を表すMRIデータのセットを受信することであって、MRIデータのセットは、それぞれの解剖学的構造および複数のボクセルの各々についての速度を含むことと、複数のボクセルのうちの少なくともいくつかの、各々について、少なくとも1つのプロセッサによって、速度符号化パラメータの近くのフロー速度における急勾配を識別することと、少なくとも1つのプロセッサによって、急勾配を有するものとして識別されるボクセルすべてを接続して、囲まれた境界を定義することと、少なくとも1つのプロセッサによって、囲まれた境界中のボクセルすべてがエイリアシングされるかどうかを決定することと、囲まれた境界中のボクセルすべてがエイリアシングされると決定したことに応答して、少なくとも1つのプロセッサによって、速度符号化パラメータの倍数を、囲まれた境界中のボクセルの各々についての速度に追加することと、または少なくとも1つのプロセッサによって、速度符号化パラメータの倍数を、囲まれた境界中のボクセルの各々についての速度から差し引くこととを含むものとして要約されてよい。
【0008】
方法は、囲まれた境界中のボクセルすべてがエイリアシングされるとは限らないと決定したことに応答して、少なくとも1つのプロセッサによって、囲まれた境界中の隣接ボクセルのそれぞれの速度を分析することと、少なくとも1つのプロセッサによって、隣接ボクセルの分析されたそれぞれの速度に少なくとも一部が基づいて、囲まれた境界中のボクセルの各々の速度を修正することとをさらに含むことができる。囲まれた境界中のボクセルの各々の速度を修正することは、隣接ボクセルにわたる不連続性を最小限にするように決定された量だけ、ボクセルの各々の速度を修正することを含むことができる。囲まれた境界中のボクセルすべてがエイリアシングされるかどうかを決定することは、囲まれた境界中の隣接ボクセルの間に急勾配があるかどうかを決定することを含むことができる。
【0009】
磁気共鳴撮像(MRI)ベース医療撮像システムとともに使用するための操作の方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、解剖学的構造を表すMRIデータのセットを受信することであって、MRIデータのセットは、それぞれの解剖学的構造および複数のボクセルの各々についての速度情報を含むことと、少なくとも1つのプロセッサによって、解剖学的構造内のボリュームを定義することと、少なくとも1つのプロセッサによって、解剖学的構造内のボリュームを表す複数のボクセルのうちの少なくともいくつかについての速度場の発散を最小限にすることと、少なくとも1つのプロセッサによって、速度フィールドの最小限にされた発散に少なくとも一部が基づいて、解剖学的構造内のボリュームを表す複数のボクセルのうちの少なくともいくつかについての速度情報を補正することとを含むものとして要約されてよい。複数のボクセルのうちの少なくともいくつかについての速度情報を補正することは、複数のボクセルのうちの少なくともいくつかについてのx速度、y速度およびz速度を補正することを含むことができる。速度場の発散を最小限にすることは、発散を最小限にするという制約で、速度場の最小2乗発散なし近似を構築することを含むことができる。速度場の発散を最小限にすることは、速度場の残差発散を反復的に最小限にすることを含むことができる。
【0010】
位相エイリアシングを自動的に補正するために、磁気共鳴撮像(MRI)ベース医療撮像システムとともに使用するための操作の方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、解剖学的構造を表すMRIデータのセットを受信することであって、MRIデータのセットは、それぞれの解剖学的構造および複数のボクセルの各々についての速度情報を含むことと、少なくとも1つのプロセッサによって、MRIデータのセットを分析して、心周期のピーク拡張に対応する時間点を識別することと、少なくとも1つのプロセッサによって、複数のボクセルのうちの少なくともいくつかの、速度の変動を、心周期の少なくとも一部分にわたって分析することと、少なくとも1つのプロセッサによって複数のボクセルのうちの少なくともいくつかの速度の変動を心周期の少なくとも一部分にわたって分析することに少なくとも一部が基づいて、複数のボクセルのうちの少なくともいくつかの、速度のエラーを補正することとを含むものとして要約されてよい。
【0011】
複数のボクセルのうちの少なくともいくつかの、速度の変動を分析すること、および複数のボクセルのうちの少なくともいくつかの、速度のエラーを補正することは、複数のボクセルのうちの少なくともいくつかの各々について、少なくとも1つのプロセッサによって、心周期中の連続する時間点の間での速度の変化を追跡することと、少なくとも1つのプロセッサによって、速度が速度符号化パラメータの大きさを超えて変動した場合はエイリアシングが起きたと決定することと、エイリアシングが起きたと決定したことに応答して、少なくとも1つのプロセッサによって、速度が速度符号化パラメータを超えて低減された場合はラップカウントを増分することと、または少なくとも1つのプロセッサによって、速度が速度符号化パラメータを超えて増大された場合はラップカウントを減分することと、各時間点について、少なくとも1つのプロセッサによって、ボクセルについての累計ラップカウントに少なくとも一部が基づいて、速度を修正することとを含むことができる。ボクセルについての累計ラップカウントに少なくとも一部が基づいて速度を修正することは、累計ラップカウントと速度符号化パラメータの2倍との積に等しい量だけ速度を増大することを含むことができる。
【0012】
方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、累計ラップカウントが心周期にわたってゼロであるかどうかを決定することと、累計ラップカウントが心周期にわたってゼロでないと決定したことに応答して、少なくとも1つのプロセッサによって、エラー信号を生成することとをさらに含むことができる。
【0013】
方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、心周期にわたって累計ラップカウントがゼロでないボクセルの数を追跡することをさらに含むことができる。
【0014】
方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、心周期にわたって累計ラップカウントがゼロでないボクセルについてのみ、速度のエラーを補正することをさらに含むことができる。
【0015】
方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、複数のボクセルのうちのどれが、血流を表す見込みがあるかを識別することと、少なくとも1つのプロセッサによって、複数のボクセルのうちのどれが血流を表す見込みがあるか識別することに少なくとも一部が基づいて、複数のボクセルのうちの少なくともいくつかを分析用に選択することとをさらに含むことができる。
【0016】
渦電流によるアーティファクトを自動的に補正するために、磁気共鳴撮像(MRI)ベース医療撮像システムとともに使用するための操作の方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、解剖学的構造を表すMRIデータのセットを受信することであって、MRIデータのセットは、それぞれの解剖学的構造および複数のボクセルの各々についての速度情報を含むことと、少なくとも1つのプロセッサによって、複数のボクセルのうちのどれが静的組織を表すかというインジケーションを受信することと、少なくとも1つのプロセッサによって、静的組織を表すボクセルについての速度情報に少なくとも一部が基づいて、少なくとも1つの渦電流補正パラメータを決定することと、少なくとも1つのプロセッサによって、決定された少なくとも1つの渦電流補正パラメータに少なくとも部分的に基づいて、複数のボクセルについての速度情報を修正することとを含むものとして要約されてよい。
【0017】
複数のボクセルのうちのどれが静的組織を表すかというインジケーションを受信することは、少なくとも1つのプロセッサによって、MRIデータをフィルタリングして空気の領域をマスクすることと、少なくとも1つのプロセッサによって、MRIデータをフィルタリングして血流の領域をマスクすることと、少なくとも1つのプロセッサによって、MRIデータをフィルタリングして非静的組織の領域をマスクすることとを含むことができる。MRIデータをフィルタリングして空気の領域をマスクすることは、決定された閾値を下回る解剖画像値で領域をマスクすることを含むことができる。
【0018】
方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、解剖画像値についてのヒストグラムを分析して、決定された閾値を決定することをさらに含むことができる。
【0019】
方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、少なくとも1つのプロセッサに通信可能に結合されたユーザインタフェースを介して少なくとも1つのフィルタパラメータを受信することをさらに含むことができる。
【0020】
多断面再構成の配向を自動的に設定するために、磁気共鳴撮像(MRI)ベース医療撮像システムとともに使用するための操作の方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、解剖学的構造を表すMRIデータのセットを受信することであって、MRIデータのセットは、それぞれの解剖学的構造および複数のボクセルの各々についての速度情報を含む、受信することと、少なくとも1つのプロセッサに通信可能に結合されたディスプレイによって、MRIデータを提示することと、少なくとも1つのプロセッサによって、血流の中心領域の選択を受信することと、少なくとも1つのプロセッサによって、血流の中心領域における血流の方向を決定することと、血流の方向を決定したことに応答して、少なくとも1つのプロセッサによって、多断面再構成が、決定された血流の方向に垂直な面上になるように、多断面再構成の配向を調節することとを含むものとして要約されてよい。血流の中心領域における血流の方向を決定することは、ピーク血流に対応する時間点を決定することと、ピーク血流に対応する時間点における血流の方向を決定することとを含むことができる。
【0021】
解剖学的ボリュームにおける血流を自動的に定量化するために、磁気共鳴撮像(MRI)ベース医療撮像システムとともに使用するための操作の方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、解剖学的構造を表すMRIデータのセットを受信することであって、MRIデータのセットは、それぞれの解剖学的構造および複数のボクセルの各々についての速度情報を含むことと、少なくとも1つのプロセッサによって、血液プールを含むことができるMRIデータのセット中の解剖学的ボリュームを識別することと、少なくとも1つのプロセッサによって、解剖学的ボリューム中の血液の流れに少なくともほぼ垂直である、目標上の面を識別することと、少なくとも1つのプロセッサによって、面と解剖学的ボリュームの交差によって定義された輪郭を生成することと、少なくとも1つのプロセッサによって、生成された輪郭におけるボクセルを通じての血液の総流量を決定することとを含むものとして要約されてよい。生成された輪郭におけるボクセルを通じての血液の総流量を決定することは、生成された輪郭中の各ボクセルについて、少なくとも1つのプロセッサによって、面の法線ベクトルとボクセルの速度ベクトルとのドット積を決定することと、少なくとも1つのプロセッサによって、生成された輪郭中のボクセルの各々の決定されたドット積を合計することとを含むことができる。
【0022】
速度情報は複数の速度成分を含むことができ、生成された輪郭におけるボクセルを通じての血液の総流量を決定することは、各速度成分について、生成された輪郭の面において速度多断面再構成(MPR)を生じることであって、速度MPRの各々は、ボクセルの各々の寸法と少なくとも同様のピクセル間隔を有する複数のMPRピクセルを含むことと、生成された輪郭の内側の各MPRピクセルについて、少なくとも1つのプロセッサによって、生成された速度MPRからのピクセル値からなる面の法線ベクトルと速度ベクトルとのドット積を決定することと、少なくとも1つのプロセッサによって、生成された輪郭中のMPRピクセルの各々の決定されたドット積を合計することとを含むことができる。
【0023】
特定の領域のボリュームを自動的に決定するために、医療撮像システムとともに使用するための操作の方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、解剖学的構造を表す画像データのセットを受信することであって、画像データのセットは、複数のボクセルの各々についてのそれぞれの解剖学的構造情報を備える、受信することと、少なくとも1つのプロセッサによって、対象となっているボリュームの主軸のインジケーションを受信することと、少なくとも1つのプロセッサによって、対象となっているボリュームの主軸に沿った複数の離間したスライス面を生成することと、複数のスライス面の各々について、少なくとも1つのプロセッサによって、スライス面において、対象となっているボリュームの境界を定義する閉輪郭を生成することと、少なくとも1つのプロセッサによって、スライス面すべての輪郭を接続する3次元表面を生成することと、少なくとも1つのプロセッサによって、3次元表面のボリュームを決定することとを含むものとして要約されてよい。画像データのセットは、複数の時間点における、複数のボクセルの各々についてのそれぞれの解剖学的構造情報を含むことができ、方法は、複数の時間点の各々について、少なくとも1つのプロセッサによって、対象となっているボリュームの主軸に沿った複数の離間したスライス面を生成することと、複数のスライス面の各々について、少なくとも1つのプロセッサによって、スライス面において、対象となっているボリュームの境界を定義する閉輪郭を生成することと、少なくとも1つのプロセッサによって、スライス面すべての輪郭を接続する3次元表面を生成することと、少なくとも1つのプロセッサによって、3次元表面のボリュームを決定することとを含むことができる。主軸のインジケーションを受信することは、直線軸または曲線軸のうちの1つを備える主軸のインジケーションを受信することを含むことができる。画像データのセットは、複数の時間点における、複数のボクセルの各々についてのそれぞれの解剖学的構造情報を含むことができ、主軸は、複数の時間点のうちの少なくともいくつかの上を動く主軸を含むことができる。主軸のインジケーションを受信することは、複数の軸のインジケーションを受信することを含むことができる。
【0024】
接続されたマスクを自動的に生成するために、医療撮像システムとともに使用するための操作の方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、解剖学的構造を表す画像データのセットを受信することであって、画像データのセットは、空間中の複数のロケーションの各々についてのそれぞれの解剖学的構造情報を備えることと、少なくとも1つのプロセッサによって、シードロケーションを識別することと、少なくとも1つのプロセッサによって、シードロケーションについての強度値を識別することと、少なくとも1つのプロセッサによって、フラッドフィル基準に従って、シードロケーションから他のロケーションへと外に移動して、接続されたマスクをフラッドフィルすることであって、フラッドフィル基準は、少なくとも、ロケーションの各々の強度値が、シードロケーションについての強度値の指定された閾値以内であるかどうかを含むこととを含むものとして要約されてよい。
【0025】
画像データの受信されたセットは3次元画像データを含むことができ、方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、受信された画像データから2次元多断面再構成を生成することをさらに含むことができる。シードロケーションから他のロケーションへと外に動いて、マスクをフラッドフィルすることは、接続性基準を含んでよいフラッドフィル基準に従って、シードロケーションから他のロケーションへと外に動いて、マスクをフラッドフィルすることを含むことができる。シードロケーションから他のロケーションへと外に動いて、マスクをフラッドフィルすることは、フラッドフィル基準に従って、シードロケーションから他のロケーションへと外に動いて、マスクをフラッドフィルすることを含むことができ、フラッドフィル基準は、半径制約またはフラッドフィルステップ数制約のうちの少なくとも1つを含む。
【0026】
方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、接続されたマスクのボーダーによって定義された輪郭を生成することと、少なくとも1つのプロセッサによって、生成された輪郭に少なくとも一部が基づく、生成された輪郭の近似である近似輪郭を生成することとをさらに含むことができる。近似輪郭を生成することは、高い曲率のエリアに制御点を置くスプラインを使って近似輪郭を生成することを含むことができる。
【0027】
方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、決定された膨張因子だけ近似輪郭を、生成し、膨張された近似輪郭まで膨張させることをさらに含むことができる。
【0028】
医療撮像システムとともに使用するための操作の方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、解剖学的構造を表す画像データのセットを受信することであって、画像データのセットは、3次元空間中の複数のロケーションの各々についてのそれぞれの解剖学的構造情報を備える、受信することと、少なくとも1つのプロセッサによって、複数の時間点で、解剖学的構造の位置および配向を追跡することと、複数の時間点の各々で、少なくとも1つのプロセッサによって、解剖学的構造用の輪郭を生成することと、少なくとも1つのプロセッサによって、生成された輪郭を使って、解剖学的構造に関連付けられた測定を決定することとを含むものとして要約されてよい。生成された輪郭を使って、解剖学的構造に関連付けられた測定を決定することは、複数の時間点のうちの少なくともいくつかの上での解剖学的構造の動きを明らかにすることを含むことができる。解剖学的構造の動きを明らかにすることは、複数の時間点のうちの少なくともいくつかの上での、解剖学的構造の線形および角速度を明らかにすることを含むことができる。生成された輪郭を使って、解剖学的構造に関連付けられた測定を決定することは、解剖学的構造を通じるフローを決定することを含むことができる。
【0029】
方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、複数の時間点における解剖学的構造の多断面再構成をディスプレイに提示することをさらに含むことができ、多断面再構成の位置および配向は、複数の時間点上での生成された輪郭を追跡する。
【0030】
方法は、少なくとも1つのプロセッサによって、解剖学的構造の多断面再構成をディスプレイに提示することと、少なくとも1つのプロセッサによって、多断面再構成が、生成された輪郭の面の外にある場合、生成された輪郭を半透明として提示することとをさらに含むことができる。
【0031】
プロセッサベースデバイスは、少なくとも1つのプロセッサと、少なくとも1つのプロセッサに通信可能に結合され、上記方法のうちのいずれかを実施するように動作可能な少なくとも1つの非一時的プロセッサ可読媒体とを有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図面において、同一の参照番号は同様の要素および作用を識別する。図面中の要素のサイズおよび相対的位置は、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。たとえば、様々な要素および角の形状は、必ずしも一定の縮尺で描かれておらず、これらの要素のうちのいくつかは、描画可読性を向上するために、任意に拡大され、位置決めされている場合がある。さらに、描かれている要素の特定の形状は、特定の要素の実際の形状に関するいかなる情報も伝えることは必ずしも意図しておらず、図面における認識の簡単のために単に選択されている場合がある。
図1】1つの図示した実施形態に従う、少なくとも1つのMRI獲得システムおよび少なくとも1つの画像処理システムを含むネットワーク化環境の概略図であって、MRI獲得システムは、臨床の場に位置し、画像処理システムは、MRI獲得システムから離れて位置し、1つまたは複数のネットワーク上でそれと通信可能に結合されている図である。
図2】1つの図示した実施形態に従う、MRI獲得システムならびにMRI画像処理および分析サービスを提供するMRI画像処理および分析システムの機能ブロック図である。
図3A】1つの図示した実施形態に従う、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な例示的プッシュプロセスのフロー図である。
図3B】1つの図示した実施形態に従う、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な例示的プッシュプロセスのフロー図である。
図4A】1つの図示した実施形態に従う、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な、アーティファクトおよびアーチングを監視する例示的プロセスのフロー図である。
図4B】1つの図示した実施形態に従う、少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な、アーティファクトおよびアーチングを監視する例示的プロセスのフロー図である。
図5】1つの図示した実施形態に従うPHIサービスパイプラインの略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下の説明において、様々な開示される実施形態の完全な理解を提供するために、いくつかの具体的な詳細が記載される。ただし、実施形態は、これらの特定の詳細のうちの1つもしくは複数なしで、または他の方法、構成要素、材料などで実践されてよいことが、当業者には認識されよう。他の事例においては、MRIマシン、コンピュータシステム、サーバコンピュータ、および/または通信ネットワークに関連付けられた、よく知られている構造は、実施形態の記載を不必要に不明瞭にすることを避けるために、示されていないか、詳しく記載されていない。
【0034】
文脈上他の意味に解すべき場合を除いて、後に続く本明細書および請求項を通して、「comprise(備える)」という単語ならびに「comprises(備える)」および「comprising(備える)」など、その変化形は、「including(含む)」と同義であり、包含的または開放型である(すなわち、追加、具陳されていない要素または方法作用を排除しない)。
【0035】
本明細書を通しての「一実施形態」または「ある実施形態」への言及は、実施形態に関して説明する特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態中に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して様々な場所における「一実施形態において」または「ある実施形態において」というフレーズの出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態に言及するわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が、1つまたは複数の実施形態において、どの適切な方式で組み合わされてもよい。
【0036】
本明細書および添付の請求項において使われる限り、単数形「a」、「an」、および「the」は、内容が明らかに別段に規定しない限り、複数の指示物を含む。「または」という用語が概して、内容が明らかに別段に規定しない限り、「および/または」を含むその意味において利用されることも留意されるべきである。
【0037】
本明細書において提供される本開示の見出しおよび開示の要約は、便宜上にすぎず、実施形態の範囲または意味を解釈するものではない。
【0038】
本明細書に記載される実装形態のうちの多くは、4DフローMRIデータセットを利用し、これは本質的に、3次元ボリュームについてのMRIマグニチュードおよび位相情報を、ある期間にわたってキャプチャする。この手法は、息止めまたは患者の心または肺周期への同期もしくはゲーティングを求めずに、MRIデータセットのキャプチャまたは獲得を可能にすることができる。その代わりに、MRIデータセットがキャプチャまたは獲得され、たとえば、獲得された情報を心および肺周期に基づいてビニングし直すことによって、撮像処理および分析が、所望の情報を導出するのに利用される。これは本質的に、通常は時間集約的な獲得操作であるものを撮像処理および分析段階にプッシュする。単純化された類推のやり方として、いくつかの点において、そのようなものは、患者の肺または心周期に対する懸念なしで、解剖学的構造(たとえば、胸部、心臓)の動画をキャプチャするものと思われる場合があり、肺および心周期によってもたらされる相対的動きを明らかにするためのキャプチャされた動画を処理する。キャプチャされた情報は、解剖学的構造を示すマグニチュード情報と、速度を示す位相情報の両方を含む。位相情報は、静的および非静的組織の間の区別を可能にし、たとえば、非静的組織(たとえば、血液、空気)が静的組織(たとえば、脂肪、骨)と区別されることを可能にする。位相情報は、一定の非静的組織(たとえば、空気)が、他の非静的組織(たとえば、血液)と区別されることも可能にする。これは有利には、組織の間の自動化された、もしくは自律セグメント化され、および/または心房血流を静脈血流と区別することも可能にすることができる。これは有利には、解剖学的情報の上に重ね合わせられてよいフロー視覚化情報の自動化された、または自律生成さえも可能にすることができる。これはまた、有利には、自動化された、もしくは自律フロー定量化さえも、異常を識別すること、および/または結果を検証することを可能にすることができる。
【0039】
ワークフローは、一般的に、3つの部分、すなわち順番に、1)画像獲得、2)画像再構成、ならびに3)画像処理または後処理および分析に分割することができる。あるいは、ワークフローは、1)操作用、2)前処理、ならびに3)視覚化および定量化に分割されてよい。
【0040】
画像獲得は、1つまたは複数のパルスシーケンスを決定し、定義し、生成し、またはそうでなければ設定することを含むことができ、これらは、MRIマシンを稼動し(たとえば、磁石を制御し)、未加工MRIを獲得するのに使われる。4Dフローパルスシーケンスの使用は、マグニチュードによって表される解剖学的構造だけでなく、位相によって表される速度のキャプチャを可能にする。本明細書に記載される方法または技法のうちの少なくとも1つにおいて、患者特有4Dパルスシーケンスの生成は、画像獲得部分の間に、またはその一部として起こる。画像再構成は、たとえば、高速フーリエ変換を利用し、MRIデータセットを、しばしばDICOM規格に適合した形で結果として生じることができる。画像再構成は、従来、しばしばスーパーコンピュータに依拠して計算集約的であった。そのようなものについての要件は、多くの臨床施設にとって大幅な負担である。本明細書に記載される方法および技法のうちの多くは、画像処理または後処理および分析の間に、またはその一部として起こる。そのようなものは、エラー検出および/またはエラー補正、セグメント化、フロー関連情報と解剖学的構造の画像の融合を含む視覚化、定量化、シャントを含む異常の識別、偽データの識別を含む検証を含む場合がある。あるいは、エラー検出および/またはエラー補正が、前処理部分中に起こる場合がある。
【0041】
図1は、1つの図示される実施形態に従うネットワーク化環境100を示し、ここにおいて、1つまたは複数のMRI獲得システム(1つが図示される)102は、1つまたは複数のネットワーク106a、106b(2つがまとめて106と示される)を介して少なくとも1つの画像処理および分析システム104に通信可能に結合される。
【0042】
MRI獲得システム102は典型的には、臨床施設、たとえば病院または専用医療撮像センターに位置する。本明細書において説明される様々な技法および構造は、有利には、画像処理および分析システム104がMRI獲得システム102から離れて位置することを可能にすることができる。画像処理および分析システム104は、たとえば、別の建物、市、州、地域または国にさえも位置する場合がある。
【0043】
MRI獲得システム102は、たとえば、MRIマシン108、コンピュータシステム110およびMRIオペレータのシステム112を含むことができる。MRIマシン108は主磁石114を含むことができ、これは典型的には、中心または長手方向ボア116を有する、コイルの環状アレイである。主磁石108は、強安定磁界(たとえば、0.5テスラないし3.0テスラ)を生じることが可能である。ボア116は、撮像されるべきオブジェクト、たとえば人体118の少なくとも一部分を受信するようなサイズである。医療撮像アプリケーションにおいて使われるとき、MRIマシン108は典型的には、うつ伏せの患者118がボア116の中に、およびその外へ容易にスライドまたは回転されることを可能にする患者台120を含む。
【0044】
MRIマシンは、勾配磁石122のセット(1つだけがコールアウトされる)も含む。勾配磁石122は、主磁石114によって生じられたもの(たとえば、180ガウスないし270ガウス)よりも比較的小さい変動磁界を生じ、オブジェクト(たとえば、患者)の選択された部分が撮像されることを可能にする。
【0045】
MRIマシン108は、撮像されるべきオブジェクト(たとえば、患者118)の選択された部分に無線周波エネルギーを印加するように操作される無線周波数(RF)コイル124(1つだけがコールアウトされる)も含む。異なる構造(たとえば、解剖構造)を撮像するために、異なるRFコイル124が使われてよい。たとえば、RFコイル124のあるセットが、患者の首を撮像するのに適している場合があり、RFコイル124の別のセットが、患者の胸部または心臓を撮像するのに適している場合がある。MRIマシン108は一般的に、追加磁石、たとえば抵抗磁石および/または永久磁石を含む。
【0046】
MRIマシン108は典型的には、磁石および/またはコイル114、122、124を制御するのに使われるプロセッサベースMRI制御システム126を含むか、またはそれに通信可能に結合される。プロセッサベース制御システム126は、1つもしくは複数のプロセッサ、非一時的コンピュータもしくはプロセッサ可読メモリ、ドライブ回路機構および/またはMRIマシン108とインタフェースするためのインタフェース構成要素を含むことができる。プロセッサベース制御システム126は、いくつかの実装形態において、MRI操作からの結果であるデータに対して何らかの前処理を実施することもできる。
【0047】
MRIオペレータのシステム128は、コンピュータシステム130、モニタもしくはディスプレイ132、キーパッドおよび/もしくはキーボード134、ならびに/またはマウス136、ジョイスティック、トラックパッド、トラックボールなどのようなカーソル制御デバイスを含むことができる。MRIオペレータのシステム128は、コンピュータまたはプロセッサ実行可能命令を、含むか、または1つもしくは複数の非一時的コンピュータもしくはプロセッサ可読媒体、たとえば磁気もしくは光ディスクなどの回転媒体138から読み取ることができる。オペレータのシステム128は、技師が、MRIマシン108を操作して、患者118からMRIデータをキャプチャすることを可能にすることができる。本明細書に記載される様々な技法、構造および特徴は、臨床医または医師の存在を求めることなく、技師によるMRIマシン108操作を可能にすることができる。そのようなことは有利には、MRI手順のコストを大幅に下げることができる。やはり本明細書に記載されるように、様々な技法、構造および特徴は、MRI手順が、従来技術を使うよりもはるかに速く実施されることを可能にすることができる。そのようなことは有利には、各MRIインストールのためのより高いスループット、いっそう大きい数の手順にわたる資本集約的機器のコストを償却することを可能にすることができる。たとえば、高計算能力コンピュータは、臨床の場から離れて位置する場合があり、複数の臨床施設に供給するために使われる場合がある。本明細書に記載される様々な技法、構造および特徴はまた、追加または代替的に、有利には、各患者がMRI手順にさらされる時間を低減することができ、MRI手順を受けることをしばしば伴う心配を低減または軽減する。たとえば、本明細書に記載される画像処理および分析技法を介して、息止めおよび/または患者の肺および/または心周期と同期する必要をなくすことは、獲得のための時間を大幅に、たとえば8から10分まで低減することができる。
【0048】
画像処理および分析システム104は、着信要求および応答を扱うための1つまたは複数のサーバ139と、1つまたは複数のレンダリングまたは画像処理および分析コンピュータ140とを含むことができる。サーバ139は、たとえば、サーバソフトウェアまたは命令を実行する1つまたは複数のサーバコンピュータ、ワークステーションコンピュータ、スーパーコンピュータ、またはパーソナルコンピュータの形をとることができる。1つまたは複数のレンダリングまたは画像処理および分析コンピュータ140は、画像処理および/または分析ソフトウェアもしくは命令を実行する1つまたは複数のコンピュータ、ワークステーションコンピュータ、スーパーコンピュータ、またはパーソナルコンピュータの形をとることができる。1つまたは複数のレンダリングまたは画像処理および分析コンピュータ140は典型的には、1つ、および好ましくは複数の、グラフィカル処理ユニット(GPU)またはGPUコアを利用することになる。
【0049】
画像処理および分析システム104は、プロセッサ実行可能命令および/もしくはデータまたは他の情報を記憶する1つまたは複数の非一時的コンピュータ可読媒体142(たとえば、磁気または光学ハードドライブ、RAID、RAM、Flash)を含むことができる。画像処理および分析システム104は、1つまたは複数の画像処理および分析オペレータのシステム144を含むことができる。画像処理および分析オペレータのシステム144は、コンピュータシステム146、モニタもしくはディスプレイ148、キーパッドおよび/もしくはキーボード150、ならびに/またはマウス152、ジョイスティック、トラックパッド、トラックボールなどのようなカーソル制御デバイスを含むことができる。画像処理および分析オペレータのシステム144は、1つまたは複数のネットワーク、たとえばLAN154を介してレンダリングまたは画像処理および分析コンピュータ140に通信可能に結合されてよい。多くの画像処理技法および分析が完全に自動化されてよいが、画像処理および分析オペレータのシステムは、技師が、患者からキャプチャされたMRIデータに対していくつかの画像処理および/または分析操作を実施することを可能にすることができる。
【0050】
単一の非一時的コンピュータまたはプロセッサ可読記憶媒体142として示されているが、多くの実装形態において、非一時的コンピュータまたはプロセッサ可読記憶媒体142は、複数の非一時的記憶媒体の構成要素となる場合がある。複数の非一時的記憶媒体は一般的に、共通ロケーションに位置するか、または様々な遠隔ロケーションに分散されてよい。したがって、未加工MRIデータ、前処理されたMRIデータおよび/または処理されたMRIデータのデータベースが、1つの非一時的コンピュータもしくはプロセッサ可読記憶媒体において、または複数のそのような記憶媒体にわたって実装されてよい。そのようなデータベースは、別個のコンピュータもしくはプロセッサ可読記憶媒体142上で互いとは別個に記憶されてよく、または互いと同じコンピュータもしくはプロセッサ可読記憶媒体142上で記憶されてよい。コンピュータまたはプロセッサ可読記憶媒体142は、たとえば、同じ部屋、建物または施設の中で、画像処理および分析システム104とコロケートされてよい。あるいは、コンピュータまたはプロセッサ可読記憶媒体142は、画像処理および分析システム104から離れて、たとえば、異なる施設、市、州または国に位置してよい。電子もしくはデジタル情報、ファイルもしくは記録または情報の他の集合体は、非一時的コンピュータまたはプロセッサ可読媒体142中の特定のロケーションに記憶されてよく、したがって、連続的であってもなくてもよい、そのような媒体の論理的にアドレス可能な部分である。
【0051】
上述したように、画像処理および分析システム104は、MRI獲得システム102から離れて位置してよい。MRI獲得システム102と画像処理および分析システム104は、たとえば1つまたは複数の通信チャネル、たとえばローカルエリアネットワーク(LAN)106aおよびワイドエリアネットワーク(WAN)106bを介して、通信が可能である。ネットワーク106は、たとえば、インターネット、インターネットのワールドワイドウェブ部分、エクストラネット、および/またはイントラネットなどのパケット交換通信ネットワークを含むことができる。ネットワーク106は、セルラーフォンおよびデータネットワーク、ならびに単純旧式電話システム(POTS)ネットワークなど、様々な他のタイプの電気通信ネットワークの形をとることができる。通信インフラストラクチャのタイプは、限定的と見なされるべきでない。
【0052】
図1に示されるように、MRI獲得システム102は、第1のLAN106aに通信可能に結合される。第1のLAN106aは、臨床施設によって、またはそのために操作されるネットワークであってよく、臨床施設にローカルエリア通信を提供する。第1のLAN106aは、WAN(たとえば、インターネット)106bに通信可能に結合される。第1のファイアウォール156aは、第1のLANにセキュリティを提供することができる。
【0053】
やはり図1に示されるように、画像処理および分析システム104は、第2のLAN154に通信可能に結合される。第2のLAN154は、画像処理機構またはエンティティによって操作されるか、またはそのためのネットワークであってよく、画像処理機構またはエンティティにローカルエリア通信を提供する。第2のLAN154は、WAN106b(たとえば、インターネット)に通信可能に結合される。第2のファイアウォール156bは、第2のLAN154にセキュリティを提供することができる。
【0054】
画像処理機構またはエンティティは、臨床施設から独立していてよく、たとえば、1つ、2つまたは多くの臨床施設にサービスを提供する独立事業であってよい。
【0055】
図示されていないが、通信ネットワークは、1つまたは複数の追加ネットワークデバイスを含むことができる。ネットワークデバイスは、サーバ、ルータ、ネットワークスイッチ、ブリッジ、および/またはモデム(たとえば、DSLモデム、ケーブルモデム)などを含む、多岐にわたる形のうちのいずれをもとることができる。
【0056】
図1は代表的なネットワーク化環境100を示すが、典型的なネットワーク化環境は、多くの追加MRI獲得システム、画像処理および分析システム104、コンピュータシステム、ならびに/またはエンティティを含むことができる。本明細書において教示される概念は、図示されるものよりも密集したネットワーク化環境をもつ同様の様式で利用されてよい。たとえば、単一のエンティティが、複数の診断エンティティに画像処理および分析サービスを提供する場合がある。診断エンティティのうちの1つまたは複数が、2つ以上のMRI獲得システム102を操作する場合がある。たとえば、大病院または専用医療撮像センターが、単一の施設にある2、3またはより多くのMRI獲得システムさえも操作する場合がある。典型的には、画像処理および分析サービスを提供するエンティティが動作することになり、多数のエンティティは、2、3または数百のレンダリングまたは画像処理および分析コンピュータ140さえも含むことができる画像処理および分析システム104を提供することができる。
【0057】
図2は、1つまたは複数の画像処理および分析システム104(1つだけが図示されている)と、1つまたは複数の関連非一時的コンピュータまたはプロセッサ可読記憶媒体204(1つだけが図示されている)とを備えるネットワーク化環境200を示す。関連非一時的コンピュータまたはプロセッサ可読記憶媒体204は、たとえば、1つまたは複数の通信チャネル、たとえば、FireWire(登録商標)、ユニバーサルシリアルバス(登録商標)(USB)2もしくは3、および/またはThunderbolt(登録商標)、Gigabyte Ethernet(登録商標)を介して高速通信が可能な1つまたは複数のパラレルケーブル、シリアルケーブル、または無線チャネルを介して、画像処理および分析システム104に通信可能に結合される。
【0058】
ネットワーク化環境200は、1つまたは複数のエンドMRI獲得システム102(1つだけが図示されている)も備える。MRI獲得システム102は、1つまたは複数の通信チャネル、たとえば、1つまたは複数のワイドエリアネットワーク(WAN)210、たとえばインターネットまたはそのワールドワイドウェブ部分によって、画像処理および分析システム104に通信可能に結合される。
【0059】
動作中、MRI獲得システム102は典型的には、画像処理および分析システム104に対するクライアントとして機能する。動作中、画像処理および分析システム104は典型的には、MRI獲得システム102から要求または情報(たとえば、MRIデータセット)を受信するためのサーバとして機能する。本明細書に記載されるのは、画像処理および分析がMRI獲得システム102から離れて(たとえば、WANの上で)実施されることを可能にする非同期コマンドおよび撮像パイプラインを利用する全体的プロセスである。この手法は、いくつかの特徴的利点を提供し、たとえば、臨床医(たとえば、医師)の存在を求めることなく、MRI獲得システム102が技師によって操作されることを可能にする。医療撮像データならびに個人的な患者特有健康情報へのアクセスを可能にしながら、セキュリティを強化するための様々な技法または手法も記載される。
【0060】
MRI獲得システム102から離れて位置するものとして示されているが、いくつかの実装形態において、画像処理および分析システム104は、MRI獲得システム102とコロケートされてよい。他の実装形態において、本明細書に記載される操作または機能のうちの1つまたは複数は、MRI獲得システム102によって、またはMRI獲得システム102とコロケートされたプロセッサベースデバイスを介して実施されてよい。
【0061】
画像処理および分析システム104は、MRIデータセットを受信し、MRIデータセットに対して画像処理を実施し、処理されたMRIデータセットを、たとえば検討のために臨床医に提供する。画像処理および分析システム104は、たとえば、MRIデータセットに対するエラー検出および/または補正、たとえば位相エラー補正、位相エイリアシング検出、信号アンラッピング、ならびに/または様々なアーティファクトの検出および/もしくは補正を実施することができる。位相エラーは、位相エイリアシングがそうであるように、位相に関連する。信号アンラッピングは、マグニチュードに関連する。他の様々なアーティファクトは、位相および/またはマグニチュードに関連する場合がある。
【0062】
画像処理および分析システム104は、たとえば、セグメント化を実施することができ、様々な組織タイプを区別する。画像処理および分析システム104は、たとえば、定量化を実施することができ、たとえば、閉解剖学的構造への、およびそこからの、または2つ以上の解剖学的構造を通じる血流を比較する。画像処理および分析システム104は有利には、定量化を使って結果を検証することができ、たとえば、一定の組織の識別を確認し、かつ/または結果における確実性の量のインジケーションを提供する。さらに、画像処理および分析システム104は有利には、定量化を使って、シャントの存在を識別することができる。
【0063】
いくつかの実装形態において、画像処理および分析システム104は、たとえば動脈および静脈血流を区別することを含む、血流を反映する画像を生成することができる。たとえば、画像処理および分析システム104は、動脈血流を示すのに第1の色マップ(たとえば、青)を、および静脈血流を示すのに第2の色マップ(たとえば、赤)を利用することができる。画像処理および分析システム104は、いくつかの他の、特徴的色または視覚的強調を使って収差(たとえば、シャント)を示すことができる。異なる組織間、ならびに動脈および静脈血流間を区別するための多数の異なる技法が記載される。フロー視覚化は、解剖学的構造またはマグニチュードデータの視覚表現の上または上方に、たとえば1つまたは複数のレイヤとして重ね合わせられてよい。
【0064】
いくつかの実装形態において、画像処理および分析システム104は、特定の患者とMRI獲得システム102を操作する際に使用するための患者特有4Dフロープロトコルを生成することができる。そのようなことは、MRIマシンの操作のための適切な速度符号化(VENC)を設定することを含むことができる。
【0065】
画像処理および分析システム104は、これらの操作または機能のうちの1つまたは複数を、人間による入力なしで自律的に実施することができる。あるいは、画像処理および分析システム104は、これらの操作または機能のうちの1つまたは複数を、人間による入力、たとえば、点、ロケーションもしくは面を識別するか、またはそうでなければ解剖学的組織の特性を識別する、人間による入力に基づいて実施することができる。いくつかの面および/またはビューは予め定義されてよく、オペレータ、ユーザまたは臨床医が、所望のビューを迅速および容易に取得するために、面(たとえば、弁面)または名前付きビュー(たとえば、2腔ビュー、3腔ビュー、4腔ビュー)を単に選択することを可能にする。
【0066】
ネットワーク化環境200は、他のコンピュータシステム、ならびにネットワーク機器、たとえば、追加サーバ、プロキシサーバ、ファイアウォール、ルータおよび/またはブリッジを利用することができる。画像処理および分析システム104は、本明細書において時々単数で参照されることになるが、このことは、実施形態を単一のデバイスに限定することを意図しているわけではなく、というのは、典型的な実施形態においては、関与する複数の画像処理および分析システム104が存在する場合があるからである。別段に記載されない限り、図2に示される様々なブロックの構築および操作は、従来の設計である。その結果、そのようなブロックは、当業者によって理解されるので、本明細書においてそれ以上詳しく説明される必要はない。
【0067】
画像処理および分析システム104は、1つまたは複数の処理ユニット212a、212b(まとめて212)と、システムメモリ214と、システムメモリ214を含む様々なシステム構成要素を処理ユニット212に結合するシステムバス216とを含むことができる。処理ユニット212は、1つまたは複数の中央処理ユニット(CPU)212a、デジタル信号プロセッサ(DSP)212b、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)などのような、どの論理処理ユニットであってもよい。システムバス216は、メモリコントローラ付きのメモリバス、周辺バス、および/またはローカルバスを含む、どの知られているバス構造またはアーキテクチャを利用してもよい。システムメモリ214は、読取り専用メモリ(「ROM」)218およびランダムアクセスメモリ(「RAM」)220を含む。ROM218の一部を形成することができる基本入出力システム(「BIOS」)222は、起動中などに、画像処理および分析システム104内の要素の間で情報を転送するのを助ける基本ルーチンを含む。
【0068】
画像処理および分析システム104は、ハードディスク226から読み取り、そこに書き込むためのハードディスクドライブ224、取外し可能光ディスク232から読み取り、そこに書き込むための光ディスクドライブ228、および/または磁気ディスク234から読み取り、そこに書き込むための磁気ディスクドライブ230を含むことができる。光ディスク232はCD−ROMであってよく、磁気ディスク234は磁気フロッピーディスクまたはディスケットであってよい。ハードディスクドライブ224、光ディスクドライブ228および磁気ディスクドライブ230は、システムバス216を介して処理ユニット212と通信することができる。ハードディスクドライブ224、光ディスクドライブ228および磁気ディスクドライブ230は、当業者によって知られているように、そのようなドライブとシステムバス216との間に結合されたインタフェースまたはコントローラ(図示されず)を含むことができる。ドライブ224、228および230、ならびにそれらの関連コンピュータ可読媒体226、232、234は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールおよび他のデータの不揮発性記憶を画像処理および分析システム104に提供する。図示される画像処理および分析システム104は、ハードディスク224、光ディスク228および磁気ディスク230を利用して示されているが、ワームドライブ、RAIDドライブ、磁気カセット、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク(「DVD」)、ベルヌーイカートリッジ、RAM、ROM、スマートカードなどのような、コンピュータによってアクセス可能なデータを記憶することができる他のタイプのコンピュータ可読媒体が利用されてよいことが、当業者には諒解されよう。
【0069】
オペレーティングシステム236、1つまたは複数のアプリケーションプログラム238、他のプログラムまたはモジュール240およびプログラムデータ242などのプログラムモジュールは、システムメモリ214中に記憶されてよい。アプリケーションプログラム238は、プロセッサ212に、MRI画像データセットに対する画像処理および分析を実施させる命令を含むことができる。たとえば、アプリケーションプログラム238は、プロセッサ212に、位相または速度関係データに対する位相エラー補正を実施させる命令を含むことができる。たとえば、アプリケーションプログラム238は、プロセッサ212に、位相エイリアシングを補正させる命令を含むことができる。またたとえば、アプリケーションプログラム238は、プロセッサ212に、信号アンラッピングを実施させる命令を含むことができる。追加または代替的に、アプリケーションプログラム238は、プロセッサ212に、アーティファクトを識別および/または補正させる命令を含むことができる。
【0070】
アプリケーションプログラム238は、プロセッサ212に、たとえば、セグメント化を実施させる命令を含むことができ、様々な組織タイプを区別する。アプリケーションプログラム238は、プロセッサ212に、定量化を実施させる命令を含むことができ、たとえば、閉解剖学的構造への、およびそこからの、または2つ以上の解剖学的構造を通じる血流を比較する。アプリケーションプログラム238は、プロセッサ212に、定量化を使って結果を検証させる命令を含むことができ、たとえば、一定の組織の識別を確認し、かつ/または結果における確実性の量のインジケーションを提供する。アプリケーションプログラム238は、プロセッサ212に、定量化を使ってシャントの存在を識別させる命令を含むことができる。
【0071】
アプリケーションプログラム238は、プロセッサ212に、血流を反映する画像を生成させる命令を含むことができ、たとえば、動脈および静脈血流を区別する。たとえば、動脈血流を示すのに第1の色マップ(たとえば、青)が、静脈血流を示すのに第2の色マップ(たとえば、赤)が利用されてよい。収差(たとえば、シャント)が、いくつかの他の、特徴的色または視覚的強調を使って示されてよい。色マップを生成するために、色伝達関数が適用されてよい。アプリケーションプログラム238は、プロセッサ212に、フローの視覚化(たとえば、血流速度および/またはボリュームを示すMRI位相データ)を、解剖の視覚化またはレンダリングされた画像(たとえば、MRIマグニチュードデータ)に重ね合わさせる命令を含むことができる。命令は、フロー視覚化を、解剖の画像上の1つまたは複数のレイヤとしてレンダリングさせて、解剖(すなわち、マグニチュード)とフロー(すなわち、位相)情報の融合を、たとえば色熱マップとして、ならびに/または方向およびマグニチュード(たとえば、長さ、線重みによって表される)をもつベクトル(たとえば、矢印アイコン)として提供することができる。命令は、追加または代替的に、空間マッピングの生成または信号分散、乱れおよび/もしくは圧力の視覚化を引き起こすことができ、これらは、解剖学的構造の空間マッピングまたは視覚化に重ねられ、または重ね合わせられてよい。位相または速度関連情報の視覚化を、解剖学的情報の視覚化または解剖学的構造の視覚表現と融合することは、解剖学的目標の識別を容易化することができる。命令は、グラフィックス処理ユニットまたはGPUのセットまたはアレイを利用して、視覚化を迅速にレンダリングすることができる。
【0072】
伝達関数はまた、どの組織にどの視覚効果(たとえば、色)を適用するかを決定するために適用されてよい。たとえば、動脈血流は青の階調で、静脈血流は赤の階調で色付けされてよく、脂肪組織は黄色として色付けされる。MRI画像データセット中のマグニチュードとして表される解剖学的構造は、たとえば、グレースケールを使って視覚化されてよい。ビューの深度は、たとえばグラフィカルユーザインタフェースにおけるスライダ制御を介して、オペレータまたはユーザ調節可能であってよい。したがって、視覚化は、x有利には速度情報の視覚表現を解剖学的情報または表現の視覚表現と融合する融合ビューの形であってよい。
【0073】
アプリケーションプログラム238は、プロセッサ212に、特定の患者とMRI獲得システム102を操作する際に使用するための患者特有4Dフロープロトコルを生成させる命令を含むことができる。そのようなものは、たとえば技師によって提供される患者特有入力に基づいてよく、MRIデータセットをキャプチャするのに使われる特定のMRIマシンに基づいてよい。
【0074】
アプリケーションプログラム238は、プロセッサ212に、時間敏感および安全な方式で、MRI獲得システムから画像データセットを受信させ、画像データセットを処理および/または分析させ、処理および/または分析された画像および他の情報を、画像処理から離れて位置するユーザへ提供させる命令を含むことができる。そのようなものは、様々な図面を参照して、本明細書において詳しく記載される。
【0075】
システムメモリ214は、通信プログラム、たとえば、画像処理および分析システム104に、インターネット、イントラネット、エクストラネット、電気通信ネットワーク、または以下で説明される他のネットワークを介して電子情報またはファイルをサービスさせるサーバ244も含むことができる。図示される実施形態におけるサーバ244は、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)、拡張マークアップ言語(XML)または無線マークアップ言語(WML)など、マークアップ言語ベースであり、ドキュメントの構造を表すためにドキュメントのデータに追加された、統語的に区切られたキャラクタを使うマークアップ言語とともに動作する。いくつかの適切なサーバは、Mozilla、Google、マイクロソフトおよびAppleコンピュータからのものなど、市販されている場合がある。
【0076】
図2においては、システムメモリ214中に記憶されるものとして示されているが、オペレーティングシステム236、アプリケーションプログラム238、他のプログラム/モジュール240、プログラムデータ242およびサーバ244は、ハードディスクドライブ224のハードディスク226、光ディスクドライブ228の光ディスク232および/または磁気ディスクドライブ230の磁気ディスク234上に記憶されてよい。
【0077】
オペレータが、タッチスクリーンもしくはキーボード246および/またはマウス248などのポインティングデバイスなどの入力デバイスを通じて、ならびに/あるいはグラフィカルユーザインタフェースを介して、画像処理および分析システム104にコマンドおよび情報を入れることができる。他の入力デバイスは、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、タブレット、スキャナなどを含むことができる。これらおよび他の入力デバイスは、システムバス216に結合するシリアルポートインタフェースなどのインタフェース250を通じて、処理ユニット212のうちの1つまたは複数に接続されるが、パラレルポート、ゲームポートもしくは無線インタフェースまたはユニバーサルシリアルバス(「USB」)など、他のインタフェースが使われてよい。モニタ252または他の表示デバイスが、ビデオアダプタなどのビデオインタフェース254を介してシステムバス216に結合される。画像処理および分析システム104は、スピーカー、プリンタなどのような、他の出力デバイスを含むことができる。
【0078】
画像処理および分析システム104は、1つまたは複数のリモートコンピュータおよび/またはデバイスへの論理接続を使うネットワーク化環境200において動作することができる。たとえば、画像処理および分析104は、1つまたは複数のMRI獲得システム102に対しての論理接続を使うネットワーク化環境200において動作することができる。通信は、有線および/または無線ネットワークアーキテクチャ、たとえば、有線および無線企業内コンピュータネットワーク、イントラネット、エクストラネット、ならびに/またはインターネットを介してよい。他の実施形態は、電気通信ネットワーク、セルラーネットワーク、ページングネットワーク、および他のモバイルネットワークを含む他のタイプの通信ネットワークを含むことができる。画像処理および分析システム104、MRI獲得システム102の間の通信経路には、どの種々のコンピュータ、切替えデバイス、ルータ、ブリッジ、ファイアウォールおよび他のデバイスが存在してもよい。
【0079】
MRI獲得システム102は典型的には、MRIマシン108および1つまたは複数の関連プロセッサベースデバイス、たとえばMRI制御システム126および/またはMRIオペレータのシステム128の形をとることになる。MRI獲得システム102は、MRI情報またはデータセットを患者からキャプチャする。したがって、いくつかの事例において、MRI獲得システム102は、そのようなものを、いくつかの事例においてはMRIバックエンドシステムと名付けられる場合があるMRI画像処理および分析システム104と区別するために、フロントエンドMRI獲得システムまたはMRIキャプチャシステムと名付けられる場合がある。MRI獲得システム102は時々、各々が、本明細書において単数で参照されるが、これは、実施形態を単一のMRI獲得システム102に限定することを意図しているわけではない。典型的な実施形態において、複数のMRI獲得システム102が存在してよく、ネットワーク化環境200において多数のMRI獲得システム102が存在する見込みがある。
【0080】
MRI獲得システム102は、1つまたは複数のサーバコンピュータ(図示されず)に通信可能に結合されてよい。たとえば、MRI獲得システム102は、ファイアウォール156a(図1)を含むか、または実装することができる、1つまたは複数の診断機構サーバコンピュータ(図示されず)、ルータ(図示されず)、ブリッジ(図示されず)、LAN106a(図1)などを介して通信可能に結合されてよい。サーバコンピュータ(図示されず)は、臨床施設またはサイトでLAN106aを介して通信可能に結合された、いくつかのMRI獲得システム102(すなわち、クライアント)用のサーバとして機能し、したがって、MRI獲得システム102とMRI画像処理および分析システム104との間の媒介として作用するために、サーバ命令のセットを実行することができる。MRI獲得システム102は、WANを介して通信可能に結合されているサーバコンピュータのクライアントとして機能するために、クライアント命令のセットを実行することができる。
【0081】
MRI制御システム126は典型的には、1つまたは複数のプロセッサ(たとえば、マイクロプロセッサ、中央処理ユニット、デジタル信号プロセッサ、グラフィカル処理ユニット)と、非一時的プロセッサ可読メモリ(たとえば、ROM、RAM、Flash、磁気および/または光ディスク)とを含む。MRIオペレータのシステム128は、適切な命令を実行する、コンピュータ、たとえばパーソナルコンピュータ(たとえば、デスクトップもしくはラップトップコンピュータ)、ネットブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、携帯情報端末、ワークステーションコンピュータおよび/またはメインフレームコンピュータなどの形をとることができる。
【0082】
MRIオペレータのシステム128は、1つまたは複数の処理ユニット268と、システムメモリ269と、システムメモリ269を含む様々なシステム構成要素を処理ユニット268に結合するシステムバス(図示されず)とを含むことができる。
【0083】
処理ユニット268は、1つまたは複数の中央処理ユニット(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)、グラフィカル処理ユニット(GPU)などのような、どの論理処理ユニットであってもよい。市販されているコンピュータシステムの非限定的例は、米国インテルコーポレーションからの80×86またはペンティアム(登録商標)シリーズマイクロプロセッサ、IBMからのPowerPCマイクロプロセッサ、サンマイクロシステムズ社からのSparcマイクロプロセッサ、ヒューレットパッカード社からのPA−RISCシリーズマイクロプロセッサ、モトローラコーポレーションからの68xxxシリーズマイクロプロセッサ、ATOMプロセッサ、またはA4もしくはA5プロセッサを含むが、それらに限定されない。別段に記載されない限り、図2に示されるMRI獲得システム102の様々なブロックの構築および操作は、従来の設計である。その結果、そのようなブロックは、当業者によって理解されるので、本明細書においてそれ以上詳しく説明される必要はない。
【0084】
システムバスは、メモリコントローラ付きメモリバス、周辺バス、およびローカルバスを含む、どの知られているバス構造またはアーキテクチャを利用してもよい。システムメモリ269は、読取り専用メモリ(「ROM」)270およびランダムアクセスメモリ(「RAM」)272を含む。ROM270の一部を形成することができる基本入出力システム(「BIOS」)271は、起動中などに、MRI獲得システム102内の要素の間で情報を転送するのを助ける基本ルーチンを含む。
【0085】
MRIオペレータのシステム128は、コンピュータ可読記憶媒体274、たとえば、ハードディスク、光ディスク、および/または磁気ディスクから読み取り、そこに書き込むための、1つまたは複数の媒体ドライブ273、たとえば、ハードディスクドライブ、磁気ディスクドライブ、ワームドライブ、および/または光ディスクドライブも含むことができる。非一時的コンピュータ可読記憶媒体274は、たとえば、取外し可能媒体の形をとることができる。たとえば、ハードディスクはWinchesterドライブの形をとることができ、光ディスクはCD−ROMの形をとることができ、磁気ディスクは磁気フロッピーディスクまたはディスケットの形をとることができる。媒体ドライブ273は、1つまたは複数のシステムバスを介して処理ユニット268と通信する。媒体ドライブ273は、当業者によって知られているように、そのようなドライブとシステムバスとの間に結合されたインタフェースまたはコントローラ(図示されず)を含むことができる。媒体ドライブ273、およびそれらの関連非一時的コンピュータ可読記憶媒体274は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールおよび他のデータの不揮発性記憶をMRI獲得システム102に提供する。ハードディスク、光ディスクおよび磁気ディスクなどのコンピュータ可読記憶媒体274を利用するものとして記載されているが、MRIオペレータのシステム128は、磁気カセット、フラッシュメモリカード、デジタルビデオディスク(「DVD」)、ベルヌーイカートリッジ、RAM、ROM、スマートカードなどのような、コンピュータによってアクセス可能なデータを記憶することができる他のタイプの非一時的コンピュータ可読記憶媒体を利用してよいことが、当業者には諒解されよう。データまたは情報、たとえば、電子もしくはデジタルファイルまたはそのようなものに関連したデータもしくはメタデータは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体274中に記憶されてよい。
【0086】
オペレーティングシステム、1つまたは複数のアプリケーションプログラム、他のプログラムまたはモジュールおよびプログラムデータなどのプログラムモジュールが、システムメモリ269中に記憶されてよい。プログラムモジュールは、MRI処理および分析システム104によってホストされるかまたは提供される、ウェブサイト、エクストラネットサイトまたは他のサイトもしくはサービス(たとえば、ウェブサービス)および関連ウェブページ、他のページ、スクリーンまたはサービスにアクセスするための命令を含むことができる。
【0087】
特に、システムメモリ269は、MRI獲得システム102が、MRI処理および分析システム104によって提供されるMRI画像処理および/または分析サービスと、電子またはデジタル情報またはファイルまたはデータもしくはメタデータを交換することを許可する通信プログラムを含むことができる。通信プログラムは、たとえば、MRI獲得システム102が、情報、ファイル、データおよび/またはメタデータにアクセスし、インターネット、法人イントラネット、エクストラネット、または他のネットワークのウェブサイトなどのソースと交換することを許可するウェブクライアントまたはブラウザであってよい。そのようなものは、エンドユーザクライアントが、所与のウェブサイト、たとえば、MRI処理および分析システム104によってホストされるものにアクセスするための十分な権利、許可、特権または権限を有することを求める場合がある。本明細書において論じられるように、患者識別用データは、臨床施設によって、またはそのために操作されるシステム上に常駐してよく、画像処理機構または画像処理機構担当者によって、またはそのために操作されるシステムによって、またはシステムを通じてアクセス可能でない場合がある。ブラウザは、たとえば、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)、拡張マークアップ言語(XML)または無線マークアップ言語(WML)など、マークアップ言語ベースであってよくドキュメントの構造を表すためにドキュメントのデータに追加された、統語的に区切られたキャラクタを使うマークアップ言語とともに動作することができる。
【0088】
システムメモリ269中に記憶されるものとして記載されているが、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、他のプログラム/モジュール、プログラムデータおよび/またはブラウザは、媒体ドライブ273のコンピュータ可読記憶媒体274上に記憶されてよい。オペレータが、タッチスクリーンもしくはキーボード276および/またはマウスなどのポインティングデバイス277などの入力デバイスを通じて、ユーザインタフェース275を介してMRIオペレータのシステム128にコマンドおよび情報を入れることができる。他の入力デバイスは、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、タブレット、スキャナなどを含むことができる。これらおよび他の入力デバイスは、システムバスに結合するシリアルポートインタフェースなどのインタフェースを通じて、処理ユニット269に接続されるが、パラレルポート、ゲームポートもしくは無線インタフェースまたはユニバーサルシリアルバス(「USB」)など、他のインタフェースが使われてよい。ディスプレイまたはモニタ278が、ビデオアダプタなどのビデオインタフェースを介してシステムバスに結合されてよい。MRIオペレータシステム128は、スピーカー、プリンタなどのような、他の出力デバイスを含むことができる。
【0089】
MRI画像処理および分析システムは静的インタフェースを構築することができ、このインタフェースは、様々な組織タイプがMRI 4Dフローデータセットに差し引かれるか、または追加されることを可能にする。たとえば、脂肪または骨などの静的組織は、空気または流れている血液などの非静的組織とは区別されてよい。MRI画像処理および分析システムは、様々な非静的組織をさらに自律的に区別することができ、たとえば、空気(たとえば、肺)と流れている血液とを区別する。さらに、MRI画像処理および分析システムは、動脈および静脈血流を区別することができる。
【0090】
たとえば、MRI画像処理および分析システムは、拍動パターンまたは波形を有することが期待される血液組織を識別するのに、高速フーリエ変換を利用することができる。空気または肺は、隣接ボクセルの速度が比較されると、定義されたボリュームにわたってランダム出現パターンを有する傾向がある。たとえば、強力な、または速い速度をもつボクセルは、典型的には、空気を示す。MRIデータセットはかなり大きく、たとえば256×256×256×20個の時間点であってよい。MRI画像処理および分析システムは、異なる組織タイプを検出するために勾配(たとえば、勾配降下方法)に依拠してよく、有利には、比較的大きいMRIデータセットを迅速に扱うために、分析的解決手法よりもむしろ数値的手法を利用してよい。数値的手法の大幅な桁(たとえば、2)の数を制御することによって、MRI画像処理および分析システムは、特定のアプリケーション向けに十分に正確な結果を依然として取得しながら、非常に速い(たとえば、30分とは反対に、1秒)結果を達成することができる。
【0091】
いくつかの実装形態において、異なる組織タイプが、一度に1つ、患者MRIデータセットから差し引かれてよい。たとえば、空気または肺を差し引き、血液を差し引き、静脈流から心房を分離し、骨を差し引き、脂肪を残す。特に、脂肪は静的であるので、脂肪を表す各ボクセルは、それに関連付けられたゼロ速度を有するべきである。MRI画像処理および分析システムは有利には、このようなグランドトゥルースを、すべての組織タイプ向けにMRIデータセットを補正するのに利用することができる。
【0092】
非ゼロ速度が脂肪タイプ組織用に見つかった場合、これは、(たとえば、すべての組織についての)データのセット全体を調節するのに使われてよい。たとえば、MRI画像処理および分析システムは、識別されたエリアまたはボリューム(たとえば、脂肪または軟組織)に基づいて多項式モデルを生成または作成することができる。そのようなものは、単純多項式(たとえば、ax2+bx+c)またはいっそう複雑な多項式(たとえば、非有理一様bスプライン)であってよい。MRI画像処理および分析システムは、たとえば直線回帰技法または線形代数技法を使って、多項式に対する係数が画像に合うことを見つけることができる。これは、MRI画像処理および分析システムが、脂肪または軟組織だけではなく全フィールドに適用する(たとえば、そこから差し引く)ことができるモデルという結果になる。
【0093】
一実装形態において、実際の患者データから差し引かれてよいデータの参照セットまたは「ファントム」モデルを作成するために、レプリカ体が撮像される。レプリカ体は、血流はもたないが、実際の肉体のMRI応答を模倣する材料で形成されてよい。データの参照セットまたは「ファントム」モデル中の位相勾配は、ノイズ(たとえば、ランダムノイズ)を表すことができ、位相シフトを補正するのに使われてよい。この手法は有利には、3Dデータに合う多項式を生成する必要を避ける。生成された参照セットまたはファントムモデルは、数か月のMRIマシン操作にわたって有効であってよいが、MRIマシンがサービスされるか、または動かされた場合、参照データの新規セットまたはファントムモデルが生成されるべきである。
【0094】
MRI画像処理および分析システムは、異なる組織タイプを取り除くための、または静脈もしくは心房血流のいずれかを取り除くための様々なフィルタまたはマスクを定義することができる。フィルタまたはマスクは、何らかの妥当な範囲の外(たとえば、高すぎるかもしくは速すぎる、遅すぎるかもしくは低すぎる)または血流があるはずのない解剖学的構造(たとえば、骨)の中を血液が流れているように見える血流などの異常血流を取り除くことができる。フィルタまたはマスクはまた、何らかの閾値値よりも大きい絶対値をもつマグニチュードを有するボクセルのみを表示するように定義されてよい。フィルタまたはマスクはまた、絶対値が何らかの定義された閾値よりも大きい、マグニチュードと速度ベクトルのクロス積の絶対値をもつボクセルのみを表示するように定義されてよい。さらに、高速度ジェットをたとえば識別するか、または閲覧するために、隣接ボクセルのベクトルと同じ方向のベクトルを有するボクセルのみを示すフィルタまたはマスクが定義されてよい。特に、隣接ボクセルの速度ベクトルは異なる方向であり、ノイズのインジケーションであってよい。
【0095】
前処理
質量保存補正エラー低減
この前処理アルゴリズムのゴールは、フローデータを補正すること(セグメント化、フロー定量化、およびバックグラウンド位相エラー補正)である。補正される必要がある3つのフローデータセット、すなわち、i)x速度、ii)y速度、およびiii)z速度がある。撮像アーティファクト(たとえば、乱れ)およびノイズにより、フローデータは偏りがある。これを補正するために、質量保存(すなわち、物理的原理)が、フローデータを補正するのに使われる。質量保存は、閉システムの質量が、それが追加または取り除かれない場合、量を変えることができないので、時間が経過しても一定のままであることを我々に伝える。したがって、境界が心臓内に定義される場合(すなわち、心腔および血管の管腔境界)、固定ボリュームに入るフローは、体液が圧縮不能な場合、ボリュームを出るフローと一致しなければならない。この理論は、どのボリュームにも適用されてよい。血流のケースにおいて、我々は、血液濃度が一定であるという仮定を行い、したがって、連続方程式は、速度場の発散がどこにおいてもゼロであることを意味するように簡約する。物理的に、これは、ローカルボリューム膨張レートがゼロである(すなわち、du/dx+dv/dy+dw/dz=0)と言うことと等価である。この条件をどこにおいても強制することは不可能であるが、ローカルボリューム膨張は、すべての時間点にわたって最小限にされることが可能である。du/dx+dv/dy+dw/dzを最小限にする、いくつかの異なるタイプのアルゴリズムがあるが、最も共通するものは、フローフィールドの最小2乗発散なし近似を生成するアルゴリズムである。発散を最小限にするという制約をもつフローフィールドへの最小2乗近似を構築するための、いくつかのやり方、およびこれを達成するためのいくつかの異なるアルゴリズムがある。
【0096】
典型的には、あらゆるパスを用いて残差発散を最小限にしようとする関与する反復手法がある。さらに、血管/腔の厳密な境界を知ることが、境界を通じてゼロ磁束を確実にするためには重要である。境界なしでは、フローは、心筋および脂肪の中に逃れることを可能にされる場合がある。さらに、画像中にアーティファクトがある場合がある(すなわち、乱れによって引き起こされる)。ユーザが、アーティファクト(「不良データ」)がある領域を識別した場合、この領域は、「良好データ」領域における速度値補正に影響するのには使われない。
【0097】
これを解決するための別の手法は、最適化を使うことであり、すなわち、元のベクトルフィールドが可能な限り変えられない(依然としてローカル効果をキャプチャし、平滑化を防止するために)ことを確実にしながら、発散を最小限にすることを試みる。
【0098】
運動量の保存が、壁面せん断応力に加え、血管にわたる圧力勾配を推定するために、以降の作用において適用されてよい。この質量保存ステップは、正確な圧力推定を確実にするのに不可欠である。
【0099】
時間ドメインを使う自動位相エイリアシング補正
4Dフロースキャン用に設定されたVENCが低すぎて速度値を大きい正の値から大きい負の値に、またはその反対に「ラップ」させたとき、位相エイリアシングが起こる。原理上、このラッピングは2回以上起きてよい。
【0100】
速度データの全体的時間変動を分析することによって、心周期(他の箇所で記載される)のメイン点を決定することが可能である。ピーク拡張期での画像中に速度エイリアシングがないという仮定の下で、また、空間中の一地点での速度が、現実には、ある時間点から次までに+/−VENCを超えては変動しないという仮定の下で、以下のように、空間中の各点の時間変動を調べることによって位相エイリアシングを補正することが可能である
i)ピーク拡張時間点を識別し、その点では位相エイリアシングがないと仮定する。
ii)各獲得された速度成分の時間挙動を個々に調べる。
iii)各速度画像中の空間中の各点(ボクセル)について、ある時間点から次までの速度の変化を追跡する。速度が、+/−VENCを超えて変動することが観察された場合、エイリアシングが起きたと仮定する。
iv)エイリアシングが検出されたとき、その点についてのラップカウントは、観測された速度がVENCを超えて低減した場合は増分されるか、または観測された速度がVENCを超えて増大した場合は減分されるかのいずれかである。
v)各時間点で、速度は、VENCの2倍をもつラップカウントの積を追加することによって、その点についての現在の累計ラップカウントに従って改変される。
vi)現在の時間点が初期ピーク拡張開始点に戻ったら、ラップカウントがゼロの値に戻ったかをチェックする。ラップカウントがゼロに戻っていない場合、空間中のその点(ボクセル)の処理は、エラーであると見なされるべきである。
【0101】
方法は、対象のピクセルを決定するために他の方法を使うことによって、向上され、よりパフォーマントにされる可能性がある。たとえば、血流を表す見込みが最もあるピクセルを決定し、これらのピクセルのみを処理するために他の方法を使ってよい。
【0102】
この方法は、自己診断するという特性および利点も有する。すべての有効な血液ボクセル(たとえば、空気とは反対に)についてのラップカウントは、時間をかけたそのボクセル向けの処理が終了したとき、ゼロに戻るべきである。ボクセル単位でエラーが追跡されてよいが、これは、エラー検出のこの方法が、あらゆるエラーボクセルを捕えることを保証されるとは限らないという弱点を有する。ただし、さらに、補正が適用されたピクセルの数の断片として低い全体的エラーレートを探すことによって、方法によって求められる必要な初期仮定が概ね正しいかどうかを確かめることができる。
【0103】
自動位相エイリアシング補正
4Dフロースキャン用に設定されたVENCが低すぎたとき、位相エイリアシングが起こる。エイリアシングされたボクセルを見つけることは、以下のことにより、非常に簡単である。
i)各スキャンのVENCは、この情報がDICOM画像すべてのヘッダファイル中にあるので、知られている。
ii)+/−VENC速度前後のフロー速度の急激な変化を識別する(すなわち、VENCが100cm/sに設定されている場合、+/−99cm/s前後の速度の急激な変化を探す)。速度の急激な変化は、ボクセルが100cm/sの速度値を有する可能性があり、近接ボクセルが−99cm/sの値を有することを意味する。
iii)次いで、+/−VENC前後に急勾配を有するボクセルすべてを接続することによって、エイリアシングされた領域のボーダーを見つける。
iv)これは、囲まれた境界という結果になる。囲まれた境界の領域中のボクセルすべてがエイリアシングされるかどうかを決定する。境界で開始し、3D領域の中心に向かって動くことによって、システムは、大幅な急騰が(VENCにわたって)ないことを確実にするために、あらゆるボクセルを取り調べることができる。
v)著しい急騰に遭遇しなかった場合、VENC速度が、エイリアシングされた領域内のすべてのボクセルに追加されてよい。
vi)著しい急騰に遭遇した場合、問題は少し困難になる(が、依然として解決可能である)。この場合、ボクセルが何回かラップされてよい(すなわち、VENCが100cm/sに設定されているがボクセルでの速度が実際には499cm/sである場合、これは、2回ラップされ、速度は99cm/sと示される)。データを補正するやり方は、隣接ボクセルの速度に注目することである。VENCの1.5倍を超える急騰があった場合、2*VENCが、その密閉領域中で追加されるか、または差し引かれる必要がある。追加するか、それとも差し引くかの選択は、隣接ボクセルにわたる不連続性を最小限にするように選ばれる。
vii)アルゴリズムをさらに向上するために、どこが静的組織であるかについての情報が、どこが絶対ゼロでなければならないかを定義する際に不可欠である場合がある。静的組織は0速度を有するので、静的組織であると識別されるボクセルはラップされなければならない。次いで、物理的プロパティによる壁面(すなわち、体液境界レイヤ)から離れていく速さの継続的増大がなければならない。これのすべてにおける唯一の仮定は、隣接ボクセルが、互いにわたって1.5*VENCを超える急騰をもたないことである。
【0104】
スプラインリアルタイム渦電流補正
MRI獲得が実施されるとき、データは、磁界中の渦電流によるアーティファクトを含む場合がある。粒子速度が獲得される4Dフロー獲得において、アーティファクトは速度値を不正にさせる。4Dフローおよび2D位相対比(「2D PC」)では、血管を通る血流を定量化するために、正確な速度データを有することが不可欠である。
【0105】
渦電流アーティファクトを補正するための少なくとも1つの技法は、以下を伴う。
【0106】
−静的(ゼロ速度)組織のボリュームセグメント化と、
−これらの静的ロケーションでは、未加工データから差し引かれてよいボリュームに曲線を合わせるように、速度データを使うこと。
【0107】
個々の速度ピクセルを使ってモデルを算出することが可能であるが、結果として生じた行列は非常に大きく、算出には非常に長い時間がかかる場合がある。算出を促進するために、ボリュームは、有効には低減された分解能速度ボリュームであるものを生じるように、ブロックのグリッドに分割されてよい。ブロックの次元は、ユーザによって調節可能でよいが、典型的には、たとえば8mm×8mm×8mmである。個々のブロックが次いで、マスクされるか、またはブロックによって定義された領域内での平均マスクなし速度を表す値を割り当てられるかのいずれかであってよい。値を割り当てられる(言い換えると、マスクなしと見なされる)ために、領域のユーザ調節可能断片(たとえば、50%)がマスクなしであるべきである。モデルは次いで、この低減分解能ボリュームにおけるマスクなし速度値を使って計算される。
【0108】
渦電流エラーのモデルを生じる一方法は、スプライン基底関数を使って、マスクあり領域を埋めるものであり、ここにおいて、スプラインの次数は、利用可能制御値の数により変動する場合がある(最も単純なオプションは、制御値の間の区分的一次関数)。スプラインは、すべての3つの主方向での制御点の間で生じられる。3つの結果として生じたモデルは次いで、単一モデルおよび平滑化された最終結果を生じるように平均される。
【0109】
渦電流エラーのモデルを生じる第2の方法は、低次3次元多項式を直接、低減された分解能ボリュームにおけるマスクなし速度値に合わせることである。
【0110】
ボリュームの分解能は大きく低減されているので、これらの方法は両方とも、効率的オプションであり、実行時に容易に実行されることが可能である。
【0111】
渦電流エラーの低減された分解能のモデルは、生じられると、元の分解能までアップサンプリングされ、次いで、元のデータから差し引かれる。差し引いた後、静的組織は、ゼロの有効速度を有するはずであり、非静的組織は、渦電流アーティファクトが取り除かれることになる。これは、正確なフロー定量化をできるようにする。我々のテストデータの分析に基づいて、この新規および革新的手法からの結果は、ボリューム中のエラーを表す平滑3D時変関数であり、算出するのが非常に速い。
【0112】
我々のテストデータの分析に基づいて、この新規および革新的手法からの結果は、ボリューム中のエラーを表す平滑3D時変関数であり、算出するのが非常に速い。
【0113】
元の分解能までアップサンプリングする最終ステップのために、補正アルゴリズムを適用する我々の手法は、補正ボリュームからの3線サンプリングを使うことであったが、これは成功したことが判明した。ソースボリューム中の各要素について、我々は、補正ボリューム中の8つの要素の3線ブレンドを実施し、その値をソースデータから差し引く。我々の新規補正関数を適用した後、フロー測定は、3%のエラー以内であることが分かった。さらに、プロセスの一部がユーザ対話を求めるとき、我々の新規補正を評価し、適用するのには、時間ではなくミリ秒のオーダーがかかるので、リアルタイム実施のための要件も満たされた。
【0114】
バックグラウンド位相エラー補正のための立体
フロー4D MRIスキャンにおける血液速度情報は、正確な血流算出を得るために補正される必要があるエラーを有する。静的組織中のエラー信号は、非静的組織に補正関数を提供するのに使われてよい(他の箇所で記載される)。立体と呼ばれる、組織の3次元ボリュームが、静的または非静的組織のいずれかのセクションを識別するために作成されてよい。立体は、2つの方法を使って作成されてよい。
【0115】
直交輪郭:ユーザは、閉輪郭によって定義された、何らかの数(典型的には3つ、典型的には直交する)の交差円柱を手描きすることができる。これらの輪郭の交差は、静的または非静的組織のいずれかの立体の、3次元ボリュームを表す。輪郭は、完璧に直交である必要はなく、ユーザは、どのロケーションでも輪郭を作成してよい。
【0116】
3Dフラッド:ユーザはあるいは、3次元フラッドの開始点を指定することによって立体を自動的に作成することを選んでよい。フラッドは、位相画像を含むどの画像に対して使われてもよい。画像は、ユーザがクリックした点での値を下回る、および上回る閾値に基づいてフラッドされる。ユーザは、閾値と、生成されるフラッドの最大半径の両方を制御することができる。
【0117】
静的および非静的組織の両方のエリアをマークするためのいずれかの方法を使って、複数の立体が作成されてよい。非静的組織に関連付けられたマスクは、一緒に追加される。静的組織に関連付けられたマスクは次いで、使われ、以前マスクされた領域を必要に応じてオーバーライドし、またはアンマスクするために使用される。
【0118】
いくつかの状況において、画像中にアーティファクトがある。アーティファクトは、ユーザが正しくない診断を与えるのを防止するために、削除またはハイライトされる必要がある。我々のソフトウェアは、データセット中のボクセルすべてに基づいてメトリックを計算する前処理ステップ(すなわち、渦電流補正)を有する。これらの前処理ステップを避けるために、アーティファクトを有するボクセルを識別するためのツールが使われ、これらのボクセルは、どの前処理ステップからも取り除かれる(ただし、視覚化目的のためには取り除かれない)。ツールは、手動セグメント化ツール(すなわち、ユーザが、アーティファクトを有するエリアを丸で囲む)、またはアーティファクトを識別する半自動/自動セグメント化ツールであってよい。ツール特質にかかわらず、我々のソフトウェアは、「不良ボクセル」が定量化されるのをやめさせるための特徴を必要とする。
【0119】
自動バックグラウンド位相エラー補正
フロー4D MRIスキャンにおける速度の正確な測定は、渦電流によってもたらされる偽信号向けの補正の適用を求める。渦電流補正(ECC)を決定することは、静的(動かない)組織における速度信号を調べることによって行われる。これは、すべての動く組織、血液および空気のマスキングを求める。この主張は、これを、ユーザ介入なしで自動的に行うための方法を記載する。自動補正は、ソフトウェアを、使うのにより単純およびより迅速にするだけでなく、ユーザがスタディを最初にオープンするときに補正が事前計算され、適用されることを可能にするので、有用である。自動補正はまた、ECCから利益を受けるために、自動セグメント化および測定のようなことを行って、他の前処理アルゴリズムを可能にするので、非常に重要である。
【0120】
自動ECCは、3つのフィルタについての初期開始値を計算することによって行われ、これらは、ユーザが次いで、スタディがオープンした後に自由に調節する。空気は、設定された閾値を下回る解剖画像値をもつ領域をマスクアウトすることによってマスクされる。この閾値は、スキャンされたボリューム全体に及ぶ解剖画像値についてのヒストグラムの分析によって自動的に決定される。胸腔にわたるこれらの値についてのヒストグラムは、空気に対応する画像値の自動検出をできるようにするパターンを表示する。
【0121】
さらに、血流の領域および心臓壁動きの領域を確実に検出する2つのフィルタが開発されている。心臓の領域は、これらの2つのフィルタを適切に設定することによって満足にマスクアウトされてよい。これらのフィルタの、本来一貫性のある性質とともに製造において使われる正規化により、単にこれらのフィルタを所定の値(たとえば、50%)に設定することによって、満足できる結果が取得される場合がある。これらのフィルタの自動設定は、空気の領域の検出のための、前の段落において記載されたことと同様の、これらのフィルタによって生じられた値の分析によってさらに向上される(または微調整される)場合がある。設定は、結果として生じたECCを調べ、心周期にわたる大きい変動を示す領域を探すことによって微調整されてもよい。
【0122】
スタディが前処理されるときに決定された、これらのフィルタ用の正しい値は次いで、他のスタディ情報とともにデータベース中に単に記憶され、スタディが最初にオープンされるときに、クライアントソフトウェアが、これらをデフォルト値として設定することを可能にする。
【0123】
視覚化
時間的目標定量化および視覚化
体の中の、具体的には心臓の中の目標(すなわち、点、線、面、エリア、ボリューム)を識別することができることは、有用である。いくつかの目標は、性質が動的であり(たとえば、僧帽弁面)、したがって、それらの動きを時間内に追跡することが重要である。
点:時間経過に伴って3D経路(線である)を追跡する。
線:時間経過に伴って2つのエンドポイントの3D経路を追跡する。
面:時間経過に伴って面上の点および面の法線ベクトルを追跡する。
エリア:時間経過に伴って、膨張する輪郭、輪郭中心、および輪郭法線ベクトルを追跡する。
ボリューム:時間経過に伴って、ボリュームの表面を離散化し、各離散化された点を追跡する。
【0124】
時間的目標定量化および視覚化に対する2つの作用がある。
【0125】
1)検出:第1のステップは、時間経過に伴って目標を識別するものである。これは、手動でまたは自動的に行われてよい。
手動検出:ユーザは、各目標の位置および配向を示すことができる。これを行う一方法は、画像の中心が目標の所望のロケーションにあるようにパンおよび回転を使って画像をナビゲートするものであってよい。目標のロケーションは、異なる時間点では異なってよく、ユーザが明示的にロケーションを設定していない時間点について補間されることになる。それは、目標が補間された場合、ユーザに対して示される。
【0126】
2)ディスプレイ:目標のタイプに依存して、データを表示するための異なるタイプの方法が使われる。たとえば、輪郭が、動かず、または変わらない場合、その時間経過に伴う法線ベクトルであり(すなわち、単に広がり)、ユーザのビュー面が変わらず、常に輪郭と整列されることは道理にかなう。この輪郭が動かない場合、我々は、ビューが各時間点について面と常に整列されるような面に続くことを想像することができる。ビュー面は、ラグランジュ視点から、またはオイラー視点からのいずれかであってよい。ボリュームに対しては、ボリュームの表面が広がり、空間中で固定されているカメラで視覚化されてよい(ユーザは、必要に応じてカメラロケーションを変えることができる)オイラー視点がより適切である。
【0127】
心臓ビュー:目標が検出されると、左心室頂点、右心室頂点、僧帽弁、三尖弁、大動脈弁、および肺動脈弁が、右および左心室の両方の2腔、3腔、4腔、および短軸ビューを作成するのに使われてよい。これらのビューの配向は、Mayo Clinic Guide to Cardiac MRにおいて指定される。各ビューについての配向およびズームレベルは、目標の位置から計算されてよい。目標の位置が時間で変化する場合、それに従ってビューは時間で変化する。
【0128】
各ビューについての例示的目標:
左2腔:大動脈弁、僧帽弁、三尖弁、左心室頂点
左3腔:大動脈弁、僧帽弁、左心室頂点
左4腔:三尖弁、僧帽弁、左心室頂点
左短軸:僧帽弁、左心室頂点
右2腔:肺動脈弁、三尖弁、僧帽弁、右心室頂点
右3腔:肺動脈弁、三尖弁、右心室頂点
右4腔:三尖弁、僧帽弁、右心室頂点
右短軸:三尖弁、右心室頂点
対話式目標ベースビュー
いくつかの目標が置かれる(たとえば、大動脈弁、僧帽弁、左心室頂点、前乳頭筋、後乳頭筋、肺動脈弁、三尖弁、右心室頂点、LPA、RPA、SVC、IVC、下行大動脈)と、対象の解剖を表示するために自動ビューが作成されてよい。臨床医は、3つの垂直ビューをもつ一定の目標を見ること、または心臓のケースでは、4腔ビューまたは左もしくは右心室2もしくは3腔ビューを使うのに慣れている。時間点のうちの1つについてただ1つの目標のロケーションを更新することによって、それに従って、ビューが常に垂直であるか、または2、3、および4つの腔ビューがそのままであるかのいずれかであるように、すべてのビューが更新する。目標が置かれ、ビューが自動的に生成されると、これらのビューは、ソフトウェアのレポートセクション中に保存され、シネ動画(すなわち、時間経過に伴う複数の画像)を含む任意のフォーマット(すなわち、画像)でエクスポートされる。
【0129】
閉輪郭からの4Dメッシュ作成
各時間点についての短軸(場合によっては曲線)に沿って輪郭が置かれると、メッシュは次いで、各時間点について独立して生成される。これは、ねじりを最小限にするように、短軸スタックにおいて各輪郭を回転し、次いで、各輪郭中の第1の点を接続する開いた3次スプライン、第2の点を接続する第2のスプラインを生成し、輪郭中の各点についてそのようにすることによって行われる(各スライスの輪郭は、同じ数の点を有する)。このプロセスの結果は、我々がメッシュの頂点として使う点の円柱格子である。
【0130】
ねじりを最小限にするプロセスは、ある輪郭の中心から上の輪郭の中心までの開いた3次エルミートスプラインを計算し、次いで、このスプラインを、下方輪郭上の各点から、その上の、輪郭がある面と交差するまで延ばすことによって行われる。システムは、この交点を計算し、次いで、これらの交点のうちのどれが、上方輪郭中の実際の輪郭点の最も近くにあるかを決定する。輪郭は次いで、これらの2つの点が同じ長軸スプライン上になるように回転される。
【0131】
本実装形態は、輪郭がある程度円形であり、近隣輪郭の間の差が空間的に最小であるとき、曲線および直線軸の両方である程度うまくいく。ただし、輪郭が円形でない右心室のケースにおいては、本実装形態によって過度のねじりがもたらされることがある。これを最小限にするために、我々は、長軸スプライン手法を捨て、任意の2つのスライスの間の三角形の数が異なってよいものに切り替えるべきである。これを行うことは、より局地的にねじりを最小限にし、これは、全体的なより平滑なメッシュという結果になる。
【0132】
スナップ−フローツール
フロー4Dスキャンにおいて血流を正確に観測または測定することは、ユーザに、MPRを、フローの方向と垂直になるように整列することを求める。これは、ユーザがMPRの正しい配向を自動的に設定することを可能にするツールを作成するための方法を記載する。
【0133】
MPRを整列するために、ユーザは最初に、ツールをアクティブ化し、次いで、問題となっている血流の中心領域をクリックする。クリック点は次いで、MPRが整列されるとき、回転の中心として働き、クリック点を、結果として生じたMPRの中心に動かす。整列は、クリック点の辺りの小さい領域中の血流の平均をとることによって行われる。これを正確に行うために、測定は、ユーザがツールを使いながら現在見ている時間点にかかわらず、ピーク血流に対応する時間点を使って行われる。これは概して、ピーク収縮期における測定を行うことを含意する。
【0134】
ユーザは、ピーク収縮期のための時間点を調節することを可能にされるが、この点は、データセットの前処理中にソフトウェアを実行することによって、自動的に最初に決定され、この自動的値は、スタディが最初にユーザによってオープンされたとき、デフォルトとして使われる。スキャンされたボリューム内の血流の領域を自動的に決定するためのフィルタが開発されている(他の箇所で記載される)。ピーク収縮期が次いで、血液に対応すると決定された、フィルタリングされたまたはマスク領域内で全体的フローの時間依存性を調べることによって決定される。
【0135】
フローの方向が正確に決定されると、フローに垂直な面の上になるようにMPRの配向を調節することは簡単である。
【0136】
定量化
自動血流定量化
腔および/または血管中の血流は、最初に血液プールを隔離し(この文書において記載されるセグメント化方法を参照)、腔/血管中のフローにほぼ垂直な面を目標(上の方法を使って定義されてよい)上に置く(すなわち、面の法線がフローと整列される)ことによって、自動的に定量化される。これらの2つの作用が達成されると、面と血液プールとの間の交差が輪郭を作成する。輪郭内のボクセルはすべて、フラグ付けされる。次は、あらゆるボクセルが総フローを与えるために、面の法線ベクトルのドット積を、そのボクセルの速度ベクトルと合計する(ボクセルのエリアによって正規化することに加え)ことである。その輪郭でのフローは、スクリーン上または最終的にエクスポートされる可能性があるレポート中に自動的に表示されてよい。
【0137】
ユーザが画像上の位置を選択することを可能にすることは、多くの重要アプリケーションを有する。測定を実施する際、ユーザは、ある点から別の点までの距離を測定したい場合がある。データのボリュームからのMPRを使うアプリケーションにおいて、画像上の点は、3D空間におけるロケーションを表す。これらの3D点は、画像に関連付けられたメタデータから計算するのが簡単である。ボリュームレンダリングを使うアプリケーションにおいて、ユーザが3D空間中の点を選択することを可能にすることは、各ピクセルが異なる深度にある場合があるので、より難しい。
【0138】
アルファが1.0に達すると終結する増大アルファ合成関数を用いる典型的な前から後へのボリュームレイキャスティングにおいて、ピクセルの深度を決定することは、どこでレイが終結するかを追跡することによって行われてよい。後から前にレイキャストするとき、早期レイ終結はない。結果色は単に、合成関数に基づいて更新される。典型的には、合成関数は空気を透明にし、したがって、レイが目の最も近くで物質を出るとき、色は変化するのをやめる。いつ色が変化するのをやめたかを追跡することによって、各ピクセルについてのこの深度は、2Dユーザ選択座標を、空間中の3Dロケーションに変換して戻すのに使われてよい。この3Dロケーション選択は、血管を選択し、次いで、フローを自動的に定量化するのに使われてよい。
【0139】
自動シャント検出
シャントについての厳密なロケーションを見つけようとする代わりに、第1の操作は、シャントが存在するかどうかを識別することである。シャントが存在するかどうかを識別する1つの単純な方法は、左心臓フロー(Qs)および右心臓フロー(Qp)を測定するものである。QpおよびQsは、目標および血液プールセグメント化が完了されている場合、手動(たとえば、輪郭を置くことによって)または自動のいずれかで測定されてよい。これらの数が一定の閾値内で一致しない場合、スキャンは、シャントを潜在的に有するものとしてフラグ付けされてよい。
【0140】
これらの測定は、以下の技法を使って自動的に行われてよい。
i)心出力(Qs)の自動測定は、大動脈および肺動脈弁のロケーションの自動推定値とともに、大動脈および肺動脈流の両方のためのマスクの製造であるように、他の箇所で記載される。
ii)弁領域が識別されると、それらを取り出すのは簡単なタスクであり、すでに決定された肺動脈流領域は、弁からわずかに下流に動き、心出力について記載されたことと同様にしてフロー測定輪郭を生じる。肺動脈流を測定するのに適している輪郭が識別されると、既存のフロー測定アルゴリズムが、右心室からの出力を決定するのに使われてよい。
iii)シャントが存在する見込みを示すのに、自動フロー測定を使う。
【0141】
ピークおよび終期の収縮期および拡張期の自動検出
大部分の自動処理が、心周期中のメインの時間的目標、すなわちピークおよび終期の収縮期および拡張期に対応する時間点を最初に識別することができることに依存する。
【0142】
他の箇所で記載されるように、我々は、心臓の辺りの主幹動脈および静脈とともに心臓内の血流の領域を識別するために、速度画像に対してフーリエ分析技法を使うことが可能である。血流のこれらのメイン領域が識別されると、我々は、各時間点(典型的には、20個の時間点)で、識別されたボクセルにわたる総血流を見つける。システムは次いで、心周期中の目標を決定するために、結果として生じた時間の関数を分析することが可能である。大部分のフローをもつ時間点は最初に、ピーク収縮目標を割り当てられる。そこから、フローが安定する傾向がある点を決定するために、関数が両方の時間の方向において分析される。総フローが安定するピーク収縮期の前の点(急速に上昇し始めるすぐ前の点)は、終期拡張期に対応する。ピーク収縮期に続いて、総フローは、それが安定するまで急速に下落し、これは終期収縮期に対応する。ピーク拡張期は典型的には、明確な点ではないので、我々は、この時間的目標を、終期収縮期と終期拡張期との間の途中の点に置く。
【0143】
自動心出力およびボリューム測定
心出力の自動測定は、以下の方法を使って行われる。
i)速度画像のメインDFT構成要素の間の関係は、すでに決定されたピーク収縮目標(他の箇所で記載される)とともに、左および右心室からの動脈流のメイン領域を識別するのに使われる。
ii)2つの断片、すなわち大動脈および肺動脈流への動脈流領域を分離するために、様々なフロー連続性フィルタが次々と使われる。最も大きい速度をもつ初期動脈流マスクにおける点が、大動脈または肺動脈のいずれかの中にあることが知られている、信頼できる点を提供する。フローの2つの領域の分離は、たとえば、最大フローの点で始まってフラッドされてよい、結果として生じたフィルタ内の領域のサイズの調査によって決定されてよい。第1の断片が識別されると、たとえば、残りの領域中の最大フロー点からのフラッディングによって、第2の断片が識別されてよい。
iii)2つの領域、すなわち大動脈流に対応するものと肺動脈流に対応するものが識別されると、2つの領域は、限られた量を回復することを可能にされてよく(個々のピクセルは、一方のマスクまたは他方に割り当てられるだけである)、元の動脈流マスクは、増長の量に対する絶対限度を提供する。少なくともマスクのわずかな膨張を可能にすることはまた、先行プロセス動作が、結果として生じた領域に、方法における次のステップを妨げる傾向がある小さい穴をあけている可能性があるので、非常に重要な場合がある。
iv)2つのフロー領域は、それらの互いとの空間的関係、およびそれらの非常に異なる期待される形状および空間中での配向に基づいて大動脈および肺動脈流として識別されてよい。これが行われると、元の動脈流マスクは、2つの領域に本質的に分割され、一方は大動脈流とラベル付けされ、他方は肺動脈流とラベル付けされる。
v)大動脈は本質的に、1つのつながった管であるので、大動脈の経路は、動脈内の開始点から、2つの末端に達するまでたどられることが可能である。各点で、メインピーク収縮フロー方向は、点の辺りの小さい領域にわたって平均をとることによって決定されてよい。フロー方向への直交線が次いで、開始点から定期的な角度間隔で投影されて、マスクされた大動脈領域との境界を決定することができ、したがって、開始点の辺りのほぼ円形の輪郭を決定する。
vi)輪郭が、何らかの開始点について、メインフロー方向と直交する面上のポリゴンとして決定されると、開始点は、ポリゴンに中心を置き直す。この点で、中心点から、開始点からどの向きに我々がたどっているかに依存して、正または負のフロー方向で、小さいステップ(たとえば、1ミリメートル)がとられてよく、プロセスは次いで、繰り返される。これは、我々が各末端でマスクからステップアウトするまで続けられる。
vii)大動脈に沿って定期的間隔で輪郭が生じられると、本質的にメッシュを生じるが、それらは、解剖画像(血流強調データセットを扱う場合に可能)を使うか、または収縮時間点およびその間の補間についての貫通速度を使うかのいずれかによって、各個々の時間点で洗練される。1つの可能な手法は、各時間点における各輪郭についての所望の境界を正確に識別するのに、スネークアルゴリズムを使うものである。
viii)洗練された輪郭が決定されると、各輪郭の外および内径が測定され、外径は最も大きい直径であり、内径は、外径に直交する最も大きい直径である。
viii)次のタスクは、大動脈弁と、大動脈の最上部で起こる分岐との間の上行大動脈のメイン領域中の良好な輪郭を識別することであり、というのは、これは、心出力を測定するときに使われる必要がある領域だからである。これは、いくつかの作用において行われてよい。最初に、上行大動脈領域が、フロー方向によって下降領域から容易に分離される。残りの輪郭が次いで、大動脈中の一点で、空間的(大動脈に沿って)および時間的の両方で、輪郭エリアおよび直径(外および内)の連続性および変動性の組合せを使ってスコア付けされてよい。スコアは、個々の、高くスコア付けされた輪郭を単に識別するのとは反対に、良好なスコア付けの領域を探すために大動脈に沿って平均されてよい。この方法を使って、大動脈の最上部での分岐の近隣の領域を、ならびに大動脈弁の近くに、および左心室の中へのところに存在する可能性のある領域も、これらの領域は、それらの性質により悪いスコアになるので、排除することができる。
ix)上行大動脈の良好な領域が識別されると、最も高いスコアの個々の輪郭が、実際の心出力測定のために選択されてよい。可能な場合、上行大動脈に沿った複数の点で測定が行われ、これは、変動性を調べる(そうすることによって、測定不確実性の推定も提供する)ことによって、測定の品質の自動決定を提供するとともに、平均化を通じて結果を向上させる。さらに、上行大動脈に沿ったフローの複数の測定の結果を調べることは、現在適用されている速度渦電流補正の品質についての判断をできるようにする。
x)上行大動脈に沿って理想的輪郭が選択されると、通常のフロー測定技法によって心出力が決定される。
【0144】
4Dボリューム測定
特定の領域のボリュームを算出するために、我々は、Arterysクラウドインタフェースにおける4つのオプションを開発した。
【0145】
オプション1:固定された軸
3D空間中の2つの点が、対象のボリュームの主軸を定義する。直線が、これらの2つの点を接続する(すなわち、固定された軸)。軸は次いで、スライスが置かれるロケーションを定義する不連続点(たとえば、2ないし40個)に分割される。スライスは、交差しないように軸に対して直交に整列される。スライスは、均一に離間される必要はない。医療画像がそのスライスロケーションでどのように見えるかをユーザが見ることを可能にするために、すべてのスライスロケーションでMPRがレンダリングされる。次いで、手動または自動的のいずれかで、あらゆるスライス上に閉輪郭が作成されて、そのスライスロケーションでのボリュームの境界を定義する。あらゆるスライスロケーションで複数の閉輪郭が存在してよい。1つまたは複数のスライス上に輪郭がまったくなくてもよい。4Dまたはより高い次元のスタディ(すなわち、ボリューム変化、またはスライスごとの異なる、複数のフレームを示すスタディ)のケースにおいて、フレームごとに別個の輪郭があってよい。すべての輪郭がすべてのフレームおよびスライスについて置かれると、特定のフレームについてのすべてのスライスの輪郭を接続する3D表面が作成される。閉輪郭のセットから3D表面が作成されるやり方は、「閉輪郭からの4Dメッシュ作成」において上で説明されている。4Dまたはより高い次元のボリュームがある場合、ボリュームの変化は、各フレームのボリュームを計算し、別のフレームとは差し引くことによって計算されてよい。これは、心室機能を定量化しようとするとき、特に重要であり、それは次いで、1回拍出量および駆出率を与える。
【0146】
オプション2:動く直線軸
この方法は、4Dボリュームのケースにおいて、軸の2つのエンドポイントを定義する目標または点が各フレーム(たとえば、時間点)にわたって動いてよいことを除いて、オプション1と同様である。これは、ボリュームに、ボリュームを変えることなく、3D空間中でロケーションを潜在的に移動させる。
【0147】
オプション3:固定された曲線軸
この方法は、2つのエンドポイントを接続する線が直線でなくてよいことを除いて、オプション1と同様である。この線は、曲線であるか、または複数の直線および曲線セクションを有してよい。これは、2つのエンドポイントの間の点/ロケーションを接続するスプラインをもつシステムにおいて扱われる。これらの点/ロケーションはどこにあってもよく、必ずしも常に2つのエンドポイントの間になくてもよい。
【0148】
オプション4:動く曲線軸
この方法は、4Dボリュームのケースにおいて、曲線軸の2つのエンドポイントを定義する目標または点が各フレーム(たとえば、時間点)にわたって動いてよいことを除いて、オプション2と同様である。これは、ボリュームに、ボリュームを変えることなく、3D空間中でロケーションを潜在的に移動させる。
【0149】
上のオプションすべてにおいて、複数の軸があってよい。たとえば、1から2に分かれる「Y」形軸があってよい。ボリュームを作成するために分かれ、一緒になる直線および曲線軸の両方を有するオプションもある。これのポイントは、依然として主軸(すなわち、中心線)を有する、より複雑な形状を明らかにすることであろう。
【0150】
上のオプションすべてにおいて、3DボリュームがMPRとどのように交差するかを表示するオプションもある。交差は、1つまたは複数の閉輪郭の集合体でなければならない。これらの閉輪郭は、MPR上にレンダリングされてよい。さらに、これらの閉輪郭は、新規(非直交)ビュー中で輪郭を動かすことによって編集されてよい。交差輪郭は、クライアントならびにサーバ上の両方で計算され、またはローカルリソースに依存して、適応的であってよい。心臓撮像用に、共通非直交像は2、3、および4つの腔ビューであってよい。輪郭は、これらのビューにおいて、編集を一定の方向(すなわち、スライス面沿い)にすることを可能にするだけで編集されてよい。
【0151】
面外測定および追跡モード
心臓弁のフロー測定など、ボリュームMRIデータから、心システム中の構造に対して行われる測定は、心周期にわたって大幅に変化する構造の形状、位置、配向、および速度など、いくつかの複雑なものを扱わなければならない。測定が2D輪郭によって決定されるフローなどの測定のために、我々はこれを、3D空間を通じて動く2D輪郭を使うことによって解決する。心臓弁のケースにおいて、手動または自動的のいずれかで、フロー方向に最も垂直である面上の弁開口のボーダーに輪郭が置かれる。弁面の位置および配向は、それに従って測定輪郭が置かれて、心周期の各フェーズについて追跡される。フローの評価は、標準有限方法の統合を通じて実施されてよい。ただし、弁面が動いている場合、弁面の線形および角速度は、そのフェーズについてのフロー計算に含まれてよい。視覚化中、フェーズを通じて循環するとき、表示されるMPRの位置および配向は、動くときの弁の位置および配向に続いて、弁面を追跡することができる。現在のMPRが面外であるときに測定が視覚化される場合、輪郭は半透明にレンダリングされてよい。
【0152】
セグメント化
血液プールの連続方程式駆動型セグメント化
繰り返しになるが、非圧縮性仮定を用いる質量保存(すなわち、連続性)が、血液プール中のどこでも発散がゼロでなければならないことを示すのに使われてよい。発散をどこでも計算することによって、システムは、血液プールの程度を閾値発散値によって定義することができる。血液プールの外の発散はより大きく(すなわち、肺の中の空気)、または速度は低くなり(すなわち、静的組織中の速度信号)、これらは両方とも、内腔境界を識別するのを助ける。発散マップは、セグメント化アルゴリズムへのただ1つの入力である必要はなく、代わりに、他の入力に追加され、適切に重みづけされてよい。
【0153】
自動目標検出
自動目標検出アルゴリズムを作成するための典型的なやり方は、画像中でいくつかの形状を探し、これらの形状の間の距離および角度を測定することである。測定は、一定の帯域内にある場合、分類される。いくつかの他の生理学的入力がアルゴリズムに追加されてよい。たとえば、あらゆる心拍でかなり増大および減少する体液のボリューム(心室である見込みがある)を突き止める。心室が見つかると、弁の入口および出口は、後に続くストリームラインによって見つけられてよい。弁が見つかると、残りの弁は、典型的には常に一定の距離および角度だけ互いから離れているので、見つけるのがより容易である。
【0154】
目標を見つけるために選択されるアルゴリズムは、マシンラーニングタイプであってよい。Arterysは、臨床医によって正しい目標配置で認められたデータを絶えず収集しているので、このデータは、トレーニングセット(たとえば、データの統計的集約)として使われる必要がある。分析される必要があるあらゆるデータセットは次いで、トレーニングセットデータで構築される「図解」に相互登録されてよい。十分な数のデータセットが収集されると、病気のタイプ(すなわち、健康、ファロー四徴症など)などの追加入力パラメータが、分析されるのに先立って、データセットをビニングするのに使われてよい。あらゆるビンは、病気のタイプおよびどのような病理が期待されるかに依存して、わずかに異なる目標および測定を有する可能性がある。データセットが、単一の心室を有する患者であることが知られている場合、自動目標検出アルゴリズムは、これに合わせて調節する必要があり、というのは、このアルゴリズムは4つの弁を決して見つけないからである。
【0155】
特に、大動脈および肺動脈弁目標は、以下のプロセスを使って決定されてよい。
i)左および右心室からの動脈流に対応する領域を識別する。これを、高い信頼性で行うことが可能なフィルタが開発されている(他の箇所で記載される)。
ii)動脈流の領域を2つの領域に分離し、1つは大動脈に、1つは肺動脈に対応する。このプロセスは、心出力の下で詳しく記載される。
iii)左または右心室からのいずれかのフローに対応する一方の領域が決定されると、他方の領域が、両方のフローに対応する開始領域から差し引くことによって決定される。領域は次いで、空間中のそれらの物理的次元および配向に基づいて、左心室流または右心室流として容易に識別されることが可能である(やはり心出力の下で記載される)。
iv)フローの2つの領域が識別されると、大動脈および肺動脈弁のロケーションについての初期近似が、大きなフローを、その明らかな源にさかのぼって注意深くたどることによって決定されてよい。
v)信頼できる初期推定値が、2つの弁のロケーションについて生じられると、他の技法が、弁ロケーションを洗練するのに使われてよい。たとえば、弁のロケーションを洗練するために、初期推定値を囲む領域中の血流加速度および強度を調べればよい。
【0156】
対話式4Dボリュームセグメント化
心スキャンからの心室のセグメント化は、心室機能を決定するのに不可欠である。自動心室機能技法は、以下を伴い得る。
−スプラインの制御点を表す2つ以上の点の入力と、
−スプラインのエンドポイントは、心室および出口弁(肺または大動脈)の頂点を示す、と、
−これらの点を使って、スプライン曲線に沿った定期的間隔で、曲線の正接に設定された面法線をもつMPRを生成する、と、
−アクティブ輪郭モデルを適用して、各MPRに対して、心室の境界(心外膜または心内膜)を見つける、と、
−これらの輪郭の各々の点を使って3Dメッシュを生成する。
【0157】
アクティブ輪郭モデルは、それらに対して作用する力からの不安定性を受ける。この不安定性を低減するために、所望の出力間隔(輪郭の間の距離)で離間されるような輪郭を単に生成する代わりに、システムは、ともに非常にしっかりと離間された多くの輪郭を生成する。また、入力データが時間的データを有する場合、同じロケーションでの輪郭が、近接時間点からのデータを使って生成される。輪郭形状および品質が次いで、心室から、典型的な輪郭に対して測定される。輪郭は、十分な品質であると思われる場合、最終結果を生成する際に含められる。最終結果は、入力曲線に沿った位置および時間に接近している含められた輪郭の平均をとることによって生成される。終期収縮期と終期拡張期の両方で構築されたメッシュを用いて、ボリュームの差は、心出力および心室機能を表す。
【0158】
一例示的実装形態において、Arterysシステムおよびソフトウェアは、シングルクリック4Dボリュームセグメント化を提供する。これは、ユーザが、3Dボリュームを自由にナビゲート(すなわち、回転、パンニング、ズーミング、スライススクロール、時間スクロール)しながら、対象のエリア(たとえば、血液プール、心筋、骨など)をクリックすることを可能にする。十分な3Dボリュームセグメント化アルゴリズムは、構築し、正確であることが困難なので、第2のオプションは、ユーザがセグメント化したいエリアの境界をユーザが描く間、ユーザに対して3つの直交像を表示することである。心臓について、表示されるビューは、短軸像に加え、心臓の2、3、および4腔ビューであってよい。ユーザは、長軸で2つの直交輪郭を作成する必要のみがあり、次いで、ソフトウェアは、2つの輪郭を補間したことに基づいて、3D表面を自動的または自律的に作成することができる。3D表面は、素早い修正のために、ユーザに対して短軸に示されてよい。解剖画像を示すことに加え、対話式3Dボリュームセグメント化プロセス中に、血液プール境界がどこであるかをさらに明確にするために、血液速度画像(ベクトルありまたはなし)が、解剖画像に重ねられてよい。
【0159】
適応的フラッドフィル
システムは、フラッド中に使われる接続性(6、18、または26方向接続性)によって、2D対3D、およびステップの最大数によって半径制約対フラッド制約として区別されることが可能である様々なタイプのフラッドを利用する。すべてのケースにおいて、フラッドは、指定されたシード点から外に動くこと、ならびにピクセルが、1)フラッドの残りに(どのような接続性が指定されていても、それを使って)接続されている、2)シード点でピクセルの指定された閾値内の強度を有する、および3)ピクセルが、指定された半径またはシード点の最大数のステップ以内にある、場合、フラッドの結果にピクセルを含めることによって働く。フラッドの結果は、2または3次元の接続されたマスクである。フラッドアルゴリズムは、静的/非静的組織をマークするための3Dフラッドの形の立体中、短軸スタックにおいて輪郭を生成するのに2Dフラッドが使われてよいボリューム中、およびフラッド内に含まれるフローを決定するために血管をフラッドするのに2Dフラッドが使われてよいフロー定量化中で使われる。
【0160】
2Dフラッドから輪郭を生成するために、我々は、フラッドが必ずしも接続されないこと、およびそれがバイナリ画像であることを利用する。これらのことにより、我々は、フラッドの内側に存在する可能性があるどの穴も無視する輪郭を見出すためのアルゴリズムをたどる標準ボーダーを適用することができる。
【0161】
生成された輪郭から、次の操作は、潜在的には数百の点から、閉3次スプラインによって使われるべき制御点の小さいセットまで、生成された輪郭を低減して、実際の輪郭を正確に近似することである。輪郭の辺りで等しく離間された一定数の制御点をシステムが単に離間する単純なダウンサンプルは、他の手法のようにはうまくいかず、というのは、この手法は頻繁に、乳頭筋の周りにあったフラッドのくぼみ部分など、輪郭における重要な特徴の損失という結果になるからである。これを回避するために、いくつかの作用で進む「スマート」ダウンサンプル手法が利用される。始めに、輪郭中の各点は、−1から1にわたるコーナー強度スコアを割り当てられ、ならびに、各点に「影響」エリアを割り当てる。これが行われると、輪郭は、影響エリア内でコーナー強度が最大である点のみにまで低減される。我々が最小点間隔を有することを確実にし、我々の検出されたコーナーが十分に強力であることを確実にするなどの追加基準も、この段階において強制される。
【0162】
先行操作の結果は、フラッド中で検出された「コーナー」のリストである。これらをスプライン中の制御点として使うことによって、この手法は、スプラインが、輪郭中のどの興味深い特徴も失わないことを確実にする。ただし、元の輪郭中の比較的低い曲率のどの長い伸びもコーナーとして検出されることはなく、これは、結果として生じた輪郭の大幅な部分が、どの制御点ももたないという結果になる場合があり、そのようなセグメント中のスプラインによる乏しい近似につながる。これを回避するために、点を通じて通る元の輪郭のセグメント、およびそれらの点を通じて通るスプラインのセグメントによって形成された閉輪郭のエリアを算出することによって、制御点の各ペアについてエラーメトリックが計算される。エラーが、何らかの固定された許容差を上回る場合、別の制御点が、元の輪郭のセグメントの中点で追加される。この操作は、各セグメントが、求められる許容差を下回る計算されたエラーを有するまで繰り返される。
【0163】
このフラッド−輪郭ツールは、アプリケーション中の少なくとも2つの場所において、すなわち、ボリュームセグメント化を実施しながら、心室のスライスをフラッドするために、およびフロー定量化において使われてよい。ボリューム向けのフラッドのケースにおいて、戻された輪郭は、心室のより多くをキャプチャするために、8%膨張され、というのは、未加工フラッドフィルはしばしば、単に心臓壁に接近したピクセル強さの差のせいで、過小評価するからである。フローフラッドのために、結果は、フラッドツールが解剖に対して働きかけるので、12%膨張され、これは、膨張されていないフラッドはしばしば、血管壁の近くのフローを逃すことを意味する。
【0164】
全体的プロセス
自動化されたレポート
超音波心臓検査レポートが生成されるのと同様のやり方で、4DフローMRデータに基づく自動化されたレポートが、それらが有する患者のタイプをユーザがクリックすることを可能にすることによって作成されてよい。Arterysは、ユーザの一定の病理またはタイプ(すなわち、患者または臨床医)に特有である一意のレポートテンプレートを有する。このレポート中の値、曲線、画像、およびシネ動画はすべて、レポートテンプレートに自動的に投入されてよい。目標は、前処理ステップの一部として置かれるので、重要な情報はすべて、データベース中に自動的に保存され、このレポートにエクスポートされてよい。
【0165】
自動化された統合テスト
ウェブ技術を使ってクロスプラットフォーム固有アプリケーションを生じるために設計される、nwjsと呼ばれるツールが、自動化された統合テストを実施するのに使われる。この目的のために設計されているのではないが、それは、我々に、同じときにクライアントおよびサーバアプリケーションにわたる完全制御を可能にする同じ環境内でクライアントおよびサーバソフトウェアスタックの両方を我々が稼動することを可能にする。mochaと呼ばれるテストツールとミックスされたインフラストラクチャを使って、我々は、クライアントとの顧客対話をエミュレートするテストを書くと同時に、アプリケーションの、結果として生じた状態とともに、その対話のクライアントおよびサーバ処理の両方を明示する。統合実験のこの方法は、革新的であり、このタイプのユーザインタフェース実験のためには、ほとんど視覚ベースである他のツールより優れている。
【0166】
ハイブリッドクライアントサーバレンダリング
説明:いくつかのワークフローは、リンクされたプロパティを有する1つまたは複数の画像が同じときにレンダリングされることを求める。いくつかのケースにおいて、現在のワークフローステップは、20個の画像の同時閲覧を求める場合がある。これらの画像の各々が、異なるHTTPS要求で取り出された場合、要求を作成し、送る際に大幅なオーバーヘッドが存在するので、性能は、大きく損害を受ける。その代わりに、我々は、画像をすべて、1つの大きい画像の上にレンダリングし、その「スプライトシート」についての単一のHTTPS要求を行うだけである。クライアントは次いで、ピクセルオフセットを使うことによって画像を表示する。たとえば、ビューが、各々が256×256である4つの画像を有していた場合、スプライトシートは、256×1024であってよく、画像の各々が、別の画像の上にスタックされる。クライアントは次いで、0、256、512、および768のオフセットを使うことによって、4つの画像を256×256で表示する。
【0167】
さらに、画像中のいかなる線、マーカ、または面も、クライアント上でオーバーレイとして描かれ、オーバーレイをどのようにしてレンダリングするかをクライアントに知らせる情報は、JSONメッセージを介してサーバから来る。これは、オーバーレイがサーバ上でレンダリングされ、次いで、JPEGとして符号化され、送信されるべきであった場合よりも高い品質の、オーバーレイデータのレンダリングを提供する。
【0168】
自動化された大域的耐性および応力実験
負荷実験および耐性実験を実施するために、我々は、我々が実行環境に対する完全制御を有する専門ウェブブラウザを開始するために、多数のコンピュータ(地理的に分散されてよい)上で多数のクライアントプロセスを起動する。それらは、アプリケーションを対象とし、規定のブラウザがするようにクライアントをロードし、次いで我々は、ソフトウェアを制御するとともに一定の作業負荷として振る舞わせるクライアント状態と直接対話する。クライアントおよびサーバメトリックは、負荷実験中に記録され、耐性実験のために、より長い期間稼動されることが可能である。
【0169】
データを医療デバイスからリモートサーバにプッシュするプッシャ
我々は、活発なスタディを監視し、結果をクラウド中の我々の遠隔サービスにプッシュするためのソフトウェアを開発した。スキャナによって生成されるファイル用のフォルダが監視され、完了すると、すべての関連データが合わせてバンドリングされ、認可のために、スキャナごとに一意の秘密およびキーを使う安全な接続を介して、我々の遠隔クラウドサーバにプッシュされる。ディスク空間(たとえば、非一時的記憶媒体)使用は、どの中間ファイルも直ちに消去することによって最小限にされる。
【0170】
成功した転送のとき、転送された内容のデータ完全性が、パッケージプロセスを再生し、暗号学的ハッシュ関数の出力を比較することによって、ローカル内容と突き合わせて検証される。このようなプロセスを繰り返すことは、Arterysサーバへのデータの時期尚早な転送をトリガすることがあるスキャニングプロセス中の遅延のケースにおいて、スキャンによって生成された可能性があるどの新規データも見落とされなかったことを確実にする。
【0171】
失敗した転送のケースにおいて、サーバまたはネットワークエラーのせいで、転送が失敗だったとプッシャが仮定する前に、各試行の間の残りの、増大する間隔で、構成可能な数の試行が行われる。ただし、失敗した転送(すべての後続試行を含む)の後、プッシャは、着信ファイルを監視し続け、以降の時間に別の転送を試み直す。
【0172】
データが首尾よく転送されたと検証されると、データは、我々のソフトウェアによって削除されて、スキャナ上のディスク空間を保存する。
【0173】
スキャナのローカルログデータおよび詳細な状況情報を提供するあらゆるスキャナ上で稼動する各プッシャソフトウェアから心拍メッセージが送られ、継続的監視および増大された応答時間を提供して、不可欠なスキャン時間中のスキャナ機能性を確実にする。
【0174】
初期インストール中、スキャナは、認可目的のためにすべての将来の要求に署名するための一意の秘密およびキーを要求することによって、Arterysに自動的に登録する。スキャナは、我々のシステムデータベース中に登録されるが、どの団体にも付加されない。技師は次いで、すべての最近登録されたスキャナを、ウェブポータルを通じて正しい団体に付加することが可能である。
【0175】
プッシャは、Arterysに対して新規バージョンを定期的に要求することによって、自動更新する(構成されない場合)ことが可能である。新規バージョンは、提供された場合、それ自体の新規コピーをインストールし、リスタートする。これは、技師からの介入なしで、セキュリティおよび機能性更新がスキャナに展開されることをできるようにする。心拍メッセージは、Arterysサーバに対するこの操作の成功を確実にすることを求められる情報を提供する。心拍は、我々が、最近更新されていないどのプッシャも決定し、病院に直接接触することを可能にして、すべてのソフトウェアが最新および安全であることを積極的に確実にする。
【0176】
図3は、例示的なプロセス300を示す。
【0177】
プラー−アーティファクトのアーカイブ
プラーソフトウェアは、病院で、生成されたアーティファクトをアーカイブするのに使われる(たとえば、PACS)。それは、病院のネットワーク内でインストールされ、プッシャと同様の方法を使って、それ自体をArterysに自動的に登録する。何らかの識別用情報で要求が行われ、秘密およびキーペアが、認証および認可目的で将来の要求に署名するために戻される。プラーは次いで、ウェブポータルを通じて技師によって団体に付加される。
【0178】
インストールプロセスに自動的に含まれる一意のキーおよび秘密を用いて、団体向けのバージョンを直接ダウンロードすることも可能であり、したがって、インストールされると、プラーを自動登録し、付加する必要がない。
【0179】
アーティファクトエンドポイント向けの構成は、Arterysサーバ上で行われる。ホスト名、ポート、AEタイトル、およびプラーがデータをそこに転送する必要がある他のどの必要な情報ももつ、複数のロケーションが構成されてよい。これらのエンドポイントは名前がつけられてよく、臨床医によって、自分たちのアーティファクト(レポート/スクリーンショット/ビデオ)をどこにアーカイブしたいかを選ぶとき、ArterysウェブUIから選択可能である。
【0180】
プラーは、定期的および頻繁な間隔でArterys APIに対してリストを要求することによってアーティファクトを監視する。アーティファクトのリストは、一意のid、およびアーティファクトが記憶される、エンドポイントについての構成情報すべてを含む。一意のIDは、Arterysサーバからアーティファクトを取り出すための、別のAPI要求への入力として使われる。アーティファクトは、求められる場合はアンジップされ、リスト要求(たとえば、storescp)に含まれる構成によって定義された構成および方法を使って転送される。すべてのデータが転送されると、提供されたIDを使う別のAPI要求がArterysに対して行われて、アーティファクトをアーカイブ済みとしてマークし、それは、プロセスループ中の最初の要求によって生成されたリスト中にそれ以上現れない。アーティファクトが、アーカイブ済みとしてマークされると、Arterysサーバは、アーカイバルが完了したことをユーザに通知する。
【0181】
プラーは、すべてが期待されている通りに機能していることを検証し、確実にするのを助けるための詳細なログを提供するArterysに対して、心拍要求を送る。プラーはまた、時々、すなわち構成可能な時間に(たとえば、1時間または1日に一度)、プラーソフトウェアの新規バージョンについて、ArterysへのAPI要求を行う。新規バージョンは、利用可能な場合、ダウンロードされ、インストールされ、プラーはそれ自体をリスタートする。
【0182】
アーティファクトのリストを取り出すための例示的要求
【0183】
【表1】
【0184】
図4は、アーティファクトおよびアーチングを監視する例示的プロセス400を示す。
【0185】
PHIサービス
我々は、サービスプロバイダに機密情報を開示することなく、サービスからクライアントアプリケーションに機密患者情報を安全に配信するための方法を開発した。
【0186】
サービスプロバイダに送られる前のデータは、サービスに登録されている、すべての患者識別可能健康情報を取り去られ、元の機密データは、サービスによって提供される一意のトークン識別子で置き換えられる。
【0187】
サービスプロバイダと対話しているときのクライアントは、これらのトークンを識別し、トークンを機密患者健康情報で置き換えるのに、独立トランスポートレイヤを使う。
【0188】
以下は、このようなシステムの可能な実装形態の例である。
行為者:
クライアントソフトウェアと統合するユーザ(ユーザ)
クライアントアプリケーション(クライアント)
機密患者情報を保持するサービス(サービス)
アプリケーションサービスプロバイダ(asp)
1.ユーザは、aspに送りたいファイルのセットを、ソフトウェアに示す。
2.各ファイル機密について、すべての機密情報が、jsonフォーマットで集められ、http要求上でサービスに登録される。
例:
POST https://sensitive.arterys.com/register−data HTTP/1.0

“PatientName”:“Franklin¥Benjamin”
“Birthdate”:“1706−01−17”

returns
Location:“/4217ad2b78fff7eb9129a58b474efb3e”
3.機密データは、#{PatientName}などのプレースホルダで置き換えられ、次いで、データは、サービスから戻されたロケーションurlとともにアップロードされる。
4.クライアントがアプリケーションサービスプロバイダからデータをロードするとき、これらの機密トークンを含むストリングは、クライアントアプリケーションに、サービスプロバイダに対してデータを要求させる(個々に、または一括して、のいずれかで)。
例:
GET https://sensitive.arterys.eom/4217ad2b78fff7eb9129a58b474efb3e#PatientName
returns
“Franklin¥Benjamin”
5.クライアントは、トークンを機密情報で代用する。
注:認可のために、我々は、saml2などのssoを使う場合がある。
【0189】
作業空間
作業空間は、医療ソフトウェア全体でアプリケーション状態のサブセットを記憶し、共有するという問題に対する解決手段である。
【0190】
作業空間は、どの分析も含むスタディのアプリケーション状態を含み、ロードされると、アプリケーションへと前の状態を復元する。アプリケーション状態は、測定およびecc補正値などを含むスタディ検討など、特定の懸念に関連した構成要素状態のサブセットを含む。
【0191】
作業空間は、ユーザがソフトウェアと対話する間、ロードされ、絶えず更新されてよい。ユーザは、スタディを初めてロードするとき、個人的なデフォルト作業空間から始め、、リロードするとき、直近に使われた適用可能作業空間がロードされる。
【0192】
ユーザは、グループまたはより多くのユーザにスタディを公表することができ、これは、レポート生成および外部システム通知のためのトリガとしても働くことができる。
【0193】
公表された作業空間を初めて開くとき、作業空間の個人的コピーが作成され、そして後続リロードにおいてもロードされる。公表されたスタディは不変であり、決して修正されてはならない。
【0194】
医療撮像を用いるマシンラーニング
クラウドインタフェースを用いると、今では、マシンラーニングを使って予測を見出すために、複数のソースからの統計を集約することが可能である。これらの複数のソースは、団体における複数の人々、またはそれどころか世界中に分散された複数の団体によって生成された結果であってよい。集約されることが可能である統計は、医療撮像ピクセルデータ、医療撮像メタデータ(たとえば、DICOMヘッダ)、およびたとえば患者の電子医療記録(EMR)であってよい。ラーニングは、ユーザレベルで、団体レベルで、またはそれどころかマクロレベルで(たとえば、大域的に)適用されてよい。
【0195】
医療画像を自動的に定量化し(たとえば、注釈をつけ、測定し、セグメント化し)ようとするケースにおいて、ディープラーニング、マシンラーニングまたは人工知能の2つの異なるカテゴリがあってよい。医療撮像アプリケーション用には、そこから学習するべき十分なデータがないので、監視されるラーニングがより適切である。可能な限り有効に学習するために、クラウドユーザインタフェースは、構造化された様式でユーザがデータにラベルを追加することを可能にするようにあつらえられている。たとえば、心血管撮像のケースにおいて、ユーザは、いくつかの測定を行い、測定に、自分が望むようにラベル付けすることができる。完全にユーザ定義されたフィールドを可能にする代わりに、Arterysが提供する、予め定義されたリストからラベルをユーザが選択するためのオプションがある。これを行うことによって、我々は、構造化および自動化された様式でデータにラベルを追加することができる。ラベル付けされたデータは、アルゴリズムが、新規のラベル付けされていないデータに基づいて出力結果を予測することができるように、マシンラーニングアルゴリズム(すなわち、ランダムフォレストまたはディープラーニングCNNまたはRNNのように)に供給するためのトレーニングデータセットとして作用する。たとえば、ユーザ検討プロセスにおける1つの任意選択のステップは、彼らが、自分がデータに追加したラベルに満足であることを確認するように自分の作業空間または状態を「公表する」ものである。「公表」機構は、ユーザが「保存する」ためにクリックする、ユーザインタフェースにおけるアイコンであってよく、またはアーカイブするために(たとえば、病院PACSサーバに)送られる結果であってよい。ダミー測定および注釈を作成するユーザを、真の臨床測定および注釈を作成するユーザと見分けるやり方だけが存在する必要がある。
【0196】
クラウドインタフェースの利益は、提供された提案に対する、システムインタフェース内で、ユーザがいかなる修正も行う度に、この修正が次いで、マシンラーニングラベル付きデータに保存され、フィードバックされることである。これは、非常に価値あるトレーニングデータを追加する補強ラーニングループを作成する。マシンラーニングアルゴリズムによって提供された提案は、ユーザがログインしたときに一度、またはユーザがセッション中に修正を行う度にリアルタイムに提供されればよい。たとえば、ユーザが、解剖である医療画像中のボクセルを識別したとき、すべての同様のボクセルが、セッション中にリアルタイムに識別されてよい。
【0197】
特定の治療の出力結果を予測し(かつ、結果として生じた確率測度を与える)、またはどの治療選択が特定の患者により適しているかを予測しようとするケースにおいて、EMRからのデータは不可欠である。ラベル付けされた医療デバイスデータ(たとえば、医療撮像、ゲノムデータ、装着品)へのアクセスを有することは、最良治療決定を決定するのに十分でない。このデータは、同様の医療デバイスデータを有する新規患者に予測をもたらすように、すべての遡及ケースにわたって集約される必要がある。
【0198】
マシンラーニングはまた、医療画像中での探索に使われてよい。ユーザは、探索フィールドにタイプ入力し、たとえば特定のタイプの疾患を有するすべての画像を見つけることができる。ユーザは次いで、提示されたスタディがすべて、この疾患を有することを検証することができ、このデータは次いで、トレーニングデータセットにフィードバックされてよい。
【0199】
ピクチャおよびビデオサービス−我々は、ユーザが、ユーザのワークフローの現在の状態のピクチャおよびビデオをキャプチャすることが可能であることを望む。これらの画像およびビデオは、我々のサーバ上で生成された画像データと、クライアントブラウザ上でレンダリングされたオーバーレイの両方を含む必要がある。これを遂行するために、我々は、我々のクライアントとサーバソフトウェアスタックの両方を同じ環境内で我々が稼動することを可能にするnode−webkitベースビデオサービスを有している。我々は次いで、ユーザの作業空間の現在の状態をnode−webkit環境上で復元し、そのユーザのセッションに割り振られた同じ計算ノードを活用する。ユーザによって単一のピクチャが要求される場合、サービスは単に、復元された作業空間のスクリーンショットを撮り、結果として生じた画像ファイルが戻される。ビデオ要求のケースにおいて、サービスは、現在のワークフローの各フレームについてのスクリーンショットを撮り、ビデオエンコーダを使って、スクリーンショット画像をビデオファイルにコンパイルし、それは次いで、戻される。戻された画像またはビデオは、サーバ上で記憶されるか、または閲覧されるようにクライアントに対して返送されてよい。
【0200】
以下は、ピクチャおよびビデオサービスのための詳細なソフトウェア設計の例である。
スクリーンショットおよびビデオキャプチャ
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
要件
^^^^^^^^^^^^^
*スクリーンショットは、ユーザが現在、ビューポートエリアにおいて見ているもののレンダリングであるべきである
*ビデオは、時間を通じて循環されるmprであってよい
*ビデオは、補間されることが可能であるパラメータを補間する中間物をもつキーフレームの集合体から生成されてよい
*ビデオは、ユーザ対話記録であってよい
*出力は、ビューポート上にあるあらゆるもの(画像、webglオーバーレイ、cssオーバーレイ、...)を含むべきである
*スクリーンショットおよびビデオフレームはフル品質であるべきである
設計
^^^^^^^
我々は、クライアント上であらゆるものをレンダリングするので、クライアントが画像を生成することを必要とする。
【0201】
残念ながら、ビデオをアップロードすることは、ネットワーク状況の大多数において禁止される。
【0202】
したがって、スクリーンショット/ビデオサービスは、クライアントレンダリング技術を使うクラスタ中で稼動する。
【0203】
それは、要件において定義された機能性を提供するために、http上でインタフェースを露出する。
【0204】
サービスは、ノードウェブキットプロセスをオンデマンドでスピンアップして、要求が入ってくるとビデオおよびスクリーンショットをレンダリングする。
【0205】
画像または画像の集合体をレンダリングするための要求を受信すると、サービスは、ノードウェブキットプロセスを起動し、ユーザのワークリスト用の署名付きURLにリダイレクトする。
【0206】
node−webkitプロセスは次いで、スタディをロードし、ユーザの作業空間を注入する
次に、各フレームが十分な品質でレンダリングされる。
【0207】
フレームがレンダリングされると、node−webkitは、X11スクリーンキャプチャを実施し、キャンバスビューポートにクロップする。
【0208】
画像はディスクへ保存される。
【0209】
すべてのフレームがキャプチャされると、サービスはスクリーンショットを戻し、またはビデオのケースにおいては、
ビデオがエンコードされ、戻される。
データフロー
^^^^^^^^^^
*ユーザが、スクリーンショットまたはビデオについての要求を始動する。
*ウェブサーバが要求を受信する
*node−webkitプロセスが開始される
*node−webkitプロセスが、求められたスタディをロードすることを認証されたセッションを開く
*要求されたスタディがロードされる
*要求中の作業空間がスタディに注入される
*作業空間ロード(ストリームラインのような長く稼動するタスクを含む)が完了すると、キーフレームをレンダリングし始める
*あらゆるフレームが、デバウンスした画像コマンドなしで、十分な品質でレンダリングされる
*画像がレンダリングされるとき、X11スクリーングラブ(xwd)がウィンドウ上で実行される
*画像は、ビューポートへクロップされ、ディスクへ保存される
*ビデオが要求された場合、画像が生成されると符号化が稼動する
*すべての画像が完了すると、.pngまたは.mp4でhttp応答が返送される
*ウェブサーバが結果を受信すると、結果は、S3で保存され、参照はデータベースへ保存される
追加ツールおよび最適化
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
*node−webkitはwebglを求めるので、サービスは、G2インスタンス上で稼動する必要がある
*「x11−apps」におけるプログラム「xwd」がウィンドウをキャプチャすることができる
*ImageMagick「convert」は、xwdをpngにコンバートすることができる
*ffmpegは、.pngの集合体から.mp4を生成するのに使われてよい
詳細
^^^^^^^
スクリーンショット
+++++++++++
クライアントメッセージ:
−−−−
ws.emit(‘generate−screenshot’,params);
−−−−
params:
−−−−

workspace_id:‘workspace−id’,
id:‘app−id’,
study_id:‘study−id’,
upload_id:‘upload−id’,
window_width:‘browser_window_width’,
window_height:‘browser_window_height’,
hostname:window.location.hostname,
port:window.location.port,
pathname:‘/app/xxx’

−−−−
ビデオ
+++++
クライアントメッセージ:
−−−−
ws.emit(‘generate−screenshot’,params);
−−−−
params:
−−−−

//スクリーンショットプラスと同じ
render_frames:[

orientation:[1,0,0,0,1,0,0,0,1],
position:[0,0,0],
time point:1
...
},

orientation:[0,1,0,1,0,0,0,0,1],
position:[0,0,0],
time point:2
...

...
],
betweens:optional_number_of_frames_to_interpolate_between_frames

−−−−
ウェブサーバハンドラ
+++++++++++++++++
「generate−screenshot」用のメッセージハンドラは、ウェブキットサービスに対して送られるargsに現在の作業空間を付加する
webkit−clientモジュールは次いで、ウェブキットサービスのうちの1つに対して要求を送るのに使われる。
【0210】
応答が受信されると、記録がデータベースに挿入され、画像またはビデオが記憶される。
Webkit−Client
+++++++++++++
webkit−clientモジュールは、スクリーンショット要求を、それを扱うことができるノードに対して経路指定することを担当する。
【0211】
webkit−clientは、現在稼動しているウェブキットノードによって公表されるredisメッセージに加入する。
【0212】
これらのメッセージは、それで稼動しているapp−idで稼動している、node−webkitの既存のインスタンスを含む。
【0213】
要求が受信されると、webkit−clientは、要求されたapp−idで稼動するnode−webkitをすでに有しているノードを見つけようと試みる。
【0214】
あるいは、セッションがまだ作成されていない場合、最小数の稼動セッションをもつノードを選ぶ。
【0215】
ノードは、識別されると、HTTPS上でそのホストに対してメッセージを送る。
【0216】
引数が、本文中で、経路「/webkit/execute」までのPOST中のJSONとして送られる。
【0217】
結果が戻ると、タイプ(image/pngまたはvideo/mp4)を、収集された他の有用情報(たとえば、タイミング情報、サイズ)とともに含むバイナリおよびJSONブロブで、コールバックが呼び出される
−−−−
function execute(args,cb){
https.request(‘POST’,‘/webkit/execute’,JSON.stringify(args),function(res){
cb(null,{
binary:res,
json:{type:headers[‘content−type’],info:{generation_start_time:<date>,generation_end_time:<data>}}
});
});

−−−−
Webkit−Service
++++++++++++++
webkit−serviceは、スクリーンショットおよびビデオを生成するためにHTTPSインタフェースを露出するマイクロサービスである。
【0218】
webkit−serviceは、「/webkit/execute」でPOST要求のみをリッスンする。
【0219】
「/webkit/execute」へのPOSTを受信すると、webkit−contextを作成し、スクリーンショットまたはビデオについての要求をキューに入れる。
【0220】
このモジュールはまた、特殊「webkit−screenshot」ユーザに関連付けられたauthトークンを付加することによって、node−webkitからウェブサーバに対して送られる要求を認可することを引き受ける。
【0221】
Webkit−Context
++++++++++++++
webkit−contextモジュールは、スクリーンショットまたはビデオを生成するように稼動するnode−webkitプロセスを管理することを担当する。
【0222】
作成されると、webkit−contextは、中間結果を記憶するための作業ディレクトリを作成する。
【0223】
次に、それは、単純な「index.html」および「package.json」ファイルを作業ディレクトリ中にコピーすることによって、node−webkitを構成し、引数を含む「args.json」が、スクリーンショット/ビデオをレンダリングするためにコンテキストに渡される。
【0224】
次いで、node−webkitが開始され、スクリーンショットを生成するプロセスを通じて稼動する。
【0225】
node−webkitが退出すると、webkit−contextは、それで応答するための適切なスクリーンショットまたはビデオファイルを探す。
【0226】
app−idごとにただ1つのスクリーンショットが、一度に稼動することができる。
【0227】
webkit−contextは、ウェブサーバがスクリーンショットおよびビデオ要求を経路指定することができるように、redisにおいてそれ自体を登録する。
Node−Main
+++++++++
node−mainモジュールは、node−webkit中で稼動するブリッジモジュールである。
【0228】
node−webkitは、開始すると、「global.window」変数が定義されるまで待ち、次いで、args.jsonファイルを読み込み、スクリーンショットを生成するためのステップを実行し始める。
【0229】
これらの引数は、ウィンドウを作るための幅×高さと、window.location.hrefをどこに対してリダイレクトするかを示す。
【0230】
それは、ウェブソケット接続を示すArterys定義変数であるglobal.window.ioを設定する、ウェブサイトへのリダイレクト点を仮定する。
【0231】
ウェブソケット接続が行われると、「load−study」コマンドを呼び出し、「load−workspace−complete」を待つ。
【0232】
作業空間を復元することによって呼び出された可能性があるすべてのコマンドが終了されると、node−mainは、画像をキャプチャし始める。
【0233】
「args.json」がフィールド「render_frames」を含んでいた場合、それは、画像を生成する各々を通じて反復する。
【0234】
Xwindowをダンプするためのxwdを呼び出すことによって、画像が生成される。
【0235】
ImageMajick convertが次いで、pngにコンバートし、「.ar−content−body−canvases」へクロップするのに使われる。
【0236】
生成された複数の画像があった場合、画像の集合体をh.264符号化ビデオ中に符号化するために、ffmpegが呼び出される。
【0237】
スクリーンショットまたはビデオが作成されると、node−webkitはクリーンに退出する。
【0238】
いかなるエラーも、node−webkitを非ゼロコードで退出させ、これは、スクリーンショットが失敗したことをwebkit−contextに対して示す。
【0239】
上述した自動化された手法は、従来の手法において固有である、解剖学的構造およびフローを識別する際の主観性を取り除き、高いレベルまたは再現性を提供する。この再現性は、MRIデータ向けの新規使用法を可能にする。たとえば、単一の患者についてのMRIデータが、異なるセッションにわたって傾向について確実に検討されることが可能である。さらに驚くべきことに、複数の患者についてのMRIデータが、母集団または人口統計にわたる傾向について確実に検討されることが可能である。
【0240】
上述した様々な実施形態は、さらなる実施形態を提供するように組み合わされてよい。それらが本明細書における特定の教示および定義と矛盾しない程度まで、2011年7月7日に出願した特許文献1、2012年7月5日に出願した特許文献2、2014年1月17日に出願した特許文献3、2015年1月16日に出願した特許文献4、2016年7月15日に出願した特許文献5、2015年11月29日に出願した特許文献6、2016年10月31日に出願した特許文献7、および2016年11月1日に出願した特許文献8を含むが、それに限定されない、本明細書において参照され、かつ/または出願データシートにおいて列挙される米国特許、米国特許出願公報、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許公開のすべてが、全体が参照によって本明細書に組み込まれている。実施形態の態様は、必要な場合、さらなる実施形態を提供するために、様々な特許、出願および公開のシステム、回路および概念を利用するように修正されてよい。
【0241】
これらおよび他の変更は、上記詳細な説明を鑑みて、実施形態に対して行われてよい。概して、添付の請求項において、使われる用語は、本明細書および請求項において開示される特定の実施形態に請求項を限定することが企図されるべきではなく、そのような請求項が権利を与えられる十分な範囲の等価物とともに、すべての可能な実施形態を含むことが企図されるべきである。したがって、請求項は、本開示によって限定されない。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5